JP2003530802A - 複合材料のホルダ付きパンタグラフの集電弓 - Google Patents
複合材料のホルダ付きパンタグラフの集電弓Info
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Abstract
Description
リー」と呼ばれる固定した電気導体から、停車中または運行中の鉄道車両への集
電のために使用されるものである。本発明は、より特徴的には、パンタグラフの
集電弓に関するものであって、該集電弓は、カテナリーとの電気接触を目的とし
た前記すり板と、該すり板を支えることを目的とした前記集電弓のホルダとを含
んでいる。
とを含む。支持装置は、集電弓を支え、また、それを一般的に銅線であるカテナ
リーと接触させることを可能にし、このように、運行中または停車中の車両の方
へカテナリーの電流の移動を確実に行う。集電弓は、一般的に炭素質の材料製で
あるすり板と、ホルダと、電気接続の手段とを含む。すり板は、典型的には黒鉛
製であり、また、銅または銅を主成分とした合金を含浸することができる。
えであり、すり板の機械的性能を高めるものである。すなわち、すり板だけでは
、両端の角(つの)まで固定することを可能にするのに十分な機械的特性を有さ
ず、また、カテナリーとの接触によって引起こされる衝撃には十分には耐えられ
ない。これらの機械的応力は、すり板に裂け目の形成をもたらす可能性があり、
該裂け目は、すり板の破断へと導く可能性があるものである。ホルダは、通常は
、該ホルダを支持装置に機械的に固定するための手段を備えている。
う付けは、すり板が十分に真っ直ぐであることが必要であるという不都合を呈し
、これは、典型的には加工作業を含んだ平坦化作業によって得られることができ
るものであるが、該平坦化作業は、生産においてコスト超過となるものである。
ろう付けは、本来、長く、費用のかかる作業でもあり、なぜなら、該作業は、部
品の錆落とし、パッシベーション、サンドブラスト、および錫引き等の、いくつ
もの中間作業をもたらすからである。
る手段を追求した。
および有機の結着剤を含む少なくとも一つの有機の複合材料から成ることを特徴
とする。
を利用することを思いついたが、該材料とは、鋳型に入れる際、および接合する
時に柔らかく、そして、適切な処理によって後で硬化することのできるものであ
る。そのような方法によって、本材料は、磨耗板の表面の凹凸に、より容易にぴ
ったり一致することができ、このように、すり板を平らにする追加作業に頼るこ
とを避けるのである。一旦硬化すると、材料は、全体の機械的特性を著しく高め
、そして、金属製の材料に頼ることを避けるのである。
成る。部品の数を制限して接合を単純化するために、ホルダは、完全に前記複合
材料から成ることができる。
は、本発明によるすり板(言い換えると磨耗板)とホルダとを含む。
ている。
a)側面図;b)底面図である。図2は、従来技術の典型的な集電弓を、集電弓
の長手方向に対する横断面図で表されている(図1の平面図A−A)。
弓の長手方向に対する横断面図。
、を横断面B−Bに従ってみた図4の集電弓を示すものである。図6は、図4の
集電弓の一端を示しており、縦断面A−Aの平面図に従ったものである。破線は
、典型的な端の角の輪郭の図を示しており、該角は集電弓の端に固定されるもの
である。
断面で認められている。
型的には、すり板(2)、ホルダ(3)、固定手段(4)、電気接続の手段(5
)、そして、損傷と磨耗の検出手段(6)とを含む。利用においては、すり板は
カテナリー(10)と接触させられるが、これは、これら、二つの構成要素の間
で電気エネルギーの伝達を可能にするためである。ホルダは、典型的には、中空
の形鋼から得られる。ホルダ(3)は、すり板(2)の機械的性能を、該すり板
が黒鉛を主成分とするときに向上させて、そして、手段(4)を使ってパンタグ
ラフに集電弓を固定することを可能にする。すり板とホルダの間の結合は、典型
的には、二つの部品の間の接触面(7)の突き合わせ溶接と、縁(8)の塑性変
形を使った機械的締付けとを含む。集電弓は、一般的には、端の角(9)を備え
ており、該角は機械的な固定手段(90)によって固定されている。
部分が、繊維および有機の結着剤を含む少なくとも一つの有機の複合材料を含む
ことを特徴とするものである。
の結着剤は、好ましくはポリマー樹脂であり、またさらに好ましくは、熱硬化性
のポリマー樹脂である。繊維は、有機繊維(アラミド繊維等)かあるいは、無機
繊維(ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、またはセラミック繊維等)かである
ことができる。例えば、前記複合材料は、ガラス繊維を持ったフェノール樹脂で
あることができる。繊維は、それらの特性を有利に組み合わせるために、組成の
点で異なることができる。
く(すなわち典型的には20mmを超える長さ)もあり得る。長い繊維の場合に
は、これらの繊維は、ホルダの繊維とほぼ同じ長さのロービングから成ることが
できる。ロービングは、基礎の糸のよりあわせであり、これらの糸は、ほぼ平行
なように並べられ、また、ねじれなしでまとめられたものである。長い繊維は、
結着剤の破断の場合に、断片の分離を避けるという利点がある。
ーとホルダの間の電気アーク現象を減らすことが可能となる。電気アークは、カ
テナリーがすり板のすぐ近くにあるにもかかわらず接触していないとき、生じる
可能性がある。これらの電気アークは、衝撃点で、集電弓を損なう可能性がある
。
、集電弓の大きさと複合材料の組成に従うものである。ホルダの側面(31)は
底(30)よりも薄いことが可能である。ホルダ(3)は、側面(31)を含ま
ないこともできる。
のに適している。
目的としており、ホルダ(3)が、全体もしくは一部分が、繊維および有機の結
着剤を含む少なくとも一つの有機の複合材料から成ることを特徴とする。
または、全体もしくは一部分に、C/C複合材料を含むことができ、場合によっ
ては金属が含浸している。含浸用金属は、銅、または銅を含む合金(黄銅や青銅
等)、もしくは、鉛、または鉛を含む合金でありうる。
に浸った炭素繊維(言い換えると「繊維から成る被覆用素材」)を含んでいるも
のである。炭素繊維は、例えば、ピッチ繊維、ポリアクリロニトリル由来の繊維
、またはビスコース由来の繊維等である。これらの繊維は、様々な形状で外観を
示すことができるが、それらは、2Dや3Dの織物、単一方向の層、または不統
一繊維のような形状である。
、ついで熱分解されて繊維の周りに炭素分子の骨格構造を残す、炭素の豊富な液
体の浸透によるものであり、この作業は必要なだけ繰り返される(典型的には3
または4回)、ガスの分解を容易にする熱力学の条件において炭素の豊富なガス
の浸透によって、繊維上にピロカーボンの堆積を残すもの、もしくは、これら二
つの技術の組合わせによるようなものである。
孔質体に浸透することにより(すなわち、多孔質体は、複合材料の炭素の、結着
剤の構成の段階のあと開かれた状態のままである)、また、浸透した金属が固ま
ることによって得ることができる。浸透は、一般的には、オートクレーブで、高
い圧力(典型的には20から200バール)で行われるが、これは、液体金属の
多孔質体への適切な浸透を確実に行うためである。
の手段(51,52)も含むことになる。複合材料が電気絶縁体であるとき、電
気接続の手段は、すり板によって集められた電気エネルギーの効果的な伝達を可
能にする。例えば、電気の接続は、少なくとも一つのねじ(52)によって得る
ことができるが、該ねじは、一方では、すり板に入り込み、また他方では、少な
くとも一つの接続用脚(51)と電気接続しているものであり、該接続用脚は、
一般的に金属製の脚である。
ための手段(6,61,62)を含むことができ、図4から6に示されるとおり
である。これらの手段は、一般的に配管(62)を含むが、該配管は、典型的に
は金属製、黒鉛製、またはC/C複合材料製のチューブ(61)であって、その
中で、既知の技術に従った検出用流体が循環することができる。チューブ(61
)は、典型的には、すり板(2)内に整備され、かつすり板(2)のすり面(2
0)にほぼ縦断方向に平行の、孔の中かあるいは、ホルダ(3)と接触している
すり板(2)の表面内に準備されたほぼ縦断方向の溝の中に位置づけられている
が、前記該溝は、一般的には、すり面(20)の反対側の面(21)の中心部分
にある。配管(62)は、チューブ(61)を含まないで、気密性の手段および
/または補完する内壁を使って前記孔または前記溝によって形成されることがで
きる。
手段(9,91)によって固定されており、開口部(9)およびねじ(91)の
ようなものである。
型は鋳型胴部(101,102)と対向鋳型(103)とを含んでいる(図7A
)。本発明によると、前記方法は、好ましくは以下を含む: −すり板(2)の鋳型(100)への挿入(図7B); −(「プレプレグ」と呼ばれる)繊維と樹脂の混合物(110)の、すり板(2
)への付着(図7C); −対向鋳型(103)を利用してのプレプレグのプレス加工であり、該プレプレ
グが均等に行きわたるように、そして、すり板と樹脂の間に密着が確保するよう
にする(図7D); −重合による複合材料の硬化の作業。この過程は、使用される樹脂に適合する工
程の順に従って、炉の中での加熱によって実現することが可能である。実際には
、集電弓を鋳型の中で「未加工の」ままにしておきながら、硬化の過程を実行す
ることは有利であり、このことによって、製品の最終的な形状をコントロールす
ることが可能となる; −このように得られた集電弓を鋳型から取り出す。(図7E)。
、分離式かつ相補型の部品(101,102)から成ることができる。
こともでき、該作業において、鋳型(100)の胴部(101,102)から対
向鋳型(103)が引き離される。この作業は、鋳型の胴部の形成(例えば、相
補型部品(101,102)の接合によるもの)、および/または、鋳型からの
取り出しを容易にすることを目指す製品の適用を含むこともできる。
よび/または端の角(9)の固定作業を含むことができる。
にするという利点がある。該方法は同じく、ホルダとすり板の間の緊密な接触を
作り出すことも可能にするが、この緊密な接触は、これらの部品の間の接合点に
高い付着力および気密性を付与するのに適している。
的としている。
。典型的には、長いガラス繊維を持つフェノール樹脂を用いて、また約2mmの
厚みのホルダの底(30)を用いて、本発明による集電弓は、それらの中心で4
00kgの負荷を、壊れることなく支えることができた(三点試験に従ったが、
該試験は、ホルダを二つの支点の上に乗せること、そして、その上側に与えられ
た重さをその中心に印加することにある)。さらに、すり板(試験において黒鉛
製)と樹脂の間の接合点は、非常に強く、非常に高い付着力を確保していた。4
0kgの衝突のサイクルは2秒毎で12時間続くものであるが、接合を損なわな
かった。最後に、運転状態で、試験にかけられた集電弓は、フェノール樹脂の場
合にはおよそ300℃の温度に持ちこたえていたが、これは大部分の応用に明ら
かに十分なものである。
気アーク現象をおさえるという利点もある。
に得られる従来技術の金属製ホルダ(典型的には鋼製またはアルミニウム製)の
実現に通常は必要な期間よりも、明らかに短い。
な形状に非常に適している。
ダ全体の一体性を維持することができる。
弓は、すり板とホルダの間に水が浸透する危険性を排除することを可能にするが
、この危険性は、金属製のホルダを含む、また、はんだ付け、ろう付けまたは接
着によって接合される従来技術の集電弓において生じる可能性があるものであり
、またそれはとくに、凍結の場合に集電弓の破損を導く可能性があるからである
。
Claims (17)
- 【請求項1】パンタグラフの集電弓のホルダ(3)であり、全体もしくは一
部分が、繊維および有機物の結着剤を含む少なくとも一つの有機の複合材料を含
むことを特徴とする、パンタグラフの集電弓のホルダ。 - 【請求項2】前記結着剤が、ポリマー樹脂であることを特徴とする、請求項
1に記載のホルダ。 - 【請求項3】前記ポリマー樹脂が、熱硬化性ポリマー樹脂であることを特徴
とする、請求項2に記載のホルダ。 - 【請求項4】前記熱硬化性のポリマー樹脂が、フェノール樹脂であることを
特徴とする、請求項3に記載のホルダ。 - 【請求項5】前記繊維が、有機繊維を含むことを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一つに記載のホルダ。 - 【請求項6】前記繊維が、無機繊維を含むことを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一つに記載のホルダ。 - 【請求項7】前記無機質の繊維が、ガラス繊維を含むことを特徴とする、請
求項6に記載のホルダ。 - 【請求項8】機械的固定手段(4,11)をさらに含むことを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一つに記載のホルダ。 - 【請求項9】電気接続の手段(51,52)をさらに含むことを特徴とする
、請求項1から8のいずれか一つに記載のホルダ。 - 【請求項10】パンタグラフの集電弓(1)であり、すり板(2)と、請求
項1から9のいずれか一つに記載のホルダ(3)を含むパンタグラフの集電弓。 - 【請求項11】すり板(2)が、黒鉛製、または炭素/炭素複合材料である
ことを特徴とする、請求項10に記載の集電弓。 - 【請求項12】すり板(2)が、金属を含浸した黒鉛製、または金属を含浸
した炭素/炭素複合材料であることを特徴とする、請求項10に記載の集電弓。 - 【請求項13】前記金属が、銅、または銅を含む合金で、黄銅や青銅のよう
なもの、もしくは、鉛、または鉛を含む合金であることを特徴とする、請求項1
2に記載の集電弓。 - 【請求項14】すり板の、損傷および/または磨耗を検出するための手段(
6,61,62)をさらに含むことを特徴とする、請求項10から13のいずれ
か一つに記載の集電弓。 - 【請求項15】請求項10から14のいずれか一つに記載の集電弓(1)を
少なくとも含む、パンタグラフ。 - 【請求項16】集電弓の製造方法であり、以下を含むことを特徴とする、請
求項10から14のいずれか一つに記載の集電弓の製造方法: −すり板(2)の鋳型(100)への挿入であって、該鋳型は、鋳型胴体(10
1,102)と対向鋳型(103)とを含んでいる; −繊維と樹脂の混合物、または「プレプレグ」、(110)の、すり板(2)へ
の付着; −対向鋳型(103)を使ってのプレプレグのプレス加工であって、該プレプレ
グが均等に行きわたるように、そして、すり板と樹脂の間に密着を確保するよう
にするものである; −重合による複合材料の硬化作業; −集電弓を、鋳型から取り出す。 - 【請求項17】鋳型が、分離式かつ相補型の部品(101,102)から成
ることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
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