JP2003519463A - TCL−1b遺伝子、蛋白質、それらに関連した方法およびそれらに関連する物質 - Google Patents

TCL−1b遺伝子、蛋白質、それらに関連した方法およびそれらに関連する物質

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ヒト染色体の14q32.1遺伝子座に局在するTCL1遺伝子ファミリーがT細胞悪性腫瘍に関係すると考えられる。本発明はこの遺伝子ファミリーの新しい構成要素であるTCL−1b遺伝子の同定と同定を開示する。TCL−1b遺伝子配列は正常な骨髄および末梢リンパ球において極めて低いレベルで発現するが、14q32.1遺伝子座の組み換えによるT細胞白血病およびリンパ腫において活性化する。本発明はこれらの14番染色体異常の同定、そして発生するどのようなT細胞悪性腫瘍をも検出および治療する方法、またこれらのT細胞悪性腫瘍の発生予防に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願は分子生物学の分野に関し、特に、T細胞白血病における染色体の組み
換えによっても活性化されるTCLI遺伝子ファミリーの第三番目の構成要素に
関し、具体的にはTcl−1bの分離および同定に関する。
【0002】 本発明は一部国立保健研究所からの交付金番号CA39880号およびCA5
1083号のもとに政府の支援を受けてなされた。本発明に関して政府が多少の
権利を持つものである。
【0003】 関連出願への引照 本出願は1999年3月15日出願の米国仮特許出願番号60/124,71
4号に基づき35 USC 119条の下に優先権を主張する。
【0004】
【従来の技術】
染色体の転座、逆位、欠失等の特定の染色体異常と一定の型の悪性腫瘍の間に
は密接な関係があり、この異常が発癌過程において原因的な役割を果たしている
可能性がある。染色体異常は、大部分の骨髄系の悪性腫瘍に見られるように、遺
伝子融合を起こし、その結果として融合型の癌関連蛋白質(キメラオンコプロテ
イン)を生ずることがある。あるいは、リンパ系列において起こる転座に見られ
るように、染色体異常の結果として造血細胞において活性の調節部位の近傍への
挿入によって癌関連遺伝子の調節不全を起こす可能性もある(バージリオ他、19
93、Proc Natl Acad Sci USA 90:9275-9279)。
【0005】 特定遺伝子座を標的としたノンランダムな染色体の転座はほとんどのヒト造血
細胞悪性腫瘍の特徴であり(ハルスカ他、1987、Ann Rev Genet、21:321-345)
、いくつかの固型腫瘍に関係している可能性がある(クロース、1987、Cell 49
:155-156)。BおよびT細胞においては、染色体の転座や逆位はしばしば免疫
グロブリン(Ig)やT細胞レセプター(TCR)のための正常な遺伝子組換え
過程における誤りの結果として起こる。これらの組み換えの結果として、Igや
TCR遺伝子が、癌関連遺伝子の近傍へ置換され、そのためにその遺伝子の発現
が異常となる(クロース、1987、Cell 41:155-156)。多くの場合、リンパ性悪
性腫瘍に見られる組み換えは二種の異なる染色体の間に起こる。
【0006】 14番染色体バンドq32.1上のTCL‐1遺伝子座は、T細胞型前リンパ
球性白血病(T-PLL)(ブリト-ババプルおよびカトブスキー、1991、Cancer Gen
et. Cytogenet. 55:1-9)、免疫不全症候群血管拡張性失調症(AT)に関連し
た急性および慢性白血病(ラッソー他、1988、Cell 53:137-144;ラッソー他
、1989、Proc Natl Acad Sci USA、86:602-606)、および成人T細胞白血病(
バージリオ他、1993、Proc Natl Acad Sci USA、90:9275-9279)を含むいくつ
かの成熟型T細胞白血病やリンパ腫に見られるT細胞レセプター遺伝子の染色体
転座や逆位に関係していることが多い。
【0007】 14番染色体14q32.1上のTCL1腫瘍関連遺伝子も人間における慢性
T細胞白血病(T−CLL)の発生に関係しており、染色体転座、t(14;14)(q11
;32)、t(7;14)(q35;q32)、または逆位inv(14)(q11;q32)を原因とするT細胞レセ
プターα/δとの並列によってこれらの白血病中で活性化される。ふつうはTC
L1発現は初期のT細胞プロジェニター(CD4-CD8-CD3-)やB細胞系列のリンパ細
胞:プレB細胞とB細胞を発現する未熟IgMに見られる。lckプロモーター
の制御下におけるTCL1遺伝子導入はマウスにおけるT細胞白血病の原因とな
った。(バージリオ他、1998、Proc Natl Acad Sci USA、95:3885-3889)。
【0008】 しかしながら、14q32.1における遺伝子増幅のようないくつかのT細胞
悪性腫瘍の例においてはTCL1発現の活性化が見られなかった。これは恐らく
14q32.1に少なくともあと一つの腫瘍関連遺伝子が位置しているのかもし
れないことを示唆するものである。TCL1ファミリーの第二の構成要素である
MTCP1はXq28に位置しており、t(X;14)(q28;q11)転座を持つまれな成熟
T細胞白血病において活性化される。本発明は14q32.1に位置し、これも
またT細胞白血病における14q32.1の組み換えによって活性化されるTC
L1遺伝子ファミリーの第三番目の構成要素であるTCL1bの分離および同定
(機能解析)に関するものである。
【0009】 14番染色体14q32.1におけるTCL-1遺伝子座の組み換えは、これら
の組み換えに関係した他の遺伝子座、すなわちTCRα/δ遺伝子座もまた14
番染色体上のサブバンドq11にあるという点で独特のものである(クロース他
、1985、Science 227:1044-1047;磯辺他、1988、Proc Natl Acad Sci USA、85
:3933-3937)。このため、細胞遺伝学的に観察された組み換えは、ただ一つの
14番染色体に関係した染色体逆位のinv(14)(q11;q32)か、またはt(14;14)(q11
;q32) のような両方の14番染色体に関係した転座、またはよりまれには、7q
35におけるTCRβ遺伝子座に関係した転座のt(7:14)(q53;q32)である(磯辺
他、1988、Proc Natl Acad Sci USA、85:3933-3937)。これらの転座に関係し
たいくつかの14q32.1の切断点がクローン化され、同定されている(ラッ
ソー他、1988、Cell、51:137-144;ベアー他、1987、Proc Natl Acad Sci USA
、84:9069-9073;メングル-ゴー他、1987、MEBO、1:2273-2280;バートネス他
、1990、Cancer Genet Cytogenet、44:47:54)。
【0010】 長距離ゲノム地図上の転座転座切断点の位置同定の研究によって約350kb
の染色体部位であると推定されるTCL-1遺伝子座が最近クローン化された。(
バージリオ他、1993、Proc Natl Acad Sci USA、90:9275-9279)。転座現象に
このように大きな部位が関係しているということは、以前に外套型細胞リンパ腫
におけるBCL−1/CCDDI遺伝子に関して(辻本他、1984、Science、22、4
:1403-1406;ローゼンバーグ他、1991、Proc Natl Acad Sci USA、88:9638-
9642;ウィザーズ他、1991、Mol Cell Biol、11:4846-4853;元倉およびアーノ
ルド、1993、Genes Chrom & Cancer、7:89-95)、またバーキットリンパ腫(ダ
ラ-ファベラ他、1982、Proc Natl Acad Sci USA、79:7824-7827;西倉他、1983、Pr
oc Natl Acad Sci USA 80:4822-4826)、および急性T細胞白血病(エリクソン
他、1986、Science、232:884-886)におけるMYC腫瘍関連遺伝子に関して観察され
たように、恐らくは何キロベースも離れた距離からTCL-1遺伝子の活性化が起
こり得ることを示唆する。
【0011】 TCL-1遺伝子ファミリーの第三番目の構成要素であるTCL1bを完全に分
離し、同定(機能解析)することは必然性のある仕事として未だなされずに残っ
ている。T細胞白血病やリンパ腫の原因となる染色体異常に関連したあと一つの
腫瘍関連遺伝子の同定は、診断および治療・予防試薬がこの疾患状態を検出、治
療および予防する効能をより一層拡大するものである。本発明はTCL1b遺伝
子の同定と機能解析によってこの必然性を満足する。
【0012】 前述の部分における参考文献の引用はそれらの参考文献が本発明の従来技術で
あることを認めていると解釈されるものではない。
【0013】
【発明の概要】
T細胞悪性腫瘍の発生にTCL1遺伝子ファミリーが関係すると思われている
。本発明はこの遺伝子ファミリーの新しい構成要素であるTCL−1b遺伝子の
構造と同定を開示する。本発明はTCL1bのヌクレオチド配列およびそれらの
コードされたTCL1b蛋白質のアミノ酸配列、またそれらの誘導体および類似
体、そしてそれらへの抗体に関する。本発明はまた前述のヌクレオチド配列、お
よびTcl1b蛋白質をコードする等価核酸配列に交雑可能または相補的な核酸
に関する。
【0014】 本発明はTcl1b蛋白質、その誘導体または類似体をコードする発現ベクタ
ー、およびTcl1b蛋白質、その誘導体または類似体をコードする発現ベクタ
ーを含む宿主細胞に関する。
【0015】 本発明はまた染色体異常、特に14q32.1における異常に関連した疾患状
態の検出および治療用の診断および治療応用としてのTCL1b遺伝子とそれら
のコード蛋白質の使用に関する。本発明の一具体例において、TCL−1b遺伝
子のヌクレオチド配列およびそれらのコードTcl−1b蛋白質のアミノ酸配列
は、それぞれ特に14q32.1における染色体異常に関連したT細胞白血病や
リンパ腫の疾患状態やTcl1b蛋白質の発現レベルの増加の検出に役立つ診断
試薬としてまたは診断薬の調製において、使用されている。
【0016】 本発明はまたTCL−1b遺伝子のヌクレオチド配列およびそれらのコードT
cl1b蛋白質のアミノ酸配列それぞれの、特に14q32.1における染色体
異常に関連したT細胞白血病やリンパ腫の疾患状態やTc11b蛋白質の発現レベ
ルの増加の治療・予防における治療・予防薬としての使用に関する。
【0017】 ここで開示されるTCL−1b遺伝子とTcl1b蛋白質配列は、そしてそれ
らへの抗体は、染色体異常に関連したT細胞白血病やリンパ腫や、Tc11b蛋白
質の発現レベルの増加の診断へのアッセイ(検査)において使われる。
【0018】 ここで開示されるTcl1b蛋白質またはそれらの誘導体や類似体はそれぞれ
抗Tcl1b抗体の生産に使われ、それらの抗体はそれぞれ患者標本におけるT
cl1b蛋白質の検出または測定のためのイムノアッセイ法(免疫学的測定法)
において診断的に有用なものである。
【0019】 本発明の別な一面は染色体異常やTcl1b蛋白質の発現増加に関連した疾患
や病態における治療法に関する。特に14q32.1における逆位や転座のよう
な14番染色体の異常はT細胞白血病やリンパ腫に関連している。TCL−1b
遺伝子配列やそれらの蛋白質生成物は14番染色体異常関連疾患状態の治療にお
いて使われる。抗Tclb抗体は、例えば、それぞれ疾患に関連した過剰発現の
Tcl1b蛋白質の活性を中和するときに治療目的で使われる。
【0020】 Tcl−1bまたはmRNAの転写や翻訳を抑制するように設計されたアンチ
センスRNAおよびDNA 分子とリボザイムを含むオリゴヌクレオチド配列は
TCL1bの発現増加に関連した疾患状態の治療において治療用に使われる。
【0021】 Tcl1bの活動を変調できる蛋白質、ペプチドおよび有機分子はTcl1b
の異所性発現に関連した疾患状態の治療において使われる。
【0022】 本発明はまたTcl1b蛋白質、それらの誘導体または類似体、それらへの抗
体、Tcl1b蛋白質をコードする核酸、誘導体または類似体、そしてTCL−
1bアンチセンス核酸を含む治療用組成物に関する。
【0023】 本発明はまた、例えば組換え手段による、Tcl1b蛋白質、誘導体および類
似体の生産方法に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
方法 細胞系
【0025】 EBV形質転換リンパ芽球細胞系以外の細胞系はATCC(メリーランド州、
ロックビル)から入手し、10%のウシ胎仔血清と共にRPMI培養基中で成長
させた。リンパ芽球細胞系はアルツハイマー病患者の末梢血リンパ球から、以前
に報告されたように(グリッチ、C他、1998、Blood、92:368-373)エプスタイン
バーウイルス(EBV)での形質転換によって形成した。
【0026】 ノーザン、cDNA末端の迅速増幅(RACEE)および逆転写PCR(RT
−PCR)分析 つぎの例外を除き、これらの実験は以前に説明された様に(ペカースキー、Y
他、1998、Proc Natl Acad Sci USA、95:8744-8749)行なわれた。ヒト骨髄お
よび胎盤mRNA、ヒト免疫系およびヒト癌細胞系のノーザン法はクロンテック
(カリフォルニア州、パロアルト)から購入した。図3CおよびDのそれぞれの
系は3mgのPolyA+RNAを含む。図4Aに示されるPCRは多組織cD
NAパネル(クロンテック)と製造業者のプロトコルを使って25〜35サイク
ル行なった。プライマーは:上パネル、TC1、GGCAGCTCTACCCCGGGATGAA(配列番
号:1); およびTC39、(配列番号:1); ACAGACCTGAGTGGGACAGGA、(配列番号:
2); 中パネル、TCLBTCCTCCTTGGCAGGAGTGGTA (配列番号:3); およびTCLC、G
AGTTACGGGTGCTCTTGCGT、(配列番号:4); 下パネル、対照3'および5'RACE G3PD
Hプライマー(クロンテック)。図4B、中および下パネル、プライマーは上記
と同じ。図4B、上パネル。PCRはプライマーのTC8、ATGGCCTCCGAAGCTTCTGTG
、(配列番号:5); およびTC39と共に22サイクル行なった。反応の0.1m
lは繰り込まれたプライマーのTC10、TGGTCGTGCGGTTCAATCCCT、(配列番号:6)
; およびTC5、AATCTGGCCATGGTCTGCTATTTC、(配列番号:7); と共に第二のPC
Rに15サイクル使われた。RACEプライマーは:TC1(3' RACE用)およびTC5(5
' RACE用)であった。
【0027】 パルス領域ゲル電気泳動(PFGE)分析と染色体局在。
【0028】 パルス時間が11時間1−6秒であった以外、PFGE分析は記述されたよう
に(ペカースキー、Y他、1998、Cancer Res、58:3401-3408)行なった。TCL1
b遺伝子の染色体局在はGeneBridge 4放射線融合細胞染色体地図パネル(リサー
チジェネティックス、アラバマ州、ハンツビル)を用い、製造業者のプロトコル
に従って行なった。プライマーはTC1とTC4、TGCTAGGACCAGCTGCTCCATAGA、(配列
番号:8)であった。
【0029】 結果 TCL1b遺伝子の同定。
【0030】 いくつかの14q32.1における染色体異常を持つ成熟T細胞白血病におい
て、14q32.1でのTCL1遺伝子の活性化はみられなかった(たきわざ、J
、他、1998、Jpn J Cancer Res、89:712-718;坂下、他、1998、Leukemia、12:970-
971)。他の未知のTCL1ファミリーが関係している可能性を調べるために、
TCL1およびMTCP1遺伝子生成物に相同の配列をESTデータベースで検
索した。一つのEST(アクセス番号AA689513)が相同であることがわかったが
、どちらの遺伝子にも完全な対応ではなかった。よって、5'および3'RACE過
程とヒト精巣mRNAをcDNA源として使い、全長〜1.2kbのcDNAを
分離した(配列番号:9)。その1.2kbTCL1b cDNAは128アミ
ノ酸(配列番号:10)の14kDa蛋白質をコードする;(図1)。その中に
は完璧なコザックコンセンサス配列内の位置28に開始ATGコドンがある。T
cl1およびMtcp1蛋白質と比較して(図1)Tcl1b蛋白質は14アミ
ノ酸挿入があり、Tcl1に30%同一で60%類似しており、Mtcp1に3
6%同一で63%類似している(図1)。
【0031】 ヒトTCL1b遺伝子の染色体局在のために放射線融合細胞染色体地図パネル
(GeneBridge 4)を使った。MITデータベース(http://www-genome.wi.mit.
edu) でPCRデータを分析することによって、TCL1b遺伝子は14q32
において、D14S265のマーカーから3.05cRのところに局在された。TCL1b偽
遺伝子は5q12-5q13に局在した。TCL1b偽遺伝子には開始ATGやイントロ
ンがなく、オープンリーディングフレームの中間に停止コドンがある。
【0032】 TCL1もTCL1bもどちらも14q32に局在している。したがって、T
CL1とTCL1bが物理的に連結しているかどうか解析した。ヒト細菌人工染
色体(BAC)ライブラリーにてTCL1とTCL1bを含んでいるいくつかの
BACクローンを見つけた。TCL1b遺伝子(配列番号:11);はサイズが6
.5kbで、それぞれ189、171、69および697bpの四種のエクソンを含むが(図
2)、最初の三つのエクソンだけが蛋白質をコードする。両方の遺伝子のプロー
ブを使った陽性BACクローンのパルス領域分析によってTCL1とTCL1b
の遺伝子は逆方向の転写を持ち、16kbの距離のみによって分離されることが
わかった(図2)。どちらの遺伝子も以前に公表された14q32.1における
転座または逆位のあるT細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)における二組の
切断点の間(〜160kbの領域)に局在している。(バージリオ、L他、1994
、Proc Natl Acad Sci USA、91:12530-12534;バージリオ、L他、1993、Proc Na
tl Acad Sci USA、90:9275-9279)。
【0033】 TCL1b遺伝子の発現およびT細胞悪性腫瘍における活性化。
【0034】 TCL1とTCL1bの遺伝子が構造、配列および局在において類似している
ことから、それらが類似した発現パターンを示す可能性がありそうに思えた。こ
れを確かめるために、ノーザンおよびRT−PCR実験をいくつか行なった (
図3および図4)。正常な組織におけるノーザン分析は、数日間のX線フィルム
感光のあと精巣と胎盤において1.2kb転写が検出された(図3C)以外は、
TCL1bに関してほとんど陰性であった(図3A)。しかし、TCL1遺伝子
の発現は数日間の感光のあとほとんどの造血組織において検出された(図3A)
。半定量的RT−PCR分析(図4A)によって脾臓、扁桃腺、胎児肝臓、胎児
腎臓、および胎児胸腺においてTCL1とTCL1bのどちらもが発現している
ことがわかった。しかし、TCL1b遺伝子は胎盤、腎臓そして胎児脾臓を含む
より広い範囲の種類の組織で発現している(図4A)。市販のヒト癌細胞系のノ
ーザン分析によると、TCL1のほうがずっと高いレベルで発現したという違い
があるが(図3B)、TCL1とTCL1bのどちらもラージバーキットリンパ
腫の細胞系でのみ発現した(図3B)。
【0035】 TCL1とTCL1bの遺伝子は類似した転写パターンを持ち、物理的に連結
されている。したがって、TCL1b遺伝子も14q32における組み換えによ
って活性化され得るのかどうかを調べた。図3Cおよび図3Dに正常な骨髄およ
びTCL1が発現しているRBV形質転換リンパ芽球性B細胞系と比較して、1
4q32.1(SupT11)で転座のあるT白血病細胞系におけるTCL1b遺伝子
の活性化が示されている(図3Cおよび図3D、中間のパネル)。TCL1もT
CL1bも普通14q32.1異常のない成熟T細胞や成熟T細胞白血病では発
現しないので(例えば、14q32.1の異常のないT-ALL MOLT4、図3B、レー
ン4)、t(14;14)(q11;q32,1)を持つSupT11細胞におけるTCL1およびTCL
1bの発現は、TCL1およびTCL1bをT細胞レセプターのa/d遺伝子座
に並列させることが両方の遺伝子の調節を不全にすることを示唆する。
【0036】 TCL1bの発現をより深く調べるためにTCL1のレベルの上昇したT細胞
白血病四件とEBV形質転換リンパ芽球細胞系六件の分析をした。図4BにT細
胞リンパ球性白血病の患者からの一つの白血病試料におけるTCL1b発現の活
性化が示されている。ヒトT細胞前リンパ球性白血病は14q32.1転座また
は逆位を持ち、TCL1が過剰発現する(バージリオ、L他、1994、Proc Natl Ac
ad Sci USA、91:12530-12534;ナーダッシ、M.G.他、1997、Cancer Res、57:5452
-5456)。TCL1b遺伝子はまた六件のEBV形質転換リンパ芽球性B細胞系の
うち二件においても発現した(図3D、上パネル、レーン2-7)。
【0037】 討議 本発明はTCL1遺伝子ファミリーの新しい構成要素であるTCL1bのクロ
ーン化、マッピングおよび発現分析を開示する。TCL1遺伝子とTCL1b遺
伝子は物理的に連結しており、構造上の類似性、類似した発現パターンおよびT
細胞悪性腫瘍への関係を示す。TCL1遺伝子ファミリーの残りの二つの構成要
素が腫瘍関連遺伝子であるので(バージリオ、L他、Proc Natl Acad Sci USA、95
:3885-3889;グリッチ、C、他、1998、Blood、92:368-373)、TCL1bもまた
腫瘍関連遺伝子である可能性が高い。また、TCL1bの活性化がTCL1の活
性化を含まない14q32における増幅を伴うT細胞白血病の事例を説明する可
能性も高い。
【0038】 TCL1b遺伝子はかすかにTCL1遺伝子よりもXq28におけるMTCP1遺
伝子により相同であるが、二つのTCL1遺伝子が遺伝子重複の結果である可能
性がある。
【0039】 結晶構造によれば(フー、Z.Q.、他、1998、Proc Natl Acad Sci USA、95:3413-
3418)レチノイドやヌクレオシドまたは脂肪酸のような微小分子の輸送体として
機能するようにも見えるが、TCL1のインビボ(生体内)での機能も、またそ
の腫瘍関連遺伝子的ポテンシャルのメカニズムも知られていない。上述の同じ研
究(フー、Z.Q.、他、1998、Proc Natl Acad Sci USA、95:3413-3418)はTCL1
がダイマーとして機能する可能性を示唆し、TCL1とTCL1bがヘテロダイ
マーを形成する可能性を示唆した。
【0040】 TCL1とMTCP1の遺伝子組み換えマウスがたった15ヶ月後に成熟T細
胞白血病を発病するのだから(バージリオ、L他、1998、Proc Natl Acad Sci U
SA、95:3885-3889;グリッチ、C他、1998、Blood、92:368-373)、TCL1bの遺
伝子組み換えマウスもまた成熟T細胞白血病を遅延して発病するのか、またTC
L1とTCL1bの二重遺伝子組み換えマウスは白血病をより早く発病するのか
を決定することはかなり興味深いことである。よって、14q32.1における
転座や逆位が二つの腫瘍関連遺伝子を同時に活性化して悪性変換を促進すること
が有り得るように思える。
【0041】 本発明はTCL−1b遺伝子(配列番号:11)のヌクレオチド配列;それら
のコードTcl−1b蛋白質(配列番号:10)のアミノ酸配列、またそれらの
誘導体と類似体、そしてそれらへの抗体に関する。本発明はまたTCL−1b遺
伝子およびそれらのコード蛋白質または誘導体または類似体およびそれらへの抗
体の、染色体異常やTCL1bの発現増加に関連した疾患状態の検出および治療
/予防のためのアッセイにおける使用に関する。本発明はまたTcl−1b蛋白
質、それらの誘導体または類似体、それらへの抗体、Tcl−1b蛋白質をコー
ドする核酸、誘導体または類似体、そしてTCL−1bアンチセンス核酸を含む
治療応用に関する。
【0042】 TCL−1b遺伝子は、哺乳動物、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、げっ歯類およ
びヒトを含む、しかしこれらに限られない、多くの異なる種からのもので、自然
配列または異型のもの、または自然、人工的または組換え等あらゆる源からのも
のである。ここで説明する一具体例において、TCL−1b遺伝子はヒト配列で
ある。Tcl−1b蛋白質は、哺乳動物、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、げっ歯類
およびヒトを含む、しかしこれらに限られない、多くの異なる種に存在するもの
で、自然配列または異型のもの、または自然、人工的または組換え等あらゆる源
からのものである。ここで説明する具体例において、Tcl−1b蛋白質はヒト
蛋白質である。
【0043】 ここでの定義において、Tcl−1b誘導体はTcl−1b配列(配列番号:
10) のフラグメントまたはアミノ酸変異体であり、そのフラグメントまたは
アミノ酸変異体が全長Tcl−1b蛋白質に関連する生物学的活性の一つまたは
それ以上を示すことが条件である。この生物学的活動には、抗原性、つまり、抗
TCL−1b抗体に結合する能力や、免疫源性、つまりTcl−1b蛋白質を結
合することのできる抗体を生成する能力が含まれるが、これらに限られてはいな
い。
【0044】 本発明は少なくとも10のアミノ酸、または少なくとも25のアミノ酸、また
は少なくとも50のアミノ酸、または少なくとも114のアミノ酸からなるTc
l−1b蛋白質のフラグメントを提供する。それらの誘導体や類似体をコードす
る核酸もまたこの発明の範囲に属する。好ましいTcl−1b蛋白質変異体はT
cl−1bアミノ酸配列の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、
または少なくとも100の近接アミノ酸において自然Tcl−b蛋白質に少なく
とも70%のアミノ酸配列相同性を共有するものであり、特に好ましいTcl−
1b蛋白質変異体は少なくとも80%のアミノ酸配列相同性を共有するものであ
り、そして別の特に好ましいTcl−1b蛋白質変異体は少なくとも90%のア
ミノ酸配列相同性を共有するものである。ここでの使用において、アミノ酸配列
相同性とは同一のアミノ酸残基を持つアミノ酸配列またはアミノ酸残基に保存的
変化を含むアミノ酸配列のことである。別の一具体例において、Tcl−1b相
同性蛋白質は引用された長さのアミノ酸において自然Tcl−1b蛋白質に同一
の配列を前述の割合だけ共有するものである。
【0045】 TCL−1b遺伝子(配列番号:11);は2群の切断点によってバンド結合さ
れた領域に局在する14番染色体14q32.1の領域に局在する。TCL1と
TCL−1bの遺伝子構造、配列および局在が類似しているので、それらの発現
パターンを比較した。TCL1bの正常組織における発現はほとんど陰性であっ
た、(図3A)。しかし、TCL1遺伝子発現はほとんどの造血組織に検出され
た。またTCL1もTCL1bも脾臓、扁桃腺、胎児肝臓及び胎児胸腺において
発現がみられた。図4Aに示すように、TCL1b遺伝子は胎盤、腎臓および胎
児脾臓を含むより広い範囲の種類の組織において発現がみられた。生検した細胞
や組織のような患者の試料におけるTCL−1bmRNAの検出は特定の14番
染色体異常やTcl−1b蛋白質の発現増加に関連したT細胞白血病やリンパ腫
の存在の指標として使われる。また、本発明のTcl−1bアミノ酸配列は患者
の試料におけるTcl−1bの検出や測定のためのイムノアッセイ(免疫学的測
定法)に有用な抗体を生成するために使われる。この抗TCL−1b抗体はT細
胞白血病やリンパ腫に関連したTcl−1bレベルの増加の検出や測定のための
診断イムノアッセイに使われる。
【0046】 本発明によれば、Tcl−1b蛋白質(配列番号:10)、フラグメントのよ
うな誘導体、またはその類似体のポリヌクレオチド配列コードを、Tcl−1b
蛋白質の発現を支配する組換えDNA分子の生成に好適な発現ベクター、つまり
挿入された蛋白質コード配列の転写や翻訳に必要な要素を含むベクターに挿入す
ることができる。このTCL−1bポリヌクレオチド配列また他のポリヌクレオ
チドやそれらの相補鎖は核酸ハイブリダイゼーションアッセイ、サザンおよびノ
ーザン法分析等にも使われる。一具体例において、ヒトTCL−1b遺伝子(配
列番号:11)、またはヒトTCL−1b遺伝子の機能的に活動的な部分をコー
ドする配列が発現している。また別の一具体例においては、ヒトTCL−1b遺
伝子の誘導体またはフラグメントが発現している。
【0047】 TCL−1b遺伝子がコードする配列 発現した配列標識(EST)データベースアクセス番号AA689513番への参照で
ここで開示された特定の一具体例において、この発明はヒトTCL−1b遺伝子
(配列番号:11)の核酸配列に関する。この発明の好適なしかし限定的ではな
い一面において、ヒトTCL−1b cDNA配列 (配列番号:9); が、TC
L1遺伝子ファミリーの他の構成要素であるTCL-1とMTCP1に相同的なE
STデータベース(アクセス番号AA689513番)中に同定された。この配列は、下
記のように分離され1.2キロベース全長cDNAとしてクローン化された。こ
の発明はまた前述の配列に交雑可能なまたは相補的な核酸配列、または、同等な
核酸配列もまたTcl−1b蛋白質生成物をコードするという意味で、前述の配
列に同等な核酸配列にも関する。
【0048】 好適な一面において、公知のTcl−1b配列(配列番号:9)を再現するオ
リゴヌクレオチドプライマーを使ってライブラリーにおける好ましい核酸配列を
増幅するためにポリメラーゼ鎖反応(PCR)が使われる。このプライマーはR
NAまたはDNA源、好ましくはcDNAライブラリーから対象配列を増幅する
ために使われる。当業者には公知のように、PCRはパーキン-エルマーシータ
ス温熱サイクラーとTaqポリメラーゼを使って行なう。増幅されるDNAは任
意の真核種からのmRNAまたはcDNAまたはゲノムDNAである。PCR増
幅反応で使うためにいくつかの異なる変性プライマーを合成する。クローン化さ
れたTCL−1b遺伝子と本発明のTCL−1b遺伝子(配列番号:11)のヌ
クレオチド配列の相同性の度合いの高低調節を可能にするためにPCR反応をプ
ライムするときのハイブリダイゼーション 条件の厳しさもまた変化させる。
【0049】 TCL−1b遺伝子の一部分、対立遺伝子上のまたは遺伝子多形の、またはT
CL−1b遺伝子の種相同性の増幅の成功で示されたように、今後はその部分は
分子的にクローン化および配列され、そして完全なcDNAまたはゲノムクロー
ンを分離するためのプローブとして使用される。これによって、その遺伝子の完
全なヌクレオチド配列の決定、その発現分析、そして将来の分析のための蛋白質
生成物の生産が可能になる。このようにしてTcl−1b蛋白質をコードするそ
の他の遺伝子の同定が可能になる。
【0050】 潜在的に、どの真核性細胞でもTCL−1b遺伝子の分子的クローン化の核酸
源として使うことができる。Tcl−1bをコードする核酸配列は、例えば、ヒ
ト、ブタ、ウシ、ネコ、鳥類、ウマ、イヌ、げっ歯類およびその他の霊長類源か
ら、分離される。DNAは当技術で公知の、例えばクローン化DNA(例:DN
A 「ライブラリー」)、化学合成、cDNAクローン化、または好ましい細胞
から精製したゲノムDNAまたはそのフラグメントのクローン化等、標準手法で
入手する。(参照例:サムブルック他、1989、Molecular Cloning、A Laboratory
Manual、2nd Ed.,、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、ニューヨ
ーク州、コールドスプリングハーバー;グローバー、D.M. (編)、1985、DNA
Cloning:A Practical Approach、MRLプレス、Ltd.、英国、オックスフォード、Vol
. I、II)好ましい源は14q32.1染色体異常関連白血病の白血病細胞のcD
NAである。cDNAから誘導されたクローンがTcl−1bエクソン 配列の
みを含むのに対して、ゲノムDNAから誘導されたクローンは蛋白質コード領域
に加えて調節およびイントロンDNA領域を含む。本発明の特定の一具体例にお
いて、ゲノム配列は10キロベース(kb)以下のもの、または20kb以下の
もの、または50kb以下のもの、または70kb以下のものである。源が何で
あれ、遺伝子はその遺伝子の繁殖に適したベクターに分子的にクローン化される
べきである。特定の一具体例において、TCL−1b遺伝子配列の分離のための
核酸の好ましい源はB前駆細胞からである。
【0051】 ゲノムDNAからの遺伝子の分子的クローン化において、DNAフラグメント
が生成され、一部が好ましい遺伝子をコードする。DNAは特定の部位において
種々の制限酵素を使って分割される。あるいは、マンガンの存在中におけるDN
AseをDNAをフラグメントするために使う、または、例えば音波破砕によって
、DNAを物理的に切る。DNAの線状フラグメントをその後、アガロースおよ
びポリアクリルアミドゲル電気泳動法やカラムクロマトグラフィーを含むがそれ
らに限られない、標準技術によってサイズごとに分別する。
【0052】 DNAフラグメントが生成されたら、数々の方法で好ましい遺伝子を含む特定
のDNAフラグメントを同定する。例えば、本発明のTCL−1b遺伝子(配列
番号:11)またはその特定なRNA、またはそのプローブやプライマーのよう
なフラグメントを分離し、標識表示し、そして生成されたTCL−1b遺伝子を
検出するためにハイブリダイゼーションアッセイにおいて使う(ベントン、W、お
よびデービス、R、1977、Science、196:180;グランスタイン、M、およびホッジズ、D、
1975、Proc Natl Acad Sci USA、72:3961)。プローブに実質的な配列相同性を共
有するDNAフラグメントは厳しい条件下でハイブリッド形成する。ここで使わ
れる「厳しい条件」とは、(バージリオ、L他、1994、Proc Natl Acad Sci USA、
91:12530-12534)例えば、50℃における0.015 M Nacl/0.0
15 M クエン酸ナトリウム/0.1% SDSのように低いイオン強度と高
温を洗浄に採用する;(ナーダッシ、M.G.他、1997、Cancer Res、57:5452-5456)ハ
イブリダイゼーション中に、例えば0.1%のウシ血清アルブミン/0.1%の
フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mAのpH6.5の燐酸ナ
トリウム緩衝液と750mMのNaclを含む50%(容量/容量)ホルムアミ
ドのような、ホルムアミドのような変性剤と75mMのクエン酸ナトリウムを4
2度Cで採用する;または(3)50%のホルムアミド、5倍のSSC(0.7
5 M NaCl,0.075 M ピロリン酸ナトリウム、5倍のデンハート
溶液、音波破砕したサケ精子DNA(50g/ml)、0.1%のSDS、およ
び10%の硫酸デキストランを42度Cで、また0.2倍SSCおよび0.1%
SDS中で42度Cでの洗浄を採用するようなハイブリダイゼーション条件のこ
とである。
【0053】 適切なフラグメントはまた制限酵素の消化およびフラグメントのサイズと公知
の制限地図に従って予測されるサイズとの比較によって同定される。それ以上の
選択は遺伝子の性状に基づいて行なわれる。あるいは、遺伝子の存在はその発現
した生成物の物理的、化学的、または免疫学的性状に基づいたアッセイによって
検出される。例えば、cDNAクローン、または適切なmRNAをハイブリッド
選択するゲノムDNAクローンは、類似したまたは同一の電気泳動移動、等電点
解析での挙動、蛋白質分解消化地図、Tcl−1bに公知の結合活動や抗原性状
を持つ蛋白質を生成するものが選ばれる。あるいは、例えば、イライザ(エンザ
イム-リンクドイムノソルベントアッセイ)型の手法におけるように、Tcl−
1b蛋白質は標本抗体を推定上Tcl−1bを発現するクローンに結合すること
によって同定することもある。
【0054】 TCL−1b遺伝子はまた核酸ハイブリダイゼーションに続くインビトロな翻
訳によるmRNA選択によっても同定される。この手法において、ハイブリダイ
ゼーションで相補的mRNAを分離するためにフラグメントを使う。このDNA
フラグメントは別のTCL−1b遺伝子の使用可能な精製したTCL−1bDN
Aを再現することもある。分離mRNAの分離生成物のインビトロ翻訳生成物の
免疫沈降反応分析または機能アッセイはそのmRNAを同定し、よって、好まし
い配列を含む相補的DNAフラグメントを同定する。その上、Tcl−1b蛋白
質に特に抗する固定抗体への細胞から分離されたポリソームの吸着によって特定
のmRNAが選択されることもある。放射標識表示されたTCL−1b cDN
Aは選択されたmRNA(吸着ポリソームから)を鋳型として使い、合成される
。その放射標識mRNAまたはcDNAはその後他のゲノムDNAフラグメント
の中からTCL−1b DNAフラグメントを同定するプローブとして使われる
【0055】 TCL−1bゲノムDNAを分離する方法には他に、遺伝子配列そのものを公
知の配列から化学的に合成するか、cDNAをTcl−1b蛋白質をコードする
mRNAにする等があるが、これらに限られない。例えば、Tcl−1b細胞の
cDNAクローン化に役立つRNAは、B前駆急性白血病細胞や細胞表面IgM
を発現し免疫グロブリンを分泌しない風土病性バーキットリンパ腫のように、T
cl−1bを発現する細胞から分離される。その他の方法は当業者に公知であり
、本発明の範囲に属する。
【0056】 同定および分離された遺伝子はその後適当なクローン化ベクターに挿入される
。当技術において公知の多くのベクター-ホスト系が使われ得る。このベクター
にはプラスミドや変性ウイルスが含まれるが、それらに限られず、またそのベク
ター系は使用ホスト細胞に適合しなければならない。このベクターには、ラムダ
誘導体のようなバクテリオファージやPBR322やpUCプラスミド誘導体のようなプ
ラスミドが含まれるが、こららに限られない。クローン化ベクターへの挿入は、
例えばDNAフラグメントの相補的凝着末端を持つクローン化ベクターへの結さ
つを伴うことができる。しかし、DNAをフラグメントするのに使った相補的制
限部位がクローン化ベクターに存在しないと、DNA分子の末端が酵素的に修飾
されることがある。あるいは、任意の好ましい部位をヌクレオチド配列(リンカ
ー)をDNA末端に結さつすることによって生成することもできる;これらの結
さつリンカーは制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードする特定の化学合成オ
リゴヌクレオチドを含む。他の一方法において、分割ベクターとTCL−1b遺
伝子は単独重合的テーリングによって修飾される。組換え分子は変換、トランス
フェクション、感染、電気穿孔法またはその他の当業者に公知の方法で宿主細胞
に導入され、数多くの遺伝子のコピーが生成される。
【0057】 他の一方法において、好ましい遺伝子は「ショットガン」的方法で適したクロ
ーン化ベクターに挿入された後、同定および分離される。その好ましい遺伝子の
例えばサイズ分割による強化がクローン化ベクターへの挿入の前に行なわれる。
【0058】 特定の具体例において、宿主細胞の、分離TCL−1b遺伝子、cDNA、ま
たは合成DNA配列を取り入れた組換えDNA分子を含む変換によって、その遺
伝子のコピーが複数生成できるようになる。よって、組換えDNA分子は形成転
換体から分離され、そして、必要なら、挿入遺伝子を分離した組換えDNAから
検索し、成長する形成転換体によってその遺伝子は大量に入手される。
【0059】 Tcl−1bコードまたはノンコーディング配列の一部を含む、またはTcl
−1b蛋白質の一部をコードする(例えば、PCRで使われるプライマー)オリ
ゴヌクレオチドは当業者に公知の方法で合成される。このオリゴヌクレオチドは
好ましくは8から25ヌクレオチドの範囲のサイズを持つ。ここにおける特定の
一具体例において、このオリゴヌクレオチドは15から25ヌクレオチドまたは
18から25ヌクレオチドの範囲のサイズを持つ。
【0060】 TCL−1b遺伝子の発現 本発明によると、Tcl−1b蛋白質、フラグメントのような誘導体、または
その類似体をコードするポリヌクレオチド配列は、適当な発現ベクター、つまり
Tcl−1b蛋白質の発現を支配する組換えDNA分子の生成のための、挿入蛋
白質コード配列の転写および翻訳に必要な要素を含むベクターに挿入されること
ができる。このTcl−1bポリヌクレオチド配列また他のポリヌクレオチドま
たはそれらの相補体はまた核酸ハイブリダイゼーションアッセイ、サザンおよび
ノーザン法分析等においても使われ得る。一具体例において、ヒトTCL−1b
遺伝子、またはヒトTCL−1b遺伝子の機能的に活動的な部分をコードする配
列が発現している。さらに別の一具体例においては、ヒトTCL−1b遺伝子の
誘導体またはフラグメントが発現している。
【0061】 遺伝子コードのもつ「ゆらぎ」のために他のDNA配列で実質的に同一のまた
は機能的に同等のTcl−1bアミノ酸配列をコードするものも本発明の範囲に
属する。このDNA配列の中には厳しい条件下でヒトTcl−1b配列に雑種を
作れるものが含まれる。
【0062】 本発明によって使われる改変DNA配列には、異なるヌクレオチド残留物の欠
失、追加、置換を含み、結果的に同一のまたは機能的に同等の遺伝子生成物をコ
ードする配列になるものが含まれる。遺伝子生成物自身がTcl−1b配列中の
アミノ酸残基の欠失、追加、または置換を含み、結果的に沈黙(アミノ酸配列の
変化しない)変化を持ち、よって機能的に同等なTcl−1b蛋白質を生成して
いることもある。このアミノ酸置換は残留物の極性、電荷、溶解性、疎水性、親
水性、そして/または両親媒性に基づいて行なわれる。例えば、陰性電荷のアミ
ノ酸にはアスパラギン酸やグルタミン酸が含まれ; 陽性電荷のアミノ酸にはリシ
ンやアルギニンが含まれ; 類似した親水性値を持つ非荷電のアミノ酸にはロイシ
ン、イソロイシン、バリン;グリシン、アラニン; アスパラギン、グルタミン
;セリン、トレオニン;フェニルアラミン、チロシンがある。
【0063】 本発明のDNA配列は、TCL−1bコード配列を遺伝子生成物の処理や発現
を修飾する変更等を含むがそれに限られない種々の目的のために改変させるため
に、作られる。例えば、特定部位の突然変異誘発、新制限部位の挿入、燐酸化等
、当業者に公知の技法を使って導入された変異である。
【0064】 この発明の別の一具体例において、TCL−1b遺伝子配列またはその誘導体
がキメラ融合蛋白質をコードするために非TCL−1b遺伝子配合に結されてい
る。融合蛋白質はTcl−1b配列と非Tcl−1b蛋白質配列のあいだに局在
する介在部位を含んで作られており、Tcl−1b蛋白質がノンTcl−1b部
分から分割できるようになっている。特定の一具体例において、この融合蛋白質
におけるTcl−1bアミノ酸配列はTcl−1b蛋白質配列の少なくとも10
の近接アミノ酸、少なくとも25の近接アミノ酸、少なくとも50の近接アミノ
酸、少なくとも75の近接アミノ酸、 少なくとも100の近接アミノ酸、または
少なくとも114のアミノ酸を含む。
【0065】 この発明の他の一具体例において、Tcl−1bのコード配列は全部または一
部技術に公知の化学的方法を使って合成さる。参照例:カルーサーズ他、1980、
Nuc Acids Res Symp Ser、7:215-233;クレアおよびホーン、1980、Nuc Acids Re
s、9(10):2331;マテウシおよびカルーサーズ、1980、Tetrahedron Letters 21:
719;そしてチョウおよびケンプ、1981、Nuc Acids Res 9(12):2807-2817。ある
いは、蛋白質そのものがTcl−1bアミノ酸配列の全体または一部を合成する
化学的方法を使って生成される。例えば、ぺプチドは固相技法で、樹脂から分割
して、調製用高性能液体クロマトグラフィーで精製して合成される。(参照例:
クレイトン、1983、Proteins Structures And Molecular Principles、W.H.フリー
マンカンパニー、ニューヨーク、pp. 50-60)。合成ぺプチドの組成はアミノ酸
分析または配列決定法によって確認できる(例:エドマン分解手法;参照:クレ
イトン、1983、Proteins Structures And Molecular Principles、W.H.フリーマ
ンカンパニー、ニューヨーク、pp. 34-49)。
【0066】 生物学的に活性なTcl−1b蛋白質またはその誘導体を発現するために、T
cl−1b蛋白質またはその誘導体をコードするポリヌクレオチド配列を適当な
発現ベクターに挿入する。つまり、挿入コード配列の転写および翻訳に必要な要
素を含むベクターである。TCL−1b遺伝子生成物また宿主細胞または組換え
Tcl−1b発現ベクターでトランスフェクトされたまたは変換された細胞系は
種々の目的に使われる。これらには免疫特異的にTCL-1b蛋白質に結合する抗
体の生成(つまり、モノクローナルまたはポリクローナル)が含まれるが、これ
に限られてはいない。抗TCL-1b抗体は患者試料におけるTCL-1b蛋白質の
レベルの検出や測定に使われる。
【0067】 発現系 TCL−1bコード配列と適当な転写/翻訳制御信号を含む発現ベクターの構
成のために当業者に公知の方法を使う。これらの方法にはインビトロ組換えDN
A技法、合成技法、そしてインビボ組換え/遺伝子組換えが含まれる。例えば、
サムブロック他、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual 2nd ed.、
ニューヨーク州、コールドスプリングハーバーラボラトリー、およびオースベル
他、1989、Current Protocols in Molecular Biology、グリーンパブリッシング
アソーシエツアンドワイリーインターサイエンス、ニューヨークを参照。
【0068】 Tcl−1bコード配列を発現するために種々のホスト発現ベクター系が使わ
れる。これらには、Tcl−1bコード配列を含む組換えバクテリオファージD
NA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターで変換した細菌のよ
うな微生物;Tcl−1bコード配列を含む組換えイースト発現ベクターで変換
されたイースト;Tcl−1bコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(
例、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系; 組換えウイルス発現ベクター
(例、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、T
MV)またはTcl−1bコード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例
、Tiプラスミド)に感染した植物細胞系;または動物細胞系が含まれるが、こ
れらに限られてはいない。これらの系の発現要素は強度や特異性において変化す
る。使われるホスト/ベクター系によって、構成性および誘導性プロモーターを
含む任意の適切な転写および翻訳要素が発現ベクターにおいて使われる。例えば
、細菌系のクローン化ではバクテリオファージ.ラムダ.、plac, ptrp, ptac (p
trp-lac ハイブリッドプロモーター)のような誘導性プロモーターが使われる;
昆虫細胞系のクローン化では、バキュロウイルスポリヘドリンプロモーターのよ
うなプロモーターが使われる;植物細胞系のクローン化では、植物細胞のゲノム
から誘導されたプロモーター(例、ヒートショックプロモーター;RUBISCOの小
部分ユニット用のプロモーター; クロロフィルa/b結合蛋白質用のプロモータ
ー)または植物ウイルスから誘導されたプロモーター(例、CaMVの355R
NAプロモーター;TMVのコート蛋白質プロモーター)が使われる;哺乳動物
細胞系のクローン化では、哺乳動物細胞のゲノムから誘導されたプロモーター(
例、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物ウイルスから誘導されたプ
ロモーター(例、アデノウイルス遅延プロモーター;種痘ウイルス7・5kプロ
モーター)が使われる;TCL−1b DNAの複数のコピーを含む細胞系の生
成においては、SV40−、BPV−、およびEBV−ベースのベクターが適当
な選択マーカーと共に使われる。
【0069】 細菌系においては、発現したTcl−1b蛋白質の使用意図によって、いくつ
かの発現ベクターが優位に選択される。例えば、抗体の生成のためにTcl−1
b蛋白質が大量に生成されるときは、すぐに精製できる融合蛋白質生成物のレベ
ルが高い発現を支配するベクターが好ましい。このベクターには、ハイブリッド
AS-lac Z蛋白質が生成されるようにlac Zコード領域と共にフレームのベクター
にTcl−1bコード配列が結さつする、E.大腸菌発現ベクターpUR278
(ルーサー他、1983、EMBO J、2:1791);pINベクター(井上および井上、1985、N
ucleic Acids Res、13、3101-3109;バンヒークおよびシュースター、1989、J Bio
l Chem、264:5503-5509);等が含まれるが、これらに限られない。pGEXベ
クターはまた異種ポリペプチドをグルタチオンSトランスファラーゼ(GST)
を持つ融合蛋白質として発現するのに使われる。一般にそれらの融合蛋白質は溶
解性でグルタチオン-アガロースビードへの吸着に続く遊離グルタチオンの存在
中における溶出によって溶解細胞から簡単に精製される。PGEXベクターは当
該クローン化ポリペプチドをGST部分から放出するためにトロンビンまたはX
a因子プロテアーゼ分割部位を含むようにできている。
【0070】 イーストにおいては、構成性または誘導性プロモーターを含むいくつかのベク
ターが使われる。参考文献:Current Protocols in Molecular Biology、Vol. 2
、1988、オースベル他編、Greene Publish. Assoc. & Wiley Interscience、第1
3章;グラント他、1987、Expression and Secretion Vectors for Yeast, in Met
hods in Enzymology、ウーおよびグロスマン編、1987、Acad. Press、ニューヨ
ーク、153:516-544;グローバー、1986、DNA Cloning. Vol. II、IRL Press、
ワシントンDC、第3章; ビター、1987、Heterologous Gene Expression in Yeast
, Methods in Enzymology、バーガーおよびキンメル編、 Acad. Press、ニューヨ
ーク、152:673-684; The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces、1982
、ストラザーン他編、Cold Spring Harbor Press、Vols. IおよびII。
【0071】 植物発現ベクターが使われる場合、いくつかのプロモーターの内任意のものが
Tcl−1bコード配列発現の動因となる。例えば、CaMVの35S RNA
および19S RNAプロモーターのようなウイルス性プロモーター(ブリッソ
ン他、1984、Nature 310:511-514)、またはTMVのコート蛋白質プロモータ
ー(高松他、1987、EMBO J、6:307-311)が使われる;あるいは、RUBISCO
の小部分ユニットのような植物プロモーター(コルッジ他、1984、EMBO J、3:167
1-1680;ブログリー他、1984、Science、224:838-843);またはダイズhsp17.5-
Eまたはhsp17.3-Bのようなヒートショックプロモーター(ガーリー他、1986、Mo
l Cell. Biol、6:559-565)が使われる。これらの構造物はTiプラスミド、R
iプラスミド、植物ウイルスベクター、直接DNA変換、マイクロインジェクシ
ョン、エレクトロポレーション等によって植物細胞に導入される。これらの技法
の参考文献として、例えば、ワイスバックおよびワイスバック、1988、Methods
for Plant Molecular Biology、Academic Press、ニューヨーク、第VIII節、pp.
421-463;グリアーソンおよびコーリー、1988、Plant Molecular Biology, 2nd
Ed.、Blackie、ロンドン、7-9章がある。
【0072】 TCL−1b遺伝子の発現に使われ得る他の一発現系は昆虫系である。この一
系において、オートグラファカリフォルニカ核ポリヘドロシス ウイルス(Ac
NPV)が異種遺伝子を発現するベクターとして使われている。このウイルスは
スポドプテラフルジペルダ細胞において成長する。Tcl−1bコード配列はそ
のウイルスの非必須領域(例えばポリヘドリン遺伝子)にクローン化され、AcNP
Vプロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の支配下におかれる。Tc
l−1bコード配列挿入の成功によってポリヘドリン遺伝子が不活性化され、非
閉塞組換えウイルス(例:ポリヘドリン遺伝子によってコードされた蛋白質性コ
ートを欠くウイルス)が生成される。これらの組換えウイルスはその後その中で
挿入遺伝子が発現するスポドプテラフルジペルダ細胞を感染するために使われる
。(参照例:スミス他、1983、J Virol、46:584;スミス、米国特許第4,215,05
1号)。
【0073】 哺乳動物の宿主細胞においては、いくつかのウイルス性に基づいた発現系が使
われる。アデノウイルスが発現ベクターとして使われる場合、Tcl−1bコー
ド配列は例えば遅延プロモーターや3連リーダー配列のようなアデノウイルス転
写/翻訳制御複合体に結さつされる。そしてキメラ遺伝子がインビトロまたはイ
ンビボ組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入される。ウイルス性ゲノムを
非必須領域(例:E1またはE3領域)に挿入すると、感染宿主中で生存可能なそし
てTcl−1b発現可能な組換えウイルスができる。(参照例:ローガン及びシ
ェンク、1984、Proc Natl Acad Sci USA、81:3655-3659)。あるいは、種痘7.5K
プロモーターが使われる。(参照例:マケット他、1982、Proc Natl Acad Sci US
A、79:7415-7419;マケット他、1984、J Virol、49:857-864; パニカリ他、1982、
Proc Natl Acad Sci USA、79:4927-4931)。
【0074】 挿入Tcl−1bコード配列の効率的翻訳のために特定の開始信号が必要なこ
とがある。これらの信号にはATG開始コドンと隣接配列が含まれる。自身の開
始コドンと隣接配列を含むTCL−1b遺伝子全部が適当な発現ベクターに挿入
される場合は、それ以外の翻訳制御信号は不必要なことがある。しかし、Tcl
−1bコード配列の一部のみが挿入されて5’末端を欠く場合は、ATG開始コ
ドンを含む外因性翻訳制御信号を与える必要がある。さらに、挿入部全体の翻訳
を確実にするためにその開始コドンはTcl−1bコード配列の読み枠と同相で
なければならない。これらの外因性翻訳制御信号と開始コドンは自然および人工
的を含み種々の源からのものである。適当な転写エンハンサー、転写ターミネー
ター等を含むことによって発現効率を上げることができる。(参照:ビットナー
他、1987、Methods in Enzymol、153:516-544)。
【0075】 加えて、特定の好ましい方法で挿入配列発現を変化する、または遺伝子生成物
を修飾および処理する宿主細胞株が選ばれる。この蛋白質生成物の修飾(例:燐
酸化)および処理(例:分割)は蛋白質の機能にとって大切なことがある。それ
ぞれの異なる宿主細胞は蛋白質の翻訳後処理および修飾の特性的そして特定のメ
カニズムを持っている。発現された異種蛋白質の適正な修飾および処理を確実に
するために適当な細胞系や宿主系が選ばれる。この目的のために一次転写の適切
な処理用の細胞機構を持つ真核性宿主細胞と遺伝子生成物の燐酸化が使われる。
これらの哺乳動物宿主細胞にはCHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、 293、WI38等
が含まれるが、これらに限られてはいない。
【0076】 組換え蛋白質の長期の高収率生成のためには、安定発現が好ましい。例えば、
Tcl−1b蛋白質を安定して発現する細胞系が作られている。ウイルス性複製
源を含む発現ベクターを使う代わりに、宿主細胞は適当な発現制御要素(例:プ
ロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル酸化部位
、等)に制御されるTCL−1b DNA、および選択可能なマーカーを使って変
換される。
【0077】 異種DNA導入の後、作られた細胞を強化培地で1-2日育て、その後選択培地
に切り換える。 組換えプラスミド中の選択可能マーカーが選択に抵抗を与え、細
胞が安定してプラスミドを染色体中に取り込み細胞増殖巣を形成できるようにし
、それがクローン化され細胞系へと拡張される。この方法はTcl−1b蛋白質
を発現する細胞系の作成に使用して有利である。本発明はTcl−1b蛋白質が
細胞に発現するようにTcl−1b蛋白質をコードする組換え発現ベクターで変
換された宿主細胞を培養し、発現したTcl−1b蛋白質を回収することによっ
て組換えTcl−1b蛋白質を生産する方法を提供する。
【0078】 単純ヘルペスチミジンキナーゼ(ウィグラー他、1977、Cell、11:223)、ヒ
ポキサンチン-グアニンフォスフォリボシルトランスフェラーゼ(スズィバルス
カおよびスズィバルスキー、1962、Proc Natl Acad Sci USA、48:2026)および
アデニンフォスフォリボシルトランスファーゼ(ローウィ他、1980、Cell、22:
817)遺伝子を含む、しかしこれらに限られない、いくつかの選択系が使われ、こ
れらはそれぞれtk-、hgprt-、またはaprt-細胞において使われ得る。 また、メ
トトレキセートに抵抗を与えるdhfr(ウィグラー他、1980、Natl Acad Sci USA、7
7:3567; オヘア他、1981、Proc Natl Acad Sci USA、78:1527);ミコフェノ
リン酸に抵抗を与えるgpt(マリガンおよびバーグ、1981、Proc Natl Acad Sci U
SA、78:2072);アミノグリコシドG-418に抵抗を与えるneo (コルベレ-ガラピ
ン他、1981、J Mol Biol、150:1);そしてヒグロマイシンに抵抗を与えるhygro
(サンテレ他、1984、Gene、30:147)の選択ベースとしてアンチメタボライト
抵抗が使われる。最近、この他の選択可能遺伝子が記述されている。主なものは
、細胞にトリプトファンの代わりにインドールを使わせるtrpB; 細胞にヒスチジ
ンの代わりにヒスチノールを使わせるhisD (ハートマンおよびムリガン、1988、
Proc Natl Acad Sci USA、85:8047); そしてオルニチンデカルボキシラーゼ抑
制因子、2-(ジフルオロメチル)-DL-オルニチン、DFMOに抵抗を与えるオルニチ
ンデカルボキシラーゼ(マクコンローグ、L、1987、Current Communications in M
olecular Biology中、コールドスプリングラボラトリー編)である。
【0079】 Tcl−1bを発現する遺伝子導入体または形質転換体の同定 コード配列を含み、生物学的に活性な遺伝子生成物を発現する宿主細胞は少な
くとも大きく分けて次の4種の方法で同定される。(a)DNA-DNAまたはD
NA-RNA ハイブリダイゼーション;(b)「マーカー」遺伝子機能の存在また
は不在;(c)宿主細胞におけるTcl−1b mRNA転写の発現によって測定
される転写レベルの評価;そして(d)イムノアッセイ(免疫学的測定法)または
生物学的活性によって測定される遺伝子生成物の検出。
【0080】 第一の方法では、それぞれTcl−1bコード配列、または部分、またはその
誘導体に相同なヌクレオチド配列を構成するプローブを使ったDNA-DNAま
たはDNA-RNAハイブリダイゼーションによって発現ベクターに挿入された
Tcl−1bコード配列の存在を検出する。
【0081】 第二の方法では、組換え発現ベクター/ホスト系は特定の「マーカー」遺伝子
機能(例:チミジンキナーゼ活動、抗生物質への抵抗、メトトレキセートへの抵
抗、変換発現型、バキュロウイルス中の閉塞体形成等)の存在または不在を基に
同定、選択される。例えば、ヒトTcl−1bコード配列がベクターのマーカー
遺伝子配列内に挿入されると、Tcl−1bコード配列を含む組換え細胞はマー
カー遺伝子機能の不在によって同定される。あるいは、マーカー遺伝子がTcl
−1b配列と連合してTcl−1bコード配列発現の制御に使われた同じまたは
異なるプロモーターの制御下におかれる。誘導または選択への反応におけるマー
カーの発現がTcl−1bコード配列の発現を示す。
【0082】 第三の方法では、TCL−1b遺伝子の転写活動をハイブリダイゼーションア
ッセイによって評価する。例えば、RNAをTcl−1bコード配列または転写
ノンコーディング配列またはそれらの特定の部分へ相同性を有するプローブを使
ってノーザン法で分離及び分析する。あるいは、宿主細胞の全核酸を抽出し、こ
のプローブへのハイブリダイゼーションを定量的にアッセイする。
【0083】 第四の方法では、Tcl−1b蛋白質生成物のレベルを例えばウエスタン法、
放射線同位元素を用いた免疫沈降法、酵素結合イムノアッセイ等のイムノアッセ
イ(免疫学的測定法)によって免疫学的に評価する。
【0084】 発現遺伝子生成物の精製 TCL−1b遺伝子配列を発現する組換えを同定したら、その遺伝子生成物を
分析する。これは生成物の放射性標識表示を含む物理的または機能的性状に基づ
くアッセイによって行ない、その後ゲル電気泳動法、イムノアッセイ、または当
業者に公知のその他の検出方法で分析する。
【0085】 Tcl−1b蛋白質を同定したら、クロマトグラフィー(例:イオン交換、ア
フィニティー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、吸収
率較差溶解度、または任意の他の蛋白質精製標準技法を含む標準方法でそれを分
離、精製する。機能性状を任意の適切なアッセイで評価する。
【0086】 あるいは、組換え体によってTcl−1b蛋白質を同定したら、その蛋白質の
アミノ酸配列を、その組換え体に含まれるキメラ遺伝子のヌクレオチド配列から
演繹する。結果として、その蛋白質を技術に公知の標準的化学法で合成する (
参照例:ハンカピラー他、1984、Nature、310:105-111)。 本発明の特定の一具体例において、このTcl−1b蛋白質は、組換えDNA技
法で生成されようが化学合成法で生成されようが、一次アミノ酸配列として、図
1(配列番号:10) に表わすアミノ酸配列の全部または一部を実質的に含むも
の、またフラグメントおよび他の誘導体、そしてその類似体を含むが、それに限
られてはいない。
【0087】 Tcl−1bへの抗体の生産 この発明によれば、Tcl−1b蛋白質、そのフラグメントまたはその他の誘
導体、またはその類似体はそのイムノゲンを認識する抗体を生産するイムノゲン
として使われる。この抗体にはポリクローン性、モノクローン性、キメラ、単鎖
、Fabフラグメント、そしてFab発現ライブラリーが含まれるが、これらに限られ
てはいない。特定の一具体例において、ヒトTcl−1b蛋白質への抗体が生産
されている。
【0088】 Tcl−1b蛋白質へのポリクローン性抗体、または誘導体、または類似体の
生産には技術で公知の種々の手法が使われる。抗体の生産のために、ウサギ、マ
ウス、ラットを含む、しかしこれらに限られない種々の宿主動物が天然Tcl−
1b蛋白質、または合成版、またはその誘導体(例:フラグメント)の注射で免
疫化されている。宿主種によって免疫反応の強化のために、フロイント(完全お
よび不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、リソレシチン、プル
ロニックポリオル、ポリアニオン、ぺプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘ
モシニアン、ジニトロフェノールのような表面活性物質、そしてBCG(カルメッ
ト-ゲランかん菌)およびコリネバクテリウム-パルヴムのようなヒトアジュバン
トを含む、しかしこれらに限られない種々のアジュバントが使われる。
【0089】 特定の一例において、ウサギをTcl−1bに対して免疫化するために細菌に
発現されたTCL−1b遺伝子の14kDa蛋白質が使われた。この抗体は14
kDaTcl−1b蛋白質を種々の白血病及びリンパ腫中にウエスタン法および
免疫沈降法によって認識した。
【0090】 Tcl−1b蛋白質配列(配列番号:10)またはその類似体用のモノクロー
ン性抗体の調製には、培養における連続細胞系によって抗体分子を生成する任意
の技法が使われる。例えば、最初にコウラーおよびミルスタインによって開発さ
れたハイブリドーマ法(1975、Nature、256:495-497)、またトリオーマ法、ヒ
トB細胞ハイブリドーマ法(コズボー他、1983、Immunolgy Today、4:72)、そし
てヒトモノクローン性抗体生成用EBV-ハイブリドーマ法 (コール他、1985、Mon
oclonal Antibodies and Cancer Therapy中、Alan R. Liss, Inc.、pp.77-96)が
ある。本発明のさらに別の一具体例において、最近の技術を使ってモノクローン
性抗体を無菌動物に生成している(PCT/US90/02545)。この発明によると、ヒト
の抗体が使われ、ヒトハイブリドーマを使って(コート他、1983、Proc Natl Ac
ad Sci USA、80:2026-2030)またはヒトB細胞をEBVウイルスでインビトロに変
換して(コール他、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy中、Alan
R. Liss, Inc.、pp.77-96)得られている。事実、この発明によれば、遺伝子を
Tcl−1b特異のマウス抗体分子から適当な生物学的活動のヒト抗体分子と共
にスプライスすることによる「キメラ抗体」の生成のために開発された技法(モ
リソン他、1984、Proc Natl Acad Sci USA、81:6851-6855;ニューバーガー他
、1984、Nature、312:604-608;竹田他、1985、Nature、314:452-454)を使
っている;この抗体は本発明の範囲に属するものである。
【0091】 この発明によれば、単鎖抗体の生産のために記述された技法(米国特許番号4,
946,778号)がTcl−1b特異の単鎖抗体の生産に適用されている。この発明
のさらに別の一具体例では、Fab発現ライブラリーの構築のために記述されたT
cl−1b蛋白質、誘導体、または類似体の好ましい特異性を持つモノクローン
性Fabフラグメントを迅速で簡単に同定するための技法(ヒュース他、1989、Sci
ence、246:1275-1281)を使っている。
【0092】 分子のイディオタイプを含む抗体フラグメントは公知の技法で生産される。例
えば、このフラグメントには、抗体分子のペプシン消化によって生産されるF(ab
').sub.2フラグメント;F(ab').sub.2フラグメントのジスルフィド架橋を軽減す
ることによって生成されるFab'フラグメント、そして抗体分子をパパインと還元
剤で処理することによって生成されるFabフラグメントが含まれるが、これらに
限られてはいない。
【0093】 抗体の生産において、好ましい抗体のスクリーニングはその技術で公知の技法
、つまりELIZA(エンザイムリンクドイミュノソルベントアッセイ)で行な
われる。例えば、Tcl−1b蛋白質の特定の領域を認識する抗体を選択するに
は、その領域を含むTcl−1bフラグメントに結合する生成物用に生成された
ハイブリドーマをアッセイすればよい。ヒトTcl−1bに特異の抗体を選択す
るには、ヒトTcl−1bへの陽性結合そして例えば、マウスTcl−1bへの
陰性結合を基に選択すればよい。
【0094】 前述の抗体はこの発明の蛋白質配列の局在および活動、例えば適当な生理学的
試料におけるこれらの蛋白質のイメージング、そのレベルの測定等、に関連した
技術において公知の方法で使われている。
【0095】 TCL−1b遺伝子および蛋白質の構造 TCL−1b遺伝子および蛋白質の構造はこの技術において公知の種々の方法
で分析されている。
【0096】 遺伝学的分析 TCL−1b遺伝子に対応するクローン化DNAまたはcDNAは、サザンハ
イブリダイゼーション(サザン、E.M.、1975、J Mol Biol、98:503-517)、ノー
ザンハイブリダイゼーション(参照例:フリーマン他、1983、Proc Natl Acad Sc
i USA、80:4094-4098)、制限エンドヌクレアーゼマッピング(マニアティス、T.
,1982、Molecular Cloning, A Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.)、およ
びDNA配列分析を含む、しかしこれらに限られない方法で分析されている。ポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR;米国特許番号4,683,202号、4,683,195号、および
4,889,818号;Proc Natl Acad Sci USA、85:7562-7656;オーチマン他、1988、
Genetics、120:621-623;ロー他、1989、Science、243:217-220)に続くTc
l−1b特異のプローブでのサザンハイブリダイゼーションによって種々の細胞
型からのDNAにおけるTCL−1b遺伝子の検出が可能になる。一具体例にお
いて、Tcl−1bの遺伝学的リンケージの決定にサザンハイブリダイゼーショ
ンが使われている。PCRに続くハイブリダイゼーションアッセイもTcl−1
b RNAまたは14q32.1染色体異常の検出または測定に使われている。
ノーザンハイブリダイゼーション分析はTCL−1b遺伝子の発現レベルの決定
に使われている。Tcl−1b発現のために種々の発展または活動状態における
種々の細胞型が検査されている。サザンおよびノーザンの両方のハイブリダイゼ
ーションにおいて、またはドットブロットにおいて、ハイブリダイゼーション条
件の厳しさは使われた特定のTcl−1bプローブへの好ましい関連度を持つ核
酸の検出を確実にするために操作している。
【0097】 制限エンドヌクレアーゼマッピングはTCL−1b遺伝子の遺伝学的構造を大
概的に決定するために使われる。制限エンドヌクレアーゼ分割によって誘導した
制限地図はDNA配列分析で確認する。
【0098】 DNA配列分析はこの技術において公知の任意の技法で行なわれる。これらは
、マクサムおよびギルバートの方法(1980、Meth Enzymol、65:499-560)、サン
ガーダイデオキシ法(サンガー他、1977、Proc Natl Acad Sci USA、74:5463)
、または自動DNAシークエネーター(例:アプライドバイオシステム、カリフ
ォルニア州、フォスターシティ)の使用を含むが、これらに限られてはいない。
代表的なTCL−1b遺伝子のcDNA配列は実質的にここにおいて開示した配
列からなる (配列番号:9)。
【0099】 蛋白質分析 Tcl−1b蛋白質のアミノ酸配列はDNA配列からの演繹によって、あるい
は自動アミノ酸シークエンサーによる蛋白質の直接的な配列活定法によって誘導
される。代表的なTcl−1b蛋白質のアミノ酸配列は実質的に図1(配列番号
:10)に表わされたような配列からなり、アミノ酸番号1-128で示された代表的
成熟蛋白質を持つ。
【0100】 Tcl−1b配列はまた親水性分析によっても特性化される(ホップ、Tおよ
びウッヅ、K、1981、Proc Natl Acad Sci USA、78:3824)。親水性プロフィール
を使ってTcl−1b蛋白質の疎水性および親水性領域、およびそれらの領域を
コードする遺伝子配列の対応する領域を同定する。
【0101】 二次構造分析(チョー、P.およびファスマン、G.、1974、Biochemistry、13:2
22)もまた行なわれ、Tcl−1bの特定な二次構造を想定する領域を同定して
いる。
【0102】 操作、翻訳、および二次構造予測、またオープンリーディングフレーム予測お
よびプロッティングもこの技術において入手可能なコンピューターソフトを使っ
て行なっている。
【0103】 その他の構造分析もまた使われている。これらには、X線結晶解析(イングス
トム、A.、1974、Biochem Exp Biol 11:7-13)およびコンピューターモデリン
グ(フレッテリック、R.、およびゾラー、M.、(編)1986、Computer Graphics an
d Molecular Modeling、Current Communications in Molecular Biology中、コ
ールドスプリングハーバーラボラトリー、ニューヨーク州、コールドスプリング
ハーバー)が含まれるが、これらに限られてはいない。
【0104】 Tcl−1bおよびそのTcl−1b蛋白質生成物およびそのための抗体の用 例えば、t(14:14)(q11;q32)染色体転座、inv(14)(q11;q32)染色体逆位、およ
びt(7:14)(q35:q32)染色体転座のような14番染色体におけるTCL−1b遺伝
子座に関連した染色体転座および逆位は、T細胞性前リンパ球性白血病(T-PLL
)(ブリト-ババプルおよびカトヴスキー、1991、Cancer Genet Cytogenet、55:
1-9)、免疫不全症候群血管拡張性失調症(AT)に関連した急性および慢性白血
病(ラッソー他、1988、Cell、53:137-144:ラッソー他、1989、Proc Natl Ac
ad Sci USA、86:602-606)、および成人T細胞白血病(バージリオ他、1993、P
NAS、90:9275-9279)を含む、しかしこれらに限られないいくつかの成熟型T細
胞白血病に関連している。AT関連転座のいくつかの例において、14q32.1
バンドに関係したT細胞白血病およびリンパ腫において、14q32.1中に異
常を持つ細胞のクローン性拡張が顕性悪性腫瘍の発生の前にいくつかの例におい
て記録されている(ラッソー、他、1988、Cell、35:137-144)。したがって、
Tcl−1bポリヌクレオチド、そのTcl−1b蛋白質生成物およびそれへの
抗体は上述の疾患、またTCL−1b遺伝子座に関連した染色体転座および逆位
に関連したその他の障害、そして/またはTcl−1b RNAや蛋白質の発現
増加に対する診断、治療/予防目的に使われる。Tcl−1bポリヌクレオチド
、そのTcl−1b蛋白質生成物およびそれへの抗体はそれ自身のみで治療/予
防目的に使われるか、またはその他のT細胞白血病の治療に役立つ治療薬と組み
合わせて使われる。この分子はまた、種々のTCL−1b遺伝子発現関連の容態
、疾患および障害の検出、治療後経過予測、診断またはモニター、またはそれら
の治療をモニターするためのイムノアッセイ等の診断アッセイにも使われる。よ
って、具体例において、この組織におけるT細胞悪性腫瘍または前癌変化は、類
似する非悪性試料(その患者からまたは他の人から実験的に測定されるか、この
試料における標準レベルとして公知のもの)におけるTcl−1b発現レベルと
比較して、患者試料におけるTcl−1b発現の増加を検出することによって診
断される。診断目的のために、TCL−1b遺伝子発現やT細胞白血病やリンパ
腫のような疾患状態におけるTCL−1b遺伝子の発現増加の検出に使われる。
治療目的のために、Tcl−1b蛋白質はTcl−1b活動を中和する抗TCL
1b抗体を作るために使われる。本発明の範囲にはTCL−1b RNAや蛋白
質の発現を抑制するように機能するアンチセンスRNAやDNA分子とリボザイ
ムを含むオリゴヌクレオチド配列も含まれる。
【0105】 診断用途 下記に示すように、TCL−1b遺伝子配列はTCL−1b遺伝子座のまわり
の14番染色体転座および逆位に関連した疾患状態に関連しており、選択的にT
およびBリンパ球分化に初期に発現し、また14番染色体の逆位、inv(14)(q11;q
32)を持つT-PLLを診断された患者またはt(14:14)(q11;q32)染色体転座を持つ患
者からの細胞に高レベルの発現を示す。よって、TCL−1b遺伝子配列(配列
番号:11)は14番染色体のTCL−1b遺伝子座に関係する染色体異常、つま
り転座、逆位および欠失、の結果として起こる疾患の検出のための治療用途を持
つ。配列番号:9の少なくとも8のヌクレオチド、少なくとも15のヌクレオチ
ド、少なくとも25のヌクレオチド、少なくとも50のヌクレオチド、少なくと
も100のヌクレオチド、少なくとも200のヌクレオチド、少なくとも300
のヌクレオチド、または少なくとも387のヌクレオチドから1324までのヌ
クレオチドのTCL−1bヌクレオチド配列を含む核酸はTCL−1b遺伝子(
配列番号:11)の検出および測定のためのハイブリダイゼーション検査におけ
るプローブとして使われる。5キロベース以下の、10キロベース以下の、25
キロベース以下の、50キロベース以下の、または70キロベース以下のTCL
−1b遺伝子に交雑可能な核酸、cDNA、または相補ストランドがTCL−1
bヌクレオチド配列の検出および測定のためのハイブリダイゼーション検査にお
けるプローブとして使われる。例として、TCL−1b DNA配列は、例えば、
Tcl−1b発現の異常を診断するために患者の試料のインシチューハイブリダ
イゼーション検査を含むサザンまたはノーザン分析のような、ハイブリダイゼー
ション検査において使われる。ハイブリダイゼーション検査はTcl−1b発現
の迷入変化や上記の活動に関連したT細胞悪性腫瘍のような容態、障害または疾
患状態を検出、治療後経過予測、診断またはモニターするために使われる。特に
、このハイブリダイゼーション検査はハイブリダイゼーションが起こりうる条件
下において、TCL−1b DNAまたはRNAに交雑可能な核酸プローブを持
つ核酸を含む試料への接触、そして結果として起こるハイブリダイゼーションを
検出または測定することを含む方法によって行なわれる。特に、ハイブリダイゼ
ーション検査は、患者の試料からのmRNAまたはcDNAをTcl−1bプロ
ーブと交雑させて結果として起こるハイブリダイゼーションの量を測定して、T
cl−1b mRNAの発現増加と関連した異常の存在を検出するために使われ
る。例えば、使われる検査法には、ノーザン法、ドット法、逆転写PCR等が含
まれるが、これらに限られない。好ましいハイブリダイゼーション検査は、図X
に示す、少なくとも15から全長cDNA配列(配列番号:9)までのポリヌク
レオチドのTCL−1b遺伝子プローブを使って行なう患者の試料のノーザン法
である。別の好ましいハイブリダイゼーションアッセイは抗TCL−1b抗体ま
たはTCL−1bヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを使う、患者の
試料のインシチューハイブリダイゼーション分析である。これらの技法はその技
術において公知であり、実際多くの市販の診断キットのベースとなっている。
【0106】 ここで使われている患者試料には、インシチューハイブリダイゼーション検査
において使われる新鮮または凍結組織試料;Tリンパ球を含む細胞または組織試
料、そして、概して、TCL−1b核酸を測定または定量するアッセイ(検査)
に使われる末梢血リンパ球(PBL)やTリンパ球のような核酸を含む患者試料を含
むが、これらに限られない。
【0107】 プライマー依存性核酸増幅法におけるプライマーとして役立つ少なくとも8か
ら25のヌクレオチドを含むTcl−1bのポリヌクレオチド配列は、患者試料
におけるTCL−1b遺伝子配列の検出に使われる。本発明に役立つプライマー
依存性核酸増幅法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )、競合性PCR、周
期性プローブ反応、そしてリガーゼ連鎖反応が含まれるが、これらに限られない
。これらの技法は当業者に公知である。本発明の好ましい核酸増幅法は逆転写P
CR(RT−PCR)である(シーバート他、1992、Nature、359:557-558)。
【0108】 本発明の特定の一具体例において、プライマー依存性核酸増幅法で使われる一
対のプライマーのそれぞれのプライマーはゲノムTCL−1bヌクレオチド配列
の異なるエクソンから選択される。例えば、一対のプライマーの第一のプライマ
ーがTCL−1bゲノム配列のエクソン1から選択されれば、第二のプライマー
はそのTCL−1bゲノム配列のエクソン2、3または4から選択されることになる
。別な一例として、一対のプライマーの第一のプライマーがTCL−1bゲノム
配列のエクソン2から選択されれば、第二のプライマーはそのTCL−1bゲノ
ム配列のエクソン1、3または4から選択されることになる。プライマー依存性核酸
増幅法で使われる一対のプライマーのそれぞれのプライマーが異なるエクソンか
ら選択されることによって、増幅ゲノムヌクレオチド配列は、結果として生ずる
増幅配列のサイズの差異のために、増幅cDNAヌクレオチド配列から区別され
る。結果として生ずる増幅ゲノムヌクレオチド配列は増幅イントロン配列を含む
ことになるので、増幅イントロン配列を含まない増幅cDNAヌクレオチド配列
より大きなサイズとなる。cDNAヌクレオチド配列の増幅のためには、プライ
マー配列は検出可能な増幅ヌクレオチド配列を与えるために充分に離れたエクソ
ン配列から選択されるべきである。
【0109】 本発明のTCL−1b遺伝子配列(配列番号:9および11)は14番染色体
異常、特に14q32.1における転座t(14:14)(q11:q32)およびinv(14)(q11;q3
2)逆位を検出するために診断的に使われる。よって、本発明は、8から25のヌ
クレオチドの、好ましくは18から25のヌクレオチドの、配列番号:11または
配列番号:9のヌクレオチド配列に相補的な第一プライマー、およびTCL−1
b遺伝子にテロメア側またはセントロメア側の領域に相補的な、そして増幅標的
配列の存在が異常を指摘するような結果的産物である増幅標的配列を検出する第
二のプライマーを使って試料における標的配列を増幅する段階を含む、試料にお
いて14番染色体異常を示すまたは含む標的配列を検出する過程を提供する。本
発明はまた増幅標的配列の存在が患者におけるT細胞悪性腫瘍の存在を指摘する
ような上述の方法に従って14番染色体異常を検出することによって患者におけ
る14番染色体異常に関連したT細胞悪性腫瘍の診断法を提供する。結果として
生ずる増幅標的配列はゲル電気泳動法で検出され、14番染色体異常を含まない
正常試料または標準と比較される。上述のバージリオ他はポリヌクレオチド配列
が第二プライマーとして有用であることを開示している。その他の第二プライマ
ーとして有用なポリヌクレオチド配列はT細胞レセプター.alpha./.delta.遺伝
子座、T細胞レセプター.beta.鎖、または、14番染色体異常が逆位関連なら、
TCL−1b遺伝子のポリヌクレオチド配列5'からエクソン1まで、または、染色
体異常が転座関連なら、TCL−1b遺伝子のポリヌクレオチド配列3'から3'
イントロンまでから選ばれる。ゲノムDNA標的配列の増幅には長PCR生成物
の生成が必要なことがある。長PCR生成物のPCR生成技法はScience(1994
)263:1564-1565に記述されている;長PCR生成物生成PCRキットはパーキ
ンエルマーおよびタカラ酒造株式会社から市販されている。本発明はまた少なく
とも配列番号:11のヌクレオチド配列の一部に相補的な15-1324のヌクレオチド
の範囲を含む、10キロベース以下の核酸プローブを持つ試料を交雑する、そし
て試料内におけるプローブと標的配列との間の結果として生ずるハイブリダイゼ
ーションの量を検出または測定する段階を含む、核酸試料中に少なくとも14番
染色体異常の一部を指摘または包含する標的ヌクレオチド配列を検出する方法を
提供する。結果として生ずる増幅標的配列はゲル電気泳動法で検出され、14番
染色体異常を含まない正常試料または標準と比較される。本発明はまた、患者に
おいて増幅標的配列の存在がT細胞悪性腫瘍の存在を指摘する上述の方法に従っ
て該14番染色体異常を検出することによって患者における14番染色体異常関
連T細胞悪性腫瘍の診断法を提供する。ハイブリダイゼーションプローブと標的
配列の間の絶対相補性は、好ましくはあるが、要求されていない。ここで言う「
少なくとも一部に相補的」な配列とは、核酸と交雑して安定ハイブリダイゼーシ
ョン複合体を形成するに充分な相補性を持つ配列を意味する。交雑能力は相補性
の度合いと核酸の長さの両方に依存する。概して、交雑核酸が長いほどTcl−
1b RNAとのベースミスマッチも多いが、それでも安定二重鎖を形成する(
または、場合によって、三重鎖を形成する)。当業者は交雑複合体の融点を測定
する標準手法を用いてミスマッチの許容度を確認することができる。
【0110】 本発明のさらに別な一面はTCL−1b遺伝子配列およびTcl−1b蛋白質
の検出または測定用の診断キットに関係する。よって、本発明は、10キロベー
ス以下のそして配列番号:9のヌクレオチド配列またはその相補体の15-1324ヌク
レオチドの範囲を含むプローブを含む容器中の化合物を含む診断キットを提供す
る。あるいは、本発明は、一つまたはそれ以上の容器中に、少なくともプライマ
ーの一つは配列番号:9またはその相補体に交雑可能である少なくとも8-25ヌク
レオチドの一対のプライマーを含み、そのプライマーは増幅反応においてcDN
A合成をプライムすることのできる診断キットを提供する。本発明はまたプライ
マーの一つが配列番号:9またはその相補体に交雑可能であり、プライマーの一
つがTCL−1b遺伝子にテロメア側またはセントロメア側に局在するDNA配
列に交雑可能である診断キットを提供する。特定の一具体例において、前述の容
器の化合物の一つは検出可能に標識表示されている。
【0111】 本発明の増幅反応はポリメラーゼ連鎖反応、競合PCRおよび競合逆転写PC
R(クレメンティ他、1994、Genet Anal Tech Appl、11(1):1-6およびシーバート
他、1992、Nature、359:557-558);ハイブリッドRNA/DNAプローブとR
NAseを使った標的配列の増幅を許す周期的プローブ反応(ID Biomedical);
リガーゼ連鎖反応(ウー他、1989、Genomics、4:560-569)である。特定の一具
体例において、1992年11月12日付けPCT Publication No.WO/92/19775に記述さ
れたように、TCL−1b遺伝子座関連染色体異常が検出されている。特定の一
具体例において、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて使われたTcl−1
bプローブが検出可能に標識表示されている。この標識はその技術において公知
の任意のもので、放射(性同位元素による)標識、蛍光標識、ビオチン、化学発
光標識等を含むが、これらに限られない。
【0112】 アッセイ(検査)がプライマーを使う特定の一具体例において、少なくとも一
つのプライマーは検出可能に標識表示されている。別の一具体例において、プラ
イマー対の一つが捕獲に備える部分、つまり磁気ビードに取り付けられている。
【0113】 抗TCL−1b抗体は生成され、患者の試料におけるTcl−1b蛋白質生成
物の存在を検出することによって14番染色体異常関連疾患状態を同定するため
に診断的に使われる。Tcl−1b蛋白質配列の検出のために、本発明の診断キ
ットは一つまたはそれ以上の容器中に選択的に検出可能に標識表示されている抗
TCL−1b抗体を含む。異なる一具体例において、キットは容器に入れた標識
表示された特定の抗体の結合部を含むことができる。ここでの使用において検出
可能な標識とは直接的または間接的に検出可能な信号を与える標識のことで、例
えば、酵素、放射性標識化分子、蛍光性分子、粒子、化学発光物、酵素基質また
はコファクター、酵素阻害剤、または磁気粒子を含む。本発明において検出可能標
識として有用な酵素の例にはアルカリフォスファターゼとわさび大根ペルオキシ
ダーゼがある。対象蛋白質に検出可能な標識を付ける方法は色々あり、例えば、
対象蛋白質への例えばわさび大根ペルオキシダーゼのような酵素の添付のための
4、4'-ジフルオロ-3、3'-ジニトロフェニルサルフォンのような二官能剤の使用
がある。添付酵素はその後検出可能な反応生成物を産する基質と反応させる。本
発明は、免疫特異結合が起こるような条件下で抗TCL−1b抗体を持つ患者試
料に接触し、抗体による免疫特異結合の量を検出または測定することによって患
者試料におけるTcl−1b蛋白質を検出する方法を提供する。
【0114】 試料はTcl−1b蛋白質を含む患者からの任意の試料で、例えば、組織の一
部、末梢血リンパ球等がある。疾患状態の診断において、Tcl−1b蛋白質、
誘導体、そして類似体の機能的活動は種々の方法のアッセイで検定される。従っ
て、本発明はまた、正常な個体からの相似試料におけるレベルと比べてTcl−
1b蛋白質レベルが高いことが患者におけるT細胞悪性腫瘍の存在を指摘する場
合に、患者からの試料にTcl−1b蛋白質発現増加を検出することによって、
患者における14番染色体異常関連T細胞悪性腫瘍を診断する方法を提供する。
【0115】 例えば、抗TCL−1b抗体への結合のアッセイによってTcl−1b蛋白質
を検出または測定する一具体例において、種々のこの技術で公知のイムノアッセ
イが使われる。これらには、ラジオイムノアッセイ、ELISA(エンザイムリンク
ドイムノソルベントアッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、イムノラジ
オメトリックアッセイ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュー
イムノアッセイ(例えばコロイド金、酵素または放射性同位元素による標識 の
使用)ウエスタン法、インサイチューハイブリダイゼーション、沈降反応、凝集
反応アッセイ(例:ゲル凝集反応アッセイ、ヘマグルチネーションアッセイ)、
相補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、蛋白質Aアッセイ、および免疫電気泳
動アッセイ等を含むが、これらに限られない。一具体例において、一次抗体に標
識を検出することによって抗体結合が検出されている。別の一具体例において、
二次抗体または試薬の一次抗体への結合を検出することによって一次抗体を発見
している。さらに別の一具体例において、二次抗体が標識表示されている。その
技術においてイムノアッセイにおける結合検出のための多くの手段が公知であり
、それらは本発明の範囲に属するものである。特にこのイムノアッセイは、免疫
特異な結合が起こる条件下において抗TCL−1b抗体を持つ患者から誘導した
試料に接触し、その抗体による免疫特異な結合の量を検出または測定する方法で
行なわれる。特定の一具体例において、Tcl−1b蛋白質のレベル増加が疾患
状態の指標であるとき、Tcl−1b蛋白質の存在の検定のためにTcl−1b
蛋白質への抗体が患者の組織や血清のアッセイに使われている。本発明の一具体
例において、患者試料の免疫細胞化学法によってTcl−1b蛋白質を検出また
は測定している。別の一具体例において、Tcl−1b発現増加関連疾患の療法
のモニターのためにTcl−1b蛋白質またはRNAのレベルを測定するアッセ
イを使っている。例えば、治療前に比べてTCL−1bRNAまたは蛋白質のレ
ベルが治療後に下がっているということはその治療法への好ましい反応を指摘し
ている。治療後にレベルが上がっているようなら、治療への反応がよくないこと
を示す。
【0116】 別の一具体例において、Tcl−1b蛋白質またはRNA発現のレベルが疾患
を表現させるために使われている。つまり、Tcl−1b蛋白質またはRNA発
現増加が疾患の悪化を指摘している。 その他の方法は専門家に公知のものであり、本発明の範囲に属するものである。
【0117】 治療/予防用途 Tcl−1bの阻害剤は特に14q32.1における14番染色体異常そして
/またTcl―1b蛋白質発現増加に関連した疾患の治療のための治療用途で使
われる。本発明の一具体例において、Tcl―1b蛋白質そして/またはTcl
−1b蛋白質を発現する細胞系はTcl−1b蛋白質に結合してTcl−1b蛋
白質の作動薬または拮抗薬として働き得る抗体、ぺプチド、またはその他の分子
のスクリーニングに使われる。例えば、Tcl−1b蛋白質の活動を中和できる
抗TCL−1b抗体は、T細胞白血病やリンパ腫のような14番染色体異常やT
cl−1b蛋白質の発現に関連した疾患状態を抑制または予防するために使われ
る。従って、本発明は、14番染色体関連疾患状態を患う哺乳類に治療効果のあ
る量の抗TCL−1b抗体を与えることによって14番染色体関連疾患状態を患
う哺乳類において14番染色体関連疾患状態を治療する方法を提供する。あるい
は、組換えTcl−1b蛋白質を持つ有機またはペプチドライブラリーのスクリ
ーニングはTcl−1b蛋白質の活動を抑制するように機能する治療性分子の同
定に有用である。当業者にとって日常的と思われている数々の方法において合成
および天然生成物をスクリーニングする。
【0118】 抗体、ペプチド、またはその他の分子のTcl−1b蛋白質の効果を変調させ
る能力をモニターする。例えば、本発明のTCL−1bヌクレオチド配列、Tc
l−1b蛋白質配列、その誘導体または類似体、またはそれへの抗体からなる治
療性組成物の投与以前、以後両方において、TCL−1b遺伝子配列またはTc
l−1b蛋白質配列は上述のように検出される。
【0119】 TCL−1bポリヌクレオチドは、T細胞白血病やリンパ腫のような種々の1
4番染色体関連疾患状態、そして/またはTcl−1b蛋白質の発現増加の治療
に有用である。TCL−1bアンチセンス遺伝子配列を細胞に導入することによ
って、TCL−1b遺伝子の過剰発現に関連した容態の治療に遺伝子療法が使わ
れる。従って、本発明は、14番染色体関連疾患状態を患う哺乳類に治療効果の
ある量のTCL−1bアンチセンス分子を与えることによって14番染色体関連
疾患状態を患う哺乳類において14番染色体関連疾患状態を治療する方法を提供
する。
【0120】 アンチセンスRNAおよびDNA分子そしてリボザイムを含む、そしてTCL
−1b mRNAの翻訳を抑制するように機能するオリゴヌクレオチド配列は、
本発明の範囲に属するものである。ここで使われる「アンチセンス」とは、何ら
かの配列相補性のお陰でTCL−1b RNA(好ましくは、mRNA)の一部
に交雑可能な核酸のことである。アンチセンスRNAおよびDNA分子は標的m
RNAに結合して蛋白質翻訳を予防することによって直接mRNAの翻訳を妨げ
るように働く。アンチセンスDNAに関して、TCL−1bヌクレオチド配列の
翻訳開始部位、つまりー10と+10の間の領域から誘導されたオリゴデオキシ
リボヌクレオチドが好ましい。本発明は、TCL−1b mRNAに交雑可能な
Tcl−1b蛋白質のコード配列の少なくとも一部に相補的な核酸配列を含むア
ンチセンス分子を提供する。本発明はまた、TCL−1bコード配列(配列番号
:11)に交雑するノンコーディング配列(配列番号:11)の少なくとも一部
に相補的な核酸配列を持つアンチセンス分子を提供する。本発明の好ましい一具
体例において、アンチセンス配列はTCL−1b遺伝子の5‘ノンコーディング
配列から誘導される。本発明の特に好ましい一具体例において、アンチセンス配
列は配列番号:9から誘導される。
【0121】 リボザイムはRNAの特定の分割を促進させることのできる酵素RNA分子で
ある。リボザイム活動のメカニズムはリボザイム分子の相補的標的RNAへの配
列特異なハイブリダイゼーションに関係し、その後に塩基配列特異的な分割が起
こる。本発明の範囲に属するのは、Tcl−1b RNA配列の塩基配列特異的
な分割を特異にそして効率的に促進させるハンマーヘッドモチーフリボザイム分
子である。
【0122】 任意の潜在RNA標的内の特定なリボザイム分割部位は、最初、GUA、GU
U、そしてGUCの配列を含むリボザイム分割部位を求めて標識分子をスキャン
することによって同定される。同定したら、分割部位を含む標的遺伝子の領域に
対応する15から20のリボヌクレオチドの短いRNA配列を、そのオリゴヌク
レオチド配列を不適切なものとし得る二次構造のような予測された構造に関して
評価する。標的候補の適切性はまた、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使って、
その候補の相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへの接近可能
性を検査することによっても評価できる。
【0123】 本発明のアンチセンスRNAおよびDNA分子またリボザイムはどちらもRN
A分子合成法としてその技術において公知の任意の方法で調製される。これらに
はその技術において公知の固相フォスフォラミジト化学合成のようなオリゴデオ
キシリボヌクレオチドを化学合成する技法が含まれる。あるいは、RNA分子は
アンチセンスRNA分子をコードするDNA配列のインビトロおよびインビボ転
写によって生成される。このDNA配列はT7またはSP6ポリメラーゼプロモ
ーターのような適切なRNAポリメラーゼプロモーターを取り入れる多種多様な
ベクターに取り入れられる。あるいは、使われるプロモーターによって、アンチ
センスRNAを構成的または誘導的に合成するアンチセンスcDNA構築物が細
胞系に安定して導入される。
【0124】 細胞内安定性および半減期を増加させる手段として種々のDNA分子修飾が導
入される。修飾の例には、リボまたはデオキシヌクレオチドの側防配列の分子の
5’および/または3’末端への追加、またはオリゴデオキシリボヌクレオチド
バックボーン内でのフォスフォジエステラーゼ連鎖に代わるフォスフォロチオア
ートまたは2’O−メチル連鎖の使用が含まれるが、これらに限られない。
【0125】 核酸を細胞または組織内に導入する方法には、裸核酸の挿入、つまり組織内へ
の注射のような核酸のインビトロ導入法、核酸の細胞へのエクスビトロ導入法、
ウイルス、レトロウイルス、ファージまたは原形質等のベクターの使用、または
インビボまたはエクスビボで使われる電気穿孔法のような技法を含む。
【0126】 その他の方法はその技術の専門家に公知であり、本発明の範囲に属するもので
ある。
【0127】 治療または予防用途の供覧 本発明のTCL−1bポリヌクレオチド、Tcl−1b蛋白質生成物、その誘
導体および類似体、そしてそれへの抗体は好ましい治療または予防活動に関して
インビボに検査される。例えば、これらの化合物は人間において検査する前に、
ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギ等を含む、しかしこれらに限ら
れない適切な動物モデル系において検査される。インビボ検査では、人間への投
与の前にその技術で公知の任意の動物モデル系が使われる。
【0128】 治療/予防方法および組成物 本発明は、被験者への有効量の治療薬、つまり本発明のTCL−1bポリヌク
レオチド、Tcl−1b蛋白質、その誘導体または類似体、またはそれへの抗体
の投与によって治療および予防法を提供する。好ましい一面において、その治療
剤は実質的に精製されている。被験者は好ましくは動物であり、ウシ、ブタ、ニ
ワトリ等の動物を含むが、それらに限られない。また、好ましくは哺乳類であり
、もっとも好ましくは人間である。
【0129】 本発明の治療剤の投与にあたって、種々の送出系が公知であり、使われる。例
えば、リポソーム内のカプセル化、微粒子、マイクロカプセル、組換え細胞によ
る発現、レセプター媒介エンドサイトーシス(参照例:ウーおよびウー、198
7、J Biol Chem、262:4429―4432)、レトロウイルス性
またはその他のベクターの一部としての治療用核酸の構築等がある。導入法には
、皮内、筋肉内、腹膜内、静脈内、皮下、鼻腔内、および経口経路が含まれるが
、これらに限られない。化合物は任意の便利な経路、例えば、注入または大量注
射、上皮または粘膜皮膚内層を通した吸収(例:口腔粘膜、直腸および腸管粘膜
等)で投与され、その他の生物学的活性剤と共に投与される。投与は全身性また
は局所性である。また、本発明の薬剤組成物は、心室内および髄腔内注射を含む
任意の適切な経路で中枢神経系に導入することが望ましい;心室内注射には例え
ばオマヤレザバーのようなレザバーに取り付けられた心室内カテーテルが役立つ
【0130】 特定の一具体例において、本発明の薬剤組成物を治療を要する個所に局所的に
投与することが望ましい;これには、例えば、限定するわけではないが、手術中
の局所的注入、手術後の塗布、例えば、傷への包帯と共に行なうもの、注射、カ
テーテル、坐剤、または移殖によるものがあり、該移殖は多孔性、無孔性、また
はゲル状物質のもので、シアラスティック膜のような膜や繊維を含む。一具体例
において、投与は悪性腫瘍または腫瘍性または前腫瘍性組織の部位(または以前
の部位)に直接注射で行なわれる。
【0131】 治療剤が蛋白質治療剤をコードする核酸である特定の一具体例において、その
核酸は、それを適当な核酸発現ベクターの部分として構築しそれが細胞内性にな
るように投与することによってそのコードされた蛋白質の発現を促進するように
、インビボで投与される。その方法の例としては、レトロウイルス性ベクターの
使用による(参照:米国特許番号4、980、286号)、または直接注射によ
る、または微粒子照射による(例:遺伝子銃;バイオリスティック、デュポン)
、またはリピドまたは細胞表面レセプターまたはトランスフェクティング剤でコ
ートすることによる、または核に入ると知られているホメオボックス風ペプチド
への結合において投与することによる(参照例:ジョリオット他、1991、P
roc Natl Acad Sci USA、88:1864―1868)等があ
る。あるいは、核酸治療剤は細胞内的に導入され、相同性組換えによって宿主細
胞DNAに発現のために取り入れられる。
【0132】 本発明はまた薬剤組成物を提供する。この組成物は治療効果のある量の治療剤
と薬剤的に容認できる担体または医薬品添加物を含む。この担体は食塩水、緩衝
食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、そしてそれらの組み
合わせを含むがこれらに限られない。担体と組成物は無菌である。製剤は投与の
様式に適合しなければならない。
【0133】 望むなら、この組成物は少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤も含む
ことができる。この組成物は液体溶液、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、持続放
出性製剤、または粉末である。この組成物はトリグリセリドのような従来の結合
剤および担体を使って坐剤に形成される。経口製剤には薬剤グレードのマニトー
ル、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウム糖、セルロ
ース、炭酸カルシウム等の標準担体が含まれる。
【0134】 好ましい一具体例において、この組成物は人間への静脈内投与に適応する薬剤
組成物として日常的手法に従って形成される。典型的に、静脈内投与用の組成物
は無菌等張性水様緩衝剤中の溶液である。必要な場合は、この組成物は可溶化剤
と、注射部位の痛みを和らげるためのリドカインのような局所麻酔も含む。概し
て、処方成分は別々にまたは混合して単位投与量ごとに、例えば、アンプルや活
性成分の量を示したプラスチック袋のような密封容器中に凍結乾燥粉末または無
水濃縮物として供給される。この組成物が注入によって投与されるときは、無菌
の薬剤グレードの水または食塩水をふくむ注入瓶に調剤される。この組成物を注
射で投与するときは、処方成分を投与前に混合されるようにアンプル入りの注射
用無菌水または食塩水を与える。
【0135】 本発明の治療剤は中性または塩類の形で形成する。薬剤的に許容できる塩類に
は塩酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等から誘導されるような遊離アミノ基、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニア、水酸化カルシウム、水
酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2―エチルアミノエタノ
ール、ヒスチジン、プロカイン等から誘導されるような遊離カルボキシル基を使
って作るものが含まれる。
【0136】 本発明の治療剤の特定の障害または容態の治療に有効な量はその障害または容
態の性質に依り、標準的臨床技法で決められる。またインビトロアッセイも最適
投与量範囲の同定のために使われる。製剤に使われる精密な投与量はまた投与の
経路および疾患または障害の状態レベルにも依存し、担当医師の判断およびそれ
ぞれの患者の状況によって決定するべきである。しかし、静脈内投与の適切な用
量範囲はふつう体重1キログラムあたり20―500マイクログラムの活性化合
物である。鼻腔内投与の適切な投与量は体重1キログラムあたり0.01pgか
ら1mgである。効果的用量はインビトロまたは動物モデル検査系から誘導した
用量反応曲線から推定する。
【0137】 坐剤は概して体重10キロに対して0.5%の範囲の活性成分を含む。経口製
剤は好ましくは10%から95%の活性成分を含む。
【0138】 本発明はまた本発明の薬剤組成物の単一または複数の成分を詰めた単一または
複数の容器を含む薬剤パックまたはキットを提供する。選択的にこの容器に関連
するのは薬剤または生物学的製品の製造、使用または販売を制御する政府担当局
によって決められた型の通知であり、この通知は人間への投与用としての製造、
使用または販売を承認するものである。
【0139】 TCL−1b遺伝子発現のアンチセンス調節 本発明はTCL−1b遺伝子(配列番号:11) またはcDNA(配列番号
:9)コードされるTcl−1b蛋白質またはその一部にアンチセンスである少
なくとも六個のヌクレオチドの核酸の治療または予防用途における使用を提供す
る。このアンチセンス核酸は本発明の拮抗薬治療剤としての有用性があり、例え
ば上述のT細胞悪性腫瘍のような障害の治療または予防に使われる。
【0140】 本発明のアンチセンス核酸は二本鎖または一本鎖RNAまたはDNAまたはそ
れらの修飾体または誘導体であるオリゴヌクレオチドであり、細胞に直接投与可
能であり、または外因性誘導配列の転写によって細胞内で生成される。
【0141】 特定の一具体例において、現在の発明によって提供されるTCL−1bアンチ
センスポリヌクレオチドは特に14q32.1における14番染色体異常に関連
した疾患状態の治療に使うことができ、その時その疾患状態がTCL−1b遺伝
子を発現することを供覧する(インビトロまたはインビボ)ことができる。この
供覧はTCL−1b RNAまたはTcl−1b蛋白質の検出によって行なうこ
とができる。
【0142】 本発明はまた上述のように薬剤的に許容される担体中における効果的用量の本
発明のTCL−1bアンチセンス核酸を含む薬剤組成物を提供する。T細胞悪性
腫瘍のような14番染色体関連疾患状態の、本発明の薬剤組成物投与を含む治療
法および予防法もまた提供する。
【0143】 別の一具体例において、本発明は、その細胞に有効量の本発明のアンチセンス
TCL−1b核酸を含む組成物を与えることによって、原核細胞または真核細胞
におけるTCL−1b核酸配列の発現を抑制する方法に向けられている。
【0144】 TCL−1bアンチセンスポリヌクレオチドは少なくとも6のヌクレオチド、
好ましくはオリゴヌクレオチド(6から50のオリゴヌクレオチドの範囲)から
なるものである。特定の側面において、オリゴヌクレオチドは少なくとも10の
ヌクレオチド、少なくとも20のヌクレオチド、少なくとも30のヌクレオチド
、または少なくとも400のヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは一本鎖
または二本鎖のDNAまたはRNAまたはキメラ混合物または誘導体または修飾
版である。オリゴヌクレオチドは基部、糖部、または燐酸塩のバックボーンで修
飾される。オリゴヌクレオチドには、ペプチド、または細胞膜を越えた輸送の促
進剤(参照例:レッツィンガー他、1989、Proc Natl Acad S
ci USA、86:6553―6556;レメトリ他、1987、Proc N
atl Acad Sci USA、84:648―652;PCT Public
ation No. WO88/09810、1988年12月15日発行)ま
たは血液脳関門(参照例:PCT Publication No. WO89/
10134、1988年4月25日発行)、ハイブリダイゼーション誘発式分割
剤(参照例:クロール他、1988、Bio Techniques、6:95
8―976)または化学架橋形成剤(参照例:ゾン、1988、Pharm Re
s、5:539−549)等、その他の付属基を含むこともある。
【0145】 オリゴヌクレオチドは別の一分子、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーショ
ン誘発式架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発式分割剤等に接合する。
【0146】 本発明のオリゴヌクレオチドは、例えばDNA自動合成装置(バイオサーチ
、アプライドバイオシステムズ等から市販されているようなもの)のようなその
技術で公知の標準法で合成される。例として、フォスフォロチオアートオリゴは
スタイン他(1988、Nucl.Acids Res. 16:3209)の方
法で合成され、メチルフォスフォネートオリゴは制御細孔グラスポリマーサポー
ト(サリン他、1988、Proc Natl Acad Sci USA、85:
7448−7451)を使って調製される。
【0147】 特定の一具体例において、Tcl−1bアンチセンスオリゴヌクレオチドは触
媒RNA、またはリボザイム(参照例:PCT International P
ublication WO 90/11364、1990年10月4日発行;サ
ーバー他、1990、Science、247:1222−1225)を含む。
別の一具体例において、オリゴヌクレオチドは2’−O−メチルリボヌクレオチ
ド(井上他、1987、Nucl.Acids Res. 15:6131−61
48)、またはキメラRNA-DNA類似体(井上他、1987、FEBS Le
tt 、215:327−330)である。
【0148】 代替的一具体例において、本発明のTcl−1bアンチセンス核酸は細胞内で
外因配列からの転写によって生成される。例えば、ベクターをインビボに導入し
て細胞に取り入れ、その細胞内においてそのベクターまたはその一部が転写され
、よって本発明のアンチセンス核酸(RNA )を生成する。このベクターはT
cl−1bアンチセンス核酸をコードする配列を含んでいるものである。このベ
クターは、望ましいアンチセンスRNAを生成するように転写される限り、エピ
ソームのままでいてもよいし、または染色体統合をしてもよい。このベクターは
その技術で標準的な組換えDNA技術法によって構築される。ベクターは哺乳類
の細胞での複製および出現に使われるプラスミド、ウイルス、またはその技術で
公知のその他のものである。Tcl−1bアンチセンスRNAをコードする配列
の発現は、その技術で哺乳類、好ましくはヒト細胞での活動が公知の任意のプロ
モーターによって行なわれる。このプロモーターは包括的または構成的なもので
ある。このプロモーターには、SV40早期プロモーター領域(バーノイストお
よびチャムボン、1981、Nature 290:304−310)、3’長ラ
ウス肉腫ウイルス末端重複に含まれるプロモーター(山本他、1980、Cel
l、22:787−797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(ワグナ
ー他、1981、Proc Natl Acad Sci USA、78:1441−
1445)、メタロチオネイン遺伝子調節配列(ブリンスター他、1982、N
ature、296:3942)等があるが、これらに限られない。
【0149】 本発明のアンチセンス核酸は少なくともTCL−1b遺伝子、好ましくはヒト
TCL−1b遺伝子のRNA転写の一部に相補的な配列を含む。しかし、絶対相
補性は、好ましいが、要求されない。ここで言う「少なくともRNAの一部に相
補的」な配列とは、RNAと交雑して安定二重鎖を形成するに充分な相補性を持
つ配列を意味する;二本鎖TCL−1bアンチセンス核酸の場合、二重鎖DNA
の一本鎖がそのために検査されるか、または三重形成がアッセイされる。交雑能
力は相補性の度合いとアンチセンス核酸の長さの両方に依存することになる。概
して、ハイブリダイズする核酸が長いほどTCL−1b RNAとのベースミス
マッチも多いが、それでも安定二重鎖(または、場合によって、三重鎖)を形成
する。当業者は交雑複合体の融点を測定する標準手法を用いてミスマッチの許容
度を確認することができる。
【0150】 TCL−1bアンチセンス核酸はTCL−1b RNAを発現すると示された
細胞型のT細胞悪性腫瘍を治療(または予防)するために使われる。この発現に
関して検査された悪性、腫瘍性、そして前腫瘍性細胞は、上述のものを含むが、
これに限られない。好ましい一具体例において、一本鎖DNAアンチセンスTC
L−1bオリゴヌクレオチドが使われる。
【0151】 TCL−1b RNAを発現する悪性(特に腫瘍)細胞型は、その技術で公知
の種々の方法で同定される。この方法には、TCL−1b特異核酸を使ったハイ
ブリダイゼーション(例:ノーザンハイブリダイゼーション、ドットブロットハ
イブリダイゼーション、インサイチューハイブリダイゼーションによるもの)、
インビトロでTCL−1bに翻訳される細胞型からのRNAの能力観察等がある
が、これらに限られない。好ましい一面において、治療の前に、患者からの一次
腫瘍組織がTCL−1b発現に関してアッセイされる。
【0152】 薬剤的に許容される担体中に有効量のTCL-1bアンチセンス核酸を含む本発
明の薬剤組成物はTCL−1b RNAを発現する型の悪性腫瘍を持つ患者に投
与される。
【0153】 特定の疾患状態または容態の治療に効果的なTCL−1bアンチセンス核酸の
量はその疾患状態または容態の性質に依存し、標準臨床技法で決定される。可能
なら、治療する腫瘍型のアンチセンス細胞毒性をインビトロに、そして有用な動
物系で、人間における検査や使用の前に決定しておくことが望ましい。
【0154】 特定の一具体例において、TCLl−1bアンチセンス核酸を含む薬剤組成物
はリポソーム、微粒子、またはマイクロカプセルを用いて投与される。本発明の
種々の具体例において、これらの組成物を、TCL−1bアンチセンス核酸の持
続放出性を実現するために使用することが、有用である。特定の一具体例におい
て、抗体を用いて特定の同定可能腫瘍抗原に標的を合わせたリポソームを使用す
ることが望ましい (レオネッティ他、1990、Proc Natl Acad
Sci USA、87:2448−2451;レネイセン他、1990、J Bi
ol Chem、265:16337―16342)。
【0155】
【配列表】
【化1】
【0156】
【化2】
【0157】
【化3】
【0158】
【化4】
【0159】
【化5】
【0160】
【化6】
【0161】
【化7】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Tcl1、Tcl−1bおよびMtcp1の配列比較。同一性は黒
い四角、類似性は灰色の四角で示されている。TCL1とMctpのGenBa
nkのアクセス番号はそれぞれX82240とZ24459である。
【図2】 TCL1およびTCL1b遺伝子のゲノム構成。縦の矢印はクロー
ン化された14q32.1の切断点を示す。BssHII (B)、ClaI (C)、EagI (E)、
SfiI (F)、KspI (K)、MluI (M)、NotI (N)、Nrul (R)およびSalI (S)には制限部
位がある。黒い長方形はTCL1とTCL1bのエクソンを示す。
【図3】 TCL1およびTCL1b遺伝子のノーザン分析。(A)ヒト免疫
系ノーザン法。レーン1-6:脾臓;リンパ節;胸腺;末梢血白血球;骨髄;胎児
肝臓。(B)ヒト癌細胞系ノーザン法。レーン1-8:前骨髄球白血病、HL-60;ヒ
ーラ細胞;慢性骨髄性白血病、K-562;Tリンパ芽球性白血病、MOLT-4;バーキッ
トリンパ腫ラージ;結腸直腸腺癌、SW480;肺癌、A549;メラノーム、G361。(C
)レーン1-6:バーキットリンパ腫ラージ;バーキットリンパ腫ドーディ;バー
キットリンパ腫CA-46;SupT11;骨髄;胎盤。(D)レーン1:骨髄;レーン2-7
、EBV形質転換リンパ芽球細胞系:Ado-1471; Ado-1476; Ado-1701; Ado-
1727; Ado-2069; Ado-2199; レーン8:CA-46。(A-D)。上、TCL1bプロ
ーブ;中、Tcl1 プローブ;下、アクチンプローブ。
【図4】 TCL1とTCL1b遺伝子のRT−PCR分析。(A)正常なヒ
ト組織。レーン1-23:心臓;肝臓;脳;筋肉;胎盤;腎臓;肺;膵臓;脾臓;リ
ンパ節;胸腺;扁桃腺;末梢血白血球(PBL);胎児肝臓;胎児脳;胎児肺;胎
児腎臓;胎児心臓;胎児骨格筋;胎児脾臓;胎児胸腺;陰性対照。(B)レーン
1-4、T細胞PLL試料:3047; 3046; 3050; 3048。レーン5-6:骨髄;PBL。(A−
B)。上、TCL1bプライマー;中、TCL1プライマー;下、対照G3PDHプ
ライマー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 35/02 4C085 48/00 C07K 14/47 4C086 A61P 35/02 16/18 4C087 C07K 14/47 19/00 4H045 16/18 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/53 D 5/10 C12P 21/02 C C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 A61K 37/02 // C12P 21/02 C12N 5/00 A (72)発明者 ピカースキー、 ユリ アメリカ合衆国、19111 ペンシルベニア 州、フィラデルフィア、ヴェリー ロード 8110、アパート エー307 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA36 BA45 CA04 EA04 GA11 HA12 HA15 4B063 QA01 QA08 QA18 QA19 QQ43 QR55 QR62 QS34 4B064 AG01 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA06 AA07 AA13 BA01 BA02 BA21 CA53 NA14 ZB272 4C085 AA13 AA14 DD62 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB27 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 NA14 ZB27 4H045 AA10 AA11 AA30 BA41 CA41 DA76 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tcl−1b蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含み、前
    記ヌクレオチド配列がcDNA配列である分離核酸。
  2. 【請求項2】 前記ヌクレオチド配列は、アミノ酸配列配列番号:10のアミ
    ノ酸番号1〜128番目を持つヒトTcl−1b蛋白質をコードする請求項1記
    載の分離核酸。
  3. 【請求項3】 少なくともTcl−1b蛋白質フラグメントをコードする18
    ヌクレオチド部を含む50キロベース以下の分離核酸。
  4. 【請求項4】 少なくとも配列番号:11に描写された配列の18ヌクレオチ
    ド部を含む50キロベース以下の分離核酸。
  5. 【請求項5】 ヌクレオチド配列配列番号:9の核酸番号1から1152番目
    を含む請求項1記載の分離核酸。
  6. 【請求項6】 Tcl−1b蛋白質。
  7. 【請求項7】 アミノ酸配列配列番号:10のアミノ酸1−128を含む請求
    項6記載の分離Tcl−1b蛋白質。
  8. 【請求項8】 アミノ配列配列番号:10のアミノ酸番号1から128番目を
    持つ蛋白質のフラグメントをコードする配列を含み、そのフラグメントは抗体に
    よってTcl−1b蛋白質に特異的に結合できる分離核酸。
  9. 【請求項9】 Tcl−1b蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含み、そ
    のヌクレオチド配列はcDNA配列である組換えDNAベクター。
  10. 【請求項10】 請求項7記述の組換えDNAベクターを含む宿主細胞。
  11. 【請求項11】 ヌクレオチド配列がアミノ配列配列番号:10のアミノ酸番
    号1から128番目を持つヒトTcl−1b蛋白質をコードする請求項7記載の
    組換えDNAベクター。
  12. 【請求項12】 少なくとも配列番号:11の50ヌクレオチド部を含む50
    キロベース以下の分離核酸。
  13. 【請求項13】 cDNA配列配列番号:9に相補的なヌクレオチド配列に厳
    しい条件下で交雑可能な分離核酸であり、前記核酸は少なくとも配列番号:9の
    25ヌクレオチド部を含む分離核酸。
  14. 【請求項14】 Tcl−1b核酸をコードするcDNA配列に相補的なヌク
    レオチド配列に厳しい条件下で交雑可能な分離核酸であり、その蛋白質はアミノ
    酸配列配列番号:10を持ち、前記核酸は少なくとも配列番号:9の25ヌクレ
    オチド部を含む分離核酸。
  15. 【請求項15】 少なくともTcl−1b蛋白質のコード配列の一部に相補的
    なヌクレオチド配列を含み、Tcl−1bmRNAに交雑可能なアンチセンス分
    子。
  16. 【請求項16】 前記ヌクレオチド配列は少なくとも配列番号:9に描写され
    た配列の一部に相補的な請求項15記載のアンチセンス分子。
  17. 【請求項17】 少なくとも非Tcl−1b蛋白質配列に連鎖する10アミノ
    酸のTcl−1b蛋白質配列を含む融合蛋白質。
  18. 【請求項18】 Tcl−1b蛋白質のエピトープに結合する抗体。
  19. 【請求項19】 少なくとも25アミノ酸の近接配列の上に、配列番号:10
    に描写されたアミノ酸配列に少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を持つアミ
    ノ酸配列を含む分離蛋白質。
  20. 【請求項20】 試料における14番染色体異常を示す標的配列を検出する方
    法であり、 a)ヌクレオチド配列配列番号:9に相補的な18から25分子の第一プライマ
    ー、および好ましくはT細胞レセプターα/δ遺伝子座からの、前記TCL−1
    b遺伝子にテロメアまたはセントロメアの領域に相補的な第二プライマーを使っ
    て前記標的配列を増幅する;および b)前記増幅標的配列の存在が前記14番染色体異常を指摘するような結果とし
    て生じる標的配列を検出する 段階を含む方法。
  21. 【請求項21】 前記14番染色体異常はTCL−1b遺伝子座にあり、t(
    14:14)(q11:q32)転座またはinv(14)(q11:q32)
    逆位を含む請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 アミノ酸配列配列番号:10のアミノ酸番号1から120番
    目を持つヒトTcl−1b蛋白質をコードするcDNA配列を含む組換えベクタ
    ーを含む宿主細胞。
  23. 【請求項23】 Tcl−1b蛋白質をコードするcDNA配列に相補的なヌ
    クレオチド配列に厳しい条件下で交雑可能な核酸を含む組換えベクターを含む宿
    主細胞であって、その蛋白質はアミノ酸配列配列番号:10を持ち、前記核酸は
    少なくとも配列番号:9の25ヌクレオチド部を含む宿主細胞。
  24. 【請求項24】
  25. 【請求項25】 薬剤的に許容可能な担体中に請求項15および16記載の前
    記アンチセンス分子を含む薬剤組成物。
  26. 【請求項26】 薬剤的に許容可能な担体中に請求項18記載の前記抗体を含
    む薬剤組成物。
  27. 【請求項27】 核酸試料における14番染色体異常を示す標的ヌクレオチド
    配列を検出する方法であり、 a)前記試料を前記ヌクレオチド配列配列番号:9に相補的な15−1152ヌ
    クレオチド範囲からなる10キロベース以下の核酸プローブと交雑する;および b)前記試料内における、結果として生じる前記プローブと前記標的配列との間
    のハイブリダイゼーションを検出または測定する 段階を含む方法。
  28. 【請求項28】 前記14番染色体異常はTCL−1b遺伝子座にあり、t(
    14:14)(q11:q32)転座またはinv(14)(q11:q32)
    逆位を含む請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 患者試料、好ましくは人間の試料中に、Tcl−1b蛋白質
    を検出する方法であって、 a)免疫特異結合が起こるような条件下において前記患者試料に抗TCL−1b
    抗体を持って接触し、 b)前記抗体による免疫特異結合の量をすべて検出または測定する ことを含む方法。
  30. 【請求項30】 それぞれ少なくとも15−25のヌクレオチドを持つ一対の
    プライマーを一またはそれ以上の容器中に含む診断キットであって、少なくとも
    前記プライマーの一つは配列番号:9またはその相補体に交雑可能で、前記プラ
    イマーは核酸増幅反応におけるDNA合成をプライムできる診断キット。
  31. 【請求項31】 14番染色体異常関連疾患状態を患う哺乳類、好ましくは人
    間における前記14番染色体異常関連疾患状態を治療する方法であり、前記哺乳
    類に治療効果のある量のTcl−1bアンチセンス分子または抗TCL−1b抗
    体を投与することを含む方法。
  32. 【請求項32】 前記疾患状態はT細胞白血病またはリンパ腫を含み、前記1
    4番染色体異常はt(14:14)(q11:q32)転座またはinv(14
    )(q11:q32)逆位を含む請求項31記載の方法。
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