JP2003526391A - 皮下の腫瘍への光治療を行うための従順なパッチ - Google Patents

皮下の腫瘍への光治療を行うための従順なパッチ

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JP2003526391A JP2000569880A JP2000569880A JP2003526391A JP 2003526391 A JP2003526391 A JP 2003526391A JP 2000569880 A JP2000569880 A JP 2000569880A JP 2000569880 A JP2000569880 A JP 2000569880A JP 2003526391 A JP2003526391 A JP 2003526391A
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Abstract

(57)【要約】 柔軟パッチ（１０）は、その下表面に間隔の空いた配列状に取り付けられ、光学的に透明なポリマー材料で被覆された、複数の光源（１６）が設けられている。光源（１６）は、好適には再充電可能である柔軟ポリマー電池（４４）によって供給される電流でエネルギ供給される。電流は、柔軟電池から柔軟パッチ（１０）まで延びるリード線（４２）を介して、光源を支持する柔軟基板の表面に塗られた導電性インクを用いて形成された複数の導電軌道（１２、１４）を含む電気回路を介して、伝送される。柔軟パッチ（１０）の厚みは、その最大値において、１．０ミリメートルより小さい。光源（１６）は、分離してグループ分けされ得て、電流は、治療部位の異なる部分に関する柔軟パッチ（１０）の下表面（４０）の異なる部分への、所望の光強度及び／または光治療の露光持続時間を実現すべく制御される各グループに独立に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、全体に、外部の光源配列から患者へ光治療を届けるための装置及び
方法に関している。特には、内部部位へ光治療を届けるために患者の体の不規則
な部分回りに従うようになっている発光源の柔軟パネルに関している。
【０００２】 光感作治療（ＰＤＴ）は、今や、異常な組織または腫瘍を破壊するのに有効な
方法であると認められている。ＰＤＴを実施するため、ヘマトポルフィリンのよ
うな感光性剤が塗られて、異常組織によって選択的に吸収され、正常組織によっ
てはずっと少ない程度に吸収される。感光性剤は、特徴的な光吸収波帯を有して
いる。この吸収波帯内の光が、異常組織が位置する処置部位に与えられる。この
光が感光性剤を活性化させ、異常組織を破壊する。周囲の正常組織には、ずっと
少ない影響がある。しかしながら、例えば４８時間から６週間にも及ぶ期間では
、感光性剤が肌のような正常組織を敏感にすることが知られている（投与される
特有の感光性剤に依存する）。その間、患者は日光や他の明るい光への露出を避
けるべきである。なぜなら、そのような露出（露光）が正常組織を損傷し得るか
らである。
【０００３】 また、腫瘍の上方に存在する皮膚層を容易に通過する波帯内の光を発する外部
光源を用いるＰＤＴで、皮下の初期及び転移の腫瘍を治療する可能性もある。こ
れらのタイプの腫瘍のいずれかのために光治療を実施すべく外部光源を用いるこ
との原理的な欠点は、当該治療が周囲の正常皮膚に有する影響である。それは、
しばしば、光治療の実施の間に感光性である。周囲の正常皮膚が感光性剤によっ
て影響されている間に外部光源でＰＤＴを実施することは、皮膚層への損傷の危
険がある。また、感染の危険もあり得るし、処置部位の痛みを引き起こす危険も
増大され得る。腫瘍の上方に存在する正常皮膚組織への損傷があり得る場合、そ
のような損傷が発生し得る領域を最小化することが好ましい。
【０００４】 従来の外部光源を用いる内部治療部位への光の投与の問題は、内部組織の広が
り（mass）が非対称である場合に生じ得る。外部光源から上方に存在する皮膚層
を通って光が投与されるなら、腫瘍の幾つかの部分は多すぎる光を受け得るし、
幾つかの部分は最適な結果を得るには少なすぎる光しか受けない。延長された時
間、皮膚または皮下の処置部位へ光を投与すること、及び、光が処置部位の領域
に投与されるために越える領域を制限すること、が望ましい。従って、患者は、
好ましくは、治療の間に歩行可能であって、ＰＤＴを受ける間に医院に座ってい
ることを強要されるべきでない。外部光源を用いて体の任意の部分への治療を容
易にするため、光源は、完全に携行可能であって、患者の体に取付けられて運ば
れることが好ましい。人体の多くの領域は平面状でなく、皮下の腫瘍は当該腫瘍
の上方に存在する皮膚層の実質的な腫れを引き起こして皮膚に凸状のしこりを生
成するため、光源は、そのような非平面状の表面を包み込み、かつ、所定部位に
接着固定されることによって、処置部位の形状に従う（ならう）ことが可能であ
るべきである。
【０００５】 特別な光量測定（light dosimetry ）、すなわち、ＰＤＴの間の所望の間隔で
の所望の強度の光の伝送は、従来の外部光源によって適切に取り組まれていない
もう一つの問題である。延長された、不規則表面の正確な照射を実施するのに好
適であって、処置部位の異なる領域に異なる光強度を提供することができる歩行
可能な外部光源は、従来技術において知られていない。当該態様で光治療を実施
するための装置及び対応する方法のための明瞭な必要性が存在することは、明ら
かである。
【０００６】 本発明によれば、光治療用のパッチ（傷当て）は、治療が実施されるべき処置
部位において患者の体の非平面状部に従うようになっている。当該光治療用のパ
ッチは、絶縁材料で形成された柔軟基板を含んでいる。それを貫通して延びて空
気及び湿気の運動を可能にする通気路を提供する複数の開孔が、柔軟基板内に含
まれている。電源は、柔軟基板の少なくとも１つの表面に適用された複数の柔軟
導電軌道に所望の電圧で電流を供給するためにパッチに結合されている。柔軟な
導電軌道は、電源によって提供される電流を柔軟基板の規定された部分に伝送す
るための電気回路を規定する。複数の発光源は、間隔の離れた配列状に柔軟基板
に取付けられており、電流を受容すべく導電軌道に電気的に結合されている。電
流は、複数の発光源にエネルギを与える。これにより、それらは処置部位におい
て光治療を提供するために光を発する。
【０００７】 複数の導電軌道は、好適には、導電性の物質、媒体または流体（例えば導電イ
ンク）を、柔軟基板の表面に塗る（適用する）ことによって生成される。導電性
流体が用いられる場合、導電軌道は、当該導電性流体が固化して柔軟な固体にな
る時に形成される。
【０００８】 接着剤が、柔軟基板を患者の体の非平面状部分に固定するために提供される。
これにより、柔軟基板は、非平面状部分に従う（ならう）。接着剤は、柔軟基板
を非平面状部分に当てて従わせる前に、患者の体の非平面状部分に塗られる、あ
るいは、柔軟基板がそれに当てられる時に、患者の体の非平面状部分に向かって
面する柔軟基板の表面に配置される。
【０００９】 選択的に、柔軟基板の外側に面する表面の上方に配置される光反射層が、光源
によって発せられた光を処置部位に向けて戻すように反射するために設けられる
。また、光学的に透明な被覆（coating ）が、好適には、柔軟基板に取り付けら
れた複数の光源の上方に、保護を与えるために適用される。
【００１０】 光源は、好ましくは、柔軟なポリマー電池を備える。リード線が、柔軟ポリマ
ー電池を複数の導電軌道に接続しており、柔軟ポリマー電池は、光治療の実施の
間柔軟基板から離れて患者によって運ばれる。
【００１１】 本発明の一形態において、複数の発光源は、広いスペクトル光を発する。複数
の発光源は、好適には、白熱、ハロゲン、蛍光、電界発光の各光源、または、ポ
リマー発光ダイオード、有機発光ダイオードまたは金属発光ダイオードのような
あるタイプの発光ダイオード、である。
【００１２】 パッチ上の電気回路は、好適には、電流を光源の複数グループに伝送して、各
グループが電流によって独立にエネルギ供給されるように、複数の並列回路を備
えている。マイクロコントローラが、光源の各グループに供給される電流を独立
に制御して処置部位の異なる領域に投与される光の強度を制御するために、電気
回路に結合されている。
【００１３】 本発明の他の特徴は、処置部位に光治療を実施するための方法に向けられてい
る。この方法の工程は、全体に、以上に議論した光治療用のパッチの要素の機能
と一致している。
【００１４】 本発明の前記の特徴及び多くの不随の利点が、より容易に認識される。なぜな
ら、それらが、添付の図面と組み合わせての以下の詳細な記述の参照によってよ
り良く理解されるからである。
【００１５】 図１は、本発明による、光治療を実施するための柔軟パッチの一部分の断面側
方図である。
【００１６】 図２は、柔軟パッチの一部分の下表面の概略平面図である。
【００１７】 図３は、柔軟パッチの外側表面及び柔軟パッチに電流を与えるために用いられ
る柔軟電源の概略平面図である。
【００１８】 図４は、柔軟パッチの一部分の内側表面の拡大図である。
【００１９】 図５は、光源の中央グループと光源の周縁グループとを示す柔軟パッチの内側
表面の平面図である。
【００２０】 図６は、柔軟パッチのためのマイクロコントローラの機能成分を図示する概略
ブロック図である。
【００２１】 図７Ａは、当該腫瘍の上方の皮膚層の外部表面を外側に延長させる皮下の腫瘍
が位置する処置部位における患者の体の一部分の概略等測図である。
【００２２】 図７Ｂは、柔軟パッチを処置部位へ接着するための図７Ａの処置部位への接着
剤スプレーの適用を図示している。
【００２３】 図８は、図７Ａ及び図７Ｂに図示された非平面状の処置部位にならって接着さ
れた柔軟パッチを図示している。
【００２４】 図１において、光治療を実施することによって処置部位における外部または皮
下の異常組織を治療するために、患者の体の非平面状部分への密着結合を提供す
るようになっている従順な柔軟パッチ、を生成する際に用いられる柔軟基板１０
の小部分が図示されている。どのように柔軟基板１０が患者の体の不規則な形状
の部分により容易に従う（ならう）ことができて密着結合を提供するか、を記述
するさらなる詳細が、以下に記述される。柔軟基板１０は、本発明の好適な形態
において、０．１ミリメートルの厚みよりも小さく、シリコンやポリウレタンの
ような極めて柔軟な薄いフィルムポリマーから製造されている。
【００２５】 導電軌道１２及び１４が、光治療が実施されるべき患者の体の処置部位に向か
って面するようになっている柔軟基板１０の表面上に形成されている。これらの
導電軌道は、好適には、液体の形態で塗られて固化が許された導電性インク、あ
るいは、幾つかの他の顕著に柔軟な導電性媒体、を用いて形成されている。導電
性インクは、この目的のために良く働く。なぜなら、それは、乾燥の後で大変に
薄い導電軌道を生成するし、柔軟基板の表面に電気回路を形成すべく任意の所望
の形態で容易に塗られるからである。図２は、電気軌道１２及び１４の部分を図
示している。そこでは、それらは全体に互いに平行に延びており、軌道は２つの
発光源１６が電気軌道の間で柔軟基板に取付けられること、及び、その各々が電
気軌道の一方と電気接触状態にあることを可能にすべく十分に離れている。発光
源１６は、各々、好適には、広いスペクトル光源、例えば、白熱、ハロゲン、蛍
光、電界発光の各光源、を備える。あるいは、ある発光ダイオード（ＬＥＤ）、
あるいは、特別なタイプのＬＥＤ、例えばポリマー、有機または金属のＬＥＤ、
のいずれかを備え得る。
【００２６】 図１及び図２に図示されているように、発光源１６は、導電軌道１２及び導電
軌道１４に、導電性結合接着剤２２を用いて電気的に取り付けられている。接着
剤２２は、発光源１６の一方側を導電軌道に固定するように、当該導電軌道に塗
られる。図１及び図２に記載された実施の形態では、発光源１６は、互いに隣接
して配置された対として取付けられている。導電性接着剤２２を用いて、対の一
方の発光源は導電軌道１２に接着して取り付けられおり、他方は導電軌道１４に
接着して取り付けられている。発光源の一方の陽極１８は、導電軌道１２に電気
的に結合されており、対の隣接する発光源の陰極２０は、導電軌道１４に電気的
に結合されている。発光源にエネルギ供給してそれらが光を発するべく適当な極
性の電流が与えられる限り、陽極と陰極との間の関係及びそれが結合される導電
軌道は、切り替えられ得ることが理解される。交流（ＡＣ）で導電軌道がエネル
ギ供給されるなら、連続する対のＬＥＤの陽極及び陰極は、好適には、導電軌道
１２及び１４へのそれらの接続に関する極性において互い違いである。一方の極
性に接続されたＬＥＤは、従って、ＡＣ波形の正の部分の間にエネルギ供給され
、反対の極に接続されたＬＥＤは、ＡＣ波形の負の部分の間にエネルギ供給され
る。
【００２７】 ２つの発光源は、発光源の対の一方の陽極と他方の陰極との間に延びるフライ
ワイヤ２４を用いて直列に接続されている。あるいは、発光源の一方とそれが接
着結合されていない他方の導電軌道との間にフライワイヤ２４を直接に接続する
ことが可能である。これにより、２つの発光源は、直列ではなく並列に接続され
る。発光源を導電軌道に取り付けるための他の技術が、例えば、発光源の各側に
配置された接続端子（図示せず）を直接に各導電軌道に接続することによって、
フライワイヤ２４の必要性を除去するために用いられ得る。
【００２８】 柔軟なエポキシまたは他のポリマーの小滴２６が、発光源１６の各対の上方に
、それら及びフライワイヤ２４を保護するために適用される。この小滴は、光学
的に、透明または半透明である。さらに、処置部位に向かって内側に面する柔軟
パッチの表面は、好適には、全体の組立体を絶縁すると共に小滴２６間の領域で
の導電軌道１２及び１４への保護を与えるために、相対的に薄いシリコンの層２
８で被覆される。この薄い層と各ＬＥＤの上方に適用された小滴とは、光治療が
発光源１６によって実施されるべき処置部位における患者の皮膚（肌）のそれと
全体に調和される屈折率、を有することが望ましい。好適には、柔軟パッチの最
大厚さは、１．０ミリメートルよりも小さい。それは、パッチの実質的な柔軟性
を保証する。図３を参照して、柔軟基板１０を用いて製造された柔軟パッチ４０
が示されている。柔軟パッチ４０の内側に面する表面に取り付けられる光源は、
柔軟基板の下表面に配置されており、従って、この図では示されていない。
【００２９】 柔軟パッチ４０を患者の体の非平面状の不規則表面に完全に従わせる（ならわ
せる）ことを可能にするため、柔軟パッチは、柔軟基板及び薄い層２８を貫いて
延びる複数の水平スロット４８及び鉛直スロット４６を含んでいる。これらのス
ロットの各々は、柔軟基板４０が患者の体の処置部位に当てられる時に、それら
を通って空気及び湿気が容易に搬送される開放通路を有している。このような通
路を提供することによって、柔軟パッチ４０によって覆われる処置部位での刺激
や熱の高まりが、最小化される。汗は、水平スロット４８及び鉛直スロット４６
を有するこれらの通路を通って容易に通過するので、患者は柔軟パッチにより与
えられる光治療の延長された期間の間、より快適である。また、パッチが処置部
位に接着によって取り付けられ続けることが、確実である。
【００３０】 図３に示されるように、ポリマー電池電源４４が、リード線４２を介して柔軟
パッチに結合されている。この電源は、柔軟パッチ４０の下表面に取付けられた
発光源の各々にエネルギ供給する電流を提供する。選択的に、ポリマー電池電源
４４は、マイクロコントローラを含んでいる。マイクロコントローラの目的が以
下に議論される。ポリマ電池は、本発明の好適な形態において用いられる。なぜ
なら、それはより容易に患者の体に従い得るし、柔軟で患者の体に接着によって
取り付けられるため、堅固な電池電源よりもより快適に携行され得るからである
。しかしながら、より従来タイプの電池が、柔軟パッチ４０上で使用される発光
源にエネルギ供給するための電流を提供するために用いられ得る、ということも
意図される。明確に、多くのタイプの電池パックが、発光源にエネルギ供給する
ために必要とされる電流を提供するために使用され得る。ポリマー電池（あるい
は使用される他のタイプの電池電源）が、それが消耗した時に患者が繰り返し電
源を再充電することを可能にすることによって延長された期間の柔軟パッチの使
用を容易にするため、再充電可能であることも意図される。
【００３１】 柔軟基板が、光学的に透明である、あるいは、少なくとも部分的に半透明であ
る場合、柔軟パッチ４０の外側表面は、選択的に反射層３０で被覆され得る。こ
の反射層は、発光源によって発せられた光の少なくとも幾つかを処置部位に向け
て戻すように反射する。これにより、柔軟パッチによって光治療が実施される際
の効率が増大する。
【００３２】 図４を参照して、柔軟パッチ４０の一部が拡大されており、その下表面及び柔
軟軌道１２及び１４を有する電気回路の一部が示されている。当該図において、
導電軌道１２及び１４は、柔軟パッチの下表面上において、水平スロット４８及
び鉛直スロット４６が点在している（変化を添えられている）ことが指摘される
。光源は、従って、当該下表面の残存部分上において間隔の離れた配列を有する
。光源、水平スロット４８及び鉛直スロット４６の単純なパターンが図４に図示
されているが、発光源が取り付けられて水平スロット４８及び鉛直スロット４６
が点在する柔軟軌道１２及び１４を有する電気回路のための多くの他の形態及び
パターンが、柔軟基板の下表面上に選択的に提供され得ることが明らかである。
【００３３】 複数の独立に制御される電気回路が導電軌道１２及び１４を用いて提供され得
て、発光源の別個の独立のグループが柔軟パッチ４０の下表面上に規定される、
ということが指摘される。図５は、発光源１６の中央グループ５２が規定された
（破線によって囲まれている）簡単な例を図示している。中央グループ５２の周
囲に、独立に制御される発光源の周縁グループ５０がある。この簡単な形態の利
点は、それが異なる各グループに供給される電流を独立に制御して各グループの
発光源によって生成される光強度を制御するという選択を提供することである。
従って、例えば、中央グループ５２は、周縁グループ５０に供給されるのと比較
して、光源の中央グループにより生成される光の強度及び／または持続時間を増
大すべく、より長く、あるいは、より大きな電流でエネルギ供給され得る。中央
グループ５２の光出力を増大することによって、腫瘍のより効果的な治療が達成
され得る。なぜなら、腫瘍はその中央部分において相対的に厚く、当該部分には
より高い強度及び／またはより長い持続の光治療が実施されるべきであり、その
周縁部分では薄く、当該部分には相対的により低い強度及び／またはより短い持
続の光治療が実施されるべきであるからである。光源の付加的なグループが構成
され得て、他の所望の光分布を実現すべく、かつ、柔軟パッチ４０の下表面の領
域を必要なように制御して処置部位の当該部分の光強度を変えるための所望の要
求を満たすべく、実質的により複雑なパターンを提供するよう独立に制御され得
ることが明らかである。また、柔軟パッチの下表面の発光源の与えられたグルー
プの任意の部分の形状は、図５で示されたものと実質的に異ならされ得る。例え
ば、「Ｌ型」、楕円型、等であり得る。
【００３４】 図６は、ＬＥＤまたは他の発光源の各グループに供給される電流を選択的に制
御する際の使用のためのマイクロコントローラ６０の機能成分を図示している。
リード線６２は、電源から可変電流制御器６４及びプロセッサ６６に電力を搬送
する。好適には、プロセッサ６６は、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）とリー
ドオンリーメモリ（ＲＯＭ）との両方を含む簡単なマイクロコントローラを備え
る。ＲＯＭ内には、簡単なオペレーティングシステムと、基本的な電流制御機能
が時間スケジュールに従って実施されること及び／または発光源の複数の異なる
グループの各々に供給されるべき電流の相対的なレベルを決定することを可能に
する機械指令を含む制御アプリケーションプログラムと、が記憶されている。図
６に示された簡単な場合では、ＬＥＤの２つの異なるグループのみに供給される
電流が制御される。しかしながら、ＬＥＤまたは他の発光源の付加的なグループ
に供給される電流が、所望の光強度を提供するため及び／または各グループにエ
ネルギ供給するためのスケジュールを決定するために制御され得ることは明らか
である。可変電流制御器６４は、プロセッサによって供給される信号に応じて各
グループに供給される電流の振幅または持続時間を決定する際の使用のための、
電圧制御される可変の抵抗器、あるいは、パルス幅調節回路を備え得る。パルス
幅調節制御が利用される場合、パルスの周波数またはそれらの時間ＯＮ対時間Ｏ
ＦＦの比が、発光源の光強度を決定する。プロセッサによって提供される信号は
、また、発光源の各グループがエネルギ供給される時及びエネルギ供給されるか
否かを決定し得る。他の制御系もまた、柔軟パッチの下表面の異なる領域におい
て光源の光出力を変更するために利用され得る。
【００３５】 図７Ａ及び図７Ｂは、皮下の腫瘍７６が皮膚７２の表面の下方に位置しており
、外側に突出する凸状かつ全体に円状のしこり７４を形成する、処置部位７０を
図示している。しこり７４における処理部位は、従って、明瞭に非平面状である
。接着剤が、柔軟パッチを処置部位にしっかりと固定するために、柔軟パッチ４
０の下表面に塗られ得る。これにより、図８に示されたように、柔軟パッチがし
こりの周囲に従う（適合する）。あるいは、図７Ｂは、柔軟パッチ４０をそれに
接着によって取り付けるために、接着剤スプレー缶８０が処置部位の外側表面上
に接着剤８２を噴射するためにどのように使用されるかを図示している。柔軟パ
ッチ４０内に水平及び鉛直のスロットを付与したこと及びその相対的に薄い断面
が、それが変形することを可能にすると共に、処置部位の非平面状の形状に容易
に従う（ならう）ことを可能にする。これにより、柔軟パッチは、皮膚７２の下
方の表面に密接すると共に、しこり７４の上方に円滑に密接する。従って、ＬＥ
Ｄの各々は、患者の皮膚の表面に対向して処置部位に極めて隣接して配置される
ため、それによって発光される光は容易に皮膚層を通過して皮下の腫瘍７６に到
達しＰＤＴ（あるいは他の光治療）を行うことができる。
【００３６】 一般に、ＰＤＴが処置部位に実施される時、皮下の腫瘍７６は前もって、柔軟
パッチ４０の下表面の複数のＬＥＤによって発光される光のそれに対応する特徴
的な吸収波帯を有する感光性剤が注入される。当該光によって活性化される時、
感光性剤は異常な腫瘍組織を破壊する。
【００３７】 この例では、皮下の腫瘍７６の最も厚い部分の上方にある柔軟パッチの光源の
中央グループに供給される電流は、それに実施される光治療の最大の強度及び／
または持続時間を提供するように制御されるべきである。発光源の周縁グループ
に供給される電流は、柔軟パッチの中央における光源のグループに供給されるも
のよりも低くあり得る、及び／または、その持続時間は、実質的により短くあり
得る。なぜなら、腫瘍は端部の周囲では相対的に薄いからである。当該態様で処
置部位に適用される光治療の光強度または持続時間を制御することによって、よ
り効果的な治療が達成されるし、腫瘍の上方にある正常な組織が、より高い強度
の光への不必要な露出及び／または腫瘍の中央部分を治療するために必要とされ
る光への露出の長さを受容することがない。
【００３８】 本発明は、患者の体内の内部処置部位に治療を提供するためにも利用され得る
。例えば、柔軟パッチ４０は、切開された開口を介して患者の体の内側に挿入さ
れ、内部処置部位、例えば膵臓、肝臓または丸められた表面を有する他の器官の
表面、にまで進められ得る。ＦＯＣＡＬＳＥＡＬ（商標）やフィブリングルーの
ような好適な一時的な組織接着剤が、当該器官の表面、あるいは、柔軟パッチを
接着によって取り付けるための体内の内部処置部位に隣接する表面、に塗られ得
る。あるいは、組織接着剤は、それを内部組織に接着することを可能にすべく、
柔軟パッチの表面に塗られ得る。柔軟パッチの開口は、それが取り付けられる器
官や組織表面の丸められた非平面状の形状にそれが従って、処置部位への光治療
の効果的な実施を顕著に容易にすることを可能にする。
【００３９】 本発明は、それを実践する好適な形態に関連して説明されたが、特許請求の範
囲の範囲内において、当業者は多くの修正がそれになされ得ることを理解する。
従って、本発明の範囲は、いかなる態様においても、前記の説明によって限定さ
れることが意図されておらず、特許請求の範囲によって完全に決定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による、光治療を実施するための柔軟パッチの一部分の断面側方図であ
る。
【図２】 柔軟パッチの一部分の下表面の概略平面図である。
【図３】 柔軟パッチの外側表面及び柔軟パッチに電流を与えるために用いられる柔軟電
源の概略平面図である。
【図４】 柔軟パッチの一部分の内側表面の拡大図である。
【図５】 光源の中央グループと光源の周縁グループとを示す柔軟パッチの内側表面の平
面図である。
【図６】 柔軟パッチのためのマイクロコントローラの機能成分を図示する概略ブロック
図である。
【図７】 （ａ）は、当該腫瘍の上方の皮膚層の外部表面を外側に延長させる皮下の腫瘍
が位置する処置部位における患者の体の一部分の概略等測図であり、（ｂ）は、
柔軟パッチを処置部位へ接着するための（ａ）の処置部位への接着剤スプレーの
適用を図示している。
【図８】 図７（ａ）及び図７（ｂ）に図示された非平面状の処置部位にならって接着さ
れた柔軟パッチを図示している。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年１２月１４日（２０００．１２．１４）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブレント、ウィスコーム アメリカ合衆国アリゾナ州、メサ、イース ト、ホームズ、3014 Ｆターム(参考） 4C082 PA02 PC01 PC10 PE01 PE02 PE09 PE10 PG11 PG15 PG20 PJ12 PL05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 光治療が処置部位において実施されるべき患者の体の非平面状部分に従うよう
    になっている光治療用のパッチであって、 絶縁材料で形成され、それを貫通して延びて空気及び湿気がそれを貫いて運動
    する通気路を提供する複数の開孔を含む柔軟基板と、 所望の電圧で電流を供給するため電源と、 柔軟基板の少なくとも１つの表面に適用され、電源によって提供される電流を
    前記少なくとも１つの表面の規定された部分に伝送するための電気回路を規定す
    る、複数の柔軟な導電軌道と、 間隔の離れた配列状に柔軟基板に取付けられており、電流を受容すべく導電軌
    道に電気的に結合された、複数の発光源と、 を備え、 前記電流は、複数の発光源にエネルギを与え、それらは処置部位において光治
    療を提供するために光を発する ことを特徴とする光治療用のパッチ。
  2. 【請求項２】 複数の導電軌道は、柔軟基板の前記少なくとも１つの表面に適用される導電性
    流体を有しており、 前記導電性流体は、導電軌道を形成するために固化する ことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  3. 【請求項３】 柔軟基板を、患者の体の非平面状部分に従うように固定するようになっている
    接着剤 を更に備えたことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  4. 【請求項４】 接着剤は、柔軟基板を前記非平面状部分に従わせる前に、患者の体の非平面状
    部分に塗られる ことを特徴とする請求項３に記載の光治療用のパッチ。
  5. 【請求項５】 接着剤は、柔軟基板が前記非平面状部分に従わされる時に患者の体の非平面状
    部分に向かって面するようになっている柔軟基板の表面上に配置される ことを特徴とする請求項３に記載の光治療用のパッチ。
  6. 【請求項６】 接着剤は、患者の体の内側の組織に付着するようになっており、光治療を内部
    処置部位に与えるために柔軟基板が固定されることを可能にする ことを特徴とする請求項３に記載の光治療用のパッチ。
  7. 【請求項７】 柔軟基板が患者の体の非平面状部分に従わされる時に外側に面する柔軟基板の
    表面上に配置され、複数の光源により発せられた光を処置部位に向けて反射する
    のに役立つ光反射層 を更に備えたことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  8. 【請求項８】 柔軟基板に取り付けられた複数の光源の上方に、当該複数の光源を保護するた
    めに適用された光学的に透明な被覆 を更に備えたことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  9. 【請求項９】 電源は、柔軟ポリマー電池を有する ことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  10. 【請求項１０】 柔軟ポリマー電池を前記複数の導電軌道に接続するためのリード線 を更に備え、 前記柔軟ポリマー電池は、光治療の実施の間、患者によって柔軟基板から離れ
    て運ばれる ことを特徴とする請求項９に記載の光治療用のパッチ。
  11. 【請求項１１】 複数の発光源は、広いスペクトル光を発する ことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  12. 【請求項１２】 複数の発光源は、白熱光源、ハロゲン光源、蛍光源、電界発光源、発光ダイオ
    ード、ポリマー発光ダイオード、有機発光ダイオード及び金属発光ダイオードか
    らなる群から選択される ことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  13. 【請求項１３】 電気回路は、電流を光源の複数グループに伝送する複数の並列回路を有してい
    る ことを特徴とする請求項１に記載の光治療用のパッチ。
  14. 【請求項１４】 光源のグループに供給される電流を独立に制御して、光源のグループによって
    処置部位の異なる領域に投与される光を制御するために、電気回路に結合されて
    いるマイクロコントローラ を更に備えたことを特徴とする請求項１３に記載の光治療用のパッチ。
  15. 【請求項１５】 処置部位に光治療を実施するための方法であって、 間隔の空いた光源の配列が取り付けられ、患者の体の実質的な非平面状部分に
    従うのに十分に柔軟であって、複数の開孔を有する蒸気通過可能なパッチを提供
    する工程と、 処置部位に隣接して、患者の体にパッチを接着によって取り付けて従わせる工
    程と、 複数の光源にエネルギ供給して処置部位への光治療を実施する工程と、 を備えたことを特徴とする方法。
  16. 【請求項１６】 蒸気通過可能なパッチ上の複数の光源に結合される携行可能な電源を提供する
    工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  17. 【請求項１７】 複数の光源が複数の独立のグループに分けられていて、 光源の独立のグループに供給される電流を選択的に制御して、処置部位の異な
    る領域に投与される光の強度を独立に制御する工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  18. 【請求項１８】 蒸気通過可能なパッチをそれに付着するために、処置部位の表面に接着剤を塗
    る工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  19. 【請求項１９】 複数の光源は、蒸気通過可能なパッチ上で光学的に透明な保護層によって被覆
    されている ことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  20. 【請求項２０】 蒸気通過可能なパッチは、前記パッチの表面に適用された複数の導電軌道によ
    って規定された電気回路を含んでいる ことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  21. 【請求項２１】 複数の導電軌道は、流体として前記表面に適用されている ことを特徴とする請求項２０に記載の方法。
  22. 【請求項２２】 複数の光源によって発せられた光を処置部位に向けて反射する工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  23. 【請求項２３】 患者が歩行可能である延長された期間、蒸気通過可能なパッチで処置部位への
    光治療を実施する工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  24. 【請求項２４】 患者の皮膚のそれと略等しい屈折率を有する、蒸気通過可能なパッチ上の被覆
    を提供する工程 を更に備えたことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
  25. 【請求項２５】 患者の体内に蒸気通過可能なパッチを挿入する工程 を更に備え 患者の体にパッチを接着によって取り付けて従わせる前記工程は、患者の体内
    の内部処置部位において生じる ことを特徴とする請求項１５に記載の方法。
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