JP2003533192A - 細胞保存のための凍結保護剤の微量注入 - Google Patents

細胞保存のための凍結保護剤の微量注入

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JP2003533192A JP2001583540A JP2001583540A JP2003533192A JP 2003533192 A JP2003533192 A JP 2003533192A JP 2001583540 A JP2001583540 A JP 2001583540A JP 2001583540 A JP2001583540 A JP 2001583540A JP 2003533192 A JP2003533192 A JP 2003533192A
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Abstract

(57)【要約】 細胞膜を有する生物学的材料の保存法は、細胞に糖質を微量注入すること;貯蔵のために細胞を調製すること;生物学的材料を貯蔵すること;および、貯蔵された生物学的材料を貯蔵から回復することを含む。トレハロース、スクロース、フルクトース、デキストラン、およびラフィノースのような炭水化物系糖質を、生体-保護剤として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、凍結および/または乾燥により細胞を保存するために、糖質を含有
する細胞内保護剤の微量注入を用いた生物学的組織の保存に関する。
【0002】発明の背景 近年、癌患者の化学療法および放射線療法の成功が増しつつあり、持続寛解が
達成されている。しかしこれらの療法の長期生存者の生殖系への慢性的な副作用
が、特に懸念される。女性に対するこれらの作用は、卵巣生殖細胞の枯渇および
不妊である。癌療法を受けた者には将来の受精喪失の可能性があるので、卵子バ
ンクの必要性が明らかにされつつある。卵母細胞の凍結は、体外受精と組合せた
場合、摘出療法、放射線療法または化学療法による生殖機能の喪失が予想される
将来妊娠を希望する女性にとって有益である。卵母細胞凍結は、ヒト胚凍結に代
わる可能性も提供しており、その結果胚凍結において遭遇する法律的・倫理的問
題点が避けられる。
【0003】 1983年に最初にヒト胚極低温保存に成功し、現在では胚凍結は一般的手法とな
っている。これとは対照的に、ヒト卵母細胞の極低温保存については非常に限ら
れた成功例しか報告されていない。1500を超える極低温保存された卵母細胞によ
り、わずかに5例の妊娠が報告されている。従って現在の凍結法は、依然実験的
とみなされ、ヒト卵母細胞の極低温保存時に遭遇する難点を克服するために新規
手法が必要とされている。
【0004】 従来型の極低温保存技術は、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロー
ル、またはエチレングリコールなどの凍結保護剤の濃度1〜2Mでの浸透、それに
続く緩やかな凍結速度(0.3〜0.5℃/分)を含む。典型的には、卵母細胞は、過剰
な脱水および高い電解質濃度を含む有害な凍結条件への長期曝露のために損傷を
受ける。ガラス化保存(すなわち氷晶化を伴わない、ガラス質の物質の形成)と称
される代替法は、卵母細胞への凍結の致命的作用を避けるために、高濃度の凍結
保護剤混合物(6〜8M)を使用し、その後急冷される。
【0005】 ガラス化保存法は魅力的代替法ではあるが、これは、敏感な細胞に対する高い
凍結保護剤濃度の毒性作用および浸透圧作用が欠点である。これらふたつの手法
(緩徐な凍結-解凍および急速なガラス化保存)はいずれも、ヒト卵母細胞の極低
温保存に関して信頼できる成功を伴う結果をもたらしていない。従って、ヒト卵
母細胞貯蔵のための信頼できる技術が必要である。臨床医療における治療的道具
としての生細胞の適用に必要な哺乳類細胞の保存を提供するために、低レベルの
無毒の保存剤を使用しかつ様々な細胞に利用可能な簡単な手技を有する、生存し
ている有核細胞を保存するための新たなプロトコールが開発されなければならな
い。
【0006】発明の概要 本発明の目的は、休眠状態での生細胞の貯蔵、およびその後の細胞の活動状態
への回復を可能にすることである。この方法は、哺乳類細胞膜に関して実質的に
不透過性であり、かつ一時的に休眠状態で貯蔵しその後活動状態に実質的に回復
することができるように細胞の生存力を維持するような保護剤を、細胞の細胞質
へ微量注入することを含む。この微量注入された細胞は、休眠状態へと入らせる
ような条件に晒され、この休眠状態にて貯蔵される。貯蔵された細胞は、その後
活動状態へと回復される。この方法には、存在したとしても最小限の有害な副作
用を細胞に引き起すような条件下で、あらゆる哺乳類細胞を必要時まで貯蔵する
ことができるという利点がある。
【0007】 従って本発明は、一部の態様において、細胞、好ましくは卵母細胞への、有効
な糖質を含有する保護剤の微量注入により始まるような、生細胞を保存する方法
を提供する。その他の保存されるのが好ましい細胞は、分化型細胞、例えば、上
皮細胞、神経細胞、表皮細胞、角化細胞、造血細胞、メラノサイト、軟骨細胞、
B-細胞、T-細胞、赤血球、マクロファージ、単球、繊維芽細胞、または筋細胞;
ならびに、未分化型細胞、例えば、胚細胞、間葉細胞、または成体幹細胞を含む
。ある好ましい態様において、これらの分化型細胞は、これらが凍結または乾燥
状態から回復された後も分化し続け、未分化型細胞は、これらが回復された後も
未分化であり続ける。これらの細胞は、一倍体(DNA含量n;ここで「n」は、特定
の属または種の哺乳類の正常な一倍性染色体セットにおいて認められる染色体数
である)、二倍体(2n)、または四倍体(4n)であることができる。その他の細胞は
、膀胱、脳、食道、卵管、心臓、小腸、胆嚢、腎臓、肝、肺、卵巣、膵臓、前立
腺、脊髄、脾臓、胃、精巣、胸腺、甲状腺、気管、尿管、尿道、または子宮由来
のものを含む。これらの細胞は、ヒトまたはヒト以外の哺乳類、例えばサル、類
人猿、雌牛、ヒツジ、オオツノヒツジ、ヤギ、バッファロー、レイヨウ、雄牛、
ウマ、ロバ、ラバ、シカ、ヘラジカ、カリブー、水牛、ラクダ、ラマ、アルパカ
、ウサギ、ブタ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、またはネコ
などに由来することができる。
【0008】 本発明の方法は、低レベル、約6、5、4、3、2、もしくは1M未満もしくはこれ
と等しい、または約0.4M未満でさえあるような保存剤を有利に使用することがで
き、かつ保存剤として糖質単体を、または糖質を従来の凍結保護剤と組合わせて
、もしくは他の細胞内糖質もしくは細胞外糖質と組合わせて使用することができ
る。より好ましくは、糖質の細胞質濃度は、細胞の微量注入後および凍結または
乾燥前に、0.3、0.2、0.1、0.05、または0.01M未満である。糖質の細胞外濃度は
、好ましくは細胞を含む液体培地への希釈後に、0.3、0.2、0.1、0.05、または0
.01M未満である。細胞が、寒天プレートのような固形支持体上で増殖される場合
は、細胞と接触している保存剤中の糖質の濃度は、好ましくは0.3、0.2、0.1、0
.05、または0.01M未満である。別の好ましい態様において、細胞を含む培地中の
細胞外糖質の最終濃度は、細胞の微量注入後および凍結または乾燥前に、細胞内
糖質の細胞質濃度よりも少なくとも2、3、4、5、または10倍大きい。細胞内およ
び細胞外保存剤は、同じまたは異なる分子種であることができる。
【0009】 好ましい保護剤は、単糖、二糖、およびその他のオリゴ糖のような糖質を含む
。好ましくは本保護剤は、実質的に不透過性であり、その結果保護剤の少なくと
も50、60、70、80、90、または95%は、能動または受動拡散により、形質膜を超
えて細胞の内外へと移動することはない。好ましい糖質は、低くとも-60、-50、
-40、-30、-20、-10、または0℃であるような最大凍結濃縮溶液のガラス転移温
度(Tg')を有する。このような糖質の例は図8に列記されたものである。その他の
糖質のTg'も、LevineおよびSladeの論文(J. Chem. Soc.、Faraday Trans. 1、84
:2619-2633(1988))に記載された方法のような常法を用い、型どおりに決定する
ことができる。Tg'が-50℃を下回る糖質または従来型凍結保護剤を、Tg'が-50℃
を上回る糖質と組合せることができ、その結果得られる混合物のTg'は、低くと
も-60、-50、-40、-30、-20、-10、または0℃であり、かつこの混合物は極低温
保存に使用される。
【0010】 適当な単糖類には、アルデヒド基を有するもの(すなわちアルドース類)または
ケト基を有するもの(すなわちケトース類)が含まれる。単糖は、直鎖状または環
状であることができ、これらは様々な高次構造で存在することができる。その他
の糖質には、修飾されたものが含まれる(例えば、1個または複数のヒドロキシル
基がハロゲン、アルコキシ部分、脂肪族基と置換されているか、またはエーテル
、エステル、アミン、もしくはカルボン酸として官能基化されている)。修飾さ
れた糖質の例は、α-またはβ-グリコシド、例えばメチルα-D-グルコピラノシ
ドまたはメチルβ-D-グルコピラノシド;N-グリコシルアミン;N-グリコシド;D
-グルコン酸;D-グルコサミン;D-ガラクトサミン;および、N-アセチル-D-グル
コサミンを含む。その他の好ましい態様において、保存剤は、少なくとも10、25
、50、75、100、250、500、1000個またはそれ以上のモノマーを含むオリゴ糖で
ある。このオリゴ糖は、同一のモノマーまたは異なるモノマーの組合せからなる
ことができる。その他の適当なオリゴ糖は、ヒドロキシエチルデンプン、デキス
トラン、セルロース、セロビオース、およびグルコースを含む。他の適当な保存
剤は、糖残基を含みかつ加水分解により切断され糖質を生成するような化合物を
含む。更に別の適当な保存剤は、糖タンパク質および糖脂質を含み、これらは好
ましくはTg'が低くとも-60、-50、-40、-30、-20、-10、または0℃であり、分子
量が少なくとも120ダルトンであるような糖質に由来した1、2、3、4、5個または
それよりも多い糖残基の付加により修飾されている。「糖残基」とは、別の化合
物に結合することができる基を含む保護糖(protective sugar)を意味する。例え
ば、糖質内の反応基−例えばアルコール、第1級アミン、または第2級アミン−な
どは、化合物と反応し、この糖残基を含む化合物を生成することができる。
【0011】 別の適当な細胞外保存剤は、レクチン、または細胞表面の糖タンパク質または
糖脂質の一部を形成する糖質に非共有結合または共有結合することができるよう
なタンパク質である。この結合は、細胞貯蔵時に細胞膜を安定化することができ
る。
【0012】 本発明において使用することができるその他の凍結保護剤の例は、分子量が少
なくとも120ダルトンである糖質、ポリオール、グリコシド、ポリマー、および
可溶性タンパク質を含む。図8および9に例示したように、より大きい分子量の化
合物は、比較的小さい化合物によって促進される温度よりも高い温度で、ガラス
形成を促進する傾向があり、このことは細胞のより高い温度での貯蔵を可能にす
る。
【0013】 微量注入された保護剤による、および任意に外部保護剤による処理後、細胞は
貯蔵のために調製される。一般に細胞は、凍結および/または乾燥により貯蔵の
ために調製することができる。凍結乾燥技術に加え、超急速(plunge)凍結、真空
乾燥、風乾が使用される。典型的には、卵母細胞は、0.1〜10℃/分の速度で、好
ましくは0.3〜5℃/分、およびより好ましくは0.5〜2℃/分までの速度で冷却され
る。体細胞は、0.1〜200℃/分の速度で、好ましくは0.5〜100℃/分、およびより
好ましくは1〜10℃/分または10〜50℃/分までの速度で冷却される。細胞は、低
くとも-60、-50、-40、-30、-20、-10、0、10、または20℃(優先性を増すため)
の最終温度に冷却される。別の好ましい態様において、保存剤は、細胞凍結時の
、細胞内氷の核生成または成長を阻害または防止する。
【0014】 細胞外保存剤は、細胞内保存剤の添加により生じる可能性がある細胞への浸透
圧ショックを減らすことができる。加えて、細胞外保存剤は、形質膜を安定化し
、かつ凍結または乾燥時に細胞へ力学的強度を提供する。
【0015】 一旦細胞が貯蔵のために調製されたならば、その調製に適した様式で貯蔵され
る。凍結細胞は極低温で貯蔵することができ、かつ乾燥細胞は、適宜周囲温度ま
たは他の温度で乾燥貯蔵することができる。貯蔵された細胞の回復は、貯蔵のた
めのそれらの調製法に合わせることができる。乾燥細胞は、再水和され、かつ凍
結細胞は解凍される。回復された細胞の少なくとも25、35、50、60、70、80、90
、95、または100%が生存していることが好ましい。細胞生存力は、製造業者(Mo
lecular Probes社)のプロトコールに従い、生細胞を示す緑色色素カルセイン-AM
および死細胞を示す赤色色素エチジウムホモ二量体を使用する「Live/Dead」ア
ッセイ法のような任意の標準アッセイ法を用いて測定することができる。別の好
ましい態様において、標準の体外受精技術を用い、回復された卵母細胞の少なく
とも5、10、15、25、35、50、60、70、80、90、または95%が受精することがで
きる(例えば、Summersら、Biol. Reprod.、53:431-437(1995)を参照のこと)。好
ましくは、受精した卵母細胞は、2細胞期胚、4細胞期胚、桑実胚、胚盤胞胚、胎
児期胚、または生存可能な胎児(viable offspring)へと発生する。
【0016】 「胚」とは、母体宿主の子宮膜に移植されていない発生しつつある細胞塊を意
味する。従って「胚」という用語は、受精した卵母細胞、胚盤胞期前期に発生し
ている細胞塊、またはその他の母体宿主の子宮膜への移植前および生殖隆起の形
成前の発生段階にある発生しつつある細胞塊を意味する。胚は、細胞発生の複数
の期を表すことができる。例えば、ひとつの細胞胚は接合子と称され;卵割した
胚から生じる細胞の充実性球状塊は、桑実と称することができ、および胞胚腔を
有する胚は、胚盤胞と称することができる。
【0017】 「胎児」または「胎児の」とは、母体宿主の子宮膜に移植された発生しつつあ
る細胞塊を意味する。胎児は、当業者により容易に確定される生殖隆起のような
規定の特徴を有する。
【0018】 別の局面において本発明は、300、310、320、330、340、350、360、370、380m
osm、またはそれを超える浸透圧を有する高張培地において細胞をインキュベー
ションすることにより、哺乳類細胞をインビトロにおいて培養する方法を提供す
る。好ましくは、培地は、1種もしくは複数の図7に列記された成分を含有するか
、または本発明の1種もしくは複数の極低温保存剤を含有する。好ましくは、培
地は、アミノ酸、糖質、乳酸塩、またはピルビン酸塩などの栄養素を含有する。
この培地は、前記の好ましい細胞を含む任意の哺乳類細胞を培養するために使用
することができる。様々な好ましい態様において、この培地は、極低温保存の前
、最中、または後に細胞を培養するために使用される。
【0019】 本発明は、細胞の極低温保存に関連した多くの利点を提供する。例えばこれら
の方法は一般に、任意の哺乳動物からの任意の細胞の保存に適用することができ
る。これらの細胞は、必要とされるまでの期間、凍結または乾燥した状態で貯蔵
することができる。加えてこれらの極低温保存法は、貯蔵された細胞において存
在したとしても最小限の有害な副作用を引き起す無毒の保存剤の比較的低濃度で
の使用を含む。更にこの保存剤は、そうでなければ細胞に損傷を及ぼすと考えら
れる凍結時の細胞内氷晶の形成を減少または排除する。必要に応じて、細胞内お
よび細胞外の両方の保存剤を使用し、細胞内保存剤の細胞への添加により引き起
される浸透圧を低下させることができる。細胞外保存剤は、更に形質膜を安定化
し、かつ凍結または乾燥時に細胞に力学的強度を提供することができる。更に本
発明は、糖質のより高いTg'のために、従来型凍結保護剤(典型的には-80℃未満)
と比べより高い貯蔵温度(好ましくは-60℃より高い)を可能にすることができる
【0020】詳細な説明 図1および図2に例示した本発明の生物学的組織を保存する方法は、保存される
べき細胞または組織の選択または単離から始まる(10)。本発明の方法は、脂質膜
を有する任意の生物学的材料の保存のために使用されると同時に、生存している
有核細胞、特に別の形では保存が困難な卵母細胞のような哺乳類細胞の保存に最
も有用である。
【0021】 卵母細胞は、卵管および/または卵巣の単離、および卵母細胞の放出により得
ることができる。卵母細胞は、余分な細胞を破壊する酵素であるヒアルロニダー
ゼに移される。その後卵母細胞は、HEPES-緩衝されたダルベッコ変法イーグル培
地/栄養素F-12(DMEM/F-12)混合液(Gibco社)およびBSA(ウシ血清アルブミン)で2
回洗浄される。その後卵母細胞は、胚-試験用鉱油(Sigma社)で被覆された変更等
張HTF、または任意の他の適当な培地へ移される。DMEM/F12培地には、4mg/mL BS
Aが補充されることが好ましい。望ましいならば、卵母細胞は、微量注入に予定
した量と同じ濃度で細胞外糖質と共にインキュベーションすることもできる。例
えば、0.1M糖質を注入するためには、卵母細胞は、0.1M糖質を含むDMEM/F-12で
平衡化することができる。図3A〜3Cに記したように、外部DMEM/F-12+糖質溶液の
高張性は、マウス卵母細胞に収縮を引き起す。この細胞容積の減少は、位相差顕
微鏡を用い細胞直径を肉眼で測定することにより、定量化することができる。細
胞容積の減少は、いかに多くの糖質が引き続き卵母細胞へ微量注入されるかを決
定することを容易にする。例えば、最初の等張容積(すなわち外部糖質と平衡に
なる前の細胞容積)への微量注入時の細胞の膨潤は、注入された糖質の濃度が、
細胞外糖質濃度と近いことを示す(図3A〜3D)。同様の結果が、ヒト卵母細胞が、
0.15M細胞外トレハロースと共にインキュベーションされ、その容積の減少を引
き起し、その後等張培地中の最初の卵母細胞の容積に戻るまでトレハロースが注
入される場合にも得られ、これは0.15Mトレハロースが注入されたことを示した(
図4A〜D)。あるいは卵母細胞は、選択的に微量注入前にそれらの細胞容積を低下
するために、NaClのような他の実質的に不透過性溶質と平衡化することができる
。この最初の細胞容積の減少は、微量注入前に高張培地でインキュベーションさ
れない卵母細胞と比較した場合に、微量注入された卵母細胞のより小さい最終容
積を生じる。このより小さい最終容積は、卵母細胞の膨潤からの有害作用の可能
性を最小化することができる。この微量注入のための細胞調製に関する一般的手
法は、他の細胞種にも使用することができる。
【0022】 その後標的細胞には、生体-保存剤(bio-preservation agent)が微量注入され
る(30)。微量注入装置および手技は、当技術分野において良く特徴付けられてお
り、かつ細胞への小分子の注入での使用が公知である微量注入装置を本発明にお
いて使用することができる。例証的微量注入工程において、卵母細胞は、30ミリ
秒間圧力10psiで微量注入することができる。標準の微量注入技術の別の例は、N
akayamaおよびYanagimachiの論文(Nature Biotech.、16:639-642(1998))に記載
された方法である。
【0023】 保存剤の微量注入に関して、注入ピペットは、1-mmホウケイ酸塩の薄壁(B100-
75-10、Sutter社、ノバト、CA)ガラスキャピラリーから製造した。最初にピペッ
トを、水平マイクロピペット引き伸ばし機(モデルP-97、Sutter社)を用いて引き
伸ばし、これらは長い軸部(shank)を有した(〜1.3cm)。内径およそ0.5μmの鋭い
先端を得るために、研磨プレートの様々な回転速度が可能な改良型Sutterマイク
ロピペット面取り機(BV-10、Sutter社)上で、注入ピペットを40°の角度で面取
りした。
【0024】 望ましいならば、極低温保存剤の微量注入に使用したマイクロピペットは、注
入前にキャリブレーションすることができる(図5)。このキャリブレーションで
は、ジメチルポリシラキセン溶液中に懸濁したDMEM/F-12培地の微小液滴に、関
心のある糖質溶液を注入した。好ましくは微小液滴は、微量注入されるであろう
細胞と同様の大きさである。例えば直径70〜100の微小液滴を用い、卵母細胞の
微量注入のためのマイクロピペットをキャリブレーションすることができる。所
定の注入ピペットからの様々な注入容積を測定するために、微小液滴数滴に、注
入時間および圧力を変動しながら注入した。各微小液滴の像を、注入の前後に明
視野顕微鏡を用いて撮影し、液滴の容積の増加、その結果注入容積を計算した(
図16)。微小液滴はほとんど完全な球形であるので、液滴の容積は、液滴の直径
を用いて容易に計算することができる。例えば容積は、式V=O.75226(A)3/2(式中
、Aは微小液滴の断面積である)を用い、断面像から計算することができる。非
常に小さい注入容積を決定するために、微小液滴への10回の累積微量注入を用い
て、測定可能な容積を作り出した。この容積増加の合計を、10で除算し、1回注
入当りの平均容積を得た。所定の注入ピペットについて、注入圧およびパルス持
続期間(すなわち、注入持続期間)は、注入容積に影響を及ぼす二つの主要要因で
あった。注入ピペットのキャリブレーションのために、注入圧を適当な値に固定
し、パルス持続期間を変動させた。注入容積は、パルス持続期間増加の関数とし
て直線状に変動した(図17)。パルス持続期間を変動させ且つ十分なデータ点を収
集することにより、所定の注入ピペットについて勾配を定めた。この勾配は、実
際の実験について様々な注入容積を選択するために特に有用であった。キャリブ
レーション後、マイクロピペットを、蒸留水で吸引洗浄し、水分を吹き飛ばした
。次に残留ジメチルポリシラキサンを、マイクロピペットを塩化メチレン(Fishe
r社、ピッツバーグ、PA)中に浸すことにより除去し、かつこのマイクロピペット
を蒸留水および純エタノールで洗浄した。マイクロピペットを更に、デシケータ
ー内でヘキサメチルジシラゼンの蒸気にこれらを数時間曝露し、細胞破片のピペ
ットへの付着を防ぐことにより、実際の細胞微量注入のために調製した。
【0025】 このプレキャリブレーション法の精度は、微小液滴に加え卵母細胞へのオレゴ
ン-グリーン-(OG)標識したデキストラン(Molecular Probes社、ユージーン、OR)
の微量注入を伴う代替法を用いて確認した。卵母細胞の微量注入について、10mM
Tris(pH7.4)中に調製したDMEM/F12培地80μLおよびOG-標識したデキストラン溶
液(1mM)20μLを、60x10-mm Falconプラスチック培養皿(Fisher社)に入れ、かつ
鉱油で被覆した。次に卵母細胞を、注入液滴に移した。微量注入の前に、保持ピ
ペット(holding pipette)および注入ピペットの両方を、それらの先端部分が焦
点面に対し水平になるように折り曲げた。保持ピペットに培地を充填し、手動注
射器(Sutter社)に鉱油を充填したプラスチックチューブを介して接続した。同様
に注入ピペットを、プラスチックチューブを介してピコ・インジェクター(Pico
Injector)に接続し、デキストラン溶液を注入ピペットへ吸引した。その後こ
の微量注入手法により、わずかに陽平衡圧をこのシステムに加え、外側培地の注
入ピペットへの吸引を防止した。微量注入期間には、12または6時の位置に紡錘
体を伴う卵母細胞を、手動注射器を使って吸引することで保持ピペットの先端に
保持しながら、注入ピペットを反対側から卵母細胞へ挿入した。圧電噴射器(PM-
20、Stoelting社)を用い、突然の押し(thrusting)運動により注入ピペットの貫
通を促進した。次にOG-標識したデキストラン溶液を、適当な時間および圧力の
設定を用い、卵母細胞へ注入した。同様にDMEM/F12培地の微小液滴に、同じ時間
および圧力の設定、ならびに微量注入ピペットを用いて、OG-標識したデキスト
ラン溶液を注入した。微量注入後、注入した卵母細胞および微小液滴の蛍光画像
を、高圧水銀アーク灯、蛍光選択フィルターセット、およびCCDカメラを装着し
たニコンTMD倒立顕微鏡を用いて捕えた。水銀アーク灯出力の可能性のあるゆら
ぎによる誤差を最小化するために、各蛍光画像を、64フレームで平均化すること
により捕えた。図18は、前述のような微量注入後に捕えられた卵母細胞の典型的
蛍光画像を示している。捕えられた画像の蛍光強度は、パーソナルコンピュータ
上でMetamorphソフトウェアパッケージ(Universal Imaging社、ウェストチェス
ター、PA)を用い、細胞または液滴の中心の小さいスポットについて測定した。
次に微小液滴内の様々な濃度のOG-標識したデキストランを用い、標準曲線を作
成した(図19)。卵母細胞および微小液滴内の微量注入したデキストラン濃度を、
この標準曲線を用いて推定した。最後に、微量注入した卵母細胞および微小液滴
において認められたデキストラン濃度から、注入容積を計算した。注入容積の評
価は、微小液滴への注入が、pL-範囲感度における卵母細胞への注入容積を反映
していることを示した(図5)。
【0026】 先に説明したように、同じく注入された糖質の濃度を決定するために使用した
別の手法は、微量注入の前後に高張培地(すなわち、0.1Mトレハロース)中の卵母
細胞の容積を比較することに関与していた。注入緩衝液(これは典型的には800ま
たは1000mM糖質を含む)の総モル浸透圧濃度への寄与は無視できるので、糖質の
微量注入時に0.10M糖質/培地混合物中で収縮した卵母細胞の再拡張は、その細胞
への糖質の導入に起因し得る。従って微量注入後の再拡張の程度は、注入した糖
質の細胞内濃度を示している。実際、個々のマウス卵母細胞は、同量の注入され
たトレハロースに対して同様の容積反応を示した。このような実験を図3B〜3Dに
まとめたが、これは等張容積での典型的卵母細胞(図3B)、トレハロースの微量注
入前に高張培地中で収縮した卵母細胞(図3C)、および細胞外トレハロース濃度と
同等のトレハロースの微量注入後の高張培地中の再拡張された卵母細胞(図3D)を
示している。
【0027】 微量注入の前後の糖質の望ましい細胞質濃度および細胞の凍結または乾燥によ
る細胞内糖質のいずれかの濃度を達成するために、細胞に注入される保存剤の容
積、保存剤内の糖質の初期濃度のいずれかまたはこれら両方を調節することがで
きる。例えば微量注入後の糖質の比較的高い細胞質濃度を達成するためには、比
較的大容積の保存剤を注入するか、もしくは比較的高濃度の糖質を注入してよい
。あるいは、比較的低い糖質の細胞質濃度が望ましい場合は、注入される保存剤
の容積を減少するか、保存剤中の糖質の濃度を低下するか、もしくは両方の変更
を行うことができる。注入される保存剤の容積は、得られる細胞質容積の増加が
細胞溶解を生じる程容積があまりにも大きいことのないように選択することがで
きる。加えて保存剤の容積は、正確な測定および注入を行うには小さすぎること
がないよう選択することができる。
【0028】 同様に、細胞を含有する液体培地への希釈後に望ましい糖質の細胞外濃度を達
成するために、培地へ添加される保存剤の容積、培地へ添加される保存剤中の糖
質の初期濃度のいずれか、またはこれら両方を調節することができる。従って、
糖質の細胞外濃度は、より大きい容積またはより濃い溶液の液体培地への添加に
より増加することができる。寒天のような固形培地上で増殖される細胞に添加さ
れる保存剤に関して、望ましい細胞外糖質濃度は、望ましい濃度で糖質を含有す
る保存剤と細胞を接触することにより達成することができる。
【0029】 本方法において有用な生体-保存剤は、極低温-保護特性を有しかつ通常不透過
性であるような化学物質のいずれかを含む。特にこの生体-保存剤は、糖質を単
体でまたは他の従来の生体-保存剤と組合せてのいずれかで含むことができる。
トレハロース、スクロース、フルクトース、およびラフィノースのような炭水化
物系糖質は、濃度約1.0M未満またはこれと等しい、より好ましくは約0.4M未満ま
たはこれと等しい濃度で微量注入することができる。別の好ましい態様において
、この濃度は0.05〜0.20Mを含む値である。加えて、細胞外糖質または従来の生
体-保存剤は、貯蔵前に添加することができる。細胞が微量注入前に高張溶液中
でインキュベーションされる場合、実質的に不透過性の溶質は、微量注入後に培
地内に残存することができるか、または低濃度のこの溶質を含むかもしくは含ま
ない培地により細胞を洗浄することによって培地から除去することができる。
【0030】 細胞膜を通過するにはあまりにも大きいために通常は細胞膜を透過しないよう
な糖質または多糖類は、極低温保存のために優れた生理化学的および生物学的特
性を有する。これらの糖質は通常はそれら自身細胞膜を透過しないにもかかわら
ず、本発明の方法を用いることで、これらの通常不透過性の糖質を細胞内に微量
注入し、有益な作用をもたらすことができる。
【0031】 本発明の方法において保存剤として特に有用な細胞の安定化または保存作用を
有する不透過性糖質は、スクロース、トレハロース、フルクトース、デキストラ
ン、およびラフィノースを含む。これらの糖質の中で、グルコースの非還元二糖
であるトレハロースが、低濃度での細胞構造の安定化において格別に有効である
ことが示されている。トレハロースは、本発明の方法での使用について最も好ま
しい糖質である。これは、高温において安定したガラスを形成する一般的でない
能力に加え、タンパク質、ウイルス、および細菌を安定化および保存する例外的
能力を有する。トレハロースは、従来の凍結保護剤よりもはるかに優れた卵母細
胞の凍結保護剤(CPA)としての使用のための生理化学的特性を有する。更に多く
の食品中に含まれるトレハロースは、比較的無毒であり、かつCPA除去を必要と
しない、従って不融性の最終生成物を生じるような極低温保存プロトコールを可
能にすることができる。トレハロースの特性と類似した特性を有し、広範に入手
でき、かつ比較的安価であるようなスクロースも、ある種の適用に好ましい。デ
キストランを単体またはトレハロースもしくはスクロースのような他の糖質と組
合せてのいずれかで使用するという利点もある。デキストランは、非常に高いガ
ラス転移温度(Tg')を有するが、スクロースまたはトレハロースに存在するよう
ないくつかの利点、例えば生物学的成分を安定化する能力などは有さない。従っ
て、デキストラン・トレハロース混合物、またはデキストラン・スクロース混合
物は、更なる利点を有し得る。
【0032】 細胞外糖脂質または糖タンパク質の添加も、細胞膜を安定化することができる
。本発明をいずれか特定の理論に限定する意味は持たないが、糖脂質の糖基は、
膜のリン脂質の親水性ヘッド基と水素結合し、凍結が誘導したストレスに対して
膜を安定化すると仮定される。加えて糖脂質は、脂質二重層へ組込むことができ
かつ膜の完全性を増加することが可能である。
【0033】 保存剤の微量注入後、細胞は貯蔵のために調製される(40)。凍結および/また
は乾燥の様々な方法を使用し、貯蔵用の細胞を調製することができる。特に3種
の方法が本明細書において説明されている:真空乾燥または風乾(50)、凍結乾燥
(60)、および凍結-解凍(70)のプロトコール。乾燥法は、安定化した生物学的材
料が周囲温度に輸送されかつ貯蔵される点で利点がある。
【0034】 図6は、従来の浸透する凍結保護剤(DMSO)に対する共通の糖質(トレハロース)
の状態図を示している。典型的には1〜2M DMSOで負荷された卵母細胞は、非常に
緩徐な冷却速度(0.3〜0.5℃/分)で中間温度(-60℃〜-80℃)へと冷却され、その
後貯蔵のために液体窒素で超急速凍結される。緩徐な冷却速度の結果、卵母細胞
は、脱水のための十分な時間を有し、かつ-30℃〜-50℃の温度範囲に低下される
凍結保護剤溶液(例えばDMSO)の平衡融解曲線(Tm)に密に従う。水に対する形質膜
の透過性は、-50℃より低い温度で、低下する温度の関数として指数関数的に減
少するので、細胞の脱水は、実践目的においては無視できるようになる。温度は
更に貯蔵温度まで低下するので、卵母細胞内部の未凍結の溶液は、点Tg'で、温
度がTg曲線に到達するまで一層濃縮され始め、その結果この溶液はガラスとなり
始める。結果的に、細胞内に残留する細胞の水画分は、貯蔵温度(典型的にはガ
ラス転移温度Tg'を下回る)までの更なる冷却期間に結晶化する。細胞内部での氷
の形成は、氷相に転換された細胞の水画分がある限界を超える(通常5%)場合に
は、細胞死をもたらすと考えられている。他方トレハロースの状態図は、Tmおよ
びTg曲線がDMSO(およそ-80℃)と比べ、非常に高い氷点下の温度(およそ-30℃)で
、互いに交差するようなものである。結果として、卵母細胞を凍結することがで
き、かつそのガラス転移温度の非常に近くまで脱水する一方で、膜の透水性は依
然高く、その後液体窒素中の超急速凍結は試料をガラス状とする。その後この試
料は、この温度で貯蔵される。この方法は、卵母細胞が、ほとんどの従来型の浸
透性凍結保護剤において-50℃以下で認められるいわゆる「ボトルネック」作用
を克服することを可能にする。細胞に、細胞外糖質に加え、細胞外糖質を適用す
ることによっても、有益な結果が得られる。
【0035】 次に懸濁された材料を、望ましい時間、例えばLN2中にバイアルを放置するこ
とにより、極低温保存温度で貯蔵することができる(90、100)。好ましくは、こ
れらの細胞は、凍結保護剤のTg'と等しいかまたはそれ未満の温度で貯蔵され、
その結果これらの細胞はガラス状態であり続ける。好ましい貯蔵温度は、Tg'よ
りも少なくとも5、10、15、20、30、または40℃低い。更にこれらの細胞は、貯
蔵期間は比較的一定の温度に維持されることが好ましい。好ましくは、貯蔵温度
は、貯蔵期間中に20、10、5、または3℃未満変化する。その後懸濁細胞は、貯蔵
(110)から、37℃水浴中での連続した緩やかな攪拌を5分間行う解凍(120)により
、回復することができる。
【0036】 タンパク質の真空乾燥または風乾(50)および凍結乾燥(60)のプロトコールは、
当技術分野において良く特徴付けられており[Franksら、「材料科学および貯蔵
安定性生物製剤の作成(Materials Science and the Production of Shelf-Stabl
e Biologicals)」、BioPharm社、1991年10月、39頁;Shalaevら、「凍結・乾燥
時のモデル混合物の物理状態の変化:製品品質への影響(Changes in the Physic
al State of Model Mixtures during Freezing and Drying: Impact on Product
Quality)」、Cryobiol.、33:14-26(1996)]、ならびにこのようなプロトコール
を、本発明の方法により貯蔵する細胞懸濁液の調製に使用することができる。風
乾に加え、細胞懸濁液から水分を除去するために使用することができるその他の
対流乾燥法は、窒素または他の気体の対流流れを含む。ある好ましい態様におい
て、対流乾燥に使用される気体は、ある種の細胞を劣化させることがある酸素は
含まない。
【0037】 本発明の方法で有用な蒸発性真空乾燥プロトコール(130)の例は、12ウェルプ
レート上のウェルに各20μlを入れること、および周囲温度で2時間真空乾燥する
ことを含む。当然、バイアル内の細胞の乾燥を含む、その他の乾燥法を使用する
ことができる。この方法で調製した細胞は、乾燥貯蔵(140)されるか、DMEMまた
は他の適当な培地中に希釈することにより再水和(160)される。
【0038】 貯蔵(40)のための細胞を調製するために凍結乾燥(60)を使用する本発明の方法
は、細胞懸濁液の凍結(80)から始まる。先行技術の凍結法を用いることができる
一方で、凍結解凍法について本明細書に説明された簡単な超急速凍結法も、この
凍結乾燥プロトコールの凍結工程(80)のために使用することができる。
【0039】 凍結後、二工程乾燥法(150)が使用される。第一の工程において、昇華エネル
ギーが凍結した水を蒸発させるために加えられる。細胞が凍結乾燥する場合、一
次乾燥相の温度の選択のための一次判定基準は、崩壊および望ましくない化学反
応を避けるために、凍結濃縮された溶液のガラス相転移温度よりも低くなければ
ならないことである。一般に、試料に損傷を及ぼさない可能性の最も高い温度が
、昇華を迅速に生じるために使用されなければならない。典型的には、一次乾燥
は、凍結濃縮された溶液についてガラス転移温度より低く維持された一定温度で
生じる。
【0040】 二次乾燥は、試料中の純粋な氷晶が昇華された後に行われる。二次乾燥は、温
度が凍結濃縮された溶質のガラス相転移温度を上回らない限りは生じることはな
いが、試料温度は、粘性流のためにその試料が機械的に崩壊すると考えられる崩
壊点を上回って上昇することはないことは重要である。
【0041】 凍結乾燥した細胞は、先に真空乾燥について説明した方法と同様に、貯蔵(140
)および水和(160)することができる。その後生細胞が回復される(170)。
【0042】 凍結または乾燥状態からの細胞の回復後、任意に外部極低温保存を、培養培地
から取除くことができる。例えば培地を、比較的低濃度の極低温保存剤を相当す
る培地に添加することにより希釈することができる。例えば、回復された細胞は
、細胞貯蔵に使用される濃度よりもより低い濃度の糖質を含有する培地内で、お
よそ5分間インキュベーションすることができる。このインキュベーションのた
めに、培地は、極低温保存剤として使用されたものと同じ糖質;ガラクトースの
ような異なる極低温保存剤;または、いずれか他の実質的に不透過性の溶質を含
有することができる。培地のモル浸透圧濃度を低下することにより誘導された浸
透圧ショックを最小化するために、各回より低い濃度の極低温保存剤で、この希
釈工程を複数回行うことにより、細胞外極低温保存剤の濃度をゆっくり低下させ
ることができる(図2)。これらの希釈工程は、細胞外極低温保存剤が存在しなく
なるまでまたは極低温保存剤の濃度または培地のモル浸透圧濃度が望ましいレベ
ルに低下するまで反復することができる。
【0043】 繊維芽細胞のように、比較的迅速に分裂している細胞について、糖質の内部濃
度は、母細胞と娘細胞の間で糖質が分割されるので速やかに低下する。従ってこ
れらの細胞の内部モル浸透圧濃度は、従来の等張培地の濃度に近いレベルにまで
低下し、回復された細胞が、細胞の内外間のモル浸透圧濃度の差異によって引き
起される顕著な膨潤または有害な作用を伴うことなく等張培地において培養され
ることを可能にする。
【0044】 卵母細胞のような、分裂しないかもしくはゆっくり分裂する回復された細胞の
培養について、高張培地を用いることで、それらが等張培地に回復される場合に
は生じるであろう細胞の膨潤を防ぐまたは低下することができる。従って、ある
種の回復された細胞の培養のための高張培地は、二面(two-prong)手法を用いて
開発される。第一に、HTF(ヒト卵管液培地)と称される標準の培養培地を、電解
質濃度を最小化し(図7参照、下向きの矢印で示した成分)、ならびに他の栄養素
およびアミノ酸を増加する(図7参照、上向きの矢印で示した成分)ように変更し
た。この培地のモル浸透圧濃度は、浸透圧計を用いて決定した。この培地のモル
浸透圧濃度はおよそ285mosmであり、これは正常な細胞の内部モル浸透圧濃度と
近いので、この培地を変更等張HTFと称する。第二に、この培地の含水量を低下
し、最終モル浸透圧濃度320mosmを達成するよう各成分の濃度を同等に増加した
。この培地は、変更高張HTFと称する(図7参照、最後の欄)。
【0045】 変更等張HTFおよび高張培地の卵母細胞の受精および発生を支援する能力を調
べるために、これらの培地を用い、極低温保存されていない新鮮なマウス中期II
卵母細胞を培養した。図8に示したように、変更等張HTFまたは変更高張HTF培地
のいずれか中で培養した細胞内トレハロースを含まない対照マウス卵母細胞は、
高頻度の受精(90%)および胚盤胞期への発生(85%を上回る)を示した。O.07Mト
レハロースを注入したマウス卵母細胞も、変更高張HTF培地において、高頻度の
受精および胚盤胞発生を示した。細胞内トレハロースが0.15Mで、受精および胚
盤胞形成の頻度は低下したが、依然有意であった。望ましいならば、この培養培
地の組成および高張性を、形成された胚盤胞または生存可能な胎児の数を増加す
るように更に最適化することができる。例えば、比較的高いモル浸透圧濃度(例
えば330、340、350、360、370、または380mosm)を有する培養培地は、より一層
卵管液(これは少なくとも360mosmのモル浸透圧濃度を有する)に類似し、その結
果更に生存可能な胎児の発生を促進する(Van Winkleら、J. Expt Zool.、253:21
5-219(1990))。モル浸透圧濃度が少なくとも300、310、320、330、340、350、36
0、370、380mosm、またはそれ以上である他の適当な高張培地を、細胞のインビ
トロ培養に好ましい方法において使用することができる。これらの方法は、細胞
内糖質を含むまたは含まない細胞を培養するために使用することができる。これ
らの好ましい培地は、極低温保存された細胞の貯蔵前、貯蔵時または貯蔵後に使
用することができる。
【0046】 図9Aおよび9Bは、各々、-15°および-30°での、細胞外トレハロース濃度の関
数としての、変更高張HTF培地中で一晩培養後の冷却した中期IIマウス卵母細胞
の生存を示すグラフのセットである。これらの実験は、冷却速度1℃/分を用い、
およそ0.10〜0.15Mの細胞内トレハロースを含むまたは含まずに行った。細胞の
生存力は、本明細書に記したLive/Deadアッセイ法を用いて評価した。加えて光
学顕微鏡を用いて、生存可能な卵母細胞が完全な膜を有するかどうかならびに分
解および断片化の徴候を欠いているかどうかを肉眼により決定した。-15および-
30℃の両方で、卵母細胞内部への約0.10〜0.15Mトレハロースの添加は、生存率
を劇的に増加した。更に-30℃において、内部トレハロースの非含有は、凍結後
にほとんど生存卵母細胞を生じなかった。細胞外トレハロースの量は、生存に対
し劇的な用量依存型の作用を有していた。凍結溶液中の細胞外トレハロース量は
0.15M(細胞内トレハロースとほぼ同量)から0.30Mまたは0.50Mへ増加したので、
生存率は、各々、約18%から55%または85%へとそれぞれ改善された。この結果
は、細胞の冷却時に内部および外部極低温保存剤を使用する利益を示している。
【0047】 図10は、変更HTF培地等張において一晩培養後の冷却した中期IIマウス卵母細
胞の生存を示している。図11は、HTF培地+0.1M細胞外トレハロースにおいて一
晩培養した後の冷却したヒト卵母細胞の生存を示している。細胞生存は、Live/D
eadアッセイ法を用いて測定した。光学顕微鏡を使用し、生存可能な卵母細胞が
完全な膜を有するかどうかならびに分解および断片化の徴候を欠いているかどう
かを肉眼により決定した。図10および図11において括弧で印したTg'は、トレハ
ロースが細胞の内部および外部の両方に存在する場合に可能な長期貯蔵温度を示
している。図10において、卵母細胞は、非常にゆっくりとした冷却速度で、中間
温度(-60℃)にまで冷却した。トレハロースを含まない卵母細胞は、生存率0%を
生じた。0.50M細胞外トレハロースを負荷した卵母細胞は、対照を上回る若干の
改善を示したが、温度の低下に伴う生存率の一様の減少により損なわれた。他方
で、0.15M細胞内および0.50M細胞外トレハロースが負荷された卵母細胞は、80〜
100%の生存率を維持した。対照および細胞外トレハロース溶液中の卵母細胞と
の比較において、細胞内トレハロースを含む卵母細胞は、生存率の顕著な増加を
経験した。
【0048】 図12Aは、様々な冷却速度での温度の関数としての、マウス卵母細胞の含水量
を示す複数の曲線のグラフであり、これは凍結時の水輸送速度に関する下記の良
く確立された式を基にしている(Karlssonら、Human Reproduction、11:1296-130
5(1996);Tonerら、J. of Membrane Biology、115:261-272(1990))。 式中、Rは気体含量であり;Tは温度であり;Bは冷却速度であり;vwは、水の部
分モル容量であり、ならびにaw exおよびaw inは、各々、細胞外および細胞内の溶
液中の水活性である。Lpは、下記式で得られる透水性である。 式中Lpgは、TRでの参照透水性であり;ELpは、活性化エネルギーまたは透水性の
温度依存性であり、ならびにTRは参照温度(典型的には0℃)である。
【0049】 これらの曲線により示されるように、卵母細胞の脱水の程度は、冷却速度に依
存している。例えば、非常に遅い冷却速度は、卵母細胞の過剰な脱水を生じる。
あるいは、非常に迅速な冷却速度(例えば、30または60℃/分)は、最小の脱水を
生じることがある。従って0.1〜5℃/分であるような中間の冷却速度が好ましい
。これらの速度について、水輸送モデルは、細胞内水容積は、最初に減少しその
後漸近的に一定値に近づくことを予測している。この図において例証されたよう
に、透水性は、活性化エネルギーによる温度の指数関数であり、マウス卵母細胞
についてELpは14.5kcal/molである。従って凍結時には温度は低下するので、Lp
は、急勾配で低下し、かつ温度-50℃/分未満ではほぼゼロに達する。マウス卵母
細胞ならびにラット、ウシおよびヒトのような他の哺乳類の卵母細胞の間のLpの
温度依存性(すなわちELp値)は類似しているので、同様の脱水挙動が他の卵母細
胞について予想される。例えば、ELpは、マウス卵母細胞について14.5kcal/mol
であるのに対し、ヒト卵母細胞について14.70kcal/molである(Paynterら、Human
Reproduction、14:2338-2342(1999))。
【0050】 図12Bは、卵母細胞の容積を所定の温度で50%減少するのに必要な算出された
脱水時間を示すグラフである。このグラフは、先に記した水輸送式を用いて作成
し、かつ水輸送は低温で、特に-50℃未満の温度で顕著に低下されたことを明確
に示している。従って、顕著な速度で脱水を継続するためには、細胞は、本発明
の方法を用い、最終温度が低くとも-50、-40、-30、-20、または-10℃に冷却さ
れることが好ましい。脱水が完了した後、細胞は、必要時までガラス状態に細胞
を維持するように、この温度でまたはより低い温度で貯蔵することができる。
【0051】 図13は、様々な温度で細胞内氷を有する卵母細胞の割合を示す曲線のセットの
グラフである。このアッセイ法について、標準の極低温顕微鏡(cryomicroscopy)
法を用い、卵母細胞を3.5℃/分の速度で冷却した(Cosmanら、Cryo-Letters、10:
17-38(1989))。これらの卵母細胞は、極低温顕微鏡を用いて観察し、細胞内氷が
形成されたかどうかを決定した。細胞内氷の存在は、氷晶により散乱した光のた
めに出現した黒色を基に容易に検出された。このアッセイ法を用い、等張培地単
独中でインキュベーションした対照卵母細胞、0.1M細胞外トレハロースを含む培
地中でインキュベーションした卵母細胞、および0.1Mトレハロースを注入しかつ
0.1M細胞外トレハロースを含む培地中でインキュベーションした卵母細胞を試験
した。図13に示したように、細胞外トレハロースは、卵母細胞における細胞内氷
の形成の頻度を低下させた。細胞内氷の頻度は、細胞外トレハロースに加え細胞
内トレハロースの存在により更に低下した。望ましいならば、細胞内氷の量は、
使用される細胞内または細胞外の糖質濃度の増加により、更に低下させることが
できる。トレハロースが顕著に内部氷を減少させる能力は、より急速な冷却速度
によりもたらされる。極低温生物学の分野において、致命的な細胞内氷の形成を
伴わないより急速な冷却速度は、より大きい細胞生存の機会をもたらすことは確
立されている。
【0052】 図14は、-55℃よりも高いガラス転移温度を有する糖質の一覧表である。この
表に示されたように、より大きい分子量を持つ糖質は、より高いガラス転移温度
を有する傾向がある。直鎖ポリマーは更に、同じ分子量の分枝したポリマーより
もより高いガラス転移温度を有する傾向がある。直鎖および環状α-(1→4)-結合
したグルコース六量体を比べると、環状オリゴマー(シクロデキストリン、Tg'=-
9℃)は、直鎖状オリゴマー(マルトヘキサオース、Tg'=-14.5℃)よりもより高い
ガラス転移温度を有する(LevineおよびSlade、前掲)。
【0053】 いくつかの糖質および従来の凍結保護剤の分子量の関数としてのTg'のグラフ
を図15に示した。84種の小さい糖質についてのLevineおよびSladeの論文(前掲)
中のより総合的図において、増大するTg'および分子量の間の単調関係は、線形
相関r=-0.93を生じた。従って、分子量が少なくとも120ダルトンである糖質につ
いて、それらのTg'は少なくとも-50℃である。
【0054】他の態様 前記説明から、様々な用途および条件に適合させるために、本明細書に記され
た本発明に変更および修飾を行うことができることは明らかであると思われる。
このような態様も、特許請求の範囲内である。
【0055】 本明細書において引用された全ての刊行物は、各個別の刊行物または特許出願
が具体的かつ個別に参照として組入れられることが示されているのと同程度に、
本明細書に参照として組入れられている。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付図面を考慮した上で、上記の詳細な説明により完全に理解され
ると思われる。
【図1】 図1は、本発明の方法の工程を示す流れ図である。
【図2】 図2は、本発明の極低温保存プロトコールの一つの態様を列記して
いる概略的流れ図である。このプロトコールは、当業者により、その他の極低温
保存剤、冷却速度、希釈工程、および培地を使用し、他の細胞の保存のために変
更することができる。
【図3】 図3Aは、0.1Mトレハロースの微量注入前の等張DMEM/F-12培地、微
量注入前の0.1M細胞外トレハロースを含むDMEM/F-12(高張培地)、および微量注
入後の0.1M細胞外トレハロースを含むDMEM/F-12(高張培地)における、マウス卵
母細胞の容積を示す図である。図3B〜3Dは、前記三種の各条件下での卵母細胞の
位相差顕微鏡写真である。
【図4】 図4A〜4Dは、それぞれ、0.15Mトレハロースの、微量注入前の等張D
MEM/F-12培地、微量注入前の0.15M細胞外トレハロースを含むDMEM/F-12(高張培
地)、微量注入時の0.15M細胞外トレハロースを含むDMEM/F-12(高張培地)、およ
び微量注入後の0.15M細胞外トレハロースを含むDMEM/F-12(高張培地)における、
ヒト卵母細胞の明視野顕微鏡写真である。
【図5】 図5は、本発明の極低温保存剤の微量注入に使用した微量ピペット
のキャリブレーションを示す棒グラフである。
【図6】 図6Aおよび6Bは、DMSOおよびトレハロースの状態図である。
【図7】 図7は、HTF、変更等張HTF、および変更高張HTF培地の成分を列記し
ている表である。
【図8】 図8は、変更等張HTFおよび変更高張HTF培地で培養された、受精さ
れ胚盤胞へと発生している、細胞内トレハロースを含むまたは含まない中期IIマ
ウス卵母細胞の割合を記す表である。
【図9】 図9Aおよび9Bは、様々な濃度の細胞外トレハロースの存在下での、
0または0.10〜0.15M細胞内トレハロースを含む中期IIマウス卵母細胞の生存の割
合を示すグラフのセットである。
【図10】 図10は、一晩培養した後の冷却した中期IIマウス卵母細胞の生存
を示す。
【図11】 図11は、一晩培養した後の冷却したヒト卵母細胞の生存を示す。
【図12】 図12Aは、様々な冷却速度についての温度の関数としての、正規
化された卵母細胞中の水容積を示す曲線のグラフのセットである。図12Bは、温
度の関数としての、算出された脱水時間を示すグラフである。脱水時間は、卵母
細胞が所定の温度で容積50%にまで収縮するのに必要な時間と定義される。
【図13】 図13は、保存剤の存在または非存在下での、温度の関数としての
、細胞内氷晶累積発生率を示す曲線のセットである。
【図14】 図14は、ガラス転移温度が-55℃よりも高い糖質の分子量および
ガラス転移温度の一覧表である(LevineおよびSlade、J. Chem. Soc., Faraday T
rans. 1、84:2619-2633(1988))。これらの糖質の多くは、Sigma社およびBritish
Sugar社などの供給業者から市販されている。
【図15】 図15は、いくつかの糖質および従来型凍結保護剤のTg'と分子量
との間の単調関係を示すグラフである。
【図16】 図16は、トレハロース溶液の注入前および注入後の微小液滴の明
視野顕微鏡写真である。
【図17】 図17は、トレハロース溶液が注入された微小液滴についての、注
入圧3 PSIでの様々な注入時間(msec)についての注入容積(pL)のグラフである。
【図18】 図18は、本明細書に記した蛍光糖質オレゴン-グリーン標識した
デキストランが1回(「1x」)または2回(「2x」)注入された卵母細胞の蛍光画像の
写真である。
【図19】 図19は、微小液滴内のOG-標識したデキストランの様々な濃度に
ついての蛍光強度の標準曲線のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 トート トーマス アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 サ ドベリー タバーン サークル 11 Fターム(参考) 4B065 AA90X BC12 BC18 BD09 BD11 BD12 BD35 BD36 BD38

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生細胞を処理する方法であって、(a)(i)糖質を含有し、(ii)
    哺乳類細胞膜に関して実質的に不透過性であり、および(iii)一時的休眠状態で
    貯蔵でき且つ活動状態へ実質的に回復することができるように該細胞の生存力を
    維持する保護剤を、該細胞の細胞質へ微量注入する工程;(b)該細胞を該休眠状
    態へ入らせるようこれを処理する工程;ならびに(c)該細胞を該休眠状態で貯蔵
    する工程を含む、方法。
  2. 【請求項2】 (d)該細胞を活動状態に回復するようにこれを処理する工程
    を更に含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記細胞が哺乳類細胞である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記細胞が卵母細胞である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記細胞が、上皮細胞、神経細胞、表皮細胞、角化細胞、造
    血細胞、メラノサイト、軟骨細胞、B-細胞、T-細胞、赤血球、マクロファージ、
    単球、繊維芽細胞、筋細胞、胚性幹細胞、または成体幹細胞である、請求項3記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 該細胞を、哺乳類細胞膜に関して実質的に不透過性でありか
    つ該細胞の細胞膜を安定化させるような細胞外保護剤と接触させることを更に含
    む、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記保護剤が、スクロース、トレハロース、フルクトース、
    デキストラン、およびラフィノースからなる群より選択される糖質を少なくとも
    一つ含有する、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記保護剤が、グルコース、ソルビトール、マンニトール、
    ラクトース、マルトース、およびスタキオースからなる群より選択される糖質を
    少なくとも一つ含有する、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記保護剤が、ガラス転移温度が-50℃よりも高い糖質を少
    なくとも一つ含有する、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記保護剤が、ガラス転移温度が-30℃よりも高い糖質を
    少なくとも一つ含有する、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記保護剤が、分子量が120ダルトンよりも大きい糖質を
    少なくとも一つ含有する、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記保護剤が、ガラス転移温度が-30℃よりも高く且つ分
    子量が120ダルトンよりも大きい糖質を少なくとも一つ含有する、請求項1記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 前記保護剤が、ガラス転移温度が-50℃よりも高い糖質に
    由来した糖残基を少なくとも一つ含む糖脂質または糖タンパク質を含有する、請
    求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記糖質の細胞質濃度が、工程(a)の後および工程(b)の前
    に約1.0M未満またはこれに等しい、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記糖質の細胞質濃度が、工程(a)の後および工程(b)の前
    に約0.2M未満またはこれに等しい、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記細胞外保護剤が細胞外糖質を含有する、請求項6記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記細胞が液体培地において維持され、該細胞外糖質の細
    胞外濃度が該液体培地への希釈後約1.0M未満またはこれに等しい、請求項16記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 前記細胞外糖質の細胞外濃度が、該液体培地への希釈後約
    0.2M未満またはこれに等しい、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記細胞が固形培地において維持され、該細胞外糖質の濃
    度が該細胞への投与後約1.0M未満またはこれに等しい、請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記細胞外糖質の濃度が、該細胞への投与後約0.2M未満ま
    たはこれに等しい、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(b)が、極低温への該細胞の凍結を含む、請求項1記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 前記細胞が超急速凍結される、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記細胞が、0.3〜6℃/分の速度で、低くとも-50℃の最終
    温度まで冷却される、請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記細胞が、0.3〜3℃/分の速度で、-50〜-10℃の間の最
    終温度まで冷却される、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 工程(d)が該細胞の解凍を含む、請求項21記載の方法。
  26. 【請求項26】 工程(b)が、該細胞を、乾燥貯蔵を可能にするのに十分な
    レベルにまで乾燥することを含む、請求項1記載の方法。
  27. 【請求項27】 工程(b)が該細胞の凍結乾燥を含む、請求項26記載の方法
  28. 【請求項28】 工程(b)が該細胞の真空または対流乾燥を含む、請求項26
    記載の方法。
  29. 【請求項29】 工程(d)が該細胞の再水和を含む、請求項26記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記保護剤のみが使用される、請求項1記載の方法。
  31. 【請求項31】 工程(a)の前に、該細胞が、300mosmよりも大きいモル浸透
    圧濃度を有する高張培地中で維持される、請求項1記載の方法。
  32. 【請求項32】 工程(d)の後に、該細胞が、300mosmよりも大きいモル浸
    透圧濃度を有する高張培地中で培養される、請求項2記載の方法。
  33. 【請求項33】 浸透性の凍結保護剤混合物が該保存剤に添加される、請求
    項1記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記細胞を300mosmよりも大きいモル浸透圧濃度を有する
    高張培地中でインキュベーションすることを含む、インビトロにおいて細胞を培
    養する方法。
  35. 【請求項35】 前記培地のモル浸透圧濃度が320mosmよりも大きい、請求
    項34記載の方法。
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