JP2004002306A - イミノヒドロキサム酸の金属錯体 - Google Patents

イミノヒドロキサム酸の金属錯体 Download PDF

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Abstract

【課題】オレフィンの高分子量ポリマー形成に適した担持触媒及びこの担持触媒を用いた重合方法の提供。
【解決手段】式I:
Figure 2004002306

で表されるオレフィンの重合に適した新規錯体、この金属錯体を必要に応じ、シリカゲルあるいはアルミノシリケートゲルに担持した。前記錯体触媒とアルミノキサンのような活性化剤と組合せオレフィンの重合及び共重合に用いる。
【選択図】なし

Description

【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化3】
Figure 2004002306
【0003】
[但し、NuがO、S、N−R4*、P−R4*から選択され、
MがNi、Pdから選択され、
hが0〜4までの整数であり、
Xが同一でもまたは異なっていても良く、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル及びC〜C14アリールから選択され、
、R、R4*が同一でもまたは異なっていても良く、
水素、
置換または無置換のC〜C18アルキル、
1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有し且つ単結合を介して結合される置換または無置換のC〜C18アルケニル、
置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、
〜C13アリールアルキル、
無置換のC〜C14アリール、あるいは以下の置換基:すなわち、置換または無置換のC〜C18アルキル、置換または無置換のC〜C18アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、C〜C14アリール、ハロゲン、置換または無置換のC〜Cアルコキシ、C〜C14アリールオキシ、SiR及びO−SiRから選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換されたC〜C14アリール、
単結合を介して結合される無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、あるいは以下の置換基:すなわち、置換または無置換のC〜C18アルキル、置換または無置換のC〜C18アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、C〜C14アリール、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜C14アリールオキシ、SiR及びO−SiRから選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換され且つ単結合を介して結合される5員または6員の窒素含有へテロアリール基、
から選択され、
【0004】
が無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、あるいは無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基を表わし、
がC〜C18アルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜C18アルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、または無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基を表わし、且つ
隣接基R〜RまたはR4*が相互に合体して、置換または無置換のC〜Cアルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜Cアルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、及びC〜C14アリールから選択される置換基を有していても良い5〜12員環を形成しても良く、
が非荷電の有機または無機配位子を表わし、
〜Rが同一でもまたは異なっていても良く、水素、C〜Cアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル及びC〜C アリールから選択される。]
で表される錯体に関する。
【0005】
更に本発明は、式Iで表される錯体を使用するオレフィンの重合法を提供する。
【0006】
オレフィンの重合体及び共重合体は、経済上極めて重要である。なぜなら、多量のモノマーが容易に入手可能であり、そして製造方法(製造処理)または処理パラメータを変更することによりポリマーを広範囲に変更可能だからである。製造処理において、使用される触媒が特に重要である。チーグラ−ナッタ触媒の他に、中心原子が、メタロセン触媒(H. −H. Brintzinger et al., Angew. Chem. 1995, 107, 1225)におけるZrであるばかりでなく、Ni若しくはPd(WO96/23010)またはFe若しくはCo(例えばWO98/27124)であるような詳細に試験された金属を含む、種々のシングルサイト触媒に対する重要性が高まっている。Ni、Pd、Fe及びCoの錯体は、後周期遷移金属の錯体とも称されている。
【0007】
メタロセン触媒は、工業的に使用する場合に不都合がある。最も屡々使用されるメタロセン、すなわちジルコノセン及びハフノセンは、加水分解に対して敏感である。更に、殆んどのメタロセンは、多くの触媒毒、例えばアルコール、エーテルまたはCO(これにより、モノマーを注意して精製する必要がある)に対して敏感である。
【0008】
NiまたはPd錯体(WO96/23010)は、商業上殆んど関心のない高分岐ポリマーの形成を促進するが、FeまたはCo錯体を使用することにより、コモノマーの割合が極めて低い、殆んど直鎖のポリエチレンを形成する。
【0009】
EP−A0874005では、他の重合活性錯体を開示している。この錯体は、サリチルアルジミン配位子を含むTi錯体であるのが好ましい。これも同様に、アルジミンの窒素にフェニル置換基または置換フェニル置換基を有し(18〜23頁)、またはその他に、アルジミンの窒素が6員環に導入されている(31〜32頁)。しかしながら、これにより、材料として適合性の限定された低分子量のポリエチレンが得られる。更に、EP−A0874005に開示されている全ての配位子において、酸素原子が、容易に入手可能な出発材料の選択を限定するフェノール系の一部となっている。
【0010】
US2001/0025007では、式A及びB:
【0011】
【化4】
Figure 2004002306
【0012】
[但し、G、R及びR’が炭化水素基を表し、Uがアルコキシ等の基であり、そしてVがCR、N及びPRから選択される。]
で表される化合物及びこれらの、オレフィンの重合用触媒としての使用法を開示している。しかしながら、かかる錯体A及びBの合成は、どちらかと言えば複雑である。更に、錯体A及びBのプロセス工学パラメータは、改善可能である。
【0013】
G. J. P. Britovsek 等がAngew. Chem. 1999, 111, 488及びAngew. Chem. Int. Ed. Engl, 1999, 38, 428において説明しているように、極めて用途の広い重合活性錯体に関する研究を継続するのは重要である。なぜなら、ポリオレフィンは、経済的に極めて重要だからである。プロセス工学の関係で、特に有利な特性を有する重合活性錯体を見出すことに関心がある。
【0014】
しかるに、本発明の目的は、
オレフィンの重合に適当な新規錯体を提供して、高分子量のポリマーを形成し、
本発明の錯体を製造する方法を提供し、
本発明の錯体を使用するオレフィンの重合法または共重合法を提供し、
オレフィンの重合用担持触媒、更に本発明の錯体を使用する本発明の担持触媒の製造方法を提供し、
本発明の担持触媒を使用してオレフィンを重合及び共重合することである。
【0015】
本発明者等は、上記目的が冒頭に定義された式Iで表される構造を有する錯体を用いることにより達成されることを見出した。
【0016】
式Iにおいて、各記号は、以下の通りに定義される:
NuがO、S、N−R4*、P−R4*から選択され、酸素及びN−R4*が好ましく、
Mが酸化状態+2のNi及びPdから選択され、Niが特に好ましく、
hが0〜4までの整数であり、0であるのが好ましく、
Xが同一でもまたは異なっていても良く、
ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素、
〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル及びn−オクチル、好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、特に好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、
〜C12シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、
〜C13アリールアルキル、好ましくはC〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ネオフィル(1−メチル−1−フェニルエチル)、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル及び4−フェニルブチル、特に好ましくはベンジル、及び
〜C14アリール、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル及び9−フェナントリル、好ましくはフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチル、特に好ましくはフェニル、
から選択される。
【0017】
Xはハロゲンであるのが好ましい。
【0018】
、R及びR4*が同一でもまたは異なっていても良く、
水素、
〜C18アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルおよびn−オクタデシル、好ましくはC〜C12アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル及びn−ドデシル、特に好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、
【0019】
置換C〜C18アルキルの例は、以下の通りである:モノハロゲン化またはポリハロゲン化C〜Cアルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ペルフルオロプロピル及びペルフルオロブチル、特に好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びペルフルオロブチル、
1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有し且つ単結合を介して結合されるC〜C18アルケニル、例えばビニル、1−アリル、3−アリル、ω−ブテニル、ω−ペンテニル、ω−ヘキセニル、1−cis−ブタ−1,3−ジエニル及び1−cis−ヘキサ−1,5−ジエニル、
置換C〜C18アルケニルの例は、以下の通りである:イソプロペニル、1−イソプレニル、α−スチリル、β−スチリル、1−cis−1,2−フェニルエテニル及び1−trans−1,2−フェニルエテニル、
〜C12シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、
置換シクロアルキルの例は、以下の通りである:2−メチルシクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、cis−2,4−ジメチルシクロペンチル、trans−2,4−ジメチルシクロペンチル、cis−2,5−ジメチルシクロペンチル、trans−2,5−ジメチルシクロペンチル、2,2,5,5−テトラメチルシクロペンチル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、cis−2,6−ジメチルシクロヘキシル、trans−2,6−ジメチルシクロヘキシル、cis−2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル、trans−2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル、2−メトキシシクロペンチル、2−メトキシシクロヘキシル、3−メトキシシクロペンチル、3−メトキシシクロヘキシル、2−クロロシクロペンチル、3−クロロシクロペンチル、2,4−ジクロロシクロペンチル、2,2,4,4−テトラクロロシクロペンチル、2−クロロシクロヘキシル、3−クロロシクロヘキシル、4−クロロシクロヘキシル、2,5−ジクロロシクロヘキシル、2,2,6,6−テトラクロロシクロヘキシル、2−チオメチルシクロペンチル、2−チオメチルシクロヘキシル、3−チオメチルシクロペンチル、3−チオメチルシクロヘキシル及び他の誘導体、
【0020】
〜C13アリールアルキル(C〜C13アラルキル)、好ましくはC〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ネオフィル(1−メチル−1−フェニルエチル)、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル及び4−フェニルブチル、特に好ましくはベンジル、
〜C14アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル及び9−フェナントリル、好ましくはフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチル、特に好ましくはフェニル、
以下の置換基:すなわち、
〜C18アルキル:例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル及びn−オクタデシル、好ましくはC〜C12アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシルまたはn−デシル、特に好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、
【0021】
置換C〜Cアルキル:例えばモノハロゲン化またはポリハロゲン化C〜Cアルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ペルフルオロプロピル及びペルフルオロブチル、特に好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びペルフルオロブチル、
1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有するC〜C18アルケニル:例えば、ビニル、1−アリル、3−アリル、ω−ブテニル、ω−ペンテニル、ω−ヘキセニル、1−cis−ブタ−1,3−ジエニル及び1−cis−ヘキサ−1,5−ジエニル、
置換C〜C18アルケニル:例えば、イソプロペニル、1−イソプレニル、α−スチリル、β−スチリル、1−cis−1,2−フェニルエテニル及び1−trans−1,2−フェニルエテニル、
〜C12シクロアルキル:例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、
〜C13アリールアルキル:好ましくはC〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ネオフィル(1−メチル−1−フェニルエチル)、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル及び4−フェニルブチル、特に好ましくはベンジル、
〜C14アリール:例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル及び9−フェナントリル、好ましくはフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチル、特に好ましくはフェニル、
【0022】
ハロゲン:例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、特に好ましくはフッ素及び塩素、
〜Cアルコキシ:例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシ及びイソヘキソキシ、特に好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びn−ブトキシ、
〜C14アリールオキシ:例えば、フェノキシ、o−クレジルオキシ、m−クレジルオキシ、p−クレジルオキシ、α−ナフトキシ、β−ナフトキシ及び9−アントリルオキシ、
シリル基SiR(但し、R〜Rが独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル及びC〜C14アリールから選択される。):好ましくはトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキシルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル及びトリ−p−キシリルシリル、特に好ましくはトリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリル、
シリルオキシ基O−SiR(但し、R〜Rが独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル及びC〜C14アリールから選択される。):好ましくはトリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、ジエチルイソプロピルシリルオキシ、ジメチルヘキシルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ、トリベンジルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ及びトリ−p−キシリルシリルオキシ、特に好ましくはトリメチルシリルオキシ及びtert−ブチルジメチルシリルオキシ、
から選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換された、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル及び9−フェナントリル等のC〜C14アリール、
【0023】
単結合を介して結合される5員または6員の窒素含有へテロアリール基、例えばN−ピロリル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、N−インドリル及びN−カルバゾリル、
以下の置換基:すなわち、
〜C18アルキル:例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル及びn−オクタデシル、好ましくはC〜C12アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル及びn−デシル、特に好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、
置換C〜Cアルキル:例えばモノハロゲン化またはポリハロゲン化C〜Cアルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ペルフルオロプロピル及びペルフルオロブチル、特に好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びペルフルオロブチル、
【0024】
1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有するC〜C18アルケニル:例えば、ビニル、1−アリル、3−アリル、ω−ブテニル、ω−ペンテニル、ω−ヘキセニル、1−cis−ブタ−1,3−ジエニル及び1−cis−ヘキサ−1,5−ジエニル、
置換C〜C18アルケニル:例えば、イソプロペニル、1−イソプレニル、α−スチリル、β−スチリル、1−cis−1,2−フェニルエテニル及び1−trans−1,2−フェニルエテニル、
〜C12シクロアルキル:例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、
〜C13アリールアルキル:好ましくはC〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ネオフィル(1−メチル−1−フェニルエチル)、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル及び4−フェニルブチル、特に好ましくはベンジル、
〜C14アリール:例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル及び9−フェナントリル、好ましくはフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチル、特に好ましくはフェニル、
ハロゲン:例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、特に好ましくはフッ素及び塩素、
〜Cアルコキシ:例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシ及びイソヘキソキシ、特に好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びn−ブトキシ、
【0025】
〜C14アリールオキシ:例えば、フェノキシ、o−クレジルオキシ、m−クレジルオキシ、p−クレジルオキシ、α−ナフトキシ、β−ナフトキシ及び9−アントリルオキシ、
シリル基SiR(但し、R〜Rが独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル及びC〜C14アリールから選択される。):好ましくはトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキシルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル及びトリ−p−キシリルシリル、特に好ましくはトリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリル、
シリルオキシ基O−SiR(但し、R〜Rが独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル及びC〜C14アリールから選択される。):好ましくはトリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、ジエチルイソプロピルシリルオキシ、ジメチルヘキシルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ、トリベンジルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ及びトリ−p−キシリルシリルオキシ、特に好ましくはトリメチルシリルオキシ及びtert−ブチルジメチルシリルオキシ、
から選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換され且つ単結合を介して結合された、N−ピロリル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、N−インドリル及びN−カルバゾリル等の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、
から選択される。
【0026】
基R及びR4*の少なくとも一方が水素でないのが好ましい。特に好ましい実施形態において、RまたはRが水素ではない。
【0027】
が無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、あるいは無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基を表す。
【0028】
及びRが同一でもまたは異なっていても良く、C〜C18アルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜C18アルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、並びに無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基から選択される。
【0029】
特に好ましい実施形態において、Rが2,6−ジイソプロピルフェニルである。
【0030】
特に好ましい実施形態において、Rがフェニルである。
【0031】
は、荷電されていない無機及び有機配位子、例えば式(RPH3−xで表されるホスフィン及び式(RNH3−xで表されるアミン[但し、xが0〜3までの整数である。]から選択される。ジアルキルエーテル等のエーテル(RO(例えば、ジエチルエーテル)、または環式エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)、HO、アルコール(R)OH(例えば、メタノールまたはエタノール)、ピリジン、式C5−x(RNで表されるピリジン誘導体(例えば、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジンまたは3,5−ルチジン)、CO、C〜C12アルキルニトリルまたはC〜C14アリールニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルまたはベンゾニトリル)も適当である。更に、単独のまたは多重のエチレン性不飽和二重結合系、例えばエテニル、プロペニル、cis−2−ブテニル、trans−2−ブテニル、シクロヘキセニルまたはノルボルネニルは配位子として働くことが可能である。
【0032】
特定の実施形態において、式Iで表される錯体における隣接基R〜RまたはR4*が相互に合体して、5〜12員環を形成しても良い。例えば、RとRが合体して、以下の基:−(CH−(トリメチレン)、−(CH−(テトラメチレン)、−(CH−(ペンタメチレン)、−(CH−(ヘキサメチレン)、−CH−CH=CH−、−CH−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−、−O−CH−O−、−O−CHMe−O−、−O−CH−(C)−O−、−O−CH−CH−O−、−O−CMe−O−、−NMe−CH−CH−NMe−、−NMe−CH−NMe−または−O−SiMe−O−[但し、Me=CHである。]を形成しても良い。
【0033】
本発明の錯体は、容易に合成され得る。
【0034】
式Iで表される新規錯体の合成は、式II:
【0035】
【化5】
Figure 2004002306
【0036】
[但し、各記号は上記と同義である。]
で表される配位子から出発するのが一般的である。
【0037】
式IIで表される配位子を、式MXで表される金属化合物と反応させる。本発明において、MXを必要により非荷電配位子により安定させても良い。考え得る非荷電配位子は、配位化学において一般的な配位子、例えば環式及び非環式エーテル、アミン、ジアミン、ニトリル、イソニトリルまたはホスフィンである。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、テトラメチルエチレンジアミン、アセトニトリルまたはトリフェニルホスフィンが特に好ましい。
【0038】
反応は、酸及び塩基の非存在下に、溶剤中で単に混合することにより行われる。有用であると見出された溶剤は、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンまたはこれらの混合物、更に非環式または環式のエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル、並びに塩素化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルムである。
【0039】
適当な温度範囲は、−100〜+150℃の範囲、好ましくは−78〜+100℃の範囲である。反応温度は溶剤の融点未満とするべきではない;当該溶剤の沸点を超える温度がオートクレーブ中において達成され得る。反応を酸素及び水分の非存在下に行うのが好ましい。
【0040】
配位子のMに対する好適なモル比は、5:1〜1:5の範囲である。しかしながら、式IIで表される配位子は一般に入手困難な反応材料であるという理由から、配位子:Mのモル比は、1:1〜1:3の範囲とするのが好ましく、化学量論量とするのが特に好ましい。
【0041】
式Iで表される新規な錯体は、有機金属化学において一般的な方法により精製され、再結晶化及び沈殿が特に好ましい。セライト(Celite)(登録商標)等のろ過助剤によるろ過も有用である。
【0042】
式IIで表される配位子の製造法は、それ自体公知であり、式III:
【0043】
【化6】
Figure 2004002306
【0044】
[但し、窒素上に酸性のα−H原子を有しており、式中の各記号は上記と同義である。]
で表されるアミドを、SOCl、PClまたはPOCl等のハロゲン化剤と反応させ、次いで、生成物を式IV:
【0045】
【化7】
Figure 2004002306
【0046】
[但し、式中の各記号は上記と同義である。]
で表される求核化合物と、塩基の存在下で反応させることにより特に容易に行われ得る。
【0047】
塩基として、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジン等の第三級アミンを使用するのが好ましい。有用であると見出された溶剤は、アルコールまたは塩素化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、またはこれらの混合物であり、更に、非環式または環式のエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルである。
【0048】
この反応は、通常、数分〜数時間後に完了する;反応時間は、30分〜10時間が有用であり、1〜5時間が好ましい。温度条件は、一般に臨界的ではない;−90〜+30℃の温度範囲が好ましく、例外的に、50℃以下で行う。
【0049】
反応は、酸素及び水分を排除して行われるのが好ましい。
【0050】
IIIのIVに対する好適なモル比は、5:1〜1:5の範囲であり;モル比III:IVは3:1〜1:3の範囲が好ましく、化学量論量が特に好ましい。
【0051】
式Iで表される新規な錯体は、オレフィンの重合に適当である。これにより、エチレン及びプロピレンを重合及び共重合して、高分子量のポリマーを特に容易に形成する。
【0052】
式Iで表される新規な錯体を触媒活性とするために、これを活性化する必要がある。式Iで表される錯体に適当な活性化剤は、電子吸引性基を有するアルミニウム又はホウ素化合物、例えばトリスペンタフルオロフェニルボラン、トリスペンタフルオロフェニルアルミニウム、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビスペルフルオロメチル)フェニルボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(3,5−ビスペルフルオロメチル)フェニルボレート及びトリチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートから選択される。ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート及びトリスペンタフルオロフェニルボランが特に好ましい。
【0053】
ホウ素またはアルミニウム化合物を本発明による錯体の活性化剤として使用する場合、これらは、Mに対するモル比を1:10〜10:1の範囲、好ましくは1:2〜5:1の範囲、特に好ましくは化学量論量で使用されるのが一般的である。
【0054】
別の有用な種類の活性化剤はアルミノキサンからなる。アルミノキサンの構造は、正確に知られていない。これは、アルキルアルミニウムを注意して部分加水分解することにより得られる生成物である(DE−A3007725、参照)。この生成物は、純粋な単一の化合物として存在するばかりでなく、式Va及びVb:
【0055】
【化8】
Figure 2004002306
で表される直鎖及び環式構造の混合物として存在する。この混合物は、おそらく相互に動的平衡で存在する。
【0056】
式Va及びVbにおいて、基Rは相互に独立して、
〜C12アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルまたはn−ドデシルを表わし、好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシルを表わし、特に好ましくはメチルを表わし、
〜C12シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルまたはシクロドデシルを表わし、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表わし、
〜C20アリールアルキル、好ましくはC〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチルまたは4−フェニルブチルを表わし、特に好ましくはベンジルを表わし、または
〜C14アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリルまたは9−フェナントリルを表わし、好ましくはフェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルを表わし、特に好ましくはフェニルを表わし、そして
nが0〜40までの整数を表わし、好ましくは1〜25を表わし、特に好ましくは2〜22を表す。
【0057】
アルミノキサンのかご様構造も、文献(Y. Koide, S. G. Bott, A. R. BarronOrganometallics 1996, 15, 2213−2226頁; A. R. Barron Macromol. Symp. 1995, 97, 15−25頁)において議論されている。アルミノキサンの実際の構造にかかわらず、これは、式Iで表される新規な金属錯体の活性化剤として適当である。
【0058】
種々のアルミノキサンの混合物は、重合がn−ヘプタン又はイソドデカン等のパラフィンの溶液中で行われる場合、特に好ましい活性化剤である。特に好ましい混合物は、ヴィトコ社(Witco GmbH)製の式[(CH0.9(iso−C0.1AlO]で表される市販のCoMAOである。
【0059】
アルミノキサンを用いて式Iで表される錯体を活性化するために、一般に、Mに対して過剰のアルミノキサンを使用する必要がある。M:Alの実際的なモル比は、1:10〜1:10000の範囲であり、特に好ましくは1:50〜1:1000の範囲であり、極めて好ましくは1:100〜1:500の範囲である。
【0060】
式Iで表される選択された錯体と活性化剤とを合わせて、触媒組成物(触媒系)を形成する。
【0061】
本発明による触媒系の活性は、式Al(Rで表される他のアルキルアルミニウム、またはアルミノキサンを添加することにより増大可能である;式Al(Rで表されるアルキルアルミニウム、またはアルミノキサンは、モル質量調節剤としても作用する。別の有効なモル質量調節剤は、水素である。反応温度及び圧力により、モル質量を特に良好に調節可能である。上述したホウ素化合物を使用するのが望ましい場合、式Al(Rで表されるアルキルアルミニウムを添加するのが特に好ましい。
【0062】
重合中の圧力及び温度条件は、広範囲で選択され得る。0.5〜4000バール(5.0×10〜4.0×10Pa)の圧力範囲が有用であると見出され;好ましくは10〜75バール(10〜7.5×10Pa)または500〜2500バール(5.0×10〜2.5×10Pa)の高圧条件である。0〜120℃の温度範囲が有用であると見出され;好ましくは40〜100℃であり、特に好ましくは50〜85℃である。
【0063】
モノマーとして、以下のオレフィンが適当である:すなわち、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン及び1−ウンデセンであり、プロピレン及びエチレンが好ましく、エチレンが特に好ましい。更に別の好適なモノマーは、スチレンである。
【0064】
好適なコモノマーには、α−オレフィン、例えば0.1〜20モル%の1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンまたは1−ウンデセンが含まれる。しかしながら、イソブテン及びスチレンも適当なコモノマーであり、更にシクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン及びノルボナジエン等の内部オレフィン(internal olefine)も適当であり、あるいは0.1〜50モル%の一酸化炭素も適当である。
【0065】
コモノマーとしての他のα−オレフィン、例えばプロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたは1−デセンの他に、極性コモノマーを、本発明の触媒系を用いて導入することも可能である。0.1〜50モル%のコモノマーを使用可能である。
【0066】
アクリレート、例えばアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートまたはtert−ブチルアクリレート、
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートまたはtert−ブチルメタクリレート、
芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、
ビニルカルボキシレート、特に好ましくは酢酸ビニル、
不飽和ジカルボン酸、特に好ましくはマレイン酸、
不飽和ジカルボン酸誘導体、特に好ましくは無水マレイン酸及びマレイン酸のアルキルイミド、例えばマレイン酸のメチルイミド、
が好ましい。
【0067】
更に、少なくとも2種の上述したモノマーとエチレンを含むターポリマーを調製することも可能である。
【0068】
有用であると見出された溶剤は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンまたはエチルベンゼン及びこれらの混合物であり、更に、高圧条件下での超臨界エチレンである。
【0069】
本発明の触媒系により、オレフィンを重合して、極めて高分子量のポリオレフィンを得る。
【0070】
本発明の触媒系を使用する重合は、水素により調節され得る、すなわち、本発明の触媒系を用いて得られるポリマーの分子量は、水素を添加することによって低減可能である。十分な水素を添加する場合、ポリオレフィンワックスが得られる。好ましい水素濃度は、使用される重合プラント(重合装置)の種類に応じて異なる。
【0071】
本発明の触媒系を、懸濁法、塊状重合法または気相法等の現代の重合法において使用可能とするために、これを固体の担体に固定する必要がある。そうでなければ、ポリマーモルホロジーの課題(塊、壁部での析出物、配管または熱交換器での妨害)が発生し、プラントの停止(強制停止)が余儀なくされる場合がある。かかる固定化触媒系を触媒と称する。
【0072】
本発明の触媒系を固体の担体材料に被覆可能である。考え得る担体材料は、例えば第2族〜第14族の金属による多孔質金属酸化物またはこれらの混合物、更にシート状シリケート及びゼオライトである。第2族〜第14族の金属酸化物の好例は、SiO、B、Al、MgO、CaO及びZnOである。好ましいシート状シリケートは、モンモリロナイトまたはベントナイトであり;好ましいゼオライトは、MCM−41である。
【0073】
特に好ましい担体材料は、球形のシリカゲル及び式SiO・aAlで表されるアルミノシリケートゲル[但し、aは0〜2が一般的であり、好ましくは0〜0.5である。]である。かかるシリカゲルは市販されており、例えばW.R.グレース(W. R. Grace)社製のシリカゲルSG332、シロポール(Sylopol)(登録商標)948若しくは952若しくはS2101、またはグロスフィールド(Crosfield)社製のES70Xである。
【0074】
担体材料の粒度として、1〜300μmの平均粒径、好ましくは20〜80μmの平均粒径が有用であると見出され、その際、粒径は、篩法等の公知の方法により測定される。この担体の細孔容積は、1.0〜3.0ml/gであり、好ましくは1.6〜2.2ml/gであり、特に好ましくは1.7〜1.9ml/gである。BET表面積は200〜750m/gであり、好ましくは250〜400m/gである。
【0075】
担体材料に付着する不純物、特に水分を除去するために、この担体材料を、ドーピング前に、例えば45〜1000℃で焼き付け(ベーキング)可能である。シリカゲル及び他の金属酸化物の場合、100〜750℃の温度が特に適当である。この焼き付けは、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間に亘り行われ得る。圧力条件は、選択される方法に応じて異なる;焼き付けは、固定床法、撹拌器付容器またはその他に流動床法で行われ得る。焼き付けは、大気圧下で行われ得る。しかしながら、0.1〜500ミリバール(10〜5.0×10Pa)の減圧も有効であり、1〜100ミリバール(10〜10Pa)特に有効であり、2〜20ミリバール(2.0×10〜2.0×10Pa)の減圧が極めて有効である。他方、流動床法においては、1.01〜5バール(1.01×10〜5×10Pa)の範囲、好ましくは1.1〜1.5バール(1.1×10〜1.5×10Pa)の範囲の僅かに過圧を用いるのが有効である。
【0076】
担体材料をアルキルアルミニウム、アルキルリチウムまたはアルミノキサン等のアルキル化合物で化学的に予備処理することも可能である。
【0077】
懸濁法による重合は、所望のポリマーが不溶性であるか、または僅かな溶解性を示すだけの懸濁媒体を使用して行われる。そうでなければ、生成物を懸濁媒体から分離除去するプラント構成部品において生成物が析出し、繰り返しの強制運転停止と洗浄操作が必要となるからである。好適な懸濁媒体は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン及びシクロヘキサン等の飽和炭化水素であり、イソブタンが好ましい。
【0078】
重合中の圧力及び温度条件は、広範囲に選択され得る。0.5〜150バール(5.0×10〜1.5×10Pa)の圧力範囲が有用であると見出され、好ましくは10〜75バール(10〜7.5×10Pa)である。有用な温度範囲は、0〜120℃であり、好ましくは40〜100℃であると見出された。
【0079】
適当なモノマーには、以下のオレフィンが含まれる:すなわち、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン及び1−ウンデセンである。
【0080】
好適なコモノマーには、α−オレフィン、例えば0.1〜20モル%の1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンまたは1−ウンデセンが含まれる。しかしながら、イソブテン及びスチレンも適当なコモノマーであり、更にシクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン及びノルボナジエン等の内部オレフィンも適当である。0.1〜50モル%の一酸化炭素も適当である。
【0081】
本発明の触媒は、プロセス工学に関して有効である全ての特性を有している。
【0082】
更に、水素は、本発明の触媒を用いる重合の連鎖移動剤として有用であると見出された、すなわち、本発明の触媒を用いて得られるポリマーの分子量は、水素を添加することによって低減可能である。十分な水素を添加する場合、ワックスが得られる;その際、必要とされる水素濃度は、使用される重合プラントの種類に応じて異なる。水素を添加することにより、一般に、本発明の触媒の活性が増大する。
【0083】
本発明の触媒を、それ自体公知の1種以上の重合触媒と共に使用することも可能である。従って、この触媒は、例えば、
チーグラ−ナッタ触媒、
元素周期表第4族〜第6族の遷移金属を含む担持メタロセン触媒、
後周期遷移金属を含む触媒(WO96/23010)、
WO98/27124に開示されているピリジルジイミン配位子を含むFeまたはCo錯体、または
フィリップス型の酸化クロム触媒、
と共に使用可能である。
【0084】
種々の触媒を相互に混合して、これらを一緒に計量導入するか、または共通の担体への共担持錯体(cosupported complex)を使用するか、または種々の触媒を重合容器に同一の箇所若しくは異なる箇所で別々に計量導入することも可能である。
【0085】
以下の実施例で、本発明を説明する。
【0086】
【実施例】
[一般的な予備備考]
全ての作業は、特に示さない限り、標準的なシュレンク(Schlenk)技術を用い、空気及び水分を排除して行われた。これに応じて、装置を形成し、化合物を製造した。ポリマーの粘度は、ISO1628−3に準拠して測定された。
【0087】
実施例1. 配位子の調製
実施例1.1 配位子II.1の調製
プロトン化配位子の合成は、II.1の合成に関する記載により実施例として説明される。
【0088】
【化9】
Figure 2004002306
【0089】
a)1.98gのN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ベンズアミド(7.0ミリモル)を、アルゴンでフラッシュされた乾燥シュレンク管に導入した。10mlの塩化チオニル(137ミリモル)の添加後、反応溶液を60分間還流した。過剰のSOClを高真空で蒸留除去し、残った黄色油を20mlの塩化メチレン(無水)に溶解させた。
【0090】
b)黄色のN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(0.78g、8.0ミリモル)をアルゴンでフラッシュされた焼き付けシュレンク管に導入し、無水エタノール(50ml)に溶解させ、そして2.2ml(16ミリモル)のトリエチルアミンで活性化した。
【0091】
a)に記載したように調製(製造)され且つ塩化メチレンに溶解させた塩化イミドIII.1を、−45℃で、45分間に亘りb)の溶液に滴下漏斗からゆっくりと添加した。室温に暖めた後、反応溶液を1時間撹拌した(色の変化:緑色がかった色→レモンイエロー)。次に、薄層クロマトグラフィ(ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/1)により、もはやIII.1を検出できなかった。
【0092】
反応溶液を水(約100ml)に注ぎ、生成物をそれぞれ50mlのジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を集めて、NaSOで乾燥し、乾燥剤をろ別した。溶剤をロータリエバポレータで除去後、これにより得られた粘稠性油を高真空で乾燥した。
【0093】
【表1】
Figure 2004002306
【0094】
実施例1.2:配位子II.2の調製
対称的に置換されたN,N’−ジメチルヒドラジンヒドロクロリド(0.55g、4.1ミリモル)をアルゴンでフラッシュされた焼き付けシュレンク管に導入し、20mlの塩化メチレン(無水)に懸濁させた。1.73mlのトリエチルアミン(12.4ミリモル)を添加することにより、乳濁色の溶液が得られた。
【0095】
反応溶液を−70℃に冷却後、10mlの化合物III.1(原液、c=0.108g/ml)を、30分間に亘って、滴下漏斗からゆっくりと添加した。冷浴を除いた後、最初の橙色の溶液が、5分間で黄色になった。N,N’−ジメチルヒドラジンは完全に溶解し、そして室温で1時間後に反応が終了したが、これは、薄層クロマトグラフィにより証明された。
【0096】
反応溶液を水(約100ml)に注ぎ、生成物をそれぞれ50mlのジエチルエーテルで3回抽出した。良好な層分離を達成するために、50mlの飽和塩化ナトリウム溶液を添加した。有機層を集めて、NaSOで乾燥し、乾燥剤をろ別した。溶剤をロータリエバポレータで除去後、これにより得られた粘稠性油を高真空で乾燥した。目的の生成物をエーテル/ヘキサン混合物から沈殿させる試みは失敗したが、30分に亘り溶剤を除去した後(最初にエーテル、次にヘキサン)、分析上純粋で、微粉の、褐色固体が得られた。
【0097】
【化10】
Figure 2004002306
【0098】
【表2】
Figure 2004002306
【0099】
実施例1.3:配位子II.3の調製
【0100】
【化11】
Figure 2004002306
【0101】
市販のN,N−ジメチルヒドラジン(0.58ml、0.46g、7.7ミリモル)をアルゴンでフラッシュされた焼き付けシュレンク管に導入し、そして無水エタノール(50ml)に溶解させた。
【0102】
塩化メチレン(10ml、1.08g、3.6ミリモル、c=0.115g/ml)に溶解させたIII.1を、−45℃で、60分間に亘り滴下漏斗からゆっくりと添加した。室温に暖めた後、反応溶液を1時間撹拌した(色の変化:無色→黄色)。この反応で形成したヒドラジニウム塩が沈殿し、そして濁った懸濁液が得られた。反応を、薄層クロマトグラフィ(ジエチルエーテル/ヘキサン=1/1)によりモニターした。
【0103】
反応溶液を水(約100ml)に注ぎ、生成物をそれぞれ50mlのジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を集めて、NaSOで乾燥し、乾燥剤をろ別した。溶剤をロータリエバポレータで除去後、これにより得られた粘稠性油を高真空で乾燥した。
【0104】
【表3】
Figure 2004002306
【0105】
【表4】
Figure 2004002306
【0106】
実施例2 式Iで表される錯体の合成
実施例2.1:錯体I.1の合成
【0107】
【化12】
Figure 2004002306
【0108】
アルゴンでフラッシュされた焼き付けシュレンク管において、配位子II.1(0.97g、3.0ミリモル)を20mlの塩化メチレン(無水)に溶解させ、そしてジメトキシエタン安定化遷移金属ハライド(NiBr×2DME、1.25g、3.1ミリモル)添加した後、混合物を室温で撹拌した。以下の色の変化が観察された:すなわち、黄色がかった色→濁った橙色(10秒後)→濁った褐色(1/2秒後)→濁った緑色。10分後、暗緑色の懸濁液を得たが、この色は、48時間の撹拌後であっても未変化であった。
【0109】
60mlの塩化メチレン(無水)の添加後、僅かに過剰の未反応NiBr×2DMEをろ過により分離除去した(G4フリット、セライト(登録商標)用いず)。透明な暗緑色のろ液を高真空で乾燥状態まで蒸発させた。緑色の微粉の錯体I.1を単離した。
【0110】
収量:1.53g(94%)、実験式:C2128BrNiO、色:緑色、
1H−NMR(CDCl):僅かに常磁性、1.10−1.49(12H、m、2×CH(C )、2.97−3.56(8H、m、2×C(CH、N−C 、O−C )。
【0111】
実施例2.2:錯体I.2の合成
配位子II.2を使用して、実施例2.1を繰り返した。
【0112】
【化13】
Figure 2004002306
【0113】
収量:0.70g(95%)、実験式:C2129BrNi、色:ベージュ、
1H−NMR(CDCl):1.76、5.16、5.41、15.38、19.63、22.57;化合物は常磁性であり、帰属不可能であった。
【0114】
実施例2.3:錯体I.3の合成
【0115】
【化14】
Figure 2004002306
【0116】
配位子II.3を使用して、実施例2.1を繰り返した。
【0117】
【表5】
Figure 2004002306
【0118】
【表6】
Figure 2004002306
【0119】
実施例3 重合実験
実施例3.1:オートクレーブにおける重合
調査すべき錯体の指示された量、すなわち2mlの30質量%濃度の、トルエンにおけるMAO溶液(ヴィトコ(Witco)社より市販)及び400mlのトルエンを、不活性状態にした1L(リットル)のスチール製オートクレーブに導入した。70℃にて、オートクレーブを、エチレンにより40バール(4.0×10Pa)の圧力に加圧した。この圧力を、更にエチレンを計量導入して、90分間の試験時間に亘って、一定に保った。排出させることにより反応を停止させ、ポリマーをろ過により単離し、次いでメタノールで洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0120】
【表7】
Figure 2004002306
【0121】
実施例3.2:エチレン/ヘキセンの共重合
3.1の操作を繰り返したが、12.5mlの1−ヘキセンを最初に他の試薬と共にオートクレーブに添加した。
【0122】
【表8】
Figure 2004002306

Claims (10)

  1. 式I:
    Figure 2004002306
    [但し、NuがO、S、N−R4*、P−R4*から選択され、
    MがNi、Pdから選択され、
    hが0〜4までの整数であり、
    Xが同一でもまたは異なっていても良く、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル及びC〜C14アリールから選択され、
    、R、R4*が同一でもまたは異なっていても良く、
    水素、
    置換または無置換のC〜C18アルキル、
    1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有し且つ単結合を介して結合される置換または無置換のC〜C18アルケニル、
    置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、
    〜C13アリールアルキル、
    無置換のC〜C14アリール、あるいは以下の置換基:すなわち、置換または無置換のC〜C18アルキル、置換または無置換のC〜C18アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、C〜C14アリール、ハロゲン、置換または無置換のC〜Cアルコキシ、C〜C14アリールオキシ、SiR及びO−SiRから選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換されたC〜C アリール、
    単結合を介して結合される無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、あるいは以下の置換基:すなわち、置換または無置換のC〜C18アルキル、置換または無置換のC〜C18アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、C〜C14アリール、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜C14アリールオキシ、SiR及びO−SiRから選択される同一でもまたは異なっていても良い1個以上の置換基により置換され且つ単結合を介して結合される5員または6員の窒素含有へテロアリール基、
    から選択され、
    が無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、あるいは無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基を表わし、
    、RがそれぞれC〜C18アルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜C18アルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換されたC〜C14アリール、または無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い上記と同義の置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基を表わし、且つ
    隣接基R〜RまたはR4*が相互に合体して、置換または無置換のC〜Cアルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜Cアルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、及びC〜C14アリールから選択される置換基を有していても良い5〜12員環を形成しても良く、
    が非荷電の有機または無機配位子を表わし、
    〜Rが同一でもまたは異なっていても良く、水素、C〜Cアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル及びC〜C14アリールから選択される。]
    で表される錯体。
  2. Nuが酸素であり、MがNiであり、Xがハロゲンであり、そしてLが、
    ホスフィン(RPH3−x
    アミン(RNH3−x
    エーテル(RO、
    O、
    アルコール(R)OH、
    ピリジン、
    式C5−x(RNで表されるピリジン誘導体、
    CO、
    〜C12アルキルニトリル、
    〜C14アリールニトリル、及び
    エチレン性不飽和二重結合系、
    から選択され、且つxが0〜3までの整数を表わし、
    が同一でもまたは異なっていても良く、C〜C18アルキル、1〜4個の孤立二重結合または共役二重結合を有する置換または無置換のC〜C18アルケニル、置換または無置換のC〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキル、無置換のC〜C14アリール、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い置換基により置換されたC〜C14アリール、及び無置換の5員または6員の窒素含有へテロアリール基、または1個以上の同一でもまたは異なっていても良い置換基により置換された5員または6員の窒素含有へテロアリール基から選択される請求項1に記載の錯体。
  3. hが0である請求項1または2に記載の錯体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の式Iで表される錯体を使用するオレフィンの重合法または共重合法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の式Iで表される錯体を使用する、オレフィンと0.1〜20モル%のスチレン等の芳香族ビニル化合物または0.1〜50モル%の一酸化炭素との共重合法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の式Iで表される錯体と調節剤、特に水素を使用するポリオレフィンワックスの製造方法。
  7. 式II:
    Figure 2004002306
    で表される配位子を、金属化合物MX[但し、MがNi及びPdから選択され、Xがハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C13アリールアルキルまたはC〜C14アリールを表わし、必要によりMXを非荷電の無機又は有機配位子により安定させても良い。]と反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の錯体の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の1種以上の錯体及び必要により活性化剤で固体の担体を被覆することを特徴とするオレフィンの重合または共重合用の担持触媒を製造する方法。
  9. 請求項8に記載の方法により得られるオレフィンの重合または共重合用の担持触媒。
  10. 請求項9に記載の担持触媒を使用するオレフィンの重合法または共重合法。
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