JP2004001087A - 車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材 - Google Patents
車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割し、その本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方そのスピンドル部を鋼鉄製として、鋼鉄製部品の長所と鋳鉄製部品の長所とを取り入れて車輪支持部材を製造する際に、その接合部の強度を従来に較べて高くすることのできる車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこれを用いた車輪支持部材を提供する。
【解決手段】本発明の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、車輪支持部材1をアーム部2を含む本体部3とスピンドル部4とに分割して、本体部3を球状黒鉛鋳鉄製とする一方スピンドル部4を鋼鉄製とすると共に、スピンドル部4の摩擦面部は円錐形状凸部5とする一方本体部3の摩擦面部はスピンドル部4の摩擦面部に対応する円錐形状凹部6とし、両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって、本体部3とスピンドル部4とを摩擦圧接する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、車輪支持部材1をアーム部2を含む本体部3とスピンドル部4とに分割して、本体部3を球状黒鉛鋳鉄製とする一方スピンドル部4を鋼鉄製とすると共に、スピンドル部4の摩擦面部は円錐形状凸部5とする一方本体部3の摩擦面部はスピンドル部4の摩擦面部に対応する円錐形状凹部6とし、両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって、本体部3とスピンドル部4とを摩擦圧接する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のものでは、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割し、その本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方スピンドル部を鋼鉄製として、その本体部とスピンドル部との両摩擦面部を軸方向から互いに突き合わせて摩擦圧接することによって、両摩擦面部を摩擦圧接により接合している。
【0004】
この従来のものでは、アップセット圧力を鋼鉄製部材同士の摩擦面部を接合するときのアップセット圧力よりも高目としかつアップセット時間を鋼鉄製部材同士の摩擦面部を接合するときのアップセット時間に較べて短めに設定し、本体部の摩擦面部とスピンドル部の摩擦面部との摩擦熱により再溶解した溶融物を外部に押し出して、両摩擦面部を固相接合に近い状態で摩擦接合することにより、摩擦圧接された摩擦面部にチル(炭化物)が存在せずかつ接合も良好な車輪支持部材の摩擦圧接方法を提案している。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−123723号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この車輪支持部材の摩擦圧接方法によれば、靱性、強度、信頼性を有する鋼鉄製部品の長所と衝撃に対しては弱いが複雑な形状を安価に製作できる鋳造部品との長所とを併有する車輪支持部材を製作できる。
【0007】
しかしながら、この従来の車輪支持部材の摩擦圧接方法では、本体部の摩擦面部とスピンドル部の摩擦面部とを平坦面として軸方向から互いに突き合わせて摩擦圧接するので、未だ摩擦圧接による接合強度が十分であるとはいい難い。
【0008】
また、アップセット圧力を鋼鉄製部品同士の摩擦面部を接合するときのアップセット圧力よりも高目として摩擦圧接を行うため、球状黒鉛がアップセット圧力により扁平となり、この面からも摩擦圧接による接合強度が十分であるとはいい難い。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割し、その本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方そのスピンドル部を鋼鉄製として、鋼鉄製部品の長所と鋳鉄製部品の長所とを取り入れて車輪支持部材を製造する際に、その接合部の接合強度を従来に較べて高くすることのできる車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこれを用いた車輪支持部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割して、前記本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方前記スピンドル部を鋼鉄製とすると共に、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とする一方前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とし、両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって、前記本体部と前記スピンドル部とを摩擦圧接することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記円錐形状凸部の頂角が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲であることを特徴とする。
【0012】
請求項1、2に記載の発明によれば、スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)とする一方本体部の摩擦面部をその円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)に対応する円錐形状凹部(又は円錐形状凸部)として、両摩擦面部を互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧接することにしたので、両摩擦面部同士の摩擦接触面積が増大することになり、その接合部の接合強度を向上させることができる。
【0013】
また、アップセット圧力を軸方向から両摩擦面部に加えた場合にそのアップセット圧力の分力が両摩擦面部に加わることになるので、アップセット圧力を加える際に球状黒鉛の球形度の低下を防止(扁平度を低減)できることになり、この観点からも両摩擦面部の接合強度を高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が固相線以上の温度でかつ完全液相状態となる温度以下の固液共存状態の温度で、前記両摩擦面部を摩擦圧接することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、両摩擦面部を固液共存領域で摩擦圧接するものであるから、両摩擦面部の接合部が完全なる溶融状態となることを防止でき、この観点からも、球状黒鉛の球形度の低下を抑制できる。
【0016】
また、両摩擦面部の接合部に生じるチルの量を低減できると共に、アップセット圧力を加えたときに、両摩擦面部から外部に押し出される溶融物の量を従来に較べて低減できることによって、両摩擦面部のバリの発生が抑制される。
【0017】
請求項4に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記本体部と前記スピンドル部との少なくとも一方の摩擦面部でかつ軸方向中央部に、摩擦端面から軸方向に向かって延びて摩擦圧接によって生じる溶融物を案内する案内穴が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、発生した溶融物を案内穴に導くことができるので、両摩擦面部の外周にバリが生じるのを極力低減できる。
【0019】
また、スピンドル部と本体部との両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴を形成することにしたので、摩擦圧接の接合強度を低下させることなくバリの発生を回避することができる。
【0020】
請求項5に記載の車輪支持部材は、車輪支持部材がアーム部を含む球状黒鉛鋳鉄製本体部と鋼鉄製スピンドル部とから構成され、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とされ、前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とされ、前記鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部の頂角が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲の円錐形状凸部又は凹部とされ、前記両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えて回転させることに基づく摩擦発熱によってかつ前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が固相線の温度以上の温度でしかも完全液相状態となる温度以下の固液共存状態温度で前記球状黒鉛鋳鉄製アーム部と前記鋼鉄製スピンドル部とが摩擦圧接されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明も、請求項3に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は車輪支持部材としてのナックル1の概要図である。
【0024】
そのナックル1は、ここでは、アーム部2を含む本体部3とスピンドル部4とから構成されている。
【0025】
本体部3は球状黒鉛鋳鉄製(例えばJISFCD450)とされ、スピンドル部4は鋼鉄製(例えばS45C)とされている。
【0026】
そのスピンドル部4の摩擦面部は円錐形状凸部5とされ、その本体部3の摩擦面部は円錐形状凸部5に対応する円錐形状凹部6とされている。
また、スピンドル部4の摩擦面部は円錐凹形状でもよく、その場合、本体部3の摩擦面部は円錐凹形状に対応する円錐凸形状となる。
【0027】
スピンドル部4と本体部3とは、その円錐形状凹部6とその円錐形状凸部5とを軸方向から互いに突き合わせて嵌合させた状態で軸方向からの摩擦圧力Fを加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって溶融させ、本体部3とスピンドル部4とが摩擦圧接される。
【0028】
本体部3の摩擦面部とスピンドル部4の摩擦面部とを円錐形状としたのは、両摩擦面部の摩擦接触面積が増大し、その接合強度の向上を図ることができると考えられたからである。
【0029】
その円錐形状凸部5の頂角θは、30度から150度の範囲であり、60度から135度の範囲がより望ましい。更には、105度から120度の範囲が最も望ましい。
【0030】
その円錐形状凸部5の頂角θを30度以上としたのは、頂角θを30度未満とすると、両摩擦面部の摩擦圧力F1が低くなり過ぎ、軸方向からの摩擦圧力Fを加える割りには、所望の摩擦発熱量を得ることができないと考えられるからである。
【0031】
その円錐形状凸部5の頂角θを150度以下としたのは、頂角θを150度を超えるものとすると、両摩擦面部が平坦面同士の摩擦接合に近い状態となり、所望の接合強度を得にくいと考えられるからである。
【0032】
その頂角θが60度から135度の範囲が望ましく、105度から120度の範囲が更に望ましいのは、後述する実験結果による。
【0033】
この本体部3とスピンドル部4との摩擦圧接は、公知の摩擦圧接機を用い、摩擦面部の摩擦発熱温度が球状黒鉛鋳鉄の固相線の温度T1(約1150度C〜約1160度C)以上の温度でかつ完全液層状態となる温度T2以下の固液共存状態の温度で摩擦面部を摩擦圧接することにより行う。
【0034】
すなわち、従来の摩擦圧接方法は、例えば、図2(a)のX点に示すカーボン量(C量)に相当する炭素当量(CE値)を有する球状黒鉛鋳鉄は、摩擦発熱に基づき、図2(b)に符号Z1で示すように、球状黒鉛鋳鉄の摩擦面部が完全に溶融するまで昇温された後冷却過程を経るという条件のもとで摩擦圧接が行われるが、この発明の実施の形態では、球状黒鉛鋳鉄の摩擦面部は、図2(b)に符号Z2で示す昇温冷却過程を経るという条件のもとで行う。
【0035】
ここでは、図3に示すように、球状黒鉛鋳鉄製本体部3に対応する試験部材として、幅30mmの球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材(JIS規格 FCD450)7を鋳造すると共に、スピンドル部3に対応する試験部材として中実の拡径部8aの直径Φが60mmの鋼鉄製部材(JIS規格 S45C)8を製作して摩擦圧接試験機により摩擦圧接を行った。
【0036】
その鋼鉄製部材8の摩擦面部は円錐形状凸部9とし、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7の摩擦面部は円錐形状凸部9に対応する円錐形状凹部10とした。
【0037】
その円錐形状凸部9の頂角θとしては30度、60度、90度、105度、120度、135度、150度、180度の8通りとし、その円錐形状凹部10の頂角θもそれに対応して8通りとし、これを各3個づつ製作し、互いに対応する形状の球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7と鋼鉄製部材8と下記の摩擦圧接条件のもとで摩擦圧接を行った。
【0038】
すなわち、図4に示すように、初期のアップセット圧力P0を10MPa、摩擦圧力P1を60Mpa、摩擦寄り代Lを5mm、アップセット圧力P2を120MPa、回転数Nを1800rpmとして摩擦圧接を行った。
【0039】
ここで、摩擦寄り代Lとは、図5(a)に示すように、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7の円錐形状凹部10と鋼鉄製部材8の円錐形状凸部9とを互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態でかつ摩擦を加える前の軸方向の全長をL1、図5(b)に示すように、鋼鉄製部材8に摩擦圧力P1を加えつつ回転させて摩擦発熱させ、鋼鉄製部材8と球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7とを摩擦圧接させ、両者を摩擦接合してかつアップセット圧力P2を加える直前の軸方向の全長をL2としたとき、摩擦寄り代LはL1−L2によって定義される量であり、これによって、摩擦時間、すなわち、図4に示すt1が間接的に定まる。
【0040】
ここでは、頂角θが30度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約80秒、頂角θが60度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約120秒、頂角θが90度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約260秒、頂角θが105度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約240秒、頂角θが120度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約220秒、頂角θが135度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約190秒、頂角θが150度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約170秒、頂角θが180度のもの同士(摩擦面部が平坦面同士)を摩擦圧接したときの摩擦時間は約170秒であった。
【0041】
これは、摩擦面部の摩擦発熱温度が球状黒鉛鋳鉄の固相線の温度T1(約1150度C〜約1160度C)以上の温度でかつ完全液層状態となる温度T2以下の固液共存状態の温度で摩擦圧接する条件に該当している。
【0042】
また、アップセット圧力P2を120MPaとしたときのアップセット寄り代L’は、頂角θが30度のもの同士は約12mm、頂角θが60度のもの同士は約6.5mm、頂角θが90度のもの同士は約5.5mm、頂角θが105度のもの同士は約5.2mm、頂角θが120度のもの同士は約4.9mm、頂角θが135度のもの同士は約4.2mm、頂角θが150度のもの同士は約3.5mm、頂角θが180度のもの同士(摩擦面部が平坦面同士)は約3.0mmであった。
【0043】
摩擦時間は頂角θが90度を超えると角度が大きくなるに従って短くなるが、頂角θが90度未満では角度が大きくなるに従って長くなった。これは、軸方向の摩擦圧力Fに対して摩擦面部に加わる摩擦圧力F1が90度を超える側では大きくなり、かつ、90度未満の側では小さくなると考えられるからである。
【0044】
また、アップセット寄り代L’も頂角θが小さくなるに従って大きくなったが、これは、先端が尖っていれば尖っているほど軸方向のアップセット圧力P2に対して変形し易いからであると考えられる。
【0045】
このようにして製作された摩擦圧接接合品を切削して、接合端面12に僅かに生じているバリを完全に除去して、図6に示すように、全長140mm、拡径部8aの軸方向長さ70mm、縮径部8bの軸方向長さ40mmの曲げ強度試験部材11を製作した。
【0046】
この曲げ強度試験部材11の球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7に相当する部分を曲げ強度試験機の一部を構成する一対のクランプ部材13によりクランプし、荷重補助治具14を鋼鉄製部材8の縮径部8bに嵌着して、矢印方向から荷重F’を加えて、各曲げ強度試験部材11について、破壊荷重を測定した。
【0047】
その結果、図7に示すグラフを得た。
【0048】
頂角θが30度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約10トン重、頂角θが60度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約14トン重、頂角θが90度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約15トン重、頂角θが105度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約17トン重、頂角θが120度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約19トン重、頂角θが135度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約14トン重、頂角θが150度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約10トン重、頂角θが180度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約7トン重であった。
【0049】
その破壊は、いずれも、図8に模式的に示すように、接合端面12から内部に進行する形で生じた。その図8において、符号15はその接合端面12から内部に進行して生じた亀裂を示している。
【0050】
また、従来の摩擦圧接方法の条件によると、摩擦面部のミクロ組織は、図9(a)に示すように球状黒鉛16が扁平に近くなるが、本発明の摩擦圧接方法によると、図9(b)に示すようにいずれのものも球状黒鉛16の扁平度が小さい状態であった。
【0051】
その図7から明らかなように、頂角θが180度のもの、すなわち、平坦面同士の摩擦接合は、予想通り円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを摩擦面部に形成して接合したものに較べて接合強度が低かった。これは、摩擦面部の接触面積が小さいからであると考えられる。
【0052】
頂角θが30度から150度の範囲内の曲げ強度試験部材11はいずれも、所望の接合強度を得ることができたが、なかでも、60度から135度の範囲内の曲げ強度試験部材11は、いずれも、破壊荷重が頂角θが150度、30度の曲げ強度試験部材11に較べて高い結果が得られた。更に、105度から120度の範囲の曲げ強度試験部材11についてはいずれも破壊荷重が頂角θが135度、90度の曲げ強度試験部材11に較べて高い結果が得られた。
【0053】
これは、接合面部に加わる摩擦圧力F1による摩擦発熱が有効に生じたからであると考えられ、この頂角θが60度から135度の範囲内の円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを形成して接合するのが望ましいと考えられ、更には、この頂角θが105度から120度の範囲内の円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを形成して接合するのが最も望ましいと考えられる。
【0054】
この発明の実施の形態では、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7と鋼鉄製部材8とのいずれも中実として摩擦圧接を行うことにしたが、図10(a)に示すように、スピンドル部4(鋼鉄製部材8)の軸方向中央部に摩擦圧接により溶融した溶融物を案内する案内穴16を設ける構成、図10(b)に示すように本体部3(球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7)の軸方向中央部に摩擦圧接により溶融した溶融物を案内する案内穴16を設ける構成とすることもできる。
【0055】
このように、両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴16を形成することにすると、摩擦圧接の接合強度を低下させることなく溶融物を案内穴16に流し込むことができるのでバリの発生を更に一層抑制できる。
【0056】
なお、この発明の実施の形態では、鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部を形成し、球状黒鉛鋳鉄製本体部の摩擦面部を円錐形状凸部に対応する円錐形状凹部としたが、鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部を半球面状凸部とし、球状黒鉛鋳鉄製本体部の摩擦面部をその半球面状凸部に対応する半球面状凹部とすることもできる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明によれば、スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)とする一方本体部の摩擦面部をその円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)に対応する円錐形状凹部(又は円錐形状凸部)として、両摩擦面部を互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧接することにしたので、両摩擦面部同士の摩擦接触面積が増大することになり、その接合部の強度を向上させることができる。
【0058】
また、アップセット圧力を軸方向から両摩擦面部に加えた場合にそのアップセット圧力の分力が両摩擦面部に加わることになるので、アップセット圧力を加える際に球状黒鉛の球形度の低下を防止(扁平度を低減)できることになり、この観点からも両摩擦面部同士の接合強度を高めることができる。
【0059】
請求項3に記載の発明によれば、両摩擦面部を固液共存領域で摩擦圧接接合するものであるから、両摩擦面部の接合部が完全に溶融状態となることを防止でき、この観点からも、球状黒鉛の球形度の低下も抑制できる。また、両摩擦面部の接合部に生じるチルの量を低減できると共に、アップセット圧力を加えたときに、両摩擦面部から外部に押し出される溶融物の量を従来に較べて低減できることになって、両摩擦面部のバリの発生が一層抑制される。
【0060】
請求項4に記載の発明によれば、発生した溶融物を案内穴に導くことができるので、両摩擦面部の外周にバリが生じるのを更に低減できる。
【0061】
とくに、スピンドル部と本体部との両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴を形成することにしたので、摩擦圧接の接合強度を低下させることなくバリの発生を回避することができる。
【0062】
請求項5に記載の発明によれば、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割してその本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方そのスピンドル部を鋼鉄製として、鋼鉄製部品の長所と鋳鉄製部品の長所とを取り入れつつその摩擦面部の強度が従来に較べて高い車輪支持部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車輪支持部材の概要を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる摩擦圧接方法の説明図であって、(a)は固相−液相の状態曲線を示し、(b)は昇温冷却過程を示す。
【図3】本発明に係わる車輪支持部材の試験部材の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる摩擦圧接方法のシーケンスタイムチャート図である。
【図5】本発明に係わる摩擦圧接方法の説明図であって、(a)は試験部材を軸方向から突き合わせせて摩擦圧接する直前の状態を示す部分断面図であり、(b)はその試験部材を摩擦圧接してアップセット圧力を加える直前の状態を示す部分断面図である。
【図6】図2、図4に示す摩擦圧接方法によって摩擦接合された曲げ強度試験部材を曲げ強度試験機にセットした状態を示す説明図である。
【図7】図6に示す曲げ強度試験機による曲げ強度試験部材の評価結果を示すグラフである。
【図8】図6に示す曲げ強度試験機による破壊された曲げ強度試験部材の断面形状を示す模式図である。
【図9】摩擦圧接方法による摩擦面部のミクロ組織の模式図であり、(a)は従来の摩擦圧接方法によるミクロ組織の模式図であり、(b)は本発明の摩擦圧接方法によるミクロ組織の模式図である。
【図10】図3に示す試験部材の他の例を示し、(a)はスピンドル部に対応する試験部材の軸方向中央部に案内穴を形成した例を示し、(b)は本体部に対応する試験部材の軸方向中央部に案内穴を形成した例を示す。
【符号の説明】
1…ナックル
2…アーム部
3…本体部
4…スピンドル部
5…円錐形状凸部
6…円錐形状凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこの摩擦圧接方法を用いた車輪支持部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のものでは、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割し、その本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方スピンドル部を鋼鉄製として、その本体部とスピンドル部との両摩擦面部を軸方向から互いに突き合わせて摩擦圧接することによって、両摩擦面部を摩擦圧接により接合している。
【0004】
この従来のものでは、アップセット圧力を鋼鉄製部材同士の摩擦面部を接合するときのアップセット圧力よりも高目としかつアップセット時間を鋼鉄製部材同士の摩擦面部を接合するときのアップセット時間に較べて短めに設定し、本体部の摩擦面部とスピンドル部の摩擦面部との摩擦熱により再溶解した溶融物を外部に押し出して、両摩擦面部を固相接合に近い状態で摩擦接合することにより、摩擦圧接された摩擦面部にチル(炭化物)が存在せずかつ接合も良好な車輪支持部材の摩擦圧接方法を提案している。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−123723号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この車輪支持部材の摩擦圧接方法によれば、靱性、強度、信頼性を有する鋼鉄製部品の長所と衝撃に対しては弱いが複雑な形状を安価に製作できる鋳造部品との長所とを併有する車輪支持部材を製作できる。
【0007】
しかしながら、この従来の車輪支持部材の摩擦圧接方法では、本体部の摩擦面部とスピンドル部の摩擦面部とを平坦面として軸方向から互いに突き合わせて摩擦圧接するので、未だ摩擦圧接による接合強度が十分であるとはいい難い。
【0008】
また、アップセット圧力を鋼鉄製部品同士の摩擦面部を接合するときのアップセット圧力よりも高目として摩擦圧接を行うため、球状黒鉛がアップセット圧力により扁平となり、この面からも摩擦圧接による接合強度が十分であるとはいい難い。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割し、その本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方そのスピンドル部を鋼鉄製として、鋼鉄製部品の長所と鋳鉄製部品の長所とを取り入れて車輪支持部材を製造する際に、その接合部の接合強度を従来に較べて高くすることのできる車輪支持部材の摩擦圧接方法及びこれを用いた車輪支持部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割して、前記本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方前記スピンドル部を鋼鉄製とすると共に、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とする一方前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とし、両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって、前記本体部と前記スピンドル部とを摩擦圧接することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記円錐形状凸部の頂角が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲であることを特徴とする。
【0012】
請求項1、2に記載の発明によれば、スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)とする一方本体部の摩擦面部をその円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)に対応する円錐形状凹部(又は円錐形状凸部)として、両摩擦面部を互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧接することにしたので、両摩擦面部同士の摩擦接触面積が増大することになり、その接合部の接合強度を向上させることができる。
【0013】
また、アップセット圧力を軸方向から両摩擦面部に加えた場合にそのアップセット圧力の分力が両摩擦面部に加わることになるので、アップセット圧力を加える際に球状黒鉛の球形度の低下を防止(扁平度を低減)できることになり、この観点からも両摩擦面部の接合強度を高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が固相線以上の温度でかつ完全液相状態となる温度以下の固液共存状態の温度で、前記両摩擦面部を摩擦圧接することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、両摩擦面部を固液共存領域で摩擦圧接するものであるから、両摩擦面部の接合部が完全なる溶融状態となることを防止でき、この観点からも、球状黒鉛の球形度の低下を抑制できる。
【0016】
また、両摩擦面部の接合部に生じるチルの量を低減できると共に、アップセット圧力を加えたときに、両摩擦面部から外部に押し出される溶融物の量を従来に較べて低減できることによって、両摩擦面部のバリの発生が抑制される。
【0017】
請求項4に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法は、前記本体部と前記スピンドル部との少なくとも一方の摩擦面部でかつ軸方向中央部に、摩擦端面から軸方向に向かって延びて摩擦圧接によって生じる溶融物を案内する案内穴が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、発生した溶融物を案内穴に導くことができるので、両摩擦面部の外周にバリが生じるのを極力低減できる。
【0019】
また、スピンドル部と本体部との両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴を形成することにしたので、摩擦圧接の接合強度を低下させることなくバリの発生を回避することができる。
【0020】
請求項5に記載の車輪支持部材は、車輪支持部材がアーム部を含む球状黒鉛鋳鉄製本体部と鋼鉄製スピンドル部とから構成され、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とされ、前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とされ、前記鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部の頂角が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲の円錐形状凸部又は凹部とされ、前記両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えて回転させることに基づく摩擦発熱によってかつ前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が固相線の温度以上の温度でしかも完全液相状態となる温度以下の固液共存状態温度で前記球状黒鉛鋳鉄製アーム部と前記鋼鉄製スピンドル部とが摩擦圧接されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明も、請求項3に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は車輪支持部材としてのナックル1の概要図である。
【0024】
そのナックル1は、ここでは、アーム部2を含む本体部3とスピンドル部4とから構成されている。
【0025】
本体部3は球状黒鉛鋳鉄製(例えばJISFCD450)とされ、スピンドル部4は鋼鉄製(例えばS45C)とされている。
【0026】
そのスピンドル部4の摩擦面部は円錐形状凸部5とされ、その本体部3の摩擦面部は円錐形状凸部5に対応する円錐形状凹部6とされている。
また、スピンドル部4の摩擦面部は円錐凹形状でもよく、その場合、本体部3の摩擦面部は円錐凹形状に対応する円錐凸形状となる。
【0027】
スピンドル部4と本体部3とは、その円錐形状凹部6とその円錐形状凸部5とを軸方向から互いに突き合わせて嵌合させた状態で軸方向からの摩擦圧力Fを加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって溶融させ、本体部3とスピンドル部4とが摩擦圧接される。
【0028】
本体部3の摩擦面部とスピンドル部4の摩擦面部とを円錐形状としたのは、両摩擦面部の摩擦接触面積が増大し、その接合強度の向上を図ることができると考えられたからである。
【0029】
その円錐形状凸部5の頂角θは、30度から150度の範囲であり、60度から135度の範囲がより望ましい。更には、105度から120度の範囲が最も望ましい。
【0030】
その円錐形状凸部5の頂角θを30度以上としたのは、頂角θを30度未満とすると、両摩擦面部の摩擦圧力F1が低くなり過ぎ、軸方向からの摩擦圧力Fを加える割りには、所望の摩擦発熱量を得ることができないと考えられるからである。
【0031】
その円錐形状凸部5の頂角θを150度以下としたのは、頂角θを150度を超えるものとすると、両摩擦面部が平坦面同士の摩擦接合に近い状態となり、所望の接合強度を得にくいと考えられるからである。
【0032】
その頂角θが60度から135度の範囲が望ましく、105度から120度の範囲が更に望ましいのは、後述する実験結果による。
【0033】
この本体部3とスピンドル部4との摩擦圧接は、公知の摩擦圧接機を用い、摩擦面部の摩擦発熱温度が球状黒鉛鋳鉄の固相線の温度T1(約1150度C〜約1160度C)以上の温度でかつ完全液層状態となる温度T2以下の固液共存状態の温度で摩擦面部を摩擦圧接することにより行う。
【0034】
すなわち、従来の摩擦圧接方法は、例えば、図2(a)のX点に示すカーボン量(C量)に相当する炭素当量(CE値)を有する球状黒鉛鋳鉄は、摩擦発熱に基づき、図2(b)に符号Z1で示すように、球状黒鉛鋳鉄の摩擦面部が完全に溶融するまで昇温された後冷却過程を経るという条件のもとで摩擦圧接が行われるが、この発明の実施の形態では、球状黒鉛鋳鉄の摩擦面部は、図2(b)に符号Z2で示す昇温冷却過程を経るという条件のもとで行う。
【0035】
ここでは、図3に示すように、球状黒鉛鋳鉄製本体部3に対応する試験部材として、幅30mmの球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材(JIS規格 FCD450)7を鋳造すると共に、スピンドル部3に対応する試験部材として中実の拡径部8aの直径Φが60mmの鋼鉄製部材(JIS規格 S45C)8を製作して摩擦圧接試験機により摩擦圧接を行った。
【0036】
その鋼鉄製部材8の摩擦面部は円錐形状凸部9とし、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7の摩擦面部は円錐形状凸部9に対応する円錐形状凹部10とした。
【0037】
その円錐形状凸部9の頂角θとしては30度、60度、90度、105度、120度、135度、150度、180度の8通りとし、その円錐形状凹部10の頂角θもそれに対応して8通りとし、これを各3個づつ製作し、互いに対応する形状の球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7と鋼鉄製部材8と下記の摩擦圧接条件のもとで摩擦圧接を行った。
【0038】
すなわち、図4に示すように、初期のアップセット圧力P0を10MPa、摩擦圧力P1を60Mpa、摩擦寄り代Lを5mm、アップセット圧力P2を120MPa、回転数Nを1800rpmとして摩擦圧接を行った。
【0039】
ここで、摩擦寄り代Lとは、図5(a)に示すように、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7の円錐形状凹部10と鋼鉄製部材8の円錐形状凸部9とを互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態でかつ摩擦を加える前の軸方向の全長をL1、図5(b)に示すように、鋼鉄製部材8に摩擦圧力P1を加えつつ回転させて摩擦発熱させ、鋼鉄製部材8と球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7とを摩擦圧接させ、両者を摩擦接合してかつアップセット圧力P2を加える直前の軸方向の全長をL2としたとき、摩擦寄り代LはL1−L2によって定義される量であり、これによって、摩擦時間、すなわち、図4に示すt1が間接的に定まる。
【0040】
ここでは、頂角θが30度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約80秒、頂角θが60度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約120秒、頂角θが90度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約260秒、頂角θが105度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約240秒、頂角θが120度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約220秒、頂角θが135度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約190秒、頂角θが150度のもの同士を摩擦圧接したときの摩擦時間は約170秒、頂角θが180度のもの同士(摩擦面部が平坦面同士)を摩擦圧接したときの摩擦時間は約170秒であった。
【0041】
これは、摩擦面部の摩擦発熱温度が球状黒鉛鋳鉄の固相線の温度T1(約1150度C〜約1160度C)以上の温度でかつ完全液層状態となる温度T2以下の固液共存状態の温度で摩擦圧接する条件に該当している。
【0042】
また、アップセット圧力P2を120MPaとしたときのアップセット寄り代L’は、頂角θが30度のもの同士は約12mm、頂角θが60度のもの同士は約6.5mm、頂角θが90度のもの同士は約5.5mm、頂角θが105度のもの同士は約5.2mm、頂角θが120度のもの同士は約4.9mm、頂角θが135度のもの同士は約4.2mm、頂角θが150度のもの同士は約3.5mm、頂角θが180度のもの同士(摩擦面部が平坦面同士)は約3.0mmであった。
【0043】
摩擦時間は頂角θが90度を超えると角度が大きくなるに従って短くなるが、頂角θが90度未満では角度が大きくなるに従って長くなった。これは、軸方向の摩擦圧力Fに対して摩擦面部に加わる摩擦圧力F1が90度を超える側では大きくなり、かつ、90度未満の側では小さくなると考えられるからである。
【0044】
また、アップセット寄り代L’も頂角θが小さくなるに従って大きくなったが、これは、先端が尖っていれば尖っているほど軸方向のアップセット圧力P2に対して変形し易いからであると考えられる。
【0045】
このようにして製作された摩擦圧接接合品を切削して、接合端面12に僅かに生じているバリを完全に除去して、図6に示すように、全長140mm、拡径部8aの軸方向長さ70mm、縮径部8bの軸方向長さ40mmの曲げ強度試験部材11を製作した。
【0046】
この曲げ強度試験部材11の球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7に相当する部分を曲げ強度試験機の一部を構成する一対のクランプ部材13によりクランプし、荷重補助治具14を鋼鉄製部材8の縮径部8bに嵌着して、矢印方向から荷重F’を加えて、各曲げ強度試験部材11について、破壊荷重を測定した。
【0047】
その結果、図7に示すグラフを得た。
【0048】
頂角θが30度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約10トン重、頂角θが60度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約14トン重、頂角θが90度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約15トン重、頂角θが105度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約17トン重、頂角θが120度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約19トン重、頂角θが135度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約14トン重、頂角θが150度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約10トン重、頂角θが180度のものの曲げ強度試験部材11の破壊荷重は約7トン重であった。
【0049】
その破壊は、いずれも、図8に模式的に示すように、接合端面12から内部に進行する形で生じた。その図8において、符号15はその接合端面12から内部に進行して生じた亀裂を示している。
【0050】
また、従来の摩擦圧接方法の条件によると、摩擦面部のミクロ組織は、図9(a)に示すように球状黒鉛16が扁平に近くなるが、本発明の摩擦圧接方法によると、図9(b)に示すようにいずれのものも球状黒鉛16の扁平度が小さい状態であった。
【0051】
その図7から明らかなように、頂角θが180度のもの、すなわち、平坦面同士の摩擦接合は、予想通り円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを摩擦面部に形成して接合したものに較べて接合強度が低かった。これは、摩擦面部の接触面積が小さいからであると考えられる。
【0052】
頂角θが30度から150度の範囲内の曲げ強度試験部材11はいずれも、所望の接合強度を得ることができたが、なかでも、60度から135度の範囲内の曲げ強度試験部材11は、いずれも、破壊荷重が頂角θが150度、30度の曲げ強度試験部材11に較べて高い結果が得られた。更に、105度から120度の範囲の曲げ強度試験部材11についてはいずれも破壊荷重が頂角θが135度、90度の曲げ強度試験部材11に較べて高い結果が得られた。
【0053】
これは、接合面部に加わる摩擦圧力F1による摩擦発熱が有効に生じたからであると考えられ、この頂角θが60度から135度の範囲内の円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを形成して接合するのが望ましいと考えられ、更には、この頂角θが105度から120度の範囲内の円錐形状凸部9と円錐形状凹部10とを形成して接合するのが最も望ましいと考えられる。
【0054】
この発明の実施の形態では、球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7と鋼鉄製部材8とのいずれも中実として摩擦圧接を行うことにしたが、図10(a)に示すように、スピンドル部4(鋼鉄製部材8)の軸方向中央部に摩擦圧接により溶融した溶融物を案内する案内穴16を設ける構成、図10(b)に示すように本体部3(球状黒鉛鋳鉄製鋳物部材7)の軸方向中央部に摩擦圧接により溶融した溶融物を案内する案内穴16を設ける構成とすることもできる。
【0055】
このように、両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴16を形成することにすると、摩擦圧接の接合強度を低下させることなく溶融物を案内穴16に流し込むことができるのでバリの発生を更に一層抑制できる。
【0056】
なお、この発明の実施の形態では、鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部を形成し、球状黒鉛鋳鉄製本体部の摩擦面部を円錐形状凸部に対応する円錐形状凹部としたが、鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部を半球面状凸部とし、球状黒鉛鋳鉄製本体部の摩擦面部をその半球面状凸部に対応する半球面状凹部とすることもできる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明によれば、スピンドル部の摩擦面部を円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)とする一方本体部の摩擦面部をその円錐形状凸部(又は円錐形状凹部)に対応する円錐形状凹部(又は円錐形状凸部)として、両摩擦面部を互いに軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧接することにしたので、両摩擦面部同士の摩擦接触面積が増大することになり、その接合部の強度を向上させることができる。
【0058】
また、アップセット圧力を軸方向から両摩擦面部に加えた場合にそのアップセット圧力の分力が両摩擦面部に加わることになるので、アップセット圧力を加える際に球状黒鉛の球形度の低下を防止(扁平度を低減)できることになり、この観点からも両摩擦面部同士の接合強度を高めることができる。
【0059】
請求項3に記載の発明によれば、両摩擦面部を固液共存領域で摩擦圧接接合するものであるから、両摩擦面部の接合部が完全に溶融状態となることを防止でき、この観点からも、球状黒鉛の球形度の低下も抑制できる。また、両摩擦面部の接合部に生じるチルの量を低減できると共に、アップセット圧力を加えたときに、両摩擦面部から外部に押し出される溶融物の量を従来に較べて低減できることになって、両摩擦面部のバリの発生が一層抑制される。
【0060】
請求項4に記載の発明によれば、発生した溶融物を案内穴に導くことができるので、両摩擦面部の外周にバリが生じるのを更に低減できる。
【0061】
とくに、スピンドル部と本体部との両摩擦面部でかつ摩擦圧接の発熱にほとんど寄与しない軸方向中央部に案内穴を形成することにしたので、摩擦圧接の接合強度を低下させることなくバリの発生を回避することができる。
【0062】
請求項5に記載の発明によれば、車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割してその本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方そのスピンドル部を鋼鉄製として、鋼鉄製部品の長所と鋳鉄製部品の長所とを取り入れつつその摩擦面部の強度が従来に較べて高い車輪支持部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車輪支持部材の概要を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる摩擦圧接方法の説明図であって、(a)は固相−液相の状態曲線を示し、(b)は昇温冷却過程を示す。
【図3】本発明に係わる車輪支持部材の試験部材の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる摩擦圧接方法のシーケンスタイムチャート図である。
【図5】本発明に係わる摩擦圧接方法の説明図であって、(a)は試験部材を軸方向から突き合わせせて摩擦圧接する直前の状態を示す部分断面図であり、(b)はその試験部材を摩擦圧接してアップセット圧力を加える直前の状態を示す部分断面図である。
【図6】図2、図4に示す摩擦圧接方法によって摩擦接合された曲げ強度試験部材を曲げ強度試験機にセットした状態を示す説明図である。
【図7】図6に示す曲げ強度試験機による曲げ強度試験部材の評価結果を示すグラフである。
【図8】図6に示す曲げ強度試験機による破壊された曲げ強度試験部材の断面形状を示す模式図である。
【図9】摩擦圧接方法による摩擦面部のミクロ組織の模式図であり、(a)は従来の摩擦圧接方法によるミクロ組織の模式図であり、(b)は本発明の摩擦圧接方法によるミクロ組織の模式図である。
【図10】図3に示す試験部材の他の例を示し、(a)はスピンドル部に対応する試験部材の軸方向中央部に案内穴を形成した例を示し、(b)は本体部に対応する試験部材の軸方向中央部に案内穴を形成した例を示す。
【符号の説明】
1…ナックル
2…アーム部
3…本体部
4…スピンドル部
5…円錐形状凸部
6…円錐形状凹部
Claims (5)
- 車輪支持部材をアーム部を含む本体部とスピンドル部とに分割して、前記本体部を球状黒鉛鋳鉄製とする一方前記スピンドル部を鋼鉄製とすると共に、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とする一方前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とし、両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えつつ回転させることに基づく摩擦発熱によって、前記本体部と前記スピンドル部とを摩擦圧接することを特徴とする車輪支持部材の摩擦圧接方法。
- 前記円錐形状凸部の頂角が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法。
- 前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が球状黒鉛鋳鉄の固相線以上の温度でかつ完全液相状態となる温度以下の固液共存状態の温度で、前記両摩擦面部を摩擦圧接することを特徴とする請求項2に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法。
- 前記本体部と前記スピンドル部との少なくとも一方の摩擦面部でかつ軸方向中央部に、摩擦端面から軸方向に向かって延びて摩擦圧接によって生じる溶融物を案内する案内穴が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車輪支持部材の摩擦圧接方法。
- 車輪支持部材がアーム部を含む球状黒鉛鋳鉄製本体部と鋼鉄製スピンドル部とから構成され、前記スピンドル部の摩擦面部は円錐形状凸部又は凹部とされ、前記本体部の摩擦面部は前記スピンドル部の摩擦面部に対応する円錐形状凹部又は凸部とされ、前記鋼鉄製スピンドル部の摩擦面部をその角度が30度〜150度の範囲好ましくは60度〜135度の範囲、更に好ましくは105度〜120度の範囲の円錐形状凸部又は凹部とされ、前記両摩擦面部を軸方向から突き合わせて嵌合させた状態で摩擦圧力を加えて回転させることに基づく摩擦発熱によってかつ前記両摩擦面部の摩擦発熱温度が固相線の温度以上の温度でしかも完全液相状態となる温度以下の固液共存状態温度で前記球状黒鉛鋳鉄製アーム部と前記鋼鉄製スピンドル部とが摩擦圧接されていることを特徴とする車輪支持部材。
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