JP2003525606A - 組換えアデニルシクラーゼおよびタンパク質分解活性を有する分子のスクリーニングのためのそれらの使用 - Google Patents

組換えアデニルシクラーゼおよびタンパク質分解活性を有する分子のスクリーニングのためのそれらの使用

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JP2003525606A JP2001564337A JP2001564337A JP2003525606A JP 2003525606 A JP2003525606 A JP 2003525606A JP 2001564337 A JP2001564337 A JP 2001564337A JP 2001564337 A JP2001564337 A JP 2001564337A JP 2003525606 A JP2003525606 A JP 2003525606A
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molecule
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activity
cyclase
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グツェル、カリモバ
ダニエル、ラダン
アニェ、ユールマン
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Institut Pasteur de Lille
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、部位特異的タンパク質分解活性を有する少なくとも1つの分子のための1以上の切断部位を含む少なくとも1つのポリペプチド配列を含んでなる組換えアデニルシクラーゼであって、前記ポリペプチド配列がアデニルシクラーゼの触媒ドメイン中に挿入されており、かつその酵素活性が保存されていることを特徴とする、組換えアデニルシクラーゼに関する。本発明はまた、前記組換えアデニルシクラーゼを用いる、タンパク質分解活性を有する分子のスクリーニングのための方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、部位特異的タンパク質分解活性を有する少なくとも1つの分子のた
めの1以上の切断部位を含む少なくとも1つのポリペプチド配列を含んでなる組
換えアデニルシクラーゼであって、前記ポリペプチド配列がアデニルシクラーゼ
の触媒ドメイン中に挿入されており、かつその酵素活性が保存されている、組換
えアデニルシクラーゼに関する。本発明はまた、このような組換えアデニルシク
ラーゼをコードするDNA断片に関し、また、上記のように定義した生成物を用
いて、分子のタンパク質分解活性または分子のタンパク質分解活性阻害剤に対す
る耐性を検出、同定および/または定量する方法に関する。本発明はまた、これ
らの方法を実施するための検査用キットに関する。
【0002】 真核生物においては、原核生物と同様に、プロテアーゼが多くの生物学的過程
に関与している。クロッティング(凝集)および消化に至るタンパク質分解によ
る活性化のカスケードはよく知られているが、これらの酵素が関与する新たな現
象が日常的に発見されている。いくつかの膜レセプター(プロテアーゼ活性化レ
セプター:PAR)は、タンパク質分解によって特異的に活性化される(Coughl
in, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 9200-2)。バチルス・ズブチルス
では、SpoIIGAおよびSpoIVFBプロテアーゼがpro-σEとpro-σKとを、胞子形成に
必須の転写因子である、σEとσKとに変換する(Hofmeister, et al., 1995, Ce
ll, 83, 219-26; Lu et al., 1990, Proc. Natl. Acd. Sci. USA, 87, 9722-6)
。カスパーゼはプロテアーゼの別のファミリーであるが、アポトーシスに関与し
ており(Villa et al., 1997, TIBS, 22, 388-93; Steller, 1995, Science, 26 7 , 1445-9)、発生と恒常性において重要な役割を有している。プロテアーゼは
また、ある病的な状態に関与している:アルツハイマー病は、セリンプロテアー
ゼによるβ−アミロイドの異常な切断によるものと考えられている(Selkoe, 19
99, Nature, 399, 23-31)。腫瘍においては、細胞外マトリックスを分解するこ
とによって、メタロプロテイナーゼ(MMP)が細胞の転移を可能にしている(
Nagase et al., 1999, J. Biol. Chem., 274, 21491-4)。最後に、プロテアー
ゼは、多くのウイルスの成熟に必須の要素であり、そのうちのいくつかは致死的
な感染の原因となる(Schwartz et al., 1999, Clin. Diagn. Lab. Immunol., 6 , 295-305)。
【0003】 このため、これらの酵素を同定し、研究することは、それらの生理学的な役割
をつきとめ、そして新たな治療の方法を開発する上で必須である。プロテアーゼ
の特徴付けと精製のための従来の方法は複雑であったため、大腸菌(Escherichi
a coli)または酵母の遺伝的研究系が開発された。これらの系の目的は、部位特
異的プロテアーゼを単離し、特徴づけることである。それらの原理は、研究され
たプロテアーゼに特異的な切断部位を挿入することによるレポーター酵素の不活
化、または大腸菌におけるこのプロテアーゼの毒性のいずれかに基づくものであ
る。
【0004】 Sicesら(1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 2828-33)により、λファ
ージのリプレッサーが特異的に切断され、溶原性状態から溶菌状態への移行に至
る系が記載されている。特異的切断部位はまた、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ
とチミジル酸シンターゼ中、および酵母GAL4の転写アクチベーター中に挿入
されている(Baum et. al, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 5573-7; K
upiec et. al., 1996, J. Boil. Chem., 271, 18465-70; Dasmahapatra et al.,
1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 4159-62)。これらのタンパク質のタ
ンパク質分解は、その後、in vivoで観察される。Baumら(1990, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 87, 10023-7)により、HIVのプロテアーゼの過剰発現が大腸
菌BL21株(DE3)において毒性であることが示され、この性質は、このプロテア
ーゼの非毒性突然変異体の単離と研究に使用された。この毒性はまた、プロテア
ーゼ阻害剤のスクリーニングに使用された(Buttner et al., 1997, Biochem. B
iophys. Res. Commun., 233, 36-8)。しかしながら、これらの系は感度が低い
ために、それらの使用が限定されている。
【0005】 この感度の低さは、研究されたプロテアーゼのタンパク質分解活性が弱いとき
には、標的であるレポータータンパク質のタンパク質分解が不完全であるという
事実から生じるものである。多くの場合、未切断の標的タンパク質画分の残存酵
素活性は、その後、このタンパク質の活性形と関連する表現型を付与するのに十
分である。結果として、標的レポータータンパク質を切断し、不活化できるプロ
テアーゼを発現する微生物と、この特異的なプロテアーゼを発現しないものとを
表現型で区別することは不可能である。 現在、ウイルスのプロテアーゼを研究するための試験についての研究、とりわ
け、後天性免疫不全症候群(AIDS)を惹起するウイルスであるHIVのプロ
テアーゼについての研究が進められている。
【0006】 実際に、現在HIV感染の治療に利用可能な多くの活性分子はHIVプロテア
ーゼの阻害剤であり、三重治療(triple therapy)において、逆転写酵素阻害剤
と組み合わされている。これらの分子の効力は、プロテアーゼがウイルスの複製
に必須であるという事実に基づくものである:HIVはレトロウイルスであり、
そのキャプシドはRNAを含み、ひとたびRNAが標的細胞中に導入されると、
ウイルスの逆転写酵素によって逆転写される。得られたDNAが真核細胞のゲノ
ムと一体化され、構造タンパク質をコードしている遺伝子とウイルスの酵素をコ
ードしている遺伝子とは、その後、細胞の機構によって転写され、ポリタンパク
質に翻訳される。ウイルスのプロテアーゼの役割は、成熟した感染性のウイルス
を作り出せるように、これらの前駆体(gagおよびpol)を切断して活性なタンパ
ク質とすることである。このプロテアーゼは自己タンパク質分解によってポリタ
ンパク質から遊離し、次いで、8個の特異的部位(p1からp8、ここでp5お
よびp6はプロテアーゼに隣接する部位である)の切断によって、他のタンパク
質を切断する。
【0007】 逆転写過程の間に、プロテアーゼの配列中に突然変異が生じることがある。そ
れらは、通常サイレントであるかまたは致死的であるが、しばしばプロテアーゼ
阻害剤に耐性となり(Dulioust et al., 1999, J. Virol., 73, 850-4)、治療
の失敗の原因となる(Perrin et al., 1998, Science, 280, 1871-3)。この耐
性は、一般的には、酵素のタンパク質分解活性の低下と関連している。
【0008】 このため、一般的にプロテアーゼが重要であり、とりわけHIVプロテアーゼ
が重要であることから、分子、好ましくはタンパク質、のタンパク質分解活性(
これらの活性は好ましくは「部位特異的」である)を検出できるようにする方法
を決定することが必要である。
【0009】 「部位特異的」という用語は、プロテアーゼがポリペプチドのアミノ酸の特異
的な配列を認識し、前記ポリペプチドをアミノ酸配列とプロテアーゼとに依存す
る部位で切断することを意味する。この部位は、前記特異的配列の2つのアミノ
酸の間に位置することがあるが、前記配列の上流または下流に位置することもあ
る。
【0010】 プロテアーゼを検出するための現在の系に改良を加えることが必須である。と
りわけ、いくつかの突然変異したプロテアーゼにおける低いタンパク質分解活性
を検出できるようにするために、この系の感度を改良することが必須である。H
IVの場合には、そのプロテアーゼが既に比較的低いタンパク質分解活性を有し
ていることから、この点が一層重要である。
【0011】 さらに、臨床試験で使用することを可能にするためには、それらを容易に、比
較的廉価で行えるようにし、合理的な期間内(2〜3日以内)に結果を得られる
ようにすることが重要である。実際には、HIVプロテアーゼの研究のためには
、研究されているウイルスのプロテアーゼの遺伝子を公知の試験ウイルス中に導
入し、細胞株での前記組換えウイルスを研究するという、組換えウイルスアッセ
イ(RVA)が現在使用されている。このアッセイは、患者の体内に存在するウイ
ルスの主要な集団だけを特徴付けるものであり、結果を得るために2〜3週間を
要するという欠点がある。
【0012】 本発明によれば、タンパク質分解活性を検出するための遺伝子系を、アデニル
シクラーゼ(またはアデニル酸シクラーゼ)、好ましくは百日咳菌(Bordetella
pertussis)のアデニルシクラーゼ、のタンパク質分解による不活化に基づいて
開発することにより、タンパク質分解活性を有する分子を検出するためのアッセ
イの開発という問題を解決する独創的な解決法が提供される。
【0013】 アデニルシクラーゼは、ATPから環状AMP(cAMP)の合成に関与する
酵素である。cAMPは細胞内に偏在するメディエーターであるが、しかしなが
ら、少なくとも細菌においては、一定の増殖条件下では、細胞の増殖や生存に必
要であるとは思われない。このため、本発明においては、cAMPはシグナリン
グ分子として使用される。
【0014】 本発明においては、「アデニルシクラーゼ」または「アデニル酸シクラーゼ」
という用語は、天然の生物中に見られるアデニルシクラーゼと同じ生物学的活性
、すなわち、ATPをcAMPに変換する能力を有するタンパク質を意味し、言
い換えれば、国際分類EC 4.6.1.1のタンパク質、またはアデニル酸シクラーゼに
由来するのと同様の生物学的活性を有するあらゆる酵素を意味する。当業者は、
事実、ある有用な突然変異を生じさせ、もしくはアデニル酸シクラーゼを、出発
タンパク質の基質特異性によりGTP(EC 4.6.1.2)をcGMPに換えるグアニレー
トシクラーゼ、に変えることができ(Beuve and Dnachin, 1992, J. Mol. Biol.
, 225, 933-8)、その逆にすることもできる(Beuve, 1999, Methods, 19, 5
45-50)。このため、アデニル酸シクラーゼから得られるこのような酵素は、上
記の定義に含まれる。
【0015】 本発明において開発された系は、前記アデニルシクラーゼ(CYA)の触媒ド
メインのタンパク質分解による不活化に基づいている。このドメインは、内因性
のアデニルシクラーゼを欠損している(cya)細菌株もしくは真菌株(酵母を
含む)または細胞株がcya表現型に戻るようにこれを補足するものである。
【0016】 前記cya表現型は、好ましくは、容易に検出され得る前記菌株または細胞株
の二次表現型を調べることによって検出され、これらの出現はアデニルシクラー
ゼの酵素活性に連動している。
【0017】 従って、タンパク質分解活性を有する分子が存在し、これが活性であり、そし
てアデニルシクラーゼ中に挿入された切断部位を認識するとき、後者は切断され
、補足された株は再びcyaとなる。
【0018】 「容易に検出され得る」という用語は、表現型を検出するために特別な手段を
採用するか、または特別な装置を使用することを必要としないということを意味
する。実際、cya表現型を直接的に検出することはできるが、これにはELISAで
行うcAMPの生成を検出することが必要であり、ある種の機械が必要とされ、
迅速に行うことはできない。従って、「容易に検出され得る」表現型は、巨視的
に観察され得るものであることが好ましい。例えば、それは、適当な培地を入れ
たペトリ皿上で直接的に観察することができるものである。
【0019】 「容易に検出され得る」表現型の例としては、抗生物質に対する耐性(cAM
Pによって誘導されるか、または抑制される)、マルト−スやラクトース等のあ
る種の糖の異化作用、または容易に検出され得るタンパク質(例えば、β−ガラ
クトシダーゼ、ルシフェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP))のcAMP
−誘導発現が挙げられる。当業者は、同じ性質を有する他の系を選択し、定義す
ることができる。
【0020】 従って、本発明の主題は、部位特異的タンパク質分解活性を有する少なくとも
1つの分子のための1以上の切断部位を含む少なくとも1つのポリペプチド配列
を含んでなる組換えアデニルシクラーゼであって、前記ポリペプチド配列がアデ
ニルシクラーゼの触媒ドメイン中に挿入されており、かつその酵素活性が保存さ
れていることを特徴とする、組換えアデニルシクラーゼである。
【0021】 本発明の別の実施態様によれば、挿入されたポリペプチド配列は、タンパク質
分解活性を有する分子に対応するポリペプチド配列をも含んでなる。この場合、
プロテアーゼは自己タンパク質分解するものでなければならない。
【0022】 従って、本発明の実施態様により、目的のプロテアーゼは、切断部位を含む配
列に関してトランスに導入される(第一の場合)か、またはシスに導入される(
第二の場合)。
【0023】 前記ポリペプチド配列は、ウイルスプロテアーゼに特異的な少なくとも1つの
切断部位を含むことが好ましく、ウイルスプロテアーゼは、好ましくはHIVプ
ロテアーゼ、特にp5(配列番号1)および/またはp6(配列番号2)である
【0024】 本発明の別の実施態様によれば、その触媒ドメインに挿入されているポリペプ
チド配列を含んでなり、かつその酵素活性が保存されている組換えアデニルシク
ラーゼが提供され、前記ポリペプチド配列はウイルスプロテアーゼをも含有する
ものである。これは、p5およびp6の切断配列で挟まれたHIVプロテアーゼ
(配列番号3)であることが好ましい。
【0025】 その酵素活性を保存したままポリペプチド配列を挿入することができる触媒部
位を有するいずれのアデニルシクラーゼも、本発明の実施に使用することができ
る。しかしながら、好ましいアデニルシクラーゼは、ボルデテラ(Bordetella)
属の細菌、特に百日咳菌(Bordetella pertussis)、のアデニルシクラーゼであ
り、百日咳菌のアデニルシクラーゼの触媒ドメイン(配列番号4)であることが
特に好ましい。
【0026】 特に、このドメインは、いずれもこのアデニルシクラーゼの活性に必要な2つ
の断片T25とT18とからなり、これらの断片の間にかなりの挿入(200残
基まで)をしても、その酵素活性がこの挿入に影響されることなく、許容され得
るものである;一方、2つの断片が解離すると、活性は失われる。これら2つの
断片は、アミノ酸1〜224(T25)とアミノ酸225〜400(T18)と
に対応するものである。
【0027】 従って、本発明の最も好ましい実施態様によれば、第224残基と第225残
基との間に挿入された、部位特異的タンパク質分解活性を有する少なくとも1つ
の分子のための1以上の切断部位を含むポリペプチド配列を含んでなる、百日咳
菌のアデニルシクラーゼが提供される。しかしながら、タンパク質が不活化する
ことなく外来配列の挿入を許容する別の部位を決定することが可能であるから、
本発明がこの部位に限定されないことは明らかである。例として、第137〜1
38残基、第228〜229残基、第235〜236残基、第317〜318残
基、および第384〜385残基が挙げられる(Ladant et. al., 1992, J. Bio
l. Chem., 267, 2244-50)。こうした部位は、このリストに限定されるものでは
なく、本発明を実施するために他の部位を使用することもできる。
【0028】 本明細書においては、「残基」と「アミノ酸」という用語とは、同じ意味を有
する。
【0029】 本発明はまた、本発明によるアデニルシクラーゼをコードしていることを特徴
とするポリヌクレオチド(好ましくはDNA断片)、およびこのようなDNA断
片もしくはポリヌクレオチドを含有するベクター、または本発明によるアデニル
シクラーゼの発現を可能にするベクターに関する。
【0030】 本発明はまた、タンパク質分解活性またはタンパク質分解活性阻害剤に対する
耐性を検出、同定および/または定量する方法において、DNA断片、ポリヌク
レオチドもしくはベクターによって発現された本発明による組換えアデニルシク
ラーゼまたはそれ自体の使用に関する。このような方法もまた、本発明の一部で
ある。
【0031】 従って、分子のタンパク質分解活性を検出するための本発明による方法は、下
記の工程を含んでなることを特徴とする: a.本発明による組換えアデニルシクラーゼにより、内因性のアデニルシクラ
ーゼを欠損しており、アデニルシクラーゼの酵素活性と連動して発現する表現型
を有している細菌株もしくは真菌株または細胞株を補足する工程、 b.前記補足された菌株または細胞株と被検分子とを接触させる工程、 c.アデニルシクラーゼの活性と連動する表現型を示す条件下で、前記菌株ま
たは細胞株を培養する工程、 d.前記表現型の発現をモニタリングする工程。
【0032】 内因性のアデニルシクラーゼが欠損している多くの細菌株もしく真菌株または
細胞株が存在する。とりわけ、大腸菌cya株、サルモネラ属の細菌、サッカロ
ミセス酵母株(Matsumoto et al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 23
55-9)、もしくはGH1(Martin et al., 1981, J. Cell. Physiol., 109, 289
-97)またはリンパ腫由来の細胞株(Bourne et al., 1975, Science, 187, 750-
2)を例示することができる。大腸菌cya株、とりわけ、DHT1株(F, gln
V44(AS), recA1, endA1, gyrA96 (Nalr), thi1, hsdR17, spoT1, rfbD1, cya-8
54, ilv-691::Tn10)を使用することが好ましい。この株、またはこの株のいず
れの変異体も、本発明の主題の1つである。
【0033】 本発明の目的のためには、細菌株DHT1の「変異体」という用語は、例えば
、RFLPまたはRAPD法によって決定されたときに、少なくとも90%、好ましくは95
%、98%もしくは99%の相同性(similarity index)を有し、DHT1株と同じ
表現型、すなわち、cyaを有する細菌株を意味する。
【0034】 用いる菌株または細胞株を補足するための好ましい方法の1つは、本発明によ
るDNA断片もしくはポリヌクレオチドの導入である。このような断片またはポ
リヌクレオチドは、本発明によるベクターによって保持されていてもよく、染色
体中に安定に組み込まれてもよい。当業者は、達成される結果に応じた1以上の
技術を選択することができるであろう。DNA断片またはポリヌクレオチドは、
本発明によるベクター上に、エピソームのように導入されることが好ましい。
【0035】 タンパク質分解活性を有する分子は、補足された菌株または細胞株中にタンパ
ク質分解活性を有する前記分子をコードしているDNA断片またはポリヌクレオ
チドを導入し、従って前記分子を前記菌株または細胞株中で発現させることによ
って、接触させることが好ましい。
【0036】 アデニルシクラーゼの活性に連動する、容易に検出できる表現型は、すでに例
示した。大腸菌においては、好ましくは、マルトースまたはラクトースなどの糖
の発酵能が選択される。
【0037】 タンパク質分解活性を有する分子の、タンパク質分解活性の阻害剤に対する耐
性に関する能力を決定するためには、上述のような方法が実施され、さらにb工
程において前記分子を前記阻害剤と接触させる。
【0038】 阻害剤に対する耐性のレベルもまた、観察された表現型の発現を定量すること
によって測定することができる。こうして、調べる表現型によって、当業者は、
β−ガラクトシダーゼの活性(天然においては、その発現はcAMPによって制
御される)をアッセイすることができる。当業者はまた、ルシフェラーゼ(この
場合には、cya株がcAMP/CAP−依存性プロモーターの制御下で、遺伝子と
ともに使用される)などの他のタンパク質の活性をアッセイするか、または与え
られた抗生物質に対する耐性を測定するか、またはGFPが用いられた場合には放
出される他の蛍光を測定することができるであろう。生成されたcAMPをアッ
セイすることも可能であり、これにより、宿主細胞におけるアデニルシクラーゼ
の活性を正確に測定することが可能となる。
【0039】 本発明による方法は、HIVプロテアーゼの、タンパク質分解活性および/ま
たは阻害剤に対する耐性を検出するために使用することが好ましい。
【0040】 従って、本発明による方法は、HIV感染の研究、とりわけ、新規なHIVプ
ロテアーゼ阻害分子を定義するため、研究中の阻害剤の効力を試験するため、ま
たは新規変異体の決定のための実験室での研究を行う上で非常に貴重なツールで
あり、このような研究により、ウイルスの耐性機構の理解が深まる。
【0041】 本発明の主題はまた、タンパク質分解活性を有する分子の活性または阻害剤に
対するそれらの耐性を検出するための検査用キットを製造するための、本発明に
よるアデニルシクラーゼ、DNA断片またはベクターの使用である。これらの分
子は、患者の血清または細胞中に存在しているウイルスによりコードされるもの
である。
【0042】 本発明による化合物を、患者における、[阻害剤への耐性を有する、タンパク
質分解活性を有する分子]/[前記阻害剤への耐性を有さない、タンパク質分解
活性を有する分子]の比を定量するための検査用キットを製造するために使用す
ることもできる。ここで、タンパク質分解活性を有する前記分子は、前記患者の
血清または細胞中に存在するウイルスによりコードされているものである。
【0043】 このような検査キットは、とりわけ、 a.内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細菌株もしくは真菌株または
細胞株と、 b.タンパク質分解活性を有する分子に対応する1以上の切断部位がその触媒
部位に挿入されている組換えアデニルシクラーゼをコードする、本発明によるD
NA断片、精製されたポリヌクレオチドまたはベクターと、 を含有する。
【0044】 これらのキットはまた、場合により、 c.場合により自己タンパク質分解配列が隣接している、目的のタンパク質
分解分子をコードするDNAを増幅するための特異的プライマー、および/また
は d.c.のプライマーを用いて増幅された目的のタンパク質分解活性分子を
コードするDNAをその中に挿入することを可能とする立体配置のベクター、お
よび/または e.d.のベクターと同じ基本構造を有し、陽性対照とするための活性なタ
ンパク質分解分子をコードしているベクター、および/または f.a.の細菌株もしくは真菌株または細胞株の増殖と、cAMP生成と関
連する表現型の検出を可能とする培養培地、および/または g.使用された菌株または細胞株におけるcAMPの生成を定量するための
試薬、および/または h.レポータータンパク質の発現を定量するための試薬 を含有してもよい。
【0045】 このような検査用キットにより、トランスに挿入されたプロテアーゼを研究す
ることが可能になる。これは、本発明によるアデニルシクラーゼをコードしてい
るもの以外のベクター上にこのプロテアーゼがその後に導入されることによる。
このため、アデニルシクラーゼをコードするベクターが、欠損株中にエピソーム
の形、またはゲノムに組み込まれる形のいずれで導入されたかを知ることができ
る。本発明によるアデニルシクラーゼ(b)で安定に補足された、アデニルシク
ラーゼを元来欠損している株(a)が提供される限り、後者の場合が特に好まし
い。選択を行うために抗生物質を使用することは必要ではなく、本発明による方
法の実施は変わらない。
【0046】 別の態様によれば、ベクターと株が別個に供給され、アデニルシクラーゼの活
性を復帰させるためには、ユーザーが株を形質転換させなければならない。
【0047】 本発明はまた、 a.内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細菌株もしくは真菌株または
細胞株と、 b.場合により自己タンパク質分解配列が隣接している、目的のタンパク質分
解分子をコードする遺伝子を、その酵素活性を保存したままアデニルシクラーゼ
の触媒ドメイン中に挿入することを可能とする立体配置を有する、アデニルシク
ラーゼをコードする、本発明によるDNA断片、精製されたポリヌクレオチドま
たはベクターと、 c.b.のDNA断片中に挿入するために、場合により自己タンパク質分解配
列が隣接している、目的のタンパク質分解分子をコードするDNAを増幅するた
めの特異的プライマーと、 を含有する検査用キットをも包含する。
【0048】 これらのキットはまた、場合により、 d.b.のベクターと同じ基本構造を有し、アデニルシクラーゼをコードす
るベクターであって、その触媒部位中に、場合によりタンパク質分解配列が隣接
する、陽性対照とするための活性なタンパク質分解分子が挿入されているベクタ
ー、および/または e.a.の細菌株もしくは真菌株または細胞株の増殖と、cAMP生成と関
連する表現型の検出を可能とする培養培地、および/または f.使用された菌株または細胞株におけるcAMPの生成を定量するための
試薬、および/または g.レポータータンパク質の発現を定量するための試薬 を含有してもよい。
【0049】 このような検査用キットにより、シスのプロテアーゼの作用を研究することが
可能となり、とりわけ、実施例で示すような阻害剤に対する耐性を検出するため
に特に有利である。
【0050】 これらの検査用キットは、ウイルスのプロテアーゼ、とりわけ、HIVプロテ
アーゼの研究を可能にするものであることが好ましい。この場合には、このプロ
テアーゼをコードするDNAとp5およびp6隣接領域とを増殖させる特異的プ
ライマー、とりわけ、配列番号7および配列番号8のプライマーが選択される。
【0051】 これらの検査用ツールにより、AIDSに罹患している患者の血清を用いて、プロ
テアーゼ阻害剤への耐性を有する変異体を早期に同定することが可能となる。こ
のようして、患者が保有しているウイルスの集団に基づいて、その患者に適した
治療を選択でき、治療の失敗を最小限に留めることができるものと期待される。
【0052】 事実、この系は簡易で迅速である(患者の血清におけるPCR、好ましくはp
UCに由来する、プラスミド中へのサブクローニング、およびDHT1などの細
菌における形質転換)。従って、RVAが2〜3週間を要するのに対し、結果をわ
ずか2〜3日で得られると期待できる。
【0053】 さらに、この試験では、HIVプロテアーゼをコードするプロウイルスのDN
A断片の取り扱いが制限的であるため、RVAアッセイとは異なり、いかなる汚染
の危険性もなくP3実験室を必要とすることもなく、試験を行うことができる。
【0054】 さらに、実施例で実証されるように、本発明は非常に高い感度で検出を行うこ
とを可能にする。特に、アデニルシクラーゼ(AC)は、半減期のきわめて短い
タンパク質である。さらに、百日咳菌のACの第224残基と第225残基を含
有するペプチドは、アデニルシクラーゼが比較的フレキシブルなタンパク質であ
る限り、外側のタンパク質に容易に接近することができる。このため、第224
残基と第225残基との間にタンパク質分解部位をうまく導入すると、目的のプ
ロテアーゼに対してこれらの部位をしっかりと接触させることができる。このた
め、これによって感度を高めることが可能になる。プロテアーゼがシスに挿入さ
れ、自己タンパク質分解が起こる系を使用したときでさえも、より高い感度が得
られる。なぜなら、この場合には、切断過程は分子内で生じ、補足された菌株ま
たは細胞株、例えば大腸菌、の他のタンパク質との競合は生じないからである。
【0055】 この遺伝子系はまた、特異的配列の切断に反応するプロテアーゼを検索するた
め、または与えられたプロテアーゼについて標的配列を検索するための大規模ス
クリーニングを行うために使用することもできる。
【0056】 従って、本発明はまた、分子ライブラリーにおいて、部位特異的タンパク質分
解活性を有する分子を同定する方法であって、ライブラリーの種々の分子につい
て上述の方法を実施することを特徴とし、細菌株もしくは真菌株または細胞株を
補足するアデニルシクラーゼが、検索の対象とするタンパク質分解活性を有する
分子のための特異的標的アミノ酸配列を含んでなるものである方法に関する。
【0057】 同様に、本発明は、タンパク質分解活性を有する分子のための標的配列を同定
する方法であって、細菌株もしくは真菌株または細胞株のライブラリーについて
上述の方法を実施することを特徴とし、それぞれの細菌株もしくは真菌株または
細胞株が、ある配列がタンパク質分解活性を有する分子のための切断部位からな
るものであるかどうかを決定するために、異なるアミノ酸配列を含む請求項1〜
7のいずれか一項に記載のアデニルシクラーゼで補足されているものである方法
に関する。
【0058】 下記の実施例により、ある好適な実施態様を展開することによって、本発明を
詳細に説明する。
【0059】 とりわけ、これらの実施例により、本発明の多くの利点、とりわけ、本発明の
方法の感度の高さ、および本発明の各系の利点(タンパク質分解活性を有する分
子のシスまたはトランスでの導入)が実証される。
【0060】 これらの実施例に基づいて、当業者は、あるパラメーターを改良することが可
能となるだろう。とりわけ、実施例で与えられたすべての数値は例示であって、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
【実施例】実施例1.菌株と培地 遺伝子構築物は、大腸菌XL1−Blue株(endA1, hsdR17, supE44, thi1,
λ-, recA1, gyrA96, relA1, Δ(lac-proB)/F-, proAB, lac19ZΔM15、Tn
10(tetr))(とりわけ、Stratagene社から市販されているもの)で調製し、プラ
スミドで発現されたタンパク質の活性は大腸菌DHT1株(F-, gln V44( AS),
recA1, endA1, gyrA96(Nalr), thi1, hsdR17, spoT1, rfbD1, cya-854, ilv-691
::Tn10)でアッセイした。この株は、2000年1月4日にCNCMに寄託され
、受託番号I−2375が付与されている。
【0062】 細菌を、ルリア−ベルターニ(Luria-Bertani、LB)液体培地または寒天培
地(寒天15g/l)で培養した。それらの糖の発酵能は、1%のマルトースを含
むマッコーンキー(MacConkey)寒天培地上で試験した(Miller, 1972, Experim
ents in Molecular Genetics, Cold Spring Harbor Lab. Press, Cold Spring H
arbor, NY)。抗生物質は以下の濃度で使用した:アンピシリン:100μg/mL
およびカナマイシン:50μg/mL。プロテアーゼ阻害剤、インディナビアー(
indinavir)(Crixivan、 Merck社)およびサキナビアー(saquinavir)(Invira
se、 Roche社)は、それぞれエタノールおよび水に溶解し(最終濃度20mM)、
示された濃度になるように培地で希釈した。
【0063】実施例2.プラスミド構築物 すべてのプラスミドを、Sambrookらによって記載された標準的な手順に従って
構築した(1989, Molecular Cloning: a laboratory manual, Cold Spring Harb
or Lab. Press, Cold Spring Harbor, NY)。プラスミドDNAを「Qiagen Kit
」(Qiagen GmbH, ドイツ)を用いて精製し、提供者(New England Biolabs社ま
たはFermentas社)の指示に従って適当な制限酵素で加水分解した。PCR(ポ
リメラーゼ連鎖反応)条件は、プライマーのプリンおよびピリミジン塩基組成の
性質により決定した(Saiki et al., 1988, Science, 239, 487-91)。
【0064】 プラスミドpUCVIHはプラスミドpUC19の誘導体であり(Sambrookら
、1989)、lacプロモーターの制御下で、HIVの野生型のプロテアーゼを発
現する。それを構築するために、マトリックスとして、HIVウイルスのプロウ
イルスDNAを用い、プライマーとしてオリゴヌクレオチドA1(配列番号5)
およびA2(配列番号6)を使用して、PCRを行った。
【0065】 得られたPCR産物をアガロースゲル上で精製し、BamHI酵素とSalI酵素とで
消化し、pUC19のBamHI部位とSalI部位との間にサブクローニングした。
【0066】 プラスミドpUCVIHは、2000年1月4日にCNCMに寄託され、受託
番号I−2376が付与されている。
【0067】 プラスミドpUCB1、pUCB3、pUCV1およびpUCV2は、pUC
19の誘導体であり、各々は変異したHIVプロテアーゼを発現する。これらの
プロテアーゼをコードしているDNAを患者の血清から増幅させ、マトリックス
として使用し、プライマーA1とA2を用いたPCRを行った。その後、精製し
、BamHIとSalIとで消化したPCR断片をpUC19にサブクローニングして、
プラスミドを構築した。
【0068】 プラスミドpKT25は、lacプロモーターの制御下でアデニルシクラーゼ
の不活性なT25断片だけを発現する、プラスミドpSU(Bartolome et al.,
1991, Gene, 102, 75-8)(pUCプラスミドおよびそれらの誘導体と適合性が
ある)の誘導体である。
【0069】 プラスミドpKACは、アデニルシクラーゼの触媒ドメイン全体を発現する。
これは、pCmAHL1(Karimova et al., 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 95, 5752-6)のAatII-EcoRI断片を、pKT25中にサブクローニングして構
築した。
【0070】 プラスミドpKACPrは、pSUの誘導体であり、lacプロモーターの制
御下で、組換えタンパク質ACp(アデニルシクラーゼの触媒ドメインのアミノ
酸224とアミノ酸225との間に挿入された、HIVプロテアーゼおよびその
2つの隣接配列p5とp6)を発現する(図1)。これは、プライマーA3(配
列番号7)とA4(配列番号8)を用いて、HIVウイルスのプロウイルスDN
A上でPCRを行って構築した。その後、精製し、消化したPCR産物を、pACM
224p815A(Karimova et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 5752-6
)のNheIとKpnI部位との間にサブクローニングした。その後、得られたプラスミ
ド、pACPをAatIIとEcoRIとで消化し、消化産物をpKT25中にサブクロー
ニングした。
【0071】 HIVの野生型のプロテアーゼが修飾されたプロテアーゼで置換されているp
KACPrの変異種(pKACB1, pKACB3, pKACV1, pKACV
2)を構築した。このために、突然変異体プロテアーゼをコードするDNAをプ
ライマーA3とA4とで増幅させ、PCR産物を精製し、NheIとKpnIとで消化し
、pKACPrのNheI部位とKpnI部位との間にサブクローニングした。
【0072】 プラスミドpKACp5は、相補的なオリゴヌクレオチドA5(配列番号9)
とA6(配列番号10)とをハイブリダイズさせ、それらをpKACPrのNheI
とKpnIとの間にサブクローニングして構築した。この配列は、HIVプロテアー
ゼの切断部位の1つであるp5ポリペプチドをコードしている。
【0073】 プラスミドpKACPrとpKACp5は、それぞれ2000年1月4日にC
NCMに寄託され、受託番号I−2377およびI−2378が付与されている
【0074】実施例3.β−ガラクトシダーゼ活性アッセイ β−ガラクトシダーゼ活性は、無色のオルトニトロフェニル−β−D−ガラク
トシド(ONPG)の加水分解を測定することによりアッセイする。遊離するオ
ルトニトロフェニルは基本培地中で呈色し、420nmにおける吸収を示す(O
NP:420nm、pH11でεmM=5)。
【0075】 細菌をLB培地中で、終夜、30℃で培養した。翌日、懸濁液を63B1培地で
5倍に希釈し(Miller et al., 上記を参照されたい)、この希釈液の600n
mにおける光学密度(OD)を測定し、その後、トルエン1滴と1%デオキシコ
ール酸ナトリウム1滴とを3mLのこの懸濁液に加えた。チューブを10秒間ボ
ルテックスにかけ、30分間、37℃で振盪した。この処理によって、細菌の膜
が壊れ、小さな分子(ONPGおよびONP)が自由に拡散する。
【0076】 このアッセイについて、トルエンを加えた懸濁液を1mLのPM2緩衝液(7
0mM NaHPO・12HO、30mM NaHPO・HO、1m
M MgSO、pH7、およびその場で添加した100mM β−メルカプト
エタノール)で希釈した。チューブを28℃に保ち、t=0で0.25mLのO
NPG溶液(13mMをβ−メルカプトエタノールを含まないPM2緩衝液に溶
解したもの)を加えて反応を開始させた。十分に着色したときに(0.250<
OD420<1.6)、0.5mLの1M NaCO(これは、培地のpH
を11にし、酵素を不活化する)を加えて反応を停止させる。
【0077】 420nmでのODを対照試料(他の試料と同じ処理をした1mLのPM2)
に対して読み取った。
【0078】 1ユニットのβ−ガラクトシダーゼは、pH7、28℃で1分間当たりに加水
分解された1ナノモルのONPGに相当する。その後、10個の細胞が細菌の
乾燥重量0.3mgに相当することに基づいて、600nmでのOD値を用いて
、1mL当たりのユニット数を細菌の乾燥重量1mg当たりのユニット数に換算
した。
【0079】実施例4.環状AMPアッセイ 細菌によって生成されたcAMPを、ウサギ抗−cAMP血清、およびアルカ
リホスファターゼと結合させたヤギ抗−ウサギ抗体を用いた間接ELISA(固
相酵素免疫検定法)免疫アッセイによって測定した。使用したアルカリホスファ
ターゼの基質は、PA緩衝液(100mM NaCl、5mM MgCl、1
0mM トリス塩酸、pH9.5)中に0.5mg/mLの濃度で添加した5’
−パラニトロフェニルリン酸二ナトリウムである。
【0080】 37℃で約1時間置いた後、λ=405nmで読み取りを行い、cAMP濃度
を、キャリブレーションの範囲内にある試料について得られたODと比較して計
算した。その後、濃度(pmol/mL)を細菌の乾燥重量1mg当たりのピコモ
ルに変換した(β−ガラクトシダーゼ活性アッセイに関して)。
【0081】実施例5.HIVプロテアーゼによる、百日咳菌のアデニルシクラーゼのトラン スにおける不活化 5.a.系の原理 この系はアデニルシクラーゼの酵素活性に影響することなく、アデニルシクラ
ーゼの触媒ドメイン中にポリペプチド配列を挿入する蓋然性に基くものである。
【0082】 百日咳菌のアデニルシクラーゼは、トリプシンによって2つの断片T25(ア
ミノ酸1〜224)とT18(アミノ酸の225〜400)に切断され、これら
は個々には触媒活性を有さない(Ladant, 1988, J. Biol. Chem., 263, 2612-8
)。他方で、アミノ酸224とアミノ酸225との間での挿入は、cAMPの生
産能を低下させるものではない。
【0083】 このため、与えられたプロテアーゼの特異的切断部位を、アデニルシクラーゼ
のアミノ酸224とアミノ酸225との間に導入しても、その活性が低下するこ
とはない。他方、この組換えタンパク質が対応するプロテアーゼと同時発現され
る場合には、2つの不活性なドメインT25およびT18が遊離するように、特
異的に切断される。このため、cAMP合成は生じない(図2)。
【0084】 百日咳菌のアデニルシクラーゼの機能的な活性を試験するために、内因性のア
デニルシクラーゼ(cya)欠損株を使用した。特に、大腸菌においては、転写ア
クチベーターCAP(カタボライトアクチベータータンパク質)に結合している
cAMPは、多くの遺伝子を活性化する複合体を形成しており、その中にマルト
ースオペロンとラクトースオペロンとが存在する。
【0085】 こうして、アデニルシクラーゼの触媒ドメインをこの株で発現させたときに、
cAMPの生成によりcyaの特徴が補足され、その後、この細菌はラクトースと
マルトースの発酵能を有することとなる。この同じ株で別のものとして発現され
たT25およびT18は、cAMPを生成することができず、この菌はそれらの
cyaの特徴を保存する。
【0086】 細菌の糖発酵能は、指示培地(LB−X−Galまたはマルトースを添加した
マッコンキー)、または選択培地(炭素源としてラクトースまたはマルトースの
みを含有する最少培地)上で見ることができる。
【0087】 1.b.in vivoにおける系の開発 この系を試験するために、本発明による組換えタンパク質である、ACp5の
中に、アデニルシクラーゼのアミノ酸224とアミノ酸225との間に、HIV
プロテアーゼのp5切断部位を導入したものを作製した。このタンパク質(pK
ACp5、実施例2)を発現するプラスミドと、野生型のHIVプロテアーゼ(
pUCVIHまたはpUC19)を含有するか、または含有しない適合性のある
プラスミドとで、大腸菌cya株を同時に形質転換した。その後、形質転換体の表
現型を、プロテアーゼ阻害剤を含有するマッコンキー−マルトース培地、または
プロテアーゼ阻害剤を含有しないマッコンキー−マルトース培地上で観察した。
【0088】 これらの表現型の試験結果から、以下のことが示された: (i)ACp5が大腸菌cya株中で発現されると、ACp5によってCya表現型
に復帰し得る;このため、アミノ酸224とアミノ酸225との間のp5ポリペ
プチドは、アデニルシクラーゼの活性を低下させない;
【0089】 (ii)pKACp5とpUCVIHとで同時形質転換されたDHT1株はプロテ
アーゼ阻害剤の不存在下でCya表現型を示す;このため、HIVのウイルスプ
ロテアーゼは、大腸菌中、in vivoで明らかに活性がある;このプロテアーゼは
、ACp5を切断し、その後ACp5が不活化されると、cAMPはもはや合成
されない。HIVプロテアーゼによるACp5の切断は、in vitroでも見られる
【0090】 (iii)これら同じ形質転換体は、プロテアーゼ阻害剤の存在下で、Cya表現型
となる;このため、ACp5はもはや切断されず、プロテアーゼがこれらの生成
物によって阻害されることが明確に示される;
【0091】 (iv)最後に、HIVプロテアーゼがACp5をp5配列で切断し、タンパク質
内の他の場所では切断しないことを証明するために、DHT1株を、pUCVI
HとpKACとで同時形質転換した(実施例2を参照されたい。pKACは、野
生型、すなわち、p5配列のないアデニルシクラーゼを発現するプラスミドであ
る)。これらの株のCya表現型は、後者がp5のような特異的部位を含む場合
には、HIVプロテアーゼだけがアデニルシクラーゼを切断することができると
いうことを示す。
【0092】 アデニルシクラーゼ活性に対する阻害剤の濃度の影響を調べるために、これら
の細胞を培養した液体培地中のβ−ガラクトシダーゼ活性を、培地中における阻
害剤の濃度の関数としてアッセイした(図3)。
【0093】 pKACp5とpUC19とで同時に形質転換したDHT1株の場合には、β
−ガラクトシダーゼ活性が高く、培地中の阻害剤の量とは関わりなく一定であっ
た。pKT25とpUC19とで同時形質転換された菌に関しては、T25断片
のみを発現する菌の基本的レベルに対応するβ−ガラクトシダーゼ活性を有して
いた。pKACp5とpUCVIHとで同時に形質転換された大腸菌DHT1に
ついては、β−ガラクトシダーゼ活性は培地中の阻害剤の量に依存し、細胞中の
プロテアーゼが徐々に阻害されることを反映していた。
【0094】 同様に、pKACPrとpUCVIHとで同時に形質転換されたDHT1によ
って生成されるcAMPの量は、倍地中の阻害剤の濃度とともに上昇するが、陽
性対照および陰性対照(各々、pKACp5+pUC19とpKT25+pUC
19)ではcAMPレベルは一定であった。
【0095】 こうした結果から、この遺伝子系が野生型のHIVプロテアーゼの活性を可視
化し、特異的な化合物によるこの活性の阻害を実証するのに十分な感度があるこ
とが示された。
【0096】 5.c.in vivoの系におけるインディナビアーとサキナビアーとに耐性なH
IVプロテアーゼの検出 本発明の方法が低い活性を検出するために十分な感度を有しているかどうかを
決定するために、プロテアーゼ阻害剤に耐性である突然変異体を研究した。
【0097】 4種類の臨床分離株(プロテアーゼ阻害剤に対して耐性を示す2種のウイルス
(B3およびV2)、およびプロテアーゼ阻害剤に対して耐性を示さない2種の
ウイルス(B1およびV1))を分析した。これら4株の遺伝子型および表現型
の特徴づけを、表1に示した。
【0098】
【表1】
【0099】 変異は、対照のウイルスプロテアーゼのアミノ酸配列(1〜99)に関して記載
されている(V:Val、I:Ile、M:Met、T:Thr、L:Leu、およびP:Pro)
。突然変異体の耐性のレベルは、ウイルスの複製を50%阻害するのに必要な阻害
剤の濃度における、(野生型のプロテアーゼと比較した)相対的な増加に対応す
る。これらのデータは、in vitroのアッセイ(組換えウイルスアッセイ)で得ら
れた。
【0100】 修飾されたプロテアーゼをコードするDNAをベクターpUC19中にクロー
ニングし、得られたプラスミドとpKACp5とで、DHT1株を同時に形質転
換した。形質転換された菌の表現型を、プロテアーゼ阻害剤を含むか、または含
まないマッコンキー・マルトース培地上で観察した。
【0101】 こうした条件の下で、B1プロテアーゼおよびV1プロテアーゼは野生型のプ
ロテアーゼのような挙動を示し(阻害剤の非存在下においては白色のコロニー、
阻害剤の存在下においては赤色のコロニー)、それらの遺伝子型および表現型の
特徴付け(表1)から、それらはプロテアーゼ阻害剤に対して耐性を示さないこ
とが期待された。
【0102】 突然変異体V2の場合には、インディナビアーの存在下では、表現型は野生型
のプロテアーゼと同じである(50μMのインディナビアーを用いるとCya
。サキナビアーの存在下では、この菌がCyaになるためにはより高い濃度を要
した(10μMに代えて20μM)。このため、突然変異体V2はサキナビアー
に対して耐性を示した(これは、表1のデータを確認するものである)。
【0103】 最後に、突然変異体B3の場合には、培地中に阻害剤がない場合をも含めて、
菌の表現型は常にCyaである。このことは、この突然変異体のタンパク質分解
活性が野生型のそれよりも低く、アデニルシクラーゼ分子の画分を切断する場合
でさえも、Cya表現型を生じさせる調節カスケードを活性化するのに十分な量
が残っているという事実によって説明さすることができる。
【0104】 このため、この系は、野生型のプロテアーゼおよび突然変異体B1、V1およ
びV2の活性を検出するためには感度は十分であるが、B3のようなより活性の
低い突然変異体を検出するためには感度が不十分である。この系の感度の不足は
、切断が、生物分子の過程:とりわけ、プロテアーゼが一旦合成されると、最初
に二量化されなければならず、第二にその基質と相互作用しなければならないと
いう過程の結果としてなされるものであるという事実に起因するものであるのか
もしれない。この期間中、切断されていないアデニルシクラーゼ分子はcAMP
を合成し、cAMPはカタボリック(catabolic)オペロンを活性化する。
【0105】 この系の感度を向上させるために、反応がより直接的である他の手段を採用し
た:プロテアーゼ全体をアデニルシクラーゼ中に挿入し、このキメラ分子の自己
タンパク質分解を研究した。
【0106】実施例6.百日咳菌のアデニルシクラーゼのシスにおける不活化。アデニルシク ラーゼ中に挿入されたHIVプロテアーゼの自己タンパク質分解。 6.a.原理 この系は、第一にHIVプロテアーゼの、第二に百日咳菌のアデニルシクラー
ゼの特定の性質を利用するものである。HIVの酵素と構造タンパク質は、ポリ
タンパク質の形で合成される。これらのポリタンパク質の突然変異体はプロテア
ーゼの影響を受け、プロテアーゼはそれ自身の配列の上流および下流(p5部位
およびp6部位)で配列を切断する。さらに、アデニルシクラーゼは、その酵素
活性に影響を与えることなく、T25およびT18断片の間に、かなりの大きさ
の挿入物(200残基まで)を受け入れる。
【0107】 このため、キメラタンパク質(ACPr)が構築され(実施例2)、アデニル
シクラーゼのアミノ酸224とアミノ酸225との間に、HIVプロテアーゼ(
99残基)ならびにその2つの切断配列p5およびp6(いずれも8アミノ酸)が
挿入される。この場合、野生型のプロテアーゼは不活性なT25およびT18を
別々に遊離しながら、自己タンパク質分解を行う。対照的に、プロテアーゼが不
活性な場合、または阻害剤が存在する場合には、それらの自己タンパク質分解は
起こらず、アデニルシクラーゼはそのcAMP合成活性を保存し、大腸菌cyaを
補足することができ、その後、この大腸菌はCya表現型を有するようになる(
図5)。
【0108】 6.b.in vivo系における野生型のプロテアーゼの研究 pKACPrもしくは他のpKT25(陰性対照)または他のpKACp5も
しくは他のpKAC(陽性対照)で形質転換したDHT1株の表現型を観察した
【0109】 pKACp5またはpKACで形質転換した細菌は、プロテアーゼがないため
に、条件にかかわらず、それらのCya表現型(マッコンキー マルトース上で
赤色コロニー)が保存された。対照的に、T25のみを発現している菌(DHT
1+pKT25)は、この断片が不活性であることから、常にCya(白色コロ
ニー)である。
【0110】 最後に、プラスミドpKACPrで形質転換した菌は、阻害剤の非存在下では
Cyaであり、サキナビアーまたはインディナビアーの存在下ではCyaである。
これらの結果から、プロテアーゼがアデニルシクラーゼ中に挿入されたときは、
このプロテアーゼはまだ活性であり、プロテアーゼ阻害剤を阻害できることが示
された。
【0111】 こうした定性的な結果が、これらの細胞を液体培養したときの培養液中のcA
MPとβ−ガラクトシダーゼ活性をアッセイすることによって得られた定量的な
データによって確認された(図6および7)。
【0112】 これらのデータから、野生ガラクトシダーゼのプロテアーゼの場合には、「シ
ス」におけるこの系は、少なくとも「トランス」における場合と同程度の感度で
あることが示唆された:プロテアーゼによる、キメラタンパク質AC/HIV-プ
ロテアーゼの特異的な自己タンパク質分解とそれらの阻害とを証明することを可
能にした。
【0113】 その後、突然変異体が阻害剤に対して耐性であるとき、とりわけ変異種B3であ
る場合に、活性の低いプロテアーゼを検出できるかどうかを決定するために、こ
の方法の感度を研究した。
【0114】 6.c.「シス」における系での阻害剤に耐性のHIVプロテアーゼの検出 この研究においては、B1、B3、V1およびV2のプロテアーゼをアデニル
シクラーゼのアミノ酸224とアミノ酸225との間に挿入し、得られたキメラ
タンパク質をDHT1株中で発現させた(プラスミドpKACB1、pKACB
3、pKACV1およびpKACV2)。
【0115】 予想したとおり、B1とV1とは野生型のプロテアーゼのような挙動をした(
阻害剤の非存在下においてはCya表現型、存在下においてはCya表現型)。突
然変異体B3(pKACB3)は、阻害剤の非存在下において、菌にCya表現
型を付与する。インディナビアーの存在下においては、pKACB3で形質転換
した菌は、濃度が100μMまではCya表現型であり(pKACPrで形質転
換した菌については50μMであるのに対し)、このことはこのプロテアーゼが
インディナビアーに耐性となる変異を有することを示している。サキナビアーの
存在下においては、pKACB3で形質転換したDHT1株は10μMではCya
であるのに対し、pKACPr(野生型のプロテアーゼ)で形質転換したもの
はこの培地上では赤くなっていた。このため、突然変異プロテアーゼB3もまた
、サキナビアーに対して耐性を示す。
【0116】 変異型プロテアーゼV2の場合には、この系により、サキナビアーとインディ
ナビアーに対する感度が低下していることを実証することが可能となる:pKA
CV2で形質転換した細菌は、100μMのインディナビアーまたは20μMの
サキナビアーを含む培地上ではCyaであったが、同じ培地上で、pKACPr
で形質転換した菌は赤色コロニーを形成した。
【0117】 このため、「シス」のおける系は、プロテアーゼが独立したプラスミドから供
給される系よりも、非常に高感度である;特に、B3プロテアーゼのように、非
常にタンパク質分解活性が低い場合でも活性を検出し、耐性の限定的な増加(4
×)を識別することを可能にする。
【0118】実施例7.阻害剤に耐性のHIVプロテアーゼの少数集団の検出 本実施例では、表現型アッセイを用いて、主に感受性の集団の中で、阻害剤に
耐性のプロテアーゼを発現しているHIVウイルスの少数集団を、本発明により
検出できることを示す。この方法は、患者の血清に対して日常的に使用すること
ができるが、初期段階の治療における耐性の出現の検出を可能にし、そして、任
意に、結果として治療を適正なものとすることを可能にする。
【0119】 これについては、種々の割合でpKACV2とpKACPrとを含む混合物(
1/1、1/10、および1/100)を調製し、その後、これらの混合物各々
でDHT1株を形質転換した。形質転換体の表現型を、野生型のプロテアーゼを
サキナビアー耐性プロテアーゼ(V2)と容易に見分けることができる、20μ
Mのサキナビアーを含むマッコンキー・マルトース培地上で観察した。
【0120】 pKACPrまたはpKACV2で形質転換されたDHT1は、阻害剤の非存
在下では白色である。これらと同一のDHT1を2つのプラスミドの混合物で形
質転換すると、20μMのサキナビアーの存在下では、ディッシュ上のコロニー
は不均一であり:白色のコロニーと赤色のコロニーとが見分けられた。
【0121】 さらに、ディッシュ上での白色コロニーの数に対する、赤色コロニーの数の割
合は、DHT1の形質転換に使用したpKACPrとpKACV2の相対的な量
に対応していた。白色コロニーがpKACV2に由来するものであり、赤色コロ
ニーがpKACPrに由来するものであることを証明するために、4個の赤色コ
ロニーと4個の白色コロニーとからプラスミドを精製し、その後EcoRIとKpnIと
で消化した。
【0122】 赤色コロニーから精製したプラスミドは、pKACPrと同じ消化プロファイ
ルを有していたのに対し(3852bpと710bpの2つの断片)、白色コロ
ニーに由来するプラスミドはpKACV2と同じ消化プロファイルを有していた
(これらは、2つのプラスミドの区別を容易にするためにEcoRI部位を除くよう
にデザインされており、EcoRI部位を有さないため、KpnIのみで消化される)。
【0123】 このため、赤色コロニーはpKACPrで形質転換された菌に正確に対応する
のに対し、白色コロニーはpKACV2に由来していた。このため、本発明に記
載された方法により、与えられた阻害剤に感受性のプロテアーゼを主に含む集団
の中から、この阻害剤に耐性のプロテアーゼを表現型で識別することが可能にな
った。
【0124】生物材料の寄託 下記の微生物を、ブダペスト条約の条文に従って、2000年1月4日にNati
onale de Cultures de Microorganism (CNCM)〔National Collection of Microo
rganism Cultures〕、25 rue du Docteur Roux, 75724 Paris Cedex 15, France
に寄託した。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一つの実施態様において使用したプラスミドを表した図。plac:
ラクトースオペロンプロモーター;T25およびT18:それぞれ百日咳菌のア
デニルシクラーゼのT25およびT18断片をコードする配列;p5およびp6
:HIVプロテアーゼの切断部位をコードしている配列;kan:カナマイシ
ン耐性遺伝子;amp:アンピシリン耐性遺伝子。pKT25プラスミドおよ
びその誘導体は、P15A型の複製開始点を有し、このため、pUCVIHプラスミ
ドおよびその誘導体と適合性がある(複製開始点:ColE1)。
【図2】 HIVウイルスプロテアーゼによるトランスのアデニルシクラーゼの不活化。
T25およびT18は、それぞれ、ACのアミノ酸配列1−224および225
−400に対応する。p5は、HIVプロテアーゼの特異的切断部位の一つ(プ
ロテアーゼ配列の上流側)である。Aにおいては、大腸菌で発現される組換えタ
ンパク質ACp5は、カルモジュリン非依存性であり、cAMPを合成し、ラク
トースオペロンおよびマルトースオペロンの活性化に至る基本的な活性を有する
。Bにおいては、ACp5で同時発現されるHIVプロテアーゼは、不活性なT
25断片およびT18断片から遊離するタンパク質を切断する:ここではcAM
Pは合成されない。Cにおいては、特異的に阻害されたプロテアーゼがACp5
を不活化できず、このため、cAMPが合成される。
【図3】 pKACp5とpUC19、pKACp5とpUCVIHまたは他のpKT2
5とpUC19で形質転換された細菌DHT1のβ−ガラクトシダーゼ活性。形
質転換された細菌を、示された濃度でプロテアーゼ阻害剤を加えたLB培地+カ
ナマイシン+アンピシリンで、終夜、30℃で培養した。その後、実施例3に示
すようにアッセイを行った。
【図4】 培地中におけるプロテアーゼ阻害剤の濃度の関数としての細胞中でのcAMP
合成。大腸菌DHT1を示したプラスミドで形質転換し、その後、示された濃度
でプロテアーゼ阻害剤を加えたLB培地+カナマイシン+アンピシリンで、終夜
、30℃で培養した。その後、実施例4に示すようにアッセイを行った。
【図5】 アデニルシクラーゼ中に挿入されたHIVプロテアーゼの自己タンパク質分解
。T25およびT18は、それぞれ、百日咳菌のアデニルシクラーゼのアミノ酸
1−224およびアミノ酸225−400を表し、p5およびp6はHIVプロ
テアーゼの特異的切断部位である。Aにおいては、プロテアーゼが自己タンパク
質分解して2つの不活性な断片T25とT18とを生じる;細菌はCyaのまま
である。Bにおいては、プロテアーゼ阻害剤がプロテアーゼを不活化し、もはや
自己タンパク質分解は起こらなくなる;その後、アデニルシクラーゼがcAMP
を合成し、Cya表現型に復帰する。
【図6】 培地中におけるプロテアーゼ阻害剤濃度の関数としての、pKACp5、pK
ACPrおよびpKT25で形質転換された細菌DHT1のβ−ガラクトシダー
ゼ活性。形質転換された細菌を、示された濃度でプロテアーゼ阻害剤を加えたL
B培地+カナマイシンで、終夜、30℃で培養した。その後、実施例3に示すよ
うにアッセイを行った。
【図7】 培地中におけるプロテアーゼ阻害剤濃度の関数としての、pKACp5、pK
ACPrおよびpKT25で形質転換された細菌DHT1におけるcAMP合成
。形質転換された細菌を、示された濃度でプロテアーゼ阻害剤を加えたLB培地
+カナマイシンで、終夜、30℃で培養した。その後、実施例4に示すようにア
ッセイを行った。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年3月18日(2002.3.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ダニエル、ラダン フランス国カシャン、リュ、ド、ランス、 3 (72)発明者 アニェ、ユールマン フランス国パリ、リュ、ポール、デュペ イ、3 (72)発明者 ナサリ、ドータン フランス国パンフ、リュ、ド、ロクセロ ワ、21 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA14 BA07 BA14 CA04 DA06 DA11 EA04 GA11 HA08 4B050 CC05 DD02 DD20 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ95 QR16 QR18 QR75 QR90 QS03 QS36 QS39 QX02 4B065 AA01Y AA26X AB01 BA01 BA02 CA29 CA33 CA44

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部位特異的タンパク質分解活性を有する少なくとも1つの分子のための1以上
    の切断部位を含む少なくとも1つのポリペプチド配列を含んでなる組換えアデニ
    ルシクラーゼであって、前記ポリペプチド配列がアデニルシクラーゼの触媒ドメ
    イン中に挿入されており、かつその酵素活性が保存されていることを特徴とする
    、組換えアデニルシクラーゼ。
  2. 【請求項2】 挿入されたポリペプチド配列が、タンパク質分解活性を有する分子に対応する
    ポリペプチド配列をも含んでなることを特徴とする、請求項1に記載のアデニル
    シクラーゼ。
  3. 【請求項3】 挿入されたポリペプチド配列が、HIVプロテアーゼに特異的な少なくとも1
    つの切断部位を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のアデニル
    シクラーゼ。
  4. 【請求項4】 HIVプロテアーゼに特異的な切断部位が、配列番号1に対応する一連のアミ
    ノ酸を含んでなる、p5部位であることを特徴とする、請求項3に記載のアデニ
    ルシクラーゼ。
  5. 【請求項5】 挿入されたポリペプチド配列が、配列番号3に対応する、p5およびp6切断
    配列によって挟まれたHIVプロテアーゼを含有することを特徴とする、請求項
    3に記載のアデニルシクラーゼ。
  6. 【請求項6】 前記アデニルシクラーゼが百日咳菌(Bordetella pertussis)のアデニルシク
    ラーゼであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアデニル
    シクラーゼ。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチド配列が、配列番号4のアミノ酸224とアミノ酸225との
    間に挿入されていることを特徴とする、請求項6に記載のアデニルシクラーゼ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のアデニルシクラーゼをコードするポリヌ
    クレオチド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のポリヌクレオチドを含有するか、または請求項1〜7のいず
    れか一項に記載のアデニルシクラーゼを発現しうる、ベクター。
  10. 【請求項10】 2000年1月4日に受託番号I−2378としてCNCMに寄託されたベク
    ターpKACp5であることを特徴とする、請求項4に記載のアデニルシクラー
    ゼを発現しうる、請求項9に記載のベクター。
  11. 【請求項11】 2000年1月4日に受託番号I−2377としてCNCMに寄託されたベク
    ターpKACPrであることを特徴とする、請求項5に記載のアデニルシクラー
    ゼを発現しうる、請求項9に記載のベクター。
  12. 【請求項12】 分子のタンパク質分解活性を検出する方法であって、 a.請求項1〜7のいずれか一項に記載の組換えアデニルシクラーゼにより、
    内因性のアデニルシクラーゼを欠損しており、アデニルシクラーゼの酵素活性と
    連動して発現する表現型を有している細菌株もしくは真菌株または細胞株を補足
    する工程と、 b.前記補足された菌株または細胞株と被検分子とを接触させる工程と、 c.アデニルシクラーゼの活性と連動する表現型を示す条件下で、前記菌株ま
    たは細胞株を培養する工程と、 d.前記表現型の発現をモニタリングする工程と を含んでなる、方法。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のポリヌクレオチド、または請求項9〜11のいずれか一項に
    記載のベクターの導入によって、内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細
    菌株もしくは真菌株または細胞株を補足することを特徴とする、請求項12に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細菌株が大腸菌(Escherichia co
    li)であることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 アデニルシクラーゼの酵素活性に連動して発現する表現型が、ラクトースまた
    はマルトースの発酵能であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一
    項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 アデニルシクラーゼの酵素活性に連動して発現する表現型が、抗生物質に対し
    て耐性を示す能力であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 アデニルシクラーゼの酵素活性に連動して発現する表現型が、容易に検出でき
    るタンパク質、特にルシフェラーゼまたはGFPを発現する能力であることを特
    徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 タンパク質分解活性を有する分子の阻害剤に対する耐性を検出する方法であっ
    て、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法の工程を含み、b工程で前記
    分子と阻害剤とを接触させることを特徴とする、方法。
  19. 【請求項19】 前記耐性のレベルが、対象とする表現型の発現を定量することによって測定さ
    れることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 タンパク質分解活性を有する分子がHIVプロテアーゼであることを特徴とす
    る、請求項18または19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 タンパク質分解活性を有する分子を検出するための検査用キットであって、 a.内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細菌株もしくは真菌株または
    細胞株と、 b.タンパク質分解活性を有する分子に対応する1以上の切断部位がその触媒
    部位に挿入されている組換えアデニルシクラーゼをコードするDNA断片、精製
    されたポリヌクレオチドまたはベクターと、 を含有することを特徴とする、キット。
  22. 【請求項22】 タンパク質分解活性を有する分子を検出するための検査用キットであって、 a.内因性のアデニルシクラーゼを欠損している細菌株もしくは真菌株または
    細胞株と、 b.場合により自己タンパク質分解配列が隣接している、目的のタンパク質分
    解分子をコードする遺伝子を、その酵素活性を保存したままアデニルシクラーゼ
    の触媒ドメイン中に挿入することを可能とする立体配置を有する、アデニルシク
    ラーゼをコードするDNA断片、精製されたポリヌクレオチドまたはベクターと
    、 c.b.のDNA断片中に挿入するために、場合により自己タンパク質分解配
    列が隣接している、目的のタンパク質分解分子をコードするDNAを増幅するた
    めの特異的プライマーと、 を含有することを特徴とする、キット。
  23. 【請求項23】 患者の血清または細胞中に存在するウイルスによってコードされる、タンパク
    質分解活性を有する分子の活性を検出するための検査用キット、またはそれらの
    阻害剤に対する耐性を検出するための検査用キットを製造するための、請求項1
    〜7のいずれか一項に記載のアデニルシクラーゼ、請求項8に記載のポリヌクレ
    オチド、または請求項9〜11のいずれか一項に記載のベクターの使用。
  24. 【請求項24】 患者における、患者の血清または細胞中に存在するタンパク質分解活性を有す
    る分子のうちの、[阻害剤への耐性を有する、タンパク質分解活性を有する分子
    ]/[前記阻害剤への耐性を有さない、タンパク質分解活性を有する分子]の比
    を定量するための検査用キットを製造するための、請求項1〜7のいずれか一項
    に記載のアデニルシクラーゼ、請求項8に記載のポリヌクレオチド、または請求
    項9〜11のいずれか一項に記載のベクターの使用。
  25. 【請求項25】 タンパク質分解活性を有する分子がHIVプロテアーゼであることを特徴とす
    る、請求項23または24に記載の使用。
  26. 【請求項26】 分子ライブラリーにおいて、部位特異的タンパク質分解活性を有する分子を同
    定する方法であって、ライブラリーの種々の分子について請求項12〜17のい
    ずれか一項に記載の方法を実施することを特徴とし、細菌株を補足するアデニル
    シクラーゼが、検索の対象とするタンパク質分解活性を有する分子のための特異
    的標的アミノ酸配列を含んでなるものである、方法。
  27. 【請求項27】 タンパク質分解活性を有する分子のための標的配列を同定する方法であって、
    細菌株もしくは真菌株または細胞株のライブラリーについて、請求項12〜17
    のいずれか一項に記載の方法を実施することを特徴とし、それぞれの細菌株もし
    くは真菌株または細胞株が、ある配列がタンパク質分解活性を有する分子のため
    の切断部位からなるものであるかどうかを決定するために、異なるアミノ酸配列
    を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のアデニルシクラーゼで補足されてい
    るものである、方法。
  28. 【請求項28】 2000年1月4日に受託番号I−2375としてCNCMに寄託されたDH
    T1株であることを特徴とする、内因性のアデニルシクラーゼを欠損している大
    腸菌(Escherichia coli)株またはその変異体。
  29. 【請求項29】 2000年1月4日に受託番号I−2376としてCNCMに寄託されたベク
    ターpUCVIHであることを特徴とする、HIVプロテアーゼをコードするベ
    クター。
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