JP2004001125A - 中間挿入式ナット回し工具 - Google Patents
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Abstract
【効果】工具の構成を軽量簡素化することができる。天井等から吊り下げられた全ねじボルトにナットを装着する場合でも、きわめて容易にナットを回転させることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、吊りボルト等として使用される長ボルトに、ナットをネジ止めする作業時間を短縮するのに好適な中間挿入式ナット回し工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のナット回し工具として、実用新案登録第3035286号公報に記載された配管用袋ナット締付け工具や、特開平7−112373号公報に記載されたオープンエンドレンチなどが提案されている。前者の締付け工具は、側面に配管を挿入する切欠きを有し、袋ナットに嵌合するソケットと、このソケットを回転せしめる二つの駆動歯車と、これらの駆動歯車に同期して同時に回転せしめる同期駆動歯車とからなるもので、配管用袋ナットの締付け作業を高速化できるようにしている。
【0003】
一方、後者のオープンエンドレンチは、側面に開口部を有するソケットの周囲にウォームホイールを設け、エアーモーターに接続されるスパーギヤとウォームホイールとの間にスパーギヤ付ウォームを設けたものである。このオープンエンドレンチによると、開口部を有するソケットを連続的に回転させることができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の配管用袋ナット締付け工具では、ソケットに設けた切欠きに妨げられることなくソケットを回転できるようにするため、左右一対の駆動歯車を設けている。そのため、この工具では、ソケットと一対の駆動歯車と、更にこれらの駆動歯車を同時に回転せしめる同期駆動歯車との最低4個の歯車が必要になっている。そのため、工具が重く嵩張るものになっていた。
【0005】
一方、後者のオープンエンドレンチでは、レンチ先端のウォームホイールを回転せしめるため、スパーギヤ付ウォームやその他のギヤを数多く要している。したがって、このオープンエンドレンチは前記締付け工具よりも更に重く、嵩張るものである。
【0006】
しかも、これら締付け工具やオープンエンドレンチは、いずれも配管用袋ナットを締付ける作業に適しているが、天井等に吊り下げられた長ボルトにネジ止めするナットを締付けるには適していない。すなわち、いずれの工具も僅かな距離だけ締め付けることは可能でも、ナットの移動に合わせて工具を移動させる作業には向いていない。例えば、長ボルトに添ったナットを締付ける場合には、これらの工具がナットから外れないように保持しながら、長い距離を移動するナットに合わせて工具も移動させる必要がある。しかしながら、従来の工具では、ソケットからナットが外れ易い構造になっているだけでなく、工具自体が重く嵩張る構成になっているので、これらの工具をナットに合わせて上下に移動させる作業が極めて困難になる。
【0007】
そこで、本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、工具の構成を簡素化することができ、例えば天井等から吊り下げられた全ねじボルトにナットを装着する場合でも、きわめて容易にナット回転作業を行うことができる中間挿入式ナット回し工具の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく本発明の第1の手段は、側面に切欠き1Aを有し、ナットNに外嵌するソケット1と、該ソケット1の外周に設けられソケット1の切欠き1A位置と同じ位置に切欠き2Aを有する動歯車2と、締付け用工具Qの回転軸Q1先端部に連動して動歯車2を回転せしめる駆動歯車3とを設けたものである。
【0009】
第2の手段は、動歯車2と駆動歯車3は平歯車で形成され、動歯車2の歯面に対して斜めに形成された切欠き2Aから、ソケット1側面の鉛直方向に設けられた切欠き1Aに長ボルトRを導入する導入口2Bを動歯車2に設けることにある。
【0010】
第3の手段における動歯車2と駆動歯車3は、スパイラルギヤで形成され、動歯車2の歯面に対して鉛直方向に設けられた切欠き2A、1Aを動歯車2とソケット1に連設するものである。
【0011】
第4の手段は、径が異なるナットNに嵌合する複数の嵌合凹部1Bをソケット1の内側面に設け、前記ソケット1に嵌合したナットNの上面または下面に係止する係止用リブ1Cをソケット1の内側面に突設したことを課題解消の為の手段とする。
【0012】
本発明によると、切欠き2A、1Aからソケット1内部に導入されたナットNは、嵌合凹部1Bに嵌合すると共に、係止用リブに係止されながら長ボルトRに沿って上下移動するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明工具は、ソケット1、動歯車2、駆動歯車3を組み合わせた構成である(図1参照)。
【0014】
ソケット1は、側面に切欠き1Aを有し、ナットNに外嵌するもので、該ソケット1の外周に動歯車2を固着している。これらソケット1と動歯車2との各側面には、長ボルトRを導入せしめる切欠き1A、2Aを設けている。
【0015】
ソケット1の切欠き1A位置と動歯車2の切欠き2A位置は同じ位置に合わせてあり、動歯車2の側面からソケット1の内部まで長ボルトRを導入するものである。
【0016】
図1乃至図3に示す実施例は、動歯車2と駆動歯車3とを平歯車で形成したものである。この実施例では、動歯車2の歯面に対して斜めに形成された切欠き2Aから、ソケット1側面の鉛直方向に設けられた切欠き1Aに長ボルトRを導入する導入口2Bを動歯車2に設けている。
【0017】
ナットNに嵌合する嵌合凹部1Bをソケット1の内部に設けている。図示の嵌合凹部1Bは、径が異なるナットNにそれぞれ嵌合するように、複数の径の嵌合凹部1Bを併設する(図1参照)。また、この嵌合凹部1Bに嵌合したナットNの上面または下面に係止する係止用リブ1Cをソケット1の内側面に突設する(図2参照)。
【0018】
ケース体Pはソケット1、動歯車2、駆動歯車3を収納配置するものである(図1参照)。図示のケース体Pは、各部材を収納設置する収納部P2と、この収納部P2の開口上部を施蓋する蓋体P3とで構成している。そして、ケース体Pの一部に切欠挿入口P1を設けている。本発明は、長ボルトRにネジ止めされたナットNをこの切欠挿入口P1からソケット1の中に導入して締付け用工具Qの回転で回転せしめるものである。
【0019】
符号5はケース体Pの側面に連結するハンドルである。本発明使用時において作業者は、一方の手でハンドル5を支持し、他方の手で締付け用工具Qを操作するものである(図3参照)。
【0020】
駆動歯車3は、電動ドライバーや電気ドリル等の締付け用工具Qを用いて回転させる歯車で、締付け用工具Qの回転軸Q1先端部に連結する連結凹部3Aを設けている(図4参照)。この連結凹部3Aは、断面角形状の回転軸Q1に嵌合する形状を成している。図示例では、回転軸Q1の側面に設けた溝部に嵌合する鋼球4Aをスプリング4Bで押圧付勢するストッパー4を設けている。
【0021】
図5及び図6に示す実施例は、動歯車2と駆動歯車3とをスパイラルギヤで形成している。そして、動歯車2及びソケット1の切欠き2A、1Aを、動歯車2の歯面に対して鉛直方向に設けている(図6参照)。
【0022】
このスパイラルギヤを動歯車2に使用した場合でも、切欠き2Aを設けていても駆動歯車3と歯合させることが可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成する。
【0024】
すなわち、側面に切欠き1Aを有し、ナットNに外嵌するソケット1と、該ソケット1の外周に設けられソケット1の切欠き1A位置と同じ位置に切欠き2Aを有する動歯車2と、締付け用工具Qの回転軸Q1先端部に連動して動歯車2を回転せしめる駆動歯車3とを設けたことから、工具の構成を簡素化することができ、軽量でコンパクトな締付け工具を提供することができる。この結果、例えば天井等から吊り下げられた全ねじボルトにナットを装着する場合でも、きわめて容易にナット回転作業を行うことができる。
【0025】
また、動歯車2と駆動歯車3は平歯車で形成され、動歯車2の歯面に対して斜めに切欠き2Aを形成しているので、動歯車2と駆動歯車3との歯が常に歯合した状態を維持することができる。更に、動歯車2の切欠き2Aとソケット1の切欠き1Aとの間に導入口2Bを設けているから、ソケット1に長ボルトRを導入する作業が容易に行える。
【0026】
動歯車2と駆動歯車3は、スパイラルギヤで形成され、動歯車2の歯面に対して鉛直方向に設けられた切欠き2A、1Aを動歯車2とソケット1に連設したことで、長ボルトRをソケット1に導入する作業が極めて容易になり、また、スパイラルギヤで形成された動歯車2と駆動歯車3とが常に歯合した状態を維持する。
【0027】
更に、径が異なるナットNに嵌合する複数の嵌合凹部1Bと、ナットNの上面または下面に係止する係止用リブ1Cとをソケット1の内側面に設けているから、長ボルトRに沿ってナットNが移動する間、ナットNを確実に保持することができ、長距離の移動でも容易に締付けることができる。
【0028】
このように本発明によると、工具の構成を簡素化することができ、例えば天井等から吊り下げられた全ねじボルトにナットを装着する場合でも、きわめて容易にナット回転作業を行うことができるなどといった有益な種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】本発明の一実施例を示す平面図。
【図3】本発明の使用状態を示す分解斜視図。
【図4】本発明の駆動歯車の実施例を示す縦断面図。
【図5】本発明の他の実施例を示す分解斜視図。
【図6】本発明の他の実施例を示す平面図。
【符号の説明】
P ケース体 P1 切欠挿入口
P2 収納部
P3 蓋体
Q 締付け用工具 Q1 回転軸
R 長ボルト
N ナット
1 ソケット 1A 切欠き
1B 嵌合凹部
1C 係止用リブ
2 動歯車 2A 切欠き
2B 導入口
3 駆動歯車
4 ストッパー 4A 鋼球
4B スプリング
5 ハンドル
Claims (4)
- 側面に切欠きを有し、ナットに外嵌するソケットと、該ソケットの外周に設けられソケットの切欠き位置と同じ位置に切欠きを有する動歯車と、締付け用工具の回転軸先端部に連動して動歯車を回転せしめる駆動歯車とを設けたことを特徴とする中間挿入式ナット回し工具。
- 前記動歯車と駆動歯車は平歯車で形成され、動歯車の歯面に対して斜めに形成された切欠きから、ソケット側面の鉛直方向に設けられた切欠きに長ボルトを導入する導入口を動歯車に設けた請求項1記載の中間挿入式ナット回し工具。
- 前記動歯車と駆動歯車は、スパイラルギヤで形成され、動歯車の歯面に対して鉛直方向に設けられた切欠きを動歯車とソケットに連設した請求項1記載の中間挿入式ナット回し工具。
- 前記ソケットは、径が異なるナットに嵌合する複数の嵌合凹部をソケットの内側面に設け、ソケットに嵌合したナットの上面または下面に係止する係止用リブをソケットの内側面に突設した請求項1乃至3いずれか記載の中間挿入式ナット回し工具。
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JP2011056635A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Kandenko Co Ltd | 電動式ナット回し工具 |
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- 2002-05-31 JP JP2002159549A patent/JP3750114B2/ja not_active Expired - Fee Related
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