JP2003523475A - フォトクロミックポリウレタンコーティングおよびこのコーティングを有する物品 - Google Patents

フォトクロミックポリウレタンコーティングおよびこのコーティングを有する物品

Info

Publication number
JP2003523475A
JP2003523475A JP2001561112A JP2001561112A JP2003523475A JP 2003523475 A JP2003523475 A JP 2003523475A JP 2001561112 A JP2001561112 A JP 2001561112A JP 2001561112 A JP2001561112 A JP 2001561112A JP 2003523475 A JP2003523475 A JP 2003523475A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photochromic
polyols
article
poly
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001561112A
Other languages
English (en)
Inventor
クレタス・エヌ・ウェルチ
ジェシカ・エイ・ホック
ジャニーン・エイ・コンクリン
シャンティ・スワラップ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PPG Industries Ohio Inc
Original Assignee
PPG Industries Ohio Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PPG Industries Ohio Inc filed Critical PPG Industries Ohio Inc
Publication of JP2003523475A publication Critical patent/JP2003523475A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/685Compositions containing spiro-condensed pyran compounds or derivatives thereof, as photosensitive substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/42Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
    • C08G18/44Polycarbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D175/00Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D175/04Polyurethanes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31551Of polyamidoester [polyurethane, polyisocyanate, polycarbamate, etc.]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31551Of polyamidoester [polyurethane, polyisocyanate, polycarbamate, etc.]
    • Y10T428/31598Next to silicon-containing [silicone, cement, etc.] layer

Abstract

(57)【要約】 膨張試験(Percent Swelling Test)においてアルコール性溶媒に曝露した時の低い膨張率で表される高い耐久性を有するフォトクロミックポリウレタンコーティングを記載している。このコーティングは、水酸基の起源としてポリカーボネートポリオールを単独でまたは異なる種類のポリオールと組み合わせて用いることにより調製される。このコーティングを有する物品も開示している。このコーティングは、フィッシャーマイクロ硬度50〜150N/mmでかつ良好なフォトクロミック特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願とのクロスリファレンス この出願は、2000年1月26日に出願された仮出願第60/178,095号を優先権主張
する。
【0002】 発明の説明 本発明は、高い耐久性を有するフォトクロミックポリウレタンコーティングに
関する。特に、本発明は、商業的に公知のフォトクロミックポリウレタンコーテ
ィングよりも優れた耐久性、すなわち、被覆物品の使用中の引っ掻き傷に関する
表面欠陥(cosmetic defects)の形成に対してより優れた耐性を有する特定のフォ
トクロミックポリウレタンコーティングを有する物品に関する。さらに、本発明
は、レンズなどの光学要素に適用される光学コーティングのための商業上容認さ
れた「表面の(cosmetic)」標準に適合する、フォトクロミックポリウレタンコ
ーティングに関する。
【0003】 フォトクロミック化合物は、日光または水銀灯の光の中の紫外光のような、紫
外線を伴う放射線に曝露されると可逆的な色の変化を発現する。種々のフォトク
ロミック化合物が合成され、そして日光が誘発する可逆的な色の変化または暗色
化が望まれる用途での使用について提案されている。最も広範に記載されている
フォトクロミック化合物種は、オキサジン、ピランおよびフルギドである。
【0004】 ポリウレタン中でのフォトクロミック化合物の使用は開示されている。国際特
許出願公開第WO98/37115号公報には、フィッシャーマイクロ硬度が50〜150
N/mmでかつ高いフォトクロミック特性を示すフォトクロミックポリウレタ
ンコーティングが記載されている。旧東ドイツの特許第116520号には、ポリウレ
タンを誘導する反応系に添加されるフォトクロミックオルト-ニトロベンジル化
合物を包含するフォトクロミックポリマー系の調製方法が開示されている。欧州
特許出願第0146136号には、1種以上のフォトクロミック物質が混入されたポリ
ウレタン塗料(lacquer)などのフォトクロミックコーティングを有する光学要素
が記載されている。米国特許第4,889,413号公報には、フォトクロミック特性を
示すポリウレタンプラスチック材料の製造方法が記載されている。特開平3-2695
07号公報には、プラスチックベース材料、ベース材料上に配置されたフォトクロ
ミック物質を含有する熱硬化性ポリウレタンから成るプライマー層、およびこの
ポリウレタン層を被覆するシリコーン樹脂ハードコート層から構成される調光性
(light adjusting)プラスチックレンズが開示されている。特公平5-28753号公報
には、フォトクロミック特性を有し、コーティングマトリックスの形成のための
ウレタン生成物と有機フォトクロミック化合物を含有するコーティング材料が開
示されている。欧州特許出願第0927730号公報には、(a)その20〜60重量%が
分子量500〜6000g/モルを有しかつその5〜35重量%が分子量62〜
499g/モルを有するポリオール、(b)脂肪族ポリイソシアナート、および(c)
フォトクロミック化合物を含有するフォトクロミックポリウレタンが記載されて
いる。
【0005】 保護用ハードコートで被覆されたフォトクロミックポリウレタン層を有するレ
ンズなどの物品が、通常通りの使用後に表面欠陥を示すことが分かった。この欠
陥は、ハードコートを貫く引っ掻き傷と関連している。ハードコートを貫通した
開口部は、洗浄剤などの液体のポリウレタン層への移動を可能にする。アルコー
ル性溶媒などの液体は、ポリウレタン層を膨張させる。一般に、膨張試験(Perce
nt Swelling Test)で測定すると、膨張量は25%以上である。その結果もたら
される影響は、レンズに異常に大きな引っ掻き傷外観を発現させる表面欠陥であ
る。
【0006】 ポリウレタン中でのフォトクロミック化合物の使用は、文献にも記載されてい
るが、改良されたフォトクロミックポリウレタン被覆された物品がまだ必要とさ
れている。このような物品は、良好なフォトクロミック特性(すなわち、許容で
きる速度での着色および退色)を表示しかつ着色状態で十分な暗色を達成するの
に必要なコーティング厚を有しなければならない。更に、この物品は、洗浄剤(
例えば、アルコール性溶媒)に曝露したときにフォトクロミックポリウレタンコ
ーティングの膨張を引き起こす、保護用ハードコートを貫く引っ掻き傷によって
生じる欠陥に対して耐性がなければならない。
【0007】 許容できるフィッシャーマイクロ硬度、良好なフォトクロミック特性、および
欠陥に関する高い引っ掻き傷耐性を有するフォトクロミックポリウレタンコーテ
ィングが見出された。このコーティングは、分子量500〜5,000g/モル
のポリカーボネートポリオールを、場合により分子量少なくとも500g/モル
を有する別のポリオール、イソシアネート、フォトクロミック化合物、そして任
意の触媒とを、膨張試験において25%未満の膨張を示すフォトクロミックポリ
ウレタンコーティングを生成するような割合で組み合わせることにより調製され
る。このコーティングは、フィッシャーマイクロ硬度50〜150N/mm
示す。
【0008】 発明の詳細な説明 操作実施例以外またはそれ以外に示す場合、本明細書中および添付のクレーム
で使用される波長、成分の量、範囲または反応条件を表す値は全てどの場合も、
「約」という用語で変更できるものと解されるべきである。
【0009】 ポリカーボネートポリオールの製造、イソシアネートの変性、ポリイソ(チオ)
シアネート、触媒、フォトクロミック化合物の製造、組成物の安定化そして表面
欠陥の確認のための手順を説明するのに本明細書中で引用する特許および文献の
開示内容を全てここに参照として挿入する。
【0010】 本発明のフォトクロミックポリウレタンコーティングを調製するのに使用して
よいポリウレタンは、(水酸基価(hydoroxy number)から誘導される)分子量5
00〜5,000g/モルを有するポリカーボネートポリオール、分子量が少な
くとも500g/モルであることを条件とする別の有機ポリオール、およびイソ
シアネート成分を含有する組成物の触媒または非触媒反応により生成されるもの
である。場合により、触媒が前記組成物中に含まれていてよい。前記成分を組み
合わせてコーティングとして適用されかつ硬化されるポリウレタン組成物を製造
すると、コーティングはフィッシャーマイクロ硬度50〜150N/mmの範
囲、許容できるフォトクロミック特性、および以降の実施例15のパートDで説
明する膨張試験において25%未満の膨張率を示す。
【0011】 本発明の硬化コーティング組成物のフィッシャーマイクロ硬度は、少なくとも
50N/mm、好ましくは少なくとも60N/mm、より好ましくは少なく
とも70N/mmであって、しかも150N/mm以下、好ましくは145
N/mm以下、より好ましくは135N/mm以下である。このコーティン
グのフィッシャーマイクロ硬度は、記載した値を含めて、前記値のどのような組
み合わせの間の範囲、例えば、51〜149N/mmであってもよい。
【0012】 ここで意図されるフォトクロミック特性は、30秒後に少なくとも0.15、
8分後に少なくとも0.28のΔOD、および70秒未満の漂白速度であり、い
ずれも以降の実施例15のパートEで説明する85°F(29℃)でのフォトク
ロミック性能試験で測定された場合の値である。
【0013】 本発明のフォトクロミックポリウレタンコーティングにおいて、コーティング
を調製するのに用いられるポリカーボネートポリオール、すなわちジオール、ト
リオールなどの量は、本明細書で説明する膨張試験における膨張率25%未満、
好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下
を有する硬化ポリウレタンコーティングをもたらす量である。このような量のポ
リカーボネートポリオールは、膨張減少量(a swell reducing amount)であると
考えられる。一般に、ポリウレタンコーティングの有機ポリオール成分中のポリ
カーボネートポリオールの膨張減少量は、ポリオール成分によって提供される水
酸基当量の総量に対して10〜100%の水酸基当量である。好ましくは、この
量は、20〜80%水酸基当量、より好ましくは20〜70%水酸基当量、最も
好ましくは20〜60%水酸基当量である。ポリカーボネートポリオールの膨張
減少量は、記載した水酸基当量の総量を含めて、前記値のどのような組み合わせ
の間の範囲、例えば、15〜85%であってもよい。
【0014】 ここで説明するポリウレタンコーティング中で用いられ得るポリカーボネート
ジオール、すなわちポリオールは、以下の化学式のどちらかで表されるか、また
は以下の2つの式で表されるポリオールの混合物であってよい。
【化3】 および/または
【化4】 前記式中、RおよびR'は、同じまたは異なっていてよく、2価の直鎖、分枝
または環式のC〜C10脂肪族基、または2,2-ジフェニレンプロパンなどの2
価のC〜C15芳香族基を表し、およびaは、ポリカーボネートの分子量が5
00〜5000g/モルであれば、3〜15の整数である。分子量は、56,1
00に分子当たりのOH基の数を掛け合わせて、その結果を水酸基価(hydroxy n
umber)で除することにより求められる。水酸基価は、p-トルエンスルホニルイソ
シアネート(TSI)との反応を用いた水酸基に関するASTME-1899-97標準
試験法や、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドによる電位差滴定に従って求
められる。
【0015】 前記式Iのポリカーボネートポリオールは、米国特許第5,266,551号公報に記
載されているような、ビス(クロロホルメート)と、ジオールなどのポリオールと
の反応により形成され得る。成分のうち1種を過剰に用いて、得られるポリカー
ボネートポリオールの分子量を制限および制御することもできる。以下のポリカ
ーボネート調製スキームに示すように、ジオールは過剰であり、末端基を形成す
る。別法では、ビス(クロロホルメート)は、クロロホルメート末端オリゴマーを
生成し、次いで加水分解してヒドロキシル末端基を形成するのには過剰であるこ
とがある。そのため、ポリオールは、RまたはR'のいずれかを過剰に含む前記
成分から調製され得る。
【0016】 ポリカーボネート調製スキーム
【化5】
【0017】 前記調製スキームで用いることができるビス(クロロホルメート)の例としては
、モノエチレングリコールビス(クロロホルメート)、ジエチレングリコールビス
(クロロホルメート)、ブタンジオールビス(クロロホルメート)、ヘキサンジオー
ルビス(クロロホルメート)、ネオペンチルジオールビス(クロロホルメート)、ビ
スフェノールAビス(クロロホルメート)、または前記ビスクロロホルメートの混
合物が挙げられる。
【0018】 前記調製スキームで用いることができるポリオールの例としては、ビスフェノ
ールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ-(トリメチロール
プロパン)ジメチロールプロピオン酸、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタ
ンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール
、2,4-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-メチル-
1,3-ペンタンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘ
キサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、2,4-ヘ
プタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジ
オール、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピル-2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロ
ピオネート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、分子量200〜600g/モルのポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量200〜600のポリプ
ロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-ビス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサン、1,2-ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA)1モルとエ
チレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド2〜10モルとのアルコ
キシル化生成物、数平均分子量500以下、例えば、250のポリ(オキシテト
ラメチレン)ジオール、分子量250〜800g/モルのポリカプロラクトンポ
リオール、および前記ポリオールの混合物が挙げられる。
【0019】 前記成分を組み合わせて、分子量500〜5000g/モルのポリカーボネー
トポリオールのための種々の組成物、鎖長および末端基を形成してよい。
【0020】 一つの考えられる態様において、前記ポリカーボネートポリオールは、分子量
1000〜4000を有する。別の考えられる態様では、ポリカーボネートポリ
オールの分子量は、1500〜3000である。ポリカーボネートポリオールの
分子量は、記載した範囲を含めて、前記範囲のどのような組み合わせ、例えば5
01〜4999g/モルであってよい。ポリオールは、脂肪族ヒドロキシル末端
基(例えば、ジエチレングリコール基)、フェノール性末端基(例えば、ビスフ
ェノールA基)、または前記ヒドロキシル末端基の混合物を有し得る。
【0021】 式IIのポリカーボネートポリオールは、米国特許第4,131,731号公報、同第4,1
60,853号公報、同第4,891,421号公報および同第5,143,997号公報に記載のように
ジアルキル、ジアリールまたはアルキレンカーボネートとポリオールとのエステ
ル交換反応により調製されてよい。ポリカーボネートポリオールの他の例として
は、米国特許第4,533,729号公報に記載のポリオールとホスゲンとの反応により
、および米国特許第5,527,879号公報に記載のポリカーボネートポリオールと酸
無水物またはジカルボン酸との反応により調製される材料が挙げられる。ポリカ
ーボネートポリオールの別の例としては、グラフト化ポリカーボネート鎖を有す
るポリ(メタ)アクリレートであって、例えば、米国特許第5,140,066号公報に記
載のものが挙げられる。市販品の例としては、エニケム・シンセシス・ミラノ(E
niChem Synthesis Milano)製のポリカーボネートジオールであるRAVECARB(登録
商標)102-108シリーズ、およびスタール・ユーエスエイ(Stahl USA)製のPC1122
が挙げられる。
【0022】 本発明のフォトクロミックポリウレタン組成物は、所望により、ポリカーボネ
ートポリオール1種、またはポリカーボネートポリオールの混合物を含有してい
てよい。
【0023】 本発明のポリウレタン組成は、NCO:OH当量比0.3:1.0〜3.0:
1.0までを含有する。一つの考えられ得る態様において、本発明のフォトクロ
ミックポリウレタンコーティングのNCO:OH当量比は、0.9:1.0〜2
.0:1.0の範囲であり、別態様としては、1.0:1.0〜1.8:1.0
の範囲、そして更に考えられる態様としては、1.1:1.0〜1.7:1.0
の範囲、例えば、1.6:1.0である。NCO:OH当量比は、記載した比を
含めて、前記範囲のどのような組み合わせであってもよい。
【0024】 本発明のイソシアネート成分は、本明細書において使用する場合、「遊離した
」、「ブロック化」または部分ブロック化イソシアネート基を有する「変性」イ
ソシアネート化合物および「非変性」のイソシアネート化合物、並びに「変性」
および「非変性」のイソシアネート化合物の混合物を包含する。イソシアネート
は、脂肪族、芳香族、脂環式および複素環式イソシアネート、および前記イソシ
アネートの混合物から成る群より選択されてよい。「変性」という用語は、前記
イソシアネートが、付加物を生成する公知の方法や、ビウレット基、尿素基、カ
ルボジイミド基、ウレタン基またはイソシアヌレート基を導入するのに公知の方
法で変化されることを意味する。付加物の例は、トリオール1モルとジイソシア
ネート3モルとの反応生成物である。場合により、「変性」イソシアネートは、
環化付加法により生成されて、イソシアネートの二量体および三量体、すなわち
ポリイソシアネートが得られる。イソシアネートを変性するための他の方法は、 ウルマンズ・エンサイクロペディア・オブ・インダストリアル・ケミストリー(U llmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry) 、第5版、1989年、第A14巻
、611〜625頁、および米国特許第4,442,145号公報第2欄63行目〜第3欄31行目
に記載されている。
【0025】 遊離イソシアネート基は、非常に反応し易い。イソシアネート基含有化合物の
反応性を制御するために、NCO基は、イソシアネート基を室温において反応性
水素化合物に対して不活性にさせる特定の選択された有機化合物でブロックされ
てよい。90〜200℃などの高温に加熱すると、ブロック化イソシアネートは
、ブロック化剤を放出して、元の非ブロックまたは遊離のイソシアネートと同様
に反応する。本発明のコーティングを調製するのに用いられるイソシアネートは
、米国特許第3,984,299号公報第1欄57行目〜第3欄15行目に記載のように、完
全にブロックされても、あるいは米国特許第3,947,338号公報第2欄65行目〜第
4欄30行目に記載のように、部分的にブロックされてポリマー主鎖と反応しても
よい。
【0026】 本明細書において使用するように、NCO:OH比中のNCOは、遊離イソシ
アネート含有化合物の遊離イソシアネートや、ブロック化剤の放出後のブロック
化または部分ブロック化イソシアネート含有化合物の遊離イソシアネートを表す
。場合により、ブロック化剤は全て除去できないことがある。このような場合、
より多くのブロック化イソシアネート含有化合物を使用して遊離NCOの所望の
レベルを達成する。
【0027】 本発明のポリウレタンコーティングのイソシアネート成分は、米国特許第5,57
6,412号公報に開示されているポリイソ(チオ)シアネート化合物を包含していて
もよい。
【0028】 一つの考えられる態様において、イソシアネート成分は、脂肪族イソシアネー
ト、脂環式イソシアネート、ブロック化脂肪族イソシアネート、ブロック化脂環
式イソシアネート、および前記イソシアネートの混合物から成るイソシアネート
含有化合物の群から選択される。別の考えられる態様において、イソシアネート
成分は、ブロック化脂肪族イソシアネート、ブロック化脂環式イソシアネート、
およびそれらの混合物から成る群より選択される。更に考えられる態様において
、イソシアネート成分は、イソシアヌレート基を包含するブロック化脂肪族イソ
シアネート、例えば、イソホロンイソシアネートのブロック化イソシアヌレート
を含有するブロック化イソシアネート成分である。
【0029】 一般に、前記イソシアネートをブロックするのに使用される化合物は、活性水
素原子を有する特定の有機化合物である。例としては、揮発性アルコール、アミ
ン、酸性エステル、ε-カプロラクタム、トリアゾ−ル、ピラゾールおよびケト
キシム化合物が挙げられる。特に、ブロック化化合物は、メタノール、t-ブタノ
ール、フェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ジイソプロピルアミン、マ
ロン酸ジエチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、ε-カプロラクタム、3-
アミノトリアゾ−ル、1,2,4-トリアゾ−ル、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾー
ル、アセトンオキシム、メチルアミルケトキシム、メチルエチルケトキシム、お
よび前記ブロック化剤の混合物から成る群より選択されてよい。一つの考えられ
る態様において、ブロック化化合物は、メタノール、ジイソプロピルアミン、マ
ロン酸ジエチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、1,2,4-トリアゾ−ル、メ
チルエチルケトキシム、アセトンオキシム、およびこれらの混合物から成る群よ
り選択される。別の考えられる態様において、ブロック化化合物は、メタノール
、ジイソプロピルアミン、メチルエチルケトキシム、1,2,4-トリアゾ−ル、およ
びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0030】 イソシアネート成分の例は、トルエン-2,4-ジイソシアネート、トルエン-2,6-
ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン-2,4'-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソ
シアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニレンジイソシアネート、テトラメチ
レン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、2,2,4-ト
リメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネ
ート、ビス(イソシアナトエチル)フマレート、イソホロンジイソシアネート、エ
チレンジイソシアネート、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3
-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1
,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソシアネート、メチル
シクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン-2,4-ジイソシアネー
ト、ヘキサヒドロトルエン-2,6-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,
3-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,4-ジイソシアネート、m-テト
ラメチルキシレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート
、ペルヒドロジフェニルメタン-2,4'-ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニル
メタン-4,4'-ジイソシアネート、およびこれらの混合物から成る群の遊離、ブロ
ック化または部分ブロック化イソシアネート含有成分を有する変性または非変性
の構成要素を包含する。一つの考えられる態様では、前記イソシアネート成分は
、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、m-テト
ラメチルキシレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート
、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、
およびこれらの混合物から成る群より選択される。別の考えられる態様では、イ
ソシアネート成分は、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン-4,4-ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、およびこれらの混合
物からなる群より選択される。
【0031】 本発明の任意の触媒は、ウルマンズ・エンサイクロペディア・オブ・インダス トリアル・ケミストリー 、第5版、1992年、第A21巻、673〜674頁に記載のルイ
ス塩基、ルイス酸およびインサーション触媒(insertion catalysts)から成る群
より選択され得る。一つの考えられる態様では、前記触媒は、錫オクチレート、
ジブチル錫ジアセテート、ジラウリン酸ジブチル錫、ジブチル錫メルカプチド、
ジマレイン酸ジブチル錫、ジメチル錫ジアセテート、ジラウリン酸ジメチル錫、
ジメチル錫メルカプチド、ジマレイン酸ジメチル錫、トリフェニル錫アセテート
、トリフェニル錫ヒドロキシド、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエ
チルアミン、およびこれらの混合物から成る群より選択され得る。別の考えられ
る態様では、触媒は、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジブチル錫ジアセ
テート、ジラウリン酸ジブチル錫およびこれらの混合物から成る群より選択され
る。
【0032】 本発明のコーティング組成物を調製するのに用いられる有機ポリオール成分、
すなわちジオール、トリオールなどは、前記ポリカルボネートポリオール、およ
び任意に、これ以外の別の前記ポリオール(分子量が少なくとも500g/モル
のもの)であって、イソシアネート成分と反応してポリウレタンを生成できるも
のである。一般に、これらポリオールは、分子量10,000g/モル以下を有
する。本明細書において説明する有機ポリオールを用いて、イソシアネートとの
プレポリマーまたは付加物を形成してもよい。本発明のポリウレタンコーティン
グは、ポリウレタンを含有する硬いセグメントとソフトセグメントとのバランス
をとることで製造される。ハードセグメント−生成ポリオールとソフトセグメン
ト−生成ポリオールとの当量比を変えたコーティングを製造することにより、当
業者は、得られるコーティングのフィッシャーマイクロ硬度を測定することによ
って、ハードセグメントとソフトセグメントのポリオールの組み合わせが50〜
150N/mmの範囲のフィッシャーマイクロ硬度を有するコーティングをも
たらすことを容易に確認することができる。同様の方法において、ハードセグメ
ントとソフトセグメントのポリオールの組み合わせが必要とされるフォトクロミ
ック特性を示すコーティングをもたらすことや、どの程度の量のポリカーボネー
トポリオールが低い膨張率をもたらすのかを確認することができる。元のポリオ
ール成分は、ハードおよびソフトセグメント−生成ポリオール部自体から構成さ
れた単一のポリカーボネートポリオールであるかもしてないと考えられる。
【0033】 一つの考えられる態様において、有機ポリオール成分は、ポリアクリルポリオ
ール、エポキシポリオール、アミド含有ポリオール、ウレタンポリオール、およ
びこれらの混合物から成る群より選択されるハードセグメント−生成ポリオール
であって、イソシアネート基と反応する水酸基のうち0〜90%を与えるものと
、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、およびこれらの混合物から成る群より選択されるソフトセグメント−生成
ポリオールであって、イソシアネート基と反応する水酸基のうち100〜10%
を与えるものを含有する。上記以外に、ハードセグメント−生成ポリオールとソ
フトセグメント−生成ポリオールとの水酸基当量比は、0:100〜90:10
である。別の考えられる態様では、ハードセグメント−生成ポリオールは、ヒド
ロキシ官能性エチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーと、これ以外のエチレン
性不飽和モノマーとのコポリマーであるポリアクリルポリオールであり、そして
ソフトセグメント−生成ポリオールは、ポリカーボネートポリオールから成る群
より選択されるポリオール成分、およびポリカーボネートポリオールとポリエー
テルおよび/またはポリエステルポリオールとの組み合わせである。1種の有機
ポリカーボネートポリオールのみを使用してハードおよびソフトセグメントを提
供する場合、同様の比がポリオールのハードおよびソフトセグメント−生成部に
当てはまる。
【0034】 前記ヒドロキシル比の範疇における特定のハードセグメント−生成とソフトセ
グメント−生成ポリオールとの組み合わせを用いて、許容できるフィッシャーマ
イクロ硬度レベルや許容できないフォトクロミック特性あるいはこの逆を示すフ
ォトクロミックポリウレタンコーティングを製造することができる。
【0035】 前記ポリカーボネートポリオールに加えて、本発明で使用され得る有機ポリオ
ールの例は、(a)ポリエステルポリオール、(b)ポリエーテルポリオール、(c)ア
ミド含有ポリオール、(d)ポリアクリルポリオール、(e)エポキシポリオール、(
f)多価ポリビニルアルコール、(g)ウレタンポリオール、および(h)前記ポリオー
ルの混合物を包含する。一つの考えられる態様において、更なる有機ポリオール
は、ポリアクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ウレタンポリオール、およびこれらの混合物から成る群より選択される。も
う一つの考えられる態様において、別の有機ポリオールは、ポリアクリルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ウレタンポリオール、およびこれらの混合物か
ら成る群より選択される。
【0036】 ポリエステルポリオールは、一般に公知であり、数平均分子量が500〜10
,000の範囲であり得る。これは、ポリカーボネートポリオールの調製に用い
られる前述のポリオール(場合により1価のアルコールと組み合わせたもの)を
非限定的に含む、当該分野では公知の低分子量のジオール、トリオールおよび多
価アルコールとポリカルボン酸を用いた常套の方法により調製される。好適なポ
リカルボン酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸
およびこれらの混合物が挙げられる。含むのであれば、上記酸の無水物を用いて
もよく、そしてこれは「ポリカルボン酸」という用語で包含される。加えて、酸
と同様の方法で反応してポリエステルポリオールを形成する特定の材料も有用で
ある。このような材料としては、カプロラクトン、プロピオラクトンおよびブチ
ロラクトンなどのラクトン、およびヒドロキシカプロン酸およびジメチロールプ
ロピオン酸などのヒドロキシ酸が挙げられる。トリオールまたは多価アルコール
を使用するのであれば、酢酸および/または安息香酸などのモノカルボン酸を、
ポリエステルポリオールの調製に使用してもよく、しかもある種の目的には、こ
のようなポリエステルポリオールが望ましいことがある。更に、ポリエステルポ
リオールは、本明細書では、脂肪酸または脂肪酸のグリセリド油で変性されたポ
リエステルポリオール(すなわち、このような変性を含む通常使用されるアルキ
ドポリオール)を包含するものと解される。利用してよい別のポリエステルポリ
オールは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのようなアルキレン
オキサイドおよびヴァーサティック酸(versatic acid)のグリシジルエステルを
メタクリル酸と反応させて対応するエステルを形成することによって調製される
ものである。
【0037】 ポリエーテルポリオールは、一般に公知であり、しかも数平均分子量500〜
10,000g/モルを有し得る。ポリエーテルポリオールの例としては、種々
のポリオキシアルキレンポリオール、分子量が500g/モルを超えるポリアル
コキシル化ポリオール(例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)ジオール)、およ
びこれらの混合物が挙げられる。このポリオキシアルキレンポリオールは、周知
の方法に従って、アルキレンオキサイド、または酸もしくは塩基触媒付加を用い
たアルキレンオキサイドを、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セロール、ソルビトールなどの多価開始剤または多価開始剤の混合物と縮合する
ことによって調製され得る。実証となるアルキレンオキサイドは、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド、ア
ラルキレンオキサイド、例えば、スチレンオキサイド、およびトリクロロブチレ
ンオキサイドなどのハロゲン化アルキレンオキサイドを包含する。より好ましい
アルキレンオキサイドとしては、ランダムまたは段階的なオキシアルキル化を用
いた、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイド、またはこれらの混合物
が挙げられる。このようなポリオキシアルキレンポリオールの例としては、ポリ
オキシエチレン、すなわちポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレン、す
なわちポリプロピレングリコールが挙げられる。ソフトセグメントとして用いら
れるこのようなポリオキシアルキレンポリオールの分子量は、好ましくは、60
0g/モル以上、より好ましくは725g/モル以上、最も好ましくは1000
g/モル以上である。
【0038】 数平均分子量500g/モルを超えるポリアルコキシル化ポリオールは、以下
の化学式IIIで表される。
【化6】 ここで、mおよびnはそれぞれ、正の数であり、mとnの和は、5〜70であり
、RおよびRはそれぞれ、水素、メチルまたはエチル、好ましくは水素また
はメチルであり、およびAは、直鎖または分子鎖アルキレン(通常、炭素原子1
〜8個を含むもの)、フェニレン、C〜Cアルキル置換フェニレン、および
以下の式IVで表される基から成る群より選択される2価の結合基である。
【化7】 (式中、RおよびRはそれぞれ、C〜Cアルキル、塩素または臭素であ
り、pおよびqはそれぞれ、整数0〜4であり、
【化8】 は、2価のベンゼン基または2価のシクロヘキサン基を表し、
【化9】 が2価のベンゼン基であれば、Dは、O、S、-S(O)-、-C(O)-、-CH-
、-CH=CH-、-C(CH)-、-C(CH)(C)-、または
【化10】 であり、そして
【化11】 が2価のシクロヘキサン基であれば、Dは、O、S、-CH-または-C(CH )-である。) 一つの考えられる態様では、ポリアルコキシル化ポリオールは、mとnの和が1
5〜40、例えば25〜35であり、RおよびRがそれぞれ水素であり、そ
してAが、式IVに準拠する2価の結合基であるものである。ここで、
【化12】 は、2価のベンゼン基を表し、pおよびqはそれぞれ0であり、そしてDは-C(
CH)-である。別の考えられる態様では、mとnの和は25〜35、例えば
30である。このような材料は、当該分野において周知の方法で調製され得る。
一つのこのように通常使用される方法は、ポリオール、例えば、4,47-イソプロ
ピリデンジフェノールを、オキシラン含有物質、例えば、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイドまたはβ-ブチレンオキサイドと
反応させて、ヒドロキシ官能価を有するエトキシル化、プロポキシル化またはブ
トキシル化ポリオールと通常呼ばれるものを形成することを伴う。
【0039】 ポリアルコキシル化ポリオールを調製するのに用いられるポリオールの例とし
ては、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどのように前述の
ポリカーボネートポリオールの調製に用いられるポリオール、オルト-、メタ-お
よびパラ-ジヒドロキシベンゼンなどのフェニレンジオール、2,6-ジヒドロキシ
トルエン、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-ヒドロキシベンジルア
ルコール、3-ヒドロキシベンジルアルコールおよび4-ヒドロキシベンジルアルコ
ールなどのアルキル置換フェニレンジオール、4,4'-ジヒドロキシビフェニルお
よび2,2'-ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシビフェニル、4,4'-イソプ
ロピリデンジフェノールなどのビスフェノール、4,4'-オキシビスフェノール、4
,4'-ジヒドロキシベンゼンフェノン、4,4'-チオビスフェノール、フェノールフ
タレイン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'-(1,2-エテンジイル)ビス
フェノール、および4,4'-スルホニルビスフェノール、4,4'-イソプロピリデンビ
ス(2,6-ジブロモフェノール)、4,4'-イソプロピリデンビス(2,6-ジクロロフェノ
ール)および4,4'-イソプロピリデンビス(2,3,5,6-テトラクロロフェノール)など
のハロゲン化ビスフェノール、および4,4'-イソプロピリデン-ビシクロヘキサノ
ールなどのように、対応するビスフェノールを水素化することにより調製される
ビスシクロヘキサノール、4,4'-オキシビスシクロヘキサノール、4,4'-チオビス
シクロヘキサノール、そしてビス(4-ヒドロキシシクロヘキサノール)メタンが挙
げられる。
【0040】 ポリエーテルポリオールは、三フッ化ホウ素、塩化錫(IV)および塩化スルホニ
ルなどのルイス酸触媒の存在下でのテトラヒドロフランの重合により調製される
一般的に公知のポリ(オキシテトラメチレン)ジオールも包含する。ソフトセグメ
ントとして用いられるポリ(オキシテトラメチレン)ジオールの数平均分子量は、
500〜5000である。一つの考えられる態様では、前記数平均分子量は、6
50〜2900であり、別の態様では、1000〜2000であり、そして更に
考えられる態様では、1000g/モルである。
【0041】 一つの考えられる態様において、ポリエーテルポリオールは、ポリオキシアル
キレンポリオール、ポリアルコキシル化ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレ
ン)ジオール、およびこれらの混合物から成る群より選択される。別の考えられ
る態様では、ポリエーテルポリオールは、1,000g/モル以上の数平均分子
量を有するポリオキシアルキレンポリオール、エトキシ基を約30個有するエト
キシル化ビスフェノールA、数平均分子量1000g/モルを有するポリ(オキ
シテトラメチレン)ジオール、およびそれらの混合物から成る群より選択される
【0042】 アミド含有ポリオールは、一般に公知であり、通常は、前述のポリカーボネー
トポリオールの調製に用いられる二酸またはラクトンおよびポリオールと、前述
のようなジアミンまたはアミノアルコールとの反応から調製される。例えば、ア
ミド含有ポリオールは、ネオペンチルグリコール、アジピン酸およびヘキサメチ
レンジアミンの反応により調製され得る。アミド含有ポリオールは、例えば、カ
ルボキシレート、カルボン酸またはラクトンとアミノアルコールとの前記反応に
よるアミノ分解を介して調製されてもよい。好適なジアミンおよびアミノアルコ
ールの例としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、フェニレンジ
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソホロンジアミンなど
が挙げられる。
【0043】 エポキシポリオールは、一般に公知であり、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)プロパンのジグリシジルエーテルなどのようなポリフェノールのグリ
シジルエーテルと、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのポリフェノ
ールとの反応により調製され得る。異なる分子量および平均ヒドロキシル官能価
のエポキシポリオールが、使用される出発材料の比に応じて調製され得る。
【0044】 多価のポリビニルアルコールは、一般に公知であり、例えば、好適な開始剤の
存在下で酢酸ビニルを重合した後、アセテート部位の少なくとも一部を加水分解
することにより調製され得る。加水分解法では、水酸基が、ポリマー主鎖に直接
結合して形成される。ホモポリマーに加えて、酢酸ビニルと、塩化ビニルなどの
モノマーとのコポリマーが同様の方法で調製および加水分解されて、多価のポリ
ビニルアルコール−ポリ塩化ビニルコポリマーを形成する。
【0045】 ウレタンポリマーは、一般に公知であり、例えば、ポリイソシアネートと過剰
の有機ポリオールとの反応により調製されて、ヒドロキシ官能性の生成物を形成
し得る。ウレタンポリオールの調製に有用なポリイソシアネートの例は、前述の
ものを包含する。ウレタンポリオールの調製に有用な有機ポリオールの例として
は、前述の他のポリオールが挙げられ、例えば、低分子量のポリオール、ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アミド含有ポリオール、ポリアク
リルポリオール,エポキシポリオール、多価ポリビニルアルコール、およびこれ
らの混合物を包含する。
【0046】 ポリアクリルポリオールは、一般に公知であって、前記モノマーのフリーラジ
カル付加重合法により調製され得る。一つの考えられる態様では、ポリアクリル
ポリオールは、重量平均分子量500〜50,000および水酸基価20〜27
0を有する。別の考えられる態様では、重量平均分子量は、1000〜30,0
00であり、水酸基価は80〜250である。更に別の考えられる態様では、重
量平均分子量が3,000〜20,000であり、そして水酸基化が100〜2
25である。
【0047】 ポリアクリルポリオールは、限定されるものではないが、公知のヒドロキシ官
能性付加ポリマー、およびアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマーを包含し、
これらのエステル誘導体は、限定されるものではないが、ヒドロキシル官能性エ
ステル誘導体を包含する。ヒドロキシ官能性付加ポリマーの調製に用いられるヒ
ドロキシル官能性エチレン性不飽和モノマーの例としては、ヒドロキシエチル(
メタ)アクリレート、すなわちヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルエチルアクリレート、ヒドロキシメ
チルプロピルアクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0048】 一つの考えられる態様では、ポリアクリルポリオールは、ヒドロキシ官能性エ
チレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーと、ビニル芳香族モノマー(例えば、ス
チレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレンおよびビニルトルエン)、ビニ
ル脂肪族モノマー(例えば、エチレン、プロピレンおよび1,3-ブタジエン)、(
メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルおよびビニリデンハラ
イド(例えば、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン)、ビニルエステル(例えば、
酢酸ビニル)、アルキル基中に炭素原子を1〜17個有するアクリル酸およびメ
タクリル酸のアルキルエステル[すなわち、(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル)であって、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、、ブチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、およびラウリル(メタ)
アクリレートを包含するもの]、エポキシ官能性エチレン性飽和モノマー(例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート)、カルボキシ官能性エチレン性不飽和モノ
マー(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸)から成る群より選択される他の
エチレン性不飽和モノマーおよび前記エチレン性不飽和モノマーの混合物とのコ
ポリマーである。
【0049】 ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーは、ポリアクリル
ポリオールコポリマーの95重量%までを占めていてよい。一つの考えられる態
様では、これは、70重量%を占め、そして別の態様では、ヒドロキシ官能性エ
チレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーが、合計コポリマーの45重量%までを
占める。
【0050】 前述のポリアクリルポリオールは、モノマーのフリーラジカル開始付加重合に
より、および有機溶液重合法により調製され得る。モノマーは、メチルエチルケ
トンなどのケトン、酢酸ブチル、プロピレングリコールの酢酸エステルおよび酢
酸ヘキシルなどのエステル、エタノールおよびブタノールなどのアルコール、プ
ロピレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチル-3-エトキシプロピオネ
ートなどのエーテル、およびキシレンおよびSOLVESSO 100などの芳香族溶媒、エ
クソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Co.)から入手できる高沸点炭化
水素溶媒の混合液を包含する有機溶媒または溶媒混合液中に通常、溶解される。
溶媒は、最初に通常70〜160℃に加熱して還流させ、そしてモノマーまたは
モノマー混合物およびフリーラジカル開始剤を還流している溶媒に約1〜7時間
かけてゆっくり添加する。モノマーの添加が速すぎると、低い転化または高くか
つ迅速な発熱反応が生じることがあり、安全上問題がある。好適なフリーラジカ
ル開始剤としては、t-アミルペルオキシアセテート、ジ-t-アミルペルオキシア
セテートおよび2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)が挙げられる。フリー
ラジカル開始剤は、通常反応混合物中に、モノマーの総重量に対して1〜10%
で含まれている。前記手順で調製されるポリマーは、ゲル化せず、しかも好まし
くは、分子量500〜5,000g/モルを有する。
【0051】 本発明のポリウレタンコーティング組成物と共に用いられるフォトクロミック
化合物は、所望の色相に着色する有機フォトクロミック化合物である。これは一
般には、少なくとも1つの活性化吸収最大を約400〜700nmの範囲に有す
る。これは、単独で使用しても、またはこの活性化色を補足するフォトクロミッ
ク化合物と組み合わせて使用してもよい。更に、前記フォトクロミック化合物は
、フォトクロミック物品を調製するのに用いられるポリウレタンコーティング組
成物中に混入(例えば、溶解または分散)されてよい。
【0052】 有機フォトクロミック材料は、ナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフト
ピラン、フェナントルピラン(phenanthorpyrans)、スピロ(ベンズインドリン)ナ
フトピラン、スピロ(インドリン)ベンズピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラ
ン、スピロ(インドリン)キノピラン、スピロ(インドリン)ピラン、スピロ(イン
ドリン)ナフトキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(
ベンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフト
キサジン、スピロ(インドリン)ベンズオキサジン、水銀ジチゾナート、フルギド
、フルギミド、および前記フォトクロミック化合物の混合物を包含し得る。前記
フォトクロミック化合物は、米国特許第5,645,767号公報および同第6,153,126号
公報に記載されている。
【0053】 本明細書において説明するフォトクロミック化合物は、この化合物が適用され
るかあるいは混入されるコーティング組成物が結果として、フィルターを用いな
い日光(すなわち、活性化フォトクロミック化合物の色を提供する、できる限り
ほぼ中間の色)で活性化されたときに僅かに灰色かまたは茶色などの実質上中間
の色などの、所望の色を発現し、しかも光学濃度(ΔOD)の変化を測定したと
きに所望の強度(例えば、85°Fにおいて試験した時に、実施例15のパート
Eにおいて説明する85°Fフォトクロミック特性試験を用いて活性化して8分
後のΔODが0.28以上)を示すようなフォトクロミック量および割合で使用
される。中間の灰色および中間の茶色が好ましいが、他の流行の色も使用され得
る。中間色についての更なる説明および色を説明する方法は、米国特許第5,645,
767号公報第12欄66行目〜第13欄19行目に記載されている。
【0054】 一般に、コーティング組成物中に混入されるフォトクロミック材料の量は、液
体コーティング組成物の重量に対して0.1〜40重量%の範囲である。好まし
くは、フォトクロミック材料の濃度は、液体コーティング組成物の重量に対して
1.0〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%、最も好ましくは5〜15
重量%、例えば、7〜14重量%である。フォトクロミック材料の濃度は、記載
した値を含めて、前記値のどのような組み合わせの間の範囲であってよく、例え
ば、0.15〜39.95重量%であってよい。
【0055】 前記フォトクロミック化合物は、フォトクロミック物質を有機ポリオール成分
またはイソシアネート成分中に溶解または分散することにより、あるいはポリウ
レタン形成用成分の混合物に添加することにより、コーティング組成物中に混入
され得る。別法として、フォトクロミック化合物は、インビビション(imbibitio
n)法、浸透法、または当業者に公知の他の移送方法により、硬化コーティング中
に混入されてもよい。
【0056】 (化学的にあるいは色相的に)適合し得る色(tints)、すなわち染料をコーテ
ィング組成物に添加したり、被覆物品に塗布したり、または塗装前に基材に塗布
したりして、医療用の理由から、もしくは様式的な理由のために、より審美的な
結果を達成することも可能である。選択される特定の染料は、変更でき、そして
前記の必要性あるいは達成すべき結果に依存する。一態様において、染料は、活
性化されたフォトクロミック物質から得られる色を補うように(例えば、より中
間的な色を達成したり、入射光の特定の波長を吸収するように)選択され得る。
別の態様では、染料は、フォトクロミック物質が不活性状態にあるときに、基材
および/または被覆物品に所望の色相を与えるように選択されてもよい。
【0057】 補助物質は、コーティング組成物もしくは硬化コーティングにフォトクロミッ
ク物質を適用もしくは組み込む前に、またはそれと同時に、またはその後で、フ
ォトクロミック物質と共にコーティング組成物中に組み込まれてもよい。例えば
、紫外線吸収剤を、コーティング組成物に添加する前にフォトクロミック物質に
混合してもよく、あるいはそのような吸収剤を、フォトクロミックコーティング
と入射光との間に層として重ねてもよい(例えば、重ね合わせてよい)。さらに
、安定化剤を、コーティング組成物に添加する前にフォトクロミック物質と混合
して、フォトクロミック物質の耐光性を改良することもある。例えば、ヒンダー
ドアミン光安定化剤(HALS)、非対照ジアリールオキサルアミド(オキサニ
リド)化合物、および一重項酸素消滅剤(例えば、有機配位子を含むニッケルイ
オン錯体)、ポリフェノール性酸化防止剤などの安定化剤、または前記安定化剤
の混合物が挙げられる。それらは単独または組合せて用いてもよい。そのような
安定化剤は、米国特許4,720,356号公報、同第5,391,327号公報および同第5,770,
115号公報に記載されている。
【0058】 本発明のフォトクロミックポリウレタンコーティング組成物は、所望の特徴を
前記組成物に与えるか、または組成物を基材に適用して硬化するのに用いられる
方法に必要とされるか、あるいはそれから作成された硬化コーティングの質を向
上させる、別の常套の成分を更に含んでいてよい。例えば、可塑剤を用いて、所
望の範囲外の前記特性についての結果を有する硬化コーティングを生成するフォ
トクロミックポリウレタンコーティング組成物のフィッシャーマイクロ硬度およ
び/またはフォトクロミック特性を調節してよい。このような別の成分の他に、
レオロジー制御剤、レベリング剤(例えば、界面活性剤)、開始剤、硬化抑制剤
、フリーラジカル・スカベンジャー、および好ましくは炭素数1〜4のアルコキ
シ基を有するトリアルコキシシラン(例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシランおよびアミノエチルトリメトキシシラン)のよ
うな接着性促進剤を包含する。
【0059】 本発明で使用されるコーティング組成物は、基材、すなわち前記コーティング
組成物を適用するあらゆる種類の材料(例えば、紙、ガラス、セラミック、木、
石造りのもの、織物、金属および有機ポリマー材料)に適用され得る。一つの考
えられる態様において、基材は、有機ポリマー材料であり、特に熱硬化性および
熱可塑性有機ポリマー材料である(例えば、熱可塑性ポリカーボネート系ポリマ
ーおよびコポリマー、並びに有機光学材料として使用されるポリオール(アリル
カーボネート)のホモポリマーまたはコポリマー)。
【0060】 基材に適用されるコーティング組成物の量は、十分な量の有機フォトクロミッ
ク物質を混入して、硬化コーティングにUV光を曝露させたときに必要な光学濃
度の変化(ΔOD)を発現するコーティングを生成させるのに必要な量である。
硬化コーティングは、厚さ5〜200μmである。好ましくは、コーティング厚
は、5〜100μm、より好ましくは10〜40μm、例えば、30μmであり
、最も好ましくは10〜25μm、例えば、20μmである。適用されるコーテ
ィングの厚さは、前記値をそれぞれ含む、前記値の組み合わせのの間の範囲であ
ってよい。
【0061】 必要でかつ適切であれば、コーティングの接着性を促進する目的のために、被
覆される基材の表面を本発明のコーティング組成物を適用する前にきれいにする
ことは一般的である。ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー
または熱可塑性ポリカーボネート(例えば、ビスフェノールAとホスゲンから誘
導される樹脂)から調製されるものなどのプラスチックのための有効な処理方法
は、超音波洗浄、イソプロパノールと水またはエタノールと水との50:50混
合液などの有機溶媒の水性混合液での洗浄、UV処理、低温プラズマまたはコロ
ナ放電での処理などの活性化ガス処理、および水素化などの化学処理、すなわち
フッ素系界面活性剤を含有し得る水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの
アルカリ水溶液での表面のエッチングを包含する。米国特許第3,971,872号公報
、第3欄、13行目〜25行目、同第4,904,525号公報、第6欄、10行目〜4
8行目、および同第5,104,692号公報、第13欄、10行目〜59行目を参照。
これら公報には、有機ポリマー材料の表面処理が開示されている。
【0062】 ガラス表面をきれいにするのに用いられる処理は、ガラス表面に存在する汚れ
の種類に依存する。このような処理は当業者には公知である。例えば、ガラスを
低発泡性で容易に洗い流せる洗剤を含有していてよい水溶液で洗浄した後、洗い
流して、糸くずのない布で乾燥させることや、加熱した(約50℃)洗浄水中で
の超音波浴処理後、洗い流して乾燥すること。洗浄前に、アルコール系クリーナ
ーまたは有機溶媒での予備洗浄が、ラベルまたはテープから接着剤を除去するの
に必要であることがある。
【0063】 場合により、本発明のコーティング組成物を適用する前に、プライマーを基材
の表面に適用する必要があることがある。プライマーは、コーティング成分と基
材との相互作用やその逆の作用などを防止するためのバリアーコーティング、お
よび/またはコーティング組成物を基材に接着するための接着層として役立つ。
プライマーの適用は、コーティング技術において用いられる方法、例えば、噴霧
塗布、スピン塗布、拡散塗装、浸漬塗装、キャスティングまたはロール塗装など
、いずれを使用してもよい。
【0064】 保護コーティングは、ポリマー形成オルガノシランを含有し得るものもあり、
その使用が、その後適用されるコーティングの接着性を高めるためのプライマー
として開示されている。特に、色味のないコーティングの使用が好ましい。市販
の製品の例としては、エスディシー・コーティングズ・インク(SDC Coatings In
c.)およびピーピージー・インダストリーズ・インク(PPG Industries, Inc.)か
らそれぞれ入手できるSILVUE(登録商標)124およびHI-GARD(登録商標)コーティン
グが挙げられる。加えて、被覆物品の意図される使用に依存して、適当な保護コ
ーティング、すなわち耐磨耗性コーティングおよび/または酸素バリアーとして
役立つコーティングをコーティング組成物の露出表面に適用して、摩擦や摩損の
影響や酸素とフォトクロミック化合物との相互作用による引っ掻き傷をそれぞれ
防止する必要があり得る。場合により、プライマーと保護コーティングは交換可
能である。すなわち、同じコーティングをプライマーおよび保護コーティングと
して使用してよい。シリカ、チタニア(titania)および/またはジルコニアなど
の無機材料ベースのハードコートと同様に、紫外線硬化可能な種類の有機ハード
コートを使用してもよい。
【0065】 一つの考えられる態様では、本発明の物品は、基材、膨張試験における膨張率
25%未満のフォトクロミックポリウレタンコーティング、および保護用ハード
コートを組み合わせて含んで成る。保護用ハードコートは、オルガノシランハー
ドコートである。
【0066】 例えば、色味のないコーティングや反射防止表面などの前記以外のコーティン
グまたは表面処理を、本発明のフォトクロミック物品に適用されてもよい。反射
防止コーティング、例えば、金属酸化物、金属フッ化物またはこれら以外の材料
などの単層もしくは多層を、本発明のフォトクロミック物品(例えば、レンズ)
上に、真空蒸着、スパッタリングまたはこれら以外の方法で堆積させてもよい。
【0067】 本発明のコーティング組成物は、プライマーおよび保護用コーティングの適用
についての前述と同じ方法を用いて適用されてよく、あるいは当該分野において
公知の他の方法を使用することができる。好ましくは、コーティング組成物は、
スピン塗布、浸漬塗装または拡散塗装法により、最も好ましくは、スピン塗布法
により適用される。
【0068】 基材の処理表面へのコーティング組成物の適用に続いて、コーティングを硬化
する。選択されるイソシアネート成分、すなわち、遊離、ブロックされた、また
は部分ブロックされたものに依存して、コーティングは22℃〜200℃の範囲
の温度で硬化され得る。硬化コーティングを得るのに加熱が必要であれば、80
℃から、それ以上加熱すると基材が損傷を受ける温度までの範囲の温度、例えば
、80℃〜150℃が通常使用される。例えば、特定の有機ポリマー材料は、基
材に損傷を生じさせずにコーティングを硬化するために、130℃まで1〜16
時間加熱され得る。被覆基材を硬化するための温度範囲が開示されているが、前
記温度以外の温度を使用して良いことは、当業者には自明であろう。フォトクロ
ミックポリウレタンコーティング組成物を硬化するための別の方法は、コーティ
ングを赤外線、紫外線、γ線または電子線で照射して、コーティング中の重合性
成分の重合反応を開始することを包含する。この後、加熱工程を行ってもよい。
【0069】 本発明によれば、硬化ポリウレタンコーティングは、光学コーティングのため
の商業的に許容できる「表面上の」標準に適合する。光学コーティング中に見受
けられる表面欠陥の例としては、コーティングの剥離(peel)、窪み(pits)、斑点
(spots)、混在物(inclusions)、クラック(cracks)およびひび(crazing)が挙げ
られる。前記およびこれら以外のコーティング欠陥の定義は、ペイント/コーテ ィング・ディクショナリー(Paint/Coating Dictionary) 、フェデレーション・オ
ブ・ソサイエティーズ・フォア・コーティング・テクノロジー(Federation of S
ocieties for Coating Technology)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州に見
出される。一態様において、本発明のフォトクロミックポリウレタンコーティン
グ組成物を用いて調製されるコーティングは、肉眼での目視評価によって(すな
わち、拡大せずに)検出され得る表面欠陥を本質的に有しない。
【0070】 本発明のコーティング組成物のための基材であり得る有機ポリマー材料は、通
常透明であるが、半透明であっても、あるいは不透明であってもよい。好ましく
は、有機ポリマー材料は、中実の透明または光学的に透明な材料であって、例え
ば、平面レンズ、眼科用レンズおよびコンタクトレンズ、窓、ウィンドシールド
のような自動車用透明体、航空機用透明体、プラスチックシーチング、ポリマー
フィルム等のような、光学用途に適した材料である。
【0071】 前記フォトクロミックコーティング組成物のための基材として使用され得る有
機ポリマー材料としては、以下のものが挙げられる。ビス(アリルカーボネート)
モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニル
ベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、
エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビ
スメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマ
ー、アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー(例えば、エトキシル
化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー)、ウレタンアクリレート
モノマー(例えば、米国特許第5,373,033号公報に記載のもの)、および米国特
許第5,475,074号公報に記載されているものやスチレン等のビニルベンゼンモノ
マーのポリマー、すなわち、ホモポリマーおよびコポリマー;単-または多-官能
性(例えば、二官能または多官能)のアクリレートおよび/またはメタクリレー
トモノマーのポリマー、すなわちホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(メチル
メタクリレート)などのポリ(C〜C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキ
シアルキレン)ジメタクリレート、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレー
ト)、酢酸セルロース、トリアセチルセルロース、酢酸プロピオン酸セルロース
、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩
化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリウレタン、ポリチオウレタン、熱可塑
性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチ
レン、ポリ(α-メチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、
コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラ−ル、およびジアリリ
デンペンタエリスリトールのポリマー、すなわちホモポリマーおよびコポリマー
、特にジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)などのポリオール(アリ
ルカーボネート)モノマーと、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどの
アクリレートモノマーとのコポリマー。ポリマー有機ホスト材料の更なる例は、
米国特許第5,753,146号公報第8欄、第62行目〜第10欄、第34行目に開示され
ている。
【0072】 透明なコポリマーおよび透明なポリマーのブレンドも、ポリマー材料として適
している。好ましくは、フォトクロミックコーティング組成物のための基材は、
熱可塑性ポリカーボネート樹脂から調製された光学的に透明な重合有機材料であ
り、例えば、ビスフェノールAとホスゲンから誘導されるカーボネート結合樹脂
(これはLEXANという商品名で販売されている);MYLARという商品名で販売され
ている材料などのポリエステル;PLEXIGLASという商品名で販売されている材料
などのポリ(メチルメタクリレート);ポリオール(アリルカーボネート)モノマー
、特にジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)の重合体(該モノマーは
CR-39という商品名で販売されている)、およびジエチレングリコールビス(アリ
ルカーボネート)などのポリオール(アリルカーボネート)と他の共重合性モノマ
ー材料とのコポリマーの重合体[例えば、酢酸ビニルとのコポリマーであって、
ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)80〜90%と酢酸ビニル10
〜20%とのコポリマー、特に前記ビス(アリルカーボネート)80〜85%と酢
酸ビニル15〜20%とのコポリマー、および米国特許第4,360,653号公報およ
び同第4,994,208号公報に記載の末端ジアクリレート官能基を有するポリウレタ
ンとのコポリマー、並びに米国特許第5,200,483号公報に記載の末端部位にアリ
ルまたはアクリル官能基を含有する脂肪族ウレタンとのコポリマー];ポリ(酢酸
ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ジエチレ
ングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、
エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコール
ビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモ
ノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマーおよびエトキシル
化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群のメンバーのポ
リマー;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸
セルロース、ポリスチレン、およびスチレンとメチルメタクリレート、酢酸ビニ
ルおよびアクリロニトリルとのコポリマーが挙げられる。
【0073】 光学的に透明な重合体、すなわち、平面レンズや視覚矯正用眼科用レンズ、窓
、透明なポリマーフィルム、ウィンドシールドのような自動車用透明体、航空機
用透明体、プラスチックシーチング等のような、光学用途に適した材料の使用が
より好ましいと考えられる。このように光学的に透明な重合体は、1.48〜1
.75、例えば、1.495〜1.66、特に1.5〜1.6の屈折率を有して
いる。具体的には、熱可塑性ポリカーボネートから製造される光学要素が挙げら
れる。
【0074】 より具体的には、本発明のフォトクロミックポリウレタンコーティング組成物
と、光学要素との組み合わせを使用してフォトクロミック光学物品を製造するこ
とが考えられる。前記物品は、その後、光学要素にプライマー、本発明のフォト
クロミックポリウレタン組成物および適した保護用コーティングを適用すること
により調製される。得られる硬化コーティングは、光学コーティングのための商
業的に許容される「表面上の」標準に適合する。
【0075】 以降の実施例において本発明をより具体的に説明するが、多数の改良および変
更が当業者には自明であることから、これらは例示のみを意図するものである。
実施例において示す表中の同じ数字の脚注は、同一の物質を示す。
【0076】 組成物 A 以下の材料を、テフロン(登録商標)パドル撹拌器、温度計および添加漏斗(a
ddition funnel)を装備した三つ口のバッフル型反応フラスコに添加した。ジク
ロロメタン(360g)、ジエチレングリコールビスクロロホルメート(115.5g、
0.500モル)、1,8-オクタンジオール(60.7g、0.415モル)および4級ブチルア
ンモニウムブロマイド(0.6g)。得られる混合物を620rpmで撹拌混合した。
反応フラスコを氷/水浴中に配置して、発熱反応中、混合物の温度を制御した。
反応混合物の温度が20〜22℃に達した後、50重量%水酸化ナトリウム水溶液(14
0g)を反応フラスコに70分かけて添加した。反応混合物を更に2時間撹拌した
。得られた混合物の温度は24℃であった。水(300mL)を添加し、反応混合物
を10〜20分間撹拌した。反応フラスコの内容物を分液漏斗に移して、有機層を分
離した。有機層を10重量%塩化ナトリウム水溶液(300mL)で2回、そして水
(300mL)で1回洗浄した。回収した生成物に窒素を散布し(sparged)、残って
いる揮発物質は、生成物を90℃に加熱し、そして約95分間真空引きすることによ
って除去した。p-トルエンスルホニルイソシアネート(TSI)との反応を用い
た水酸基のためのASTME1899-97標準試験法およびテトラブチルアンモニウ
ムヒドロキシドによる電位差滴定に準拠して、無色でほんの僅かに曇った生成物
111gがOH(水酸基)価103および分子量1089g/モルであることを決定した。
この手順を用いて、組成物B〜Jの水酸基価と分子量を求めた。
【0077】 組成物 B 1,8-オクタンジオール51.2g(0.350モル)およびジクロロメタン310gを使用
し、そして反応混合物の温度が21℃〜24℃の範囲内になった後、50重量%水酸化
ナトリウム水溶液を60分かけて添加したこと以外は、組成物Aの調製に使用した
手順に従った。無色透明の回収した生成物109gは、OH価78.6および分子量142
7g/モルであることを求めた。
【0078】 組成物 C 以下のことを除いて、組成物Aの調製に使用した手順に従った。1,8-オクタン
ジオールの代わりに1,7-ヘプタンジオール50.0g(0.378モル)を使用し、ジク
ロロメタン300gと、ジエチレングリコールビスクロロホルメート105.2g(0.45
5モル)を使用し、そして50重量%水酸化ナトリウム水溶液を55分で添加した。
透明で僅かにピンク色の回収した生成物102gは、OH価58.1および分子量1931
g/モルであることを求めた。
【0079】 組成物 D 以下の材料を記載した量で使用し、反応混合物を24.5℃で3時間撹拌混合し、
そして生成物を120℃に真空下で24分間加熱したことを除いて、組成物Aの調製
に使用した手順に従った。ジクロロメタン(320g)、ジエチレングリコールビ
スクロロホルメート(95g、0.411モル)、水酸基価滴定で求めた分子量236を有
するポリ(オキシテトラメチレン)ジオール、(87.3g)、および4級ブチルアン
モニウムブロマイド(0.6g)。無色透明の回収した生成物128gは、OH価59.3
および分子量1892g/モルであることを求めた。
【0080】 組成物 E 1,8-オクタンジオールの代わりに1,9-ノナンジオール(65.0g)を使用し、ジ
クロロメタン320gおよびジエチレングリコールビスクロロホルメート112.9gを
使用し、そして生成物を115℃に加熱して約90分間真空引きすることによって揮
発物を除去したこと以外は、組成物Aの調製に使用した手順に従った。僅かに曇
っている回収した生成物126gは、OH価85.9および分子量1306g/モルである
ことを求めた。
【0081】 組成物 F 1,8-オクタンジオールの代わりに1,10-デカンジオール(70.0g)を使用し、
ジクロロメタン320gおよびジエチレングリコールビスクロロホルメート111.8g
を使用し、そして生成物を120℃に加熱して約120分間真空引きすることによって
揮発物を除去したこと以外は、組成物Aの調製に使用した手順に従った。不透明
なワックス状の固体回収物88gは、OH価97.5および分子量1151g/モルである
ことを求めた。
【0082】 組成物 G 以下の材料を、還流塔、撹拌器、添加漏斗(addition funnel)、窒素導入管、
真空蒸留塔、内部水銀温度計および可変式変圧器で制御される加熱マントルを装
備した適した反応容器へ記載した順および方法で添加した。
【0083】 仕込み−1を反応容器に添加して、溶融するまで120℃に加熱した。仕込み−
2を添加して、反応混合物を加熱し、120℃で30分間撹拌した。仕込み−3を
厳密に乾燥させた流動窒素条件下で添加した。得られた反応混合物を約15時間還
流させ、約7時間蒸留して、約30分間真空蒸留した。還流および蒸留工程中、反
応混合物の温度は、120〜150℃に保持した。仕込み−4を添加して、反応容器の
内容物を約19時間還流させて、窒素を流しながら約43時間蒸留して、約4時間真
空蒸留させた。次に、反応容器の内容物を冷却し、適当な容器に移した。得られ
た透明なポリマー溶液320.0gは、固化させるとワックス状の固体を形成し、水
酸基価59.5および分子量1886g/モルを有していた。
【0084】 組成物 H 1,6-ヘキサンジオールの代わりに1,5-ペンタンジオール(248.8g)を使用し
、仕込み−2および−3ではジエチルカーボネート278.4gおよびテトラブチル
チタネート0.209gをそれぞれ使用し、そして仕込み−4ではジエチルカーボネ
ート20gを使用したこと以外は、組成物Gの調製に使用した手順に従った。仕込
み−3および−4の後の還流、蒸留および真空蒸留時間も、組成物Dを調製する
のに用いた時間と異なっていた。仕込み−3の後、材料を約28時間還流させ、約
26時間蒸留して、約2時間真空蒸留した。仕込み−4の後、材料を115時間蒸留
し、そして約4時間真空蒸留させた。得られた茶色のポリマー溶液225.0gは、
固化するとワックス状の固体を形成し、水酸基価63および分子量1781g/モルを
有していた。
【0085】 組成物 I 1,6-ヘキサンジオールの代わりに1,4-ブタンジオール(214.7g)を使用し、
仕込み−2および−3ではジエチルカーボネート281.65gおよびテトラブチルチ
タネート0.195gをそれぞれ使用したこと以外は、組成物Gの調製に使用した手
順に従った。得られたポリマー溶液(163g)は、固化すると白色のワックス状
固体を形成し、水酸基価72.4および分子量1550g/モルを有していた。
【0086】 組成物 J 以下の材料を、80重量%反応物溶液を生成するのに十分な量のキシレンを含む
丸底フラスコに加えた。NCO:OH当量比37:73のイソホロンジイソシア
ネートとPC-1122、およびイソホロンジイソシアネートとPC-1122の合わせた
重量に対して0.1重量%程度のジラウリン酸ジブチル錫触媒。反応混合物を70℃
に加熱し、この温度において、赤外分光スペクトルにおけるNCOピークの消失
によって試料分析が検出できないレベルを示す(試料の合計重量に対して0.1重
量%以下)まで、一般には2〜4時間保持した。全固形分を基にして、水酸基当
量が2183であり、そして分子量が3492g/モルであることを求めた。イソホロン
ジイソシアネートは、クレア・ノヴァ・インク(Crea Nova, Inc.)から入手でき
る脂肪族ポリイソシアネートであり、そしてPC−1122は、スタール・ユーエス
エイ(Stahl USA)から入手できる脂肪族ポリカーボネートジオールである。
【0087】 組成物 K 以下の材料を、撹拌器、還流塔、添加漏斗(addition funnel)、窒素導入管、
外部の電子コントローラーに接続した内部温度プローブおよび加熱マントルを装
備した適した反応容器へ、記載した順および方法で添加した。 (1)エクソン(Exxon)製芳香族溶媒。(2) イー・アイ・デュポン・ド・ネモアーズ・アンド・カンパニー(E.I. duPo
nt de Nemours and Company)製2,2'-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)。 --------------------------
【0088】 仕込み−1を反応容器に添加して、窒素を容器に導入し、そして撹拌器を運転
しながら反応容器に熱を加えて、溶媒の還流が生じる温度を保持した。還流温度
に達した後、仕込み−2および−3を別々に連続法で2時間かけて反応容器に加
えた。その後、仕込み−4を加えて、反応混合物を還流温度で1時間保持した。
次いで、仕込み−5を加えて、反応混合物を還流温度で更に1.5時間保持した。
次に、反応容器の内容物を冷却して、適当な容器に移した。得られたポリマー容
器は、合計溶液重量に基づく計算上の合計固形分である約70.7%を有していた。
ポリマーは、ポリマー固形分に基づいて、ポリスチレンを標準として用いたゲル
浸透クロマトグラフィー法での測定によれば、重量平均分子量約9,000であり、
そして水酸基価約170であった。
【0089】 組成物 L 以下の材料を、BRINKMAN PT-3000ホモジナイザーと共に使用するのに適した
容器へ記載した順に添加した。 (3)紫外線を照射すると青色を呈するナフト[1,2-b]ピラン。(4) 紫外線を照射すると黄色−橙色を呈するナフト[1,2-b]ピラン。(5) 紫外線を照射すると青色を呈するナフト[1,2-b]ピラン。(6) チバ-ガイギー・コーポレイション(CIBA-GEIGY Corp.)製ヒンダードアミ
ン紫外線安定化剤。(7) バイエル・コーポレイション(Bayer Corporation)製フェニルメチルポリ
シロキサン。(8) 純度99%のN-メチルピロリドン溶媒。(9) オーエスアイ・スペシャリティーズ(OSi Specialities)製γ-グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン。 --------------------------
【0090】 得られた溶液を、約1時間かまたは材料が全て溶解するまで、60℃の対流式オ
ーブンに置いた。
【0091】 実施例 1 以下の材料を、BRINKMAN PT-3000ホモジナイザーと共に使用するのに適した
容器へ、記載した順および方法で添加した。 (10)クレアノヴァ・インク(CreaNova, Inc.)製のメチルエチルケトキシムブ
ロック化脂肪族ポリイソシアネート。(11) DABCO T-12触媒またはMETACURE T-12触媒として入手可能なジラウリン
酸ジブチル錫。 --------------------------
【0092】 容器内の内容物を5000rpmで2分間混合した。得られる溶液を、60℃の対流
式オーブンに約1時間置いた。
【0093】 実施例 2 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0094】 実施例 3 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0095】 実施例 4 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0096】 実施例 5 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0097】 実施例 6 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0098】 実施例 7 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。 (12)ポリヘキサメチレンジカーボネートであると報告された、スタール・ユ
ーエスエイ製脂肪族ポリカーボネートジオール。
【0099】 実施例 8 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0100】 実施例 9 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0101】 実施例 10 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0102】 実施例 11 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0103】 実施例 12 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0104】 実施例 13 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0105】 実施例 14 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用した。
【0106】 比較例 1 以下の材料を用い、実施例1の手順を使用して、国際特許出願公開第WO98/371
15号公報に記載された種類のフォトクロミックポリウレタン組成物を生成した。 (13)グレート・レイクス・ケミカル・コーポレイション(Great Lakes Chemi
cal Corporation)製の数平均分子量1000を有するポリ(オキシテトラメチレン)ジ
オール。
【0107】 実施例 15 パートA 実施例1〜14および比較例1(CE1)で調製した溶液をスピン塗布法によ
り、サプライヤによって色合いのない(non-titable)ハードコートで予め被覆さ
れた熱可塑性ポリカーボネートレンズに適用した。レンズは、直径70mmで、ゲ
ンテックス・オプティクス・インク(Gentex Optics, Inc.);オルコライト、ベ
ンソン・アイケア・コーポレイション(Benson Eyecare Corp.)の一事業部;ヴィ
ジョン-イーズ(Vision-Ease)、ビーエムシー・インダストリーズ・インク(BMC i
ndustries, Inc.)の一ユニット;および/またはソラ・オプティカル・ユーエス
エイ(SOLA Optical USA)から入手した。コーティングの適用前に、各レンズは、
洗剤と水で洗浄して、水で洗い流した後、脱イオン水でリンスし、イソプロピル
アルコールを噴霧して、温めた対流式オーブンで乾燥させて、酸素プラズマで処
理した。レンズは、PLASMAtech/PLASMAfinishマイクロ波ガスプラズマ装置(ユ
ニット)において、以下の条件下でプラズマ処理した。出力は、100ワットに設
定した。ガス圧は38パスカルであった。ガス流量100mL/分を使用した。そし
て処理時間は60秒であった。 溶液約800mgを、2000rpmで回転させている各レンズに分配して、レンズ
1枚当たりの湿潤フィルム重量を約200mgとした。被覆レンズは、140℃に保持
した対流式オーブンにおいて75分間硬化させた。乾燥したコーティングの最終厚
さは、約20μmであった。
【0108】 パートB パートAで調製したフォトクロミック被覆試験レンズを、フィッシャー顕微鏡
HCV、フィッシャー・テクノロジー・インク(Fischer Technology, Inc.)製の
モデルH-100を用いてマイクロ硬度(F)試験に付した。被覆試験試料のマイ
クロ硬度は、N/mmで測定され、100mN荷重および荷重工程間の間隔0.5秒
の条件下で各実施例において調製した試験試料の中心面積内の深さ2μmで3回
測定して求めた。試験前に、各レンズを、湿度約50%および温度約23℃の閉じた
室内に少なくとも12時間貯蔵した。試験結果を、表1にまとめる。
【0109】 パートC パートBからのフォトクロミック被覆試験レンズを、PLASMAtech/PLASMAfinis
hマイクロ波ガスプラズマ装置内に配置した。レンズを以下の条件下で、酸素プ
ラズマ処理した。出力は、100ワットに設定した。ガス圧は38パスカルであった
。ガス流量100mL/分を使用した。そして処理時間は60秒であった。 プラズマ処理したレンズに、Hi-Gard(登録商標)1030コーティング溶液(ピー
ピージー・インダストリーズ・インク製)をスピン塗布法により塗布した。Hi-G
ard(登録商標)1030コーティング溶液約4mLを、1100回転/分(rpm)で13
秒間回転させている各レンズに分配した。その後、レンズを60℃のオーブンで20
分間加熱した後、120℃のオーブンで3時間加熱した。乾燥したコーティングの
最終厚さは、約2μmであった。
【0110】 パートD 実施例1〜14およびCE1の溶液から調製したフォトクロミックポリウレタ
ン樹脂フィルムの膨張率を、以降の手順により、膨張試験(percent Swelling Te
st)において求めた。溶液約0.5mLを、イー・アイ・デュポン・ド・ネモアーズ
・アンド・カンパニー製Tedlar(登録商標)フィルムで被覆された顕微鏡用スライ
ドガラスに塗布した。スライドガラス上の試料のドローダウン(drawdown)は、ポ
ール・エヌ・ガードナー・カンパニー(Paul N. Gardner Co.)製の20番バーで行
った。被覆したスライドガラスを、140℃で75分間硬化した。その後、硬化フィ
ルムに接着テープを貼りつけて、注意深く二つに分離することで、硬化したフィ
ルムをTedlar(登録商標)フィルムから取り外した。外径0.023インチ(0.058cm
)の硬化フィルム試料を、試料を回収するように改良した(すなわち、先端を取
り外した)20ゲージの皮下注射針を用いて回収した。試料を穴(well)付き顕微鏡
用スライドガラスに配置した。インターネットへのアクセス権を有するコンピュ
ータに接続した光学顕微鏡を用いて試料を評価した。倍率41倍を用い、試料の画
像を、エイエスティ・プロダクツ・インク(AST Products, Inc.)製VCA2500ヴァ
ージョン1.14ソフトウェアーを用いて表現した。インターネットアドレス「http
://rsb.info.nih.gov/ij/applet/」にアクセスして、イメージ・ジェイ(Image J
)バージョン1.12ソフトウェアーを利用した。ウェイブメトリックス・インク(Wa
vemetrics Inc.)製IGORなどのどのような画像解析ソフトウェアー(image area a
nalysis software)を用いても、コンピュータ結果を表すことができた。硬化フ
ィルム試料の表された画像を開いて、フリー・スタイル・ドローイング(Free St
yle Drawing)オプションを選択した。硬化フィルム試料の外郭をトレースして、
分析(Analyze)、測定(Measure)オプションを選択した。次に、硬化フィルム試料
の面積をディスプレイに表示した。
【0111】 試料がどの程度膨張したかを求めるために、イソプロピルアルコール(IPA
)約0.5mLを顕微鏡の穴(well)に加えた。試料の膨張を、3分、5分および10
分後に、あるいは一定の値が得られるまでモニターした。各硬化フィルムから5
試料をこの方法で分析した。結果の標準偏差が3.0を超えた場合は、試験を繰り
返した。膨張率は、IPAの添加前後に測定した面積の差をIPA添加前に測定
した面積で割って、それに100を乗じて求めた。結果を表2に示す。
【0112】 パートE パートCで調製したフォトクロミック被覆レンズの紫外線吸光度を調べ、そし
て390nmで同等のUV吸光度を有するレンズのフォトクロミック応答を、光学
ベンチで試験した。光学ベンチでの試験前に、フォトクロミックレンズは、365
nm紫外光に20分間露光してフォトクロミック化合物を活性化し、その後、75℃
のオーブン内に約20分間置いてそのフォトクロミック化合物を漂白(不活性化)
した。次いで、被覆レンズを室温まで冷却し、室内蛍光灯に少なくとも3時間晒
した後、光学ベンチでの試験前に少なくとも1時間カバーを掛けておいた。ベン
チには、300ワットキセノンアークランプ、リモートコントロールされるシャッ
ター、短波長の放射線を除去するスコット(Schott)3mmKG-2バンドパスフィル
ター、中間濃度フィルター、試験しようとするレンズを挿入する試料温度を保持
するための石英ガラス製の水セル/試料ホルダーを備えつけた。
【0113】 光学ベンチの出力、すなわち、試料レンズに照射する光の照射量は、1.4mW
/cmに調節した。出力の測定は、グレーズビー・オプトロニクス(GRASEBY O
ptronics)製モデルS-371ポータブル光量計(製品番号#21536)を、UV−A検
出器(製品番号#22411)または同等の装置と共に使用して行った。UV−A検
出器は、試料ホルダー内に配置され、光出力を測定した。前記出力への調節は、
ランプのワット数を増減したり、あるいは光路において中間濃度フィルターを入
れたり出したりすることで行った。
【0114】 タングステンランプからの光のモニター用平行ビームは、レンズ表面に対して
直角から30°傾けて試料を通過させた。レンズを通過した後、タングステンラン
プからの光は、検出器に接続された明所視フィルターを通るように向けた。検出
器からの出力信号をラジオメーターで処理した。試験状態の制御およびデータの
取得は、ラブテック・ノートブック・プロ(Labtech Notebook Pro)ソフトウェア
ーと推奨されるI/Oボードにより処理した。
【0115】 漂白状態から暗色化状態までの光学濃度の変化(ΔOD)は、初期の透過率を
求め、キセノンランプからのシャッターを開けて紫外線を提供して、漂白状態か
ら活性化(すなわち、暗色化)状態へ選択された時間間隔で試験レンズを変化さ
せて、活性化状態での透過率を測定し、そして光学濃度の変化を数式:ΔOD=
log(%Tb/%Ta)により計算することにより求めた。前記式中、%Tbは、
漂白状態での透過率(%)であり、%Taは、活性化状態での透過率(%)であ
り、対数の底は10である。
【0116】 ΔODは、85°F(29℃)フォトクロミック性能試験において、UV露光の最
初の30秒後と、次いで8分後に測定した。漂白速度(T 1/2)は、被覆レンズ中
のフォトクロミック化合物の活性化状態のΔODに関し、活性化光源を取り除い
た後、85°F(29℃)において8分後のΔODの2分の1に達するまでの時間(
秒)である。試験したフォトクロミック被覆レンズについての結果を表3にまと
める。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】 表1、2および3の結果には、実施例1〜14の溶液で被覆したレンズが以下
の特性を表したことが示されている。マイクロ硬度が、50〜150N/mm の所望の範囲であったこと;30秒後のΔODが少なくとも0.15であり、そして8
分後のΔODが少なくとも0.28であること;85°F(29℃)での全ての試験にお
いて、退色速度が70秒以下であること;および膨張試験における膨張率が25%未
満であること。国際特許出願公開第WO98/37115号公報のコーティングを表す比較
例1の溶液で被覆したレンズは、膨張率が25%であったが、これは所望の範囲外
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ジェシカ・エイ・ホック アメリカ合衆国33611フロリダ州タンパ、 サウス・ウエスト・ショア・ブールバード 4800番、アパートメント334 (72)発明者 ジャニーン・エイ・コンクリン アメリカ合衆国15218ペンシルベニア州ピ ッツバーグ、ミルトン・アベニュー1101番 (72)発明者 シャンティ・スワラップ アメリカ合衆国15101ペンシルベニア州ア リソン・パーク、メドー・クレスト・ドラ イブ4918番 Fターム(参考) 4J038 DG031 DG101 DG121 DG131 DG191 DG261 DG301 JA72 JB39 KA08 NA01 PB08 PC02 PC03 PC04 PC08 PC10

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材の少なくともひとつの表面上のフォトクロミ
    ックポリウレタンコーティングを組み合わせて含んで成る物品であって、前記フ
    ォトクロミックポリウレタンコーティングが、フィッシャーマイクロ硬度50〜
    150N/mmを有しかつその改良点が、 (a)分子量500〜5,000g/モルを有するポリカーボネートポリオール、 (b)任意に、分子量少なくとも500g/モルを有する別の有機ポリオール、 (c)イソシアネート、 (d)フォトクロミック化合物、および (e)任意の触媒 を含有する成分から調製されることを含み、前記成分が、膨張試験において膨張
    率25%未満を示すフォトクロミックポリウレタンコーティングを製造するよう
    な割合で使用されることを特徴とする、物品。
  2. 【請求項2】 フォトクロミックポリウレタンコーティングに適用される保
    護用ハードコートを更に含んで成る請求項1記載の物品。
  3. 【請求項3】 保護用ハードコートが、オルガノシランカードコートである
    請求項2記載の物品。
  4. 【請求項4】 フォトクロミックポリウレタンコーティングが、30秒後の
    ΔOD少なくとも0.15および8分後のΔOD少なくとも0.28を示し、そ
    して漂白速度が70秒以下であって、これら全てが85°Fフォトクロミック性
    能試験で測定されたものであることを特徴とする請求項1記載の物品。
  5. 【請求項5】 フォトクロミックポリウレタンコーティングが、膨張試験に
    おいて膨張率10%以下を示す請求項4記載の物品。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネートポリオールが、以下のもので表されること
    を特徴とする請求項1記載の物品: (a)化学式I: 【化1】 (b)化学式II: 【化2】 、または (c)前記式IおよびIIで表されるポリカーボネートポリオールの組み合わせであ
    って、前記式中のRおよびR'がそれぞれ、2価のC〜C10脂肪族基または
    2価のC〜C15芳香族基を表し、そしてaが3〜15から選択される整数で
    あるもの。
  7. 【請求項7】 化学式Iで表されるポリカーボネートポリオールが、ビス(
    クロロホルメート)と有機ポリオールとの反応により形成される請求項6記載の
    物品。
  8. 【請求項8】 ビス(クロロホルメート)が、モノエチレングリコールビス(
    クロロホルメート)、ジエチレングリコールビス(クロロホルメート)、ブタンジ
    オールビス(クロロホルメート)、ヘキサンジオールビス(クロロホルメート)、ネ
    オペンチルジオールビス(クロロホルメート)ビスフェノールAビス(クロロホル
    メート)、または前記ビスクロロホルメートの混合物から選択される請求項7記
    載の物品。
  9. 【請求項9】 有機ポリオールが、ビスフェノールA、トリメチロールプロ
    パン、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,
    6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8 オクタンジオール、1,9-ノナ
    ンジオール、1,10-デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
    グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)ジオール、ポリカプロラクトンポリオ
    ール、または前記ポリオールの混合物から選択される請求項7記載の物品。
  10. 【請求項10】 別の有機ポリオール(b)が、ポリエステルポリオール、ポ
    リエーテルポリオール、アミノ含有ポリオール、ポリアクリルポリオール、エポ
    キシポリオール、多価ポリビニルアルコール、ウレタンポリオールおよびこれら
    の混合物から選択される請求項1記載の物品。
  11. 【請求項11】 ポリアクリルポリオールが、ヒドロキシ官能性エチレン性
    不飽和モノマーと、ビニル芳香族モノマー、ビニル脂肪族モノマー、(メタ)アク
    リル酸のアルキルエステル、エポキシ官能性モノマー、カルボキシ官能性モノマ
    ー、および前記エチレン性不飽和モノマーの混合物から成る群より選択される他
    のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである請求項10記載の物品。
  12. 【請求項12】 イソシアネート成分が、ブロック化または変性イソシアネ
    ートである請求項1記載の物品。
  13. 【請求項13】 イソシアネート成分が、脂肪族イソシアネート、芳香族イ
    ソシアネート、脂環式イソシアネート、複素環式イソシアネート、およびこれら
    の混合物から成る群より選択される請求項12記載の物品。
  14. 【請求項14】 イソシアネート成分が、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシア
    ネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ドデカン-1
    ,12-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、およびこれら
    の混合物から成る群より選択される請求項13記載の物品。
  15. 【請求項15】 イソシアネート成分が、イソホロンジイソシアネートのブ
    ロック化イソシアネートである請求項14記載の物品。
  16. 【請求項16】 前記ブロック化イソシアネートが、メタノール、ジイソプ
    ロピルアミン、1,2,4-トリアゾ−ル、メチルエチルケトキシム、およびこれらの
    混合物から成る群より選択されるブロック化化合物でブロックされている請求項
    15記載の物品。
  17. 【請求項17】 フォトクロミック化合物が、ナフトピラン、ベンゾピラン
    、フェナントロピラン、インデノナフトピラン、スピロ(ベンズインドリン)ナフ
    トピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン
    、スピロ(インドリン)キノピラン、スピロ(インドリン)ピラン、スピロ(インド
    リン)ナフトキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベ
    ンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトキ
    サジン、スピロ(インドリン)ベンズオキサジン、水銀ジチゾナート、フルギド、
    フルギミド、および前記フォトクロミック化合物の混合物から成る群より選択さ
    れる請求項1記載の物品。
  18. 【請求項18】 前記触媒が、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジブ
    チル錫アセテート、ジラウリン酸ジブチル錫およびこれらの混合物から成る群よ
    り選択される請求項1記載の物品。
  19. 【請求項19】 プライマー層が、基材とフォトクロミックポリウレタンコ
    ーティングとの間に挿入される請求項1記載の物品。
  20. 【請求項20】 基材が、紙、ガラス、セラミック、木、石造りのもの、織
    物、金属および有機ポリマー材料から成る群より選択される請求項1記載の物品
  21. 【請求項21】 有機ポリマー材料が、ポリ(C〜C12アルキルメタク
    リレート)、ポリ(オキシアルキレン)ジメタクリレート、ポリ(アルコキシル化フ
    ェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、トリアセチルセルロース、酢酸プ
    ロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニル
    アルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボ
    ネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(エチレンテレ
    フタレート)、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、コポリ(スチレン−メ
    チルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチ
    ラ−ル、およびビス(アリルカーボネート)モノマー、多官能アクリレートモノマ
    ー、多官能メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモ
    ノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジ
    メタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポ
    リ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノール
    ビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールポリアクリレート
    モノマー、スチレンモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、グリシジルアク
    リレートモノマー、グリシジルメタクリレートモノマー、およびジアリリデンペ
    ンタエリスリトールモノマーのポリマーから成る群より選択される請求項20記
    載の物品。
  22. 【請求項22】 有機ポリマー材料が、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ
    (エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール
    Aジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビ
    ニルブチラール、ポリウレタン、ポリチオウレタン、およびジチレングリコール
    ビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモ
    ノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニ
    ルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレー
    トモノマーのポリマーから成る群より選択される中実の透明なポリマーである請
    求項21記載の物品。
  23. 【請求項23】 基材が光学要素である請求項22記載の物品。
  24. 【請求項24】 光学要素がレンズである請求項23記載の物品。
  25. 【請求項25】 レンズの屈折率が、1.48〜1.75である請求項24
    記載の物品。
JP2001561112A 2000-01-26 2001-01-25 フォトクロミックポリウレタンコーティングおよびこのコーティングを有する物品 Pending JP2003523475A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17809500P 2000-01-26 2000-01-26
US60/178,095 2000-01-26
US09/755,147 2001-01-08
US09/755,147 US20020009599A1 (en) 2000-01-26 2001-01-08 Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating
PCT/US2001/002379 WO2001055269A1 (en) 2000-01-26 2001-01-25 Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003523475A true JP2003523475A (ja) 2003-08-05

Family

ID=26873963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001561112A Pending JP2003523475A (ja) 2000-01-26 2001-01-25 フォトクロミックポリウレタンコーティングおよびこのコーティングを有する物品

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20020009599A1 (ja)
EP (1) EP1263902A1 (ja)
JP (1) JP2003523475A (ja)
AU (1) AU4142601A (ja)
BR (1) BR0108110A (ja)
CA (1) CA2397969A1 (ja)
MX (1) MXPA02007285A (ja)
WO (1) WO2001055269A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516376A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ザ・ボーイング・カンパニー ハイブリッドコーティング及び関連の塗布方法
WO2012141250A1 (ja) * 2011-04-13 2012-10-18 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
JP2014505116A (ja) * 2010-11-23 2014-02-27 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド 硬化性フォトクロミック組成物およびそれから調製される光学物品
JP2016540239A (ja) * 2013-10-11 2016-12-22 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド 有機溶媒前処理およびフォトクロミックコーティングを使用するフォトクロミック光学物品を調製する方法
WO2021172404A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 株式会社トクヤマ 光学物品用プライマー組成物、および積層体

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU769249B2 (en) * 1999-07-02 2004-01-22 Ppg Industries Ohio, Inc. Poly(meth)acrylic photochromic coating
FR2812646A1 (fr) * 2000-08-04 2002-02-08 Rhodia Chimie Sa Composition polyisocyanate obtenue par polymerisation de monomeres isocyanates et composes polyisocyanates masques
FR2819800B1 (fr) * 2001-01-25 2003-08-29 Essilor Int Procede d'incorporation d'un additif dans une couche mince formee sur un substrat et son application a l'optique ophtalmique
US7410691B2 (en) 2001-12-27 2008-08-12 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic optical article
US7108958B2 (en) * 2002-07-31 2006-09-19 Brewer Science Inc. Photosensitive bottom anti-reflective coatings
US7259122B1 (en) * 2004-08-30 2007-08-21 John Lombardi Chemically-resistant shelter coating
US7915197B2 (en) * 2003-08-29 2011-03-29 Lombardi John L Pathogen-resistant coatings
EP2955567A1 (en) * 2003-09-09 2015-12-16 Insight Equity A.P.X., LP Photochromic polyurethane laminate
KR101189397B1 (ko) * 2003-10-15 2012-10-11 브레우어 사이언스 인코포레이션 비아-퍼스트 듀얼 다마신 적용예에서 사용되는 현상제에 용해성인 물질 및 상기 물질 사용 방법
US7261843B2 (en) * 2004-03-04 2007-08-28 Transitions Optical, Inc. Photochromic optical article
US7189456B2 (en) 2004-03-04 2007-03-13 Transitions Optical, Inc. Photochromic optical article
US20050255410A1 (en) * 2004-04-29 2005-11-17 Guerrero Douglas J Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers
US20070207406A1 (en) * 2004-04-29 2007-09-06 Guerrero Douglas J Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers
US7258437B2 (en) 2005-09-07 2007-08-21 Transitions Optical, Inc. Photochromic multifocal optical article
SE0502284L (sv) * 2005-10-14 2006-12-27 Perstorp Specialty Chem Ab Polyurethane elastomer
JP2007256173A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Olympus Corp 外観検査装置
US7914974B2 (en) 2006-08-18 2011-03-29 Brewer Science Inc. Anti-reflective imaging layer for multiple patterning process
KR100764108B1 (ko) 2007-03-28 2007-10-05 구자은 렌즈 코팅 프라이머용 수분산 폴리우레탄 및 이의 제조방법
US7998529B2 (en) * 2007-10-10 2011-08-16 Ppg Industries Ohio, Inc. Methods for making polymeric substrates comprising a haze-free, self-healing coating and coated substrates made thereby
EP2245512B1 (en) 2008-01-29 2019-09-11 Brewer Science, Inc. On-track process for patterning hardmask by multiple dark field exposures
US9640396B2 (en) 2009-01-07 2017-05-02 Brewer Science Inc. Spin-on spacer materials for double- and triple-patterning lithography
DE102009005711A1 (de) * 2009-01-22 2010-07-29 Bayer Materialscience Ag Polyurethanvergussmassen
US8815771B2 (en) * 2012-04-16 2014-08-26 Ppg Industries Ohio, Inc. Mechanochromic coating composition
US9081130B1 (en) 2013-01-09 2015-07-14 Insight Equity A.P.X., Lp Photochromic polyurethane laminate
US9440419B2 (en) 2013-03-15 2016-09-13 Vision Ease, Lp Photochromic polyurethane laminate
WO2017038865A1 (ja) 2015-09-03 2017-03-09 株式会社トクヤマ ポリロタキサン及びその製法並びに該ポリロタキサンを含有する光学用組成物
CN109535888A (zh) * 2018-10-25 2019-03-29 广州市科涵实业有限责任公司 一种单组分光致变色涂料及其制备方法
CN112210099B (zh) * 2020-10-12 2023-04-04 南京摩开科技有限公司 一种光致变色聚氨酯薄膜及其制备方法
US11952492B2 (en) 2020-11-20 2024-04-09 Encapsys, Llc Biodegradable, controlled release microcapsules

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4101529A (en) * 1976-02-04 1978-07-18 Ppg Industries, Inc. Hard, optically clear polyurethane articles
JPS63178193A (ja) * 1987-01-20 1988-07-22 Nippon Sheet Glass Co Ltd フオトクロミツク性を有する被覆用組成物
JPH08120223A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Okamoto Ind Inc 弾性成形型用の表面被覆剤
FR2732019B1 (fr) * 1995-03-24 1997-06-13 Flamel Tech Sa Spiropyrannes photochromiques, compositions et articles les contenant
CA2255381C (en) * 1997-12-29 2008-09-16 Bayer Corporation Photochromic polyurethanes

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516376A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ザ・ボーイング・カンパニー ハイブリッドコーティング及び関連の塗布方法
JP2014505116A (ja) * 2010-11-23 2014-02-27 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド 硬化性フォトクロミック組成物およびそれから調製される光学物品
WO2012141250A1 (ja) * 2011-04-13 2012-10-18 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
JP2016540239A (ja) * 2013-10-11 2016-12-22 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド 有機溶媒前処理およびフォトクロミックコーティングを使用するフォトクロミック光学物品を調製する方法
US10281628B2 (en) 2013-10-11 2019-05-07 Transitions Optical, Inc. Method of preparing a photochromic optical article using an organic solvent pretreatment and photochromic coating
WO2021172404A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 株式会社トクヤマ 光学物品用プライマー組成物、および積層体

Also Published As

Publication number Publication date
BR0108110A (pt) 2003-03-25
US20020009599A1 (en) 2002-01-24
EP1263902A1 (en) 2002-12-11
MXPA02007285A (es) 2003-09-22
WO2001055269A1 (en) 2001-08-02
AU4142601A (en) 2001-08-07
CA2397969A1 (en) 2001-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003523475A (ja) フォトクロミックポリウレタンコーティングおよびこのコーティングを有する物品
US6187444B1 (en) Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating
EP1037951B1 (en) Photochromic epoxy resin coating composition
US6436525B1 (en) Polyanhydride photochromic coating composition and photochromic articles
US6432544B1 (en) Aminoplast resin photochromic coating composition and photochromic articles
US6506488B1 (en) Aminoplast resin photochromic coating composition and photochromic articles
EP1451256B1 (en) Articles having a photochromic polymeric coating
AU2002363244A1 (en) Articles having a photochromic polymeric coating
MXPA99007718A (en) Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating
MXPA01006211A (en) Aminoplast resin photochromic coating composition and photochromic articles