JP2003521872A - 高リシンスタテリンタンパク質 - Google Patents

高リシンスタテリンタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト高リシンスタテリンタンパク質(LRSP)と、LRSPを同定しコードするポリヌクレオチドとを提供する。本発明はまた、発現ベクター及び宿主細胞、抗体、アゴニスト、アンタゴニストを提供する。更に、本発明は、LRSPの発現に関連する疾患の診断または治療方法、予防方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、高リシン・スタテリン(statherin)・タンパク質の核酸配列およ
びアミノ酸配列、並びに腫瘍性疾患、自己免疫異常/炎症性疾患及び感染症の診
断、治療並びに予防におけるこれらの配列の利用法に関するものである。
【0002】 (発明の背景) 低分子量のタンパク質、約100未満のアミノ酸残基(aa)であるポリペプチド
鎖は、細胞増殖、組織分化、炎症疾患及び免疫反応の際の生化学的経路並びに重
要な分子の成分として研究の中心となっている。そのようなタンパク質の例には
、ヒスタチン及びスタテリンが挙げられる。
【0003】 ヒトヒスタチンは、低分子量(51〜57 aa)であり、中性から強塩基性であり
、ヒスチジンに富む唾液タンパク質である。ヒスタチンは、口腔における非免疫
性の宿主側防御系の一部として機能していると考えられる。唾液ヒスタチン(HS
T)は、in vitroでの有効な抗真菌物質及び抗菌物質であり、口腔カンジダ症を
患う人の治療薬として非常に有望である。Candida albicans (カンジダアルビ
カンス)は、口腔カンジダ症の人から単離された酵母菌の主要な種であり、それ
は、多くの場合にはヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染の徴候であり、AIDSの
進行及び段階の基準である。125I-HST結合性の研究によって、C. albicansが8.6
×105 sites/cell(部位/細胞)の数の飽和性の結合部位のクラスを発現するこ
とが示された。また、HSTは、AIDSの感染者を含めた免疫無防備状態の患者の間
の新たな脅威となっている医学的に重要な日和見性の真菌病原体Crvotococcus n eoformans を死滅させるのに効果的である(Tsai, H. and L.A. Bobek (1997) Bi
ochim. Biophys. Acta 1336:367-369)。
【0004】 ヒトスタテリン(STATH)は、低分子量(44 aa)の酸性リンタンパク質であり
、口腔におけるリン酸カルシウム塩の沈澱のインヒビタとして作用する。また、
STATHは、ヒドロキシアパタイトとの親和性を有し、ヒドロキシアパタイトの吸
収において口腔細菌と相互作用する(Lamkin, M.S. and F.G. Oppenheim (1993)
Crit. Rev. Oral. Biol. Mcd. 4:25 1-259)。HST及びSTATH遺伝子は、ほぼ同
一の全体的な遺伝子構造を示す。HST及びSTATH部位は、イントロンDNAにおいて7
7-81%の配列同一性を示し、また非翻訳のエキソンにおいて80-88%の配列同一性
を示すが、エキソン4及び5のタンパク質翻訳領域においては38-43%の同一性を示
すのみである。HST及びSTATHは、HST及びSTATHコード配列の間の急速な進化を示
す単一の遺伝子ファミリーに属することが提案されている(Sabatini, L.M. et
al. (1993) Mol. Biol. Evol. 10:497-511)。
【0005】 新規な高リシンスタテリンタンパク質及びそれらをコードするポリヌクレオチ
ドの開示は、腫瘍性疾患、自己免疫異常/炎症性疾患及び感染症の診断、予防並
びに治療に役立つ新たな組成物を提供して当業者の要求を満たすものである。
【0006】 (発明の要約) 本発明は、「LRSP」と呼ばれる実質的に精製されたポリペプチドである高リシ
ンスタテリンタンパク質を提供する。本発明の一実施態様では、SEQ ID NO:1及
びその断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製された
ポリペプチドを提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1からなる一群から選択さ
れたアミノ酸配列の保存されたアミノ酸が1つ以上置換されたアミノ酸配列を含
むポリペプチドを提供する。
【0007】 更に本発明は、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミノ
酸配列の少なくとも1つと90%以上のアミノ酸同一性を有する実質的に精製さ
れた変異体を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群
から選択されたアミノ酸配を含むポリペプチドをコードする単離され実質的に精
製されたポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1及びその断
片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドと70%以上のポリヌクレオチド配列同一性を有する単離され精
製されたポリヌクレオチド変異配列を提供する。
【0008】 更に、本発明は、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとストリンジェント
な条件の下でハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチドを提供す
る。また本発明は、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列を含
む単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0009】 本発明はまた、核酸を含むサンプルにおいて、ポリヌクレオチドを検出する方
法であって、(a)ポリヌクレオチド配列の相補体を、少なくとも1つのサンプ
ルのポリヌクレオチドとハイブリダイズして、ハイブリダイゼーション複合体を
形成する過程と、(b)そのハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを
含み、そのハイブリダイゼーション複合体の存在とサンプルにおけるポリヌクレ
オチドの存在とが相関性を有する、検出方法を提供する。本発明の一実施態様で
は、ハイブリダイゼーションの前にポリヌクレオチドを増幅する過程を含む。
【0010】 本発明はまた、SEQ ID NO:2及びその断片からなる一群から選択されたポリヌ
クレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。また、
本発明は、SEQ ID NO:2及びその断片からなる一群から選択されたポリヌクレオ
チド配列と70%以上のポリヌクレオチド配列同一性を有する単離され精製され
たポリヌクレオチド変異配列を提供する。更に本発明は、SEQ ID NO:2及びその
断片からなる一群から選択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド
と相補的な配列を有する単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0011】 本発明は更に、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドの少なくとも1つの断片を含む発現ベクターを提供する。別の
実施態様では、この発現ベクターは宿主細胞内に含まれる。
【0012】 本発明はまた、ポリペプチドを製造する方法であって、(a)ポリペプチドの
発現に好適な条件の下、本発明のポリヌクレオチドを有する発現ベクターを含む
宿主細胞を培養する過程と、(b)その宿主細胞の培地からそのポリペプチドを
回収する過程とを含む製造方法を提供する。
【0013】 本発明はまた、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミノ
酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物を好適な医
薬用担体と共に提供する。
【0014】 更に本発明は、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたポリペ
プチドと結合する精製された抗体を提供する。また、本発明は、そのポリペプチ
ドの精製されたアゴニスト及びアンタゴニストを提供する。
【0015】 本発明はまた、LRSPの発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防
方法であって、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミノ酸
配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物を好適な医薬
用担体と共に患者に効果的な量投与することを含む、治療または予防方法を提供
する。
【0016】 本発明はまた、LRSPの発現または活性の増大に関連した疾患の治療または予防
方法であって、SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群から選択されたアミノ酸
配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを患者に効果的な量投与することを
含む、治療または予防方法を提供する。
【0017】 (本発明の記載について) 本発明のタンパク質及び核酸配列、方法について説明する前に、本発明は、こ
こに開示した特定の装置及び材料、方法に限定されず、その実施形態を変更でき
ることを理解されたい。また、ここで用いられる用語は、特定の実施例のみを説
明する目的で用いられたものであり、後述の請求の範囲によってのみ限定され、
本発明の範囲を限定することを意図したものではないということも理解されたい
【0018】 本明細書及び請求の範囲において単数形を表す「或る」、「その(この等)」
は、文脈で明確に示していない場合は複数形を含むことに注意されたい。従って
、例えば「或る宿主細胞」は複数の宿主細胞を含み、その「抗体」は複数の抗体
は含まれ、当業者には周知の等価物なども含まれる。
【0019】 本明細書で用いた全ての科学技術用語は、別の方法で定義されていない限り、
本発明の属する技術分野の一般的な技術者が普通に解釈する意味と同じである。
本明細書で記述したものと類似、或いは同等の全ての装置及び材料、方法は本発
明の実施及びテストに使用できるが、好適な装置及び材料、方法をここに記す。
本明細書に記載の全ての文献は、本発明に関連して使用する可能性のある文献に
記載された細胞系、プロトコル、試薬、ベクターを記述し開示するために引用し
た。従来の発明を引用したからと言って、本発明の新規性が損なわれると解釈さ
れるものではない。
【0020】 定義 用語「LRSP」は、天然、合成、半合成或いは組換え体など全ての種(特にウシ
、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ及びヒトを含む哺乳動物)から得られる実質的に
精製されたLRSPのアミノ酸配列を指す。
【0021】 用語「アゴニスト」は、LRSPの生物学的活性を強化したり、模倣する分子を指
す。このアゴニストは、LRSPに直接相互作用するか、或いはLRSPが関与する生物
学的経路の成分と作用して、LRSPの活性を調節するタンパク質、核酸、糖質、小
分子、任意の他の化合物や組成物を含み得る。
【0022】 用語「アレル変異配列」は、LRSPをコードする遺伝子の別の形を指す。アレル
変異配列は、核酸配列における少なくとも1つの変異によって生じ、変異mRN
A若しくは変異ポリペプチドになり、これらの構造や機能は変わる場合もあれば
変わらない場合もある。ある遺伝子は、自然発生型のアレル変異配列が存在しな
いもの、1つ或いは多数存在するものがある。一般にアレル変異配列を生じる変
異は、ヌクレオチドの自然な欠失、付加、或いは置換による。これらの各変異は
、単独或いは他の変異と同時に起こり、所定の配列内で一回或いはそれ以上生じ
る。
【0023】 LRSPをコードする「変異」核酸配列は、様々なヌクレオチドの欠失、挿入、或
いは置換が起こっても、LRSPと同じポリペプチド或いはLRSPの機能特性の少なく
とも1つを備えるポリペプチドを指す。この定義には、LRSPをコードするポリヌ
クレオチド配列の正常な染色体の遺伝子座ではない位置でのアレル変異配列との
不適当或いは予期しないハイブリダイゼーション、並びにLRSPをコードするポリ
ヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブを用いて容易に検出可能な或
いは検出困難な多形性を含む。コードされたタンパク質も変異され得り、サイレ
ント変化を生じLRSPと機能的に等価となるアミノ酸残基の欠失、挿入、或いは置
換を含み得る。意図的なアミノ酸置換は、生物学的或いは免疫学的にLRSPの活性
が保持される範囲で、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、及び/また
は両親媒性についての類似性に基づいて成され得る。例えば、負に荷電したアミ
ノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれ、正に荷電したアミノ酸には
リシン及びアルギニンが含まれ得る。類似の親水性の値をもち極性非荷電側鎖を
有するアミノ酸には、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニンが含まれ
得る。類似の親水性の値をもち非荷電側鎖を有するアミノ酸には、ロイシン、イ
ソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン及びチロシンが含
まれ得る。
【0024】 用語「アミノ酸」及び「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリ
ペプチド、タンパク質配列、或いはそれらの任意の断片を指し、天然の分子及び
合成分子を含む。「アミノ酸配列」が自然発生のタンパク質分子である場合、「
アミノ酸配列」及び類似の用語は、アミノ酸配列を、記載したタンパク質分子に
関連する完全で元のままのアミノ酸配列に限定するものではない。
【0025】 用語「増幅」は、核酸配列の複製物を作製することに関連する。一般に増幅は
、この技術分野で周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術によって行われる。
【0026】 用語「アンタゴニスト」は、LRSPの生物学的活性を阻害或いは減弱する分子で
ある。アンタゴニストは、LRSPに直接相互作用するか、或いはLRSPが関与する生
物学的経路の成分と作用して、LRSPの活性を調節する抗体、核酸、糖質、小分子
、任意の他の化合物や組成物などのタンパク質を含み得る。
【0027】 用語「抗体」は、抗原決定基と結合可能なFab及びF(ab')2、及びそれらの断片
、Fv断片などの無傷の分子を指す。LRSPポリペプチドと結合する抗体は、抗体を
免疫する小ペプチドを含む無傷の分子またはその断片を用いて調製可能である。
動物(例えば、マウス、ラット、若しくはウサギ)を免疫化するのに使用される
ポリペプチド或いはオリゴペプチドは、RNAの翻訳から、或いは化学的に合成可
能であり、必要に応じて担体タンパク質と結合させることも可能である。ペプチ
ドと化学的に結合した一般に用いられる担体は、ウシ血清アルブミン、チログロ
ブリン、及びキーホールリンペットヘモニアン(KLH)を含む。次ぎに、この結
合したペプチドを用いて動物を免疫化する。
【0028】 用語「抗原決定基」は、特定の抗体と接触する分子の領域(即ちエピトープ)
を指す。タンパク質或いはタンパク質の断片が、宿主動物を免疫化するのに用い
られるとき、このタンパク質の種々の領域は、抗原決定基(タンパク質上の特定
の領域或いは三次元構造体)に特異的に結合する抗体の産生を誘発し得る。抗原
決定基は、抗体と結合するために無傷の抗原(即ち、免疫応答を引き出すために
用いられる免疫原)と競合し得る。
【0029】 用語「アンチセンス」は、特定の核酸配列のセンス鎖に相補的な核酸配列を含
む任意の組成物を指す。アンチセンス分子は、合成や転写を含む任意の方法で作
り出すことができる。相補的ヌクレオチドは、一度細胞に導入されると、細胞に
よって作られた自然の配列と結合して二重鎖を形成し、転写や翻訳を阻害する。
「マイナス(−)」という表現はアンチセンス鎖、「プラス(+)」という表現
はセンス鎖を指す。
【0030】 用語「生物学的活性」は、自然発生分子の構造的、調節的、或いは生化学的な
機能を有するタンパク質を指す。同様に、用語「免疫学的に活性」は、天然或い
は組換え体のLRSP、合成のLRSPまたはそれらの任意のオリゴペプチドが、適当な
動物或いは細胞の特定の免疫応答を誘発して特定の抗体と結合する能力を指す。
【0031】 用語「相補的」及び「相補性」は、ポリヌクレオチド同士が塩基対を形成して
自然に結合することを指す。例えば、配列「5'A−G−T3'」が相補的な配列
「3'T−C−A5'」と結合する。2つの一本鎖分子間の相補性は、幾つかの核
酸のみが結合する部分的な場合、或いは一本鎖間に完全な相補性が存在して完全
な相補性となる場合もあり得る。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブ
リダイゼーションの効率及び強度に大きな影響を与える。このことは、核酸鎖間
の結合に左右される増幅反応、並びにペプチド核酸(PNA)分子の設計若しくは
使用において特に重要である。
【0032】 「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所定のアミノ酸配列を
含む組成物」は広い意味で、所定のヌクレオチド配列若しくはアミノ酸配列を含
む任意の組成物を指す。この組成物は、乾燥した製剤或いは水溶液を含み得る。
LRSP若しくはLRSPの断片をコードするポリヌクレオチド配列を含む組成物は、ハ
イブリダイゼーションプローブとして使用され得る。このプローブは、凍結乾燥
状態で保存可能であり、糖質などの安定化剤と結合させることが可能である。ハ
イブリダイゼーションにおいて、プローブは、塩(例えば、NaCl)及び界面活性
剤(例えば、SDS:ドデシル硫酸ナトリウム)、その他の物質(例えば、デンハ
ート液、乾燥ミルク、サケ精子DNAなど)を含む水溶液に展開され得る。
【0033】 「コンセンサス配列」は、不要な塩基を分離するためにシークエンシングされ
た核酸配列であって、XL-PCRTM(Perkin Elmer, Norwalk, CT)を用いて5'及び
/または3'の方向に延長されてシークエンシングされた核酸配列、或いはGELVI
EW 断片構築システム(GCG, Madison, WI)などのフラグメントの構築のための
コンピュータプログラムを用いて1つ或いはそれ以上のインサイト社クローン、
及び場合によっては、1つ以上のパブリックのドメインESTの重複によって構築
された核酸配列を指す。延長及び重複の両方によって構築されるコンセンサス配
列もある。
【0034】 用語「保存的なアミノ酸置換」は、元のタンパク質の特性を殆ど変えない置換
を指す。即ち、置換によってそのタンパク質の構造や機能が大きくは変わらず、
そのタンパク質の構造、特にその機能が保存される。以下に、あるタンパク質の
元のアミノ酸が別のアミノ酸に置換される保存的なアミノ酸置換を示す。 元の残基 保存的な置換 Ala Gly, Set Arg His, Lys Asn Asp, Gln, His Asp Asn, Glu Cys Ala, Ser Gln Asn, Glu, His Glu Asp, Gln, His Gly Ala His Asn, Arg, Gln, Glu Ile Leu, Val Leu Ile, Val Lys Arg, Gln, Glu Met Leu, Ile Phe His, Met, Leu, Trp, Tyr Ser Cys, Thr Thr Ser, Val Trp Phe, Tyr Tyr His, Phe, Trp Val Ile. Leu, Thr 一般に、保存されたアミノ酸置換の場合は、a)置換された領域のポリペプチ
ドの骨格構造、例えば、βシートやαヘリックス高次構造、b)置換された部位
の分子の電荷または疎水性、及び/または、c)側鎖の大半が維持される。
【0035】 用語「欠失」は、1個以上のアミノ酸残基が欠如するアミノ酸配列の変化、或
いは1個以上のヌクレオチドが欠如する核酸配列の変化を指す。
【0036】 用語「誘導体」は、化学修飾されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドを指
す。ポリヌクレオチド配列の化学修飾には、例えば、アルキル基、アシル基、ヒ
ドロキシル基、或いはアミノ基による水素の置換がある。誘導体ポリヌクレオチ
ドは、自然分子(未修飾の分子)の生物学的或いは免疫学的機能の少なくとも1
つを維持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドとは、もとのポリ
ペプチドの生物学的機能、或いは免疫学的機能の少なくとも1つを維持する、グ
リコシル化、ポリエチレングリコール化、或いは任意の同様のプロセスによって
修飾されたポリペプチドのことである。
【0037】 用語「断片」は、LRSPまたはLRSPをコードするポリヌクレオチドの固有の部分
であって、その親配列(parent sequence)と同一であるがその配列より長さが
短いものを指す。「断片」の最大の長さは、親配列から1つのヌクレオチド/ア
ミノ酸残基を差し引いた長さである。例えば、ある断片は、5〜1000個の連
続するヌクレオチド或いはアミノ酸残基を含む。プローブ、プライマー、抗原、
治療用分子、またはその他の目的に用いる断片は、少なくとも5、10、15、
16、20、25、30、40、50、60、75、100、150、250若
しくは500個の連続するヌクレオチド或いはアミノ酸残基の長さである。断片
は、優先的に分子の特定の領域から選択される場合もある。例えば、ポリペプチ
ド断片は、所定の配列に示された最初の250若しくは500のアミノ酸(或い
は、ポリペプチドの最初の25%または50%)から選択された連続するアミノ
酸の所定の長さを含み得る。これらの長さは一例であり、配列表及び表、図面を
含む明細書に記載の任意の長さが、本発明の実施例に含まれ得る。
【0038】 SEQ ID NO:2のある断片は、例えば、同じゲノム内の他の配列とは異なる、SEQ
ID NO:2を特異的に同定する固有のポリヌクレオチド配列の領域を含む。SEQ ID
NO:2のある断片は、例えば、ハイブリダイゼーションや増幅技術、またはSEQ I
D NO:2を関連ポリヌクレオチド配列から区別する類似の方法に有用である。ある
断片と一致するSEQ ID NO:2の正確な断片の長さや領域は、その断片の目的に基
づいて当分野で一般的な技術によって日常的に測定できる。
【0039】 SEQ ID NO:1のある断片は、SEQ ID NO:2のある断片によってコードされる。SE
Q ID NO:1のある断片は、特異的にSEQ ID NO:1を同定する固有のアミノ酸配列の
領域を含む。例えば、SEQ ID NO:1のある断片は、特異的にSEQ ID NO:1を認識す
る抗体の作製用の免疫原性ペプチドとして有用である。ある断片と一致するSEQ
ID NO:1の正確な断片の長さや領域は、その断片の目的に基づいて当分野で一般
的な技術によって日常的に測定できる。
【0040】 用語「類似性」は相補性の程度を表す。これには、部分的類似性と完全な類似
性とがある。用語「同一性」を「類似性」とも言える。同一の配列と標的の核酸
とのハイブリダイゼーションが少なくとも部分的に阻止される部分的に相補的な
配列は、「実質的に類似」と呼ばれる。完全に相補的な配列と標的の配列とのハ
イブリダイゼーションの阻止は、緩いストリンジェントな条件の下、ハイブリダ
イゼーションアッセイ(サザンブロッティング或いはノーザンブロッティング法
、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いて検査される。実質的に類似の配列或
いはハイブリダイゼーションプローブは、緩いストリンジェントな条件の下、完
全に類似(同一)の配列と標的の配列との結合に対して競合して抑制する。これ
は、緩いストリンジェントな条件の下では非特異的な結合が許容されるというこ
とではなく、緩いストリンジェントな条件では、2つの配列の互いへの結合が特
異的(即ち、選択的)に相互作用しなけらばならい。部分的な相補性ともいえな
い(例えば、30%未満の類似性或いは同一性)第2の標的配列を用いて、非特
異的結合が存在しないことの検査が可能である。非特異的結合が存在しない場合
は、実質的に類似配列或いはプローブが第2の非相補的標的配列とハイブリダイ
ズしない。
【0041】 ポリヌクレオチド配列についての用語「同一性のパーセント」又は「同一性の
%」とは、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされる、2つ以上
のポリヌクレオチド配列間の一致する残基の百分率のことである。このようなア
ルゴリズムは、標準化され再現できる方法で、2つの配列間のアラインメントを
最適化するべく、配列にギャップを挿入して、より意味をもつ2つの配列間の比
較を行うことができる。
【0042】 ポリヌクレオチド配列間の同一性のパーセントは、MEGALIGN version 3.12e配
列アラインメントプログラムに組込まれるCLUSTAL Vアルゴリズムのデフォルト
パラメータを用いて決定可能である。このプログラムはLASERGENEソフトウェア
パッケージの一部であり、分子生物学分析プログラム一式(DNASTAR, Madison W
I)である。このCLUSTAL Vは、Higgins, D.G. 及び P.M. Sharp (1989) CABIOS
5:151-153、Higgins, D.G. 他 (1992) CABIOS 8:189-191に記載されている。ポ
リヌクレオチド配列の対のアライメントの場合、デフォルトパラメーターは、Kt
uple=2、gap penalty=5、window=4、「diagonals saved」=4と設定する。「重み
付けされた」残基重み付け表が、デフォルトとして選択された。同一性のパーセ
ントは、アラインメントされたポリヌクレオチド配列の対の「類似性のパーセン
ト」としてCLUSTAL Vによって報告される。
【0043】 別法では、一般に用いられ、無料で入手可能な配列比較アルゴリズム一式が、
NCBI、Bethesda、MD、及びインターネット(http://WWW.ncbi.nlm.nih.gov/BLAS
T/)などから入手できるNational Center for Biotechnology Information (NCB
I) Basic Local Alignment Search Tool (BLAST) (Altschul, S.F. 他 (1990) J
. Mol. Biol. 215:403-410)によって得られる。このBLASTソフトウェア一式には
、既知のポリヌクレオチド配列と様々なデータベースの別のポリヌクレオチド配
列とのアラインメントに用いられる「blastn」を含む、様々な配列分析プログラ
ムが含まれる。「BLAST 2 Sequences」と呼ばれるツールが入手可能であり、2
つのヌクレオチド配列の対を直接比較するために用いられる。「BLAST 2 Sequen
ces」は、http://WWW.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/b12.htmlにアクセスして、対話形
式で利用ができる。「BLAST 2 Sequences」ツールは、blastn 及び blastp(以
下に記載)の両方に用いることができる。BLASTプログラムは、一般的には、デ
フォルトを設定するギャップ及び他のパラメーターと共に用いられる。例えば、
2つのヌクレオチド配列を比較する場合、ある者は、デフォルトパラメータに設
定された「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12 (April-21-2000)でblast
nを使用するであろう。そのようなデフォルトパラメータは、例えば、以下のよ
うにする。 Matrix: BLOSUM62 Reward for match: 1 Penalty for mismatch: -2 Open Gap: 5 及び Extension Gap: 2 penalties Gap x drop-off: 50 Expect: 10 Word Size: 11 Filter: on 同一性のパーセントは、例えば、特定の配列番号で決められた、所定の配列の
全長に対して測定してもよいし、それより短い長さに対して、例えば、ある大き
な所定の配列から得られた断片、例えば、連続する少なくとも、20または30
、40、50、70、100、200のヌクレオチドの断片の長さに対して測定
してもよい。このような長さは単なる例であり、配列表及び表、図面を含む明細
書に記載の配列の任意の長さの断片を用いて、同一性のパーセントが測定される
長さを示すことができる。
【0044】 高い同一性を示さない核酸配列でも、遺伝子コードが縮重するため、類似のア
ミノ酸配列をコードし得る。縮重を利用して核酸配列を変え、それぞれが実質的
に同じタンパク質をコードする多数の核酸配列を作ることができる。
【0045】 ポリペプチド配列に用いられる用語「同一性のパーセント」又は「同一性の%
」とは、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされる2つ以上のポ
リペプチド配列間の一致する残基の百分率のことである。ポリペプチド配列アラ
インメントの方法は周知である。アラインメント方法の中には、保存的なアミノ
酸置換を考慮したものもある。詳細に上述したこのような保存的な置換は、一般
に、置換部位の電荷や疎水性が保存され、ポリペプチドの構造(従って機能も)
が保存される。
【0046】 ポリペプチド配列間の同一性のパーセントは、MEGALIGN バージョン3.12e配列
アラインメントプログラム(上記)に組込まれるCLUSTAL Vアルゴリズムのデフ
ォルトパラメータを用いて決定可能である。CLUSTAL Vを用いる対方式のポリぺ
プチド配列のアライメントの場合、デフォルトパラメーターは、Ktuple=1、gap
penalty=3、window=5、及び「diagonals saved」=5と設定する。PAM250マトリク
スが、デフォルトの残基重み付け表として選択される。ポリヌクレオチドアライ
ンメントと同様に、アラインメントされたポリペプチド配列の対の同一性のパー
セントは、「類似性のパーセント」としてCLUSTAL Vによって報告される。
【0047】 別法では、NCBI BLASTソフトウェア一式が用いられる。例えば、2つのポリペ
プチド配列を対で比較をする場合、ある者は、デフォルトパラメータで設定され
た「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12 (April-21-2000)でblastpを使
用するであろう。そのようなデフォルトパラメータは、例えば、以下のようにす
る。 Matrix: BLOSUM62 Open Gap: 11 及び Extension Gap: 1 penalties Gap x drop-off: 50 Expect: 10 Word Size: 3 Filter: on 同一性のパーセントは、例えば、特定の配列番号で決められた、所定のポリペ
プチド配列の全長に対して測定してもよいし、それより短い長さに対して、例え
ば、ある大きな所定のポリペプチド配列から得られた断片、例えば、連続する少
なくとも15、20または30、40、50、70、150の残基の断片の長さ
に対して測定してもよい。このような長さは単なる例であり、配列表及び表、図
面を含む明細書に記載の配列の任意の長さの断片を用いて、同一性のパーセント
が測定される長さを示すことができる。
【0048】 「ヒト人工染色体(HAC)」は、約6kb〜10MbのサイズのDNA配列を含み得り
、安定した有糸分裂染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の小
染色体である。
【0049】 用語「ヒト化抗体」は、もとの結合能力を保持しつつよりヒトの抗体に似せる
ために、非抗原結合領域のアミノ酸配列が変えられた抗体分子を指す。
【0050】 「ハイブリダイゼーション」とは、所定のハイブリダイゼーション条件の下で
、ある一本鎖ポリヌクレオチドがある相補的な一本鎖と塩基対を形成するアニー
リングのプロセスである。特異的なハイブリダイゼーションとは、2つの核酸配
列が高い同一性を有することを意味する。アニーリングが許容される条件の下で
、特異的なハイブリダイゼーション複合体が形成され、洗浄過程の後もハイブリ
ダイズしたままである。洗浄過程は、ハイブリダイゼーションプロセスの厳密性
即ちストリンジェント(stringency)の決定において特に重要であり、よりスト
リンジェントな条件では、非特異的な結合、即ち完全には一致しない核酸鎖間の
対の結合が減少する。核酸配列間のアニーリングが許容される条件は、当業者に
よって日常的に決定され、ハイブリダイゼーションの間は一定であるが、洗浄過
程は、目的のストリンジェントにするためにその最中に条件の変更が可能であり
、ハイブリダイゼーション特異性が得られる。アニーリングが許容される条件は
、例えば、温度が68℃で、約6×SSC、約1%(w/v)のSDS、並びに約100
μg/mlのせん断して変性したサケ精子DNAが含まれる。
【0051】 一般に、ハイブリダイゼーションのストリンジェントは、洗浄過程を行う温度
で部分的に表すことができる。この洗浄温度は通常、所定のイオン強度とpHに
おける特定の配列の熱融点(Tm)より約5〜20℃低く選択される。このTmは、
(所定のイオン強度とpHの下)標的の配列の50%が完全に一致するプローブ
とハイブリダイズする温度である。Tmを計算する式及び核酸のハイブリダイゼー
ションの条件は、周知であり、Sambrook, J. 他による, 1989, Molecular Cloni ng: A Laboratory Manual , 第2版の1-3巻, Cold Spring Harbor Press, Plainvi
ew NY; 特に2巻の9章に記載されている。
【0052】 本発明のポリヌクレオチド間の高いストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ンでは、約0.2×SSC及び約1%のSDSの存在の下、約68℃で1時間の洗浄過
程を含む。別法では、65℃、60℃、55℃、42℃の温度で行う。SSCの濃
度は、約0.1%のSDSが存在の下、約0.1〜2×SSCの範囲である。通常は、
遮断剤を用いて非特異的なハイブリダイゼーションを阻止する。このような遮断
剤には、例えば、約100〜200μg/mlの変性したサケ精子DNAが含まれ
る。約35〜50%v/vの濃度のホルムアミドなどの有機溶剤が、例えば、RNAと
DNAのハイブリダイゼーションなどの特定の場合に用いることができる。これら
の洗浄条件の有用な改変は、当業者には周知である。特に高いストリンジェント
な条件でのハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド間の進化における類似性を
示唆し得る。このような類似性は、それらのヌクレオチド及びコードされたポリ
ペプチドが類似の役割を果たしていることを強く示唆する。
【0053】 用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的な塩基間の水素結合によっ
て、形成された2つの核酸配列の複合体を指す。ハイブリダイゼーション複合体
は溶液中(例えば、CtまたはRt分析)で形成されるか、或いは溶液中の
1つの核酸配列と固体の支持物(例えば、紙、膜、フィルター、チップ、ピン、
或いはスライドガラス、または細胞及びその核酸を固定する任意の適当な基板)
に固定されたもう一つの核酸配列とで形成され得る。
【0054】 用語「挿入」或いは「付加」は、1個以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチド
がそれぞれ追加されるアミノ酸配列或いは核酸配列の変化を指す。
【0055】 「免疫応答」は、炎症性疾患及び外傷、免疫異常、感染症、遺伝病などに関連
する症状を指す。これらの症状は、細胞系及び全身防衛系に影響を及ぼすサイト
カイン及びケモカイン、別の情報伝達分子などの様々な因子の発現という特徴を
もつ。
【0056】 用語「マイクロアレイ」は、基板上に配列されたそれぞれ異なったポリヌクレ
オチドの配列を指す。
【0057】 マイクロアレイの文脈に用いられる用語「要素」或いは「アレイ要素」は、基
板の表面に配列されたハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドを指す。
【0058】 用語「変調」は、LRSPの活性の変化を指す。例えば、変調によって、LRSPのタ
ンパク質活性、或いは結合特性、またはその他の生物学的特性、機能的特性或い
は免疫学的特性の変化が起こる。
【0059】 用語「核酸」或いは「核酸配列」は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポ
リヌクレオチド、或いはそれらの断片を指す。また、一本鎖若しくは二本鎖であ
って、センス鎖或いはアンチセンス鎖であるゲノム起源若しくは合成起源のDN
A或いはRNA、ペプチド核酸(PNA)、任意のDNA様物質、及びRNA様物
質を指す。
【0060】 「機能的に結合した」は、第1の核酸配列と第2の核酸配列が機能的な関係に
ある状態を指す。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を
与える場合、そのプロモーターはそのコード配列に機能的に結合している。一般
に、機能的に結合したDNA配列は、同じ読み枠内で2つのタンパク質をコードす
る領域が結合する必要がある場合は、非常に近接或いは連続する。
【0061】 「ペプチド核酸(PNA)」は、末端がリシンで終わるアミノ酸残基のペプチド
骨格に結合した、少なくとも約5ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドを含
む、アンチセンス分子又は抗遺伝子剤を指す。この末端のリシンにより、この組
成物が溶解性となる。PNAは、相補的な一本鎖DNAやRNAに優先的に結合して転写
物の伸長を止め、ポリエチレングリコール化して細胞における寿命を延ばし得る
【0062】 「プローブ」とは、同一配列或いはアレル核酸配列、関連する核酸配列の検出
に用いる、LRSPやそれらの相補配列、またはそれらの断片をコードする核酸配列
のことである。プローブは、検出可能な標識またはレポーター分子が結合され単
離されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドである。典型的な標識には、放
射性アイソトープ及びリガンド、化学発光試薬、酵素がある。「プライマー」と
は、相補的な塩基対を形成して標的のポリヌクレオチドにアニーリング可能な、
通常はDNAオリゴヌクレオチドである短い核酸である。プライマーがポリヌクレ
オチドにアニーリングした後、あるDNAポリメラーゼ酵素によって、標的のDNA一
本鎖に沿って延長される。プライマーの組は、例えば、PCR法における核酸配列
の増幅(及び同定)に用いることができる。
【0063】 本発明に用いられるプローブ及びプライマーは、既知の配列の少なくとも15
の連続するヌクレオチドを含む。特異性を高めるために、より長いプローブ及び
プライマーが用いることも可能である。例えば、開示した核酸配列の連続する少
なくとも20または25、30、40、50、60、70、80、90、100
、150のヌクレオチドを含む。プローブ及びプライマーは、上記した例より相
当長いものも用いることができ、本明細書の表及び図面、配列表に示された任意
の長さのヌクレオチドも用いることができることを理解されたい。
【0064】 プローブ及びプライマーの準備及び使用方法については、例えば、Sambrook,
J.他による、1989年、名称「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、第2
版の1-3巻(Cold Spring Harbor Press, Plainview NY)、またはAusubel, F.M.
他による、1987年、名称「Current Protocols in Molecular Biology」(Greene
Pubi. Assoc. & Wiley-Intersciences, New York NY)、並びに Innis他による、
1990年、名称「PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」(Acade
mic Press, San Diego CA.)を参照されたい。PCR用のプライマーの組は、例えば
、Primer (Version 0.5, 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research
, Cambridge MA)などのそのような目的のためのコンピュータプログラムを用い
て、ある既知の配列から引き出すことができる。
【0065】 プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドは、当分野で周知のプライマー選
択用のコンピュータプログラムで選択される。例えば、OLIGO 4.06ソフトウェア
は、それぞれが最大100ヌクレオチドまでのPCR用のプライマーの対の選択、
及び32,000塩基までの入力ポリヌクレオチド配列から最大5,000ヌク
レオチドまでの大きなポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドの分析に有用で
ある。類似のプライマー選択用プログラムには、能力を拡大する追加の機能が含
まれている。例えば、PrimOUプライマー選択プログラム(Genome Center at Uni
versity of Texas South West Medical Center, Dallas TXより入手可能)は、
メガベース配列から特定のプライマーを選択できるため、ゲノムワイドスコープ
(genome-wide scope)におけるプライマーの設計に有用である。Primer3プライ
マー選択プログラム(Whitehead Institute/MIT Center for Genome Research,
Cambridge MA1より入手可能)によって、ユーザーは、プライマー結合部位とし
て避けたい配列を指定できる「非プライミングライブラリ(mispriming libaray
)」を入力できる。また、Primer3は、特にマイクロアレイのオリゴヌクレオチ
ドの選択に有用である(後の方の2つのプライマー選択プログラムのソースコー
ドは、それぞれのソースから得ることができ、ユーザーのニーズを満たすように
変更することもできる)。PrimerGenプログラム(UK Human Genome Mapping Pro
ject Resource Centre, Cambridge UK より入手可能)は、多数の配列アライン
メントに基づいてプライマーを設計するため、アラインメントされた核酸配列の
最も保存された領域或いは最も保存されていない領域のどちらかとハイブリダイ
ズするプライマーを選択することができる。従って、このプログラムは、固有及
び保存されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドの断片の同定に有用である
。上記した任意の選択方法で同定されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチド
の断片は、例えば、PCR法やシークエンシングプライマー、マイクロアレイ要素
、或いはサンプルの核酸の完全或いは部分的に相補的なポリヌクレオチドを同定
する特定のプローブなどの、ハイブリダイゼーション技術に有用である。オリゴ
ヌクレオチドの選択方法は、上記した方法に制限されるものではない。
【0066】 本明細書における「組換え核酸」は天然の配列ではなく、2つ以上の配列の離
れたセグメントを人工的に組み合わせた配列である。この人工の組み合せは、化
学合成によって作られる場合も多いが、前出のSambrook に記載されたような遺
伝子工学の技術を用いて核酸の離れたセグメントを人工的に操作する方がより一
般的である。この「組換え核酸」には、単に核酸の一部の追加または置換、欠失
によって変更された核酸も含む。組換え核酸は、あるプロモーター配列に機能的
に結合した核酸配列を含む場合もある。このような組換え核酸は、例えば、ある
細胞を形質転換するのに用いられるベクターの一部であり得る。
【0067】 別法では、このような組換え核酸は、この組換え核酸を発現する哺乳動物のワ
クチン接種に用いると、その哺乳動物の防衛的な免疫応答を誘発する、ワクシニ
アウイルスに基づいたウイルスベクターの一部であり得る。
【0068】 用語「サンプル」は、その最も広い意味で用いられている。LRSPをコードする
核酸若しくはその断片、LRSP自体を含むと推定されるサンプルには、体液と、細
胞からの抽出物や細胞から単離された染色体や細胞内小器官、膜と、細胞と、溶
液中に存在する又は基板に固定されたゲノムDNA、RNA、cDNAと、組織又は組織プ
リント等も含まれ得る。
【0069】 用語「特異的結合」及び「特異的に結合する」は、タンパク質若しくはペプチ
ドと、アゴニスト、抗体、アンタゴニスト、小分子、若しくは任意の天然若しく
は合成の結合組成物との間の相互作用を指す。この相互作用は、結合する分子に
よって認識される、例えば、抗原決定基つまりエピトープなどのタンパク質の特
定の構造の存在によって左右される。例えば、抗体がエピトープ「A」に対して
特異的である場合、結合していない標識した「A」及び抗体を含む反応液に、エ
ピトープAを含むポリペプチド或いは結合していない無標識の「A」が存在する
と、抗体と結合する標識Aの量が減少する。
【0070】 用語「実質的に精製された」は、自然の環境から取り除かれてから、単離或い
は分離された核酸配列或いはアミノ酸配列であって、自然に結合している組成物
が少なくとも約60%以上除去されたものであり、好ましくは約75%以上の除
去、最も好ましいのは約90%以上除去されたものを指す。
【0071】 「置換」とは、一つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドをそれぞれ別のアミノ
酸またはヌクレオチドに置き換えることである。
【0072】 用語「基板」は、任意の好適な固体或いは半固体の支持物を指し、膜及びフィ
ルター、チップ、スライド、ウエハ、ファイバー、磁気または非磁気ビード、ゲ
ル、チューブ、プレート、ポリマー、微小粒子、毛細管が含まれる。この基板に
は、壁または塹壕、ピン、チャンネル、細孔などの様々な表面形態があり、そこ
にポリヌクレオチドやポリペプチドが結合する。
【0073】 「形質転換」とは、外来DNAが入り込み受容体細胞を変化させるプロセスのこ
とである。形質転換は、当分野で周知の種々の方法により、自然或いは人工の条
件の下で起こり得り、原核宿主細胞若しくは真核宿主細胞の中に外来核酸配列を
挿入する任意の周知の方法によって行うことができる。この形質転換の方法は、
形質転換される宿主細胞のタイプによって選択される。この方法には、ウイルス
感染、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、リポフェクション、及び微粒子
照射が含まれるが、これらに限定されるものではない。「形質転換された」細胞
には、導入されたDNAが自律的に複製するプラスミドとして或いは宿主染色体の
一部として複製可能である安定的に形質転換された細胞が含まれる。さらに、限
られた時間に一時的に導入DNA若しくは導入RNAを発現する細胞も含まれる。
【0074】 特定の核酸配列の「変異配列」とは、デフォルトパラメーター設定の「BLAST
2 Sequences」ツールVersion 2.0.9 (May-07-1999)を用いるblastnによって、あ
る核酸配列のある長さに対する該特定の核酸配列の同一性が、少なくとも40%
と決定された核酸配列のことである。このような核酸の対は、ある長さにおいて
、例えば、少なくとも50%または60%、70%、80%、85%、90%、
95%、98%、或いはそれ以上の同一性を示し得る。ある変異配列は、例えば
、「アレル」変異配列(上述)または「スプライス」変異配列、「種」変異配列
、「多形性」変異配列と表すことができる。スプライス変異配列は基準分子と同
一性が極めて高い可能性があるが、mRNAプロセッシング中のエキソンの択一的ス
プライシングによってポリヌクレオチドの数が多くなったり、少なくなったりす
る。対応するポリペプチドは、基準分子に存在する追加の機能ドメインを有した
り、基準分子に存在するドメインが欠落したりし得る。種変異配列は、種によっ
て異なるポリヌクレオチド配列である。得られるポリペプチドは、互いに高いア
ミノ酸同一性を有する。多形性変異配列は、所定の種と種における特定の遺伝子
のポリヌクレオチド配列が異なる。多形性変異配列はまた、ポリヌクレオチド配
列の1つのヌクレオチドが異なる「1つのヌクレオチド多形性」(SNP)も含み
得る。SNPの存在は、例えば、或る集団(population)、病態、病態の特徴を表
し得る。
【0075】 特定のポリペプチド配列の「変異体」とは、デフォルトパラメーター設定の「
BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.9 (May-07-1999)を用いるblastpによっ
て、ある核酸配列のある長さに対する該特定のポリペプチド配列の同一性が、少
なくとも40%と決定された核酸配列のことである。このようなポリペプチドの
対は、ある長さにおいて、例えば、少なくとも50%または60%、70%、8
0%、85%、90%、95%、98%、或いはそれ以上の同一性を示し得る。
【0076】 (発明) 本発明は、新規のヒト高リシンスタテリンタンパク質(LRSP)及びLRSPをコー
ドするポリヌクレオチドの発見に基づき、腫瘍性疾患、自己免疫異常/炎症性疾
患及び感染症の診断、治療、及び予防におけるそれらの組成物の使用に関する。
【0077】 本発明のLRSPをコードする核酸は、核酸及び/またはアミノ酸配列のアライン
メント用のコンピュータ検索によって、乳房cDNAライブラリ(BRSTNOT14)のイ
ンサイト社クローン2820214において同定された。コンセンサス配列であるSEQ I
D NO:2は、以下の核酸配列の重複及び/または伸長によって導き出された。イン
サイト社クローン番号2820214H1及び2820214T6 (BRSTNOT14)、3600320F6 (DRGTN
OT01)、4254615H1 (BSCNNOT03)、2656117F6 (THYMNOT04)、及び1325717F6 (LPAR
NOT02)。
【0078】 図1A−図1Cに示されているように、一実施例では、本発明は、SEQ ID NO:
1のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。LRSPは、アミノ酸95個の長
さであり、残基N24とN76における2個の潜在Nグリコシル化部位と、残基T15にお
ける1個の潜在カゼインキナーゼIIリン酸化部位と、残基S29における1個の潜
在プロテインキナーゼCリン酸化部位とを有し、塩基性残基(リシン、アルギニ
ン、ヒスチジン)及び脂肪族アミノ酸残基に富み、含有率はそれぞれ21%及び
26%である。図2A−図2Hに示されているように、LRSP(インサイト社クロ
ーン番号2820214; SEQ ID NO:2)をコードするヌクレオチド配列は、ヒトスタテ
リン(GI 338507; SEQ ID NO:5)をコードする核酸配列、及びヒト塩基性高ヒス
チジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)をコードする核酸配列と化学的類
似性を有する。詳細には、LRSPをコードする核酸配列のヌクレオチドの概ね1059
から1331までの領域は、ヒトスタテリンの核酸配列のある領域と類似性(94%
の同一性)を有することから、LRSPはスプライスバリアントといえる。更に、LR
SPをコードする核酸配列のヌクレオチドの概ね1122から1331までの領域は、ヒト
塩基性高ヒスチジンタンパク質のヌクレオチド配列のある領域と類似性を有する
(68%の同一性)。図3に示されているように、LRSP (インサイト社クローン
番号2820214; SEQ ID NO:1)は、ヒトスタテリン(GI 338508; SEQ ID NO:3)、
及びヒト塩基性高ヒスチジンタンパク質 (GI 179466; SEQ ID NO:4)と化学的及
び構造的類似性を有する。詳細には、LRSPとヒトスタテリンの同一性は14%で
あり、LRSPのF3、D20、P45、P48、及びP61における保存された残基を共に有する
。更に、LRSP及びヒト塩基性高ヒスチジンタンパク質はそれぞれ、10.5及び
10.4の類似の等電点を有する。SEQ ID NO:2のヌクレオチドの概ね865から91
8までの断片は、SEQ ID NO:2の同定、及びSEQ ID NO:2と関連配列とを区別する
ハイブリダイゼーションまたは増幅技術に有用である。ノーザン分析によって、
様々なライブラリにおけるこの配列の発現が示され、その内の少なくとも45%
が癌に関連し、少なくとも20%が細胞の発達及び増殖組織に関連し、少なくと
も25%が免疫応答/炎症応答に関連する。LRSPの発現は、その30%が脳及び
脳下垂体組織、25%が腸組織、15%が生殖組織であることに注目されたい。
更に、これら3つの組織型は、生理学的なストレスに関係する疾患や症状に関連
する。
【0079】 本発明はまた、LRSPの変異体を含む。好適なLRSPの変異体は、LRSPアミノ酸配
列と少なくとも約80%、より好適には少なくとも約90%、最も好適には少な
くとも約95%のアミノ酸配列同一性を有し、LRSPの機能的若しくは構造的特徴
の少なくとも1つを有する。
【0080】 本発明はまた、LRSPをコードするポリヌクレオチドを含む。特定の実施例では
、本発明は、LRSPをコードするSEQ ID NO:2の配列を有するポリヌクレオチド配
列を含む。
【0081】 本発明はまた、LRSPをコードするポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。詳
細には、そのようなポリヌクレオチド変異配列は、LRSPをコードするポリヌクレ
オチド配列と少なくとも約70%、より好適には少なくとも約85%、もっとも
好適には少なくとも約95%のポリヌクレオチド配列同一性を有する。本発明の
特定の実施態様は、SEQ ID NO:2からなる一群から選択された核酸配列と少なく
とも約70%、より好適には少なくとも約85%、最も好適には少なくとも約9
5%のポリヌクレオチド配列同一性を有する、SEQ ID NO:2からなる一群から選
択された配列を含むポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。上記の任意のポリ
ヌクレオチドの変異配列は、LRSPの機能的若しくは構造的特徴の少なくとも一つ
を有するアミノ酸配列をコードし得る。
【0082】 遺伝暗号の縮重により作り出され得るLRSPをコードする種々のポリヌクレオチ
ド配列には、既知の自然発生する任意の遺伝子のポリヌクレオチド配列と最小の
類似性しか有しないものも含まれることを、当業者は理解するであろう。したが
って本発明には、可能なコドン選択に基づいた組み合わせの選択によって作り出
され得る可能なポリヌクレオチド配列の変異の全てが含まれ得る。これらの組み
合わせは、自然発生のLRSPのポリヌクレオチド配列に適用される標準的なトリプ
レット遺伝暗号を基に作られ、全ての変異が明確に開示されていると考慮する。
【0083】 LRSPをコードするヌクレオチド配列及びその変異配列は、好適に選択されたス
トリンジェントな条件の下で、自然発生のLRSPのヌクレオチドとハイブリダイズ
可能なことが望ましいが、非自然発生のコドンを含めるなどの実質的に異なった
コドンの使用を有するLRSP或いはその誘導体をコードするヌクレオチド配列を作
り出すことは有益となり得る。特定のコドンが宿主によって利用される頻度に基
づいてコドンを選択して、ペプチドの発現が特定の真核細胞又は原核宿主に発生
する割合を高めることが可能である。コードされたアミノ酸配列を変えないで、
LRSP及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更する別の理由
は、自然発生の配列から作られる転写物より例えば長い半減期など好ましい特性
を備えるRNA転写物を作ることにある。
【0084】 本発明はまた、LRSP及びその誘導体をコードするDNA配列又はそれらの断片を
完全に合成化学によって作り出すことも含む。作製後にこの合成配列を、当分野
で良く知られた試薬を用いて、種々の入手可能な発現ベクター及び細胞系の何れ
の中にも挿入可能である。更に、合成化学を用いて、LRSPまたはその任意の断片
をコードする配列の中に突然変異を導入することも可能である。
【0085】 更に本発明には、種々のストリンジェント条件の下で、請求項に記載されたポ
リヌクレオチド配列、特に、SEQ ID NO:2及びそれらの断片とハイブリダイズ可
能なポリヌクレオチド配列が含まれる(例えば、Wahl, G.M.及びS.L. Berger (19
87) Methods Enzymol. 152:399-407; and Kimmel. A.R. (1987) Methods Enzymo
l. 152:507-511.を参照)。アニーリング及び洗浄条件を含むハイブリダイゼーシ
ョンの条件は、「定義」に記載されている。
【0086】 当分野で周知のDNAのシークエンシング方法を用いて、本発明の何れの実施例
も実行可能である。この方法には、例えばDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、SE
QUENASE(US Biochemical, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)
、熱安定性T7ポリメラーゼ(Amersham, Pharmacia Biotech Piscataway NJ)、
或いはELONGASE増幅システム(Life Technologies, Gaithersburg MD)にみられる
ような校正エキソヌクレアーゼとポリメラーゼとの組み合わせなどの酵素が用い
られる。好ましくは、MICROLAB2200液体転移システム(Hamilton, Reno, NV)、
PTC200 Thermal Cycler200(MJ Research, Watertown MA)及びABI CATALYST 80
0 (Perkin-Elmer) などの装置を用いて配列の準備を自動化する。次に、ABI 373
或いは377 DNAシークエンシングシステム(Perkin-Elmer)、MEGABACE 1000 DNAシ
ークエンシングシステム(Molecular Dynamics. Sunnyvale CA)または当分野で周
知の他の方法を用いてシークエンシングを行う。得られた配列を当分野で周知の
様々なアルゴリズムを用いて分析する(例えば、Ausubel, F.M. (1997) Short Pr otocols in Molecular Biology , John Wiley & Sons, New York NY, unit 7.7;
Meyers, R.A. (1995) Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, New
York NY, pp. 856-853.を参照)。
【0087】 当分野で周知のPCR法をベースにした種々の方法で、部分的なヌクレオチド配
列を利用して、LRSPをコードする核酸配列を伸長し、プロモーターや調節要素な
どの上流にある配列を検出する。例えば制限部位PCR法を利用する1つの方法で
は、一般的なプライマー及びネスト化プライマーを用いてクローニングベクター
内のゲノムDNAから未知の配列を増幅する(例えば、Sarkar, G. (1993) PCR Met
hods Applic 2:318-322を参照)。逆PCR法を用いる別法では、広範な方向に伸長
して環状化した鋳型から未知の配列を増幅するプライマーを用いる。この鋳型は
、既知のゲノム遺伝子座及びその周辺の配列を含む制限断片に由来する(例えば
、Triglia, T.等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186を参照)。キャプチャPCR
法を用いる第3の方法は、ヒト及び酵母菌人工染色体DNAの既知の配列に隣接す
るDNA断片のPCR増幅を含む(例えば、Lagerstrom, M.他(1991)PCR Methods Ap
plic 1:111-119を参照)。この方法では、多数の制限酵素による消化及びライゲ
−ションを用いて、PCRを行う前に未知の配列の領域の中に組換え二本鎖配列を
挿入することが可能である。また、当分野で周知の別の方法を用いて未知の配列
を得ることも可能である。(例えば、Parker, J.D. 他 (1991)Nucleic Acids Res
. 19:3055-3060を参照)。更に、PCR、ネスト化プライマー、PROMOTERFINDERライ
ブラリ(Clontech, Palo Alto CA)を用いれば、ゲノムDNA内の歩行が可能であ
る。この方法ではライブラリをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エ
キソン接合部を探すのに有用である。全てのPCR法をベースにした方法では、プ
ライマーは、市販のOLIGO 4.06 Primer Analysis software(National Bioscien
ces, Plymouth MN)或いは別の好適なプログラムなどを用いて、長さが22〜3
0ヌクレオチド、GC含有率が50%以上、約68℃〜72℃の温度で鋳型に対
してアニーリングするよう設計される。
【0088】 完全な長さのcDNAのスクリーニングの際は、大きなcDNAを含むようにサイズが
選択されたライブラリを用いるのが好ましい。更に、オリゴd(T)ライブラリが完
全な長さのcDNAを産生できない場合は、遺伝子の5'領域を有する配列を含むも
のが多いランダムに初回抗原刺激を受けたライブラリが有用である。ゲノムライ
ブラリは、5'非転写調節領域への配列の伸長に有用であろう。
【0089】 市販のキャピラリー電気泳動システムを用いて、シークエンシングまたはPCR
産物のヌクレオチド配列のサイズの分析、または確認が可能である。詳しくは、
キャピラリーシークエンシングには、電気泳動による分離のための流動性ポリマ
ー、及び4つの異なったヌクレオチドに特異的なレーザーで活性化される蛍光色
素、放出された波長の検出に利用するCCDカメラを使用することが可能である。
出力/光強度は、適切なソフトウエア(例えば、GENOTYPER及びSEQUENCE NAVIGA
TOR、Perkin-Elmer)を用いて電気信号に変換され、サンプルのローディングか
らコンピュータ分析までのプロセス及び電子データ表示がコンピュータ制御可能
である。キャピラリー電気泳動法は、特定のサンプルに少量しか存在しない場合
もあるDNAの小片のシークエンシングに特に適している。
【0090】 本発明の別の実施例では、LRSPをコードするポリヌクレオチド配列またはその
断片を組換えDNA分子に用いて、適切な宿主細胞内にLRSP、その断片または機能
的等価物を発現させることが可能である。遺伝暗号固有の宿重により、実質的に
同じ或いは機能的に等価のアミノ酸配列をコードする別のDNA配列が作られ得り
、これらの配列をLRSPのクローン化及び発現に利用可能である。
【0091】 種々の目的でLRSPをコードする配列を変えるために、当分野で一般的に知られ
ている方法を用いて、本発明のヌクレオチド配列を組換えることができる。この
目的には、遺伝子産物のクローン化、プロセッシング及び/または発現の調節が
含まれるが、これらに限定されるものではない。ランダムな断片によるDNAの混
合や遺伝子断片と合成オリゴヌクレオチドのPCR再組み立てを用いて、ヌクレオ
チド配列の組換えが可能である。例えば、オリゴヌクレオチドの仲介による定方
向突然変異誘発を利用して、新しい制限部位を生成する突然変異の導入、グリコ
シル化パターンの変更、コドン優先の変更、スプライスバリアントの生成等が可
能である。
【0092】 別の実施例によれば、LRSPをコードする配列は、当分野で周知の化学的方法を
用いて、全体或いは一部が合成可能である(例えば、Caruthers. M.H.等(1980
)Nucl. Acids Res. Symp. Ser 7:215-223; 及びHorn, T.他(1980)Nucl. Acid
s Res. Symp. Ser.225-232を参照)。別法として、化学的方法を用いてLRSP自体
またはその断片を合成することが可能である。例えば、ペプチド合成は種々の固
相技術を用いて実行可能である(例えば、Roberge, J.Y.等(1995) Science 269:
202-204を参照)。また、合成の自動化は例えばABI 431Aペプチドシンセサイザ
(Perkin Elmer)を用いて達成し得る。更にLRSPのアミノ酸配列または任意のそ
の一部は、直接的な合成の際の変更、及び/または化学的方法を用いた他のタン
パク質または任意のその一部からの配列との組み合わせにより、変異体ポリペプ
チドを作ることが可能である。
【0093】 このペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィー(例えば、Chiez, R.M.
及び F.Z. Regnier (1990)Methods Enzymol. 182:392-421を参照)を用いて実質
的に精製可能である。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸分析或いはシーク
エンシングにより確認することができる(例えば、Creighton. T. (1983) Protei ns, Structures and Molecular Properties , WH Freeman, New York, NYを参照)
【0094】 生物学的に活性なLRSPを発現させるために、LRSPをコードするヌクレオチド配
列またはその誘導体を好適な発現ベクターに挿入する。この発現ベクターは、好
適な宿主に挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳の調節に必要な要素を含
む。これらの要素には、ベクター及びLRSPをコードするポリヌクレオチド配列に
おけるエンハンサー、構成型及び発現誘導型のプロモーター、5'及び3'の非翻
訳領域などの調節配列が含まれる。このような要素は、その長さ及び特異性が様
々である。特定の開始シグナルによって、LRSPをコードする配列のより効果的な
翻訳を達成することが可能である。このようなシグナルには、ATG開始コドン
及びコザック配列などの近傍の配列が含まれる。LRSPをコードする配列及びその
開始コドン、上流の調節配列が好適な発現ベクターに挿入された場合は、更なる
転写調節シグナルや翻訳調節シグナルは必要なくなるであろう。しかしながら、
コーディング配列或いはその断片のみが挿入された場合は、インフレームのAT
G開始コドンを含む外来性の翻訳調節シグナルが発現ベクターに含まれなければ
ならない。外来性の翻訳要素及び開始コドンは、自然及び合成の様々なものから
得ることが可能である。用いられる特定の宿主細胞系に好適なエンハンサーを含
めることで発現の効率を高めることが可能である。(例えば、Scharf, D. 他 (19
94) Results Probl. Cell Differ. 201−18-162.を参照)。
【0095】 当業者に周知の方法を用いて、LRSPをコードする配列、好適な転写及び翻訳調
節要素を含む発現ベクターを作製することが可能である。これらの方法には、in vitro 組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝子組換え技術が含まれる。(
例えば、 Sambrook, J. 他. (1989) Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview NY, 4章及び8章, 及び16-17章; 及び
Ausubel, F.M. 他. (1995) Current Protocols in Molecular Biology, John Wi
ley & Sons, New York NY, ch. 9章及び13章1−4章を参照)。
【0096】 種々の発現ベクター/宿主系を利用して、LRSPをコードする配列の保持及び発
現が可能である。これらには、限定するものではないが、組換えバクテリオファ
ージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌など
の微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換された酵母菌や、ウイルス発現ベク
ター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現ベク
ター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス
、TMV)または細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)
で形質転換された植物細胞系や、動物細胞系などが含まれる。本発明は使用され
る宿主細胞によって限定されるものではない。
【0097】 細菌系では、多数のクローニングベクター及び発現ベクターが、LRSPをコード
するポリヌクレオチド配列の使用目的に応じて選択可能である。例えば、LRSPを
コードするポリヌクレオチド配列の日常的なクローニング、サブクローニング、
増殖には、PBLUESCRIPT(Stratagene, La Jolla CA)またはpSPORT1プラスミド(G
IBCO BRL)などの多機能の大腸菌ベクターを用いることができる。ベクターの多
数のクローニング部位にLRSPをコードする配列をライゲーションするとlacZ遺
伝子が破壊され、組換え分子を含む形質転換された細菌の同定のための比色スク
リーニング法が可能となる。更に、これらのベクターを用いて、クローニングさ
れた配列のin vitroでの転写、ジデオキシンスクリーニング、ヘルパーファージ
による一本鎖の救出、入れ子状態の欠失を作り出すことが可能である。(例えば
、Van Heeke, G.及びS.M. Schuster (1989) J. Biol. Chem. 264:5503-5509.を
参照)。例えば、抗体の産生のためなどに多量のLRSPが必要な場合は、LRSPの発
現をハイレベルで誘導するベクターが使用できる。例えば、強力に発現を誘発す
るT5またはT7バクテリオファージプロモーターを含むベクターを使用できる。
【0098】 LRSPの発現に酵母の発現系の使用が可能である。α因子やアルコールオキシダ
ーゼやPGHプロモーターなどの構成型或いは誘導型のプロモーターを含む多種
のベクターが、酵母菌サッカロミセス−セレビジエまたはPichia pastorisに使
用可能である。更に、このようなベクターは、発現したタンパク質の分泌か細胞
内への保持のどちらかを誘導し、安定した増殖のために宿主ゲノムの中に外来配
列を組み込む。(例えば、上記のAusubel.; 及びBitter, G.A. 他 (1987) Method
s Enzymol.153:51-794: Scorer. C. A. 他 (1994) Bio/Technology 121−181-18
4.を参照) 植物系もLRSPの発現に使用可能である。LRSPをコードする配列の転写は、例え
ば、CaMV由来の35S及び19Sプロモーターなどのウイルスプロモーターが単独で、
或いはTMV(Takamatsu, N.等(1987)EMBO J 6:307-311)由来のオメガリーダー
配列と組み合わせて促進される。これらの作製物は、直接のDNA形質転換或いは
病原体を介したトランスフェクションによって、植物細胞の中に導入可能である
。(例えば、The McGraw Hill Yearbook of Science and Technology(1992)Mc
Graw Hill NY, pp.191-196を参照)。
【0099】 哺乳動物細胞では、多種のウイルスベースの発現系が利用され得る。アデノウ
イルスが発現ベクターとして用いられる場合、後発プロモーター及び3連リーダ
ー配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳複合体にLRSPをコードする配列を結
合し得る。ウイルスのゲノムの非必須のE1またはE3領域への挿入により、感
染した宿主細胞にLRSPを発現する生ウイルスを得ることが可能である(Logan, J
.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:3655-3659を参照)。さら
に、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハンサーを用いて
、哺乳動物宿主細胞における発現を増大させることが可能である。タンパク質を
高レベルで発現させるために、SV40またはEBVを基にしたベクターを用いること
が可能である。
【0100】 ヒト人工染色体(HAC)を用いて、プラスミドで発現しそれに含まれているも
のより大きなDNAの断片を供給可能である。治療のために約6kb〜10MbのHACs
を作製し、従来の輸送方法(リポソーム、ポリカチオンアミノポリマー、または
ベシクル)で供給する。(例えば、Harrington. J.J. 他 (1997) Nat Genet.15:3
45-355.を参照)。
【0101】 哺乳動物系の組換えタンパク質の長期にわたる産生のためには、株化細胞にお
けるLRSPの安定した発現が望ましい。例えば、発現ベクターを用いて、LRSPをコ
ードする配列を株化細胞に形質転換することが可能である。このような発現ベク
ターは、ウイルス起源の複製及び/または内在性の発現要素や、同じ或いは別の
ベクターの上の選択マーカー遺伝子を含む。ベクターの導入の後、細胞を選択培
地に移す前に、強化培地で約1〜2日の間増殖させる。選択マーカーの目的は選
択的な媒介物に対する抵抗性を与えるとともに、その存在により導入された配列
をうまく発現する細胞の増殖及び回収が可能となる。安定的に形質転換された細
胞の耐性クローンは、その細胞型に好適な組織培養技術を用いて増殖可能である
【0102】 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞系を回収することが可能であ
る。選択系には、以下のものに限定はしないが、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれ
、それぞれtk又はapr細胞において使用される。(例えば、Wigler, M. 他 (1
977) Cell 11:223-232; 及びLowy, I. 他(1980) Cell 22:817-823を参照)。また
代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択のベースとして用いること
ができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、neoはアミノグ
リコシッドネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え、als或いはpatはクロル
スルフロン(cLRSPsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラー
ゼ(phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(例えば、Wigl
er, M. 他. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. 77:3567-3570; Colbere-Garapin,
F. 他(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14を参照)。さらに選択に利用できる遺伝子
、例えば、代謝のために細胞が必要なものを変えるtrpB及びhisDが文献に記載さ
れている(例えば、Hartman, S.C.及びR.C. Mulligan(1988)Proc. Natl. Acad
. Sci. 85:8047-51を参照)。アニトシアニン、緑色蛍光タンパク質(GFP;Clon
tech)、βグルクロニダーゼ及びその基質GUS,ルシフェラーゼ及びその基質ル
シフェリンなどの可視マーカーが用いられる。緑色蛍光タンパク質(GFP)(Clon
tech, Palo Alto, CA)も使用できる。これらのマーカーを用いて、トランスフォ
ーマントを特定するだけでなく、特定のベクター系に起因する一過性或いは安定
したタンパク質発現を定量することが可能である(例えば、Rhodes, C.A.他(19
95)Methods Mol. Biol. 55:121−791を参照)。
【0103】 マーカー遺伝子の発現の存在/不在によって目的の遺伝子の存在が示されても
、その遺伝子の存在及び発現の確認が必要な場合もある。例えば、LRSPをコード
する配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入された場合、LRSPをコードする配列を
含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子機能の欠落により特定可能である。
または、1つのプロモーターの制御下でマーカー遺伝子がLRSPをコードする配列
と一列に配置することも可能である。誘導または選択に応答したマーカー遺伝子
の発現は、通常タンデム遺伝子の発現も示す。
【0104】 一般に、LRSPをコードする核酸配列を含み、LRSPを発現する宿主細胞は、当業
者に周知の種々の方法を用いて特定することが可能である。これらの方法には、
DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーションや、PCR法、核酸或いはタンパ
ク質の検出及び/または数量化のための膜系、溶液ベース、或いはチップベース
の技術を含むタンパク質生物学的試験法または免疫学的アッセイが含まれるが、
これらに限定されるものではない。
【0105】 特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらかを用いるLR
SPの発現の検出及び計測のための免疫学的な方法は、当分野で周知である。この
ような技法には、酵素に結合したイムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオ
イムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分取器(FACS)などがある。LRSP上の
2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いた、2部位のモノ
クローナルベースイムノアッセイ(two-site, monoclonal-based immunoassay)
が好ましいが、競合の結合アッセイも用いることもできる。これらのアッセイ及
びその他のアッセイは、当分野では十分に知られている。(例えば、 Hampton. R
. 他.(1990) Serological Methods, a Laboratory Manual. APS Press. St Paul
. MN, Sect. IV; Coligan, J. E. 他Current Protocols in Immunology, Greene
Pub. Associates and Wiley-Interscience, New York. NY; 及びPound, J.D. (
1990) Immunochemical Protocols, Humans Press, Totowa NJ)。
【0106】 種々の標識方法及び結合方法が当業者には周知であり、様々な核酸アッセイお
よびアミノ酸アッセイに用いられ得る。LRSPをコードするポリヌクレオチドに関
連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ或い
はPCRプローブを生成する方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション
、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれる。別
法として、LRSPをコードする配列、またはその任意の断片をmRNAプローブを生成
するためのベクターにクローニングすることも可能である。当分野では周知であ
り市販されているこのようなベクターを、T7,T3,またはSP6などの好適なRNAポ
リメラーゼ及び標識されたヌクレオチドの追加によって、in vitroでのRNAプロ
ーブの合成に用いることができる。これらの方法は、例えば、Amersham Pharmac
ia Biotech及びPromega(Madison WI)、U.S. Biochemical Corp(Cleveland OH
)が市販する種々のキットを用いて行うことができる。容易な検出のために用い
得る好適なレポーター分子或いは標識には、基質、コファクター、インヒビター
、磁気粒子、及び放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、色素産生剤などが含
まれる。
【0107】 LRSPをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培地で
のこのタンパク質の発現及び回収に好適な条件の下で培養される。形質転換され
た細胞から産生されたタンパク質が分泌されるか細胞内に留まるかは、使用され
るその配列及び/またはそのベクターによる。LRSPをコードするポリヌクレオチ
ドを含む発現ベクターは、原核細胞膜及び真核細胞膜を透過するLRSPの分泌を誘
導するシグナル配列を含むように設計できることは、当業者には理解されよう。
【0108】 更に、挿入した配列の発現調節能力または発現したタンパク質を所望の形にプ
ロセシングする能力によって宿主細胞株が選択される。このようなポリペプチド
の修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(
lipidation)、及びアシル化が含まれるが、これらに限定されるものではない。
タンパク質の「prepro」または「pro」形を切断する翻訳後のプロセシングを利
用して、標的タンパク質、折りたたみ及び/または活性を特定することが可能で
ある。翻訳後の活性のための特定の細胞装置及び特徴のある機構をもつ種種の宿
主細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、MEK293、WI38)がAmerican Type Culture C
ollection(ATCC; Bethesda, MD)より入手可能であり、外来のタンパク質の正
しい修飾及びプロセシングを確実にするために選択される。
【0109】 本発明の別の実施例では、LRSPをコードする自然或いは変更された、または組
換えの核酸配列を上記した任意の宿主系の融合タンパク質の翻訳となる異種配列
に結合させる。例えば、市販の抗体によって認識できる異種部分を含むキメラLR
SPタンパク質が、LRSPの活性のインヒビターに対するペプチドライブラリのスク
リーニングを促進し得る。また、異種タンパク質部分及び異種ペプチド部分が、
市販の親和性基質を用いて融合タンパク質の精製を促進し得る。このような部分
には、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質
(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、6−Hi
s、FLAG、c−mc、赤血球凝集素(HA)が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。GST及びMBP、Trx、CBP、6−Hisによって、固定されたグルタチオン、マ
ルトース、フェニルアルシン酸化物(phenylarsine oxide)、カルモジュリン、
金属キレート樹脂のそれぞれで同族の融合タンパク質の精製が可能となる。FLAG
、c−mc、及び赤血球凝集素(HA)によって、これらのエピトープ標識を特異的
に認識する市販のモノクロナール抗体及びポリクロナール抗体を用いた融合タン
パク質の免疫親和性の精製ができる。また、LRSPをコードする配列と異種タンパ
ク質配列との間にあるタンパク質分解切断部位を融合タンパク質が含むように遺
伝子操作すると、LRSPが精製の後に異種部分から切断され得る。融合タンパク質
の発現と精製の方法は、Ausubel. (1995、前出 ch 10).に記載されている。市販
されている様々なキットを用いて、融合タンパク質の発現及び精製を促進できる
【0110】 本発明の別の実施例では、TNTウサギ網状赤血球可溶化液またはコムギ胚芽抽
出系(Promega)を用いてin vitroで放射能標識したLRSPの合成が可能である。こ
れらの系は、T7またはT3、SP6プロモーターと機能的に結合したタンパク質をコ
ードする配列の転写と翻訳をつなげる。翻訳は、例えば、35Sメチオニンであ
る放射能標識されたアミノ酸前駆体の存在の下で起こる。
【0111】 LRSPの断片は、組換え生成物だけでなく固相技術を用いて直接的なペプチド合
成によって作製され得る(例えば、前出のCreighton, pp. 55-60.を参照)。タン
パク質の合成は、手動或いは自動で行われ得る。自動合成は、例えば431Aペプチ
ドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて行うことが可能である。LRSPの種々の
断片は別々に合成して、次ぎに結合させて完全長分子を生成する。
【0112】 (治療) LRSPのある領域と、高リシンスタテリンタンパク質のある領域と、塩基性王ヒ
スチジンタンパク質のある領域との間に、例えば配列及びモチーフの文脈におけ
る化学的及び構造的類似性が存在する。更に、LRSPの発現は、癌、免疫応答/炎
症応答、及び生理学的ストレスに関係する疾患及び症状と密接な関係がある。従
って、LRSPは、腫瘍性疾患、自己免疫異常/炎症性疾患及び感染症においてある
役割を果たすと考えられる。LRSPの発現または活性の増大に関連する疾患の治療
においては、LRSPの発現または活性を低下させることが望ましい。また、LRSPの
発現または活性の低下に関連する疾患の治療においては、LRSPの発現または活性
を増大させることが望ましい。
【0113】 従って、一実施例において、LRSPの発現または活性の低下に関連した疾患の治
療または予防のために、患者にLRSPまたはその断片や誘導体を投与することが可
能である。限定するものではないが、このような疾患の例には、自己免疫異常/
炎症性疾患が含まれ、その中には後天性免疫不全症候群(AIDS)及び副腎機能不
全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘
息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、気
管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿
病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、赤芽球症、結節性紅斑、萎
縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲
状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心
筋又は心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター
症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症候群、全身性アナフィラキ
シー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減少症、潰瘍性大腸炎、
ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環と、ウィルス感染症及び細菌
感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原虫感染症、蠕虫の感染症、外傷が含まれ
、また、感染症が含まれ、その中には、肺炎球菌及びブドウ球菌、連鎖球菌、桿
菌、コリネバクテリウム、クロストリジウム属、髄膜炎菌、淋菌、リステリア、
モラクセラ属、キンゲラ、ヘモフィルス属、レジオネラ、ボルデテラ、グラム陰
性腸内細菌(赤痢菌属及びサルモネラ、カンピロバクターを含む)、シュードモ
ナス、ビブリオ属、ブルセラ、フランシセラ、エルシニア、バルトネラ、norcar
dium、アクチノミセス、ミコバクテリア、スピロヘターレス、リケッチア、クラ
ミジア、マイコプラズマに分類される細菌病原体による感染症と、コウジカビ及
びブラストマイセス、皮膚糸状菌、クリプトコッカス、コクシジオイデス、mala
sezzia、ヒストプラスマ、及び様々な真菌症を引き起こすその他の真菌病原体に
分類される真菌病原体による感染症とが含まれる。
【0114】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むLRSPの発現
または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、LRSPまたはその断
片や誘導体を発現し得るベクターを患者に投与することも可能である。
【0115】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むLRSPの
発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、実質的に精製
されたLRSPを含む医薬品組成物を好適な医薬用担体と共に患者に投与することも
可能である。
【0116】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むLRSPの
発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、LRSPの活性を
調節するアゴニストを患者に投与することも可能である。
【0117】 更なる実施例では、LRSPの発現または活性の増大に関連した疾患の治療または
予防のために、患者にLRSPのアンタゴニストを投与することが可能である。限定
するものではないが、このような疾患の例には、腫瘍性疾患、自己免疫異常/炎
症性疾患、及び感染症が含まれる。この腫瘍性疾患の中には、腺癌、白血病、リ
ンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌などがあり、詳しくは副腎、膀胱、骨、
骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、
卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状
腺、及び子宮の癌が含まれる。一実施態様では、LRSPと特異的に結合する抗体が
直接アンタゴニストとして、或いはLRSPを発現する細胞または組織に薬剤を運ぶ
ターゲッティング或いは運搬機構として間接的に用いられ得る。
【0118】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むLRSPの発現
または活性の増大に関連した疾患の治療または予防のために、LRSPをコードする
ポリヌクレオチドの相補体を発現するベクターを患者に投与することも可能であ
る。
【0119】 別の実施例では、本発明の任意のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ
スト、相補的な配列、ベクターを別の好適な治療薬と組み合わせて投与すること
もできる。当業者は、従来の医薬原理にしたがって併用療法で用いる好適な治療
薬を選択可能である。治療薬との組み合わせにより、上に列記した種々の疾患の
治療または予防に相乗効果をもたらし得る。この方法を用いて少ない量の各薬剤
で医薬効果をあげることが可能であり、広範囲な副作用の可能性を低減し得る。
【0120】 LRSPのアンタゴニストは、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能
である。詳しくは、精製されたLRSPを用いて抗体を作ったり、治療薬のライブラ
リをスクリーニングしてLRSPと特異的に結合するものを同定が可能である。LRSP
の抗体も、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能である。このよう
な抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖、
Fabフラグメント、及びFab発現ライブラリによって作られたフラグメントが含ま
れる。但し、これらに限定されるものではない。治療用には、中和抗体(即ち、
二量体の形成を阻害するもの)が特に好ましい。
【0121】 抗体の産生のためには、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト及びその他のも
のを含む種々の宿主が、LRSPまたは任意の断片、または免疫原性の特性を備える
そのオリゴペプチドの注入によって免疫化され得る。宿主の種に応じて、種々の
アジュバントを用いて免疫応答を高めることもできる。このようなアジュバント
にはフロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲルアジュバ
ント、リゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性乳
剤、キーホールリンペットヘモシニアン、及びジニトロフェノールなどの界面活
性剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。ヒトに用いられるアジュ
バントの中では、BCG(bacilli Calmette-Guerin)及びCorynebacterium parvum が特に好ましい。
【0122】 LRSPに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、ま
たは断片は、少なくとも約5のアミノ酸からなり、一般的には約10以上のアミ
ノ酸からなるものが好ましい。これらのオリゴペプチド或いはペプチド、または
それらの断片は、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であることが望
ましく、小さな自然発生の分子の全アミノ酸配列も含む。LRSPアミノ酸の短い伸
展部は、KLHなどの別のタンパク質の配列と融合し、キメラ分子に対する抗体が
産生され得る。
【0123】 LRSPに対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、抗体
分子を産生する任意の技術を用いて作製することが可能である。これらの技術に
は、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV−ハイブリ
ドーマ技術が含まれるが、これらに限定されるものではない(例えば、Kohler,
G. 等. (1975) Nature 256:495-497; Kozbor, D. 等. (1985) .J. Immunol. Met
hods 81−8-42; Cote, R.J. 等. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030
; Cole, S.P. 等. (1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120を参照)。
【0124】 更に、「キメラ抗体」の作製のために発達したヒト抗体遺伝子にマウス抗体遺
伝子をスプライシングするなどの技術が、好適な抗原特異性及び生物学的活性を
備える分子を得るために用いられる(例えば、Morrison, S.L.他. (1984) Proc.
Natl. Acad. Sci. 81−4851−4855; Neuberger, M.S.他. (1984) Nature 312:6
04-608; Takeda, S.等. (1985) Nature 314:452,454を参照)。別法では、当分
野で周知の方法を用いて、一本鎖抗体の産生のための記載された技術を適用して
、LRSP特異性一本鎖抗体を生成する。関連する特異性を備えるが別のイディオタ
イプの組成の抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンライブラリから鎖
混合によって生成することもできる(例えば、Burton D.R. (1991) Proc. Natl.
Acad. Sci. 88:11120-3を参照)。
【0125】 抗体は、リンパ球集団の中のin vivo産生を誘発することによって、または免
疫グロブリンライブラリのスクリーニング又は文献に示されているような、高度
に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニングすることによって、産生すること
もできる(例えば、Orlandi, R. 他. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86: 3833
-3837; Winter, G. 他. (1991) Nature 349:293-299を参照)。
【0126】 LRSPに対する特異的な結合部位を含む抗体も産生することができる。例えば、
このような断片には、抗体分子のペプシン消化によって生成されるF(ab')に断
片と、F(ab')に断片のジスルフィド架橋を減じることによって生成されるFab
断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。別法では、Fab発現ライ
ブラリを作製することによって、所望の特異性とモノクローナルFab断片の迅速
且つ容易な同定が可能となる(例えば、Huse, W.D. 等. (1989) Science 254:12
75-1281を参照)。
【0127】 種々のイムノアッセイを用いてスクリーニングし、所望の特異性を有する抗体
を同定する。隔離された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体の何れかを用いる競合的な結合、または免疫放射線活性のための数々のプ
ロトコルが、当分野では周知である。通常このようなイムノアッセイには、LRSP
とその特異性抗体との間の複合体調整の計測が含まれる。二つの非干渉性LRSPエ
ピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を用いる、2部位モノクローナル
ベースのイムノアッセイが一般に利用されるが、競合的結合アッセイも利用する
ことができる(Pound、前出)。
【0128】 ラジオイムノアッセイ技術と共にScatchard分析などの様々な方法を用いて、L
RSP抗体の親和性を評価する。親和性を結合定数Kaで表すが、このKaは、平衡状
態の下でLRSP抗体複合体のモル濃度を遊離抗体と遊離抗原のモル濃度で割ったも
のである。多数のLRSPエピトープに対して親和性が不均一なポリクロナール抗体
試薬の測定値Kaは、LRSP抗体の平均親和性または結合活性を表す。特定のLRSP
エピトープに単一特異的なモノクロナール抗体試薬のKaは、親和性の真の測定
値を表す。Ka値が10〜1012L/molの高親和性抗体試薬は、LRSP抗体
複合体が激しい操作に耐えなければならないイムノアッセイに用いるのが好まし
い。Ka値が10〜10L/molの低親和性抗体試薬は、LRSPが抗体から最
終的に活性化状態で解離する必要がある免疫精製(immunopurification)及び類
似の処理に用いるのが好ましい。(Catty, D. (1988) Antibodies, Volume I: A Practical Approach . IRL Press, Washington, DC; Liddell, J. E. and Cryer,
A. (1991) A Practical Guide to Monoclonal Antibodies, John Wiley & Sons
, New York NY)。
【0129】 ポリクロナール抗体試薬の抗体価及び結合活性を更に評価して、ある下流の適
用例に対するこのような試薬の品質及び適性を調べる。例えば、少なくとも1〜
2mg/mlの特異的な抗体、好ましくは5〜10mg/mlの特異的な抗体を
含むポリクロナール抗体試薬は一般に、LRSP抗体複合体を沈殿させなければなら
ない処理に用いられる。様々な適用例における抗体の特異性及び抗体価、結合活
性、抗体の品質や使用法の指針は一般に入手可能である。(例えば、Catty, 前出
, 及びColigan 他、前出を参照)。
【0130】 本発明の別の実施例では、LRSPをコードするポリヌクレオチド、またはその任
意の断片または相補配列が、治療目的で使用することができる。ある実施形態で
は、LRSPをコードするポリヌクレオチドの相補配列がmRNAの転写を阻止するのに
好適である場合、これを使用することができる。特に細胞は、LRSPをコードする
ポリヌクレオチドと相補的な配列で形質転換することもできる。したがって、相
補的分子または断片は、LRSPの活性の調節、または遺伝子機能の調節のために使
用することができる。このような技術は当分野では周知であり、センスまたはア
ンチセンスオリゴヌクレオチドまたは大きな断片が、LRSPをコードする配列の制
御領域から、またはコード領域に沿ったさまざまな位置から設計可能である。
【0131】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス又はワクシニア、又は様々な細菌
性プラスミド由来の発現ベクターを用いて、ヌクレオチド配列を標的の器官、組
織又は細胞集団に運ぶこともできる。当業者に周知の方法を用いてLRSPをコード
ポリヌクレオチドと相補的な核酸配列を発現するベクターを作製することができ
る(例えば、前出のSambrook 他、及び前出のAusubel 他によるものを参照)。
【0132】 LRSPをコードする遺伝子は、LRSPをコードするポリヌクレオチド又はその断片
を高いレベルで発現する発現ベクターで、細胞又は組織を形質転換することによ
って止めることができる。このような作製物を用いて翻訳できないセンス又はア
ンチセンス配列を細胞の中に導入することができる。DNAの中に組み入れられな
い場合でも、このようなベクターは内在性のヌクレアーゼによって機能が損なわ
れるまでmRNA分子を転写し続ける。非複製ベクターでも一過性の発現を一ヶ月以
上に亘って続け、好適な複製要素がベクター系の一部である場合はさらに長く持
続し得る。
【0133】 上記した通り、遺伝子の発現は、LRSPをコードする遺伝子の制御5’または調
節領域に対する相補的な配列またはアンチセンス分子(DNA或いはRNA、PNA)を
設計することによって調節することができる。例えば開始部位から約−10から
約+10までの転写開始部位に由来するオリゴヌクレオチドを用いることが可能
である。同様に、「三重らせん」と塩基対合法を用いて阻止することができる。
三重らせん構造は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の結
合のために十分に広がるのを阻止するため有用である。三重式DNAを用いる最近
の治療の進歩は文献に記載されている(例えば、Gee, J.E. 等. (1994) In: Hub
er, B.E. 及び B.I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futura Pu
blishing Co., Mt. Kisco, NYを参照)。相補的な配列またはアンチセンス分子
もまた、転写物がリボソームに結合するのを阻止することによってmRNAの翻訳を
阻止するように設計できる。
【0134】 酵素性RNA分子であるリボザイムは、RNAの特異的切断を触媒するために用いる
ことができる。リボザイム作用の機構には、相補的な標的RNAへのリボザイム分
子の配列特異性ハイブリダイゼーションが含まれ、ヌクレオチド鎖切断が続く。
例えば、LRSPをコードする配列のヌクレオチド鎖切断を、特異的且つ効果的に触
媒する組換え型のハンマーヘッド型リボザイム分子が含まれる。
【0135】 任意の潜在的RNA標的の中の特異的なリボザイム切断部位が、後続の配列GU
A、GUU、及びGUCを含むリボザイム切断部位に対して、標的分子をスキャ
ニングすることによって初めに同定される。一度同定されると、切断部位を含む
標的遺伝子の領域に対応する15個から20個のリボヌクレオチドの短いRNA配
列を、オリゴヌクレオチドの機能を不全にする二次的な構造の特徴について評価
することが可能である。候補標的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを
用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの容易性をテ
ストすることによって評価することが可能である。
【0136】 本発明の相補的なリボ核酸分子及びリボザイムは、当分野で周知の方法を用い
て、核酸分子の合成のために作製することができる。これらの方法には、固相ホ
スホラミダイト化合物などのオリゴヌクレオチドを化学的に合成する方法が含ま
れる。別法では、RNA分子がin vitro及びin vivoでLRSPをコードするDNA配列の
転写によって生成され得る、このようなDNA配列はT7またはSP6等の好適なRNAポ
リメラーゼプロモータを用いて、種々のベクターの中に組み入れることが可能で
ある。別法では、相補的なRNAを構成的または誘導的に合成するこれらのcDNA作
製物は、細胞株、細胞、または組織の中に導入することができる。
【0137】 RNA分子を修飾することによって、細胞内の安定性を高め、半減期を長くする
ことができる。可能な修飾には、分子の5’及び/または3’端部でのフランキ
ング配列の追加、または分子のバックボーン内でのホスホジエステラーゼ結合よ
りむしろホスホロチオネート又は2’Oメチルの使用が含まれる、がこれらに限
定されるものではない。PNAの生成に固有のこの概念は、内在性のエンドヌクレ
アーゼによって容易には認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミン、
及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び同様の修飾形態だけでなく
、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)など
の従来のものでない塩基を含めることによって、これらの分子の全体に拡大する
ことができる。
【0138】 ベクターを細胞又は組織に導入する多数の方法が利用でき、in vivoin vitr o 、及びex vivoでの使用に等しく適している。ex vivoでの治療の場合、患者か
ら採取された肝細胞の中にベクターを導入して、自家移植で同じ患者に戻すため
にクローニング増殖される。トランスフェクション、リボソーム注入またはポリ
カチオンアミノポリマーによる運搬は、当分野で周知の方法を用いて実行するこ
とができる(例えば、Goldman, C.K. 他. (1997) Nature Biotechnology 15:462
-66:を参照)。
【0139】 上記したいかなる治療方法も、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサ
ギ及びサルなどの哺乳動物を含む、治療が必要な全ての被験者に適用できる。
【0140】 本発明の別の実施例は、上記した全ての治療効果のために、医学上認められる
担体と共に医薬品或いは無菌組成物の投与に関連する。このような医薬品組成物
は、LRSP、LRSPに対する抗体、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、又はLRSPの
インヒビターなどからなる。この組成物は、単体で、或いは安定剤などの1種類
以上の別の薬剤と共に、無菌の生体適合性医薬品担体に投与することができる。
このような医薬品担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖、及び水などが
含まれるがこれらに限定されるものではない。この組成物は、単独或いは薬物又
はホルモンなどの別の薬剤と共に投与することができる。
【0141】 本発明に用いられる医薬品組成物は、任意の数の経路を用いて投与することも
できる。この経路には、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、クモ膜下腔内
、心室内、経皮性、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、異所性、舌下、または直腸が
含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0142】 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物には、活性化合物を医薬的に使
用可能な薬剤にするのを容易にする、医薬品添加物及び補助剤を含む好適な薬学
的に認められる担体が含まれ得る。製剤及び投与についての詳しい技術について
は、最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing, PA)に
記載されている。
【0143】 経口投与用の医薬品組成物が、経口投与に好適な投与量において当分野で周知
の薬学的に許容される担体を用いて、製剤することができる。このような担体に
より、医薬品組成物が患者が摂取するために、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、
液体、ゲル状、シロップ剤、泥状物、懸濁液として製剤される。
【0144】 経口用に用いられる医薬品は、活性化合物と固体の薬品添加物とを混合し、得
られた顆粒の混合物を処理して、(所望に応じてすりつぶした後)タブレット或
いは糖衣錠コア(dragee cores)にする。好適な医薬品添加物とは、ラクトース
、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類、トウモロコシ、小
麦、米、ジャガイモ、又はその他の植物からのでんぷん、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなどのセルロース、アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム、ゼラチン
及びコラーゲンなどのタンパク質などの炭水化物又はタンパク質賦形剤である。
必要に応じて、例えば、架橋結合したポリビニルピロリドン、かんてん、アルギ
ン酸、またはその塩であるアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤が
加えられる。
【0145】 糖衣錠コアは、濃縮糖溶剤などの好適なコーティングと共に用いられる。この
ような濃縮糖溶剤には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボ
ポルゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタ
ン、ラッカー溶剤、及び好適な有機溶媒または混合溶剤などが含まれ得る。染料
または色素が、製品の識別又は活性化合物の量、即ち薬用量を示すため、錠剤ま
たは糖衣錠に加えられる。
【0146】 経口用に用いられる医薬品製剤には、ゼラチンから作られたプッシュ−フィッ
ト型のカプセル、グリセロールまたはソルビトールなどのコーティングとゼラチ
ンからなる封入されたカプセルが含まれる。プッシュ−フィット型のカプセルに
は、ラクトース又はスターチなどの賦形剤や結合材、タルク又はステアリン酸マ
グネシウムなどの潤滑剤、所望に応じて安定剤と混合された活性処方成分が含ま
れる。ソフトカプセルでは、活性化合物が、安定剤と共に或いは安定剤なしで、
脂肪油、溶液、またはポリエチレングリコール溶液などの好適な溶液に溶解或い
は懸濁され得る。
【0147】 非経口投与用に好適な医薬品剤が、水溶液で製剤されるが、ハンクス液、リン
ガー液、生理緩衝食塩水などの生理学的に適合性のある緩衝剤が好ましい。水性
懸濁注射液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデ
キストランなどの懸濁液の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性化合物の懸
濁液は、好適な油性注入懸濁液として製剤され得る。好適な親水性溶液または媒
体には、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチル、トリグリセリド又はリボソー
ムなどの合成脂肪酸が含まれる。非脂質ポリカチオンアミノポリマーが、運搬目
的で使用される。随意選択により、懸濁液は高濃度の溶液が可能となるよう化合
物の溶解性を高める好適な安定剤または薬剤を含み得る。
【0148】 局部または鼻腔投与のために、特定の障壁に浸透する好適な浸透剤が製剤に用
いられる。このような浸透剤は当業者には周知である。
【0149】 本発明の医薬品組成物は、当分野で周知の方法、例えば従来の混合、溶解、顆
粒化、糖衣化、溶離(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥
処理を用いて製造され得る。
【0150】 医薬品組成物は塩類として製剤され、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等の多くの酸と共に形成可能である。塩分は対
応する遊離塩基系よりも、水溶剤または他のプロトン溶剤に溶けやすい。別の薬
剤の形態には、1mM〜50mMヒスチジン、0.1%〜2%スクロース、及び
2%〜7%マンニトールの幾つか或いは全てを含み、pHの範囲が4.5〜5.
5であり、使用前に緩衝剤と結合する凍結乾燥粉末を用いることができる。
【0151】 医薬品組成物が調合された後、それらは適当な箱に詰められ、指定した症状の
薬としてラベルが貼られる。LRSPの投与のため、このようなラベルには、量、頻
度、及び投与の方法が含まれるであろう。
【0152】 本発明に用いる好適な医薬品組成物には、目的を達成するため、効果的な量の
活性処方成分を含む組成物が含まれる。当業者は、自分の能力で十分に効果的な
服用量を決めることができる。
【0153】 どのような組成物であっても、治療に効果的な薬用量は、初めは、例えば腫瘍
細胞の腫瘍細胞アッセイで、或いは動物モデルのどちらかで推定することができ
る。通常、動物モデルには、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタなどが用いられる
。動物モデルはまた、好適な濃縮範囲及び投与の経路を決めるのに用いることが
できる。このような治療をもとに、ヒトへの有益な薬用量及び投与経路を決定す
ることができる。
【0154】 医学的に効果的な薬用量は、症状や容態を回復させる、たとえばLRSP又はその
断片、LRSPの抗体、LRSPのアゴニストまたはアンタゴニスト、インヒビターなど
の活性処方成分の量に関連する。薬用有効度及び毒性は、たとえば、ED50(服
用に対して集団の50%に医薬的効果がある)またはLD50(服用に対して集団
の50%に致命的である)統計を計算するなど、細胞培養または動物実験におけ
る標準的な薬剤手法によって決定することができる。毒性効果と治療効果との薬
用量比は治療指数であり、LD50/ED50と示すことができる。高い治療指数を
示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデー
タが、ヒトへの適用のために、薬用量の範囲を調剤するのに用いられる。このよ
うな組成物が含まれる薬用量は、毒性を殆ど或いは全く含まず、ED50を含む血
中濃度の範囲であることが望ましい。薬用量は、用いられる投与形態及び患者の
感受性、投与の経路によって、この範囲内で様々である。
【0155】 正確な薬用量は、治療が必要な患者に関する要素を考慮して、実務者によって
決められるであろう。薬用量及び投与は、効果的なレベルの活性成分を与えるた
め或いは所望の効果を維持するために調節される。薬用量の要素として考慮され
るものには、疾患の重症度、患者の一般的な健康状態、年齢、体重、及び患者の
性別、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感受性、及び治療に対する応答
が含まれる。作用器官が長い医薬品組成物は、三日か四日に一度、一週間に一度
、二週間に一度、特定の製剤の半減期及びクリアランス率によって左右され、投
与され得る。
【0156】 通常の薬用量は投与の経路によって異なるが、約0.1〜100,000μg
までの最大約1グラムまでである。特定の薬用量及び運搬の方法に関するガイダ
ンスは文献に記載されており、一般に当分野の実務者はそれを利用することがで
きる。当業者は、タンパク質またはインヒビターとは異なったヌクレオチドの製
剤を利用するであろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの運搬は、
特定の細胞、状態、位置などに対して特異的であろう。
【0157】 (診断) 別の実施例では、LRSPに特異的に結合する抗体が、LRSPの発現によって特徴付
けられる疾患の診断、またはLRSPやLRSPのアゴニストまたはアンタゴニスト、イ
ンヒビターで治療を受けている患者をモニターするためのアッセイに用いられる
。診断に有用な抗体は、治療のところで記載した方法と同じ方法で製剤される。
LRSPの診断アッセイには、抗体及び標識を用いてヒトの体液或いは細胞や組織か
ら採取されたものからLRSPを検出する方法が含まれる。これらの抗体は、修飾を
して或いはしないで使用され、レポーター分子の共有結合性或いは非共有結合性
の接着によって標識化され得る。当分野で周知の種々のレポーター分子が用いら
れるが、その内の幾つかは上記した。
【0158】 LRSPを測定するためのELISA,RIA,及びFACSを含む種々のプロトコルは、当分
野では周知であり、変わった或いは異常なレベルのLRSPの発現を診断する元とな
るものを提供する。正常或いは標準的なLRSPの発現の値は、複合体の形成に適し
た条件の下、正常な哺乳動物、例えばヒトなどの被験者から採取した体液または
細胞とLRSPに対する抗体とを結合させることによって決定する。標準的な複合体
形成の量は、測光法(photometric)などの種々の方法で定量され得る。被験者
のLRSPの発現の量、制御及び疾患、生検組織からのサンプルが標準値と比較され
る。標準値と被験者との間の偏差が、疾患を診断するパラメーターとなる。
【0159】 別の実施例によれば、LRSPをコードするポリヌクレオチドを診断のために用い
ることもできる。用いられるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列、
相補的なRNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。このポリヌクレオチドを用いて
、疾患と相関し得るLRSPを発現する生検組織における遺伝子の発現を検出し定量
する。この診断アッセイを用いて、LRSPの不在、存在、及び過度の発現を調べ、
治療中のLRSPレベルの制御を監視する。
【0160】 ある実施形態では、LRSPまたは近縁の分子をコードする遺伝子配列を含むポリ
ヌクレオチド配列を検出可能なPCRプローブを用いたハイブリダイゼーションに
よって、LRSPをコードする核酸配列を同定することが可能である。例えば5'調
節領域である高度に特異的な領域か、例えば保存されたモチーフであるやや特異
性の低い領域から作られているかのプローブの特異性と、ハイブリダイゼーショ
ン或いは増幅のストリンジェントは、プローブがLRSPをコードする自然界の配列
のみを同定するかどうか、或いはアレルや関連配列コードする自然界の配列のみ
を同定するかどうかによって決まるであろう。
【0161】 プローブはまた、関連する配列の検出に利用され、LRSPをコードする任意の配
列と少なくとも50%の配列同一性を有し得る。目的の本発明のハイブリダイゼ
ーションプローブには、DNAあるいはRNAが可能であり、SEQ ID NO:2の配列、或
いはLRSP遺伝子のプロモーター、エンハンサー、イントロンを含むゲノム配列に
由来し得る。
【0162】 LRSPをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブの作
製方法には、LRSP及びLRSP誘導体をコードするポリヌクレオチド配列をmRNAプロ
ーブの作製のためのベクターにクローニングする方法がある。このようなベクタ
ーは市販されており、当業者には周知であり、好適なRNAポリメラーゼ及び好適
な標識されたヌクレオチドを加えることによって、in vitroでRNAプローブを合
成するために用いられる。ハイブリダイゼーションプローブは、例えば32P或
いは35Sなどの放射性核種、或いはアビジン/ビオチン(biotin)結合系によ
ってプローブに結合されたアルカリホスファターゼなどの酵素標識等の種々のレ
ポーターの集団によって標識され得る。
【0163】 LRSPをコードするポリヌクレオチド配列を用いて、LRSPの発現に関連する疾患
を診断することが可能である。限定するものではないが、このような疾患の例に
は、腫瘍性疾患が含まれ、その中には腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫
、肉腫、奇形癌などがあり、詳しくは副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、
胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、
陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌が含ま
れ、また、自己免疫異常/炎症性疾患も含まれ、その中には後天性免疫不全症候
群(AIDS)及び副腎機能不全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎
、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血
、自己免疫性甲状腺炎、気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー
性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、
赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛
風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、多発性
硬化症、重症筋無力症、心筋又は心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう症、膵炎、多
発性筋炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症
候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小
板減少症、潰瘍性大腸炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環と
、ウィルス感染症及び細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原虫感染症、蠕
虫の感染症、外傷が含まれ、また、感染症が含まれ、その中には、肺炎球菌及び
ブドウ球菌、連鎖球菌、桿菌、コリネバクテリウム、クロストリジウム属、髄膜
炎菌、淋菌、リステリア、モラクセラ属、キンゲラ、ヘモフィルス属、レジオネ
ラ、ボルデテラ、グラム陰性腸内細菌(赤痢菌属及びサルモネラ、カンピロバク
ターを含む)、シュードモナス、ビブリオ属、ブルセラ、フランシセラ、エルシ
ニア、バルトネラ、norcardium、アクチノミセス、ミコバクテリア、スピロヘタ
ーレス、リケッチア、クラミジア、マイコプラズマに分類される細菌病原体によ
る感染症と、コウジカビ及びブラストマイセス、皮膚糸状菌、クリプトコッカス
、コクシジオイデス、malasezzia、ヒストプラスマ、及び様々な真菌症を引き起
こすその他の真菌病原体に分類される真菌病原体による感染症とが含まれる。LR
SPをコードするポリヌクレオチド配列は、サザーン法やノーザン法、ドットブロ
ット法、或いはその他の膜系の技術、PCR法、ディップスティック(dipstick)
、ピン(pin)、ELISA式アッセイ、及び変異LRSPの発現を検出するために患者か
ら採取した体液或いは組織を利用するマイクロアレイに使用することが可能であ
る。このような質的或いは量的方法は、当分野では周知である。
【0164】 特定の形態において、LRSPをコードするヌクレオチド配列は、関連する疾患、
特に上記した疾患を検出するアッセイにおいて有用であろう。LRSPをコードする
ヌクレオチド配列は、標準的な方法で標識化され、ハイブリダイゼーション複合
体の形成に好適な条件の下、患者から採取した体液或いは組織のサンプルに加え
ることができるであろう。好適な培養期間の後、サンプルを洗浄し、シグナルを
定量して標準値と比較する。患者のサンプルのシグナルの量が、制御サンプルと
較べて著しく変わっている場合は、サンプル内のLRSPをコードするヌクレオチド
配列の変異レベルにより、関連する疾患の存在が明らかになる。このようなアッ
セイを用いて、動物実験、臨床試験、或いは個人の患者の治療を監視における、
特定の治療効果を推定することが可能である。
【0165】 LRSPの発現に関連する疾患の診断の基準となるものを提供するために、正常あ
るいは標準的な発現の概要が確立される。これは、ハイブリダイゼーション或い
は増幅に好適な条件の下、動物或いはヒトの何れかの正常な被験者から抽出され
た体液或いは細胞と、LRSPをコードする配列或いはその断片とを結合させること
により達成され得る。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な被験者から得
た値と周知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用いられる実験からの
値とを比較することによって定量可能である。正常なサンプルから得た標準的な
値を、疾患の症状を示す被験者から得た値と比較可能である。標準値と被験者の
値との偏差を用いて疾患の存在を確定する。
【0166】 疾患の存在が確定され治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーショ
ンアッセイを通常ベースで繰り返して、被験者における発現のレベルが正常な患
者に示される値に近づき始めたかどうかを推定することが可能である。繰り返し
行ったアッセイの結果を、数日から数ヶ月の期間の治療の効果を見るのに用いる
ことができる。
【0167】 癌では、個体からの生体組織における異常な量の転写物が、疾患の発生の素因
を示し、また実際に臨床的症状が出る前に疾患を検出する方法を提供することが
可能である。この種のより明確な診断により、医療の専門家が予防方法或いは積
極的な治療法を早くから利用して、癌の発生または進行を防ぐことが可能となる
【0168】 LRSPをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断への
利用には、PCRの利用が含まれ得る。このようなオリゴマーは、化学的な合成、
酵素を用いた生成、或いはin vitroで生成され得る。オリゴマーは、好ましくは
LRSPをコードするポリヌクレオチドの断片、或いはLRSPをコードするポリヌクレ
オチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、最適な条件の下、特定の遺伝
子や条件を識別するために利用される。また、オリゴマーは、やや緩いストリン
ジェントな条件の下、近縁のDNA或いはRNA配列の検出及び/または定量のため用
いることが可能である。
【0169】 LRSPの発現を定量するために用いられ得る方法には、ヌクレオチドの放射標識
或いはビオチン標識、調節核酸の相互増幅(coamplification)、及び標準的な
曲線に結果が加えられたものが含まれる(例えば、Melby, P.C.等(1993) J. Imm
unol. Methods, 159:235-44;Duplaa, C.等(1993) Anal. Biochem. 229-236を参
照)。多数のサンプルの定量速度は、目的のオリゴマーが種々の希釈液に含まれ
、分光光度法或いは非色応答によって定量が迅速な高スループット型のアッセイ
を用いることで加速された。
【0170】 別の実施例では、本明細書で記載した任意のポリヌクレオチド配列由来のオリ
ゴヌクレオチドまたはそれより長い断片を、マイクロアレイにおける標的として
用いる。マイクロアレイを用いて、同時に極めて多くの遺伝子の発現レベルを監
視し、遺伝子の変異、突然変異及び多形性を識別する。この情報は、遺伝子機能
の決定、疾患の遺伝的根拠の解釈、疾患の診断、及び治療薬剤の活性の監視及び
開発に有用である。
【0171】 当分野で周知の方法でマイクロアレイを準備して使用し、分析する。(例えば
、Brennan, T.M. 他 (1995) 米国特許第5,474,796号;Schena, M. 他 (1996) Pro
c. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweiler 他(1995) PCT出願番号W
O95/251116; Shalon, D.他 (1995) PCT出願番号WO95/35505; Heller, R.A. 他(1
997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155; 及び Heller, M.J. 他 (1997) 米
国特許第5,605,662号を参照) 本発明の別の実施例ではまた、LRSPをコードする核酸配列を用いて、自然発生
のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブを生
成することが可能である。この配列は、以下のものに対してマッピングされる。
特定の染色体、染色体の特定領域または人工生成の染色体、例えば、ヒト人工染
色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、細菌P1生成
物或いは単一染色体cDNAライブラリである。(例えば、Harrington, 1.3. 他 (1
997) Nat Genet. 15:345-355; Price, C.M. (1993) Blood Rev. 5−87-134, 及
びTrask, B.J. (1991) Trends Genet. 7:149-154を参照) in sit蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッピング
技術及び遺伝マップデータと相関するであろう(例えば、Heinz-Ulrich, 他によ
る(1995) in Meyers, 前出, pp. 965-968.を参照)。遺伝子マップデータの例は
、種々の科学誌あるいはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)のワー
ルドワイドウェブのサイトで見付けることができる。物理的な染色体マップ上の
LRSPをコードする遺伝子の位置と特定の疾患との相関性、或いは特定の疾患に対
する素因が、このような疾患と関係するDNAの領域を決定するのに役立つ。本発
明のヌクレオチド配列を用いて、正常者と、保有者、及び感染した者との遺伝子
配列における違いを検出することもある。
【0172】 染色体標本のin sitハイブリダイゼーション、及び確定した染色体マーカーを
用いた結合分析などの物理的マッピング技術を用いて、遺伝子マップを拡張する
こともできる。マウスなどの別の哺乳動物の染色体上での遺伝子の配置により、
たとえ特定のヒト染色体の数或いはアームが分かっていなくても、関連するマー
カーが明らかになることが多い。新規の配列を、物理的なマッピングによって、
染色体アームに割り付けることもできる。このことは、位置クローニング或いは
別の遺伝子発見技術を用いて遺伝的疾患の研究をしている研究者にとって、価値
ある情報である。疾患或いは症候群の位置が、例えば血管拡張性失調症の11q22-
23などの特定の遺伝子領域に遺伝子結合によって大まかに決定されると、その領
域に対するどの配列マッピングも、さらなる調査のための関連する遺伝子或いは
調節遺伝子を表す(例えば、Gatti, R.A.他による(1988)Nature 336:577-580
を参照)。また、目的の本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者、保有者、
即ち感染者の間の、転位置、反転などによる染色体位置の違いを検出することも
ある。
【0173】 本発明の別の実施例では、LRSP、その触媒作用断片或いは免疫原断片またはそ
のオリゴペプチドを、種々の任意の薬剤スクリーニング技術における化合物のラ
イブラリのスクリーニングに用いることができる。このようなスクリーニングに
用いる断片は、溶液に遊離、固体支持物に固定、細胞の表面上に保持、或いは細
胞内に存在する。LRSPとテストされる薬剤との複合体を結合することによる形成
は計測されることもある。
【0174】 薬剤スクリーニングに用いる別の方法は、目的のタンパク質に対して、好適な
結合親和性を有する化合物のスクリーニング処理能力を高めるために用いられる
(例えば、Geysen,他による(1984) PCT出願番号 WO84/03564を参照)。この方法
では、相当な数の異なる小さな試験用化合物が、プラスチックピン或いは他の基
板の上に合成される。試験用化合物は、LRSP、或いはその断片と反応してから洗
浄される。次ぎに、結合されたLRSPが、当分野で周知の方法で検出される。精製
されたLRSPはまた、前記した薬剤をスクリーニングする技術に用いられるプレー
ト上で直接被覆することもできる。別法では、非中和抗体を用いて、ペプチドを
捕らえ、固体支持物に固定することもできる。
【0175】 別の実施例では、LRSPと結合可能な中和抗体がLRSPと結合するため試験用化合
物と特に競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイを用いることができる。
この方法では、抗体が、LRSPと1つ以上の抗原決定因子を共有するどのペプチド
の存在も検出する。
【0176】 別の実施例では、発展途上の分子生物学技術にLRSPをコードするヌクレオチド
配列を用いて、限定はされないが、現在知られているトリプレット暗号及び特異
的な塩基対相互作用などのヌクレオチド配列の特性に依存する新しい技術を提供
することができる。
【0177】 当分野の技術者であれば、更なる説明がなくても前述の説明だけで最大限に本
発明を利用できるであろう。したがって、以下に記載する実施例は、例示目的で
あって本発明を限定するものではない。
【0178】 前出及び以下に記載した全ての特許出願、特許、刊行物、特に米国出願通し番
号60/155,209に言及することをもって本明細書の一部とする。
【0179】 (実施例) 1 cDNAライブラリーの作製 BRSTNOT14ライブラリーは、62歳の白人女性の片側拡大単純乳房切断術の際に
乳房組織から単離したRNAを用いて作製した。関連する病変腫瘍組織は、浸潤性グ
レード(4の)3、核グレード(3の)3の腺癌を示していた。患者の病歴には、良
性結腸腫瘍、高脂血症、心律動異常及び肥満症が含まれていた。家族歴には、心
臓血管及び脳血管障害並びに結腸、卵巣及び肺の癌が含まれていた。
【0180】 凍結組織はBrinkmann Homogenizer Polytron PT-3000(Brinkmann Instrument
s, Westbury, NY)を用いて、Trizol reagent(1mg tissue/10ml TRIZOL; Life
Technologies)、フェノール及びグアニジンイソチオシアネートの単相性の溶液
にホモジナイズして溶解した。氷上で短時間インキュベートした後、クロロホル
ムを加えて(1:5 v/v)溶解物を遠心分離した。クロロホルムの上層を新しい管
に移し、RNAをイソプロパノールで抽出し、DEPC処理した水に再懸濁させ、37℃
で25分間かけてDNアーゼで処理した。
【0181】 RNAのフェノール抽出および沈殿を必要な回数繰り返してRNAの純度を高めた。
場合によっては、RNAをDNアーゼで処理した。殆どのライブラリーでは、オリゴd
(T)結合常磁性粒子(Promega)、OLIGOTEXラテックス粒子(QIAGEN, Chatsworth
CA)又はOLIGOTEX mRNA精製キット(QIAGEN)を用いてポリ(A+) RNAを単離した
。或いは、例えばPOLY(A)PURE mRNA精製キット(Ambion, Austin TX)等の別のR
NA単離キットを用いてRNAを組織溶解物から直接単離した。
【0182】 場合によっては、Stratagene社にRNAを提供して対応するcDNAライブラリーを
作製した。そうでない場合は、UNIZAPベクターシステム(Stratagene)又はSUPE
RSCRIPT プラスミドシステム(Life Technologies)を用いて当業者に周知の推
奨された方法若しくは類似の方法でcDNAを合成してcDNAライブラリーを作製した
。(例えば、Ausubel, 1997,前出, units 5.1-6.6を参照)。オリゴd(T)又はラン
ダムプライマーを用いて逆転写を開始した。合成オリゴヌクレオチドアダプター
を2本鎖cDNAに結合させて、単一若しくは複数の適切な制限酵素でcDNAを消化し
た。殆どのライブラリーについて、SEPHACRYL S1000、 SEPHAROSE CL2B若しくは
SEPHAROSE CL4Bカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech)又は
分離用のアガロースゲル電気泳動法によってcDNAの大きさ(300〜1000bp)を選
択した。例えば、PBLUESCRIPTプラスミド (Stratagene)、PSPORT1プラスミド
(Life Technologies)又はpINCY(Incyte Pharmaceuticals Inc., Palo Alto C
A) 等の適切なプラスミドのポリリンカーの適合性制限酵素部位にcDNAを結合さ
せた。組換えプラスミドを、例えば、XL1-Blue、XL1-BlueMRF若しくはSOLR(Str
atagene)又はDH5α、DH10B若しくはElectroMAX DH10B (Life Technologies)
等のコンピテントE.coli細胞に形質転換した。
【0183】 2 cDNAクローンの単離 UNIZAPベクターシステム(Stratagene)又は細胞溶解を利用して、in vivo
の切り出しによって宿主細胞からプラスミドを回収した。Magic若しくはWIZARD
Minipreps DNA精製システム(Promega);AGTC Miniprep精製キット(Edge Bios
ystems, Gaithersburg MD);及びQIAWELL 8 Plasmid、QIAWELL 8 Plus Plasmid
、QIAWELL 8 Ultra Plasmid 精製システム又はR.E.A.L. PREP 96プラスミド精製
キット(QIAGEN)のうちの少なくとも1つを用いてプラスミドを精製した。沈殿
の後、プラスミドを0.1mlの蒸留水に再懸濁して、凍結乾燥して或いは凍結乾燥
しないで4℃で保管した。
【0184】 或いは、高スループットフォーマットの直接結合PCR法によって、宿主細胞溶
解物からプラスミドDNAを増幅した(Rao, V.B. (1994) Anal. Blochem. 216:1-1
4)。宿主細胞の溶解及び熱サイクリング過程を単一反応混合液で実施した。サ
ンプルを処理して384ウエルプレートで保管し、増幅したプラスミドDNAの濃度を
PICOGREEN色素(Molecular Probes, Eugene, OR)及びFLUOROSKAN II蛍光スキャ
ナー(Labsystems Oy, Helsinki, Finland)を用いて蛍光定量的に測定した。
【0185】 3 配列決定および分析 cDNAシークエンシング反応は、標準的な方法或いはABI CATALYST 800 (Perki
n-Elmer)thermal cycler若しくはPTC-200 thermal cycler(MJ Research)等の
高スループットの機器とHYDRAマイクロディスペンサー(Robbins Scientific)
若しくはMICROLAB 2200(Hamilton)liquid transfer systemとを共に用いて処
理した。cDNAシークエンシング反応は、Amersham Pharmacia Biotech社によって
提供された試薬か、又はABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencing ready
reaction kit(Perkin-Elmer)のようなABIシークエンシングキットに供給され
た試薬を用いて準備した。cDNAシークエンシング反応の電気泳動的な分別および
標識したポリヌクレオチドの検出は、MEGABACE 1000 DNAシークエンシングシス
テム(Molecular Dynamics);ABI PRISM 373若しくは377シークエンシングシス
テム(Perkin-Elmer)と標準的なABIプロトコル及び塩基対呼び出しソフトウェ
アとの組合せ;又は当業者に周知の他の配列分析システムを用いて実施した。cD
NA配列中の読み枠は、標準的な方法を用いて識別した(Ausubel, 1997, 前出, u
nit 7.7のレビュー)。cDNA配列の幾つかを選択して、本実施例の5に記載した
方法で伸長した。
【0186】 周知のアルゴリズムを利用するソフトウェアプログラムを組合せて用いて、cD
NAシークエンシングから得られたポリヌクレオチド配列を構築および分析した。
表1は、利用したツール、プログラム、及びアルゴリズムの概要、並びに適切な
説明、引用文献、及び閾値パラメータを示す。表1の第1列は用いたツール、プ
ログラム、及びアルゴリズムであり、第2列はそれらの簡単な説明であり、第3列
は引用文献(それらの全てはここで言及することにより本明細書の一部とする)
であり、第4列は2つの配列間の一致の程度の評価に用いた適切なスコア、確率値
、及び他のパラメータである(スコアが高いほど2つの配列間の相同性が高い)
。配列は、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software Engineering, South
San Francisco CA)及びLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いて分析した
。ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列アライメントは、整列した配列間の同
一性%を計算するMEGALIGNマルチシーケンス・アライメント・プログラム(DNAST
AR)に組込まれたclustalアルゴリズムによって指定されたデフォルトのパラメ
ータを用いて作成した。
【0187】 ポリヌクレオチド配列の確証は、BLAST、動的計画法及びジヌクレオチド最近
接分析に基づいたプログラム及びアルゴリズムを用いて、ベクター、リンカー及
びポリA配列を取除き、多義性の塩基対をマスクすることによって実施した。次
に、配列をBLAST、FASTA及びBLIMPSに基づくプログラムを用いてGenBankの霊長
類、げっ歯類、哺乳類、脊椎動物及び真核生物のデータベースや、BLOCKS、PRIN
TS、DOMO、PRODOM及びPFAM等の公共のデータベースでから選択した配列に対して
問合わせて注釈を得た。Phred、Phrap及びConsedに基づくプログラムを用いて配
列を完全長のポリヌクレオチドに構築し、GeneMark、BLAST及びFASTAに基づいた
プログラムを用いて読み枠にスクリーニングした。完全長のポリヌクレオチド配
列を翻訳して対応する完全長のアミノ酸配列を引き出し、続いてその完全長のポ
リヌクレオチド配列をGenBankデータベース(前述)、SwissProt、BLOCKS、PRIN
TS、DOMO、PRODOM、Prosite及び隠れマルコフモデル(HMM)に基づくPFAMなどの
タンパク質ファミリーデータベースに問い合わせることによって分析した。HMM
は、遺伝子ファミリーの共通一次構造を解析する確率的アプローチである(例え
ば、Eddy, S.R. (1996) Cur. Opin. Str. Biol. 6:361-365を参照)。
【0188】 完全長のポリヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の構築および分析のための上
述のプログラムは、SEQ ID NO:2からのポリヌクレオチド配列の断片の同定にも
使用した。ハイブリダイゼーション及び増幅に有用な約20から約4000までのヌク
レオチドの断片については、前述の「発明」の部分で説明した。
【0189】 4 ノーザン解析 ノーザン解析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技
術であり、特定の細胞種或いは組織に由来するRNAが結合しているメンブレンと
、標識されたヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションに関わる(例えば、
Sambrookら、前出, ch.7;並びにAusubel, F.M.ら前出, ch.4および16参照)。
【0190】 BLASTを使用する類似のコンピュータ技術を用いて、GenBank或いはLIFESEQ(I
ncyte Pharmaceuticals)等のヌクレオチドデータベース内の同一或いは関連す
る分子を検索する。この分析は、多くのメンブレンをベースとしたハイブリダイ
ゼーションに比べてより高速である。さらにコンピュータ検索の感度を変更して
、任意の特定の一致が、厳密な一致或いは類似の何れとして分類されるかを決定
することができる。
【0191】 検索の基準は、以下で定義される積スコア(product score)である。 (配列一致%×最大BLASTスコア%)/100 積スコアは、2つの配列間の類似の程度および配列一致の長さの両方を考慮に入
れる。例えば、積スコア40の場合、その一致は1〜2%誤差の範囲内の正確さであり
、積スコア70の場合は正確な一致となる。類似の分子は通常15〜40間の積スコア
を示す分子を選択することにより同定されるが、それより低いスコアでは関連し
た分子として同定される。
【0192】 ノーザン解析の結果は、LRSPをコードする転写物が発生したライブラリーの割
合の分布として報告される。分析には、器官/組織および疾患によるcDNAライブ
ラリーの分類が含まれる。器官/組織の分類には、心血管、皮膚、発生、内分泌
、胃腸、造血/免疫、筋骨格、神経、生殖及び泌尿器が含まれる。疾病/症状の
分類には、癌、炎症/心的外傷、細胞増殖、神経及び貯留(pooled)が含まれる。
各カテゴリーについて、目的の配列を発現するライブラリーを数えて、カテゴリ
ー全体にわたるライブラリーの合計数で割った。各組織に特異的な発現ならびに
疾病、疾患若しくは症状に特異的な発現の割合を前述の「発明」の項に示した。
【0193】 5 LRSPをコードするポリヌクレオチドの伸長 SEQ ID NO:2の完全長の核酸配列は、完全長分子の適切な断片を伸長してこの
断片から設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて生成した。一方のプラ
イマーは既知の断片の5'の伸展を開始するために合成し、他方のプライマーは既
知の断片の3'の伸展を開始するために合成した。開始プライマーは、OLIGO 4.06
ソフトウェア(National Biosciences)或いは他の適切なプログラムを用いて、
約22〜30個のヌクレオチドからなる長さであって50%以上のGC含有物を有し、且
つ約68〜72℃の温度で標的配列にアニーリングするようにcDNAから設計した。ヘ
アピン構造及びプライマー−プライマー2量体を生ずるようなヌクレオチドの如
何なる伸長も回避した。
【0194】 選択されたヒトcDNAライブラリーを用いてこの配列を伸長した。2段階以上の
伸長が必要であるか、又は望ましい場合には、プライマーの付加的な或いはネス
トした組を設計する。
【0195】 当業者に周知の方法を利用したPCR法で高い忠実度の増幅を実施した。PCRは、
PTC-200 thermal cycler(MJ Research, Inc.)用いて96ウェルプレートにおい
て行った。反応混合液には、DNA鋳型、200nmolの各プライマーと、Mg2+、(NH4)2 SO4及びβ−メルカプトエタノールを含む反応緩衝液と、Taq DNAポリメラーゼ(
Amersham Pharmacia Biotech)と、ELONGASE酵素(Life Technologies)と、Pfu
DNAポリメラーゼ(Stratagene)とが含まれる。プライマーの組PCI A及びPCI B
に対して以下のパラメータを用いた。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 或いは、プライマーの組T7及びSK+に対して以下のパラメータを用いた。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 57℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 各ウェルのDNA濃度は、0.5μlの希釈していないPCR生成物及び1X TEに溶解し
た100μlのPICOGREEN定量試薬(0.25% (v/v) PICOGREEN; Molecular Probes, Eu
gene OR)を不透明な蛍光光度計プレート(Coming Costar, Acton MA)の各ウェ
ルに分配し、DNAが試薬と結合可能なようにして測定した。このプレートをFluor
oskan II (Labsystems Oy, Helsinki, Finland)でスキャンして、サンプルの
蛍光を計測し、またDNA濃度を定量化する。反応混合物の5〜10μlの一定分量を1
%のアガロースミニゲル上での電気泳動法によって解析し、何れの反応物が配列
の伸長に成功したかを決定する。
【0196】 伸長したヌクレオチドを脱塩および濃縮し、384ウェルプレートに移し、CviJI
コレラウィルスエンドヌクレアーゼ(Molecular Biology Research, Madison WI
)で消化し、pUC 18ベクター(Amersham Pharmacia Biotech)に再連結する前に
音波処理またはせん断を実施した。ショットガン配列決定のために、消化したヌ
クレオチドを低濃度(0.6〜0.8%)のアガロースゲル上に分離し、断片を切除し
、寒天をAgar ACE(Promega)で消化した。伸長したクローンをT4リガーゼ(New
England Biolabs, Beverly MA)を用いてpUC 18ベクター(Amersham Pharmacia
Biotech)に再連結し、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)で処理して制限部
位のオーバーハングを満たし、更にコンピテントE.coli細胞に形質移入した。形
質移入した細胞を抗生物質を含む培地において選択し、個々のコロニーを選択し
てLB/2X carb培養液の384ウェルプレートに37℃で終夜培養した。
【0197】 細胞を溶解し、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)及びPfu
DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて以下のパラメータでDNAをPCR増幅した
。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 72℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を29回繰り返す ステップ6 72℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 前述のようにPICOGREEN試薬(Molecular Probes)でDNAを定量化した。DNA回収
率の低いサンプルは、上記の条件で再度増幅した。サンプルを20%のジメチルス
ルホキシド(dimethysulphoxide)(1:2, v/v)で希釈し、DYENAMIC energy trans
fer sequencingプライマー並びにDYENAMIC DIRECTキット(Amersham Pharmacia
Biotech)若しくはABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencing ready reac
tion kit(Perkin-Elmer)を用いて配列決定した。
【0198】 同様に、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列を使用し、上記手順、5’伸長用に設
計されたオリゴヌクレオチド、及び適切なゲノムライブラリーを用いて5’調節
配列が得られる。
【0199】 6 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 SEQ ID NO: 2から得られたハイブリダイゼーションプローブを用いて、cDNA、
ゲノムDNA又はmRNAをスクリーニングする。約20の塩基対からなるオリゴヌクレ
オチドの標識について特に記載するが、より大きなヌクレオチド断片にも概ね同
じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、OLIGO4.06ソフトウェア(National Bi
osciences)のような当技術分野のソフトウエアを用いて設計し、50pmolの各オ
リゴマー、250μCiの[γ-32P]アデノシン3リン酸 (Amersham Pharmacia Biotec
h)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN, Boston MA)を結びつけるこ
とにより標識する。標識されたオリゴヌクレオチドを、SEPHADEX G-25超微細分
子サイズ排除デキストランビーズカラム(Amersham Pharmacia Biotech)を用い
て実質的に精製する。毎分107カウントの標識されたプローブを含むアリコット
を、以下のエンドヌクレアーゼ、即ちAse I、Bgl II、Eco RI、Pst I、Xba1又は
Pvu II(DuPont NEN)の中の1つで消化されたヒトゲノムDNAの典型的なメンブレ
ンに基づくハイブリダイゼーション解析に用いる。
【0200】 各消化物からのDNAを、0.7%アガロースゲルに上で分画して、ナイロンメンブ
レン(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に移す。ハイブリダイ
ゼーションは40℃で16時間かけて実施する。非特異的シグナルを除去するために
、0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまでの徐々に
ストリンジェントを増す条件下で、ブロットを室温にて順次洗浄する。ハイブリ
ダイゼーションパターンをオートラジオグラフィー若しくは代替イメージング手
段を用いて視覚化して比較する。
【0201】 7 マイクロアレイ 化学的結合プロシージャ及びインクジェット装置を用いることにより、基板の
表面上でアレイエレメントを合成することができる。(例えば、Baldeschweiler
, 前出 参照)。また、ドットブロット又はスロットブロット法に類似の所定の
アレイを用いて、熱、UV、化学的もしくは機械的結合プロシージャを利用して、
基板の表面にエレメントを配置及び結合させてもよい。標準的なアレイは、手製
で或いは手近な方法及び機械を用いて製作でき、また任意の適切な数のエレメン
トを含む。ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイズしていないプローブを取
除き、スキャナーを用いて蛍光のレベル及びパターンを判定する。マイクロアレ
イ上のエレメントとハイブリダイズする各プローブの相補性の度合及び相対的な
存在量は、スキャナーで読取られた画像を解析することにより評価する。
【0202】 完全長cDNA、発現された配列タグ(ESTs)、又はそれらの断片は、マイクロア
レイのエレメントを含み得る。ハイブリダイゼーションに適した断片は、当業者
に周知のLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)のようなソフトウェアを用いて選択
可能である。本発明のヌクレオチド配列の1つに対応する完全長cDNA、EST、若し
くはそれらの断片を、又は本発明に関連するcDNAライブラリーから無作為に選択
されたものを、例えばスライドガラスのような適切な基板に配置する。そのcDNA
を、例えばUV架橋の後に熱的および化学的に処置し、さらに乾燥することによっ
て、スライドガラスに固定する(例えば、Schena, M.ら (1995) Science 270:46
7-470; 並びにShalon, D.ら(1996) Genome Res. 6:639-645参照)。蛍光プロー
ブを作製し、基板上のエレメントとのハイブリダイゼーションに用いる。基板は
前述の方法によって解析する。
【0203】 8 相補的ポリヌクレオチド LRSPをコードする配列に相補的な配列、或いはその任意の一部を、自然発生LR
SPの発現を検出し、低下させる、即ち抑制するために用いる。約15〜30塩基対を
含むオリゴヌクレオチドの使用について記載するが、より小さな、或いはより大
きな配列フラグメントの場合でも本質的に同じ方法が用いられる。OLIGO 4.06ソ
フトウェア及びLRSPのコーディング配列を用いて適切なオリゴヌクレオチドを設
計する。転写を抑制するために、相補オリゴヌクレオチドを最も独特な5’配列
から設計してコーディング配列へのプロモーターの結合を防止するために用いる
。翻訳を抑制するために、相補的なオリゴヌクレオチドを設計してLRSPをコード
する転写物へのリボソームの結合を防ぐ。
【0204】 9 LRSPの発現 LRSPの発現及び精製は、細菌またはウイルスに基づく発現系を用いて実施され
る。細菌におけるLRSPの発現の場合、抗菌性の耐性遺伝子とcDNAの転写レベルを
高める誘導性のプロモーターとを含む適切なベクターにcDNAをサブクローニング
する。このようなプロモーターの例としては、以下に限定しないが、lacオペレ
ーター調節エレメントに関連するT5またはT7バクテリオファージプロモーター及
びtrp-lac(tac)ハイブリッドプロモーターが挙げられる。組換えベクターを、BL
21(DE3)などの適切な細菌性の宿主に形質転換する。抗生物質耐性菌が、イソプ
ロピルβ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)での誘発によりLRSPを発現する。
真核生物の細胞におけるLRSPの発現は、昆虫または哺乳動物の細胞株に、一般に
バキュロウイスルスとして知られているAutographica californica核多角体ウイ
ルス(AcMNPV)を感染させることによって行う。バキュロウイルスの非必須ポリ
ヘドリン遺伝子を、相同的組換え又は転移プラスミド中間体を含む細菌媒介の遺
伝子転移の何れかによって、LRSPをコードするcDNAと置換する。ウイルスの感染
力は維持され、強力なポリヘドリンプロモータによって高レベルのcDNAの転写が
行われる。多くの場合、組換え型バキュロウイルスは、Spodoptera frugiperda
(Sf9)昆虫細胞の感染に用いられるが、場合によっては、ヒト肝細胞の感染に
も用いられる。後者の感染には、バキュロウイルスに対する更なる遺伝的変更が
必要となる。(例えば、Engelhard. E. K.ら(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 91:3224-3227; Sandig, V.ら(1996) Hum. Gene Ther. 7:1937-1945を参照)。
【0205】 殆どの発現系において、LRSPは、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(G
ST)、またはFLAG若しくは6-His等のペプチドエピトープ標識で融合タンパク質
として合成され、粗製の細胞溶解物からの組換え型融合タンパク質の親和性ベー
スの精製を迅速に1段階で行うことができる。Schistosoma japonicumからの26キ
ロダルトンの酵素のGSTによって、タンパク質の活性及び抗原性を維持した条件
の下で固定化されたグルタチオにおける融合タンパク質の精製が可能となる(Am
ersham Pharmacia Biotech)。精製の後に、特定の操作部位においてLRSPからGS
T部分をタンパク分解的に切断可能である。8個のアミノ酸のペプチドであるFLAG
により、市販のモノクロナール及びポリクロナール抗FLAG抗体を用いて免疫親和
性の精製が可能となる(Eastman Kodak)。6個の連続したヒスチジン残基のスト
レッチである6-Hisによって、金属キレート樹脂(QIAGEN)における精製が可能
となる。タンパク質の発現及び精製の方法については、Ausubelが(1995年,
, ch 10 and 16)論じている。これらの方法によって得られた精製されたLRSP
を、以下のアッセイで直接用いることができる。
【0206】 10 LRSP活性の実証 LRSP活性は、LRSPが細菌生長に及ぼす影響を測定することによって実証され得
る。抗真菌物質及び抗菌物質は、細菌細胞増殖を阻害する(Mor, A. and P. Nic
olas (1994) J. Biol. Chem. 269:1934-1939)。E. coil(0.05 OD600ユニット
)等の細菌細胞を、96ウエルプレートにおいて30℃で24時間かけて種々の量のLR
SP(5〜1000μg/ml)を含むLB培地でインキュベートする(Mor and Nicolas, )。次に、600nm若しくは490nmにおける各ウエル内の細胞の吸光度を96ウエル
プレートリーダーを用いて測定する。細胞の吸光度を実験対照である未処理の細
胞と比較する。吸光度の減少は、サンプル内のLRSPの量に比例する。
【0207】 或いは、125I Bolton-Hunter試薬(Bolton, A. E. and W. M. Hunter (1973)
Biochem. J. 133:529-539)を用いて、LRSP或いはその生物学的に活性な断片を
標識する。マルチウエルプレートのウエル内に予め配置した候補分子を、標識し
たLRSPと共にインキュベートし、洗浄し、標識したLRSP複合体を有する全てのウ
エルをアッセイする。種々のLRSP濃度で得られたデータを用いて、LRSPと候補分
子との結合、親和性及び数についての値を計算する。
【0208】 11 機能的アッセイ LRSPの機能は、哺乳類細胞培養系における生理学的に高められたレベルでのLR
SPをコードする配列の発現によってアッセイする。高レベルでcDNAを発現する強
力なプロモーターを含む哺乳類の発現ベクターにcDNAをサブクローニングする。
選り抜きのベクターには、pCMV SPORT(Life Technologie)及びpCR3.1 (Invit
rogen, Carlsbad, CA)が含まれ、その各々にはサイトメガロウイルスプロモー
ターが含まれる。5〜10μgの組換えベクターを、リポソーム製剤或いは電気穿孔
法によって、例えば内皮若しくは造血細胞株に瞬間的に形質移入する。また、標
識タンパク質をコードする配列を含む1〜2μgの付加的なプラスミドを同時形質
移入する。標識タンパク質の発現により、形質移入された細胞と形質移入されて
いない細胞とを区別することができ、また組換えベクターからのcDNAの発現を確
実に予測できる。選り抜きの標識タンパク質には、緑色蛍光タンパク質(GFP; C
lontech)、CD64、又はCD64-GFP融合タンパク質が含まれる。自動化されたレー
ザー光学に基づいた技術であるフローサイトメトリー(FCM)を用いて、GFP又は
CD64-GFPを発現する形質移入された細胞を同定し、また細胞の特性(例えば、ア
ポトーシスの状態)を評価する。FCMによって、先行する或いは同時の細胞死の
現象を診断する蛍光分子の取込みを検出及び定量化する。これらの現象には、プ
ロピジウムヨウ化物でのDNAの染色によって測定される核DNA内容物の変化、ブロ
モデオキシウリジンの取込み量の低下によって測定されるDNA合成の下方制御、
特異的抗体との反応性によって測定される細胞表面および細胞内のタンパンク質
の発現の変化、並びにフルオレセイン結合アネキシンVタンパク質の細胞表面へ
の結合によって測定される原形質膜組成の変化が含まれる。フローサイトメトリ
ーの方法については、Ormerod, M. G.の (1994) Flow Cytometry, Oxford, New
York, NYに記載されている。
【0209】 遺伝子発現におけるLRSPの影響は、LRSPをコードする配列並びにCD64若しくは
CD64-GFPの何れかが形質移入された高度に精製された細胞集合を用いて評価する
ことができる。CD64及びCD64-GFPは、形質転換された細胞表面で発現し、ヒト免
疫グロブリンG(IgG)の保存された領域と結合する。形質転換された細胞を、ヒ
トIgG若しくはCD64の抗体の何れかで被覆された磁気ビーズを用いて、形質転換
されていない細胞から分離することができる(DYNAL, Lake Success, NY)。mRN
Aは、当業者に周知の方法で細胞から精製することができる。LRSP及び目的とす
る他の遺伝子をコードするmRNAの発現は、ノーザン解析やマイクロアレイ技術で
解析することが可能である。
【0210】 12 LRSP特異的抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE;例えば、Harrington, M.G. (1990
) Methods Enzymol. 182:488-495参照)、或いは他の精製技術を使用して実質的
に精製されたLRSPを用いて、標準的なプロトコルに従ってウサギを免疫化して抗
体を生成する。
【0211】 或いは、LRSPのアミノ酸配列をLASERGENE software(DNASTAR)を用いて解析
して免疫原性の高い領域を判定し、対応するオリゴポリペプチドを合成し、これ
を用いて当業者に知られた方法により抗体を産生させる。C-末端付近または親水
性領域内のエピトープのような適切なエピトープの選択方法の詳細については当
業者の文献に記載されている(例えば、Ausubel, 1995, 前出, ch.11参照)。
【0212】 通常、15残基の長さのオリゴペプチドを、fmoc法の化学作用を利用するABI 431
A Peptide Synthesizer(Perkin-Elmer)を用いて合成し、MBS(N-maleimidoben
zoyl-N-hydroxysuccinimide ester)を用いた反応によりKLH(Sigma, St.Louis,
MO)に結合させて免疫抗原性を増強させる(例えば、Ausubel前出 参照)。ウサ
ギをフロイント完全アジュバントにおけるオリゴペプチド-KLH複合体で免疫化す
る。その結果生じる抗血清は、例えば、プラスチックにペプチドを結合させ、1%
BSAでブロッキングし、ウサギ抗血清と反応させ、洗浄し、さらに放射性ヨウ素
標識したヤギ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗ペプチド活性に対して検
査される。
【0213】 13 特異的抗体を用いる自然発生LRSPの精製 LRSPに特異的な抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィにより、
自然発生或いは組換えLRSPを実質的に精製する。イムノアフィニティーカラムは
、LRSP抗体を、CNBr-活性化セファロース(Amersham Pharmacia Biotech)のよ
うな活性化されたクロマトグラフィー用樹脂に共有結合させることにより作製す
る。結合の後、製造者の取扱説明書に従って樹脂をブロック及び洗浄する。
【0214】 LRSPを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、LRSPを優先的に吸着
させる条件下(例えば、界面活性剤の存在下における高イオン強度のバッファー
)でそのカラムを洗浄する。抗体/LRSP結合を分裂させる条件下(例えば、pH2
〜3のバッファー、又は尿素もしくはチオシアン酸塩イオンのような高濃度のカ
オトロープ(chaotrope))でカラムを溶出させ、LRSPを回収する。
【0215】 14 LRSPと相互作用する分子の同定 125I Bolton-Hunter試薬を用いて、LRSP或いはその生物学的に活性な断片を標
識する(例えば、Bolton及びHunter, 前出)。マルチウエルプレートのウエル内
に予め配置した候補分子を、標識したLRSPと共にインキュベートし、洗浄し、標
識したLRSP複合体を有する任意のウエルをアッセイする。種々のLRSP濃度で得ら
れたデータを用いて、LRSPと候補分子との結合、親和性及び数についての値を計
算する。
【0216】 当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本明細書に記載した方
法及びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。本発明を特定の好適
実施例に関して説明してきたが、請求する発明がそのような特定の実施例に過度
に制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、記載した本発明の実施
のための方法の種々の改変は、分子生物学或いは関連する分野の当業者には明ら
かであり、請求の範囲内に含まれることを意図するものである。
【0217】 (表の簡単な説明) 表1は、LRSPの分析に用いたツール、プログラム、及びその説明、引用文献、
及び閾値パラメーターを示す。
【表1】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 LRSPのアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)及び核酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。こ
のアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software Engineer
ing. South. San Francisco CA)を用いて作成した。
【図1B】 LRSPのアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)及び核酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。こ
のアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software Engineer
ing. South. San Francisco CA)を用いて作成した。
【図1C】 LRSPのアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)及び核酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。こ
のアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software Engineer
ing. South. San Francisco CA)を用いて作成した。
【図2A】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2B】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2C】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2D】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2E】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2F】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2G】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図2H】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:2)と、ヒトスタテリン(GI 338507; SEQ ID NO:5)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179465; SEQ ID NO:6)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
【図3】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、LRSP (インサイト社クローン番号2820214; S
EQ ID NO:1)と、ヒトスタテリン(GI 338508; SEQ ID NO:3)と、ヒト塩基性高
ヒスチジンタンパク質 (GI 179466; SEQ ID NO:4)のとの間のアミノ酸配列アラ
インメントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/02 C07K 14/47 4H045 43/00 111 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 A 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 コーレイ、ニール・シー アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#30・デールアベニュ ー 1240 (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048 (72)発明者 パターソン、チャンドラ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・#1・シャーウッドウェイ 490 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA09 CA12 HA14 HA17 4B063 QA13 QA19 QQ43 QQ53 QR32 QR35 QR56 QR62 QS25 QS34 QX02 4B064 AG01 CA19 CE12 DA01 DA13 4B065 AA93Y AB01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA53 CA56 DA27 DA41 NA14 ZB072 ZB112 ZB322 ZB352 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA20 CA41 DA75 EA28 EA29 EA50 FA74 GA26

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1及びその断片からなる一群より選択されたア
    ミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配
    列同一性を有する実質的に精製された変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリペプチドをコードする単離され精製された
    ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリヌクレオチドと少なくとも70%のポリヌ
    クレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  5. 【請求項5】 ストリンジェントな条件の下で請求項3のポリヌクレオチ
    ドとハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単離
    され精製されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ポリヌクレオチドの検出法であって、 (a)請求項6のポリヌクレオチドをサンプル内の少なくとも一つの核酸とハ
    イブリダイズさせて、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成する過程
    と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイ
    ブリダイゼーション複合体の存在が、前記サンプル内の前記ポリヌクレオチドの
    存在と相関性を有する、該過程とを含むことを特徴とする検出法。
  8. 【請求項8】 前記ハイブリダイゼーションの前に前記ポリヌクレオチド
    の増幅過程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の検出法。
  9. 【請求項9】 SEQ ID NO:2及びその断片からなる一群より選択されたポ
    リヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項9のポリヌクレオチドと少なくと70%のポリヌ
    クレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  11. 【請求項11】 請求項9のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単
    離され精製されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも一つの断片を
    含む発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12の発現ベクターを含む宿主細胞。
  14. 【請求項14】 ポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に好適な条件の下で、請求項13の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと
    を特徴とする製造方法。
  15. 【請求項15】 好適な医療用担体と共に請求項1のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1のポリペプチドと特異的に結合する精製された
    抗体。
  17. 【請求項17】 請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。
  18. 【請求項18】 請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  19. 【請求項19】 LRSPの発現または活性の低下に関連する疾患の治療また
    は予防が必要な患者に、請求項15の医薬品組成物を効果的な量投与する過程を
    含む、LRSPの発現または活性の低下に関連する疾患を治療または予防する方法。
  20. 【請求項20】 LRSPの発現または活性の増大に関連する疾患の治療また
    は予防が必要な患者に、請求項18のアンタゴニストを効果的な量投与する過程
    を含む、LRSPの発現または活性の増加に関連する疾患を治療または予防する方法
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