JP2003530081A - 改良後の自動化lpa検査法および癌検知法 - Google Patents

改良後の自動化lpa検査法および癌検知法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リゾホスファチジン酸を含む、患者の種々のリゾホスホリピッドを測定することによる癌検知のための改善された酵素的診断検査法に関する。好ましい態様では、本検査法は、最小数の試薬及び短縮されたインキュベーション時間を採用する自動化方式においてヒト血漿のLPAレベルを測定する。本発明は、先行技術文献に開示された現行のLPA検査法に追加した複数の技術的改善をも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (導入および発明の背景) 米国では、癌は、心臓疾患に次ぐ主な死亡原因である、1999年には、およ
そ56万3100人の米国人が癌で死亡すると予想される。さらに、1999年
に米国での新たな癌の発症件数は、約122万1800件に達すると予想される
。米国で見られる主な固形癌は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、卵巣癌などで
ある。肺癌は、男女を問わず、死亡原因として最も一般的な癌であり、1999
年に肺癌に関連して死亡するケースは、 15万9000件と予想される。結腸
直腸癌に関連する死亡ケースは、これに次いで5万6000件と予想される。乳
がんは、引き続き米国において女性に発症する最も一般的な癌であり、1999
年中に17万6300件が新たに乳癌であると診断されるものと予想される。一
方、男性の場合は、前立腺癌が最も一般的で、1999年中に新たに17万93
00件が前立腺癌であると診断され、3万7000件が前立腺癌に関連して死亡
すると予想される。卵巣癌は、婦人科の主な死亡原因である。
【0002】 これら臓器の疾病素因または臓器の状態の検知、診断、ステージング、監視、
予測、予防、治療または判断のそれぞれの方法は、患者の治療結果を左右する極
めて重要な要素である。一般的には、早期に固形癌の発症を検知すれば、当該疾
病に関連する死亡率は大幅に低減されるものと理解される。例えば前立腺癌の場
合、癌転位があると診断された患者の5年間における相対的生存率が25%から
31%であるのに対して、局在の癌であると診断された患者の同生存率は90%
とはるかに高い。癌のステージングは、癌発症が確認されてから行われる。なぜ
なら、ステージングは、患者の治療結果を予測する強力な手段であり、また患者
の治療に大きな影響を及ぼす。加えて、患者は、当初の治療を受けた後に、持続
性疾患の有無の判断および早期の転移発見を目的に監視下に置かれる。しかし、
癌患者の管理に関する現行の標準的な方法よりも精密であり、また明確な新しい
テスト方法を採用することが明らかに必要である。
【0003】 婦人科系の癌、特に卵巣がんの疑いがある女性は、特に初期段階で正確に癌の
発症を診断する必要がある。卵巣癌の患者は、婦人家系の癌を発症している女性
のなかで最も死亡率が高く、1998年に米国において卵巣癌で死亡したケース
は1万4500件であったと見込まれる。卵巣癌の患者の3分の2以上に、初期
段階の診断で転移性疾患の拡大が認められている。癌が進行した段階にある女性
の場合、5年間の生存率は、15%に満たない。このような恐ろしいほどに生存
率が低い原因は、少なくとも部分的には、癌をステージIの段階で検知すること
ができないことにある。ステージ1の段階では、長期的生存率はほぼ90%に近
い。予後の状態を改善し、卵巣癌の患者の生存率を全体的に高めるためには、初
期段階で癌を検知する方法の採用が必要不可欠である。
【0004】 (従来の技術) 一般的には、リゾホスファチジン酸(以下、「LPA」と略)などの様々なリ
ゾホスホリピッドの検知は、悪性腫瘍、特に卵巣の悪性腫瘍など、様々な種類の
疾病の兆候を示すものとして知られる。アメリカ医学学会誌(JAMA)の19
98年8月26日;280(8):719−723に記載される「Potent
ial Biomarker for Ovarian and Other
Gynecological Cancers:卵巣癌およびその他の婦人科系
癌の潜在的なバイオマーカーとしてのリゾホスファチジン酸」でも説明される。
従って、LPAを利用した診断法は、悪性腫瘍、特に初期段階の卵巣癌の検知を
目的とする診断法として活用することが可能である。
【0005】 従来の技術は、一般的に次のような方法でLPAを検知するものである。LP
Aなどのリゾホスホリピッドを、リゾホスホリパーゼと共にインキュベートして
、グリセロール3リン酸(G−3−P)を生成させる。G−3−Pは、その後に
酸素と水が存在する状態でG−3−Pオキシダーゼを用いてジヒドロキシアセト
ンリン酸と過酸化水素に変化する。NADHの存在下で、G−3−Pデヒドロゲ
ナーゼは、ジヒドロキシアセトンリン酸をG−3−Pに再び変化させ、NADH
を酸化させてNADに変化させる。過酸化水素の測定値は、LPAレベルと相関
関係がある。具体的には、光吸収が505nmは、過酸化水素の蓄積を示唆し、
従って、テストサンプル中にLPAが存在することを意味する。
【0006】 前述の操作を行うために、従来の技術では、LPA濃度を測定するために多段
階からなるプロセスを開示している。第一に、癌検知を目的とした従来の技術に
基づくLPAの測定法には、複数の段階に分かれた手順にて多くの試薬を、患者
から採取した全血など生物学的サンプルに用いた最初の液体:液体有機相抽出が
必要となる。
【0007】 通常のサンプルである血漿は、検査法を妨げる物質を含むと推測されるため、
分析物(analyte)がサンプルから抽出され、その後の検査法でも利用で
きる緩衝液に当初の濃度に改めて再生される。血漿サンプルは、まず初めにクロ
ロフォルム:メタノールを加えてウォルテックスで撹拌し、タンパク質を沈殿さ
せる。タンパク質を沈殿させる遠心分離を実施した後、さらにクロロフォルムと
トリス緩衝液を加えて、できた混合液を再びウォルテックスで撹拌して遠心分離
を施す。この段階で、LPCを含む中性リン脂質のほとんどは有機層中に存在し
、それらは分離されて破棄される。残りの中性リン脂質を除去するためにさらに
クロロフォルムを加えて水層を抽出し、再び層を分離させる。水層には、3回目
のクロロフォルム:メタノール抽出が行われるが、3回目にはLPAに陽子を加
えて、LPAの電荷を中性化するために塩酸が加えられ、その結果、LPAが有
機層に移行する。このときに、有機層は、G3Pを含む水溶性塩を含み、この層
を破棄する。さらにこの有機層に界面活性剤と塩化カルシウムを含む水性トリス
緩衝液を少量加えて混ぜ、溶媒を蒸発させて残留物を採取する。この残留物は、
再生し、検査するまで−80℃にて保存する。多数回に渡ってピペッティングを
繰り返し、何度も抽出作業を繰り返すことから、この方法には、損失及び誤差の
累積が発生する可能性が高い。毒性があり、不安定な溶媒クロロフォルムを使用
することも踏まえて、臨床検査室にて当該方法を用いることは極めて困難である
【0008】 前述の通り、サンプルの抽出および再生により水溶液を作る方法に続き、従来
の技術では、LPAは、−37℃の状態で60分間リゾホスホリパーゼにさらす
ことによって、別個の一つの段階で加水分解されG3Pに変化すると説明される
。G3Pは、さらにG3Pの濃度に準じた割合でNADHを消費し、過酸化水素
を生成する酵素の混合物によって処理される。酵素の一つであるG3Pオキシダ
ーゼは、G3Pを酸化させて、過酸化水素を放出するとともにDHAPを生成す
る。その他の酵素であるグリセロールリン酸デヒドロゲナーゼは、DHAPを再
びG3Pに戻す働きがあり、この逆反応は、NADHをNADに変化させること
によって進行する。この循環反応の速度、つまり過酸化水素を生成し、NADH
がNADに変化する速度は、(その他の変数は全て一定であると仮定して)G3
Pの濃度によって左右される。従来の技術によると、反応の度合いは、二つの方
法のいずれかによって決定される。NADHの濃度は、継続的にモニターするか
、あるいはインキュベーション終了時にモニターし、濃度の低下は、340nm
で吸光度の損失を測定することによって測定される。また、インキュベーション
終了時(従来の技術では60分間と設定されている)、生成された過酸化水素の
量を、ペルオキシダーゼと発色基質を用いて、発色反応によって測定することも
可能である。
【0009】 その後、分光光度法による光学密度OD340(つまり消失OD340)にて
、NADHの消失(酸化)を観測する。または、過酸化水素の生成は、例えば蛍
光光度法または化学発光法による比色分析的に測定してもよい。発色反応による
検査法には、4アミノアンチピリン(AAP)、ピロガロール、2−(2’−ア
ジノビス(3−エチルベンズチアゾリン−スルホン酸)(ABTS)、および3
,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)など多数の発色基質のう
ちいずれのものも使用することができる。
【0010】 明らかに理解できるように、この複雑なLPA検査プロセスは、多くの種類の
異なる試薬を、多くの別個の段階で、特定の時系列的順番に従って使用しなけれ
ばならない。さらに、試薬のなかには、使用する直前に混合しなければならない
ものも含まれる。このように複雑であることから、このようなLPA検査方法を
自動化することは不可能ではないが、それは困難であり、各段階のインキュベー
ション時間が長いことから、臨床検査法としてこの検査方法を採用することは困
難である。
【0011】 さらに、従来の技術の問題点として、キャリブレータ(calibrator
)の安定性が低いことが挙げられる。過去に、キャリブレータは、使用するまで
−70℃の状態で保存されていた。−70℃での保管は、難しくまたコストを要
することが一つの欠点である。加えて、−70℃の状態での保管による温度低下
でキャリブレータが損傷しやすいことから、患者の測定値を誤って読み取る可能
性がある。本発明の発明者は、4℃および室温の状態で安定した性能を発揮する
キャリブレータを発明した。この新しいキャリブレータは、キャリブレータ保管
基質からカルシウムを完全に除去したものである。これまで、カルシウムは、保
管容器の両側面にLPAを吸着させないようにするには、不可欠である考えられ
ていた。本発明の発明者は、カルシウムの存在は、実際には、キャリブレータを
−70℃以上で保管すると、LPAそのものの安定性の低下または使い勝手の悪
さの原因となることを発見した。
【0012】 従来の技術のもう一つの問題点は、前述の通り、加水分解とサイクリングがそ
れぞれ別の段階で行われることにある。これまで、少なくとも別個の二つの段階
−1つの加水分解段階と1つのサイクリング段階−がプロセスに含まれた。欠点
は、多くの異なる試薬製剤が必要で、それぞれの段階でそれぞれ1時間のインキ
ュベーション時間を要する点である。具体的には、従来の技術を用いた方法では
、様々な酵素を異なる別個の試薬として保管し、それぞれ異なる温度で保存する
。リゾホスホリパーゼは、−80℃にて保管され、異なる別個の加水分解試薬と
して1時間の加水分解段階にて使用される。サイクリング酵素(cycling
enzyme)は、多くの試薬の中に浸透していった。前述のプロセス段階と
多数試薬を使用する理由は、これまで、正確な測定値を得るためには、サイクリ
ング反応の前に、LPAを完全にG3Pへ変化させる必要があると考えられてい
たためである。本発明の発明者は、加水分解プロセスとサイクリングプロセスに
用いる化合物を一つの試薬として混合し、さらに現行2時間の反応時間を15分
またはそれ以下に短縮することができるように検査方法を最適化した。具体的に
は、本発明の発明者は、リパーゼ、G3Pオキシダーゼ、G3Pデヒドロゲナー
ゼ、CaCl、トリス緩衝液を混合し、4℃で安定性を維持する単一の試薬と
した。NADHは、これとは別個に−20℃で保管される。本発明の発明者は、
LPAからのG3P生成が、G3PオキシダーゼとG3Pデヒドロゲナーゼを用
いて行われるサイクリングプロセスを妨げず、また測定値は極めて正確であるこ
とを予期せずして発見した。インキュベーション時間の短縮は、検査法の自動化
を図るだけでなく、臨床医に対して効果的な検査方法を提供するに当たって必要
不可欠であり、本発明によってそれらが可能となる。
【0013】 従来の技術のさらなる問題点として、リゾホスファシジルコリン(LPC)の
交差反応が極めて激しい点が挙げられる。これまで、LPCおよび/またはG3
PからLPAを分離するために、前述の通り必須のリピッド抽出プロセスが採用
された。新規の単一加水分解サイグリング方式では、LPCを検知することもな
いため、面倒な抽出プロセスは完全の省くことができる。検査法からリピッド抽
出プロセスを省くことによって、抽出の複雑で困難な工程を省くことができるた
め、この方法を自動化することが可能になる。
【0014】 従来の技術を用いた検査法では、サンプルの取扱いが重要な要素であることに
変わりはない。血小板の溶解を防ぐために、十分に血液サンプルを採取し、十分
に遠心分離して血小板および赤血球を取り除かなければならない。採取後あるい
は遠心分離後に直ちにテストを実施しない場合は、LPA濃度の変化を防ぐため
にサンプルを−20℃で凍結させなければならない。さらに、遊離したG3Pが
存在する場合には、G3Pを別個に測定して、実際のLPA濃度を得るためにG
3Pを差引く必要がある。
【0015】 従来の技術を用いた検査法には、その他にも問題がある。それは、ペルオキシ
ダーゼ、色素体前駆物質溶液など、安定化した検知試薬が不足している問題であ
る。従来は、この方法に用いられる成分は、それぞれ別個に保管され、使用する
直前に混合された。ここでも、複数の段階を踏まなければならないことから、こ
の方法の自動化が不可能、または非実用的になる。本発明の発明者は、ペルオキ
シダーゼと色素体前駆物質溶液を混ぜて室温および37℃で安定した性質を維持
させる方法を発見した。具体的には、本発明の発明者は、色素体前駆物質である
フェノール、フェノール誘導体およびフェナゾンを混合させて、安定した1つの
試薬とした。さらに、本発明の発明者は、ソジウムアジド(抗菌物質)、トリト
ンX100およびFG−10消泡剤を加えて、安定性の向上と保管期限の延長を
図った。
【0016】 さらに前述のように改善した試薬を用いることによって、本発明の発明者は、
色素体前駆物質溶液もまた加えられたHRPOを安定化させ、さらに試薬の数を
減らすことができることを発見した。このようにプロセスが簡素化され、試薬の
安定性が向上したことから、検査法の精度が強化されるとともに、その自動化が
可能であり、また自動化された検査法が信頼できるものになる。
【0017】 (発明の概要) 本発明は、リゾホスファシジン酸(LPA)など、患者の様々なリゾホスホリ
ピッドを測定することによって悪性腫瘍を検知するための改善を加えた診断検査
法に関係するものである。好ましい実施態様では、当該検査方法は、最低限の試
薬を用いて、インキュベーション時間を短縮して人間の血漿に含まれるLPAを
自動測定する。本発明には、従来の技術に開示された現行のLPA検査法に、次
のような技術的な改善をさらにいくつか加えたものである。
【0018】 本発明の発明者はまた、従来の技術を用いた多段階プロセスによる検査法と比
較して、改善を加えた単一プロセスによるこの検査法では、LPCの交差反応性
が大幅に低下することを示している。これによって、現行の抽出段階が完全に省
かれる。
【0019】 本発明の発明者は、加水分解およびサイクリング酵素および関連する溶液を混
合させることが可能であること、さらにこの単一の試薬は安定した性質を持ち、
有効であることを示している。
【0020】 本発明の発明者は、LPAキャリブレータの安定性は、これまでキャリブレー
タの有効性に不可欠であると考えられていたカルシウムをキャリブレータの基質
から除去することによって大幅に改善することができることを示している。
【0021】 さらに、本発明の発明者は、未抽出血漿を実際のサンプルとして使用するLP
A検査方法を考案した。
【0022】 本発明の発明者は、これらに加えて検知試薬の改善後の組成を示しており、当
該組成には、ペルオキシダーゼおよび色素体前駆物質の両方が含まれ、従来の技
術に基づく試薬と比較して安定性が大幅に改善されている。本発明は、これら前
駆物質を単一の試薬として組合わせるだけでなく、それらが室温の状態において
も有効性を維持できるようにこれら試薬を安定化させ、それによって冷凍保存の
必要性を省くことができ、保管期限を延長することが可能になる。この点からも
、検査方法そのものを単純化し、自動化することができる。
【0023】 加えて、本発明の発明者は、実際に検査法を自動化し、吸光度測定から蛍光発
光度測定への切り換えを可能にする蛍光物質を加えることによって当該検査法を
自動化機械に組み入れることを実現させた。この蛍光測定は、従来の技術を用い
た色素体測定方法よりも高い反応度を示す。
【0024】 本発明は、検査法の特異性および組成される試薬の安定性の改善、多数の段階
の削除、検査方法のインキュベーション時間の短縮、検査方法の実際の自動化の
点で、従来の技術とは異なる。また、本発明は、抽出段階が省かれており、実際
のサンプルとして血漿が使用可能である点でも従来の技術とは異なる。
【0025】 (発明の詳細な説明) 本検査法で用いる、リゾホスホリパーゼは、リゾグリセロホスホリピッドの1
位または2位(つまりsn−1またはsn−2ポジション)から脂肪酸(エステ
ル結合体)を加水分解するものであればどのリパーゼでも使用可能である。ホス
ホリパーゼB、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、リゾホスホリパーゼ、ホ
スホリパーゼA、ホスホリパーゼA、レシチナーゼB、リゾレクチナーゼな
どがその例である。
【0026】 用いられるサイクリング酵素は、グリセロール3リン酸(G3P)の中間体を
DHPへ変化させる、あるいはその逆反応をおこさせ、その過程で、好ましくは
実際に検出される種である過酸化水素の生成を増加させる酵素または複数の酵素
の混合体のいずれでもよい。好ましい2種の酵素は、G3Pをジヒドロキシアセ
トンリン酸(この段階でも過酸化水素が生成される)に変化させるグリセロール
3リン酸(G3P)と、NADHが存在する場合にジヒドロキシアセトンリン酸
をG3Pに再び変化させるグリセロール−リン酸デヒドロゲナーゼである。G3
Pは、同じサイクルを経て、さらに過酸化水素を生成する。その他に使用可能な
サイクリング酵素としては、セリンデヒドロゲナーゼ、セリンデアミナーゼ、ア
ルデヒドデヒトロゲナーゼ、エタノールアミンデアミナーゼ、グリセロキナーゼ
、グリセロールデヒドロゲナーゼなどが挙げられる。
【0027】 NADHは、安定化が施されている方が望ましく、NADHを安定化させる方
法は、1987年11月3日に発行された米国特許番号4,704,365番「
Composition and Method for Stabiliza
tion of Dinucleotides:ジヌクレオチド安定化のための
組成物と方法」にて説明される。当該特許は、本明細書に援用される。当該特許
にて説明される組成には、50%のプロピレングリコール(多水酸基アルキル溶
剤)、ホウ酸、緩衝液が含まれる。具体的には、当該特許では、プロピレングリ
コール、ホウ酸及びpH8から11の間で緩衝可能な緩衝液を含む水性塩基液の
なかで安定化されている、減少したジヌクレオチド、好ましくはニコチンアミド
・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)が開示されている。この安定化された
液体には、50%(v/v)を越える水分が含まれる。残りの容量には、酸化体
を取り除くために化学的に処理されたプロピレングリコールが含まれる。この安
定剤の正確性は、pHおよびグリセロールの量ならびにサンプルの量によって左
右される。
【0028】 加水分解/サイクリング混合物には、リゾホスホリピッドの劣化または生成を
防ぐ成分が含まれる。リゾホスホリピッドの生成抑制またはリゾホスホリピッド
の加水分解を阻害する試薬には、アリストリン酸(9−メトキシ−6−ニトロフ
ェナントロ−(3,4−d)−ダイオキソール−5−カルボン酸、バイオモル調
査研究所、Plymauth Meeting、PA);ONO−R−082(
2−(p−アミルシンナモイル)アミノ−4−クロロ安息香酸、バイオモル);
OBAA(3−(4−オクタデシル)−ベンゾイルアクリル酸、バイオモル)、
4−ブロモフェナシルブロミド(シグマ);キナクリン(6−クロロ−9−(4
−ジエチルアミノ)−1−メチルブチル)アミノ−2−メトキシクリジン、メパ
クリン、シグマ);マノアライド(バイオモル)およびHELSS(ハロエノー
ルラクトン自殺基質、バイオモル)などの特異的なPLA2反応阻害剤や、IB
MX(3−イソブチル−1−メチルキサンチン、カルバイオケム、La Jol
la、CA);Ro−20−1724(カルバイオケム);ザプリナスト(カル
バイオケム)およびペントキシフィリン(カルバイオケム)などのホスホジエス
テラーゼ阻害剤、E−64(trans−エポキシスクシニル−L−ロイシルア
ミド−(4−グアニジノ)ブタン、シグマ);ロイペプチン(シグマ);ペプス
タチンA(シグマ);TPCK(N−トシル−L−フェニルアラニンクロロメチ
ルケトン、シグマ);PMSF(フェニルメチルスルホニルフロリド、シグマ)
;ベンズアミジン(シグマ)および1,10−フェナントロリン(シグマ)など
の一般的なプロテアーゼ阻害剤、クロロフォルム、メタノールなどの有機溶剤、
SDSなどの界面活性剤;トリプシン(シグマ)、熱安定性プロテアーゼ(ベー
リンガー・マンハイム・バイオケミカルズ、Indianapolis、IN)
などホスホリパーゼを分解するプロテアーゼ、EDTA(エチレンジアミン四酢
酸、シグマ)、EGTA(エチレングリコール−ビス−(ベータ−アミノエチル
エーテル)、シグマ)などの金属キレート剤が含まれる。これらの試薬は、リゾ
ホスホリピッドの生成を低減するかリゾホスホリピッドを分解することによって
サンプル中のリゾホスホリピッドを維持する能力によって特徴付けられる。
【0029】 ペルオキシダーゼ溶液には、アスコルビン酸塩、フェロシアン化物、シトクロ
ムcおよび多く色素のロイコ塩基型(leuco form)など、多数の基質
の過酸化水素による酸化を触媒するヘムタンパク質であるペルオキシダーゼが含
まれる。簡単に説明すると、ペルオキシダーゼは、ヘム結合酵素で、電子受容体
として過酸化水素を用いて様々な生合成および分解機能を果す。ペルオキシダー
ゼ種の機能は、自殺基質の反応を触媒し、検知可能な着色酸化状態にすることで
ある。液体検査法のサンプルとしては、3,3’,5,5’−テトラメチルベン
ジジン、5−アミノサリチル酸(5AS)、o−ジアニシジン、o−トルイジン
、o−フェニレンジアミン、2,2’−アジノジ−(3−エチルベンゾチアゾリ
ン−6−スルフォン酸塩)(ABTS)及びストリップ検査法のサンプルとして
は、3,3’−ジアミベンジジン(DAB)、3−アミノ−90−エチルカルバ
ゾル、4−クロロ−1−ナフトール、3,4−ジアミノトルエン、4,5−ジメ
チル−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン
、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0030】 色素体前駆物質溶液は、化合物の混合液であり、それが酸化した時に発色する
。この技術に、蛍光体パートナーのスペクトラムに対応する色を発する色素体を
用いることが可能である。言い換えれば、望ましい色素体は、検査法に用いた蛍
光体の蛍光の減衰として現われる光の吸収が可能でなければならない。色素体前
駆物質は、電子供与体として機能し、また電子を供与することから、色素体前駆
物質は酸化して着色する。
【0031】 蛍光化合物は、紫外線または可視光が放射された時にそれら紫外線または可視
光の一部をさらに波長の長い光として再び放射する化合物である。本発明に用い
られる蛍光化合物は、放射エネルギー減衰(REA)法により、発生した信号の
量を測定するために用いられる。代替として用いることが可能な蛍光化合物は、
色素体の吸収スペクトラムに一致する励起および/または発光スペクトルによっ
て特徴付けられる化合物である。一般的なREA法は、1985年1月22日に
発行された米国特許番号4,495,293号「Fluorometric A
ssay:蛍光検査法」にて説明される。当該特許は、本明細書に援用する。具
体的には、この特許に基づいて、リガンド、試薬システムおよび蛍光剤を含む検
査溶液に含まれるリガンドの量を蛍光光度法に基づいて決定する方法が得られる
。この特許では、この検査溶液から発せられた蛍光剤の強度は、その量が決定さ
れるリガンドと、リガンドが存在する状態で検査溶液の透過性に変化を起こすこ
とができる試薬システムの相互作用によって生じる検査溶液の透過性の変化に関
連する。加えて、検査溶液中のリガンド濃度を分光光度法または蛍光光度法のい
ずれかに基づいて決定するために用いられる新規な試薬組成物が提供される。蛍
光剤の例としては、R−フィコエリトリン、テキサス・レッド、オレゴン・グリ
ーン、フルオレセイン、ローダミン・レッド、テトラメチルローダミン、BOD
IPY FL、BODIPY TR、BODIPY TMR、YOYO−1、D
API、Indo−1、カスケード・ブルー、Fura−2、アミノメチルクマ
リン、カルボキシ−スナーフ、黄燐イエロー、ダンシル派生物などが挙げられる
【0032】 本発明にて企図される陽イオンは、Na、Ca++、Zn++などの陽イオ
ンである。これらは、本発明において、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ
を活性化するために用いられ、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼを活性化
するものであれば、どの陽イオンでも好適である。その他に用いることが可能な
陽イオンは、表1に示す。
【0033】 表1 表1は、1−aグリセロールリン酸オキシダーゼ活性に与える金属イオンの効
果を示す。
【0034】 1−aグリセロールリン酸オキシダーゼ活性は、pH7.0で1mMのリン酸
カリウムおよび「実験方法」のパラグラフで説明されるペルオキシダーゼ関連シ
ステムにより以下の塩が存在する状態で10mMのDL−a−グリセロールリン
酸を混合した緩衝液の中で測定されたものである。
【0035】
【表1】
【0036】 本発明の範囲内で企図されるキレート剤は、プラスの金属イオンに結合する多
座配位種(クエン酸塩、EDTA、EGTAなど)である。キレート剤は、でき
ればキャリブレータを安定化させる、あるいは本発明による測定システムの二価
陽イオンの量を一時的に低減させるために用いられる。
【0037】 フェノールおよびフェナゾンは、電子供与体として用いられる。定義されるフ
ェノールは、ヒドロキシベンゼンであり、時に石炭酸とも称される。誘導体には
、ベンゼンの、フェノール性水酸基以外の位置に置換基を有する化合物が含まれ
る。フェナゾンの例としては、アンチピレンが挙げられる。
【0038】 LPAは、望ましくは検知される化合物であるが、リゾPC、リゾフォスファ
チジルセリン(リゾPS)、リゾフォスファチジルイノシトール(リゾPI)、
リゾフォスファチジルエタノールアミン(リゾPE)、リゾフォスファチジルグ
リセロール(リゾPG)を含む他のリゾホスホリピッドもまた、癌を検知するた
めに本発明の範囲内で企図されるが、これらに限定されるものではない。
【0039】 テストサンプルのLPAを検知するために役立つ手動テスト・キットも同時に
得られる。このキットは、本明細書にて説明される検査法を実施するために必要
な酵素とその他の試薬を含む容器を含む。これらテスト・キットは、テストサン
プル(例えば、食品、尿、唾液、便など)を採取するに当たって役立つツールが
付いた容器を更に含む。これらツールには、ランセット、血液を採取し固定化さ
せるための吸収紙または吸収布、唾液を採取し固定化させるためのスワブ、尿ま
たは便を採取し固定化させるためのカップが含まれる。紙、布、スワブ、カップ
など、採取のための材料は、場合によってはサンプルの変性または回復不能な吸
着を避けるための処理を施す。また採取のための材料は、採取した標本が完全な
状態を維持できるように、保存剤、安定剤、または抗菌剤によって処理するか、
それらを混合する。
【0040】 これらリゾホスホリピッドの変化後の濃度に相関性を持つ疾病は、炎症など血
小板が活性化した状態に関係する症状が含まれる。リン脂質代謝の変化が、多く
の疾病に見られ、それらは血液など、生物学的液体に含まれるリゾホスホリピッ
ドおよびリン脂質の量の変化へとつながる。これら疾病には、アルツハイマー病
、糖尿病、心臓疾患、虚血症、肝臓疾患、肺疾患、マラリア、筋ジストロフィー
、パーキンソン病、鎖状赤血球貧血、種々の癌など疾病が含まれるが、これらに
限定されるものではない。これらの疾病では、欠陥のある細胞機能によって、リ
ン脂質の量が変化する。その他の疾病としては、血液凝固障害を引き起こす血小
板の異常機能に関連する疾病を含む出血性疾患などが挙げられる。
【0041】 アボットIMx、アボット・アルシオン、アボットAxSym、東芝エアロセ
ットに限定されるものではないが、これらを含む様々な自動キャリブレータは、
本発明に基づく検査法と関連させて利用することが可能である。
【0042】 (実施例) 以下に、本発明に基づく検査法を説明し、当業者が同検査法を用いるのを補佐
するために、実施例を示す。実施例は、本発明に関して与えられた特許証によっ
て認められる開示または特許権の保護の範囲を限定することを決して意図したも
のではない。
【0043】 実施例1 試薬の混合/段階の削除 本実施例では、LPAを用いた検査法により、どのようにして、わずか2段階
、または2種類の試薬を使用するに至るかを示す。
【0044】 リゾホスホリパーゼは、次のような方法で、単一の試薬を生成するために、サ
イクリング酵素(即ちグリセロール−3−リン酸オキシダーゼおよびグリセロー
ルリン酸デヒドロゲナーゼ)およびNADHと混合した。100μlのリゾホス
ファチジン酸(Atairgin、Irvine、CA)キャリブレータを96
穴マイクロタイター・プレートのウェルに添加した。5単位/mlのリゾホスリ
パーゼ(Atairgin)溶液、17単位/mlのグリセロールリン酸デヒド
ロゲナーゼ(Atairgin)、134単位/mlのグリセロール−3−リン
酸オキシダーゼ(Atairgin)、1.25mMのNADH、20mMの塩
化カルシウム、50mM、Tris、pH8.0を含む溶液50μlをウェルに
加え、よく混合した。
【0045】 37℃で60分間インキュベートした後、pH8.0、50mMのTrisを
50μl、0.5%の3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、
0.15%の4アミノアンチピレン、10単位/mlの西洋ワサビ・ペルオキシ
ダーゼ(HRPO、Atairgin)、1μMのフルオレセイン、50mMの
Tris、pH8.0をウェルに加え、よく混合した。490nmでの吸光値を
、マイクロタイター・プレート読み取り機を用いて読み取られた。
【0046】 図1Aおよび図1Bに示される結果は、リパーゼとサイクリング酵素を混合す
ることによってLPAの検知が可能であることを示している。図1Aは、吸光度
として結果を示し、図1Bは、色素体の混合物に蛍光剤を加え、REA(放射エ
ネルギー減衰)法を用いて、520nmでの蛍光として測定値を読み取ることが
できることを示している。蛍光測定値が、吸収測定値と比較して、感応度が高い
ことが理解できる。
【0047】 実施例2 新規キャリブレータ 従来の技術に基づいて、LPA(シグマ)に2.5%のトリトンX−100、
50mMの塩化カルシウム、50mM Tris、pH8を加えて、LPAキャ
リブレータを調製した。新規キャリブレータは、塩化カルシウムを除いた以外は
同じ溶液を用いて調製した。これらキャリブレータは、室温および4℃の両方で
、約72時間保管された。72時間後に、塩化カルシウム入りと塩化カルシウム
抜きの新しいキャリブレータを調製した。新しいキャリブレータと保管されてい
たキャリブレータは、LPA検査法により、次のようなマイクロタイター方式を
用いて評価された。100μlのサンプルをマイクロタイター・プレートに加え
た。2単位/mlのリゾホスホリパーゼ、80単位/mlのグリセロール−3−
リン酸塩デヒドロゲナーゼ、20mM塩化カルシウムに含まれる40単位/ml
のグリセロール−3−リン酸塩オキシダーゼ、pH8.0、50mMのTris
を含む50μlのリパーゼサイクリング溶液をサンプルに加え、続いて1.5m
Mのジヌクレオチド低減ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH
)溶液50μlを加えた。これらを混合して、37℃、20分間インキュベート
した。50mM Tris、pH8.0中に0.5%の3,5−ジクロロ−2−
ヒドロキシベンゼンスルホン酸、0.15%の4−アミノアンチピレン、10単
位/ml西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRPO)を含む50μlの発色溶液
を、続いて加えた。これらを混ぜ合わせた後、490nmでの吸光度を測定した
。図2の結果は、カルシウムを含まないキャリブレータは、カルシウムを含むキ
ャリブレータと比較して安定性が高いことを示している。
【0048】 実施例3 改善後の検知試薬 1.0Mのグリシン、0.22Mの3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベン
ゼンスルホン酸、0.05Mの4−アミノアンチピレン、50%のジメチルスル
ホキシド、0.1%のソジウムアジド、5.4%のトリトンX−100、4.5
×10−6Mのフルオレセイン、pH7.0、0.01%のFG−10消泡剤(
ダウ・コーニング)を含むREA色素体/蛍光体(C/F)試薬を調製した。H
RPO溶液(2.5u/μl)の8μl、C/F試薬500μlに加えた。8μ
lのHRPO溶液を、アジドまたはトリトンを含まないC/F試薬にも加えられ
た。これら混合物の一部を、37℃又は室温で24時間保管した。この24時間
保存された混合物と比較するために、新しい混合物を調製した。20分の1に希
釈した(PBS)テスト溶液を50μl、マイクロタイター・プレートのウェル
に加えた。50μlの過酸化キャリブレータを加え、その結果得られた490n
mの吸光度を読み取った。図3の結果は、HRPOがC/F試薬の中で安定して
おり(アジドおよびトリトンが含まれる場合と、含まれない場合)、GRPOは
試薬として、C/F試薬組成に加えることが可能であることを示唆している。言
い換えれば、このデータは、ペロキシダーゼおよび色素体前駆物質を含む検知試
薬の組成が改善されたことを明らかに示しており、当該検知試薬は、従来の技術
に基づいた試薬よりも高い安定性がある。
【0049】 さらに、本発明のこのような特徴は、自動化検査法を実現し、アボットImx
のような自動機に組み入れるために、重要な点である。
【0050】 実施例4 アルシオン分析器での自動化検査法 LPAは、「二重試薬終点化学反応」法を用いて、アボット・アルシオン分析
器にて検知された。簡単に説明すると、50mM Tris pH8.0中の0
.50mMのNADH溶液(ベーリンガー・マンハイム、Indianapol
is、IN)180μlを反応キュベットに加えた。340nmにおける吸光度
の2回の測定値を12秒間隔で記録した。30μlのサンプルをNADH溶液に
加え、これらを混ぜ合わせた。さらに340nmにおける吸光度を測定した。2
0mMの塩化カルシウム及び50mM Tris、pH8中に1単位/mlのホ
スホリパーゼB(シグマ、St.Louis、MO)、40単位/mlのグリセ
ロールリン酸デヒドロゲナーゼ(ベーリンガー・マンハイム、Indianap
olis、IN)、600単位/mlのグリセロールリン酸オキシダーゼ(シン
コー・アメリカン、New York、NY)を含んだ溶液の180μlを反応
キュベットに加えた。反応が進むにつれて、340nmにおける吸光度の測定値
が低下する。12分48秒の間、37℃でインキュベートした後に、最終的な吸
光度を測定した。反応の結果として現われる吸光度の差は、酵素試薬の吸光度の
入力値と、アルシオン使用説明書に記載される数式を用いて、自動的にアルシオ
ン分析器によって算出された。図4に典型的な検量線を示す。
【0051】 実施例5 一段階検査法と多段階検査法の比較 従来の技術に基づく2段階(混合リパーゼ/サイクリングの前の別個のリパー
ゼ消化)によるマイクロタイター式と、一段階のリパーゼ/サイクリング式の比
較が行われた。直接的な比較が適切に実施できるように、サンプルのサイズ、イ
ンキュベーション時間、試薬の量は、全て同じである。
【0052】 次のような試薬が準備された。試薬Aは、10mM塩化カルシウムおよび50
mM Tris、pH8.0の中に5単位/mlのリゾホスホリパーゼ、34単
位/mlのグリセロールデヒドロゲナーゼ、134単位/mlのグリセロールオ
キシダーゼを含む。試薬Bは、50mM Tris、pH8.0中に25mMの
NADHを含む。試薬Cは、試薬Aと同じであるが、NADHは12.5mM含
まれる。発色溶液である試薬Dは、50mM Tris、pH8.0中に0.5
%の3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、0.15%の4−
アミノアンチピレン、10単位/mlの西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP
O、Atairgin)、1μMの蛍光体を含み、使用直前に調製された。
【0053】 従来の技術に基づいた検査法(多段階) 96穴マイクロタイタープレートのウェルに、50μlのリゾホスファチジン
酸(LPA、Atairgin、Irvine、CA)キャリブレータをデュプ
リケートして加えた。100μlの試薬Aを加えた。プレートは、混ぜ合わせ、
被覆を施し、37℃で15分間インキュベートした。この時点で、50μlの試
薬Bをウェルに加えた。この試薬Bを加えることによってサイクリングが開始さ
れた。プレートは、混合後、37℃、15分間インキュベーションした。50μ
lの発色試薬(D)が全てのウェルに加えられた。ウェルの内容物を混ぜ合わせ
、490nmにおける吸光度を測定した。その結果を図5に示す。
【0054】 新しい検査法(単一段階) 96穴マイクロタイタープレートのウェルに、50μlのリゾホスファチジン
酸(LPA、Atairgin、Irvine、CA)キャリブレータをデュプ
リケートして加えた。100μlの試薬Cを加えた。プレートを、混合し、被覆
を施し、37℃で30分間インキュベーションした。インキュベート後に、従来
の技術に基づく検査法での容量と同じになるように調整するために、50mM
Tris、pH8.0の50μlをウェルに加えた。50μlの発色試薬(D)
を全てのウェルに加えた。ウェルの内容物を混ぜ合わせ、490nmにおける吸
光度を測定した。図5の結果から、一段階(新検査法)式は、従来の技術に基づ
いた別個のリパーゼ消化を用いる2段階式よりも性能が強化されたことがわかる
【0055】 実施例6 新規発色試薬 新しいREA色素体/蛍光体試薬と西洋ワサビ・ペロキシダーゼ(HRPO)
の混合物と、従来の技術に基づく発色物質とHRPOの混合物とを、安定性につ
いて比較した。新しいREA色素体/蛍光体(C/F)試薬は、0.1Mのグリ
シン、0.22Mの3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、0
.05Mの4−アミノアンチピレン、50%のジメチルスルホキシド、0.1%
のソジウム・アジド、5.4%のトリトンX−100、4.5×10−6Mのフ
ルオレセイン、0.01%のFG−10消泡剤(ダウ・コーニング)、pH7.
0を含む。グリシンの代わりに0.1M Tris、pH8を含む修正C/F溶
液も調製した。
【0056】 従来の技術に基づく発色溶液は、50mM Tris、pH8.0の中に0.
5%の3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、0.15%の4
−アミノアンチピレンを含む。1mlのC/Fおよび従来の技術に基づいた発色
溶液に、4μlのHRPO溶液(2500単位/ml)が加えられた。これら溶
液ならびにHRPOだけを含む溶液を、室温で3日間インキュベートした。これ
ら溶液のスペクトラムを測定記録し、HRPOを含まないC/F溶液の測定値と
比較した。図6Aの結果は、C/F溶液(pH7)+HRPOの512nmにお
ける吸光度(スペクトラム1)が、C/F溶液(pH8)+HRPOの512n
mにおける吸光度(スペクトラム2)よりも若干低いことを示している。一方、
従来の技術に基づく発色試薬+HRPOの512nmにおける吸光度(スペクト
ラム3)は、有意に高い。512nm付近の吸収帯は、従来の技術に基づく混合
物質の吸収帯よりも赤方偏移していることがわかる。図6Bは、C/F(pH7
)試薬のスペクトラム(5)と、C/F(pH8)の試薬のスペクトラム(6)
、およびHRPOのみのスペクトラム(4)を示す。3日後、C/Fペロキシダ
ーゼ混合物の色は、HRPOを加えてから2時間後に発色したのと同じ黄色のま
まであった。一方、従来の技術に基づいた混合物の色は、透明から赤に変化して
いた。これら溶液の512nmにおける時間関数としての吸光度は、図6Cに示
される。従来の技術に基づく発色試薬とHRPOの混合物は当初、512nmで
は吸光度が低いが、その後着実に上昇する。C/F混合物の場合は当初、HRP
Oを加えることによって512nmにおける吸収度が上昇するが、それは急激に
低下(2時間後)し、その後は一定となる。この実験では示されていないが、従
来の技術に基づく発色溶液にHRPOが加えられない状態での512nmにおけ
る吸光度は、取るに足りない値である。
【0057】 これらのデータならびに実施例3で示される結果から、C/Fペロキシダーゼ
混合物は、従来の技術に基づく発色ペロキシダーゼ混合物と比較して安定性が高
いことがわかる。
【0058】 実施例7 IMx機を用いたLPA自動検査法 IMx機は、微粒子および蛍光偏光解析にて免疫測定を実施するために設計さ
れた。蛍光偏光解析は、「放射減衰検査法」を実施するために適合させることも
可能である。これによって、光学吸収度を基準とする測定ができるようになる。
サイクリング反応の後に、実施例1の混合物にペロキシダーゼおよび適切な染料
−例えば、蛍光体および色素体ペロキシダーゼ基質−を加えることによって、反
応が十分に進み、G3Pの濃度が得られるため、サンプルLPAを確定すること
が可能となる。
【0059】 試薬: リパーゼ(加水分解)/サイクリング酵素反応物:1単位/mlのリゾホスホ
リパーゼ、200単位/mlのグリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、500μ
lのグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ、40mMの塩化カルシウム、50
mMのTris、5mMの安息香酸ナトリウム、20%グリセロール、pH8.
0。
【0060】 色素体/蛍光体試薬:220mMの3,5ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼン
スルホン酸、50mMの4−アミノアンチピレン、100mMのグリシン、4.
5μMのフルオレセイン、0.1%のソジウム・アジド、5.4%のトリトンX
100、50%のジメチルスルホキシド、pH8.5。
【0061】 HRPO混合物:50mM Tris、pH8.0中、20単位/mlの西洋
ワサビ・ペロキシダーゼ。
【0062】 NADH溶液:50mM Tris、pH8.0中、1.5mMのNADH。
【0063】 プロトコール: 好ましい実施態様において、次の方法で血漿サンプルを調製することが可能で
ある。EDTAまたはクエン酸塩などの安定剤が存在する状態で血液を採取する
。これを4℃で十分に遠心分離(3000XG、15分間)して赤血球と血小板
を沈殿させるか、あるいは濾過してこれら成分を除去する。
【0064】 100μlのNADH溶液、5μlのサンプル、20μlのリパーゼ/サイク
リング酵素試薬が、サンプル・プローブによって吸引される。この溶液70μl
をキュベットに入れ、プローブ内の残りのNADH溶液を破棄する(これは、必
要なライン希釈剤によるサイクリング混合物の汚染を避けるための措置である。
このライン希釈剤(line diluent)は、リン酸塩緩衝液を含み、カ
ルシウムとの錯体形成により、反応を遅らせる)。この混合物を、35℃、30
分間、計測器の中でインキュベートし、その後に40μlの色素体/蛍光体試薬
および690μlのライン希釈剤を加える。混合物を、さらに4分間インキュベ
ートした後に、蛍光強度を測定する。その直後に20μlの色素体/蛍光体試薬
および40μlのHRPO混合物、340μlのライン希釈剤を加える。この混
合物を、さらに4分間インキュベートし、その間に発色する。最終的に、蛍光強
度を再び測定し、データは分析のためのファイルに送られる。蛍光強度の最終測
定値の当初測定値に対する割合は、過酸化物により発生した色が濃くなるにつれ
て低下し、従ってグリセロール−3−リン酸の量を測定するために適切な計測器
にて使用することが可能であり、引いてはサンプル内の当初のLPA量を確定す
ることができる。同一の条件下ではあるが、リパーゼ/サイクリング酵素試薬に
リゾホスホリパーゼを含まない状態でテストが実施される場合、LPAは反応せ
ず、遊離グリセロール−3−リン酸のみが測定される。遊離リゾホスホリパーゼ
を含む条件で採取したサンプルについて、リゾホスホリパーゼを含む場合と含ま
ない場合でこの検査法を実施することによって、実際のLPA濃度を確定するた
めに必要な情報が得られる。
【0065】 表2は、上記のプロトコールを0から5μMの範囲のLPA標準物に適用した
結果を示す。当初ならびに最終の蛍光強度およびそれらの比は、サンプルのLP
A濃度とともに示される。初めの12の位置では、緩衝液中のLPA標準物をデ
ュプリケートで測定し、その後にゼロおよび2.0μMを4回ずつ繰り返して測
定した。4パラメーターlog−logit曲線あてはめアルゴリズムを、これ
らの結果と共に利用し、図7で示される曲線を得た。
【0066】 血漿サンプルに加えて、抽出された標準物AS1およびAS1も併せて測定さ
れる。抽出AS1で測定されたLPA濃度は、0.53μMで、マイクロタイタ
ー式によって確定した数値と同じである。未抽出サンプルのLPA濃度は、2.
04μMで、抽出サンプルの場合の約4倍高い値になった。LPC交差反応度は
、表3で示される理由の根拠として除外する。測定値の差は、抽出プロセスの段
階で発生するLPAの損失の結果から生まれる可能性が高い。
【0067】 表3は、人間の血漿に同検査法を用いた場合の結果を示す。正常なボランティ
アからEDTA試験管に採取した血液は、採取後直ちに氷で冷却された。採取し
てから80分以内に、血漿は、4℃の冷却遠心分離機で3000XGでの遠心分
離が15分間実施された。透明の上清に対して、リゾホスホリパーゼを含む場合
と含まない場合とで前述のプロトコールによるテストを実施した。両条件のため
に、グリセロール−3−リン酸塩が緩衝液中に0から5μM含まれる標準物が使
用された。同じ曲線あてはめアルゴリズムを用いて結果が導かれた。表3の結果
は、LPA濃度を正確に測定するためにバックグランド測定値を得ることが重要
である点を示している。
【0068】 表4は、サンプルの取扱いおよび保管の効果を示しており、またサンプルが−
20℃で保管される場合、マイクロタイター検査法では妨害要因となるリゾホス
ファチジルコリンがIMx設定検査法では妨害要因とならないことを示している
。血液は、EDTA抗凝固剤を加えた状態で採取され、採取してから5分後に氷
浴上で10分間冷却し、2℃で500XGの遠心分離を15分間実施した。12
mlの混濁した血漿のうち、一部を−20℃、4℃、および室温である37℃の
状態でそれぞれ保管した。残りは、2℃で3100XGの遠心分離を30分間実
施し、透明の上清がペレットから採取された。透明な上清の500μl部分には
、次の処理を施した後に、分注し、前述と同様に−20℃、4℃、および室温で
ある37℃で保管した。
【0069】 セットB:未処理 セットC:2.0μlのサンプル緩衝液(50mM Tris、pH8.0中
に2.5%のトリトンX100)を500μlの透明な血漿に加えた。
【0070】 セットD:サンプル緩衝液中の1.0mM LPAの2.0μlを500μl
の透明な血漿に加えた=4.0μM LPA。
【0071】 セットE:サンプル緩衝液中の10mM LPCの10μlを500μlの透
明な血漿に加えた=200μM LPC。 同じサンプルが提示された条件下で18時間保管された後、室温の環境下に戻さ
れ、リゾホスホリパーゼを含む場合と含まない場合とで前述の検査法が適用され
た。十分に遠心分離されていない混濁した血漿では、高バックグラウンドのG3
Pが含まれることが明らかであり、そのほとんどはG3Pは十分に遠心分離する
ことによって除去される。LPA濃度は、保管時の温度が高いほど上昇すること
から、サンプルは冷凍保存するべきである。tris/トリトン緩衝液を加えて
も、加えた後の濃度にはほとんど変化がなかった。4μMのLPAを加えたサン
プルは、ほとんどのスパイクが再生したことを示したが、保管条件では変更しな
かった。スパイクを加えていないサンプルの検査結果は、1.5μm分上昇する
ことが予想された。上昇しない可能性の一つとして、LPAの上昇は、その背景
で発生するホスファターゼの活動などLPAを破壊するプロセスによって相殺さ
れると考えられる。最も興味深いのは、200μMのLPCを加えてサンプルの
反応性を高めても、サンプルが−20℃で保管された場合、また引いてはサンプ
ルが採取直後の場合のLPA測定値は、わずかに0.1μm分上昇するに過ぎな
い点である。明らかに、IMx式検査法では、従来の技術に基づいたマイクロタ
イター式検査法と比較して、LPCの妨害度ははるかに低くなる。それは恐らく
リゾホスフォリパーゼとの接触が少なくなるためである。しかし、サンプルが4
℃または室温で保管される場合、LPCを加えたサンプルは、LPAの測定値が
上昇することが示される。恐らく、血漿内にホスホリパーゼCが存在することが
その理由であり、これによってLPCからコリンが開裂して、LPAが残る。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】 実施例8 ストリップ式検査法を用いたLPAの検知 この検査法は、ストリップ上で実施することも可能である。具体的に、EDT
Aやクエン酸塩などの安定剤が存在する状態で全血が採取される。その後に、ス
トリップ上に採取された血液を置くと、固形成分から血漿が分離される。血漿は
、好ましくはカルシウムを含むストリップを通過し、この作業を繰返し行って固
形成分を除去する。リパーゼとサイクリング酵素は、検知試薬と共にコンジュゲ
ートパッドまたは標識上の下流に位置する。
【0076】 実施例9 Hの生成率に及ぼすNADH濃度の影響 50mM Tris、pH8.0中に0〜0.1μMのLPAならびに2.5
%のトリトンX100、5mMの塩化カルシウムを含む溶液50μlをマイクロ
タイター・プレートのウェルに加えた。これに50mM Tris、pH8.0
中に5単位/mlのリゾホスホリパーゼ、10単位/mlのグリセロールリン酸
デヒドロゲナーゼ、100単位/mlのグリセロール−3−リン酸オキシダーゼ
、10mMの塩化カルシウムならびに様々な濃度のNADHの混合物50μlを
加えた。37℃で20分経過後に、50mM Tris、pH8.0中19mM
のDHBS、7.5mMの4AAP、10単位/mlのHRPOの混合物50μ
lが加えられ、デュプリケートサンプルが1セット調製された。490nmでの
吸光度が測定された(図8A参照)。37℃で60分経過後に、もう一つのサン
プル1セットに同じ処理が施された(図8B参照)。図8Aおよび8Bでは、各
NADH濃度の吸光度がLPA濃度に対応して示されている。反応時間が短くL
PA濃度が同じ場合、NADH濃度が低いと、吸収度の数値が上昇することから
、全体的な反応に対するNADHの妨害効果が認められる。反応時間が長い場合
、検査結果はNADH濃度が高いとHの生成率が低下し、NADHが全て
消費されると、それ以上の反応は起こらなくなることを示している。これらの結
果から、サイクリング反応においてはNADH濃度を制限する必要がある点が指
摘される。
【0077】 実施例10 IMxキャリブレータとペロキシダーゼおよび発色試薬の混合物を用いたLP
A自動検査法 これは、ペロキシダーゼと発色試薬を混合し単一試薬を作製することによって
、検査法を単純化した点を除き、実施例7(前述)と同じである。
【0078】 試薬: リパーゼ(加水分解)/サイクリング:1単位/mlのリゾホスホリパーゼ、
200単位/mlのグリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、500単位/mlの
グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ、40mMの塩化カルシウム、50mM
のTris、5mMの安息香酸ナトリウム、20%のグリセロール、pH8.0
【0079】 色素体/蛍光体/HRPO混合物:20単位/mlの西洋ワサビ・ペロキシダ
ーゼ、220mMの3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5
0mMの4−アミノアンチピレン、100mMのグリシン、4.5μMのフルオ
レセイン、0.1%のソジウムアジド、5.4%のトリトンX100、50%の
ジメチルスルホシキド、pH8.5。
【0080】 NADH溶液:50mM Tris、pH8.0中1.5mMのNADH。
【0081】 プロトコール: 100μlのNADH溶液、5μlのサンプル、20μlのリパーゼ/サイク
リング酵素試薬が、同じプローブによって吸引される。この溶液70μlをキュ
ベットに入れ、プローブ内の残りのNADH試薬を破棄する(これは、必要なラ
イン希釈剤によるサイクリング混合物の汚染を避けるための措置である。このラ
イン希釈剤は、リン酸塩緩衝液を含み、カルシウムとの錯体形成により、反応を
遅らせる)。この混合物は、35℃で15分間、計測器の中でインキュベートさ
れ、その後に40μlの色素体/蛍光体/HRPO試薬および690μlのライ
ン希釈剤が加えられる。混合物は、さらに4分間インキュベートされた後に、蛍
光強度が測定され、データが分析のためのファイルに転送される。蛍光強度の測
定値は、過酸化物により発生した色が濃くなるにつれて低下し、従ってグリセロ
ール−3−リン酸の量を測定するために適切なキャリブレータにて使用すること
が可能であり、引いてはサンプル内の当初のLPA量を定量することができる。
別個に色素体/蛍光体およびペロキシダーゼ試薬を加える実施例7のテストでも
あったように、バックグラウンドのグリセロール−3−リン酸の量を定量するた
めにリパーゼ/サイクリング酵素試薬にリゾホスホリパーゼを加えることなくテ
ストを実施することができる。
【0082】 図9は、上記のプロトコールを0〜10μmの標準LPAに適用した場合の結
果を示す。
【0083】 実施例11 色原体/ペロキシダーゼ混合物の安定性に対するpHの影響が研究されている
。0.03%の4−アミノアンチピレン溶液1mlと、1.0%の3,5−ジク
ロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸溶液1mlを2つ調製した。そのうち
一方には、35mM Tris、pH8を含み、他方には70mMソジウムリン
酸、pH7が含まれる。これら溶液に、それぞれ4μlの西洋ワサビ・ペロキシ
ダーゼ(2.5単位/ml、HRPO)が加えられた。ペロキシダーゼを含まな
い対照溶液も調製した。これら溶液を、室温にて一晩放置した。次いで、溶液の
512nmにおける吸光度を測定した。図10の測定結果は、pH7で調製され
たHRPOを含む溶液は、pH8で調製されたHRPOを含む溶液よりも安定性
が高いことを示している。
【0084】 実施例12 サイクリング効率は、サイクリング酵素、G3PオキシダーゼおよびG3Pデ
ヒドロゲナーゼを共有結合させることによって上昇する。一つの生成物が他の物
質の基質になっていることから、二つが結合するとその基質周辺で適切な酵素を
確実に利用できるようになる。二つの物質の共有結合は、当分野の周知の方法に
よって実施される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 リパーゼとサイクリング酵素との混合物によるLPAの検出(吸光度測定)。
【図1B】 リパーゼとサイクリング酵素との混合物によるLPAの検出(蛍光測定)。
【図2】 カルシウムを含むキャリブレータよりも、カルシウムを含まないキャリブレー
タの方が安定であることを示す。
【図3】 C/F試薬中でのHRPOの安定性。
【図4】 アルシオン分析器を用いた自動化検査法の検量線。
【図5】 多段階検査法及び新規な一段階検査法の比較。
【図6A】 発色試薬の比較。
【図6B】 発色試薬の比較。
【図6C】 発色試薬の比較(経時変化)。
【図7】 LPA標準物の測定。
【図8A】 H生成に対するNADH濃度の影響。
【図8B】 H生成に対するNADH濃度の影響。
【図9】 Imx機を用いてLPA標準物の測定。
【図10】 色原体/ペロキシダーゼ混合物の安定に対するpHの影響。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/527 C12Q 1/527 G01N 21/78 G01N 21/78 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 グラナドス,エドワート・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60061、バー ノン・ヒルズ、モンゴメリー・レイン・19 Fターム(参考) 2G054 AA06 AB05 CA28 CE04 EA03 GA04 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ70 QR02 QR03 QR04 QR07 QR12 QR16 QR18 QR41 QR42 QR50 QR51 QR58 QR66 QX02 【要約の続き】

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テスト対象者から採取した体液のサンプル内に存在するリゾ
    ホスホリピッドの濃度を検知するための診断用キットであり、該キットが、 (i) 少なくとも一種類のサイクリング酵素と混合されて単一の試薬を形成す
    る、sn−1および/またはsn−2リゾホスホリピッドを消化する少なくとも
    一種類のリパーゼ酵素;および (ii) NADH を含む前記キット。
  2. 【請求項2】 上記リパーゼ酵素が、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC
    、ホスホリパーゼD、リゾホスホリパーゼ、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼ
    、レシチナーゼBおよびリゾレシチナーゼからなる群から選択され、前記サ
    イクリング酵素が、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロール
    −3−リン酸オキシダーゼ、セリンデヒドロゲナーゼ、セリンデミアミナーゼ、
    アルデヒドデヒドロゲナーゼ、エタノールアミンデミアミナーゼ、グリセロキナ
    ーゼおよびグリセロールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択される、請
    求項1に記載の診断用キット。
  3. 【請求項3】 好ましくは、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(
    NADH)を更に含み、プロピレングリコール、ホウ酸およびpH8〜11の範
    囲内で緩衝する能力を持った緩衝液を含む水性塩基性液の中で安定化された、請
    求項1に記載の診断用キット。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の診断用キットであって、該キットがテスト
    ・サンプル中でリゾホスホリピッドの生成または加水分解を抑制する試薬を更に
    含み、該試薬が、アリストリック酸(Aristolic Acid;9−メト
    キシ−6−ニトロフェナントロ−(3,4−d)−ダイオキソル−5−カルボン
    酸;ONO−R−082(2−(p−アミルシナモイル)アミノ−4−クロロ−
    9−安息香酸);OBAA(3−(4−オクタデシル)−ベンゾイルアクリル酸
    )、4−ブロモフェナシルブロミド;キナクリン(6−クロロ−9−(4−ジエ
    チルアミノ)−1メチルブチル)アミノ−2−メトキシクリジン、メパクリン;
    マノアライドおよびHELSS(ハロエノールラクトン自殺基質);IBMX(
    3−イソブチル−1−メチルキサンチン)、Ro−20−1724、Zapri
    nast、ペントキシフィリンなどのホスホジエステラーゼ阻害剤、E−64(
    trans−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド−(4−グアニジド)ブ
    タン)、ロイペプチン、ペプスタチンA、TPCK(N−トシル−L−フェニル
    アラニンクロロメチルケトン)、PMSF(フェニルメチルスルフォニルフロリ
    ド)、ベンズアミジンおよび1,10−フェナントロリンなどの一般的なプロテ
    アーゼ阻害剤、クロロフォルムおよびメタノールを含む有機溶剤、SDSなどの
    界面活性剤、トリプシン、熱安定プロテアーゼなどのホスホリパーゼを分解する
    プロテアーゼ、並びにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)およびEGTA(エ
    チレングリコール−ビス(ベータ−アミノエチルエーテル)などの金属キレータ
    ー、フェニルメチルススルフォニルクロリド、Mn2+、Co2+、Zn2+
    Cu2+、Hg2+、Fe2+、Fe3+、Ca2+、Mg2+、Al3+、3
    (Cis、cis−7,10)ヘキサデカジエニル−4−ヒドロキシ−2−ブテ
    ノライド、ジイソプロピルフルオロリン酸、ジチオスレイトール、SH試薬(N
    −エチルマレイミド、ヨードアセテートなど)、p−クロロ水銀安息香酸、ソジ
    ウムデオキシコール酸塩、界面活性剤(トリトンX−100など)、L−パルミ
    トイルカルニチン、N−ブロモスクシンイミド、2−ヒドロキシ−5−ニトロベ
    ンジルブロミド、フェニルグリオキサール、グルタチオン、SDSおよびビス−
    (p−ニトロフェニル)リン酸塩からなる群から選択された試薬である前記診断
    用キット。
  5. 【請求項5】 ペルオキシダーゼ溶液および色素体ペルオキシダーゼ基質を
    更に含む、請求項1に記載の診断キット。
  6. 【請求項6】 色素体ペルオキシダーゼが更に蛍光化合物を含む、請求項5
    に記載の診断キット。
  7. 【請求項7】 ペルオキシダーゼ溶液、色素体ペリオキシダーゼ基質および
    蛍光化合物が混合されて単一の試薬を形成する、請求項6に記載の診断キット。
  8. 【請求項8】 リゾホスホリピッドが、リゾPA、リゾPS、リゾPE、リ
    ゾPIおよびリゾPGからなる群から選択される、請求項2に記載の診断キット
  9. 【請求項9】 第一酵素が酵素の組合わせである、請求項1に記載の診断キ
    ット。
  10. 【請求項10】 リパーゼ酵素、サイクリング酵素、NADHが混合されて
    、単一の試薬を形成する、請求項1に記載の診断キット。
  11. 【請求項11】 カチオンを更に含む、請求項1に記載の診断キット。
  12. 【請求項12】 サイクリング酵素が、二つの異なるサイクリング酵素が共
    有結合により結合して一つの物質を形成したものからなる、請求項1に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 カルシウム非含有、非リン酸緩衝液中のLPAを含む、安
    定性が改善されたリゾホスホリピッド検知システムキャリブレータ。
  14. 【請求項14】 キレーターを更に含む、請求項13に記載されるキャリブ
    レータ。
  15. 【請求項15】 キレーターがクエン酸、EDTAおよびEGTAからなる
    群から選択される、請求項13に記載されるキャリブレータ。
  16. 【請求項16】 カルシウム非含有、非リン酸緩衝液中のG3P緩衝液を含
    む、改善された安定性を有するリゾホスホリピッド検知システムキャリブレータ
  17. 【請求項17】 キレーターを更に含む、請求項16に記載のキャリブレー
    タ。
  18. 【請求項18】 キレーターがクエン酸、EDTAおよびEGTAからなる
    群から選択される、請求項17に記載のキャリブレータ。
  19. 【請求項19】 ペルオキシダーゼ、抗菌剤およびグリセロールを含む、改
    善された安定性を有するリゾホスホリピッド検知システム・ペルオキシダーゼ溶
    液。
  20. 【請求項20】 pH7の緩衝液、フェノールまたはフェノール誘導体およ
    びフェナゾンを含む、改善された安定性を有するリゾホスホリピッド検知システ
    ム色素体溶液。
  21. 【請求項21】 フェノールが3,5ジクロロ2−ヒドロキシスルホン酸で
    あり、フェナゾンが4−アミノアンチピレンである、請求項20に記載の色素体
    溶液。
  22. 【請求項22】 テスト対象者から採取した体液サンプル中の一種またはそ
    れ以上のリゾホスホリピッドの濃度を検知するための改善された検査法で、 (a) テスト対象者から採取した体液サンプルを、リゾホスホリピッドを消化
    する第一酵素および第二酵素と同時に接触させて、生成物を生成させるステップ
    ;および (b) カルシウムを含まない非リン酸緩衝液中のG3P、カルシウムを含まな
    い非リン酸緩衝液中のLPA、およびそれらの混合溶液からなる群から選択され
    たキャリブレータを参考測定値として用いて生成物を測定することによって、サ
    ンプル体液中に存在する少なくとも一種のリゾホスホリピッドの濃度を確定する
    ステップ を含む前記検査法。
  23. 【請求項23】 テスト対象者から採取した体液サンプルに存在する一種ま
    たはそれ以上のリゾホスホリピッドの濃度を検知するための改善された検査法で
    、 (a) テスト対象者から採取した体液サンプルを、リゾホスホリピッドを消化
    する第一酵素および第二酵素と同時に接触させて生成物を生成させるステップ;
    および (b) ステップ(a)にて生成された生成物を、ペロキシシダーゼ、抗菌物質
    およびグリセロールを含むペロキシダーゼ溶液の中でインキュベートすることに
    よって少なくとも一種のリゾホスホリピッドの濃度を測定するステップ;および
    (c) 色素体ペロキシダーゼ基質、pH7の緩衝液、フェノールまたはフェノ
    ール誘導体および色素体基質を含む色素体ペロキシダーゼ基質であって、過酸化
    水素が検知されるようにするステップ を含む前記検査法。
  24. 【請求項24】 フェノールが、3,5ジクロロ−2−ヒドロキシベンゼン
    スルホン酸であり、色素体基質が4−アミノアンチピレンである、請求項23に
    記載の改善された検査法。
  25. 【請求項25】 電気化学的検知により過酸化水素の濃度を測定することで
    濃度を測定する、請求項23に記載の改善された検査方法。
  26. 【請求項26】 色素体ペロキシダーゼ基質が更に蛍光化合物を含み、残余
    蛍光体を測定することによって過酸化水素の濃度が検知される、請求項23に記
    載の改善された検査方法。
  27. 【請求項27】 体液が、全血、血清、血漿、腹水、尿、唾液、脳脊髄液お
    よび胸膜液からなる群から選択される、請求項23に記載の改善された検査法。
  28. 【請求項28】 請求項23に記載の改善された検査法であって、テスト対
    象者から採取し、ステップ(b)で測定されたリゾホスホリピッドの濃度と、正
    常な対象者から採取したサンプルに含まれるリゾホスホリピッドの濃度を比較し
    て、テスト対象者におけるリゾホスホリピッドの濃度の変化と関連する疾病症状
    の存在を検知するステップを更に含み、このときテスト対象者からのサンプル中
    のリゾホスホリピッドの濃度の正常な対象者からのサンプル中のリゾホスホリピ
    ッドの濃度に対する上昇または低下が、テスト対象者における疾病の存在を示す
    、前記改善された検査法。
  29. 【請求項29】 疾患が、正常な対象者の量に対し、少なくとも一種のリゾ
    ホスホリピッド量における変化に関連する癌である、請求項23に記載の改善さ
    れた検査法。
  30. 【請求項30】 疾患が婦人科系癌である、請求項23に記載の改善された
    検査法。
  31. 【請求項31】 疾患が卵巣癌であり、検知されたリゾホスホリピッドがリ
    ゾPAである、請求項23に記載の改善された検査法。
  32. 【請求項32】 疾患が乳癌である請求項23に記載の改善された検査法。
  33. 【請求項33】 疾患が、正常な対象者の量に対し、少なくとも一種のリゾ
    ホスホリピッド量における変化に関連する血液障害である、請求項23に記載の
    改善後の検査法。
  34. 【請求項34】 テスト対象者から採取したサンプル体液の一種またはそれ
    以上のリゾホスホリピッド濃度を検知する自動化検査法であって、 (a) 自動化された方式で、テスト対象者から採取したサンプル体液を、リゾ
    ホスホリパーゼ、グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロール−3−リ
    ン酸オキシダーゼと同時に接触させて、混合物を生成するステップ、 (b) その後に生成された混合物とNADHとを接触させて検知可能な生成物
    を生成させるステップ、および (c) 生成された検知可能な生成物の濃度を測定することによって、サンプル
    内に存在する少なくとも一種のリゾホスホリピッドの濃度を測定するステップ を含む前記自動化検査法。
  35. 【請求項35】 ステップ(b)が削除されていて、ステップ(a)がリゾ
    ホスホリパーゼ、グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロール−3−リ
    ン酸オキシダーゼおよびNADHと同時に接触されるテスト対象者から採取した
    サンプル体液を含む、請求項34に記載の自動化検査法。
  36. 【請求項36】 ステップ(c)が、NADを測定することによって実施さ
    れる、請求項34にて記載の自動検査法。
  37. 【請求項37】 過酸化水素を生成し、色素体の吸光度がリゾホスホリピッ
    ド濃度を示すように、ステップ(a)の実施後に検知可能な生成物をペロキシダ
    ーゼ溶液と色素体ペロキシダーゼ基質とともにインキュベートすることによって
    リゾホスホリピッド濃度を測定する、請求項34に記載の自動化検査法。
  38. 【請求項38】 体液が、全血、血清、血漿、腹水、尿、唾液、脳脊髄液お
    よび胸膜液からなる群から体液が選択される、請求項34に記載の自動化検査法
  39. 【請求項39】 ペロキシダーゼ溶液が更に蛍光化合物を含み、リゾホスホ
    リピッド濃度を蛍光により測定する、請求項34に記載の自動化検査法。
  40. 【請求項40】 テストサンプル中のLPAを測定する方法で、 (a) 検査溶液を (i)テストサンプル、 (ii)フルオレセインおよびローダミン(rhodomine)からなる群
    から選択される有効量の蛍光体化合物、および (iii)蛍光剤の励起および/または発光波長帯と重なる波長帯域内で検査
    溶液の透過性を変化させることが可能な溶液を生成するために有効な量のリゾホ
    スホリパーゼ、グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロール−3−リン
    酸オキシダーゼおよびNADH とを混合するステップ、 (b) 検査溶液に、蛍光剤の励起波長帯域内の波長帯を有する光を照射するス
    テップ、および (c) サンプル中のLPA濃度の測定値として、検査溶液から発光された蛍光
    の強度を測定するステップ を含む前記方法。
  41. 【請求項41】 過酸化水素が生成され、色素体の吸光度がリゾホスホリピ
    ッド濃度を示すように、ステップ(iii)の溶液が更にペロキシダーゼ溶液お
    よび色素体ペロキシダーゼ基質を含む、請求項40に記載の測定法。
  42. 【請求項42】 NADの量を測定することによってLPAを測定する、請
    求項40に記載の測定法。
  43. 【請求項43】 検査溶液の透過性の変化に関連した吸光度の波長帯が、蛍
    光化合物の励起波長帯に重なる、請求項40に記載の測定法。
  44. 【請求項44】 検査溶液の透過性の変化に関連した吸光度の波長帯が、蛍
    光化合物の発光波長帯に重なる、請求項40に記載の測定法。
  45. 【請求項45】 検査溶液の透過性の変化に関連した吸光度の波長帯が蛍光
    化合物の励起および発光波長帯に重なる、請求項40に記載の測定法。
  46. 【請求項46】 リゾホスホリピッドを検知するための検査に要するインキ
    ュベーション時間を短縮する方法で、 (a) リゾホスホリピッドを消化する第一酵素と第二増幅酵素の混合物を提供
    するステップ、 (b) 前記混合物を、テストサンプルの体液に接触させて検知可能な生成物を
    生成するステップであって、このとき検知可能な生成物を生成するのに要する混
    合時間が1時間以下であるステップ、および (c) 生成された検知可能な生成物を測定することによってサンプル中に存在
    する少なくとも一種のリゾホスホリピッドの濃度を測定するステップ を含む前記方法。
  47. 【請求項47】 インキュベーション時間が15分またはそれ以下である、
    請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 インキュベーション時間が30分またはそれ以下である、
    請求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 LPAおよびLPCとの交差反応を排除する方法で、 (a) テスト対象者からサンプル体液を採取するステップ、 (b) テストサンプルを同時に加水分解および増幅させるステップ、および (c) LPAの存在を検知するステップ を含む前記方法。
  50. 【請求項50】 対象者の悪性腫瘍の存在の有無を診断する改善された方法
    で、 (a) 対象者から採取した血液標本から血漿サンプルを調製するステップ、 (b) 血漿サンプルを、リゾホスホリピッドを消化する第一酵素と第二増幅酵
    素から構成される単一の試薬と接触させるステップ、 (c) 血漿サンプル中のリゾホスホファチジン酸の存在の有無をテストするス
    テップ、 (d) 血漿サンプル中のリゾホスホファチジン酸の存在と、対象者の癌の存在
    とを相互関連させるステップ を含む前記方法。
  51. 【請求項51】 癌が、卵巣癌、腹膜癌、子宮膜癌、子宮頸癌およびそれら
    の複合癌からなる群から選択される、請求項50に記載の改善後の診断方法。
  52. 【請求項52】 要手術段階III(Surgical Stage)また
    は要手術段階IVの癌と診断されていない患者から血液標本が採取される、請求
    項50に記載の方法。
  53. 【請求項53】 ジメチルスルホキシド、トリトンX−100および消泡剤
    を更に含む、請求項20に記載の色素体溶液。
  54. 【請求項54】 さらにHRPOを含む、請求項52に記載の色素体溶液。
  55. 【請求項55】 非抽出サンプルからリゾホスホリピッドを測定する方法で
    、 (a) リゾホスホリパーゼが存在しない状態でのサイクリング反応により検知
    可能な信号を発生することが可能な全ての物質を測定して、バックグラウンド測
    定値を測定するステップ、 (b) リゾホスホリパーゼが存在する状態でステップ(a)を反復実施してリ
    ゾホスホリピッド濃度の測定値およびバックグラウンド測定値を得るステップ、
    および (c) リゾホスホリピッド濃度とバックグラウンド測定値との差を求めて全体
    的なリゾホスホリピッド濃度を得るステップ を含む前記方法。
  56. 【請求項56】 非抽出サンプルを−20℃で保管する、請求項55に記載
    の測定法。
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