JP2004001298A - 塗装品、有機塗料及び水系シリコーン塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の表面に有機塗料の塗膜を形成し、その表面に水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上させる。
【解決手段】基材1の表面に、有機塗料の塗膜2を形成し、その表面に、実質的に無溶剤の水系シリコーン塗料の塗膜3を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有する塗装品、その塗装品の製造に用いる有機塗料及びその塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料。
【選択図】 図1
【解決手段】基材1の表面に、有機塗料の塗膜2を形成し、その表面に、実質的に無溶剤の水系シリコーン塗料の塗膜3を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有する塗装品、その塗装品の製造に用いる有機塗料及びその塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建築材等に用いられる水系シリコーン塗料を用いた塗装品、有機塗料及び水系シリコーン塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤系塗料は、その使用時に希釈有機溶剤を大気中に放出するため、地球環境および人体に対して悪影響を与えるので、水系又は粉体系の塗料を使用する方向へ移行している。これらの塗料の中でも特に、従来の有機溶剤系塗料用の設備やラインを使用でき、かつ、取り扱いが容易である水系塗料が注目されている。
【0003】
一方、シリコーン樹脂は、高耐候性塗料用樹脂として知られているが、その架橋反応に預かるシラノール基またはアルコキシシリル基は、水と反応して加水分解縮合反応を起こすため、乳化剤を用いてシリコーン樹脂の乳化を試みても、ゲル化、相分離等を起こすため、シリコーン樹脂を含むシリコーン塗料を水系にするのは困難であった。
【0004】
これらの問題点を解消するため、本発明者らは、先に、シリコーン樹脂である比較的低分子量のオルガノシロキサン部分加水分解物を乳化することによって、シリコーン樹脂を含む水系シリコーン塗料が得られることを見出し、すでに特許出願している(特開平10−168391号、同10−168392号の各公報参照)。
【0005】
ところが、本発明者らのその後の検討により、上記従来のシリコーン樹脂を含む水系シリコーン塗料の途膜には、塗布する環境および基材の種類によっては、より高い密着性が望まれる場合があることがわかった。特にこの水系シリコーン塗料の塗膜を有機塗料の塗膜上に作製しようとする場合、密着性が不充分である場合が多いことが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、基材の表面に有機塗料の塗膜を形成し、その表面に水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品、その塗装品の製造に用いる有機塗料及びその塗装品の製造に用いる水性シリコーン塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは種々検討を重ねた結果、有機塗膜を形成する有機塗料に、オルガノポリシロキサンを含有させることで、上記課題が解決できることを見出して本発明の完成に到ったものである。
【0008】
請求項1に係る発明の塗装品は、基材の表面に、有機塗料の塗膜を形成し、その表面に、水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明の塗装品は、請求項1記載の塗装品において、上記オルガノポリシロキサンが、エチルシリケート又はメチルシリケートであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明の塗装品は、請求項1又は請求項2記載の塗装品において、上記有機塗料が、アクリル樹脂系の有機塗料であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗装品において、上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(1):R2 aSiOb
(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗装品において、上記平均組成式(1)のR2が、炭素数1〜4のフェニル基であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗装品において、上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(3):HO(R3 2S
iO)nH(ここでR3は1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表されるポリシロキサンジオールを含有することを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明の有機塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明の水性シリコーン塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
[塗装品の実施形態]
図1は、本実施形態の塗装品を示す断面図であり、基材1の表面に、有機塗料の塗膜2を形成し、その表面に、水系シリコーン塗料の塗膜3を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有している。
【0018】
上記有機塗料の塗膜2を形成する有機塗料としては、たとえば、アクリル樹脂系、アルキド樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系等の有機樹脂を含有する有機塗料を用いることができ、その中でも、アクリル樹脂系の有機塗料を用いるのが、密着性向上の効果がより高いので、好ましい。また、シリコンで変性したアクリル樹脂系の有機塗料を用いることもできる。なお、ここで、アクリル樹脂系とは、メタクリル樹脂系をも含むものとする。また、この有機塗料には、顔料、増粘剤、消泡剤などの添加剤等を含有しても良い。
【0019】
本実施形態では、上記有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有していることが特に重要である。オルガノポリシロキサンを含有している有機塗料の塗膜2は、その塗膜中に、オルガノポリシロキサンを含有しているので、この有機塗料の塗膜2と水系シリコーン塗料の塗膜3との間で、親和力が働き、その結果、有機塗料の塗膜2と水系シリコーン塗料の塗膜3との密着力が向上する。
【0020】
上記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、エチルシリケート、メチルシリケート、オルガノシロキサン部分加水分解物等を用いることができる。その中でも、エチルシリケート又はメチルシリケートが、入手が容易であるので好ましい。
【0021】
また、有機塗料に含有させるオルガノポリシロキサンの含有量は、有機塗料の固形分の5〜30質量%とするのが好ましい。オルガノポリシロキサンの含有量が、5質量%より少ないと、有機塗料の塗膜と水系シリコーン塗料の塗膜の密着性向上効果が、小さくなる傾向にあり、30質量%より多いと、有機塗料の塗膜と基材との密着性が低下する傾向にある。
【0022】
有機塗料に用いられる溶媒または分散媒としては、水系、非水系のいずれの溶媒も用いることができるが、塗装時の地球環境および人体への悪影響を低減する点から水系の使用が好ましい。上記水系の溶媒または分散媒としては、特に限定はされないが、たとえば、水単独の他、親水系の有機溶媒(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等)の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの中でも、水−メタノール混合溶媒が、各成分の溶解または分散の安定性と、塗布後の乾燥性の点で好ましい。
【0023】
上記非水系の溶媒または分散媒としては、特に限定はされないが、たとえば、上記親水系の有機溶媒と、トルエン、キシレン等の疎水系の有機溶媒とからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、メタノールが、各成分の溶解または分散の安定性と、塗布後の乾燥性の点で好ましい。
【0024】
上記有機塗料の塗膜2の表面には、図1に示すように、水系シリコーン塗料の塗膜3を形成する。この水系シリコーン塗料は、溶媒または分散媒としては、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%が水からなる。
【0025】
上記水系シリコーン塗料は、主骨格にシロキサン結合を有するシリコーン樹脂(オルガノポリシロキサン)を含有する。この水系シリコーン塗料に含有するシリコーン樹脂としては、特に、下記(A)に示すオルガノシロキサン部分加水分解物を用いることができる。
【0026】
(A)平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
【0027】
このオルガノシロキサン部分加水分解物(以下、「オルガノシロキサン部分加水分解物(A)」と記す)は、分子末端に−OR1と−OH(いずれもケイ素原子に直接結合している)を両方とも有する3次元架橋性のシリコーン樹脂であり、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す上記平均組成式(1)中のR1およびR2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示す。R1およびR2は互いに同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。また、R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0028】
また、R2は、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、置換または非置換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、炭素数1〜4のフェニル基が、合成の容易さ或いは入手の容易さから好ましい。
【0029】
また、R1は、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の架橋反応性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好適である。オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の調製方法としては、特に限定はされないが、たとえば、上記式(1)中のR1がアルキル基(OR1がアルコキシ基)であるものを得る場合について例示すると、加水分解性オルガノクロロシランおよび加水分解性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれた1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを公知の方法により大量の水で加水分解することで得られるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができる。なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアルコキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解することにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが共存したオルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化する処理が省ける場合がある。
【0030】
上記加水分解性オルガノクロロシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。上記加水分解性オルガノアルコキシシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、一般式(2):R2 mSi(OR1)4−m(ここでR1、R2は上記式(1)中のものと同じであり、mは0〜3の整数である)で表される加水分解性オルガノシランのうち、R1がアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、m=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる。
【0031】
加水分解性オルガノシランを部分加水分解するために用いる触媒は、特に限定するものではないが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸や、酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダルシリカ等が例示できる。加水分解性オルガノシランとしてR1が低級アルキル基の加水分解性オルガノアルコキシシランを用いた場合、その部分加水分解において低級脂肪族アルコールが発生するが、この低級脂肪族アルコールは、両親媒性の溶媒であり、エマルジョンの安定性を低下させるので、シリコーンエマルジョン塗料の調製の際には予め脱溶媒して除いておくことが望ましい。
【0032】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す上記式(1)中のa、b、cおよびdは前述した関係を満たす数である。aが3以上の場合は、塗布塗膜の硬化がうまく進行しないという不都合がある。b=0の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。bが2の場合は、シリカ(SiO2(オルガノシロキサンではない))であり、硬化塗膜にクラックを生じるという問題がある。c=0の場合は、分子末端が、R2と、親水基であるOHのみになるため、分子全体での親水系が増加してエマルジョンの長期安定性が得られない。c=4の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。d=0の場合は、分子末端がR2とOR1の疎水基のみになるために、エマルジョンの長期安定性には有利であるが、OR1は塗布塗膜硬化時の架橋反応性に欠けるため、十分な硬化塗膜を得ることができない。d=4の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。
【0033】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の質量平均分子量はポリスチレン換算で、通常600〜5000、好ましくは2000〜4000、より好ましくは2500〜3000の範囲である。600未満の場合は、塗布硬化塗膜にクラックを生じる傾向にあり、5000を超えると、硬化がうまく進行しない傾向にある。
【0034】
水系シリコーン塗料の塗膜3を形成する水系シリコーン塗料としては、特に限定するわけではないが、たとえば、透明性、耐候性、耐久性、造膜性、塗料の保存安定性、100℃以下の低温(常温を含む)での硬化性等の点から、上記で詳細に説明したシリコーン樹脂であるオルガノシロキサン部分加水分解物(A)と、界面活性剤(B)と、水(C)とを成分として含んでなるシリコーンエマルジョン塗料を用いるのが好ましい。
【0035】
上記シリコーンエマルジョン塗料の(A)成分として用いられるオルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上述した構造を持ち、かつ、その質量平均分子量が上記所定範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含むシリコーンエマルジョン塗料は、100℃以上に加熱すれば塗膜の硬化に硬化触媒を必要としないとともに、硬化触媒を使用すれば100℃以下の低温加熱硬化および常温硬化も可能である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基の親水系−疎水系バランスが良好であるため、長期間安定なエマルジョン化が可能である。
【0036】
シリコーンエマルジョン塗料中、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の配合量は、特に限定はされないが、たとえば、塗料全量に対し、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは20〜30質量%の割合である。(A)の配合量が5質量%未満だと、塗膜としての強度が低下したり、耐久性のある塗膜の形成ができなかったり、塗膜の透明性が低下したり、硬化が阻害されたりする傾向がある。40質量%を超えると、塗膜の透明性が低下したり、塗膜にクラックが生じやすくなったり、シリコーンエマルジョン塗料の安定性が低下したりする傾向がある。
【0037】
シリコーンエマルジョン塗料の(B)成分として用いられる界面活性剤(以下、「界面活性剤(B)」と記す)は、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を水中にエマルジョン粒子として分散させるための乳化剤(エマルジョン化剤)として機能する。また、界面活性剤(B)には、それを含有する塗装層の表面を水に濡れやすくする効果もあるため、塗装層に強制的に紫外線を照射しなくても同塗装層はその形成初期から防曇性能、雨水洗浄による防汚性能を発揮する。
【0038】
界面活性剤(B)としては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(たとえば、、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(たとえば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等)等のポリオキシエチレン付加ノニオン系界面活性剤、オキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪族エステル、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノジプロピオン酸、イミダゾリンカルボン酸、アルキルベタイン、スルホベタイン、アミンオキシド、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン類等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、他の成分の安定性を損なわずにエマルジョンを長期間安定させるために、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましく、ポリオキシエチレン付加ノニオン系界面活性剤がさらに好ましい。
【0039】
シリコーンエマルジョン塗料中、界面活性剤(B)の配合量は、特に限定するわけではないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは4〜10質量%の割合である。1質量%未満であると、乳化が困難になる傾向がある。30質量%を超えると、塗膜の硬化性および耐候性が損なわれたり、界面活性剤(B)が塗膜の表面に移行して塗膜の白化を引き起こし、最終的に塗膜が劣化して塗膜の耐久性が損なわれたりする傾向にある。
【0040】
シリコーンエマルジョン塗料の(C)成分として用いられる水(以下、「水(C)」と記す)の配合量は、特に限定するわけではないが、たとえば、塗料全量に対し、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは60〜80質量%の割合である。水(C)の配合量が上記範囲を
外れると、エマルジョンの安定性が低下し、沈殿物を発生する等の不都合を生じる傾向がある。
【0041】
上記シリコーンエマルジョン塗料は、必要に応じ、平均組成式(3):HO(R3 2SiO)nH(ここでR3は1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表されるポリシロキサンジオールをも含むことができる。ポリシロキサンジオールは、シリコーンエマルジョン塗料の硬化を促進して100℃以下の低温での硬化をより確実に達成させたり、塗料の塗膜に靭性(柔軟性)を付与して該塗膜の耐クラック性を向上させたり、該塗膜表面に撥水系または非粘着性を付与したりすることができるので好ましい。
【0042】
水系シリコーン塗料である、上記シリコーンエマルジョン塗料を製造する方法としては、特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)および(C)成分を混合攪拌することにより得ることができる。攪拌方法、いわゆる乳化方法は、特に限定はされず、公知の方法を使用できるが、たとえば、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。その際、(A)、(B)および(C)成分の混合順序は、特に限定はされないが、たとえば、(A)および(C)成分を均一に混合後、これに、(B)成分、または、(B)および追加(C)成分を添加し、上記乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。
【0043】
水系シリコーン塗料の塗膜の厚みは、特に制限はなく、たとえば、0.1〜50μm程度が好ましいが、これらの塗装層が長期的に安定に密着、保持され、かつ、クラックや剥離等が発生しないためには、1〜20μmがより好ましい。
【0044】
有機塗料及び水系シリコーン塗料を塗布する方法は、特に限定するものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレー、浸漬(ディッピング)、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート、スピンコート等の通常の各種塗布方法を選択することができる。基材に塗布された各塗料を硬化させる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所望される塗布硬化塗膜性能や基材の耐熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
【0045】
本実施形態の塗装品に用いられる基材としては、特に限定はされないが、たとえば、無機質基材や有機質基材が挙げられる。また、これらの基材の表面には、模様剤で弾性を有する模様が施されていても良い。無機質基材としては、特に限定はされないが、たとえば、金属基材;ガラス基材;ホーロー;水ガラス化粧板、無機質硬化体等の無機質建材;セラミックス等が挙げられる。有機質基材としては、特に限定はされないが、たとえば、木、木材、紙等が挙げられる。
【0046】
なお、基材と有機塗料の塗膜との密着性をさらに向上させるために、必要に応じ、基材の表面に、有機塗料を塗布する前に予めプライマー層を形成させておいてもよい。プライマー層としては、例えば、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を用いたプライマー塗料の硬化樹脂層等が挙げられる。
【0047】
基材の形態については、特に限定はされず、たとえば、フィルム状、シート状、板状、繊維状等が挙げられる。また、基材は、これらの形状の材料の成形体、または、これらの形状の材料もしくはその成形体の少なくとも1つを一部に備えた構成体等であってもよい。基材は、上述した各種材料単独からなるものでもよいし、上述した各種材料のうちの少なくとも2つを組み合わせてなる複合材料または上述した各種材料のうちの少なくとも2つを積層してなる積層材料でもよい。
【0048】
本実施形態の塗装品は、各種材料または物品として、あるいは、該塗装品を各種材料または物品の少なくとも一部に装備させることにより、たとえば、下記の用途に好適に用いることができる。建物関連の部材または物品、たとえば、外装材(たとえば、外壁材、平板瓦・日本瓦・金属瓦等の瓦等)、塩ビ雨とい等の樹脂製雨とい・ステンレス雨とい等の金属製雨とい等の雨とい、門およびそれに用いるための部材(たとえば、門扉・門柱・門塀等)、フェンス(塀)およびそれに用いるための部材、ガレージ扉、ホームテラス、ドア、柱、カーポート、駐輪ポート、サインポスト、宅配ポスト、配電盤・スイッチ等の配線器具、ガスメーター、インターホン、テレビドアホン本体およびカメラレンズ部、電気錠、エントランスポール、縁側、換気扇吹き出し口、建物用ガラス等;窓(たとえば、採光窓、天窓、ルーバー等の開閉窓等)およびそれに用いるための部材(たとえば、窓枠、雨戸、ブラインド等)、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、機械装置、道路周辺部材(たとえば、防音壁、トンネル内装板、各種表示装置、ガードレール、車止め、高欄、交通標識の標識板および標識柱、信号機、ポストコーン等)、広告塔、屋外または屋内用照明器具およびそれに用いるための部材(たとえば、ガラス、樹脂、金属およびセラミックスからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の材料を含む部材等)、太陽電池用ガラス、農業用ビニールおよびガラスハウス、エアコン用室外機、VHF・UHF・BS・CS等のアンテナ等。
【0049】
なお、本実施形態の塗装品は、各塗料を上記の各種材料または物品の少なくとも一部に直接塗布し、硬化させたものであってもよいが、これに限定されず、たとえば、各塗料をフィルム基材の表面に塗布し、硬化させてなるフィルムを上記の各種材料または物品の少なくとも一部に貼ったものであってもよい。
【0050】
[有機塗料の実施形態]
次に、有機塗料に係る実施形態について説明する。
【0051】
上述した塗装品に係る実施形態で塗装品を得るために用いている有機塗料が、請求項7に係る発明の有機塗料の実施形態である。すなわち、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料が請求項7に係る発明の有機塗料である。そして、この有機塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性が向上した塗装品を得ることができる。
【0052】
[水系シリコーン塗料の実施形態]
次に、水系シリコーン塗料に係る実施形態について説明する。
【0053】
上述した塗装品に係る実施形態で塗装品を得るために用いている水系シリコーン塗料が、請求項8に係る発明の水系シリコーン塗料の実施形態である。すなわち、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)d
で表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含む水系シリコーン塗料が請求項8に係る発明のシリコーン塗料である。そして、この水性シリコーン塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性が向上した塗装品を得ることができる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって、詳細に説明する。
【0055】
(実施例1)
5cm×17cm×2mmのスレート板(基材1)の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」にメチルシリケート(コルコート(株)製:商品名「メチルシリケート51」)を10質量%添加した塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」(「フレッセラ」は登録商標)をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させて水系シリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0056】
(実施例2)
5cm×17cm×2mmのスレート板(基材1)の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」にエチルシリケート(コルコート(株)製:商品名「エチルシリケート40」)を10%添加した塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させてシリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0057】
(実施例3)
5cm×17cm×2mmのスレート板の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」に、オルガノポリシロキサンであるオルガノシロキサン部分加水分解物を含有する松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」を、その固形分が10質量%となるように、有機塗料に添加し、その添加した有機塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させてシリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0058】
(比較例1)
実施例1において、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」を、メチルシリケートを添加することなしに用いること以外は、実施例1と同様にして、図1に示す塗装品を得た。
【0059】
(試験)
得られた塗装品を、沸騰水中に1時間入れた後、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を碁盤目粘着テープ剥離試験で評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1にみられるように、実施例1〜3の塗装品は、比較例1の塗装品よりも、優れた性能を示すものあることが確認された。
【0062】
【発明の効果】
請求項1〜6に係る塗装品は、基材の表面に、有機塗料の塗膜を形成し、その表面に、実質的に無溶剤の水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有するので、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品となる。
【0063】
請求項7に係る有機塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料であるので、この有機塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品を得ることができる。
【0064】
請求項8に係る発明の水系シリコーン塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むものであり、この水系シリコーン塗料の塗膜を、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料の塗膜の表面に形成しているので、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装品の実施形態を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 有機塗料の塗膜
3 水系シリコーン塗料の塗膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建築材等に用いられる水系シリコーン塗料を用いた塗装品、有機塗料及び水系シリコーン塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤系塗料は、その使用時に希釈有機溶剤を大気中に放出するため、地球環境および人体に対して悪影響を与えるので、水系又は粉体系の塗料を使用する方向へ移行している。これらの塗料の中でも特に、従来の有機溶剤系塗料用の設備やラインを使用でき、かつ、取り扱いが容易である水系塗料が注目されている。
【0003】
一方、シリコーン樹脂は、高耐候性塗料用樹脂として知られているが、その架橋反応に預かるシラノール基またはアルコキシシリル基は、水と反応して加水分解縮合反応を起こすため、乳化剤を用いてシリコーン樹脂の乳化を試みても、ゲル化、相分離等を起こすため、シリコーン樹脂を含むシリコーン塗料を水系にするのは困難であった。
【0004】
これらの問題点を解消するため、本発明者らは、先に、シリコーン樹脂である比較的低分子量のオルガノシロキサン部分加水分解物を乳化することによって、シリコーン樹脂を含む水系シリコーン塗料が得られることを見出し、すでに特許出願している(特開平10−168391号、同10−168392号の各公報参照)。
【0005】
ところが、本発明者らのその後の検討により、上記従来のシリコーン樹脂を含む水系シリコーン塗料の途膜には、塗布する環境および基材の種類によっては、より高い密着性が望まれる場合があることがわかった。特にこの水系シリコーン塗料の塗膜を有機塗料の塗膜上に作製しようとする場合、密着性が不充分である場合が多いことが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、基材の表面に有機塗料の塗膜を形成し、その表面に水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品、その塗装品の製造に用いる有機塗料及びその塗装品の製造に用いる水性シリコーン塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは種々検討を重ねた結果、有機塗膜を形成する有機塗料に、オルガノポリシロキサンを含有させることで、上記課題が解決できることを見出して本発明の完成に到ったものである。
【0008】
請求項1に係る発明の塗装品は、基材の表面に、有機塗料の塗膜を形成し、その表面に、水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明の塗装品は、請求項1記載の塗装品において、上記オルガノポリシロキサンが、エチルシリケート又はメチルシリケートであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明の塗装品は、請求項1又は請求項2記載の塗装品において、上記有機塗料が、アクリル樹脂系の有機塗料であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗装品において、上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(1):R2 aSiOb
(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗装品において、上記平均組成式(1)のR2が、炭素数1〜4のフェニル基であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明の塗装品は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗装品において、上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(3):HO(R3 2S
iO)nH(ここでR3は1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表されるポリシロキサンジオールを含有することを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明の有機塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明の水性シリコーン塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
[塗装品の実施形態]
図1は、本実施形態の塗装品を示す断面図であり、基材1の表面に、有機塗料の塗膜2を形成し、その表面に、水系シリコーン塗料の塗膜3を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有している。
【0018】
上記有機塗料の塗膜2を形成する有機塗料としては、たとえば、アクリル樹脂系、アルキド樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系等の有機樹脂を含有する有機塗料を用いることができ、その中でも、アクリル樹脂系の有機塗料を用いるのが、密着性向上の効果がより高いので、好ましい。また、シリコンで変性したアクリル樹脂系の有機塗料を用いることもできる。なお、ここで、アクリル樹脂系とは、メタクリル樹脂系をも含むものとする。また、この有機塗料には、顔料、増粘剤、消泡剤などの添加剤等を含有しても良い。
【0019】
本実施形態では、上記有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有していることが特に重要である。オルガノポリシロキサンを含有している有機塗料の塗膜2は、その塗膜中に、オルガノポリシロキサンを含有しているので、この有機塗料の塗膜2と水系シリコーン塗料の塗膜3との間で、親和力が働き、その結果、有機塗料の塗膜2と水系シリコーン塗料の塗膜3との密着力が向上する。
【0020】
上記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、エチルシリケート、メチルシリケート、オルガノシロキサン部分加水分解物等を用いることができる。その中でも、エチルシリケート又はメチルシリケートが、入手が容易であるので好ましい。
【0021】
また、有機塗料に含有させるオルガノポリシロキサンの含有量は、有機塗料の固形分の5〜30質量%とするのが好ましい。オルガノポリシロキサンの含有量が、5質量%より少ないと、有機塗料の塗膜と水系シリコーン塗料の塗膜の密着性向上効果が、小さくなる傾向にあり、30質量%より多いと、有機塗料の塗膜と基材との密着性が低下する傾向にある。
【0022】
有機塗料に用いられる溶媒または分散媒としては、水系、非水系のいずれの溶媒も用いることができるが、塗装時の地球環境および人体への悪影響を低減する点から水系の使用が好ましい。上記水系の溶媒または分散媒としては、特に限定はされないが、たとえば、水単独の他、親水系の有機溶媒(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等)の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの中でも、水−メタノール混合溶媒が、各成分の溶解または分散の安定性と、塗布後の乾燥性の点で好ましい。
【0023】
上記非水系の溶媒または分散媒としては、特に限定はされないが、たとえば、上記親水系の有機溶媒と、トルエン、キシレン等の疎水系の有機溶媒とからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、メタノールが、各成分の溶解または分散の安定性と、塗布後の乾燥性の点で好ましい。
【0024】
上記有機塗料の塗膜2の表面には、図1に示すように、水系シリコーン塗料の塗膜3を形成する。この水系シリコーン塗料は、溶媒または分散媒としては、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%が水からなる。
【0025】
上記水系シリコーン塗料は、主骨格にシロキサン結合を有するシリコーン樹脂(オルガノポリシロキサン)を含有する。この水系シリコーン塗料に含有するシリコーン樹脂としては、特に、下記(A)に示すオルガノシロキサン部分加水分解物を用いることができる。
【0026】
(A)平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
【0027】
このオルガノシロキサン部分加水分解物(以下、「オルガノシロキサン部分加水分解物(A)」と記す)は、分子末端に−OR1と−OH(いずれもケイ素原子に直接結合している)を両方とも有する3次元架橋性のシリコーン樹脂であり、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す上記平均組成式(1)中のR1およびR2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示す。R1およびR2は互いに同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。また、R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0028】
また、R2は、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、置換または非置換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、炭素数1〜4のフェニル基が、合成の容易さ或いは入手の容易さから好ましい。
【0029】
また、R1は、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の架橋反応性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好適である。オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の調製方法としては、特に限定はされないが、たとえば、上記式(1)中のR1がアルキル基(OR1がアルコキシ基)であるものを得る場合について例示すると、加水分解性オルガノクロロシランおよび加水分解性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれた1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを公知の方法により大量の水で加水分解することで得られるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができる。なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアルコキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解することにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが共存したオルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化する処理が省ける場合がある。
【0030】
上記加水分解性オルガノクロロシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。上記加水分解性オルガノアルコキシシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、一般式(2):R2 mSi(OR1)4−m(ここでR1、R2は上記式(1)中のものと同じであり、mは0〜3の整数である)で表される加水分解性オルガノシランのうち、R1がアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、m=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる。
【0031】
加水分解性オルガノシランを部分加水分解するために用いる触媒は、特に限定するものではないが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸や、酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダルシリカ等が例示できる。加水分解性オルガノシランとしてR1が低級アルキル基の加水分解性オルガノアルコキシシランを用いた場合、その部分加水分解において低級脂肪族アルコールが発生するが、この低級脂肪族アルコールは、両親媒性の溶媒であり、エマルジョンの安定性を低下させるので、シリコーンエマルジョン塗料の調製の際には予め脱溶媒して除いておくことが望ましい。
【0032】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す上記式(1)中のa、b、cおよびdは前述した関係を満たす数である。aが3以上の場合は、塗布塗膜の硬化がうまく進行しないという不都合がある。b=0の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。bが2の場合は、シリカ(SiO2(オルガノシロキサンではない))であり、硬化塗膜にクラックを生じるという問題がある。c=0の場合は、分子末端が、R2と、親水基であるOHのみになるため、分子全体での親水系が増加してエマルジョンの長期安定性が得られない。c=4の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。d=0の場合は、分子末端がR2とOR1の疎水基のみになるために、エマルジョンの長期安定性には有利であるが、OR1は塗布塗膜硬化時の架橋反応性に欠けるため、十分な硬化塗膜を得ることができない。d=4の場合は、モノマーであり、硬化塗膜を形成できないという問題がある。
【0033】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の質量平均分子量はポリスチレン換算で、通常600〜5000、好ましくは2000〜4000、より好ましくは2500〜3000の範囲である。600未満の場合は、塗布硬化塗膜にクラックを生じる傾向にあり、5000を超えると、硬化がうまく進行しない傾向にある。
【0034】
水系シリコーン塗料の塗膜3を形成する水系シリコーン塗料としては、特に限定するわけではないが、たとえば、透明性、耐候性、耐久性、造膜性、塗料の保存安定性、100℃以下の低温(常温を含む)での硬化性等の点から、上記で詳細に説明したシリコーン樹脂であるオルガノシロキサン部分加水分解物(A)と、界面活性剤(B)と、水(C)とを成分として含んでなるシリコーンエマルジョン塗料を用いるのが好ましい。
【0035】
上記シリコーンエマルジョン塗料の(A)成分として用いられるオルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上述した構造を持ち、かつ、その質量平均分子量が上記所定範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含むシリコーンエマルジョン塗料は、100℃以上に加熱すれば塗膜の硬化に硬化触媒を必要としないとともに、硬化触媒を使用すれば100℃以下の低温加熱硬化および常温硬化も可能である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基の親水系−疎水系バランスが良好であるため、長期間安定なエマルジョン化が可能である。
【0036】
シリコーンエマルジョン塗料中、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の配合量は、特に限定はされないが、たとえば、塗料全量に対し、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは20〜30質量%の割合である。(A)の配合量が5質量%未満だと、塗膜としての強度が低下したり、耐久性のある塗膜の形成ができなかったり、塗膜の透明性が低下したり、硬化が阻害されたりする傾向がある。40質量%を超えると、塗膜の透明性が低下したり、塗膜にクラックが生じやすくなったり、シリコーンエマルジョン塗料の安定性が低下したりする傾向がある。
【0037】
シリコーンエマルジョン塗料の(B)成分として用いられる界面活性剤(以下、「界面活性剤(B)」と記す)は、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を水中にエマルジョン粒子として分散させるための乳化剤(エマルジョン化剤)として機能する。また、界面活性剤(B)には、それを含有する塗装層の表面を水に濡れやすくする効果もあるため、塗装層に強制的に紫外線を照射しなくても同塗装層はその形成初期から防曇性能、雨水洗浄による防汚性能を発揮する。
【0038】
界面活性剤(B)としては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(たとえば、、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(たとえば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等)等のポリオキシエチレン付加ノニオン系界面活性剤、オキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪族エステル、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノジプロピオン酸、イミダゾリンカルボン酸、アルキルベタイン、スルホベタイン、アミンオキシド、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン類等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、他の成分の安定性を損なわずにエマルジョンを長期間安定させるために、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましく、ポリオキシエチレン付加ノニオン系界面活性剤がさらに好ましい。
【0039】
シリコーンエマルジョン塗料中、界面活性剤(B)の配合量は、特に限定するわけではないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは4〜10質量%の割合である。1質量%未満であると、乳化が困難になる傾向がある。30質量%を超えると、塗膜の硬化性および耐候性が損なわれたり、界面活性剤(B)が塗膜の表面に移行して塗膜の白化を引き起こし、最終的に塗膜が劣化して塗膜の耐久性が損なわれたりする傾向にある。
【0040】
シリコーンエマルジョン塗料の(C)成分として用いられる水(以下、「水(C)」と記す)の配合量は、特に限定するわけではないが、たとえば、塗料全量に対し、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは60〜80質量%の割合である。水(C)の配合量が上記範囲を
外れると、エマルジョンの安定性が低下し、沈殿物を発生する等の不都合を生じる傾向がある。
【0041】
上記シリコーンエマルジョン塗料は、必要に応じ、平均組成式(3):HO(R3 2SiO)nH(ここでR3は1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表されるポリシロキサンジオールをも含むことができる。ポリシロキサンジオールは、シリコーンエマルジョン塗料の硬化を促進して100℃以下の低温での硬化をより確実に達成させたり、塗料の塗膜に靭性(柔軟性)を付与して該塗膜の耐クラック性を向上させたり、該塗膜表面に撥水系または非粘着性を付与したりすることができるので好ましい。
【0042】
水系シリコーン塗料である、上記シリコーンエマルジョン塗料を製造する方法としては、特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)および(C)成分を混合攪拌することにより得ることができる。攪拌方法、いわゆる乳化方法は、特に限定はされず、公知の方法を使用できるが、たとえば、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。その際、(A)、(B)および(C)成分の混合順序は、特に限定はされないが、たとえば、(A)および(C)成分を均一に混合後、これに、(B)成分、または、(B)および追加(C)成分を添加し、上記乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。
【0043】
水系シリコーン塗料の塗膜の厚みは、特に制限はなく、たとえば、0.1〜50μm程度が好ましいが、これらの塗装層が長期的に安定に密着、保持され、かつ、クラックや剥離等が発生しないためには、1〜20μmがより好ましい。
【0044】
有機塗料及び水系シリコーン塗料を塗布する方法は、特に限定するものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレー、浸漬(ディッピング)、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート、スピンコート等の通常の各種塗布方法を選択することができる。基材に塗布された各塗料を硬化させる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所望される塗布硬化塗膜性能や基材の耐熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
【0045】
本実施形態の塗装品に用いられる基材としては、特に限定はされないが、たとえば、無機質基材や有機質基材が挙げられる。また、これらの基材の表面には、模様剤で弾性を有する模様が施されていても良い。無機質基材としては、特に限定はされないが、たとえば、金属基材;ガラス基材;ホーロー;水ガラス化粧板、無機質硬化体等の無機質建材;セラミックス等が挙げられる。有機質基材としては、特に限定はされないが、たとえば、木、木材、紙等が挙げられる。
【0046】
なお、基材と有機塗料の塗膜との密着性をさらに向上させるために、必要に応じ、基材の表面に、有機塗料を塗布する前に予めプライマー層を形成させておいてもよい。プライマー層としては、例えば、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を用いたプライマー塗料の硬化樹脂層等が挙げられる。
【0047】
基材の形態については、特に限定はされず、たとえば、フィルム状、シート状、板状、繊維状等が挙げられる。また、基材は、これらの形状の材料の成形体、または、これらの形状の材料もしくはその成形体の少なくとも1つを一部に備えた構成体等であってもよい。基材は、上述した各種材料単独からなるものでもよいし、上述した各種材料のうちの少なくとも2つを組み合わせてなる複合材料または上述した各種材料のうちの少なくとも2つを積層してなる積層材料でもよい。
【0048】
本実施形態の塗装品は、各種材料または物品として、あるいは、該塗装品を各種材料または物品の少なくとも一部に装備させることにより、たとえば、下記の用途に好適に用いることができる。建物関連の部材または物品、たとえば、外装材(たとえば、外壁材、平板瓦・日本瓦・金属瓦等の瓦等)、塩ビ雨とい等の樹脂製雨とい・ステンレス雨とい等の金属製雨とい等の雨とい、門およびそれに用いるための部材(たとえば、門扉・門柱・門塀等)、フェンス(塀)およびそれに用いるための部材、ガレージ扉、ホームテラス、ドア、柱、カーポート、駐輪ポート、サインポスト、宅配ポスト、配電盤・スイッチ等の配線器具、ガスメーター、インターホン、テレビドアホン本体およびカメラレンズ部、電気錠、エントランスポール、縁側、換気扇吹き出し口、建物用ガラス等;窓(たとえば、採光窓、天窓、ルーバー等の開閉窓等)およびそれに用いるための部材(たとえば、窓枠、雨戸、ブラインド等)、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、機械装置、道路周辺部材(たとえば、防音壁、トンネル内装板、各種表示装置、ガードレール、車止め、高欄、交通標識の標識板および標識柱、信号機、ポストコーン等)、広告塔、屋外または屋内用照明器具およびそれに用いるための部材(たとえば、ガラス、樹脂、金属およびセラミックスからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の材料を含む部材等)、太陽電池用ガラス、農業用ビニールおよびガラスハウス、エアコン用室外機、VHF・UHF・BS・CS等のアンテナ等。
【0049】
なお、本実施形態の塗装品は、各塗料を上記の各種材料または物品の少なくとも一部に直接塗布し、硬化させたものであってもよいが、これに限定されず、たとえば、各塗料をフィルム基材の表面に塗布し、硬化させてなるフィルムを上記の各種材料または物品の少なくとも一部に貼ったものであってもよい。
【0050】
[有機塗料の実施形態]
次に、有機塗料に係る実施形態について説明する。
【0051】
上述した塗装品に係る実施形態で塗装品を得るために用いている有機塗料が、請求項7に係る発明の有機塗料の実施形態である。すなわち、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料が請求項7に係る発明の有機塗料である。そして、この有機塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性が向上した塗装品を得ることができる。
【0052】
[水系シリコーン塗料の実施形態]
次に、水系シリコーン塗料に係る実施形態について説明する。
【0053】
上述した塗装品に係る実施形態で塗装品を得るために用いている水系シリコーン塗料が、請求項8に係る発明の水系シリコーン塗料の実施形態である。すなわち、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)d
で表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含む水系シリコーン塗料が請求項8に係る発明のシリコーン塗料である。そして、この水性シリコーン塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性が向上した塗装品を得ることができる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって、詳細に説明する。
【0055】
(実施例1)
5cm×17cm×2mmのスレート板(基材1)の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」にメチルシリケート(コルコート(株)製:商品名「メチルシリケート51」)を10質量%添加した塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」(「フレッセラ」は登録商標)をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させて水系シリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0056】
(実施例2)
5cm×17cm×2mmのスレート板(基材1)の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」にエチルシリケート(コルコート(株)製:商品名「エチルシリケート40」)を10%添加した塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させてシリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0057】
(実施例3)
5cm×17cm×2mmのスレート板の表面に、プライマー塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポプライマ」をローラーで200g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、次いで、この表面に、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」に、オルガノポリシロキサンであるオルガノシロキサン部分加水分解物を含有する松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」を、その固形分が10質量%となるように、有機塗料に添加し、その添加した有機塗料をローラーで200g/m2の塗装量となるように塗布することにより、有機塗料の塗膜2を形成した。次いで、この有機塗料の塗膜2の表面に、水系シリコーン塗料(分散媒:水95質量%)である松下電工(株)製「水系フレッセラアクリル変性品L2」をスプレーガンで40g/m2の塗布量になるように塗布し、これを室温で7日間乾燥させてシリコーン塗料の塗膜3を形成することにより、図1に示す塗装品を得た。
【0058】
(比較例1)
実施例1において、アクリル樹脂系の有機塗料であるエスケー化研(株)製:商品名「水系コンポシリコン白」を、メチルシリケートを添加することなしに用いること以外は、実施例1と同様にして、図1に示す塗装品を得た。
【0059】
(試験)
得られた塗装品を、沸騰水中に1時間入れた後、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を碁盤目粘着テープ剥離試験で評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1にみられるように、実施例1〜3の塗装品は、比較例1の塗装品よりも、優れた性能を示すものあることが確認された。
【0062】
【発明の効果】
請求項1〜6に係る塗装品は、基材の表面に、有機塗料の塗膜を形成し、その表面に、実質的に無溶剤の水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有するので、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品となる。
【0063】
請求項7に係る有機塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料であるので、この有機塗料を用いると、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品を得ることができる。
【0064】
請求項8に係る発明の水系シリコーン塗料は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むものであり、この水系シリコーン塗料の塗膜を、オルガノポリシロキサンを含有する有機塗料の塗膜の表面に形成しているので、水系シリコーン塗料の塗膜の密着性を向上することのできる塗装品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装品の実施形態を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 有機塗料の塗膜
3 水系シリコーン塗料の塗膜
Claims (8)
- 基材の表面に、有機塗料の塗膜を形成し、その表面に、水系シリコーン塗料の塗膜を形成した塗装品において、有機塗料が、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする塗装品。
- 上記オルガノポリシロキサンが、エチルシリケート又はメチルシリケートであることを特徴とする請求項1記載の塗装品。
- 上記有機塗料が、アクリル樹脂系の有機塗料であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の塗装品。
- 上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(1):R2 aSi
Ob(OR1)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗装品。 - 上記平均組成式(1)のR2が、炭素数が1〜4のフェニル基であることを特徴とする請求項4記載の塗装品。
- 上記水系シリコーン塗料が、平均組成式(3):HO(R3 2SiO)nH(ここでR3は1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表されるポリシロキサンジオールを含有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の塗装品。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる有機塗料であって、オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする有機塗料。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装品の製造に用いる水系シリコーン塗料であって、平均組成式(1):R2 aSiOb(OR1
)c(OH)dで表され(ここでR1、R2は互いに独立に同一または異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その質量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むことを特徴とする水系シリコーン塗料。
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Cited By (2)
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CN100411226C (zh) * | 2006-02-13 | 2008-08-13 | 谢子聪 | 用于电动自行车的电池箱 |
JP5721725B2 (ja) * | 2010-09-14 | 2015-05-20 | 中国塗料株式会社 | 水系塗料組成物および該水系塗料組成物を用いた防錆方法 |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002160431A patent/JP2004001298A/ja not_active Withdrawn
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