JPH08120223A - 弾性成形型用の表面被覆剤 - Google Patents

弾性成形型用の表面被覆剤

Info

Publication number
JPH08120223A
JPH08120223A JP6260127A JP26012794A JPH08120223A JP H08120223 A JPH08120223 A JP H08120223A JP 6260127 A JP6260127 A JP 6260127A JP 26012794 A JP26012794 A JP 26012794A JP H08120223 A JPH08120223 A JP H08120223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic
surface coating
molding die
coating agent
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6260127A
Other languages
English (en)
Inventor
Itaru Horiguchi
至 堀口
Atsushi Sato
篤史 佐藤
Hiroshige Kono
博繁 河野
Toshihiro Hayashi
敏弘 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Okamoto Industries Inc
Original Assignee
Okamoto Industries Inc
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okamoto Industries Inc, Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Okamoto Industries Inc
Priority to JP6260127A priority Critical patent/JPH08120223A/ja
Publication of JPH08120223A publication Critical patent/JPH08120223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】弾性成形型の表面に耐久性ある皮膜を形成でき
る表面被覆剤を提供する。 【構成】ポリカーボネートポリオールと縮合系ポリエス
テルポリオールとの混合物の溶剤溶液、及びポリイソシ
アネートの溶剤溶液とを配合した弾性成形型用の表面被
覆剤である。縮合系ポリエステルポリオールとポリカー
ボネートポリオールとの混合割合は重量比で5〜95:
95〜5が好ましい。また、ポリイソシアネートは分子
量500〜1000のウレタンプレポリマーが好まし
い。シリコーン及び/又はフッ素化合物を添加配合する
ことによって、弾性成形型の耐油性、耐水性を一層向上
できる。また、弾性成形型の表面に、ポリジエン変性ポ
リウレタンを下塗し、その上に、本発明の上記の表面被
覆剤を塗布することによって、一層皮膜の耐久性を向上
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性成形型の表面被覆
剤に関し、更に詳しくは成形品の剥離性、光沢などを改
善するために弾性成形型に施す表面被覆剤及びこの表面
被覆剤を弾性成形型に施す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ゴム、クロロプレンゴムなど
の弾性材料で作った、開口部を有する中空の弾性成形型
を用いて、チョコレート、チーズ、ゼリー、氷、かまぼ
こ、口紅など成形する方法が知られている。この成形方
法は次のようにして行う。すなわち、弾性成形型の開口
部から該成形型内に流動性の成形材料を流し込み、充填
し、次いで、加熱或は冷却するなどして成形材料を固化
し、その後この固化した成形品を弾性成形型から取り出
す。この成形品の取り出しは、例えば弾性成形型を空気
圧差を利用するなどして膨張させ、固化した成形品を弾
性成形型から剥がし、膨張した開口部より排出させるこ
とにより行う。この弾性成形型は、繰り返し何回も使用
される。
【0003】ところが、この弾性成形型を用いて成形し
た場合、弾性成形型の機械的性質や耐久性向上のため弾
性材料に配合するカーボンブラックやクレーなどの補強
材に起因して、成形品の表面のツヤが充分でないという
欠点があり、チョコレートや口紅の成形品の場合は特に
その商品価値を損ねる問題点があった。また成形材料に
水分が含まれていたり、成形材料が油性物質の場合は弾
性成形型を繰返し使用しているうちに、その内面が徐々
に膨潤し型崩れを起こすと言う問題点があった。また、
この膨潤にしたがって弾性成形型の内表面が粗面にな
り、そのため成形された成形品の表面のツヤが失なわれ
るようになる問題点があった。そして、これらの問題点
を解決すべく、本発明者らは先に弾性成形型の内層を補
強材を配合しないエラストマーや耐油性のエラストマー
で構成するすること提案した(特開平5ー57730号
公報)。
【0004】しかして、弾性成形型を用いる成形は前述
したとおり、特にチョコレートなどの成形においては、
弾性成形型は加熱溶解したチョコレートの充填、次いで
その固化のための冷却、その後の離型のための膨張、元
の状態に戻る収縮というように、高温、低温、膨張、収
縮の過酷な状態に繰返し曝される。そのため上記の如
く、弾性成形型の内表面を、補強材を配合しないエラス
トマーや耐油性のエラストマーで被覆した場合、長時間
にわたって繰返し成形作業している間にこの被覆層が弾
性成形型から剥離するという問題点がある。この問題点
を解決するべく、本発明者らは、先に、ポリオールと芳
香族系ポリイソシアネートとを反応させて得たポリウレ
タンの溶剤溶液を弾性成形型の表面被覆に用いることを
提案した(特願平5−144680号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑み、弾性成形型の内表面を被覆する表面被覆剤につ
いて、従前の提案を更に改良し、より一層、弾性成形型
との接着性がよく、ツヤのある成形品を成形することが
でき、また成形品の成形型からの離型性がよく、しかも
繰り返し使用しても弾性成形型表面から剥離、離脱しな
い耐久性を有する表面被覆剤を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、弾性成形型
用の表面被覆剤について検討した結果、表面被覆剤を弾
性成形型から剥離し難くするためには、表面被覆剤と弾
性成形型との接着性がよいことと共に、成形時に弾性成
形型を膨張、収縮させたとき、表面被覆剤も弾性成形型
と同じに膨張、収縮する性質、すなわち表面被覆剤の伸
び性質が重要な因子であることを知見し、これらの接着
性、伸び性質など異なる性質の要件を満たすのに種類の
異なるポリウレタンを混合して使用することを思い付
き、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、ポリカーボネートポリ
オールと縮合系ポリエステルポリオールとの混合物の溶
剤溶液、及びポリイソシアネートの溶剤溶液を配合して
なる弾性成形型用の表面被覆剤である。この表面被覆剤
において、ポリカーボネートポリオールと縮合系ポリエ
ステルポリオールとの混合割合は重量比で5〜95:9
5〜5が好ましい。また、ポリイソシアネートは分子量
500〜1000の末端イソシアネート基のウレタンプ
レポリマーが好ましい。これら本発明の表面被覆剤に
は、シリコーン及び/又はフッ素化合物を添加配合して
もよい。更に、本発明は、弾性成形型の表面にポリジエ
ン変性ポリウレタンを下塗し、その上に上記の表面被覆
剤を塗布する表面被覆方法である。
【0008】本発明の表面被覆剤を施す対象となる弾性
成形型は、天然ゴムやクロロプレンゴム等のエラストマ
ーからなり、任意に機械的性質や耐久性をもたせるため
にカーボンブラックやクレー等の補強材を添加して調製
したラテックスを成形して製造される。本発明の表面被
覆剤は、ポリカーボネートポリオールと縮合系ポリエス
テルポリオールとの混合物の溶剤溶液、及びポリイソシ
アネートの溶剤溶液を配合したものであるが、この配合
液を弾性成形型に塗布し、弾性成形型表面上で反応させ
てポリウレタンを形成させることにより、弾性成形型表
面にポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート
との反応で得られるポリウレタンと、縮合系ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られる
ポリウレタンと、ポリカーボネートポリオールと縮合系
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応
で得られるポリウレタンとが混在した被覆層を形成させ
ることができる。この際のポリカーボネートポリオール
と縮合系ポリエステルポリオールとの混合割合は、所望
とする表面被覆の接着性や伸び性質によって適宜に変え
ることができるが、重量比で5〜95:95〜5が好ま
しい。更に好ましい混合割合は、ポリカーボネートポリ
オール50〜95重量部と縮合系ポリエステルポリオー
ル50〜5部の混合割合、特に好ましくはポリカーボネ
ートポリオール70〜85重量部と縮合系ポリエステル
ポリオール30〜15部の混合割合である。
【0009】本発明で用いるポリカーボネートポリオー
ルはジメチレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、pーキシリレングリコール等のグリコールとエチレ
ンカーボネート等のカーボネートとをそれ自体公知の方
法で反応させて得られる。これらポリカーボネートポリ
オールは、接着性、耐油性をよくする観点から分子量2
000以上特に3000以上のものが好ましい。また、
縮合系ポリエステルポリオールは、アジピン酸、フター
ル酸、マレイン酸などの多塩基酸と、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン
などの多価アルコールとの縮合脱水反応物によって製造
することができる。これら縮合系ポリエステルポリオー
ルは伸びをよくする観点から分子量2000以上特に3
000以上のものが好ましい。ポリカーボネートポリオ
ールと縮合系ポリエステルポリオールとの混合物の溶剤
溶液は、それぞれのポリオールをそれぞれ任意の濃度に
溶剤に溶解して溶液を作り、この溶液を所定の割合で混
合して調製してもよいし、また、これらのポリオールを
所定の割合に混合し、この混合物を任意の濃度に溶剤に
溶解して調製してもよい。
【0010】またポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソ
シアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
トなどの脂肪族系ポリイソシアネートが用いられる。そ
して、食品の成形に用いる弾性成形型用の表面被覆剤
は、食品衛生面を考慮する必要が有り、その場合はFD
Aで認可されているイソホロンジイソシアネートが用い
られる。
【0011】また、本発明では、ポリイソシアネートと
して、イソソアネート基を2個以上有するウレタンプレ
ポリマーが特に好ましく用いられる。このウレタンプレ
ポリマーは、例えばイソホロンジイソシアネートとテト
ラメチレンエーテルグリコールを反応させてなるウレタ
ンプレポリマー、イソホロンジイソシアネートとプロピ
レングリコールを反応させてなるウレタンプレポリマー
などを用いることができる。ウレタンプレポリマーは分
子量500〜1000のものが好ましい。分子量500
以上のウレタンプレポリマーを使用することによって、
水との反応性が低下し、炭酸ガス発生を抑えることがで
きる。そのため、炭酸ガス発生による被覆面の粗雑化を
防ぎ、表面光沢のよい被覆を弾性成形型に施すことがで
きる。また本発明におけるポリオールやポリイソシアネ
ートの溶剤には、メチルエチルケトン、ジメチルホルム
アミド、トルエン、酢酸エチルなどが用いられる。
【0012】また、本発明の表面被覆剤には、シリコー
ン及び/又はフッ素化合物を添加配合してもよい。シリ
コーンとしてはメチルハイドロジェンポリシロキサン、
ジメチルポリシロキサン、ジメチルーメチルフェニルポ
リシロキサンなど並びにこれらのアミノ変性物、エポキ
シ変性物、カルボキシ変性物及びアルコール変性物、更
にはフッ化シリコーンゴムなどが用いられる。またフッ
素化合物としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニルなどが用
いられる。これらのシリコーンやフッ素化合物を配合す
ることによって、弾性成形型の耐水性、耐油性を向上さ
せることができ、更に成形品の光沢、離型性、充填性を
向上させることができる。
【0013】本発明の表面被覆剤は、弾性成形型の内側
表面に塗布して皮膜を形成させる。ポリカーボネートポ
リオールと縮合系ポリエステルポリオールとの混合物の
溶剤溶液、及びポリイソシアネートの溶剤溶液との配合
は、この塗布操作の直前に行なうのが好ましい。弾性成
形型の内側表面に塗布するには、弾性成形型を裏返しに
し、スプレー、刷毛塗り、浸漬などにより行なう。塗布
後に乾燥、加熱処理して、ポリウレタン層を形成させ
る。
【0014】また、本発明の表面被覆処理剤は直接弾性
成形型に塗布してもよいが、下塗り剤を塗布して下塗り
層を形成した後に塗布することによって、弾性成形型と
表面被覆処理剤との接着性がよくなり、耐久性に優れた
塗膜を得ることができる。下塗り剤にはポリジエン変性
ポリウレタンが好ましく用いられる。すなわちポリオ−
ルとしてクロロプレン、ブタジエン等のジエンのホモポ
リマ−、或いはこれらとアクリロニトリルやスチレンと
の共重合体の末端に水酸基を有するポリジエンを用い、
このポリオ−ルとポリイソシアナ−トとを反応して得ら
れたポリジエン変性ポリウレタンが用いられる。このポ
リジエン変性ポリウレタンの溶剤溶液を弾性成形型に塗
布し、加熱乾燥してポリジエン変性ポリウレタンの下塗
層を形成させる。その他、下塗り剤には種々の化合物が
用いられる。下塗り剤は、弾性成形型と表面被覆処理剤
との接着部に介在し、両者の接着性を良くするものであ
るから、下塗り剤には弾性成形型を構成するエラストマ
ーと同一又は類似のエラストマーと、表面被覆処理剤を
構成する化合物と同一又は類似の化合物との混合物の溶
剤溶液が好ましく用いられる。一般には、ゴムとポリウ
レタンの混合溶液が用いられる。ゴムとしてはクロロプ
レンゴム、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴムなどが挙
げられる。またポリウレタンとしては上記した表面被覆
処理剤で形成される種々のポリウレタンが挙げられる。
この他に、シアノアクリレート系化合物、エポキシ系化
合物など無溶剤で使用する化合物が挙げられる。また弾
性成形型や表面被覆処理剤に反応する型の下塗り剤も使
用できる。弾性成形型の下塗り剤は噴霧、浸漬などで塗
布する。その後加熱、乾燥する。加熱乾燥は下塗り剤の
種類によって異なるが、通常50〜110℃で1〜5分
間である。
【0015】また本発明の表面被覆処理剤は、弾性成形
型の表面を酸処理してから上記の塗布操作することによ
って、弾性成形型と表面被覆処理剤との接着を向上させ
ることができる。酸処理することにより弾性成形型の表
面が粗面になり、そのため表面被覆処理剤との接着力高
められ、剥離強度が向上すると考えられる。この酸処理
は、弾性成形型の製造過程において行なうのが好まし
い。すなわち、弾性成形型用元型をエラストマーラテッ
クスに浸漬してその表面に弾性材料を凝固させ、この凝
固皮膜を該元型から剥離し、水洗して凝固剤を抽出し、
乾燥し、次いで上記酸処理するのが好ましい。酸処理
は、被覆処理を施そうとする弾性成形型の表面に施す。
すなわち、弾性成形型の内部表面(成形時に成形材料と
接触する面)のみに表面被覆処理剤で被覆処理を施す場
合は、該被覆処理する内部表面のみを酸処理し、弾性成
形型の表面全体、すなわち外部表面及び内部表面を表面
被覆処理剤で被覆処理する場合は、弾性成形型の全表面
を酸処理する。
【0016】ここで酸処理に使用する酸としては、硫
酸、塩酸、硝酸などの無機酸が用いられるが、特に硫酸
が好ましい。酸は水溶液にして使用するのが好ましく、
例えば、硫酸の場合その濃度は2〜8%、特に4〜5%
が好ましい。酸処理は、浸漬で行なうのが好ましい。処
理時間は、酸の濃度にも関係する。例えば、硫酸を使用
した場合、濃度5%の硫酸の場合は2〜6分で、好まし
くは3〜5分ある。温度は10〜30℃である。酸で処
理した後に2%アンモニア水で中和処理し、水洗して、
次の被覆工程に移る。酸処理の後に、上記の下塗り処理
を行ない、その後に表面被覆処理剤で被覆処理すること
によって、一層強固な、耐久性のある被覆を施すことが
できる。
【0017】
【作用】ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネ
ートとを反応させて得られるポリウレタンは、弾性成形
型との接着性がよく、また耐油性にも優れており、弾性
成形型の表面被覆剤に適するが、低温度環境下における
伸び率が低いという性質がある。弾性成形型を用る成
形、例えばチョコレートの成形では、溶融させたチョコ
レートを弾性成形型内流し込んで充填した後、冷却して
チョコレートを固化し、その後弾性成形型を膨張させて
離型する、すなわち低温度環境下で膨張させる。ところ
が、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート
とを反応させて得たポリウレタンは、弾性成形型に比し
低温度環境下での伸び率が低いため、これを用いた表面
被覆剤は弾性成形型から剥離し易く、成形操作(膨張−
収縮操作)を何回か繰り返している間に剥離する問題点
がある。
【0018】本発明によれば、このポリカーボネートポ
リオールとポリイソシアネートとを反応させて弾性成形
型の表面にポリウレタンの皮膜を形成させる際に、縮合
系ポリエステルポリオールを併用し、縮合系ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートとの反応によるポリ
ウレタン、更には縮合系ポリエステルポリオールとポリ
カーボネートポリオールとポリイソシアネートとの反応
によるポリウレタンをも生成させることによって、低温
度環境下での伸び率を向上、改良することができ、もっ
て表面被覆が弾性成形型から剥離し脱落し易いという上
記の問題点を低減することができる。すなわち、ポリカ
ーボネートポリオールを縮合系ポリエステルポリオール
と混合して使用することによって、接着性、伸び性質の
良い被覆を形成することができる。したがって、本発明
によれば、繰返し使用できる耐久性のよい被覆を有する
弾性成形型を得ることができる。また、本発明の表面被
覆剤においては、溶液二液法であるので、該被覆剤中の
縮合系ポリエステルポリオールとポリカーボネートポリ
オールとポリイソシアネートの反応は、弾性成形型の塗
布箇所で行なわれるが、その際にイソシアナート基が弾
性成形型表面の官能基、例えばカルボキシル基と反応
し、接着性がより向上する。
【0019】
【実施例】次に実施例及び比較例を示し、本発明を更に
説明する。 実施例1. クロロプレンゴムラテックス(固形分として) 100重量部 酸化亜鉛 5重量部 ジチオカルバメート系加硫促進剤 1重量部 チウラム系加硫促進剤 1重量部 老化防止剤 2重量部 クレー 10重量部 安定剤 適量 グリシン(20%) 適量 陶器でつくった元型を、まず20%硝酸カルシウムに浸
漬し、次いで上記調製したラテックスに2〜10分間浸
漬し、引き上げ、90℃で30分間乾燥した。固化した
ラテックスを原型から剥離し、1%のアンモニア水で抽
出処理し、その後、90℃で60分間乾燥した。かくし
て弾性成形型を形成した。
【0020】ヘキサメチレングリコールとエチレンカー
ボネートとを反応させて得た分子量3500のポリカー
ボネートポリオール(以下PHCという)の所定量と、
アジピン酸とエチレングリコールとを縮合反応させて得
た分子量3500のポリエステルポリオール(以下PE
Sという)の所定量とを混合し、メチルエチルケトン2
00重量部に溶解した(ただし、PHCとPESとの合
計量は100重量部である)。イソホロンジイソシアネ
ートとポリテトラメチレングリコールとを反応させて調
製した分子量600の両末端イソシアネート基のウレタ
ンプレポリマー8重量部をメチルエチルケトン200重
量部に溶解した。上記調製したポリオール溶液とウレタ
ンポリオール溶液とを混合して、本発明の表面被覆剤を
製造した。この表面被覆剤について、PHCとPESと
の混合割合を表1に示すごとく種々に変え、それぞれで
厚さ40±10μmのポリウレタンフィルムをキャスト
成形し、90℃で5分間乾燥し、次いで140℃で60
分間加熱してフィルムを得た。このフィルムについて2
3℃における伸び率(%)及び引張強さ(Kgf/cm
2)を測定した。また、このフィルムを40℃のカカオ
バターに3日間浸漬した。このカカオバター浸漬後のフ
ィルムについて、0℃及び23℃における伸び率(%)
及び引張強さ(Kgf/cm2)を測定した。それぞれ
の結果は表1のとおりであった。
【0021】
【表1】
【0022】また、上記製造した表面被覆剤のそれぞれ
を、前記の弾性成形型の内側の表面に塗布した。塗布は
弾性成形型を裏返し、その内側を外側に出し、弾性成形
型内に気体を圧入して膨らませ、浸漬によって行なっ
た。その後、90℃で5分間乾燥し、次いで140℃で
60分間加熱した。この弾性成形型を100%伸長した
状態で表面被覆面を40℃のカカオバターに3日間浸漬
し、その後ココアバターを取り除き、弾性成形型を20
0%伸長し、元に戻す操作を繰返し、表面被覆剤の剥離
性及び成形品の表面光沢(ツヤ)を調べた。その結果は
表2のとおりであった。なお、剥離性は、表面皮膜にク
ラックが発生するまでの繰返し回数である。また、表2
の評価において、A:きわめて優れている、B:優れて
いる、C:劣る、である。
【0023】
【表2】
【0024】実施例2.アジピン酸と1,4ブタンジオ
ールとを縮合反応させて得た分子量3500のポリエス
テルポリオール50重量部と、ヘキサメチレングリコー
ルとエチレンカーボネートとを反応させて得た分子量3
500のポリカーボネートポリオール50重量部、イソ
ホロンジイソシアネートとポリテトラメチレングリコー
ルとを反応させて調製した分子量600の両末端イソシ
アネート基のウレタンプレポリマー8重量部、及び40
%濃度のジメチルポリシロキサン2重量部をメチルエチ
ルケトン200重量部に溶解して、本発明の表面被覆剤
を製造した。実施例1と同様な操作で弾性成形型の内側
表面を被覆処理した。耐久性があり、耐水性、耐油性に
優れた被覆を施すことができた。
【0025】実施例3.ポリクロロプレンポリオール1
モルとジフェニルメタンジイソシアネート1モルとを常
法で反応させてポリウレタンを得、これをジメチルフォ
ルムアミドに固形分濃度20重量%に溶解して下塗剤を
調製した。この下塗剤を実施例1で製造した弾性成形型
の内側の表面に浸漬塗布し、90℃で4分乾燥して下塗
層を形成した。実施例1におけるPHC80重量部とP
ESの20重量部とを混合し、メチルエチルケトン20
0重量部に溶解した。また、イソホロンジイソシアネー
トとポリテトラメチレングリコールとを反応させて調製
した分子量600の両末端イソシアネート基のウレタン
プレポリマー8重量部をメチルエチルケトン200重量
部に溶解した。この両溶液を配合して本発明の表面被覆
剤を製造し、直ちに、実施例1の弾性成形型に実施例1
と同様にして弾性成形型の内側の表面に塗布した。その
後、90℃で5分間乾燥した後、140度で1時間加熱
処理した。得られた弾性成形型は、表面処理層の接着性
が極めて良く、剥離したり、クラックの発生が少なく耐
久性に優れていた。
【0026】実施例4.陶器でバラの花の形状につくっ
た元型の夫々を、まず20%硝酸カルシウムに浸漬し、
次いで実施例1のラテックスに2〜10分間浸漬し、引
き上げ、90℃で30分間乾燥した。凝固したラテック
スを元型から剥離し、1%のアンモニア水で抽出処理
し、その後、90℃で60分間乾燥した。かくして内面
がバラの花の形状をした凝固皮膜を成形した。この各凝
固皮膜を裏返しにし、すなわち成形時に成形材料と接す
る面を外側にし、この面を5%硫酸水溶液中に20℃で
3分間浸漬し、引上げ、アンモニア水で中和し、その後
よく水洗して乾燥した。実施例1におけるPHC80重
量部とPESの20重量部とを混合し、メチルエチルケ
トン200重量部に溶解した。また、イソホロンジイソ
シアネートとポリテトラメチレングリコールとを反応さ
せて調製した分子量600の両末端イソシアネート基の
ウレタンプレポリマー8重量部をメチルエチルケトン2
00重量部に溶解した。この両溶液を配合して、直ち
に、上記の凝固皮膜の酸処理した面に浸漬により塗布し
た。その後、90℃で5分間乾燥し、次いで140℃で
60分間加熱して、加硫処理した。最後にこれを再び裏
返して常態に戻した。内部表面に被覆を有する弾性成形
型が得られた。
【0027】実施例5.実施例4に従ってバラの花の形
状の凝固皮膜を形成した。この凝固皮膜を裏返しにし、
この面を5%硫酸水溶液中に20℃で3分間浸漬し、引
上げ、良く水洗して乾燥した。クロロプレンゴム5重量
部とポリウレタン(アジピン酸とエチレングリコールと
を反応させて得たポリエステルポリオール及びトリレン
ジイソシアナートを反応させて生成したポリウレタン)
5.5重量部とをメチルエチルケトン89.5重量部に
溶解して下塗り剤を調製した。上記の酸処理面に上記の
下塗り剤を浸漬塗布し、その後90℃で3分間乾燥して
下塗り処理し、下塗り被覆を形成した。この下塗り処理
した面に、実施例4に準じて表面被覆処理剤を浸漬塗布
し、その後90℃で5分間乾燥し、次いで140℃で6
0分間加熱して、加硫処理した。最後に再び裏返して常
態に戻し、内部表面に被覆を有する弾性成形型を得た。
【0028】
【発明の効果】本発明の表面被覆剤は、ポリウレタン原
料のポリオールとしてポリカーボネートポリオールと縮
合系ポリエステルポリオールを使用し、また溶液二液法
を用いたので、弾性成形型の表面に、剥離し難い、耐久
性のよい皮膜を施すことができる。また、この表面被覆
形成によって、弾性成形型の、耐水性、耐油性がよくな
るので、弾性成形型が成形材料の水分や油性成分で膨潤
変形するのを防ぐことができ、長期間にわたってツヤが
良い表面をもつ成形品を成形することができる。本発明
の表面被覆剤は、弾性成形型との接着性がよいので、弾
性成形型を繰返し使用しても剥離することがない。また
シリコーンやフッ素化合物を配合することによって、成
形品の光沢、離型性、充填性がより一層向上する。更
に、下塗層としてポリジエン変性ポリウレタン層を施し
た後、また酸処理した後、更には酸処理及び下塗処理し
た後に本発明の表面被覆剤を施すことによって、弾性成
形型と表面被覆剤との接着性を向上させることができ、
したがって、耐久性を良くすることができ、また一層光
沢の良い成形品を製造できる弾性成形品を得ることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 75:00 83:00 (72)発明者 河野 博繁 東京都荒川区東尾久7−2−35 旭電化工 業株式会社内 (72)発明者 林 敏弘 東京都荒川区東尾久7−2−35 旭電化工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネートポリオールと縮合系ポリ
    エステルポリオールとの混合物の溶剤溶液、及びポリイ
    ソシアネートの溶剤溶液を配合してなる弾性成形型用の
    表面被覆剤。
  2. 【請求項2】ポリカーボネートポリオールと縮合系ポリ
    エステルポリオールとの混合割合が重量比で5〜95:
    95〜5である請求項1記載の弾性成形型用の表面被覆
    剤。
  3. 【請求項3】ポリイソシアネートが分子量500〜10
    00の末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーで
    ある請求項1又は2記載の弾性成形型用の表面被覆剤。
  4. 【請求項4】シリコーン及び/又はフッ素化合物を添加
    配合した請求項1、2又は3記載の弾性成形型用の表面
    被覆剤。
  5. 【請求項5】弾性成形型の表面に、ポリジエン変性ポリ
    ウレタンを下塗し、その上に、請求項1〜4記載のいず
    れかの表面被覆剤を塗布することを特徴とする弾性成形
    型の表面被覆方法。
JP6260127A 1994-10-25 1994-10-25 弾性成形型用の表面被覆剤 Pending JPH08120223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6260127A JPH08120223A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 弾性成形型用の表面被覆剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6260127A JPH08120223A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 弾性成形型用の表面被覆剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08120223A true JPH08120223A (ja) 1996-05-14

Family

ID=17343676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6260127A Pending JPH08120223A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 弾性成形型用の表面被覆剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08120223A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001055269A1 (en) * 2000-01-26 2001-08-02 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating
KR100363911B1 (ko) * 2000-02-18 2002-12-18 주식회사 정림건축종합건축사사무소 콘크리트 거푸집 합판용 도료 조성물 및 이의 제조방법
JP2008163312A (ja) * 2006-11-15 2008-07-17 Bayer Materialscience Ag コーティング組成物
KR101131888B1 (ko) * 2009-11-27 2012-04-03 주식회사 노루비케미칼 플라스틱용 도료 조성물 및 이의 제조방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001055269A1 (en) * 2000-01-26 2001-08-02 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic polyurethane coating and articles having such a coating
KR100363911B1 (ko) * 2000-02-18 2002-12-18 주식회사 정림건축종합건축사사무소 콘크리트 거푸집 합판용 도료 조성물 및 이의 제조방법
JP2008163312A (ja) * 2006-11-15 2008-07-17 Bayer Materialscience Ag コーティング組成物
KR101131888B1 (ko) * 2009-11-27 2012-04-03 주식회사 노루비케미칼 플라스틱용 도료 조성물 및 이의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5534350A (en) Powerfree glove and its making method
US4684490A (en) Process for preparation of polyurethane condoms
CA1096114A (en) Shoe soles and method for manufacturing the same
EP0921133B9 (en) Manufacture of rubber articles
US4817593A (en) Process for preparation of polyurethane condoms
JPH0523787B2 (ja)
JP3221995B2 (ja) ポリウレタン尿素の薄い壁の物品
JPH0376144B2 (ja)
US5998540A (en) Polyurethane dispersions useful for preparing thin wall articles
JP3738274B2 (ja) 人工皮膚モデルおよびその製法
US2625931A (en) Padded metal article
JPH08120223A (ja) 弾性成形型用の表面被覆剤
US4072673A (en) Method for making a flexible mold
EP0519372A2 (en) Elastic molding die
US4954309A (en) Method of forming a polymeric casing with textured surface
EP0631856B1 (en) Surface coating agent and surface coating method for elastic molding die
JP3475297B2 (ja) 弾性成形型の表面処理方法
JPH07290463A (ja) 弾性成形型の製造方法
JPH0387214A (ja) 薄壁中空重合体物品の製造又は基板上の重合体被覆の形成方法
KR100198189B1 (ko) 폴리우레탄 필름을 이용하여 제조된 쏠 및 그 제조방법
JPH0624941A (ja) 棒紅の成形方法
EP0326032B1 (en) Polymeric casing with textured surface
JP2605024Y2 (ja) 弾性成形型
JPH04345676A (ja) モールドコート用塗料
JP3054832B2 (ja) 弾性成形型の内壁面に塗膜を形成する方法