JP2003519618A - シアノ吉草酸又はそのエステルの製造方法 - Google Patents

シアノ吉草酸又はそのエステルの製造方法

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JP2003519618A JP2000568815A JP2000568815A JP2003519618A JP 2003519618 A JP2003519618 A JP 2003519618A JP 2000568815 A JP2000568815 A JP 2000568815A JP 2000568815 A JP2000568815 A JP 2000568815A JP 2003519618 A JP2003519618 A JP 2003519618A
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Abstract

(57)【要約】 本発明の方法は、2−、3−若しくは4−ペンテンニトリル又はその混合物を一酸化炭素及びヒドロキシル化合物と、(i)パラジウム(II)化合物、(ii)二座ジホスフィン配位子及び(iii)アニオン源を含む触媒組成物の存在下で反応させる工程を含む。ビス(ホスフィノメチル)アミン型のジホスフィン配位子を含む新規触媒組成物がさらに開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、2−、3−若しくは4−ペンテンニトリル又はその混合物を一酸化
炭素及びヒドロキシル化合物と触媒組成物の存在下で反応させることにより、シ
アノ吉草酸又はそのエステルを製造する方法に関する。
【0002】 5−シアノ吉草酸及びそのエステルは、染料、殺虫剤、ファイバー、特にポリ
アミドファイバー、及びプラスチック用の有用な出発物質である。6−アミノカ
プロン酸又は6−アミノカプロン酸エステルへの水素化及び水又はアルコールの
除去により、カプロラクタムが得られる。
【0003】 触媒の存在下、ペンテンニトリルをカルボニル化することによるシアノ吉草酸
及びシアノ吉草酸エステルの製造方法は、公知である。公知の合成では、水又は
アルコールの存在下、高温及び高圧にて触媒組成物の存在下で一酸化炭素と反応
させるペンテンニトリルを包含する。使用される触媒組成物は、窒素塩基(GB
−1497046及びDE−2541640、参照)、特定の溶剤、例えばスル
ホラン(US4508660、参照)、環式アミド又は尿素誘導体(EP−37
3579)又はニトリル(EP−377838及びUS4933483)と共に
、主にコバルト化合物、例えばCo(CO)又はCo(OAc)である。
【0004】 EP0450577では、ペンテンニトリルをヒドロキシカルボニル化して、
シアノ吉草酸を形成するためのRh/HI触媒組成物を開示している。
【0005】 ニトリル化合物は、遷移金属と錯体を屡々形成する。触媒活性触媒錯体は、ニ
トリル配位子により失活される傾向にある。これは、特にパラジウムに適用でき
る。なぜなら、パラジウムは安定なニトリル錯体、例えば(PhCN)PdC
、(CHCN)PdClを極めて迅速に形成するからである。従って
、ニトリル基を含む、オレフィンのパラジウム接触カルボニル化は、一般に、極
めて低い触媒活性でのみ進行する。例えば、US4257973では、触媒組成
物(PhP)PdCl/SnClを使用する、3−ペンテンニトリルの
カルボニル化を開示している。反応が未知の選択率で進行すると、不明確なシア
ン酸エステルの収率は僅か5%となる(US4257973の実施例108、参
照)。
【0006】 EP0495547では、パラジウムカチオン、二座ジホスフィン配位子及び
アニオン源(anion source)を含む触媒組成物の存在下で、置換されていても良
いオレフィン性不飽和化合物をモノカルボニル化する方法を開示している。EP
0495547によると、出発オレフィンは、例えばシアノ基又はニトリル基で
置換されていても良い。アルケン酸誘導体(alkenoic acid derivative)、例え
ばアルケノンニトリルを出発材料として使用する場合、このアルケン酸誘導体は
2−アルケン酸誘導体を表すのが好ましい。アルケン酸誘導体をカルボニル化す
るために、触媒組成物は、促進剤、例えばキノン及びニトロ化合物を含んでいる
のが好ましい。EP0495547の実施例59では、Pd(OAc)、TB
PD(1,3−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)プロパン)、NiTFS(ニ
ッケルジ−トリフルオロメチルスルホネート)及び1,4−ナフトキノンの存在
下、一酸化炭素及びメタノールを用いて、アクリロニトリルにカルボキシル基を
導入している。しかしながら、マロン酸モノメチルエステルモノニトリルへの転
化率は、使用されるアクリロニトリルに対して僅かに5%であった。EP049
5547から、当該技術者等は、そこで開示された方法により、アクリロニトリ
ル以外のニトリル置換オレフィン反応の低収率さえ予想したであろう。
【0007】 本発明者等は驚くべきことに、2−、3−又は4−ペンテンニトリルのカルボ
ニル化が、EP0495547と比較可能な触媒組成物を使用して、高収率及び
高選択性で可能であることを見出した。さらに本発明者等は、新規な触媒組成物
及び新規なジホスフィン配位子を見出し、これにより収率及び選択率をさらに増
大させことさえ可能となる。
【0008】 従って、本発明は、2−、3−若しくは4−ペンテンニトリル又はその混合物
を一酸化炭素及びヒドロキシル化合物と、(i)パラジウム(II)化合物、(
ii)二座のジホスフィン配位子、及び(iii)アニオン源を含む触媒組成物
の存在下で反応させるシアノ吉草酸又はそのエステルの製造方法を提供する。
【0009】 本発明のカルボニル化に使用される出発材料は、2−、3−若しくは4−ペン
テンニトリル又はその混合物である。3−及び/又は4−ペンテンニトリル又は
主成分として3−及び/又は4−ペンテンニトリルを含む混合物を使用するのが
好ましい。3−ペンテンニトリル又は主成分として3−ペンテンニトリルを含む
混合物が最も好ましい。3−ペンテンニトリルは、例えばシアン化水素をブタジ
エンに、例えばドイツOPI文献1593277、2344767及び2009
470に開示された手順に従うニッケル錯体又は塩化銅(I)の存在下で付加す
ることにより製造可能である。
【0010】 本発明の方法は、2−、3−若しくは4−ペンテンニトリル又はその混合物を
使用するかどうかに関わらず、5−シアノ吉草酸を高選択性で提供する。2−ペ
ンテンニトリル及び3−ペンテンニトリルを最初に4−ペンテンニトリルに異性
化することが考えられている。本発明の方法により、4−ペンテンニトリルをカ
ルボニル化して、5−シアノ吉草酸又はエステルを形成するのは、形成するシア
ノ吉草酸又はエステルに対して、一般的には70%以上、好ましくは80%以上
の選択率で、実質上位置選択的に起こる。
【0011】 パラジウム(II)化合物は、パラジウム塩であるのが好ましい。好適なパラ
ジウム塩の例としては、硝酸、硫酸の塩、スルホン酸、例えばクロロスルホン酸
、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸の塩、又はスルホン化イオン交換型樹脂の塩、又はカル
ボン酸、例えば酢酸若しくはトリフルオロ酢酸等のアルカン酸の塩である。パラ
ジウム(II)化合物が適当な酸のパラジウム塩である場合、この化合物は、本
発明に使用されるアニオン源として働いても良い。さらにパラジウム(II)化
合物は、パラジウム錯体の形、例えば二座のジホスフィン配位子を有する錯体の
形であっても良い。この場合、パラジウム(II)化合物は、本発明に使用され
る二座のジホスフィン配位子を同時に含んでいても良い。このパラジウム(II
)化合物は、単体の状態から出発してその場で形成されても良い。
【0012】 パラジウム(II)化合物の量は、重要ではない。使用されるペンテンニトリ
ル1モル当たり10−7〜10−1モルの範囲のパラジウムが好ましく、10 〜10−2モルの範囲が特に好ましい。
【0013】 二座のジホスフィン配位子は、それ自体又はパラジウム(II)化合物との錯
体で使用され得る。ジホスフィン配位子は、以下の一般構造式:
【0014】
【化5】
【0015】 [但し、R、R、R及びRが独立して、C〜C20アルキル、C
10シクロアルキル、4個以下の縮合芳香族環を有しているアリール若しくは
ヘテロアリール、又はC〜C20アラルキル(それぞれ置換されていても良い
)を表すか、或いは RとR及び/又はRとRが合体して、C〜C20アルキレン、4個
以下の芳香族環を有しているアリーレン若しくはヘテロアリーレン、又はC
20アラルキレン(それぞれ置換されていても良い)を形成し、そして Xが、両側のリン原子を1〜10個の原子に分割するような2価の架橋基を表
す] を有するのが好ましい。
【0016】 好ましいジホスフィン配位子において、R、R、R及びRは相互に独
立して、非置換の、直鎖又は分枝の、鎖状又は環式の、1〜10個の炭素原子を
有するアルキル基を表し、或いはRとR及び/又はRとRが合体して、
直鎖又は分枝の、鎖状又は環式の、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基
を形成する。
【0017】 特に好ましい態様において、R、R、R及びRはそれぞれ、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル及び/
又はシクロヘキシル基から選択されるか、或いはRとR及び/又はRとR が合体して、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又はシクロオクチレン基を形成
する。R、R、R及びRがそれぞれ置換されていても良い上述の状態で
ある場合、置換基は組成物の触媒活性を害さない置換基である。適当な置換基は
、ハロゲン原子、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アシル基
、アシルオキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、ニトリル基、アシルアミノ基及
びアリール基である。
【0018】 本発明に使用されるジホスフィン配位子は、二座である;即ち、2個のホスフ
ィンのリン原子を、両方のリン原子で単一のパラジウム原子と配位結合を形成可
能な、内分子距離及び内分子立体配置で含んでいる必要がある。そのため、上述
の好ましい構造式において、Xは、両側のリン原子を1〜10個の原子に分割す
るような2価の架橋基を表す。この架橋基は、配位を立体的に妨害できる置換基
を含んでいないのが好ましい。Xは、ヘテロ原子を含んでいても良いアルキレン
鎖、例えば2価の炭化水素、エーテル又はチオエーテル基を表すのが好ましい。
架橋基Xの例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH −、−CHOCH−、−CHSCH−、−CHCHCHCH
、−CHCHOCHCH−、−CHCHSCHCH−、−CH CHOCHCHOCHCH−、−CHC(CH−CH
、−CH−CH(CH)−O−CH(CH)−CH−である。
【0019】 好適な二座のジホスフィン配位子の例としては、以下のものである: 1,2−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)エタン、 1,3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−イソプロピルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−n−プロピルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−イソブチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−s−ブチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(ジ−n−ヘキシルホスフィノ)プロパン、 1,2−ビス(ジ−シクロヘキシルホスフィノ)エタン、 1,3−ビス(n−ブチルメチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(n−ブチルエチルホスフィノ)プロパン、 1,3−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノ)プロパン及びこの、1
,4−シクロオクチレン基を含む異性体混合物、 1,4−ビス(ジ−イソプロピルホスフィノ)ブタン、 1,5−ビス(ジメチルホスフィノ)−3−オキサペンタン、 1,8−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)−3,6−ジオキサオクタン、並
びに 1,4−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)−2,2,3,3−テトラメチル
ブタン。
【0020】 特に好ましい態様において、Xは、
【0021】
【化6】
【0022】 [但し、Rが水素、 直鎖又は分枝のC〜C20アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル
、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、 例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、ピ
ナニル、ブルニル、ビシクロノニル等のビシクロアルキルを含む、非置換又はC 〜Cアルキル置換のC〜C10シクロアルキル、 非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20アリール、例えばフェニル
、トリル、ナフチル、 例えばアルキル基に1〜6個の炭素原子及びアリール基に6〜14個の炭素原
子を有する、ベンジル等の、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20 アラルキル、 非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20ヘテロアリール、例えばピ
リジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニル、又は C〜C21アシルを表す] を表す。
【0023】 上述の基をC〜Cアルキルで置換することができる場合、これらは1個以
上のアルキル基、例えばメチル又はエチルで置換されていても良い。
【0024】 上述の基は、1個以上、例えば1〜5個の、−NO、−NO、−CN、−C
、−CO、−CONR 、ハロゲン(即ち、F、Cl、Br、I
)、−NR 、−OR、−NR 、−SO 、−SO、−SO 、−SONR 及び−SiR {但し、Rが水素、C〜C10 アルキル(特に、メチル、エチル又はイソプロピル)、又はC〜C14アリー
ル(特に、フェニル)を表わし、そしてRがC〜C10アルキル(特にメチ
ル、エチル又はイソプロピル)、又はC〜C14アリール(特に、フェニル)
を表す}から選択される置換基で置換されていても良い。さらに、上述の基にお
いて、1、2、3又は4個の炭素原子がN又はOで置き換わっていても(置換)
良い。
【0025】 Rは、例えばアルキレン鎖に酸素若しくは窒素等のヘテロ原子、又はフェニ
レン等のアリーレン単位で置換され、かつ含んでいても良い−(CH−Q
基を表しても良く、この場合、Qは−SO 、−CO 、−CO、−
CONR 、ハロゲン、−NR 、−OR、−NR を表わし、そし
てn=1〜20、特に好ましくは1〜10である。RはSiR 、例えばト
リメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリルを表しても良
い。
【0026】 Rは、ジホスフィン化合物の安定性を増大させるので、電子吸引基を表すの
が好ましい。好適な電子吸引基Rは、少なくとも1個の電子吸引基{これは、
窒素原子に対して、α−、β−、γ−及び/又はδ−位に、特にα−及び/又は
β−位に配置される}で置換されている直鎖又は分枝のC〜C20アルキル;
少なくとも1個の電子吸引基で置換されているC〜C14アリール;そしてさ
らにニトリル、スルフィニル、(−SO)、スルホニル、(−SO )及びニトロ基ある。Rは−C(O)Rを表しても良く、この場合、R
直鎖又は分枝の無置換C〜C20アルキル;無置換C〜C14アリール又は
アルキル部分に1〜10個の炭素原子及びアリール部分に6〜14個の炭素原子
を有するアラルキル;少なくとも1個の電子吸引基{これは、C(O)基に対し
て、α−、β−、γ−及び/又はδ−位に配置されるのが好ましい}で置換され
ている直鎖又は分枝のC〜C20アルキル;そしてさらに少なくとも1個の電
子吸引基で置換されているC〜C14アリールである。R基は、メチル、エ
チル、イソプロピル、フェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメ
チル又はペンタフルオロエチルを表すのが好ましい。
【0027】 アルキル又はアリールR上の好適な電子吸引置換基は、ハロゲン原子、例え
ばフッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素及び塩素、特に好ましくはフッ素で
ある。このアルキル及びアリール基は、両方共に部分的にハロゲン化されていて
も、及び過ハロゲン化されていてもよい。さらに、ニトロ、ニトリル、エステル
、アミド、スルフィニル、スルホニルアミド及びスルホニル基は、アルキル及び
アリール基用の置換基として有用である。アリール基は、トリフルオロ−又はト
リクロロメチル基で、そしてさらにアンモニウム基で置換されていても良い。好
適なアルキル基Rの例としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジ
フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエ
チル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ペンタフルオロエチル、ニトロメチ
ル、2−ニトロメチル、2−ニトロエチル及びシアノメチルである。トリフルオ
ロメチル及び2,2,2−トリフルオロエチルが好ましい。好適なアリール基R の例としては、p−、m−、o−フルオロ−又はクロロフェニル、2,4−ジ
フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェ
ニル、ペンタフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ニトロフェ
ニル、2,4−ジニトロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、2−ブロ
モ−5−ニトロフェニル、メチルスルフィニルフェニル及びメチルスルホニルフ
ェニルである。
【0028】 本発明は、パラジウム(II)化合物及び一般構造式RP−CH−N
(R)−CH−PR{但し、R〜Rが上記と同義であり、好まし
い意味を表す}で表されるジホスフィン化合物を含む触媒組成物を提供する。本
発明の触媒組成物の特に好ましい態様において、一方ではRとR及びまた他
方ではRとRが合体及び独立して、1,3−及び/又は1,4−シクロオク
チレンを形成し、そしてRが2,4−ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフ
ェニル又は2,4,6−トリフルオロフェニルを表す。
【0029】 パラジウム(II)化合物に関しては、冒頭で得られた知見を参照されたい。
触媒組成物は、アニオン源を含んでいても良く、或いはアニオン源と共に使用さ
れても良い。パラジウム(II)化合物が適当な酸のパラジウム塩である場合、
この酸はアニオン源として同時に働くことができる。
【0030】 このようなジホスフィン化合物は、ビス(ホスフィノメチル)アミンである。
代表例の幾つかの製造方法が、J. Fawcett, P. A. T. Hoye等により J. Chem. S
oc. Dalton Trans. 1993, 2563〜2567頁に開示されている。
【0031】 このビス(ホスフィノメチル)アミンの一部は、新規である。従って、本発明
は、一般構造式:
【0032】
【化7】
【0033】 [但し、R〜Rが上記と同義であり、かつ好ましい意味を有する] で表されるジホスフィン化合物であって、 R、R、R及びRがそれぞれフェニルを表わし、そしてRがCHM
ePh、CHMeCOMe、CHMeCOEt、エンド−(1R)−1,7
,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、CHCH
H又はCHCH=CHを表わし; R、R、R及びRがそれぞれシクロヘキシルを表わし、そしてR
CHMePh又はCHMeCOHを表わし;或いは 一方ではRとR及びまた他方ではRとRが合体してシクロオクチレン
を形成し、そしてRがCHMePhを表す、 場合の化合物は除外されていることを特徴とする化合物(Meはメチル、Etは
エチル、及びPhはフェニルを表す)を提供する。
【0034】 ビス(ホスフィノメチル)アミンの製造方法は、例えば、以下の一般反応スキ
ームにより達成される:
【0035】
【化8】
【0036】 反応条件は、J. Fawcett, P. A. T. Hoye等によりJ. Chem. Soc. Dalton Tran
s. 1993, 2563〜2567頁に開示された条件と類似の条件に慣用的に選択され得る
。従って、ビス(ホスフィノメチル)アミンは、第二級ホスフィンをホルムアル
デヒド及びアンモニア又は第一級アミンと、例えば溶剤(例えば、トルエン)中
で、好ましくは80℃〜150℃の温度にて反応させることにより、ワンスポッ
ト法で容易に製造可能である。
【0037】 ジホスフィン化合物のパラジウムを基礎とするパラジウム化合物(II)に対
するモル比は、0.5〜20:1の範囲が好ましく、特に1〜5:1の範囲であ
る。
【0038】 有用なアニオン源は、ルイス及びプロトン酸並びにその混合物である。使用さ
れるアニオン源は、弱有機酸、例えば3.5以上のpKa値を有する有機酸、特
に立体障害性有機酸である。好ましい有機酸の例としては、安息香酸、2,4,
6−トリメチル安息香酸、2,6−ジクロロ安息香酸、9−アントラセンカルボ
ン酸、ピバル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸及びその部分エステル、
2−エトキシ−1−ナフタレンカルボン酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、酢酸
、プロピオン酸、酪酸及び/又はシアノ吉草酸である。
【0039】 強鉱酸、例えば硫酸、過塩素酸、そしてさらに強有機酸、例えばスルホン酸(
例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸)
、そしてさらにトリクロロ−及びトリフルオロ酢酸を使用することもできる。
【0040】 アニオン源のパラジウム(II)化合物に対するモル比は、重要でない。アニ
オン源のパラジウム(II)化合物に対するモル比は、パラジウム1モル当たり
の当量で、0.5〜100:1の範囲が好ましく、1〜10:1の範囲が特に好
ましい。
【0041】 シアノ吉草酸を使用することは、有機酸アニオン源とヒドロキシル化合物、例
えばアルコールとの副生成エステルにより、得られる反応生成物の汚染がもたら
されないため、特に好ましい。
【0042】 本発明の方法で使用されるヒドロキシル化合物は、例えば水又はアルコール、
特に1〜6個の炭素原子を有するアルコールである。アルコールとして、第一級
、第二級又は第三級アルコールを使用することができる。好ましいアルコールの
例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、イソオクタノール、2−エチル
ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアル
コール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチルロールプロパン及びペン
タエリスリトールである。エタノール及びエタノールが特に好ましい。
【0043】 本発明の方法は、40〜200℃の範囲、好ましくは75から170℃の範囲
で行われるのが有効である。本発明の方法は、1〜200バールの範囲、好まし
くは5〜70バールの範囲の圧力で行われるのが有効である。反応は、バッチ、
連続又は半連続条件下で行われても良い。反応時間は、一般的に、0.5〜10
時間の範囲内である。
【0044】 本発明で使用される触媒組成物は、均一であっても、不均一であっても良い。
この触媒組成物は、固定化された状態で使用されても良い。好適な担体の例とし
てはイオン交換体であり、この場合、例えばジホスフィン化合物のイオン性基、
例えば上述した、Rでの特定置換基Qは、イオン交換体のイオン性基と相互作
用する。固定化は、触媒組成物溶液をイオン交換体に添加し、そして触媒組成物
を固定することにより行われる。
【0045】 本発明の方法は、液相で行われるのが好ましい。この液相は、使用されるペン
テンニトリル又はヒドロキシル化合物により形成されても良い。その代わり或い
はさらに、この液相は溶剤を含んでいても良い。任意の不活性溶剤を使用して良
い。例としては、スルホキシド及びスルホン、例えばジメチルスルホキシド、ジ
イソプロピルスルホン又はテトラヒドロチオフェン2,2−ジオキシド、2−メ
チルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−メチル−4−ブチルスルホラン;
芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン;エステル、例えば酢酸
メチル及びブチロラクトン;ケトン、例えばアセトン及びメチルイソブチルケト
ン;アルコール、例えばメタノール及びエタノール;エーテル、例えばテトラヒ
ドロフラン、アニソール、2,5,8−トリオキサノナン、ジフェニルエーテル
及びジイソプロピルエーテル;アミド、例えばジメチルアセトアミド及びN−メ
チルピロリドンである。
【0046】 本発明の方法は、酸素の実質的非存在下で起こるのが好ましい。このために、
反応容器を、例えば繰り返し排気し、そして保護ガス(例えば、窒素)で充填す
る。反応物、溶剤及び触媒組成物は、空気を排除して添加される。
【0047】 本発明の方法は、例えば以下の通りに行われ得る:2−ペンテンニトリル、3
−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリル又はその混合物、ヒドロキシル化合
物、触媒組成物及び必要により溶剤を、耐圧反応器に導入する。次いで、一酸化
炭素を注入し、反応器を所望の反応温度に加熱する。反応圧力は、必要により一
酸化炭素をさらに注入するか、或いは一酸化炭素を放出することにより調整され
得る。反応終了後、混合物を冷却し、減圧しても良い。シアノ吉草酸又はそのエ
ステルを、慣用法、例えば分留により混合物から単離することができる。
【0048】 用いられる触媒組成物を、反応条件下にてその場で形成することができる。し
かしながら、その代わりに及び好ましくは、触媒組成物を予め調製する。このた
めに、例えばパラジウム(II)化合物、二座のジホスフィン配位子及び必要に
よりアニオン源をそれぞれ、相互相溶性溶剤に溶解又は懸濁させ、この溶液又は
懸濁液を組み合わせた。その後、パラジウム(II)ジホスフィン錯体を、例え
ばろ過により、必要により溶解度低減希釈剤(solubility-reducing diluent)
を添加した後、単離することができる。
【0049】 以下の実施例で、本発明を詳説する。
【0050】
【実施例】
[実施例1] 28mg(0.125ミリモル)の酢酸パラジウム(II)、155mg(0
.5ミリモル)の、1,3−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノ)エタ
ンと1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)エタンの混合物及び
この混合化合物と1,5−及び1,4−シクロオクチレン基(bcope)との混合
物、445mg(2.0ミリモル)の9−アントラセンカルボン酸並びに3ml
(31ミリモル)の3−ペンテンニトリルを10mlのジフェニルエーテル及び
5mlのメタノールに溶解し、そして100mlのオートクレーブに導入した。
このオートクレーブをシールし、そして一酸化炭素を40バールの圧力に導入し
た。このオートクレーブを150℃に加熱し、全圧を60バールに調節した。表
1の反応時間後、オートクレーブを冷却することにより、反応を停止させた。オ
ートクレーブを減圧し、液状溶離液をガスクロマトグラフィにより解析した。
【0051】 [実施例2] 実施例1を、300mlのオートクレーブにおいて以下の反応物を所定量用い
て繰り返した:112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)、84
5mg(2.0ミリモル)の1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタ
ン、2.2g(10ミリモル)の9−アントラセンカルボン酸、12ml(12
4ミリモル)の3−ペンテンニトリル、20mlのメタノール及び40mlのジ
フェニルエーテル。
【0052】 [実施例3] 実施例1を、以下の反応物を所定量用いて繰り返した:28mg(0.125
ミリモル)の酢酸パラジウム(II)、116mg(0.375ミリモル)のb
cope、445mg(2.0ミリモル)の9−アントラセンカルボン酸、10
ml(103ミリモル)の3−ペンテンニトリル及び15mlのメタノール。
【0053】 [実施例4] パラジウム(II)ジホスフィン錯体を、この実施例用に予め調製した。
【0054】 1.0g(4.4ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を50mlのアセトン
に溶解し、そしてこの溶液を室温で2時間撹拌し、セライトによりろ過した。ろ
液を、2.1g(4.4ミリモル)のbcopeを50mlのアセトンに懸濁さ
せた懸濁液と混合し、室温で1時間撹拌した。得られた淡黄色の固体(bcop
e)Pd(OAc)をろ別し、減圧下に乾燥した。収量:2.2g(94%)
【0055】 実施例1を、以下の反応物を所定量用いて繰り返した:67mg(0.125
ミリモル)の(bcope)Pd(OAc)、445mg(2.0ミリモル)
のアントラセンカルボン酸、10ml(103ミリモル)の3−ペンテンニトリ
ル及び15mlのメタノール。結果を、それぞれ以下の表に示す:
【0056】
【表1】 CVE=シアノ吉草酸エステル、 TON=繰り返し数(turn over number)、 TOF=繰り返し頻度(turn over frequency)、
【0057】 実施例4と実施例3との比較は、予め得た、所定の(bcope)Pd(OA
c)錯体を使用することにより、触媒活性が改善されることを示している。こ
の所定の予め得た錯体を使用する別の利点は、過剰のジホスフィン化合物を必要
としないことである。
【0058】 [実施例5] この実施例では、1,3−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノメチル
)フェニルアミン、1,3−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノメチル
)フェニルアミン、1−(1,4−シクロオクチレンホスフィノメチル)−3−
(1,5−シクロオクチレンホスフィノメチル)フェニルアミンの混合物の製造
を説明する。
【0059】 1.2g(0.035モル)のパラホルムアルデヒドを100mlのトルエン
に懸濁させ、そして懸濁液を65℃に加熱した。1.6ml(0.0175モル
)のアニリン及び5g(0.035モル)の、1,4−シクロオクテニルホスフ
ィン及び1,5−シクロオクテニルホスフィンの混合物を添加した。5時間後、
透明な溶液を得て、これを冷却し、濃縮した。残留物を50mlのジクロロメタ
ンに溶解し、そしてキレートホスフィンをエタノールで沈殿させた。ろ過後、白
色の残留物を減圧下に乾燥した。収量:4.8g(68%)。
【0060】 [実施例6] この実施例では、1,3−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノメチル
)(2,4−ジフルオロフェニル)アミン、1,3−ビス(1,5−シクロオク
チレンホスフィノメチル)(2,4−ジフルオロフェニル)アミン、1−(1,
4−シクロオクチレンホスフィノメチル)−3−(1,5−シクロオクチレンホ
スフィノメチル)(2,4−ジフルオロフェニル)アミン(アザ−bcope)
の製造を説明する。
【0061】 1.2g(0.035モル)のパラホルムアルデヒドを100mlのトルエン
に懸濁させ、そして懸濁液を65℃に加熱した。1.8ml(0.0175モル
)の2,4−ジフルオロアニリン及び5g(0.035モル)の、1,4−シク
ロオクテニルホスフィン及び1,5−シクロオクテニルホスフィンの混合物を添
加し、この溶液を65℃で一晩中撹拌した。冷却後、溶剤を減圧下に抽出し、残
留物を20mlのジクロロメタンに溶解し、そして生成物をエーテルで沈殿させ
た。白色の固体をろ過し、減圧下に乾燥した。収量:5.4g(70%)。
【0062】 [実施例7] この実施例では、1,3−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノメチル
)(2,4−ジフルオロフェニル)アミン−Pd(OAc)、1,3−ビス(
1,5−シクロオクチレンホスフィノメチル)(2,4−ジフルオロフェニル)
アミン−Pd(OAc)及び1−(1,4−シクロオクチレンホスフィノメチ
ル)−3−(1,5−シクロオクチレンホスフィノメチル)(2,4−ジフルオ
ロフェニル)アミン−Pd(OAc)の各錯体の混合物の製造を説明する。
【0063】 0.45g(2.0ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を50mlのアセト
ンに溶解し、室温で2時間撹拌し、そしてセライトによりろ過した。ろ液を、0
.88g(2.2ミリモル)のアザ−bcopeを50mlのアセトンに懸濁さ
せた懸濁液と混合し、室温で1時間撹拌した。得られた淡黄色の固体をろ別し、
そして減圧下に乾燥した。収量:1.1g(88%)。
【0064】 [実施例8] この実施例では、(アザ−bcope)Pd(OAc)錯体を使用する、3
−ペンテンニトリルのカルボニル化を説明する。実施例1を、以下の反応物を所
定量用いて繰り返した:79mg(0.125ミリモル)の(アザ−bcope
)Pd(OAc)(実施例7、参照)、445mg(2.0ミリモル)のアン
トラセンカルボン酸、10ml(103ミリモル)の3−ペンテンニトリル及び
15mlのメタノール。
【0065】
【表2】
【0066】 実施例8と実施例4との比較は、触媒組成物(アザ−bcope)Pd(OA
c)の触媒活性が断然高いことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AE ,AL,AU,BG,BR,BY,CA,CN,CZ, GE,HU,ID,IL,IN,JP,KR,KZ,L T,LV,MK,MX,NO,NZ,PL,RO,RU ,SG,SI,SK,TR,UA,US,ZA (72)発明者 シュルツ,ミヒャエル ドイツ、D−67067、ルートヴィッヒスハ ーフェン、ダウナー、シュトラーセ、39 Fターム(参考) 4G069 AA06 BA27A BA27B BC72A BC72B BE11A BE13A BE13B BE14A BE14B BE16A BE16B BE26A BE26B BE27A BE34A BE34B BE36A BE36B CB25 CB75 4H006 AA02 AC46 AC48 BA25 BA48 BA50 BA52 BA80 BE40 QN30 4H039 CA65 CA66 CF10 4H050 AA03 AB40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−、3−若しくは4−ペンテンニトリル又はその混合物を
    一酸化炭素及びヒドロキシル化合物と、以下の組成分: (i)パラジウム(II)化合物、 (ii)二座のジホスフィン配位子、及び (iii)アニオン源、 を含む触媒組成物の存在下で反応させるシアノ吉草酸又はそのエステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ジホスフィン配位子が、以下の一般構造式: 【化1】 [但し、R、R、R及びRが独立して、C〜C20アルキル、C
    10シクロアルキル、4個以下の縮合芳香族環を有しているアリール若しくは
    ヘテロアリール、C〜C20アラルキル(それぞれ置換されていても良い)を
    表すか、或いは RとR及び/又はRとRが合体して、C〜C20アルキレン、4個
    以下の芳香族環を有しているアリーレン若しくはヘテロアリーレン、又はC
    20アラルキレン(それぞれ置換されていても良い)を形成し、そして Xが、両側のリン原子を1〜10個の原子に分割するような2価の架橋基を表
    す] を有する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R、R、R及びRが相互に独立して、非置換の、直
    鎖又は分枝の、鎖状又は環式の、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表
    し、或いはRとR及び/又はRとRが合体して、直鎖又は分枝の、鎖状
    又は環式の、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基を形成する請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 R、R、R及びRがそれぞれ、メチル、エチル、プ
    ロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル及び/又はシクロ
    ヘキシル基から選択されるか、或いはRとR及び/又はRとRが合体し
    て、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又はシクロオクチレン基を形成する請求項
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Xが、ヘテロ原子を含んでいても良いアルキレン鎖である請
    求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 Xが、 【化2】 [但し、Rが水素、C〜C20アルキル、非置換又はC〜Cアルキル置
    換のC〜C10シクロアルキル、非置換又はC〜Cアルキル置換のC
    20アリール、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20アラルキル
    、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20ヘテロアリール、C〜C 21 アシルを表し、かつ上述の基は、−NO、−NO、−CN、−CO
    −CO、−CONR 、ハロゲン、−NR 、−OR、−NR 、−SO 、−SO、−SO、−SONR 及び−SiR から選択される置換基で置換されていても良く、及び/又は上述の基の1、
    2、3又は4個の炭素原子がN又はOで置き換わっていても良く、或いは Rがニトロ、ニトリル、スルフィニル、スルホニル又はSiR を表わし
    、 Rが水素、C〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表わし、そし
    て RがC〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表す] を表す請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 アニオン源が、3.5以上のpKa値を有する有機酸である
    請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 以下の一般構造式: 【化3】 [但し、R、R、R及びRが独立して、C〜C20アルキル、C
    10シクロアルキル、4個以下の縮合芳香族環を有しているアリール若しくは
    ヘテロアリール、C〜C20アラルキル(それぞれ置換されていても良い)を
    表すか、或いは RとR及び/又はRとRが合体して、C〜C20アルキレン、4個
    以下の芳香族環を有しているアリーレン若しくはヘテロアリーレン、又はC
    20アラルキレン(それぞれ置換されていても良い)を形成し、そして Rが水素、C〜C20アルキル、非置換又はC〜Cアルキル置換のC 〜C10シクロアルキル、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20 アリール、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20アラルキル、非置
    換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20ヘテロアリール、C〜C21
    シルを表し、かつ上述の基は、−NO、−NO、−CN、−CO 、−CO 、−CONR 、ハロゲン、−NR 、−OR、−NR 、−
    SO 、−SO、−SO、−SONR 及び−SiR
    ら選択される置換基で置換されていても良く、及び/又は上述の基の1、2、3
    又は4個の炭素原子がN又はOで置き換わっていても良く、或いは Rがニトロ、ニトリル、スルフィニル、スルホニル又はSiR を表わし
    、 Rが水素、C〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表わし、そし
    て RがC〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表す] で表されるジホスフィン化合物であって、 R、R、R及びRがそれぞれフェニルを表わし、そしてRがCHM
    ePh、CHMeCOMt、CHMeCOEt、エンド−(1R)−1,7
    ,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、CHCH
    H又はCHCH=CHを表わし; R、R、R及びRがそれぞれシクロヘキシルを表わし、そしてR
    CHMePh又はCHMeCOHを表わし;或いは 一方ではRとR及びまた他方ではRとRが合体してシクロオクチレン
    を形成し、そしてRがCHMePhを表す、 場合の化合物は除外されていることを特徴とする化合物。
  9. 【請求項9】 パラジウム(II)化合物及び以下の一般構造式: 【化4】 [但し、R、R、R及びRが独立して、C〜C20アルキル、C
    10シクロアルキル、4個以下の縮合芳香族環を有しているアリール若しくは
    ヘテロアリール、C〜C20アラルキル(それぞれ置換されていても良い)を
    表すか、或いは RとR及び/又はRとRが合体して、C〜C20アルキレン、4個
    以下の芳香族環を有しているアリーレン若しくはヘテロアリーレン、C〜C アラルキレン(それぞれ置換されていても良い)を形成し、そして Rが水素、C〜C20アルキル、非置換又はC〜Cアルキル置換のC 〜C10シクロアルキル、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20 アリール、非置換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20アラルキル、非置
    換又はC〜Cアルキル置換のC〜C20ヘテロアリール、C〜C21
    シルを表し、かつ上述の基は、−NO、−NO、−CN、−CO 、−CO 、−CONR 、ハロゲン、−NR 、−OR、−NR 、−
    SO 、−SO、−SO、−SONR 及び−SiR
    ら選択される置換基で置換されていても良く、及び/又は上述の基の1、2、3
    又は4個の炭素原子がヘテロ原子で置き換わっていても良く、或いは Rがニトロ、ニトリル、スルフィニル、スルホニル又はSiR を表わし
    、 Rが水素、C〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表わし、そし
    て RがC〜C10アルキル又はC〜C14アリールを表す] で表されるジホスフィン化合物を含む触媒組成物。
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