JP2003529273A - インパルス無線通信システムの装置、システムおよび方法 - Google Patents

インパルス無線通信システムの装置、システムおよび方法

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JP2003529273A JP2001571571A JP2001571571A JP2003529273A JP 2003529273 A JP2003529273 A JP 2003529273A JP 2001571571 A JP2001571571 A JP 2001571571A JP 2001571571 A JP2001571571 A JP 2001571571A JP 2003529273 A JP2003529273 A JP 2003529273A
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Abstract

(57)【要約】 変調されたインパルス無線信号を送信および受信するための装置、システムおよび方法。インパルス無線受信機は時間軸、精密タイミング生成器、テンプレート生成器、遅延、第1および第2の相関器、データ検出器および時間軸調整器を含む。時間軸はタイミングトリガ信号を生成するために精密タイミング生成器によって使用される周期的タイミング信号を生成する。テンプレート生成器はテンプレート信号を生成するためにタイミングトリガ信号を使用する。遅延はテンプレート信号を受信し、遅延したテンプレート信号を出力する。インパルス無線信号が受信されると、第1の相関器は受信したインパルス無線信号をテンプレート信号と相関させて第1の相関器出力信号を生成し、第2の相関器は受信したインパルス無線信号を遅延したテンプレート信号と相関させて第2の相関器出力信号を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、概して、ワイアレスコミュニケーションの装置、システムおよび方
法に関する。より詳細には、本発明は、インパルス無線コミュニケーションシス
テムにおける変調の装置、システムおよび方法に関する。本発明は、さらに、変
調されたインパルス無線信号を送信し、受信する装置、システムおよび方法に関
する。
【0002】 (関連技術) アナログおよびデジタルコミュニケーション情報の両方の無線送信は、普段、
2つの方法のうち一方によってなされている。振幅変調と言われる、連続する正
弦波の無線振動キャリアにおいては、情報信号またはコミュニケーション信号に
よる振幅で変調される。振幅変調された信号が、受信位置で受信されると、逆の
プロセス(すなわち、キャリアの復調)は、情報を回復するために達成される。
他の方法は、振動変調と称される方法を用いる。振動変調において、キャリア信
号の振幅変調の代わりに、キャリア信号は、情報によって動変調される。振動変
調信号が受信されると、回路部は、ディスクリミネーションと言われることを実
行する回路部を用いる。ディスクリミネーションは、振動の変化が元の変調によ
る振幅における変化まで変化されることを表し、それによって、コミュニケーシ
ョン信号は回復される。両方のシステムにおいて、連続する正弦波の無線振動キ
ャリアは、特有の振動バンド幅、またはチャネルに結びつけて、占有される。同
様に、このチャネルは、干渉が避けられると、他の送信によって利用され得ない
というスペクトル空間を占有する。
【0003】 今日、ほとんど全てのスペクトル空間(または、振動スペクトルとも言われる
)の隅から隅までが、利用されている。従って、コミュニケーションするための
媒介の機能を拡張するいくつかの方法の必要性が非常に高い。このことを考慮し
て、無線コミュニケーションリンクに関して、不連続の振動チャネルではなく、
より広い振動変調を用いる新しいコミュニケーション方法およびシステムが開発
されている。より詳細には、コミュニケーションの新しい方法およびシステムは
、インパルス無線コミュニケーションとも言われる、広帯域または超広帯域(U
WB)技術を利用することが開発されている。
【0004】 インパルス無線コミュニケーションは、Larry W.Fullerton
による米国特許出願第4,641,317号(1987年2月3日公布)、米国
特許出願第4,813,057号(1989年3月14日公布)、米国特許出願
第4,979,186号(1990年12月18日公布)、および米国特許出願
第5,363,108号(1994年11月8日公布)を含む、一連の特許にお
いて初めて完全に記載された。インパルス無線の第2世代は、Fullerto
nらによる、米国特許出願第5,677,927号(1997年10月14日交
付)、米国特許出願第5,687,169号(1997年11月11日交付)、
および米国特許出願第5,832,035号(1998年11月3日交付)を含
む。これらの特許文献のそれぞれは、本明細書中で、参考として援用する。
【0005】 基本的なインパルス無線送信機は、正確にコントロールされたパルス間隔を有
するガウス単周期(Gaussian monocycle)に近い短いパルス
を発する。インパルス無線システムは、典型的に、パルス位置変調を用いる(デ
ジタル時間シフト変調とも言われる)。パルス位置変調は、変調信号の各連続し
た瞬間的サンプリングの値が、時間におけるパルス位置変調を起こす場所での時
間変調の形態である。より詳細には、パルス位置変調において、パルス間隔は、
典型的に、2つのコンポーネント(擬ランダムコード化成分および情報成分)に
よるパルス原理で変化される。すなわち、コード化が用いられると、各パルスは
、コード化する量によってシフトされ、情報変調は、情報信号に応答して、追加
量(すなわち、PNコード化ディザー)によるコード化された時間位置をシフト
することによって達成される。この追加量(すなわち、情報変調ディザー)は、
典型的に、PNコード化シフトにとても小さく関連する。例えば、2GHzの中
央振動数を有する毎秒10メガパルス(10Mbps)システムにおいて、PN
コード化は、情報変調だけが150ピコ秒(典型的に、パルスの波長よりも短い
)でパルス位置を逸脱し得るのに反して、100ナノ秒の範囲にわたってパルス
位置変化を命令し得る。
【0006】 上述された情報変調の体系は、効果的で正確なアプリケーションであることを
証明するが、データ情報量を増加し、および/または起こり得るビットエラーの
を減少する情報変調の体系を作ることを望む。さらに、インパルス無線コミュニ
ケーションの独特の様相を開発する変調の体系を作ることを望む。
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、インパルス無線コミュニケーションシステムにおける変調の装置、
システムおよび方法に関する。本発明はまた、変調されたインパルス無線信号を
送信し、受信する装置、システムおよび方法に関する。実施形態によると、本発
明は、インパルス無線コミュニケーションシステムにおけるフリップ変調された
インパルス無線信号を送信し、受信するようになる。本発明は、さらに、インパ
ルス無線コミュニケーションシステムにおけるシフト変調された(求積法フリッ
プ時間変調(QFTM)とも言う)インパルス無線信号を有するフリップを送信
し、受信するようになる。従って、本発明を用いて、2つ、4つ、またはそれ以
上の異なるデータ状態を作り出し得る。
【0008】 本発明の実施形態によると、インパルス無線受信機は、時間ベース、正確なタ
イミング生成器、テンプレート生成器、遅延、第1および第2の相関器、データ
検出器、および時間ベース調整器を含む。時間ベースは、時間トリガー信号を作
り出すために正確な時間生成器によって使用される周期的なタイミング信号を作
り出す。テンプレート生成器は、テンプレート信号を作り出すために、タイミン
グトリガー信号を用いる。遅延は、テンプレート信号を受信し、遅延されたテン
プレート信号を出力する。インパルス無線信号が受信されると、第1の相関器は
、テンプレート信号と受信されたインパルス無線信号を相関し、第1の相関器出
力信号を作り出し、第2の相関器は、遅延されたテンプレート信号と受信された
インパルス無線信号を相関し、第2の相関器の出力信号を作り出す。データ検出
器は、少なくとも第1の相関器の出力信号に基づいたデータ信号を作り出す。時
間ベース調整信号を用いて、受信されたインパルス無線信号と時間ベースを同期
する。
【0009】 実施形態において、データ検出器は、第1の相関器出力信号および第2の相関
器出力信号に基づいたデータ信号を作り出す。
【0010】 実施形態において、時間ベース調整器は、第1の相関器出力信号および第2の
相関器出力信号に基づいた時間ベース調整器信号を作り出す。
【0011】 本発明の実施形態において、受信されたインパルス無線信号は、第1のパルス
のの逆(すなわちフリップ)である第1のパルスおよび第2のパルスから成る。
別の実施形態において、受信されたインパルス無線信号は、第1のパルス、第1
のパルスの逆である第2のパルス、遅延された第1のパルス、および遅延された
第1のパルスの逆である遅延された第2のパルスから成る。
【0012】 本発明の実施形態において、データ検出器は、データパス信号選択器/変換器
および最大値選択器を含む。データパス信号選択器/変換器は、第1の相関器出
力信号を受信し、複数のデータ状態(例えば、ビット(単数または複数))に相
当する複数のデータ状態信号を出力する。次に、最大値選択器は、複数のデータ
状態信号が最も大きい値を判断し、その判断に基づいたデータ信号を作り出す。
【0013】 本発明の実施形態において、時間ベース調整器は、ロックパス信号選択器/変
換器および出力選択器を含む。ロックパス信号選択器/変換器は、少なくとも第
2の相関器の出力信号を受信し、タイミング調整器に関連する複数の信号を出力
する。出力選択器は、データ信号およびタイミング調整器に関連する複数の信号
を受信し、どのタイミング調整器に関連する複数の信号が、受信された信号と時
間ベースを同期するために使用されるタイミング調整器信号を含むかを判断する
【0014】 本発明の実施形態によると、インパルス無線送信機は、正確なタイミング生成
器、第1のパルサー、第2のパルサー、および結合器を含む。正確なタイミング
生成器は、情報信号および周期的なタイミング信号に基づく第1のイネーブル信
号および第2のイネーブル信号を作り出す。第1のパルサーは、第1のイネーブ
ル信号に応答して、第1のインパルス波形のタイプから成る第1の無線信号を作
り出す。第2のパルサーは、第2のイネーブル信号に応答して、第2のインパル
ス波形のタイプから成る第2の無線信号を作り出す。第2のインパルス波形のタ
イプは、実質的に、第1のインパルス波形のタイプの逆(すなわちフリップ)で
ある。結合器は、第1のインパルス無線信号および第2のインパルス無線信号を
結合し、それによって、フリップ変調されたインパルス無線信号を作り出す。
【0015】 実施形態において、正確なタイミング生成器はまた、共通のトリガー信号を作
り出す。この実施形態において、第1のパルサーおよび第2のパルサーを調整し
て、共通のトリガー信号を受信する。第1のパルサーは、共通のトリガー信号お
よび第1のイネーブル信号を同時に受信することに応答して第1のインパルス無
線信号を作り出し、第2のパルサーは、共通のトリガー信号および第2のイネー
ブル信号を同時に受信することに応答して第2のインパルス無線信号を作り出す
【0016】 実施形態において、正確なタイミング生成器は、情報信号および正確な信号に
基づいて、第1のイネーブル信号、第2のイネーブル信号、および遅延されたイ
ネーブル信号を作り出す。この実施形態において、第1のパルサーは、第1のイ
ネーブル信号に応答して第1のイネーブルインパルス無線信号、および遅延され
た第1のイネーブル信号に応答して遅延された第1のインパルス無線信号を作り
出す。第1のインパルス無線信号および遅延された第1の無線信号は、第1のイ
ンパルス波形のタイプから成る。第2のパルサーは、第2のイネーブル信号に応
答して第2のインパルス無線信号、および遅延された第2のイネーブル信号に応
答して遅延された第2のインパルス無線信号を作り出す。第2のインパルス無線
信号および遅延された第2のインパルス無線信号は、第2のインパルス波形のタ
イプから成る。第2のインパルス波形のタイプは、実質的に、第1のインパルス
波形のタイプの逆(すなわちフリップ)である。結合器は、少なくとも1つの第
1のインパルス無線信号、および少なくとも1つの第2のインパルス無線信号を
有する遅延された第1インパルス無線信号および遅延された第2のインパルス無
線信号を結合し、それによって、フリップ変調されたインパルス無線信号を作り
出す。
【0017】 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の多様な実施形態の機構お
よび作用は、添付の図面と共に以下に詳細に記載される。
【0018】 添付された図面について、信号接続を説明するために用いられた変換は、信号
線が、接続を示すように別の信号線との交差点にて終端することを要件とする。
交差する2つの信号線は、交差位置にて接続を示していない。以下に、本発明は
、添付された図面を参照して説明される。
【0019】 図面において、同一の参照符号は、通常、同一で、機能的に類似の、および/
または、構造的に類似の要素を示す。要素が最初に現れる図面は、相当する参照
番号の最左の数字により示される。
【0020】 (好適な実施形態の詳細な説明) I.本発明は、インパルス無線通信システムにて用いる新規のタイプの変調方
式に関する。さらに、本発明は、上記の新規の変調方式を用いて変調される信号
を送受信するように使用され得る送信機および受信機に関する。
【0021】 1実施形態において、「フリップ変調」と呼ばれるものが用いられる。「フリ
ップ変調」において、第1のデータ状態は、第1のインパルス信号に対応し、第
2のデータ状態は、第1のインパルス信号を反転させたもの(すなわち、フリッ
プ)に対応する。別の実施形態において、「変位変調によるフリップ」または「
四重フリップ時間変調」(QFTM)と呼ばれるものが用いられる。この実施形
態において、2つのさらなるデータ状態が生成される。もちろん、本発明の教示
は、本発明の精神および範囲内にありながら、より多くのデータ状態を含む変調
方式を発展させるように用いられ得る。
【0022】 本発明の変調方式は、さらなるデータ状態がパルスまたはパルストレーンによ
って表されることにより、インパルス無線通信システムのデータレートの向上を
提供する。さらに、本発明の変調方式は、従来のインパルス変調方式より信号−
ノイズ率の増加およびビット誤り率の減少を提供する。
【0023】 本発明は、既存のインパルス無線技術に基づく。したがって、インパルス無線
の基本要素の概観が本発明の特定の実施形態の議論の前に提供される。この概観
は、本発明を理解するために有用である。
【0024】 II.インパルス無線の基本要素 このセクションは、インパルス無線の概念、および通信理論の他の関連する局
面の導入に関する。このセクションは、波形、パルストレーン、エネルギーの円
滑化(smoothing)およびチャンネル化(channelizatio
n)のコーディング、変調、受信および復調、インターフェース抵抗、処理利得
、容量、マルチパスおよび伝播、距離測定、ならびに、上記の概念の質的特性お
よびに量的特性関連するサブセクションを含む。このセクションは、読者が本発
明を理解することを助けるように提供されることが理解されるべきであり、本発
明の範囲を限定するように用いられるべきではない。
【0025】 インパルス無線は、短く、低いデューティサイクルパルスに関連する。理想的
なインパルス無線波形は、短いガウスモノサイクルである。この名前が示唆する
ように、この波形は、所望の中心周波数での無線周波数(RF)エネルギーの1
サイクルに近似している。実施および他のスペクトル限界により、この波形は、
実際、所与の適用により大きく変わり得る。十分の帯域幅を伴うたいていの波形
は、ガウス型の形状を有用な程度に近似する。
【0026】 インパルス無線は、AM、時間変位(または、パルス位置と呼ばれる)および
M−アレイバージョン(M−ary version)を含む、多くのタイプの
変調を使用し得る。時間変位法は、簡易性および電力出力の利点を有し、これら
によりインパルス無線を所望のものにする。この明細書中では、時間変位法は、
例示的な実施例として用いられる。
【0027】 インパルス無線通信において、パルス−トゥ−パルス(pulse−to−p
ulse)間隔は、情報コンポーネントおよび擬似乱数コードコンポーネントの
2つのコンポーネントにより、パルス−バイ−パルス(pulse−by−pu
lse)ベースに基づいて変えられ得る。一般に、従来の広範囲のスペクトルシ
ステムは、相対的に広い周波数帯域より狭い帯域の情報信号を広げるために、擬
似乱数コードを利用する。従来の広範囲のスペクトル受信機は、元の情報信号を
取り出すために、これらの信号を相関させる。従来の広範囲のスペクトルシステ
ムと異なり、モノサイクルパルス自体が、本来、広い帯域幅を有するために、イ
ンパルス無線通信の擬似乱数コードがエネルギー範囲を広げるために必要ではな
い。代わりに、擬似乱数コードは、周波数領域でのチャンネル化、エネルギー円
滑化、干渉への抵抗、および近くの受信機への干渉ポテンシャルの低減化のため
に、用いられる。
【0028】 インパルス無線受信機は、通常、相互相関器のフロントエンドを備えた直接的
な変換受信機(direct conversion receiver)であ
り、この変換受信機において、フロントエンドは、モノサイクルパルスの電磁気
パルストレーンをシングルステージにて基底帯域信号に一貫して変換する。基底
帯域信号は、インパルス無線通信の基本的な情報信号である。増幅器のドリフト
および低周波数ノイズの影響を低減するように、基底帯域信号を備えたサブキャ
リアを含むことが所望される場合が多い。一般に実施されるサブキャリアは、デ
ータレートより速いレートにて既知のパターンに応じて、変調を交互に反転させ
る。次いで、こレート同一のパターンがプロセスを変転させ、元のデータパター
ンを反転させ、検出のちょうど前に元のデータパターンを保存するために用いら
れる。この方法は、ステージの交流(AC)結合、または等価な信号処理を可能
にし、検出プロセスからの直流(DC)ドリフトおよびエラーを排除する。この
方法は、Fullertonらに付与された米国特許 No.5,677,92
7に詳細に説明されている。
【0029】 時間変位変調を利用してインパルス無線通信において、各データビットの、通
常の時間位置は、周期的なタイミング信号の多くのパルスを変調する。これによ
り、変調され、符号化されたタイミング信号を生成する。このタイミング信号は
、各シングルデータビットの同一の形状のパルスのトレーンを含む。インパルス
無線受信機は、送信された情報を回復するように複数のパルスを統合する。
【0030】 (II.1. 波形) インパルス無線については、短い低デューティサイクルパルスに基づく無線シ
ステムを参照する。最も広帯域な帯域幅の実施形態において、結果として形成さ
れる波形は、中心周波数においてパルス毎の1サイクルに近づく。より狭いバン
ドの実施形態においては、各パルスは、通常いくつかのスペクトル形状を有する
サイクルのバーストからなり、帯域幅を制御し、バンドエミッション外またはバ
ンド内スペクトル平坦性または時間ドメインピーク電力またはバーストオフタイ
ム減衰のような所望の特性を満たす。
【0031】 システム分析の目的のために、理想的なセンス内の所望の波形モデルに近づき
、 詳細な設計ガイダンスのための最適な動きの洞察を提供する。用いられる1つの
そのような波形モデルは、図1Aに示すようなGaussianモノサイクルで
ある。この波形は、超広帯域アンテナでの階段関数により生成される伝送パルス
の代表なものである。ピーク値1に標準化する基本方程式は、以下のようである
【0032】
【数1】 ここで、σは、時間スケーリングパラメーター、 tは、時間、 fmono(t)は、波形電圧、 eは自然対数の基底である。
【0033】 上記波形の周波数ドメインスペクトルは図1Bに示される。対応する方程式は
【0034】
【数2】 である。
【0035】 中心周波数(f)またはピークスペクトル密度の周波数は、 f=1/(2πσ) である。
【0036】 これらのパルスまたはサイクルのバーストは、上記で参照した特許に開示され
る方法または当業者には公知の他の方法で生成され得る。いかなる実際の実施も
、理想的な数学モデルからは若干はずれる。実際、この理想からのずれは、シス
テムの許容可能な振る舞いにおいて実質的におよびさらに生じ得る。波形の実施
にとっては特にその傾向が強く、正確な波形形状を得るのは困難である。これら
の数学モデルは、記述される理想的な動作を補助するために提供され、本発明を
限定することを意図していない。実際、所与の帯域幅を適切に満たし所与のアプ
リケーションに対する適切なオン−オフ減衰比を有するいかなるサイクルのバー
ストも、本発明の意図を果たす。
【0037】 (II.2. パルストレーン) インパルス無線システムは、1つ以上のパルス毎のデータビットを伝送するこ
とが出来る;しかしながら、インパルス無線システムはより典型的には、各デー
タビットにおいて単一パルスではなくパルストレーンを用いる。以下に例示する
システムで詳細に開示されるように、インパルス無線送信機は、情報の各ビット
のパルスのトレーンを生成し、出力する。
【0038】 発明者らにより構築された試作型は、0.7および10メガパルス/秒(Mp
ps、ここで各メガパルスは10パルスである)を含むパルス繰り返し周波数
を有する。図2Aおよび図2Bは、符号化されていない調節されていない0.5
ナノ秒(nsec)パルス102を有する典型的な10Mppsシステムの出力
を示す。図2Aは、このパルス102のシーケンスの時間ドメイン表示を示す。
図2Aの波形のスペクトルの中心における60MHzを示す図2Bは、周波数ド
メイン内のパルストレーンの結果が、10Mppsパルス繰り返し率の周波数の
間隔を開けたコームライン204のセットを含むスペクトルを生成することを示
す。フルスペクトルが示されるとき、ラインスペクトルのエンベロープは、図1
Bの単一パルススペクトル104のカーブに続く。この単一のコード化されいな
いケースにおいて、パルストレーンの電力は大雑把に200のコームラインの間
で広がる。従って、各コームラインは、合計電力の小さなフラクションを有し、
バンドを割り当てる受信機の最も小さい干渉問題を示す。
【0039】 インパルス無線システムは典型的に、ピーク電力よりもはっきりと低い平均電
力の結果である超低平均デューティサイクルを有することが、図2Aから認める
ことが出来る。本実施例の信号のデューティサイクルは、100nsecのイン
ターバルにおける0.5nsecパルスに基づいて、0.5%である。
【0040】 (II.3. エネルギースムージングおよびチャネル化のための符号化) 高パルス比システムのために、コームラインを生成することにより得られるよ
りもより綺麗にスペクトルを広げる必要があり得る。これは、各パルスがその名
目上の位置に関係するように擬似ランダムに位置決めすることにより行われ得る
【0041】 図3は、周波数ドメイン内のエネルギー分布上を動き回る擬似ノイズ(PN)
コードのインパクトのプロットを示す(擬似ノイズ、またはPNコードは、パル
スのシーケンス内での各パルスの擬似ランダムな位置決めを定義する時間位置の
セットである)。図2Bと比較して、図3は、PNコードを用いたインパクトは
コームライン構造を破壊し、エネルギーをより均一に広げることを示す。この構
造は、典型的に、特定のコードの使用の特性である少しの変化を有する。
【0042】 PNコードはまた、インパルス無線を使用した独立した通信チャネルを確立す
る方法を提供する。PNコードは、1つのコードを用いるパルストレーンが1つ
または2つよりも多いパルス位置上でほとんど衝突せず、パルストレーンはいか
なる1つのデータビット時間の間でも他のコードを用いるような低い相互相関を
有するように設計され得る。データビットは数百のパルスを含み得るので、これ
は、望まないチャネルの実質的な減衰を示す。
【0043】 (II.4. 変調) いかなる波形の局面も、伝達する情報に変調され得る。振幅変調、位相変調、
周波数変調、時間シフト変調およびM線バージョンがこれらとして挙げられる。
アナログおよびデジタル形状の両方が導入される。これらの、デジタル時間シフ
ト変調は、種々の利点を有し、相関関係受信機アーキテクチャーを用いて簡単に
導入することが出来るように実施される。
【0044】 デジタル時間シフト変調は、情報信号に応答して追加の量(これはPNコード
の動きに追加される)によりコード時間位置をシフトすることにより導入するこ
とが出来る。この量は、典型的に、PNコードシフトと非常に小さい関係である
。2GHzの中心周波数を有する10Mppsシステムにおいて、例えば、PN
コードは、情報変調が150ps分パルス位置から外れるのみであるので、10
0nsecの範囲に渡るパルス位置の変化を命令し得る。
【0045】 従って、nパルスのパルストレーンにおいて、各パルスは、個々のコードの遅
延量および変調変調量により、それぞれの時間ベースクロック位置からの異なる
量を遅延される。ここで、nは所与のデータシンボルデジタルビットに関係する
パルスの数である。
【0046】 変調はさらにスペクトルを平滑化し、結果として得られるスペクトル内の構造
を最小化する。
【0047】 (II.5. 受信および復調) 明確に、狭い範囲に多くのインパルス無線ユーザが存在した場合、相互干渉が
発生し得る。さらに、PN符号化が干渉を最小化する間、ユーザの数が上昇して
、一人のユーザのシーケンスからの個々のパルスと、他のユーザのシーケンスの
上昇からのパルスを同時に受信する可能性がある。インパルス無線は、部分的に
は、これらの環境下で動作することが出来、これは、それらが受信する全てのパ
ルスに依存しないからである。インパルス無線受信機は、多くのパルスの統計上
のサンプリングおよび組み合わせを用いる、(RFレベルでの)受信機能の相関
化、同期化を実施し、伝送情報を修復する。
【0048】 インパルス無線受信機は、典型的には、1〜1000またはそれ以上のパルス
を積分し、復調された出力をもたらす。受信機が積分するパルスの最適数は、パ
ルスレート、ビットレート、干渉レベルおよび干渉範囲を含む変数の数に依存す
る。
【0049】 (II.6.干渉抵抗) チャンネル化およびエネルギーの均等化(energy smoothing
)と並んで、PN符号化は、さらに、インパルス無線を他のインパルス無線送信
機を含む、すべての無線通信システムからの干渉に対して高抵抗性にする。これ
は、極めて重要である。なぜなら、インパルス信号によって占められた帯域内で
、任意の他の信号が、場合によってはインパルス無線を干渉するためである。現
在、インパルスシステムのために利用可能に割り振り解除された帯域は存在しな
いため、これらのインパルスシステムは、悪影響を受けることなく、他の従来の
無線システムとスペクトルを共有しなければならない。PN符号は、インパルス
システムが、予定されたインパルス伝送と、他からの干渉伝送とを区別すること
を支援する。
【0050】 図4は、インパルス無線信号404をオーバーレイする狭帯域正弦波干渉信号
402の結果を図示する。インパルス無線受信機において、相互相関への入力は
、狭帯域信号402、および受信された超広帯域インパルス無線信号404を含
む。入力は、PNディザーテンプレート信号406(PN dithered
template signal)との相互相関によってサンプリングされる。
PN符号化を行なわずに、相互相関は、干渉信号402を規則正しくサンプリン
グするので、干渉信号がインパルス無線受信機に著しい干渉をもたらし得る。し
かしながら、伝送されたインパルス信号が、PN符号ディザーを用いて符号化(
およびインパルス無線受信機テンプレート信号406が、その同一のPN符号デ
ィザーを用いて同期化され)される場合、相関は、干渉信号を擬似ランダムにサ
ンプリングする。干渉信号からのサンプルはインコヒーレントに付加され、積分
されたサンプル数の平方根により、ほぼ増加する。これに対して、インパルス無
線サンプルはコヒーレントに付加され、積分されたサンプル数により直接的に増
加する。従って、複数のパルスにわたって積分することは、干渉のインパクトを
克服する。
【0051】 (II.7.プロセシングゲイン) インパルス無線は、そのプロセシングゲインが大きいため干渉抵抗性がある。
典型的な広帯域システムに関して、広帯域通信が用いられるときにチャンネル干
渉が減少する量である、プロセシングゲインの定義は、情報信号のビットレート
に対するチャンネルの帯域幅の比である。例えば、10kHzの情報帯域幅およ
び10MHzのチャンネル帯域幅を有する直接拡散広帯域システム(direc
t sequnece spread spectrum system)は、
1000または30dBのプロセシングゲインをもたらす。しかしながら、イン
パルス無線システムを用いると、はるかに大きいプロセシングゲインが達成され
る。ここで、同じ10kHzで、情報帯域幅は、はるかに大きい2GHzチャン
ネル幅に広くまたがる。理論上のプロセシングゲインは200,000または5
3dBである。
【0052】 (II.8.キャパシティ) 信号対雑音の独立変数を用いて、帯域が極めて幅広いために、例外的なプロセ
シングゲインの結果として、インパルス無線システムのために数千の同時音声チ
ャンネルが利用可能であることが理論的に示された。
【0053】 単純化したユーザ配信のために、受信機からの等電力等距離のN個の干渉する
ユーザを用いて、これらの他のユーザの結果としての全干渉信号対雑音比は、以
下の式によって説明され得る:
【0054】
【数3】 ここで、 V tot は、受信機における、全干渉信号対雑音比分散であり、 N は、干渉ユーザの数であり、 σ は、単一パルス相互相関を有する干渉信号のうちの1つから生じる
信号対雑音比分散であり、 Z は、変調を回復するために受信機が積分するパルスの数 である。
【0055】 この関係は、同時ユーザの数が上昇するので、リンクの質が段階的に劣化する
ことを示す。これはさらに、積分ゲイン(Integration gain)
の利点を示す。同じ干渉レベルで支援され得るユーザの数は、積分されるパルス
の数の平方根だけ上昇する。
【0056】 (II.9.多重通路および伝搬) インパルス無線の著しい利点のうちの1つは、多重通路フェージング効果に対
するその抵抗性がある。従来の狭帯域システムは、レイリーフェージングプロセ
スにより多重通路の影響を受け、ここで、複数の遅延反射からの信号は、これら
の相対位相により受信機アンテナにおいて組合される。これは、所定のロケーシ
ョンへの特定の伝搬に依存して、可能な加算または可能な相殺(cancell
ation)をもたらす。これは、さらに、モバイル用途において潜在的に、激
しい信号強度のゆらぎをもたらす結果になる。ここで、多重通路信号の混合は、
わずかなフィート移動するごとに変化する。
【0057】 しかしながら、インパルス無線は、実質的に、これらの効果に対して抵抗性で
ある。遅延多重通路にて反射することにより到達するインパルスは、典型的には
、相関時間の外側に到達し、従って、無視される。このプロセスは、図5Aおよ
び図5Bを参照して詳細に説明される。図5Aにおいて、3つの伝搬経路が示さ
れる。直接経路は最も短い。この経路は、送信機と受信機との間の直線距離を表
す。経路1は、グレージング角多重通路反射を表し、これは直接経路に非常に近
接している。経路2は、遠隔多重通路反射である。さらに示されるのは、同じ時
間遅延での反射の他の可能なロケーションを表す楕円(または、空間における長
円体)トレースである。
【0058】 図5Bは、この多重通路伝搬構成から受信された波形の時間領域プロットを表
す。この図は、図1Aに示されるような3つのダブレットパルスを含む。直接経
路信号は基準信号であり、最短の伝搬時間を表す。経路1信号は、わずかに遅延
し、実際、この遅延値で信号強度をオーバーラップおよびエンハンスメントする
。反射波は、極性が逆転することに留意されたい。経路2信号は、十分に遅延し
、波形は、直接経路信号から完全に分離される。相関器テンプレート信号が直接
経路信号において配置された場合、経路2信号は、応答を生成しない。非常に近
接した反射器から生じる多重通路信号のみが任意の効果を有することが見出され
得る。実質的に遅延した多重通路信号のバルクは、相関プロセスから除去され、
無視される。
【0059】 4分の1波(4分の1波は、約1.5インチ、または2GHzの中心周波数で
3.5cm)よりも少なく遅延された多重通路信号は、直接経路信号を減衰させ
る唯一の信号である。これは、第1のフレネル帯からの反射であり、この特性は
、狭帯域信号と共有される。しかしながら、インパルス無線は、他のすべてのフ
レネル帯反射に対する抵抗性が高い。多重通路からの極めて変わりやすい減衰を
回避する能力は、インパルス無線に著しい性能利点を付与する。
【0060】 (II.10.距離測定) インパルスシステムは、波形において不明瞭な周波が不在であるため、極めて
微細な分解能との距離を測定し得る。他方、狭帯域システムは、変調エンベロー
プに限定され、各データビットと関係付けられるのはどのRFサイクルかを正確
に識別することが容易にできない。なぜなら、サイクルごとの振幅の相違は非常
に小さく、リンクまたはシステム雑音によって遮蔽される。インパルス無線波形
は、多重サイクルアンビギュイティを有さないので、これは、波形位置の正の決
定を波長よりも小さく(潜在的に、システムの雑音フロア(noise flo
or)に向かって下方に)することを可能にする。この時間位置測定は、伝播遅
延を測定し、リンク距離を決定するために用いられ得、リンク距離が一度知られ
ると、時間基準を同等に高い精度に転送し得る。本発明の発明者は、センチメー
トル単位の距離分解能の可能性を示すシステムを構築した。このシステムは、約
30psの時間伝送分解能と等価値である。例えば、「Ultrawide−B
and Position Determination System an
d Method」と称される、共有に係る、係属中の出願第09/045,9
29号(1998年3月23日出願)および「System and Meth
od for Distance Measurement by In ph
ase and Quadrature Signals in a Radi
o System」と称される、第09/083,993号(1998年3月2
6日出願)を参照されたい。これらの出願の両方は、参考のため、本明細書中で
援用する。
【0061】 (II.11.例示的送信機) 1つのサブキャリアチャンネルを有するインパルス無線通信システムのインパ
ルス無線送信機602の例示的実施形態は、次に、図6を参照して説明される。
【0062】 送信機602は、周期タイミング信号606を生成する時間軸(time b
ase)604を含む。時間軸604は、典型的には、ピコセカンド(ps)の
高いタイミング精度および低ジッタを有する電圧制御発振器(VCO)等を含む
。VOC中心周波数を調整する電圧制御は、較正されて、送信機の公称パルス反
復率を決定するために用いられる所望の中心周波数に設定される。周期タイミン
グ信号606は、精度タイミング生成器608に供給される。
【0063】 精度タイミング生成器608は、同期化信号610を符号ソース612に供給
し、符号ソース出力614を、内部で生成されたサブキャリア信号(これは選択
的である)および情報信号616と一緒に利用し、変調された、符号化されたタ
イミング信号618を生成する。
【0064】 符号ソース612は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモ
リ(ROM)等の、PN符号を適切に格納、および符号信号614としてのPN
符号を出力する格納デバイスを含む。あるいは、最大長さのシフトレジスタまた
は他の計算手段がPN符号を生成するために用いられ得る。
【0065】 情報源620は、情報信号616を精度タイミング生成器608に供給する。
情報信号616は、音声、データ、画像等を表すデジタルビット、アナログ信号
または複合信号を含む任意のタイプのインテリジェンスであり得る。
【0066】 パルス生成器622は、変調された、符号化されたタイミング信号618をト
リガーとして用い、出力パルスを生成する。出力パルスは、これに結合された伝
送線626を介して伝送アンテナ624に送信される。出力パルスは、伝送アン
テナ624によって伝搬電磁パルスに変換される。本実施形態において、電磁パ
ルスは発信信号(emitted signal)と呼ばれ、無線周波数の実施
形態において、空気等の伝搬媒体を通じて、図7に示されるようなインパルス無
線受信機702に伝搬する。好適な1実施形態において、発信信号は広帯域また
は超広帯域であり、図1Aのようなモノサイクルパルス(monocycle
pulse)に近づく。しかしながら、発信信号は、パルスをフィルタリングす
ることによって、スペクトルが変調され得る。このフィルタリングは、通常、各
モノサイクルパルスが時間領域において零交差をより多く(より多くのサイクル
)有するようにする。この場合、パルス無線受信機は、有効変換の相互相関器に
おけるテンプレート信号と同じ波形を用い得る。
【0067】 (II.12.例示的受信機) インパルス無線通信システムのインパルス無線受信機702(本明細書中では
、以後、受信機と呼ばれる)の例示的実施形態は、ここで、図7を参照して説明
される。より具体的には、図7に示されるシステムは、デジタルデータを受信す
るためのものであり、1つ以上のパルスが各データビットごとに伝送される。
【0068】 受信機702は、伝搬インパルス無線信号706を受信する受信アンテナ70
4を含む。受信アンテナ704からの受信信号708は、相互相関またはサンプ
ラ710に結合され、ベースバンド出力712を生成する。相互相関またはサン
プラ710は、任意の必要なフィルタと一緒に多重化および積分機能を含み、信
号対雑音比を最適化する。
【0069】 受信機702は、さらに、精度タイミング生成器714を含み、受信機時間軸
718からの周期タイミング信号716を受信する。受信信号708を連続追跡
するために、ロックループによって必要とされるように、この時間軸718は、
時間、周波数または位相の調整および制御が可能である。精度タイミング生成器
714は、同期化信号720を符号ソース722に提供し、符号ソース722か
ら符号制御信号724を受信する。精度タイミング生成器714は、周期タイミ
ング信号716、および符号制御信号724を利用し、符号化タイミング信号7
26を生成する。テンプレート生成器728は、この符号化されたタイミング信
号726によってトリガーされ、理想的には、受信信号708の各パルスと実質
的に等価な波形を有するテンプレート信号パルス730の列を生成する。所与の
信号を受信する符号は、伝搬信号706を生成する発信送信機602によって利
用されるものと同じ符号である。従って、テンプレートパルス列730のタイミ
ングは、受信された信号パルス列708のタイミングと一致し、受信した信号7
08が相関器710において同期的にサンプリングされることを可能にする。相
関器710は、理想的には、乗算器を含み、これに短期積分器(short t
erm integrator)が続き、パルスインターバルにわたって乗算器
による積(multiplier product)を合計する。相関およびサ
ンプリングプロセスのさらなる例および詳細は、共有に係る特許第4,641,
317号、第4,743,906号、4,813,057号および第4979,
186号において見出され得、これらの特許は、参考のため、本明細書中で援用
され、および「Baseband Signal Converter Dev
ice for a Wideband Impulse Radio Rec
eiver」と称される、共有に係わる、係属中の出願第09/356,384
号(1999年7月16日出願)において見出され得、この出願は、参考のため
、本明細書中で援用する。
【0070】 相関器710の出力は、ベースバンド信号712とも呼ばれ、サブキャリア復
調器732に結合される。このサブキャリア復号器は、サブキャリアからのサブ
キャリア情報信号を復調する。選択的サブキャリアプロセスの目的は、用いられ
る場合、DC(ゼロ周波数)から離れた情報信号を移動し、低周波雑音およびオ
フセットに対する耐性を改善することである。サブキャリア復調器732の出力
は、その後、パルス加算ステージ734においてフィルタリングまたは積分され
る。パルス加算ステージは、単一データビットを含むパルス信号の数の合計を表
す出力を生成する。パルス加算ステージ734の出力は、その後、検出器ステー
ジ738において、公称ゼロ(または、基準)信号出力と比較され、最初の情報
信号616の推定を表す出力信号739を決定する。
【0071】 ベースバンド信号712は、さらに、ローパスフィルタ742(ロックループ
フィルタ742とも呼ばれる)に入力される。ローパスフィルタ742を含む制
御ループ、時間軸718、精度タイミング生成器714、テンプレート生成器7
28、および相関器710は、フィルタリングされたエラー信号744を生成す
るために用いられる。フィルタリングされたエラー信号744は、調整可能な時
間軸718に調整を提供し、受信信号708の位置と関連して、周期タイミング
信号726を時間位置化(time position)する。
【0072】 トランシーバの実施形態において、実質的経済性は、送信機602および受信
機702のいくつかの器能の部分またはすべてを共有することによって達成され
得る。これらのうちの1部は、時間軸718、精度タイミング生成器714、符
号ソース722、アンテナ704等を含む。
【0073】 (III.好適な実施形態) (III.1.フリップ変調) 上述のように、本発明は、インパルス無線通信システムにおいて用いるための
、新しいタイプの変調方式に関する。1実施形態において、「フリップ変調」と
呼ばれるものが用いられる。フリップ変調の単純な例は、図8を参照して説明さ
れ得る。この例において、インパルス波形802は、バイナリ「0」シンボルを
表すために用いられ、インパルス波形804は、バイナリ「1」シンボルを表す
ために用いられる。波形802と804との間の差異は、波形804が波形80
2の反転またはフリップであることに留意されたい。本明細書を通じて、波形8
02は、非反転インパルスまたは負インパルスと呼ばれることが多い(なぜなら
、この波形は、負であり、その後、正になるため)、および波形804は、反転
インパルスまたは正インパルスと呼ばれる(なぜなら、この波形は正であり、そ
の後負になるからである)。時間領域において、波形802は、数学的に
【0074】
【数4】 によって説明される。 および波形804は、数学的に
【0075】
【数5】 によって説明される。 ここで、 σは、時間スケールパラメータ tは、時間 fmono(t)は、波形電圧、および eは、自然対数の底である。
【0076】 上記の波形の周波数領域スペクトルは:
【0077】
【数6】 中心周波数(f)または最大スペクトル密度の周波数は: f=1/(2ps) インパルス802および804は、伝送信号(例えば、空気を通って送信機か
ら受信機に伝送された信号)と関連付けられた例示的波形である。インパルス8
02および804が、受信機のアンテナによって一度受信されると、これらの波
形は、典型的には、それぞれ、波形806および波形808に似ている。より具
体的には、波形806は、ほぼ波形802の1次導関数であり、波形808は、
ほぼ波形804の1次導関数である。これは、受信アンテナ応答が原因で生じる
。波形806は「w」に似ているので、これは「wパルス」または「トリプレッ
ト」と呼ばれる。波形808は、反転した「w」に似ているので、これは、「反
転wパルス」と呼ばれる。この実施例において、「wパルス」(または、複数の
wパルス)は、バイナリ値「0」に対応し、「反転wパルス」(または、複数の
反転wパルス)は、バイナリ値「1」に対応する。「反転wパルス」808は、
「wパルス」806のフリップであることに留意されたい。受信アンテナは、必
ずしも受信信号を区別しないことに留意されたい。従って、受信アンテナが受信
信号を区別しない場合、受信信号のパルス波形は、伝送信号のパルス波形に似て
いる。
【0078】 上述のように、インパルス無線システムは、パルスごとに1つ以上のデータビ
ットを送達し得る。しかしながら、インパルス無線システムは、より典型的には
、各データビットごとに単一パルスではなく、パルス列を用いる。従って、パル
ス802の列(例えば、100個のパルス802)は、バイナリ値「0」および
反転パルス804の列(例えば、100個の反転パルス804)は、バイナリ値
「1」を表すために用いられ得る。1つ以上のパルスを用い、1つのデジタル情
報ビットを表すことによってさらなる利点が取得されるので、パルス列はよく用
いられる。各ビットと関連付けられたパルスの集合から受信された信号は、積分
ゲインと呼ばれるプロセスにおいて組合される。組合せプロセスは、基本的に、
各ビットごとのパルスの数にわたって、受信信号と、各パルスと関連付けられた
雑音エネルギーとを加算することである。電圧信号対雑音比は、合計されたパル
スの数の平方根によってほぼ改善される。適切な加算は、積分(加算)時間全体
にわたって、タイミングが安定かつ正確であることを必要とする。
【0079】 (III.1.A.送信機) 図9は、本発明による、フリップ変調信号を伝送するために用いられるインパ
ルス無線送信機902の例示的実施形態を示す。受信機902は、タイミング信
号906を生成する時間軸904を含む。時間軸904は、典型的には、ピコセ
カンド(ps)の高いタイミング精度および低ジッタを有する電圧制御発振器(
VCO)等を含む。VCO中心周波数を調整する電圧制御は、較正されて、送信
機の公称パルス反復率を決定するために用いられる所望の中心周波数に設定され
る。周期タイミング信号906は、精度タイミング生成器908に供給される。
【0080】 情報源917は、精度タイミング生成器908に情報信号916を供給する。
情報信号916は、音声、データ、画像等を表すデジタルビット、アナログ信号
または複合信号を含む、任意のタイプのインテリジェンスであり得る。
【0081】 選択的符号生成器912は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専
用メモリ(ROM)等、PN符号を適切に格納、および符号信号914としての
PN符号を出力する格納デバイスを含む。あるいは、最大長さのシフトレジスタ
または他の計算手段がPN符号を生成するために用いられ得る。
【0082】 精度タイミング生成器908は、同期化信号910を選択的符号生成器912
に供給し、選択的符号ソース出力914を、最初に生成されたサブキャリア信号
(これも選択的)および情報信号916と一緒に利用し、変調された(および選
択的に符号化された)共通のトリガー信号920を生成し、信号918および9
19をイネーブルする。共通のトリガー信号920は、パルス生成器922(パ
ルサー920、または第1の出力状態922とも呼ばれる)およびパルス生成器
924(パルサー922、または第2の出力状態924とも呼ばれる)の両方に
同時に提供される。イネーブル信号918は、パルサー922をイネーブルし、
イネーブル信号919は、パルサー924をイネーブルする。1実施形態におい
て、パルス生成器922は、トリガー信号920およびイネーブル信号918の
両方の受信に応答して、パルス802に似た出力パルスを生成し、パルス生成器
924は、トリガー信号920およびイネーブル信号919の受信に応答して、
804に似た(すなわち、パルス802の反転またはフリップであるパルス)出
力パルスを生成する。
【0083】 従って、インパルスの1タイプ(例えば、パルス802)を生成するために、
精度タイミング生成器908は、パルサー922および924に共通のトリガー
信号920を提供し、イネーブル信号をパルサー922に提供する。反転インパ
ルス(例えば、パルス804)を生成するために、精度タイミング生成器908
は、共通のトリガー信号920をパルサー911および924に提供し、イネー
ブル信号をパルサー924に提供する。この実施形態において、パルサー922
およびパルサー924は、同時にイネーブル信号を受信しない。
【0084】 共通のトリガー信号920ならびに別々のイネーブル信号918および919
を用いる利点は、共通のトリガー信号920のみが厳密に(criticall
y)タイミングが取られる必要があることである。対照的に、イネーブル信号9
18および919は、共通のトリガー信号920の前の特定の時間において供給
される(例えば、HIGHの状態に置く)必要があるにすぎない(しかしながら
、上述のように、パルサー922は、パルサー924がイネーブル信号919を
受信すると同時にイネーブル信号918を受信しない)。しかしながら、パルサ
ー922と924は、これらがトリガー信号のみに応答してインパルスを生成す
るように設計され得ることに留意されたい。すなわち、パルサー922および9
24は、イネーブル信号が必要でないように(または、パルサー922および9
24のイネーブル入力が常に活性化されているように)設計され得る。このよう
な実施形態において、イネーブル信号918は、第1のトリガー信号と置き換え
られ、イネーブル信号919は、第2のトリガー信号と置き換えられ、共通トリ
ガー信号920が必要とされない。パルサー922は、第1のトリガー信号に応
答して、出力パルスを生成し、パルサー924は、第2のトリガー信号に応答し
て、出力パルスを生成する。このような実施形態において、第1のトリガー信号
および第2のトリガー信号の両方は、厳密にタイミングが取られなければならな
い。
【0085】 無線周波数の実施形態において、(パルサー922および924の)出力パル
スは、その後、結合器925によって組合され、これに結合された伝送線を介し
て、伝送アンテナ926に提供される。インプリメンテーションに依存して、伝
送アンテナ926を駆動する、(パルサー922および924の)出力パルスは
、例えば、立ち上がりパルスエッジまたは立ち下りパルスエッジ、モノサイクル
、ダブレットまたはトリプレットであり得る。結合器925は、単純なレジスタ
ネットワークであり得るか、または、中央タップ変成器ネットワークであり得る
。これらの各々は、詳細に後述される。結合器925は、さらに、ハイブリッド
結合器または方向性結合器といった、当該分野に公知の任意の他の受動的結合回
路(passive combining circuit)で有り得るが、こ
れらに限定されない。出力パルスは、その後、伝送アンテナ926によって伝搬
電磁パルスに変換される。無線周波数実施形態において、電磁パルスは、発信信
号と呼ばれ、空気等の伝搬媒体を通じてインパルス無線受信機(例えば、図18
に示されるような受信機1802)に伝搬する。好適な1実施形態において、発
信信号は、パルスを含む広帯域または超広帯域信号であり、これらの各々は、短
周期パルス(例えば、パルス802またはパルス804)に近づく。上述のよう
に、1実施形態において、第1のパルス(例えば、パルス802)は、バイナリ
値「0」を表すために用いられ得、フリップまたは反転パルス(例えば、パルス
804)は、バイナリ値「1」を表すために用いられ得る。当然、送信機902
によって生成されるインパルス(例えば、インパルス802および804)は、
他のデータ状態を表すために用いられ得、依然として本発明の趣旨および範囲に
含まれる。
【0086】 本発明の教示は、共有に係る、および同時出願された「Vector Mod
ulation System and Method for Wideba
nd Impulse Radio Communications」と称され
る米国特許出願第09/538,519号、ならびに「System and
Method for Impulse Radio Vector Modu
lation」と称される米国仮出願第60/169,765号(1999年1
2月9日出願)において開示されるベクトル変調器方式と組合され得る。これら
の出願の各々は、参考のため、本明細書中にその全体を援用する。例えば、ベク
トル変調において、各パルスは、パルスインターバルのサイクルにわたる複数の
異なった時間位置のうちの1つに変調される。本発明の教示を用いて、各ベクト
ル変調(すなわち、時間位置化された)パルスは、2つのタイプのパルスのうち
の1つであり得る(すなわち、第1のタイプのパルス、および実質的に第1のタ
イプのパルスの反転である第2のタイプのパルス)。別の実施例において、各ベ
クトル変調パルスは、4つのタイプのパルス(すなわち、第1のタイプのパルス
、遅延された第1のタイプのパルス、実質的に第1のタイプのパルスの反転であ
る第2のタイプのパルス、および遅延された第2のタイプのパルス9のうちの1
つであり得る)。その結果、さらなるデータ状態、従ってより早いデータ速度は
、変調方式のそのような組合せを通じて理解され得る。
【0087】 (III.1.A.i.パルサー) 上述のように、パルサー922および924は、フリップ変調方式のために用
いられる非反転インパルス(例えば、インパルス802)および反転インパルス
(例えば、インパルス804)を生成する。以下において、パルサー922およ
び924の種々の実施形態のさらなる詳細について議論される。パルサー924
についての議論が最初に提供され、次に、パルサー922についての議論が続く
【0088】 (III.1.A.i.a.正極パルサー) 図10Aは、本発明による、パルサー924の例示的実施形態を図示する。パ
ルサー924は、正の後、負になる電圧を用いてインパルスを生成するので、正
極パルサーとも呼ばれ、正パルス(例えば、インパルス804)を生成する。
【0089】 上述のように、パルサー924がトリガー信号920およびイネーブル信号9
19を受信すると、パルサー924は、出力パルス(例えば、パルス804)を
生成する。従って、パルサー924は、トリガー信号920およびイネーブル信
号919を受信するANDゲート1002を含む。トリガー920およびイネー
ブル919の両方がHIGHであるとき、ANDゲート1002の出力1002
は、HIGHになる。
【0090】 トリガー信号920が、所望のパルスを生成するために用いられるステップリ
カバリーダイオード回路を駆動するために十分なパルス幅の安定性または定義を
有しないので、ワンショットマルチバイブレータ(one shot mult
ivibrator)1006が用いられ、精度出力パルス1008を生成する
。より具体的には、信号904の立ち上がりエッジの受信に応答して、ワンショ
ットマルチバイブレータ1006は、所望のインパルスを生成するために用いら
れるステップリカバリーダイオード(後述される)を駆動するために必要な精度
制御パルス幅を有するパルスを生成する。ワンショットマルチバイブレータ10
06は、信号の立ちあがりエッジ1004によってトリガーされるので、信号1
004の可変の幅は、その出力に影響を与えない。好適な実施形態において、ワ
ンショットマルチバイブレータ1006において、Dallas Semico
nductor、Dallas、Texasによって製造されるモデルDS10
40−A15の集積回路である。ピンp0、p1およびp2は、出力パルス幅を
規定するプログラミング入力である。p0およびp2をグラウンドに、およびp
1を+5ボルトに接続することによって、ワンショットマルチバイブレータ10
06が信号1004によってトリガーされると、これは7.5nsecの幅を有
する安定パルスである出力1008(駆動パルス1008とも呼ばれる)を生成
する。
【0091】 安定パルス1008は、レジスタ/キャパシタ(RC)スピードアップネット
ワーク1010(R5およびC3を含む)を通じてトランジスタスイッチQ4に
、および別のRCスピードアップネットワーク1012(R8およびC6を含む
)を通じてバイアシングトランジスタスイッチQ3に進む。これは、ステップリ
カバリーダイオードD1の順方向バイアスインターバルを生じさせる。より具体
的には、ワンショットマルチバイブレータ1006がトリガー(すなわち、トリ
ガー信号919およびイネーブル信号920はHIGH)されると、安定パルス
1008は、トランジスタスイッチQ4をスイッチオンし、ベース電流がバイア
シングトランジスタQ3に提供されるようにする。バイアシングトランジスタス
イッチは、ステップリカバリーダイオードD1を通じて順方向バイアス電流を引
き込む。同時に、安定パルス1008は、さらなるRCスピードアップネットワ
ーク1014(R4およびC2を含む)を通ってトランジスタQ2に供給され、
このトランジスタは、グラウンドに切り換わる。安定パルスは、負極に向かって
立ち下がる入力を所望の遅延を生成する遅延線1016に付与する。好適な実施
形態において、遅延線1016は、15nsecの遅延を生成する、ELMEC
Technology of Americaによって製造されるモデルCD
A15005である。しかしながら、15nsecの遅延の後、7.5nsec
のパルス1018は、トランジスタQ1をスイッチオンさせる遅延線1016か
らの出力である。その時点において(すなわち、15nsecの遅延の後)、順
方向バイアストランジスタQ3はすでにスイッチオフになっている。トランジス
タQ1がスイッチオンになると、これはバイアスステップリカバリーダイオード
D1を逆転し、電荷抽出プロセスを開始する。このプロセスは、ステップリカバ
リーダイオードに所望のインパルス波形(すなわち、パルス804)を生成する
ために用いられる正ステップを生成させる。当然、パルサー924によって生成
されたインパルスは、理想的なパルス804とは異なり得る。例えば、図14に
示されるインパルス1404は、より確立の高いインパルスを示す。このインパ
ルスは、上述の回路を用いて生成され得る。当然、出力パルスの正確な形状は、
本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく変更され得る。
【0092】 要約すれば、順方向バイアススイッチQ3および逆バイアススイッチQ1は、
適切にタイミングがとられ、ステップリカバリーダイオードD1は、特定の時間
インターバルのために最初に順方向バイアスされ、その後、逆にバイアスされ、
ステップリカバリーダイオードD1が正のステップを生成するようにする。その
後、誘導器L1、キャパシタC13および負荷1020は、インパルス波形の所
望の形状を形成する。すなわち、これは、D1のダイオード逆バイアスキャパシ
タンスを有するL1の共鳴ならびにC13のRC時定数および負荷1020であ
り、この負荷は、インパルス(例えばパルス804)の幅および高さを決定する
【0093】 図10Bは、パルサー924の高レベルの図を示す。トリガー信号920およ
びイネーブル信号919の両方がHIGHであるとき、ANDゲート1002の
出力はHIGHであり、ワンショット1006がトリガーされるようにする。ト
リガーされると、ワンショット1006は安定パルスを出力し、この安定パルス
は、順方向バイアシング回路1030および遅延された逆バイアシング回路10
32に供給される。順方向バイアシング回路1030は、特定の時間インターバ
ルに関して、ステップリカバリーダイオードD1をバイアスし、その後、遅延さ
れた逆バイアス回路1032は、バイアスステップリカバリーダイオードD1を
逆にし、ステップリカバリーダイオードD1が電圧の正ステップを生成するよう
にする。この正ステップは、インパルス形成ネットワーク1034に供給され、
このネットワークは、生成された正インパルスの幅および高さを制御する。
【0094】 (III.1.A.i.b.負の極性パルサー) 図11Aは、本発明によるパルサー922の例示の実施形態を示す。パルサー
922が負になり、そして正になる電圧でインパルスを生成するため、負のイン
パルス(すなわち、インパルス802)を生成するパルサー922は負の極性パ
ルサーとも呼ばれる。
【0095】 上述したように、パルサー922はトリガー信号920およびイネーブル信号
918を受信した場合に、出力パルス(例えば、パルス802)を生成する。し
たがって、パルサー922は、トリガー信号920およびイネーブル信号918
を受信するANDゲート1102を含む。ANDゲート1102の出力1104
は、トリガー920およびイネーブル918がハイの場合にハイになる。
【0096】 パルサー922は、パルサー922がワンショットのマルチバイブレータ11
06を用いて、精密な駆動出力パルス1108(例えば、7.5nsecの幅を
有するパルス)を生成する点でパルサー924に類似する。パルサー922とパ
ルサー924との差のうちの一つは、図11に示すように、ステップリカバリー
ダイオードD1の極性が逆転される点である。さらに、バイアススイッチングト
ランジスタQ1およびQ3は相互に交換されて、順方向バイアス電流および逆方
向バイアス電流の方向を逆転する。
【0097】 安定パルス1108は、レジスタ/コンデンサ(RC)高速化ネットワーク1
110(R5およびC3からなる)を介してトランジスタスイッチQ4を駆動し
、別のRC高速化ネットワーク1112(R8およびC6からなる)を介してバ
イアストランジスタスイッチQ1を駆動する。バイアストランジスタスイッチQ
1は、ステップリカバリーダイオードD1の順方向のバイアス間隔を提供する。
ワンショットのマルチバイブレータ1106がトリガーされる(すなわち、トリ
ガー信号918およびイネーブル信号920がハイになる)と、安定パルス11
08はトランジスタスイッチQ4をオンにし、これにより、基本電流がバイアス
トランジスタスイッチQ1に提供されるようになる。これにより、ステップリカ
バリーダイオードD1を介して順方向バイアス電流が引かれる。同時に、マルチ
バイブレータ1106の反転出力1109が、さらなるRC高速化ネットワーク
1114(R4およびC2からなる)を介してトランジスタQ2内へと供給され
る。これは、0ボルトにスイッチを入れ、正(例えば、−5ボルトから0ボルト
)へと進む入力を遅延ライン1116に入力する。遅延(例えば、15nsec
)の後、安定パルス1118(例えば、7.5nsecのパルス)が遅延ライン
1116から出力され、これにより、トランジスタQ3がオンになる。この時点
において、順方向バイアストランジスタスイッチQ1はすでにオフになっている
。逆方向バイアストランジスタスイッチQ3がオンになると、逆方向バイアスト
ランジスタスイッチQ3は、ステップリカバリーダイオードD1を逆方向にバイ
アスをかけ、電荷抽出プロセスを開始する。これにより、ステップリカバリーダ
イオードが、所望のインパルス波形(すなわち、パルス84)を生成するために
用いられる負のステップを生成するようになる。
【0098】 要するに、ステップリカバリーダイオードD1が特定の時間間隔の間まず順方
向にバイアスされ、そして次いで逆方向にバイアスされるように、順方向バイア
ススイッチQ1および逆方向バイアススイッチQ3のタイミングを適切に調整す
る。これにより、ステップリカバリーダイオードD1が、所望のインパルス波形
を生成するために用いられる負のステップを生成するようになる。パルサー92
4と同様、インダクタL1、コンデンサC13および負荷1120を用いて、イ
ンパルス波形の所望の幅および振幅を形成する。もちろん、パルサー922によ
って生成されたインパルスは、本発明の意図および範囲から逸脱しない場合、理
想的なパルス802と異なってもよい。例えば、図14に示すインパルス140
2は、上述の回路を用いて生成され得る可能性が高いインパルスを示す。
【0099】 図11Bは、パルサー922の高レベルの図を示す。トリガー信号920およ
びイネーブル信号918が両方ハイである場合、ANDゲート1102の出力は
ハイであり、これにより、ワンショット1006がトリガーされる。ワンショッ
ト1006は、トリガーされると安定パルスを出力する。この安定パルスは、順
方向バイアス回路1130および遅延逆方向バイアス回路1132に供給される
。順方向バイアス回路1130は、ステップリカバリーダイオードD1(これは
、図10BのD1と比べて逆方向である)を特定の時間間隔の間、順方向にバイ
アスをかけ、この後、逆方向バイアス回路1132がステップリカバリーダイオ
ードD1を逆方向にバイアスをかける。これにより、ステップリカバリーダイオ
ードD1が電圧が負のステップを生成するようになる。この負のステップは、イ
ンパルス形成ネットワーク1134に供給される。インパルス形成ネットワーク
1134は、生成されたインパルスの幅および高さを制御する。
【0100】 (III.1.A.i.c.バイポーラ極性パルサー) 図12Aおよび図12Bは、パルサー922、パルサー924およびコンバイ
ナー925からなるバイポーラインパルス生成器を示す。図示するように、この
実施形態において、コンバイナー925は、レジスタR21、R22およびR2
3からなる。レジスタR21、R22およびR23を1:1:1の比率を有する
にように示す。しかし、必要に応じて、パルサー922および924によって生
成されるインパルスの振幅が等しくなるように、レジスタの比率を調整(例えば
、微調整)し得る。
【0101】 図13Aおよび図13Bは、2つの等しいパルサー(すなわち、同じ極性イン
パルスを生成するパルサー)、およびコンバイナー1325として用いられる中
央タップ型(center tapped)変圧器T1を含むバイポーラインパ
ルス生成器の一実施形態を示す。パルサー1322aおよびパルサー1322b
によって生成されるインパルスを加えることに加え、変圧器T1はさらに、パル
サー1322bによって生成されたパルスを反転し、これにより、フリップ変調
が実現される。例示の実施形態において、変圧器T1は1:1:1の変圧器であ
る。しかし、必要に応じて、パルサー1322aおよび1324bによって生成
されるインパルスの振幅が等しくなるように、変圧器T1の比率を調整し得る。
【0102】 (図10A、図10B、図11A、図11B、図12Aおよび図12Bならび
に図13Aおよび図13Bの)ステップリカバリーダイオードD1のインピーダ
ンス変化、ならびにステップリカバリーダイオードD1によって生成された結果
のインパルスが、電流駆動ダイオードD1がスイッチを入れられた時と正確に同
じ時に生じないことに留意することが重要である。むしろ、発明者らは、インピ
ーダンス変化および結果生じたインパルスがダイオードD1から電荷を抽出する
のにかかる時間に関すると判定した。発明者らはさらに、電荷を抽出するのにか
かる時間は順方向電流および逆方向電流の比率に大いに依存することを認識した
。さらに、発明者らは、実験を発展させて、パルサー回路の出力遅延がトリガー
速度および他の条件とは無関係に寸分違わず同じとなるように、最適の電流比率
を選択する必要があることを発見した。具体的には、ニューハンプシャー州Lo
ndonderryのMicroMetrics,Inc.製造のステップリカ
バリーダイオードを用いた場合、最適の電流比率は1.667(すなわち、5/
3)である。すなわち、1.667(すなわち、5/3)の電流比率を用いると
、パルサー(すなわち、パルサー922および924)の出力遅延のトリガーは
、トリガー速度および他の条件とは無関係に寸分違わず同じとなる。この比率を
用いない場合、出力遅延のトリガー(すなわち、トリガー信号が付与された時か
らインパルスが生成される時まで)は一定ではない。
【0103】 具体的には、発明者らは、実験を通して、1.667という特定の電流比率が
、インパルスリカバリーダイオードD1の最適の安定性にとって重要であること
を認識した。図10を参照して、1.667の比率は、トランジスタQ3に関連
付けられた−3ボルト、およびトランジスタQ1に関連付けられた+5ボルトに
よって規定される。図11を参照して、1.667の比率は、トランジスタQ1
に関連付けられた+3ボルト、およびトランジスタQ3に関連付けられた−5ボ
ルトの供給によって規定される。もちろん、+6ボルトおよび−10ボルトなど
の他の電圧を用いて、この1.667の比率を生成してもよい。この比率を用い
ない場合、ステップリカバリーダイオードD1のパルスの発射(pulse f
iring)は不確定になり、これにより、ダイオードD1によって生成された
インパルスの時間位置が不確定になる。これは、各インパルスのタイミングが適
切な変調および復調にとって重要である変調スキームを用いる場合許容可能では
ない。
【0104】 異なる会社(すなわち、MicroMetrics以外の会社)が製造したス
テップリカバリーダイオードを用いた場合、ダイオードが異なるドーピングプロ
ファイルなどの異なる特徴を有し得るため、この正確な電流比率が異なり得るこ
とに留意されたい。
【0105】 インパルス無線機のインパルス生成器の回路内で最も重要なパラメータのうち
の一つは、インパルス生成器の回路の出力遅延(すなわち、トリガー信号の生成
時からパルスの出力までの時間)に対するトリガーの安定性である。時間ホッピ
ングコードに起因するインパルストリガ速度の変化(すなわち、最後のパルスか
らの時間的変化)する順方向充電電流によって、格納された電荷を取り除くのに
必要な時間が安定していることは、トリガーがインパルス生成器の回路の出力遅
延に対して安定であるかを判定する際に一番重要である。ステップリカバリーダ
イオードの順方向バイアス電流と逆方向バイアス電流との比率の関数t(順方
向電流によって格納された電荷を取り除くのに必要な時間)は以下のようである
【0106】 t=τxln(1+I/I) 但し、 tは、Iによって格納された電荷を取り除くために必要な時間であり、 τは、少数のキャリアの寿命(すなわち、ステップリカバリーダイオードが
の10%に達するのにかかる時間)であり lnは、自然対数であり、 Iは、順方向電流であり、 Iは、逆方向電流である。
【0107】 インパルストリガー速度とバイアス電流との比率I/Iに関して、t
一定性の値を求めるには、少数のキャリアの寿命τを測定するための、ステップ
リカバリーダイオードの製造業者のデータシートに記載されるテスト方法を適用
して、トリガー速度とバイアス電流との比率が異なる、tの値に関するデータ
を取得する。
【0108】 トリガーからダイオードインピーダンスが変化するまでの時間は、トリガー速
度およびバイアス電流両方の比率が変化するため、オシロスコープ上で観測され
る。ステップリカバリーダイオードの所望の動作点は、バイアス電流の比率I /Iが、トリガー速度の所望の範囲にわたって、トリガーからダイオードイン
ピーダンスが変化するまでの時間的変化が最小に抑えられる点である。
【0109】 (III.1.A.i.d.オンチップのバイポーラ極性パルサー) 図15は、オンチップに製造され得るバイポーラインパルス生成器1502を
示す。信号ENABLE_Pは、イネーブル信号918および919の両方に類
似する。信号ENABLE_Nは、ENABLE_Pの相補である(すなわち、
ENABLE_Pがハイの場合ENABLE_Nはローであり、ENABLE_
Nがハイの場合ENABLE_Pはローである)。信号TRIGGER_Pはト
リガー信号920に類似する。信号TRIGGER_NはTRIGGER_Pの
相補である(すなわち、TRIGGER_Pがハイの場合TRIGGER_Nは
ローであり、TRIGGER_Nがハイの場合TRIGGER_Pはローである
)。相補信号ENABLE_NおよびTRIGGER_Nを用いて、完全な微分
回路を作成する。回路内のすべてが一致しており、かつ、微分であるため、この
回路は、回路を通してちょうど同じ遅延を伴う正のインパルスまたは負のインパ
ルスを生成し得る。この同じ遅延を生成することは、インパルスの正確な時間位
置に依存する変調スキームを用いる場合に非常に重要である。
【0110】 以下により詳細に説明するように、正のインパルス(例えば、パルス804)
を生成するには、信号ENABLE_Pをハイに設定して(したがって、トラン
ジスタQ1およびQ3をオンにし、トランジスタQ2およびQ4をオフにする)
、スイッチングトランジスタQ5をTRIGGER_Pのパルス(すなわち、ロ
ーからハイへのパルス)によって駆動する。負のインパルス(例えば、パルス8
02)を生成するには、信号ENABLE_Pをローに設定して(したがって、
トランジスタQ1およびQ3をオフにし、トランジスタQ2およびQ4をオンに
する)、スイッチングトランジスタQ5をTRIGGER_Pのパルス(すなわ
ち、ローからハイへのパルス)によって駆動する。したがって、ENABLE_
Pをハイにすることは具体的にはイネーブル819を作動することに類似し、そ
してENABLE_Pをローにすることは具体的にはイネーブル818を作動す
ることに類似する。
【0111】 トランジスタQ1、Q2、Q3およびQ4はステアリングネットワーク150
4の一部であり、ENABLE_Pがハイの場合Q1およびQ3がカスコードの
対をなし、ENABLE_Nがハイの場合(すなわち、ENABLE_Pがロー
の場合)Q2およびQ4がカスコードの対をなす。スイッチング用に用いられる
トランジスタQ5およびQ6を共に、スイッチング回路1510としても呼ぶ。
トランジスタQ5は通常オフであり、トランジスタQ6は通常オンである。
【0112】 電流源1506が負荷の抵抗RおよびRにおいて生成するエッジが、C1
、C2および負荷1508からなるハイパス回路を介して、有意な信号を結合し
ないように、電流源1506の立ち上がり時間および立ち下がり時間が十分に遅
いように電流源1506を設計する。
【0113】 図15に示す回路の動作を、図16Aおよび図16Bに示すタイミングの図を
用いて示し得る。図16Aを用いて、正のインパルス(例えば、パルス804)
の生成を説明する。図16Bを用いて、負のインパルス(例えば、パルス802
)の生成を説明する。
【0114】 まず図16Aを参照して、インパルスが生成される前の時間Tにおいて、正
のインパルス(例えば、パルス804)を生成することを所望する場合、ENA
BLE_Pをハイに設定し、または負のインパルス(例えば、パルス806)を
生成することを所望する場合、ENABLE_Pをローに設定する。正のインパ
ルスの生成をまず説明する。したがって、図16Aに示すように、時間Tにお
いて、ENABLE_Pはハイになり、そしてENABLE_N(上述したよう
に、これはENABLE_Pの相補である)はローになる。
【0115】 さらに、インパルスが生成される前の時間において(例えば、時間Tにおい
て)電流源をオンにする。電流源1506をオンにすると即(例えば、時間T において)、負荷Rを介して電流(CC_INによって示される)は向きを操
作され、点Bにおける電圧が(例えば、時間Tにおいて)ローに移行する。負
荷Rを介して向きを操作される電流がないため、点Aにおける電圧が時間T においてハイであることに留意されたい。
【0116】 パルス(すなわち、TRIGGER_P)がトランジスタQ5に提供された場
合、点Bにおける電圧は時間Tになるまでローのままである(そして、点Aに
おける電圧はハイのままである)。時間Tにおいて、トランジスタQ5はオン
にされ、トランジスタQ6はオフにされる。これにより、電流は、負荷Rを介
して向きを操作され、負荷Rを介しては向きを操作されない。これにより、点
Bにおける電圧がVcc(すなわち、ハイ)になるまで上がり、点Aにおける電
圧がローになるまで下がる。
【0117】 電圧Bの立ち上がりエッジ(すなわち、時間Tにおいて)は、コンデンサC
2および負荷1508からなるハイパスフィルタRC回路によって微分される。
これにより、所望の正のインパルス(例えば、パルス804)がOUTにおい
て生成されるようになる(そして、負のインパルスがOUTにおいて生成され
るようになる)。一実施形態において、OUTは1つの端部アンテナ(end
ed antenna)に提供される。別の実施形態において、OUTおよび
OUTは微分アンテナに提供される。
【0118】 時間Tのすぐ後(例えば、時間Tにおいて)、電流源をオフにして、好ま
しくないインパルスが(例えば、時間Tにおいて)さらに生成されることを防
止する。さらに、電流源をオフにすると、電圧A(例えば、時間Tにおいて)
および電圧Bの両方がVccに移行するようになる。
【0119】 ここで、図16Bを参照して、負のインパルス(例えば、パルス802)の生
成を説明する。インパルスが生成される前の時間Tにおいて、負のインパルス
(例えば、パルス802)を生成することを所望するため、ENABLE_Pを
ローに設定する。これにより、上述したように、ENABLE_NがENABL
E_Pの相補であるため、ENABLE_Nがハイになる。
【0120】 インパルスが生成される前の時間において(例えば、時間Tにおいて)電流
源1506をオンにする。電流源1506をオンにすると即(例えば、時間T において)、負荷Rを介して電流(CC_INによって示される)が向きを操
作され、点Aにおける電圧が(例えば、時間Tにおいて)ローに移行する。負
荷Rを介して向きを操作される電流がないため、点Bにおける電圧が時間T においてハイであることに留意されたい。パルス(すなわち、TRIGGER_
P)がトランジスタQ5に提供された場合、点Aにおける電圧は時間Tになる
までローのままである(そして、点Bにおける電圧はハイのままである)。時間
において、トランジスタQ5をオンにし、トランジスタQ6をオフにする。
これにより、電流は、負荷Rを介して向きを操作され、負荷Rを介しては向
きを操作されない。これにより、点Aにおける電圧がVcc(すなわち、ハイ)
になるまで上がり、点Bにおける電圧がローになるまで下がる。
【0121】 電圧Bの立ち下がりエッジ(すなわち、時間Tにおいて)は、コンデンサC
2および負荷1508からなるハイパスフィルタRC回路によって微分される。
これにより、所望の負のインパルス(例えば、パルス802)がOUTにおい
て生成されるようになる(そして、正のインパルスがOUTにおいて生成され
るようになる)。一実施形態において、OUTは1つの端部アンテナに提供さ
れる。別の実施形態において、OUTおよびOUTは微分アンテナに提供さ
れる。
【0122】 時間Tのすぐ後(例えば、時間Tにおいて)、電流源をオフにして、好ま
しくないインパルスが(例えば、時間Tにおいて)さらに生成されることを防
止する。さらに、電流源をオフにすると、電圧A(例えば、時間Tにおいて)
および電圧Bの両方がVccに移行するようになる。
【0123】 (III.1.A.ii.別の送信機) 図17は、本発明の別の実施形態による別の送信機1702を示す。送信機1
702は、パルス生成器を2つではなく、パルス生成器1722(パルサー17
22とも呼ぶ)を1つ用いる点を除いて送信機902に類似する。さらに、精密
なタイミング生成器1708は、精密なタイミング生成器908とはやや異なっ
て機能する。
【0124】 この実施形態において、精密なタイミング生成器は同じパルサー(すなわち、
パルサー1722)をトリガーして、パルス802に似た出力パルス、およびパ
ルス804に似たパルス(すなわち、パルス802の反転またはフリップのパル
ス)を生成する。パルサー1722の出力1728をスイッチ1724、そして
、インバータ1730に提供する。インバータ1730の出力1732をスイッ
チ1724に提供する。精密なタイミング生成器はトグル信号1719を生成し
、トグル信号1719はスイッチ1724に提供される。トグル信号1719は
、パルサー1722の出力1728をアンテナ1726に接続するか、またはイ
ンバータ1730の出力1732をアンテナ1726に接続するようにスイッチ
1724に命令する。出力1728がアンテナ1726に接続されると、パルス
802に似た出力パルスはアンテナ1726によって伝送され得る。出力173
2がアンテナ1726に接続され、かつ、パルサー1722がトリガー信号17
20によってトリガーされると、パルス804に似た出力パルスがアンテナ26
によって伝送される。
【0125】 したがって、この実施形態において、パルス802を生成するために、精密な
タイミング生成器は、タイミングトリガー信号1720をパルサー1722に送
信し、そして、(トグル信号1719を介して)スイッチ1724に出力172
8をアンテナ1726に接続するように命令する。パルス804(パルス802
の反転)を生成するために、精密なタイミング生成器は、トリガー信号をパルサ
ー1722に送信し、そして、(トグル信号1719を介して)スイッチ172
4にインバータ1730の出力1732をアンテナ1726に接続するように命
令する。インバータは、バッファアンプまたは微分アンプなどの能動ネットワー
ク、または変圧器または平衡不平衡変成器などの受動ネットワークのいずれかを
含み得る。
【0126】 インバータ1730により決定的な遅延が生じることに留意されたい。したが
って、非反転パルス802と反転パルス804との間のタイミングを維持するに
は、インバータ1730の遅延に等しい遅延を生じさせる遅延回路(図示せず)
を非反転パルスパス(すなわち、パルサー1722とスイッチ1724との間)
に配置する場合がある。あるいは、トグル信号1719を介したスイッチ172
2の命令による精密なタイミング生成器1708によって、この遅延を挿入し得
る。
【0127】 (III.1.B.受信機) 図18は、本発明の一実施形態による、フリップ変調信号(flip mod
ulated signal)を受信する例示のインパルス無線受信機1802
を示す。受信機1802は、伝搬インパルス無線信号を受信するアンテナ180
4を含む。一実施形態において、アンテナ1804が受信した伝搬インパルス無
線信号を微分するように、アンテナ1804を設計する。このような一実施形態
において、受信信号1806は伝搬インパルス無線信号の一次導関数である。例
えば、上述したように、波形806はパルス802の一次導関数であり、波形8
08はパルス804の一次導関数である。別の実施形態において、アンテナ18
04は受信した伝搬インパルス無線信号を微分しない。
【0128】 受信信号1806はデータ相関器1808(サンプラー1808または第1の
相関器1808とも呼ばれる)に入力される。以下により詳細に説明するが、受
信信号1806とテンプレート信号1872とを相関させることによって、相関
器1808はベースバンド出力信号1814(第1の相関器の出力信号1814
とも呼ばれる)を生成する。相関器1808は理想的には、(図19Aおよび図
19Bに示すように)乗算器、そして短期間の後、パルス間隔にわたって乗算さ
れた積を合計する積分器を含む。
【0129】 受信機1802は精密なタイミング生成器1860も含み、受信機の時間軸1
856から周期的なタイミング信号1858を受信する。受信信号1806をロ
ックするために、(以下に説明する)ロックループによって必要とされるように
、時間軸1856は、時間、周波数、および/または位相が調整可能、かつ、制
御可能である。精密なタイミング生成器1860は同期信号1862を選択的な
コード生成器1866に提供し、選択的なコード生成器1866からコード制御
信号1864(コード化信号1864とも呼ばれる)を受信する。精密なタイミ
ング生成器1860は、周期的なタイミング信号1858および選択的なコード
制御信号1864を用いて、(コード化された)タイミング信号1868を生成
する。テンプレート生成器1870(パルス生成器1870とも呼ばれる)は、
(コード化された)タイミング信号1868によってトリガーされ、受信信号1
806の各パルスに実質的に等しい波形を理想的には有するテンプレート信号パ
ルス1872のトレーンを生成する。例えば、アンテナ1804が受信した伝搬
信号を微分すると、最適な性能の場合、テンプレート信号1872は、伝搬パル
スの一次導関数に実質的に等しいパルスからなる。インパルス無線受信機の回路
およびコンバータの回路のさらなる詳細は、1999年7月16に出願された「
Baseband Signal Converter Device for
a Wideband Impulse Radio Receiver」と
いう名称の米国特許出願第09/356,384号に見られ得る。同文献を参考
として上で援用する。
【0130】 コード生成器1866を用いた場合、所与の信号を受信するコードは、伝搬信
号を生成するために元々の送信機によって用いられる(例えば、送信機902の
コード生成器912によって用いられる)コードと同じである。したがって、テ
ンプレートパルストレーン1872(テンプレート信号1872とも呼ばれる)
のタイミングが受信信号パルストレーン1806のタイミングと一致し、これに
より、受信信号1806が相関器1808によって同期してサンプリングされる
ことが可能になる。相関器1808のベースバンドの出力1814を、データパ
ス信号セレクタ/インバータ1816およびロックパス信号セレクタ/インバー
タ1834に結合する。それぞれを以下により詳細に説明する。しかし、データ
パス信号セレクタ/インバータ1816およびロックパス信号セレクタ/インバ
ータ1834を説明する前に、相関プロセスのさらなる詳細を提供する。
【0131】 (III.1.B.i.相関プロセス) 図19Aおよび図19Bは、相関器1808によって実行される相関プロセス
の例示的な結果を示す。但し、テンプレート信号1872の各パルスが、受信信
号1806のパルスそれぞれに実質的に等しい波形を有する。この実施形態にお
いて、乗算器1906、続いてパルス間隔にわたって乗算された積を合計するパ
ルス積分器1908からなる相関器1808を示す。まず図19Aを参照すると
、(例えば、受信信号1806の)受信パルス1902Aおよび(例えば、テン
プレート信号1872の)テンプレートパルス1904Aが相関器1808に提
供される。受信パルス1902Aおよびテンプレートパルス1904Aが実質的
に同じ場合、相関器1808の出力が(信号1910Aによって示されるように
)正の電圧であることに留意されたい。
【0132】 図19Bに進んで、(例えば、受信信号1806の)受信パルス1902Bお
よび(例えば、テンプレート信号1872の)テンプレートパルス1904Bが
相関器1808に提供される。この例において、受信パルス1902B(反転w
パルス)がテンプレートパルス1904B(wパルス)の反転またはフリップで
あることに留意されたい。これにより、相関器1808の出力1814が(信号
1910Bによって示すように)負の電圧になる。
【0133】 この例において、テンプレートパルス(すなわち、1904Aおよび1904
B)は両方、(「反転wパルス」とは反対の)「wパルス」であることに留意さ
れたい。これにより、相関器1808が、バイナリの「0」を表すパルス(例え
ば、パルス806)とバイナリの「1」を表す反転パルス(例えば、パルス80
8)とを区別することが可能になる。もちろん、例えば、wパルス806が「1
」ビットを表し、反転wパルス808が「0」ビットを表すように、これを改変
し得る。
【0134】 図19Aおよび図19Bにおいて、上述したように、テンプレート信号187
2の各パルスは、受信信号1806の各パルスに実質的に類似した波形を有する
。これは、最適の相関関数を生成し得るが、これは実現が困難であり、かつ非効
率的であり得る。したがって、本発明者は受信信号を相関させる別の方法を開発
した。具体的には、図20Aおよび図20Bに示すように、矩形波2004Aお
よび2004Bをテンプレート信号として用いる。好適には、(図20Aに示す
ように)受信信号が非反転パルスからなる場合には、矩形波の中心と受信信号の
波形の最大振幅点との位置を合わせ、(図20Bに示すように)受信信号が反転
パルスからなる場合には、矩形波の中心と受信信号の波形の最小振幅点との位置
を合わせる。
【0135】 受信パルス1902Aが非反転パルスである場合、相関器1808の出力18
14が(信号2010Aによって示されるように)正の電圧であることに留意さ
れたい。さらに、受信パルス1902Bが反転パルスである場合、相関器180
8の出力1814が(信号2010Bによって示されるように)負の電圧である
ことに留意されたい。したがって、テンプレート信号が単純な方形パルスである
場合でも、データ検出を実行し得る。
【0136】 本発明のインパルス無線受信機は複数の相関器を用いる。但し、1つ以上の相
関器を用いてデータを検出し、1つ以上の相関器を用いて受信機と受信したイン
パルス無線信号との同期を取る。複数の相関器のさらなる詳細および使用は、共
有に係り、かつ、同時に出願された「System and Method U
tilizing Multiple Correlator Receive
rs in an Impulse Radio System」という名称の
米国特許出願第09/537,264号に開示されている。同文献全体を本明細
書において参考として援用する。
【0137】 本発明のインパルス無線受信機は、インパルス無線信号をロックし、そして取
得する。一実施形態において、これは、テンプレートパルストレーンと受信した
インパルス無線信号とを比較して比較結果を得、比較結果の閾値チェックを実行
し、そして比較結果が閾値チェックをパスした場合に受信したインパルス無線信
号をロックすることによって達成され得る。さらに、テンプレートパルストレー
ンおよびさらに受信されたインパルス無線信号を用いた迅速なチェックを実行し
得る。さらに、さらに受信したインパルス無線信号の同期チェックを実行し得る
。さらに、インパルス無線信号のコマンドデータのコマンドチェックを実行し得
る。インパルス無線信号を素早くロックし、そして取得するシステムおよび方法
のさらなる詳細は、共有に係り、かつ、同時に出願された「System fo
r Fast Lock and Acquisition of Ultra
−Wideband Signals」という名称の米国特許出願第09/53
8,292号に開示されている。同文献全体を本明細書において参考として援用
する。
【0138】 (III.1.B.ii.データパス信号セレクタ/インバータ) 概して、データパス信号セレクタ/インバータ1816は、データ検出が達成
され得るように、ベースバンド信号1814を複数の信号パスに分割し、そして
特定の信号パスの極性を逆転する。以下により詳細にこれを示す。さらに、サブ
キャリア変調が、受信信号1806を伝送した送信機によって(例えば、送信機
902によって)用いられた場合、データパス信号セレクタ/インバータ181
6はさらに、任意の必要なサブキャリア復調を実行し得る。
【0139】 図21は、データパス信号セレクタ/インバータ1816の例示の実施形態を
示す。この実施形態において、入力(すなわち、信号1814、これは相関器1
808のベースバンド出力である)は、出力1818(例えば、「0」ビットに
対応し得る)にハードワイヤードされる。入力1814はインバータ2102に
も提供される。インバータ2102の出力は出力1820(例えば、「1」ビッ
トに対応し得る)である。出力1818および1820はそれぞれ、第1のデー
タ状態信号および第2のデータ状態信号とも呼ばれる。この例示の実施形態にお
いて、データパス信号セレクタ/インバータ1816によって実行されるサブキ
ャリア変調はない。
【0140】 サブキャリア変調を用いると(すなわち、受信した伝搬信号の送信機によって
)、データパス信号セレクタ/インバータ1816を用いて、サブキャリア復調
を実行し得る。選択的なサブキャリアプロセスの目的は、用いられた場合、情報
信号をDC(0周波数)から移動させて、低周波の雑音およびオフセットに対す
る耐性を向上させることである。サブキャリア変調および復調の一例を以下の図
27Aおよび図27Bの説明において論じる。
【0141】 この実施形態において、データパス信号セレクタ/インバータ1816は信号
1818および1820を出力する。信号1818および1820は、可能なデ
ータ状態に対応する電圧を表す。例えば、一実施形態において、信号1818は
バイナリの「0」に対応し、信号1820はバイナリの「1」に対応する。信号
1818を合計累算器1822に提供し、信号1820を合計累算器1824に
提供する。積分サイクルの最後において、最大値セレクタ1830は、累算器1
822の出力1826と累算器1824の出力1828とを比較して、例えば、
(受信パルスに関連付けられた)データビットが「0」または「1」のいずれで
あるかを判定する。もちろん、1個より多いパルス(例えば、4個、8個または
100個のパルス)を用いて各データ状態(例えば、ビット(単数または複数)
)を表す場合のみ累算器1822および1826が必要である。例えば、100
個のパルスを用いて各ビットを表す場合、累算器1822および1826はそれ
ぞれ、例えば、100個の値を加算し(すなわち、累算器1822は信号181
8を合計し、累算器1824は信号1820を合計する)、合計値(それぞれ信
号1826および1828)を最大値セレクタ1830に提供し、次いで、次の
100個の値を加算し、合計値を最大値セレクタ1830に提供する。各データ
状態(例えば、ビット(単数または複数))が1個のパルスのみによって表され
る場合、出力信号1818および1820が最大値セレクタ1830に直接(す
なわち、累算器1822および1824を必要とせずに)供給される。
【0142】 (III.1.B.iii.最大値セレクタ) 最大値セレクタ1830は、パルスまたは複数のパルス(例えば、100個の
パルス)が表すデータ状態(例えば、ビット(単数または複数))を判定する。
例えば、受信信号1806の100個のパルスを用いて各データビットを表すと
仮定して、最大値セレクタ1830は各100個のパルスが「0」のビットまた
は「1」のビットのいずれを表すかを判定する。
【0143】 図22に示す一つのデジタルの実現の実施において、最大値セレクタ1830
は比較器2202を含む。この例示の実施形態において、(+)の入力端末に付
与された信号(すなわち、信号1828)が(−)の入力端末に付与された信号
(すなわち、信号1826)より大きい場合、出力信号1832はハイの出力状
態を仮定し、これは、例えば、「1」のビットに対応する。(+)の入力端末に
付与された信号(すなわち、信号1828)が(−)の入力端末に付与された信
号(すなわち、信号1826)より小さい場合、出力信号1832はローの出力
状態を仮定し、これは、例えば、「0」のビットに対応する。したがって、この
例示の実施形態において、最大値セレクタ1830は「0」のビット(例えば、
信号1826)に関連付けられた電圧、および「1」のビット(例えば、信号1
828)に関連付けられた電圧を受け取り、そして、いずれの電圧が大きいかに
依存して、パルスまたは複数のパルスが「0」のビットまたは「1」のビットの
いずれを表すかに関する判定を行う。
【0144】 (III.1.B.iv.例示の実施例) 受信機1802およびそのコンポーネント(例えば、データパス信号セレクタ
/インバータ1816および最大値セレクタ1839)の上述の特徴を、以下の
例を用いて示し得る。
【0145】 図18および図19Aを参照して、信号1814が100個のパルス1902
Aからなると仮定する。これにより、信号1814(相関器1808からの出力
、およびデジタルデータ信号セレクタ/インバータ1816への入力)が100
個の正の電圧値(すなわち、信号1910A)からなるようになる。次いで、こ
れにより、(例えば、図21に示すインバータ2102により)信号1818が
100個の正の電圧値からなるようになり、信号1820が100個の負の電圧
値からなるようになる。累算器1822は100個の正の電圧値(信号1818
)を加算し、合計(1826)を最大値セレクタ1830に提供する。累算器1
824は100個の負の電圧値(信号1820)を加算し、合計(信号1828
)を最大値セレクタ1830に提供する。この例において、最大値セレクタ18
30は合計1826が合計1828より大きいことを判定し、したがって、10
0個のパルス1902Aが「0」のビットを表すことを判定する。結果、最大値
セレクタ1830が「0」のビット(例えば、0ボルト、−1ボルトまたは−5
ボルト)を示すデータ信号1832を出力する。
【0146】 ここで、図18および図19Bを参照して、信号1814が100個のパルス
1902B(すなわち、反転wパルス)からなると仮定する。これにより、信号
1814(相関器1808からの出力、およびデジタルデータ信号セレクタ/イ
ンバータ1816への入力)が100個の負の電圧値(すなわち、信号1910
B)からなるようになる。次いで、これにより、(例えば、インバータ2102
により)信号1818が100個の負の電圧値からなるようになり、信号182
0が100個の正の電圧値からなるようになる。累算器1822は100個の負
の電圧値(信号1818)を加算し、合計(1826)を最大値セレクタ183
0に提供する。累算器1824は100個の正の電圧値(信号1820)を加算
し、合計(1828)を最大値セレクタ1830に提供する。この例において、
最大値セレクタ1830は合計1828が合計1826より大きいことを判定し
、したがって、100個のパルス1902Bが「1」のビットを表すことを判定
する。結果、最大値セレクタ1830が「1」のビット(例えば、1ボルトまた
は5ボルト)を示すデータ信号1832を出力する。
【0147】 送信機および受信機の設計、ならびに変調スキームに依存して、「0」のビッ
トおよび「1」のビット以外の状態を区別するように最大値セレクタを設計し得
ることに留意されたい。例えば、直角変調信号を受信する受信機2902(図2
9に示し、以下に説明する)の最大値セレクタ2930は4つのデータ状態(す
なわち、ビット「00」、「01」、「10」および「11」)を区別し得る。
【0148】 複数のデータ状態を実現する方法は、共有に係る「Vector Modul
ation System and Method for Wideband
Impulse Radio Communications」という名称の
米国特許出願第09/538,519号にも見られ得る。同文献を参考として上
で援用した。
【0149】 受信機1802の上述の実施形態において、データパス信号セレクタ/インバ
ータ1816、累算器1822および1824、ならびに最大値セレクタ183
0は、データ検出器1815(点線で示す)のコンポーネントであると考えられ
得る。図23は、データ検出器1815の別の実施形態を示す。この実施形態に
おいて、検出器1815は、合計累算器2302および比較器2308からなる
。100個のパルスを用いて各ビットを表すと仮定して、累算器2302は相関
器1808の電圧出力(すなわち、信号1814)を加算して、合計値2304
を比較器2308に提供する。基準値信号2306も比較器2308に提供され
る。一例において、合計値2304(これは(−)の入力端末に付与される)が
基準値2306(これは(+)の入力端末に付与される)より大きいと、比較器
2308の出力(1832)はローの出力を仮定し、これは「0」のビットを表
す。合計値2304(これは(−)の入力端末に付与される)が基準値2306
(これは(+)の入力端末に付与される)より小さいと、比較器2308の出力
(1832)はハイの出力を仮定し、これは「1」のビットを表す。
【0150】 サブキャリア変調が受信信号1806を伝送した送信機(例えば、送信機90
2)によって用いられた場合、図23の別のデータ検出器1815はさらに、累
算器2302の前に任意の必要なサブキャリア復調を実行するサブキャリア復調
器2310を含む。
【0151】 上述した基準値信号2306は固定値であり得る。あるいは、基準値信号23
06は合計値2304のフィルタリングされた加重平均であり得る。これは、合
計値2304と合計値2304のDC平均とを比較し、したがって、この信号2
304におけるDCバイアスが排除される。
【0152】 (III.1.B.v.ロックループ関数) 再度、図18を参照すると、受信信号1806が相関器1808によって同期
的にサンプリングされ得るように、テンプレートパルストレーン1872のタイ
ミングが受信信号のパルストレーン1806のタイミングと一致することが重要
である。したがって、ロックループ(制御ループとも呼ばれる)を用いて、時間
軸1856における任意のドリフトを補正するエラー信号1854を生成する。
具体的には、ロックループフィルタ1852、時間軸1856、精密なタイミン
グ生成器1860、テンプレート生成器1870、遅延1874、ロックループ
相関器1810(第2の相関器1810とも呼ばれる)、ロックパス信号セレク
タ/インバータ1834および出力セレクタ1848を含む制御ループを用いて
、エラー信号1854を生成する。エラー信号1854は、受信信号1806の
位置に対する調整可能な時間軸1856への調整を、時間位置周期タイミング信
号1858に提供する。ロックループの関数を以下にさらに詳細に説明する。
【0153】 (III.1.B.v.a.ロックループ相関) 受信信号1806はロックループ相関器1810(第2の相関器1810とも
呼ばれる)に入力される。ロックループ相関器1808は、受信信号1806と
テンプレート信号1872とを相関させるのではなく、受信信号1806と遅延
テンプレート信号1876(遅延1874によって生成される)とを相関させて
、ロックループ相関器の出力1812(第2の相関器の出力1812とも呼ばれ
る)を出力する。受信信号1806および非遅延テンプレート信号1872が同
期を取られた場合に、ロックループ相関器1808の出力が0であるように、遅
延1874による遅延は正確に選択される。すなわち、受信信号1806および
非遅延テンプレート信号1872が同期を取られた場合に、ロックループ相関器
1910が0交差において受信信号1806をサンプリングするように、遅延1
874は正確に選択される。例えば、一実施形態において、遅延1874は1/
4のパルス幅だけテンプレート信号1872を遅延させる。したがって、(図8
に示すように)各パルスのパルス幅が0.5nsecである場合、遅延1874
はテンプレート信号1872を0.125nsec(すなわち、0.5/4=0
.125)だけ遅延させる。上述したように、これにより、テンプレート信号1
872が受信信号1806と同期を取られた場合、ロックループ相関器1810
の出力が0になる。しかし、テンプレート信号1872が受信信号1806より
遅れ始めたり、または受信信号1806に先行し始めると、ロックループ相関器
1810の出力1812は、ロックパス信号セレクタ/インバータ1834に供
給され、かつ、時間軸1856を補正するために用いられる電圧である。
【0154】 具体的には、この実施形態において、テンプレート信号1872が非反転パル
ス(例えば、wパルス806)からなる受信信号1806より遅れると、ロック
ロープ相関器1810の出力1812は負の電圧である。テンプレート信号18
72が反転パルス(例えば、反転wパルス808)からなる受信信号1806よ
り遅れると、ロックロープ相関器1810の出力1812は正の電圧である。テ
ンプレート信号1872が非反転パルス(例えば、wパルス806)からなる受
信信号1806に先行すると、ロックロープ相関器1810の出力1812は正
の電圧である。テンプレート信号1872が反転パルス(例えば、反転wパルス
808)からなる受信信号1806に先行すると、ロックロープ相関器1810
の出力1812は負の電圧である。
【0155】 時間軸1856が、周波数伝達関数(すなわち、正の電圧により周波数が増加
し、負の電圧により周波数が減少する)に対して、正の電圧を有すると仮定する
と、時間軸1856を補正するためには、テンプレート信号1872が受信信号
1806より遅れる場合、エラー信号1854は正(+)の電圧である必要があ
り、そしてテンプレート信号1872が受信信号1806に先行する場合、エラ
ー信号1854は負(−)の電圧である必要がある。時間軸1856が周波数伝
達関数に対して反転(すなわち、負の)電圧を有する場合、時間軸1856を補
正するためには、テンプレート信号1872が受信信号1806より遅れる場合
、エラー信号1854は負(−)の電圧である必要があり、そしてテンプレート
信号1872が受信信号1806に先行する場合、エラー信号は正(+)の電圧
である必要がある。
【0156】 図18において、時間軸1856に提供されるエラー信号1854を示す。し
かし、時間軸1856を精密なタイミング生成器1860の一部として実現し得
ることに留意されたい。このような場合、エラー信号1854は精密なタイミン
グ生成器1860に直接提供され得る。あるいは、時間軸1856が精密なタイ
ミング生成器1860から独立している場合であっても、エラー信号1854は
精密なタイミング生成器1860に直接提供され得る。重要なのは、データ相関
器1808がデータ検出にとって実質的に最適な時間に受信したインパルス無線
信号1806をサンプリングし、ロックループ相関器1810がエラー補正にと
って実質的に最適な時間に(すなわち、受信したインパルス無線信号1806の
ゼロ交差において)受信したインパルス無線信号1806をサンプリングするよ
うに、エラー信号1854を用いて、受信機1802と受信したインパルス無線
信号1806との同期を取ることである。
【0157】 (III.1.B.v.b.ロックパス信号セレクタ/インバータおよび出力
セレクタ) 概して、時間軸1856内のドリフトが正しく調整され得るように、ロックパ
ス信号セレクタ/インバータ1834は、ロックループ相関器1810の出力1
812を複数の信号パスに分割し、特定の信号パスの極性を逆転する。以下によ
り詳細にこれを示す。さらに、サブキャリア変調が受信信号1806を伝送した
送信機によって(例えば、送信機902によって)用いられると、ロックパス信
号セレクタ/インバータ1834はさらに、サブキャリア変調に起因して必要な
任意の調整を実行する。
【0158】 図24は、ロックパス信号セレクタ/インバータ1834および出力セレクタ
1848の例示の実施形態を示す。この実施形態において、入力(すなわち、信
号1812(これはロックループ相関器1810の出力である))は出力183
6に直接提供される。入力1812は、インバータ2402にも提供される。イ
ンバータ2402の出力は出力1838(例えば、これは「1」のビットに対応
し得る)である。この例示の実施形態において、信号はサブキャリアによって変
調されていないと仮定する。
【0159】 この実施形態において、出力セレクタ1848は、信号1832(最大値セレ
クタ1830の出力)に基づいて、信号1850(時間軸調整信号とも呼ばれる
)が信号1844または信号1846のいずれに等しいかを選択するスイッチ2
404として動作する。すなわち、以下に説明するように、出力セレクタ184
8は信号1844または1846のいずれをロックループ内で用いるかを動的に
決定する。図18を参照して、累算器1840は電圧値(すなわち、信号183
6)を加算し、合計(すなわち、信号1844)を出力セレクタ1848に提供
する。信号1836および1844はそれぞれ、第1のタイミング調整インクリ
メントおよび第2のタイミング調整インクリメントとも呼ばれる。累算器184
2は電圧値(すなわち、信号1836)を加算し、合計(すなわち、信号184
6)を出力セレクタ1848に提供する。出力セレクタ1848は累算器184
0の出力1844、累算器1842の出力1846およびデータ信号1832を
受信する。データ信号1832(すなわち、最大値セレクタ1832の出力)に
基づいて、出力セレクタ1848は信号1844または信号1846のいずれを
ロックループ内で用いるかを決定する。例えば、データ信号1832が「0」の
ビットを表し(すなわち、受信信号1806が非反転wパルスである)、出力電
圧1844が正であり、出力電圧1846が負である(遅延テンプレート信号1
876はこれがあるべき位置(通常、受信信号1806から1/4のパルス波長
だけ遅延している)より先行していることを意味する)場合、出力1846はロ
ックループフィルタ1852に(1850を介して)供給される必要がある。デ
ータ信号1832が「0」のビットを表し(例えば、受信信号1806が非反転
wパルスである)、出力電圧1844が負であり、出力電圧1846が正である
(遅延テンプレート信号1876はこれがあるべき位置より遅れていることを意
味する)場合、出力1846はロックループフィルタ1852に(1850を介
して)供給される必要がある。データ信号1832が「1」のビットを表し(例
えば、受信信号1806が反転wパルスである)、出力電圧1844が正であり
、出力電圧1846が負である(遅延テンプレート信号1876はこれがあるべ
き位置(受信信号1806からちょうど1/4のパルス波長だけ遅延している)
より遅れていることを意味する)場合、出力1844はロックループフィルタ1
852に(1850を介して)供給される必要がある。データ信号1832が「
1」のビットを表し(例えば、受信信号1806が反転wパルスである)、出力
電圧1844が負であり、出力電圧1846が正である(遅延テンプレート信号
1876はこれがあるべき位置より先行していることを意味する)場合、出力信
号1844はロックループフィルタ1852に(1850を介して)供給される
必要がある。上述したように、必要に応じて時間軸1856を調整する。
【0160】 もちろん、1個より多いパルス(例えば、100個のパルス)を用いて各デー
タ状態(例えば、ビット(単数または複数))を表す場合のみ累算器1840お
よび1842が必要である。例えば、一実施形態において、100個のパルスを
用いて各ビットを表す場合、累算器1840および1842はそれぞれ、例えば
、100個の値を加算し(すなわち、累算器1840は信号1836を合計し、
累算器1838は信号1838を合計する)、合計値(それぞれ信号1844お
よび1846)を出力セレクタ1848に提供し、次いで、次の100個の値を
加算し、合計値を出力セレクタ1848に提供する。各データ状態(例えば、ビ
ット(単数または複数))が1個のパルスのみによって表される場合、出力信号
1836および1838は出力セレクタ1848に直接(すなわち、累算器18
40および1824を必要とせずに)供給される。
【0161】 (III.1.B.v.c.別の実施形態) 受信機1802の上述の実施形態において、ロックパス信号セレクタ/インバ
ータ1834、累算器1840および1842、ならびに出力セレクタ1848
は、時間軸アジャスタ1849(点線で示す)のコンポーネントであると考えら
れ得る。図25は、時間軸アジャスタ1849の別の実施形態を示す。この実施
形態において、時間軸アジャスタ1849は、合計累算器2502、インバータ
2506およびスイッチ2512からなる。100個のパルスを用いて各ビット
を表すと仮定して、累算器2502はロックループ相関器1810の電圧出力(
すなわち、信号1812)を加算して、合計値2504をスイッチ2512およ
びインバータ2506に直接提供する。インバータ2506の出力2508はス
イッチ2512に提供される。データ検出器1815の出力1832も受信する
スイッチ2512は、スイッチ2404(図24の説明において上述した)と実
質的に同じに動作する。但し、信号2504は信号1844と実質的に等しく、
信号2508は信号1846と実質的に等しい。
【0162】 サブキャリア変調が受信信号1806を伝送した送信機(例えば、送信機90
2)によって用いられた場合、図25の別の時間軸アジャスタ1849はさらに
、累算器2502の前に任意の必要なサブキャリア復調を実行するサブキャリア
復調器2510を含む。
【0163】 図26は、時間軸アジャスタ1849の別の実施形態を示す。この実施形態は
最低数のコンポーネントしか必要としないが、上述した実施形態のように時間応
答的ではない場合がある。この実施形態において、スイッチ2606は、信号1
832(最大値セレクタ1830の出力)に基づいて、信号1850が信号26
04(これは信号1844に実質的に等しい)に等しいか、または信号1850
が(スイッチ2604が開である場合)0であるかを選択する。図18および図
26を参照して、累算器2602は、電圧値(すなわち、信号1812)を加算
して、合計(すなわち、信号2404)をスイッチ2606に提供する。スイッ
チ2606は、累算器2603の出力2604およびデータ信号1832を受信
する。例示の実施形態において、データ信号1832が「0」のビットを表す(
これは、非反転wパルス(単数または複数)に対応する)場合スイッチ2606
は閉じ、そして、データ信号1832が「1」のビットを表す(これは、反転w
パルス(単数または複数)に対応する)場合スイッチ2606は開く。したがっ
て、この実施形態において、ロックループは、2つのデータ状態のうちの一つが
復号される場合のみアクティブである。しかし、2つのデータ状態それぞれを受
信する可能性が同様である場合、この簡略化された実施形態は時間軸1856に
十分な調整を提供する必要がある。
【0164】 具体的には、この実施形態において、データ信号1832(すなわち、最大値
セレクタ1832の出力)が「0」のビットを表し(すなわち、受信信号180
6が非反転wパルスである)、出力電圧2604が正である(遅延テンプレート
信号1876はこれがあるべき位置(受信信号1806からちょうど1/4のパ
ルス波長だけ遅延している)より先行していることを意味する)場合、スイッチ
2606は開き、何もロックループフィルタ1852に(1850を介して)供
給されない。データ信号1832が「0」のビットを表し(例えば、受信信号1
806が非反転wパルスである)、出力電圧2604が負である(遅延テンプレ
ート信号1876はこれがあるべき位置より遅れていることを意味する)場合、
スイッチ2606は開き、何もロックループフィルタ1852に(1850を介
して)供給されない。データ信号1832が「1」のビットを表し(例えば、受
信信号1806が反転wパルスである)、出力電圧2604が正である(遅延テ
ンプレート信号1876はこれがあるべき位置(受信信号1806からちょうど
1/4のパルス波長だけ遅延している)より遅れていることを意味する)場合、
スイッチ2606は閉じ、出力2604はロックループフィルタ1852に(1
850を介して)供給される。データ信号1832が「1」のビットを表し(例
えば、受信信号1806が反転wパルスである)、出力電圧2606が負である
(遅延テンプレート信号1876はこれがあるべき位置より先行していることを
意味する)場合、スイッチ2606は閉じ、出力電圧2604はロックループフ
ィルタ1852に(1850を介して)供給される。上述したように、時間軸1
856を調整する。
【0165】 サブキャリア変調が受信信号1806を伝送した送信機(例えば、送信機90
2)によって用いられた場合、図26の別の時間軸アジャスタ1849はさらに
、累算器2602の前に任意の必要なサブキャリア復調を実行するサブキャリア
復調器2610を含む。
【0166】 (III.1.C.サブキャリアの使用) 上述のフリップ変調スキームにおいて、第1のインパルス波形(例えば、パル
ス802)を用いて第1のデータ状態(例えば、バイナリの「0」)を表し得、
そして第2のインパルス波形(例えば、反転パルス804)を用いて第2のデー
タ状態(例えば、バイナリの「1」)を表し得る。上述したように、各データ状
態に対して複数(例えば、4個、8個または100個)のインパルスを伝送する
ことが好適であることが多い。例えば、100個のインパルス802(すなわち
、パルストレーン)を伝送してバイナリの「0」を表し得、そして、100個の
反転インパルス804を伝送してバイナリの「1」を表し得る。
【0167】 アンプのドリフトおよび低周波の雑音の影響を弱めることを支援するために、
ベースバンド信号を備えたサブキャリアを含むことが望ましいことがしばしば見
受けられる。実現され得るサブキャリアは、所定のパターンによってデータ速度
より速い速度で変調を調整する。次いで、受信機はこれと同じパターンを用いて
、プロセスを逆転し、検出のちょうど前に元のデータパターンをリカバリーする
。この方法により、交流(AC)がステージを結合することまたは均等物の信号
処理が可能になり、検出プロセスから直流(DC)のドリフトおよびエラーが排
除される。この方法、およびサブキャリアの使用のさらなる詳細は、Fulle
rtonらに対する米国特許第5,677,927号に詳細に記載されている。
同文献全体を本明細書において参考として援用する。好適には、本発明において
、サブキャリア変調に用いられるサブキャリア信号は、(送信機902の)精密
なタイミング生成器908によって内的に生成され、ベースバンド信号(例えば
、情報信号であり、これはコード化される場合もあればされない場合もある)に
加算される。
【0168】 図27Aおよび図27Bを参照して、サブキャリア変調の例を示し得る。2つ
の伝送状態のみを仮定する。2つの伝送状態とは、データ「0」に関連付けられ
た状態A(すなわち、インパルス802)およびデータ「1」に関連付けられた
状態B(すなわち、反転インパルス804)である。さらに、各データ状態に対
して4つのインパルスが伝送されると仮定する。図27Aに示すように、データ
「0」を表すために、サブキャリア変調無く(そしてコード化がないことを仮定
して)、AAAA(すなわち、4つのインパルス802)からなる信号2702
Aが伝送される。図27Bに示すように、データ「1」を表すために、サブキャ
リア変調(すなわち、コード化)が無く、BBBB(すなわち、4つの反転イン
パルス804)からなる信号2702Bが伝送される。サブキャリア変調スキー
ムの例は、データ「0」を表すために(図27Aに示すように)ABABからな
る信号2704Aを伝送し、そしてデータ「1」を表すために(図27Bに示す
ように)BABAからなる信号2704Bを伝送する。他の可能性は、データ「
0」を表すためにAABB(図示せず)からなる信号を伝送すること、およびデ
ータ「1」を表すためにBBAA(図示せず)からなる信号を伝送することを含
む(但し、これらに限定されない)。もちろん、異なる数のインパルス(例えば
、100個のインパルス)を用いて各データ状態を表す場合、必要な回数分(例
えば、25回)、上述のパターン(例えば、ABAB)を繰返し得る。
【0169】 サブキャリア変調が用いられた場合、インパルス無線受信機は、情報信号を得
るためにサブキャリア信号を復調する(すなわち、取り除く)必要がある。イン
パルス無線受信機は通常、相互相関器のフロントエンドを備えた直接変換受信機
であり、相互相関器のフロントエンドは、モノサイクルのパルスの電磁パルスト
レーンを1つのステージ内のベースバンド信号に一貫して変換する。受信機は、
サブキャリア変調を生成するために用いられたのと同じパターンを用いて、プロ
セスを逆転し、データ検出のちょうど前に元のデータパターンをリカバリーする
。本発明の一実施形態において、任意の必要なサブキャリア復調を実行するのは
、インパルス無線受信機1802のデータパス信号セレクタ/インバータ181
6である。具体的には、いずれのデータ状態がパルストレーンによって表された
かを最大値セレクタ1830が正確に判定し得るように、データパス信号セレク
タ/インバータ1816は、その出力1818および1820を正しい累算器1
822および1825に提供する。したがって、データパス信号セレクタ/イン
バータ1816の正確な構造および関数は、インパルス無線送信機によって(例
えば、送信機902によって)用いられるサブキャリア変調パターンに依存する
【0170】 (III.2.シフト変調によるフリップ) 別の実施形態において、「シフト変調によるフリップ」または「直角フリップ
時間変調」(QFTM)と呼ばれるものが用いられる。シフト変調によるフリッ
プの簡単な例を図28を参照して説明し得る。この例において、インパルス波形
2802を用いてビット「00」を表し、インパルス波形2804を用いてビッ
ト「01」を表し、インパルス波形2806を用いてビット「10」を表し、そ
してインパルス波形2808を用いてビット「11」を表す。波形2804は波
形2802の反転またはフリップであり、波形2808は波形2806の反転ま
たはフリップであることに留意されたい。さらに2802と2806、および2
804と2808との唯一の差異は、この例において、2806および2808
が1/4の波長だけ移行されている点であることに留意されたい。フリップに加
え、このシフトを加えることによって、変調状態は、図8の説明の間に上述した
フリップ変調スキームに比較して2倍になる。
【0171】 波形2802、2804、2806および2808(インパルスとも呼ばれる
)は、伝送信号(例えば、送信機から受信機まで空気を介して伝送される信号)
に関連付けられた例示の波形である。通常、波形2802、2804、2806
および2808が受信機のアンテナによって受信されると、波形は改変され、そ
れぞれ波形2812、2814、2816および2818に似る。具体的には、
例示を目的として、波形2812、2814、2816および2818は、それ
ぞれ波形2802、2804、2806および2808の実質的に一次導関数で
ある。
【0172】 上述したように、インパルス無線システムはパルスごとに1個以上のデータビ
ットを送達し得る。しかし、インパルス無線システムはより典型的には、各デー
タビットに対して1個のパルスではなく、パルストレーンを用いる。したがって
、パルストレーン2802(例えば、100個のパルス2802)を用いてビッ
ト「00」を表し得、反転パルストレーン2804(例えば、100個の反転パ
ルス2804)を用いてビット「01」を表し得、細かく移行された(例えば、
1/4の波長だけ移行された)パルストレーン2806(例えば、100個のパ
ルス2806)を用いてビット「10」を表し得、そしてパルストレーン280
8(例えば、100個のパルス2808)を用いてビット「11」を表し得る。
上により詳細に説明したように、1個のデジタル情報ビットを表すために1個よ
り多いパルスを用いることによって、さらなる利益が取得され得るため、パルス
トレーンを用いることが多い。
【0173】 (III.2.A.送信機) 図9および図17の説明において上述した送信機902または送信機1702
に実質的に類似した送信機を用いて、上述のシフト変調スキームによるフリップ
を用いて変調されたインパルスを伝送(例えば、インパルス2802、2804
、2806および2808を伝送)し得る。例えば、図9を参照して、送信機9
02とフリップ変調インパルスおよびシフト変調インパルス(例えば、インパル
ス2802、2804、2806および2808)を伝送することが可能な送信
機との唯一の有意な差異は、精密なタイミング生成器908が、2つの状態の変
調スキームではなく、直角変調スキームに基づいて、共通トリガー信号920な
らびにイネーブル信号918および919を出力する点である。例えば、ここで
も図9を参照して、さらなるインパルス(すなわち、2806および2808)
が生成され得るように、精密なタイミング生成器908を改変して、遅延トリガ
ー信号(例えば、1/4の波長だけ)および/または遅延イネーブル信号918
および919をさらに生成し得る(インパルス2802および2804はそれぞ
れインパルス802および804と同じであることに留意されたい)。したがっ
て、一実施形態において、インパルスを以下のように生成し得る。パルス生成器
922は、非遅延トリガー信号920およびイネーブル信号918の両方を受信
したことに応答して、パルス2802に似た出力パルスを生成し、パルス生成器
922は、遅延(例えば、1/4の波長だけ)トリガー信号920およびイネー
ブル信号918の両方を受信したことに応答して、2806に似た出力パルスを
生成し、パルス生成器924は、非遅延トリガー信号920およびイネーブル信
号919を受信したことに応答して、パルス2804(すなわち、パルス280
2の反転またはフリップであるパルス)に似た出力パルスを生成し、そしてパル
ス生成器924は、遅延トリガー信号920およびイネーブル信号919を受信
したことに応答して、パルス2808(すなわち、パルス2806の反転または
フリップであるパルス)に似た出力パルスを生成する。あるいは、トリガー信号
920の代わり、またはトリガー信号920の加えて、イネーブル信号918お
よび919を遅延させ得る。
【0174】 (III.2.B.受信機) 図29は、本発明の一実施形態による、QFTM変調信号を受信するために用
いられ得るインパルス無線受信機2902を示す。受信機2902は、伝搬イン
パルス無線信号を受信するアンテナ2904を含む。
【0175】 受信信号2906は第1の相互相関器2908(第1のサンプラー2908と
も呼ばれる)および第2の相関器2910に入力される。以下により詳細に説明
するように、受信信号2906とテンプレート信号2972とを相関させること
によって、第1の相関器2908は第1のベースバンド出力信号2914(第1
の相関器の出力2914とも呼ばれる)を生成する。以下により詳細に説明する
ように、受信信号2906と遅延テンプレート信号2976とを相関させること
によって、第2の相関器2910は第2のベースバンド出力信号2912(第2
の相関器の出力2912とも呼ばれる)を生成する。各相関器2908および2
910は理想的には、乗算器、続いて短期間の後にパルス間隔にわたって乗算さ
れた積を合計するパルス積分器を含む。
【0176】 受信機2902は精密なタイミング生成器2960も含み、受信機の時間軸2
956から周期的なタイミング信号2958を受信する。受信信号2906をロ
ックするために、(以下に説明する)ロックループが必要とするように、時間軸
2956は、時間、周波数、および/または位相が調整可能、かつ、制御可能で
ある。精密なタイミング生成器2960は同期信号2962を選択的なコード生
成器2966に提供し、選択的なコード生成器2966からコード制御信号29
64(コード化信号2964とも呼ばれる)を受信する。精密なタイミング生成
器2960は、周期的なタイミング信号2958および選択的なコード制御信号
2964を用いて、(コード化された)タイミングトリガー信号2968を生成
する。テンプレート生成器2970(パルス生成器2970とも呼ばれる)は、
(コード化された)タイミングトリガー信号2968によってトリガーされ、受
信信号2906の各パルスに実質的に等しい波形を理想的には有するテンプレー
ト信号パルス2972のトレーンを生成する。
【0177】 コード生成器2966を用いた場合、所与の信号を受信するコードは、伝搬信
号を生成するために元々の送信機によって用いられるコードと同じである。した
がって、テンプレートパルストレーン2972(テンプレート信号2972とも
呼ばれる)のタイミングが変調の間、遅延されなかった(受信信号パルストレー
ン2906の)パルスのタイミングと基本的に一致し、これにより、受信信号2
906が第1の相関器2908によって同期的にサンプリングされることが可能
になる。第1の相関器2908の第1のベースバンドの出力2914を、データ
パス信号セレクタ/インバータ2916およびロックパス信号セレクタ/インバ
ータ2934に提供する。それぞれを以下により詳細に説明する。
【0178】 テンプレートパルストレーン2972はさらに、遅延テンプレート信号297
6を出力する遅延2974にも提供される。遅延2974によって生じた遅延は
、さらなるデータ状態を生成するために変調スキームで用いられる遅延と厳密に
同じ遅延(例えば、1/4の波長)である。したがって、遅延テンプレートパル
ストレーン2976(遅延テンプレート信号2972とも呼ばれる)のタイミン
グは、変調の間に故意にオフセットにされた(すなわち、遅延された)(受信信
号パルストレーン2906の)パルスのタイミングと基本的に一致する。第2の
相関器2910の第2のベースバンドの出力2912をさらに、データパス信号
セレクタ/インバータ2916およびロックパス信号セレクタ/インバータ29
34に結合する。
【0179】 データパス信号セレクタ/インバータ2916およびロックパス信号セレクタ
/インバータ2934を説明する前に、相関プロセスのさらなる詳細を提供する
【0180】 (III.2.B.i.相関プロセス) 図30A、図30B、図30Cおよび図30Dは、第1の相関器2908によ
って実行された相関プロセスの例示の結果を示す。但し、簡単な矩形波のパルス
3002をテンプレート信号2972として用いる。図示するように、(図30
Aに示すように)受信信号2906が非遅延、かつ、非反転のwパルス2812
からなる場合には、矩形波のパルス3002の中心と受信信号の波形の最大振幅
点との位置を合わせ、または(図30Bに示すように)受信信号2906が非遅
延、かつ、反転のwパルス2814からなる場合には、矩形波の中心と受信信号
の波形の最小振幅点との位置を合わせる。しかし、(図30Cに示すように)受
信信号2906が遅延、かつ、非反転のwパルス2816からなる場合か、また
は(図30Dに示すように)受信信号2906が遅延、かつ、反転のwパルス2
818からなる場合、矩形波3002の中心と受信信号の波形のゼロ交差との位
置を合わせる。
【0181】 まず図30Aを参照して、受信パルス2812(すなわち、受信信号2906
のパルス)およびテンプレートパルス3002(すなわち、テンプレート信号2
972のパルス)を第1の相関器2908に提供する。テンプレートパルス30
02が受信パルス2812の中心と位置が合わされた場合、第1の相関器290
8の出力2914は(信号3004Aに見られるように)正の電圧であることに
留意されたい。
【0182】 図30Bに進んで、受信パルス2814(すなわち、受信信号2906のパル
ス)およびテンプレートパルス3002(すなわち、テンプレート信号2972
のパルス)を第1の相関器2908に提供する。テンプレートパルス3002が
受信反転パルス2814の中心と位置が合わされた場合、第1の相関器2908
の出力2914は(信号3004Bに見られるように)負の電圧である。
【0183】 図30Cに進んで、受信パルス2816(すなわち、受信信号2906のパル
ス)およびテンプレートパルス3002(すなわち、テンプレート信号2972
のパルス)を第1の相関器2908に提供する。テンプレートパルス3002が
受信パルス2816のゼロ交差と位置が合わされた場合、第1の相関器2908
の出力2914は(信号3004Cに見られるように)理論上0であることに留
意されたい。
【0184】 次に、図30Dに進んで、受信反転パルス2818(すなわち、受信信号29
06のパルス)およびテンプレートパルス3002(すなわち、テンプレート信
号2972のパルス)を第1の相関器2908に提供する。テンプレートパルス
3002が受信反転パルス2818のゼロ交差と位置が合わされた場合、第1の
相関器2908の出力2914は(信号3004Dに見られるように)理論上0
であることに留意されたい。
【0185】 図30E、図30F、図30Gおよび図30Hは、第2の相関器2910によ
って実行された相関プロセスの例示の結果を示す。但し、簡単な矩形波のパルス
3006を遅延テンプレート信号2976として用いる。図示するように、(図
30Gに示すように)受信信号2906が遅延、かつ、非反転のwパルス281
6からなる場合には、矩形波のパルス3006の中心と受信信号の波形の最大振
幅点との位置を合わせ、または(図30Hに示すように)受信信号2906が遅
延、かつ、反転のwパルス2818からなる場合には、矩形波の中心と受信信号
の波形の最小振幅点との位置を合わせる。しかし、(図30Eに示すように)受
信信号2906が非遅延、かつ、非反転のwパルス2812からなる場合か、ま
たは(図30Fに示すように)受信信号2906が非遅延、かつ、反転のwパル
ス2814からなる場合、矩形波3006の中心と受信した波形のゼロ交差との
位置を合わせる。
【0186】 具体的に図30Eを参照して、受信パルス2812(すなわち、受信信号29
06のパルス)およびテンプレートパルス3006(すなわち、遅延テンプレー
ト信号2976のパルス)を第2の相関器2910に提供する。テンプレートパ
ルス3006が受信パルス2812のゼロ交差と位置が合わされた場合、第2の
相関器2910の出力2912は(信号3004Eに見られるように)理論上0
であることに留意されたい。
【0187】 図30Fに進んで、受信反転パルス2814(すなわち、受信信号2906の
パルス)およびテンプレートパルス3006(すなわち、遅延テンプレート信号
2976のパルス)を第2の相関器2910に提供する。テンプレートパルス3
006が受信反転パルス2814のゼロ交差と位置が合わされた場合、第2の相
関器2910の出力2912は(信号3004Fに見られるように)理論上0で
あることに留意されたい。
【0188】 図30Gに進んで、受信パルス2816(すなわち、受信信号2906のパル
ス)およびテンプレートパルス3006(すなわち、遅延テンプレート信号29
76のパルス)を第2の相関器2910に提供する。テンプレートパルス300
6が受信パルス2816の中心と位置が合わされた場合、第2の相関器2910
の出力2912は(信号3004Gに見られるように)正の電圧であることに留
意されたい。
【0189】 次に、図30Hに進んで、受信パルス2818(すなわち、受信信号2906
のパルス)およびテンプレートパルス3006(すなわち、遅延テンプレート信
号2976のパルス)を第2の相関器2910に提供する。テンプレートパルス
3006が受信パルス2818の中心と位置が合わされた場合、第2の相関器2
910の出力2912は(信号3004Hに見られるように)負の電圧であるこ
とに留意されたい。
【0190】 要約すると、第1の相関器2908の出力2914は、受信パルスが非遅延、
かつ、非反転のパルス2812である場合には(信号3004Aが示すように)
正の電圧であり、受信パルスが非遅延、かつ、反転のパルス2814である場合
には(信号3004Bが示すように)負の電圧であり、受信パルスが遅延、かつ
、非反転のパルス2816である場合には(信号3004Cが示すように)実質
的に0であり、そしてまた受信パルスが遅延、かつ、反転のパルス2818であ
る場合には(信号3004Dが示すように)実質的に0である。第2の相関器2
910の出力2912は、受信パルスが非遅延、かつ、非反転のパルス2812
である場合には(信号3004Eが示すように)実質的に0であり、さらに受信
パルスが非遅延、かつ、反転のパルス2814である場合にも(信号3004F
が示すように)実質的に0であり、受信パルスが遅延、かつ、非反転のパルス2
816である場合には(信号3004Gが示すように)正の電圧であり、そして
受信パルスが遅延、かつ、反転のパルス2818である場合には(信号3004
Hが示すように)負の電圧である。
【0191】 あるいは、第2の相関器2910が受信パルス2812の先行しているゼロ交
差上で動作し得るように、第1の相関器2908のテンプレートパス内に遅延2
974を配置し得ることに留意されたい。この動作が所望される場合、制御ルー
プ信号パス内にロックを維持する発明が必要である。
【0192】 (III.2.B.ii.データパス信号セレクタ/インバータ) 概して、データパス信号セレクタ/インバータ2916は、データ検出が達成
され得るように、第1のベースバンド信号2914および第2のベースバンド信
号2910を複数の信号パスに分割し、そして特定の信号パスの極性を逆転する
。以下により詳細にこれを示す。さらに、サブキャリア変調器が、受信信号29
06を伝送した送信機によって(例えば、送信機902によって)用いられた場
合、データパス信号セレクタ/インバータ2916はさらに、任意の必要なサブ
キャリア復調を実行し得る。
【0193】 図31は、データパス信号セレクタ/インバータ2916の例示の実施形態を
示す。この実施形態において、入力2914および2912(すなわち、それぞ
れ第1の相関器2908および第2の相関器2910のベースバンド出力291
4および2912である)は、出力2918および2920(例えば、それぞれ
ビットの「00」およびビットの「10」に対応し得る)にそれぞれハードワイ
ヤードされる。入力2914および2912はそれぞれインバータ3102およ
び3104にも提供される。インバータ3102の出力は出力2919(例えば
、ビットの「01」に対応し得る)である。インバータ3104の出力は出力2
921(例えば、ビットの「11」に対応し得る)である。出力2918、29
19、2920および2921はそれぞれ、第1のデータ状態信号、第2のデー
タ状態信号、第3のデータ状態信号および第4のデータ状態信号とも呼ばれる。
この例示の実施形態において、データパス信号セレクタ/インバータ2916に
よって実行されるサブキャリア復調はない。しかし、サブキャリア変調を用いる
と(すなわち、受信した伝搬信号の送信機によって)、データパス信号セレクタ
/インバータ2916を用いて、サブキャリア復調を実行し得る。サブキャリア
変調および復調の別の例を以下の図33Aおよび図33Bの説明において論じる
【0194】 この実施形態において、データパス信号セレクタ/インバータ2916は、可
能なデータ状態に対応する電圧を表す信号2918、2919、2920および
2921を出力する。例えば、一実施形態において、信号2918はビットの「
00」に対応し、信号2919はビットの「01」に対応し、信号2920はビ
ットの「10」に対応し、そして信号2921はビットの「11」に対応する。
(図29に示すように)信号2918、2919、2920および2921を合
計累算器2922、2923、2924および2925それぞれに提供する。積
分サイクルの最後において、最大値セレクタ2930は、累算器2922、29
23、2924および2925の合計出力2926、2927、2928および
2929を比較して、例えば、(受信パルスに関連付けられた)データビットが
「00」、「01」、「10」または「11」のいずれであるかを判定する。も
ちろん、1個より多いパルス(例えば、4個、8個または100個のパルス)を
用いて各データ状態(例えば、ビット)を表す場合のみ累算器2922、292
3、2924および2925が必要である。例えば、100個のパルスを用いて
各ビットの対を表す場合、累算器2922、2923、2924および2925
はそれぞれ、例えば、100個の値を合計し(すなわち、例えば、累算器292
2は信号2918を合計し、累算器2923は信号2919を合計する)、合計
値(それぞれ信号2926、2927、2928および2929)を最大値セレ
クタ2930に提供し、次いで、次の100個の値を合計し、合計値を最大値セ
レクタ2930に提供する。各データ状態(例えば、ビットの対)が1個のパル
スのみによって表される場合、出力信号2918、2919、2920および2
921が最大値セレクタ2930に直接(すなわち、累算器2922、2923
、2924および2925を必要とせずに)供給される。
【0195】 受信機2902の上述の実施形態において、データパス信号セレクタ/インバ
ータ2916、累算器2922、2923、2924および2925、ならびに
最大値セレクタ2930は、データ検出器2915(点線で示す)のコンポーネ
ントであると考えられ得る。データ検出器2915の一実施形態を上に詳細に説
明した。本発明の意図および範囲内にある場合、データ検出器2915の正確な
構造を改変および簡略化し得る。
【0196】 (III.2.B.iii.最大値セレクタ) 最大値セレクタ2930は、パルスまたは複数のパルス(例えば、100個の
パルス)が表すデータ状態(例えば、ビット)を判定する。例えば、受信信号2
906の100個のパルスを用いて各データビットを表すと仮定して、最大値セ
レクタ2930は各100個のパルスがビットの「00」、「01」、「10」
または「11」のいずれを表すかを判定する。最大値セレクタ2930は、合計
出力2926、2927、2928または2929(データ状態合計とも呼ばれ
る)のいずれが最も大きいかを判定することによってこの判定を行う可能性が最
も高い。
【0197】 (III.1.B.iv.ロックループ関数) 図29を参照して、受信信号2906が第1の相関器2908および第2の相
関器2910によって同期的にサンプリングされ得るように、テンプレートパル
ストレーン2972および2976のタイミングが受信信号のパルストレーン2
906のタイミングと一致することが重要である。したがって、ロックループ(
制御ループとも呼ばれる)を用いて、時間調整信号2950、および時間軸29
56における任意のドリフトを補正するエラー信号2954を生成する。具体的
には、ロックループフィルタ2952、時間軸2956、精密なタイミング生成
器2960、テンプレート生成器2970、遅延2974(時に)、第1の相関
器2908または第2の相関器2910、ロックパス信号セレクタ/インバータ
2934および出力セレクタ2948を含む制御ループを用いて、エラー信号2
954を生成する。フィルタリング時間調整信号2950によって生成されたエ
ラー信号2954は、受信信号2906の位置に対する調整可能な時間軸295
6への調整を、時間位置周期タイミング信号2958に提供する。ロックループ
の関数を以下にさらに詳細に説明する。
【0198】 (III.2.B.iv.a.ロックループ相関) 受信信号2906は第1の相関器2908および第2の相関器2910に入力
される。上述したように、第1の相関器2908は、受信信号2906とテンプ
レート信号2972とを相関させ、第2の相関器2910は、受信信号2906
と遅延テンプレート信号2976とを相関させる。遅延2974によって生成さ
れた遅延は、QFTM変調スキームで用いられる遅延(例えば、1/4の波長)
と同じである。受信信号2906が非遅延パルス(例えば、wパルス2812ま
たは反転wパルス2814)からなり、かつ、受信信号2906が非遅延テンプ
レート信号2972と同期を取られた場合に、第2の相関器2910の出力が0
であるように、遅延は正確に選択される。すなわち、非遅延パルスからなる受信
信号2906が非遅延テンプレート信号2972と同期を取られた場合に、第2
の相関器2910が0交差において受信信号2906をサンプリングするように
、変調遅延(および遅延2974の遅延)は正確に選択される。これにより、受
信信号2906が遅延パルス(例えば、遅延wパルス2816または遅延反転w
パルス2818)からなり、かつ、受信信号2906が遅延テンプレート信号2
976と同期を取られた場合に、第1の相関器2908の出力が0になる。
【0199】 例えば、一実施形態において、遅延2974は1/4のパルス幅だけテンプレ
ート信号2972を遅延させる。したがって、(図28に示すように)各パルス
のパルス幅が0.5nsecである場合、遅延2874はテンプレート信号28
72を0.125nsec(すなわち、0.5/4=0.125)だけ遅延させ
る。上述したように、これにより、テンプレート信号1872が非遅延パルスか
らなる受信信号2906と同期を取られた場合、第2の相関器2910の出力2
912が0になる。しかし、テンプレート信号2972が非遅延パルスからなる
受信信号2906より遅れ始めたり、または受信信号2906に先行し始めると
、第2の相関器2910の出力2912は、ロックパス信号セレクタ/インバー
タ2934に供給され、かつ、時間軸2956を補正するために用いられる電圧
である。同様に、これにより、遅延テンプレート信号2976が遅延パルスから
なる受信信号2906と同期を取られた場合に、第1の相関器2908の出力2
914が0になる。しかし、遅延テンプレート信号2976が遅延パルスからな
る受信信号2906より遅れ始めたり、または受信信号2906に先行し始める
と、第1の相関器2908の出力2914は、ロックパス信号セレクタ/インバ
ータ2934に供給され、かつ、時間軸2956を補正するために用いられる電
圧である。
【0200】 具体的には、この実施形態において、テンプレート信号2972が非遅延、非
反転パルス(例えば、wパルス2812)からなる受信信号2906より遅れる
と、第2の相関器2912の出力2912は負の電圧になる。テンプレート信号
2972が非遅延、反転パルス(例えば、反転wパルス2814)からなる受信
信号2906より遅れると、第2の相関器2910の出力2912は正の電圧に
なる。テンプレート信号2972が非遅延、非反転パルス(例えば、wパルス2
812)からなる受信信号2906に先行すると、第2の相関器2910の出力
2912は正の電圧になる。そして、テンプレート信号2972が非遅延、反転
パルス(例えば、反転wパルス2814)からなる受信信号2906に先行する
と、第2の相関器2910の出力2912は負の電圧になる。
【0201】 さらに、この実施形態において、テンプレート信号2972が遅延、非反転パ
ルス(例えば、遅延wパルス2816)からなる受信信号2906より遅れると
、第1の相関器2908の出力2914は正の電圧になる。テンプレート信号2
972が遅延、反転パルス(例えば、遅延、反転wパルス2818)からなる受
信信号2906より遅れると、第1の相関器2908の出力2914は負の電圧
になる。テンプレート信号2972が遅延、非反転パルス(例えば、遅延wパル
ス2816)からなる受信信号2906に先行すると、第1の相関器2908の
出力2914は負の電圧になる。そして、テンプレート信号2972が遅延、反
転パルス(例えば、遅延、反転wパルス2818)からなる受信信号2906に
先行すると、第1の相関器2908の出力2914は正の電圧になる。
【0202】 時間軸2956が、周波数伝達関数(すなわち、正の電圧により周波数が増加
し、負の電圧により周波数が減少する)に対して、正の電圧を有すると仮定する
と、時間軸2956を補正するためには、テンプレート信号2972が受信信号
2906より遅れる場合、エラー信号2954(および、したがって、時間調整
信号2950)は正(+)の電圧である必要があり、そしてテンプレート信号2
972が受信信号2906に先行する場合、エラー信号2954は負(−)の電
圧である必要がある。時間軸2956が周波数伝達関数に対して反転(すなわち
、負の)電圧を有する場合、時間軸2956を補正するためには、テンプレート
信号2972が受信信号2906より遅れる場合、エラー信号2954(および
、したがって、時間調整信号2950)は負(−)の電圧である必要があり、そ
してテンプレート信号2972が受信信号2906に先行する場合、エラー信号
2954は正(+)の電圧である必要がある。
【0203】 図29において、時間軸2956に提供されるエラー信号2954を示す。し
かし、時間軸2956を精密なタイミング生成器2960の一部として実現し得
ることに留意されたい。このような場合、エラー信号2954は精密なタイミン
グ生成器2960に直接提供され得る。あるいは、時間軸2956が精密なタイ
ミング生成器2960から独立している場合であっても、エラー信号2954は
精密なタイミング生成器2960に直接提供され得る。重要なのは、第1の相関
器2908および第2の相関器2910がデータ検出およびエラー補正にとって
実質的に最適な時間に受信したインパルス無線信号2906をサンプリングする
ように、エラー信号2954を用いて、受信機2902と受信したインパルス無
線信号2906との同期を取ることである。
【0204】 (III.2.B.iv.b.ロックパス信号セレクタ/インバータおよび出
力セレクタ) 概して、ロックパス信号セレクタ/インバータ2934は、第1の相関器29
08および第2の相関器2910の出力2914および2912を複数の信号パ
スに分割し、特定の信号パスの極性を逆転する。信号パスのうちの1つが用いら
れて、時間軸2956内のドリフトを補正する。以下により詳細にこれを示す。
さらに、サブキャリア変調が受信信号2906を伝送した送信機によって(例え
ば、送信機902によって)用いられると、ロックパス信号セレクタ/インバー
タ2934はさらに、サブキャリア変調に起因して必要な任意の調整を実行する
【0205】 図31は、ロックパス信号セレクタ/インバータ2934および出力セレクタ
2948の例示の実施形態を示す。この実施形態において、入力2914および
2912(すなわち、それぞれ第1の相関器2908および第2の相関器291
0のベースバンド出力である)は出力2936および2938それぞれにハード
ワイヤードされる。入力2914および2912はそれぞれ、インバータ330
2および3303にも提供される。インバータ3302の出力は出力2937で
ある。インバータ3203の出力は出力2939である。この例示の実施形態に
おいて、信号はサブキャリアによって変調されていないと仮定する。
【0206】 この実施形態において、出力セレクタ2948は、信号2932および293
3(最大値セレクタ2930の出力)に基づいて、信号2950(時間軸調整信
号とも呼ばれる)が信号2944、2945、2946または2947のいずれ
に等しいかを選択するスイッチ3204として動作する。すなわち、以下に説明
するように、出力セレクタ2948は信号2944、2945、2946または
2947のいずれをロックループ内で用いるかを動的に決定する。信号2936
、2937、2938および2939はそれぞれ、第1のタイミング調整インク
リメント、第2の時間調整インクリメント、第3のタイミング調整インクリメン
トおよび第4のタイミング調整インクリメントとも呼ばれる。累算器2940、
2941、2942および2943は電圧値(すなわち、それぞれ信号2936
、2937、2938および2939)を合計し、合計(すなわち、それぞれ信
号2944、2945、2946および2947)を出力セレクタ2948に提
供する。出力セレクタ2948は出力2944、2945、2946および29
47、ならびにデータ信号2932および2933(一括して、データ信号とも
呼ばれる)を受信する。データ信号2932および2933(例えば、最大値セ
レクタ2932の出力)に基づいて、出力セレクタ2948は信号2944、2
945、2946または2947のいずれをフィードバックループ内で用いるか
を決定する。例えば、データ信号2932がビットの「00」を表し(すなわち
、受信信号2906が非遅延、非反転wパルスである)、出力電圧2946が正
であり、出力電圧2947が負である(テンプレート信号2972および297
6はこれらがあるべき位置より先行していることを意味する)場合、出力294
7はロックループフィルタ2952に(2950を介して)供給される必要があ
る。データ信号2932がビットの「00」を表し(すなわち、受信信号290
6が非遅延、非反転wパルスである)、出力電圧2946が負であり、出力電圧
2947が正である(テンプレート信号2972および2976はこれらがある
べき位置より遅れていることを意味する)場合、出力2947はロックループフ
ィルタ2952に(2950を介して)供給される必要がある。データ信号29
32がビットの「01」を表し(すなわち、受信信号2906が非遅延、反転w
パルスである)、出力電圧2946が正であり、出力電圧2947が負である(
テンプレート信号2972および2976はこれらがあるべき位置より遅れてい
ることを意味する)場合、出力2946はロックループフィルタ2952に(2
950を介して)供給される必要がある。データ信号2932が「01」のビッ
トを表し(例えば、受信信号2906が非遅延、反転wパルスである)、出力電
圧2946が負であり、出力電圧2947が正である(テンプレート信号297
2および2976はこれらがあるべき位置より先行していることを意味する)場
合、出力信号2946はロックループフィルタ2952に(2950を介して)
供給される必要がある。上述したように、非遅延パルスが受信された場合に、出
力セレクタ2948が動作して時間軸2956を調整する。
【0207】 データ信号2932がビット「10」を表し(すなわち、受信信号2906が
遅延、非反転wパルスである)、出力電圧2944が正であり、出力電圧294
5が負である(テンプレート信号2972および2976はこれらがあるべき位
置より遅れていることを意味する)場合、出力2944はロックループフィルタ
2952に(2950を介して)供給される必要がある。データ信号2932が
ビット「10」を表し(すなわち、受信信号2906が遅延、非反転wパルスで
ある)、出力電圧2944が負であり、出力電圧2945が正である(テンプレ
ート信号2972および2976はこれらがあるべき位置に先行していることを
意味する)場合、出力2944はロックループフィルタ2952に(2950を
介して)供給される必要がある。データ信号2932がビット「11」を表し(
すなわち、受信信号2906が遅延、反転wパルスである)、出力電圧2944
が正であり、出力電圧2945が負である(テンプレート信号2972および2
976はこれらがあるべき位置に先行していることを意味する)場合、出力29
45はロックループフィルタ2952に(2950を介して)供給される必要が
ある。データ信号2932がビット「11」を表し(すなわち、受信信号290
6が遅延、反転wパルスである)、出力電圧2944が負であり、出力電圧29
45が正である(テンプレート信号2972および2976はこれらがあるべき
位置より遅れていることを意味する)場合、出力信号2945はロックループフ
ィルタ2952に(2950を介して)供給される必要がある。上述したように
、遅延パルスが受信された場合に、出力セレクタ2948が動作して時間軸29
56を調整する。
【0208】 要約すると、第2の相関器2912がゼロ交差をサンプリングするため、受信
信号2906が非遅延パルスからなる場合、信号2946または2947(これ
らは第2の相関器2910に関連する)をロックループ内で用いる。同様に、第
1の相関器2910がゼロ交差をサンプリングするため、受信信号2906が遅
延パルスからなる場合、信号2944または2945(これらは第1の相関器2
908に関連する)をロックループ内で用いる。出力セレクタ2948は、デー
タ信号2932および2933、ならびに信号2944、2945、2946お
よび2947に基づいて、テンプレート信号2972および2976が受信信号
より遅れているかまたは先行しているかを判定し、次いで、適切な信号2944
、2945、2946または2947をロックループ内で用いて時間軸2956
を補正する。
【0209】 もちろん、1個より多いパルス(例えば、100個のパルス)を用いて各デー
タ状態(例えば、ビット(単数または複数))を表す場合のみ累算器2940、
2941、2942および2943が必要である。各データ状態(例えば、ビッ
トの対)が1個のパルスのみによって表される場合、出力信号2936、293
7、2938および2939は出力セレクタ2948に直接(すなわち、累算器
2940、2941、2942および2943を必要とせずに)供給される。
【0210】 ロックパス信号セレクタ/インバータ2934、累算器2939、2937、
2938および2939、ならびに出力セレクタ2948は、時間軸アジャスタ
2949(点線で示す)のコンポーネントであると考えられ得る。時間軸アジャ
スタは、時間軸アジャスタ1839が上述の図25および図26の説明において
簡略されたのと同様の様態で簡略化され得る。
【0211】 (III.2.B.iv.c.サブキャリアの使用) 図33Aおよび図33Bを参照して、サブキャリア変調の別の例を示し得る。
4つの伝送状態を仮定する。4つの伝送状態とは、状態A(インパルス2802
)、状態B(反転インパルス2804)、状態C(遅延インパルス2806)お
よび状態D(遅延、反転インパルス2808)(それぞれ、データ(例えば、ビ
ット)「00」、「01」、「10」および「11」に関連付けられている)で
ある。さらに、各データ状態に対して4つのインパルスが伝送されると仮定する
。図33Aに示すように、データ「00」を表すために、サブキャリア変調が無
く(そしてコード化がないことを仮定して)、AAAA(すなわち、4つのイン
パルス2802)からなる信号3302Aが伝送される。図33Bに示すように
、データ「01」を表すために、サブキャリア変調が無く、BBBB(すなわち
、4つのインパルス2804)からなる信号3302Bが伝送される。同様に、
データ「10」を表すために、サブキャリア変調が無く、CCCC(すなわち、
4つのインパルス2806)からなる信号(図示せず)が伝送される。そして、
データ「11」を表すために、DDDD(すなわち、4つのインパルス2808
)からなる信号(図示せず)が伝送される。サブキャリア変調スキームの例は、
データ「00」を表すために(図33Aに示すように)ABCDからなる信号3
304Aを伝送し、データ「01」を表すために(図33Bに示すように)BC
DAからなる信号3304Bを伝送し、データ「10」を表すためにCDABか
らなる信号(図示せず)を伝送し、そして、データ「11」を表すためにDAB
Cからなる信号(図示せず)を伝送することであり得る。もちろん、例えば、1
00個のインパルスを用いて各データ状態を表す場合、必要な回数分(例えば、
25回)、上述のパターン(例えば、ABCD)を繰返し得る。さらに、種々の
データ状態を表すために多くの他のパターンを用いてもよい。
【0212】 インパルス無線受信機は通常、相互相関器のフロントエンドを備えた直接変換
受信機であり、相互相関器のフロントエンドは、モノサイクルのパルスの電磁パ
ルストレーンを1つのステージ内のベースバンド信号に一貫して変換する。次い
で、これと同じパターンが用いられて、プロセスを逆転し、検出のちょうど前に
元のデータパターンを回復する。
【0213】 本発明の一実施形態において、任意の必要なサブキャリア復調を実行するのは
、インパルス無線受信機2902のデータパス信号セレクタ/インバータ291
6である。具体的には、いずれのデータ状態がパルストレーンによって表された
かを最大値セレクタ2930が正確に判定し得るように、データパス信号セレク
タ/インバータ2916は、その出力2918、2919、2920および29
21を正しい累算器2922、2923、2924および2925に提供する。
したがって、データパス信号セレクタ/インバータ2916の正確な構造および
関数は、インパルス無線送信機によって(例えば、送信機902によって)用い
られるサブキャリア変調パターンに依存する。
【0214】 (III.2.B.iv.d.可変遅延) 伝送信号の伝搬上のマルチパスの影響に起因して、受信信号は伝搬パスの関数
として異なる形状を有し得る。これにより、自由空間のパルス形状と比較した場
合、パルスの形状が狭くなったり、広くなったり、または非対称になったりし得
る。本発明の一実施形態において、信号の質の測定値によって、2つの相関器間
の時間的間隔を調整し得る。好適な実施形態において、いくつかの異なる時間オ
フセット値を求めて、信号対雑音を測定し得、次いで、時間オフセット値を、信
号対雑音の最良の評価値に関連付けられたオフセット値に設定する。これを周期
的に行ってもよいし、または信号対雑音が確立された値より下がった場合に行っ
てもよい。信号対雑音を判定する方法は、1999年6月14日に出願された「
System and Method for Impulse Radio
Power Control」という名称の共有に係る米国特許出願第09/3
32,501号に見られ得る。同文献全体を参考として本明細書に援用する。
【0215】 (III.2.B.iv.e.ゲイン制御されたロックループ) インパルス無線相関受信機に関連付けられた1つの問題は、時間オフセットの
偏差に対して相関器から得られた同期化エラー信号の感度が信号強度の関数であ
る点である。これにより、制御ループの閉ループゲインが信号強度の関数として
変化するようになる。制御ループのダイナミクスがループゲインの強い関数(s
trong function)であるため、信号強度の変化に対してループゲ
インを安定させることが望ましい。これは、自動ゲイン制御(AGC)ループを
加えることによって、または信号強度を測定して、測定された信号強度によって
ループゲインを除算することによって達成され得る。このゲイン安定化を提供す
る制御ループ内の好適な場所は、特に、一体型のループフィルタの場合、ループ
フィルタの前である。これは、信号強度が変化する場合に、ループ状態を保持す
る。
【0216】 ロックループおよびゲイン制御のさらなる詳細および例は、「Vector
Modulation System and Method for Wid
eband Impulse Radio Communications」と
いう名称の共有に係る関連の米国特許出願第09/538,519号、および「
System and Method for Impulse Radio
Acquisition and Lock」という名称の米国特許出願第09
/538,292号に見られ得る。これらの文献両方を上において参考として援
用した。
【0217】 (IV.結論) 本発明の一実施形態において、「フリップ変調」と呼ばれてきたものを用いた
。「フリップ変調」において、第1のデータ状態は第1のインパルス信号に対応
し、第2のデータ状態は第1のインパルス信号の反転(すなわち、フリップ)に
対応する。別の実施形態において、「シフト変調によるフリップ変調」または「
直角フリップ時間変調」(QFTM)と呼ばれてきたものを用いた。QFTMの
実施形態において、2つのさらなるデータ状態を生成する。もちろん、本発明の
教示を用いて、本発明の意図および範囲内である場合、より多くのデータ状態を
も含む変調スキームを開発し得る。例えば、本発明の教示を用いて、6個、8個
またはこれより多い異なるデータ状態を備えた変調スキームを生成し得る。した
がって、本発明の意図は、このようなさらなる変調スキーム、ならびにこれらに
関連付けられた装置、方法およびシステムを含むことである。
【0218】 本発明を、特定の機能の性能、ならびにこれらの機能の関係を示す機能構築ブ
ロックの助けを得て上述してきた。説明の便宜上、本明細書においてこれらの機
能構築ブロックの境界を独断的に規定した。特定の機能およびこれらの機能の関
係が適切に実行される限り、別の境界を規定してもよい。したがって、任意のこ
のような別の境界は主張する発明の範囲および意図内である。当業者であれば、
別個のコンポーネント、特定用途集積回路、適切なソフトウェアなどを実行する
プロセッサ、またはこれらの任意の組み合わせによって、これらの機能構築ブロ
ックを実現し得ることを理解する。
【0219】 制御プロセッサ(これは実際、コンピュータシステムを含む)によって本発明
の多くの特徴を実現および/または制御し得ることが予期される。このようなコ
ンピュータシステムは、例えば、通信バスに接続されている1つ以上のプロセッ
サを含む。電気通信特定ハードウェアを用いて本発明を実現し得るが、汎用タイ
プのコンピュータシステムの以下の説明を提供すると完全となる。
【0220】 コンピュータシステムは、メインメモリ(好適には、ランダムアクセスメモリ
(RAM)も含み得、そして2次メモリも含み得る。2次メモリは、例えば、ハ
ードディスクドライブおよび/または取り外し可能な格納ドライブを含み得る。
取り外し可能な格納ドライブは、周知の様態で取り外し可能な格納装置から読み
出し、および/または取り外し可能な格納装置に書き込む。取り外し可能な格納
装置は、フロッピー(R)ディスク、磁気テープ、光ディスクなどを表し、これ
は、取り外し可能な格納ドライブによって読み出され、そして取り外し可能な格
納ドライブに書き込まれる。取り外し可能な格納装置は、内部にコンピュータソ
フトウェアおよび/またはデータを格納したコンピュータ上で使用可能な格納媒
体を含む。
【0221】 2次メモリは、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータシステ
ム内にロードすることを可能にする他の同様の手段を含み得る。このような手段
は、例えば、取り外し可能な格納装置およびインターフェースを含み得る。この
ような例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(例
えば、ビデオゲームデバイス内に見られるインターフェース)、取り外し可能な
メモリチップ(例えば、EPROMまたはPROM)および関連付けられたソケ
ット、ならびに、ソフトウェアおよびデータを取り外し可能な格納装置からコン
ピュータシステム内に伝達することを可能にする他の取り外し可能な格納装置お
よびインターフェースを含み得る。
【0222】 コンピュータシステムは、通信インターフェースも含み得る。通信インターフ
ェースにより、ソフトウェアおよびデータをコンピュータシステムと外部デバイ
スとの間で伝達することが可能になる。通信インターフェースの例は、モデム、
ネットワークインターフェース(例えば、イーサネット(R)カード)、通信ポ
ート、PCMCIAスロットおよびカードなどを含む(但し、これらに限定され
ない)。通信インターフェースを介して伝達されるソフトウェアおよびデータは
信号の形態であり、この信号は、電子信号、電磁信号、光信号または通信インタ
ーフェースによって受信されることが可能な他の信号であり得る。これらの信号
は通信インターフェースに、例えば、有線またはケーブル、光ファイバ、電話回
線、携帯電話リンク、RFリンクを用いて実現され得るチャネルを介して提供さ
れる。
【0223】 この文書において、用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュー
タ上で使用可能な媒体」は通常、取り外し可能な格納デバイス、トランシーバ内
の取り外し可能なメモリチップ(例えば、EPROMまたはPROM)および信
号などの媒体を指すために用いられる。コンピュータプログラム製品は、ソフト
ウェアをコンピュータシステムに提供する手段である。
【0224】 コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ばれる)は、メインメ
モリおよび/または2次メモリ内に格納される。コンピュータプログラムも通信
インターフェースを介して受信され得る。このようなコンピュータプログラムは
、実行された場合、コンピュータシステムが本明細書において説明した本発明の
特定の特徴を実行するこを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行
された場合、制御プロセッサが本発明の特徴を実行するこを可能にし、および/
または実行させる。したがって、このようなコンピュータプログラムは、トラン
シーバのコンピュータシステムの制御器を表す。
【0225】 ソフトウェアを用いて本発明を実現する一実施形態において、取り外し可能な
格納ドライブ、メモリチップまたは通信インターフェースを用いて、ソフトウェ
アをコンピュータプログラム製品内に格納し、そしてコンピュータシステム内に
ロードすることが可能である。制御論理(ソフトウェア)は、制御プロセッサに
よって実行された場合、制御プロセッサに本明細書に説明した本発明の特定の機
能を実行させる。
【0226】 別の実施形態において、例えば、特定用途集積回路(ASIC)などのハード
ウェアコンポーネントを用いて、主にハードウェア内で本発明の特徴を実現する
。本明細書に説明する機能を実行するためのハードウェア状態マシーンの実現は
当業者に明らかである。
【0227】 さらに別の実施形態において、ハードウェアおよびソフトウェア両方の組み合
わせを用いて本発明の特徴を実現し得る。
【0228】 好適な実施形態の上述の説明を提供して、当業者が本発明を製造および使用す
ることを可能にする。本発明の好適な実施形態を参照して、本発明を特に図示お
よび説明してきたが、本発明の意図および範囲から逸脱しない場合、形態および
詳細の種々の変更を本発明に行い得ることが当業者によって理解される。
【0229】 本発明の種々の実施形態を上述してきたが、これらは例示を目的としてのみ表
されており、本発明を限定しないことが理解されるべきである。したがって、本
発明の幅および範囲は上述の例示の実施形態のいずれによっても限定されるべき
ではなく、上掲の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ規定されるべき
である。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、代表的な時間領域のガウスモノサイクル波形を示す図である。
【図1B】 図1Bは、図1Aのガウスモノサイクルの周波数領域の振幅を示す図である。
【図2A】 図2Aは、図1Aに示されるようにパルスを含むパルストレーンを示す図であ
る。
【図2B】 図2Bは、図2Aの波形の周波数領域の振幅を示す図である。
【図3】 図3は、時間符号化パルスのシーケンスの周波数領域の振幅を示す図である。
【図4】 図4は、通常の受信された信号および干渉信号を示す図である。
【図5A】 図5Aは、マルチパスにて受信された信号を生成する通常のジオメトリカルな
構成図である。
【図5B】 図5Bは、時間領域の例示的なマルチパスの信号を示す図である。
【図6】 図6は、例示的な超広帯域インパルス無線送信機の機能模式図である。
【図7】 図7は、例示的な超広帯域インパルス無線受信機の機能模式図である。
【図8】 図8は、本発明の実施形態による変調方式を説明するために有用な信号波形図
である。
【図9】 図9は、本発明の実施形態によるインパルス無線送信機の機能模式図である。
【図10A】 図10Aは、本発明の実施形態によるポジティブインパルスを生成する、図9
の送信機に用いられる、パルサーの回路図である。
【図10B】 図10Bは、本発明の実施形態によるポジティブインパルスを生成する、図9
の送信機に用いられる、パルサーの機能模式図である。
【図11A】 図11Aは、本発明の実施形態によるネガティブインパルスを生成する、図9
の送信機に用いられる、パルサーの回路図である。
【図11B】 図11Bは、本発明の実施形態によるネガティブインパルスを生成する、図9
の送信機に用いられる、パルサーの機能模式図である。
【図12A】 図12Aは、本発明の実施形態による、図9の送信機に用いられる、バイポー
ラパルサーの回路図である。
【図12B】 図12Bは、本発明の実施形態による、図9の送信機に用いられる、バイポー
ラパルサーの回路図である。
【図13A】 図13Aは、本発明の実施形態による、図9の送信機に用いられる、別のバイ
ポーラパルサーの回路図である。
【図13B】 図13Bは、本発明の実施形態による、図9の送信機に用いられる、別のバイ
ポーラパルサーの回路図である。
【図14】 図14は、本発明の実施形態にて生成される同様のインパルスの波形図である
【図15】 図15は、本発明の実施形態による、図9の送信機に用いられる、別のバイポ
ーラパルサーの回路図である。
【図16A】 図16Aは、図15のバイポーラパルサーの動作を説明するように用いられる
タイミング図である。
【図16B】 図16Bは、図15のバイポーラパルサーの動作を説明するように用いられる
タイミング図である。
【図17】 図17は、本発明の実施形態によるインパルス無線送信機の機能模式図である
【図18】 図18は、本発明の実施形態による、インパルス無線受信機の機能模式図であ
る。
【図19A】 図19Aは、図18の受信機に関連する相関関数を示す図である。
【図19B】 図19Bは、図18の受信機に関連する相関関数を示す図である。
【図20A】 図20Aは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図18の受信機に
関連する相関関数を示す図である。
【図20B】 図20Bは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図18の受信機に
関連する相関関数を示す図である。
【図21】 図21は、本発明の実施形態による、図18の受信機のデータパス信号選択器
/反転器の機能模式図である。
【図22】 図22は、本発明の実施形態による、図18の受信機の最大値選択器の機能模
式図である。
【図23】 図23は、本発明の実施形態による、図18の受信機の最大値選択器の機能模
式図である。
【図24】 図24は、本発明の実施形態による、図18の受信機のロックパス信号選択器
/反転器の機能模式図である。
【図25】 図25は、本発明の実施形態にて用いられ得る時間ベースアジャスタの機能模
式図である。
【図26】 図26は、本発明の実施形態にて用いられ得る時間ベースアジャスタの機能模
式図である。
【図27A】 図27Aは、サブキャリア変調を説明するために有用である信号波形図である
【図27B】 図27Bは、サブキャリア変調を説明するために有用である信号波形図である
【図28】 図28は、本発明の実施形態による変調方式を説明するために有用である信号
波形図である。
【図29】 図29は、本発明の実施形態によるインパルス無線受信機の機能模式図である
【図30A】 図30Aは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30B】 図30Bは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30C】 図30Cは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30D】 図30Dは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30E】 図30Eは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30F】 図30Fは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30G】 図30Gは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図30H】 図30Hは、単純化されたテンプレート信号が用いられる、図29に関連する
相関関数を示す図である。
【図31】 図31は、本発明の実施形態による、図29のデータパス選択器/反転器の機
能模式図である。
【図32】 図32は、本発明の実施形態による、図29の受信機のロックパス信号選択器
/反転器および出力選択器の、機能模式図である。
【図33】 図33は、サブキャリア変調を説明するために有用な信号波形図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 コウィー, イバン エイ. アメリカ合衆国 アラバマ 35758, マ ディソン, イーストビュー ドライブ 418 (72)発明者 ディクソン, デイビッド エム. アメリカ合衆国 アラバマ 35806, ハ ンツビル, インディアン クリーク ロ ード 95 ナンバー259 (72)発明者 ブレソアー, バーノン アール. アメリカ合衆国 アラバマ 35763, オ ーウェンズ クロス ローズ, ハンプト ン コーブ ウェイ 2950 (72)発明者 ジェット, プレストン アメリカ合衆国 アラバマ 35816, ハ ンツビル, ブルックミード ストリート 1312 Fターム(参考) 5K022 EE11 EE32 EE36 5K029 FF01

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的タイミング信号を提供する時間軸と、 タイミングトリガ信号を生成するために、前記周期的タイミング信号を使用す
    る精密タイミング生成器と、 テンプレート信号を生成するために、前記タイミングトリガ信号を使用するテ
    ンプレート生成器と、 前記テンプレート信号を受信し、遅延したテンプレート信号を出力するための
    遅延と、 第1の相関器出力信号を生成するために、受信したインパルス無線信号と前記
    テンプレート信号とを相関させる第1の相関器と、 第2の相関器出力信号を生成するために、前記受信したインパルス無線信号と
    前記遅延したテンプレート信号とを相関させる第2の相関器と、 少なくとも前記第1の相関器出力信号を受信し、データ信号を生成するデータ
    検出器と、 少なくとも前記第2の相関器出力信号を受信し、前記時間軸および前記精密タ
    イミング生成器のうちの少なくとも1つを前記受信したインパルス無線信号と同
    調させるために使用される時間軸調整信号を生成する時間軸調整器と を含む、インパルス無線受信機。
  2. 【請求項2】 前記受信したインパルス無線信号はフリップ変調されている
    、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  3. 【請求項3】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のタイプのパルス
    および実質的に前記第1のタイプのパルスが反転したパルスである第2のタイプ
    のパルスから構成される、請求項2に記載のインパルス無線受信機。
  4. 【請求項4】 前記第1の相関器、前記第2の相関器、および前記データ検
    出器は、前記フリップ変調された受信したインパルス無線信号の復調を行う、請
    求項1に記載のインパルス無線受信機。
  5. 【請求項5】 前記データ検出器は、 前記第1の相関器出力信号を受信し、第1のデータ状態に対応する第1のデー
    タ状態信号と第2のデータ状態に対応する第2のデータ状態信号とを出力するデ
    ータパス信号セレクタ/インバータと、 前記第1のデータ状態信号および前記第2のデータ状態信号のうちどちらが大
    きいかを決定し、前記決定に基づいて前記データ信号を生成する最大値セレクタ
    と を含む、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  6. 【請求項6】 前記データ検出器は、 前記第1の相関器出力信号を受信し、第1のデータ状態に対応する複数の第1
    のデータ状態信号と第2のデータ状態に対応する複数の第2のデータ状態信号と
    を出力するデータパス信号セレクタ/インバータと、 前記複数の第1のデータ状態信号を合計し、第1のデータ状態和を出力する第
    1のアキュムレータと、 前記複数の第2のデータ状態信号を合計し、第2のデータ状態和を出力する第
    2のアキュムレータと、 前記第1のデータ状態和および前記第2のデータ状態和のうちどちらが大きい
    かを決定し、前記決定に基づいて前記データ信号を生成する最大値セレクタと を含む、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  7. 【請求項7】 前記時間軸調整器は、 前記第2の相関器出力信号を受信し、第1のタイミング調整増分と第2のタイ
    ミング調整増分とを出力するロックパス信号セレクタ/インバータと、 前記データ信号、前記第1のタイミング調整増分、および前記第2のタイミン
    グ調整増分を受信し、前記タイミング調整信号が前記第1のタイミング調整増分
    または前記第2のタイミング調整増分を含むべきか否かを決定する出力セレクタ
    と を含む、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  8. 【請求項8】 前記時間軸調整器は、 前記第2の相関器出力信号を受信し、複数の第1のタイミング調整増分と複数
    の第2のタイミング調整増分とを出力するロックパス信号セレクタ/インバータ
    と、 前記複数の第1のタイミング調整増分を合計し、第1のタイミング調整和を出
    力する第1のアキュムレータと、 前記複数の第2のタイミング調整増分を合計し、第2のタイミング調整和を出
    力する第2のアキュムレータと、 前記データ信号、前記第1のタイミング調整和、および前記第2のタイミング
    調整和を受信し、前記タイミング調整信号が前記第1のタイミング調整和または
    前記第2のタイミング調整和を含むべきか否かを決定する出力セレクタと を含む、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  9. 【請求項9】 前記データ検出器は前記第2の相関器出力信号をさらに受信
    し、前記データ検出器は前記第1のデータ出力信号および前記第2のデータ出力
    信号に基づいて前記データ信号を生成する、請求項1に記載のインパルス無線受
    信機。
  10. 【請求項10】 前記時間軸調整器は前記第1の相関器出力信号をさらに受
    信し、前記時間軸調整器は前記第1の相関器出力信号、前記第2の相関器出力信
    号、および前記データ信号に基づいて前記時間軸調整信号を生成する、請求項9
    に記載のインパルス無線受信機。
  11. 【請求項11】 前記受信したインパルス無線信号はフリップおよびシフト
    変調されている、請求項10に記載のインパルス無線受信機。
  12. 【請求項12】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のパルス、前記
    第1のパルスが反転したパルスである第2のパルス、遅延した第1のパルス、前
    記遅延した第1のパルスが反転したパルスである遅延した第2のパルスから構成
    される、請求項11に記載のインパルス無線受信機。
  13. 【請求項13】 コード信号を出力するためのコード生成器をさらに含み、 前記精密タイミング生成器は前記コード信号を受信し、少なくとも前記コード
    信号および前記タイミングトリガ信号に基づいて前記テンプレート信号を生成し
    、 前記受信した信号は前記コード信号と等価な送信コード信号を用いてコード化
    されている、請求項1に記載のインパルス無線受信機。
  14. 【請求項14】 周期的タイミング信号を出力するための時間軸と、 タイミングトリガ信号を生成するために、前記周期的タイミング信号を使用す
    る精密タイミング生成器と、 テンプレート信号を生成するために、前記タイミングトリガ信号を使用するテ
    ンプレート生成器と、 前記テンプレート信号を受信し、遅延したテンプレート信号を出力するための
    遅延と、 第1の相関器出力信号を生成するために、受信したインパルス無線信号と前記
    テンプレート信号とを相関させる第1の相関器と、 第2の相関器出力信号を生成するために、前記受信したインパルス無線信号と
    前記遅延したテンプレート信号とを相関させる第2の相関器と、 前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号に基づいてデータ
    信号を生成するデータ検出器と、 前記データ信号、前記第1の相関器出力信号、および前記第2の相関器出力信
    号に基づいてデータベース調整信号を生成するデータベース調整器であって、こ
    こで、前記時間軸調整信号は前記時間軸および前記精密タイミング生成器のうち
    の少なくとも1つを前記受信したインパルス無線信号と同調させるために使用さ
    れる、時間軸調整器と を含む、インパルス無線受信機
  15. 【請求項15】 前記受信したインパルス無線信号はフリップおよびシフト
    変調されている、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  16. 【請求項16】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のタイプのパル
    ス、実質的に前記第1のタイプのパルスが反転したパルスである第2のタイプの
    パルス、遅延した第1のタイプのパルス、および実質的に前記遅延した第1のタ
    イプのパルスが反転したパルスである遅延した第2のタイプのパルスから構成さ
    れる、請求項15に記載のインパルス無線受信機。
  17. 【請求項17】 前記データ検出器は、 前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号を受信し、第1の
    データ状態に対応する第1のデータ状態信号、第2のデータ状態に対応する第2
    のデータ状態信号、第3のデータ状態に対応する第3のデータ状態信号、および
    第4のデータ状態に対応する第4のデータ状態信号を出力するデータパス信号セ
    レクタ/インバータと、 前記第1のデータ状態信号、前記第2のデータ状態信号、前記第3のデータ状
    態信号、および前記第4のデータ状態信号のどれが最も大きいかを決定し、前記
    決定に基づいて前記データ信号を生成する最大値セレクタと を含む、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  18. 【請求項18】 前記データ検出器は、 前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号を受信し、第1の
    データ状態に対応する複数の第1のデータ状態信号、第2のデータ状態に対応す
    る複数の第2のデータ状態信号、第3のデータ状態に対応する複数の第3のデー
    タ状態信号、および第4のデータ状態に対応する複数の第4のデータ状態信号を
    出力するデータパス信号セレクタ/インバータと、 前記複数の第1のデータ状態信号を合計し、第1のデータ状態和を出力する第
    1のアキュムレータと、 前記複数の第2のデータ状態信号を合計し、第2のデータ状態和を出力する第
    2のアキュムレータと、 前記複数の第3のデータ状態信号を合計し、第3のデータ状態和を出力する第
    3のアキュムレータと、 前記複数の第4のデータ状態信号を合計し、第4のデータ状態和を出力する第
    4のアキュムレータと、 前記第1のデータ状態和、前記第2のデータ状態和、前記第3のデータ状態和
    、および前記第4のデータ状態和のどれが最も大きいかを決定し、前記決定に基
    づいて前記データ信号を生成する最大値セレクタと を含む、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  19. 【請求項19】 前記時間軸調整器は、 前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号を受信し、第1の
    タイミング調整増分、第2のタイミング調整増分、第3のタイミング調整増分、
    および第4のタイミング調整増分を出力するロックパス信号セレクタ/インバー
    タと、 前記データ信号、前記第1のタイミング調整増分、前記第2のタイミング調整
    増分、前記第3のタイミング調整増分、および前記第4のタイミング調整増分を
    受信し、前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整増分、前記第2の
    タイミング調整増分、前記第3のタイミング調整増分、または前記第4のタイミ
    ング調整増分を含むべきが否かを決定する出力セレクタと を含む、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  20. 【請求項20】 前記時間軸調整器は、 前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号を受信し、複数の
    第1のタイミング調整増分、複数の第2のタイミング調整増分、複数の第3のタ
    イミング調整増分、および複数の第4のタイミング調整増分を出力するロックパ
    ス信号セレクタ/インバータと、 前記複数の第1のタイミング調整増分を合計し、第1のタイミング調整和を出
    力する第1のアキュムレータと、 前記複数の第2のタイミング調整増分を合計し、第2のタイミング調整和を出
    力する第2のアキュムレータと、 前記複数の第3のタイミング調整増分を合計し、第3のタイミング調整和を出
    力する第3のアキュムレータと、 前記複数の第4のタイミング調整増分を合計し、第4のタイミング調整和を出
    力する第4のアキュムレータと、 前記データ信号、前記第1のタイミング調整和、前記第2のタイミング調整和
    、前記第3のタイミング調整和、および前記第4のタイミング調整和を受信し、
    前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整和、前記第2のタイミング
    調整和、前記第3のタイミング調整和、または前記第4のタイミング調整和を含
    むべきが否かを決定する出力セレクタと を含む、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  21. 【請求項21】 コード信号を出力するためのコード生成器をさらに含み、 前記精密タイミング生成器は前記コード信号を受信し、前記コード信号および
    前記タイミングトリガ信号に基づいて前記テンプレート信号を生成し、 前記受信した信号は前記コード信号と等価な送信コード信号を用いてコード化
    されている、請求項14に記載のインパルス無線受信機。
  22. 【請求項22】 インパルス無線信号を受信するための方法であって、 a.周期的タイミング信号を受信する工程と、 b.タイミングトリガ信号を生成するために前記周期的タイミング信号を使用
    する工程と、 c.前記タイミングトリガ信号を使用してテンプレート信号を生成する工程と
    、 d.前記テンプレート信号を使用して遅延した出力信号を生成する工程と、 e.第1の相関器出力信号を生成するために、受信したインパルス無線信号と
    前記テンプレート信号とを相関させる工程と、 f.第2の相関器出力信号を生成するために、前記受信したインパルス無線信
    号と前記遅延したテンプレート信号とを相関させる工程と、 g.少なくとも前記第1の相関器出力信号に基づいてデータ信号を生成する工
    程と、 h.前記第2の相関器出力信号に基づいて時間軸調整信号を生成する工程と、 i.前記周期タイミング信号および前記タイミングトリガ信号のうちの少なく
    とも1つを前記受信したインパルス無線信号と同調させるために前記時間軸調整
    信号を使用する工程と を包含する、方法
  23. 【請求項23】 前記受信したインパルス無線信号はフリップ変調されてい
    る、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のタイプのパル
    スおよび実質的に前記第1のタイプのパルスが反転したパルスである第2のタイ
    プのパルスから構成される、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記工程gは、 (i)前記第1の相関器出力に基づいて、第1のデータ状態に対応する第1の
    データ状態信号および第2のデータ状態に対応する第2のデータ状態信号を生成
    する工程と、 (ii)前記第1のデータ状態信号および前記第2のデータ状態信号のどちら
    が大きいかを決定する工程と を包含する、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記工程gは、 (i)前記第1の相関器出力に基づいて、第1のデータ状態に対応する複数の
    第1のデータ状態信号および第2のデータ状態に対応する複数の第2のデータ状
    態信号を生成する工程と、 (ii)第1のデータ状態和を生成するために、前記複数の第1のデータ状態
    信号を合計する工程と、 (iii)第2のデータ状態和を生成するために、前記複数の第2のデータ状
    態信号を合計する工程と、 (iv)前記第1のデータ状態和および前記第2のデータ状態和のどちらが大
    きいかを決定する工程と を包含する、請求項22に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記工程hは、 (i)前記第2の相関器出力に基づいて、第1のタイミング調整増分および第
    2のタイミング調整増分を生成する工程と、 (ii)前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整増分または前記
    第2のタイミング調整増分を含むべきか否かを決定する工程と を包含する、請求項22に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記工程hは、 (i)前記第2の相関器出力に基づいて、複数の第1のタイミング調整増分お
    よび複数の第2のタイミング調整増分を生成する工程と、 (ii)第1のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第1のタイミ
    ング調整増分を合計する工程と、 (iii)第2のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第2のタイ
    ミング調整増分を合計する工程と、 (iv)前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整和または前記第
    2のタイミング調整和を含むべきか否かを決定する工程と を包含する、請求項22に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記工程gは、前記第1の相関器出力信号および前記第2
    の相関器出力信号に基づいて前記データ信号を生成する工程を包含する、請求項
    22に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記工程hは、前記第2の相関器出力信号および前記第1
    の相関器出力信号に基づいて前記時間軸調整信号を生成する工程を包含する、請
    求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記受信したインパルス無線信号はフリップおよびシフト
    変調されている、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のタイプのパル
    ス、実質的に前記第1のタイプのパルスが反転したパルスである第2のタイプの
    パルス、遅延した第1のタイプのパルス、および実質的に前記遅延した第1のタ
    イプのパルスが反転したパルスである遅延した第2のタイプのパルスから構成さ
    れる、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記工程bは前記タイミングトリガ信号およびコード信号
    を用いて前記テンプレート信号を生成する工程を包含し、ここで、前記受信した
    信号は前記コード信号と等価な送信コード信号を用いてコード化されている、請
    求項22に記載の方法。
  34. 【請求項34】 インパルス無線信号を受信するための方法であって、 a.周期的タイミング信号を受信する工程と、 b.少なくとも前記周期的タイミング信号を使用してタイミングトリガ信号を
    生成する工程と、 c.前記タイミングトリガ信号を使用してテンプレート信号を生成する工程と
    、 d.前記タイミングトリガ信号を使用して遅延した出力信号を生成する工程と
    、 e.受信したインパルス無線信号と前記テンプレート信号とを相関させること
    により第1の相関器出力信号を生成する工程と、 f.前記受信したインパルス無線信号と前記遅延したテンプレート信号とを相
    関させることにより第2の相関器出力信号を生成する工程と、 g.前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力信号に基づいてデ
    ータ信号を生成する工程と、 h.前記データ信号、前記第1の相関器出力信号、および前記第2の相関器出
    力信号に基づいて時間軸調整信号を生成する工程と、 i.前記周期タイミング信号および前記タイミングトリガ信号のうちの少なく
    とも1つを前記受信したインパルス無線信号と同調させるために前記時間軸調整
    信号を使用する工程と を包含する、方法
  35. 【請求項35】 前記受信したインパルス無線信号はフリップおよびシフト
    変調されている、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記受信したインパルス無線信号は、第1のタイプのパル
    ス、実質的に前記第1のタイプのパルスが反転したパルスである第2のタイプの
    パルス、遅延した第1のタイプのパルス、および実質的に前記遅延した第1のタ
    イプのパルスが反転したパルスである遅延した第2のタイプのパルスから構成さ
    れる、請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記工程gは、 (i)前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力に基づいて、第
    1のデータ状態に対応する第1のデータ状態信号、第2のデータ状態に対応する
    第2のデータ状態信号、第3のデータ状態に対応する第3のデータ状態信号、お
    よび第4のデータ状態に対応する第4のデータ状態信号を生成する工程と、 (ii)前記第1のデータ状態信号、前記第2のデータ状態信号、前記第3の
    データ状態信号、および前記第4のデータ状態信号のどれが最も大きいかを決定
    する工程と を包含する、請求項34に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記工程gは、 (i)前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力に基づいて、第
    1のデータ状態に対応する複数の第1のデータ状態信号、第2のデータ状態に対
    応する複数の第2のデータ状態信号、第3のデータ状態に対応する複数の第3の
    データ状態信号、および第4のデータ状態に対応する複数の第4のデータ状態信
    号を生成する工程と、 (ii)第1のデータ状態和を生成するために、前記複数の第1のデータ状態
    信号を合計する工程と、 (iii)第2のデータ状態和を生成するために、前記複数の第2のデータ状
    態信号を合計する工程と、 (iv)第3のデータ状態和を生成するために、前記複数の第3のデータ状態
    信号を合計する工程と、 (v)第4のデータ状態和を生成するために、前記複数の第4のデータ状態信
    号を合計する工程と、 (vi)前記第1のデータ状態和、前記第2のデータ状態和、前記第3のデー
    タ状態和、および前記第4のデータ状態和のどれが最も大きいかを決定する工程
    と を包含する、請求項34に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記工程hは、 (i)前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力に基づいて、第
    1のタイミング調整増分、第2のタイミング調整増分、第3のタイミング調整増
    分、および第4のタイミング調整増分を生成する工程と、 (ii)前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整増分、前記第2
    のタイミング調整増分、前記第3のタイミング調整増分、または前記第4のタイ
    ミング調整増分を含むべきか否かを決定する工程と を包含する、請求項34に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記工程hは、 (i)前記第1の相関器出力信号および前記第2の相関器出力に基づいて、複
    数の第1のタイミング調整増分、複数の第2のタイミング調整増分、複数の第3
    のタイミング調整増分、および複数の第4のタイミング調整増分を生成する工程
    と、 (ii)第1のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第1のタイミ
    ング調整増分を合計する工程と、 (iii)第2のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第2のタイ
    ミング調整増分を合計する工程と、 (iv)第3のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第3のタイミ
    ング調整増分を合計する工程と、 (v)第4のタイミング調整和を生成するために、前記複数の第4のタイミン
    グ調整増分を合計する工程と、 (vi)前記タイミング調整信号は前記第1のタイミング調整和、前記第2の
    タイミング調整和、前記第3のタイミング調整和、または前記第4のタイミング
    調整和を含むべきか否かを決定する工程と を包含する、請求項34に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記工程bは前記タイミングトリガ信号およびコード信号
    を用いて前記テンプレート信号を生成する工程を包含し、ここで、前記受信した
    信号は前記コード信号と等価な送信コード信号を用いてコード化されている、請
    求項34に記載の方法。
  42. 【請求項42】 周期的タイミング信号および情報信号を受信し、前記情報
    信号および前記周期的タイミング信号に基づいて第1の信号および第2の信号の
    うちの少なくとも1つを生成するための精密タイミング生成器と、 前記第1の信号を受信し、前記第1の信号に応答して、第1のタイプのインパ
    ルス波形からなる第1のインパルス無線信号を生成するための第1のパルサと、 前記第2の信号を受信し、前記第2の信号に応答して、第2のタイプのインパ
    ルス波形からなる第2のインパルス無線信号を生成するための第2のパルサであ
    って、ここで、前記第2のタイプのインパルス波形は実質的に前記第1のタイプ
    のパルス波形が反転したパルス波形である、パルサと、 前記第1のインパルス無線信号と前記第2のインパルス無線信号とを合わせ、
    それによりフリップ変調されたインパルス無線信号を生成するためのコンバイナ
    と を含む、インパルス無線送信機。
  43. 【請求項43】 前記精密タイミング生成器は少なくとも前記情報信号およ
    びコード信号に基づいて前記第1の信号および前記第2の信号を生成し、ここで
    、前記第1の信号は第1のトリガ信号を含み、前記第2の信号は第2のトリガ信
    号を含む、請求項42に記載のインパルス無線送信機。
  44. 【請求項44】 前記精密タイミング生成器は少なくとも前記情報信号およ
    びコード信号に基づいて前記第1の信号および前記第2の信号を生成し、ここで
    、前記第1の信号は第1のイネーブル信号を含み、前記第2の信号は第2のイネ
    ーブル信号を含む、請求項42に記載のインパルス無線送信機。
  45. 【請求項45】 前記精密タイミング生成器は共通トリガ信号をさらに生成
    し、前記第1のパルサおよび前記第2のパルサは前記共通トリガ信号を受信する
    ように適合される、請求項44に記載のインパルス無線送信機。
  46. 【請求項46】 前記第1のパルサは前記共通トリガ信号および前記第1の
    イネーブル信号の両方を受信することに応答して、前記第1のインパルス無線信
    号を生成し、 前記第2のパルサは前記共通トリガ信号および前記第2のイネーブル信号の両
    方を受信することに応答して、前記第2のインパルス無線信号を生成する、請求
    項45に記載のインパルス無線送信機。
  47. 【請求項47】 前記第1のインパルス波形は負のインパルスから構成され
    、前記第2のインパルス波形は正のインパルスから構成される、請求項42に記
    載のインパルス無線送信機。
  48. 【請求項48】 前記第1のインパルス波形は第1のデータ状態に対応し、
    前記第2のインパルス波形は第2のデータ状態に対応する、請求項42に記載の
    インパルス無線送信機。
  49. 【請求項49】 周期的タイミング信号および情報信号を受信し、前記情報
    信号および前記周期的タイミング信号に基づいて第1の信号、遅延した第1の信
    号、第2の信号、および遅延した第2の信号を生成するための精密タイミング生
    成器と、 前記第1の信号に応答して第1のインパルス無線信号を生成し、前記遅延した
    第1の信号に応答して遅延した第1のインパルス無線信号を生成するための第1
    のパルサであって、ここで、前記第1のインパルス無線信号および前記遅延した
    第1のインパルス無線信号は第1のタイプのインパルス波形から構成される、第
    1のパルサと、 前記第2の信号に応答して第2のインパルス無線信号を生成し、前記遅延した
    第2の信号に応答して遅延した第2のインパルス無線信号を生成するための第2
    のパルサであって、ここで、前記第2のインパルス無線信号および前記遅延した
    第2のインパルス無線信号は第2のタイプのインパルス波形から構成され、前記
    第2のタイプのインパルス波形は実質的に前記第1のタイプのインパルス波形が
    反転したインパルス波形である、第2のパルサと、 前記第1のインパルス無線信号および前記遅延した第1のインパルス無線信号
    のうちの少なくとも1つと前記第2のインパルス無線信号および前記遅延した第
    2のインパルス無線信号のうちの少なくとも1つとを合わせ、それによりフリッ
    プ変調されたインパルス無線信号を生成するためのコンバイナと を含む、インパルス無線送信機。
  50. 【請求項50】 前記精度タイミング生成器は前記情報信号および前記コー
    ド信号のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の信号、前記遅延した第1の
    信号、前記第2の信号、前記遅延した第2の信号を生成し、ここで、前記第1の
    信号は第1のトリガ信号を含み、前記遅延した第1の信号は遅延した第1のトリ
    ガ信号を含み、前記第2の信号は第2のトリガ信号を含み、前記遅延した第2の
    信号は遅延した第2のトリガ信号を含む、請求項49に記載のインパルス無線送
    信機。
  51. 【請求項51】 前記精度タイミング生成器は前記情報信号および前記コー
    ド信号のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の信号、前記遅延した第1の
    信号、前記第2の信号、前記遅延した第2の信号を生成し、ここで、前記第1の
    信号は第1のイネーブル信号を含み、前記遅延した第1の信号は遅延した第1の
    イネーブル信号を含み、前記第2の信号は第2のイネーブル信号を含み、前記遅
    延した第2の信号は遅延した第2のイネーブル信号を含む、請求項49に記載の
    インパルス無線送信機。
  52. 【請求項52】 前記精密タイミング生成器は共通トリガ信号をさらに生成
    し、前記第1のパルサおよび前記第2のパルサは前記共通トリガ信号を受信する
    ように適合される、請求項51に記載のインパルス無線送信機。
  53. 【請求項53】 前記第1のパルサは前記共通のトリガ信号および前記第1
    のイネーブル信号の両方を受信することに応答して、前記第1のインパルス無線
    信号を生成し、 前記第1のパルサは前記共通のトリガ信号および前記遅延した第1のイネーブ
    ル信号の両方を受信することに応答して、前記遅延した第1のインパルス無線信
    号を生成し、 前記第2のパルサは前記共通のトリガ信号および前記第2のイネーブル信号の
    両方を受信することに応答して、前記第2のインパルス無線信号を生成し、 前記第2のパルサは前記共通のトリガ信号および前記遅延した第2のイネーブ
    ル信号の両方を受信することに応答して、前記遅延した第2のインパルス無線信
    号を生成する、請求項52に記載のインパルス無線送信機。
  54. 【請求項54】 前記第1のインパルス波形は負のインパルスから構成され
    、前記第2のインパルス波形は正のインパルスから構成される、請求項49に記
    載のインパルス無線送信機。
  55. 【請求項55】 前記第1のインパルス波形は第1のデータ状態および第2
    のデータ状態に対応し、前記第2のインパルス波形は第3のデータ状態および第
    4のデータ状態に対応する、請求項49に記載のインパルス無線送信機。
  56. 【請求項56】 インパルス無線信号を送信するための方法であって、 a.周期性タイミング信号および情報信号を使用して第1の信号および第2の
    信号を生成する工程と、 b.前記第1の信号に応答して、第1のタイプのインパルス波形から構成され
    る第1のインパルス無線信号を生成する工程と、 c.前記第2の信号に応答して、第2のタイプのインパルス波形から構成され
    る第2のインパルス無線信号を生成する工程であって、ここで、前記第2のタイ
    プのインパルス波形は実質的に前記第1のタイプのインパルス波形が反転したイ
    ンパルス波形である、工程と、 d.前記第1のインパルス無線信号と前記第2のインパルス無線信号とを合わ
    せ、それによりフリップ変調されたインパルス無線信号を生成する工程と を包含する、方法。
  57. 【請求項57】 前記工程aは少なくとも前記周期的タイミング信号、前記
    情報信号、および前記コード信号を用いて前記第1の信号および前記第2の信号
    を生成する工程を包含し、ここで、前記第1の信号は第1のトリガ信号を含み、
    前記第2の信号は第2のトリガ信号を含む、請求項56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記工程aは少なくとも前記周期的タイミング信号、前記
    情報信号、および前記コード信号を用いて前記第1の信号および前記第2の信号
    を生成する工程を包含し、ここで、前記第1の信号は第1のイネーブル信号を含
    み、前記第2の信号は第2のイネーブル信号を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 少なくとも前記周期的タイミング信号および前記情報信号
    を用いて共通のトリガ信号を生成する工程をさらに包含し、 ここで、前記工程bは前記第1のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号
    に応答して前記第1のインパルス無線信号を生成する工程を包含し、前記工程c
    は前記第2のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号に応答して前記第2の
    インパルス無線信号を生成する工程を包含する、請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記第1のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号お
    よび前記第1のイネーブル信号の両方の受信に応答して生成され、 前記第2のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号および前記第2のイネ
    ーブル信号の両方の受信に応答して生成される、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記第1のタイプの波形は負のインパルスを含み、前記第
    2のタイプの波形は正のインパルスを含む、請求項56に方法。
  62. 【請求項62】 前記第1のタイプのインパルス波形は第1のデータ状態に
    対応し、前記第2のタイプのインパルス波形は第2のデータ状態に対応する、請
    求項56に記載の方法。
  63. 【請求項63】 インパルス無線信号を送信するための方法であって、 a.周期性タイミング信号および情報信号を使用して第1の信号、遅延した第
    1の信号、第2の信号、および遅延した第2の信号を生成する工程と、 b.前記第1の信号に応答して、第1のタイプの波形から構成される第1のイ
    ンパルス無線信号を生成する工程と、 c.前記遅延した第1の信号に応答して、第1のタイプの波形から構成される
    遅延した第1のインパルス無線信号を生成する工程と、 d.前記第2の信号に応答して、第2のタイプの波形から構成される第2のイ
    ンパルス無線信号を生成する工程であって、ここで、前記第2のタイプのインパ
    ルス波形は実質的に前記第1のタイプのインパルス波形が反転したインパルス波
    形である、工程と、 e.前記遅延した第2の信号に応答して、第2のタイプの波形から構成される
    遅延した第2のインパルス無線信号を生成する工程と、 f.前記第1のインパルス無線信号および前記遅延した第1のインパルス無線
    信号のうちの少なくとも1つと前記第2のインパルス無線信号および前記遅延し
    た第2のインパルス無線信号とを合わせ、それによりフリップ変調されたインパ
    ルス無線信号を生成する工程と を包含する、方法。
  64. 【請求項64】 前記工程aは少なくとも前記情報信号およびコード信号に
    基づいて前記第1の信号、前記遅延した第1の信号、前記第2の信号、および前
    記遅延した第2の信号を生成する工程を包含し、ここで、前記第1の信号は第1
    のトリガ信号を含み、前記遅延した第1の信号は遅延した第1のトリガ信号を含
    み、前記第2の信号は第2のトリガ信号を含み、前記遅延した第2の信号は遅延
    した第2のトリガ信号を含む、請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記工程aは少なくとも前記情報信号およびコード信号に
    基づいて前記第1の信号、前記遅延した第1の信号、前記第2の信号、および前
    記遅延した第2の信号を生成する工程を包含し、ここで、前記第1の信号は第1
    のイネーブル信号を含み、前記遅延した第1の信号は遅延した第1のイネーブル
    信号を含み、前記第2の信号は第2のイネーブル信号を含み、前記遅延した第2
    の信号は遅延した第2のイネーブル信号を含む、請求項63に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記周期的タイミング信号および前記情報信号を用いて共
    通のトリガ信号を生成する工程をさらに包含し、 ここで、前記工程bは前記第1のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号
    に応答して前記第1のインパルス無線信号を生成する工程を包含し、 前記工程cは前記遅延した第1のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号
    に応答して前記遅延した第1のインパルス無線信号を生成する工程を包含し、 前記工程dは前記第2のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号に応答し
    て前記第2のインパルス無線信号を生成する工程を包含し、 前記工程eは前記遅延した第2のイネーブル信号および前記共通のトリガ信号
    に応答して前記遅延した第2のインパルス無線信号を生成する工程を包含する、
    請求項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記第1のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号お
    よび前記第1のイネーブル信号の両方の受信に応答して生成され、 前記遅延した第1のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号および前記遅
    延した第1のイネーブル信号の両方の受信に応答して生成され、 前記第2のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号および前記第2のイネ
    ーブル信号の両方の受信に応答して生成され、 前記遅延した第2のインパルス無線信号は前記共通のトリガ信号および前記遅
    延した第2のイネーブル信号の両方の受信に応答して生成される、請求項66に
    記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記第1のインパルス波形は負のインパルスから構成され
    、前記第2のインパルス波形は正のインパルスから構成される、請求項63に記
    載の方法。
  69. 【請求項69】 前記第1のインパルス波形は第1のデータ状態および第2
    のデータ状態に対応し、前記第2のインパルス波形は第3のデータ状態および第
    4のデータ状態に対応する、請求項63に記載の方法。
  70. 【請求項70】 受信したインパルス無線信号を処理するための受信機であ
    って、 第1のタイミング信号出力と第2のタイミング出力とを有する調整可能な精密
    タイミング生成器と、 前記第1のタイミング信号出力に従って前記受信したインパルス無線信号をサ
    ンプリングするようにトリガされ、第1のサンプラー出力を提供する第1のサン
    プラーと、 前記第2のタイミング信号出力に従って前記受信したインパルス無線信号をサ
    ンプリングするようにトリガされ、第2のサンプラー出力を提供する第2のサン
    プラーと、 少なくとも前記第1のサンプラー出力を使用して、データ出力信号を生成する
    データ検出器と、 少なくとも前記第2のサンプラー出力を使用して、少なくとも前記第2のサン
    プラーを前記受信したインパルス無線信号と同調させるために使用される調整信
    号を生成するタイミング調整器と を含む、受信機
  71. 【請求項71】 前記インパルス無線信号はフリップ変調を含み、前記第1
    のサンプラー出力は前記フリップ変調を含み、前記データ検出器は少なくとも前
    記フリップ変調された第1のサンプラー出力を用いて前記データ出力信号を生成
    するように構成される、請求項70に記載のインパルス無線受信機。
  72. 【請求項72】 コード信号を生成するコードソースをさらに含み、前記調
    整可能な精密タイミング生成器は前記コード信号を使用してタイムポジションコ
    ーディングを前記第1のタイミング信号および前記第2のタイミング信号に合計
    する、請求項71に記載のインパルス無線受信機。
  73. 【請求項73】 前記第1のタイミング信号と前記第2のタイミング信号と
    の間にタイムオフセットをさらに含み、前記オフセットは、前記受信したインパ
    ルス無線信号との同調が達成されると、前記第1のサンプラーは実質的に最適時
    間で前記受信したインパルス信号をサンプリングし、前記データ検出器が前記デ
    ータ出力信号を生成することを可能にするように確立されている、請求項72に
    記載のインパルス無線受信機。
  74. 【請求項74】 インパルス無線受信機であって、 受信したフリップ変調されたインパルス無線信号の第1のサンプリングおよび
    第2のサンプリングをトリガする精密タイミング生成器であって、前記第2のサ
    ンプリングは前記第1のサンプリングから丁度オフセットされている生成器と、 少なくとも前記第1のサンプリングを受信し、データ信号を生成するデータ検
    出器と、 少なくとも前記第2のサンプリングを受信し、少なくとも前記第1のサンプリ
    ングを前記受信したインパルス無線信号と同調させるために使用される時間軸調
    整信号を生成する時間軸調整器と を含む、受信機。
  75. 【請求項75】 前記受信したフリップ変調されたインパルス無線信号は、
    第1のパルスタイプおよび実質的に前記第1のパルスタイプが反転したパルスタ
    イプである第2のパルスタイプから構成される、請求項74に記載のインパルス
    無線受信機。
  76. 【請求項76】 前記第1の相関器、前記第2の相関器、および前記データ
    検出器は、前記フリップ変調された受信したインパルス無線信号の復調を行う、
    請求項75に記載のインパルス無線受信機。
  77. 【請求項77】 前記データ検出器は、 前記第1の相関器出力信号を受信し、第1のデータ状態に対応する第1のデー
    タ状態信号と第2のデータ状態に対応する第2のデータ状態信号とを出力するデ
    ータパス信号セレクタ/インバータと、 前記第1のデータ状態信号および前記第2のデータ状態信号のうちどちらが大
    きいかを決定し、前記決定に基づいて前記データ信号を生成する最大値セレクタ
    と を含む、請求項74に記載のインパルス無線受信機。
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