JP2004001262A - 射出成形用ノズル及びこのノズルへの分流チップの取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分流チップの挿入が容易で堅固な固定ができる射出成形用ノズル、また挿入を容易にし、しかも確実に行なうことができる射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法を提供すること。
【解決手段】分流チップ5、10を射出孔3に挿入する際には、この分流チップ5、10の一部を射出孔3と略同径の挿入棒6の挟持部7、8に保持した状態でノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、その後前記挿入棒6を抜き、たたき棒12を使用して分流チップ5、10を打ち込み嵌合させるようにしたので、射出孔3の中心に容易に挿入し、しかも堅固に嵌合し固定することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】分流チップ5、10を射出孔3に挿入する際には、この分流チップ5、10の一部を射出孔3と略同径の挿入棒6の挟持部7、8に保持した状態でノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、その後前記挿入棒6を抜き、たたき棒12を使用して分流チップ5、10を打ち込み嵌合させるようにしたので、射出孔3の中心に容易に挿入し、しかも堅固に嵌合し固定することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂の射出成形において材料樹脂の糸引き現象や、いわゆるハナ垂れ現象を防止するために射出孔を複数に分割した射出成形用ノズル及び射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に円形断面の単一の射出孔を有する射出成形用ノズルを使用して起こる糸引き現象や、いわゆるハナ垂れ現象を防止するために分流チップを挿入することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分流チップが外れると、シリンダーや金型を損傷してしまう。また分流チップを挿入するのは容易ではなく、堅固に固定するのは難しい。
【0004】
特に、射出成形用ノズルに挿入した分流チップの嵌合がゆるい場合、金型とのノズルタッチの際に強い衝撃があると分流チップが外れることがある。また、ノズルの射出孔は小径であり分流チップの大きさも小さいから、射出孔の中心に確実に挿入して堅固に固定するのは難しい。
【0005】
そこで本発明は、分流チップの挿入が容易で堅固な固定ができる射出成形用ノズル、また挿入を容易にし、しかも確実に行なうことができる射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、ノズル本体の先端に位置する射出孔に分流チップを挿入することにより、射出孔を複数に分割するように構成した射出成形用ノズルにおいて、分流チップの外周部を挿入する先端側が細くなるように勾配を付けて形成したことを特徴とする。
【0007】
また第2の発明は、ノズル本体の先端に位置する射出孔を複数に分割するように、前記ノズル本体に分流チップを挿入し固定する射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法において、分流チップを射出孔に挿入する際には、この分流チップの一部を前記射出孔と略同径の挿入棒の挟持部に保持した状態で前記ノズル本体内の樹脂通路から挿入し、その後前記挿入棒を抜き、たたき棒を使用して分流チップを打ち込み嵌合させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図1乃至図6に基づき、本発明の実施の形態について説明する。図1は射出成形用ノズルの分流チップ取付け前の断面図、図2は射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の断面図、図3は射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の正面図、図4は分流チップの拡大斜視図、図5は同分流チップの正面図、図6は同分流チップの側面図を示している。
【0009】
1は射出成形用ノズルのノズル本体であり、このノズル本体1の先端にノズルタッチ面2が形成され、このノズルタッチ面2は半球型を呈し中央に円筒状の射出孔3を有している。前記射出孔3の後端からは円錐台状に内径が拡大し、さらにその後部は円筒状の樹脂通路4が形成されている。
【0010】
前記射出孔3に挿入される分流チップ5の外周部5Aは射出孔3の直径に略等しい円弧形状とし、前記射出孔3に挿入し易いように先端に向けて細くなるように勾配をつけて形成し、この分流チップ5の先端の外径を射出孔3の直径に略等しく形成する。また、前記分流チップ5の厚さは外周部が厚く、中心部が薄くなるようにして円弧状に形成し、左右対称の形状とする。更に、分流チップ5の後面5Bと円弧状の分離側面5Cとの角部は両側とも面取り5Dを施して斜面を形成し、成形時の樹脂流動の圧力損失を減少させる。尚、分流チップ5の材質は、例えばステンレス鋼を焼き入れ処理したものを使用し、例えば前記射出孔3の長さと略同等の長さを有する。
【0011】
次に、図7乃至図16に基づいて、挿入棒6及びたたき棒9を使用した分流チップの取付方法について説明する。図7は挿入棒6の正面図、図8は同挿入棒6の左側面図、図9は同挿入棒6の右側面図、図10は挿入棒6に分流チップ5を装着した状態を説明する斜視図、図11は分流チップ5を装着した状態の挿入棒6の左側面図、図12は挿入棒6に他の実施形態の分流チップ10を装着した状態を説明する斜視図、図13は他の実施形態の分流チップ10を装着した状態の挿入棒6の右側面図、図14は分流チップ5の先端部を挿入棒6を使用して射出孔3に挿入した状態を説明する断面図、図15は分流チップ5をたたき棒9を使用して射出孔3に圧入嵌合させた状態を説明する断面図、図16はたたき棒9を使用して射出孔3から分流チップ5を外す状態を説明する断面図を示している。
【0012】
前記射出孔3に分流チップ5を挿入する際に使用する挿入棒6は直径をノズル本体1の射出孔3の直径と等しくし、一端を2分割用の分流チップ5の挟持部7とし、他端を3分割用の後述する分流チップ10の挟持部8とし、材質は合成樹脂材料を使用し成形して製作する。2分割用の分流チップ5の挟持部7は、挟持溝9を2分割用の分流チップ5の断面形状と同じく外周部に向けて広く中心が狭い円弧状とし、その円弧も分流チップ5と同一の円弧形状とし、前記挟持溝9の深さは分流チップ5の長さと等しくするため、分流チップ5は挟持溝9に隙間も無く嵌って保持される。
【0013】
また、前記挿入棒6の他端の3分割用分流チップ10の挟持部8は、この挿入棒6の外周に接して内側に等間隔を存して3本の細い円柱状の突起11が形成され、3分割用の分流チップ10の各分離側面10Cが各突起11間に嵌るように、言い換えると各突起11で挟持できるように形成し、分流チップ10を保持する。
【0014】
次に、分流チップ5の取付方法について説明する。分流チップ5の取付けは、挿入棒6の一端の挟持部7に分流チップ5の外径が小さい方を先端部となるように取付けて、ノズル本体1内の樹脂通路4を介して射出孔3に挿入する。このとき、挿入棒6の直径は射出孔3の直径に等しいため、分流チップ5は挿入棒6に案内され、図14に示すように、挿入棒6と共に確実に射出孔3の中心にその先端部を射出孔3に挿入することができる。この後、挿入棒6をノズル本体1内の樹脂通路4から抜く。
【0015】
次に、図15に示すように、たたき棒12をノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、分流チップ5に押し当て作業者がハンマーで軽くたたいて、射出孔3の先端位置から分流チップ5の先端までの距離が0.5〜1.0mmになるまで圧入する。その理由は、その距離が実質的にないと、金型とのノズルタッチの際に衝撃により分流チップがゆるむので、ゆるまないようにするためである。なお、このとき分流チップ5が射出孔3に対し真直度を保つように圧入する。
【0016】
尚、たたき棒12は、例えば黄銅等の金属製材料で作製し、射出孔3の内径と同径か少し小径で射出孔3の長さと略同じ長さの挿入部12Aと、この挿入部12A端部に形成された拡径部12Bと、この拡径部12Bの最大径と同径で拡径部12Bに連なる本体部12Cとで形成される。
【0017】
尚、分流チップ5の交換や、樹脂替え、樹脂詰りのために分流チップ5を取り外す時は、図16に示すように、たたき棒12をノズル本体1外側の先端の射出孔3から挿入し、ハンマーで軽くたたいて抜くことができる。この抜かれた分流チップ5は、例えばその先端を1〜2mm位削ることにより再利用することができる。
【0018】
図17は他の実施形態の分流チップ10の拡大斜視図、図18は同分流チップ10の正面図を示している。この形態は3分割の分流チップ10であって、前記射出孔3に挿入される分流チップ10の外周部10Aは射出孔3の直径に略等しい円弧形状とし、前記射出孔3に挿入し易いように先端に向けて細くなるように勾配をつけて形成し、この分流チップ10の先端の外径を射出孔3の直径に略等しく形成する。また、前記分流チップ5の厚さは外周部が厚く、中心部が薄くなるようにして円弧状に形成する。更に、分流チップ5の後面10Bと円弧状の分離側面10Cとの角部は3面とも面取り10Dを施して斜面を形成し、成形時の樹脂流動の圧力損失を減少させる。
【0019】
尚、この分流チップ10の材質は、例えばステンレス鋼を焼き入れ処理したものを使用し、例えば前記射出孔3の長さと略同等の長さを有する。この分流チップ10のノズル本体1への取付方法は、前述した分流チップ5のノズル本体1への取付方法と同じであり、省略する。また、メルトフローフレートが高く又は通常よりは樹脂の温度を上げて成形したい場合には、3分割用の分流チップ10が、一般成形では2分割用の分流チップ5が良いテスト結果が得られた。
【0020】
本発明は上述の如くであり、ノズル本体1の先端に位置する射出孔3に分流チップ5、10を挿入することにより、射出孔3を複数に分割するように構成した射出成形用ノズルにおいて、分流チップ5、10の外周部を挿入する先端側が細くなるように勾配を付けて形成したので、射出孔3に挿入しやすく、しかも堅固に固定することができる。
【0021】
また、分流チップ5、10を射出孔3に挿入する際には、この分流チップ5、10の一部を前記射出孔3と略同径の挿入棒6の挟持部7、8に保持した状態で前記ノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、その後前記挿入棒6を抜き、たたき棒12を使用して分流チップ5、10を打ち込み嵌合させるようにしたので、射出孔3の中心に容易に挿入し、しかも堅固に嵌合し固定することができる。
【0022】
そして、成形を行なう場合、型閉じされた成形型に対し溶融材料をノズルからスプルー、ランナー、ゲートを通してキャビティ内に射出する。そして、所定の時間、型閉じ状態を保持した後に可動型を移動させて型開きを行なうが、このとき製品スプルー部がノズルから切り離される際に、ノズル側の溶融材料がスプルー側に引っ張られ、製品スプルー部の先端から細く長い糸状の材料が伸びる糸引き現象や、ノズル先端から溶融材料が垂れるいわゆるハナ垂れ現象が発生し易かったが、本発明はこのような現象を防止するために、分流チップ5、10を樹脂材料、樹脂温度、射出圧等の各種条件に応じて選定し、既存のノズル本体に取付けることにより容易に射出孔を複数に分割した射出成形用ノズルを製作可能にしたので、このノズルの使用により成形不良を減らし、金型の損傷を防止することができる。
【0023】
以上本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、分流チップの挿入が容易で堅固な固定ができる射出成形用ノズル、また挿入を容易にし、しかも確実に挿入取付けを行なうことができる射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形用ノズルの分流チップ取付け前の断面図である。
【図2】射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の断面図である。
【図3】射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の正面図である。
【図4】分流チップの拡大斜視図である。
【図5】分流チップの正面図である。
【図6】分流チップの側面図である。
【図7】挿入棒の正面図である。
【図8】挿入棒の左側面図である。
【図9】挿入棒の右側面図である。
【図10】挿入棒に分流チップを装着した状態を説明する斜視図である。
【図11】分流チップを装着した状態の挿入棒の左側面図である。
【図12】挿入棒に他の実施形態の分流チップを装着した状態を説明する斜視図である。
【図13】他の実施形態の分流チップを装着した状態の挿入棒の右側面図である。
【図14】分流チップ5の先端部を挿入棒を使用して射出孔に挿入した状態を説明する断面図である。
【図15】分流チップ5をたたき棒を使用して射出孔に圧入嵌合させた状態を説明する断面図である。
【図16】たたき棒を使用して射出孔から分流チップ5を外す状態を説明する断面図である。
【図17】他の実施形態の分流チップ10の拡大斜視図である。
【図18】他の実施形態の分流チップ10の正面図である。
【符号の説明】
1 ノズル本体
3 射出孔
4 樹脂通路
5、10 分流チップ
6 挿入棒
7、8 挟持部
12 たたき棒
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂の射出成形において材料樹脂の糸引き現象や、いわゆるハナ垂れ現象を防止するために射出孔を複数に分割した射出成形用ノズル及び射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に円形断面の単一の射出孔を有する射出成形用ノズルを使用して起こる糸引き現象や、いわゆるハナ垂れ現象を防止するために分流チップを挿入することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分流チップが外れると、シリンダーや金型を損傷してしまう。また分流チップを挿入するのは容易ではなく、堅固に固定するのは難しい。
【0004】
特に、射出成形用ノズルに挿入した分流チップの嵌合がゆるい場合、金型とのノズルタッチの際に強い衝撃があると分流チップが外れることがある。また、ノズルの射出孔は小径であり分流チップの大きさも小さいから、射出孔の中心に確実に挿入して堅固に固定するのは難しい。
【0005】
そこで本発明は、分流チップの挿入が容易で堅固な固定ができる射出成形用ノズル、また挿入を容易にし、しかも確実に行なうことができる射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、ノズル本体の先端に位置する射出孔に分流チップを挿入することにより、射出孔を複数に分割するように構成した射出成形用ノズルにおいて、分流チップの外周部を挿入する先端側が細くなるように勾配を付けて形成したことを特徴とする。
【0007】
また第2の発明は、ノズル本体の先端に位置する射出孔を複数に分割するように、前記ノズル本体に分流チップを挿入し固定する射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法において、分流チップを射出孔に挿入する際には、この分流チップの一部を前記射出孔と略同径の挿入棒の挟持部に保持した状態で前記ノズル本体内の樹脂通路から挿入し、その後前記挿入棒を抜き、たたき棒を使用して分流チップを打ち込み嵌合させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図1乃至図6に基づき、本発明の実施の形態について説明する。図1は射出成形用ノズルの分流チップ取付け前の断面図、図2は射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の断面図、図3は射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の正面図、図4は分流チップの拡大斜視図、図5は同分流チップの正面図、図6は同分流チップの側面図を示している。
【0009】
1は射出成形用ノズルのノズル本体であり、このノズル本体1の先端にノズルタッチ面2が形成され、このノズルタッチ面2は半球型を呈し中央に円筒状の射出孔3を有している。前記射出孔3の後端からは円錐台状に内径が拡大し、さらにその後部は円筒状の樹脂通路4が形成されている。
【0010】
前記射出孔3に挿入される分流チップ5の外周部5Aは射出孔3の直径に略等しい円弧形状とし、前記射出孔3に挿入し易いように先端に向けて細くなるように勾配をつけて形成し、この分流チップ5の先端の外径を射出孔3の直径に略等しく形成する。また、前記分流チップ5の厚さは外周部が厚く、中心部が薄くなるようにして円弧状に形成し、左右対称の形状とする。更に、分流チップ5の後面5Bと円弧状の分離側面5Cとの角部は両側とも面取り5Dを施して斜面を形成し、成形時の樹脂流動の圧力損失を減少させる。尚、分流チップ5の材質は、例えばステンレス鋼を焼き入れ処理したものを使用し、例えば前記射出孔3の長さと略同等の長さを有する。
【0011】
次に、図7乃至図16に基づいて、挿入棒6及びたたき棒9を使用した分流チップの取付方法について説明する。図7は挿入棒6の正面図、図8は同挿入棒6の左側面図、図9は同挿入棒6の右側面図、図10は挿入棒6に分流チップ5を装着した状態を説明する斜視図、図11は分流チップ5を装着した状態の挿入棒6の左側面図、図12は挿入棒6に他の実施形態の分流チップ10を装着した状態を説明する斜視図、図13は他の実施形態の分流チップ10を装着した状態の挿入棒6の右側面図、図14は分流チップ5の先端部を挿入棒6を使用して射出孔3に挿入した状態を説明する断面図、図15は分流チップ5をたたき棒9を使用して射出孔3に圧入嵌合させた状態を説明する断面図、図16はたたき棒9を使用して射出孔3から分流チップ5を外す状態を説明する断面図を示している。
【0012】
前記射出孔3に分流チップ5を挿入する際に使用する挿入棒6は直径をノズル本体1の射出孔3の直径と等しくし、一端を2分割用の分流チップ5の挟持部7とし、他端を3分割用の後述する分流チップ10の挟持部8とし、材質は合成樹脂材料を使用し成形して製作する。2分割用の分流チップ5の挟持部7は、挟持溝9を2分割用の分流チップ5の断面形状と同じく外周部に向けて広く中心が狭い円弧状とし、その円弧も分流チップ5と同一の円弧形状とし、前記挟持溝9の深さは分流チップ5の長さと等しくするため、分流チップ5は挟持溝9に隙間も無く嵌って保持される。
【0013】
また、前記挿入棒6の他端の3分割用分流チップ10の挟持部8は、この挿入棒6の外周に接して内側に等間隔を存して3本の細い円柱状の突起11が形成され、3分割用の分流チップ10の各分離側面10Cが各突起11間に嵌るように、言い換えると各突起11で挟持できるように形成し、分流チップ10を保持する。
【0014】
次に、分流チップ5の取付方法について説明する。分流チップ5の取付けは、挿入棒6の一端の挟持部7に分流チップ5の外径が小さい方を先端部となるように取付けて、ノズル本体1内の樹脂通路4を介して射出孔3に挿入する。このとき、挿入棒6の直径は射出孔3の直径に等しいため、分流チップ5は挿入棒6に案内され、図14に示すように、挿入棒6と共に確実に射出孔3の中心にその先端部を射出孔3に挿入することができる。この後、挿入棒6をノズル本体1内の樹脂通路4から抜く。
【0015】
次に、図15に示すように、たたき棒12をノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、分流チップ5に押し当て作業者がハンマーで軽くたたいて、射出孔3の先端位置から分流チップ5の先端までの距離が0.5〜1.0mmになるまで圧入する。その理由は、その距離が実質的にないと、金型とのノズルタッチの際に衝撃により分流チップがゆるむので、ゆるまないようにするためである。なお、このとき分流チップ5が射出孔3に対し真直度を保つように圧入する。
【0016】
尚、たたき棒12は、例えば黄銅等の金属製材料で作製し、射出孔3の内径と同径か少し小径で射出孔3の長さと略同じ長さの挿入部12Aと、この挿入部12A端部に形成された拡径部12Bと、この拡径部12Bの最大径と同径で拡径部12Bに連なる本体部12Cとで形成される。
【0017】
尚、分流チップ5の交換や、樹脂替え、樹脂詰りのために分流チップ5を取り外す時は、図16に示すように、たたき棒12をノズル本体1外側の先端の射出孔3から挿入し、ハンマーで軽くたたいて抜くことができる。この抜かれた分流チップ5は、例えばその先端を1〜2mm位削ることにより再利用することができる。
【0018】
図17は他の実施形態の分流チップ10の拡大斜視図、図18は同分流チップ10の正面図を示している。この形態は3分割の分流チップ10であって、前記射出孔3に挿入される分流チップ10の外周部10Aは射出孔3の直径に略等しい円弧形状とし、前記射出孔3に挿入し易いように先端に向けて細くなるように勾配をつけて形成し、この分流チップ10の先端の外径を射出孔3の直径に略等しく形成する。また、前記分流チップ5の厚さは外周部が厚く、中心部が薄くなるようにして円弧状に形成する。更に、分流チップ5の後面10Bと円弧状の分離側面10Cとの角部は3面とも面取り10Dを施して斜面を形成し、成形時の樹脂流動の圧力損失を減少させる。
【0019】
尚、この分流チップ10の材質は、例えばステンレス鋼を焼き入れ処理したものを使用し、例えば前記射出孔3の長さと略同等の長さを有する。この分流チップ10のノズル本体1への取付方法は、前述した分流チップ5のノズル本体1への取付方法と同じであり、省略する。また、メルトフローフレートが高く又は通常よりは樹脂の温度を上げて成形したい場合には、3分割用の分流チップ10が、一般成形では2分割用の分流チップ5が良いテスト結果が得られた。
【0020】
本発明は上述の如くであり、ノズル本体1の先端に位置する射出孔3に分流チップ5、10を挿入することにより、射出孔3を複数に分割するように構成した射出成形用ノズルにおいて、分流チップ5、10の外周部を挿入する先端側が細くなるように勾配を付けて形成したので、射出孔3に挿入しやすく、しかも堅固に固定することができる。
【0021】
また、分流チップ5、10を射出孔3に挿入する際には、この分流チップ5、10の一部を前記射出孔3と略同径の挿入棒6の挟持部7、8に保持した状態で前記ノズル本体1内の樹脂通路4から挿入し、その後前記挿入棒6を抜き、たたき棒12を使用して分流チップ5、10を打ち込み嵌合させるようにしたので、射出孔3の中心に容易に挿入し、しかも堅固に嵌合し固定することができる。
【0022】
そして、成形を行なう場合、型閉じされた成形型に対し溶融材料をノズルからスプルー、ランナー、ゲートを通してキャビティ内に射出する。そして、所定の時間、型閉じ状態を保持した後に可動型を移動させて型開きを行なうが、このとき製品スプルー部がノズルから切り離される際に、ノズル側の溶融材料がスプルー側に引っ張られ、製品スプルー部の先端から細く長い糸状の材料が伸びる糸引き現象や、ノズル先端から溶融材料が垂れるいわゆるハナ垂れ現象が発生し易かったが、本発明はこのような現象を防止するために、分流チップ5、10を樹脂材料、樹脂温度、射出圧等の各種条件に応じて選定し、既存のノズル本体に取付けることにより容易に射出孔を複数に分割した射出成形用ノズルを製作可能にしたので、このノズルの使用により成形不良を減らし、金型の損傷を防止することができる。
【0023】
以上本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、分流チップの挿入が容易で堅固な固定ができる射出成形用ノズル、また挿入を容易にし、しかも確実に挿入取付けを行なうことができる射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形用ノズルの分流チップ取付け前の断面図である。
【図2】射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の断面図である。
【図3】射出成形用ノズルの分流チップ取付け後の正面図である。
【図4】分流チップの拡大斜視図である。
【図5】分流チップの正面図である。
【図6】分流チップの側面図である。
【図7】挿入棒の正面図である。
【図8】挿入棒の左側面図である。
【図9】挿入棒の右側面図である。
【図10】挿入棒に分流チップを装着した状態を説明する斜視図である。
【図11】分流チップを装着した状態の挿入棒の左側面図である。
【図12】挿入棒に他の実施形態の分流チップを装着した状態を説明する斜視図である。
【図13】他の実施形態の分流チップを装着した状態の挿入棒の右側面図である。
【図14】分流チップ5の先端部を挿入棒を使用して射出孔に挿入した状態を説明する断面図である。
【図15】分流チップ5をたたき棒を使用して射出孔に圧入嵌合させた状態を説明する断面図である。
【図16】たたき棒を使用して射出孔から分流チップ5を外す状態を説明する断面図である。
【図17】他の実施形態の分流チップ10の拡大斜視図である。
【図18】他の実施形態の分流チップ10の正面図である。
【符号の説明】
1 ノズル本体
3 射出孔
4 樹脂通路
5、10 分流チップ
6 挿入棒
7、8 挟持部
12 たたき棒
Claims (2)
- ノズル本体の先端に位置する射出孔に分流チップを挿入することにより、射出孔を複数に分割するように構成した射出成形用ノズルにおいて、分流チップの外周部を挿入する先端側が細くなるように勾配を付けて形成したことを特徴とする射出成形用ノズル。
- ノズル本体の先端に位置する射出孔を複数に分割するように、前記ノズル本体に分流チップを挿入し固定する射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法において、分流チップを射出孔に挿入する際には、この分流チップの一部を前記射出孔と略同径の挿入棒の挟持部に保持した状態で前記ノズル本体内の樹脂通路から挿入し、その後前記挿入棒を抜き、たたき棒を使用して分流チップを打ち込み嵌合させるようにしたことを特徴とする射出成形用ノズルへの分流チップの取付方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002159244A JP2004001262A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 射出成形用ノズル及びこのノズルへの分流チップの取付方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002159244A JP2004001262A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 射出成形用ノズル及びこのノズルへの分流チップの取付方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004001262A true JP2004001262A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30429097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002159244A Pending JP2004001262A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 射出成形用ノズル及びこのノズルへの分流チップの取付方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004001262A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101731758B1 (ko) | 2016-04-11 | 2017-05-04 | 주식회사 한국몰드 | 복합재 사출금형 하트런너용 노즐캡 조립을 위한 공정 지그 |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002159244A patent/JP2004001262A/ja active Pending
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KR101731758B1 (ko) | 2016-04-11 | 2017-05-04 | 주식회사 한국몰드 | 복합재 사출금형 하트런너용 노즐캡 조립을 위한 공정 지그 |
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