JP2003523769A - 改変された蛍光タンパク質 - Google Patents

改変された蛍光タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 機能性赤色蛍光タンパク質、それらをコードする核酸、およびそれらの使用方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の利用分野 本発明は、一般的に、赤色蛍光タンパク質の機能性突然変異体およびそれらの
使用方法に関するものである。
【0002】発明の背景 自然界で蛍光を放つタンパク質は、その明るい可視蛍光のため、また、外因性
の補助因子や試薬を添加せずとも生存細胞内で発現されるその能力のため、細胞
に基づくアッセイのレポーター分子として関心を集めている。蛍光タンパク質は
、遺伝子発現のマーカー、細胞系統のトレーサー、生存細胞内のタンパク質局在
をモニタリングするための融合タグとして、また、蛍光共鳴エネルギー転移(FR
ET)を用いたアッセイの蛍光供与体もしくは受容体として利用されており、成功
を収めてきた。多数の生物種に由来する蛍光タンパク質がすでに特徴づけられて
いるが、クラゲ(Aequorea victoria)由来の緑色蛍光タンパク質がおそらく最
も広く研究されている例であろう。
【0003】 クラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)は、安定で、タンパク質加水分解に抵抗
する、238残基からなる単一のポリペプチド鎖であり、約395nmと約475nmに2つ
の吸収極大を有する(Tsien (1998) Annu. Rev. Biochem. 67, 509-544)。これら
2つのピークの相対振幅は、環境因子(Ward & Bokman (1982) Biochemistry 21:
4535-4540; Wardら (1982) Photochem. Photobiol. 35:803-808)および照明歴(A
.B. Cubittら (1995) Trends Biochem. Sci. 20:448-455)の影響を受けやすい。
395nmの第1吸収ピークでの励起は、量子収率0.72〜0.85でもって508nmに発光極
大をもたらす(Shimomura & Johnson (1962) J. Cell. Comp. Physiol. 59:223)
【0004】 蛍光団は、残基Ser65とGly67の間のポリペプチド主鎖の自触媒作用による環化
およびTyr66のα-β結合の酸化により生じる(Codyら (1993) Biochemistry 32:1
212-1218; Heimら (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:12501-12504)。Ser6 5 をThrに変える突然変異(S65T)は、励起スペクトルを、488nmでの増大した振幅
の単一ピークへと単純化し(Heimら(1995) Nature 373:664-665)、もはやコンフ
ォメーション異性体の形跡を与えない。このタンパク質のcDNAが1992年にクロー
ニングされてから、該タンパク質にいろいろな突然変異が導入されている(D.C.
Presherら(1992) Gene 111:229-33)。GFPの突然変異誘発により、天然のGFP(配
列番号10)と比べて、明確に区別されるスペクトル特性を有し、明るさが増加し
、哺乳動物細胞における発現およびフォールディングが向上した、様々な突然変
異体が作製されている(表1参照)(Green Fluorescent Proteins, 第2章, 第1
9〜47頁, Sullivan & Kay編, Academic Press; 1997年4月29日発行のTsienらに
よる米国特許第5,625,048号; 1998年7月7日発行のTsienらによる米国特許第5,77
7,079号; および1998年9月8日発行のCormackらによる米国特許第5,804,387号)
。多くの場合、これらの遺伝子工学的に作製された機能性蛍光タンパク質は、野
生型のクラゲGFPよりもすぐれたスペクトル特性を有し、本明細書において使用
するのに適している。
【0005】
【表1】
【0006】 X線結晶解析研究は、このタンパク質の構造を明らかにし、そして、突然変異
の影響、環境上の影響、並びに野生型および変異型のクラゲGFPに生じる光化学
的事象を解明するうえで役に立った(Ormoら(1996) Science 273:1392-1395; Yan
gら(1996) Nat. Biotechnol. 14:1246-1251; Brejcら(1997) Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 94:2306-2311; Scharnaglら(1999) Biophys J. 77:1839-1857; Elsli
gerら(1999) Biochem. 38:5296-5301)。これらの研究により、クラゲGFPの発色
団構造の詳細な分子像が得られ、発色団のまわりの電子環境のどのような変化が
蛍光特性の改変へと至らせるのか、について正確な理解が可能となった。
【0007】 こうした知見にもかかわらず、これまでの努力では、安定で、明確に規定され
た、クラゲGFPの赤色蛍光突然変異体を作ることができなかった。赤色蛍光タン
パク質(RFP)は蛍光マーカーとして特に魅力のある物質である。なんとなれば
、赤色光は、青色またはUV光源よりも光毒性が低く、組織を通ってより効率的に
伝達され、しかも散乱しにくいからである。さらに、細胞は一般的に、UV光と比
べて赤色光で照らされたとき、あまり自己蛍光を示さない。
【0008】 近年、花虫類(Anthozoan)の蛍光タンパク質がいくつかのサンゴ種から単離さ
れ(Matzら(1999) Nature Biotech. 17:969-973)、これらのタンパク質は、赤色
波長で蛍光発光スペクトルを示すという理由から、大きな注目を集めている。
【0009】 しかし、既存の野生型花虫類蛍光タンパク質は、励起および発光スペクトルが
広範で、ストークスシフトが比較的小さく、また、哺乳動物細胞において発現さ
せたとき量子収率とモル吸光係数が低いために、多くの用途にあまり向いていな
い。励起スペクトルが広範囲であることにより、赤色蛍光タンパク質のスペクト
ルと他の利用可能な蛍光タンパク質のスペクトルとの重複が生じ、他の蛍光タン
パク質を直接励起させないで赤色蛍光タンパク質を効率よく励起させることは困
難である。こうした要因が多重分析およびFRET応用例に対する既存の赤色蛍光タ
ンパク質の有効性を減ずることとなる。
【0010】 本発明は、明るさが向上し、スペクトルのクロストーク(cross talk)が少なく
、哺乳動物細胞において速やかにかつ効率的に発現されるようにデザインされた
、機能性赤色蛍光タンパク質に関する。機能性赤色蛍光タンパク質は、多重蛍光
分析および既存のクラゲ蛍光タンパク質を用いるFRETに基づいた応用例にうまく
適合する。
【0011】発明の概要 本発明は、蛍光マーカーとして、また、FRETパートナーとして使用するための
、スペクトル特性および生化学的特性が改良された赤色蛍光タンパク質の突然変
異体を包含する。本発明の機能性赤色蛍光タンパク質は、フォールディングと明
るさが向上するように、また、哺乳動物細胞において発現させたとき、よりシャ
ープで、より限定された励起および発光ピークを有する機能性赤色蛍光タンパク
質を生成するようにデザインされた主要な突然変異を1以上含んでいる。
【0012】 一実施形態において、本発明は、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S
69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y15
1、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216
に相当する少なくとも1つの突然変異を有する機能性赤色蛍光タンパク質をコー
ドするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
【0013】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、野生型花虫類赤色蛍光タンパク質
(配列番号7)と比較して、487nmで低下したモル吸光係数を示す。
【0014】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、野生型花虫類赤色蛍光タンパク質
(配列番号7)と比較して、530nmで低下したモル吸光係数を示す。
【0015】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、野生型花虫類赤色蛍光タンパク質
(配列番号7)と比較して、583nmで高いモル吸光係数を示す。
【0016】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、558nmで励起させたとき、野生型
花虫類赤色蛍光タンパク質(配列番号7)よりも明るい。
【0017】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、37℃で増殖させた哺乳動物細胞に
おいて発現させたとき、野生型花虫類赤色蛍光タンパク質(配列番号7)よりも
明るい。
【0018】 別の態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、野生型花虫類赤色蛍光タンパク
質(配列番号7)と比較して、高い量子収率を示す。
【0019】 一態様では、機能性赤色蛍光タンパク質は、野生型花虫類赤色蛍光タンパク質
(配列番号7)と比較して、より速い自触媒形成速度を示す。
【0020】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、D59S、D59A、D59H、D59E
およびD59Pからなる群より選択される、配列番号7の位置59に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0021】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、I60T、I60A、I60C、I60V
およびI60Lからなる群より選択される、配列番号7の位置60に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0022】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、S62A、S62G、S62Cおよび
S62Tからなる群より選択される、配列番号7の位置62に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0023】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、P63T、P63H、P63Fおよび
P63Wからなる群より選択される、配列番号7の位置63に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0024】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Q64K、Q64P、Q64T、Q64N
およびQ64Rからなる群より選択される、配列番号7の位置64に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0025】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、F65L、F65V、F65I、F65M
、F65YおよびF65Wからなる群より選択される、配列番号7の位置65に相当する少
なくとも1つの突然変異を有する。
【0026】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Q66R、Q66P、Q66K、Q66E
、Q66T、Q66AおよびQ66Gからなる群より選択される、配列番号7の位置66に相当
する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0027】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、S69L、S69A、S69Vおよび
S69Tからなる群より選択される、配列番号7の位置69に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0028】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、K70M、K70Q、K70Lおよび
K70Rからなる群より選択される、配列番号7の位置70に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0029】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、V71C、V71L、V71Aおよび
V71Iからなる群より選択される、配列番号7の位置71に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0030】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Y72FおよびY72Wからなる
群より選択される、配列番号7の位置72に相当する少なくとも1つの突然変異を
有する。
【0031】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、V73A、V73L、V73Sおよび
V73Iからなる群より選択される、配列番号7の位置73に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0032】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、W93L、W93Y、W93Cおよび
W93Fからなる群より選択される、配列番号7の位置93に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0033】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、R95Kからなる群より選択
される、配列番号7の位置95に相当する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0034】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、N98T、N98D、N98Aおよび
N98Qからなる群より選択される、配列番号7の位置98に相当する少なくとも1つ
の突然変異を有する。
【0035】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、W143L、W143F、W143C、W
143YおよびW143Lからなる群より選択される、配列番号7の位置143に相当する少
なくとも1つの突然変異を有する。
【0036】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、A145P、A145S、A145Gお
よびA145Lからなる群より選択される、配列番号7の位置145に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0037】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、S146R、S146G、S146N、S
146H、S146T、S146AおよびS146Dからなる群より選択される、配列番号7の位置1
46に相当する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0038】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、T147N、T147KおよびT147
Sからなる群より選択される、配列番号7の位置147に相当する少なくとも1つの
突然変異を有する。
【0039】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、E148VおよびE148Dからな
る群より選択される、配列番号7の位置148に相当する少なくとも1つの突然変
異を有する。
【0040】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Y151F、Y151N、Y151D、Y
151S、Y151TおよびY151Aからなる群より選択される、配列番号7の位置151に相
当する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0041】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、G159A、G159SおよびG159
Vからなる群より選択される、配列番号7の位置159に相当する少なくとも1つの
突然変異を有する。
【0042】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、I161V、I161F、I161Mお
よびI161Lからなる群より選択される、配列番号7の位置161に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0043】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、K163I、K163R、K163T、K
163E、K163V、K163GおよびK163Aからなる群より選択される、配列番号7の位置1
63に相当する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0044】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、G171SおよびG171Aからな
る群より選択される、配列番号7の位置171に相当する少なくとも1つの突然変
異を有する。
【0045】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、S179A、S179P、S179T、S
179E、S179QおよびS179Kからなる群より選択される、配列番号7の位置179に相
当する少なくとも1つの突然変異を有する。
【0046】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Y181F、Y181W、Y181Nお
よびY181Iからなる群より選択される、配列番号7の位置181に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0047】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、S197Y、S197T、S197Nお
よびS197Aからなる群より選択される、配列番号7の位置197に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0048】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、L199I、L199V、L199Iお
よびL199Aからなる群より選択される、配列番号7の位置199に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0049】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、Y214F、Y214HおよびY214
Lからなる群より選択される、配列番号7の位置214に相当する少なくとも1つの
突然変異を有する。
【0050】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、E215G、E215QおよびE215
Rからなる群より選択される、配列番号7の位置215に相当する少なくとも1つの
突然変異を有する。
【0051】 一実施形態において、機能性赤色蛍光タンパク質は、R216K、R216L、R216Cお
よびR216Fからなる群より選択される、配列番号7の位置216に相当する少なくと
も1つの突然変異を有する。
【0052】 一実施形態において、本発明は、機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸
分子に機能的に連結された発現制御配列を含む発現ベクターであって、該機能性
赤色蛍光タンパク質のアミノ酸配列が、花虫類赤色蛍光タンパク質(配列番号7
)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V
71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I
161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に相当する
少なくとも1つのアミノ酸置換により相違している、上記発現ベクターを包含す
る。
【0053】 別の実施形態において、本発明は、機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核
酸分子を含有する組換え宿主細胞であって、該機能性赤色蛍光タンパク質のアミ
ノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、
位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95
、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179
、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に相当する少なくとも1つのアミノ
酸置換により相違している、上記組換え宿主細胞を包含する。
【0054】 さらに別の実施形態において、本発明は、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列
番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、
K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G
159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に相
当する少なくとも1つのアミノ酸置換により相違しているアミノ酸配列からなる
機能性蛍光タンパク質を包含する。
【0055】 別の態様では、本発明は、機能性赤色蛍光タンパク質に機能的に連結された対
象のタンパク質を含む融合タンパク質であって、該機能性赤色蛍光タンパク質の
アミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列と
は、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93
、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、
S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に相当する少なくとも1つのア
ミノ酸置換により相違している、上記融合タンパク質を包含する。
【0056】 一実施形態において、本発明は、機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸
分子を含有するトランスジェニック生物であって、該機能性赤色蛍光タンパク質
のアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列
とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W9
3、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171
、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に相当する少なくとも1つの
アミノ酸置換により相違している、上記トランスジェニック生物を包含する。
【0057】 別の態様において、本発明は、タンパク質−タンパク質相互作用を確認する方
法であって、以下のステップ: a) 機能性赤色蛍光タンパク質を含む細胞の集団を用意すること、ただし、該
機能性赤色蛍光タンパク質のアミノ酸配列は、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配
列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69
、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151
、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216に
相当する少なくとも1つのアミノ酸置換により相違しており、該機能性赤色蛍光
タンパク質は対象の第1タンパク質に機能的に連結されていること、 b) 該細胞の集団に、機能性緑色蛍光タンパク質に機能的に連結された対象の
被験タンパク質のライブラリーを導入すること、ただし、該機能性緑色蛍光タン
パク質と該機能性赤色蛍光タンパク質は蛍光エネルギー転移(FRET)を受けるこ
とができ、そして、該細胞集団の各メンバーは、該機能性緑色蛍光タンパク質に
機能的に連結された対象の被験タンパク質のライブラリーのメンバーを平均して
1つ受け取るものであること、 c) 該細胞集団を、該機能性緑色蛍光タンパク質と該機能性赤色蛍光タンパク
質の間のFRETについてスクリーニングすること、 d) ステップc)におけるFRETを、機能性緑色蛍光タンパク質に機能的に連結さ
れた対象の被験タンパク質のライブラリーが存在しない対照細胞におけるFRETと
比較すること、 を含んでなる、上記方法を包含する。
【0058】 別の実施形態において、本発明は、タンパク質−タンパク質相互作用のモジュ
レーターを同定する方法であって、以下のステップ: a) 細胞に被験化学物質を接触させること、ただし、該細胞は以下のタンパク
質: i) 機能性赤色蛍光タンパク質、ただし、そのアミノ酸配列は、花虫類の
赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P
63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S
146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y
214、E215またはR216に相当する少なくとも1つのアミノ酸置換により相違して
おり、該機能性赤色蛍光タンパク質は対象の第1タンパク質に機能的に連結され
ているものであること、 ii) 機能性緑色蛍光タンパク質、ただし、該機能性緑色蛍光タンパク質は
、対象の第2タンパク質に機能的に連結されており、そして、該機能性緑色蛍光
タンパク質と該機能性赤色蛍光タンパク質は、機能的に連結された第1タンパク
質および機能的に連結された第2タンパク質が会合するとき、蛍光エネルギー転
移(FRET)を受けるものであること、 を含むものであること、 b) 該被験化学物質の存在下で、該機能性緑色蛍光タンパク質と該機能性赤色
蛍光タンパク質の間のFRETを検出すること、 c) ステップc)におけるFRETを、該被験化学物質の非存在下での対照細胞にお
けるFRETと比較すること、 を含んでなる、上記方法を包含する。
【0059】 上記方法の一態様において、該方法はさらに、被験化学物質の添加に先立って
、細胞にアクチベーターを接触させるステップを含む。もう一つの態様において
、該方法はさらに、細胞の生存能を検出するステップを含む。
【0060】 別の実施形態では、本明細書に記載の方法により同定された被験化学物質、並
びに該被験化学物質を含有する医薬組成物を包含する。
【0061】好ましい実施形態の詳細な説明 定義 技法および操作手順は全般的に、当分野での慣用方法および各種の一般的参照
文献にしたがって実施する(蛍光技法については、Lakowicz,J.R. Topics in Fl
uorescence Spectroscopy, (3巻) New York: Plenum Press(1991)、ならびにLak
owicz,J.R.(1996) Scanning Microsc Suppl. 10 213-24;分子生物学的方法につ
いては、Sambrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版 C
old Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;細胞生物学
的方法については、Cells: A Laboratory Manual, 第1版(1998) Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;一般的光学方法について
は、Optics Guide 5 Melles Griot(登録商標)Irvine CA、および Optical Waveg
uide Theory, Snyder & Love published by Chapman & Hallを参照のこと。これ
らを参照により本明細書中に組み入れるものとする)。
【0062】 「活性」とは、アミノ酸残基もしくはペプチド結合を改変することができる酵
素活性もしくは非酵素活性(好ましくは酵素活性)をさす。こうした共有結合改
変として、タンパク質加水分解、リン酸化、脱リン酸化、グリコシル化、メチル
化、硫酸化、プレニル化およびADP-リボシル化が含まれる。この用語には非共有
結合改変も含まれ、例えば、タンパク質-タンパク質相互作用、およびアロステ
リックの、または他のモジュレーターもしくは第2メッセンジャー(カルシウム
など)、またはcAMPもしくはイノシトールリン酸の、ポリペプチドへの結合が含
まれる。
【0063】 アミノ酸の「置換」は、1つに対して1つのアミノ酸交換として定義される。
置換されたアミノ酸が類似の構造および/または化学的性質を持つ場合、これら
は事実上保存的である。保存的置換の例は、ロイシンのイソロイシンもしくはバ
リンへの、アスパラギン酸のグルタミン酸への、またはトレオニンのセリンへの
置換である。
【0064】 アミノ酸の「挿入」または「欠失」は、アミノ酸配列の、またはその内部の変
更である。これらは典型的には約1〜5アミノ酸の範囲内に収まる。特定のアミ
ノ酸配列内で許容される改変は、そのペプチドを合成的に製造するか、または組
換えDNA技術を使用して遺伝子配列内にヌクレオチドの挿入、欠失もしくは置換
を系統的に作製することによって、実験的に決定することができる。
【0065】 本明細書で使用する「動物」は、ヒト、家庭用動物(ネコ、イヌなど)、農業
用動物(ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、魚など)または試験用動物(カ
エル、マウス、ラット、ウサギ、サルなど)を含むものと定義される。
【0066】 「キメラ」分子は、本発明の1種以上のヌクレオチド配列(もしくはその部分
)と別の核酸配列を組み合わせることによって作製されるポリヌクレオチドもし
くはポリペプチドである。こうした組合せ配列を適切なベクター中に導入して発
現させ、キメラなポリペプチドを生成させることができる。そのポリペプチドは
以下の性質の1以上において天然の分子と異なることが期待される:細胞局在位
置、分布、リガンド結合親和性、鎖間親和性、分解/代謝回転速度、シグナル伝
達など。
【0067】 用語「切断部位」もしくは「プロテアーゼ部位」とは、プロテアーゼによって
切断される結合(例えば開裂結合)と、典型的にはその結合のいずれかの側の近
傍の3〜4アミノ酸をさす。
【0068】 「制御エレメント」もしくは「調節配列」とは、複製、転写および翻訳を行な
うために細胞タンパク質と相互作用する遺伝子またはDNAの非翻訳領域をさし、
例えば、エンハンサー、プロモーター、イントロンおよび3'非翻訳領域がある。
これらは境界配列として存在したり、その遺伝子を分割したりすることさえある
。これらは分子レベルで機能し、調節遺伝子と一緒になって発生、成長、分化お
よび老化過程においてきわめて重要である。
【0069】 「に対応する」とは、基準ポリヌクレオチド配列の全部もしくは一部に相同で
ある(すなわち、同一であるが、進化的に厳密には関連しない)ポリヌクレオチ
ド配列、またはポリペプチド配列が基準ポリペプチド配列の全部もしくは一部と
同一である、ことを意味する。これに対して、本明細書中で用いる「に相補的な
」とは、相補性配列が基準ポリヌクレオチド配列の全部もしくは一部と相同であ
ることを意味する。例をあげると、ヌクレオチド配列「TATAC」は基準配列「TAT
AC」に対応しており、基準配列「GTATA」に相補的である。
【0070】 「誘導体」は、ユビキチン化、標識化、PEG化(ポリエチレングリコールによ
る誘導体化)、およびヒトタンパク質には通常存在しないオルニチンなどのアミ
ノ酸の挿入もしくは置換などの技法によって、化学的に改変されたポリペプチド
を意味する。
【0071】 用語「遺伝子操作されたプロテアーゼ部位」とは、少なくとも1つのアミノ酸
の置換によって天然の配列から改変されたプロテアーゼ部位をさす。
【0072】 用語「蛍光特性」とは、以下のいずれか1つを意味する:適切な励起波長にお
けるモル吸光係数、蛍光量子収率、励起もしくは放出スペクトルの形状、最大励
起波長、蛍光部分の励起中の任意の波長での、もしくは励起後1回以上における
発光強度、2つの異なる波長での励起振幅の比、2つの異なる波長での発光振幅
の比、励起状態の寿命、蛍光部分の蛍光アニソトロピーもしくはその他の任意の
測定可能な特性など。好ましくは、蛍光特性は蛍光放出または2以上の波長での
蛍光放出の比をさす。
【0073】 用語「相同体」とは、ALIGNプログラムを使用して最適にアライメントしたと
きに、85%に等しいかまたはそれ以上の同一性がある2つの配列もしくはその部
分をさす。相同性もしくは配列同一性とは以下のものを意味する。2つのアミノ
酸間に部分的もしくは完全な同一性があるならば、それらの配列は相同性である
。例えば、85%相同性は、2つの配列を最大の整合となるようにアライメントし
たときに、85%のアミノ酸が同一であることを意味する。整合を最大にする際に
は(整合させる2つの配列のいずれかに)ギャップが許容されるが、5以下のギ
ャップ長さが好ましく、2以下がさらに好ましい。あるいは、そして好ましくは
、突然変異データマトリックスおよび6以上のギャップペナルテイーと共にプロ
グラムALIGNを使用して 、2つのタンパク質配列(もしくはそれらに由来する長
さが30アミノ酸以上のポリペプチド配列)が(標準偏差単位として)5を超える
アラインメントスコアを持つ場合、それらを、本明細書で使用する意味において
相同性とする。Dayhoff, (1972) in Atlas of Protein Sequence and Structure
5, National Biomedical Research Foundation, 101-110, ならびにこの巻への
Supplement 2, pp.1-10、を参照されたい。
【0074】 「インヒビター」または「阻害剤」は、化学的もしくは生理学的反応または応
答を遅延させるか抑制する物質である。一般的なインヒビターとして限定するわ
けではないが、アンチセンス分子、抗体、アンタゴニストおよびそれらの誘導体
が含まれる。
【0075】 「単離された」とは、当初の環境(例えば自然界に存在するものならば自然環
境)から取り出され、したがって天然の状態からは変更された物質を意味する。
例えば、単離されたポリヌクレオチドが、ベクターもしくは組成物の部分でも、
また細胞内に含有されていても、なお「単離された」ということができる。なぜ
ならば、そのベクター、組成物もしくは特定の細胞はそのポリペプチドの当初の
環境でないからである。
【0076】 用語「リンカー」もしくは「リンカー部分」とは、蛍光タンパク質を対象のタ
ンパク質もしくは第2蛍光タンパク質に機能的に連結する役割を持つアミノ酸、
ポリペプチドもしくはタンパク質配列を意味する。リンカーは典型的には蛍光タ
ンパク質を対象のタンパク質もしくは第2蛍光タンパク質に共有結合で連結する
一本鎖のポリペプチドからなる。リンカーは任意のサイズでありうる。
【0077】 用語「モジュレートする」とは、ある活性もしくはプロセスの部分的もしくは
完全な増強または抑制(例えば速度もしくは効率の減衰)のいずれかを意味する
【0078】 用語「モジュレーター」とは、生物学的巨大分子(例えば核酸、タンパク質、
非ペプチド、もしくは有機分子)などの(天然に存在するか天然には存在しない
)化学物質、あるいは細菌、植物、真菌、または動物(特にヒトを含む哺乳動物
)細胞もしくは組織などの生物学的材料から作製された抽出物を意味する。モジ
ュレーターは、本明細書に記載するスクリーニングアッセイに含ませることによ
って、生物学的プロセスのインヒビターもしくはアクチベーター(例えばアゴニ
スト、部分的アンタゴニスト、部分的アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニス
ト、抗新生物薬、細胞傷害薬、新生物形質転換もしくは細胞増殖のインヒビター
、細胞増殖促進薬など)としての潜在的活性を(直接もしくは間接的に)評価す
る。モジュレーターの活性は既知でも、未知でも、部分的に既知でもよい。
【0079】 「天然蛍光タンパク質」とは、タンパク質内での内部アミノ酸の環化および酸
化によるか、蛍光補助因子の酵素的付加を介するか、のいずれかによって高蛍光
性の固有の発色団を形成することができるタンパク質を意味する。典型的には、
こうした発色団はトリプトファンおよびチロシンなどの弱蛍光性アミノ酸からス
ペクトルとして分離することが可能なものである。
【0080】 「オリゴヌクレオチド」もしくは「オリゴマー」は、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)、部位特異的突然変異誘発反応、または所望の配列エレメントを作製する
ためのカセットにおいて使用するのに十分な数の塩基数を持つ、ヌクレオチド残
基のストレッチである。これらの短い配列は、ゲノムもしくはcDNA配列に基づき
(またはこれらから設計され)、特定の配列エレメントを増幅し、突然変異を起
こさせ、または作製するために使用される。
【0081】 オリゴヌクレオチドもしくはオリゴマーは、少なくとも約10ヌクレオチド、多
くとも約50ヌクレオチド、好ましくは約15〜30ヌクレオチドのDNA配列の部分か
らなる。これらは化学的に合成され、またプローブとして使用することもできる
【0082】 「オリゴペプチド」はアミノ酸残基の短いストレッチからなり、オリゴヌクレ
オチドから発現させることができる。これはポリペプチドの「断片」、「部分」
もしくは「セグメント」と機能的に等価であり、これらと同じ長さかまたは相当
に短いかのいずれかである。こうした配列は少なくとも約5アミノ酸、多くの場
合約17以上のアミノ酸、典型的には少なくとも9〜13アミノ酸数で、生物学的お
よび/または免疫原性活性を呈示するのに十分な長さの一連のアミノ酸残基を含
む。
【0083】 用語「機能的に連結された」とは、記載された成分がその意図する様式で機能
することができるような関係で並置されたことを意味する。コード配列に「機能
的に連結された」制御配列は、そのコード配列の発現がこの制御配列に適合する
条件下で達成されるような状態で連結されている。
【0084】 用語「機能的に結合された」とは、記載された成分が直接または間接的に結合
されるように並置されたことを意味する。直接に結合される成分の例として、翻
訳時に1つに融合されるタンパク質が含まれる。間接的に結合される成分の例と
して、結合相互作用を介して、一時的にもしくは継続的に機能的に会合し得るタ
ンパク質が含まれる。
【0085】 用語「ポリヌクレオチド」とは、長さが少なくとも10塩基のリボヌクレオチド
もしくはデオキシリボヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドのポリマー形態の
ものをさす。いずれかのタイプのヌクレオチドの改変体および類似体も含まれ、
また米国特許第5,532,130号、欧州特許出願 EP 0 839 830、EP 0 742 287、EP 0
285 057およびEP 0 694 559号に記載されたような新規な結合を介して連結され
たリボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドも同様である。この用語
には一本鎖および二本鎖形態のヌクレオチド、または一本鎖および二本鎖領域の
混合物が含まれる。その上、ポリヌクレオチドはRNAまたはDNAまたはRNAとDNAの
両方を含む三本鎖領域で構成されていてもよい。ポリヌクレオチドが1個以上の
修飾塩基、あるいは安定性または他の理由のために改変されたDNAもしくはRNAバ
ックボーンを含んでいてもよい。「修飾」塩基として、例えばトリチル化塩基お
よびイノシンなどの特異塩基、ならびにその他の化学的もしくは酵素的修飾体が
含まれる。
【0086】 用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合または改変されたペプチド結合によっ
て互いに結合されたアミノ酸(すなわちペプチド等電子体)をさし、20種類の遺
伝子によりコードされるアミノ酸以外のアミノ酸を含有していてもよい。ポリペ
プチドは翻訳後プロセシングなどの自然の過程によるか、または当分野で周知の
化学的改変技法によって改変されていてもよい。改変は、ペプチドバックボーン
、アミノ酸側鎖、およびアミノもしくはカルボキシル末端を含めて、ポリペプチ
ド内のどこに存在してもよい。同一のタイプの改変が、所定のポリペプチド内の
いくつかの部位に同程度もしくは異なる程度で存在することもあると認識すべき
である。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの改変を含んでいてもよい。
改変として以下のものが含まれる:アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、ア
ミド化、フラビンの共有結合付加、ヘム部分の共有結合付加、ヌクレオチドもし
くはヌクレオチド誘導体の共有結合付加、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合付
加、ホスファチジルイノシトールの共有結合付加、交差結合、環化、ジスルフィ
ド結合の形成、脱メチル化、共有交差結合の形成、システインの形成、ピログル
タメートの形成、ホルミル化、γカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー
形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストリル化、酸化、ペルギル
化、タンパク質加水分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレ
ノイル化、硫酸化、アルギニル化などの転移RNAによって仲介されるタンパク質
へのアミノ酸の付加(Proteins-Structure and Molecular Properties 第2版, T
.E.Creighton, W.H.Freeman and Company, New York(1993);Posttranslational
Covalent Modification of Proteins, B.C.Johnson, Ed., Academic Pres, New
York, pp.1-12(1983)、参照)。
【0087】 ポリヌクレオチドもしくは核酸の「部分」もしくは「断片」は、約 6 kb未満
、好ましくは約 1 kb未満のヌクレオチドを持つヌクレオチド配列の全部もしく
は任意の部分を含み、これらはプローブとして使用することができる。こうした
プローブは、ニックトランスレーション、Klenowフィルイン(fill-in)反応、PCR
またはその他の当分野で周知の方法を使用して、レポーター分子で標識してもよ
い。反応条件を最適化し、また偽陽性を排除するための予備試験後、核酸プロー
ブをサザン、ノーザンもしくはin situハイブリダイゼーションで使用して、そ
のタンパク質をコードするDNAもしくはRNAが生物学的サンプル、細胞型、組織、
器官もしくは生物体中に存在するかどうかを判定することができる。
【0088】 「プローブ」は、多様な長さの核酸配列であって、好ましくは用途に応じて少
なくとも約10から最大で約6,000ヌクレオチドの間である。これらを同一、類似
もしくは相補的核酸配列の検出において使用する。より長いプローブは通常天然
もしくは組換え起源から取得され、高度に特異的であり、オリゴマーよりもはる
かにゆっくりハイブリダイズする。これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、PCR、
ハイブリダイゼーション膜に基づいたまたはELISA様の技法において、特異性を
持つように注意深く設計される。
【0089】 用語「認識モチーフ」とは、翻訳後修飾活性によって認識され、その翻訳後修
飾活性によってポリペプチドが修飾されることが可能になる、ポリペプチド配列
の全部または部分をさす。典型的には、この認識モチーフに対するタンパク質(
例えば酵素)の親和力は約 1 mM(見かけのKd)、好ましくはより大きい約 10μ
Mの親和力、さらに好ましくは約 1μM、または最も好ましくは約 0.1μMの見か
けのKdを持つ。この用語は最適のもしくは好ましい認識モチーフに限定する意味
ではなく、ペプチドに基質認識を特異的に付与することができるすべての配列を
包含する。いくつかの実施形態において、認識モチーフはリン酸化された認識モ
チーフ(例えばリン酸基を含むもの)か、またはその他の翻訳後に修飾された残
基を含む。
【0090】 「組換えヌクレオチド変異体」は、タンパク質をコードするポリヌクレオチド
である。これらは遺伝コードの「重複性」を利用することによって合成すること
ができる。特異的制限部位もしくはコドン使用に特異的な突然変異をもたらすサ
イレント変化などの各種のコドン置換を導入して、プラスミドもしくはウイルス
ベクター中へのクローニング、または特定の原核もしくは真核宿主系での発現を
それぞれ最適化することができる。
【0091】 「組換えポリペプチド変異体」は、組換えDNA技法を使用して作製した、アミ
ノ酸の挿入、欠失および/または置換によって天然に存在するポリペプチドとは
異なっているあらゆるポリペプチドをさす。目的の性質を排除することなく、ど
のアミノ酸を交換、付加または削除するかを決定する際の指針は、ポリペプチド
の配列を関連ポリペプチドのものと比較し、高度に保存された領域内でなされる
アミノ酸配列の変更を最少にすることによって、判断される。
【0092】 「シグナルもしくはリーダー配列」は、細胞の膜を通過するようにそのポリペ
プチドを導くために使用するか、または必要な場合に使用することができる、短
いアミノ酸配列である。こうした配列は本発明のポリペプチド上に本来存在する
こともあり、または組換えDNA技法によって異種起源から供給することができる
【0093】 「標準」は比較のための定量的もしくは定性的尺度である。好ましくは、これ
は統計的に適切な数のサンプルに基づくもので、診断アッセイを実施するか、臨
床試験を実施するか、または患者の治療プロファイルを追跡する際に、比較の基
準として使用するために作製される。ある特定の標準のサンプルは正常であって
も、また異常であってもよい。
【0094】 用語「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムア
ミド、5xSSC(750 mM NaCl、75 mM クエン酸ナトリウム)、50 mM リン酸ナト
リウム(pH 7.6)、5xDenhardt溶液、10%硫酸デキストランおよび20μg/ml変
性剪断サケ精子DNAを含む溶液中、42℃での一晩のインキュベーション後、0.1x
SSC中、約65℃でのフィルターの洗浄を意味する。より低いストリンジェンシー
のハイブリダイゼーション条件で本発明のポリヌクレオチドにハイブリダイズす
る核酸分子も想定される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーの変更
およびシグナルの検出は、主としてホルムアミド濃度(より低いパーセンテージ
のホルムアミドはより低いストリンジェンシーの結果となる)、塩の条件または
温度の操作によって達成する。例えば、より低いストリンジェンシー条件として
、6xSSPE(20xSSPE=3 M NaCl;0.2 M NaH2PO4;0.02 M EDTA, pH 7.4)、0.5
%SDS、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ精子ブロッキングDNAを含む溶液中、3
7℃での一晩のインキュベーション後、1xSSPE、0.1% SDS中、約50℃での洗浄
が含まれる。その上、さらに低いストリンジェンシーを獲得するため、ストリン
ジェントなハイブリダイゼーション後に実施する洗浄をより高い塩濃度(例えば
5xSSC)で実施することができる。ハイブリダイゼーション実験でバックグラウ
ンド値を抑制するために使用するブロッキング剤を含ませ、かつ/または別のブ
ロッキング剤と交換することによって、上の条件の変更を達成することができる
。典型的なブロッキング剤として、Denhardt試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ
精子DNA、および市販の専売製剤が含まれる。特定のブロッキング剤を含ませる
ために、適合性の問題から、上記のハイブリダイゼーション条件の改変が必要と
なることがある。ポリA+配列(配列リストに示すcDNAの任意の3'末端ポリA+ト
ラクトなど)またはT(もしくはU)残基の相補的ストレッチのみにハイブリダ
イズするポリヌクレオチドは「ポリヌクレオチド」の定義に含まれないものとす
る。なぜならばこうしたポリヌクレオチドはポリ(A)連鎖を含有する核酸分子、
またはその相補的配列のどれともハイブリダイズし得るからである。
【0095】 用語「標的」は、生物学的プロセスに関与する生化学的物質を意味する。標的
は典型的には、生物体の生理学もしくは生物学において有用な役割を持つタンパ
ク質である。治療用化学物質は標的の1つに結合してその機能を変更またはモジ
ュレートする。本明細書で使用する標的として、細胞表面受容体、Gタンパク質
、キナーゼ、イオンチャネル、ホスホリパーゼ、プロテアーゼおよび本明細書に
記載するその他のタンパク質が含まれる。
【0096】 用語「被験化学物質」は、推定上のモジュレーターとして1種以上の本発明の
スクリーニング方法によって試験すべき化学物質を意味する。被験化学物質はあ
らゆる化学物質が可能で、無機化学物質、有機化学物質、タンパク質、ペプチド
、炭水化物、脂質またはそれらの組合せなどである。通常、スクリーニングのた
めに、予備決定した各種の濃度、0.01マイクロモル、1マイクロモルおよび10マ
イクロモルなど、の被験化学物質を使用する。被験化学物質の対照として、被験
化合物の非存在下でのシグナルの測定または標的をモジュレートすることが知ら
れている化合物との比較が含まれる。
【0097】 用語「トランスジェニック」はその細胞の全部の中に外来性遺伝物質を含む生
物体をさすために使用される。この用語には、特定の遺伝子ノックアウトを誘発
するための、初期胚もしくは受精卵のin vitro操作、または任意のトランスジェ
ニック技術によって、ゲノムが変更された、あらゆる生物体が含まれる。
【0098】 用語「トランスジーン」は人為的に細胞内に挿入され、その細胞から発生する
生物体のゲノムの一部になる(すなわち、安定的に組み込まれるか、または安定
した染色体外エレメントとして)DNAのあらゆる部分をさす。こうしたトランス
ジーンとして、トランスジェニック生物について部分的にまたは完全に異種(す
なわち外来性)である遺伝子が含まれ、あるいはその生物体の内在性遺伝子に相
同な遺伝子を表す場合もある。DNAに転写され、その後ゲノム中に組み込まれるR
NA配列を供給することによって作製したトランスジーンもこの定義に含まれる。
本発明のトランスジーンには、トランスジェニック非ヒト動物中で発現すること
ができる、機能性赤色蛍光タンパク質をコードするDNA配列が含まれる。
【0099】 以下の用語は2以上のポリヌクレオチド間の配列の関係について記述するため
に使用する:「基準配列」、「比較ウインドウ」、「配列同一性」、「配列に対
する同一性%」、および「実質的な同一性」。「基準配列」は、配列の比較のた
めの基準として使用する、確定された1つの配列である。基準配列は、より大き
い配列のサブセット、例えば完全長cDNAのセグメントでもよく、あるいは完全cD
NAもしくは遺伝子配列を含んでいてもよい。一般的には、基準配列は少なくとも
長さが20ヌクレオチド、多くの場合少なくとも長さが25ヌクレオチド、また長さ
が50ヌクレオチド以上のことも多い。2つのポリヌクレオチドはそれぞれが(1
)2つのポリヌクレオチド間で類似している1配列(すなわち完全ポリヌクレオ
チド配列の一部分)を含み、そして(2)2つのポリヌクレオチド間で差異があ
る1配列をさらに含むことがあるため、2つ(またはそれ以上)のポリヌクレオ
チド間での配列の比較は典型的には、配列類似性がある局部領域を同定して比較
するため、ある「比較ウインドウ」について2つのポリヌクレオチド配列を比較
することによって、実施する。本明細書で使用する「比較ウインドウ」とは、少
なくとも20の連続するヌクレオチド部分からなる概念上のセグメントであって、
この場合あるポリヌクレオチド配列を少なくとも20連続ヌクレオチドの基準配列
と比較し、2つの配列の最適アラインメントについて(付加も欠失も含まない)
基準配列と比較して、その比較ウインドウ内の部分が20%以下の付加もしくは欠
失(すなわちギャップ)を含むものを意味する。比較ウインドウの整列に関する
配列の最適アラインメントは、Smith and Waterman(1981) Adv.Appl.Math.2:482
の局所相同性アルゴリズムによるか、Needleman and Wunsch(1970) J.Mol.Biol. 48 :443の相同性アラインメントアルゴリズムによるか、Pearson and Lipman(198
8) Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.) 85:2444の類似性の検索方法によるか、これら
のアルゴリズムのコンピューター処理(Wisconsin Genetics Software Package
Release 7.0, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP
、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)によるか、あるいは精査によって、実施し、選
択した各種の方法によって最良のアラインメント(すなわち比較ウインドウにつ
いて最高の相同性%の結果となるもの)を作製することができる。用語「配列同
一性」とは、2つのポリヌクレオチド配列が比較ウインドウについて同一(すな
わちヌクレオチド対ヌクレオチド基準で)であることを意味する。用語「配列に
対する同一性%」は、比較ウインドウについて最適整列させた2つの配列を比較
し、両配列において同一の核酸(例えばA、T、C、G、UもしくはI)が存在
している位置の数を決定して、一致する位置の数を取得し、この一致する位置の
数を比較ウインドウ中の位置の総数(すなわちウインドウサイズ)で割り、結果
に100を掛けて配列同一性の%を取得することによって、算定する。本明細書で
使用する「実質的同一性」は、ポリヌクレオチドの特徴を表すものであって、そ
のポリヌクレオチドは、少なくとも20ヌクレオチド位置の比較ウインドウ、多く
の場合少なくとも25〜50ヌクレオチドのウインドウについて、基準配列に比較し
て、少なくとも30%の配列同一性、好ましくは少なくとも50〜60%の配列同一性
、さらに多くの場合は少なくとも60%の配列同一性を持つ配列を含み、この際配
列同一性%は比較ウインドウについて、基準配列を合計でこの基準配列の20%以
下の欠失もしくは付加を含むポリヌクレオチド配列と比較することによって算定
する。
【0100】 ポリペプチドに適用する場合、用語「実質的同一性」は、2つのペプチド配列
が、デフォルトギャップ加重値を使用するプログラムGAPもしくはBESTFITによる
などの最適整列をさせたときに、少なくとも30%の配列同一性、好ましくは少な
くとも40%の配列同一性、さらに好ましくは少なくとも50%の配列同一性、最も
好ましくは少なくとも60%の配列同一性を共有することを意味する。好ましくは
、同一でない残基の位置が保存的アミノ酸置換によって異なっているものである
。保存的アミノ酸置換とは、類似する側鎖を持つ残基の互換性を意味する。例え
ば、脂肪族側鎖を持つアミノ酸のグループはグリシン、アラニン、バリン、ロイ
シンおよびイソロイシンであり、脂肪族ヒドロキシル側鎖を持つアミノ酸のグル
ープはセリンおよびトレオニンであり、アミド含有側鎖を持つアミノ酸のグルー
プはアスパラギンおよびグルタミンであり、芳香族側鎖を持つアミノ酸のグルー
プはフェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンであり、塩基性側鎖を持
つアミノ酸のグループはリシン、アルギニンおよびヒスチジンであり、そして硫
黄含有側鎖を持つアミノ酸のグループはシステインおよびメチオニンである。好
ましい保存的アミノ酸置換のグループは、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェ
ニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-
アスパラギン酸、およびアスパラギン-グルタミンである。
【0101】 技術的および科学的用語のリストはすべてを包含することができないので、ど
んな未定義の用語でも、本発明が属する分野の技術者に普通に理解されているも
のと同一の意味を持つと解釈されるべきである。さらに、単数形「1("a" and"a
n"」および「その(the)」には、文脈がそうでないことを明確に指定していない
限り、複数対象が含まれる。例えば「制限酵素」もしくは「高忠実性酵素」の意
味には、こうした酵素および一定の規準に合致するその他のあらゆる酵素の混合
物が含まれ、また「その方法」の意味には、当業者が知り得るか、またはこの明
細書を読んで知るところとなる、cDNA配列を取得するための1以上の方法の意味
が含まれる。
【0102】 本発明の配列、変異体、製剤ならびに本発明品を製造および使用するための方
法を記載する前に、本発明は記載する特定の配列、変異体、製剤もしくは方法の
みに限定されものではないことを理解されたい。配列、変異体、製剤および方法
は変更し得るものであり、また本明細書で使用する専門用語は特定の実施形態を
記載する目的のためのものである。専門用語および定義は限定されることを意図
してはいない。なぜならば、保護の範囲は最終的に特許請求の範囲に依拠するか
らである。
【0103】I.赤色蛍光タンパク質 各種のサンゴから単離した花虫類蛍光タンパク質(配列番号1〜7)は緑色蛍光
から赤色蛍光放出までの範囲の蛍光特性を呈示する(表2 )。クラゲ(Aequorea
victoria) GFPに比較して、花虫類蛍光タンパク質は26〜30%の全体的な配列同
一性を表示する。
【0104】
【表2】
【0105】 比較的低い配列同一性にもかかわらず、花虫類およびクラゲ蛍光タンパク質の
アラインメントは、両タイプのタンパク質が共通する全体的な構造配向とタンパ
ク質フォールディングを共有しているという可能性と合致している。配列の比較
から、アミノ酸がβ鎖に沿った疎水性および親水性残基の間で変更され、埋没し
ている疎水性コア残基およびターンモチーフの保存の傾向が明らかである。
【0106】 クラゲGFPに比較して、赤色花虫類蛍光タンパク質は比較的低い量子収率とモ
ル吸光係数を持つ結果、野生型クラゲGFPの約4分の1の総体的明度を示すタン
パク質となる。野生型赤色蛍光タンパク質の広範な励起および発光スペクトルは
、多重分析もしくはFRET応用例においてこのタンパク質を選択的に励起しまたは
観察することを困難にしている。
【0107】II.機能性赤色蛍光タンパク質突然変異体の設計 花虫類赤色蛍光タンパク質の改善された突然変異体を設計するため、赤色蛍光
タンパク質内の重要な位置にランダム化核酸配列を含有する、一連のオリゴヌク
レオチド中にクローン化する能力を備えた合成タンパク質(配列番号8(核酸配列
)および配列番号9(アミノ酸配列))を構築した(図1)。
【0108】 哺乳動物細胞内で高レベルで発現することができる機能性赤色蛍光タンパク質
を製造するため、そのコード領域をコードする合成遺伝子を製造した。この配列
に最適Kozak配列および高レベルの翻訳開始を配備させるため、開始メチオニン
の後に追加のアミノ酸(バリン)を含ませた。高度に発現されるヒト遺伝子内で
最も多く使用されるコドンで野生型コドンを系統的に交換することによって、合
成赤色蛍光タンパク質(配列番号9)を構築した(米国特許第 5,795,737号、199
8年8月18日発行、参照)。この合成遺伝子は、標準分子生物学的方法を使用して
、化学的に合成された長さが70〜100塩基のオリゴヌクレオチドから組み立てた
。一本鎖オリゴヌクレオチドのプールをクローニング前にPCR増幅し、そのPCR産
物をアガロースゲルで精製して、次のPCRステップの鋳型として使用した。次に
2つの隣接する断片を、いずれかの断片の末端で重複する配列の使用によって同
時に増幅して、より大きい断片を作製した。サイズが350から400 bpのこれらの
断片を連続的にサブクローン化して、完全遺伝子(図1)を組み立てた(Synthe
tic Genetics, San Diego California)。次に合成遺伝子(配列番号9)を配列
決定し、レトロウイルス発現ベクター ABSC258中にサブクローン化した(図2)
【0109】 レトロウイルス発現ベクターは、哺乳動物細胞への高度に効果的な遺伝子導入
および安定した長期発現を提供する。これらの性質は、突然変異赤色蛍光タンパ
ク質のライブラリーが哺乳動物細胞中に効果的に導入されて、その後分析および
配列決定されることを確実にするために、重要である。
【0110】 突然変異誘発性二本鎖オリゴヌクレオチド配列を合成遺伝子(配列番号9)中
にサブクローン化することによって、合成遺伝子の突然変異を完了させた。これ
らのオリゴヌクレオチドは、突然変異誘発のためにタンパク質の一定の領域を標
的とさせることが可能であり、タンパク質の総体的構造フレームワークを保存し
てインタクトな状態を維持することができた。これらのオリゴヌクレオチド(表
3)を、合成遺伝子の合成中に遺伝子操作して組み込んだ制限部位中にカセット
化できるように、設計した。
【0111】
【表3】 この技法によって、必須の残基を破壊せずにタンパク質分子中のキーとなる残
基の制御された突然変異誘発が可能となる。さもなければ、蛍光の完全な消失を
生じかねないからである。重要なのは、この方法は、第1、第2および第3位置
のコドンの選択的制御を可能にし、所望ならばそれによって保存的突然変異の選
択が可能である。
【0112】 赤色蛍光タンパク質内のキーとなる残基を同定するため、Aequorea GFPの既知
の好適な突然変異体、ならびに各種属の花虫類のGFP間の配列の多様性、そして
特にDiscosoma striataからの赤色(drFP583)(配列番号5-核酸、および配列番
号7-アミノ酸)ならびに緑色(dsFP483)(配列番号4)蛍光タンパク質との比較
を実施した。表3中、アミノ酸の位置はAequorea GFPの番号に対応させている。
花虫類のGFP中の等価アミノ酸の番号に対応している。
【0113】 好適な特性を付与する突然変異を同定する機会を最大にするため、各位置に存
在する野生型アミノ酸が当初の約80%突然変異する結果となるように、突然変異
誘発のレベルを設計した。(ソフト突然変異誘発と称されることも多い)この技
法によって、タンパク質がそのアミノ酸組成中の変更に比較的敏感な場合に生じ
得る状況である、大部分が非機能性突然変異体を含有するライブラリーの作製を
回避することができる。
【0114】 突然変異体の全ライブラリーをスクリーニングすることを確実にするため、系
統的な段階を踏むプロセスによって、突然変異誘発を完遂させた。このプロセス
は各ライブラリー中の全体的多様性を、実用上フローサイトメトリーによって哺
乳動物細胞中でスクリーニングできると見られる、許容される値に制限した。例
えば、表3中、3.42x1017のオーダーの全ライブラリーの多様性に比較して、第
1突然変異プライマーは約1.05x106の総体的多様性を有していた。典型的な市
販 のFACS装置は約2〜5x104細胞/秒の分析速度であり、適度の時間枠内での全
ライブラリーの現実的な分析は実行不可能になっている。対照的に、約100万個
の細胞からなるライブラリーのスクリーニングは比較的容易に達成することがで
き、その上、数回選別して、比較的稀な好適な突然変異体を確実に同定すること
ができる。
【0115】III.ライブラリーのスクリーニング 赤色蛍光突然変異体の突然変異ライブラリーをレトロウイルス発現ベクター中
にサブクローン化した後、PT67細胞などの標準的パッケージング細胞系を使用し
て、レトロウイルスプラスミドのライブラリーを製造することができる。次に、
突然変異蛍光タンパク質を発現させるため、これらの細胞からの上清を使用して
、哺乳動物細胞に感染させることができる。
【0116】 哺乳動物細胞中で発現させた時の向上した蛍光特性および増加した明度を基礎
とするFACS分析によって、このステップからの好ましい突然変異体を同定するこ
とができる。典型的には、558 nm付近で励起した場合の583 nm付近の明度(蛍光
放出)を基礎として、細胞を選択することとなる。
【0117】 図3において、出力 60 mWのCoherent Innova(登録商標)70C Spectrumレー
ザーを備えたBecton Dickinson FACSVantageTM SEを使用し、530.9 nm励起で、
フローサイトメトリーおよび細胞選別を実施した。このフローサイトメーターに
はパルスプロセスおよびMacrosortTMフロー細胞を配備した。585/42 nm通過帯
放出フィルターによ って蛍光放出を検出し、560 nm短路2色ミラーによって分
離した。FACSVantageTM SE上でCloneCytTM Plus 統合堆積(deposition) システ
ムを使用して、野生型対照集団から、細胞自己蛍光より上の蛍光強度(R3)に基
づいて、単一細胞を96ウェルマイクロタイタープレート内に分注した。図3にお
いて、野生型NIH3T6細胞を上段に示し、一方RFP発現ベクターABSC258で形質転換
した細胞を下段に示す。R3領域は細胞自己蛍光よりも高い赤色蛍光レベルを有す
る細胞を表し、さらに分析するため、これらの細胞を96ウェルプレートに分注し
た。この実験において、選別領域(R3)は野生型細胞中の全集団の0.001%であ
り、RFPで形質転換した細胞では1.40%であった。
【0118】 その上、複数回のFACS分析および選別を使用して、より明るい突然変異体の混
合プールを選択的に富化して、最良の突然変異体の選択を可能にすることができ
る。この戦略のさらなる態様は、488 nmもしくは530 nmで励起したときの明度に
基づいて、蛍光細胞を再選別することである。この場合、より狭くて鋭敏な励起
ピークを有する突然変異体を選択するため、これらの波長で励起したとき、明度
が減少する細胞を選択することとなる。
【0119】 別の有用な選別戦略は、より迅速な自触媒性蛍光発色を呈示する機能性赤色蛍
光タンパク質を同定するため、形質転換後、比較的迅速に(すなわち24時間以内
に)細胞を分析することである。
【0120】 典型的には、FACS分離後、個別の細胞または富化された細胞の集団を培養プレ
ートに選び入れ、約2週間の期間回復させる。この期間後、個々の細胞コロニー
は、通常、さらなるラウンドのFACSまたは96ウェルプレートリーダーによるさら
なる分析のために十分な大きさである。プレートリーダーによる分析は正確な定
量を提供し、また同一サンプル内の487 nm、530 nmおよび558 nmにおける励起ピ
ークの相対的大きさの決定も可能である。改善された性質を持つ突然変異体を発
現するコロニーを同定した後、PCRに基づく配列決定によって、突然変異体の配
列を迅速に同定することができる。これは例えば、Townleyら、(1997) Genome R
es.7:(3)293-8に記載されたような、PCR産物の直接配列決定法を利用する、Perk
in Elmer 373もしくは類似の自動配列解析装置での標準的蛍光染料ターミネータ
ー化学法を使用することによって、完遂することができる。DNA配列決定のため
の方法は当技術分野で周知であり、DNAポリメラーゼIのKlenow断片、SEQUENASE TM (US Biochemical Corp)もしくはTaqポリメラーゼなどの酵素を利用する。目
的のDNA鋳型にアニーリングさせたオリゴヌクレオチドプライマーからDNAを伸張
させる方法が、一重鎖および二重鎖鋳型の両方について開発されている。電気泳
動を使用して連鎖停止反応生成物を分離し、それらに組み込まれた標識前駆体に
よって検出する。
【0121】 最近の、機械化された反応調製、配列決定および分析技術の向上は、1日あた
りに決定することができる配列数の拡大を可能にした。好ましくは、Hamilton M
icro Lab 2200(Hamilton, Reno, Nev.)、Peltier Thermal Cycler(PTC200 ;
MJ Research, Watertown Mass.)、そしてApplied Biosystems Catalyst 800 な
らびに377および373 DNAシークエンサーなどの機械によって、プロセスを自動化
する。
【0122】 その後、この第1ラウンドの突然変異誘発からの最良の突然変異体を次のラウ
ンドの突然変異誘発のための出発産物として使用する。既述のように、適度の総
体的多様性を含むオリゴヌクレオチドを選択して、すべての突然変異体について
完全かつ十分な検索が迅速に完遂されることを確実にする。
【0123】 すべての突然変異誘発ステップが完了した後、高度に最適化した赤色蛍光タン
パク質を作製するために、誤りがちなPCRの使用または当技術分野で公知の方法
を使用するピンポン突然変異誘発技法によって、蛍光特性をさらに強化すること
が可能である。
【0124】 次に、好ましい突然変異体の全プールを組換えることによって、別の突然変異
誘発ステップを完了し、最も好ましい組合せを選択することができる。この技法
において、各位置での突然変異誘発の確率は約50%であり、すべての突然変異が
鋳型蛍光タンパク質中への組み込みについて等しい確率を有する。次に、明度お
よび蛍光特性を最大に向上させるように、最も好ましい組合せの突然変異を選択
する。
【0125】IV.遺伝子発現および細胞運動のマーカーとしての使用 典型的には、当技術分野で公知の標準的な分子生物学的技術の使用によって、
本発明の機能性赤色蛍光タンパク質を標的細胞中に導入して発現させる。
【0126】 細胞運動研究については、標的細胞型の運動を選択的にモニターすることがで
きるように、一般的に赤色蛍光タンパク質の発現を細胞型に特異的なプロモータ
ーによって駆動させることとする。場合によっては、例えば細胞混合実験におい
て、発現を構成的プロモーターによって駆動するのが好ましく、別の場合、細胞
の分化をモニターするため、誘導性の、または発生中に調節されるプロモーター
によって発現を駆動するのが好ましい。
【0127】 別の実施形態において、遺伝子発現がモジュレートされる時および場所の両方
を判定する目的で、細胞の運動および分化の両方を同時に追跡するため、別のス
ペクトル分離をする蛍光タンパク質を含ませるのが望ましい。両方の場合におい
て、タンパク質を細胞内に導入するため、赤色蛍光タンパク質の発現をコードす
るヌクレオチド配列に機能的に連結された発現制御配列を含む発現ベクターの形
態の核酸を使用する。本明細書で使用する用語、1ポリペプチドの「発現をコー
ドするヌクレオチド配列」とは、mRNAの転写および翻訳時に、そのポリペプチド
を産生する配列を称する。これには例えばイントロンを含有する配列も含まれる
。本明細書で使用する用語「発現制御配列」とは、これに機能的に連結された核
酸配列の発現を調節する核酸配列を称する。発現制御配列がその核酸配列の転写
、および適切な場合は翻訳を制御および調節するとき、その発現制御配列はその
核酸配列に機能的に連結されている。したがって、発現制御配列には、適切なプ
ロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、タンパク質コード遺伝子の前
の開始コドン(すなわちATG)、イントロンのためのスプライシングシグナル、m
RNAの適正な翻訳を可能にするためのその遺伝子の正しいリーディングフレーム
の維持のためのIRES配列(内部リボソームエントリー部位)、および停止コドン
が含まれる。
【0128】 当業者に周知の方法を使用して、赤色蛍光タンパク質を含有する発現ベクター
を構築することができる。これらの方法として、in vitro組換えDNA技術、合成
技術およびin vivo組換え/遺伝子組換えが含まれる(例えば、Maniatisら(1989
) Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y.、に記載された技術を参照されたい)
。Clontech(Palo Alto, CA)、Stratagene(San Diego, CA)および Invitroge
n(San Diego, CA)を含む各種の出所、ならびに多くのその他の市販の出所から
、多くの市販の発現ベクターが入手可能である。
【0129】 想定されるこの方法の変法は、RFP構築物の発現において、誘導性制御ヌクレ
オチド配列を使用して、例えば構築物の誘導性発現によって、急激な増加をもた
らすものである。代表的な誘導システムとして、Bujardおよび共同研究者によっ
て最初に記載され(Gossen and Bujard (1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89 554
7-5551、Gossenら(1995) Science 268 1766-1769)、また米国特許第5,464,758
号に記載されたテトラサイクリン誘導システムが含まれる。
【0130】細胞の形質転換 当業者に周知のものなど通常の技術によって、組換えDNAによる宿主細胞の形
質転換を実施することができる。宿主が大腸菌などの原核生物の場合、対数増殖
期以降に回収した細胞から、DNAを取り込むことができるコンピテント細胞を調
製し、その後当技術分野で周知の手順によるCaCl2法によって処理する。あるい
は、MgCl2もしくはRbClを使用することもできる。形質転換は、宿主細胞のプロ
トプラストを形成した後に、またはエレクトロポレーションによって、実施する
こともできる。
【0131】 宿主が真核生物の場合、リン酸カルシウム共沈殿、マイクロインジェクション
などの従来からの機械的方法、エレクトロポレーション、リポソーム内に入れた
プラスミドの挿入、またはウイルスベクター、などのDNAのトランスフェクショ
ン法を使用することができる。真核細胞に、本発明の融合ポリペプチドをコード
するDNA配列と単純ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子などの選択性表現型をコー
ドする第2の外来DNA分子を共にトランスフェクトすることもできる。別の方法
は、真核細胞に一時的に感染させるか形質転換して、そのタンパク質を発現させ
るための、シミアンウイルス40(SV40)もしくはウシパピローマウイルスなどの
真核ウイルスベクターの使用である(Eukaryotic Viral Vectors, Cold Spring
Harbor Laboratory, Gluzman 編., 1982)。好ましくは、本明細書に記載する宿
主細胞として、真核生物宿主を利用する。
【0132】V.融合タグとしての使用 本発明の機能性赤色蛍光タンパク質は、細胞中のタンパク質の運動を追跡する
のに有用である。この実施形態において、1発現ベクター内で目的のタンパク質
をコードする1核酸分子に、蛍光タンパク質をコードする核酸分子をフレーム内
融合させる。細胞の内側での発現時に、目的のタンパク質を蛍光に基づいて所在
地決定することができる。典型的には、標的タンパク質と蛍光タンパク質の両方
が正しく機能し、効果的に折り畳まれることを確実にするように、目的のタンパ
ク質は可変性リンカーによってRFPに連結される。こうした融合タンパク質の構
築および導入方法は当技術分野で周知であり、また上にも記載した。
【0133】 別の変法において、第1のタンパク質を機能性赤色蛍光タンパク質と融合させ
、第2のタンパク質を第2の蛍光タンパク質、表1に挙げたタンパク質の1つな
ど、に融合させることによって、2以上の目的のタンパク質を同時に追跡する。
典型的には、第2の蛍光タンパク質は、機能性赤色蛍光タンパク質とスペクトル
で分離し得るように、その蛍光特性に基づいて選択する。
【0134】VI. トランスジェニック生物での使用 1実施形態では、本発明は、機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸配列
を発現するトランスジェニック非ヒト生物を提供する。そのような構築物は、補
因子や試薬を添加しないでもインタクトな生きている生物内で発現させることが
でき、しかも赤色発光は組織を良好に透過するので、赤色蛍光タンパク質を用い
れば、インタクトな生きている生物内全体にわたり細胞の運動および分化をモニ
ターすることが可能になる。
【0135】 他の実施形態では、たとえば、組織または細胞型特異的プロモーターからの赤
色蛍光タンパク質の発現によって、特異的組織中のどこに特定の細胞型が位置す
るかを同定するために、本発明を使用することができる。他の実施形態では、遺
伝子発現がモジュレートされる時および場所の両方を調べるために、スペクトル
分解された追加の蛍光タンパク質を組み入れて細胞の運動および分化の両方を同
時に追跡することが望ましい場合もある。そのような非ヒト生物としては、齧歯
類、ゼブラフィッシュなど魚類、非ヒト霊長類および爬虫類のような脊椎動物な
らびに無脊椎動物が挙げられる。好ましい非ヒト生物は、ラットおよびマウスを
含む齧歯科から選択され、最も好ましくはマウスである。本発明のトランスジェ
ニック非ヒト生物は、非ヒト生物の生殖細胞系にトランスジーンを導入すること
により作出される。トランスジーンを導入するために種々の発生段階の胚標的細
胞を使用することができる。使用する生物と胚標的細胞の発生段階とに応じて、
さまざまな方法が使用される。脊椎動物では、受精卵がマイクロインジェクショ
ンの最良の標的である。マウスでは、雄性前核が、直径約20マイクロメートルの
大きさに達し、この大きさであれば、1〜2plのDNA溶液を再現性よく注射するこ
とが可能である。遺伝子移入の標的としての受精卵の使用には、注射されたDNA
が、ほとんどの場合、最初の卵割前に宿主遺伝子に組み込まれるという大きな利
点がある(Brinster et al., (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82 4438-4442
,)。その結果、トランスジェニック非ヒト動物の細胞はすべて、組み込まれたト
ランスジーンを有することになろう。このことは一般に、生殖細胞の50%がトラ
ンスジーンを保有するであろうから、創始者の子孫へのトランスジーンの効率的
な伝播としても反映されるであろう。受精卵へのマイクロインジェクションは、
本発明を実施するうえでトランスジーンを組み込む好ましい方法である。
【0136】 生殖に使用される細胞内に外因性遺伝物質を含む2個体のキメラ生物を交雑育
種することによってトランスジェニック生物を作出することができる。得られる
子の25パーセントは、トランスジェニック生物、すなわち、それらのすべての細
胞内で外因性遺伝物質を両方の対立遺伝子中に含む生物であろう。得られる生物
の50%は、一方の対立遺伝子内に外因性遺伝物質を含み、25%は、外因性遺伝物質
を含まないであろう。
【0137】 レトロウイルス感染を用いて非ヒト生物にトランスジーンを導入することもで
きる。脊椎動物では、発生段階の非ヒト胚をin vitroで胚盤胞期まで培養するこ
とができる。この期間中、割球は、レトロウイルス感染の標的になりうる(Jaeni
ch, R., (1976) Proc. Natl. Acad. Sci USA 73 1260-1264,)。割球の効率的な
感染は、透明帯を除去する酵素的処理によって達成される(Hogan, et al. (1986
) in Manipulating the Mouse Embryo, Cold Spring Harbor Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, N. Y.)。トランスジーンを導入するのに使用されるウイ
ルスベクター系は、典型的には、トランスジーンを有する複製欠損レトロウイル
スである(Jahner, et al., (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82 6927-6931
; Van der Putten, et al., (1985) Proc. Natl. Acad. Sci USA 82 6148-6152)
。トランスフェクションは、ウイルス産生細胞の単層上で割球を培養することに
より容易にかつ効率的に達成される(Van der Putten, 前掲; Stewart, et al.,
(1987) EMBO J. 6 383-388)。
【0138】 あるいは、より後の段階で感染を行うこともできる。ウイルスまたはウイルス
産生細胞を胞胚腔に注入することができる(D. Jahner et al., (1982) Nature 2 98 623-628)。トランスジェニック非ヒト動物を形成した細胞のサブセットでの
みトランスジーンの取り込みが生じているので、創始者のほとんどは、トランス
ジーンに関してモザイクであろう。さらに、創始者は、トランスジーンの種々の
レトロウイルス挿入をゲノム中のさまざまな位置に含有しうる。これらの挿入は
、一般的には子孫で分離するであろう。さらに、妊娠中期の胚の子宮内レトロウ
イルス感染によっても、低効率ではあるが、生殖細胞系にトランスジーンを導入
することができる(D. Jahner et al., 前掲)。脊椎動物に対するトランスジーン
導入に用いられる第3のタイプの標的細胞は、胚性幹細胞(ES)である。ES細胞は
、in vitroで培養された着床前の胚から得られ、胚と融合される(M. J. Evans e
t al. (1981) Nature 292 154-156 ; M. O. Bradley et al., (1984) Nature 30 9 255-258 ; Gossler, et al., (1986) Proc. Natl. Acad. Sci USA 83 9065-90
69 ;およびRobertson et al., (1986) Nature 322 445-448)。DNAトランスフェ
クションまたはレトロウイルス媒介トランスダクションにより、トランスジーン
を効率的にES細胞に導入することができる。そのような形質転換されたES細胞は
、その後で、非ヒト動物由来の胚盤胞と組み合わせることができる。その後、ES
細胞は胚に定着し、得られるキメラ動物の生殖細胞系に寄与する。(レビューに
ついては、Jaenisch, R., (1988) Science 240 1468-1474を参照されたい)。
【0139】 他の実施形態では、本発明は、赤色蛍光タンパク質をコードする核酸配列を発
現するトランスジェニック植物を提供する。そのような構築物をインタクトな生
細胞内で空間的にも時間的にも具体的に発現させることができるので、本発明は
、規定細胞集団内、組織内、またはトランスジェニック植物全体にわたる標的細
胞型の空間的な分布をモニターする能力を提供する。
【0140】 他の実施形態では、たとえば、組織特異的植物プロモーターからのRFPの発現
によって、特異的組織中のどこで特定の遺伝子が発現されるかを特異的に同定す
るために、本発明の方法を使用することができる。
【0141】 他の実施形態では、遺伝子発現がモジュレートされる時および場所の両方を調
べるために、スペクトル分解された追加の蛍光タンパク質を組み入れて細胞の運
動および分化の両方を同時に追跡することが望ましい場合もある。
【0142】 植物の形質転換および再生を行ういくつかの方法のうちのいずれか1つによっ
て、トランスジェニック植物を作出することが可能である。生物的および物理的
植物形質転換プロトコールを含めて、植物の形質転換を行う多数の方法が開発さ
れている。たとえば、Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology
, Glick, B.R.およびThompson, J.E. 編 (CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993)
の67〜88ページに記載のMikiら著、「植物に外来DNAを導入する手順」を参照さ
れたい。さらに、植物の細胞または組織の形質転換および植物の再生を行うため
の発現ベクターおよびin vitro培養法が利用可能である。たとえば、Methods in
Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick, B.R. およびThompson,
J.E. 編 (CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993)の89〜119ページに記載のGruber
ら著、「植物形質転換用のベクター」を参照されたい。
【0143】 植物に発現ベクターを導入するために最も広く利用される方法は、Agrobacter
iumの天然形質転換系に基づくものである。たとえば、Horsch et al., (1985) S
cience 227 1229を参照されたい。A. tumefaciensおよびA. rhizogenesは、遺伝
的に植物細胞を形質転換する植物病原性土壌細菌である。A. tumefaciensおよび
A. rhizogenesのそれぞれTiおよびRiプラスミドは、植物の遺伝的形質転換をつ
かさどる遺伝子を有する。たとえば、Kado, C.I., Crit. Rev. Plant. Sci. 10:
1 (1991)を参照されたい。Agrobacterium媒介遺伝子移入を行うためのAgrobact
eriumベクター系および方法についての説明は、Gruber et al., 前掲、Miki et
al., 前掲、およびMoloney et al., (1989) Plant Cell Reports 8 238に記載さ
れている。
【0144】 Agrobacterium媒介形質転換の対象になる宿主の範囲は広いという事実にもか
かわらず、たとえいくらかの成功がイネで最近達成されたとはいえ、いくつかの
主要な禾穀類種および裸子植物は、一般的には、この遺伝子移入様式には適合し
なかった。Hiei et al., (1994) The Plant Journal 6 271-282。総称して直接
遺伝子移入と呼ばれるいくつかの植物形質転換法が、Agrobacterium媒介形質転
換の代わりとして開発されてきた。
【0145】 植物形質転換の広く適用可能な方法は、微粒子弾(microprojectile)媒介形質
転換である。この方法では、1〜4Amの大きさの微粒子弾の表面上にDNAを保持さ
せる。植物の細胞壁および細胞膜を貫通するのに十分な300〜600m/sの速度に微
粒子弾を加速するバイオリスティック装置を用いて発現ベクターを植物組織に導
入する。Sanford et al., (1987), Part. Sci. Technol. 5 27, Sanford, J.C.,
(1988) Trends Biotech. 6 299, Sanford, J.C., (1990) Physiol. Plant 79 2
06, Klein et al., (1992) Biotechnology 10 268。
【0146】 植物にDNAを物理的に送達する他の方法は、標的細胞の超音波処理である。Zha
ng et al., (1991) BioTechnology 9 996。このほか、植物に発現ベクターを導
入するためにリポソーム融合またはスフェロプラスト融合が使用されてきた。De
shayes et al., (1985) EMBO J., 4 2731, Christou et al., (1987) Proc Natl
. Acad. Sci. U.S.A. 84 3962。CaCl2沈殿、ポリビニルアルコールまたはポリ-
ロルニチン(Lornithine)を用いるプロトプラストへのDNAの直接取り込みも報告
されている。Hain et al., (1985) Mol. Gen. Genet. 199 161およびDraper et
al., (1982) Plant Cell Physiol. 23 451。プロトプラストおよび全細胞ならび
に組織のエレクトロポレーションも報告されている。Donn et al., In Abstract
s of VIIth International Congress on Plant Cell and Tissue Culture IAPTC
, A2-38, p 53 (1990); D'Halluin et al., (1992) Plant Cell 4 1495-1505お
よびSpencer et al., (1994) Plant Mol. Biol. 24 51-61。
【0147】 好ましい方法は、未成熟胚の微粒子弾媒介衝撃である。ごく初期の発生段階の
分裂組織を標的にして胚軸側をめがけ胚を衝撃するか、または典型的にはカルス
および体細胞不定胚を形成する細胞を標的にして胚盤側をめがけて胚を衝撃する
ことができる。粒子弾衝撃を用いる胚盤の標的化は、穀類組織培養分野の当業者
には周知である。Klein et al., (1988) BioTechnol., 6 559-563 ; Sautter et
al., BiolTechnol., 9 1080-1085 (1991) ; Chibbar et al., (1991) Genome, 34 435-460。穀類由来の再生可能なカルスの胚盤源は周知である。Green et al.
, (1975) Crop Sci., 15 417-421; Lu et al., (1982) TAG 62 109-112 ;および
Thomas and Scott, (1985) J. Plant Physiol. 121 159-169。胚盤を標的にし、
次に、化学的選択によりトランスジェニック植物を回収することは、穀類でかな
り確立されている。D/Halluin et al., Plant Cell 4: 1495-1505 (1992); Perl
et al., MGG 235: 279-284 (1992); Cristou et al., BiolTechnol. 9: 957-96
2 (1991)。
【0148】VII. 蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)に関連した使用 FRETは、特定の状況下(以下を参照されたい)で2つの発蛍光団(供与体発蛍光団
および受容体発蛍光団)が約100Åよりも接近したときに生じる一般的・非破壊的
・分光学的効果である。2つの発蛍光団間のFRET効率は、高い距離依存性があり
、この事を利用することにより発蛍光団または2つの発蛍光団標識巨大分子の動
的会合をモニターすることができる。1以上の蛍光タンパク質間のFRETをモニタ
ーすることにより、タンパク質分解などの一連の活性の測定(1999年11月9日発行
の米国特許第5,981,200号を参照されたい)、アナライトの測定(1999年12月7日発
行の米国特許第5,998,204号を参照されたい)およびタンパク質-タンパク質相互
作用の測定を行うための細胞に基づく高感度な非侵襲的アッセイ法を開発するこ
とが可能である。供与体および受容体の発蛍光団の相対的発光を測定し、次に、
これらの2つの値の発光比を計算することにより、FRETは、きわめて容易に決定
される。[受容体の発光/供与体の発光]の比の値が大きければ、FRET度が大きい
ことを意味し、この比の値が小さければ、FRET度が小さいことを意味する。供与
体蛍光消光度を測定することによりFRETを調べることも可能である。この方法は
、この値が受容体の濃度に依存しないという点で発光比法に勝る重要な利点をも
つ測定法である。
【0149】 FRETの効率は、離間距離、供与体部分および受容体部分の配向、供与体部分の
蛍光量子収率ならびに受容体部分とのエネルギーの重なりに依存する。Forster
は、次の関係を導いた。
【0150】
【数1】 式中、Eは、FRETの効率であり、FおよびF0は、それぞれ、受容体の存在下および
不在下における供与体の蛍光強度であり、Rは、供与体と受容体との距離である
。エネルギー転移効率が50%である距離R0は、次式で与えられる(Å単位)。
【0151】
【数2】 式中、K2は、自由可動の供与体および受容体に対する0.67に近い平均値を有する
配向係数であり、Qは、非消光蛍光供与体の量子収率であり、nは、干渉媒質の屈
折率であり、Jは、スペクトルの重なり度を定量的に表す重なり積分である。
【0152】
【数3】 式中、_1は、M-1cm-1単位の受容体のモル吸光率であり、F1は、cm単位で測定さ
れた波長λの供与体の蛍光である。上記のパラメーターに対する蛍光エネルギー
転移の依存度が報告されている[Forster, T. (1948) Ann. Physik 2: 55-75; La
kowicz, J. R., Principles of Fluorescence Spectroscopy, New York : Plenu
m Press (1983); Herman, B., Resonance energy transfer microscopy, in: Fl
uorescence Microscopy of Living Cells in Culture, Part B, Methods in Cel
l Biology, Vol 30, ed. Taylor, D. L. & Wang, Y.-L., San Diego: Academic
Press (1989), pp. 219-243; Turro, N. J., Modern Molecular Photochemistry
, Menlo Part: Benjamin/Cummings Publishing Co., Inc. (1978), pp. 296-361
]。また、当業者は、スペクトルの重なり積分の表を容易に入手することができ
る[たとえば、Berlman, I.B. Energy transfer parameters of aromatic compou
nds, Academic Press, New York and London (1973)]。
【0153】 したがって、本発明の機能性赤色蛍光タンパク質は、改良された輝度、低減さ
れたスペクトルの相互干渉を有し、野生型花虫類タンパク質と比較して哺乳動物
細胞中で迅速かつ効率的に発現されるように意図されている。特に、ほとんどの
Aequorea関連供与体蛍光タンパク質が最も効率的に励起される400nm〜515nm領域
で低減された励起を呈し、哺乳動物細胞中で発現させたときに改良されたモル吸
光係数を呈するように、そのようなタンパク質をデザインする。したがって、そ
のような機能性赤色蛍光タンパク質は、FRETが関与するあらゆる方法において有
用である。
【0154】 1実施形態では、機能性赤色蛍光タンパク質は、供与体の蛍光タンパク質と受
容体の蛍光タンパク質とが開裂性リンカーによって分離されていることを特徴と
するプロテアーゼ活性を検出するためのFRETに基づくアッセイに有用である。こ
の実施形態では、第1の蛍光タンパク質、たとえば、表1のタンパク質のうちの1
つをFRET供与体として選択する。タンデム蛍光タンパク質構築物内でのFRETの効
率および検出率を最適化するために、いくつかの因子のバランスをとる必要があ
る。供与体部分の発光スペクトルは、重なり積分Jを最大化するように受容体部
分の励起スペクトルとできるかぎり重なるようにすべきである。さらに、供与体
部分の量子収率および受容体の吸光係数は、同様に、R0を最大化するようにでき
るかぎり大きくすべきである。しかしながら、受容体を直接励起することなく供
与体を効率的に励起することのできる波長領域を見いだすことができるように、
供与体部分の励起スペクトルと受容体部分の励起スペクトルは、できるかぎり重
ならないようにすべきである。受容体の直接励起により生じる蛍光とFRETにより
生じる蛍光とを識別するのは困難である。同様に、2つの発光をはっきりと識別
できるように、供与体部分の発光スペクトルと受容体部分の発光スペクトルは、
できるかぎり重ならないようにすべきである。受容体からの発光を単独の読み取
り値または発光比の一部分として測定する場合、受容体部分の蛍光量子収率は高
いことが望ましい。好ましい実施形態では、供与体部分は、典型的には青色光(<
500nm)で励起されて典型的には緑色光(>500nm)を放出し、一方、受容体は、青色
光ではなく緑色光で効率的に励起されて赤色光(>550nm)を放出する。たとえば、
好ましい供与体としては、サファイア、W1C、W1B、エメラルドが挙げられる。50
0〜520nm近傍で直接励起をほとんどまたはまったく示さない機能性赤色蛍光タン
パク質に対しては、トパーズが好適である。
【0155】 プロテアーゼ活性の測定に使用するために、供与体蛍光タンパク質部分と受容
体蛍光タンパク質部分とをリンカー部分を介して接続する。リンカー部分は、好
ましくはペプチド部分であるが、他の有機分子部分であってもよい。好ましい実
施形態では、リンカー部分は、対象の酵素または他の開裂剤に特異的な開裂認識
部位を含む。タンデム構築物が開裂剤と混合された場合、リンカーが開裂剤によ
る開裂に対する基質であるので、リンカー部分の切断部位が役に立つ。リンカー
部分が破壊されると、FRETの変化として測定可能な蛍光タンパク質部分の分離が
起こる。
【0156】 対象の開裂剤がプロテアーゼである場合、リンカーは、プロテアーゼに対する
開裂認識モチーフを含有するペプチドを含むことができる。プロテアーゼに対す
る認識モチーフは、タンパク質分解開裂時にプロテアーゼにより認識される特異
的アミノ酸配列である。リンカーは、当技術分野で公知のまたは今後見いだされ
る任意のプロテアーゼ認識モチーフを含有することができる。
【0157】 1実施形態では、機能性赤色蛍光タンパク質は、アナライトの存在を検出する
ためのFRETに基づくアッセイに有用である(1999年12月7日発行の米国特許第5,99
8,204号を参照されたい)。この場合、開裂部位を含むリンカーを結合性タンパク
質部分と交換する。結合性タンパク質部分は、アナライトに結合するとともにア
ナライトに暴露されるとタンデム構築物の立体配座を変化させるアナライト結合
領域を有する。供与体蛍光タンパク質部分を結合性タンパク質部分に共有結合さ
せる。機能性赤色蛍光タンパク質のような受容体蛍光タンパク質部分を結合性タ
ンパク質部分に共有結合させる。蛍光指示薬の場合、アナライトがアナライト結
合領域に結合すると、供与体部分および受容体部分は互いの相対位置が変化し、
その結果、供与体部分を励起したときに供与体部分と受容体部分との間の蛍光共
鳴エネルギー転移が変化する。FRETの変化は、サンプル中のアナライトの濃度の
指標となる。
【0158】 他の実施形態では、機能性赤色蛍光タンパク質は、タンパク質-タンパク質相
互作用を検出するためのFRETベースのアッセイに有用である。この方法により、
別の範囲の翻訳後活性をアッセイすることができる。この実施形態では、第1の
タンパク質を典型的には供与体蛍光タンパク質(たとえば、表1の蛍光タンパク質
)に共有結合させ、第2のタンパク質を受容体蛍光タンパク質(たとえば、機能性
赤色蛍光タンパク質)に共有結合させる。先の場合と同様に、FRET度を最適化す
るように、供与体および受容体の蛍光タンパク質を選択する。第1のタンパク質
が第2のタンパク質に結合すると、供与体蛍光タンパク質と受容体蛍光タンパク
質とが会合して、それらの間のFRET度が増強される。その結果、供与体と受容体
との発光比に測定可能な変化が生じる。したがって、この方法を用いれば、規定
のタンパク質間のタンパク質-タンパク質相互作用の同定および検出が可能にな
るだけでなく、これらのタンパク質-タンパク質相互作用に影響を及ぼす翻訳後
修飾を検出することも可能になる。
【0159】 好適な相互作用ドメインとしては、たとえば、SH2、SH3、PDZ、14-3-3、WWお
よびPTBドメインのようなタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが挙げられる
。他の相互作用ドメインについては、たとえば、ウェブ上のhttp://www.doe-mbi
.ucla.eduで利用可能な相互作用タンパク質のデータベースに記載されている。
【0160】 2つの被験タンパク質間の相互作用の同定および特性付けを行うために、本方
法では、典型的には、1) 供与体蛍光タンパク質に結合された第1の被験タンパク
質を含む第1の融合タンパク質の生成、および受容体蛍光タンパク質に結合され
た第2の被験タンパク質を含む第2の融合タンパク質の生成; 2) 被験細胞への組
み合わされた被験タンパク質融合タンパク質の導入と、対照細胞への供与体およ
び受容体蛍光タンパク質(融合タンパク質を用いない)の導入; 3) 対照細胞およ
び被験細胞における供与体と受容体の発光比の測定;ならびに4) 対照細胞におけ
る発光比と被験細胞における発光比との比較が行われる。
【0161】 蛍光タンパク質だけを含有する対照細胞と比較して、融合タンパク質を発現す
る細胞が著しく改変された値の発光比を呈する場合、その結果は、選択された実
験条件下で2つのタンパク質が相互作用することを意味する。反対に、対照細胞
および被験細胞における発光比がほぼ同一の場合(蛍光タンパク質の相対的発現
の差を考慮した後)、その結果は、試験条件下で2つのタンパク質がおそらく強
く相互作用しないことを意味する。
【0162】 この方法を用いると、2つのタンパク質の相互作用の程度を変化させる刺激(た
とえば、受容体刺激)の検出および特性付けも可能になる。この場合、翻訳後調
節相互作用を呈するかまたは呈すると考えられる相互作用ドメインを含む先に記
載したような第1および第2の融合タンパク質を発現する細胞系を作製する。たと
えば、セリンまたはトレオニン残基のリン酸化による翻訳後修飾は、14-3-3ドメ
イン相互作用を調節する可能性があり、チロシンのリン酸化は、SH2ドメイン相
互作用に影響を及ぼす可能性があり、レドックス状態は、ジスルフィド結合の形
成に影響を及ぼす可能性がある。次に、2つのタンパク質の相互作用が刺激によ
り調節されるかどうかを調べるために、細胞系を試験刺激に暴露する。2つのタ
ンパク質の相互作用が刺激により調節されれば、これにより2つの蛍光タンパク
質の結合が変化するので、FRET度が変化し、その結果、未処理の細胞と比較して
、処理された細胞での蛍光の発光比が変化するであろう。
【0163】 本発明はまた、新しいタンパク質-タンパク質相互作用の同定にも容易に利用
することができる。たとえば、第1のタンパク質は既知であるがそれと相互作用
するタンパク質(複数も可)は未知である場合にも利用可能である。この場合、第
1のタンパク質と供与体蛍光タンパク質(または受容体蛍光タンパク質)との間で
第1の融合タンパク質を作製し、好適な発現ベクターにクローン化する。次に、
たとえばcDNA発現ライブラリーから単離されるような被験タンパク質のライブラ
リーを受容体蛍光タンパク質(または供与体蛍光タンパク質)とフレームを合わせ
てで融合し、第2の発現ベクターにサブクローン化する。この場合、典型的には
、第1の融合タンパク質を被験細胞の集団に導入し、融合タンパク質を安定に発
現した単一クローンを同定することになる。被験タンパク質のライブラリー(典
型的には発現ベクターの形態)は、安定に第1の融合タンパク質を発現するクロー
ン細胞に導入されることになる。次に、こうして得られる形質転換細胞をスクリ
ーニングに付して、対照細胞と比較して改変されたFRETをもつ細胞を同定する。
次に、変化したFRET(すなわち、改変された発光比)を有する融合タンパク質を発
現する好適なクローンの同定、単離、および特性付けを、たとえば蛍光標示式細
胞分取法(FACSTM)により行うことが可能である。改変された発光比が確かにFRET
の結果であり、受容体蛍光タンパク質の発現レベルの改変によるものではないこ
とを確認するために、通常、受容体の存在下および不在下で供与体発光の消光に
関する第2の測定を行うことになる。これは、たとえば、受容体のフォトブリー
チングを行う前と後で供与体発光を測定することにより行いうる。次に、被験融
合タンパク質のライブラリーに暴露した後で各ライブラリーメンバーが発光比を
変化させる程度によって、発光比の相対的変化がより大きい融合タンパク質を発
現するライブラリーメンバーを同定することが可能である。
【0164】 VIII. 薬物探索のための使用 FRETベースの蛍光アッセイは、モジュレーターおよび有用な活性を有する化学
物質を同定するための自動化された統合ワークステーションを利用するシステム
および方法と共に使用するのに十分に適している。そのようなシステムについて
は、当技術分野で多く報告されている(以下を参照されたい:Kramerらに付与さ
れた米国特許第4,000,976号(1977年1月4日発行)、Pfostらに付与された同第5,10
4,621号(1992年4月14日発行)、Bjornsonらに付与された同第5,125,748号(1992年
6月30日発行)、Kowalskiに付与された同第5,139,744号(1992年8月18日発行)、Bj
ornsonらに付与された同第5,206,568号(1993年4月27日発行)、Mazzaらに付与さ
れた同第5,350,564号(1994年9月27日)、Harootunianに付与された同第5,589,351
号(1996年12月31日発行)、およびBaxter Deutschland GMBHによるPCT出願WO 93/
20612号(1993年10月14日公開)、McNeilらにうpりWO 96/05488号(1996年2月22日
公開)、AgongらによるWO 93/13423号(1993年7月8日公開)ならびに1999年11月16
日発行の米国特許第5,985,214号)。
【0165】 典型的には、そのようなシステムは、A) アドレス指定可能な化学物質ウェル
中に溶液中で複数の化学物質を保存するための保存場所および化学物質ウェル取
出部を備え、アドレス指定可能な化学物質ウェルのプログラム可能な選択および
取出を行い、少なくとも100,000個のアドレス指定可能なウェルを保存する能力
を有する、保存および取出モジュール、B) 選択されたアドレス指定可能な化学
物質ウェルから溶液を吸引または送出する液体ハンドラーを備えたサンプル分配
モジュール、すなわち、選択されたアドレス指定可能な化学物質ウェルのプログ
ラム可能な選択および該ウェルからの吸引を行い、選択されたアドレス指定可能
なサンプルウェル、またはプレート上の好ましくはあらかじめ選択された場所に
、プログラム可能な送出(1平方センチメートルあたりさまざまな密度のアドレス
指定可能なウェルを有するアドレス指定可能なウェルのアレイへの送出を含む)
を行う化学物質分配モジュール、C) 選択されたアドレス指定可能な化学物質ウ
ェルをサンプル分配モジュールに輸送し、場合により、選択されたアドレス指定
可能な化学物質ウェルまたはプレート上の場所の輸送をプログラム可能に制御す
る、サンプル輸送部(適応経路選択および並列処理を含む)、ならびにD) 選択さ
れたアドレス指定可能なサンプルウェルまたはプレート上の場所に試薬を送出す
る試薬送出器あるいは選択されたアドレス指定可能なサンプルウェルまたはプレ
ート上の場所の化学反応を検出する蛍光検出器のいずれかを備えた反応モジュー
ル、さらにデータ処理および統合モジュールを有する。
【0166】 保存および取出モジュール、サンプル分配モジュール、および反応モジュール
は、データ処理および統合モジュールにより統合されてプログラム可能に制御さ
れる。保存および取出モジュール、サンプル分配モジュール、サンプル輸送部、
反応モジュール、ならびにデータ処理および統合モジュールは、アドレス指定可
能なサンプルウェルまたはプレート上の場所の迅速処理を促進するように操作し
うる形で連結される。典型的には、本発明の装置は、24時間で少なくとも100,00
0個のアドレス指定可能なウェルまたはプレート上の場所を処理することができ
る。このタイプのシステムについては、1999年11月16日に発行された同一所有権
者の米国特許第5,985,214号に記載されている。所望により、それぞれ個別のモ
ジュールは、液体サンプルの迅速処理を促進するように統合されてプログラム可
能に制御されるだけでなく、液体サンプルの迅速処理を促進するように操作可能
に連結される。1実施形態では、システムは、蛍光をモニターする蛍光検出器で
ある反応モジュールを備える。蛍光検出器は、データ処理および統合モジュール
を有する他のワークステーションに統合され、サンプル輸送部に操作可能に連結
される。好ましくは、蛍光検出器は、本明細書に記載されたタイプであり、落射
蛍光に使用することができる。操作可能な形でサンプル輸送部に連結することが
望まれる場合、データ処理および統合モジュールならびにサンプル輸送部と適合
する当技術分野で公知のまたは今後開発される他の蛍光検出器を使用することが
できる。本発明に係るいくつかの実施形態では、特にプレート1つあたり96、192
、384および864ウェルを備えたプレートの場合、システムに統合するための検出
器を利用することが可能である。そのような検出器については、米国特許第5,58
9,351号(Harootunian)、米国特許第5,355,215号(Schroeder)、およびPCT特許出
願WO 93/13423号(Akong)に記載されている。このほか、Molecular Dynamics Flu
or-Imager 595(Sunnyvale, CA)のような撮影装置を用いて、全プレートを「読み
取る」ことも可能である。3,456ウェルなどの864超のウェルを有するマルチウェ
ルプラットフォームを本発明で使用することもできる(たとえば、1998年6月2日
出願のPCT出願PCT/US98/11061を参照されたい)。これらの高密度ウェルプレート
を用いる場合、アッセイ体積を小さくする必要があり、洗浄を必要としない高感
度アッセイの使用が要求される。本発明は、本明細書に記載されているようなア
ッセイを提供する。
【0167】 本明細書に記載のスクリーニング方法は、固体表面で増殖する細胞または固体
表面上に沈着させた細胞を対象として行うことができる。一般的な方法は、マイ
クロタイタープレートウェルを使用するものである。この場合、市販の蛍光プレ
ートリーダーにより蛍光測定を行う。そのような方法の1つでは、Costar 96ウェ
ルマイクロタイタープレート(透明な底部を有する水平プレート)で細胞を使用し
、CytoFluorマルチウェルプレートリーダー(Perseptive Biosystems, Inc., MA)
を用いて2つの発光波長で蛍光シグナルを測定することにより蛍光の発光比を記
録する。他の実施形態では、たとえば、Chowらに付与された1998年9月1日発行の
米国特許第5,800,690号、Pelcらによる1997年5月5日出願の欧州特許出願EP 0 81
0 438 A2、およびParceらによる1997年6月24日出願のPCT出願WO 98/00231に記載
されているように、システムのチャンネルを通る流体の運動を制御するために動
電力を使用する微小体積液体ハンドリングシステムがシステムに含まれる。これ
らのシステムでは、大量の並行した少量分析を行うために「チップ」ベースの分
析システムが使用される。そのようなシステムは、少量分析を必要とする場合の
好ましい分光学的測定システムである。
【0168】化学物質、モジュレーターまたは治療剤を同定する方法 有用な治療活性に関して治療剤を試験するために、本発明を使用することもで
きる。生物学的過程または標的に対する調節活性を有する可能性のある被験化学
物質を、本発明の構築物を含む被験細胞と接触させることにより、治療剤を同定
する。典型的には、マルチウェルプラットフォームの少なくとも1つのウェル内
に細胞を配置する。被験化学物質は、生物学的活性などの活性に関してスクリー
ニングされる被験化学物質のライブラリーの一部でありうる。ライブラリーは、
別々にもしくは組み合わせで試験される個々のメンバーを有しうるか、またはラ
イブラリーは、個々のメンバーの組み合わせでありうる。そのようなライブラリ
ーは、少なくとも2つのメンバー、好ましくは約100以上のメンバーもしくは約1,
000以上のメンバー、より好ましくは約10,000以上のメンバー、最も好ましくは
約100,000もしくは1,000,000以上のメンバーを有しうる。被験細胞を用いてサン
プルの適切なインキュベーションを行った後、タンパク質合成の阻害剤を添加し
、リポーター部分に対する基質を添加してもよい。サンプルの少なくとも1つの
光学的性質(たとえば、蛍光または吸光度)を測定し、未処理の対照と比較するこ
とにより、リポーター遺伝子の発現または活性のレベルを決定する。被験化学物
質を有するサンプルが対照細胞の場合よりも増加または低下したリポーター部分
の発現または活性を呈した場合、候補モジュレーターが同定されたことになる。
【0169】 周知の方法を用いて、構造、効力、毒性学、および薬理学に関して、候補モジ
ュレーターをさらに特性付けおよびモニターすることができる。本発明により同
定された候補モジュレーターの構造は、質量分析法のような当技術分野で公知の
方法により決定または確認することができる。長期間にわたり保存された推定モ
ジュレーターに対して、推定モジュレーターの構造、活性、および効力を確認す
ることができる。
【0170】 候補モジュレーターを同定するのに使用したシステムにもよるが、候補モジュ
レーターは、推定薬理活性を有するであろう。たとえば、候補モジュレーターが
in vitroでT細胞増殖などに関与するタンパク質チロシンホスファターゼを阻害
することが判明した場合、その候補モジュレーターは、免疫抑制剤または抗炎症
剤としての推定上の薬理学的性質を有するであろう(Suthanthiran et al., (199
6) Am. J. Kidney Disease, 28 159-172を参照されたい)。そのような関係は、
いくつかの疾患状態に関して当技術分野で公知であり、さらに多くの関係が次第
に見いだされるであろうと予想される。そのような関係に基づいて、薬理活性や
毒性学に対する適切な確証的in vitroおよびin vivoモデルを選択することがで
きる。本明細書に記載のアッセイおよび使用法を利用すると、選択性および特異
性ならびに毒性を評価する迅速な薬理学的プロファイリングが可能になる。続い
て、このデータを用いて、改善された特性を有する新しい候補化合物を開発する
ことができる。
【0171】候補モジュレーターの生物学的利用能および毒性学 候補モジュレーターを同定した後、既知の方法を用いて候補モジュレーターの
生物学的利用能および毒性作用を評価することができる(Lu, Basic Toxicology,
Fundamentals, Target Organs, and Risk Assessment, Hemisphere Publishing
Corp., Washington (1985); Culbrethに付与された米国特許第5,196,313号(199
3年3月23日発行)およびBenetに付与された米国特許第5,567,952号(1996年10月22
日発行)を参照されたい)。たとえば、哺乳動物細胞系、言い換えればヒト細胞系
のような細胞系に対するin vitro毒性を決定することにより、候補モジュレータ
ーの毒性学を確立することができる。たとえば、肝臓試料やミクロソーム試料の
ような組織抽出物で候補モジュレーターを処置することにより、生物全体により
代謝された後の化学物質の毒性学的性質の増加または減少を調べることができる
。これらのタイプの研究の結果から、ヒトを含めて哺乳動物などの動物における
化学物質の毒性学的性質を予測できることが多い。
【0172】 毒性学的活性は、毒性学的活性の作用時に活性化されるリポーター遺伝子を用
いてまたは細胞溶解によって測定することが可能である(1998年4月2日公開のWO
98/13353を参照されたい)。好ましいリポーター遺伝子は、蛍光または発光翻訳
産物(たとえば、緑色蛍光タンパク質(たとえば、Tsienらに付与された1998年4月
29日発行の米国特許第5,625,048号; Tsienらに付与された1998年7月7日発行の米
国特許第5,777,079号; Tsienによる1996年8月8日公開のWO 96/23810; 1997年8月
7日公開のWO 97/28261; 1997年7月16日出願のPCT/US97/12410; 1997年8月15日出
願のPCT/US97/14595を参照されたい)など)、あるいは蛍光または発光産物、たと
えば、酵素的分解産物、を生成することのできる翻訳産物(たとえば、β‐ラク
タマーゼ(たとえば、Tsienに付与された1998年4月21日発行の米国特許第5,741,6
57号および1996年10月3日公開のWO 96/30540を参照されたい)など)を産生する。
細胞溶解は、少なくとも1種の光子低減剤の存在下で細胞内の少なくとも1種の光
子生成剤からの蛍光シグナルの低減として本発明において検出することができる
。そのような毒性学的測定は、原核または真核細胞を用いて、場合により、1994
年1月21日出願のPCT/US94/00583(WO 94/17208)、1997年11月25日発行のドイツ特
許第69406772.5-08号; 1994年11月12日発行のEPC 0680517; 1996年12月31日発行
の米国特許第5,589,337号; 1998年1月14日発行のEPO 651825; および1996年12月
17日発行の米国特許第5,585,232号に記載されているような毒性学的プロファイ
リングにより、行うことができる。
【0173】 これらの代わりにまたはこれらのin vitro研究に加えて、マウス、ラット、ウ
サギ、またはサルのような動物モデルにおいて、候補モジュレーターの生物学的
利用能および毒性学的性質を確立された方法で調べることができる(以下を参照
されたい: Lu, 前掲 (1985); およびCreasey, Drug Disposition in Humans, Th
e Basis of Clinical Pharmacology, Oxford University Press, Oxford (1979)
, Osweiler, Toxicology, Williams and Wilkins, Baltimore, MD (1995), Yang
, Toxicology of Chemical Mixtures; Case Studies, Mechanisms, and Novel A
pproaches, Academic Press, Inc., San Diego, CA (1994), Burrell et al., T
oxicology of the Immune System; A Human Approach, Van Nostrand Reinhld,
Co. (1997), Niesink et al., Toxicology; Principles and Applications, CRC
Press, Boca Raton, FL (1996))。候補モジュレーターの毒性、標的の器官、組
織、遺伝子座、および推定機序に応じて、当業者は、適切な用量、LD50値、投与
経路、および候補モジュレーターの毒性学的性質を調べるのに適切なレジームを
なんなく決定しうるであろう。動物モデルに加えて、United States Food and D
rug Administration (USFDA)またはそれに相当する他の政府機関により規定され
ているような確立した手順に従ってヒト臨床試験を行うことができる。これらの
毒性研究は、in vivoにおける候補モジュレーターの治療的有用性を調べる基礎
になる。
【0174】候補モジュレーターの有効性 候補モジュレーターの有効性は、in vitro法、動物モデル、またはヒト臨床試
験のような当技術分野で認められているいくつかの方法を用いて確定することが
できる(Creasey,前掲(1979)を参照されたい)。いくつかの疾患または状態に対し
て認められているin vitroモデルが存在する。たとえば、in vitroでHIV感染細
胞の寿命を延長する化学物質の能力は、HIV感染症すなわちAIDSを治療するのに
有効であると予想される化学物質を同定するための許容しうるモデルとして認め
られている(Daluge et al., (1995) Antimicro. Agents Chemother. 41 1082-10
93を参照されたい)。さらに、in vitroでT細胞の増殖を防止するシクロスポリン
A(CsA)の能力は、免疫抑制剤として有効であると予想される化学物質を同定する
ための許容しうるモデルとして確立されている(Suthanthiran et al.,前掲, (19
96)を参照されたい)。ほぼすべてのクラスの治療剤、疾患、または状態に対して
、許容しうるin vitroモデルまたは動物モデルが利用可能である。そのようなモ
デルは、たとえば、胃腸障害、癌、心臓学、神経生物学、および免疫学のものが
存在する。さらに、これらのin vitro法では、肝臓試料やミクロソーム試料のよ
うな組織抽出物を使用して、候補モジュレーターに対する代謝作用の信頼性のあ
る指標を提供することができる。同様に、許容しうる動物モデルを用いて、種々
の疾患または状態を治療する化学物質の有効性を確証することが可能である。た
とえば、ウサギ膝関節は、関節炎を治療するのに有効な化学物質を試験するため
に利用されているモデルである(Shaw and Lacy, J. (1973) Bone Joint Surg. (
Br) 55 197-205を参照されたい)。関節炎を治療するためにヒトでの使用が認め
られているヒドロコルチゾンは、このモデルに有効であり、このことから、この
モデルの妥当性が確認される(McDonough, (1982) Phys. Ther. 62 835-839を参
照されたい)。候補モジュレーターの有効性を調べるのに適したモデルを選択す
る場合、適切なモデル、用量、および投与経路、処方計画および終点を選択する
ための最先端技術が当業者の助けとなりうる。したがって、当業者に過度の負担
はかからないであろう。
【0175】 動物モデルに加えて、ヒト臨床試験を用いて、ヒトにおける候補モジュレータ
ーの有効性を調べることができる。USFDAまたはそれに相当する政府機関は、そ
のような研究のための手順を確立している(www.fda.govを参照されたい)。
【0176】候補モジュレーターの選択性 上記のin vitro法およびin vivo法により、さらに候補モジュレーターの選択
性が確証される。化学物質は多種多様な生物過程を調節することができるかまた
は選択的でありうることが知られている。それぞれさまざまな特異性を有する構
築物を含有する細胞群(パネル)を用いて、本発明の赤色蛍光タンパク質に基づ
き、候補モジュレーターの特異性を調べることができる。臨床状況でより少ない
副作用を有するので、選択性モジュレーターが望ましい。さまざまな細胞経路お
よび感受性を呈する複数の細胞系に対する候補モジュレーターの毒性および作用
を試験することにより、候補モジュレーターの選択性をin vitroで確証すること
ができる。これらのin vitro毒性研究から得られたデータを、ヒト臨床試験を含
めてin vivo動物モデル研究に適用することにより、当技術分野で認められてい
る方法に従って候補モジュレーターの毒性、有効性、および選択性を調べること
ができる。
【0177】同定される化学物質、モジュレーター、または治療剤および組成物 本発明には、本明細書に記載の方法、システムまたは構成要素を実行すること
により活性を有するものとみなされる、本発明の少なくとも1つの方法により同
定された組成物、たとえば、新規な化学物質、および治療剤が包含される。本明
細書で使用される新規な化学物質という用語には、本願の申請日の時点で当技術
分野で公知の化学物質は包含されない。典型的には、化学物質は、本発明を使用
することにより活性を有するものとして同定されるであろう。次に、所有する化
学構造データベースからその構造を明らかにすることができるか、または質量分
析法のような分析方法を用いて調べることができる。
【0178】 本発明の1実施形態は、有用な活性をもつ化学物質であり、上記の方法により
同定される化学物質が含まれる。そのような組成物としては、小さな有機分子、
核酸、ペプチド、および当技術分野で利用可能な方法および今後開発される方法
により容易に合成される他の分子が挙げられる。たとえば、次のような組合せの
化合物はスクリーニングに好適である: ペプトイド(PCT公開WO 91/19735号、199
1年12月26日)、コード化ペプチド(PCT公開WO 93/20242号、1993年10月14日)、ラ
ンダムバイオオリゴマー(PCT公開WO 92/00091号、1992年1月9日))、ベンゾジア
ゼピン類(米国特許第5,288,514号)、ヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジ
ペプチドのようなダイバーソマー(diversomeres) (Hobbs DeWitt, S. et al., (
1993) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90 6909-6913)、ビニローグ(vinylogous)ポ
リペプチド(Hagihara et al., (1992) J. Amer. Chem. Soc. 114 6568)、β-D-
グルコースのスカフォードを有する非ペプチド性ペプチドミメティック(Hirschm
ann, R. et al., (1992) J . Amer. Chem. Soc. 114 9217-9218)、小化合物ライ
ブラリーの類似有機合成物(Chen, C. et al., (1994) J. Amer. Chem. Soc. 116 2661)、オリゴカルバメート(Cho, C. Y. et al., (1993) Science 261: 1303)
、および/またはペプチジルホスホネート(Campbell, D. A. et al., (1994) J.
Org. Chem. 59 658)。概要については、Gordon, E. M. et al., (1994). J. Med
Chem. 37 1385を参照されたい。すべての前述の刊行物の内容は、参照により本
明細書に組み入れるものとする。
【0179】 本発明はまた、保存およびその後の投与のために調製された製薬上許容される
担体を含む医薬組成物の形態の同定された組成物を包含する。この組成物には、
製薬上有効な量の先に開示した生成物が、製薬上許容される担体または希釈剤と
共に含まれる。治療用途で許容しうる担体または希釈剤は、製薬技術分野で周知
であり、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing C
o. (A. R. Gennaro編 1985)に記載されている。保存剤、安定化剤、染料、さら
には着香料を医薬組成物に組み入れてもよい。たとえば、安息香酸ナトリウム、
アスコルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを保存剤として添加し
てもよい。さらに、酸化防止剤および懸濁化剤を使用してもよい。
【0180】 本発明の組成物は、経口投与のための錠剤、カプセル剤またはエリキシル剤;
直腸内投与のための坐剤; 注射可能な投与のための無菌溶液剤、懸濁剤などとし
て製剤化して使用することが可能である。注射剤は、液体溶液剤もしく懸濁剤と
して、注射前に液体中に溶解もしくは懸濁させるのに好適な固体として、または
乳剤として、従来の形態で調製することができる。好適な賦形剤は、たとえば、
水、生理食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アル
ブミン、グルタミン酸ナトリウム、システイン塩酸塩などである。さらに、所望
により、注射可能な医薬組成物は、湿潤剤、pH緩衝剤などのような少量の無毒な
助剤物質を含有していてもよい。所望により、吸収促進調製物(たとえば、リポ
ソーム)を利用していてもよい。
【0181】 1回用量として必要になる組成物の薬学的に有効な量は、投与経路、治療対象
の動物種、および考慮対象の特定の動物の身体特性に依存するであろう。所望の
効果が得られるように用量を調節することができるが、体重、食事、併用薬剤の
ような因子、および医学分野の当業者であればわかるであろう他の因子に依存す
るであろう。本発明の方法を実施する際、生成物または組成物は、単独で使用す
るか、または互いに組み合わせて使用するか、あるいは他の治療剤もしくは診断
剤と組み合わせて使用することができる。これらの生成物は、in vivoで、通常
、哺乳動物で、好ましくはヒトで、またはin vitroで利用することができる。そ
れらをin vivoで利用する場合、さまざまな剤形を利用して、非経口、静脈内、
皮下、筋肉内、結腸内、直腸内、鼻腔内または腹腔内投与などのさまざまな方法
で、生成物または組成物を哺乳動物に投与することができる。in vivoで化学的
活性を試験するために、そのような方法を適用してもよい。
【0182】 当業者には自明であろうが、有用なin vivo投与量および特定の投与形態は、
年齢、体重および治療対象哺乳動物種、特定の利用化合物、ならびにこれらの化
合物の特定の使用目的に応じて変化するであろう。当業者は、慣用的な薬理学的
方法を用いて、有効用量レベル、すなわち、所望の効果を得るのに必要な用量レ
ベルを決定することができる。典型的には、生成物のヒト臨床適用では、低い用
量レベルから開始して、所望の結果が得られるまで用量レベルを増加させる。こ
のほか、許容しうるin vitro研究を行うことにより、確立された薬理学方法を用
いて本発明の方法により同定された組成物の有用な用量および投与経路を確証す
ることができる。
【0183】 非ヒト動物研究では、可能性のある生成物の適用は、より高い用量レベルから
開始して、所望の効果がもはや得られないかまたは有害な副作用が消えるまで、
用量を減少させる。本発明の生成物の用量は、所望の効果および治療適応症に応
じて広く変化させることができる。典型的には、用量は、約10mg/kg〜100mg/kg
体重、好ましくは約100μg/kg〜10mg/kg体重でありうる。投与は、好ましくは1
日単位の経口投与である。
【0184】 正確な処方、投与経路および用量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選択
することができる。(たとえば、Fingl et al., The Pharmacological Basis of
Therapeutics, 1975を参照されたい)。毒性または器官機能障害に基づいて投与
の終了、中断、または変更をいかにしていつ行うかは主治医にはわかるであろう
という点に留意する必要がある。反対に、もし臨床応答が適切でなければ(毒性
のあるときを除く)、主治医は、より高レベルに治療を変更するように対処する
であろう。対象の疾患を処置する際の投与量レベルは、治療対象の症状の重症度
および投与経路に応じて変化するであろう。症状の重症度は、たとえば、部分的
には、標準的予後評価法により評価することが可能である。さらに、用量および
おそらく投与頻度もまた、個々の患者の年齢、体重および応答によって変化する
であろう。以上述べてきたプログラムと同じようなプログラムは、獣医学でも使
用しうる。
【0185】 治療対象の特定の症状に応じて、当該物質を製剤化して、全身的または局所的
に投与することが可能である。製剤化および投与の方法は、Remington's Pharma
ceutical Sciences, 18th Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)に見
いだしうる。好適な経路としては、経口、直腸内、経皮、膣内、経粘膜、または
腸内の投与; 非経口送達、たとえば、筋肉内、皮下、髄内の注射、ならびに脊髄
内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、または眼内の注射が挙げられる。
【0186】 注射に用いる場合、本発明の物質は、水溶液中に、好ましくは、ハンクス溶液
、リンゲル溶液、または生理食塩水緩衝液のような生体適合性のある緩衝液中に
製剤化することが可能である。そのような経粘膜投与では、浸透されるバリヤー
に適した浸透剤が製剤中で使用される。そのような浸透剤は、当技術分野で周知
である。本発明を実施のための本明細書に開示された化合物を全身的投与に好適
な投薬に製剤化するための製薬上許容される担体の使用は、本発明の範囲内にあ
る。担体を適切に選択し、好適な製造手順を用いれば、本発明の組成物、特に、
溶液として製剤化された組成物は、静脈注射などの非経口投与に供しうる。化合
物は、当技術分野で周知の製薬上許容される担体を用いて経口投与に好適な投薬
に容易に製剤化することができる。そのような担体を用いると、治療対象の患者
が経口摂取するための錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、ス
ラリー剤、懸濁剤などとして本発明の化合物を製剤化することができる。
【0187】 細胞内に投与するように意図された物質は、当業者に周知の方法を用いて投与
しうる。たとえば、そのような物質をリポソーム中にカプセル化し、次に、上述
したように投与することが可能である。リポソーム形成時に水溶液中に存在する
分子はすべて、水性の内部に取り込まれる。リポソームの内容物はいずれも、外
部のミクロ環境から保護され、リポソームが細胞膜と融合するので、効率的に細
胞質中に送達される。さらに、疎水性に基づいて、小さな有機分子は直接細胞内
に投与しうる。
【0188】 本発明で使用するのに好適な医薬組成物としては、その所期の目的を達成する
のに有効な量で有効成分を含んでなる組成物が挙げられる。有効量の決定は、特
に本明細書に提供されている詳細な開示内容に照らして、当業者の能力範囲内で
十分に行いうる。有効成分に加えて、これらの医薬組成物は、医薬品として使用
しうる調製物に活性化合物を処理するのを容易する賦形剤および助剤を含む好適
な製薬上許容される担体を含有していてもよい。経口投与用に製剤化された調製
物は、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、または溶剤の形態をとりうる。本発明の医薬
組成物は、たとえば、従来型の混合、溶解、造粒、糖衣形成、浮揚、乳化、カプ
セル化、封入、または凍結乾燥プロセスによって、それ自体公知の手順で製造し
うる。
【0189】 非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。さらに
、適切な油性の注射用懸濁剤として活性化合物の懸濁剤を調製することも可能で
ある。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油のような脂肪油、また
はエチルオレエートもしくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、ある
いはリポソームが挙げられる。水性の注射用懸濁剤には、ナトリウムカルボキシ
メチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランのような懸濁液の粘度を
増加させる物質が含まれていてもよい。場合により、懸濁液にはさらに、好適な
安定化剤、または化合物の溶解度を増加させて濃縮溶液の調製を可能にする物質
が含まれていてもよい。
【0190】 経口投与に使用される医薬品は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、場合
により得られた混合物を粉砕し、所望により好適な助剤を添加した後で顆粒混合
物を加工して錠剤または糖衣剤コアを生成することにより取得することができる
。好適な賦形剤は、特に、糖のような充填剤、たとえば、ラクトース、スクロー
ス、マンニトール、もしくはソルビトール; セルロース調製物、たとえば、トウ
モロコシデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチ
ン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリド
ン(PVP)である。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギ
ン酸もしくはアルギン酸ナトリウムのようなその塩などの崩壊剤を添加してもよ
い。糖衣剤コアには、好適なコーティングを施す。この目的のために、濃厚な糖
溶液を使用することが可能である。この溶液には、場合により、アラビアガム、
タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、
および/もしくは二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶
媒混合物が含まれていてもよい。活性化合物用量の異なる組み合わせを識別また
は特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖衣剤コーティングに添加し
てもよい。この目的のために、濃厚な糖溶液を使用することが可能である。この
溶液には、場合により、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボ
ポールゲル、ポリエチレングリコール、および/もしくは二酸化チタン、ラッカ
ー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物が含まれていてもよい。活性化
合物用量の異なる組み合わせを識別または特徴付けるために、染料または顔料を
錠剤または糖衣剤コーティングに添加してもよい。そのような製剤は、当技術分
野で公知の方法を用いて作製ことができる (たとえば、米国特許第5,733,888号(
注射可能な組成物); 同第5,726,181号(難水溶性化合物); 同第5,707,641号(治療
上有効なタンパク質またはペプチド); 同第5,667,809号(親油性物質); 同第5,57
6,012号(可溶化高分子物質); 同第5,707,615号(抗ウイルス製剤); 同第5,683,67
6号(粒状薬剤); 同第5,654,286号(局所投与用製剤); 同第5,688,529号(経口投与
用懸濁剤); 同第5,445,829号(持続放出製剤); 同第5,653,987号(液体製剤); 同
第5,641,515号(徐放性製剤)および同第5,601,845号(スフェロイド製剤)を参照さ
れたい)。
【0191】 上記の説明で引用した刊行物および特許はすべて、参照により本明細書に組み
入れられるものとする。記載された本発明に係る方法およびシステムの種々の修
正態様および変更態様は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業
者に自明なものとなるであろう。特定の好ましい実施形態に関連させて本発明に
ついて説明してきたが、特許請求の範囲に記載される本発明はそのような特定の
実施形態になんら限定されるものではないことを理解しなければならない。実際
上、本発明を実施するための上記の形態の種々の修正態様のうち分子生物学また
は関連分野の当業者に自明な修正態様は、特許請求の範囲内に含まれるものとみ
なされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 哺乳動物細胞内で最適のコドン使用性と翻訳開始を提供するように作製された
哺乳動物化したRFPを示す。突然変異誘発性のオリゴヌクレオチドを挿入するた
めの制限部位を配列の上に示す。
【図2】 レトロウイルス哺乳動物発現ベクター ABSC258を示す。この構築物では、強力
なウイルスCMVプロモーターによって高レベルの哺乳動物内発現が達成される。
【図3】 野生型およびRFP発現性NIH3T6細胞のフローサイトメトリー分析の結果を示す
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ザマイラ,エリゼ アメリカ合衆国 92131 カリフォルニア 州,サンディエゴ,アーバーレイク ウェ イ 11890 (72)発明者 ティエン,ロガー アメリカ合衆国 92037 カリフォルニア 州,ラ ジョラ,ノッティンハム プレイ ス 8535 Fターム(参考) 2G045 AA40 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA07 DA01 DA02 DA05 DA11 EA02 EA04 HA08 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90Y AB01 CA24 CA46 4C084 AA17 MA52 MA55 ZC781 4H045 AA10 AA20 AA30 BA09 CA50 EA50 EA65 FA72 FA73 FA74

Claims (84)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列を
    含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配
    列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69
    、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151
    、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216で
    の少なくとも1つのアミノ酸置換により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパ
    ク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特
    性を有するものである、上記核酸分子。
  2. 【請求項2】 機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、487nmで低下したモル吸光係数を示す、請求項1に
    記載の核酸分子。
  3. 【請求項3】 機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、530nmで低下したモル吸光係数を示す、請求項1に
    記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、583nmで高いモル吸光係数を示す、請求項1に記載
    の核酸分子。
  5. 【請求項5】 機能性赤色蛍光タンパク質が、558nmで励起させたとき、花
    虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)よりも明るい、請求項1に記載の核酸
    分子。
  6. 【請求項6】 機能性赤色蛍光タンパク質が、37℃で増殖させた哺乳動物細
    胞において発現させたとき、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)よりも
    明るい、請求項1に記載の核酸分子。
  7. 【請求項7】 機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、高い量子収率を示す、請求項1に記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、より速い自触媒形成速度を示す、請求項1に記載の
    核酸分子。
  9. 【請求項9】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列を
    含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配
    列番号7)のアミノ酸配列とは、位置59での少なくとも1つのアミノ酸置換によ
    り相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質
    (配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分子
  10. 【請求項10】 位置59での少なくとも1つのアミノ酸置換が、D59S、D59A
    、D59H、D59EおよびD59Pからなる群より選択される、請求項9に記載の核酸分子
  11. 【請求項11】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置60での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  12. 【請求項12】 位置60での少なくとも1つのアミノ酸置換が、I60T、I60A
    、I60C、I60VおよびI60Lからなる群より選択される、請求項11に記載の核酸分
    子。
  13. 【請求項13】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置62での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  14. 【請求項14】 位置62での少なくとも1つのアミノ酸置換が、S62A、S62G
    、S62CおよびS62Tからなる群より選択される、請求項13に記載の核酸分子。
  15. 【請求項15】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置63での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  16. 【請求項16】 位置63での少なくとも1つのアミノ酸置換が、P63T、P63H
    、P63FおよびP63Wからなる群より選択される、請求項15に記載の核酸分子。
  17. 【請求項17】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置64での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  18. 【請求項18】 位置64での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Q64K、Q64P
    、Q64T、Q64NおよびQ64Rからなる群より選択される、請求項17に記載の核酸分
    子。
  19. 【請求項19】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置65での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  20. 【請求項20】 位置65での少なくとも1つのアミノ酸置換が、F65L、F65V
    、F65I、F65M、F65YおよびF65Wからなる群より選択される、請求項19に記載の
    核酸分子。
  21. 【請求項21】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置66での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  22. 【請求項22】 位置66での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Q66R、Q66P
    、Q66K、Q66E、Q66T、Q66AおよびQ66Gからなる群より選択される、請求項21に
    記載の核酸分子。
  23. 【請求項23】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置69での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  24. 【請求項24】 位置69での少なくとも1つのアミノ酸置換が、S69L、S69A
    、S69VおよびS69Tからなる群より選択される、請求項23に記載の核酸分子。
  25. 【請求項25】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置70での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  26. 【請求項26】 位置70での少なくとも1つのアミノ酸置換が、K70M、K70Q
    、K70LおよびK70Rからなる群より選択される、請求項25に記載の核酸分子。
  27. 【請求項27】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置71での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  28. 【請求項28】 位置71での少なくとも1つのアミノ酸置換が、V71C、V71L
    、V71AおよびV71Iからなる群より選択される、請求項27に記載の核酸分子。
  29. 【請求項29】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置72での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  30. 【請求項30】 位置72での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Y72Fおよび
    Y72Wからなる群より選択される、請求項29に記載の核酸分子。
  31. 【請求項31】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置73での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  32. 【請求項32】 位置73での少なくとも1つのアミノ酸置換が、V73A、V73L
    、V73SおよびV73Iからなる群より選択される、請求項31に記載の核酸分子。
  33. 【請求項33】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置93での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  34. 【請求項34】 位置93での少なくとも1つのアミノ酸置換が、W93L、W93Y
    、W93CおよびW93Fからなる群より選択される、請求項33に記載の核酸分子。
  35. 【請求項35】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置95での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  36. 【請求項36】 位置95での少なくとも1つのアミノ酸置換が、R95Kからな
    る群より選択される、請求項35に記載の核酸分子。
  37. 【請求項37】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置98での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸分
    子。
  38. 【請求項38】 位置98での少なくとも1つのアミノ酸置換が、N98T、N98D
    、N98AおよびN98Qからなる群より選択される、請求項37に記載の核酸分子。
  39. 【請求項39】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置143での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  40. 【請求項40】 位置143での少なくとも1つのアミノ酸置換が、W143L、W1
    43F、W143C、W143YおよびW143Lからなる群より選択される、請求項39に記載の
    核酸分子。
  41. 【請求項41】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置145での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  42. 【請求項42】 位置145での少なくとも1つのアミノ酸置換が、A145P、A1
    45S、A145GおよびA145Lからなる群より選択される、請求項41に記載の核酸分
    子。
  43. 【請求項43】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置146での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  44. 【請求項44】 位置146での少なくとも1つのアミノ酸置換が、S146R、S1
    46G、S146N、S146H、S146T、S146AおよびS146Dからなる群より選択される、請求
    項43に記載の核酸分子。
  45. 【請求項45】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置147での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  46. 【請求項46】 位置147での少なくとも1つのアミノ酸置換が、T147N、T1
    47KおよびT147Sからなる群より選択される、請求項45に記載の核酸分子。
  47. 【請求項47】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置148での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  48. 【請求項48】 位置148での少なくとも1つのアミノ酸置換が、E148Vおよ
    びE148Dからなる群より選択される、請求項47に記載の核酸分子。
  49. 【請求項49】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置151での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  50. 【請求項50】 位置151での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Y151F、Y1
    51N、Y151D、Y151S、Y151TおよびY151Aからなる群より選択される、請求項49
    に記載の核酸分子。
  51. 【請求項51】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置159での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  52. 【請求項52】 位置159での少なくとも1つのアミノ酸置換が、G159A、G1
    59SおよびG159Vからなる群より選択される、請求項51に記載の核酸分子。
  53. 【請求項53】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置161での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  54. 【請求項54】 位置161での少なくとも1つのアミノ酸置換が、I161V、I1
    61F、I161MおよびI161Lからなる群より選択される、請求項53に記載の核酸分
    子。
  55. 【請求項55】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置163での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  56. 【請求項56】 位置163での少なくとも1つのアミノ酸置換が、K163I、K1
    63R、K163T、K163E、K163V、K163GおよびK163Aからなる群より選択される、請求
    項55に記載の核酸分子。
  57. 【請求項57】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置171での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  58. 【請求項58】 位置171での少なくとも1つのアミノ酸置換が、G171Sおよ
    びG171Aからなる群より選択される、請求項57に記載の核酸分子。
  59. 【請求項59】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置179での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  60. 【請求項60】 位置179での少なくとも1つのアミノ酸置換が、S179A、S1
    79P、S179T、S179E、S179QおよびS179Kからなる群より選択される、請求項59
    に記載の核酸分子。
  61. 【請求項61】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置181での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  62. 【請求項62】 位置181での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Y181F、Y1
    81W、Y181NおよびY181Iからなる群より選択される、請求項61に記載の核酸分
    子。
  63. 【請求項63】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置197での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  64. 【請求項64】 位置197での少なくとも1つのアミノ酸置換が、S197Y、S1
    97T、S197NおよびS197Aからなる群より選択される、請求項63に記載の核酸分
    子。
  65. 【請求項65】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置199での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  66. 【請求項66】 位置199での少なくとも1つのアミノ酸置換が、L199I、L1
    99V、L199IおよびL199Aからなる群より選択される、請求項65に記載の核酸分
    子。
  67. 【請求項67】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置214での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  68. 【請求項68】 位置214での少なくとも1つのアミノ酸置換が、Y214F、Y2
    14HおよびY214Lからなる群より選択される、請求項67に記載の核酸分子。
  69. 【請求項69】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置215での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  70. 【請求項70】 位置215での少なくとも1つのアミノ酸置換が、E215G、E2
    15QおよびE215Rからなる群より選択される、請求項69に記載の核酸分子。
  71. 【請求項71】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列
    を含む核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置216での少なくとも1つのアミノ酸置換
    により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパ
    ク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記核酸
    分子。
  72. 【請求項72】 位置216での少なくとも1つのアミノ酸置換が、R216K、R2
    16L、R216CおよびR216Fからなる群より選択される、請求項71に記載の核酸分
    子。
  73. 【請求項73】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸分子に機能的
    に連結された発現制御配列を含む発現ベクターであって、該機能性赤色蛍光タン
    パク質のアミノ酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ
    酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V
    73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163
    、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216での少なくとも1つの
    アミノ酸置換により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤
    色蛍光タンパク質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものであ
    る、上記発現ベクター。
  74. 【請求項74】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸分子を含有す
    る組換え宿主細胞であって、該機能性赤色蛍光タンパク質のアミノ酸配列が、花
    虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、
    S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A
    145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L
    199、Y214、E215またはR216での少なくとも1つのアミノ酸置換により相違して
    おり、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号
    7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記組換え宿主細胞。
  75. 【請求項75】 花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配
    列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、
    W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G17
    1、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216での少なくとも1つのアミ
    ノ酸置換により相違しているアミノ酸配列からなり、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して異なる蛍光特性を有する、機能性蛍光タンパク質。
  76. 【請求項76】 機能性赤色蛍光タンパク質に機能的に連結された対象のタ
    ンパク質を含む融合タンパク質であって、該機能性赤色蛍光タンパク質のアミノ
    酸配列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、位
    置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、
    N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179、Y
    181、S197、L199、Y214、E215またはR216での少なくとも1つのアミノ酸置換に
    より相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク
    質(配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記融合タ
    ンパク質。
  77. 【請求項77】 機能性赤色蛍光タンパク質をコードする核酸分子を含有す
    るトランスジェニック生物であって、該機能性赤色蛍光タンパク質のアミノ酸配
    列が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D5
    9、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98
    、W143、A145、S146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179、Y181
    、S197、L199、Y214、E215またはR216での少なくとも1つのアミノ酸置換により
    相違しており、該機能性赤色蛍光タンパク質が、花虫類の赤色蛍光タンパク質(
    配列番号7)と比較して、異なる蛍光特性を有するものである、上記トランスジ
    ェニック生物。
  78. 【請求項78】 タンパク質−タンパク質相互作用を確認する方法であって
    、以下のステップ: a) 機能性赤色蛍光タンパク質を含む細胞の集団を用意すること、ただし、該
    機能性赤色蛍光タンパク質のアミノ酸配列は、花虫類の赤色蛍光タンパク質(配
    列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P63、Q64、F65、Q66、S69
    、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S146、T147、E148、Y151
    、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y214、E215またはR216で
    の少なくとも1つのアミノ酸置換により相違しており、該機能性赤色蛍光タンパ
    ク質が花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)と比較して異なる蛍光特性を
    有するものであり、また、該機能性赤色蛍光タンパク質は対象の第1タンパク質
    に機能的に連結されていること、 b) 該細胞の集団に、機能性緑色蛍光タンパク質に機能的に連結された対象の
    被験タンパク質のライブラリーを導入すること、ただし、該機能性緑色蛍光タン
    パク質と該機能性赤色蛍光タンパク質は蛍光エネルギー転移(FRET)を受けるこ
    とができ、そして、該細胞集団の各メンバーは、該機能性緑色蛍光タンパク質に
    機能的に連結された対象の被験タンパク質のライブラリーのメンバーを平均して
    1つ受け取るものであること、 c) 該細胞集団を、該機能性緑色蛍光タンパク質と該機能性赤色蛍光タンパク
    質の間のFRETについてスクリーニングすること、 d) ステップc)におけるFRETを、機能性緑色蛍光タンパク質に機能的に連結さ
    れた対象の被験タンパク質のライブラリーが存在しない対照細胞におけるFRETと
    比較すること、 を含んでなる、上記方法。
  79. 【請求項79】 タンパク質−タンパク質相互作用のモジュレーターを同定
    する方法であって、以下のステップ: a) 細胞に被験化学物質を接触させること、ただし、該細胞は以下のタンパク
    質: i) 機能性赤色蛍光タンパク質、ただし、そのアミノ酸配列は、花虫類の
    赤色蛍光タンパク質(配列番号7)のアミノ酸配列とは、位置D59、I60、S62、P
    63、Q64、F65、Q66、S69、K70、V71、Y72、V73、W93、R95、N98、W143、A145、S
    146、T147、E148、Y151、G159、I161、K163、G171、S179、Y181、S197、L199、Y
    214、E215またはR216での少なくとも1つのアミノ酸置換により相違しており、
    該機能性赤色蛍光タンパク質は花虫類の赤色蛍光タンパク質(配列番号7)と比
    較して異なる蛍光特性を有するものであり、そして、該機能性赤色蛍光タンパク
    質は、対象の第1タンパク質に機能的に連結されているものであること、 ii) 機能性緑色蛍光タンパク質、ただし、該機能性緑色蛍光タンパク質は
    、対象の第2タンパク質に機能的に連結されており、そして、該機能性緑色蛍光
    タンパク質と該機能性赤色蛍光タンパク質は、機能的に連結された第1タンパク
    質および機能的に連結された第2タンパク質が会合するとき、蛍光エネルギー転
    移(FRET)を受けるものであること、 を含むものであること、 b) 該被験化学物質の存在下で、該機能性緑色蛍光タンパク質と該機能性赤色
    蛍光タンパク質の間のFRETを検出すること、 c) ステップc)におけるFRETを、該被験化学物質の非存在下での対照細胞にお
    けるFRETと比較すること、 を含んでなる、上記方法。
  80. 【請求項80】 被験化学物質の添加に先立って、前記細胞にアクチベータ
    ーを接触させるステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記細胞の生存能を検出するステップをさらに含む、請求
    項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 請求項79に記載の方法により同定された被験化学物質。
  83. 【請求項83】 請求項79に記載の方法により同定された被験化学物質を
    含有する医薬組成物。
  84. 【請求項84】 製薬上許容される担体をさらに含有する、請求項83に記
    載の医薬組成物。
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