JP2004000838A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Hideaki Ueno
植野 秀章
Akiya Chiba
千葉 明哉
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Abstract

【課題】オレフィン系の炭化水素ばかりでなく、メタンに代表される飽和炭化水素類も効率よく浄化できる触媒とする。
【解決手段】細孔容積が 0.6cc/g以下の Alを含み排ガス流の上流部に形成されPdを担持した上流コート層2と、細孔容積が 0.8cc/g以上の Alを含み排ガス流の下流部に形成されPdを担持した下流コート層3と、からコート層を形成した。
上流コート層2は緻密な構造であるために熱伝導性が高く昇温特性に優れているため、メタン以外のHCを低温域から浄化することができる。そして下流コート層3は細孔容積が大きいためガス拡散性に優れ、Pdに対する吸着性の大きな炭化水素が速やかに拡散してPdとメタンとの接触確率が高まり、メタンを効率よく浄化することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系炭化水素を浄化できるばかりでなく、メタンを始めとする飽和炭化水素を効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素(以下HCという)の中でもオレフィン系HCは比較的酸化されやすいが、飽和HC類はオレフィン系HCに比べて酸化されにくく、中でもメタンは特に酸化浄化されにくいことが知られている。そこでメタンを浄化できる触媒の開発が進められ、触媒金属としてパラジウム(Pd)が有効であることがわかっている。例えば特開平11−137998号公報には、 Al担体にPdと、Ru,Ir及びCuから選ばれる少なくとも一種が担持された、メタン浄化能を示す触媒が開示されている。また特開平7−053976号公報には、PdとCoの共沈物を触媒金属として用いたメタン酸化触媒が開示されている。
【0003】
しかしながら Al担体にPdを担持した触媒では、酸素過剰のリーン雰囲気におけるメタンの浄化性能に不足するという問題がある。またBaやLaを添加した Alを担体としそれにPdを担持した触媒は、低温域におけるHCの浄化活性が向上する。しかしこのような触媒では、メタンの浄化活性が逆に低下してしまう。
【0004】
また例えば特開2001−259424号公報には、BaとLaを含む Alに少なくともPdを担持した触媒を排ガス上流側に配置し、Laを含む Alと少なくともCeOを含む担体にPt,Pd,Rhの少なくとも1種を担持した触媒を排ガス下流側に配置したタンデム構造の排ガス浄化用触媒が開示されている。
【0005】
この触媒によれば、上流側触媒にはCeOが含まれないので、CeOが酸素を吸収して還元雰囲気となるのが抑制され、HCを効率よく酸化することができる。また下流側触媒ではCeOが酸素を吸収することによって還元雰囲気となるので、NOの浄化効率が高まる。しかしこの触媒を用いても、上流側触媒の AlにBaとLaが含まれているので、メタンを効率よく浄化することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、オレフィン系のHCばかりでなく、メタンに代表される飽和HC類も効率よく浄化できる触媒とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、排ガス流れ方向に貫通する多数のセルをもつハニカム形状の基材と、基材に形成され少なくともPdを担持したコート層とからなり、少なくともメタンを含む炭化水素を浄化する排ガス浄化用触媒であって、コート層は、細孔容積が 0.6cc/g以下の Alを含み排ガス流の上流部に形成された上流コート層と、細孔容積が 0.8cc/g以上の Alを含み排ガス流の下流部に形成された下流コート層と、よりなることにある。
【0008】
上流コート層のコート量は基材の体積1リットルあたり 160g以下であり、下流コート層のコート量は基材の体積1リットルあたり 200g以上であることが望ましい。
【0009】
また上流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として12重量%以上含むことが望ましく、希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以上含むことが望ましい。
【0010】
そして下流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として10重量%以下で含むか若しくは含まないことが望ましく、希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以下で含むか若しくは含まないことが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒では、細孔容積が 0.6cc/g以下の Alを含み排ガス流の上流部に形成された上流コート層と、細孔容積が 0.8cc/g以上の Alを含み排ガス流の下流部に形成された下流コート層と、からコート層が形成され、両者にPdが担持されている。
【0012】
細孔容積が 0.6cc/g以下の AlにPdを担持した上流コート層では、緻密な構造であるために熱伝導性が高い。また上流側に配置されているので、排ガスの温度が上流コート層に速やかに伝達される。したがって昇温特性に優れているため、メタン以外のHCを低温域から浄化することができる。
【0013】
一方の細孔容積が 0.8cc/g以上の AlにPdを担持した下流コート層では、細孔容積が大きいためガス拡散性に優れ、Pdに対する吸着性の大きなHCが速やかに拡散する。したがってPdとメタンとの接触確率が高まり、メタンを効率よく浄化することができる。
【0014】
上流コート層と下流コート層をそれぞれ別の基材に形成し、それぞれを直列に並べて用いてもよいし、一つの基材に塗り分けて形成することもできる。一つの基材に形成する場合には、面積比で上流コート層と下流コート層の比率を上流コート層:下流コート層=20:80〜60:40の範囲に形成することが好ましい。この範囲から外れた場合には、メタン以外のHCとメタンの浄化バランスが崩れ、いずれか一方の浄化率が低下してしまう。
【0015】
上流コート層及び下流コート層におけるPdの担持量は、それぞれ 0.1〜10重量%の範囲が好ましい。Pdの担持量が 0.1重量%より少ないと浄化活性の発現が困難となり、10重量%を超えて担持しても活性が飽和するとともにコストが上昇してしまう。なおPd以外に、Pt,Rh,Irなどの貴金属あるいはNi,Co,Cu,Feなどの卑金属を担持することも差し支えない。Pd以外の触媒金属の担持量は、Pdによる浄化活性を低下させない範囲であればよく、通常は1〜3重量%の範囲とするのが好ましい。
【0016】
上流コート層及び下流コート層の担体成分は、少なくとも Alを含めばよく、ZrO,TiO,CeOなど他の酸化物を共存させることも可能であるが、80重量%以上を Alが占めることが望ましい。 Alとしては、γ−Alが最適である。
【0017】
上流コート層のコート量は、基材の体積1リットルあたり 160g以下とし、下流コート層のコート量は基材の体積1リットルあたり 200g以上とすることが望ましい。上流コート層のコート量が 160gを超えると熱容量が大きくなりすぎて早期の昇温が困難となり、低温域におけるHCの浄化が困難となる。また下流コート層のコート量が 200g未満では、Pdの分散性が低下して粒成長が生じやすいため耐久性が低下し、また熱容量が小さくなることから保温性が低下してメタンの浄化活性が低下する。
【0018】
さらに上流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として12重量%以上含むことが望ましい。これにより Alの酸塩基性が調整されるため、PdにHCが吸着して活性点が覆われるのが抑制され、低温域におけるHCの浄化活性が向上する。また希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以上含むことも好ましい。これによりアルカリ土類金属と同様の作用が奏されるとともに、 Alの耐熱性が向上し、高温耐久後も低温域における高いHC浄化活性が発現する。アルカリ土類金属としてはBaが特に好ましく、希土類元素としてはLaが特に好ましい。なおBaには、リッチ雰囲気においてNO浄化率を向上させる作用もあるので、三元特性が向上するという効果も発現される。
【0019】
そして下流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として10重量%以下で含むか若しくは含まないことが望ましく、希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以下で含むか若しくは含まないことが望ましい。下流コート層にアルカリ土類金属が多く含まれると、 BaCOなどがメタン酸化反応を阻害するため好ましくないが、酸化物として10重量%以下であればその阻害作用はほとんど目立たない。また下層コート層に希土類元素が多く含まれてもメタン酸化反応が阻害されるが、酸化物として3重量%以下であればその阻害作用はほとんど目立たない。
【0020】
上流コート層及び下流コート層の少なくとも一方には、Rhを担持することも好ましい。Rhには排ガス中の成分からHを生成する作用があるので、そのHの還元力によってNO浄化能が向上する。なおRhはγ−Alに固溶するので、θ−AlあるいはZrOなどRhが固溶しにくい担体に予めRhを担持しておき、それを上流コート層及び下流コート層の少なくとも一方に混合して用いることが好ましい。あるいはθ−AlあるいはZrOなどRhが固溶しにくい担体にRhを担持した上層コート層を上流コート層及び下流コート層の少なくとも一方の上表面又は下表面に形成することもできる。
【0021】
【実施例】
以下、試験例と、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0022】
(試験例1)
細孔容積が異なるγ−Al粉末を種々用意し、それぞれPdを 5.5重量%担持して複数種の触媒粉末を調製した。各触媒粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水70重量部とからなるスラリーをそれぞれ調製した。そして直径10.2mm,長さ 100mm,3ミル/ 600セルのコーディエライト製ハニカム基材にそれぞれウォッシュコートし、 120℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成してコート層を形成した。コート層はハニカム基材1Lあたり 120g形成され、Pdはハニカム基材1Lあたり5g担持されている。
【0023】
直列4気筒,2Lのガソリン直噴エンジンの排気系に各触媒を配置し、A/F=14.6で運転された 400℃の排ガスをSV=20,000h−1で室温の触媒に流通させ、全HCの浄化率を連続的に測定した。そして全HCを50%浄化できる温度に到達するまでの時間を算出し、結果を THC50%到達時間として図2に示す。
【0024】
また同エンジンにおいてA/F=23のリーン条件で定常運転したときの排ガスをSV=20,000h−1で室温の触媒に流通させ、メタン浄化率を連続的に測定した。そしてメタンを50%浄化できる温度を算出し、結果をメタン50%浄化温度として図2に示す。
【0025】
図2より、細孔容積が小さいほど低温域からHCを浄化することができ、細孔容積が大きいほどメタンの浄化活性が高いことがわかる。そして低温域におけるHCの浄化には細孔容積が 0.6cc/g以下の範囲が望ましく、メタンの浄化には細孔容積が 0.8cc/g以上が好ましいことがわかる。
【0026】
(試験例2)
細孔容積が0.55cc/gのγ−Al粉末を用い、試験例1と同様にして、コート量が異なる種々の触媒を調製した。そして試験例1と同様にして THC50%到達時間とメタン50%浄化温度を測定し、結果を図3に示す。
【0027】
図3より、コート量が少ないほど低温域からHCを浄化することができ、コート量が多いほどメタンの浄化活性が高いことがわかる。そして低温域におけるHCの浄化には、ハニカム基材1Lあたりのコート量が 160g以下であることが好ましく、メタンの浄化にはコート量が 200g以上であることが好ましいことがわかる。
【0028】
(試験例3)
細孔容積が0.55cc/g一定で、Baの添加量が異なる種々のγ−Al粉末を用意し、試験例1と同様にして種々の触媒を調製した。そして試験例1と同様にしてTHC50%到達時間とメタン50%浄化温度を測定し、結果を図4に示す。
【0029】
図4より、Baの添加量が多いほど低温域からHCを浄化することができ、Baの添加量が少ないほどメタンの浄化活性が高いことがわかる。そして低温域におけるHCの浄化にはBaが BaOとして12重量%以上含まれる Alを用いることが好ましく、メタンの浄化にはBaが BaOとして10重量%以下含まれる Alを用いることが好ましいことがわかる。
【0030】
(試験例4)
細孔容積が0.55cc/g一定で、Laの添加量が異なる種々のγ−Al粉末を用意し、試験例1と同様にして種々の触媒を調製した。そして試験例1と同様にしてTHC50%到達時間とメタン50%浄化温度を測定し、結果を図5に示す。
【0031】
図5より、Laの添加量が多いほど低温域からHCを浄化することができ、Laの添加量が少ないほどメタンの浄化活性が高いことがわかる。そして低温域におけるHCの浄化にはLaが Laとして3重量%以上含まれる Alを用いることが好ましく、メタンの浄化にはLaが Laとして3重量%以下含まれる Alを用いることが好ましいことがわかる。
【0032】
(実施例1)
図1に本実施例の排ガス浄化用触媒の断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、排ガス流れ方向に貫通する多数のセルをもつハニカム形状の基材1と、基材1の排ガス流の上流側に位置する上流部表面に形成された上流下層コート層2と、基材1の排ガス流の下流側に位置する下流部表面に形成された下流下層コート層3と、上流下層コート層2及び下流下層コート層3の表面に形成された上層コート層4と、から構成されている。以下、この触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
【0033】
直径10.2mm,長さ 100mm,3ミル/ 600セルのコーディエライト製ハニカム基材1を用意した。一方、細孔容積が0.55cc/gでありLaが Laとして10重量%及びBaが BaOとして16.0重量%添加され予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水70重量部とからなるスラリーを調製した。そしてハニカム基材1のセル内に上流側端面から50mmの深さまでスラリーを充填し、余分なスラリーを吸引除去した後、120℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成して上流下層コート層2を形成した。上流下層コート層2はハニカム基材1の1Lあたり 160g形成された。
【0034】
次に細孔容積が0.99cc/gであり, Laとして 0.1重量%未満のLaと BaOとして 0.1重量%未満のBaを不可避として含み,予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水70重量部とからなるスラリーを調製した。そしてハニカム基材1のセル内に下流側端面から50mmの深さまでスラリーを充填し、余分なスラリーを吸引除去した後、 120℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成して下流下層コート層3を形成した。下流下層コート層3はハニカム基材1の1Lあたり 230g形成された。
【0035】
続いて予めRhが12重量%担持されたθ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル(Alとして5重量%含有)43重量部と、水80重量部とからなるスラリーを調製した。そしてハニカム基材1のセル内全体にスラリーを充填し、余分なスラリーを吸引除去した後、 120℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成して、上流下層コート層2及び下流下層コート層3の表面に上層コート層4を形成した。上層コート層4はハニカム基材1の1Lあたり40g形成された。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは0.5g担持されている。
【0036】
(実施例2)
細孔容積が0.78cc/gであり, Laとして 3.0重量%のLaを含み, BaOとして 0.1重量%未満のBaを不可避として含み,予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水70重量部とからなるスラリーを用いて下流下層コート層3を形成したこと以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0037】
(実施例3)
細孔容積が0.99cc/gであり, Laとして 0.1重量%のLaを不可避として含み, BaOとして12重量%のBaを含み,予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水 100重量部とからなるスラリーを用いて、下流下層コート層3をハニカム基材1の1Lあたり 245g形成したこと以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0038】
(実施例4)
上流下層コート層2を上流側端面から20mmの深さまで形成し、下流下層コート層3を下流側端面から80mmの深さまで形成したこと以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0039】
(比較例1)
γ−Al粉末の細孔容積が0.99cc/gであること以外は実施例1と同様のスラリーを用いて、実施例1と同様に上流下層コート層2を形成した。次いで細孔容積が0.55cc/gであること以外は実施例1と同様のスラリーを用いて、実施例1と同様に下流下層コート層3を形成した。その後実施例1と同様にして上層コート層4を形成した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0040】
(比較例2)
γ−Al粉末の細孔容積が0.55cc/gであること以外は実施例1と同様のスラリーを用いて、実施例1と同様に下流下層コート層3を形成したこと以外は実施例1と同様である。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0041】
(比較例3)
γ−Al粉末の細孔容積が0.99cc/gであること以外は実施例1と同様のスラリーを用いて、実施例1と同様に上流下層コート層2を形成したこと以外は実施例1と同様である。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0042】
(比較例4)
細孔容積が0.55cc/gであり, Laとして 0.1重量%未満のLaを不可避として含み,Baが BaOとして20.0重量%添加され予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水70重量部とからなるスラリーを用い、ハニカム基材1の全体に下層コート層をハニカム基材1の1Lあたり 160g形成した。その後実施例1と同様にして上層コート層4を形成した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0043】
(比較例5)
細孔容積が0.99cc/gであり, Laとして0.01重量%未満のLaと BaOとして0.01重量%未満のBaを不可避として含み,予めPdが 5.5重量%担持されたγ−Al粉末 100重量部と、 Alゾル( Alとして5重量%含有)43重量部と、水100重量部とからなるスラリーを用い、ハニカム基材1の全体に下層コート層をハニカム基材1の1Lあたり 250g形成した。その後実施例1と同様にして上層コート層4を形成した。得られた触媒では、ハニカム基材1の1Lあたり、Pdは5g担持されRhは 0.5g担持されている。
【0044】
<試験・評価>
直列4気筒,2Lのガソリン直噴エンジンの排気系に各触媒を配置し、A/F=14.6で運転された 400℃の排ガスをSV=20,000h−1で室温の触媒に流通させ、全HCの浄化率を連続的に測定した。そして全HCを50%浄化できる温度に到達するまでの時間を算出し、結果を THC50%到達時間として表1に示す。
【0045】
また同エンジンにおいてA/F=23のリーン条件で定常運転したときの排ガスをSV=20,000h−1で室温の触媒に流通させ、メタン浄化率を連続的に測定した。そしてメタンを50%浄化できる温度を算出し、結果をメタン50%浄化温度として表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004000838
【0047】
比較例1〜3と実施例1との比較より、上流下層コート層2の細孔容積を小さくするとともに下流下層コート層3の細孔容積を大きくすることで、低温域におけるHCの浄化活性とメタンの浄化活性の両方が向上していることが明らかである。
【0048】
また比較例4ではメタンの浄化活性が低下しているが、比較例2との比較からこの理由は、下流下層コート層3にBaが多いことに起因していると考えられる。そして比較例5では THC50%到達時間が長いが、この理由は、上流下層コート層2のコート量が多いことと、比較例3との比較から上流下層コート層2にLa又はBaを含まないことに起因していると考えられる。
【0049】
しかし各実施例の触媒では、低温域におけるHCの浄化活性とメタンの浄化活性の両方が満足され、これは請求項に記載した組成としたことによる効果であることが明らかである。なお実施例3では、下流下層コート層3にBaが多く含まれているために他の実施例に比べてメタンの浄化活性が低いが、下流下層コート層3のコート量が多いためにその低下度合いが小さくてすんでいる。
【0050】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、オレフィン系HCを浄化できるばかりでなく、メタンを始めとする飽和HC類を効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の要部拡大断面図である。
【図2】細孔容積と THC50%到達時間及びメタン50%浄化温度との関係を示すグラフである。
【図3】コート量と THC50%到達時間及びメタン50%浄化温度との関係を示すグラフである。
【図4】Ba添加量と THC50%到達時間及びメタン50%浄化温度との関係を示すグラフである。
【図5】La添加量と THC50%到達時間及びメタン50%浄化温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:基材      2:上流下層コート層   3:下流下層コート層
4:上層コート層

Claims (6)

  1. 排ガス流れ方向に貫通する多数のセルをもつハニカム形状の基材と、該基材に形成され少なくともPdを担持したコート層とからなり、少なくともメタンを含む炭化水素を浄化する排ガス浄化用触媒であって、
    該コート層は、細孔容積が 0.6cc/g以下の Alを含み排ガス流の上流部に形成された上流コート層と、細孔容積が 0.8cc/g以上の Alを含み排ガス流の下流部に形成された下流コート層と、よりなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記上流コート層のコート量は前記基材の体積1リットルあたり 160g以下であり、前記下流コート層のコート量は前記基材の体積1リットルあたり 200g以上である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記上流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として12重量%以上含む請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記上流コート層には、希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以上含む請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記下流コート層には、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種を酸化物として10重量%以下で含むか若しくは含まない請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 前記下流コート層には、希土類元素から選ばれる少なくとも一種を酸化物として3重量%以下で含むか若しくは含まない請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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