JP2003524164A - 微小毛管に基づく試験システム - Google Patents

微小毛管に基づく試験システム

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JP2003524164A JP2001561440A JP2001561440A JP2003524164A JP 2003524164 A JP2003524164 A JP 2003524164A JP 2001561440 A JP2001561440 A JP 2001561440A JP 2001561440 A JP2001561440 A JP 2001561440A JP 2003524164 A JP2003524164 A JP 2003524164A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、液体サンプル中の成分、好ましくは体液中の分析物および、特に、血液中のグルコースの存在を測定するための微小毛管に基づく試験システムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、流体サンプル中の成分、好ましくは体液中の分析試料、そして特に
血液中のグルコースを測定するための微小毛管に基づく試験システム(microcap
illary-based test system)に関する。
【0002】 記載される試験システムの特徴は、サンプル流体、例えば全血または間質組織
流体を例えばクロマトグラフィーにおいて使用されているような毛管の中で毛管
力により吸引することである。
【0003】 家庭ユーザー分野における、特に血液グルコースの自己診断は長年にわたり確
立されている技術状態である。
【0004】 それにもかかわらず、精度および再現性並びに特に取り扱い性およびユーザー
への親しみ易さにおけるさらなる改良を得るという目標で、現存する製品の絶え
まないさらなる開発が望ましい。電気化学的検出反応に基づくバイオセンサーお
よび呈色反応を反射光測定で評価する膜に基づく試験片が最新式のものである。
【0005】 ユーザーの親しみ易さに関すると、特に患者の血液をいわゆる「吸い込み」機
構により吸引するバイオセンサーが有利であると判定されている。
【0006】 再現性のある結果を得るためには、電気化学センサー(例えばUSP 5 75
9 364)の場合には電極区画全体を血液で覆わなければならず、この目的の
ためには、一般的に、少なくとも3μlもしくはそれ以上の血液が現在既知の製
品の場合に必要である。
【0007】 反射光測定で評価される膜に基づく試験片(例えばUSP 5 453 360
)の場合には、一般的にさらにそれより多量の血液が必要である。
【0008】 再現性および精度に関すると、試験部品中の生化学試薬システムの均一な適用
がセンサー形状および膜構造の不変性の他に特に極めて重要である。
【0009】 ここでは、電気化学的バイオセンサーは、スクリーン捺染またはマイクロピペ
ット処理による、センサー電極区画に対する酵素/メディエタ調合物の適用を包
含する。
【0010】 比色試験片システムの場合には、微孔性膜に酵素/指示薬調合物を含浸または
コーテイングする。
【0011】 多種の微小毛管がクロマトグラフィー、特にガスクロマトグラフィー(GC)
、から既知であり、例えば "Making and Manipulating Capillary Columns for
Gas Chromatography" by Kurt Grob, Heuthing Verlag, 1986 を参照のこと。
【0012】 上記の目標基準に関して、例えば、クロマトグラフィーにおいて使用されてい
る微小毛管カラムに基づく実質的な進歩が実現されうることが今回驚くべきこと
に見いだされた。
【0013】 本発明は、従って、毛管力によるサンプリングのための試験システムにおける
微小毛管の使用に関する。
【0014】 別の面によると、本発明はまた分析物(analyte)のサンプリングが微小毛管
により行われる流体サンプル用の試験システムにも関する。好ましくは、分析物
のサンプリングおよび検出は微小毛管中で行われる。
【0015】 本発明に従う試験システムは、サンプル流体が試験フォーマットの結合剤また
は接着剤と接触できないという利点を有する。
【0016】 適する微小毛管は特にガスクロマトグラフィーから知られている。そのような
ガスクロマトグラフィー(GC)微小毛管は、毛管形状並びに試薬、例えば親水
性固定相用のポリエチレングリコール類または疎水性固定相用のポリシロキサン
類による毛管内部のコーテイングの両方に関して、再現性および精度の高い水準
を満たす。適する微小毛管はまた毛管電気泳動からも知られている。
【0017】 本発明に従い使用される微小毛管の寸法および材料性質は、それらが毛管力に
より実質的に水性であるサンプル流体を吸引するようなものである。吸引される
サンプル量は好ましくは3μlより少なく、特に好ましくは1μlより少なく、
非常に特に好ましくは0.5μlもしくはそれより少ない。
【0018】 本発明に従い使用される微小毛管は好ましくは円い断面を有する。微小毛管の
内径は好ましくは500μmより小さく、特に好ましくは250μmより小さく
、非常に特に好ましくは25μm〜200μmである。
【0019】 使用される微小毛管の長さは好ましくは2cmまでであり、特に好ましくは1
cmまでであり、非常に特に好ましくは約0.5cmである。
【0020】 微小毛管の本発明に従う使用の場合には、それぞれの試験フォーマット中に含
有される微小毛管が、各場合に使用される測定原理に応じて正確に定められたサ
ンプル量を吸引し、これは特に反応の、例えば酵素呈色反応の終点の測定に適用
される。
【0021】 1cmもしくはそれより短い毛管長さの場合、一般的に、非常に少量であるサ
ンプル流体、例えば0.5μlの血液または間質組織流体でも機能試験のために
充分であるような寸法のGCまたは毛管電気泳動カラムが本発明に従う目的に適
することが証明された。
【0022】 少ないサンプル量のために、本発明に従う毛管カラムはいわゆる「最少侵襲性
(minimally invasive)」試験キットの条件にも合致し、このことは患者に対す
る疼痛がほとんどない点に関して特に有利であると言われる。
【0023】 微小毛管はそれぞれの条件下で不活性である適当な材料よりなる。これらの例
は石英ガラス、標準ガラス、および金属、例えば、鋼である。
【0024】 微小毛管は、クロマトグラフィー中の固定相(stationary phase)とも称され
る内部コーテイングを有する。原則的にはGCカラムから既知である多数の材料
がこのコーテイングのために適する。親水性材料、例えば、種々の分子量を有す
るポリエチレングリコール(カルボワックス(CarbowaxR))およびポリエチレン
グリコール誘導体、例えばモノステアリン酸カルボワックス4000が適する。
別の親水性固定相はポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコールまたはシク
ロデキストリン類から製造することができる。
【0025】 親油性固定相に関しては疎水性材料も内部コーテイング用に適しており、シロ
キサン重合体およびシロキサン共重合体が最も一般的なものである。例はジメチ
ルポリシロキサン類、(50%シアノプロピル)−メチルポリシロキサン類、(
50%トリフルオロプロピル)−メチルポリシロキサン類または5%フェニルポ
リカルボランポリシロキサン類である。
【0026】 固定相(微小毛管カラムの内部コーテイング)の適用に関すると、GCカラム
から既知である標準的工程を参照することができる。上記の文献(K. Grob, 198
6)に記載されているように、原則的には2つの方法がある。これらは静止コー
テイングおよび動的コーテイングである。60〜100m長さの毛管はこれらの
工程によりコーテイングされうる。上記の文献中に記載されているように、固定
相の重合体は石英カラムの表面に共有結合されうる。
【0027】 従来のGCカラムの他に、いわゆるPLOT(多孔層開放管状(Porous Layer
Open Tubular))カラムを本発明の概念における微小毛管として使用することも
できる。PLOTカラムでは、例えば、アルミナ、シリカゲル、分子ふるいまた
は多孔性重合体が固定相として使用される。
【0028】 本発明に従う試験部品用に適する別の微小毛管カラムタイプは毛管電気泳動カ
ラムであり、それらは例えば25μmの非常に小さい内径でも利用できる。
【0029】 従来の毛管カラムは普通は上記の石英(溶融シリカ)よりなる。これまでに使
用されているガラスカラムはクロマトグラフィー中ではあまり重要でなくなって
きたが、それらの優れた透明性のために本発明に従う試験部品用には確かに重要
性がある。
【0030】 石英カラムには、一般的には、それらの外側に、高温に対して安定な黄色/褐
色のポリイミド層が付与される。その結果、石英毛管の脆さがなくなり、そして
容易に取り扱える御しやすいシステムが生ずる。
【0031】 特に比色評価の場合には、本発明に従う試験部品には良好な透明性が必要であ
る。従って、着色されたポリイミドコーテイングの代わりに、透明無色の重合体
、例えば、ポリシロキサン類、アクリル重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリアミドまたはポリエーテルポリスルホンを使用することも可能である
。必要なら、光学評価用の微小毛管の対応する領域中で面倒なコーテイングを除
去することもできる。
【0032】 本発明に従う試験キットの重要な構成部分としての微小毛管の必須条件は、そ
れらが全血または他の試験流体を毛管力により吸引するそれらの性質である。
【0033】 例えばポリエチレングリコール(カルボワックスR)またはアルミナでの親水
性コーテイングを有するカラムは血液を著しく吸引することが驚くべきことに見
いだされたが、疎水性コーテイングで改質された(例えばポリシロキサンで改質
された)カラムはこの性質を有していない。
【0034】 しかしながら、後者のカラムタイプはこの目的のために特殊な界面活性剤を用
いる後処理により改質することができる。
【0035】 適する界面活性剤は、イオン性界面活性剤、例えばSDS、両性界面活性剤、
例えば燐脂質、および非イオン性界面活性剤、例えばプルロニックR(PluronicR)
または弗素界面活性剤(例えばベイオウェット(Bayowet)FT219R)である。
【0036】 サンプル流体は一般的には実質的に水性である流体、特に体液である。例は尿
、間質組織流体および血液である。
【0037】 測定できる代表的な分析物(analyte)は、例えば、グルコース、ビリルビン
、ケトン類、pH、蛋白質およびコレステロールである。
【0038】 検出試薬は好ましくは微小毛管の内部コーテイング中に含有される(固定相)
。測定、例えば比色測定は一般的には微小毛管壁を通して行われる。分析物に特
異的な検出試薬の一体化に関しては、診断において確立されているシステム、例
えば、酵素もしくは非酵素呈色反応によるまたは電気化学的方法による検出を使
用することができ、呈色反応、特に酵素呈色反応が好ましい。それ故、例えば血
液グルコースの量的検出のために、種々の酵素で調節される呈色反応を利用する
ことができ、酸素−非依存性の酵素反応がここに記載されている毛管試験キット
のために好ましい。
【0039】 例えば、テトラゾリウム指示薬を用いるグルコースデヒドロゲナーゼシステム
またはヘキソキナーゼシステムがグルコース検出のために適する。
【0040】 対応する試薬の導入は固定相用の調合物を介して、固定相上へのコーテイング
としてのその後の適用によりまたはこれらの変法の組み合わせにより行うことが
できる。
【0041】 試験反応を不均一に、すなわち固定相中で行うこともでき、または固定相中に
導入される検出試薬をサンプル流体中に溶解することもでき、その場合には均一
反応が流体相中で起きそして比色的に監視することができる。
【0042】 呈色反応は、特に例えば固定相としてアルミナを有するPLTOカラムを用い
る場合には反射により、または透明毛管システム、例えばポリワックスを固定相
として有するGCカラムの場合には透過で評価することができ、反応速度または
反応の終点のいずれかを測定することができる。
【0043】 指示薬のタイプにより、呈色反応の透過率測定は、赤血球を予め分離せずに、
全血サンプル中で行うこともできる。
【0044】 実際の取り扱いに関しては、本発明に従う微小毛管システムを適当なフォーマ
ット中で一体化すべきである。適する試験フォーマットは原則的には当業者によ
く知られている。微小毛管中で起きる酵素呈色反応の光学的評価を可能にするフ
ォーマットが好ましい。
【0045】 図1および2に示されているように、下記の実験のためにも使用された「試験
片フォーマット(test strip format)」は重合体フィルムおよび両面接着テー
プを用いて製造することができる。
【0046】 図1は、カバーフィルム(1)、スペーサーフィルム(2)、両面接着テープ
(3)、微小毛管(4)およびベースフィルム(5)を含んでなる微小毛管試験
フォーマットの断面を示す。
【0047】 図2は平面図で微小毛管試験フォーマットを示す。
【0048】 試験片デザインは、適当な穿孔により、光度計評価が行われる領域にフィルム
や接着テープが存在しないようにしたものでもありうる。
【0049】 毛管充填工程を観察できるように、上部カバーフィルムは透明であることがで
きる。
【0050】 同じ目的、すなわちサンプル流体による毛管の完全充填の記録は毛管カラムの
終点に検査窓としての切断部を有するフィルターを含有する(白色)カバーフィ
ルムを用いることによっても達成できる。
【0051】 医学的診断の他に、本発明に従う微小毛管システムに関しては高スループット
スクリーニング(throughput screening)の分野における適用も可能である。
【0052】 それ故、微量滴定板の形状に平行に対応して配置されておりそして浸入時に個
々の微量滴定板区画からサンプル流体を吸引しそして対応する検出反応を開始す
るような垂直試験配列が可能である。
【0053】 実施例実施例1:酵素/指示薬調合物の製造 1.1.成分 指示薬: チアゾリルブルーテトラゾリウムブロミド(MTT) メチルチアゾリルジフェニル−テトラゾリウムブロミド (フルカ(Fluka)88415) 酵素: グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH35U/mg) ジアポラーゼ(54U/mg) 補酵素: NAD(ジホスホピリジンヌクレオチド一水和物) 界面活性剤:ホスホリポン90G(ローン・プーラン(Rhone Poulenc)) 1.2.原料溶液 指示薬溶液: メタノール中10%MTT 酵素/補酵素溶液:各場合とも燐酸塩緩衝液中1M溶液pH7.0 界面活性剤溶液: イソプロパノール中10%ホスホリポン90G 1.3.含浸調合物: 下記の成分を撹拌しながら混合して、透明な溶液が得られる。 MTT溶液: 11.43g GDH溶液: 28.57g ジアホラーゼ溶液:28.57g NAD溶液: 28.57g ホスホリポン溶液:2.86g実施例2:PLOTカラムのコーテイング 微小毛管カラム:HP−PLOT Al23「KCl」不活性化、0.32mm
内径 上記の文献(K. Grob)に記載されている通りにして、PLOTカラムの20c
m長さの部分に注射器を用いて充填した。
【0054】 約2分後に窒素を吹き込み、その後にカラムを温風(40℃)で乾燥した。実施例3:血液を用いる吸引性能 1cm長さのコーテイングされた微小毛管部分(マッチェリー−ナゲル(Mache
rey-Nagel)からのポリワックスコーテイングされたGCカラム、320μm内径
)は全血を問題なく吸引した(<1秒)。 グルコース溶液を用いる試験: 各場合とも1cm長さに製造された毛管カラムを下記の水溶液を用いて試験し
た:0、25、100および250mg/dlのグルコース。
【0055】 グルコース溶液の吸引で、次第に増加するグルコース濃度において次第に増加
する強度の青色着色が観察された。
【0056】 呈色反応を評価するために、褐色のポリイミドコーテイングをフレームの適用
により除去した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 30/88 G01N 30/88 N 33/66 33/66 D (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛管力によりサンプリングするための試験システムにおける
    微小毛管の使用。
  2. 【請求項2】 微小毛管が内表面上にコーテイングを有し且つ分析試料用の
    検出システムを含有する請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 血液中のグルコースの測定のための請求項1または2に記載
    の使用。
  4. 【請求項4】 微小毛管がガラスまたは石英よりなる請求項1〜3のいずれ
    かに記載の使用。
  5. 【請求項5】 微小毛管の内径が500μmまたはそれより小さい請求項1
    〜4のいずれかに記載の使用。
  6. 【請求項6】 サンプリングが微小毛管により行われる流体サンプル用の試
    験システム。
  7. 【請求項7】 分析物のサンプリングおよび検出が微小毛管中で行われる請
    求項6に記載の試験システム。
  8. 【請求項8】 吸引されるサンプル量が3μlより少ない請求項6または7
    に記載の試験システム。
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