JP2003521351A - 蛋白質性コーティング - Google Patents

蛋白質性コーティング

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calcium
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ユエリアン リユ,
グルート, クラース デ
ピエール, ジャン, フランソワ レイロール,
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イソティス エヌ.ブイ.
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、医用インプラント上に蛋白質性コーティングを備える方法において、蛋白質、及びマグネシウム、カルシウムならびに燐酸イオンを含む水性溶液であって、それを通して気体状弱酸が通過されている第1の溶液にインプラントを浸すこと、該溶液を脱気すること、該インプラント上にコーティングを沈積させること、該コーティングされたインプラントを、マグネシウム、カルシウムならびに燐酸イオンを再溶解させる第2の溶液に浸して、蛋白質性コーティングを得ること、の工程を含む方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用インプラントの分野に関する。特に、本発明は、医用インプラ
ント、例えば整形外科および歯科のプロテーゼ、の生物適合性および骨結合特性
を改善するコーティングに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、医用インプラントをセラミック物質、例えば骨様ヒドロキシアパタイト
、でコーティングするための、生体類似の(biomimetic)コーティングが開発さ
れている。この技術は、欧州特許出願第98203085.0号に開示されてお
り、生理的液体に似た過飽和燐酸カルシウム溶液に、インプラント物質、例えば
組織エンジニアリング骨のための足場、を浸すことを含む。燐酸カルシウム層は
、調整された核形性および結晶成長条件下で、インプラント表面に均一に沈積す
る。この方法は、ヒドロキシアパタイト骨結晶が体内で形成される方法を模倣し
ている。生体類似のコーティングを体温の液体から成長させる生理的条件を考慮
すると、生物活性剤、例えば抗生物質、が共沈し得る。
【0003】 欧州特許EP0806212には、移植可能な、コーティングされたデバイス
が開示されている。このデバイスは、生物活性物質が組み入れられ得るところの
燐酸カルシウム層を含む。燐酸カルシウムおよび成長因子を含むコーティングは
、骨形成を高め得る。そのコーティングの製造のために、デバイスの表面は、1
0〜1,000nmの粗さ(Ra値)を有する必要がある。
【0004】 国際特許出願公開WO97/41273は、金属またはセラミックの基材をコ
ーティングする方法を記載している。該方法は、基材が浸されるところのある種
の鉱物溶液を、pHが少なくとも8になるまで高温に加熱することによって行な
われ、その後、結晶性の炭酸塩化されたヒドロキシアパタイトの基材上での沈着
が誘発される。そのようなコーティングは、骨誘発性であると報告されているが
、生物活性剤の組み入れは開示されていない。おそらく、その方法は、そのよう
な目的に適しないであろう。なぜならば、高温と高pHの組み合わせは、熱感受
性生物活性剤に好ましくない影響を及ぼすであろうからである。
【0005】 生きている生物における多くの鉱物質化組織は、十分制御された条件下で形成
された結晶で構成されている。タンパク質は、制御プロセスにおける主要な関係
物質である。いくつかのタンパク質は、個々の結晶を包むが、他のタンパク質は
、結晶内に吸蔵される。これらのタンパク質が結晶内にどのように吸蔵されるの
か、そして結晶化プロセスおよび結晶の特性の決定におけるそれらの役割が何で
あるのかについては依然としてはっきりしないままである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、鉱物質化プロセスにおけるタンパク質の予期された制御機能
を使用する方法を見出すことである。特に、本発明の目的は、医用インプラント
上での鉱物質化、石灰化および/または骨組織の形成を誘発するためにタンパク
質を使用する方法を見出すことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
これらの目的は、本明細書から明らかになるであろう本発明の他の目的ととも
に、特定の方法でインプラントに施与される蛋白質性コーティングによって達成
された。従って、本発明は特に、医用インプラント上に蛋白質性コーティングを
備える方法に関し、該方法は、下記工程を含む。 蛋白質、及びマグネシウム、カルシウムならびに燐酸イオンを含む水性溶液で
あって、それを通して気体状弱酸が通過されている第1の溶液にインプラントを
浸すこと、 該溶液を脱気すること、 該インプラント上にコーティングを沈積させること、 該コーティングされたインプラントを、マグネシウム、カルシウムならびに燐酸
イオンを再溶解させる第2の溶液に浸して、蛋白質性コーティングを得ること。
【0008】
【発明の実施の形態】
驚いたことに、蛋白質性コーティングが、医用インプラント上に備えられ得、
該コーティングが、燐酸カルシウム結晶の核形成および成長を、インビトロ(i
n vitro)およびインビボ(in vivo)の両方で誘発することが分
かった。コーティング自体は典型的には燐酸カルシウム物質を何ら含まないが、
鉱物質化のための一種のテンプレートまたはマトリックスとして作用することが
分かった。この有利な特性は、医用インプラントを組織エンジニアリング骨組織
のための足場として使用することを可能にする。
【0009】 他方、上記特性はもちろん、それが最初に有していた目的、すなわち骨代替物
を必要とする患者に移植されること、のためのインプラントの適合性をも高める
。本明細書に記載された蛋白質性コーティングは、炭酸イオンおよび他のイオン
を含む種々の燐酸カルシウム化合物が移植可能なデバイスの表面上に沈着するこ
とを誘発し得る。層は、組成および結晶化度が骨および歯の鉱物と同じであり、
そして、生きている、石灰化された組織への医用デバイスの生物的固定を改善す
るための所望の生物再吸収性、骨結合特性を有するであろう。
【0010】 蛋白質性コーティングは、例えばインビボ(in vivo)で、慣用のセラ
ミックコーティングよりも優れた機械的特性を有する生体類似のコーティングを
もたらす、燐酸カルシウム結晶を有する複合体をさらに形成し得る。タンパク質
は、燐酸カルシウム結晶を互いに結合することにより、生体類似のコーティング
の強化材として機能し得ると考えられる。
【0011】 さらに、蛋白質性コーティングは、細胞の付着を高め、医用インプラントの生
物適合性および骨結合特性を改善する。
【0012】 本発明に従ってコーティングが施与されるところの医用インプラントは、無機
、金属、ポリマーまたは有機の物質であり得る。インプラントは、平らな、密度
の高い、または複雑な形状であり得る。多孔性の、数珠になった(beaded)、ま
たはメッシュの内部成長表面を有していてもよい。
【0013】 金属、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケル、コバルト、クロム、ニオブ、
モリブデン、ジルコニウム、チタンおよびそれらの組み合わせが、整形外科およ
び歯科の適用のためにコーティングされ得る。例えば、股関節部全体の関節形成
、例えば多孔性または非多孔性の寛骨臼杯および股関節幹の近位領域において使
用されるデバイスがコーティングされ得る。
【0014】 セラミック物質、例えばアルミナおよびジルコニア、ガラス、例えばCaO−
SiO2−P23から作られた生物活性ガラス、および燐酸カルシウム、例えば
ヒドロキシアパタイトおよび燐酸三カルシウムがコーティングされ得る。
【0015】 本発明のコーティングは、種々のポリマーおよびプラスチック、より好ましく
は、生物適合性または生物再吸収性のもの、例えばpolyactive(商標
)(ポリエチレングリコールおよびポリブチレンテレフタレートのコポリマー)
に施与され得る。
【0016】 コーティングを施与する前に、基材は好ましくは、洗浄されまたは処理されて、
表面の汚染物を除去し、コーティングの良好な付着性を促進する。洗浄のための
種々の方法が使用され得る。金属製インプラントは、脱脂剤、すなわちアセトン
、アルキルアルコールなどによって洗浄され、次いで、純水によって十分洗浄さ
れ得る。
【0017】 コーティングの付着性を改善するために、金属製インプラントに種々の表面処理
が適用され得る。機械的表面処理、例えばサンドブラスト、刻み、磨きおよび研
削は、インプラントの表面粗さを増大させ、コーティングと基材との間の結合強
度を改善し得る。同様の目的で、化学的表面処理も、コーティングの前に金属基
材に適用され得る。金属に利用され得る化学的処理の中でも、移植可能なデバイ
スを強鉱酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸および過塩素酸で処理する
ことによる酸エッチングが好ましい。また、新鮮な金属酸化物層を形成するため
に、金属製デバイスを酸化剤、例えば硝酸、パーオキシハロゲン酸、ヒドロキシ
パーオキシドまたは過酸化水素で処理することも有用であり得る。機械的または
化学的処理の後、表面の汚染物を除去するために、超音波下で純水を用いてイン
プラントを洗浄することが必要である。
【0018】 医用インプラントをコーティングする方法は、低温で、タンパク質を含む石灰化
溶液に医用インプラントを浸すことから成る。この簡単な方法は、燐酸カルシウ
ムが、穏和な酸性媒体中では、中性およびさらに塩基性のpHにおけるよりも可
溶性であるという発見に基づく。このことは、タンパク質の安定性および活性に
害を与えるような影響が本質的にない条件においても当てはまる。すなわち、カ
ルシウムおよび燐酸イオンならびタンパク質の水性溶液は、穏和な酸性では、中
性pHにおけるよりも濃厚であり得る。言い換えると、燐酸カルシウムは、塩の
同じ濃度を有する溶液から、中性または塩基性pHでは沈積するが、穏和な酸性
pHでは、可溶のままである。
【0019】 溶液におけるpHの増加は、次の段階を誘発し得る。すなわち、飽和以下、過飽
和またはメタ安定状態の形成、核形成および結晶の成長である。溶液が過飽和限
界またはメタ安定状態に達すると、燐酸カルシウムの核が基材の上に生じ得る(
不均質な核形成)。過飽和状態では、結晶が次いで、メタ安定な液体から成長し
得る。より高い飽和では、溶液における均質な核形成または沈積が主たるプロセ
スである。本発明は、上記段階を制御しかつ医用インプラントの表面上への炭酸
塩された燐酸カルシウム層の沈着を誘発するために、pHの変化を使用する。
【0020】 上記目的は、pHを低下させ、それによって燐酸カルシウム塩の溶解度を高める
ために、気体状弱酸、好ましくは二酸化炭素ガスを石灰化溶液中に発泡させるこ
と(bubbling)により達成され得る。天然のソーダ水は、溶解された二酸化炭素
ガスから得られる穏和な酸性pHを有することが周知である。また、鉱水のpH
は、溶解された二酸化炭素ガスの自然の放出または空気との交換の間にゆっくり
上昇して中性またはわずかに塩基性のpHになることも重要な特徴である。
【0021】 多数の好ましい実施態様では、二酸化炭素ガスの石灰化溶液への発泡が必要であ
る。二酸化炭素ガスは、石灰化溶液に溶解し、水中に炭酸水素イオンを生じる。
上記医用インプラントは、気体状弱酸、例えば二酸化炭素ガスが通されて弱酸媒
体を生じるところの水性石灰化溶液中に置かれる。上記石灰化溶液の最初のpH
は、CO2ガスを発泡させることにより、3〜7、好ましくは5.5〜6.5の
範囲に維持される。二酸化炭素ガスは、泡を連続的に生じるのに十分な圧力で溶
液に導入される。CO2ガスの圧力は、0.1〜10バールの範囲、好ましくは
0.5〜1.5バール、より好ましくは約1バールである。
【0022】 本発明に従う方法では、石灰化溶液中のマグネシウム、カルシウムおよび燐酸イ
オンの存在が必須である。特に、マグネシウムの存在は、石灰化溶液からの沈着
の間にコーティングの結晶成長を制御するために重要であることが分かった。結
晶成長の最適な制御は、均一で強力かつ耐磨耗性のコーティングをもたらす。特
に、基材へのコーティングの付着は、石灰化溶液中のマグネシウムイオンの存在
によって有利に影響される。本発明に従って製造されるコーティングは好ましく
は、サブミクロンの範囲の大きさを有する結晶を有する。好ましい実施態様では
、結晶成長の更なる阻害剤、例えば炭酸イオンが、石灰化溶液に組み入れられ得
る。必要であれば、ナトリウムおよびクロライドなどの対イオンも、一定のイオ
ン強度を付与するために存在し得る。
【0023】 好ましくは、石灰化溶液は、沈積を避けるために、気体状弱酸が発泡されながら
調製される。気体の導入は、溶液のpHを低下させ、マグネシウム、カルシウム
および燐酸塩ならびにありうる他の塩の完全な溶解を可能にする。好ましくは、
発泡は、塩の添加の少なくとも5分前、および添加中に開始される。こうして、
pHは約3〜8に、より好ましくは5.5〜6に低下される。
【0024】 もちろん、所望量の塩を溶液に添加した後に気体状弱酸の発泡を開始することも
可能である。いったん発泡が開始されると、この実施態様によれば、塩が完全に
溶解することを確実にすることが重要である。
【0025】 石灰化溶液は、好ましくは、超純水および純粋等級の化学薬品を用いて調製され
る。石灰化溶液は、好ましくは、使用前に0.2ミクロンのフィルター膜によっ
てフィルター滅菌される。石灰化溶液中のカルシウムと燐とのモル比は、一般に
1〜3、より好ましくは1.5〜2.5の範囲である。石灰化溶液中のイオンの
濃度は、気体状弱酸の不存在下で溶液が過飽和であるように選択される。カルシ
ウム源のモル濃度は一般に、0.5〜50mM、好ましくは約2.5〜25mM
である。燐酸塩源は一般に、約0.5〜20mM、より好ましくは約1〜10m
Mである。石灰化溶液中のマグネシウムの濃度は通常、0.1〜20mM、より
好ましくは約1.5〜10mMの範囲である。炭酸塩濃度は、0〜50mM、よ
り好ましくは0〜42mMの範囲である。イオン強度は、0.10〜2M、より
好ましくは0.15〜1.5Mの範囲である。石灰化溶液は、好ましくは、約1
0〜1000rpm、より通常は50〜200rpmまで攪拌される。温度は約
5〜80℃、好ましくは約5〜50℃の範囲に維持される。
【0026】 蛋白質は好ましくは、上記した石灰化溶液中に存在する。それは、コーティング
において望ましい種々のイオンの溶解の前、間、または後に添加され得る。蛋白
質が好ましくは石灰化溶液中に存在するところの濃度は、好ましくは、0.00
1〜10g/リットル、より好ましくは0.01〜1g/リットルである。
【0027】 原則として、本発明方法は、任意の種類の蛋白質を使用して行なわれ得る。好ま
しい、非常に適する蛋白質は、沈積が生じるときのpHにおいて電気陰性的に帯
電している。蛋白質の溶解度が、中性pHで1リットルの水につき少なくとも1
gであるとさらに好ましい。さらに、蛋白質がその構造においてジスルフィド架
橋を有するならば有利であると考えられる。非常に適する蛋白質の例は、アルブ
ミン、カゼイン、ゼラチン、リゾシーム(lysosime)、フィブロネクチン、フィ
ブリンおよびキトサンを包含する。原則として、7より下の等電点を有し、負に
帯電したアミノ酸に基づく任意の蛋白質が使用され得る。そのようなアミノ酸の
例は、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、イソル
イシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、ホスホリン、セリンおよびバリンを
包含する。特に好ましい蛋白質は、合成蛋白質、例えばポリリシン、ポリアラニ
ンおよびポリシステインである。生物活性蛋白質、例えば成長因子(例えば、B
MP、FGF、TGF)も有利に使用され得る。
【0028】 所望により、蛋白質性コーティングは、カップリング剤または結合剤を使用する
ことにより、インプラントに共有的に結合され得る。この剤は、インプラント表
面上のOH基および蛋白質のアミノ基と反応し得るべきである。共有結合は、イ
ンプラントへの蛋白質性コーティングの良好な機械的付着を確実にする。カップ
リング剤は好ましくは、イソシアネート、シアヌル酸、チタンアルコキシド(T
i(OR)4)、およびケイ素エステル、例えばSi(OR)2Cl2(ここで、
Rは1〜4個の炭素原子のアルキル基を表す)の群から選択される。共有結合を
得るために、カップリング剤は、溶液の重量に基づいて典型的には1〜20重量
%である適切な量で、石灰化溶液に簡単に添加される。
【0029】 二酸化炭素は、水性溶液中では、限られた溶解度を有する。空気との接触では、
炭酸塩化された水性溶液はCO2を含まず、あるいは、空気と接触した溶液の表
面に依存して、2、3時間以内で完全に脱気される。溶解されたCO2ガスの大
気との完全な交換は、約8〜48時間で、より好ましくは12〜24時間で行な
われ得る。CO2ガスの自然の放出は、残りの溶液のpHを増加させる。言い換
えると、石灰化溶液における飽和は、移植可能な物質の表面上での生物活性層(
燐酸カルシウムおよび蛋白質を包含する)の沈積が生じるまで増加し得る。溶液
を脱気しまたはエアレーションし、そして気体状弱酸の逃散、放出または交換を
促進するために、所望により、溶液に空気が発泡され得る。最初および最終のp
H値ならびにpHの経時変化は、石灰化溶液に添加された炭酸塩および燐酸塩の
量に依存する。緩衝能は、燐酸塩および炭酸塩を多かれ少なかれ添加することに
より、所望のpH値に調整され得る。pHは、二酸化炭素ガスを導入することに
より所望の範囲内に維持され得る。本質的に、二酸化炭素の流れは、コントロー
ラーによって表示される電気またはセレノイドの値を使用して調整され得る。石
灰化溶液からのCO2ガスの自然の放出の間、pHは、24時間浸した後、約6
〜10、より好ましくは約7.5〜8.5に増加する。蛋白質を含む炭酸塩化さ
れた燐酸カルシウム層は、約6.5〜7.5のpH値で、移植可能なデバイスの
表面上に沈積する。医用インプラントの表面上での上記沈積は、不均質な核形成
工程に関係する。炭酸塩化された燐酸カルシウム結晶は次いで、結晶成長プロセ
スによって石灰化溶液中に沈積し得る。本発明によれば、基材上の核の強力な安
定化により、不均質な核形成が好まれる。高い密度の核形成は、医用インプラン
トの表面上への炭酸塩化された燐酸カルシウム結晶の均一な沈着を確実にする。
【0030】 本発明に従う方法では、種々の時間、CO2ガスを発泡させることにより、pH
およびそれによって核形成段階を制御することが望ましくあり得る。発泡時間は
、通常、2、3秒〜数十分、好ましくは約1〜600秒である。二酸化炭素の導
入は、pHの低下を引き起こし、一方、石灰化溶液のpHは、CO2ガスを発泡
させることなく自然に増加する傾向にある。pHの増加は、CO2ガスの大気と
の自然の交換および石灰化溶液の緩衝能によると考えられる。石灰化溶液に導入
されるCO2ガスの時間および流動を調整することにより、pHは5〜9の範囲
の値の周囲で変動し得る。より好ましくは、石灰化溶液のpHは6.5〜7.5
に維持され得る。このpHの変動は、医用インプラントの表面上の炭酸塩化され
た燐酸カルシウム結晶の核形成段階と相関する。それによって、高密度の核形成
が付与され、炭酸塩化された燐酸カルシウム結晶が核形成し、医用インプラント
の表面上で成長し得る。セラミック物質および蛋白質を含む均質層は、インプラ
ント基材上に均一に沈着し得る。層の総厚さは好ましくは、0.5〜100ミク
ロンの範囲であり、より好ましくは0.5〜50ミクロンである。層が薄いと(
通常5ミクロンより下)、コーティングは、自然光を回折して青〜赤色の着色し
た房を形成し得る。この光の回折は、油滴が水の上に存在するときに観察され得
る現象に似ている。厚さが比較的厚い場合、層は、光沢のある灰色または白色の
色調を付与する。
【0031】 このようにして得られたコーティングは、セラミック物質および蛋白質の両方を
含む。本発明によれば、セラミック物質は、第2の溶液に溶解することにより除
去され、目的の蛋白質性コーティングが備えられる。溶解が行なわれる条件は、
セラミック物質が実質的に完全に溶解し、蛋白質が医用インプラントの表面上に
実質的に完全にコーティングされたままであるように選択されることである。言
い換えると、蛋白質の加水分解ができるだけ回避されるよう注意すべきである。
この工程の間に蛋白質の(部分的)変性が起こることが予想され得るが、これは
、コーティングの誘発特性に害を及ぼさないと考えられ、事実、有益ですらあり
得る。
【0032】 pHが好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4の範囲で選ばれる水性溶液の
ような酸性溶液を使用することにより分解がおこなわれてもよい。目的のpHを
得るために使用される酸は、望ましい酸性度を達成するために適切な任意の酸で
基本的にありうる。適切な酸は蛋白質に悪影響を及ぼさない。例は、フタル酸水
素塩及び塩酸であり、該酸は30−70mMの水性溶液で好ましくは使用される
【0033】 他の実施態様では、セラミック物質の分解は、マグネシウム、カルシウム及び
燐酸イオンを再溶解させるために、そして蛋白質性コーティングを得るために、
錯体形成剤すなわち金属封鎖剤を含む溶液中で達成される。金属封鎖剤を含む溶
液は好ましくは水性溶液であって、そのpHはアルカリ性、中性又は酸性であっ
てもよい。該pHは、好ましくは2−9の範囲、より好ましくは2−7の範囲で
ある。酸性pHで遊離のカルシウム及びマグネシウムのよい溶解性の理由で、最
も好ましいpHは、比較的高い錯化度と組み合わせて、4−6の範囲である。
【0034】 基本的に、カルシウム及びマグネシウムのための任意の金属封鎖剤が、コーテ
ィングのミネラル部分を溶解するために使用されうる。適切な金属封鎖剤は、蛋
白質に悪影響を及ぼさない。金属封鎖剤は、単独で若しくは1又はそれ以上の他
の金属封鎖剤(例えば、セラミック物質中の種々のカチオンの錯化を最適化する
ための)とともに使用されてもよい。
【0035】 非常に良い結果は、金属封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸塩(EDTA、
例えばナトリウム塩)で達成されていた。この特定の実施態様のために極めて好
ましいpHは、4−6の範囲である。
【0036】 セラミック物質は、幅広い濃度範囲の金属封鎖剤を使用することによりコーテ
ィングから溶解されうる。金属封鎖剤は、その飽和濃度まで任意の濃度で使用さ
れてもよい。好ましくは、濃度は0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10
%である。
【0037】 金属封鎖剤すなわち錯体形成剤を使用することによるセラミック物質の分解は
、蛋白質があまり変性しないように行われることができ、このことは特定の適用
のために有利でありうる。
【0038】 いったんセラミック物質が本質的に完全に除去されると、蛋白質性コーティン
グを有する医用インプラントは、セラミック物質がその中に溶解されているとこ
ろ溶液中から取り出されることができ、そして任意的に微量の酸及び/又はセラ
ミック物質を除くために水又は脱塩水で洗われる。このようにして得られた医用
インプラントは、イン・ビトロ及びイン・ビボで鉱物質化、石灰化及/又は骨組
織の形成を誘発することがわかっていた。従って、該インプラントは、蛋白質性
コーティングのないインプラントと比較して、骨代替物として改善された性能を
有する。
【0039】 石灰化溶液に暴露されると、蛋白質性層の再石灰化は、再鉱物質化後の層の形
態が、脱石灰前の蛋白質及びリン酸カルシウムを含む中間コーティングのそれと
よく似ている様な方法でおこりうることがまたわかった。この石灰化工程は、移
植の部位に依存して、イン・ビボで起こることが期待される。該層はミネラルを
完全に吸収しうる故に、骨折を起こしうるコーティング中の脆い域を生じる危険
が最小化される。
【0040】 その上、コーティングの誘発特性は、コーティングされたインプラントを組織
エンジニアリング骨の足場としての使用に非常に適切にする。本明細書では、細
胞がインプラント上に接種され、そして骨組織を形成又は形成を開始するために
培養されてもよい。
【0041】 本発明は、以下の非限定的な実施例によっていま説明される。
【0042】 実施例 物質及び方法
【0043】 物質 20×20×1mmの高品質チタニウム合金(Ti6Al4V)プレートが使用され
た。石灰化溶液が、試薬用純粋薬品(メルク製)及び脱塩水で調製された。本試
験のために使用された蛋白質は、粉末状のウシ血清アルブミン(BSA)(フラ
クション V、>98%、シグマ製)であった。BSAは、約583アミノ酸残
基(分子量 66,4303)からなるポリペプチド一本鎖である。pH5〜7で、そ
れは17個の鎖内ジスルフィド架橋及び1個のスルフヒドリル基(シグマ A-88
06)を含む。
【0044】 方法 生体類似の(バイオミメチック)リン酸カルシウム・コーティングの調製 Ti6Al4Vプレートが、アセトン中で、その後エタノール(70%)中で、そし
て最終的に脱塩水中で15分間、超音波で洗浄された。すべてのサンプルは、超
音波下で10分間、フッ化水素酸(HF、40重量%)、硝酸(HNO3、65
重量%)及び脱塩水の混合物でエッチングされた。エッチング後、それらは脱塩
水で完全に洗浄された。
【0045】 リン酸カルシウムの2つの層が、バイオミメチック方法を使用することにより
Ti6Al4Vサンプル上に順次施与された。第1層は、濃縮された模擬体液(Simulat
ed Body Fluid、SBF5倍)下で、結晶成長の阻害剤の存在下、高い核生成条
件で調製された(表1)。石灰化溶液は、脱塩水1000mlに塩化ナトリウム、塩
化カルシウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸水素ナトリウム、及び
リン酸一水素ナトリウム二水和物塩を溶解し、そして二酸化炭素ガスを通過する
ことにより作られた。24時間、37℃で浸した後、この溶液のpHは、5−6
から8まで増加していた。プレートは、10分間脱塩水で注意深くすすがれ、そ
して最終的に一晩室温で乾燥した。薄い、緻密な及びアモルファスのリン酸カル
シウム層が、チタン合金表面上に一様に付着された。この薄い層は自然光を回折
して、色彩豊かな縁を形成し、いわゆるレインボー・コーティングである。レイ
ンボー・コーティングされたTi6Al4Vプレートは、後の結晶性アパタイト層を育
てるためのシード表面として使用された。
【0046】
【表1】
【0047】 第2層は、結晶成長を導く条件下で、すなわち周囲温度で48時間、過飽和さ
れたリン酸カルシウム(CPS、表1)溶液にTi6Al4Vインプラントを浸すこと
により調製された。これらの溶液は、0、0.01、0.1及び1mg/ml
BSAの濃度でウシ血清アルブミン(粉末状のウシ血清アルブミン(BSA)、
フラクション V、>98%、シグマ製)をまた含んだ。
【0048】 サンプルはその後、脱塩水で洗浄され、そして周囲温度で空気乾燥された。走
査型電子顕微鏡(SEM、フィリップス製、モデル 525、15kV、炭素ス
パッタされたサンプル)は、元の層状のハイドロキシアパタイト結晶を繰り返し
ながら、葉状の構造である蛋白質フィルムを明らかにした(図1a)。このコー
ティング工程の間、厚く(30−50μm)及び緻密な結晶化されたアパタイト
フィルムが基質の表面上に一様に付着された。“レインボー”層は、シード構造
として作用し、そしてこの工程の間吸収される。
【0049】 37℃、酸性溶液(SPS、表1)でのこれらのコーティングされたインプラ
ントの処置は、結晶化されたミネラル成分(カルシウム及び燐酸塩)(13)の
完全な溶解をもたらし、微細な(7−10μm)、柔らかくかつポーラスな(図
1b)蛋白質基質が残された。
【0050】 走査型電子顕微鏡は、元の層状のフィルム形態に蛋白質層を戻した再鉱物質化
工程を明らかにした。バラ様の結晶クラスタのいくつかの過度の成長もが、フィ
ルムの最上層で見られた(図1c)。蛋白質フィルムの欠けているインプラント
は、石灰化層でコーティングされるようにはならなかった。
【0051】 元の鉱物質化されたフィルムのフーリエ変換赤外分光分析(FT−IR、パー
キン−エルマー、Spectrum 1000、透明なKBrペレットを使用)
は、563及び602cm-1で特徴的なフォスフェィト・ダブレット(doublet
)を明らかに示す(図2a)。このダブレットは脱鉱物質化後になくなる(図2
b)。フォスフェィト・ダブレットは、再鉱物質化後に再び現れる(図2c)。
BSAは、約3500cm-1にOH、>NH及び吸収された水による大きいピー
クを、及び1640cm-1及び1550cm-1に、>C=O及び−COO-の特
徴的なバンドを示す。
【0052】 蛋白質フィルムは、酸性及び中性pHの両方の溶液で不溶性であった。コーテ
ィングの剥離後に、BSAフィルムの厚さが磁気誘導プローブ(Electrophysik
Minitest 2100)を使用することにより測定された。この装置の測定範囲は0〜
100ミクロンである。測定は10回繰り返され、そして平均は各サンプルに対
して得られた。それらの厚さは、浸すSCP溶液中のBSAの濃度が上昇される
と共に増加した(表2)。
【0053】
【表2】
【0054】 結晶間のポアは、脱鉱物質化された蛋白質フィルム中でポアとして残る(表2
)。結晶サイズ−及び従ってポア・サイズは、SCP溶液中のBSAの濃度が上
昇すると共に減少した。脱鉱物質化された蛋白質フィルムの厚さは、BSA濃度
の増加と共に前駆体鉱物質化フィルムの約20%から27%に増加した。残るア
パタイト結晶は、これらの蛋白質フィルム中で見られなかった。
【0055】 エネルギー分散X線分析(EDS、ボイジャー製)は、蛋白質フィルム中の残
留カルシウムおよび燐酸塩が1.14%未満である証拠を与えた。
【0056】
【表3】
【0057】 これらの蛋白質フィルムでカバーされたインプラントが、同じ条件下で、SC
P溶液(BSAなし)に再び浸されたときに、それらは、アパタイトの厚い(3
0μm)、緻密な層で再コーティングされた(図3に示された結果から推論され
た)。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、Ca−P/BSAコーティングを示す。 図1bは、“脱鉱物質化”を示す。 図1cは、“再鉱物質化”を示す。
【図2】図2aは、フーリエ変換赤外分光分析の563及び602cm-1で特徴
的なフォスフェィト・ダブレットを示す。 図2bは、図2aのダブレットが脱鉱物質化後になくなることを示す。 図2cは、図2bのなくなったダブレットが再鉱物質化後に再び現れる
ことを示す。
【図3】図3は、再鉱物質化された蛋白質基質のEDSを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レイロール, ピエール, ジャン, フ ランソワ オランダ国 3513, シーティー ユトレ ヒト, クルイスヴェグ 20 ビス(番地 なし) Fターム(参考) 4C081 AB01 BA12 CD112 CD152 CD172 CD27 EA06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医用インプラント上に蛋白質性コーティングを備える方法にお
    いて、 蛋白質、及びマグネシウム、カルシウムならびに燐酸イオンを含む水性溶液で
    あって、それを通して気体状弱酸が通過されている第1の溶液にインプラントを
    浸すこと、 該溶液を脱気すること、 該インプラント上にコーティングを沈積させること、 該コーティングされたインプラントを、マグネシウム、カルシウムならびに燐酸
    イオンを再溶解させる第2の溶液に浸して、蛋白質性コーティングを得ること、
    の工程を含む方法。
  2. 【請求項2】気体状弱酸が二酸化炭素である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】インプラントが金属、有機物、ポリマー、またはセラミック製
    インプラントである特許請求の範囲第1または2項記載の方法。
  4. 【請求項4】カルシウムと燐酸イオンが1〜3のモル比で第1の溶液中に存
    在する特許請求の範囲第1項〜3項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】第1の溶液が、0.5〜50mMのカルシウムイオン、及び0.5〜
    20mMの燐酸イオンを含む特許請求の範囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】第1の溶液が0.1〜20mMのマグネシウムイオンを含む特許請
    求の範囲第1〜5項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】第1の溶液が更に、0〜50mM の炭酸イオンを含む特許請求
    の範囲第1〜6項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】第1の溶液のイオン強度が0.1〜2Mの範囲にある特許請求の範
    囲第1〜7項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】気体状弱酸の圧力が0.1〜10バールの範囲にある特許請求の
    範囲第1〜8項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】第1及び第2の溶液の温度が独立に、5〜80℃の範囲で選
    択される特許請求の範囲第1〜9項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】蛋白質が、アルブミン、カゼイン、ゼラチン、リゾシーム、
    フィブロネクチン、フィブリン、キトサン、ポリリシン、ポリアラニン、ポリシ
    ステイン、成長因子、及びこれらの組み合わせの群から選ばれる特許請求の範囲
    第1〜10項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】蛋白質が、0.001〜10g/lの濃度で第1の溶液中に存在す
    る特許請求の範囲第1〜11項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】第2の溶液が水性酸性溶液である特許請求の範囲第1〜12
    項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】第2の溶液が2〜5のpHを有する特許請求の範囲第13に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】第2の溶液が金属封鎖剤すなわち錯体形成剤を含む特許請求
    の範囲第1〜14項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】金属封鎖剤すなわち錯体形成剤がエチレンジアミン四酢酸塩
    である特許請求の範囲第15項記載の方法。
  17. 【請求項17】金属封鎖剤が0.1〜20重量%の濃度で存在する特許請求の範
    囲第15または16項に記載の方法。
  18. 【請求項18】特許請求の範囲第1〜17項のいずれか1項に記載の方法によ
    り得られる蛋白質性コーティングを含む医用インプラント。
  19. 【請求項19】蛋白質性コーティングが0.5〜100ミクロンの範囲の厚みを有
    する特許請求の範囲第18項に記載の医用インプラント。
  20. 【請求項20】特許請求の範囲第18または19項に記載の医用インプラントを
    組織エンジニアリング骨のための足場として使用する方法。
  21. 【請求項21】骨組織の鉱物質化および形成の一方または双方を誘発するた
    めに特許請求の範囲第1〜17項のいずれか1項に記載の方法により得られる蛋白質
    性コーティングを使用する方法。
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