JP2004002098A - 樹脂造粒黒鉛および黒鉛含有耐火物 - Google Patents

樹脂造粒黒鉛および黒鉛含有耐火物 Download PDF

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Abstract

【課題】十分に緻密な造粒黒鉛の提供と、造粒黒鉛を含有した、気孔率が小さく、耐用性に優れる造粒黒鉛含有(不定形)耐火物の提供。
【解決手段】黒鉛40〜80vol%、および、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂10〜50vol%からなり、残部の気孔の体積が10vol%以下であり、粒径が10〜0.05mmである樹脂造粒黒鉛と、該造粒黒鉛を耐火物原料(骨材)に配合した(不定形)耐火物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂造粒黒鉛とそれを含有する耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】
黒鉛含有耐火物は、耐スラグ浸透性に優れ、低熱伝導性と低熱膨張性に起因して耐割れ性に優れるなどの理由で、製鉄プロセスで広範囲(例えば、高炉樋、混銑車、溶銑鍋、転炉、RH脱ガス装置、連鋳ノズルなど)に使用されている。ところが、黒鉛は、耐火物の中では、酸化物原料に比較して、嵩が高く、真比重が低い。そのため、黒鉛を酸化物原料と均一に混合することは困難であり、耐火物内に黒鉛が偏在し、その結果、耐火物の品質のばらつきを増加させる原因となる。
【0003】
特に、黒鉛は不定形耐火物の原料としては、水との濡れ性が悪いので、黒鉛含有不定形耐火物について、一定の施工性を確保するために、多量の水を添加する必要がある。その結果、乾燥後および焼成後の不定形耐火物の気孔率が著しく増大し、耐用性が劣化することが問題となっている。ここで施工性とは、不定形耐火物を型枠中へ流し込む時に、型枠内の隅々にまで不定形耐火物が充填されるために必要な流動性を意味し、例えば、JIS R5201におけるフロー試験により評価される。
【0004】
これらの黒鉛のもつ欠点の改良手段として、特公昭56−20329号公報に黒鉛を溶融タールで造粒すること、特公平1−46473号公報に黒鉛を、フェノール樹脂、フラン樹脂、石炭ピッチなどの有機樹脂で造粒することが提案されている。しかし、従来の造粒黒鉛は、混練時に加圧されていないため、粒子間に隙間があり、緻密さが十分でないため、これを含有してなる耐火物も気孔率が大きく、耐用性も十分ではなかった。
以上のように、従来、気孔率が小さく十分に緻密な造粒黒鉛はなく、その結果、気孔率が小さく耐用性に優れる造粒黒鉛含有耐火物がなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の実状に鑑みて、本発明は、気孔率が小さく、十分に緻密な造粒黒鉛および気孔率が小さく、耐用性に優れる造粒黒鉛含有耐火物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明は、黒鉛40〜80vol%、および、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂10〜50vol%からなり、残部の気孔の体積が10vol%以下であり、粒径が10〜0.05mmであることを特徴とする樹脂造粒黒鉛である。
【0007】
好ましいのは、樹脂造粒黒鉛を構成する熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂の場合である。
【0008】
また好ましいのは、樹脂造粒黒鉛を構成する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の70〜30mass% がコールタールピッチで置換されている場合である。
【0009】
好ましいのは、樹脂造粒黒鉛を構成する黒鉛が鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、人造黒鉛のうちの1種または2種以上の混合物の場合である。
【0010】
第二の本発明は、前記のいずれかの樹脂造粒黒鉛を含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物である。
【0011】
第三の本発明は、前記のいずれかの樹脂造粒黒鉛を含有することを特徴とする黒鉛含有不定形耐火物の場合である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂造粒黒鉛は、黒鉛40〜80vol%および熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂10〜50vol%からなり、残部の気孔の体積が10vol%以下であって、粒径が10〜0.05mmである。
【0013】
従来、熱可塑性樹脂造粒黒鉛を耐火物原料(骨材)に配合してなる耐火物において、造粒黒鉛の気孔は、当然ながら、耐火物の気孔の原因となった。また、その耐火物を高温下で使用すると、造粒黒鉛を構成する熱可塑性樹脂の一部が熱分解し、揮発し、耐火物の気孔を製造直後の段階よりも増加させた。したがって、耐火物を特に高温で使用する際に、耐火物の気孔率を最小限にして、耐用性を確保するためには、造粒黒鉛を構成する熱可塑性樹脂の含有量と気孔の体積、特に気孔の体積をできる限り少なくすることが好ましい。すなわち、造粒の際に黒鉛を最密充填し、隙間に、気孔を最小限としながら、熱可塑性樹脂を充填させることが好ましい。
【0014】
なお、未硬化の熱硬化性樹脂は、硬化温度より十分低い温度では、熱可塑性樹脂と同様の挙動をするので、本発明における熱可塑性樹脂に、便宜的に熱硬化性樹脂を含める場合がある。
【0015】
黒鉛の形状の制約から黒鉛の充填率の上限が決まり、造粒黒鉛中の黒鉛の体積分率が80vol%を超えることは事実上不可能である。また造粒黒鉛中の黒鉛の体積分率の下限値が40vol%を下回ると、黒鉛の充填量が不十分で、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の含有量や気孔の体積の無用な増大になる。したがって、造粒黒鉛中の黒鉛の体積分率は40〜80vol%であり、好ましくは50〜80vol%、特に好ましくは60〜80vol%である。
【0016】
原理的には、黒鉛以外の残部を全て熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、体積分率で10vol%以下の気孔の存在は許容される。造粒黒鉛の気孔率が10vol%を超えると、耐火物の気孔率が増加するのみならず、不定形耐火物と混練する際に、造粒黒鉛が吸水し、施工性(流動性)が安定しない問題が生起する。したがって、造粒黒鉛の気孔率は10vol%以下、好ましくは5〜0vol%、特に好ましくは3〜0vol%である。
【0017】
造粒黒鉛の直径は10〜0.5mmが好ましい。粒径が小さいほど、耐火物は均質となり、耐スポール性などが向上する。しかし、造粒黒鉛の粒径が0.05mmを下回ると、造粒黒鉛が嵩張り、不定形耐火物に施工性を付与するために添加する水量が増加し、耐火物の気孔率増大の原因になるので、造粒のメリットが十分得られない。一方、造粒黒鉛の粒径が大きくなると、耐火物中に造粒黒鉛が偏在し、耐火物原料に造粒黒鉛を添加することによる本来の改良効果が十分に発揮されない。したがって、造粒黒鉛の粒径は10〜0.05mm、特に1〜0.05mmであるのが好ましい。
【0018】
原料黒鉛は、特に制限がなく、一般に耐火物用として使用されるものの使用が好ましく、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、人造黒鉛が好ましく使用される。耐火物の耐スポール性(内部応力による破壊、剥離、ひび割れ耐性)は、薄肉黒鉛>鱗状黒鉛>人造黒鉛の順に低下し、その嵩高さに起因するハンドリングの容易性は、薄肉黒鉛<鱗状黒鉛<人造黒鉛の順に良好であり、不定形耐火物としての一定施工性を得るための必要水量は、薄肉黒鉛>鱗状黒鉛>人造黒鉛の順に増加し、それぞれ一長一短である。しかし、原料黒鉛に熱可塑性樹脂を加えて造粒することにより、嵩高さや必要水量の問題は解決できるので、薄肉黒鉛>鱗状黒鉛>人造黒鉛の順に造粒メリットは大きくなる。
原料黒鉛の粒径は0.5〜1000μm で、その純度は炭素含有量として85〜99.9mass% である。
【0019】
熱可塑性樹脂は、特に制限されるものではないが、混練する温度での粘度が102 〜106 Pa・s 程度の材料が使用でき、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂などが例示される。ポリエステル樹脂が、不定形耐火物原料のアルミナセメントなどとの相性などの観点から好ましい。熱可塑性樹脂の重合度(粘度)は特に限定されないが、粘度が低い方が多量の黒鉛を添加できるので好ましい。
また熱硬化性樹脂は、特に制限されるものではないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが例示され、フェノール樹脂は加熱時の残炭率が高いので好ましい。
【0020】
未硬化の熱硬化性樹脂は低分子量であり、熱可塑性樹脂と同様に流動性があり、熱可塑性樹脂と同様に扱うことができるので、熱可塑性樹脂と同様に造粒黒鉛を製造できる。これで造粒した黒鉛を含有する耐火物を使用前または使用中に加熱して樹脂を熱硬化させることで、高温加熱して焼成する時、熱硬化性樹脂の揮発が抑制でき、熱可塑性樹脂よりも気孔率を低減できて、より好ましく使用することができる。
また、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の70〜30mass% 、好ましくは60〜40mass% をコールタールピッチで置換することにより、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の高温加熱時の揮発量を低下させることができる。
【0021】
本発明の造粒黒鉛の製造は、樹脂用の加圧機構を持つ加熱混練機(加圧ニーダー、二軸式ペレタイザーなど)を使用することが必要で、加熱混練機に所定量の黒鉛原料と熱可塑性樹脂を入れ、混練した後、押出し、得られた成形物(造粒黒鉛)を、必要に応じて、樹脂用粉砕機で所望の粒径に粉砕する。単純な加熱、攪拌のみが行なえるタイプの造粒混練機では、造粒黒鉛の気孔の除去が困難で、本発明が所望する品質の造粒黒鉛の製造が困難である。造粒黒鉛の製造時に、Al、Siなどの金属粉、SiC、B4 Cなどの炭化物を黒鉛の酸化防止剤として添加してもよい。
【0022】
造粒黒鉛以外の耐火物原料としては、耐火物が定形、不定形に拘わらず、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア、ジルコニア、クロミアなどの酸化物、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの非酸化物などが挙げられ、これらの単体、混合物、複合物の1種または2種以上を主成分とするものが使用できる。酸化物と非酸化物の混合物も使用することができる。
【0023】
本発明の造粒黒鉛は、前述の通り、水を使用する不定形耐火物原料として、特に好ましく使用できるが、れんがの原料としての使用を制限するものではない。薄肉黒鉛などの嵩高い黒鉛を使用してれんがを製造する場合、混練工程で十分な均質性が得られず、れんがの品質にばらつきがでたり、成形原料が嵩高くなり、成形上の問題が生じる場合がある。本発明の造粒黒鉛は、これらの解決手段となる。
【0024】
不定形耐火物は、公知の通り、配合物をモルタルミキサーなどの混合機に投入し、所定量の水を加え、混練物とし、所定場所に施工後、乾燥して使用される。定形耐火物は、公知の通り、所定量の耐火物原料(酸化物、炭化物、黒鉛、金属粉など)に造粒黒鉛を配合し、ヘンシェルミキサーなどの高速回転型の攪拌子を持つミキサーを使用して、フェノール樹脂、ピッチ類などの成形バインダと混合した後、油圧またはフリクションプレスなどを使用して4. 9〜1. 5kPa 程度の圧力で、所定のれんが形状に成形する。成形後のれんがを150〜300℃で加熱し、バインダを重合・硬化させ、不焼成れんがとして使用するのが一般的である。場合によっては、黒鉛の酸化を防止するため、還元雰囲気で800〜1500℃で焼成し、焼成れんがとして使用することもある。
【0025】
耐火物原料に、炭素元素換算で1mass% 以上の造粒黒鉛を混合することで、耐火物の耐スラグ浸透性が改良され、3mass% 以上混合することで、耐火物の耐割れ性の改良が認められる。通常、最大40mass% 、好ましくは30mass% まで混合され得る。
【0026】
【実施例】
以下、実施例に従い、本発明の効果を詳細に説明する。
(発明例1〜14、比較例1〜6)
純度95mass% の表1に示す平均粒径の4種の黒鉛原料と、下記の3種の樹脂を、表1に示す配合比で混合し、ラボ用加圧混練機を使用して下記の温度で20分混練した。冷却後、混練物を取出し、ラボ用粉砕機で粉砕後、篩分けして、表1に示す粒径と気孔率の造粒黒鉛を得た。
Figure 2004002098
【0027】
得られた造粒黒鉛を、耐火物原料(アルミナ−10mass% 炭化ケイ素−3mass% アルミナセメント)に表1に示す比率で配合した。その後、タップフローが150mmとなるように表1に示す必要量の水を添加し、万能ミキサーで混練し、混練物を金型に流し込み、縦40×横40×高さ160mmの角柱試験片と、上底60×下底100×高さ40mmの台形断面の溶損試験片を成形した。24時間養生後、脱枠し、110℃で24時間乾燥した後、角柱試験片はコークスブリーズ中に1400℃で3時間保持して焼成を行ない、造粒黒鉛含有耐火物を得た。これの気孔率を測定した。同様に養生、乾燥した溶損試験片はコークスブリーズ中に600℃で3時間保持して仮焼成した。仮焼成した試験片8本で坩堝を組み、この坩堝中で溶銑および高炉スラグを溶解し、造粒黒鉛含有耐火物について1600℃で3時間の溶損試験を行なった。
【0028】
また、前記角柱試験片は、アルゴン雰囲気中、1200℃に保持した炉に投入し、15分保持した後、水中に投入し、熱衝撃を与えた。熱衝撃前後の角柱試験片について、弾性率を測定し、熱衝撃前後の弾性率の比によって、耐スポール性を評価した。熱衝撃によって、内部亀裂が発生すると弾性率が低下するので、弾性率比が1に近いほど、耐スポール性に優れることを意味する。表1に本発明例および比較例の評価結果(気孔率、弾性率比=耐スポール性、溶損指数)を示した。
【0029】
ここで、気孔率は、JIS R2205(耐火れんがの見掛気孔率、吸水率、比重の測定方法)の真空法に準じて測定した。弾性率はJIS R1602(ファインセラミックスの弾性率試験方法)に準じて超音波パルス法で測定した。また、溶損指数は前記した溶損試験の前後での各試験片の寸法変化を測定して損耗量を求め、表1に示す比較例1の試験片の損耗量を100とした時の各試験片の損耗量の比率で示した。したがって、溶損指数が小さいほど、耐食性が良好と判断できる。
【0030】
(造粒の効果)
造粒せずに黒鉛をそのまま耐火物原料に添加する場合、特に、濡れ性に劣る薄肉黒鉛Aを使用する場合(比較例1)、流し込み施工可能な不定形耐火物とするために必要な水量は11mass% と著しく高くなるため、不定形耐火物の気孔率は非常に高く(29.5%)なり、耐食性(溶損指数)が低く、実用に堪えない。
【0031】
(造粒配合および造粒気孔率の影響)
熱可塑性樹脂添加量が10vol%を下回る場合(比較例2)、造粒しない場合と同様に、不定形耐火物の製造に必要な水量は8.5mass% と高く、高気孔率(26.9%)に起因して耐食性が低い。逆に、熱可塑性樹脂添加量が60vol%を上回る場合(比較例3)、必要水量は6mass% と低いものの、焼成によって大量の熱可塑性樹脂が熱分解揮発するため、この場合も高気孔率(29.5%)となり、耐食性が低い。さらに、造粒黒鉛が10vol%を上回る気孔を含む場合(比較例4)は、不定形耐火物が高気孔率(26.5%)となるばかりでなく、混練水が造粒黒鉛に吸収され、施工が不安定となる問題があり、好ましくない。一方、造粒黒鉛に含まれる熱可塑性樹脂量が10〜50vol%の範囲で、気孔率が10vol%以下の本発明の不定形耐火物の場合(本発明例1〜3)、低気孔率(高々20.8%)で溶損指数は低く、弾性率比が高く、耐スポール性に優れる。
【0032】
(造粒黒鉛の径の影響)
造粒黒鉛の径が大きくなると、不定形耐火物中に黒鉛の偏在が著しくなり、耐スポール性の改良効果が小さくなる。造粒黒鉛の径が10mmを上回る場合(比較例5)、耐スポール性が低く、造粒黒鉛を添加する意味がない。また、造粒黒鉛の径が小さくなると、造粒黒鉛が嵩高くなると同時に、造粒黒鉛の表面積が大きくなり、熱可塑性樹脂で被覆されていない黒鉛が造粒黒鉛表面に露出することになる。これらの結果、造粒黒鉛に起因する必要水量の低減効果が小さくなる。造粒黒鉛の径が0.05mmを下回る場合(比較例6)、必要水量が増加するため不定形耐火物の気孔率(27.5%)が増大し、結果として、耐食性が劣化し、実用上好ましくない。一方、造粒黒鉛の径が10〜0.05mmの範囲にある場合(本発明例4〜7)は、低気孔率(高々20.4%)で溶損指数は低く、弾性率比が高く、耐スポール性に優れる。
【0033】
(黒鉛種の影響)
本発明では黒鉛種に関係なく、造粒黒鉛の低気孔率に起因する優れた耐食性と高耐スポール性を有する造粒黒鉛含有耐火物が得られる。ただし、耐スポール性は、薄肉黒鉛(本発明例1)>鱗状黒鉛 (本発明例12) >人造黒鉛(本発明例13)の順となる。
【0034】
(熱硬化性樹脂種の影響)
本発明では、加熱硬化する熱硬化性樹脂も、硬化温度より遥かに低い温度で造粒黒鉛を作製する場合に限り、熱可塑性樹脂として使用できる。熱硬化性樹脂を使用する場合(本発明例9)、加熱による熱硬化性樹脂の熱分解揮発が抑制でき、通常の熱可塑性樹脂を使用した場合(本発明例8)よりも低気孔率(22.5%)となるのでより好ましい。ただ、熱硬化性樹脂を使用する場合は、混練時に硬化が進行しないように、造粒条件の管理が重要である。同様に、熱分解による揮発を低減するために、熱可塑性樹脂を40〜70mass% のコールタールピッチで置換することができる(本発明例10〜11)。
【0035】
【表1】
Figure 2004002098
【0036】
【発明の効果】
本発明の造粒黒鉛は、気孔率が小さく、水濡れ性が良いので、耐火物原料に配合され、耐火物を製造する際に、水の使用量を低減でき、気孔率の小さい耐火物を得ることができる。すなわち十分に緻密で、品質にばらつきがなく、耐用性(耐食性および耐スポール性)に優れる造粒黒鉛含有耐火物および造粒黒鉛含有不定形耐火物を得ることができる。本発明の造粒黒鉛含有耐火物および造粒黒鉛含有不定形耐火物は、固有の優れた耐スラグ浸透性などに加えて、上記の効果を有するので、製鉄プロセスの各段階の各装置、部品に使用することができる。

Claims (6)

  1. 黒鉛40〜80vol%、および、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂10〜50vol%からなり、残部の気孔の体積が10vol%以下であり、粒径が10〜0.05mmであることを特徴とする樹脂造粒黒鉛。
  2. 前記熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂造粒黒鉛。
  3. 前記熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の70〜30mass% がコールタールピッチで置換されていることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂造粒黒鉛。
  4. 前記黒鉛が鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、人造黒鉛のうちの1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂造粒黒鉛。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の樹脂造粒黒鉛を含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂造粒黒鉛を含有することを特徴とする黒鉛含有不定形耐火物。
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