JP2003519504A - タキソールおよびタキサンの製造 - Google Patents

タキソールおよびタキサンの製造

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JP2003519504A
JP2003519504A JP2001551858A JP2001551858A JP2003519504A JP 2003519504 A JP2003519504 A JP 2003519504A JP 2001551858 A JP2001551858 A JP 2001551858A JP 2001551858 A JP2001551858 A JP 2001551858A JP 2003519504 A JP2003519504 A JP 2003519504A
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taxane
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チン−ジャー チャン,
シャオ−ジエ トン,
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/14Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems

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Abstract

(57)【要約】 高収率で経済的なイチイバイオマスからのタキサンの精製プロセスが開示される。このプロセスは、高極性物質を分離するための粗製抽出物の初期の液:液分配を必要としない。バイオマスの有機溶媒抽出物は、吸着樹脂上に吸着され、そして選択的に吸着樹脂から脱着され、タキサン富化溶出液を提供する。引続いて、純粋な個々のタキサンが、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより抽出液からさらに単離され得る。このプロセスは、植物バイオマスから不純なタキサンを含有する粗製抽出物を得る工程、この不純なタキサンを吸着樹脂上に吸着する工程、および溶出溶媒を用いてこの吸着樹脂からタキサンを溶出する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の引用) 本出願は、その全体が参考として本明細書に援用される、2000年1月13
日提出の、米国仮出願番号60/175,837の利益を主張する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、植物バイオマスからタキサン(taxane)を精製するプロセス
に関する。より詳細には、本発明はイチイのバイオマスから、タキソール(ta
xol)およびタキサンを得るための高収率の抽出および精製プロセスに関する
【0003】 (発明の背景) タキソールは、元々西洋イチイ、Taxus brevifoliaの幹の樹
皮から単離された、天然に存在する化合物である(Waniら,J.Am.Ch
em.Soc.,vol.93(1971),pg.2325)。タキソールは
ヒトの卵巣癌、乳癌、および肺癌の処置のための重要な化学療法剤であり、ヒト
の他の癌の処置のための約束された療法剤と見なされている(Goldspie
l,「Clinical Overview of the Taxanes」
,Pharmacotherapy,vol.17(1997),pg.110
SおよびMcGuireおよびRowinsky,「Paclitaxal i
n Cancer Treatment」,Marcel Dekker,In
c.,New York,1995)。タキソール、セファロマニン(ceph
alomannine)、バッカシンIII(baccatin III)なら
びにそれらの10−デアセチル化および7−キシロシル誘導体等のタキサンは、
高度に複雑なジテルペン骨格によって特徴付けられる。これらの化学的に類似し
た化合物は、イチイの他の部分からの複合抽出物中に、しばしば同時に見つかる
。このような抽出物中から個々のタキサンを単離するには、一般的に、高価な逆
相シリカベースゲルマトリックス、もしくは、とても遅い勾配溶出システムのシ
リカゲルまたはアルミナゲルを使用した、逆相クロマトグラフィー法が必要であ
る(Snader,「Isolation and Detection」,i
n Taxol−Science and Applications,M.S
uffness,編,CRC Press,Boca Raton,Flori
da 1995,pp.277−286)。所望の化合物の低い収率、クロマト
グラフィー樹脂および/またはこれらの樹脂の再生の高いコストは、多くの場合
不満であり、かつ高い製作コストに寄与する。
【0004】 最初のタキソール単離にはT.Brevifoliaの樹皮からのメタノール
抽出を使用し、次に、FLORISIL(登録商標)、SEPHADEXLH−
200(登録商標)およびシリカゲルを使用した、一連のクロマトグラフィー工
程が続いた(Waniら,J.Am.Chem.Soc.,vol.93(19
71),pg.2325)。Millerら,J.Org.Chem.,vol
.46(1981),pg.1469は、イチイの針状葉、小枝、および根から
のエタノール抽出、そしてそれに続く、向流配分、逆相クロマトグラフィーおよ
びシリカゲルクロマトグラフィーによるタキソールおよびセファロマニンの単離
を記載する。
【0005】 先行技術の方法による、イチイバイオマスからのタキソールおよび他のタキサ
ンの生成は、多くの場合、最初の抽出物中の高レベルの不純物によって妨げられ
る。様々な分画および濾過の手順がさらなる精製の前の抽出物の富化に使用され
ている。これらを含む方法は、Rao WO 92/07842;Nair W
O 94/13827;Elsohleyら WO 92/18492;Car
verら 米国特許第5,281,727号、1994年1月25日発行;Pa
ndeyおよびYankov,米国特許第5,654,448号、1987年8
月5日発行;ConciancichおよびPace,米国特許第5,744,
333号、1998年4月28日発行;Liu 米国特許第5,969,165
号、1999年10月19日発行;ならびにSnader,「Isolatio
n and Detection」、in Taxol−Sience and
Application,M.Suffness,編、CRC Press,
Boca Raton,Florida 1995,pp.277−286に記
載される。これらすべての方法が共有する特徴は、バイオマスの最初の有機溶媒
抽出、その次の不純物を除去する一回または複数の液体:液体分配工程、その次
の複数のクロマトグラフィー精製工程である。イチイバイオマス中のタキソール
含有量が低いために(乾燥重量の0.05〜0.001%)、非常に大量の有機
溶媒(例えばクロロホルム、塩化メチレンおよびベンゼン)が抽出および分配の
手順で使用される。これらの溶媒は一般に有毒であり、費用のかかる排気制御お
よび廃液管理システムを必要とする。加えて、分配工程は乳濁液を形成する傾向
が高く、分配効率を著しく脅かす。
【0006】 WO 94/13827(Nair)および米国特許第5,969,165号
(Liu)は、下流のクロマトグラフィー分離工程での問題を回避するための必
須工程として、活性木炭での粗抽出物の処理を公開する。木炭を除去した後、結
果として得られた浄化溶液は、タキサンの沈殿またはクロマトグラフィーに先行
して水溶性の不純物を除去するための液体:液体分配工程のいずれかによって、
分画される。活性木炭は、不純物と共に要求するタキサンの実質量を吸着し得る
。そして、液体:液体分配工程は有毒な溶媒を含み得る。これは、顕著にプロセ
スの収率を下げ、そして個々のタキサン化合物の単離コストを上げ得る。
【0007】 これらの欠点すべてが、タキソール濃度が濃く、かつ問題となる不純物濃度が
比較的低い傾向にある樹皮からの大規模な生成に比べて、タキソールおよび他の
タキサンの針状葉および小枝からの生成を経済的に魅力のないものにしている。
しかし、イチイ樹皮からのタキソールの単離は、すべての癌患者に対する十分量
を提供し得ず、かつ天然イチイの生存を危険にさらす懸念がある。そのため、天
然または栽培イチイバイオマスの再生可能な源からの、高収率のタキソールおよ
び他のタキサンの精製法の開発が望まれる(Witherupら,J.Nat.
Prod.,vol.53(1990),pg.1249)。
【0008】 本発明は上記の欠点を克服し、そして付加的な利点および長所を提供する。長
所は、高収率の抽出およびイチイバイオマスからのタキソールおよび他のタキサ
ンの精製のためのプロセスを提供することを含む。他の利点は、費用のかかる分
配工程を除外し、それによって有害有機溶媒および高価なシリカベース逆相クロ
マトグラフィーマトリックスの使用を劇的に減らすことを含む。
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、植物バイオマスからのタキサンの精製プロセスおよびその製造に関
する。本発明の様々な局面が新規、非自明であり、そして様々な長所を提供する
。ここに取り上げる本発明の実際の性質は、本明細書に添付した特許請求の範囲
を参照することによってのみ決定され得るが、本明細書に開示する好ましい実施
形態によって特徴付けられる特定の形態および特徴を、次に簡潔に記載する。
【0010】 本発明はイチイバイオマス、特に針状葉、小枝および/または幹のような再生
可能なバイオマスからのタキサンの精製の高収率かつ経済的な方法およびプロセ
スを提供する。このプロセスは、溶媒へのタキサンの高い溶解性のために選択さ
れた抽出溶媒での、好ましくは砕いたイチイバイオマスの抽出、それに続く吸着
樹脂への選択的吸着および吸着樹脂からの溶出による、抽出物中のタキサンの富
化を包含する。
【0011】 1つの形態において、タキサンの精製プロセスを提供する。このプロセスは、
植物バイオマスから不純なタキサンを含む粗抽出物を得る工程;吸着樹脂へ不純
タキサンを吸着させる工程;洗浄溶媒で吸着樹脂を洗浄する工程;および洗浄溶
媒より極性が低い溶出溶媒で吸着樹脂からタキサンを溶出する工程を包含する。
この抽出物をシリカ樹脂に吸着させ、そして非極性不純物を、比較的非極性の洗
浄溶媒を用いて樹脂から洗浄する。次に、適当な溶出溶媒の選択によってタキサ
ンを溶出する。次に、非イオン性の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂でのクロ
マトグラフィーによって、この溶出物から個々のタキサンを90%より高い純度
で単離する。
【0012】 別の形態において、個々のタキサンを、高純度でタキサンを含むバイオマスか
ら単離し得る。タキサンを単離するためのプロセスは、不純なタキサンを含む粗
抽出物を提供するために抽出溶媒を用いてタキサンを含む植物バイオマスを抽出
する工程;粗抽出物からのタキサンの分画の前に、吸着樹脂へ不純タキサンを吸
着させる工程;およびタキサン富化溶出物を提供するために溶出溶媒を用いて、
吸着樹脂から1以上のタキサンを溶出する工程を包含する。
【0013】 なお別の形態において、植物バイオマスからタキサンを単離するためのプロセ
スは、所望のタキサンならびに親水性および疎水性の不純物を含む抽出物を得る
ために、タキサンを溶解し得る抽出溶媒を用いてバイオマスを抽出する工程;極
性の、緩衝化されたかまたは緩衝化されていない水性溶媒:有機溶媒吸着混合物
を用いて、抽出物を第一の非イオン性の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂上へ
吸着させる工程であって、この混合物は、第一の疎水性相互作用樹脂上への所望
のタキサンの吸着を誘導する、工程;この第一の疎水性相互作用樹脂を、緩衝化
または非緩衝化水性溶媒:有機溶媒洗浄混合物で洗浄して、所望のタキサンより
疎水性の不純物を第一の疎水性相互作用樹脂から溶出し、所望のタキサンをこの
第一の疎水性相互作用樹脂に吸着させたまま維持する工程;所望のタキサンを、
緩衝化されたかまたは緩衝化されていない水性溶媒:有機溶媒溶出混合物を用い
て、この第一の疎水性相互作用樹脂から溶出する工程であって、この混合物は、
洗浄混合物よりも疎水性であり、そして第一の疎水性相互作用樹脂からの所望の
タキサンの脱着を誘導し、一方で所望のタキサンより疎水性の不純物を第一の疎
水性相互作用樹脂に吸着させたままに維持して、所望のタキサンが富化した溶出
液を得る、工程を包含する。
【0014】 本発明のさらになお別の形態において、タキサンの抽出に先行する、水溶性タ
ンパク質、塩、糖および顔料を除去するための、バイオマスの最初の水性抽出を
提供する。このプロセスの次に続く工程において、シリカ吸着樹脂が非イオン性
の疎水性相互作用吸着樹脂と比較して使用される際に、これは特に有利である。
【0015】 好ましい実施形態において、吸着樹脂は、ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、ポリスチレン、臭素化ポリスチレンおよびその混合物からな
る群から選択されたマクロポリマーあるいは、1以上のポリマーのコポリマーを
含む。これらの樹脂は、非極性有機溶媒での洗浄、その次の所望の吸着溶媒での
再平衡によって、有利に再充填可能である。
【0016】 他の好ましい実施形態において、吸着樹脂は、水および水に不混和性の有機溶
媒中で懸濁共重合により生成された、スチレンおよびジビニルベンゼンのコポリ
マーを含む。
【0017】 本発明の目的は、タキサンを高い収率および純度で生成する方法を提供するこ
とである。本発明の、これらおよび他の目的ならびに利点は、以下の好ましい実
施形態の詳細な説明から明らかになる。
【0018】 (好ましい実施形態の説明) 本発明の原理の理解を促進する目的で、参照が本明細書中に示す実施形態にな
され、そして、実施形態の記載に特別な言語が使用される。それにもかかわらず
、それによって本発明の範囲の制限が意図されないことが、理解される。記載さ
れたプロセス、システムまたは装置における任意の改変およびさらなる修飾、な
らびに本明細書に記載された本発明の原理の任意のさらなる適用は、本発明に関
する当業者が普通行うものとして企図される。
【0019】 本発明は、イチイ由来のバイオマスからタキサンを精製する改良プロセスを提
供する。このプロセスは、高収率の実質的に純粋なタキサンを提供する。そして
コスト効率がよく、かつ先行する技術方法よりも環境に優しい。タキサンを、破
砕したイチイ由来のバイオマスから有機抽出溶媒で最初に抽出する。次にタキサ
ンを、吸着樹脂上に吸着させる。次に樹脂を異なる極性の溶媒によって溶出し、
極性または疎水性の異なる不純物から所望のタキサンを分離する。次に実質的に
純粋な個々のタキサンを、比較的安価な吸着樹脂でクロマトグラフィーで単離す
る。例えば、1つの精製スキームは、シリカゲル樹脂を使用する。他の精製スキ
ームは、非シリカの疎水性相互作用マクロポリマー樹脂(非イオン性樹脂)を、
個々のタキサンの単離および残留の不純物の除去に使用する。本明細書に記載し
た精製スキームにかかわらず、本発明は、塩化メチレンおよびクロロホルムなど
の高度に有害な溶媒の使用を必要とせずに、高純度で個々のタキサンを提供する
【0020】 本発明によって精製したタキサンは、タキソール、セファロマニン、バッカシ
ンIII、10−デアセチルタキソール、10−デアセチルセファロマニン、1
0−デアセチルバッカシンIII、7−キシロシルタキソール、7−キシロシル
セファロマニン、7−キシロシルバッカシンIIIおよび類似のタキソール誘導
体である。これらの薬学的に重要なタキサンは、西洋イチイ(太平洋イチイ)を
含むTaxusおよびAustrotaxus属の多くの種のイチイ、ならびに
T.buccataおよびT.cuspitataの交配由来の他の多くの栽培
種において(比較的高濃度のタキサン含有量のために)、様々な濃度で見られる
【0021】 基本的にイチイのどの部分からも、そして特に樹皮、針状葉、小枝および根か
ら有効なタキサンが抽出され得る。イチイ樹皮抽出物は、比較的高濃度のタキサ
ンならびに針状葉および小枝に比較した場合の問題となる顔料、脂質および蝋の
比較的低い濃度を有する傾向にある。しかし、樹皮の剥ぎ取りは、恒久的に木に
被害を与える。この理由で、再生可能なバイオマス、例えば針状葉および小枝、
またはまさに培養植物細胞から、タキサンを抽出することが好ましい。
【0022】 針状葉、小枝、根、樹皮または培養植物細胞からであれ、採集したイチイバイ
オマスは、自然のプロセスによるタキサンの分解を最小化するために、新鮮なう
ちに処理することが好ましい。新しく採集されたバイオマスは、タキサンの収率
の減少が最小になるように、1週間から数週間の間、冷却乾燥条件下で貯蔵し得
る。しかし、通常、新鮮なバイオマスの時宜にかなった処理は、工業的に実用的
でない。したがって、長期の保存が望まれる場合、収穫後のバイオマスを乾燥す
ることが好ましい。植物材料の乾燥法は、当該分野で周知であり、そして任意の
数が、タキサンの関連類似化合物を得うる本発明のプロセスにおいて使用され得
るが、ただし温度はタキサンの分解および/またはエピマー化を防止するために
約40℃未満に維持される。乾燥バイオマスは室温以下での乾燥条件下で長期間
保存されうる。さらなる処理に先行しての乾燥バイオマスの再水和は、収率を改
善しうる。少なくとも10分間から数時間またはそれ以上から選択された時間、
バイオマスを水または他の水溶液に浸すことにより、再水和はもたらされ得る。
【0023】 新鮮な乾燥または再水和バイオマスを、当該分野で公知の従来の手段によって
切断および破砕しうる。好ましい実施形態において、バイオマスを1/4インチ
(10メッシュ)より小さいか、または同等な大きさの粒子に破砕する。
【0024】 本発明の1つの実施形態において、破砕したバイオマスを有機抽出溶媒で抽出
する前に、このバイオマスを水性溶媒で抽出して、さもなければ、有機溶媒抽出
物を汚染する水溶性のタンパク質、塩、糖および顔料を除去する。
【0025】 本発明の他の実施形態において、抽出溶媒中でのタキサンの溶解度が高くなる
ように選択した有機抽出溶媒によって、破砕したバイオマスを抽出する。いくつ
かの適当な抽出溶媒は当該分野で公知である。好ましい例としては、C−C アルコール、C−Cアルキルケトン、C−Cカルボン酸のC−C
ルキルエステル、C−Cカルボン酸、C−Cアルキルニトリル(nit
ile)、C−Cアルキルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、ニトロ
メタン、トルエンおよびその混合物が挙げられる。水混和性溶媒をさらに約60
容積%水まで含み得る。メタノール/塩化メチレン混合物は、バイオマスからの
高いタキサン抽出効率を提供する。しかし、塩化メチレンの使用は、上記の他の
いくつかの溶媒の使用と同様、材料および廃液処理コストの顕著な増大を提供す
る。メタノールは、優れた細胞への浸透性、タキサンの溶解性、ならびに低コス
トの材料および廃液処理を提供する。加えて、抽出物を濃縮し、そして/または
乾燥粗タキサンを得るために、メタノールは容易に除去される。有利な点として
、メタノールは容易に再利用のために回収される。
【0026】 バイオマスの抽出のために、選択した有機抽出溶媒をバイオマスに添加する。
得られる混合物を、必要な時間浸漬する。所望される時間は、物理的な溶媒の添
加および次に続く残留固体からの分離に必要な、最低限の時間であり得る。好ま
しくは、この混合物を攪拌しながら、または攪拌せずに、数分から数時間、例え
ば約30分から約12時間より長く、すなわち24時間または48時間の範囲の
時間、維持する。最適の浸漬時間は、設備および生成スケールによって変化しう
ることが理解されるべきである。次に、バイオマスを濾過して抽出溶媒を除き、
さらなる処理のために保持する。複数回の有機溶媒抽出または連続フロー抽出シ
ステムを、必要に応じてバイオマスからのタキサンの抽出のよりよい効率をもた
らすために使用し得る。溶出液は、抽出の最適終点を決定するためにモニターさ
れ得、溶出液のスペクトログラフィー分析の色をモニターすることおよびクロマ
トグラフィー技術を含む。任意の1回のバッチ式抽出に使用される抽出溶媒の体
積および浸漬時間、あるいは連続フローシステムでの溶媒流速を、最適な回収の
ために調整し得る。攪拌、音波処理、加熱(約40℃以下)、抽出物を濾過する
ための陰圧または吸引の適用、そして残渣のバイオマスからの抽出物の除去を容
易にするバイオマスの加圧のような技術は、必要ではないが、すべてを抽出効率
の改善に有利なように使用し得る。溶媒量、浸漬時間または連続流速、ならびに
列挙した技術の使用といった因子は、時間制限および装置および関連のプロセス
コストと共に、与えられたバイオマスから抽出されるタキサンの収率を増大し、
かつ与えられた生成装置の特定の必要性に適するように、最適化され得る。
【0027】 1つの好ましい実施形態において、可溶化したタキサンを含む濾液画分がプー
ルされ、そして溶媒が従来の手段により除去される。生成物が、抽出物の下流プ
ロセシングを妨害する残留溶媒を含有しないことを条件として当該分野で公知の
溶媒除去または交換の任意の手段が企図される。1つの好ましい方法として、溶
媒の回収をともなう減圧下でのエバポレーションが挙げられる。得られる実質的
に溶媒のない抽出物がさらに処理され、この抽出物から個々のタキサンを回収す
る。
【0028】 驚くべきことに、上記のように開始分画手順(例えば、タキサン精製方法の先
行技術により必要とされるようなクロマトグラフィー分離前の粗製有機抽出物の
液:液分配)なしにタキサンに富む画分が、有機溶媒抽出物から得られ得ること
が見出された。
【0029】 本発明で使用される場合、用語、分画は、不純物および/または1以上のタキ
サンの分離または部分的な分離を含み、液:液分配などを含むが、固体粒子を除
去するための濾過または固体物質の再溶解は、含まない。
【0030】 本発明は、吸着樹脂を使用する選択的吸着および脱着により粗製抽出物のタキ
サン含有量を顕著に高める。抽出物は、タキサンが樹脂上に吸着するように誘導
する溶媒中で吸着樹脂上に吸着される。次に、この樹脂を少なくとも不純物の一
部を溶出するが、タキサンは樹脂上に保持する洗浄溶媒で洗浄する。次に、この
樹脂をタキサンの脱着を誘導するが、不純物の第二の部分は、樹脂上に保持する
溶出溶媒で溶出する。次に、生じるタキサン富化溶出物をタキサン濃縮物として
使用し得るか、または個々のタキサン化合物をさらに精製するために前処理され
得る。
【0031】 図1は、1つの好ましい実施形態の図示である。1以上のタキサンが、シリカ
樹脂上への吸着および抽出物におけるタキサンおよび不純物の極性の相違の利点
を利用することにより粗製抽出物および他の不純物から分離される。上記される
抽出物は、シリカ樹脂上に吸着され、続いて連続して極性が増加する溶媒混合物
を用いて選択的に溶出される。好ましくは、極性が増加する溶媒混合物はまた、
親水性も増加する。本発明において有用なシリカ樹脂が市販されている。所望の
タキサンを吸着させ、そして高度に極性の分子を保持することを条件として、安
価なシリカゲルが使用され得る。
【0032】 1つの好ましい実施形態において、開始量のシリカ樹脂を濃縮した抽出物と混
合し、次に抽出溶媒が除去されて粉末を提供する。抽出物に対する樹脂の代表的
な比率は、重量で約4:1および1:2の間である。生じる樹脂/抽出物混合物
を第二の樹脂部分を含むカラムに置く。代表的に、樹脂/抽出物混合物に対する
カラム樹脂の比率は、重量で約1:2と10:1の間である。抽出物に対する総
樹脂の充填比率は、代表的には、約2:1と約10:1の間である。所望である
場合、より大きな比が使用され得る。
【0033】 代替的な実施形態において、抽出物は吸着溶媒に溶解され得、そして樹脂上に
抽出物を吸着するために樹脂と混合されるか、または樹脂カラムを通され得る。
再度、充填する総樹脂の比率は、代表的には、約2:1と約10:1の間である
。10:1を超える比率もまた使用され得る。
【0034】 抽出物が樹脂上に吸着された後、樹脂を洗浄溶媒で洗浄してシリカ樹脂から非
極性不純物を溶出するが、タキサンおよび極性不純物は、樹脂上に保持する。洗
浄溶媒は、樹脂上へのタキサンの吸着を維持するが、ロウ、脂肪および脂質のよ
うな非極性不純物を溶出する非極性溶媒混合物である。次に、このカラムを、洗
浄溶媒と混和可能であるが、洗浄溶媒よりも極性である溶出溶媒で溶出する。こ
の溶出溶媒は、樹脂からのタキサンの脱着を誘導するが、タキサンよりもより極
性である不純物を樹脂上に保持する。これは、1以上のタキサンが顕著に富化さ
れ、そしてタキサンより区別可能にいくぶん極性である抽出された不純物が基本
的にない溶出物を生じる。
【0035】 1つの好ましい実施形態において、シリカ樹脂は、樹脂から個々のタキサンの
少なくとも部分的な分離をもたらすために、極性の増加する溶媒混合物を用いて
複数の工程において溶出される。例えば、タキソール/セファロマンニンプール
は、有利なことに、より極性の10脱アセチル化されたタキサン誘導体から少な
くとも部分的に分離され得る。
【0036】 別の実施形態において、増加する極性の溶出勾配を含む連続して流れる移動相
が、クロマトグラフィーカラムを展開し、樹脂から1以上のタキサンを溶出する
ために使用される。所望されるタキサンを含有する画分が回収され、そしてプー
ルされる。
【0037】 好ましい吸着、洗浄および溶出溶媒混合物は、1以上の非極性有機溶媒と混和
可能な1以上の極性有機溶媒との混合物である。増加する極性の連続する溶媒混
合物は、非極性溶媒に対する極性溶媒の比率を増加することによって得られる。
好ましい非極性溶媒として、例えば、C〜Cのアルカンおよびトルエンが挙
げられる。好ましい極性溶媒として、例えば、C〜Cのアルコール、C
のアルキルケトン、C〜Cのカルボン酸のC〜Cのアルキルエステ
ル、C〜Cのカルボン酸、C〜Cのアルキルニトリル、C〜Cのア
ルキルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、ニトロメタン、およびこれら
の混合物が挙げられる。厳密な比率は、樹脂の特定の組み合わせ、その活性、使
用される溶媒の選択、所望されるタキサンおよびバイオマス供給源に依存して、
所望される成分の分離のために最適化される。この最適化は、例えば、精製され
た化合物の混合物の試験分離、またはパイロットスケールでの分離によって達成
される。
【0038】 他の吸着媒体(例えば、アルミナ、CELITE(登録商標)、FLORSI
L(登録商標)およびSEPHADEX(登録商標))が、液:液分配工程を必
要とせずにイチイ(yew)バイオマス抽出物の初期富化をさらに可能にするこ
とが予見され得る。このような吸着媒体は、極性の程度以外の化学特性に基いて
化合物を分離する樹脂、または特異的な生体認識(biorecognitio
n)により化合物を分離する樹脂を含み得、そしてこれらは、本発明の範囲内で
ある。
【0039】 タキサン富化溶出物は、粗製タキサン濃縮物として使用され得るか、またはさ
らに処理され個々のタキサンに単離され得る。溶出溶媒は、例として、減圧下で
のエバポレーション、または当該分野で一般的な他の手段により除去され得、タ
キサンが濃縮され、ゴム状のコンシステンシーを有する物質を得る。
【0040】 本発明の別の実施形態において、個々のタキサンが、非シリカベースの、非イ
オン性の、疎水性相互作用マクロポリマー樹脂を使用して、上記シリカ吸着工程
のタキサン富化溶出物から1回のクロマトグラフィー工程で、90%より良好な
純度、および必要に応じて98%より良好な純度まで精製され得ることが見出さ
れた。上記シリカ吸着富化からの画分を含む脱溶媒和されたタキサンは、水と混
和可能な適切な有機溶媒またはそれらの水性混合物において再構築される。好ま
しい有機溶媒として、例えば、直鎖、分枝、および環状の以下が挙げられる:C 〜Cのアルコール、C〜Cのアルキルケトン、C〜Cのカルボン酸
のC〜Cのアルキルエステル、C〜Cのカルボン酸、C〜Cのアル
キルニトリル、C〜Cのアルキルエーテル、およびこれらの混合物。再構築
溶媒の含水量は、脱溶媒和されたタキサンを含む画分の溶解度により制限される
【0041】 本発明において有用な疎水性相互作用樹脂は、樹脂との疎水性相互作用および
サイズ排除相互作用に基いて分子を分離する非シリカベースのマクロ細孔疎水性
マクロポリマーである。本発明において有用なポリマー樹脂のさらなる利点は、
再利用可能であること、および代表的な高いグレードの逆相シリカベースの樹脂
の高コストを回避することである。ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポリメタク
リレートポリスチレンおよび修飾されたポリスチレン、特に臭素化されたポリス
チレンベースのポリマーおよびコポリマーを含む樹脂が、利点を得るために使用
される。種々の非イオン性の疎水性相互作用樹脂が市販されている。
【0042】 特に適切な非イオン性の疎水性相互作用樹脂は、好ましくは約5μmと約25
0μmの間の平均粒子サイズを有する約5μm〜約500μmの範囲の粒子サイ
ズ、および約5Å〜約500Å、好ましくは約10Å〜400Åの範囲の孔径を
有する。別の好ましい実施形態において、平均孔サイズは、約300Å未満であ
り;なおより好ましくは平均孔サイズは、150Å未満である。樹脂は、約30
/gを超える平均BET表面積を有する。
【0043】 適切な非イオン性の疎水性相互作用樹脂は、本明細書中で参考として援用され
る米国特許第3,418,262号に記載されるように生成され得る。一例とし
て、限定ではないが、適切な樹脂が、n−ヘキサン、トルエン、またはエチレン
グリコールモノエチルエーテルのようなスチレンのモノマーと良好な適合性を有
するが、水と低混和性である有機希釈物の存在下で約80〜90℃でスチレンと
ジビニルベンゼンの水性懸濁共重合により生成され得る。米国特許第3,418
,262号に述べられるような飽和カルボン酸がまた、樹脂粒子構築を所望のよ
うに変更するために種々の割合で添加され得る。
【0044】 疎水性相互作用樹脂が、樹脂上へのタキサンの吸着を誘導するが、タキサンよ
りも親水性である不純物の通過を可能にする水性:有機溶媒混合物を含む充填溶
媒または開始洗浄溶媒で平衡化される。上記シリカ吸着工程において今だ除去さ
れていない顔料、塩、糖および水溶性タンパク質のような親水性不純物のほとん
どが、これによって、充填溶媒または洗浄溶媒により樹脂から溶出される。次に
タキサンが、所望のタキサンの吸着を選択的に誘導するが、タキサンよりもより
疎水性である不純物を樹脂上に保持することができるように、吸着溶媒よりもよ
り高い有機溶媒含量を有する緩衝化または非緩衝化水性:有機溶媒混合物を含む
溶出溶媒を用いてカラムから溶出される。上記シリカ吸着工程によって除去され
れないワックス、脂質および脂肪のような疎水性不純物は、樹脂上に保持される
。回収された溶出画分は、90%の純度を超えて、そして必要に応じて、98%
の純度を超えて個々のタキサンを含む。適切な疎水性相互作用樹脂/充填(洗浄
)溶媒/溶出溶媒の組合せは、特定の所望のタキサンを単離するための溶出プロ
フィール条件を提供するために最適化され得る。条件は、所定の樹脂/溶媒系の
組み合わせを用いて以前に精製されたタキサンの混合物についての試験分離によ
って最適化され得る。試験分離は、分離条件を最適化するために、TLC技術、
HPLC技術などの使用伴い得る。
【0045】 別の実施形態において、溶出溶媒について水に対する有機溶媒の比率が徐々に
増加する連続して流れる溶出勾配を使用して、適切な回収およびタキサン含有画
分のプールを用いて樹脂から1以上のタキサンを溶出し得る。
【0046】 必要に応じて図1において図表で示される代替の好ましい実施形態において、
最初、粉砕されたバイオマスは、水溶性不純物(例えば、水溶性タンパク質、塩
、糖、および顔料)を取り除くために緩衝化または緩衝化していない水性抽出溶
媒を使用して、抽出され、その後、有機抽出溶媒でタキサンを抽出する。タキサ
ンが水性抽出物へ浸出するのを防ぐために水性抽出溶液中に有機溶媒が含まれな
いことが所望される。例えば、水性抽出緩衝液中の10%程度に少ないメタノー
ルが、受け入れられないタキサンの浸出を生じることが公知である。好ましくは
、水性抽出溶媒は、約10重量%未満の有機溶媒;より好ましくは、約5重量%
未満の有機溶媒を含むべきである。
【0047】 複数のバッチ様式の水性抽出物または連続フロー抽出システムが、必要に応じ
て使用され、水溶性不純物の除去においてより高い効率をもたらし得る。溶出を
モニタリングする多くの方法を使用して最適終点を決定し得る(溶出液の色をモ
ニタリングすることを含む)。任意の1バッチ抽出について使用される水性抽出
緩衝液の容量および浸漬時間、または連続フローシステムにおける溶媒の流量は
、重要ではない。最適な条件は、出発物質、バッチサイズ、および使用される装
置で変化する。
【0048】 攪拌、超音波処理、加熱(タキサンの変性またはエピマー化を避けるために約
40℃以下)のような技術、抽出物を濾別するために背圧また減圧の適用、およ
び残留バイオマスから水性抽出物の除去を容易にするためのバイオマスの圧搾は
すべて、抽出効率を改善するための利点を得るために必要に応じて使用され得る
。溶媒容量、浸漬時間、または連続流量および列挙された技術の使用のような因
子は、時間的制限ならびに装置および関連するプロセスコストに伴って、所定の
バイオマスから抽出されるタキサンの収率を最大にするように、そして所定の生
産設備の特定の必要性に適応するように最適化され得る。水性濾液の除去後、残
留バイオマスは、上記される有機溶媒抽出について用意される。
【0049】 図2において図表で示される本発明の代替的な実施形態において、シリカ樹脂
の吸着工程が、非イオン性の疎水性相互作用マイクロポリマー樹脂上への吸着、
それに続く連続した選択的溶出(緩衝化または非緩衝化水に対する有機溶媒の増
加する比率を有する連続する緩衝化または非緩衝化水性溶媒混合物を用いる)で
置き換えられる。シリカ吸着工程と同様に、この疎水性相互作用の樹脂吸着工程
は、タキサンが顕著に富化された溶出物を生じる。疎水性相互作用の吸着工程に
適する樹脂は、上記疎水性相互作用クロマトグラフィー工程について記載された
樹脂と同じであるか、または関連するが、より少ない程度の選択性が、工程のこ
の初期段階で最終生成物の収率または純度の減少なしに使用され得る。
【0050】 疎水性相互作用樹脂が、樹脂へのタキサンの吸着を誘導するために十分に低い
有機溶媒含量の緩衝化または非緩衝化水性有機吸着溶媒で平衡化される。次に、
抽出物を吸着溶媒に溶解し、平衡化した樹脂と混合するか、または平衡化した樹
脂のカラムを通して、樹脂に抽出物を吸着させる。次に、疎水性相互作用樹脂を
、緩衝化または非緩衝化水性有機溶媒混合物を含む洗浄溶媒(これは、タキサン
を樹脂上に吸着させて保持するが、タキサンよりも親水性である不純物(例えば
、水溶性タンパク質およびペプチド、塩、糖、および顔料)を樹脂から洗い流さ
れるのを可能にする)で洗浄する。次に、カラムを緩衝化または非緩衝化水性:
有機溶媒混合物を含む溶出溶媒(これは、洗浄溶媒よりも高い水に対する有機溶
媒の比率を有し(すなわち、より疎水性である)、樹脂からのタキサンの脱着を
誘導するが、タキサンよりも疎水性の不純物を樹脂上に保持する)で溶出する。
あるいは、次に、疎水性樹脂を、残っている任意の化合物を樹脂から脱着する有
機溶媒を用いる溶出により再使用のために洗浄し得る。
【0051】 1つの好ましい実施形態において、樹脂は、水に対する有機溶媒の増加する比
率の溶媒混合物を用いて複数の工程において溶出され、疎水性樹脂からの個々の
タキサンの少なくとも部分的な分離をもたらす。例えば、タキソール/セファロ
マンニンプールは、より親水性の10−脱アセチル化タキサン誘導体から効率的
に分離され得る。
【0052】 別の実施形態において、水に対する有機溶媒の比率が徐々に増加する連続して
流れる溶出勾配を使用して、適切なタキサン含有画分の回収およびプールを用い
て樹脂からタキサンを溶出し得る。
【0053】 使用される特定の溶出溶媒は、使用される疎水性相互作用樹脂の選択、および
最終産物として所望される特定のタキサンに依存する。緩衝化または非緩衝化さ
れた水に非混和性の有機溶媒が使用され得る。緩衝化または非緩衝化水性:有機
溶媒混合物において使用するための好ましい有機溶媒として、C〜Cのアル
キルアルコール、C〜Cのアルキルケトン、C〜Cのカルボン酸のC 〜Cのアルキルエステル、C〜Cのカルボン酸、C〜Cのアルキルニ
トリル、C〜Cのアルキルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0054】 本発明の1つの好ましい実施形態において、疎水性相互作用樹脂から溶出され
たタキサン含有画分はプールされ、そして溶媒は、当該分野で理解される任意の
手段により除去される。好ましい手段として、再利用するための溶媒の回収を伴
う減圧エバポレーションが挙げられる。このタキサン富化混合物は、例えば、上
記のような第二の疎水性相互作用樹脂上のクロマトグラフィーによる下流での精
製のために、適切な溶媒中で、再構築され得る。
【0055】 1つの好ましい実施形態において、バイオマスの有機溶媒抽出物からの溶出物
は、最初に抽出溶媒を除去することなしに、平衡化した疎水性相互作用樹脂に直
接通される。溶媒は、樹脂上へのタキサンの吸着を容易にし、高めるための緩衝
化または非緩衝化水で希釈され得る。この実施形態は、溶媒除去工程および中間
の混合物を取り扱う必要性を排除する。より極性の不純物(例えば、水溶性不純
物)は、所望されるタキサンより優先的に、疎水性相互作用樹脂から溶出する。
この効果は、所望のタキサンからこれらの極性不純物を分離する。結果的に、上
記有機溶媒抽出の前の植物バイオマスの初期水性抽出は、しばしば単離されたタ
キサンの純度を減少することなしに排除され得る。このことは、収率を増加する
というさらなる利点を提供する一方で、処理時間、エネルギー、およびコストを
もまた減少する。
【0056】 本発明は、前述の記述に詳細に記載されてきたが、この記載は、特徴が例示お
よび非限定であると考えられるべきであり、好ましい実施形態のみが示され、そ
して記載されたことが理解される。ここで、本発明は、以下の特定の実施例に参
考としてさらに記載される。この実施例はまた、例示のみであり、そして本発明
の方法およびプロセスのさらなる理解を提供することのみが意図されることが理
解される。
【0057】 (実施例) T.media「Hicksii」からの乾燥針状葉(500g)を細かくし
、このバイオマスを2.7Lの水中に約1時間浸漬することにより水性抽出と関
連して再水和した。水性画分を、減圧で残留バイオマスから濾別した。水性抽出
物を、分析用クロマトグラフィー(結果は示さない)により実質的にタキサンを
含まないことを決定した。
【0058】 次に、残留バイオマスを3.5Lのメタノールを用いて、室温で抽出した。溶
出物を回収し、減圧エバポレーションにより乾燥し、37.5gのゴム状固体を
得た。メタノール抽出物をクロマトグラフィーで分析した(図3を参照のこと)
【0059】 メタノール抽出物を、ヘキサン:アセトン溶媒(容量で20:3)で再構築し
、そしてシリカにタキサンが吸着するように150gのシリカ樹脂を通して濾過
した。このシリカを、5Lの20:3のヘキサン:アセトン、4.5Lの20:
6のヘキサン:アセトン、2.5Lの20:9のヘキサン:アセトンで連続的に
溶出した。20:9のヘキサン:アセトン溶出物の最初の1.5Lは、クロマト
グラフィーで決定した場合にタキソール/セファロマンニンが富化していた(図
4を参照のこと)。溶媒を減圧エバポレーションにより除去し、1.01gのゴ
ム状固体を得た。
【0060】 タキソール/セファロマンニン富化固体を、2.0mLのエタノール中で再構
築し、5〜120μmの平均粒子サイズ、約150Åの平均孔サイズおよび30
/gより大きな平均BET表面積を有するスチレン/ジビニルベンゼンコポ
リマーの非イオン性の疎水性相互作用ポリ芳香樹脂上でクロマトグラフ分析した
。サンプルをカラムに充填し、水中40%(容量で)のイソプロパノールで溶出
した。セファロマンニン、タキソールならびに7−エピ−タキソールおよび10
−脱アセチルタキソールの混合物を含む画分を回収した。タキソール画分をクロ
マトグラフで分析した(図5を参照のこと)。
【0061】 タキソールを含む画分を、ヘキサン/アセトン溶液からの結晶化によりさらに
精製し、クロマトグラフで測定される場合に99.8%の純水なタキソール、6
5mgを得た(図6を参照のこと)。
【0062】 本発明は、図および前述の説明ならびに実施例において詳細に例示され、そし
て記載されてきたが、これは、例示であり限定ではないと考えられるべきである
。上記特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神の範囲内に入る開示
された発明の要素の全ての改変および等価物が企図され、そしてこれらの保護が
所望される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による、イチイバイオマスからのタキサンの単離のためのプロ
セスの1つのスキームを例示するフローチャートである。
【図2】 図2は、本発明による、イチイバイオマスからのタキサンの単離のための代替
のスキームを例示するプロセスのフローチャートである。
【図3】 図3は、イチイ針状葉のメタノール抽出物のクロマトグラムである。
【図4】 図4は、シリカ樹脂への選択的吸着およびシリカ樹脂からの溶出によってタキ
サンを富化した、イチイ針状葉からのメタノール抽出物のクロマトグラムである
【図5】 図5は、図3で分析したタキサン富化物質のクロマトグラムである。非イオン
性疎水性相互作用マクロポリマー樹脂でのクロマトグラフィーによって、さらに
タキソールが富化されている。
【図6】 図6は、結晶化によってさらに精製した、図4で分析したタキソール富化物質
のクロマトグラムである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月19日(2002.7.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 トン, シャオ−ジエ アメリカ合衆国 ニュージャージー 07650−2313, パリサデス パーク, 4ティーエイチ ストリート 457 Fターム(参考) 4B064 AE44 CA11 CE08 CE10 DA05

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タキサンを含有する植物バイオマスから得られたタキサンを
    精製するためのプロセスであって、該プロセスが以下: 植物バイオマスから不純なタキサンを含有する粗製抽出物を得る工程; 該不純なタキサンを非イオン性の疎水性相互作用樹脂上に吸着する工程; 該吸着樹脂を洗浄溶媒で洗浄する工程;および 該洗浄溶媒よりも極性の低い溶出溶媒を用いて該吸着樹脂からタキサンを溶出
    する工程、 を包含する、プロセス。
  2. 【請求項2】 前記吸着する工程が、前記洗浄工程に先行する請求項1に記
    載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記洗浄溶媒が水を含む請求項1に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記溶出溶媒が、前記洗浄溶媒より少ない量の水を含む請求
    項1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のプロセスであって、ここで、前記溶出溶媒
    が、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、ニトリル、およびこれらの混合
    物からなる群より選択される水溶性溶媒を含む、プロセス。
  6. 【請求項6】 前記得る工程が、前記植物バイオマスを再水和することを包
    含する請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のプロセスであって、ここで前記非イオン性
    の疎水性相互作用樹脂が、ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポリメタクリレート
    、ポリスチレン、臭素化ポリスチレンおよびその混合物からなる群より選択され
    たマクロポリマーを含む、プロセス。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のプロセスであって、ここで前記タキサンが
    、タキソール、セファロマンニン、バッカチンIII、10−デアセチルタキソ
    ール、10−デアセチルセファロマンニン、10−デアセチルバッカチンIII
    、7−キシロシルタキソール、7−キシロシルセファロマンニン、7−キシロシ
    ルバッカシンIII、および関連するアナログからなる群より選択される1以上
    のタキサンである、プロセス。
  9. 【請求項9】 前記バイオマスが、イチイの針状葉、幹、根、培養物中の植
    物細胞またはこれらの混合物に由来する請求項1に記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 前記溶出する工程が、前記粗製抽出物からの分画の前に非
    イオン性の疎水性相互作用樹脂上に前記不純なタキサンを吸着することを包含す
    る、請求項1に記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 1以上の個々のタキサンを少なくとも90%純粋な形態で
    第二の吸着樹脂でのクロマトグラフィーによって回収することを包含する請求項
    1に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のプロセスであって、前記第二の吸着樹
    脂が、ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、臭
    素化ポリスチレンおよびこれらの混合物からなる群より選択される1以上のポリ
    マーのマクロポリマーまたはコポリマーを含む、プロセス。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のプロセスであって、ここで前記粗製抽出
    物を得る工程が、有機抽出溶媒で前記バイオマスを抽出する前に、容量で0%と
    約10%の間の有機溶媒を含む水性抽出溶媒で、該バイオマスを抽出することを
    包含し、ここで前記水性抽出溶媒が、前記抽出の間にバイオマスからのタキサン
    の浸出が最小になるように選択された水性抽出溶媒である、プロセス。
  14. 【請求項14】 タキサンを含む植物バイオマスからタキサンを単離するた
    めのプロセスであって、該プロセスが以下: 不純なタキサンを含む粗製抽出物を提供するために、タキサンを含む植物バイ
    オマスを有機抽出溶媒で抽出する工程; 該粗製抽出物からタキサンの分画前に該不純なタキサンを吸着樹脂上に吸着す
    る工程;および タキサンが濃縮された溶出液を提供するための溶出溶媒で該吸着樹脂から1以
    上のタキサンを溶出する工程、 を包含する、プロセス。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、臭
    素化ポリスチレンおよびこれらの混合物からなる群より選択される1以上のポリ
    マーのマクロポリマーまたはコポリマーを含む、プロセス。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記タキサ
    ンが、タキソール、セファロマンニン、バッカチンIII、10−デアセチルタキ
    ソール、10−デアセチルセファロマンニン、10−デアセチルバッカチンIII
    、7−キシロシルタキソール、7−キシロシルセファロマンニン、7−キシロシ
    ルバッカチンIIIおよび関連するアナログからなる群より選択される1以上のタ
    キサンである、プロセス。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記有機抽
    出溶媒が、0容量%〜約50容量%の水ならびにC〜Cアルコール、C
    アセテート、クロロホルム、アセトニトリル、t−ブチルメチルエーテル、
    塩化メチレン、およびこれらの混合物からなる群より選択される1以上の溶媒を
    含む有機抽出溶媒である、プロセス。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記バイオ
    マスが、イチイ針状葉、小枝またはイチイ針状葉、根、培養中の植物細胞の培養
    物およびこれらの混合物に由来する、プロセス。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着す
    る工程が、前記粗製抽出物を液−液分配する前に、前記不純なタキサンを吸着樹
    脂上に吸着することを包含する、プロセス。
  20. 【請求項20】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、約5μmと約500μmの間の粒子サイズ範囲および約5Åと約1,00
    0Åの間の孔サイズを有する吸着樹脂である、プロセス。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、約5μmと約120μmの間の平均粒子サイズおよび約10Åと約400
    Åの間の孔サイズを有する、プロセス。
  22. 【請求項22】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、スチレンのコポリマーならびに水および水に混和しない有機溶媒中での懸
    濁共重合により生成されるジビニルベンゼンを含む、プロセス。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のプロセスであって、ここで前記樹脂が
    、約5μmと約120μmの間の平均粒子サイズ、約150Åの平均孔サイズ、
    および約30m/gを超える平均BET表面積を有する、プロセス。
  24. 【請求項24】 前記吸着樹脂がシリカを含む、請求項14に記載のプロセ
    ス。
  25. 【請求項25】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで第二の吸着
    樹脂上でのクロマトグラフィーにより1以上の個々のタキサンを少なくとも90
    %純粋な形態で回収する工程を包含する、プロセス。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載のプロセスであって、ここで前記第二の
    吸着樹脂が、ポリ芳香族、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレ
    ン、臭素化ポリスチレンおよびこれらの混合物からなる群より選択される1以上
    のポリマーのマクロポリマーまたはコポリマーを含む、プロセス。
  27. 【請求項27】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、溶出溶媒でタキサン富化溶出物を溶出する前に洗浄溶媒で洗浄される、プ
    ロセス。
  28. 【請求項28】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、増加する極性勾配を有する溶出溶媒で溶出される、プロセス。
  29. 【請求項29】 請求項14に記載のプロセスであって、ここで前記吸着樹
    脂が、減少する極性勾配を有する溶出溶媒で溶出される、プロセス。
  30. 【請求項30】 請求項14に記載のプロセスであって、有機抽出溶媒で前
    記バイオマスを抽出する前に、10%以下の有機溶媒を含む水性溶出溶媒で該バ
    イオマスを抽出する工程をさらに包含し、ここで該水性抽出溶媒が、該抽出の間
    にバイオマスからタキサンの浸出を最小にするように選択される、プロセス。
  31. 【請求項31】 植物バイオマスからタキサンの単離のためのプロセスであ
    って、該プロセスが以下: 所望されるタキサンならびに親水性不純物および疎水性不純物を含む抽出物を
    得るためにタキサンを溶解し得る有機抽出溶媒で該バイオマスを抽出する工程; 第一の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂上に該抽出物を、該第一の疎水性相
    互作用樹脂上への所望されるタキサンの吸着を誘導する、極性の緩衝化または非
    緩衝化水性:有機溶媒吸着混合物を用いて吸着する工程; 該第一の疎水性相互作用樹脂から所望されるタキサンよりも親水性である不純
    物を溶出するが、該第一の疎水性相互作用樹脂上に吸着された所望されるタキサ
    ンを保持する緩衝化または非緩衝化水性:有機溶媒洗浄混合物を用いて、該第一
    の疎水性相互作用樹脂を洗浄する工程;および 所望されるタキサンを富化された溶出物を得るために、該洗浄混合物よりも疎
    水性であり、そして該第一の疎水性相互作用樹脂からの所望されるタキサンの脱
    着を誘導するが、該所望されるタキサンより疎水性である不純物は、該第一の疎
    水性相互作用樹脂に吸着されたまま保持する緩衝化または非緩衝化水性:有機溶
    媒溶出混合物を用いて該第一の疎水性相互作用樹脂から所望されるタキサンを溶
    出する工程、 を包含する、プロセス。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載のプロセスであって、ここで前記抽出溶
    媒が、0容量%〜約50容量%の緩衝化された水または非緩衝化された水ならび
    にC〜Cのアルキルアルコール、C〜Cのアルキルケトン、C〜C のカルボン酸のC〜Cのアルキルエステル、C〜Cのカルボン酸、C 〜Cのアルキルニトリル、C〜Cのアルキルエステル、クロロホルム、ジ
    クロロメタン、ニトロメタン、トルエンおよびこれらの混合物からなる群より選
    択される1以上の溶媒を含む、プロセス。
  33. 【請求項33】 請求項31に記載のプロセスであって、ここで緩衝化また
    は非緩衝化水性:有機溶媒の吸着、洗浄、溶出混合物中の有機溶媒が、C〜C のアルキルアルコール、C〜Cのアルキルケトン、C〜Cのカルボン
    酸のC〜Cのアルキルエステル、C〜Cのカルボン酸、C〜Cのア
    ルキルニトリル、C〜Cのアルキルエーテル、およびこれらの混合物からな
    る群より選択される1以上の溶媒を含む、プロセス。
  34. 【請求項34】 第二の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂でのクロマトグ
    ラフィーによってタキサン富化溶出物から少なくとも90%純粋な形態で1以上
    の個々のタキサンを回収する工程をさらに包含する、請求項31に記載のプロセ
    ス。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載のプロセスであって、ここで前記第一お
    よび第二の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂が、ポリ芳香族、ポリアクリレー
    ト、ポリメタクリレート、ポリスチレン、修飾ポリスチレンおよびこれらの混合
    物からなる群より選択される1以上のポリマーに由来するマクロポリマーまたは
    コポリマーを個々に含む、プロセス。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載のプロセスであって、ここで各樹脂が、
    約5μmと約500μmの間の粒子サイズ範囲、および約5Åと約500Åとの
    間の孔サイズ範囲を独立して有する、プロセス。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載のプロセスであって、ここで各樹脂が、
    約5μmと約250μmの間の平均粒子サイズ、および約10Åと約400Åと
    の間の孔サイズ範囲を独立して有する、プロセス。
  38. 【請求項38】 請求項35に記載のプロセスであって、ここで前記第一お
    よび前記第二の疎水性相互作用マクロポリマー樹脂の少なくとも一方が、水と水
    に混和しない有機溶媒の懸濁共重合によって生成されるスチレンおよびジビニル
    ベンゼンのコポリマーを含む、プロセス。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載のプロセスであって、ここで前記第一お
    よび前記第二の疎水性相互作用樹脂の少なくとも一方が、約5μmと約250μ
    mの間の平均粒子サイズ、約300Å未満の平均孔サイズ、および約30m
    gを超える平均BET表面積を有する、プロセス。
  40. 【請求項40】 請求項31に記載のプロセスであって、該プロセスが、有
    機抽出溶媒を用いて前記バイオマスを抽出する前に10%以下の有機溶媒を含む
    水性抽出溶媒を用いて該バイオマスを抽出する工程を包含し、ここで該水性抽出
    溶媒が、該抽出の間に該バイオマスからのタキサンの浸出が最小になるように選
    択される、プロセス。
  41. 【請求項41】 前記バイオマスが、水性抽出溶媒中で紛細される、請求項
    40に記載のプロセス。
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