JP2003525090A - 定量噴霧式吸入器 - Google Patents

定量噴霧式吸入器

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JP2003525090A
JP2003525090A JP2001563170A JP2001563170A JP2003525090A JP 2003525090 A JP2003525090 A JP 2003525090A JP 2001563170 A JP2001563170 A JP 2001563170A JP 2001563170 A JP2001563170 A JP 2001563170A JP 2003525090 A JP2003525090 A JP 2003525090A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、面上に線状非架橋高分子化合物が配置されている接触面を含む定量噴霧式吸入器を提供する。さらに、その作製方法ならびに治療におけるその使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、定量噴霧式吸入器に関する。より詳細には、本発明は、指定用量の
薬剤を終始一貫して送出するための定量噴霧式吸入器に関する。
【0002】 呼吸器および鼻の障害を治療するための薬物は、多くの場合、エーロゾル製剤
の形で口または鼻を介して投与される。そのようなエーロゾル薬物製剤を送出す
るために広く使用される方法の1つは、液化ガス噴射剤中の懸濁液または溶液と
して薬物を製剤化することを含む。懸濁液/溶液は、液体として噴射剤を保持す
るのに必要な圧力に耐えることのできる密封キャニスター中に保存される。懸濁
液/溶液は、キャニスターに固定された計量バルブを作動させることにより分配
される。
【0003】 計量バルブは、一般的には、規定体積の計量チャンバーを含み、1回操作する
ごとにあらかじめ決められた正確な用量の薬剤を投与するように設計されている
。噴射剤の高い蒸気圧によって懸濁液がキャニスターから計量バルブを通って押
し出されると、噴射剤は急速に気化して、薬物製剤の非常に細かい粒子の高速移
動雲が残る。この粒子雲は、円筒または開口円錐のようなチャネリングデバイス
によって患者の鼻内または口内に誘導される。エーロゾル計量バルブの作動と同
時に、患者は肺内または鼻腔内に薬物粒子を吸入する。このようにして薬物を送
出するシステムは、「定量噴霧式吸入器」(metered dose inhaler: MDI)として
知られている。この治療形態に関する一般的背景については、Peter Byron, Res
piratory Drug Delivery, CRC Press, Boca Raton, FL (1990)を参照されたい。
【0004】 衰弱性で場合により命を脅かすことさえある呼吸器障害の迅速治療のために、
患者は、MDIにより送達される薬物に頼ることが多い。したがって、患者に送達
されるエーロゾル薬物治療の指定用量は、終始一貫して、製造業者が主張する規
格値を満たしかつFDAや他の監督機関の要件に合致することが不可欠である。す
なわち、缶から送出されるすべての用量は、厳密な許容範囲内で同一でなければ
ならない。
【0005】 MDIのような薬物送達装置に付随して存在しうる問題は、液体噴射剤中の粒状
製品の懸濁液から装置の内面上への薬剤または固体成分の付着である。この付着
は、何回かの操作サイクル後および/または保存後に生じる。これにより、送達
装置および施される治療の有効性が低下する可能性がある。なぜなら、こうした
製品が付着すると、患者への送出に利用しうる有効薬物の量が減少し、装置の寿
命期間内に送出される用量の均一性が著しく低下するからである。
【0006】 薬物付着および用量均一性の問題は、P11、P114およびP12のような、オゾンに
やさしいクロロフルオロカーボン代替物として開発された1,1,1,2-テトラフルオ
ロエタン(HFA134a)および1,1,1,2,3,3,3-n-ヘプタフルオロプロパン(HFA227)な
どのヒドロフルオロアルカン噴射剤を用いたときにより大きくなる可能性がある
【0007】 いくつかの先行技術の装置は、その中に入っている液体噴射剤と製品との混合
物を攪拌するようにディスペンサーを振盪させることによって付着粒子を除去し
ようとしている。しかしながら、この対応策は、薬物容器自体の本体中では有効
な場合もありうるが、計量バルブのような他のMDI部品の内面上に付着した粒子
に対しては有効でないことがある。
【0008】 英国特許出願GB-A-2,238,932号には、MDIの計量バルブ中の計量チャンバーの
壁の一部分にライニングを施すべくフルオロポリマー、セラミックスまたはガラ
スのような材料のライナーを使用することが開示されている。これによりこれら
のタイプのディスペンサー中での付着の問題は軽減されるが、バルブ部材を製造
するための成形法および成形用具をライナーの挿入ができるように再設計または
改変することが必要となる。
【0009】 カナダ特許出願第2130867号には、キャニスターの内壁が架橋プラスチック被
覆材で被覆されているエーロゾル製剤を収容する定量噴霧式吸入器が記載されて
いる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびパーフルオロエチレンプロピレ
ン(FEP)が好適な被覆材料として特に挙げられている。国際特許出願PCT/US96/05
005(WO96/32150)号には、架橋高分子組成物、特に、1種以上の非フルオロカーボ
ンポリマーと組み合わされた1種以上のフルオロカーボンポリマーを含むポリマ
ーブレンドでキャニスターの内面の一部分または全部が被覆されている定量噴霧
式吸入器が記載されている。
【0010】 上記のポリマー被覆材は、キャニスターまたは他のMDI部品の壁面への薬物の
付着を最小限に抑えるが、この方法にはいくつかの技術的欠点が伴う。たとえば
、被覆プロセスに必要とされる高温、典型的には300℃を超える温度にさらされ
る結果として部品が変形することがある。したがって、部品をより厚いシート材
料から形成しなければならず、このことはコストと廃棄物量を増大させる。さら
に、部品の壁面にポリマーを確実に接着させるうえで困難が生じ、特に部品の表
面上に被覆材を均一に接着させることが難しい。
【0011】 おそらく最も重要なことは、そのような被覆材を使用すると、MDI装置の1回
目の使用から空になるまでの用量の均一性に変化が生じることが判ったことであ
る。
【0012】 予期せざることに、本発明者らは、本明細書に記載するように部品を処理する
ことによって、架橋ポリマー被覆材を使用する必要性がなくなり、それゆえに該
被覆材に伴う欠点が取り除かれる、ことを見出した。そのように処理された部品
は、その壁面への薬物付着を有利に低減し、かつ装置の寿命期間にわたりより大
きな用量均一性を与える。
【0013】 したがって、1態様において、本発明は、線状の非架橋高分子化合物がその面
上に配置された接触面を含む定量噴霧式吸入器を提供する。
【0014】 別の態様において、本発明は、線状の非架橋高分子化合物がその面上に配置さ
れた接触面を含む、定量噴霧式吸入器に使用するための部品または付属品を提供
する。
【0015】 本明細書中で用いる「接触面」とは、保存中および/または送出中に薬剤と接
触しているまたは接触するようになる、すなわち薬剤との境界接触面を形成する
、定量噴霧式吸入器、部品または付属品の内面の全部または一部を意味する。
【0016】 本明細書中で用いる「定量噴霧式吸入器」または「MDI」とは、キャニスター
と、キャニスターの口を覆うキャップと、キャップ中に位置する薬物計量バルブ
と、計量チャンバーと、キャニスターが挿着される好適なチャネリングデバイス
とを含む装置を意味する。「薬物計量バルブ」または「MDIバルブ」という用語
は、1回操作するごとにあらかじめ決められた量の薬物製剤をMDIから送達するバ
ルブおよびその関連機構を意味する。チャネリングデバイスには、たとえば、バ
ルブ用の作動装置と、充填されたMDIから患者の鼻または口にMDIバルブを介して
薬剤を送達する際に通過しうる円筒状または円錐状の流路とが含まれていてもよ
い。たとえば、マウスピースアクチュエーターが含まれていてもよい。典型的な
MDIの部品の関係については、米国特許第5,261,538号に示されている。
【0017】 したがって、部品または付属品には、定量噴霧式吸入器で用いるためのキャニ
スターおよび/または計量バルブおよび/または計量チャンバーおよび/またはチ
ャネリングデバイスおよび/またはアクチュエーターが含まれうる。
【0018】 線状の非架橋高分子化合物は多分子層として配置することができるが、これら
の層は別々に施してもよく、同一の化合物である必要はない。より好ましくは、
線状の非架橋高分子化合物を単分子層として配置する。
【0019】 本発明に従って処理した製造物を用いると、従来の架橋ポリマー被覆された定
量噴霧式吸入器と比べて投与量の変動が減少する。
【0020】 好ましくは、定量噴霧式吸入器は、指定された1回用量の90%〜110%の範囲の用
量の薬剤を終始一貫して送出するのに好適である。典型的には、定量噴霧式吸入
器は、指定された1回用量の95%〜105%、たとえば97%〜103%、たとえば98%〜102%
の範囲の用量の薬剤を送出するのに好適である。
【0021】 平均用量は、10台の定量噴霧式吸入器を用いて計算される。10台の吸入器のそ
れぞれについて、使用開始(BOU)用量および使用終了(EOU)用量を測定する。次に
、20の測定値の平均を計算する。投薬一貫性は、BOUからEOUまでの用量を調べて
10回の測定のそれぞれから得られる平均の結果を全平均に対するパーセントとし
て求めることにより計算される。
【0022】 本明細書中で用いる「終始一貫して送出する」とは、MDI装置中の薬物キャニ
スターから送出される最初の用量から最後の用量までの患者に送出されるエーロ
ゾル薬物の用量均一性を定義するものである。
【0023】 好ましくは、線状の非架橋高分子化合物フルオロカーボンである。より好まし
くは、この化合物は高度にフッ素化されており、すなわち高いフッ素対炭素比を
有する。
【0024】 高分子化合物は、一般的には、混合物として利用されるであろう。混合物の性
質は、本発明の利用を最適化するための一要因として変化させうる。
【0025】 典型的には、線状非架橋高分子化合物は、基体(たとえば、部品)の面上にこの
化合物を固定することのできる官能基を含む。
【0026】 第1の好ましい実施形態では、この化合物は、有機ホスフェート、たとえば、
ホスフェートをベースとしたパーフルオロエーテル誘導体である。典型的には、
該化合物はリン酸エステルの形をとりうる。
【0027】 第1のそのような実施形態では、本発明は、一般式(I): R1-(OC3F6)x-(OCF2)y-R2 (I) 〔式中、R1は、フルオロアルキル官能基を含み; xおよびyは、この化合物の分子量が350〜1000となるような数値であり; R2は、リン酸エステル官能基を含む。〕 で表される化合物を配置した接触面を含む、上記のような定量噴霧式吸入器、部
品または付属品を提供する。
【0028】 第2のそのような実施形態では、本発明は、一般式(II): R1-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)-R1 (II) 〔式中、R1は、-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2を含み、x、yおよびzは、この化合物の分
子量が900〜2100となるような数値であり、vおよびwは、独立して、1または2を
表す。〕 で表される化合物を配置した接触面を含む、上記のような定量噴霧式吸入器、部
品または付属品を提供する。
【0029】 好ましい1実施形態では、vおよびwは両方とも1である。第2の好ましい実施形
態では、vおよびwは両方とも2である。
【0030】 あるいはまた、第2の好ましい実施形態では、上記化合物は有機シラン誘導体
である。典型的には、上記化合物は、パーフルオロポリオキシアルカンのシラン
誘導体、特に、1600〜1750の範囲の分子量を有するパーフルオロポリオキシアル
カンのシラン誘導体の形をとりうる。具体例としては、参照により本明細書に組
み入れられる米国特許第4 746 550号に開示されるようなタイプ-CONR2R3 [式中
、R2およびR3は、独立して、水素またはシリルエーテル(たとえば、SiRt(OR)3-t 、ここで、R=水素またはC1-8アルキル、t=0〜2)から選択されうる] の官能基を
有するパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
【0031】 式(I)および(II)で表される化合物の合成法ならびにそれらの調製方法は、類
似の化合物が記載されているEP 687 533を参照することにより容易に決定しうる
。EP 338 531もまた、このタイプの化合物の調製に関する情報を提供する。上記
のタイプの他の高分子化合物を調製する方法は、前述の米国特許第4 746 550号
を参照することにより容易に決定しうる。
【0032】 いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、上記化合物のホスフ
ェートまたはシラン部分は、面上に化合物を固定するように部品の表面と反応す
ると考えられる。したがって、使用時、化合物の過フッ素化末端は医薬用製剤に
提示されるので、高度にフッ素化された表面が提供される。
【0033】 好ましくは、接触面の接触角は、70度よりも大きく、たとえば90度よりも大き
く、たとえば110度よりも大きい。
【0034】 本明細書中で用いる「接触角」は、液体/固体ガス界面での液体水滴と固体表
面とのなす角度として規定される。
【0035】 典型的には、接触面の導電率は、2.4mSよりも大きく、たとえば4.0mSよりも大
きい。好ましくは、導電率は7.9mSよりも大きい。
【0036】 本明細書中で用いる「導電率」は、WACOTM Enamel Rater II Balanceを用いて
、すなわち、定量噴霧式吸入器の被覆の完全性を測定するためのWACO導電率試験
を用いて、接触面と該面上に並置された塩(たとえば、1%の塩化ナトリウム)溶液
との間に6.3Vの低電圧を印加することにより評価される。したがって、この装置
による製造物の測定値は、15mAよりも大きく、典型的には25mAよりも大きく、た
とえば50mAよりも大きい。これらはそれぞれ、2.4mS、4.0mSおよび7.9mSよりも
大きい導電率に相当する。
【0037】 接触面は、金属、金属合金またはプラスチックの表面であってもよい。好まし
くは、接触面は金属または金属合金の表面である。
【0038】 第1の好ましい実施形態では、本発明に従う接触面を有する部品または付属品
は、キャニスターである。第2の好ましい実施形態では、本発明に従う接触面を
有する部品または付属品は、計量バルブ、特に、計量チャンバーである。
【0039】 定量噴霧式吸入器、その部品または付属品は薬剤の保存および/または送出に
適しており、そしてMDI、その部品または付属品上への薬剤の付着が30%〜80%、
たとえば40%〜80%、たとえば40〜60%、たとえば約50%低減される。
【0040】 本明細書中で用いる「薬剤の付着の低減」とは、線状非架橋高分子化合物が配
置された接触面を含まない定量噴霧式吸入器、その部品または付属品に生じる付
着を基準にしたものである。
【0041】 さらなる態様では、薬剤とフルオロカーボン噴射剤とを含む医薬用エーロゾル
製剤を収容している、上記の定量噴霧式吸入器で使用するためのキャニスターが
提供される。
【0042】 一般に使用されるエーロゾル製剤は、薬剤と、共噴射剤を場合により含有する
1種以上の液体噴射剤と、場合により補助剤または界面活性剤とからなる溶液/
懸濁液を含むが、本発明はどのようなエーロゾル製剤の送出にも適用することが
できる。
【0043】 本発明の別の態様では、上記のキャニスターおよび/または計量バルブおよび
/または計量チャンバーおよび/またはチャネリングデバイスおよび/またはア
クチュエーターを含む定量噴霧式吸入器が提供される。
【0044】 さらに別の態様では、本発明は、薬剤とフルオロカーボン噴射剤とを含む医薬
用エーロゾル製剤を送出するための、上記の定量噴霧式吸入器、その部品または
付属品の使用を提供する。
【0045】 さらなる態様では、本発明は、線状非架橋高分子化合物で接触面を処理するこ
とを含む、上記の定量噴霧式吸入器を得る方法を提供する。
【0046】 別の態様では、本発明は、線状非架橋高分子化合物で接触面を処理することを
含む、上記の定量噴霧式吸入器で使用するための部品または付属品を得る方法を
提供する。
【0047】 好ましくは、面上に多分子層を形成するように接触面を処理する。この層は、
同一の化合物である必要はない個別の層として施すことができる。最も好ましく
は、面上に単分子層を形成するように接触面を処理する。
【0048】 好ましい実施形態では、高分子化合物はフルオロカーボンである。典型的には
、この化合物は高度にフッ素化されている。
【0049】 典型的には、線状非架橋高分子化合物は、処理される面上に化合物を固定する
ことのできる官能基を含むことができる。
【0050】 第1の好ましい実施形態では、上記化合物は、有機ホスフェート、たとえば、
ホスフェートをベースとしたパーフルオロエーテル誘導体である。典型的には、
この化合物はリン酸エステルの形をとりうる。第2の同様に好ましい実施形態で
は、上記化合物は有機シラン誘導体である。典型的には、この化合物はパーフル
オロポリオキシアルカンのシラン誘導体の形をとりうる。
【0051】 本発明者らは、MDIまたは1つ以上のその部品を上記のように処理すると、薬
剤キャニスターから送出される薬剤の最初の用量から最後の用量まで向上した用
量均一性が得られることを見出した。有利なことに、ポリマーライニング材また
は被覆材の使用と相違して、本方法は、バルブ部材を製造するための成形法およ
び成形用具をライナーの挿入ができるように再設計または改変する必要がなく、
また、被覆工程で必要とされる高温(典型的には、300℃を超える)にさらされ
る結果として変形するのを避けるために厚壁の部品を使用する必要もない。した
がって、より薄い板材から部品を製造することができ、このことはコストと廃棄
物の量の低下につながる。また、低温処理も工程コストを低減させる。
【0052】 さらに、部品の壁面にポリマーを確実に接着させること(さらに特定すると、
部品表面にわって被覆を均一に接着させること)に起因する困難性が除かれる。
【0053】 好ましくは、上記の定量噴霧式吸入器、その部品または付属品を得る方法は、 i) 一般式(I): R1-(OC3F6)x-(OCF2)y-R2 (I) 〔式中、R1は、フルオロアルキル官能基を含み; xおよびyは、この化合物の分子量が350〜1000となるような数値であり; R2は、リン酸エステル官能基を含む。〕 で表される化合物、または ii) 一般式(II): R3-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)-R3 (II) 〔式中、R3は、-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2を含み、x、yおよびzは、この化合物の分
子量が900〜2100となるような数値であり、vおよびwは、独立して、1または2を
表す。〕 で表される化合物、または iii) 1600〜1750の範囲の分子量を有するパーフルオロポリオキシアルカンの
シラン誘導体、 を用いて接触面を処理することを含む。
【0054】 本発明者らはまた、MDI、その部品および付属品を製造するために使用する製
造用機械を本発明に従って処理してもよいと考えている。さらに、空のキャニス
ターまたは他のMDI部品に薬剤を充填するための装置を処理してもよい。このよ
うにして、MDIにその全充填量の薬剤を充填する段階で、付着または薬物計量に
起因する不正確さを防止することが可能である。
【0055】 従来の缶の代わりに本発明に従って処理された缶を用いて、当技術分野の方法
(たとえば、上記のByronの文献および米国特許第5,345,980号を参照されたい)に
より定量噴霧式吸入器を作製することが可能である。
【0056】 慣例に従って、MDIに使用するためのキャニスターおよびキャップは、アルミ
ニウムまたはアルミニウムの合金で作製されるが、ステンレス鋼、銅の合金、ま
たはブリキのように薬物製剤の影響を受けない他の金属を使用してもよい。この
ほか、ガラスまたはプラスチックからMDIキャニスターを作製してもよい。しか
しながら、好ましくは、本発明で用いるMDIキャニスターおよびキャップは、ア
ルミニウムまたはその合金で作製することが好ましい。
【0057】 薬物計量バルブは、ステンレス鋼、薬理学的に許容されるポリマー、たとえば
、アセタール、ポリアミド(NylonRなど)、ポリカーボネート、ポリエステル、フ
ルオロカーボンポリマー(TeflonRなど)またはこれらの材料の組み合わせで通常
作製される部品から構成されうる。さらに、種々の材料(ニトリルゴム、ポリウ
レタン、アセチル樹脂、フルオロカーボンポリマーなど)または他のエラストマ
ー材料でつくられたシールおよび「O」リングが、バルブ中およびその周りで利
用される。
【0058】 上記MDIの部品は、アルミニウムまたはステンレス鋼のようなコイル素材とし
て、たとえば、型押または延伸により造形する前に前処理を施してもよい。この
方法は、達成できる均一性の基準が高くかつあらかじめ被覆の施された素材を延
伸または型押する速度および精度が高いため、大量生産によく適合する。
【0059】 あるいはまた、あらかじめ成形されたキャニスターを処理することを含む第2
の方法に従って部品を製造してもよい。
【0060】 好ましくは、部品またはコイル素材は、上記の高分子化合物またはそれらの混
合物の溶液の入った処置タンクに浸漬(dip)または浴浸漬(bath immerse)しても
よい。
【0061】 部品またはコイル素材は、先に記載したような高分子化合物またはそれらの混
合物をイソプロピルアルコールのような任意の好適な溶媒に溶解させた0.1〜10%
w/w、好ましくは0.5〜5%、特に約1%の溶液で処理してもよい。
【0062】 あらかじめ成形された部品またはコイル素材に処理溶液を施すために、従来の
金属被覆法、たとえば噴霧および浸漬を使用することができる。好ましくは、あ
らかじめ成形された部品またはコイル素材を少なくとも1時間、たとえば12時間
にわたり室温で該溶液中に浸漬する。したがって、内部も外部も処理される。
【0063】 また、処理溶液をMDI部品の内部に注入し、その後排水することにより部品の
内部(たとえば、キャニスターの内面)のみを処理することもできる。
【0064】 好ましくは、処理したキャニスターを溶媒で洗浄し、高温で、たとえば50〜10
0℃で、場合により真空下で乾燥させる。
【0065】 医療に使用する場合、本発明に係るキャニスターは、薬剤とフルオロカーボン
または水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤とを含む医薬用エーロゾル製剤を
収容する。
【0066】 好適な噴射剤としては、たとえば、CH2ClF、CClF2CHClF、CF3CHClF、CHF2CClF 2 、CHClFCHF2、CF3CH2ClおよびCClF2CH3のようなC1-4水素含有クロロフルオロカ
ーボン;CHF2CHF2、CF3CH2F、CHF2CH3およびCF3CHFCF3のようなC1-4水素含有フ
ルオロカーボン;ならびにCF3CF3およびCF3CF2CF3のようなパーフルオロカーボ
ンが挙げられる。
【0067】 フルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンの混合物を利用する
場合、それらは、先に特定した化合物の混合物、あるいは他のフルオロカーボン
または水素含有クロロフルオロカーボン(たとえば、CHClF2、CH2F2およびCF3CH3 )との混合物、好ましくは2成分混合物でありうる。好ましくは、単一のフルオロ
カーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンを噴射剤として利用する。噴射
剤として特に好ましいのは、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)および1,1
,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)のようなC1-4水素含有フル
オロカーボンまたはそれらの混合物である。1,1,1,2-テトラフルオロエタンは特
に興味深いものである。
【0068】 本発明のキャニスターで使用するための医薬用製剤は、成層圏のオゾンの分解
を引き起こす成分をまったく含有していない。特に、この製剤は、CCl3F、CCl2F 2 およびCF3CCl3のようなクロロフルオロカーボンを実質的に含んでいない。
【0069】 噴射剤は、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタンなどの
飽和炭化水素またはジメチルエーテルなどのジアルキルエーテルのような揮発性
の補助剤をさらに含有していてもよい。一般的には、噴射剤の50% w/wまで、た
とえば1〜30%w/wが揮発性炭化水素で構成されていてもよい。しかしながら、揮
発性の補助剤を含まないかまたは実質的に含まない製剤が好ましい。特定の場合
には、適量の水を含有することが望ましいこともある。この水は、噴射剤の誘電
特性を改変するのに有利でありうる。
【0070】 薬物製剤の分散性を改良するために、C2-6脂肪族アルコールおよびポリオール
のような極性の共溶媒、たとえば、エタノール、イソプロパノールおよびプロピ
レングリコール、好ましくはエタノールを、唯一の添加剤として、または界面活
性剤のような他の添加剤に加えて、所望の量で薬物製剤に含有させてもよい。好
適には、薬物製剤は、噴射剤を基準にして0.01〜5% w/w、好ましくは0.1〜5% w/
w、たとえば約0.1〜1% w/wのエタノールなどの極性共溶媒を含有しうる。
【0071】 エーロゾル製剤中で界面活性剤を使用してもよい。従来の界面活性剤の例は、
参照により本明細書に組み入れるEP 372777に開示されている。界面活性剤の使
用量は、薬剤に対する重量比換算で0.0001%〜50%、特に、重量比換算で0.05〜5%
の範囲が望ましい。好ましい界面活性剤は、レシチン、オレイン酸およびソルビ
タントリオレエートである。しかしながら、好ましい製剤は、界面活性剤を含ま
ないかまたは実質的に含まない。
【0072】 医薬用製剤は、製剤の全重量を基準にして0.0001〜50% w/w、好ましくは0.001
〜20%、たとえば0.001〜1%の糖を含有していてもよい。一般的には、薬剤と糖の
比は、1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10の範囲内にある。製剤中で使用し
うる典型的な糖としては、たとえば、スクロース、ラクトースおよびデキストロ
ース、好ましくはラクトース、ならびにマンニトールやソルビトールのような還
元糖が挙げられる。また、これらの糖は、超微粉または微粉形態をとりうる。
【0073】 最終エーロゾル製剤は、望ましくは、製剤の全重量を基準にして0.005〜10% w
/w、好ましくは0.005〜5% w/w、特に0.01〜1.0% w/wの薬剤を含有する。
【0074】 本発明に従ってエーロゾル製剤の形態で投与しうる薬剤には、吸入療法に有用
なあらゆる薬物が包含される。また、この薬剤は、所定の噴射剤に実質的に完全
に不溶である形態で提示しうる。したがって、適切な薬剤は、たとえば、鎮痛剤
、具体的にはコデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルまたは
モルヒネ;狭心症製剤、具体的にはジルチアゼム;抗アレルギー剤、具体的には
クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、ケトチフェンまたはネドク
ロミル(たとえば、ナトリウム塩として);抗感染剤、具体的にはセファロスポリ
ン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリンおよ
びペンタミジン;抗ヒスタミン剤、具体的にはメタピリレン;抗炎症剤、具体的
にはベクロメタゾン(たとえば、ジプロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン
(たとえば、プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレ
ポニド、モメタゾン(たとえば、フロエートとして)、シクレソニド、トリアムシ
ノロン(たとえば、アセトニドとして)または6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキ
シ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-
17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステル;鎮咳剤
、具体的にはノスカピン;気管支拡張剤、具体的にはアルブテロール(たとえば
、遊離塩基として、または硫酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホ
酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、臭化水
素酸塩として)、ホルモテロール(たとえば、フマル酸塩として)、イソプレナリ
ン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピル
ブテロール(たとえば、アセテートとして)、レプロテロール(たとえば、塩酸塩
として)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、イソエタリ
ン、ツロブテロール、4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピ
ル]スルホニル]エチル]アミノ]-エチル-2(3H)-ベンゾチア-ゾロン;利尿剤、具
体的にはアミロリド;抗コリン作動剤、具体的にはイプラトロピウム(たとえば
、ブロミドとして)、チオトロピウム、アトロピンまたはオキシトロピウム;ホ
ルモン、具体的にはコルチゾン、ヒドロコルチゾンまたはプレドニゾロン;キサ
ンチン、具体的にはアミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィ
リネートまたはテオフィリンから選択しうる。適宜に、薬剤の活性および/また
は安定性の最適化ならびに/あるいは噴射剤への薬剤の溶解性の最小化を行うべ
く、塩(たとえば、アルカリ金属もしくはアミンの塩として、または酸付加塩と
して)の形態で、あるいはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、
あるいは溶媒和物(たとえば、水和物)として薬剤を使用してもよいことは当業者
には自明であろう。さらに、該当する場合は、純粋な異性体、たとえば、R-アル
ブテロールまたはRR-ホルモテロールの形態で薬剤を使用してもよいことも当業
者には自明であろう。
【0075】 本発明に従ってエーロゾル製剤を用いて投与するのに特に好ましい薬剤として
は、喘息のような呼吸器障害を吸入療法により治療するのに有用な抗アレルギー
剤、気管支拡張剤および抗炎症ステロイド剤、具体的には、クロモグリケート(
たとえば、ナトリウム塩として)、サルブタモール(たとえば、遊離塩基または硫
酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)、ホルモテロー
ル(たとえば、フマル酸塩として)、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、レ
プロテロール(たとえば、塩酸塩として)、ベクロメタゾンエステル(たとえば、
ジプロピオン酸エステル)、フルチカゾンエステル(たとえば、プロピオン酸エス
テル)が挙げられる。サルメテロール、特に、キシナホ酸サルメテロール、サル
ブタモール、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾンならび
に生理学的に許容されるそれらの塩および溶媒和物は、特に好ましいものである
【0076】 本発明に係るエーロゾル製剤が所望により2種以上の有効成分の組み合わせを
含有しうることは当業者であれば理解されよう。2種の有効成分を含有するエー
ロゾル組成物が喘息などの呼吸器障害の治療に用いられることは公知である。た
とえば、ホルモテロールとブデソニド、サルメテロール(たとえば、キシナホ酸
塩として)とフルチカゾン(たとえば、プロピオン酸エステルとして)、サルブタ
モールとベクロメタゾン(ジプロピオン酸エステルとして)が好ましい。
【0077】 特に好ましい組み合わせは、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールまた
はその塩(特に、キシナホ酸塩)との組み合わせである。
【0078】 本発明のキャニスターで使用するのに特に好ましい製剤は、薬剤と、噴射剤と
してのC1-4ヒドロフルオロアルカン、特に、1,1,1,2-テトラフルオロエタンおよ
び1,1,1,2,3,3,3-n-ヘプタフルオロプロパンまたはそれらの混合物とを含む。
【0079】 好ましい製剤は、医薬用添加剤を含まないかまたは実質的に含まない。したが
って、好ましい製剤は、薬剤と所定の噴射剤とから本質的になる(またはそれら
からなる)ものである。
【0080】 充填キャニスターの商業生産に用いられる大規模バッチを作製するために、医
薬用エーロゾル製造技術分野の当業者には周知の従来のバルク製造法および機械
類を利用することが可能である。したがって、たとえば、バルク製造法の1つで
は、計量バルブをアルミニウム缶に圧着させて空のキャニスターを形成する。粒
状薬剤を仕込容器に添加し、液化噴射剤を仕込容器に通して製造容器に加圧充填
する。薬物懸濁液を混合してから充填機械に再循環し、次に、薬物懸濁液のアリ
コートを計量バルブからキャニスターに充填する。
【0081】 別の方法では、製剤が気化しない程度に十分に低い温度条件下で液化製剤のア
リコートを開放キャニスターに添加し、次に、キャニスター上に計量バルブを圧
着させる。
【0082】 キャップは、超音波溶接またはレーザー溶接のような溶接、ネジ固定または圧
着(crimping)によりキャニスター上に固定することができる。好ましくは、製剤
計量バルブがキャップ中に位置しかつ該キャップが所定の位置に圧着されるよう
に、キャニスターにキャップアセンブリーを取り付ける。
【0083】 従来の缶の代わりに本発明に従って処理された缶を用いて、当技術分野の方法
(たとえば、上記のByronの文献およびWO96/32150を参照されたい)により、本明
細書に教示されるMDIを作製することが可能である。
【0084】 典型的には、医薬用途向けに作製されたバッチでは、充填キャニスターごとに
重量を検査し、バッチ番号でコード付けし、放出試験まで保存すべくトレーに詰
める。
【0085】 便宜上、使用前に各充填キャニスターを好適なチャネリングデバイス中に取り
付けて、患者の肺内または鼻腔内に薬剤を投与するための定量噴霧式吸入器を形
成する。好適なチャネリングデバイスは、たとえば、バルブアクチュエーターと
、充填キャニスターから計量バルブを介して患者の鼻または口に薬剤を送達する
際に通過しうる円筒状または円錐状の流路とを含む。たとえば、マウスピースア
クチュエーターを含む。定量噴霧式吸入器は、1回の操作すなわち「吐出」(puff
)で一定の単位用量の薬剤、たとえば、1回の吐出で10〜5000マイクログラムの範
囲の薬剤を送達するように設計される。
【0086】 軽度、中程度または重度の急性または慢性の症状の治療あるいは予防的処置の
ために、薬剤の投与が必要になる可能性がある。投与される正確な用量が患者の
年齢および状態、使用する特定の粒状薬剤ならびに投与の頻度に左右され、最終
的には主治医の自由裁量に委ねられることは理解されよう。薬剤を組み合わせて
利用する場合、組み合わされた各成分の用量は、一般的には、各成分を単独で使
用するときに利用される量であろう。典型的には、投与は1回以上、たとえば1日
あたり1〜8回、1回の投与につき1、2、3または4回の吐出を行いうる。1回のバル
ブ操作で、たとえば、5μg、50μg、100μg、200μgまたは250μgの薬剤を送達
しうる。典型的には、定量噴霧式吸入器で使用される各充填キャニスターは、60
、100、120または200回分の計量用量または吐出量の薬剤を収容する。各薬剤の
投与量については当業者であればわかっているかまたは容易に確認することが可
能である。
【0087】 本発明の他のさらなる態様には、本明細書に記載されるような有効量のエーロ
ゾル製剤を本発明の定量噴霧式吸入器から吸入することによる投与を含む喘息な
どの呼吸器障害の治療方法が包含される。
【0088】 以下の実施例を参照しながら本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本
発明を例示するためのもので、限定するものではない。実施例1 イソプロピルアルコール中の式(I)で表される化合物の1% w/w溶液をバンドが
形成されるように表面にスプレーしてから80℃、真空下で乾燥させることにより
前処理されたコイル素材から型押/延伸により標準的12.5ml MDIキャニスター(Pr
esspart Inc Cary NC)を作製する。次に、缶から空気をパージし、バルブを所定
の位置に圧着させ、約19.8gのHFA 134a中の約31.8mgの硫酸サルブタモールの懸
濁液をバルブから充填する。
【0089】実施例2 約4.25mgのキシナホ酸サルメテロールおよび約8gのHFA 134aの懸濁液をバルブ
から充填すること以外は、実施例1を繰り返す。
【0090】実施例3 22mgのプロピオン酸フルチカゾンおよび15gのHFA 134aの懸濁液をバルブから
充填すること以外は、実施例1を繰り返す。
【0091】実施例4 約44mgのプロピオン酸フルチカゾンおよび約12gのHFA 134aの懸濁液をバルブ
から充填すること以外は、実施例1を繰り返す。
【0092】実施例5 約13.8mgのプロピオン酸フルチカゾンと、約4mgのキシナホ酸サルメテロール
および8gのHFA 134aとの懸濁液をバルブから充填すること以外は、実施例1を繰
り返す。
【0093】実施例6 約29mgのプロピオン酸フルチカゾンと約21.4gのHFA 227との懸濁液をバルブか
ら充填すること以外は、実施例1を繰り返す。
【0094】実施例7〜12 式(I)で表される化合物の代わりに式(II)で表される化合物を利用すること以
外は、実施例1〜6を繰り返す。
【0095】実施例13〜18 式(I)で表される化合物の代わりに1600〜1750の範囲の分子量を有するパーフ
ルオロポリオキシアルカンのシラン誘導体を利用すること以外は、実施例1〜6を
繰り返す。
【0096】 本発明の開示が例示を目的としたものであり、本発明が、当業者の通常の技術
範囲内にあるその修正態様、変更態様および改良態様にまで及ぶことは理解され
よう。
【0097】 本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、文脈上別途必要でないかぎ
り、「含む」という単語および「含んでいる」などのその変化形は、指定された
整数もしくはステップまたは整数のグループを包含することを意味するが、その
他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループをすべて除外
することを意味するものでないことが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 0018684.1 (32)優先日 平成12年7月28日(2000.7.28) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハイレー,マーク,アンドリュー イギリス国 エスジー12 0ディージェー ハートフォードシャー,ウェア,パーク ロード,グラクソスミスクライン

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面上に線状非架橋高分子化合物が配置されている接触面を含
    む定量噴霧式吸入器。
  2. 【請求項2】 面上に線状非架橋高分子化合物が配置されている接触面を含
    む、定量噴霧式吸入器に使用するための部品または付属品。
  3. 【請求項3】 定量噴霧式吸入器に使用するためのキャニスター、計量バル
    ブ、計量チャンバー、チャネリングデバイスおよびアクチュエーターからなる群
    より選択される、請求項2に記載の部品または付属品。
  4. 【請求項4】 前記高分子化合物が面上に多分子層として配置されている、
    請求項1に記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2もしくは3に記載の部品ま
    たは付属品。
  5. 【請求項5】 前記高分子化合物が面上に単分子層として配置されている、
    請求項1に記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2もしくは3に記載の部品ま
    たは付属品。
  6. 【請求項6】 定量噴霧式吸入器が指定された1回用量の90〜110%の範囲の
    用量の薬剤を終始一貫して送出するのに適している、請求項1、4もしくは5に
    記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2〜5のいずれか1項に記載の部品また
    は付属品。
  7. 【請求項7】 前記高分子化合物がフルオロカーボンである、請求項1、4
    〜6のいずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2〜6のいずれか
    1項に記載の部品または付属品。
  8. 【請求項8】 前記フルオロカーボンが高度にフッ素化されている、請求項
    7に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  9. 【請求項9】 前記高分子化合物が、面上にこの化合物を固定することので
    きる官能基を含む、請求項1、4〜8のいずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器
    、または請求項2〜8のいずれか1項に記載の部品または付属品。
  10. 【請求項10】 前記化合物が有機ホスフェートである、請求項9に記載の
    定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  11. 【請求項11】 前記化合物が、ホスフェートをベースとしたパーフルオロ
    エーテル誘導体である、請求項10に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属
    品。
  12. 【請求項12】 前記化合物がリン酸エステルである、請求項10または請
    求項11に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  13. 【請求項13】 面上に一般式(I): R1-(OC3F6)x-(OCF2)y-R2 (I) 〔式中、R1は、フルオロアルキル官能基を含み; xおよびyは、この化合物の分子量が350〜1000となるような数値であり; R2は、リン酸エステル官能基を含む。〕 で表される化合物が配置されている接触面を含む、請求項12に記載の定量噴霧
    式吸入器、部品または付属品。
  14. 【請求項14】 面上に一般式(II): R1-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)w-R1 (II) 〔式中、R1は、-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2を含み、x、yおよびzは、この化合物の分
    子量が900〜2100となるような数値であり、vおよびwは、独立して、1または2を
    表す。〕 で表される化合物が配置されている接触面を含む、請求項12に記載の定量噴霧
    式吸入器、部品または付属品。
  15. 【請求項15】 vおよびwが両方とも1である、請求項14に記載の定量噴
    霧式吸入器、部品または付属品。
  16. 【請求項16】 vおよびwが両方とも2である、請求項14に記載の定量噴
    霧式吸入器、部品または付属品。
  17. 【請求項17】 前記化合物が有機シラン誘導体である、請求項9に記載の
    定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  18. 【請求項18】 前記化合物がパーフルオロポリオキシアルカンのシラン誘
    導体である、請求項10に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  19. 【請求項19】 面上に、1600〜1750の範囲の分子量を有するパーフルオロ
    ポリオキシアルカンのシラン誘導体である化合物が配置されている接触面を含む
    、請求項11に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  20. 【請求項20】 接触面の接触角が70度より大きい、請求項1、4〜19の
    いずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2〜19のいずれか1項
    に記載の部品または付属品。
  21. 【請求項21】 接触面の導電率が2.4mSより大きい、請求項1、4〜20
    のいずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器、または請求項2〜20のいずれか1
    項に記載の部品または付属品。
  22. 【請求項22】 接触面が金属、金属合金またはプラスチックの表面である
    、請求項21に記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  23. 【請求項23】 接触面が金属または金属合金の表面である、請求項22に
    記載の定量噴霧式吸入器、部品または付属品。
  24. 【請求項24】 薬剤を保存および/または送出するためのものであり、保
    存中および/または送出中に、定量噴霧式吸入器、部品または付属品への薬剤の
    付着が30%〜80%低減される、請求項1、4〜23のいずれか1項に記載の定量噴
    霧式吸入器、または請求項2〜23のいずれか1項に記載の部品または付属品。
  25. 【請求項25】 薬剤、フルオロカーボン噴射剤および場合により溶媒を含
    む医薬用エーロゾル製剤を収容しているキャニスターを含む、請求項2〜24の
    いずれか1項に記載の部品または付属品。
  26. 【請求項26】 請求項2〜25のいずれか1項に記載のキャニスターおよ
    び/または計量バルブおよび/または計量チャンバーおよび/またはチャネリン
    グデバイスおよび/またはアクチュエーターを含む定量噴霧式吸入器。
  27. 【請求項27】 薬剤およびフルオロカーボン噴射剤を含む医薬用エーロゾ
    ル製剤を送出するための、請求項1、4〜24もしくは26のいずれか1項に記
    載の定量噴霧式吸入器、または請求項2〜25のいずれか1項に記載の部品また
    は付属品の使用。
  28. 【請求項28】 送出される医薬用エーロゾル製剤が、液化されたHFA 134a
    、227またはそれらの混合物から選択される噴射剤中に懸濁されている薬剤であ
    る、請求項27に記載の使用。
  29. 【請求項29】 前記噴射剤が実質的に補助剤を含まない、請求項27また
    は28に記載の使用。
  30. 【請求項30】 前記薬剤が、プロピオン酸フルチカゾン、サルブタモール
    、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、サルメテロール、製薬上許容されるそれらの
    塩、溶媒和物またはエステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項2
    7〜29のいずれか1項に記載の使用。
  31. 【請求項31】 接触面を線状非架橋高分子化合物で処理することを含む、
    請求項1、4〜24もしくは26のいずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器、ま
    たは請求項2〜25のいずれか1項に記載の定量噴霧式吸入器に用いるための部
    品または付属品の取得方法。
  32. 【請求項32】 前記高分子化合物が面上に多分子層として配置される、請
    求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記高分子化合物が面上に単分子層として配置される、請
    求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記線状高分子化合物がフルオロカーボンである、請求項
    31〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 【請求項35】 フルオロカーボンが高度にフッ素化されている、請求項3
    4に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記高分子化合物が、面上にこの化合物を固定することの
    できる官能基を含む、請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記化合物が有機ホスフェートである、請求項36に記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 前記化合物が、ホスフェートをベースとしたパーフルオロ
    エーテル誘導体である、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記化合物がリン酸エステルである、請求項37または3
    8に記載の方法。
  40. 【請求項40】 表面を一般式(I): R1-(OC3F6)x-(OCF2)y-R2 (I) 〔式中、R1は、フルオロアルキル官能基を含み; xおよびyは、この化合物の分子量が350〜1000となるような数値であり; R2は、リン酸エステル官能基を含む。〕 を有する化合物で処理することを含む、請求項31〜39のいずれか1項に記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 表面を一般式(II): R1-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)w-R1 (II) 〔式中、R1は、-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2を含み、x、yおよびzは、この化合物の分
    子量が900〜2100となるような数値であり、vおよびwは、独立して、1または2を
    表す。〕 を有する化合物で処理することを含む、請求項31〜39のいずれか1項に記載
    の方法。
  42. 【請求項42】 前記化合物が有機シラン誘導体である、請求項31〜36
    のいずれか1項に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記化合物がパーフルオロポリオキシアルカンのシラン誘
    導体である、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 接触面を1600〜1750の範囲の分子量を有するパーフルオロ
    ポリオキシアルカンのシラン誘導体である化合物で処理することを含む、請求項
    31〜36、42または43のいずれか1項に記載の方法。
JP2001563170A 2000-03-01 2001-02-28 定量噴霧式吸入器 Pending JP2003525090A (ja)

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