JP2003535165A - ポリユビキチン系ヒドロゲルとその用途 - Google Patents

ポリユビキチン系ヒドロゲルとその用途

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JP2003535165A JP2001587826A JP2001587826A JP2003535165A JP 2003535165 A JP2003535165 A JP 2003535165A JP 2001587826 A JP2001587826 A JP 2001587826A JP 2001587826 A JP2001587826 A JP 2001587826A JP 2003535165 A JP2003535165 A JP 2003535165A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は(a)活性化物質により活性化され、水溶液に溶解した架橋剤、および(b)組換えタンパク質、すなわちポリユビキチンの3次元架橋混合物からなる新規バイオポリマーに関する。この新規バイオポリマーは水溶液中、適切な割合で溶解したユビキチン(モノマーおよび/またはポリマー)と架橋剤の架橋、好ましくは二官能性ポリエチレンオキサイドまたは種々分子量(分子量2000から35000 kDa)のポリエチレングリコールに基づくものである。多くのユビキチンユニットおよび架橋剤を長さおよび比率の双方で変化させることができるので、新規バイオポリマーは広範な処方で提供される。この新規ヒドロゲルはまた特定のプロテアーゼにより生分解されるが、広範な別のプロテアーゼに対しては耐性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
(a)発明の分野 本発明は、例えばポリエチレンオキサイド等の二官能性ポリエチレングリコー
ルにより架橋されたユビキチンユニットのポリマーおよびそれらの誘導体の水溶
液からなる人工バイオヒドロゲルに関するものである。成形されたポリユビキチ
ンヒドロゲルは創傷被覆剤として、生理活性物質の全身または局所的供給のため
の生体分解性供給体として使用することができる。このヒドロゲルは酵素のバイ
オセンサーや異なる核酸またはペプチド分子を検出するために使用することもで
きる。これは検出条件感応性系として定義される。これはさらにin situハイブ
リダイゼーション系にも関連する。
【0002】 (b)従来技術の説明 吸収により経皮的に医薬品を投与するための技術が開発されている。このよう
な技術は、医薬品が調節された速度で拡散できる合成膜に封入された医薬品含有
溜め、または医薬品を医薬品が調節された速度で拡散できる合成ポリマーマトリ
ックスに分散させたものを有することを典型的な特徴とする器具により達成され
る。かかる供給器具は一部の医薬品に関して作用するが、その他の医薬品につい
ては合成ポリマーからの放出速度は十分ではない。供給速度が遅すぎて供給表面
積に対して有効投与量を提供できないか、または薬物の供給時間を延長すること
が望ましい場合に供給が速すぎ、短時間で器具を取り替えなければならない。供
給器具を除去することなく延長された時間薬物を供給するのが望ましい状況の一
例としては、経皮医学用器具周辺の創傷部位に薬物を供給する場合がある。
【0003】 さらに、とりわけ天然の生成物である生理活性物質、例えば成長因子等の供給
を扱う場合、薬物を供給するポリマーマトリックスが最適な薬物供給速度に調整
されることが望ましい。供給される薬物が、例えば酵素や表面レセプター等の生
物学的高分子である場合、望ましい調節速度で生物学的高分子を放出するように
、適切な充填密度、配向、疎水性ドメイン等を有する特殊化された結合機能を合
成ポリマーに付与することは容易ではないため、これを行うのは困難である。
【0004】 出展明示により本明細書の一部とする米国特許第4,101,380号は、二
官能性ポリエチレンオキサイドまたはポリアルキレンオキサイドを得る際にポリ
エチレンオキサイドを活性化するのに有用な、広範な試薬を開示している。これ
らの試薬を用いてゼラチン製成形膜とPEGを架橋することにより、液体膨潤能
力が高いことを特徴とする架橋ゼラチン−PEG膜が得られることが示されてい
る。しかしながら、該特許に記載された別の実施形態によれば、非常に低い(約
2%のオーダー)タンパク質の架橋収率が提供されている。該特許にはポリエチ
レンオキサイドの炭酸塩誘導体の使用は推奨されず、有用でないことが記載され
ている。ポリマーとタンパク質または酵素との架橋を得るための試みが為される
べきである。これは、次の架橋反応に必要な高いpHが酵素やタンパク質の変性
を誘起し得るためであると説明されている。
【0005】 米国特許第5,733,563号は、コンタクトレンズ、薬物徐放器具、酵素
補正等の治療のための酵素や細胞の固定マトリックス、創傷被覆剤を作製するた
めのアルブミン系ヒドロゲルを開示している。このヒドロゲルは種々の供給源か
らのアルブミンと架橋したポリエチレングリコールを含有する。一方、該発明の
ヒドロゲルでは、1つの密度のみを有するヒドロゲルの製造を可能とするアルブ
ミンを使用することが特徴となっている。このようなヒドロゲルは、温度および
pH変化に対して耐性が低いこと、非常に多くのタンパク質溶解酵素に対して脆
弱性が高いこと、およびアレルギー反応を誘起する可能性が高いこと等の限界を
有する。
【0006】 米国特許第4,615,697号は、保湿剤や湿潤剤として、および医薬品の
分野における活性成分の徐放のための生体粘着性担体としてのポリマーの用法を
開示している。この合成ポリマーは、ジビニルグリコール(3,4−ジヒドロキ
シ−1,5−ヘキサジエン)で架橋されたポリアクリル酸、ポリカルボフィルで
ある。
【0007】 米国特許第5,891,558号は、バイオポリマー発泡体、複合バイオポリ
マー発泡体、バイオポリマー発泡体と細胞外マトリックス粒子を含有する生体適
合性構造体、並びにこれらの発泡体および発泡組成物を作製および使用するため
の方法に関するものである。発泡体および発泡体組成物は、例えば研究用モデル
系で、in vitroに、またはin vivoで使用することができる。別の場合には、発
泡体や発泡体組成物を用いて修復または復元する組織の型と同一の型の細胞、例
えばヒト細胞のような哺乳動物細胞と共に発泡体組成物を播種できる。しかし、
コラーゲンスポンジ、ゼラチンスポンジまたはポリビニルアルコールスポンジで
は、細胞の細胞外マトリックス環境に典型的に存在する生物学的活性が欠如して
おり、その不足のために、架橋コラーゲンスポンジはin vivoで再生をほとんど
誘起しないか、またはin vitroの組織型および器官型モデルとしてほとんど作用
しない。
【0008】 出展明示により本明細書の一部とする米国特許第6,039,940号は、本
質的に抗菌性である被覆剤で創傷を処置するための組成物および方法を開示して
いる。被覆剤はアクリロイルオキシエチル(またはプロピル)−トリアルキル(
またはアリール)置換アンモニウム塩、あるいはアクリルアミドエチル(または
プロピル)−トリアルキル(またはアリール)置換アンモニウム塩の重合により
調製されるカチオン性4級アミンアクリレートポリマー約15から95重量%、
好ましくは約61から90重量%を含有するヒドロゲルである。抗菌性ヒドロゲ
ルは創傷に対して非刺激性であり、創傷滲出物を吸収し、本質的な抗菌特性によ
り創傷周囲の無菌環境を増強する。
【0009】 また、分子診断薬の分野では、組換えDNA技術の適用が強力な手段として出
現してきている。例えば、ウイルスおよび細菌ゲノムおよび哺乳動物染色体にお
ける遺伝的欠損の検出のためのDNAおよびRNA分子プローブの開発は、現在
の免疫化学研究法を代替し得る。
【0010】 ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイは、完全な、フラグメント
化された、または混合された核酸のサンプル中の独特なまたは特異的ポリヌクレ
オチド配列を検出および同定するための研究手段として使用されている。種々の
ハイブリダイゼーション診断技術が開発されている。
【0011】 サザンブロット技術は放射線標識された核酸プローブを使用するポリヌクレオ
チドハイブリダイゼーション技術に基づくものである。この方法は、プローブ/
分析物ハイブリッドのオートラジオグラフィー検出および分析物のポリヌクレオ
チド配列の同定を可能とする。しかし、サザン法、および放射線標識核酸プロー
ブを使用するその他の診断方法は非常に複雑で時間がかかり、一般に放射性物質
に付随するさらなる問題および出費、例えば廃棄や作業者のモニタリングの問題
がある。従って、かかるアッセイは基礎研究の手段のままであり、臨床診断等の
応用または商業の分野においては一般的に使用されていないのである。
【0012】 ポリヌクレオチドプローブを固体支持体に結合させる既存の方法は、ほとんど
が非特異的であり、核酸あたりの結合部位の数を調節することは困難である。複
数の結合が、固定された核酸の自由度を低減することが解っている。核酸と固体
支持体間の非特異的結合の複雑化には、1本鎖DNAの物理的吸収、ジアゾ結合
を介する共有結合、エポキシ化、臭化シアン活性化および光化学反応が関連して
いる。
【0013】 出展明示により本明細書に一部とするカナダ特許番号第1,223,222号
は、核酸がハイブリダイズする能力を妨げず、好ましくは固体支持体に対して核
酸あたり一つの化学的共有結合を伴う、部位特異的に固体支持体に結合した固定
核酸含有プローブを開示している。具体的には、ヌクレオチドは酵素を用いて核
酸に結合し、ヌクレオチドは化学的に修飾されている。
【0014】 カナダ特許番号第1,293,937号は、生理学的サンプル中の少なくとも
1つの標的ポリヌクレオチド分析物の検出および同定に有用なポリヌクレオチド
プローブ組成物、診断キット、および非放射性分析ハイブリダイゼーションアッ
セイを開示する。触媒を結合保有し、本質的に分析物の第1の1本鎖領域に相補
的である第1のポリヌクレオチドプローブ、およびそこに結合したアポルミネッ
サーを有し、本質的に分析物の第2の1本鎖領域に相補的である第2のポリヌク
レオチドプローブが提供されている。第2の領域は本質的に第1の領域から相互
に排他的であり、第1および第2プローブと分析物とのハイブリダイゼーション
時には触媒およびアポルミネッサーが互いに十分接近することから、触媒が基質
上で作用して形質転換ラジカルを放出し、アポルミネッサーをルミネッサーに変
換することが可能になる。
【0015】 既存の遺伝性疾患の診断方法では、短い2本鎖セグメント形成するために調製
されたDNAサンプルを制限酵素で消化し、大きさに従ってこれらのセグメント
を分離するためにゲル電気泳動を行い、分離されたセグメントをナイロン等の薄
膜物質へ移動し、目的のセグメントを(公知の疾患配列に対して相補的な配列を
有する)標識オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションし、さらに標識を検
出する。すべての手順を行うには、約24時間が必要であり、手間がかかり、容
易に自動化できるものではない。さらに、これらの方法では通常、固有に安全性
や処理に関する問題を抱える放射性標識を用いる。上記のいずれの診断系も、処
理することによりハイブリダイゼーションに再利用できるようなプローブを開示
するものではない。従って、これらの系は特異な用途にのみ使用されるのである
【0016】 ヒドロゲルの使用において重要な欠点となっており、薬物供給系におけるヒド
ロゲルの使用を本質的に妨害する要因として、かかる処方が一般に生分解性でな
いという点が挙げられる。従って、ヒドロゲルで処方された薬物供給器具は、皮
下や筋肉内で適用された後、典型的には除去されなければならず、血流への直接
導入が必要とされる場合には全く使用できない。従って、適用後に体内で毒性や
その他の有害反応を引き起こすことなく分解され得るヒドロゲルを使用できれば
有利である。
【0017】 前記の技術では、水溶液中でポリユビキチンやその他の未変性タンパク質と活
性化されたポリエチレンオキサイドと架橋することにより有利なヒドロゲルが得
られることは記載も示唆もされていない。従って、前記のとおりの問題を打破あ
るいは最小限にする改良ヒドロゲルが提供されることが非常に望ましい。
【0018】 また、(1)血液適合性が本質的に改善されている、(2)免疫原性が最小限
になっている、および(3)ヒドロゲルが、酵素により、内在性の無毒の化合物
に分解される という点で生体適合性がかなり増強された生分解性ヒドロゲルが
提供されることも非常に望ましい。
【0019】
【発明の要約】
本発明の1つの目的はユビキチンと架橋剤の混合物を含有することを特徴とす
るバイオポリマーを提供することである。
【0020】 本発明の別の目的は架橋剤が光反応性または熱反応性であってもよいバイオポ
リマーを提供することである。熱反応性架橋剤は、−COOH(カルボン酸)、
スルホン酸誘導体、−COOR(エステル)、−COX(酸ハロゲン化物、酸ア
ジド、および類似のカルボン酸誘導体)、−CONHNH2(酸ヒドラジド)、
−NHCONHNH2(セミカルバジド)、−NHCSNHNH2(チオセミカル
バジド)、−CHO(アルデヒド)、RR'CO(ケトン)、−OH(アルコー
ル)、−X(ハロゲン化物:塩化物、臭化物、ヨウ化物)、−SH チオール、
−SSR(ジスルフィド)、−NH2(1級アミン)、−NH−(2級アミン)
、−N−(3級アミン)、−NHNH2(ヒドラジン)、エポキシド、およびマ
レイミドであってよい熱化学反応性基を含有し得る化合物である。
【0021】 本発明のさらなる目的は、ユビキチンを、ユビキチンユニット、または2個か
ら約25個のユビキチンユニットを含有するユビキチンユニットのタンデム、お
よびそれらの組み合わせの形態で有するバイオポリマーを提供することである。
ユビキチンは天然の供給源、組換え体、変異体、類似体、フラグメントおよびそ
れらの誘導体から精製できる。
【0022】 本発明の架橋剤はポリエチレングリコール、またはポリアミン、アミン、ポリ
ビニル、ポリスチレン、エポキシ、シリーコン、タンパク質様物質、ケラチン、
コラーゲン、エラスチン、アクチン、ミオシン、フィブリノーゲン、シルク、多
糖類、セルロース、アミロース、ヒアルロン酸、ゼラチン、キチン、キトサン、
キシラン、マンナン、シリカ、およびそれらの誘導体からなっていてもよいその
他の架橋剤を含んでいてもよい。
【0023】 本発明の別の目的はポリエチレングリコールの誘導体、すなわちポリエチレン
オキサイド誘導体、または一般式1: X−(CH2−CH2−O)n−X (ここでnは少なくとも1である;Xは共有結合またはアミノ酸と反応できるか
、あるいはRまたは酸素がポリエチレンオキサイドと結合したROラジカルであ
り、Rは少なくとも1つのアルキル、アリール、ハロ、ニトロ、オキソ、カルボ
キシ、ヒドロキシ、チオ、スルフォネート、ヒドロキシまたはホスフェート基で
置換されたもしくは置換されないメチレン、エチレン、プロピレン、o−、m−
およびp−フェニレンならびにo−、m−およびp−フェニレンカルバメートの
群より選択される)の二官能性ポリエチレンオキサイドである架橋剤を提供する
ことである。
【0024】 本発明の別の目的はユビキチン溶液を少なくとも1つの架橋剤と混合すること
、および溶液中のユビキチンと架橋剤間で架橋反応が生じるのに十分な時間、重
合反応を誘導することによるユビキチンバイオポリマーの調製方法を提供するこ
とである。
【0025】 前記方法において用いられるユビキチンは、ユビキチンユニット、または2個
から約25個のユビキチンユニットを含有できるユビキチンユニットのタンデム
、あるいはそれらの組み合わせを含んでなっていてよい。
【0026】 この新規ヒドロゲルを作製する方法は、合成中、親水性、荷電および架橋度等
の因子を注意深く調節できるという点で、さらなる技術革新を提示するものであ
る。作製されるヒドロゲルの組成を変化させることにより、特定の薬物の取り込
み、ヒドロゲル処方の分解速度、放出時間プロファイルを調節できる。
【0027】 また、本発明の方法に用いられる架橋剤は光反応性または熱反応性架橋剤であ
り、ここで熱反応性化合物は−COOH(カルボン酸)、スルホン酸誘導体、−
COOR(エステル)、−COX(酸ハロゲン化物、酸アジド、および類似のカ
ルボン酸誘導体)、−CONHNH2(酸ヒドラジド)、−NHCONHNH2
セミカルバジド)、−NHCSNHNH2(チオセミカルバジド)、−CHO(
アルデヒド)、RR'CO(ケトン)、−OH(アルコール)、−X(ハロゲン
化物:塩化物、臭化物、ヨウ化物)、−SH チオール、−SSR(ジスルフィ
ド)、−NH2(1級アミン)、−NH−(2級アミン)、−N−(3級アミン
)、−NHNH2(ヒドラジン)、エポキシド、およびマレイミドからなる群よ
り選択してよい熱化学反応性基を有する化合物である。
【0028】 本発明の方法は天然供給源から精製されたユビキチンを含んでいてもよく、ま
たは組換え体、変異体、類似体、フラグメント、およびそれらの誘導体であって
もよい。
【0029】 本発明の方法は、架橋剤として、ポリエチレングリコールまたはポリエチレン
グリコールの誘導体、例えばポリエチレンオキサイド、または一般式1: X−(CH2−CH2−O)n−X (ここでnは少なくとも1である;Xは共有結合またはアミノ酸と反応できるか
、あるいはRまたは酸素がポリエチレンオキサイドと結合したROラジカルであ
り、Rは少なくとも1つのアルキル、アリール、ハロ、ニトロ、オキソ、カルボ
キシ、ヒドロキシ、チオ、スルフォネート、ヒドロキシまたはホスフェート基で
置換されたもしくは置換されないメチレン、エチレン、プロピレン、o−、m−
およびp−フェニレンならびにo−、m−およびp−フェニレンカルバメートの
群より選択される)の活性化された二官能性ポリエチレンオキサイドを含んでい
てもよい。
【0030】 前記方法はポリアミン、アミン、ポリビニル、ポリスチレン、エポキシ、シリ
コーン、タンパク質様物質、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、アクチン、ミ
オシン、フィブリノーゲン、シルク、多糖類、セルロース、アミロース、ヒアル
ロン酸、ゼラチン、キチン、キトサン、キシラン、マンナン、シリカ、およびそ
れらの誘導体からなる群より選択される架橋剤をも含んでいてもよい。
【0031】 本発明の別の目的は、主にユビキチンからなるバイオポリマーを提供すること
であり、これはユビキチンユニット、または2個から約25個のユビキチンユニ
ットを含有するユビキチンユニットのタンデム、およびそれらの組み合わせを含
んでなっていてもよい。バイオポリマーを構成するために用いられる組み合わせ
とは、例えば、発明を限定するものではないが、n個のユビキチンユニットのタ
ンデムとx個のユビキチンユニットのタンデムとの組み合わせを意味し、ここで
nおよびxは2から25を表す。7個のユビキチンユニットからなるタンデムと
15個のユビキチンユニットからなるタンデムとの組み合わせが例示される。
【0032】 本発明の別の目的はバイオポリマーの調製におけるユビキチンの用法である。
【0033】 本発明を説明する上で、以下の用語は次のように定義される。
【0034】 「生物学的に活性」なる用語は、天然分子の構造的な、調節性の、あるいは生
化学的な機能を有するタンパク質を意味することを意図する。
【0035】 「ポリペプチド」なる用語は、特定のアミノ酸配列を意味し、これらの用語を
本明細書にて使用する場合、広く特定のポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列を
含有する本発明のヒドロゲルをも意味することを意図する。ヒドロゲルは乾燥形
態を有していても水溶液を含んでいてもよい。ポリヌクレオチド配列を含有する
ヒドロゲルは、ハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる。
【0036】 本明細書で用いる「ポリユビキチン」なる用語は繰り返し数が2から20で変
動してよく、天然には種間でも変化するユビキチンユニットのタンデム反復を意
味する。ポリユビキチンのDNAコーディング配列はユビキチン融合遺伝子であ
り、これはユビキチンユニットを頭−尾アレイ配列にコードする。
【0037】 「標的分子」または「標的マーカー」なる用語は、生物学的サンプル中の検出
されるべき、または投与される分子を意味することを意図する。これは、限定的
ではないが、DNAまたはRNA配列、タンパク質、ポリペプチド、およびどの
ような長さであってもよいその他のアミノ酸配列を含む。
【0038】 本明細書で用いる「生物学的サンプル」なる用語は、生物学的体液、組織、も
しくは細胞、タンパク質、DNAまたはRNA配列、ポリペプチド、タンパク質
、オリゴペプチド、およびどのような長さであってもよいその他のアミノ酸配列
を含有するものを意味する。体液は、涙、唾液、乳、尿、羊水、精液、血漿、血
清、卵管液、および滑液などが挙げられるが、それらに限定されない。組織とし
ては、肺、心臓、血液、肝臓、筋肉、脳、膵臓、皮膚等があるが、それらに限定
されない。生物学的サンプルは、動物、植物、細菌、酵母、またはその他の生物
に由来するものであってよい。生物学的サンプルは、真核または原核細胞のin v
itro培養、またはその他の増幅手段に供しられてもよい。
【0039】 本明細書で用いる「ハイブリダイゼーション」なる用語は、ヌクレオチド酸ま
たはポリヌクレオチドの鎖が、塩基対または生化学的親和性により相補鎖と結合
するあらゆる方法を意味する。
【0040】 本明細書で用いる「核酸」または「核酸配列」なる用語はオリゴヌクレオチド
、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、あるいはそれらのフラグメント、センスま
たはアンチセンス鎖を示し得る1本鎖もしくは2本鎖のゲノムまたは合成DNA
やRNA、ペプチド核酸(PNA)、またはあらゆるDNA様またはRNA様物
質を意味する。このような脈絡から、「フラグメント」は長さ約60ヌクレオチ
ド以上のこれらの核酸配列を意味し、最も好ましくは少なくとも約100ヌクレ
オチド、少なくとも約1000ヌクレオチド、または少なくとも約10000ヌ
クレオチドの長さのものである。
【0041】 本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」なる用語は少なくとも約6ヌクレオ
チドから60ヌクレオチドの核酸配列、好ましくは約15から30ヌクレオチド
、および最も好ましくは約20から25ヌクレオチドの核酸配列であって、PC
R増幅、ハイブリダイゼーションアッセイ、または微量検定法に用いることがで
きるものを意味する。本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」なる用語は当業
界で一般に定義されている「アンプリマー」、「プライマー」、「オリゴマー」
、および「プローブ」なる用語に本質的に相当する。
【0042】 本明細書で用いる「アンチセンス」なる用語は、特定のDNAまたはRNA配
列に相補的な核酸配列を含有するあらゆる組成物を意味する。「アンチセンス鎖
」なる用語は「センス」鎖に相補的な核酸配列に対して用いられている。アンチ
センス分子は、合成または転写などのあらゆる方法により生成できる。ひとたび
細胞に導入されると、相補的ヌクレオチドは細胞により生成された天然配列と組
み合わさって二本鎖を形成し、転写または翻訳のいずれかを遮断する。「陰性」
と命名されたものはアンチセンス鎖を、「陽性」と命名されたものはセンス鎖を
意味することができる。
【0043】 本明細書で用いる「相補的」または「相補性」なる用語は、許容される塩およ
び温度条件下における、塩基対形成によるポリヌクレオチドの天然結合を意味す
る。例えば配列「A−G−T」は相補的配列「T−C−A」に結合する。2つの
1本鎖分子間の相補性は、いくつかの核酸のみが結合する「部分的」なものであ
っても、または1本鎖分子間で完全な相補性が存在するような「完全」なもので
あってもよい。核酸鎖間の相補性の度合いは、核酸鎖間のハイブリダイゼーショ
ンの効率および強度に相当な影響を及ぼす。これは、核酸鎖間の結合に依存する
増幅反応、あるいはペプチド核酸(PNA)分子の設計および用法において特に
重要である。
【0044】 本明細書で用いる「マイクロアレイ」なる用語は明確なポリヌクレオチドのア
レイ、もしくは、例えば紙、ナイロン、あるいはその他の種類の膜、フィルター
、チップ、ガラススライド、またはあらゆる適当な固体支持体上に整列したオリ
ゴヌクレオチドを意味する。
【0045】 本明細書で用いる「ペプチド核酸」(PNA)とは、リジンで終わるアミノ酸
残基のペプチドバックボーンに連結された、少なくとも長さ約5ヌクレオチドの
オリゴヌクレオチドを含有するアンチセンス分子または抗原性物質を意味する。
末端リジンは組成物に対して溶解性を賦与する。PNAは相補的1本鎖DNAお
よびRNAに優先的に結合し、転写物の伸長を停止させ、その細胞内での寿命を
延長するためにPEG結合(pegylate)させてあってもよい。
【0046】 本明細書で用いる「サンプル」なる用語はその最も広義な意味で用いられる。
生物学的サンプルとしては、検出すべき、もしくは投与される分子、核酸または
ポリペプチド、タンパク質、もしくはそれらのフラグメントを含有すると考えら
れる体液;組織、細胞抽出物、染色体、オルガネラ、または細胞から単離された
膜;細胞;ゲノムDNA、RNA、またはcDNA(溶液中、または固体支持体
に結合した);組織;組織プリント;in vitro培養培地等が挙げられる。
【0047】 「サイトカイン」なる用語には、成長因子、インターロイキン、インターフェ
ロンおよびコロニー刺激因子などが含まれるが、これらに限定されない。これら
の因子は、正常組織における、細胞分割、形態形成および分化によって示される
、異なる組織発達の段階で存在する。これらの因子の中には、in vivoでの組織
修復に必要なシグナルを与える刺激分子がある。これらのサイトカインは、移植
組織が置換される組織の機能的代替物へと変換されることを刺激できる。この変
換は、例えば循環や幹細胞溜め等の類似の近隣組織から組織細胞を移動すること
により生じる。細胞は、生体吸収性のプロステーシスに付着し、それを置換組織
へと再構築できる。
【0048】 本明細書で用いる「特異的結合」または「特異的に結合する」なる用語はタン
パク質またはペプチドと作用物質、抗体、あるいは拮抗物質との間の相互作用を
意味する。相互作用は結合分子により認識されるタンパク質における特定の構造
(すなわち抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存する。例えば、抗体がエ
ピトープ「A」に特異的である場合、遊離の標識Aを含有する反応系におけるエ
ピトープAを含有するポリペプチドの存在、または遊離の未標識Aの存在は、抗
体に結合する標識されたAの量を低減させる。
【0049】 本明細書で用いる「マトリックス」なる用語はカプセル、錠剤、フィルム、微
粒子、ヒドロゲル等を意味することを意図する。ユンビキチンと架橋剤の混合物
により形成されるマトリックスは、薬物溜め、薬物供給系、バイオセンサー、な
らびに皮膚や創傷のシーラーとして役立つ。マトリックスを用いて構成される組
成物は、慣用の医薬用担体や賦形剤、免疫賦活剤等を含んでいてもよい。ディス
ク、スラブまたはシリンダー形態のマトリックスは移植片として用いることがで
き、一方で微粒子は皮下、筋肉内、静脈内または動脈内注射として適用できる。
【0050】 本明細書で用いる「ヒドロゲル」とは共有結合性架橋により保持された高分子
構造の水膨潤性3次元ネットワークを意味する。(本明細書では、しばしば、こ
れらの共有結合性架橋のことを、高分子構造内の「ネットワーク結合」を提供す
るものと説明する。)水性環境に置かれた場合、これらのネットワークは架橋の
度合いに応じて可能な程度まで膨潤する。
【0051】 本明細書で用いる「薬理学的に活性な物質」または「薬物」は、所望の全身性
または局所的効果を誘起する、投与に適したいずれかの化学物質または化合物を
意味する。一般に、これは主要な治療分野におけるあらゆる治療用物質を含む。
【0052】 薬理学的に活性な物質または薬物の「有効」量とは、無毒性でありながら、所
望の全身性または局所的効果を発揮するのに十分な量を意味する。
【0053】 本明細書で用いる「バイオポリマー」なる用語は、生体、例えばヒトへの導入
に適したポリマーであってよい。このようなバイオポリマーは、通常、生体に導
入されたときに無毒で、生体吸収性であり、バイオポリマーのいずれの分解産物
もまた生物に無毒である。バイオポリマーは、例えばバイオポリマーヒドロゲル
、種々密度のマトリックス、および/またはバイオポリマー粒子などを含む生体
適合性構築物に成形することができる。
【0054】 例えばヒドロゲルやマトリックス等のバイオポリマーは、in vitroでの研究用
モデル系を提供したり、in vivoで止血薬、骨格やプロステーシスおよび移植片
として損傷または疾患組織を置換したりする上で、非常に有用である。マトリッ
クスには、in vivoおよびin vitro適用のいずれにおいても、種々の細胞型を播
種でき、これにより3次元での細胞機能のin vitro研究が可能になる上、移植片
またはプロステーシスのin vivoでの再構築や組み込みが促進される。バイオポ
リマーマトリックスを有するバイオポリマー構築物は、しばしばin vivoで使用
される前に、in vitroで、例えばマトリックスに細胞を播種し、これらの細胞の
成長および分化を培養することにより調製される。
【0055】 固定化されたバイオポリマーは、続いて、1つまたはそれ以上の化学的プロー
ブに曝される。すなわち、存在する場合、プローブは、吸収されたバイオポリマ
ー中で標的配列にハイブリダイズされるのである。最近まで、ハイブリダイゼー
ション剤は放射性同位元素を含有した。特定の生体分子や生体分子配列が、固定
化された誘導生体分子を有する培地に接触させた写真フィルム上の画像の放射分
析展開により可視的に検出されてきた。現在、ラジオイムノアッセイ法は、化学
発光、蛍光および比色検出法などの非放射性の新たな分析研究法により、または
特定の核酸配列を大幅に増幅できるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により、
もしくはこれらの技術の組み合わせにより補われている。放射性化学物質の取扱
いに対する環境や規制に対する懸念にもかかわらず、化学発光種、蛍光および比
色検出法はラジオイムノアッセイ法を代替してはいない。これらの新しい方法が
本格的な規模で適用されない理由として、ラジオイムノアッセイ法に比較して、
一般に精度が低いことが挙げられる。
【0056】
【発明の詳しい説明】
本発明により、様々な用途、とくに、薬物供給系、酵素リアクターマトリック
ス、DNA、RNA、もしくは抗体ハイブリダイゼーションマトリックス、また
はバイオセンサーとして適用可能な新規ポリユビキチンヒドロゲルが提供される
【0057】 ユビキチンは76個のアミノ酸からなる小型のタンパク質であり、全ての真核
細胞の研究において見出されており、アミノ酸配列が昆虫からヒトまで同一であ
り、植物および酵母配列でも置換体が3つしかないという、最もよく保存された
タンパク質の1つとして知られている。2つのクラスのユビキチン遺伝子が認識
されている。クラス1はユビキチンがタンデムに繰り返されたポリタンパク質を
コードするポリユビキチン遺伝子である。クラス2は単一のユビキチン遺伝子と
それ以外の2つの可能な配列のうちの一方が融合した生成物であり、52または
76または80のいずれかの主に塩基性のアミノ酸である。ユビキチンは、たい
ていの細胞内欠損問題や急速な代謝回転を行う正常なタンパク質を排除する、A
TP依存性の非リソソーム性細胞内タンパク質分解において必要である。分解に
は、C末端グリシン残基からリシル側鎖のエプシロンアミノ基へのイソペプチド
結合を介した、ユビキチンの分解されるタンパク質への共有結合が関与する。ユ
ビキチンは、細胞内プロテアーゼによる廃棄のためにタンパク質を標識する機能
を有すると推定される。
【0058】 ユビキチンの構造は、23から34残基でのα−ヘリックスの3から5回転、
56から59での短い310−ヘリックス、および5本の鎖を有する混合β−シー
トである。これらの鎖のうち2本は平行で、1から7および64から72の位置
で分子内にある。残りの3本の鎖は10から17、40から45、および48か
ら50で逆平行である。β−鎖は左回りであり、α−ヘリックスはシートにより
形成された空洞に適合する。また構造には二つのGI、β−バルジ(Bulge)も
存在する。第1は逆平行β−鎖の間にあり、Gly10、Lys11およびTh
r7により形成される。第2のバルジは2本の平行鎖(64から720)にあり
、Glu64、Ser65、およびGlu2により形成される。このバルジは非
常に稀である。分子には7つの逆回転もある。これらの水素結合(4から10)
のうち最長のものはThr7−Gly10である。また、Phe45−Ser6
5にも4つの逆回転と小型の310ヘリックスがある。
【0059】 本発明の1つの実施形態としては、ユビキチンポリマー、ポリユビキチンとポ
リエチレングリコールの水溶性形態、すなわちポリエチレンオキサイド(PEO
)、または二官能性ポリエチレンオキサイド、およびそれらの誘導体との相互作
用が挙げられる。PEOは、双方の末端に共有結合、Rが1つのユビキチンユニ
ットもしくは2個から50個のユビキチンユニットのポリマーであるR、もしく
は酸素がポリエチレンオキサイド−(CH2−CH2O)−に結合したROラジカ
ルを有することにより架橋剤として作用する。ポリエチレングリコールは活性化
されて、一般式 Y−O−(CH2−CH2O)n−Y(ここでYは、タンパク質
によりもたらされるアミノ、S−H、OHまたはCOOH基と反応できるあらゆ
る官能基であればよく、nは45から800にわたってよく、これは分子量が2
,000から35,000にわたる市販のポリエチレングリコールに相当する)
の構造を有する二官能性ポリエチレンオキサイド誘導体を形成する。
【0060】 別の興味ある点としては、ユニットのCOOH末端が挙げられる。ユビキチン
が部分消化されるとユビキチン74およびグリシルグリシンが得られる。ユビキ
チンユニットの完全なアミノ酸配列は:
【0061】 である。
【0062】 本発明の1つの実施形態では、タンパク質の架橋方法が提供される。より具体
的には、本発明はユビキチンユニットまたはポリユビキチンポリマーを架橋する
ための新規および公知の化合物の新規な用法に関するものである。実際に、本発
明のバイオポリマーは、化合物自体が公知であるポリエチレンオキサイド誘導体
と、成分自体は公知であるが、これまでは架橋剤と結合させてヒドロゲルを形成
するために組み合わされたことのなかったユビキチンユニットまたはそのポリマ
ーに基づくカテゴリーに入る架橋剤の使用に関連するものである。特定のバイオ
ポリマーやポリユビキチンマトリックスを形成する上で、ポリアミンおよびポリ
アミン誘導体、多糖類およびそれらの誘導体などのその他の架橋剤を用いてもよ
い。さらに正確には、ポリアルデヒド、N−O−ジメタクリロイルヒドロキシア
ミン、メチレンジアクリレート、ジビニルグリコール、セルロースおよびヒドロ
キシセルロース、コラーゲンやコラーゲン誘導体、キトサン、ゼラチン等の製品
はすべてポリユビキチンバイオポリマーの形成において候補物質である。
【0063】 本発明の架橋剤の中で、熱化学的および光化学的に活性化できる化合物が使用
できる。熱化学性反応基は当該分野において周知であり、光化学反応性基が反応
しない条件下でもバイオポリマー表面またはリガンドに共有結合を形成できる官
能基として定義される。
【0064】 熱化学反応性基は−COOH(カルボン酸)、スルホン酸誘導体、−COOR
(活性エステルを含むエステル)、−COX(酸ハロゲン化物、酸アジド、およ
び類似のカルボン酸誘導体)、−CONHNH2(酸ヒドラジド)、−NHCO
NHNH2(セミカルバジド)、−NHCSNHNH2(チオセミカルバジド)、
−CHO(アルデヒド)、RR’CO(ケトン)、−OH(アルコール)、−X
(ハロゲン化物:塩化物、臭化物、ヨウ化物)、−SH(チオール)、−SSR
(ジスルフィド)、−NH2(1級、2級および3級アミンを含むアミン)、−
NHNH2(ヒドラジン)、エポキシド、およびマレイミドであってよい。
【0065】 ポリマー表面の修飾には、種々の光化学的方法を用いることができる。これら
の方法では、望ましいリガンド(しばしば感受性のある生体分子)を光化学的反
応基およびスペーサーを介してバイオポリマー材料表面に固定化させる。
【0066】 一般に、所望の分子を表面に共有結合させる方法としては、3つの方法が適用
できる。1)熱化学的反応基にスペーサーを介して結合する光化学反応性基が光
化学反応により表面に共有結合する。続いて望ましい分子が熱化学反応により表
面に結合する。2)所望の分子に直接結合する光化学反応性基が光化学反応によ
り表面に結合する。3)光化学反応性基が熱化学反応により表面に共有結合する
。続いて所望の分子が光化学反応により表面に結合する。ここでは架橋剤とユビ
キチンをカップリングする上で同一の原理が利用される。
【0067】 最初の2つの手法が最も順応性があり、固定化されたリガンドの配向を調節で
きる可能性が高い。例えば、短い波長のUV光を照射する場合、末端の位置にあ
り、ソラレンに結合された2級アミンは光化学的にポリスチレン表面に結合でき
る。ビオチンがスペーサー誘導体に結合した場合には、ビオチンもまた光化学的
にポリマー表面や粒子に結合することができる。
【0068】 電磁スペクトルの紫外、可視または赤外部分に応答する、開示された潜在的反
応基は、アジド、アシルアジド、ギ酸アジド、スルホニルアジド、ホスホリルア
ジド;例えばジアゾアルカン、ジアゾケトン、ジアゾアセテート、ベータ−ケト
ン−アルファ−ジアゾアセテート等のジアゾ化合物;脂肪族アゾ化合物、ジアジ
リン、ケトン、ジフェニルケトンおよび例えばベンゾフェノンおよびアセトフェ
ノン等の光活性化できるケトン;ならびに例えばジアルキル−やジアシルペルオ
キシドおよびペルオキシエステル等のペルオキシ化合物である。
【0069】 高エネルギーUV光を照射した場合に非常に反応性の高いラジカル、カルベン
またはナイトレンを生じる潜在性の反応基には、多くの欠点がある。このような
種は極度に反応性が高く、たいていの有機化合物、有機溶媒および水を転移させ
たり、それらと即座に反応したりする。従って、照射を溶液中で行った場合、光
試薬の喪失やポリマー表面との不十分な反応が起こる。
【0070】 従って、本発明の1つの実施形態としては、異なる波長の光または熱に暴露す
ることにより特定の用途を目的とする密度を有するゲル、マトリックスの形成を
誘導するための光または熱反応性架橋剤の活性化が挙げられる。光反応は、例え
ば240から820 nmの間の波長の光により誘導され得る。熱反応は、例えば体温で
、35℃から42℃の間で誘導され得る。従って、バイオポリマーは、動物体内に導
入あるいは体表面に施した後、架橋反応を起こし、目的の密度で固化することが
できる。
【0071】 本発明の別の実施形態では、異なる比率のポリユビキチンバイオポリマーを有
していてもよい。例えば、バイオポリマーは、特定の用途のためにヒドロゲルマ
トリックスの密度を調整する上で、必要濃度の架橋剤と5、6、または7から2
5個までのユビキチンユニットからなるタンデムと2個のユビキチンユニットの
タンデムの混合物を含有するものであってもよい。架橋剤およびユビキチンの比
率が、用途を最適化するように調整できるものであることは当業者にとって自明
のことである。
【0072】 本発明の別の実施形態では、ヒドロゲル処方は、ユビキチンユニットまたは一
般にポリユビキチンとされるユビキチンポリマーと架橋した有意な量のポリエチ
レンオキサイドを含有する。
【0073】 本発明の別の実施形態においては、バイオポリマーと合成ポリマーから形成さ
れた、生理活性物質、とくに生物学的高分子の徐放のためのバイオポリマー製供
給組成物が提供される。
【0074】 本発明は、水系の生理学的環境に置くことにより、長期に渡りポリペプチドを
放出し続ける薬理学的に活性なポリペプチドまたはそのコード化遺伝子およびc
DNAの医薬用組成物に関するものである。コード化核酸配列、ポリユビキチン
マトリックスからDNAおよびRNAを直接組織や器官に放出できる。
【0075】 以前より、特定の薬物を、1回の投与に続いて長期間連続的に放出させること
ができれば、臨床現場において有意な実用的利点が得られることが認められてお
り、多くの臨床上有用な薬物を経口投与、非経口および局所投与した後、放出を
延長する組成物が開発されている。非経口投与の適当な方法は皮下注射または薬
物を含有する固形物、例えばペレットまたはフィルムの埋め込みであり、かかる
埋め込み可能な種々の器具が報告されている。とりわけ、生分解性ポリマー中に
薬物をカプセル化することにより、またはかかるポリマーマトリックス中に薬物
を分散させてポリマーマトリックスの分解が進むにつれて薬物が放出されるよう
にすることにより、長期にわたる薬物の徐放に適した埋め込み式器具が得られる
ことが知られている。
【0076】 本発明の別の実施形態では、薬理学的に有用なポリペプチドの埋め込み可能な
または注射可能な医薬用または動物用処方が提供され、これは固形で、埋め込み
後、動物の体内から水を吸収し、ヒドロゲルを形成し、そこからポリペプチドが
長期間連続的放出されるものである。
【0077】 従って、本発明によれば薬理学的に有用なポリペプチドと、医薬的または動物
用に許容される両親媒性の架橋、分岐ポリマーを含有することを特徴とする医薬
供給PUH組成物が提供され、その成分は通常の生理学的条件下で生分解性である
かまたは加水分解性であってもよく、水または水系の生理学的な環境に置かれた
場合、水を吸収できるものである。
【0078】 本発明は、構造や分子量に関してなんら制限なく、全く一般的にポリペプチド
に適用できるが、相対的に親水性であるポリペプチドに最も有用であり、本発明
の処方に用いることができるポリペプチドとしては、以下のリストに示されるも
のがある(ただし、これらは排他的に用いられることを意図していない):オキ
シトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、上皮成長因子(EG
F)、プロラクチン、ルリベリンまたは黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)
、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカ
ゴン、インターフェロン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、
ウロガストリン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン
、アンジオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コ
リスチン、チロシジン、グラミシジン、並びにそれらの合成類似体と修飾体、お
よび医薬的に活性なフラグメント、モノクローナル抗体、並びに可溶性ワクチン
【0079】 本発明の1つの実施形態では、PUH形成マトリックスとしては、形質転換成長
因子ベータ−1、血小板由来成長因子、塩基性フィブロブラスト成長因子、シン
デカン−1、デコリン、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、テナシン、
および硫酸デルマタン、シンデカン−1、フィブロネクチン、ラミニン、および
テナシンを含んでよい。マトリックスはまたサイトカイン、例えば組織の発達に
必要な成長因子をも含むことができる。
【0080】 本発明の1つの実施形態は、それに取り囲まれるかまたはその上に構成される
細胞の活性を先導し、指令的な役割を果たすPUHマトリックス、またはバイオポ
リマーを提供することである。細胞分割、形態発生、分化、組織形成および再生
に関する細胞プログラムの実行は、マトリックスから発せられるシグナルに依存
するので、PUHのような3次元骨格は、一般的な細胞外マトリックスや特殊な細
胞外マトリックスの分子多様性と微小構造を示す生物学的に活性な生成物に富む
ものである。
【0081】 本発明の別の実施形態では、創傷の治癒過程を補助する抗菌剤および/または
創傷治癒剤の徐放のためのかかるポリマー性供給ベヒクルを含有する薬物供給器
具であって、とくに創傷被覆剤として使用されるものが提供される。
【0082】 PUHは創傷を、治癒を促進するのみならず、治癒したときの創傷の美容上の外
観をもよくする湿性条件下に保つ。
【0083】 前記したように、先行技術のヒドロゲルおよび/または創傷被覆剤では、無菌
性を維持または高め、治癒性を増強するために、外用の抗生物質またはその他の
殺菌剤を加えている。そのような外用の抗生物質が必要と考えられる場合には加
えてもよいが、本発明のヒドロゲルは本質的に抗菌性であることから、そのよう
な外用の添加剤の添加を不要とすることができる。後述のとおり、本発明のヒド
ロゲルの抗菌特性は、広範な微生物に対して有効なのである。
【0084】 PUHの別の利点としては、滅菌がある。被覆剤の供給者は、一般に、被覆剤を
滅菌条件下で密閉環境に置く。ヒドロゲルは水蒸気またはその他の滅菌剤、例え
ばエチレンオキサイドを吸収しやすいので、これらをかかる手段で滅菌すること
はできず、放射線の使用はフリーラジカル分解を起こすため、多くの公知のゲル
の安定性を反目する。本発明のヒドロゲルはヒドロゲルの安定性、付着性または
抗菌特性に悪影響を与えることなく、放射線照射および密閉できる。放射線によ
りヒドロゲルを滅菌できるので、「無菌室」すなわち滅菌環境下でヒドロゲルを
形成または包装する必要はない。
【0085】 PUHを創傷被覆剤として使用する場合、PUHはヒドロゲルの変色および/または
加水分解の防止を助け、および/またはその有効期間を延長するためにバッファ
ー系を含有することもできる。治療の前または後に別の添加剤(すなわち医薬品
、湿潤剤、可塑剤)をヒドロゲルに加えることもできる。かかる添加剤の適切性
は一般に、処方され創傷に適用されるべき被覆剤による。
【0086】 前記したように、本発明のヒドロゲルはpHの調節を助け、変色を助け、およ
び/または長期間の水の存在による分解の防止を助ける(すなわち加水分解の防
御を助ける)バッファー系を含有していてもよい。バッファーを添加する場合に
は、治療の前に混合物に添加するのが好ましい。適当なバッファーには、例えば
、これらに限定されないが、酒石酸カリウムナトリウムおよび/または一塩基性
リン酸ナトリウムなどがあり、いずれも市販品を、例えばAldrich Chemical Co.
,INより容易に入手できる。バッファー系を本発明のヒドロゲルと共に使用する
ことは、変色することなく商業用に適当な有効期間(すなわち1年以上の有効期
間)を有するヒドロゲルを提供する上で好ましいといえる。
【0087】 また、前記したように、治療の前または後で別の添加剤(すなわち例えば抗生
物質、殺菌剤等の医薬品、湿潤剤、可塑剤等)を本発明のヒドロゲルに含めるこ
とができる。かかる添加物の適切性は一般に、創傷被覆剤としての該ヒドロゲル
の末端用途に依存する。
【0088】 ポリマーマトリックスの厚みは、所望の医薬品投与および供給の期間に依存し
て、適宜変更することができる。通常、適当なマトリックスの厚みは約0.1から1
.0センチメートルの範囲である。
【0089】 本明細書の記載より、全ての適用に関して、架橋度、厚みおよび/または架橋
バイオポリマーの形状、並びに(あれば)多孔度は、いずれも、架橋バイオポリ
マーからの生理活性物質の所望の徐放プロファイルを達成するために調節できる
パラメーターである。
【0090】 架橋バイオポリマーの形状は、架橋の前に成形または注型して形成するか、ま
たは架橋の後に切断することにより形成できる。架橋されたバイオポリマーには
、次いで、所望の(複数の)生理活性物質が添加され、これはバイオポリマーの
イオン性部位が関与する生理活性物質とのイオン結合により生じると考えられて
おり、生理活性物質としては、抗菌性物質や、成長因子、抗細菌物質、鎮痙剤等
の高分子、またはその他の生物学的に活性な生理活性物質、例えばエフェドリン
、デゾキシエフェドリン、フェニレフリン、エピネフリン等のアドレナリン作用
性薬、例えばフィゾスチグミン、ネオスチグミン等のコリン作用性薬、例えばア
トロピン、メタンセリン、パパベリン等の鎮痙薬、例えばフルフェナジン、クロ
ロプロマジン、トリフルプロマジン、メフェネシン、メプロバメート等のトラン
キライザーおよび筋弛緩薬、アミトリプチリン、ノルトリプチリン等の抗うつ薬
、例えばジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、トリペレナミン、ペルフェ
ナジン、クロロプロフェナジン、クロロプロフェンピラジミン等の抗ヒスタミン
薬、例えばラウオルフィア、レセルピン等の降圧薬、例えばベンドロフルメチア
ジド、フルメチアジド、クロロチアジド、アミノトレート、プロプラノロール、
ナドロール、プリカインアミド等の心作用薬、例えばカプトプリルおよびエナラ
プリルのアンジオテンシン変換酵素インヒビター、例えばテオフィリン等の気管
支拡張薬、例えばテストステロン、プレドニゾロン等のステロイド、例えばスル
ファジアジン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルフィソキサゾール等
のスルホンアミドに代表される抗細菌薬、例えばクロロキン等の抗マラリア薬、
例えばテトラサイクリン、ナイスタチン、ストレプトマイシン、セフラジンおよ
びその他のセファロスポリン、ペニシリン、半合成ペニシリン、グリセオフルビ
ン等の抗生物質、例えば抱水クロラール、フェノバルビタールおよびその他のバ
ルビツレート、グルテチミド等の鎮静薬、例えばイソニアジド等の抗結核薬、例
えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェニルブタゾン、プロポキシフェン、
メタドン、メフェリジン等の鎮痛薬が含まれる。これらの物質は遊離の化合物と
して、または塩の形態、例えば酸添加塩、例えばアルカリ金属塩等の塩基性塩と
してしばしば用いられる。同一または異なる薬理学的活性を有するその他の治療
用薬もまた、本発明の範囲内の医薬用調製物において用いることができる。典型
的には、適当な溶媒に溶解した生理活性物質を浸漬することにより、生物学的架
橋ポリマーと接触させられる。バイオポリマーの添加は、バイオポリマーによる
生理活性物質の取り込みに基づいて容易に決定できる。
【0091】 本発明の1つの実施形態は、生理活性物質を適当な濃度で溶解し、架橋生理学
的ポリマーを最適な期間および最適な温度で浸漬することにより、添加された架
橋バイオポリマーを形成する方法を提供することである。次いでPUHを溶媒から
抽出し、空気乾燥または凍結乾燥させることにより、使用に備えられる。
【0092】 また別の方法として、架橋バイオポリマーに生理活性物質を添加し、次いで乾
燥させ、次いで使用に適した形態に切断してもよい。
【0093】 本発明の別の実施形態では、架橋前に生理活性物質とPUHを水系溶媒に溶解し
、生理活性物質をバイオポリマーに結合させる。次いでバイオポリマーを架橋剤
と反応させることにより架橋する。
【0094】 例えば、生理活性物質への結合特性を適切に調整するために、ポリユビキチン
を修飾して、親水性または疎水性にすることができる。このような修飾は、架橋
前に、例えばユビキチンユニットの酸基をエステル化し、ユビキチンをさらに疎
水性にすることにより行うことができる。別の修飾方法は、ポリユビキチンの組
換え形態に関連するものであり、ここでは、組成物を架橋剤に供する前に、目的
のポリペプチドをタンデム中のユビキチンユニットの2つの反復間に配置するこ
とができる。
【0095】 生理活性物質の創傷部位への放出を調整するための供給ベヒクルとして作用す
るバイオポリマーを含有するパッドを有する、容易に使用可能な新規ドラッグデ
リバリーシステムを提供することも、本発明の1つの実施形態である。
【0096】 本発明の別の実施形態は、検出器具として、または診断目的で提供されるもの
である。本発明は、医用品や、分離方法、タンパク質加工およびタンパク質固定
に用いられるマトリックス等のインテリジェント・マテリアルの作製、またはハ
イブリダイゼーションに基づく診断器具の作製において適用可能な、pH、温度
並びに、溶媒組成等の外的刺激に応答して体積および密度の急速な変化が起こる
刺激応答性ヒドロゲルを提供する。さらに、本発明のポリユビキチンヒドロゲル
は、pH、温度、電界、および異なるその他の条件に対して応答性がある。ポリ
ユビキチンヒドロゲルは特定のタンパク質の存在に応答して膨張できる点で、あ
る種の医用品への適用に有用である。
【0097】 抗体、抗原、DNAまたはRNAフラグメント、もしくは生物学的マーカーや
生物学的試料中から検出または測定されるべき標的分子に結合できるその他の分
子であってユビキチンに連結されていてもよい分子等であってよい検出器を添加
した場合、PUHは、バッファー溶液中で、例えば特定の抗原に応答して可逆的に
膨潤できることが報告されている。このようなPUHは、予め両者間の結合がネッ
トワークに架橋を導入するように、抗原および対応する抗体をポリマーネットワ
ークにグラフトさせることにより調製される。遊離抗原の競合結合により、これ
らの非共有結合性架橋が解裂し、それを原因としてゲル容積と見かけの密度の変
化を引き起こすのである。
【0098】 本発明のマトリックスは、免疫組織化学アッセイの支持体として用いることが
できる。
【0099】 本発明の1つの実施形態としては、PUHが形状記憶挙動を示し、標的分子濃度
の段階的変化によりネットワーク中のタンパク質の拍動性浸透が誘導されること
がある。この特徴は、半浸透性ネットワークヒドロゲルの架橋メカニズムとして
、抗原および抗体、相補的DNAフラグメント間、または相補的DNAとRNA
フラグメント間の可逆的結合を使用することにある。遊離の標的分子、抗原、ま
たはヌクレオチドフラグメントの存在下では、グラフトされた標的と遊離の標的
が交換されることにより鎖内プローブ−標的結合が解離されるため、PUHは膨潤
できる。遊離の標的が存在しない場合、PUHは収縮できる。PUHにおけるプローブ
と標的間の結合は、光学特性、密度、伝導性、または重量の変化から測定、記録
できる。
【0100】 本発明の別の実施形態では、使用できるポリヌクレオチドとして、オリゴヌク
レオチド配列、相補的RNAやDNA分子、およびPNAなどが含まれる。ポリ
ヌクレオチドは、バイオプシー組織における遺伝子発現を検出、定量するために
用いることができる。診断アッセイは、生物学的マーカーの不在、存在、および
過剰発現を区別し、治療期間中のマーカーレベルの制御をモニター観察するため
に使用できる。
【0101】 本発明の別の実施形態によれば、マーカーや類似関連の分子をコードするゲノ
ム配列を含むポリヌクレオチド配列を検出できるPCRプローブによるハイブリ
ダイゼーションを用いて、これらのマーカーをコードする核酸配列が同定できる
。プローブの特異性、すなわちそれが高度に特異的な領域(例えば5’制御領域
)から作られているか、またはあまり特異的でない領域(例えば3’コード化領
域)から作られているか、およびハイブリダイゼーションまたは増幅の厳密性(
最大、高、中または低)により、プローブがマーカーをコードする天然配列のみ
を検出するのか、対立遺伝子、または関連配列をコードする天然配列をも検出す
るのが決まる。
【0102】 プローブはまた、関連配列を検出するためにも使用でき、その場合プローブは
、好ましくはいずれかのマーカーコード化配列のヌクレオチドの少なくとも50 %
を含有すべきである。本発明のハイブリダイゼーションプローブはDNAまたは
RNAでよく、マーカー配列または天然マーカーのプロモーターおよびエンハン
サーエレメントやイントロンなどのゲノム配列に由来するものであってよい。
【0103】 標的マーカーをコードするDNAに特異的なハイブリダイゼーションプローブ
を作製する手段には、マーカーまたはマーカー誘導体をコードするポリヌクレオ
チド配列をベクターにクローニングしてmRNAプローブを作製する方法などが
ある。かかるベクターは当該分野で公知であり、市販され入手可能であり、これ
を用いて、適当なRNAポリメラーゼと適当な標識ヌクレオチドを添加しin vit
roでRNAプローブを合成することができる。ハイブリダイゼーションプローブ
は種々のリポーター基、例えば例えばP32、S35等の放射性ヌクレオチド、また
はアビジン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリ性ホスファタ
ーゼ等の酵素標識により標識できる。
【0104】 遺伝的に関連する障害の診断のために、PUHにおいてポリヌクレオチド配列ま
たはオリゴヌクレオチドを用いることができる。障害としては、これらに限定さ
れないものの、例えば腺癌、白血病、リンパ種、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌
等の癌、とりわけ副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、子宮頚、胆嚢、神経節、胃
腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾
液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、および子宮の癌;例えば静座不能、ア
ルツハイマー病、記憶喪失、筋萎縮性側索硬化症、双極性障害、緊張病、脳新生
物、痴呆症、抑うつ、ダウン症候群、遅発性ジスキネジー、ジストニー、てんか
ん、ハンチントン病、多発性硬化症、パーキンソン病、妄想性精神病、統合失調
症、およびトゥーレット病等の神経障害;例えば尿細管性アシドーシス、クッシ
ング症候群、軟骨形成不全性小人症、デュシェンヌおよびベッカー型筋ジストロ
フィー、性腺形成異常症、脊髄形成異常症候群、遺伝性粘膜上皮形成異常、遺伝
性角皮症、遺伝性ニューロパシー、例えばシャルコー・マリー・ツース病および
神経繊維腫症、甲状腺機能低下症、水頭症、発作障害、例えばシンデンハム舞踏
病および脳性小児麻痺、脊椎披裂、および先天性緑内障、白内障、または感覚神
経性聴覚損失等の発達障害;並びに、例えばアジソン病、成人呼吸窮迫症候群、
アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド沈着症、貧血、喘息、アテローム性動脈
硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、気管支炎、胆嚢炎、接触
性皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性
紅班、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスツール症候群、痛風、グレーブス病
、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、エリテマトーデス、多発性
硬化症、重症筋無力症、心筋または心膜炎症、変形性関節炎、骨粗鬆症、膵炎、
多発性筋炎、リューマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、全身性アナフ
ィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、潰瘍性大腸炎、ウェルナ
ー症候群、および癌の合併症、血液透析、および体外循環等の免疫障害;ウイル
ス、細菌、真菌、寄生虫、原生動物、および蠕虫感染;並びに外傷などがある。
マーカーをコードするポリヌクレオチド配列は、サザン、ノーザン分析、ドット
ブロット、またはその他の膜技術において;PCR技術において;ディップステ
ィック、ピン、およびELISAアッセイにおいて;並びに患者の細胞診により
採取した体液または組織を利用するマイクロアレイにおいて用いて、マーカーの
発現変化を検出することができる。かかる定性または定量法は当該分野において
公知である。
【0105】 本発明の1つの実施形態では、標的マーカーをコードするヌクレオチド配列は
、関連障害、とりわけ前記の障害の存在を検出するアッセイにおいて有用である
。マーカーをコードするヌクレオチド配列は、標準的な方法により標識し、ハイ
ブリダイゼーション複合体を形成するのに適した条件下で患者からの体液または
組織サンプルに加えることができる。適当なインキュベーション期間の後、サン
プルを洗浄し、シグナルを測定し、標準値と比較する。患者サンプルにおけるシ
グナル量が比較対照サンプルのシグナル量から有意に変化する場合、ヌクレオチ
ド配列はサンプル中のヌクレオチド配列とハイブリダイズしており、サンプル中
のマーカーをコードするヌクレオチド配列のレベル変化が見られた場合は関連障
害の存在を示す。かかるアッセイを用いて動物実験、臨床試験、または個々の患
者の処置のモニター観察において特定の治療的処置計画の効果を評価することも
できる。
【0106】 標的マーカーの発現に関連する障害の診断に関する基礎を提供するために、発
現の正常または標準的なプロファイルを確立する。これはハイブリダイゼーショ
ンまたは増幅に適した条件下で、動物またはヒトのいずれかの正常対象から採取
した体液または細胞抽出液を、標的マーカーをコードする配列またはそのフラグ
メントと組み合わせることにより達成できる。標準的なハイブリダイゼーション
は、正常対象から得られた値を、既知量の本質的に精製されたポリヌクレオチド
を用いた実験からの値と比較することにより、定量化できる。正常サンプルから
得られた標準値を障害の症状を呈する患者からのサンプルから得られた値と比較
できる。標準値からの偏差を用いて傷害の存在を確証する。
【0107】 一度障害の存在が確証され、処置プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼ
ーションアッセイを定期的に繰り返して患者の発現レベルが正常対象で観察され
るレベルに近づき始めるかどうかを評価することができる。連続アッセイから得
られた結果を用いて数日から数か月にわたる期間の処置効果を示すことができる
【0108】 癌の場合は、個体からのバイオプシーされた組織において転写物が比較的高量
に存在することから疾患の進展の素因を知るか、または臨床症状が発現する前に
疾患を検出する手段を提供できる。このようなより決定的な診断方法は、専門家
が予防的処置やより早期の積極的な処置を行うことを可能にし、癌の発達または
さらなる進展を防御することを可能とする。
【0109】 マーカーをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドの別の診断的使
用にはPCRの使用が関連していてもよい。これらのオリゴマーは化学的に合成
、酵素的に作製、またはin vitroで生成され得る。オリゴマーは好ましくはマー
カーをコードするポリヌクレオチドのフラグメント、またはマーカーをコードす
るポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドのフラグメントを含み、特定の
遺伝子または条件の認識のために最適化された条件下で用いられる。また関連す
るDNAまたはRNA配列の検出や測定のためには、あまり厳密ではない条件下
でオリゴマーを用いることもできる。
【0110】 本発明の別の実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは本明細書で記載するポ
リヌクレオチド配列のいずれかに由来するより長いフラグメントをマイクロアレ
イの標的として用いることができる。マイクロアレイは、非常に多くの遺伝子の
発現レベルを同時に(転写画像を作成するために)モニター観察する上でも使用
できるし、遺伝的変種、変異体、および多型を見出すために使用することもでき
る。この情報は、遺伝子機能の決定、障害の遺伝的な根拠の理解、障害の診断、
および治療薬の作用の開発およびモニター観察において用いることができる。
【0111】 マイクロアレイは固体支持体に固定された、通常合成アンチセンスオリゴヌク
レオチドまたはcDNAのフラグメントのいずれかである多くの独特の1本鎖核
酸配列からなる。オリゴヌクレオチドは、好ましくは約6から60ヌクレオチド
長、より好ましくは約15から30ヌクレオチド長、最も好ましくは約20から
25ヌクレオチド長である。ある種のマイクロアレイでは、約7から10ヌクレ
オチド長のオリゴヌクレオチドを使用することが好ましい。マイクロアレイは既
知の5’または3’配列にわたるオリゴヌクレオチド全長を含有していてもよい
し、全配列の特定の部分から選択された独特なオリゴヌクレオチドにわたる連続
的なオリゴヌクレオチドを含有していてもよい。マイクロアレイで用いられるポ
リヌクレオチドは、少なくとも配列のフラグメントが公知である任意の遺伝子ま
たは遺伝子群に特異的なオリゴヌクレオチドであってもよいし、特定の細胞もし
くは組織型に、または正常、発達上、もしくは疾病状態に共通する1つ以上の未
知のcDNAに特異的なオリゴヌクレオチドであってもよい。特定の状況下では
マイクロアレイにオリゴヌクレオチド対を使用するのが適当である。対は、好ま
しくは配列の中央に位置する1つのヌクレオチドを除いて同一である。対になっ
ている第2のオリゴヌクレオチド(1つのミスマッチを有する)を対照とするこ
とができる。オリゴヌクレオチド対の数は約2から1,000,000の範囲に
わたってもよい。
【0112】 マイクロアレイ用の公知の配列に対してオリゴヌクレオチドを作製するために
は、ヌクレオチド配列の5’末端、より好ましくは3’末端で開始するコンピュ
ーターアルゴリズムを用いて目的の遺伝子を観察する。アルゴリズムは、遺伝子
に独特で、ハイブリダイゼーションに適した範囲内のGC含量を有し、ハイブリ
ダイゼーションを妨害し得ると予測される2次構造を有さない規定の長さのオリ
ゴマーを同定する。1つの態様では、光指向性の化学的方法を用いて基質の指定
された部分でオリゴマーを合成する。基質は紙、ナイロン、その他の膜、フィル
ター、チップ、ガラススライド、またはその他の適当な固体支持体でよい。
【0113】 蛍光in situハイブリダイゼーションは、別の物理学的染色体マッピング技術
および遺伝子マップデータと相関し得る(Vermaら、Human Chromosomes: A Manu
al of baasic Techniques, Pergamon Press, New York, N.Y.において解説され
るFISH)。遺伝子マップデータの例としては、種々の科学雑誌やOnline Mendeli
an Inheritance in Man(OMIM)サイトから見出すことができる。物理学的染色
体マップにおける標的遺伝子の位置、および特定の障害または特定の障害に対す
る素因との相関から、その障害に関連するDNAの領域を明確化することができ
る。本発明のヌクレオチド配列を用いて正常、キャリヤ、および患者間の遺伝子
配列の差異を検出できる。
【0114】 染色体調製物のin vitroハイブリダイゼーションおよび確立された染色体マー
カーを用いる連鎖分析等の物理学的マッピング技術を、遺伝子マップの拡張に用
いることができる。特定のヒト染色体の数やアームが知られていない場合でも、
別の哺乳動物種、例えばマウスの染色体に遺伝子を導入することにより、関連マ
ーカーが得られる場合がある。物理学的マッピングにより、新規な配列を染色体
アームまたはその一部に割り当てることができるようになる。これにより位置ク
ローニングやその他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を検索する研究者にと
って、貴重な情報が提供される。例えばATを11q22-23へというように、一度、遺
伝子連鎖により疾患または症候群が特定のゲノム領域へ大まかに位置決定される
と(Gatti, R.A.ら、Nature 336: 577-580 (1988))、その部分にマッピングさ
れる配列は、いずれも関連または制御遺伝子を表し得るため、さらなる研究対象
となり得る。本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常、キャリヤまたは患者間
の転位や逆位等による染色体位置の差異を検出することもできる。
【0115】 本発明は、限定するためではなく、本発明を説明するために提示される以下の
実施例を参照することにより、さらに容易に理解される。
【0116】
【実施例】
実施例I 顕微鏡スライドに沈着した標本における分子技術の実現のためのPUHの使用 ISH技術における加湿チャンバーとスライドカバーに替わる器具として、PUHを
使用することができる(図1)。PUHは、ナトリウム塩バッファー、通常クエン
酸塩バッファー(6 X SSC)で平衡化する。ポリ(アデノシン)16と標的遺伝子に
特異的なオリゴヌクレオチドの混合物をPUH表面に吸収させる。組織切片、個々
の細胞または核酸のいずれかである標本を支持体、例えば顕微鏡スライドにマウ
ントする。次いでプラスチック支持体にマウントされたPUHを標本に適用する。
顕微鏡スライドを95℃で2分間インキュベートし、ハイブリダイゼーション温度
まで冷却する。ハイブリダイゼーションのためのインキュベーション時間は経験
的に決定し、オリゴヌクレオチドが標的遺伝子にハイブリダイズするのに十分な
時間とする。ハイブリダイゼーションの後、PUHを顕微鏡スライドから剥し、予
め厳密な塩バッファーで平衡にし、10分間インキュベートした新規PUHと置換す
る。この洗浄工程によりプローブの非特異的相互作用が除去される。PUHを取り
除き、スライドをプローブ検出のために加工する。プローブ検出の手順は使用す
る標識に応じて変化する(例えば放射活性、蛍光、ビオチン、ジゴキシゲニン)
【0117】 実施例II PUHでのバイオセンサーの調製 モノユビキチン(1ユニット)またはポリユビキチン(2から6ユニット)をp
Hの異なるバッファーに懸濁した:1から100 mg/mlの範囲の濃度のPBS(100 mM
リン酸カリウム、150 mM NaCl、pH 7.4)、ホウ酸塩バッファー(50 mM ホウ酸
、100 mM NaCl、pH 8.0)、または炭酸塩バッファー(100 mM 炭酸ナトリウム、
pH 9.4)。前記の各バッファーに懸濁した10から100 mg/mlの範囲のポリエチレ
ン・ビス-p-ニトロフェニルカーボネート(PEG)溶液をユビキチン溶液に1:1の
比率で混合し、室温で2から16時間インキュベートした。炭酸塩バッファー中で
重合した高濃度のモノまたはポリユビキチン(> 5 % w/v)ヒドロゲルにより図
2に示すような透明固体ポリマーが得られた。図3はゲル形成中のユビキチンユ
ニット間の分子ネットワーク関係を示す。重合後の超微細構造分析を実施するた
めに、カコジル酸塩バッファー(100 mM pH 7.3)中4 % v/v ホルムアルデヒド
でPUHを固定した。これらをカコジル酸バッファーで3回すすぎ、同一バッファ
ー中1 %四酸化オスミウムを用いて室温で90分間、後固定(post-fix)した。次
いでPUHをアルコール中で脱水し、LRWhite樹脂(Marivac, Halifax, Canada)に
包埋した。超薄切片をホルムバールコーティング・ニッケルグリッド、染色酢酸
ウラニルおよびクエン酸鉛に沈着させた。切片を評価し、Joel 1200-EX電子顕微
鏡80 kVで用いて写真撮影した。PUHの超微細構造(2 %ポリユビキチンヘキサマ
ー、10 % PEG、分子量8000)を図4に示す。
【0118】 ホウ酸塩バッファー中で重合した低濃度のポリユビキチン(< 2 % wt/v)ヒド
ロゲルによりヒドロゲル球が得られた。球の大きさを決定するために、これらの
ヒドロゲルを前記の方法で固定、脱水し、1滴を、アルミニウム製SEM台上に両
面接着性カーボンディスクにより空気乾燥させた。次いで台をスパッタコーティ
ングユニットにより10分間、金20 nmでコーティングした。JSM 35CF電界放射操
作型電子顕微鏡15から20 kVの加速電位で球を観察、撮影した。PUH球の直径(2
% ポリユビキチンヘキサマー、10 % PEG、分子量8000)は図5で示すように1μm
未満であった。図6はユビキチン単位と抗体の重合において形成されるネットワ
ークの巨視的図を示す。
【0119】 実施例III PUHの光学化特性 PBS(pH 7.4)に懸濁したユビキチンのヘキサマーおよびモノマーを1 nmの段
階的に220から600 nmにわたる光学密度スキャン(吸光度)に供した。ウシアル
ブミン血清(BSA)を対照として用いた。ポリユビキチンはUVスペクトルで明
確な吸光度パターンを示したが、ユビキチンのモノマーは280 nm近くで典型的な
吸光ピークを有するBSAに類似の吸光度プロファイルを有した(図7)。また、P
UHは異なる波長で一定の光の透過率を示すが、BSAゲルでは不定性の光の透過率
が得られる(図8)。次いでPUHをPBS(pH 7.4)の存在下、石英セルに導入した
。分光光度計セルホルダー温度は循環浴により調節した。10℃毎に20℃から60℃
まで温度を変化させた。全スペクトルスキャンを実施する前に各温度段階でバイ
オポリマーを5分間安定化した。PUH吸光度プロファイルは溶液中のポリユビキチ
ンに類似した。UVスペクトルでの光学密度(吸光度)は図9に示すように温度
変化に応じて変化した。温度に対する吸光度のプロットにより30℃から60℃の間
で直接的直線関係が示された(図10)。5 M NaCl 200μlを添加することによ
りPUHの塩に対する応答を実施した。時間的経過の読みを10分間隔で1時間実施
した。UVスペクトルの光学密度(吸光度)は図11に示すように塩変化に応じ
て変化した。図12で示すように、急速な光学密度変化およびプラトーが30分後
に観察された。
【0120】 96ウェルプレート中で重合化したユビキチン基盤のヒドロゲル(5 %w/vポリユ
ビキチン 6ユニット、12 % w/v PEG、分子量8000)を洗浄し、3つの異なるバッ
ファー:Na-クエン酸(100 mM クエン酸ナトリウム、150 mM NaCl、pH 5.2)、P
BS(100 mM リン酸カリウム、150 nM NaCl、pH 7.4)および炭酸塩(100 mM 炭
酸ナトリウム、150 mM NaCl、pH 9.4)で平衡にした。ウシ血清アルブミン(BSA
)系ヒドロゲルもまた同一の方法で重合化し、比較対照として使用した。種々濃
度のR-フィコエリスリン(PB)接合正常ヤギIgG(Caltag)を前記のバッファー
で希釈し、ヒドロゲル上に置き、4℃で1時間インキュベートした。次いでヒドロ
ゲルを洗浄し、fluoroskan Ascent fluorometer(Labsystems OY、Helsinki、Fi
nland)により各洗浄間のIgG-PE結合を測定した。PUHは高pHでBSA系ヒドロゲル
に比較して、IgG-PEに対して強力な結合活性を示し、中性および低pHでは結合活
性はあまり観察されなかった(図13)。過剰の未標識IgGを添加することによ
りヒドロゲルに結合したIgG-PEが洗去された。
【0121】 実施例IV PUH微粒子におけるペルオキシダーゼの固定化 ポリユビキチン(ヘキサマー)およびモノユビキチン(モノマー)をホウ酸塩
バッファー(50 mM ホウ酸、100 mM NaCl、pH 8.0)に懸濁した(各々100 mg/ml
および10 mg/ml)。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)をホウ酸塩バッファー
中20 mg/mlで懸濁した。ホウ酸塩バッファー中10 mg/mlのポリエチレン・ビス-p
-ニトロフェニルカーボネート(PEG)溶液をHRP溶液と1:1の比率で混合し、室温
で10分間インキュベートした。次いでポリユビキチン溶液を1:1:1の等比でPEG:H
RP溶液と混合し、22℃で16時間インキュベートした。次いでナノスフェア懸濁液
をミクロ遠心により14000 gで10分間遠心し、懸濁した後、リン酸塩緩衝生理食
塩水(PBS)(pH 7.4)で3回洗浄した。AEC基質(Signet Laboratories Inc.)
、0.3 % v/v H2O2をナノスフェアに添加することによりHRPの固定化が起こった
。10分間のインキュベーションの後、マイクロスフェアを遠心し、それらをPBS
に懸濁して現像液を停止させた。次いで染色したナノスフェアを600 Xで顕微鏡
観察した(図14)。リガンド分子(a)、固定化酵素(b)およびPUH間の関
係を図15に示す。96ウェルプレートで、PBSにo-フェニレンジアミンジヒドロ
クロライド(OPD)に加え、0.3 % v/v H2O2をPUHナノスフェア懸濁液の連続希釈
物に添加することにより、HRP活性を測定した。次いでSOFTmaxPro(商標)ソフ
トウェア(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いてThermomax(商標)マ
イクロプレートリーダーでプレートを読んだ。550 nmでウェルあたり少なくとも
3回の吸光度測定を実施した。全ての値を基質溶液(OPD)の光学密度に対して補
正した(図16)。
【0122】 実施例V in vivo供給系としてのPUH ポリユビキチン(ヘキサマー)を100 mg/mlで炭酸塩バッファーに懸濁した。2
5μCi 125-ヨウ素(特異活性50 mCi/ml)で標識したインスリンをポリユビキチ
ン(6ユニット)溶液と混合した。次いで炭酸塩バッファー(pH 9.4)中250 mg/
mlのポリエチレン・ビス-p-ニトロフェニルカーボネート(PEG、分子量8000)溶
液をポリユビキチン−インスリン溶液と混合し、22℃で16時間インキュベートし
た。次いでPUH-125I-インスリンPBS溶液で十分に洗浄し、フェノールの痕跡をす
べて除去した。3 ccシリンジを用いて18ゲージ針にPUH-125-Iインスリン接合体
を粉砕した。
【0123】 6匹の体重およそ200 gの成熟雄SD系ラットを1群3匹の2群に分けた。対
照群のラットには5μCiの遊離の125I標識インスリンを各々に投与した。被験群
のラットにはPUHに固定した125I標識インスリンを同量投与した。試験の4日前
および試験期間中、ラットにヨウ化カリウム水溶液(20 mM)を飲ませた。遊離
または固定した125I標識インスリンを皮内投与した後、0時間、2時間、4時間、6
時間、24時間、48時間に血液サンプルを採取した。ガンマ(125I)放射活性をガ
ンマシンチレーションカウンターで測定した。結果は血液サンプルmlあたりの投
与した放射活性の量のパーセンテージとして表した。図17は遊離インスリンに
比較した静脈血中のPUH固定インスリンの遅延放出を示す。
【0124】 実施例VI 顕微鏡スライドに沈着させた標本における分子技術の実現に関するPUHに使用 免疫組織化学 正常な腎臓標本をホルマリンで固定し、パラフィン包埋した。5μm切片を荷電
ガラススライド(Surgipath(商標)、Winnipeg、Manitoba)に置き、脱パラフ
ィン化し、キシレン、段階エタノールおよびPBSを用いて再水和した。バックグ
ラウンドサンプルペルオキシダーゼ活性を3% H2O2溶液で5分間阻止した(Signe
t Laboratories、Dedham、MA)。切片を正常血清と共に5分間インキュベートし
て非特異的IgG相互作用を低減させた。マウス抗ヒト上皮膜抗原(EMA、クローン
E29、Signet Labs.)20μl(1:500希釈)で切片を60分間染色した。スライドを
マイクロカバーガラスで被覆し、加湿チャンバーに置くか、またはPUHプロトタ
イプで被覆した(図1および18)。加湿チャンバー中のスライドは検出前にPB
Sで洗浄し、PUHで被覆したものはPUHプロトタイプを除去した後、直接検出に使
用した。レベル2 マルチ種ウルトラストレプトアビジンHRP検出システムおよびA
EC(Signet Labs.)を用いて染色を顕色した。ハリス修飾ヘマトキシリン(フィ
ッシャー)でスライドを対比染色し、ウルトラマウント(DAKO Diagnostic Cana
da)でマウントした。図19に上皮細胞の特異的染色を示した。
【0125】 実施例VI ステロイドの対照放出系としてのPUH PBS(pH 7.4)中のポリユビキチンヒドロゲルを4 mg/ml デキサメタゾン溶液
で平衡化した。2時間のインキュベーション後、PUHデキサメタゾンをPBSで洗浄
し、即座に使用するかまたは37℃で16時間脱水した。流速25 cc/分の蠕動ポンプ
を用いてPBS溶液をフローセルユニットに連結した拡散チャンバーから循環させ
た。分光光度計セルホルダーの温度を循環浴により調節した。255 nmで吸光度を
連続的に90分まで測定した。1分間の読み込み後、拡散チャンバーにPUH-デキサ
メタゾンを加えた。図20は水和したPUHでのデキサメタゾンの急速な放出と脱
水したPUHでの遅延放出を示す。
【0126】 本発明をその具体的な実施形態に関連させて説明してきたが、さらなる修飾が
可能であり、この出願は、発明の原理に従って、あらゆる変更、使用、または用
法をも包含することを意図し、本発明が属する分野で公知である、あるいは習慣
的に実行されている、本明細書に前記した本質的な特徴に関連し、添付の請求の
範囲に従う範囲であれば、本開示からの逸脱をも包含することは理解されよう。
【0127】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、in situハイブリダイゼーション(ISH)、in situPCR、または
免疫組織化学(IHC)のためのスライドカバーを示した図である。
【図2】 図2は、1片のポリユビキチンヒドロゲル(PUH)を示した図である。
【図3】 図3は、本明細書の一つの実施形態において、ゲルの形成におけるユビキチン
ユニット間の分子ネットワーク相互作用を示した図である。
【図4】 図4は、PUHナノスフェアの電子顕微鏡像を示した図である。
【図5】 図5は、大きく拡大した第2のPUHナノスフェアの電子顕微鏡像を示した図で
ある。
【図6】 図6は、ユビキチンユニットと抗原を捕捉できる抗体との重合によって形成さ
れるセンサー1およびセンサー2を示した図である。
【図7】 図7は、PUHまたはBSAで形成されるゲルの吸収プロファイルを示した図で
ある。
【図8】 図8は、PUHまたはBSAで形成されるゲルの透過率プロファイルを示した図
である。
【図9】 図9は、異なる温度でのPUHのUV吸収を示した図である。
【図10】 図10は、異なる温度および波長でのPUHの光吸収を示した図である。
【図11】 図11は、塩の変化によるPUHの光吸収の変化を示した図である。
【図12】 図12は、塩の変化および時間によるPUHの光吸収の変化を示した図である。
【図13】 図13は、pH変化によるPUHおよびBSAゲルの蛍光発光ユニットを示した
図である。
【図14】 図14は、光学顕微鏡下で観察された染色されたナノスフェアを示した図であ
る。
【図15】 図15は、本明細書の一つの実施形態として、リガンド分子(a)、固定化酵
素(b)、およびPUH(c)間の関係を含む固定化HRPを用いた酵素的増幅を
示した図である。
【図16】 図16は、懸濁液の光学密度に及ぼすPUHナノスフェアの希釈度の影響を示し
た図である。
【図17】 図17は、インスリンを含有するPUHを皮下投与した後のインスリンの全身性
放出を示した図である。
【図18】 図18は、加湿チャンバー内のPUHを示した図である。
【図19】 図19は、ヘマトキシリンで染色された上皮細胞を示した図である。
【図20】 図20は、水和または脱水PUHからのデキサメタゾンの放出を示した図である
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61L 15/03 (C08L 89/00 A61K 37/26 71:02) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA09 AA94 BB11 CC19 CC29 EE41 EE47 FF32 4C081 BA12 BA16 BA17 BB06 CC05 CD11 CE02 DA12 4C084 AA02 DB58 MA28 MA63 MA66 NA12 NA13 ZC35 4C086 EA19 MA28 MA63 MA66 NA12 NA13 ZB11 4J002 AB002 AB012 AD031 AD032 BC032 CH022 CM012 EE016 EQ026 ER006 FD146 GB01

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユビキチンと少なくとも1つの架橋剤の混合物を含有するこ
    とを特徴とするバイオポリマー。
  2. 【請求項2】 架橋剤が光反応性架橋剤および熱反応性架橋剤からなる群よ
    り選択される、請求項1のバイオポリマー。
  3. 【請求項3】 熱反応性架橋剤が:−COOH(カルボン酸)、スルホン酸
    誘導体、−COOR(エステル)、−COX(酸ハロゲン化物、酸アジド、およ
    び類似のカルボン酸誘導体)、−CONHNH2(酸ヒドラジド)、−NHCO
    NHNH2(セミカルバジド)、−NHCSNHNH2(チオセミカルバジド)、
    −CHO(アルデヒド)、RR'CO(ケトン)、−OH(アルコール)、−X
    (ハロゲン化物:塩化物、臭化物、ヨウ化物)、−SH チオール、−SSR(
    ジスルフィド)、−NH2(1級アミン)、−NH−(2級アミン)、−N−(
    3級アミン)、−NHNH2(ヒドラジン)、エポキシド、およびマレイミドか
    らなる群より選択される熱化学反応性基を有する化合物である、請求項2のバイ
    オポリマー。
  4. 【請求項4】 ユビキチンが少なくとも1つのユビキチンユニットを有する
    ことを特徴とする、請求項1のバイオポリマー。
  5. 【請求項5】 混合物がタンデムにユビキチンユニットを含有することを特
    徴とする、請求項1のバイオポリマー。
  6. 【請求項6】 混合物が2個から約25個のユビキチンユニットおよびその
    組み合わせを含有することを特徴とする、請求項5のバイオポリマー。
  7. 【請求項7】 タンデムが7個のユビキチンユニットを含有することを特徴
    とする、請求項4のバイオポリマー。
  8. 【請求項8】 混合物が、組換えユビキチン、天然ユビキチン、変異体、類
    似体、フラグメント、およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくと
    も1つのユビキチンを含有することを特徴とする、請求項1のバイオポリマー。
  9. 【請求項9】 架橋剤が、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
    ルの誘導体、またはそれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項1のバ
    イオポリマー。
  10. 【請求項10】 架橋剤が、ポリアミン、アミン、ポリビニル、ポリスチレ
    ン、エポキシ、シリコーン、タンパク質様物質、ケラチン、コラーゲン、エラス
    チン、アクチン、ミオシン、フィブリノーゲン、シルク、多糖類、セルロース、
    アミロース、ヒアルロン酸、ゼラチン、キチン、キトサン、キシラン、マンナン
    、シリカ、p−アジドベンゾイルヒドラジド、N−5−アジド−2−ニトロベン
    ゾイルオキシスクシンイミド、グルタミン酸ジスクシンイミジル、ジメチルピメ
    ルイミデート−2HCl、ジメチルスベルイミデート−2HCl、ジチオビス(
    プロピオン酸スクシンイミジル)、スベリン酸ジスクシンイミジル、ビス(スベ
    リン酸スルホスクシンイミジル)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
    ピル)カルボジイミドHCl、イソシアネート、アルデヒド、グルタールアルデ
    ヒド、パラホルムアルデヒドおよびそれらの誘導体からなる群より選択される、
    請求項1のバイオポリマー。
  11. 【請求項11】 架橋剤がポリエチレングリコールの誘導体を含有すること
    を特徴とする、請求項9のバイオポリマー。
  12. 【請求項12】 誘導体が一般式1: X−(CH2−CH2−O)n−X (ここでnは少なくとも1である;Xは共有結合またはアミノ酸と反応できるか
    、Rまたは酸素がポリエチレンオキサイドと結合したROラジカルであり、Rは
    少なくとも1つのアルキル、アリール、ハロ、ニトロ、オキソ、カルボキシ、ヒ
    ドロキシ、チオ、スルフォネート、ヒドロキシまたはホスフェート基で置換され
    たもしくは置換されないメチレン、エチレン、プロピレン、o−、m−およびp
    −フェニレンならびにo−、m−およびp−フェニレンカルバメートの群より選
    択される) で表されるポリエチレンオキサイドからなる群より選択される、請求項9のバイ
    オポリマー。
  13. 【請求項13】 誘導体が活性化された二官能性ポリエチレンオキサイドを
    含有することを特徴とする、請求項9のバイオポリマー。
  14. 【請求項14】 a)ユビキチン溶液を少なくとも1つの架橋剤と混合する
    こと、および b)溶液中の前記ユビキチンと工程a)の架橋剤間で架橋反応が生じるのに十分
    な時間、重合反応を誘導すること の各工程を有することを特徴とするユビキチンバイオポリマーの調製方法。
  15. 【請求項15】 バイオポリマーがユビキチンユニットを含有することを特
    徴とする、請求項14の方法。
  16. 【請求項16】 架橋剤が光反応性架橋剤および熱反応性架橋剤からなる群
    より選択される、請求項14の方法。
  17. 【請求項17】 熱反応性架橋剤が:−COOH(カルボン酸)、スルホン
    酸誘導体、−COOR(エステル)、−COX(酸ハロゲン化物、酸アジド、お
    よび類似のカルボン酸誘導体)、−CONHNH2(酸ヒドラジド)、−NHC
    ONHNH2(セミカルバジド)、−NHCSNHNH2(チオセミカルバジド)
    、−CHO(アルデヒド)、RR'CO(ケトン)、−OH(アルコール)、−
    X(ハロゲン化物:塩化物、臭化物、ヨウ化物)、−SH チオール、−SSR
    (ジスルフィド)、−NH2(1級アミン)、−NH−(2級アミン)、−N−
    (3級アミン)、−NHNH2(ヒドラジン)、エポキシド、およびマレイミド
    からなる群より選択される熱化学反応性基を含有する化合物である、請求項16
    の方法。
  18. 【請求項18】 バイオポリマーがユビキチンユニットのタンデムを含有す
    ることを特徴とする、請求項14の方法。
  19. 【請求項19】 バイオポリマーが約2個から25個のユビキチンユニット
    およびそれらの組み合わせからなるタンデムを含有することを特徴とする、請求
    項14の方法。
  20. 【請求項20】 バイオポリマーが7個のユビキチンユニットからなるタン
    デムを含有することを特徴とする、請求項19の方法。
  21. 【請求項21】 バイオポリマーが組換えユビキチン、天然ユビキチン、変
    異体、類似体、フラグメント、およびそれらの誘導体からなる群より選択される
    少なくとも1つのユビキチンを含有することを特徴とする、請求項14の方法。
  22. 【請求項22】 架橋剤がポリエチレングリコールを含有することを特徴と
    する、請求項14の方法。
  23. 【請求項23】 架橋剤がポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
    ルの誘導体、またはそれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項22の
    方法。
  24. 【請求項24】 誘導体が一般式1: X−(CH2−CH2−O)n−X (ここでnは少なくとも1である;Xは共有結合またはアミノ酸と反応できるか
    、Rまたは酸素がポリエチレンオキサイドと結合したROラジカルであり、Rは
    少なくとも1つのアルキル、アリール、ハロ、ニトロ、オキソ、カルボキシ、ヒ
    ドロキシ、チオ、スルフォネート、ヒドロキシまたはホスフェート基で置換され
    たもしくは置換されないメチレン、エチレン、プロピレン、o−、m−およびp
    −フェニレンならびにo−、m−およびp−フェニレンカルバメートの群より選
    択される) のポリエチレンオキサイドからなる群より選択される、請求項23の方法。
  25. 【請求項25】 誘導体が活性化された二官能性ポリエチレンオキサイドを
    含有することを特徴とする、請求項24の方法。
  26. 【請求項26】 架橋剤が、ポリアミン、アミン、ポリビニル、ポリスチレ
    ン、エポキシ、シリコーン、タンパク質様物質、ケラチン、コラーゲン、エラス
    チン、アクチン、ミオシン、フィブリノーゲン、シルク、多糖類、セルロース、
    アミロース、ヒアルロン酸、ゼラチン、キチン、キトサン、キシラン、マンナン
    、シリカ、p−アジドベンゾイルヒドラジド、N−5−アジド−2−ニトロベン
    ゾイルオキシスクシンイミド、グルタミン酸ジスクシンイミジル、ジメチルピメ
    ルイミデート−2HCl、ジメチルスベルイミデート−2HCl、ジチオビス(
    プロピオン酸スクシンイミジル)、スベリン酸ジスクシンイミジル、ビス(スベ
    リン酸スルホスクシンイミジル)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
    ピル)カルボジイミドHCl、イソシアネート、アルデヒド、グルタールアルデ
    ヒド、パラホルムアルデヒドおよびそれらの誘導体からなる群より選択される、
    請求項14の方法。
  27. 【請求項27】 主にユビキチン、許容されるユビキチンの溶媒、および少
    なくとも1つの架橋剤からなるバイオポリマー。
  28. 【請求項28】 バイオポリマーがユビキチンユニットを含有することを特
    徴とする、請求項26のバイオポリマー。
  29. 【請求項29】 バイオポリマーがタンデムにユビキチンユニットを含有す
    ることを特徴とする、請求項26のバイオポリマー。
  30. 【請求項30】 バイオポリマーが約2個から25個のユビキチンユニット
    およびそれらの組み合わせからなるタンデムを含有することを特徴とする、請求
    項26のバイオポリマー。
  31. 【請求項31】 バイオポリマーが7個のユビキチンユニットからなるタン
    デムを含有することを特徴とする、請求項26のバイオポリマー。
  32. 【請求項32】 ユビキチンが組換え体、変異体、類似体、フラグメント、
    およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つのユビキチンを
    含有することを特徴とする、請求項26のバイオポリマー。
  33. 【請求項33】 請求項1のバイオポリマーの調製におけるユビキチンの使
    用。
  34. 【請求項34】 バイオポリマーが少なくとも1つのユビキチンユニットを
    含有することを特徴とする、請求項33の使用。
  35. 【請求項35】 バイオポリマーがタンデムにユビキチンユニットを含有す
    ることを特徴とする、請求項33の使用。
  36. 【請求項36】 バイオポリマーが約2個から25個のユビキチンユニット
    およびその組み合わせからなるタンデムを含有することを特徴とする、請求項3
    3の使用。
  37. 【請求項37】 バイオポリマーが7個のユビキチンユニットからなるタン
    デムを含有することを特徴とする、請求項36の使用。
  38. 【請求項38】 バイオポリマーが組換えユビキチン、天然ユビキチン、変
    異体、類似体、フラグメント、およびそれらの誘導体からなる群より選択される
    少なくとも1つのユビキチンを含有することを特徴とする請求項33の使用。
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