JP2003529335A - Nf1遺伝子の改良突然変異解析 - Google Patents

Nf1遺伝子の改良突然変異解析

Info

Publication number
JP2003529335A
JP2003529335A JP2001532232A JP2001532232A JP2003529335A JP 2003529335 A JP2003529335 A JP 2003529335A JP 2001532232 A JP2001532232 A JP 2001532232A JP 2001532232 A JP2001532232 A JP 2001532232A JP 2003529335 A JP2003529335 A JP 2003529335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mutations
mutation
gene
analysis
exon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001532232A
Other languages
English (en)
Inventor
メシアーン,ルドウィーネ
カレンス,トム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Universiteit Gent
Original Assignee
Universiteit Gent
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universiteit Gent filed Critical Universiteit Gent
Publication of JP2003529335A publication Critical patent/JP2003529335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者の神経線維腫症1(NF1)遺伝子の突然変異解析方法に関し、該方法は、前期患者の末梢血リンパ球からDNAを抽出する工程と、前記患者によるリンパ球を用いてEBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系を確立する工程と、前記EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系培養物をピューロマイシンによって処理する工程と、前記細胞系の培養物からRNAをただちに抽出する工程と、適切なプライマーを用いて前記RNAを増幅する工程と、前記増幅断片のインビトロ転写/翻訳によってペプチド断片を得る工程より成る。この新たなアプローチによって、不安定で、誤ってスプライスされた転写物によって通常は実施するのが困難であった、はるかに迅速で、感受性および信頼性の高いNF1突然変異の解析が行える。この技術を用いると、NF1遺伝子内の突然変異はすべての患者の83%で検出可能であり、これは以前に述べた解析技術(71%)と比較して著しく高く、他の試験で予想される偽陽性を生じない。本発明は、新たなホットスポットおよび特異性NF1突然変異の同定にも関する。本発明は、上述の特異性突然変異およびホットスポットドメインを検出する診断キット、特異性突然変異NF1タンパク質の構造を修正する化合物、これらの治療用化合物のスクリーニングに使用できるインビトロおよび生体内システムを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 NF1遺伝子改良突然変異解析
【0002】 本発明は、神経線維腫症1型(NF1)の改良された遺伝子診断方法の分野に
関する。さらに詳細には、本発明は、N.I.H.診断基準を満足する散発性N
F1患者と同様に家族性NF1患者において少なくとも83%以上の突然変異の
同定につながる、より迅速で信頼性が高いタンパク質切断解析によるNF1遺伝
子の最適化された突然変異解析に関する。現在の技術により、NF1遺伝子の突
然変異特異性を定義することができる。
【0003】 神経線維腫症1型は、最も一般的な常染色体優性障害の1つであり、すべての
民族において約3500人に1人に影響を及ぼしている。主要な特徴は、皮膚お
よび皮下神経線維腫、カフェオレ(CAL)皮膚斑、虹彩Lisch小結節およ
び色素斑である(Husonら、1994)。少数の患者のみに見られる他の特徴として
は、脊柱側彎症、大頭蓋症、偽関節、低身長、悪性腫瘍および学習障害を含む。
NF1の最も恐れられている合併症の1つは、悪性腫瘍である。この障害は、腫
瘍抑制遺伝子の突然変異により、遺伝性癌症候群と共通の特徴を共有している。
これらは以下の通りである:i) 神経堤および骨髄系細胞における原発性癌の
組織限定的な発生; ii) 全体的な母集団と比較して、悪性腫瘍の発症年令の
低下; iii) 一部の患者における複数の原発性腫瘍の発生。
【0004】 NF1遺伝子は、17q11.2にマップされており、位置クローニングされ
ていた(Cawthonら、1990; Viskochilら、1990; Wallaceら、1990)。NF1遺
伝子は、大きさがほぼ350kbであり、60のエキソンを含み、2818アミノ
酸をコード化する読み取り枠によって、遍在的に発現される11−〜13−kb転
写物をコード化する(Marchukら、1991)。コード化配列の中心部は、GTPa
se活性化タンパク質(GAP)に相同性を示し、タンパク質はこのGAP関連
ドメインによってRas経路をダウンレギュレートする(KimおよびTamanoiにに
よる総説、1998)。
【0005】 NF1遺伝子の突然変異率は、ヒト遺伝子について既知の遺伝子のうち最も高
いものの1つであり(HusonおよびHughesによる総説、1994)、NF1患者全体
の約50%が、デノボ生殖系列突然変異を有すると思われる散発性症例として提
示している。これらの患者の場合、病原性生殖系列突然変異の同定のみによって
、子孫の前駆症状/出生前検査が可能となる。突然変異は、WTタンパク質に加
えて突然変異形の合成を引き起こす両方の対立遺伝子のうちの1つに位置してい
る。WT NF1タンパク含有量が減少すると、細胞の疾病状態が結果として生
じる。NF1が優性障害であるため、NF1突然変異についてヘテロ接合性であ
る個体は、50%またはそれ以下のレベルでNF1をなお発現することがある。
腫瘍において、残りの対立遺伝子の第2ヒット(ヘテロ接合性の欠如または点突
然変異)によってさらに、細胞中ののニューロフィブロミン含有量が減少する。
すべての人種でこの障害の頻度が高いにもかかわらず、分子レベルで同定された
突然変異は比較的少ない。NF1患者の突然変異解析は、労力を要することが判
明し、大きなサイズの遺伝子、多数のエキソン、複数の偽遺伝子の存在(Cummin
gら、1993;Hulsebosら、1996)および多様な突然変異(すなわちナンセンス、
フレームシフトおよびミスセンス突然変異、小規模な挿入または欠損、遺伝子全
体を含む大規模な欠損、転座など)によって妨げられる。検出率が10〜65%
に範囲に渡る多くの技術が、NF1突然変異の研究に利用されている(Abernath
yら、1997, Fabsoldら、2000, Arsら、2000)。
【0006】 限られた数の突然変異「ホットスポット」が報告されている:エキソン31の
R1947X(C5839T)、エキソン37のヌクレオチド6789と679
2の間の4bp領域はどちらも、NF1患者の約2%に関係している(Upadhyay
aおよびCooperによる総説、1998)。また、エキソン4bは、他者によりによって突
然変異ホットスポットを含むと考えられている(Toliatら、2000)。最近、我々
は他の突然変異ホットスポットがエキソン10bに存在し、異常スプライシング
に関連したミスセンス突然変異が潜んでいることを発見した(Messiaenら、1999
)。
【0007】 これまで、相補性技術を段階的に組み合わせて用いた広範な解析によってNF
1遺伝子の突然変異のスペクトルを描写しようとした研究はなかった。散発性患
者の子孫について遺伝検査が要求された場合、病原性突然変異の同定のみによっ
て出生前/予測検査が可能であるため、高い突然変異検出率は特に重要である。
さらに、NF1遺伝子の突然変異を高感度で発見できる技術が利用可能になれば
、N.I.H.診断基準をいまだに満足しない患者の診断に役立つであろう。
【0008】 タンパク切断試験(PTT)は、Roestらによって1993年に最初に述べら
れた突然変異検出の形式である。PTTは、RT−PCR断片のインビトロ転写
および翻訳により、遺伝子の全コード化領域を解析することが可能とし、未熟な
停止コドンの発生によって、またはエキソンまたはエキソン断片のたとえばフレ
ーム内読み飛ばしによって切断タンパク質が生じる突然変異を特異的に検出する
【0009】 インビトロタンパク質合成に基づくタンパク質切断試験(PTT)は、21名
の無関係な患者のNF1コード化配列全体に対して、Heimら(1995)により最初
に実施され、cDNAレベルで14の突然変異が同定された(検出率66%)。
しかし、著者らがゲノムレベルで突然変異を同定できたのは、患者のうち11名
のみであり、ゲノムレベルでの検出レベルに到達できたのはわずか11/21で
あった(52%)。この失敗の理由は論文では議論しなかった。Parkら(1998)
は14名の無関係を研究し、10の突然変異が開示された(71%)。ここでも
、cDNAで見られた変化の1つは、ゲノムDNAレベルで解明不可能であり、
9/14(64%)という検出レベルに達した。Heimら(1995)の実験は血液細
胞またはリンパ芽球腫細胞系のいずれかから開始したのに対し、Parkら(1998)
末梢血のみを使用した。
【0010】 PTTを使用して高いスループットのスクリーニングを実行可能にするために
は、手順を大きく改良することが要求される(Den DunnenおよびVan Ommen, 199
9)。特に、NF1突然変異の実験室での試験は困難である。タンパク質切断試
験は市販されているが、その感度、特異性および予測値は確立されていない(Ra
smussenおよびFriedman, 2000)。
【0011】 それゆえ本発明の目的は、現在周知のタンパク質切断解析システムより高速で
信頼性が高い、NF1遺伝子の最適化された突然変異解析方法を提供することで
ある。この最適化システムは、迅速な遺伝NF1診断に使用できるキットの開発
に適用可能である。 加えて本発明は、NF1遺伝子の突然変異特異性の定義を可能にする、新規の
ホットスポットドメインおよび特異性突然変異のキャラクタリゼーションへのこ
の最適化方法の使用にも関する。
【0012】 これらの目的は、以下の態様によって満たされている。
【0013】 本発明はさらに詳細には、以下の工程を含む、患者のNF1遺伝子の突然変異
解析の方法に関する(図1および2を参照): a) 前記患者の末梢血リンパ球を分離する工程、 b) 前記患者の前期末梢血リンパ球によってEBV形質転換Bリンパ芽球腫細
胞系を確立するか、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激により血液リンパ球を
短期間培養する工程、 c) EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系又は短期間培養物を、タンパク質合
成阻害剤を有するタンパク質合成阻害剤によって処理する工程、 d) 前記EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系より培養物のRNAをただちに
除去する工程、 e) 適切なプライマーを用いて、前記RNAを増幅する工程、 f) 工程e)の前記増幅断片のインビトロ転写/翻訳によって、ペプチド断片
を得る工程。
【0014】 さらなる態様により、本発明は、f)に少なくとも以下の工程(図1を参照)
が続く、上述の方法にも関する: g) 前記ペプチド断片の分離; h) PTTアッセイにおいて切断ペプチドを生じたcDNA断片のサイクル配
列決定。タンパク質合成阻害剤によって処理した場合と、処理しない場合のEB
V形質転換Bリンパ芽球腫細胞系より調製されたcDNAのサイクル配列決定を
比較した。これにより、以下で説明するように、以上断片をより容易に検出でき
るようになり、影響を受ける細胞のミュータント転写物の安定性に関する情報が
与えられる。 i) 内部cDNA欠損によりゲノム変化がありそうな部位を判定できると思わ
れる場合、「ニューラルネットワークを使用したスプライス部位予測」(http:/
/www-hgc.lbl.gov/projects/splice.html, Messiaenら、2000)を使用した推定
スプライス部位に関する、サイクル配列決定クロマトグラムの評価。 j) 興味のあるエキソンのサイクル配列決定によるゲノム突然変異の同定。
【0015】 遺伝子解析により、疾病進行の初期段階で遺伝子突然変異を発見する可能性が
生まれるため、処置が可能となる場合には、初期フェーズにて症状を軽減させる
か、停止させることさえ可能である。本発明は、神経線維腫症1型(NF1)遺
伝子の遺伝子解析方法を提供する。遺伝子のサイズが大きいことと、比較的感受
性の低い技術によって、特にこのNF1遺伝子については、原因突然変異の検出
が特に困難となっている。NF1は最も一般的な、突然変異率の高い常染色体優
位性障害の1つであるため、本症を診断するために有効で信頼性が高い方法が利
用可能であることは、医学の主要な関心事である。したがって、特に無/少症候
性であることの多い新生児および幼児でのNF1突然変異のスクリーニングは、
本発明の主要な用途の1つである。NF1遺伝子は遍在的に発現するため、被検
者の試験サンプルは様々な組織または血液から得ることができる。NF1 DN
A、RNAまたはタンパク質は羊水および絨毛膜絨毛でも評価できるため、NF
1試験は出生前試験のパネルに含めることもできる。本発明のさらなる説明によ
って、血液細胞から始まる技術を説明するが、それにもかかわらず説明された原
理は他の細胞から開始する場合にも適用可能である。
【0016】 解析は、開業医の診療または病院などのあらゆる場所から送り出される血液に
実施できる。末梢血リンパ球はフィトヘマグルチニン刺激を使用して、短時間で
培養できる。あるいは、EBV形質転換細胞系によっても、制御された環境での
反復解析が可能となる。
【0017】 好ましくは、本発明は、前記たんぱく合成阻害剤がピューロマイシン、アクチ
ノマイシンD、シクロヘキシミドまたはその可能性のある類似体から成る群より
選択される、上に記載の方法を提供する。これらはすべて、ミュータント転写物
のナンセンス仲介減衰を防止する。突然変異は、ミュータント転写物の不安定性
および「未成熟終止コドン誘起」mRNA減衰により、ピューロマイシン処理を
行わない培養物から開始する突然変異は、失われる可能性がある。ピューロマイ
シンは、提案された方法において好ましい。ピューロマイシンは連鎖停止を引き
起こすtRNA類似体であって、hMSH2遺伝子の場合であるとを示されたよ
うに、細胞系のナンセンス仲介減衰を阻止する(Andreutti-Zauggら、1997)。
NF1ミュータント転写物の安定性に対するピューロマイシンの効果は、以前に
実験的に調査されなかった。本発明の発明者は、細胞培養へのピューロマイシン
の添加も、NF1遺伝子ミュータント転写物の解析を改良することが可能であり
、それによりNF1遺伝子診断の効率が向上することを初めて証明した。
【0018】 現在までNF1突然変異解析の場合、RNA分離を開始する場合に、何の指標
も利用できなかった。発明者らは、特異的状態において新たに生成されるNF1
メッセンジャRNAが最も重要であることを指摘している。確かに本発明により
、前記EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系の培養物またはPHA刺激血リンパ
球の短期培養物をインキュベータから回収したら、ただちにRNAを抽出するこ
とが不可欠である。発明者らが示すように、室温での細胞培養物のインキュベー
ションは、NF1解析の解釈に影響するスプライス生成物を代わりに作成するN
F1メッセンジャのスプライシングに影響する。発明者らは、PTTを疾患原因
突然変異の発見のために正しく適用するための重要なパラメータは、手順を開始
するのに用いるRNAの品質であることを示した。室温でしばらくの間保管され
る末梢血細胞から抽出されるRNAを用いて開始すると、PTT SDS−PA
GEにおいてと同様に、RT−PCRの後に「偽性」バンドが非常に頻繁に存在
していることに注目した。前記EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系を室温で培
養する場合、これも考えられる人為的結果を説明していることは、当業者には明
白である。したがって、発明者らにより、RNAをインキュベータから取り出し
たら、RNAを細胞系からただちに抽出する必要があることも示唆される。イン
キュベータは、安定したCO2圧および温度(37℃)によって、細胞発育のた
めの最適化環境を作る。結果として、細胞を除去後にただちに解析すると、後成
的因子が、これらの欠損転写物の発生につながる潜在性スプライス部位の活性化
に影響を与える時間がない。発明者は、「加齢」の血液サンプルから抽出したR
NAがエキソンの読み飛ばし増加につながり、それゆえ、ゲノム変化のない場合
に突然変異の存在を模倣することを示した。これは患者のゲノムバックグラウン
ドを誤って解釈させ、医学的診断では許すことはできない。RNAが「加齢」の
血液から分離される場合に、不正確なスプライシングプロセスがTSG101お
よびFHITの特異性遺伝子転写物に発生する可能性があることがわかっている
が(Gaytherら、1997)、この不正確さは遺伝子特異性であり、一般化した現象
ではない。確かに、これはBRCA1、BRCA2、BRUSH1、hMSH2
、IGF2受容体PCTDβおよびRBなどの、他の腫瘍抑制遺伝子の他の転写
物では発生しない(Gaytherら、1997)。したがって、NF1遺伝子ではこの現
象は明らかには発見されなかった。
【0019】 好ましい態様によれば、本発明は、前記患者のDNAに存在する突然変異をさ
らに解析するために、前記患者のただちに分離された末梢血リンパ球から、ただ
ちにRNAを抽出する、上に記載の方法に関する(図1)。またこの場合、後成
的因子には、潜在性部位の活性化に影響を及ぼす時間がない。用語「ただちに」
は、血液採取後より2時間以内、好ましくはできるだけ早くを意味する。サンプ
ルが海外から発送される臨床慣例の場合によくあるように、RNAは血液のプレ
レベーション(prelevation)直後に抽出できない場合が多く、リンパ球は、3
7℃におけるフィトヘマグルチニン(PHA)刺激により、短期間(48−16
8時間)の培養で再生する。短時間培養によってさらに、RNA抽出のためには
るかに大規模な細胞個体群を得ることができる。
【0020】 好ましくは、本発明による方法は、逆転写酵素(RT)工程と、それに続く、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である増幅工程を含む(図1)。この工程によ
り、NF1遺伝子をコードするドメイン全体をカバーする遺伝子断片の増幅が可
能となり、複数にエキソンより成る遺伝子の解析がさらに容易になる。
【0021】 好ましくは、本発明は、工程d)で抽出する前記RNAがRNA全体である、
上に記載の方法を提供する。RNA全体の分離は、mRNAの分離と比較して安
価であり、増幅条件およびプライマーを方法に説明されているように適切に選択
した場合、特異性遺伝子生成物の増幅が結果としてなお生じる。増幅生成物を用
いて、対応するDNA配列を検証するか、対応するタンパク質を生成することが
できる(図1および2)。
【0022】 前記PCR生成物をインビトロ翻訳システムに使用できるので、NF1−ペプ
チド断片が作成可能である。さらに本発明は好ましくは、工程f)に前記ペプチ
ド断片の分離が続く、上に記載の方法を提供する。この分離は、SDS PAG
E(1次元または2次元)などの当業界で周知のいかなる技術によっても実施で
きる。Heimら(1995)およびParkら(1998)が述べたように、前の実験において
等方性35S−メチオニンがそのように分離されたペプチドに含まれているため
、X線写真を使用して分離されたペプチドを容易に描出できる。従来技術とは反
対に、発明者らは標識を3H−ロイシンに変更した。ラベルの変更により、突然
変異解析の感受性が著しく上昇した。この上昇は、NF1タンパク質には、この
タンパク質中に存在するメチオニンの数と比較してロイシン残基が豊富であるた
めに、特性標識をより多く含有することが可能となり、それゆえ検出効率が上昇
する、という事実によって説明できる。SDS−PAGEの代わりに、得られた
ペプチド個体群を解析するために、質量解析またはMalditoffを使用できる。
【0023】 本発明は、体細胞モザイクと表される、散発性患者のNF1突然変異を同定可
能なほど感受性である方法を提供する。さらに詳細には、試験の感受性によって
、調査中の細胞の10%以上にNF1突然変異が存在すれば、それを検出するこ
とができる(図17)。今まで、体細胞モザイクは、FISH解析によってのみ
、大規模な欠損のある患者についてのみ検出可能であった。他の研究は、散発性
患者の突然変異を、同等の効率で同定できなかった(Arsら(1995):散発性患
者において検出率51%;Fahsoldら(2000):家族性と散発性の間で特異化な
しの検出率53%;我々のデータ:PTTのみによる散発性症例において検出率
83%)。そこで、検出効率を向上させることにより、点突然変異がある場合で
さえ、我々はこの異常を検出できる。これは、病原性突然変異の同定によっての
み、将来の世代の前駆症状/出生前診断が可能である散発性患者に関しては、最
も重要である。
【0024】 本発明は、タンパク質分離によって切断ペプチドが観察される場合、工程e)
で得られた増幅cDNA断片が、mRNAレベルでの突然変異の影響のキャラク
タリゼーションを可能にするサイクル配列決定によって解析される、上に記載の
方法も提供する。この増幅cDNA断片がインビトロのPTT系などによって与
えられるヒントなしで解析可能なことは、除外されない。さらに、ピューロマイ
シンを用いて、あるいは用いずに処理した細胞からのcDNA解析の比較によっ
て、影響を受ける細胞のミュータントmRNAの安定に関する情報を与えること
ができる。安定したmRNAによって、切断ニューロフィブロミンが生成される
ことがあるため、この情報はニューロフィブロミンにおける新しい推定機能性ド
メインを示すことがある。
【0025】 好ましくは、前記解析は、適切なプライマーによる適切な断片のサイクル配列
決定によって実施できる。ペプチド断片の長さから、どのプライマーが適切であ
るかは大部分が知られている。これらの断片それぞれの増幅用プライマーは、既
知であるか、または直ちに作成できる(表2および3、またはいずれかの所与の
表を参照)。断片増幅に使用するプライマーは、増幅断片のそれぞれの配列に適
用できる。この後者の場合、プライマーは、当業者によって周知であるように、
標識される。
【0026】 好ましくは、本発明によるそのような方法は、図2またはいずれかの表または
実施例または図説明文に示す工程e)プライマーのプライマーとして使用する。
【0027】 本発明による好ましい方法は、非等方性標識プライマーを使用する。前記標識
は、蛍光、ビオチン、Cy5、FAM6、TAMRA、ROXより成る群から選
択される。
【0028】 生成されたcDNA断片は、ALF−シーケンサ(Pharmacia)、ABI−3
70(Perkin Elmer)または他のいかなる感受性半自動または全自動配列決定シ
ステムによってさらに解析される。
【0029】 現在、大量の患者のためにルーチンNF1突然変異診断アッセイを実施してい
る研究所は、世界のどこにもない。この理由の1つは、NF1遺伝子突然変異の
ルーチンの診断試験用の高感受性および高特異性方法を発見できないためである
。したがって、NF1突然変異の有無に関する改良診断方法を有することは、非
常に望ましい。
【0030】 現在の最適化タンパク質切断検査によって、N.I.H.診断基準を満足する
NF1患者の生殖系列突然変異の83%以上が同定ができる。PTTによって検
出できる突然変異のスペクトルは、ナンセンス突然変異、フレームシフト突然変
異、スプライス突然変異、使用されたプライマーによってフランキングられてい
る領域を含まない欠損に限定され、すべては未熟終止コドンにつながる。ミスセ
ンス突然変異、小規模な(ヌクレオチド80未満)、フレーム内欠損および/ま
たは挿入、大規模な欠損および転座などの細胞発生異常を検出するには、別の方
法が必要である。
【0031】 本発明の方法は、NF1疾患関連突然変異の効果的な分子診断のための階層シ
ステムに関する。突然変異のスペクトルにより、異常なスプライス突然変異の発
生率が高いことが明らかになる。これらの突然変異の多くは、多くのスプライス
突然変異が限界スプライス受容体/供与体の外側のイントロン突然変異によって
引き起こされるように、ゲノム走査技術を用いて消失させる。さらに、ゲノムレ
ベルで「沈黙」と呼ばれる一部の突然変異は、新しいスプライス受容体または供
与部位を作成し、RNAベースの突然変異検出法によって病原であることが証明
される。
【0032】 階層システムにおいて、最適化PTTシステムによって陰性と評価された患者
の第2レベルの解析には、ミスセンス突然変異および/または小規模なフレーム
内挿入および/または欠損を検出する方法を含む。これらの解析は、ヘテロ二重
鎖解析(HA)および/または一本鎖配座多型(SSCP)解析および/または
変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)および/または配座感受性ゲル電気泳動(C
SGE)および/または(サブクローニングの有無にかかわらない)直接サイク
ル配列決定によって実施できる。
【0033】 前記HAまたは一本鎖確認解析は、異常な移動性PCR断片を検出するために
実施され、この断片はサイクル配列決定によってさらに解析される。
【0034】 本発明による、NF1生殖系列突然変異のキャラクタリゼーションのための、
好ましい複合アプローチは、上で詳細に述べ、実施例および図説明文に示すEB
V形質転換細胞系によるタンパク質切断試験と、その後の直接cDNAおよびg
DNADNA配列決定、ヘテロ二重鎖解析、その後の直接gDNA配列決定、Ma
rchukら、1991で述べられているプローブGE2−FF13−FF1−FB5D
AE25−P5−B3Aを使用したサザンブロット解析(これらのクローンは
、Francis Collinsの寄贈による)、遺伝子内コスミドまたはPACクローンを
使用したFISH(蛍光原位置ハイブリダイゼーション)解析、そして細胞遺伝
解析を含む。
【0035】 本発明は好ましくは、図7および8に示すように、前記プライマーがそれぞれ
、NF1遺伝子の配置されたフランキングエキソン4b、7、10a−10c、
13、23.2、27a、29、37また39である、上に記載の患者のNF1
遺伝子の突然変異解析方法を提供する。我々は前に定義したように、NF1の突
然変異スペクトルおよび突然変異ホットスポットの同定が、NF1遺伝子のコー
ド化領域全体が以前の研究でスクリーニングされなかったという事実によってと
同様に、使用された技術の限界によって偏っていることを発見した。我々は、そ
の例として、以前に同定されなかったNF1遺伝子における突然変異の複数のホ
ットスポットドメイン:すなわちエキソン7、エキソン10a−10b−10c
、エキソン13(2033insC)、エキソン23.2(R1362X)、エ
キソン27a(R1513X)、エキソン29(R1849X)、エキソン39
(2266delNF)について説明する。本発明の原理による、これらの特異
性新規ホットスポット内の突然変異のスクリーニングおよび診断用のアッセイキ
ットも提供される。これらのドメインに焦点を当てることによって、突然変異を
診断できるスピードが改善される。
【0036】 本発明は、以前に発表した突然変異以外に、以下の新規特異性のフレームシフ
ト、ナンセンスまたはスプライス突然変異も検出する方法も提供する(表1を参
照):K33K (99del105), C93Y (278G>A), C
1 $87Y (560G>A), R192X (574C>T), 603
−604insT (同上), Q209X (625C>T), 819−8
21delCCT (同上), 889−454del474nt (888d
el174)) 987−988insA (同上), 1261−19G>A
(1260insTTTGTTTTTCTCTAGTC), W425X (
1275G>A), R461X (1381C>T), Y489C (14
65del62), 1466insC (同上), 1527+5G>A (
1392del135), E524X (1570G>T), 1605in
sA (同上), S536X (1607C>A), 1642−3C>G
(1641del80), 2305insT (同上), 2585insA
(同上), 2836insT (同上), 2850+2del6 (26
17del233), 2851−6del4 (2850del140),
Q959X (2875C>T), Q963X (2887C>T), 29
90+3A>C (2850del140), Y1044X (3132C>
A), 3193delC (同上), V1093M (3277G>A/
3274 del40), 3108−3C>G (3314del182),
E1123X (3367G>T), 3457delCTCA (同上),
Q1174X (3520C>T), 3704delA (同上), 37
08+1G>C (3496del212), 4026delG (同上),
4299delC (同上), Q1494X (4480C>T), 45
15−2A>T (4515−14ins1 4/4515−17ins17)
, 4773−2A>T (4772del433/4772del293),
5033delG (同上), 5117delT (同上), R1849
(502del341/5205del544), S1755X (526
4C>G), S1765X (5215del90/5294C>A), 5
567delT (同上), 5798delC (同上), Q1966X
(5896C>T), 6577delGAGgta (6364del215
), R2237X (6709C>T), 6858G>C (6756de
l102), 71 27−12T>A (7126del132/7127−
10ins10), 7268delCA (同上), K2401X (72
01A>T), R2429X (7285C>T), 7884−7885d
elGT (同上), 8016delA (同上)。NF1タンパク質に関し
て発見された突然変異の名称は、Antonarakis(1998)が推奨するとおりである。
mRNAレベルでの突然変異の効果は括弧の間にある。すべての突然変異は、ゲ
ノムDNAレベルで存在することが確認された。新規にバランスされた転座t(
14;17)(q32;q11.2)は、NF1遺伝子を妨害する:PAC92
8b9はder(17)上で発見され、PAC1002g3はder(14)に
発見された。
【0037】 本発明は、ゲノムDNA内の特異性突然変異によって「フレーム内で」スキッ
プされ、結果として安定なmRNAを生成する、NF1遺伝子の多数の領域を示
している。多数のミスセンス突然変異も同定された。どちらのタイプの突然変異
も、切断/変性ニューロフィブロミンの生成につながることがあり、これらの突
然変異はニューロフィブロミンの新しい機能性ドメインを示す。
【0038】 これまでは、中央のGAP関連ドメインのみが、よくキャラクタリーぜーショ
ンされていた(図7および8のGRD)。cAMP仲介シグナル伝達に関与する
領域はショウジョウバエに存在し、おそらく人間にも存在するが、NF1遺伝子
内のその位置はいまだに定義されていない。ニューロフィブロミンの微小管への
結合を仲介する領域も、定義されていない。本明細書で示す研究のように、注意
深い突然変異解析は、NF1遺伝子のこれらおよび他の機能に関与する領域を示
すことができる。特に以下の領域は重要であり、ここで最初に説明する:エキソ
ン2(K33Kにより仲介)の最後の105ntのフレーム内スキッピング、C
83Y(エキソン3)、C93Y(エキソン4b)、274delL(エキソン
6)、(たとえば527+5G>Aによって仲介された)エキソン10bのフレ
ーム内スキッピング、エキソン11および12a両方のエキソンのフレーム内ス
キッピング(IVSI2a+1G>T)、L847P(エキソン16)、(たと
えば S1765Xによって仲介された)エキソン29の最初の90ntのフレ
ーム内スキッピング、(たとえば6792C>A、6792C>G、 K228
6Nによって仲介された)エキソン37のフレーム内スキッピング、(たとえば
1VS39−12T>Aによって仲介された)エキソン40のフレーム内スキッ
ピング。これらの特異性突然変異を含む確立されたEBV細胞系は、NF1タン
パク質上への追加の機能性領域を定義する目的で、タンパク質研究をさらに実施
するのに有用なツールである。たとえば、特異性転写物をこれらのEBV細胞系
から分離し、2−ハイブリッドスクリーニングのセットアップに使用することが
できる。
【0039】 本発明は、上述した新規特異性突然変異または新規突然変異ホットスポット領
域を含む遺伝子ドメインを特に増幅するプライマーを含む、患者のNF1遺伝子
の突然変異解析用の診断キットにも関する。
【0040】 本発明は、上述した新規突然変異ホットスポット領域および新規突然変異を含
む遺伝子ドメインを特に検出するプローブを含む、患者のNF1遺伝子の突然変
異解析用の診断キットにも関する。
【0041】 用語「核酸」は、生体サンプル中に存在する一本鎖または二重鎖核酸配列を指
し、前記核酸サンプルはデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドより
成り、増幅cDNAまたは増幅ゲノムDNAである。
【0042】 用語「プローブ」は一本鎖オリゴヌクレオチドを指し、デオキシリボヌクレオ
チドまたはリボヌクレオチド、ヌクレオチド類似体または修飾ヌクレオチドより
成り、増幅cDNAまたは増幅ゲノムDNAである。
【0043】 本発明のプロセスで使用されるプローブは、対応するヌクレオチド配列を含む
挿入物を含む組換えプラスミドのクローニングなどの、当業界で周知のどの方法
によっても、必要ならば、適切なヌクレアーゼを用いながら、クローン化プラス
ミドから対応するヌクレオチド配列を開裂させて、(たとえば分子量による分画
により)それらを回収することによって生成できる。プローブはたとえば、従来
のホスホトリエステル法によって、化学的に合成することもできる。
【0044】 本発明のプローブは選択的にいずれかの従来の標識を使用して標識することが
できる。これは、増幅のポリメラーゼ工程の間に、あるいは当業者に周知の他の
方法によって、組込まれる標識ヌクレオチドの使用を含む。
【0045】 用語「プライマー」は、複製される核酸鎖に対する相補性であるプライマー伸
張生成物の合成のための開始点として作用することのできる、一本鎖ヌクレオチ
ド配列を指す。プライマーの長さおよび配列は、伸張生成物の合成を初回刺激可
能である必要がある。好ましくは、プライマーは約5〜50ヌクレオチドである
。特異的な長さおよび配列は、複雑性あるいは要求されるDNAまたはRNA標
的はもちろんのこと、温度およびイオン強度などのプライマーの使用条件にも依
存する。
【0046】 本発明は、NF1遺伝子またはそのミュータントバージョンの約15以上の連
続ヌクレオチド、好ましくはから15〜50ヌクレオチドの核酸配列も都合よく
提供する。これらの配列は、上に記載の発明の配列に特異的にハイブリダイズす
るプローブとして、または上に記載の本発明の配列の特異性増幅または複製を開
始するためのプライマーなどとして使用される。これらは本発明による核酸の存
在を検出する診断キットなどにも使用できる。これらの試験は一般に、ハイブリ
ダイズ条件下でプローブをサンプルと接触させることと、プローブとサンプル中
のいずれかの核酸との間で、二重または三重鎖形成の存在を検出することを含む
【0047】 NF1遺伝子における特異性突然変異の同定は、治療の意味も有する。突然変
異NF1タンパク質の欠陥構造を修正する化合物を同定する方法は、実施例の1
つである。突然変異NF1タンパク質は、上述したようにNF1コード化領域の
特異性突然変異から生じることが可能である。NF1機能の修飾は、治療剤また
は薬物を用いて行える。これらは、NF1タンパク質構造または機能の異なる側
面と相互作用するように設計できる;ある薬物は、欠陥構造を修正したり、基質
または補助因子のへの親和性を向上させることができる。薬物または薬剤の有効
性は、欠陥NF1タンパク質が発現される細胞システムを用いて、結節形成をイ
ンビトロで監視するスクリーニングプログラムによって同定できる。あるいは、
薬物は、NF1タンパク質の構造相関の知識から、そして、さまざまなNF1突
然変異タンパク質の特異性欠陥の知識からNF1活性を調節するよう設計するこ
とができる(Capseyら、1988)。
【0048】 本発明は上に記載のように、治療用薬物のスクリーニングに使用できるNF1
遺伝子突然変異を含むモデルシステムにも関する。インビトロおよび生体内の両
方のモデルにおいて、ミュータントNF1タンパク質が発現され、ミュータント
NF1活性を修正のためのスクリーニングに使用される。インビトロ試験におい
て、精製NF1タンパク質またはミュータントNF1タンパク質を発現する細胞
系の両方を使用できる;インビトロモデルにおいて、ミュータントNF1タンパ
ク質を発現する遺伝子導入動物を使用できる。
【0049】 NF1遺伝子の1つに突然変異を持つ遺伝子導入マウスは、明白な病理学的症
状を示す。Vogelら(1999)は、cis−Nf1+/−:p53+/−マウスが、
柔組織肉腫の著しい発生率を示すことについて述べた。ヘテロ接合性NF1突然
変異の存在によって、腫瘍形成を加速され、p53+/−バックグラウンド含有
量の腫瘍スペクトルが変化する。さらに、ホモ接合性NF1変化を有するNf1
−/−細胞によって、一部が構成されるキメラマウスは、神経線維腫を発症しな
い(Cichowskiら、1999)。結果として、両方のマウスモデルが、治療戦略を試
験する手段を提供する。
【0050】 以下の実施例および図説明文は、単に本発明を説明するものであり、決して本
発明を制限すると理解されるものではない。 図および図説明文:
【0051】 表1:PTT、HA、細胞遺伝学およびFISH解析によるNF1遺伝子のコ
ード化領域全体の解析によって検出された突然変異。
【0052】 表2:NF1cDNA配列決定プライマー。
【0053】 表3:HA用のNF1遺伝子のすべてのエキソンの増幅用プライマー。
【0054】 表4:HA−PCRプライマーおよび条件。
【0055】 表5:67名の無関係なNF1患者の解析による、PTTおよびHAによるN
F1遺伝子のコード化領域全体の解析によって検出された突然変異。
【0056】 表6:配列決定クロマトグラムの突然変異/野生種ピーク高さ間の割合によっ
て測定された、PminおよびPplus EBV培養物から開始する、直接c
DNAサイクル配列決定によってNF1突然変異を検出する感受性の比較。
【0057】 表7:NF1遺伝子におけるスプライス突然変異に関与するスプライス部位(
ss)の共通値(CV)およびスプライス部位スコア(SSS)
【0058】 インキュベータから取出した直後の、ピューロマイシンによって処理した、あ
るいは処理しなかったEBV形質転換リンパ芽球腫細胞培養物から抽出したRN
Aから開始した、PTT結果を示す別の例を得た。ピューロマイシン処理を行っ
ても、行わなくても両方とも、切断ペプチドの存在が同定された。野生種ペプチ
ドと比較した切断ペプチドの強度は、ピューロマイシン処理後、大きく向上した
。配列決定の結果は、レーン4および5に示されるペプチドにつながる断片のみ
について示されている。ここでも、ピューロマイシン処理培養物から開始した、
サブクローニングを行わなかったcDNAのサイクル配列決定により、エキソン
10c:157OGtoT、E524Xの突然変異の明快な同定につながる、明
確な結果が得られた。ピューロマイシン処理を行わない培養物から開始する直接
サイクル配列決定のみが行われる場合、ミュータント転写物の不安定性および「
未熟終止コドン誘起」mRNA崩壊の不安定によって、突然変異は再び消失する
であろう。この減衰によって、ミュータントメッセンジャは少量のみ存在し、そ
れがバックグラウンド/ノイズピークを超えてピークに達しないために、関連配
列情報は失われる。
【0059】 エキソン6に位置する5′フルオレセイン標識フォワードプライマーおよびエ
キソン8に位置するリバースプライマーを用いて、RT−PCR生成物の断片解
析を行った。20サイクルの増幅を実施した、すなわちプラトーに達するはるか
前のPCRの対数期である。したがって、実験は半定量的である。RT−PCR
断片は、ALF自動DNAシーケンサ(Pharmacia)によって、5%変性ポリア
クリルアミドゲル上で分離した。断片の長さは、内外のマーカー(M)を使用し
て、Fragment Managerソフトウェアを用いて評価した。各転写物の量は、曲線に
よる面積として決定し、この面積はFragment Managerソフトウェア(Pharmacia
)で評価し、特定のサンプルで得られるすべての断片の和に対して正規化した。
これは、スキップ/全体として表される。
【0060】 解析により、エキソン7を含まない(エキソン7スキッピング)「加齢」血液
(室温にて48時間)中の転写物は〜9%であることが示された(レーン2)。
【0061】 ともにエキソン7に同一のナンセンス突然変異を持つ患者AおよびBは、その
転写物中でやや高いレベルのエキソン7スキッピングを示した(レーン3〜6)
【0062】 エキソン7スキッピングは、RNAをprelevation直後に抽出した新鮮血サン
プル(レーン1)中にも、NF1エキソン7に突然変異を持たない患者(患者C
)によるEBV細胞系(レーン7および8)中にも存在しなかった(少なくとも
使用した技術によって検出可能な量ではない)。
【0063】 P+は、ピューロマイシンを用いた処理を示し、P−はピューロマイシンを用
いない処理を示す。Mは、内部サイズマーカーを示す。
【0064】 解析により、エキソン37を含まない(エキソン37スキッピング)加齢血液
(室温にて48時間)中の転写物は〜14%であることが示された。P+は、ピ
ューロマイシンを用いた処理を示し、P−はピューロマイシン処理を示す。Mは
、内部サイズマーカーを示す。エキソン37にナンセンス突然変異を持つ患者C
は、その転写物において著しく高いレベルのエキソン37スキッピングを示した
【0065】 エキソン37スキッピングは、新鮮血サンプルではほとんどなく(最高2%)
(レーン1)、NF1の別のエキソンに突然変異を有する患者からによるEBV
細胞系では検出できなかった(レーン5および6)。
【0066】
【実施例】
実施例1.患者 患者全員から、EBV形質転換Bリンパ芽球様細胞系統および/または短期間
フィトヘムアグルチニン刺激血液リンパ球培養に関して、RNAおよびDNAに
基づく外延的な研究を考慮した許諾を得ている。DNAはリンパ球から直接抽出
されてもいる。患者は、ゲント、ブリュッセル、リエージュ(ベルギー)の医療
遺伝学センターで確認されている。その解析が開始される前に、詳細な臨床上の
評価が行われ、また、患者全員のその臨床上の特徴が「NNFF国際NF1突然
変異解析コンソーティアム」の形式を用いて文書化された。1988年のN.I
.H.共同声明(Stumpfら、1988)により提案され、また1997年に更新され
た(Gutmannら)診断基準を満たした患者のみが本研究に参加を許された。本研
究は、ゲント大学病院(ベルギー)の倫理委員会により承認されている。
【0067】 実施例2.DNA分離、RNA分離およびcDNA合成 EBV形質転換細胞系統はRPMI−1640で増殖された。RNA分離の前
に、EBV形質転換細胞系統培養が分割された。ナンセンス仲介mRNAの崩壊
を防ぐために、1つの継代培養は、ピューロマイシンの存在下で維持され〔16
時間、200μg/mlピューロマイシン(Sigma社製、p7255)、さらに進ん
だものは、Pplus培養と呼ばれる〕、一方、その他の継代培養では、ピュー
ロマイシンはまったく添加されなかった(さらに進んだものは、Pmin培養と
呼ばれる)。RNAは患者全員について、両方のタイプの培養から抽出された。
【0068】 細胞内完全RNAはすべて、製造業者の指示により、TRIzol LS試薬(Gibco B
RL社製、10296-010)によって抽出された。
【0069】 cDNAは、ランダム六量体(Amersham Pharmacia Biotech社製)および20
0UスーパースクリプトII逆転写酵素(Gibco BRL社製)を使用して2〜3μg
完全RNAにより合成された。
【0070】 実施例3.タンパク質切断試験 タンパク質切断試験(PTT)測定に使用されたプライマーはHeimら(1995)
により記述されている。PTTは最適化されたプロトコルを使用して実施された
(Claesら、1998)。その技術の感度は、ピューロマイシン処理EBV−形質転
換細胞培養および/またはフィトヘムアグルチニン刺激血液リンパ球培養、およ
びインキュベータから取り出された直後のRNA抽出物を使用してさらに、向上
させた。本発明者らは、非常に大きな、また非常に小さな、異常なペプチド断片
の検出を最大限に行うために、10%および15%SDS−PAGEゲル上で全
てのサンプルを解析した。
【0071】 実施例4.改善されたPTT結果 現在までに報告された突然変異の非常に多くのものは、未成熟停止コドンを生
成すると予測されているので、NF1遺伝子の突然変異解析に適用される技術の
カスケードから成る、それらを組み合わせた突然変異アプローチの第1工程にお
いて、タンパク質切断試験(PTT)によって開始するよう選択された。しかし
ながら、PTTによる切断突然変異を検出する効率は、調査しているその突然変
異mRNAの純度だけではなく、安定度に拠る。ナンセンス仲介mRNAの崩壊
が、突然変異NF1対立遺伝子に報告されており(Hoffmeyerら、1995)、ピュ
ーロマイシン処理EBV細胞系統を使用してNF1遺伝に対する最適化PTTを
開発することも決められた。ピューロマイシンは、連鎖終結を引き起こすtRN
A類似体であり、hMSH2遺伝子の場合で示されているように、諸細胞系統に
おいてナンセンス仲介崩壊を阻止する(Andreutti-Zauggら、1997)。 NF1突然変異転写物の安定度に対するピューロマイシンの効果は以前には研
究調査されていなかった。NF1患者から得た67EBV細胞系統は確立細胞系
統であった。確立細胞系統は、T25培養フラスコが含んでいる直径0.2〜0
.3mm/cm2を有するおよそ100クラスターになるまで増殖させ、またその後に
、2つの分離ウェル(10cm2)に分割した:一方のウェルはピューロマイシン
(200μg/ml)で15時間処理され、もう一方のウェルはさらに、RPMI−
1640組織培養培地の中でインキュベートされた。完全RNAは、両方の培養
培地から抽出され、またさらに、タンパク質切断試験によりさらに解析された。
放射性同位元素3H−ロイシンを組み込んだものをベースにしたPTTシステム
が非常に感受性が高いことが主な成因となり、本発明者らは、ピューロマイシン
処理していない培養培地から得たRNAを使用して、切断ペプチドを見逃すこと
はなかったが、切断ペプチドにつながる全ての断片の直接サイクルシークエンシ
ングが、そのピューロマイシン処理培養培地から作成されたcDNAから開始す
るという点では、驚くほど大いに促進された(図3、4、15)。最適化された
PTT解析により、研究調査された患者の83%におけるcDNAおよびgDN
Aレベルでその生殖突然変異が成功裡に同定された。
【0072】 突然変異の原因となっている疾患を発見するのにPTTを成功裡に適用したも
のにおいてみられる非常に重要なもう1つのパラメーターは、その手順を開始す
るのに使用されたRNAの品質である。末梢血液細胞から抽出されたRNAから
始まって、PTT SDS−PAGE中だけではなく、RT−PCR後も非常に
頻繁に「擬似」バンドが出現した。
【0073】 これらの擬似バンドの出所はさらに、採取後あるいは室温にて48時間インキ
ュベーション後に、直接末梢血液リンパ球からRNAが抽出されるときに得られ
た転写物を比較することにより、探索された。これらの実験に対する理論的解釈
は2つの面を有する。すなわち、i)自然な状況では、その血液サンプルはある
一定時間その医師の部屋にあり、その後に検査室に運ばれる。この輸送に必要な
時間は、そのサンプルが参照される場所にもよるが、24時間以上を考慮するこ
とができる。ii)TSG101やFHITなどの腫瘍サプレッサー遺伝子はしば
しばDNAにおける突然変異を見つけ出すことができるcDNAレベルで欠失す
ることが示されている。特に、腫瘍組織においては、また、「加齢」(これはそ
の血液サンプルが、RNAを抽出するまでに60時間室温で放置されていたこと
を意味する)血液サンプルにおいては、両方の遺伝子が、スプライシングプロセ
スに関して忠実なものではないことを示した。注目すべき点は、本発明者らは、
潜在性スプライシング供与体あるいは受容体部位、あるいはエクソン全体の飛び
越しに伴ってそれと同時に、その欠失した転写物の区切りの点が発生するのを観
察していることである。そのスプライシングの不義性は遺伝子特異的に観察され
ており、解析されたその他の遺伝子転写物、すなわち、その他のものの中でもB
RCA1、BRCA2、hMSH2、IGF2、RBでは起こらなかった。後生
的発現因子が、これらの欠失した転写物の発生につながるこれらの不解明部位の
活性化に影響を与えている可能性がある。 したがって、エクソン7および37を含む転写物に比較した、エクソン7と3
7の転写飛び越し率に対する半定量実験が実施された。 新鮮血、48時間室温で放置された「加齢」血液、正常対照者から得たEBV
細胞系統、各エクソンの増加飛び越しにつながるエクソン7および37における
特定の突然変異を潜伏させている患者から得られたEBV細胞系統を含めた、異
なる資源からRNAが抽出された(図5と6)。 これらの実験では、「加齢」血液サンプルから得られたRNAが、これらのエ
クソンの飛び越し増加につながり、したがって、擬態、そしてゲノムの変化が存
在しない場合は、突然変異の存在というふうにつながっていく。NF1遺伝子は
、後生的発現因子に応答して、RNA処理において改変に容易に陥りやすい遺伝
子であると考えざるをえない。
【0074】 全てのミスセンス突然変異、大きな欠失だけではなく、小さなフレーム挿入/
欠失および、PTT解析による染色体に必然的な再配列逸脱検出のように、第1
工程では突然変異が同定されなかった患者全員はさらに、一連の第2次解析試験
により解析された。この第2工程には、以下のものが含まれる。すなわち、すべ
ての60エクソンのDNAヘテロ二重鎖解析、3遺伝子内コスミド/PACクロ
ーンを使用したFISH解析、5遺伝子内プローブと最終的な核型決定を使用し
たサザンブロット解析、である。
【0075】 それらを組み合わせたアプローチでは、驚くべきことに、解析が行われた67
人の患者中64人の患者(>95%、表5)で、生殖突然変異の同定へとつなが
った。PTTにより、その67人の患者中56人の患者で、生殖突然変異のみ(
cDNAおよびゲノム配列決定後)が同定可能であった。これは、いままで報告
されたもっとも高い検出率となっている。
【0076】 本研究では、NF1遺伝子における生殖突然変異の29%は、異常型スプライ
シング、他のヒト遺伝子障害の調査に報告されたものよりもずっと高い頻度と関
連性を有しているが(Krawczakら、1992およびRuttledgeら、1996)、ATM遺
伝子において見つけ出された状況の再現である(Teraokaら、1999)。神経線維
腫症タイプ1に対する原因としてのスプライシングエラーは、NF1遺伝子にお
いて特に頻度が高いという事実が判明しており、その自然環境生息場所(血流)
以外での血液リンパ球の室温でのインキュベーションなどの後生的発現因子によ
り起こるスプランシングされた転写物の発生を回避するのには最高度に重要な事
柄である。
【0077】 EBVリンパ球様細胞系統による作業および、そのインキュベータからその培
養培地が引き出された直後の抽出により得ることができる。
【0078】 実施例6:NF1遺伝子のエクソン10bは突然変異ホットスポットを示し、
また 異常スプライシングと関連性を有している再発性ミスセンス突然変異Y4
89Cに潜在する。
【0079】 現行の技術により、いくつかの新規な突然変異ホットスポットが同定されてい
る。1つのこうした突然変異ホットスポットはエクソン10bにある。この領域
にはスプライシング突然変異を擬態するミスセンス突然変異が含まれる。
【0080】 材料および方法 NF1患者 患者全員について、NF1の診断は、1988年のN.I.H.共同声明(St
umpfら)により提案され、また1997年に更新された(Gutmannら)診断基準
が2つあるいはそれ以上存在することが前提となっている。本研究は倫理研究委
員会により承認されており、また、インフォームド・コンセントが、研究される
患者から得られている。患者は、医学的フォローアップと遺伝学的アドバイスの
ために面談されるよう、公正に無作為に選ばれた。患者は、一般的な突然変異研
究調査の一部として選ばれた。37人の患者がゲントの医療遺伝学部門およびエ
ラスームブリュッセル病院の遺伝子部門により助言を受けた。
【0081】 核酸抽出 DNAおよびRNAサンプルが、EBV形質転換リンパ球様細胞系統からの抽
出により、37人の血縁関係を有していないNF1患者から得られた。細胞内完
全RNAおよびゲノムDNAが記載されているように(Messiaenら、1997)分離
された。
【0082】 cDNA解析およびインビトロ転写/翻訳解析 第1鎖cDNAがランダムプライミング(Messienら、1997)により合成され
、およびcDNAは、全コード領域の増幅に対して、5プライマー対を使用して
増幅された(10)。4μl PCR産物が、記載されているように(Messiaen
ら、1997;Claesら、1998)、最適化されたインビトロ転写/翻訳反応において
使用された。55kDaの同じ切断ペプチド断片が、エクソン1から12aにわた
る断片のインビトロ転写/翻訳により、37人の患者のうち2人で観察され、ま
た、それに相当するcDNAが、ヌクレオチド位置により設計された、0.15
μM蛍光イソチオシアン酸(FITC)標識プライマーを使用して、サブクロー
ン化を行って、また行わずに、サイクルシークエンシングにより解析された。す
なわち、5′−CTTCGGAATTCTGCCTCT−3′(400−418
)、5′−CTGATATGGCTGAATGTG−3′(719−736)、
5′−GCCTGTGTCAAACTGTGT−3′(967−984)および
5′−CACACCCAGCAATACGAA−3′(1367−1384)お
よび熱シークエナーゼ蛍光標識プライマーサイクルシークエンシングキット(Am
ersham社製)。サンプルは7M尿素を含有する6%LongRangerゲル(FMC)上
に載せられ、またALF自動化されたDNAシークエンサー上で解析された。c
DNAの部分の中にミスセンス突然変異の存在をチェックするために、PR−P
CR断片は、pCR−TOPOクローニングキット(Invitrogen社製)を使用し
てクローン化され、また、90の個々のクローンがさらにサイクルシークエンシ
ングにより解析された。
【0083】 ゲノムDNA解析 エクソン10bは、記述されているように、そのプライマー対を使用して増幅
され(Purandareら、1994)、およびPCR産物はさらに、サブクローン化せず
に、サイクルシークエンス法により解析された(Messiaenら、1997)。突然変異
は、命名法作業グループの推奨により、cDNAおよびゲノムの変化の両方に関
して、ヌクレオチド1と称される翻訳の開始部位により、開始されることが報告
されている(Antonarikis、1998)。
【0084】 結果 NF1遺伝子の全コード領域が、EBVリンパ芽球様細胞系統が入手できた3
7人の血縁関係を有していないNF1患者におけるタンパク質切断試験により解
析された(Heimら、1995)。2人の患者で、エクソン1から12aまでを含む領
域で、およそ55kDaの同じ短くなった断片が認識された。両方の患者とも、他
の領域に関するインビトロ転写/翻訳では、正常サイズの断片を示した。RT−
PCR断片の電気泳動により、患者1から、2つの分離バンド、すなわち、18
68−bpの正常サイズのバンドと、およそ60−bp小さかったバンドである
が、1.5%アガロースゲル上で認識された。しかし、患者2では、正常サイズ
のバンドのみがみられ、この患者では、同じサイズの切断タンパク質が異なる方
法で形成されていることが示された。この領域におけるDNAシークエンス法に
より、両方の患者において異なる突然変異が明らかにされた。患者2では、エク
ソン10bにおいてnt 1465−1466でCの挿入がみられ、即時的にこ
の部位で停止コドンの創成という結果となった。患者1では、エクソン10bの
最後部の62ヌクレオチド欠失/飛び越しが、両方のリンパ球およびEBVリン
パ芽球様細胞から得られたRNAで観察された(図12B)。ここでも、即時的
な結果では、この部位での停止コドンの形成となり、タンパク質切断解析により
みられた同じ画像を説明していた。ゲノムレベルでのエクソン10bのさらなる
解析では、患者2における挿入1465insCの存在が確認された。しかしな
がら、患者1では、ミスセンス突然変異が同定された。すなわち、TyrからC
ys(Y489C)へとそのコドンを換える、A1466Gである(図12A)
。 この散発性患者の両親はこのミスセンス突然変異を担体してはいなかった。
このミスセンス突然変異は、1つのスプライシング欠陥を擬態している。すなわ
ち、実際には、ゲノムDNAの位置1466におけるAからGへの置換は新しい
スプライシング供与体部位を作り出す(CT/GTAAG)(図12C)。ニュ
ーラルネットワークによりスプライシング部位予想に関するプログラム(http:/
/www-hgc.lbl.gov/projects/splice.html)を使用した正常と突然変異配列の解
析では、正常エクソン10b供与体部位(GCTTTGT/gtaagtat)
に関しては0.86スコア、また、ミスセンス突然変異Y489C(AGAAG
CT/gtaagtat)により創成される新しい供与体に関しては、より高い
0.97スコアを示した。患者1のEBVリンパ芽球様細胞系統から得られたR
T−PCR断片がクローン化され、また90の個々のクローンがさらに、cDN
A分画中のミスセンス突然変異の存在に関してチェックするためサイクルシーク
エンス法により解析された。1.5%アガロースゲル上の1868−bpの正常
サイズバンドを示す50 cDNAクローンでは、野生型配列のみが見つかり、
また、それらのうちのいずれにも、ミスセンス突然変異は存在していなかった。
アガロースゲル電気泳動による証拠として、ごく小さな挿入断片(およそ60−
bp)を含有する40クローンには、さらに小さなサイズがmRNAの中にある
イントロン10bに沿ってエクソン10bの最後部62ヌクレオチドの飛び越し
によるものであった(図12B)。これは、cDNAレベルで突然変異Y489
Cの主要なアウトカムが、エクソン10bの最後部62ヌクレオチドの飛び越し
であることを示している。Y489Cおよび1465−1466insCはゲノ
ムレベルでは異なる突然変異であるが、ニューロフィブロミンのGAPドメイン
の前では、正確に同じ位置ではうまいことに未成熟の停止コドンの形成という結
果になる。同じスポットにおける2つの異なる突然変異(すなわち、1465−
1466insCおよび1466A>G)の発見がそれ自体の中に突然変異ホッ
トスポット(Cooperら、1998)を示しているので、これらの発見により、本発明
者らはより大きな患者集団におけるエクソン10bを解析することが促されるこ
ととなった。本発明者らは、この時点で、105人の調査研究されて判明したN
F1患者の総数について、4人の血縁関係を有していないNF1患者における突
然変異Y489Cを同定しており、NF1集団におけるこの突然変異の罹患率を
約4%であると推定することができた。
【0085】 実施例7:NF1遺伝の徹底した突然変異解析により、突然変異の95%を同
定することができ、また、通常ではみられないスプライシング欠陥の高い頻度が
明らかにされる。 患者、材料および方法 この予見的な研究には、臨床上のフォローアップと遺伝子カウンセリングのた
めに、ゲント大学病院、リエージュ大学、ブリエ(Vrije)大学ブリュッセル、
およびブリッセル自由大学の医療遺伝学部門でみられた67人の無関係な指標と
なる患者が含められた。患者全員の臨床上の特徴は、「NNFF国際NF1突然
変異解析コンソーティアム」の形式を用いて文書化された。1988年のN.I
.H.共同声明(Stumpfら、1988)により提案され、また1997年に更新され
た(Gutmannら、1997)診断基準を満たした患者のみが本研究に含められた。本
研究は、ゲント大学病院(ベルギー)の倫理委員会により承認されている。患者
全員から得られたEBV形質転換Bリンパ芽球様細胞系統は確立細胞系統であっ
た。38人の患者は新規症例として呈示され、また、29人の患者は家族性であ
った。突然変異のその家族性あるいは散発性の性質は、家族の構成員の解析によ
り証明された。全ての突然変異が第2の個々のサンプルについて証明された。そ
の突然変異は血縁関係を有していない100人の正常な染色体上には存在しなか
った。
【0086】 RNA分離およびcDNA合成 RNA分離の前に、EBV形質転換細胞系統培養が分割された。ナンセンス仲
介mRNAの崩壊を防ぐために、1つの継代培養は、ピューロマイシンの存在下
で維持され〔16時間、200μg/mlピューロマイシン(Sigma社製、p725
5)、さらに進んだものは、Pplus培養と呼ばれる〕、一方、その他の継代
培養では、ピューロマイシンはまったく添加されなかった(さらに進んだものは
、Pmin培養と呼ばれる)。RNAは患者全員について、両方のタイプの培養
から抽出された。
【0087】 細胞内完全RNAはすべて、製造業者の指示により、TRIzol LS試薬(Gibco B
RL社製、10296-010)によって抽出された。
【0088】 cDNAは、ランダム六量体(Amersham Pharmacia Biotech社製) および2
00UスーパースクリプトII逆転写酵素(Gibco BRL社製)を使用して2〜3
μg完全RNAにより合成された。
【0089】 RT−PCRおよびPTT 5重複断片における総NF1 cDNAの増幅に使用されたプライマーは以前
に記述されたとおりのものであった(Heimら、1995)。3〜5μl PCR産物
、20μMアミノ酸混合マイナスロイシン(Promega社製、L4610)および1.6
μl3Hロイシン(特異的活性1mCi/mmol;Amersham社製)がTNTTM結合網状
赤血球可溶化液システム(Promega社製)に添加された。反応は記述されている
ように実施された(Claesら、1998)。サンプルは10%および15%SDS−
PAGEゲル上で電気泳動にかけられ(ProteanII Biorad、20×24cmゲル)
、16時間、30mA(10%ゲル)および40mA(15%ゲル)で運転した。1
4Cメチル化タンパク質(Amersham Pharmacia Biotech CFA626)がタンパク質
重量マーカーとして使用された。合成されたポリペプチドは、X線フィルムに2
0および60時間曝露後、オートラジオグラフ法により視覚化された。
【0090】 突然変異とは関連のないスプライシング突然変異体の半定量解析 cDNAは、以下のプライマー対を使用してPCRの20サイクルにかけた。
すなわち、5′−FITC−TTGACTTGGTGGATGGTTT−3′(
cDNA 749−777)およびエクソン7(E7)飛び越しの解析のための
5′−TTGAGAATGGCTTACTTGGA−3′(cDNA 1096
−1077);5′−FITC−GGGCAGATAAAGCAGATAAT−
3′(cDNA 6721−6740)およびE37飛び越しの解析のための5
′−CCGGATTGCCATAAATAC−3′(cDNA 7029−70
12)である。
【0091】 転写物の半定量解析は、記述されているように(Lambertら、1998)、ALF
自動化DNAシークエンサー(Amersham Parmacia Biotech社製)上で、5%変
性アクリルアミドゲル上で実施された。短縮転写物の性質は、記述されているよ
うに直接サイクルシークエンス法によりサブクローン化した後に証明された(Me
ssiaenら、1997)。
【0092】 スプライス部位スコア 全てのスプライシング突然変異の配列環境が、ニューラルネットワークによる
スプライシング部位予測(SSPNN)を使用して解析され、また、スプライシ
ング部位スコア(SSS)が得られた(URLアドレス:http://www.fruityfly
.org/seq tools/splice.html)。5′および3′スプライシング部位(ss)の
全てに関して、コンセンサス値(CV)がShapiroとSenepathy(1987)により開
発されたとおりに計算された。
【0093】 cDNAシークエンシング PTTゲルから得たオートラジオグラムにより、特異的な切断ペプチドを引き
起こした突然変異のもっとも曖昧な位置を予測することができ、またRT−PC
R断片が、コード配列(頼めば入手可能な配列)に沿って分布している5′−フ
ルオレセインあるいは5′−Cy5標識配列決定プライマーを使用して、熱シー
クエナーゼTM蛍光標識化プライマーサイクルシークエンシングキット(Amersh
am Pharmacia Biotech社製)により、対応する領域においてサイクル配列決定さ
れた。
【0094】 ヘテロ二重鎖解析(HA) エクソンはゲノムDNAから増幅された。いくつかのエクソンに関しては、P
CRプライマーはOLIGO V5ソフトウェア(表6)を使用して、開発され
た。他のエクソンに関してはPCRプライマーは記述のとおりのものであった(
Purandareら、1994;Hoffmeyerら、1998;Maynardら、1997;Abernathyら、1997
;Cawthonら、1990;Liら、1995)。エクソン1および49はまだ研究されてい
なかった。大きなエクソン16、21、28、29、31、33、35、37お
よび38に関しては、HAの感度は、200〜300ntの間の最適サイズを有
する断片を入手するために、特異的なREによる加水分解により改善された。増
幅後、断片は5′に関しては98℃で変性させた。また、68℃で1時間再アニ
ーリングが可能であった。PCR産物の2〜4μlが、8μl負荷緩衝液(25%
ブロモフェノールブルー、25%キシレンシアノール、30%グリセロール)と
混合され、また、10%グリセロールを含有する1xMDEゲル上に戴置された
(FMC、メイン州ロックランド市)。電気泳動後、ゲルはEtBr(0.5μ
g/l)により染色され、また、ライトボックス下で評価された。異常断片はさら
に、前進増幅プライマーあるいは配列決定のための入れ子状態のプライマーを使
用してサイクルシークエンシング法によりさらに解析された。
【0095】 細胞遺伝学的解析および蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FIS
H)PTTおよびHAによっては突然変異がまったくみつからなかった患者は、
細胞遺伝学的解析おびFISHにより解析された。細胞遺伝学的解析は、標準的
な手順により、PHA刺激Gバンド分裂中期に実施された。超顕微鏡的欠失を検
出するために、二重色調FISHが、Correaら(1999)により記述されているP
ACクローン22(926B9;5′NF1)および13(1002G3;3′
NF1)を使用して、Van Royら(1994)により実施された。
【0096】 サザンブロット解析 ゲノムDNAの6μlがEcoRIおよびBg/II(ともにGibco BRL社製)
の30Uにより、6時間37℃加水分解された。加水分解されたDNAが、0.
8%アガロースで電気泳動にかけられ、また、正に荷電されたナイロン膜(Hybo
nd N+Amersham)に移された。ハイブリダイゼーションは、記述されているよう
に、cDNAプローブGE2、FF13、FE5D、P5およびB3Aを使用し
て(Machukら、1991)、標準的な手順を使用して実施された(Sambrookら、1989
)。
【0097】 結果 組み合わせたアプローチおよび突然変異スペクトルを使用した突然変異検出率 本発明者らは、すべての29人の家族性症例および38人の散発性患者のうち
35人を含む、真正の病因となる突然変異を67人の血縁関係を有していないN
F1患者中64人において同定した(95.5%)(表5)。
【0098】 ピューロマイシン処理EBV−リンパ芽球様細胞系統から開始する最適化PT
Tにより、その突然変異は56人の患者におけるcDNAおよびgDNAレベル
の両方で完全に特徴付けを行った(56/67の患者:83.5%)。25人が
ナンセンスであった(25/67の患者;37%)、12人がフレームシフトで
あった(12/67の患者;18%:1つあるいは数個の塩基対のうち、5挿入
と7欠失)。および19人がインフレームあるいはアウトオブフレームスプライ
シング突然変異(19人/67人;28%)であった。
【0099】 HAによる残りの患者のさらなる研究調査では、6人の単一アミノ酸(9%)
のミスセンス突然変異および/または欠失:C93Y、C187Y、L847P
、2970〜2972delAATあるいは991delMおよび7096−7
101delAACTTTあるいは2266delNFを同定するという結果に
なった。
【0100】 44人(41%)の単一塩基対置換のうちの18人は、メチル化すると、突然
変異に容易に陥ることが知られているCpGジヌレオチドで、C>TあるいはG
>A塩基転移によるものであった。
【0101】 NF1遺伝子全体の欠失は、5′(926B9)および3′(1002G3)
PACクローンが存在しないことにより、証拠とされるFISH解析により発見
された。細胞遺伝学的およびFISH解析では、大きなNF1ファミリーの中で
均衡転座が示されている。すなわち、PAC 926B9としてNF1遺伝子を
切断するt(14;17)(q32;q112)がder(17)およびder
(14)上のPAC 1002G3でみつかった(データは図示せず)。
【0102】 同定された突然変異(転座を含めて)の32人は最新のデータ(1999年3
月以前の国際NF1突然変異解析コンソーティアム;URLアドレス:http://w
ww.nf.org/nf1gene/nf1gene.home.html、Arsら、2000、Fahsoldら、2000、およ
び、UpadhyayaとCooper、1998による公表データの最新の総説)と比較しても新
規なものである。
【0103】 翻訳阻害がPTTおよび直接サイクルシークエンシングによる未成熟終結コド
ンの検出を容易にする
【0104】 ナンセンス仲介mRNAの崩壊が、RNAに基づく突然変異検出の諸方法をも
っとも損なうが、ピューロマイシンを使用して回避することができる(Andreutt
i-Zauggら、1997)。Pmin EBV培養培地から抽出されたRNAからか開
始して、PTTは突然変異体転写が高度に不安定である場合であっても、切断ペ
プチドを検出する。しかし、蛍光染料を使用したcDNA断片の直接サイクルシ
ークエンシング法が、そのナンセンス仲介崩壊によりひどく損傷をうけるが、そ
の信号雑音比は、Pplus EBV培養培地から開始されているものよりもず
っと良好になっている。代表的な結果を図4Bに示す。
【0105】 本発明者らは、PTTの感受性と直接サイクルシークエンシング法を、ピュー
ロマイシンにより処理された、および処理されない、13 EBVリンパ芽球様
細胞培養培地の中で、比較した(6、図3、4、15および17)。PTTによ
り、培養培地の両方のタイプから得られる全ての切断ペプチドがオートラジオグ
ラムの60時間曝露後に認識された。しかしながら、Pmin EBV培養培地
の7においてのみ、その突然変異体転写物は直接cDNAシークエンシングによ
り遍く同定された。その残りの6つの培養培地では、突然変異体転写物の発現は
、シークエンシングクロマトグラムにおける野生型ピークの高さに対する突然変
異体の割合が<0.35である正常転写物に比較して高度に減少している。直接
cDNAサイクルシークエンシングは、これらの症例における病因となる突然変
異を明らかにすることはできない。対照的に、すべてのPplus EBV培養
培地においては、その突然変異が同定され、また、シークエンシングクロマトグ
ラムにおける突然変異体と野生型ピークの高さとの間のその割合は、0.8と1
.00の間で変化した。
【0106】 突然変異、突然変異ホットスポットおよび再発突然変異の分布 突然変異はその遺伝子に沿って等しく分布されるようにみえる。しかしながら
、ある種のエクソンはより高い突然変異濃度を有することがある(図9A)。研
究調査されている患者の15%では、突然変異は、エクソン10a−10b−1
0c内でみつかったが、その領域は、コード領域の4.5%のみから成る。この
領域では、3つの再発性突然変異(R440X、R461XおよびY489C)
がみつかった。E37では、コード領域のたった1.2%のみから成り、突然変
異がその患者の5.9%にみつかった。10の再発性突然変異が、20の血縁関
係を有していない患者で同定され、合計するとこの研究調査(5)に見つかった
突然変異の30%の割合を占める。すなわち、R304X、R440X、R46
1X、Y489C、2033−2034insC、R1362X、R1513X
、R1849Q、Y2264X、7096−7101delAACTTT(図9
B)である。NF1ハプロタイプが突然変異R1849Qを担体する両方の家族
で異っていたので、再発は子孫でも同一のものになるとすることはできない。
【0107】 R304X、R440X、R461X、R1362X、R1513X、R18
49Qはその再発を説明することが可能な、CpGジヌクレオチドC>Tあるい
はG>A置換である。この突然変異ホットスポットを取り巻く配列に集中してい
る1466A>G(Y489C)の再発を説明する証拠はない。本発明者らは、
この突然変異を5/232の血縁関係を有していない患者で見つけ出した(Mess
iaenら、1999)。2033insCの再発は、7シトシンのひと配列においてポ
リメラーゼが滑ることにより引き起こされることがある。突然変異Y2264X
(C6792AおよびC6792G)はパリンドローム配列だけではなく直接的
なAC−反復を含む配列環境にも存する。7096delAACTTTは二つの
AACTTTタンデムリピート(縦列反復配列)の間で滑って起こる誤対合によ
り引き起こされることがある。
【0108】 NF1遺伝子におけるミスセンス突然変異およびそれらの病原性 本発明者らは、単一アミノ酸の6つの真正のミスセンス突然変異あるいは欠失
、すなわち、C93Y、C187Y、L847P、2970−2972delA
ATおよび7096−7101delAACTTTを同定した。これらは300
の正常な対照染色対には存在せず、ラット(D45201)、マウス(L103
70)、フグ(AF064564)、ショウジョウバエ(L26501)におい
て進化時に保存され、5つの家族性の症例における障害により分離され、1つの
散発性の症例で新規のものであることが証明された。総コード領域がゲノムレベ
ルで非反復の観点から研究されれば、4つのさらなる突然変異がミスセンス突然
変異であると誤って考えられている可能性がある。すなわち、Y489C(2X
)、V1093M(1X)およびR2616Q(1X)である。Y489Cはス
プライシング突然変異として報告されている(Messiaenら、1999)。V1093
Mは、E19bの真中に、新規なスプライシング供与体を作り出すことにより、
スプライシング突然変異と同様に作用する。家族性の患者NF−027でみつか
ったR2616Qは、300人の対照正常染色体ではみつかっておらず、ポリペ
プチド鎖における劇的な変化を引き起こすことが予測され、また、ラット、マウ
ス、フグおよびショウジョウバエ(図16)で保存されている。しかしながら、
この変化はその家族内での障害とは分離しなかった(図16)。この指標となる
患者はR2616QおよびR304Xに関してヘテロ接合性の複合体であり、後
者はPTTにより同定されている。R304Xは、彼女の健康な娘がR2616
Q対立遺伝子を受け継いでおり、また罹患している娘の方がR304Xを受け継
いでいるように、この家族における真正の病原性突然変異である。この発見は、
ミスセンス突然変異の病原性について確たる結論が下される前に行われる、切断
突然変異に関する総コード領域の解析の重要性を強調するものである。
【0109】 スプライシング欠陥という結果を生じる突然変異 スプライシングエラーは、19/67(28%)の患者で検出された(表5お
よび7)。
【0110】 たった4つのスプライシング突然変異のみが、正準GTスプライシング供与体
あるいはAGスプライシング受容体にあった。すなわち、IVS12a+1G>
T、6577delGAGgta、IVS26−2A>TおよびIVS27b−
2A>Tである。
【0111】 6つの突然変異は、5′あるいは3′スプライシング部位(ss)のより保存
されることが少ない位置にあった。すなわち、IVS16+3delaaagt
g、R1849Q、K2286N、IVS16−6delcttt、IVS19
b−3C>GおよびIVS39−12T>Aである。
【0112】 1つのナンセンスおよび2つのミスセンス突然変異が、新規の5′および3′
ssを作り出し、また、スププライシング突然変異、すなわち、S1765X、
Y489CおよびV1093Mである。
【0113】 Y2264X(C6792XおよびC6792G)はE37飛び越しを結果的
に生じ、またR304Xはそのナンセンスコドンの保持の他にE7飛び越しを部
分的に結果的に生じている(図5)。両方の突然変異とも、現存する正常ssを
改変することもなく、また新規のものを作り出すこともなく、エクソンスプライ
シングエンハンサーとmRNAスプライシング因子の間の改変された相互作用に
よりその影響を発揮することがある(Messiaenら、1997、Hoffmeyerら、1998)
。その残りの25のナンセンス突然変異はスプライシング欠陥と関連しているも
のではなく、またしたがって、ナンセンス仲介エクソンの飛び越しはNF1にお
いてはどちらかというと例外的なものである。
【0114】 ShapiroとSenepathy(1987)によるコンセンサス値(CV)、およびニューラ
ルネットワークによるスプライシング部位予測(SSPNN)スプライシング部
位スコア(SSS)が、スプライシング突然変異に関与していた全てのスプライ
シング部位について計算が行われた(表7)。
【0115】 そのエクソンの5′および3′コンセンサスssにおける突然変異による単純
な飛び越しは、たった4症例でのみ観察された。すなわち、6577delGA
Ggta、K2286N、IVS16−6delcttおよびIVS19b−3
C>Gである。K2286Nだけは、翻訳される場合は、その読み枠を完全に残
す転写を結果的に生じる。残りのスプライシング突然変異は複合的な影響を有し
ていた。
【0116】 IVS12a+1G>TはE11と12aの両方の飛び越しにつながる。注目
すべきことは、突然変異がE12aの5′ssに影響を及ぼす場合には、両方の
エクソンについての飛び越しを説明するE11の正常5′および3′ssとE1
2aの3′ssに関するCVとSSSが非常に弱いことである。R1849Q(
5547G>A)は、E29(ex29del)を欠いている転写物をまた、同
じ分量のE29+30(ex29/30del)の両方を欠いている転写物を結
果的に生じる。同じ転写物が、突然変異IVS29+1G>Cを有する患者で見
つかっている(Osbornら、1999)。この領域はヒト脳組織でのみ発現するex2
9delまた全ての組織で低いレベルで検出可能なex29/30delの組織
特異的代替スプライシングに関与している(Parkら、1998)。非脳組織における
ex29del発現の構成上の増加は、この家族におけるNF1を引き起こす病
原性病変部になると考えられる。
【0117】 いくつかの症例におけるエクソンの飛び越しの他に7つの突然変異、潜在性s
sの活性化あるいは新規に創成されたssの使用、すなわち、IVS16+3d
elaaagtg、Y489C、V1093M、IVS26−2A>T(図10
)、IVS39−12T>A(図11)およびS1766Xが誘発された。NF
1エクソンの5′ssに影響を与える全ての突然変異に関して、突然変異ss(
M)のCVとSSSは、野生型ss(N)よりも低かったが、しかし、SSSの
間の差異はさらに顕著なものであった。
【0118】 Y489C(図12)およびV1093M(図13)の両方とも、野生型5′
ssに比較して、ほとんど同じCVにより新規の5′ssを創成する。SSPN
Nによるss強度の予測は、わずかに良好な結果を生んでいる(表7)。E19
bの天然5′ssは、V1093Mにより創成された弱い供与体ssによっても
それが非活性化される理由が説明できるが、霊長類には一般的なものではない(
/gtaat、下線部は稀少なヌクレオチド)。
【0119】 3′ssにおける突然変異は、野生型3′ssに比較して低いか(3/5)あ
るいはほとんど同じ(2/5)CVおよびSSSを有していた。CVあるいはS
SSの両方ともが、その突然変異が潜在性の3′ssのエクソン飛び越しおよび
/または活性化につながるかどうかを予測することはうまくいっていない。
【0120】 IVS16−6delctttおよびIVS39−12T>Aの両方ともが、
タンデムリピート、ctttとgtttをそれぞれ分断した。両方の突然変異に
関して、突然変異体配列のCVおよびSSSは、野生型3′ssと比較して同じ
であり、その上、ミススプライシングが起こり、また両方の突然変異のアウトカ
ムが異なる。IVS16−6delctttは「単純な」E17飛び越しにつな
がるが、強い潜在性の3′ssが57nt上流(SSS 0.96)に存し、ま
た、活性化される場合は、29アミノ酸のフレーム挿入という結果を生じること
になる。IVS39−12−T>Aに関しては、突然変異体3′ss配列(gt
ttgttgttttttgtag/ggtacag)はまだ高いSSS(0
.99)を有しており、その上、明らかに不活性化され、また、IVS39−1
2(gtttgtttgtttgtttgttg/ttttttgtaggg
)新規に創成された3′ssが使用され、インビトロ翻訳後に209アミノ酸の
ペプチドを形成する、IVS39の最後部の10ヌクレオチドを保持している転
写物に部分的につながっていく。その突然変異はさらに、たった44アミノ酸の
みにより短縮されたペプチドに導かれるE40の飛び越しの原因となる。両方の
切断ペプチドは、複数の突然変異体転写物を検出するこの技術の倍率を図示説明
するPTT(図11)により認識された。
【0121】 S1865Xにより創成された新規3′ssは、野生型ssと比較すると、低
いCVとSSSを有しているが、その上、E29の最初の90ヌクレオチドのイ
ンフレーム飛び越しが観察されている(図14)。DietzとKendzior(1994)によ
り提案されているナンセンスコドンを認識することができ、またオープンリーデ
ィングフレームの維持に第一義的に関与している核内スキャニングメカニズムが
このアウトカムを仲介している可能性がある。
【0122】 R304Xおよびスプライシング R304Xは、突然変異体転写物におけるナンセンスコドンの保持をせずにイ
ンフレームE7を結果的に生じるように、(Hoffmeyerら、1997)により示され
た。本発明者らは、2つの血縁関係のない家族から突然変異R304Xを有する
3人の患者を研究調査した。PplusおよびPmin EBV培養培地から抽
出されたRNAから開始して、PPTはそのナンセンスコドンが、すべての患者
で保持されている場合に想定されるサイズであるおよそ33kDaの切断ペプチド
を明瞭に示した(図15)。Pmin培養培地から得られるcDNAのサイクル
シークエンシングは、ナンセンスコドンを含む突然変異体転写物の不等発現を示
した(図15)。転写物の半定量RT−PCR解析は、E7飛び越しが、その転
写物の小さな部分に存在したことを示している(6〜13%;図5)。ピューロ
マイシン処理は、E7飛び越し対完全長転写物の割合を改変することはなかった
(図5)。EBVリンパ芽球様細胞系統では、Ex7del転写物は正常対照者
および突然変異Y2264X(図5)を有する患者では検出することができなか
った(データは図示せず)。本発明者らによる結果からは、少なくともEBV培
養培地においては、E7飛び越しは、突然変異R304Xの主要なアウトカムで
はないということが示されている。本発明者らは、細胞タイプ依存性スプライシ
ングの差異が両方の研究調査の間で明らかな差異があるのかどうかを除外するこ
とはできない。
【0123】 環境因子による突然変異体スプライシングおよび突然変異には関連していない
突然変異体スプライシング TSG101およびFHITなどの特異的腫瘍抑制遺伝子では、内的欠失を伴
ういくつかの転写物は、採取直後に処理されなかったリンパ球(「加齢」血液)
では特に、必ずしもゲノム突然変異には関連していないだけではなく、また、正
常組織から得られるRNAにおいてみつけることもできる。当初血液サンプルか
ら開始されるPTTが開発されたが、しかし、しばしば擬似バックグランドバン
ドがオートラジオグラム上に視覚化され、EBV形質転換細胞系統から開始する
技術を開発することがわれわれには必要となった。ある種の血液サンプルは、病
院から検査室まで運ばれる差異に当然のことながら遅くなり、またそのバックグ
ランドバンドが、PTTにおける切断ペプチドの形成へとつながる「加齢」血液
細胞の誤ってスプライシングされたNF1転写物により引き起こされる可能性が
ある。本発明者らは、NF1転写物における2つの領域に関して、4人の血縁関
係がない正常な対照者か得られた血液サンプルを解析した。すなわち、突然変異
R304Xを有する患者において、E7飛び越しが低程度に観察された領域、お
よび、E37飛び越しを伴う転写物の等しい発現が、突然変異Y2264Xを有
する患者で観察された領域である(Messiaenら、1997)。半定量解析では、E7
および37の飛び越しは、その血液の採取直後に処理された全ての対照サンプル
では検出することができなかった。しかし、全ての4つの「加齢」血液サンプル
では、その転写物の一部分で、E7および37の飛び越しが示された。典型的に
は、E7および37に関する完全長転写物に対する誤ってスプライシングされた
ものの比率は、0.09および0.14の間の範囲にあった。血液サンプルの採
取直後に抽出されなかったRNAから開始する解析では、RT−PCRにおいて
短い転写物が発生するという結果を生じうる。
【0124】 検討 本研究調査では、67人の血縁関係を有していない典型的なNF1患者が、相
補的な技術のカスケードを使用して解析され、またその突然変異が、64人の患
者で同定された(>95%)。したがって、NF1に関する感受性分子診断試験
は、伝統的なNF1患者が複数の相補的および最適化された技術により研究調査
される場合には、達成することができる。
【0125】 PTTによって、本発明者らは、56/67の患者(83%)において突然変
異を同定した。ミスセンス突然変異あるいは小さなインフレーム挿入/欠失が、
6/67の患者(9%)でHAにより発見された。44の単一塩基対置換のうち
18がCpGジヌクレオチドにおけるC>TあるいはG>T塩基転位によるもの
であった。細胞遺伝学的および/またはFISH解析により、NF1遺伝子を切
断する遺伝子全体のうち1つの欠失および1つの均衡転座t(14;17)(3
2;q11.2)が発見された。
【0126】 その突然変異はNF1コード配列に沿って均等に分布していた。しかしながら
、エクソン10a−10cおよびE37は、突然変異が無作為に分布した場合に
予想されるように、さらに突然変異豊富であるなものであると考えられる。本発
明者らは、Fahsoldら(印刷中)により示されているように、E4bが驚くほど
突然変異豊富な領域になることを発見した。これは、本発明者らの小規模な患者
コホート研究によるものであるとすることができる。代替的には、Fahsoldらに
より報告されている再発性のE4b突然変異のいくつかが、散発性対家族性のス
テータスあるいはハプロタイプについてのデータが入手可能ではないので、子孫
により同定することができる。両方の研究調査に関して、本発明者らは、E4b
突然変異の数対、対発見された突然変異の数の代わりに、研究調査された患者の
数を考慮する場合は、E4bに関する同様の寄せ集めた割合が得られる。(Faho
ldらによる521人の患者のうち16人および本研究調査における67人の患者
のうち2人;ともに〜3%)。10の突然変異が本発明者らによる研究調査では
再発しており、また、それぞれ、その生殖突然変異の〜2.9%に上る。再発性
突然変異の高いレベルの数字は予測されていなかった。本発明者らによる結果で
は、エクソン7、10a−10c、13、23.2、27a、29、37、39
が再発性突然変異に潜在することが示唆されており、また、これらのエクソンが
、再発性突然変異を含むことが他者により報告されているエクソン4b、22お
よび31と一緒に(Fahsoldら、印刷中およびUpdyayaとCooper、1998)、NF1
突然変異解析においては、優先的に実施されるべきである。
【0127】 1つの突然変異が39人の散発性患者のうち36人で同定された(92%)。
本研究調査では、初めて、散発性NF1患者においても、その病原性突然変異が
高い効率をもって同定することができることを示している。この努力のもっとも
即時的な結果は、散在性患者の子孫における前症候性/出生前試験を提供する能
力である。さらに、感受性試験は、NF1関連症状を呈する若年患者を診断する
のを助けることができるが、しかし、まだ、N.I.H.診断基準を満たしては
いない。
【0128】 NF1におけるように、高く、また新たな突然変異率を伴う諸条件においては
、体細胞モザイク症の存在が予測されている(Hall、1988)。散在性対家族性N
F1患者における総コード領域を解析した後の突然変異検出率間の比較は現在ま
でのところ公表されていない。本発明者らによる研究調査では、2人の患者のg
DNA直接シークエンシングクロマトグラムからは、その突然変異体と野生型配
列は等しい量で存在するわけではないことが示唆されている。これは、体細胞モ
ザイク症を反映するものとなる可能性もあり、また、現在さらに研究調査が行わ
れている。本発明者らが突然変異を発見しなかった患者は全員、散発性であり、
また、低いレベルの体細胞モザイク症は、その突然変異を発見することに失敗す
る可能性がある。技術が100%感受性のものではないため、本発明者らがその
突然変異を見逃した可能性があるか、あるいは、いままで解析されることがなか
った、エクソン1あるいは49にある5′あるいは3′UTRにその突然変異が
存する可能性がある。
【0129】 症例の大半では、NF1の臨床上の特徴は、PTCにつながっていく突然変異
によりまた、その突然変異体RNAの急速な崩壊によるハプト不全により引き起
こされる。本研究調査では、優性−陰性様式でその影響を発揮する可能性がある
6つのミスセンス突然変異および/または小さなインフレーム欠失が同定された
。ある種の切断されたニューロフィブロミンを作り出す可能性がある突然変異の
もう1つの群は、スプライシングに影響を与える突然変異である。NF1遺伝子
におけるスプライシングエラーの頻度は、他の遺伝子障害に比較して、非常に高
い(28%)か、あるいは、相対的な標的サイズの計算により予測することがで
きる(Krawczakら、1992)。スプライシング突然変異の少数のみ(4/19)が
不突然変異体AG/GTジヌクレオチドで発見され、また3′ssにおける突然
変異は、5′ssにおけるのと同様の頻度であった。8つのスプライシング突然
変異は、総エクソンあるいはエクソンの一部のインフレームの飛び越しを誘発し
、また、「漏出性」である潜在性を有する。これらのスプライシング突然変異の
うち4つ(S1765X、K2286N、C6792AおよびC6792G)は
、安定した突然変異体転写物を形成するので、切断ニューロフィブリンが形成さ
れるという可能性が残る。
【0130】 観察されたスプライシング欠陥により、スプライシング部位競合およびスプラ
イシング部位選択のスプライシング決定因子を調べる、通常ではない機会が提供
される。
【0131】 NF1遺伝子のいくつかの領域に関しては、本発明者らは、正常対照者におけ
るエクソン欠失転写物を発見した。これらの転写物の存在は、「加齢」リンパ球
から抽出されたRNAではさらに顕著であった。複数の代替的なスプライシング
された転写物がNF1に関して記述されている(Danglotら、1995;Suzukiら、1
991;Cawthonら、1990;Parkら、1998)。他の特異的なスプライシング突然変異
体が明らかに形成される観察は、それが典型的には低いレベルであっても、血液
リンパ球が、生理学温度で維持されていない場合には、問題となる。その結果に
より、特定のスプライシング突然変異体の割合を改変することにより、後生的発
現因子が、NF1患者における表現型の可変性に寄与する可能性があるという仮
説支持が付与される。
【0132】 エクソン欠失産物がPTT測定において容易に検出されるという事実から、ゲ
ノムDNAにおいて信頼できる潜在的な突然変異が同定されるまでは、「陽性」
PTT結果の解釈において、注意することが必要であることが示される。特に、
cDNAとゲノムDNAにおける突然変異を同定することができない場合には、
診断目的でそのPTTの結果を使用することは賢明なことではない。
【0133】 しばしば、臨床サンプルは輸送で遅滞し、またこうしたサンプルのcDNA解
析は、スプライシングエラーを擬態するという結果を生むことがある。本発明者
らは、EBV形質転換細胞培養を確立することによりこの問題を回避したが、し
かし、これは、時間を浪費し、また経費がかかる工程である。したがって、本発
明者らは、現行では、効率ならびにフィトヘムアグルチニン刺激リンパ球の短期
間培養から開始するPTTの感受性を評価する。刺激リンパ球の短期培養とピュ
ーロマイシン処理の組み合わせは、PTTによるNF1遺伝子における突然変異
を信頼ができ、かつ感受性の高い方法で同定するのに必要とされる時間を有意に
減少させることができる。
【0134】 NF1遺伝子に対する強力な突然変異検出技術が有効なものになることにより
、i)NF1遺伝子の、部分的NF、胃腸管NF、家族性らせん状NF、家族性
カフェオレスポット、遅発性発症NFおよびNF1関連条件に対する、付加的な
特徴を伴った寄与とは何か、ii)NF1における遺伝子型−表現型相関性が存在
するのか、iii)散発性NF1症例における体細胞モザイク症の寄与は何かとい
った積年の問題に取り組むことが可能となる。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
【表4】
【0139】
【表5】
【0140】
【表6】
【0141】
【表7】
【0142】
【表8】
【0143】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】 最適化NF1遺伝子突然変異解析の概観。 末梢血リンパ球は患者から採取し、DNAはリンパ球から抽出する。随伴する
EBV形質転換リンパ芽球腫細胞系はが開始されるか、PHA刺激リンパ球の短
期間培養が開始される。いったん培養物が安定したら、培養物を分割し、培養物
1(P+培養物;ここでピューロマイシンを添加する)を200μg/mlのピュー
ロマイシンを用いて16時間培養し、第2の培養物(P−培養物;ここではピュ
ーロマイシンを添加しない)をRPMI1640培地でさらにインキュベートす
る。cDNAのサイクル配列決定の良好な信号対雑音比を得るために、P+培養
物から全RNAを抽出する。cDNAはランダムヘキサマーを用いて調製し、コ
ード化領域はT7プロモータを含む修飾フォワードプライマー、KOZAK配列
、および解析される配列を含むフレーム内のメチオニン開始コドンを用いて、5
個の重複断片において増幅する。その後、インビトロ転写/翻訳ペプチド断片を
、SDS−PAGE電気泳動によって分離する。切断ペプチドがある場合、この
切断ペプチドにつながるRT−PCR断片をサイクル配列決定によって解析する
。cDNA配列パターンが解釈されると、我々は、NF1遺伝子コード化ドメイ
ン全体をカバーするリンパ球から直接抽出されるDNAのサイクル配列決定によ
って、ゲノムレベルで解析を続ける。それゆえ、同定される突然変異がEBV形
質転換そのものによって導入されたことは、除外できる。
【図2】 NF1遺伝子(尺度スケールに描かれた60エクソン)およびインビトロ転写
/翻訳に使用される5重複RT−PCR断片の位置の全コード領域の概略図 5個の重複RT−PCR断片の位置を示す。エキソン番号を示す。隣接断片間
の重複は、アミノ酸(AA)中に示す。短い縦線は、RT−PCR断片の直接サ
イクル配列決定を実施するのに用いる配列決定プライマーの位置を示す。下は、
5個の断片のインビトロ転写/翻訳後に得られた正常なペプチドを示すSDS−
PAGEによる画像である。各ゲルは、タンパク質マーカー(14Cメチル化タ
ンパク質CFA626(Amersham))を装填する。69kDaは、タンパク質マー
カーによる最大のペプチド帯のサイズを示す。タンパク質マーカーのより小さい
断片のサイズは、46kDa、30kDaおよび14.3kDaである。GRDはGap
関連ドメインを示し、これは触媒作用GTPase刺激活性(KimおよびTamanoi
, 1998)を持つドメインである。GRDは、タンパク質アミノ酸1172−15
38 に広がる。
【図3】 NF1エキソン20の解析へのピューロマイシンの効果 RNAは、200μl/mlのピューロマイシンを用いて15時間インキュベーショ
ンしたリンパ芽球腫細胞培養物と、インキュベーションを行わないリンパ芽球腫
細胞培養物から抽出した。 A. NF1患者NF−039によるPplusおよびPmin EBV培養物
からのPTT。レーン1:タンパク質マーカー(サイズはkDa)。レーン2、3
、ピューロマイシン処理を行った、または行わないPplusおよびPmin培
養物で、切断ペプチドの存在はPTT解析によって同定された。 野生種ペプチドと比較した切断ペプチドの強度は、ピューロマイシン処理後に大
きく向上した。 B. ピューロマイシン処理を行わなかった培養物から開始した、サブクローニ
ングを行わないcDNAエキソン20の直接サイクル配列決定は、ナンセンス仲
介mRNAの崩壊によって、エキソン20のナンセンス突然変異の存在を明確に
同定することができなかった。 C. ピューロマイシン処理培養物から開始した、サブクローニングを行わなか
ったcDNAの直接配列決定により、エキソン20:3367GtoT、E11
23Xの突然変異の明快な同定につながる、明確な結果が得られた。
【図4】 NF1エキソン10cの解析へのピューロマイシンの効果 A. 正常な対照およびNF1患者NF−033によるPplusおよびPmi
n EBV培養物からのPTT。レーン1:タンパク質マーカー(サイズはkDa
)。レーン2、4:Pplus培養物。レーン3、5:Pmin培養物。レーン
2および3:野性種(WT)NF1のみを示す正常な対照。レーン4および5:
アミノ酸524のNF1停止コドン突然変異の存在により、切断ペプチドを示す
患者NF−033。 B. Pmin(上のパネル)およびPplus(下のパネル)の患者NF−0
33のEBV培養物のcDNA配列クロマトグラム。矢印、ヘテロ接合性ピーク
:アミノ酸524におけるGAA>TAA。
【図5】 NF1エクソン7における特異的ナンセンス突然変異を担体する 「加齢」血
液と、EBV細胞系統に存在するNF1エクソン7飛び越しの断片解析に基づく
ALFであるが、エクソン7における突然変異を担体することのない新鮮血およ
びEBV細胞系統は存在しない。 未処理血液のprelevationの直後細胞培養用インキュベータから取出した後にR
NAを抽出する重要性の図解。RNA全体をPplusおよびPmin EBV
培養物から、そしてただちに処理した(「新鮮」)末梢血リンパ球か、室温で保
存しprevelationの48時間後に処理した(「加齢」)末梢血リンパ球から抽出
し、E6(5′−TTGACTTGGTGGTGGTTT−3′)の5′−フル
オレセイン標識フォワードプライマーおよびE8(5′−TTGAGAATGG
CTTACTTGGA−3′)のリバースプライマーを用いたE7の半定量RT
−PCR解析を行った。レーン1、(新しい末梢血リンパ球)。レーン2、「加
齢」末梢血リンパ球。レーン3および5、ともに突然変異R304Xを持つ患者
NF−027 (A)およびNF−064(B)によるPmin EBV培養物
。レーン4および6、ともに突然変異R304X3を持つ患者NF−027 (
A)およびNF−064(B)によるPplus EBV培養物。レーン7およ
び8、突然変異R2264Xを持つ患者NF−019によるPmin(レーン7
)およびPplus(レーン8)EBV培養物。
【図6】 NF1エクソン37における特異的ナンセンス突然変異を担体する 「加齢」
血液と、EBV細胞系統に存在するNF1エクソン7飛び越しの断片解析に基づ
くALFであるが、エクソン37における突然変異を担体することのない新鮮血
およびEBV細胞系統は存在しない。 未処理血液のprelevationの直後に細胞培養用インキュベータから取出した後に
RNAを抽出する重要性の別の図解。 エキソン36に位置する5′フルオレセイン標識フォワードプライマーおよびエ
キソン38に位置するリバースプライマーを用いて、RT−PCR生成物の断片
解析を行った。20サイクルの増幅を実施した。RT−PCR断片は、ALF自
動DNAシーケンサ(Pharmacia)によって、5%変性ポリアクリルアミドゲル
上で分離した。断片の長さは、内外のマーカー(M)を使用して、Fragment Man
agerソフトウェアを用いて評価した。各転写物の量は、曲線による面積として決
定し、この面積はFragment Managerソフトウェア(Pharmacia)で評価し、特定
のサンプルで得られるすべての断片の和に対して正規化した。これは、スキップ
/全体として表される。
【図7】 105人の患者を解析することにより、NF1遺伝子の全コード領域のPTT
により同定された85突然変異の分布 この図は、拡大したNF1遺伝子のコード化領域全体のの概略図を示す。105
名の患者のうち85名で、NF1遺伝子の突然変異をPTTを用いて描出するこ
とができた(表1を参照)。エキソン番号はViskochil D.(1998)が述べたとお
りに示した。突然変異ホットスポットは、同じヌクレオチドで2名の無関係な患
者のの少なくとも2個の独立発生突然変異の発生によって定義される。例として
は、R304X(エキソン7)、R440X(エキソン10a)、R461X(
エキソン10a)、Y489C(エキソン10b)、2033−2034ins
C(エキソン13)、R1362X(エキソン23.2)、R1513X(エキ
ソン27a)、R1849Q(エキソン29)、2366delNF(エキソン
39)である。また、同一スポットにおける2個の異なる突然変異(たとえば、
エキソン10bの1465−1466insCおよび1466A>G)の発見は
それ自体、突然変異ホットスポットを示す(Cooperら、1998)。さらに、解析さ
れる患者数で同定される突然変異の数をエキソンのサイズに対して重み付けする
場合、突然変異高密度領域、すなわちエキソンエキソン7、10a−10b−1
0cおよびエキソン37が突出する。エキソン31は、突然変異ホットスポット
、すなわちR1947Xを含むことが以前に説明されていた(UpadhyayaおよびC
ooper, 1998)。我々は、これまでこの突然変異を一度発見しただけであったが
、これは複数の研究グループによってすでに発見され、それゆえ反復性突然変異
である。しかしこの突然変異を突然変異ホットスポットと呼ぶことは、偏見によ
って、最近まで、研究グループおよび突然変異を以前に他者が報告したこれらの
領域を調査したグループが優先的に調査した、遺伝子の限定された部分のみであ
る。
【図8】 105人の患者を解析することにより、NF1遺伝子の全コード領域のPTT
を使用して本発明者らがいままでに同定したすべての突然変異の分布ならびに、
突然変異がPTTによっては同定されなかった患者のヘテロ二重鎖解析、FIS
H解析、サザンブロット解析、および細胞遺伝学解析 PTTアッセイで陰性であったすべての患者のすべてのエキソンについてヘテロ
二重鎖解析が完了していない。これまで6個の興味深いミスセンス突然変異およ
び/またはフレーム内欠損が開示された:C93Y(エキソン3)、C187Y
(エキソン4b)、274delL(エキソン6)、L847P(エキソン16
)、991delM(エキソン17)、2366delNF(エキソン39)。
それらの分布は、NF1遺伝子のコード化領域全体を表示しているバー上に与え
られている。また、遺伝子全体の欠損は、4名の患者と1個の転座T(14;1
7)(q32;11.2)見られた。これまで全部で105名の患者の解析によ
り同定されたすべての突然変異を表1にまとめる。
【図9A】 NF1遺伝子における「突然変異豊富な」領域の概観 我々の研究において、エキソン7、10a、10b、10cおよび37は、特に
突然変異が豊富な領域として有効である。あるエキソンのコード化領域のパーセ
ンテージを定義するために、我々は所与のエキソンのヌクレオチド数とコード化
領域全体(すなわち8457nt)のヌクレオチド数の比を求めた。分母におい
て、突然変異が発見されたことのない、代わりにスプライスされたエキソン9b
r、23aおよび48aを除いて、ATGからTGAまでのコード化領域全体が
採取された。
【図9B】 本研究調査でみつかった再発性突然変異の概観 括弧内に示す:反復突然変異を起こしやすいエキソン、患者が散発性(S)であ
るか、家族性(F)であるかにかかわらず、本研究で発見された特異性突然変異
を持つ患者の数。同一の突然変異を有する2名の明らかに無関係な患者が発見さ
れ、患者が家族性である場合、両方の患者が本当に無関係であり、そのために突
然変異が別個に発生したことを確認するために、ハプロタイプ解析を実施した。
【図10】 突然変異IVS26−2A>Tにより活性化されたIVS26における2つの
異なる潜在性スプライシング受容体を検出する現行の方法の倍率の説明図 A. 突然変異4515−2A>Tの存在を示すゲノムDNA配列クロマトグラ
ム。 B. ピューロマイシン処理EBV細胞系から開始した、エキソン26および
27領域の直接サイクル配列決定クロマトグラムは、野生種対立遺伝子に由来す
るエキソン27を含む正常な転写物以外に、2個のミュータント転写物母集団:
IVS26(ミュータント転写物)の最後の14ntの挿入を含む画分およびI
VS26(ミュータント転写物)の最後の17ntの挿入を含む別の画分が存在
することを示した。ミュータント転写物は、IVS26の2個の異なる潜在性ス
プライス受容体の使用によって生成される(表9を参照)。 C. 患者NF−044で生成されたサブクローニングの後の、2個のミュータ
ント転写物母集団のcDNA配列決定クロマトグラム。IVS26(左パネル)
の最後の14ntの挿入を含む画分およびIVS26(右パネル)の最後の17
ntの挿入を含む別の画分。
【図11】 突然変異IVS39−12T>Aの存在により生成された2個の異なるミスス
プライス転写物を検出する現在の方法の能力の図解。 患者NF−005のIV339−12T>AのゲノムDNA、cDNAおよびサ
ブクローン化cDNA配列のクロマトグラム。 A. PTTの結果。レーン1および2:正常な対照EBV培養物からインビト
ロ合成されたペプチド。レーン3:患者NF−005のPmin EBV培養物
からインビトロ合成されたペプチド。矢印は2個の異なる切断ペプチドの存在を
示す:エキソン40がスキップされた転写物に由来するペプチドと、IVSの最
後の10ntの挿入につながるIVS中の新規スプライス受容体の使用によって
生成される転写物に由来する別のペプチド。 B. ミュータントクローン化cDNA転写物のサイクル配列決定。上パネル、
7127−12T>Aによって生成された新規スプライス受容体(gtttgt
hgmgtflgttag/tttttgtag)に使用による、IVS39の
最後の10ヌクレオチドの挿入による転写物。転写物はインビトロ翻訳の後、2
09アミノ酸の切断ペプチドとなる。下パネル、インビトロ翻訳の後、わずか4
4のアミノ酸によって短縮されたペプチドを生じるE40スキッピングによる転
写物。 C. E40のスプライス受容体部位ゲノム領域のサイクル配列決定。矢印、7
127−12T>A突然変異を示すペテロ接合性ピーク。
【図12】 新規スプライシング供与体部位の形成という結果を生じた、エクソン10bに
おける突然変異Y489Cあるいは1466A>Gを示す患者のゲノムおよびc
DNA解析 NF1遺伝子のエキソン10b:1466AtoG(Y489C)は、スプライ
シング突然変異を装う「ミスセンス突然変異」である。この突然変異は、エキソ
ン10bの最後の62ntのスキッピングに至る正常な不変スプライス供与体と
うまく競合する、新規のスプライス供与部位を作成する。 A. スプライス供与部位CT/gtaagの生成を引き起こす、nt1466
におけるAからGへの変換を示す患者NF−017のエキソン10bのゲノム領
域の、サブクローニングを行わないサイクル配列決定; B. 患者NF−017のミュータントクローン化cDNA対立遺伝子のサイク
ル配列決定。エキソン10bの最後の62bpはスキップされ、ただちにエキソ
ン10cが続き、アミノ酸489に停止コドンが生成される。 C. エキソン10b周囲のゲノム領域の概略図。影を付けた箱はエキソンを表
し、正常および新規スプライス供与体配列を示す。nt1466におけるAから
Gへの変換によって、新規スプライス供与体が生成される。
【図13】 スプライシング機器を使用した新規スプライシング供与体部位の形成という結
果を生じた、エクソン19bにおける突然変異V1093Mあるいは3277G
>Aを示す患者のゲノムおよびcDNA解析 NF1遺伝子のエキソン19b:3277GtoA(V1093M)は、スプラ
イシング突然変異を装う「ミスセンス突然変異」である。この突然変異は、エキ
ソン19bの最後の40ntのスキッピングに至る正常な不変スプライス供与体
とうまく競合する、新規のスプライス供与部位を作成する。Splice Site Predic
tion(スプライス部位予測)を使用したNF1遺伝子におけるスプライス優先度
に関する新しい情報は、Neural Networks(ニューラルネットワーク)(http://
www-hgc.lbl.gov/projects/splice.html)を使用して得られる。これをsilico予
測に使用する配列の評価は、野生種エキソン19bが非常に弱いスプライス供与
体を含み、別の弱いスプライス供与体が上流に作成されても不活化する可能性が
あることを示している。 A. 弱いスプライス供与部位TG/gtatgの生成を引き起こす、nt32
77におけるGからAへの変換を示す患者NF−063のエキソン19bのゲノ
ム領域の、サブクローニングを行わないサイクル配列決定;表9を参照。 B. 患者NF−063のミュータントcDNA対立遺伝子の直接サイクル配列
決定。エキソン10bの最後の40bpはスキップされ、ただちにエキソン20
が続く; C. エキソン19b周囲のゲノム領域の概略図。影を付けた箱はエキソンを表
し、正常および新規スプライス供与体配列を示す。nt3277におけるGから
Aへの変換によって、新規スプライス供与体が生成される。
【図14】 5294C>A(S1765X)ナンセンス突然変異。 NF1遺伝子のエキソン29:5294CtoA(S1765Xは、スプライシ
ング突然変異を装う「ナンセンス突然変異」である。この突然変異は、エキソン
29の最初の90ntのスキッピングに至る正常な不変スプライス受容とうまく
競合する、新規のスプライス受容部位を作成する。Splice Site Prediction(ス
プライス部位予測)を使用したNF1遺伝子におけるスプライス優先度に関する
新しい情報は、Neural Networks(ニューラルネットワーク)(http://www-hgc.
lbl.gov/projects/splice.html)を使用して得られる。エキソン29は、しかし
ながら、弱いスプライス受容体が下流に作成されても不活性化する可能性がすで
にある強力なスプライス受容体を含む。 A. 新規のスプライス受容部位の生成を引き起こす、nt5259におけるC
からAへの置換を示す患者NF−009のエキソン29のゲノム領域の、サブク
ローニングを行わないサイクル配列決定;表9を参照。 B. 患者NF−009のミュータントcDNA対立遺伝子の直接サイクル配列
決定。エキソン29の最初の90bpである; C. エキソン29周囲のゲノム領域の概略図。影を付けた箱はエキソンを表
し、正常および新規スプライス供与体配列を示す。nt5294におけるCから
Aへの置換によって、新規スプライス受容体が生成される。
【図15】 スプライシングに対するナンセンス突然変異の影響 突然変異R304Xを持つ患者NF−027のPTT、cDNAおよびgDNA
配列決定の結果、突然変異Y2264Xを持つ患者NF−003およびNF−0
19のPTTの結果。 A. NF1エキソン28−38を含むプライマーを使用したPTTの結果。レ
ーン1および2 患者NF−003(レーン1)および患者NF−019(レー
ン2)で生成された正常および切断ペプチド。我々は、これらの特異性ナンセン
ス突然変異を含むエキソンのスキッピングを引き起こす第1のナンセンス突然変
異を同定した(6792C>Aおよび6792C>G;Messiaenらで発表, 199
7)。Hoffmeyerら(1998)はその後、NF1遺伝子内の他のナンセンスコドンは
、不同性スプライスエフェクタであると主張した。我々は、我々の詳細な突然変
異解析技術を使用して、NF1遺伝子のわずかなナンセンス突然変異のみ、すな
わち以前述べた6792C>Aおよび6792C>Gが、エキソン・スキッピン
グを誘起していることを示す。我々は、R304Xの支配的な影響が、エキソン
7のスキッピングであるということに関して、Hoffmeyerらと意見を異にする。
図15BおよびCを参照。我々の実験は、R304Xの存在の支配的な効果が、
PTTアッセイとcDNAのサイクル配列決定によって明確に立証されるように
、停止コドンの生成であることを示す。 B. NF1エキソン1−12aを含むプライマーを用いたPTTの結果。ピュ
ーロマイシンによって処理しないEBV形質転換リンパ芽球腫細胞培養物および
インキュベータから取り出した直後のRNA抽出物から開始する上述のプライマ
ーを用いた、切断ペプチドを持つ2名の患者の解析。レーン2、3、4は正常な
対照であり、正常に観測されたバンドの存在を示しており、この図ではさらに説
明せず、関連しない。レーン5は、エキソン28−38間の領域の突然変異を担
持している他の患者の切断ペプチドの存在を示す。レーン6は、患者NF−02
7の約33kDaの切断ペプチドの存在を示す。レーン1:タンパク質マーカー。
C. 以下の、サブクローニングを行わないサイクル配列決定。(a) R30
4を停止コドンに変化させる910C>T置換の存在を示す患者NF−027の
gDNA、b) 患者NF−027 Pmin EBV培養物のcDNA。矢印
:転写物のわずかな画分中のTGA対立遺伝子の存在(不等式)、(c) 患者
NF−027 Pplu s EBV培養物のcDNA。矢印:ナンセンス仲介
mRNA減衰の抑制による、等量存在するTGA対立遺伝子の存在。ナンセンス
コドンが保持される場合に、PTT反応で予測されるサイズは33kDaであり、
最適化PTTは転写に対するR304Xの主要な効果を正しく同定することがで
きた。
【図16】 試験の組み合わせカスケードの使用により、(非常に稀少な)多型現象および
真正病理学的突然変異の間の同定が可能になる。 ミスセンス突然変異の病理学的影響の評価は、タンパク質中のすべての機能的ド
メインの知識が存在しないため、非常に困難である。 これらの結論を強調する確実なデータが不足しているにもかかわらず、ミスセン
ス突然変異は真の突然変異としてしばしば報告される(Lambertら、2000)。我
々は、NF1遺伝子のエキソン45、R2616Qのミスセンス突然変異を同定
した:この突然変異は300の正常な対照染色体で見られず、アルギニンはショ
ウジョウバエ、マウス、ラット、およびフグで保存され、アルギニンのグルタミ
ンへの変化はポリペプチド鎖の劇的な変化を引き起こすことが予測される。しか
し、ミスセンス突然変異は、研究した家族の障害によって分離しなかった。コー
ド化領域全体のPTTによって、真の病原性損傷、すなわちエキソン7のR30
4Xが同定され、技術の強さが例証されている。最近の発見の最も直接的な成果
が前駆症状および/または出生前診断を提供することであるため、有効で正確な
分子突然変異解析は極めて重要である。
【図17】 散発性NF1患者NF−075におけるR2429Xの体細胞モザイク症。 患者NF−075は1989年生まれの男性患者であり、小規模なCAL斑(<
5mm)、鎖骨上の皮下神経線維腫、R心房および隔壁を囲み、心臓周囲に浸潤し
ている叢状神経線維腫、縦隔における多発性内部神経線維腫、左腋窩のシミ、左
眼の2個の虹彩小結節を有する。 A: 断片5の概略図、短い棒は、この断片を研究する配列決定プライマーの存
在を示し、アスタリスクは患者NF−075に見られる停止コドンの位置を示す
。 B: パネル1:ピューロマイシンで処理した(レーン4)、処理しなかった(
レーン5)患者NF−055のEBV細胞系の、断片5によるPTT解析ならび
にピューロマイシンで処理した2個の正常な対照細胞系(レーン2、3)におけ
る、15%SDS−PAGE電気泳動およびオートラジオグラムの20時間露光
。この患者NF−055は、生殖系列突然変異R2429Xを有する。患者NF
−075では、別の患者NF−055で以前検出された切断ペプチドとまったく
同じ位置に弱い切断バンドがあることがわかった。このように弱い切断バンドは
、最適の信号対雑音比だけを用いて同定することが可能である。インキュベータ
からEBV細胞系を取り出した直後に抽出したRNAから開始し、非常に感受性
の高い3H−ロイシン含有物を用いたPTTは、その後の分子研究のために、興
味のある領域を効率的に特定できる。 パネル2:ピューロマイシンで処理した(レーン1および3)、処理しなかった
(レーン2および4)、患者NF−055(レーン1および2)および患者NF
−075(レーン2および4)による細胞系における、断片5によるPTT解析
ならびに10%SDS−PAGE電気泳動およびオートラジオグラムの20時間
露光。 パネル3:パネル2と同じゲルであるが、露光時間を延長した(20時間の代わ
りに60時間)。より長い露光を用いると、患者NF−075の切断ペプチドが
さらに速く見られる。 C.(1)NF−055のゲノムDNA直接サイクル配列決定のクロマトグラム
により、その血液リンパ球に突然変異R2429Xが存在することが明らかにな
る。すべての細胞の1 NF1コピーに存在する生殖系列突然変異について予想
できるのと同様に、ミュータントは野生種対立遺伝子と等量存在している。 (2) 正常な対照者のゲノムDNA直接サイクル配列決定のクロマトグラム;
(3) NF−075の直接サイクル配列決定により、その配列において、細胞
の画分中の位置7285のTヌクレオチドの存在を示す小さな信号の存在が明ら
かになる。サイクル配列決定自体そのような信号に病理学的重要性を与えるほど
高感受性ではない; (4) サブクローニングによる患者NF−075のゲノムDNAのそれ以上の
解析により、その血液細胞の画分で突然変異R2429Xの存在が明らかになっ
た。これは、NF1遺伝子のナンセンス突然変異に関する「体細胞性モザイク」
であると同定できた最初の散発性患者である。断片解析(図示せず)は、突然変
異が血液細胞の10%未満に存在することを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/211,929 (32)優先日 平成12年6月16日(2000.6.16) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA12 AA20 CA04 CA11 GA30 HA19 4B063 QA08 QA13 QA17 QQ42 QQ52 QR55 QR62 QS25 QS34 【要約の続き】 よびホットスポットドメインを検出する診断キット、特 異性突然変異NF1タンパク質の構造を修正する化合 物、これらの治療用化合物のスクリーニングに使用でき るインビトロおよび生体内システムを含む。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者のNF1遺伝子の突然変異解析のための方法であって、
    以下の工程: a) 前記患者の末梢血リンパ球を単離する工程、 b) 前記患者の前記末梢血リンパ球を用いてEBV形質転換Bリンパ芽球腫細
    胞系を確立するか、又はフィトヘマグルチニン(PHA)刺激により血液リンパ
    球を短期間培養する工程、 c) EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系又は短期間培養物を、タンパク質合
    成阻害剤を有するタンパク質合成阻害剤によって処理する工程、 d) 前記EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系より培養物のRNAをただちに
    除去する工程、 e) 適切なプライマーを用いて、前記RNAを増幅する工程、 f) 工程e)の前記増幅断片のインビトロ転写/翻訳によって、ペプチド断片
    を得る工程 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記タンパク質合成阻害剤が、ピューロマイシン、シクロヘ
    キシイミド、アクチノマイシンDまたは可能性のある類似体である、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 EBV形質転換Bリンパ芽球腫細胞系のタンパク質合成阻害
    剤による処理直後に、RNAが、室温にて48時間未満の期間に、優先的に抽出
    される、請求項1〜2のいずれか一項記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記増幅工程が、ポリメラーゼ連鎖反応である、請求項1〜
    3のいずれか一項記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の工程d)で抽出した前記RNAが、全RNA
    である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の工程f)に、前記ペプチド断片の分離が続く
    、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 【請求項7】 タンパク質分離によって切断されたペプチドが観察される場
    合、請求項1記載の工程e)で得られた増幅されたcDNA断片を、前記cDN
    A断片内に存在する一部またはすべてのエクソンの特徴づけを可能とするために
    、適切なプライマーによって解析する、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記解析を、適切なプライマーを用いた適切な断片のサイク
    ル配列決定によって実施する、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程e)の前記プライマーが、図2またはいずれかの表に示
    されている、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 【請求項10】 フレームシフト、ミスセンスまたは沈黙突然変異の検出を
    含む、患者のNF1遺伝子の突然変異解析のための、請求項1〜9のいずれか一
    項記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記プライマーが、エキソン4b、7、10a−10c、
    13、22、23.2、27a、29、37または39に位置している、請求項
    1〜9のいずれか一項記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記プライマーが標識されている、請求項1〜11のいず
    れか一項記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記cDNA断片をALFまたは別の(半)自動化配列決
    定方法によってさらに解析する、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記患者のDNAに存在するゲノム突然変異をさらに解析
    するために、前記患者の前記抹消血リンパ球からさらにDNAも抽出する、請求
    項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記解析を、ヘテロ二重鎖解析および/または一本鎖配座
    多型解析および/または(次にサイクル配列決定によってさらに解析される異常
    な移動性PCR断片を検出するために)配座感受性ゲル電気泳動または直接サイ
    クル配列決定によって実施する、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 エクソン7、10a−10b−10c、13、23.2、
    27a、29または39における突然変異の検出を含む、患者のNF1遺伝子の
    突然変異の解析方法。
  17. 【請求項17】 NF1遺伝子の以下の1個以上の特異的突然変異:K33
    K (99del105), C93Y (278G>A), C187Y (
    560G>A), R192X (574C>T), 603−604insT
    (同上), Q209X (625C>T), 819−821delCCT
    (同上), 889−454del474nt (888del174))
    987−988insA (同上), 1261−19G>A (1260in
    sTTTGTTTTTCTCTAGTC), W425X (1275G>A)
    , R461X (1381C>T), Y489C (1465del62)
    , 1466insC (同上), 1527+5G>A (1392del1
    35), E524X (1570G>T), 1605insA (同上),
    S536X (1607C>A), 1642−3C>G (1641del
    80), 2305insT (同上), 2585insA (同上), 2
    836insT (同上), 2850+2del6 (2617del233
    ), 2851−6del4 (2850del140), Q959X (2
    875C>T), Q963X (2887C>T), 2990+3A>C
    (2850del140), Y1044X (3132C>A), 3193
    delC (同上), V1093M (3277G>A/ 3274 del
    40), 3108−3C>G (3314del182), E1123X
    (3367G>T), 3457delCTCA (同上), Q1174X
    (3520C>T), 3704delA (同上), 3708+1G>C
    (3496del212), 4026delG (同上), 4299del
    C (同上), Q1494X (4480C>T), 4515−2A>T
    (4515−14ins14/4515−17ins17), 4773−2A
    >T (4772del433/4772del293), 5033delG
    (同上), 5117delT (同上), R1849 (502del3
    41/5205del544), S1755X (5264C>G), S1
    765X (5215del90/5294C>A), 5567delT (
    同上), 5798delC (同上), Q1966X (5896C>T)
    , 6577delGAGgta (6364del215), R2237X
    (6709C>T), 6858G>C (6756del102), 71
    27−12T>A (7126del132/7127−10ins10),
    7268delCA (同上), K2401X (7201A>T), R2
    429X (7285C>T), 7884−7885delGT (同上),
    8016delA (同上);(前記文字および番号付けは、最初に示される
    アミノ酸レベルでの突然変異を指し、前記突然変異のmRNAレベルでの効果は
    かっこ内に示す) ;またはNF1遺伝子を妨害するゲノム突然変異t(14;
    17)(q32;q11.2)を検出する方法。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の突然変異領域または位置を
    特異的に増幅するプライマーを含む、診断キット。
  19. 【請求項19】 請求項16または17に記載の突然変異領域または位置を
    特異的に増幅するプローブを含む、診断キット。
  20. 【請求項20】 請求項17に記載の突然変異DNAによってコードされた
    、突然変異NF1タンパク質の欠陥構造を修正する化合物を同定する方法。
  21. 【請求項21】 治療剤のスクリーニングに使用可能な、請求項17に記載
    のNF1遺伝子突然変異を含むモデルシステム。
JP2001532232A 1999-10-18 2000-10-18 Nf1遺伝子の改良突然変異解析 Pending JP2003529335A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99870216 1999-10-18
EP99870216.1 1999-10-18
EP00870122.9 2000-06-05
EP00870122 2000-06-05
US21192900P 2000-06-16 2000-06-16
US60/211,929 2000-06-16
PCT/EP2000/010255 WO2001029251A2 (en) 1999-10-18 2000-10-18 Improved mutation analysis of the nf1 gene

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003529335A true JP2003529335A (ja) 2003-10-07

Family

ID=26074255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001532232A Pending JP2003529335A (ja) 1999-10-18 2000-10-18 Nf1遺伝子の改良突然変異解析

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20030134272A1 (ja)
EP (1) EP1255858A2 (ja)
JP (1) JP2003529335A (ja)
AU (1) AU1140101A (ja)
IL (1) IL149211A0 (ja)
WO (1) WO2001029251A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016512432A (ja) * 2013-03-14 2016-04-28 マイラン・インコーポレイテッドMylan Inc. 酢酸グラチラマー応答バイオマーカーmRNA効力アッセイ
US10663457B2 (en) 2013-10-24 2020-05-26 Mylan Inc. Human T cell line assay for evaluating the immunologic identity of glatiramer acetate preparations

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070148636A1 (en) * 2005-12-23 2007-06-28 Song Min-Sun Method, compositions and kits for preparation of nucleic acids
EP2510125B1 (en) * 2009-12-09 2018-08-22 Ezygene Pty Ltd Hyperprimers
CN103045605B (zh) * 2012-12-26 2015-01-07 首都医科大学宣武医院 一种与脑血管狭窄有关的ⅰ型神经纤维瘤nf1基因突变核苷酸序列及其应用
CA2967027A1 (en) * 2014-11-12 2016-05-19 Recombinetics, Inc. Heterozygous modifications of tumor suppressor genes
CN106755399B (zh) * 2016-12-21 2019-11-15 杭州艾诺医学检验所有限公司 一种i型神经纤维瘤病致病突变基因及基于此突变基因的病因学诊断试剂
KR101925974B1 (ko) * 2017-04-05 2018-12-06 울산대학교 산학협력단 게놈 dna 기반의 장 pcr 프라이머 세트를 포함하는 신경섬유종증 진단용 조성물
CN109988824A (zh) * 2019-04-30 2019-07-09 明码(上海)生物科技有限公司 一种检测nf1基因外显子基因突变的引物及方法、试剂盒
CN110184275B (zh) * 2019-06-19 2021-06-04 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 一种nf1新突变致病基因及应用和试剂盒
KR20220041211A (ko) 2019-08-09 2022-03-31 넛크래커 테라퓨틱스 인코포레이티드 치료학적 조성물로부터 물질을 제거하기 위한 제조 방법 및 장치

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5605799A (en) * 1990-07-12 1997-02-25 University Of Utah Research Foundation Somatic mutations in neurofibromatosis type 1 gene in human tumors

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016512432A (ja) * 2013-03-14 2016-04-28 マイラン・インコーポレイテッドMylan Inc. 酢酸グラチラマー応答バイオマーカーmRNA効力アッセイ
US10344330B2 (en) 2013-03-14 2019-07-09 Mylan Inc. Glatiramer acetate response biomarker mRNA potency assay
US10663457B2 (en) 2013-10-24 2020-05-26 Mylan Inc. Human T cell line assay for evaluating the immunologic identity of glatiramer acetate preparations

Also Published As

Publication number Publication date
AU1140101A (en) 2001-04-30
EP1255858A2 (en) 2002-11-13
IL149211A0 (en) 2002-11-10
WO2001029251A2 (en) 2001-04-26
WO2001029251A3 (en) 2002-08-01
WO2001029251A8 (en) 2003-02-06
US20030134272A1 (en) 2003-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2195497C2 (ru) Масштабное генотипирование заболеваний и диагностический тест на мозжечковую атаксию тип 6
US5851762A (en) Genomic mapping method by direct haplotyping using intron sequence analysis
Bourdon et al. A detailed analysis of the MECP2 gene: prevalence of recurrent mutations and gross DNA rearrangements in Rett syndrome patients
US5650277A (en) Method of determining the presence and quantifying the number of di- and trinucleotide repeats
US6361949B1 (en) Nucleic acid amplification with direct sequencing
Gall-Duncan et al. Advancing genomic technologies and clinical awareness accelerates discovery of disease-associated tandem repeat sequences
JP2003529335A (ja) Nf1遺伝子の改良突然変異解析
Frio et al. A single‐base substitution within an intronic repetitive element causes dominant retinitis pigmentosa with reduced penetrance
JP2000507823A (ja) フォンヒッペル・リンドウ(vhl)病遺伝子の部分的イントロン配列及び疾病の診断におけるその使用
Bunge et al. [3] Simple and nonisotopic methods to detect unknown gene mutations in nucleic acids
EP0570371B1 (en) Genomic mapping method by direct haplotyping using intron sequence analysis
Hu et al. Fine mapping a gene for pediatric gastroesophageal reflux on human chromosome 13q14
Enomoto et al. Divergent variant patterns among 19 patients with Rubinstein‐Taybi syndrome uncovered by comprehensive genetic analysis including whole genome sequencing
JPH05211897A (ja) ヌクレオチド配列
BG107904A (bg) Г...н...'и-...н '...'' за ид...н'и"и-иран... на но'и'...ли на компл...к'ни гръбна-ни мал"орма-ии при ...дър рога' доби'ък
US11674180B2 (en) Method and kit for determining hyperexcitability in subject
JP2001510322A (ja) 18番染色体長腕(18q)上のマーカーに相関する両極性気分障害の治療法
US10174374B2 (en) Detecting the brachyspina mutation
JP4691491B2 (ja) アルツハイマー病の診断および予後のための方法
WO1993017104A1 (en) Dna sequence of myotonic distrophy gene and uses thereof
Fish Analysis of genetic variations associated with arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy
Bettinaglio Involvement of NF1 3'tertile and its interactors in spinal neurofibromatosis type 1 and role of double mutations in NF1 compound heterozygotes
JP3745331B2 (ja) ウシのHsp70欠損症の遺伝子診断法
JP2010119383A (ja) 滲出型加齢黄斑変性のリスクの予測方法
Zhuang Structural Variation Discovery and Genotyping from Whole Genome Sequencing: Methodology and Applications: A Dissertation