JP2003518628A - 化合物 - Google Patents

化合物

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ブレンナンド,ジョン・チャールズ
チャールズ,アンドリュー・デビッド
ハート,ケビン・アンソニー
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アストラゼネカ アクチボラグ
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Abstract

(57)【要約】 1つ以上の食欲調節試験法において、試験化合物としてGPR12受容体の1つ以上のアゴニストまたはアンタゴニストを使用し、食欲調節剤として使用するための活性化合物を選択することを含む、食欲調節剤を提供する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は代謝の調節、および特に食欲調節(appetite control)または肥満に
関与するヒトの遺伝子に関する。本発明はまた前記遺伝子と相互作用するリガン
ドの同定および治療薬の提供にも関するものである。
【0002】 肥満は今日重要な健康問題である。現在アメリカの人口の22.5%が臨床的
な肥満と考えられ、イギリスでは18.5%が、他の多くの先進諸国でもこの傾
向に追随している。この問題は21世紀の最も進行している非伝染性疾患として
論じられてきた。現在存在している治療法はM. LeanによりExp. Clin. Endocrin
ol. Diabetes, 1998, 106, Suppl. 2, 22-26にまとめられている。これらの治療
法にはダイエットおよび極端な例として外科手術を含む。
【0003】 肥満に関する遺伝的な素地および影響が詳細に研究されるようになったのは、
ごく近年のことに過ぎない。一部の算出によれば、ヒトの肥満に関する表現型の
バリエーションの40−70%が遺伝性である。ヒトの肥満遺伝子の研究につい
ては、Comuzzieら (Science, 1998, 280, 1374-1377)により簡便に要約されてい
る。特にレプチン(LEP)、すなわちob遺伝子の産物、およびレプチン受容
体(LEPR)について現在詳細に研究されている。レプチンは脂肪組織により
分泌されるホルモンで、その受容体と共に、エネルギーのバランスと貯蔵を調節
およびコントロールして最適レベルとするように進化した複雑な生理学的システ
ムの構成要素である(Freidman JM and Halaas JL (1998) Nature 395, 763-769)
。レプチンはまた、栄養摂取の状態を他のいくつかの生理学的システムに中継す
る重要な役割を担っているようである。一般的な肥満の病因へのレプチンの関与
は大いなる研究テーマであり、ヒトの肥満の複雑な性質を際立たせている。ヒト
の肥満遺伝子マップを現在入手することができ、ヒトの肥満の表現型と関連づけ
られた遺伝子および他のマーカーの数は現在200に達している。肥満および食
行動異常の治療を目的として多数の製品が開発されており、これらは広範囲の生
物学的標的に対して作用する。選択された標的はいわゆるGタンパク質共役型受
容体(GPCR)と同様に、酵素、ホルモン、神経伝達物質を含む。GPCRは
これまで同定された遺伝子の最大のファミリーの1つである。このファミリーの
800以上のタンパク質が、今日までに広く様々な種からクローニングされてい
る。GPCR GPR12をコードするmRNAがネズミの食欲/肥満モデルに
おいて特異的に発現することが、今回の研究で明らかになった。したがってGP
R12に作用する非ペプチド性の化合物が、食物摂取および代謝過程のコントロ
ールに有用性を示すことになると考えられる。
【0004】 GPR12は公知の遺伝子である。ヒトについてはSongらにより初めて発表さ
れた(Genomics, 1995, 28, 347-349)。ヒトのcDNAは、プローブとしてラッ
トの相同遺伝子を用いたヒトのコスミドライブラリーのスクリーニングにより単
離された。ヒトのGPR12cDNAは1個のエキソンより得られ、334アミ
ノ酸のタンパク質をコードする。これは現在オーファン受容体である。マウスと
ラットの遺伝子もまた知らせている (Saeki Y, FEBS Lett., 1993, 336:317-322
およびEidne K.A., FEBS Lett., 1991, 292:243-248)。
【0005】 以上より本発明の第一の態様においては、1つ以上の食欲調節試験法において
試験化合物としてGタンパク質共役型受容体GPR12の1つ以上のアゴニスト
および/またはアンタゴニストを使用すること、および食欲調節剤として使用す
るために活性化合物を選択することを含む、食欲調節剤を提供する方法を提供す
る。
【0006】 好都合な食欲調節試験法として、食欲調節および肥満における試験化合物の役
割を試験するための、動物モデルの使用を含む。これらの方法は典型的には、実
験動物への腹腔内注射、皮下注、静注、経口強制飼養、またはカニューレによる
中枢神経系への直接注入による化合物の投与を含む。食物摂取、体温、代謝速度
、行動の活動度および体重変化への影響は、すべて、標準的な方法で測定できる
【0007】 適切なアンタゴニストまたはアゴニストを、GPR12受容体のアゴニストお
よび/またはアンタゴニストのスクリーニングにより、最初に同定してもよい。 したがって本発明のさらなる態様において、以下を含む食欲調節剤を提供する
ための方法を提供する、(i)GPR12受容体のアゴニストおよび/またはア
ンタゴニストに対する当受容体のスクリーニング、および(ii)1つ以上の食
欲調節試験法において試験化合物として同定された1つ以上のアゴニストおよび
/またはアンタゴニストを使用し、食欲調節剤として使用するために活性化合物
の選択すること。GPR12受容体は、ヒト、サル、ラット、マウスおよびイヌ
を含むあらゆる哺乳類の種から得られる。スクリーニングの目的としては、ヒト
のGPR12受容体が都合がよい。
【0008】 哺乳類のGPR12受容体は好都合なことに市販の入手可能なRNA、脳のc
DNAライブラリー、ゲノムDNA、またはゲノムDNAライブラリーより、慣
用の分子生物学的技術、例えばライブラリースクリーニングおよび/またはポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて単離することができる。これらの技術はMo
lecular Cloning − A Laboratory Manual,2nd edition, Sambrook, Fritsch &
Maniatis、Cold Spring Harbor Pressに非常に詳細に述べられている。
【0009】 得られた哺乳類のGPR12受容体をコードするcDNAを、次に市販の入手
可能な哺乳類の発現ベクター、例えば一連のpcDNA3(InVitrogen Ltd等、
以下参照)にクローニングする。これに代わる哺乳類の発現ベクターはDavies e
t al. J of Pharmacol & Toxicol. Methods, 33, 153-158により公開されている
。標準的なトランスフェクション技術を用いて、一般的な入手可能な培養哺乳類
細胞系、例えばCHO、HEK293、HeLa内にこれらのDNAを導入し、
この受容体を発現するクローン誘導体を単離する。これに代わる発現システムは
、我々の英国特許第2251622号に記載のMEL細胞発現システムである。
【0010】 これらの細胞に自然のリガンドを投与すると、トランスフェクションされた受
容体の活性化を引き起こし、細胞内のシグナルとなる分子、例えばサイクリック
AMP、分子内カルシウムイオンまたはアラキドン酸の代謝物放出のレベルに変
化をもたらす。これらの変化はいずれも、標準的な公開された方法および市販の
入手可能な試薬により測定できる。加えて、これらの細胞内の変化を“報告する
”“レポーター”遺伝子、例えば大腸菌のLacZ、ルシフェラーゼ、淡緑青色
(aquorin)もしくは緑色の蛍光タンパク質、で予めトランスフェクションした
これらの細胞系の誘導体内に、さらにこれらのcDNAをトランスフェクション
することができる。
【0011】 GPR12の自然のリガンドはまだ明らかにされていない。GPR12でトラ
ンスフェクションした細胞を用いて、GPR12を活性化する自然のリガンドを
発見する。この作業に使用するリガンドは市販品を原料とするか、もしくは化学
的に合成する ( Lembo et al.,1999, Nature Cell Biol., 1, 267-271 )、また
は哺乳類の原料、例えば動物の脳の抽出物から精製してもよい(Saurai et al.,
1998, cell, 92, 573-585)。一度同定できれば、精製し、放射能標識または蛍光
標識した材料(例えばAmersham PLC & Advanced Bioconcept Ltd)をリガンドと
して使用して、標準的な公開されているリガンド結合アッセイ技術により、これ
らのトランスフェクションされた受容体に結合するリガンドを検出することがで
きる。
【0012】 これらのトランスフェクションした細胞系を用いて、これらの受容体を活性化
し細胞内の指標となる分子の変化を引き起こす低分子量化合物を同定することが
でき、これらの低分子量化合物を“アゴニスト”と定義する。
【0013】 加えてあるいはその代わりに、同様のアッセイを用いてGPR12リガンドの
活性化効果と拮抗する低分子量化合物を同定することができ、これらを“アンタ
ゴニスト”と定義する。
【0014】 試験化合物は2個以上のアミノ酸のポリペプチド、例えば6個のアミノ酸まで
、10個もしくは12個のアミノ酸まで、20個のアミノ酸まで、または20個
以上のアミノ酸、例えば50個のアミノ酸までである。薬剤のスクリーニングを
目的とすれば、好ましい化合物は低分子量の化学的化合物および潜在的に治療効
果のある物質である。これらは例えば分子量にして約1000ドルトン未満、例
えば800、600、または400ドルトン未満である。所望の場合は試験化合
物は化学化合物のライブラリーに含まれるものでよい。これはライブラリーの個
々の化合物の好都合なあらゆる数を含み得る、例えば適切な化合物、例えばペプ
チド、ペプトイド(peptoids)ならびに他のオリゴマー化合物(環状または直鎖)
、および鋳型(合成)に基づくさらに小さな分子、例えばベンゾジアゼピン、ヒ
ダントイン、ビアリール、炭素環式化合物ならびに多環式化合物(例えばナフタ
レン、フェノチアジン、アクリジン、ステロイド等)、炭水化物誘導体ならびに
アミノ酸誘導体、ジヒドロピリジン、ベンズヒドリル、および複素環(例えばト
リアジン、インドール、チアゾリジン等)を、10個から100個まで、100
0個まで、100万個まで等、という単位で含みうる。ここに引用した数および
列記した化合物のタイプは説明のためであり、これに限定されるものではない。
好ましい化学化合物ライブラリーは低分子量の化学化合物および潜在的に治療効
果のある物質を含む。
【0015】 本発明のさらなる態様において、食欲調節剤としてのGPR12受容体アゴニ
ストの使用を提供する。 本発明のさらなる態様において、食欲調節剤としてのGPR12受容体アンタ
ゴニストの使用を提供する。
【0016】 本発明はヒトのGPR12受容体のオルソローグおよび相同体の使用を含むと
解釈されるものとする。 “オルソローグ”という用語により、他の種における機能的に等しい受容体を
意味する。
【0017】 “相同体”という用語により、同一種または異種における実質的に類似するお
よび/または関連する受容体を意味する。 上記定義のいずれについても、受容体は例えば少なくとも30%、例えば少な
くとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、そして特に少なくとも7
0%、例えば少なくとも80%、例えば85%、または90%もしくは95%の
ペプチド配列が同一であり得ると思う。相同受容体は、機能のドメインを表す小
さな領域では、実質的により高いペプチド配列の同一性を有し得ると考えられる
。配列をコードするDNAには上記のアミノ酸配列として述べたものより多くの
相違部分がある受容体でも、上記配列の範囲に含まれるペプチド配列と同一の受
容体を産生するものも含むものとする。GPR12受容体の好都合なバージョン
として、公開されている配列(Songら、同文献参照)および添付の配列リストに
示した配列番号No.1から6を含む。
【0018】 GPR12受容体のフラグメントおよび配列の一部は、本発明のアッセイおよ
び分析的手法の有用な基質となり得る。唯一の限界は実際的な問題で、それらの
配列が関連のアッセイおよび/または分析的手法で使用する必要な機能要素を含
んでいなければならないことは理解されよう。
【0019】 本発明のさらなる態様において、本発明の1つ以上の方法を用いて同定された
食欲調節剤の医薬的有効量を個体に投与することを含む、食欲調節の方法を提供
する。本発明の食欲調節剤は、治療を必要とする症状に標準的な方法で、例えば
経口、局所、非経口、口腔内から、経鼻もしくは直腸からの投与、または吸入に
より投与することができる。本発明の化合物をこれらの目的にそって当業者公知
の方法で製剤化する、例えば錠剤、カプセル、水性または油性溶液、懸濁液、エ
マルジョン、クリーム、軟膏、ゲル、または鼻用スプレー、座剤、吸入用微粒子
粉末もしくは噴霧剤、および非経口用(靜注、筋注もしくは輸液)の無菌水溶液
もしくは油性溶液もしくは懸濁液もしくは無菌エマルジョンとすることができる
【0020】 GPR12受容体の知識よりまた、例えばアンチセンスDNAまたはRNAを
用いて、in vivoでGPR12受容体の発現を調節する能力を提供することもで
きる。したがって本発明のさらなる態様により、配列No.1、3および5に示
されたポリヌクレオチド配列のすべてまたは一部と相補的なアンチセンスDNA
またはアンチセンスRNAを含む、食欲調節剤を提供する。相補的という用語に
より、2つの分子が、ヌクレオチド塩基対の相互作用により他の分子との相互作
用を除外してハイブリッドを形成し、2本鎖の分子を形成できることを意味する
【0021】 GPR12遺伝子のすべてまたは一部と対応するポリヌクレオチド配列と相互
作用するアンチセンスDNAまたはRNAは、慣用の方法を用いて、すなわち標
準的な分子生物学および/または化学的合成法により作製することができる。ア
ンチセンスDNAまたはRNAは、本発明のGPR12受容体遺伝子の全長また
はそのフラグメントに相補的となり得る。当該タンパク質のコード領域もしくは
その一部の近位であるかまたはそれを含む遺伝子領域に相補的な、約12から約
30個の範囲のヌクレオチドのオリゴマーを含むアンチセンス分子は、本発明の
好ましい態様である。所望ならば、アンチセンスDNAまたはアンチセンスRN
Aを、in vivoでの分解されないようにあるいは細胞膜を通過しやすくするよう
に化学的に修飾することができ、そして/または、mRNAを不活性化できる物
質、例えばリボザイム、をリンクさせることができ、本発明をこのような構成に
拡大していくことができる。
【0022】 GPR12受容体に相補的なハイブリッドを形成できる配列を含むオリゴヌク
レオチドの、治療への使用を考察する。1997年6月17日発行の米国特許第
5,639,595号の“新規薬剤および試薬の同定(Identification of Nove
l Drugs and Reagents)”に、in vivoで活性を示すオリゴヌクレオチド配列を
同定する方法が詳細に記載されており、これを参照として援用する。
【0023】 GPR12受容体をコードする核酸配列に相補的なヌクレオチド配列を、アン
チセンス療法のために合成することができる。これらのアンチセンス分子は、D
NA、DNAの安定な誘導体(例えばホスホロチエートまたはホスホン酸メチル
)、RNA、RNAの安定な誘導体(例えば2’−O−アルキルRNA)または
その他のオリゴヌクレオチド類似体と考えられる。1997年7月29日発行の
米国特許第5,652,355号の“ハイブリッドオリゴヌクレオチドホスホロ
チオエート(Hybrid Oligonucleotide Phosphorothioates)”および1997年
7月29日発行の米国特許第5,652,356号の“逆方向キメラおよびハイ
ブリッドオリゴヌクレオチド(Inverted Chimeric and Hybrid Oligonucleotide
s)”は、生理学的に安定なアンチセンス分子の合成および効果について記載し
ており、これを参照として援用する。GPR12遺伝子のアンチセンス分子は、
マイクロインジェクション、リポソームによるカプセル化、またはアンチセンス
配列を保有するベクターによる発現により細胞内に導入することができる。
【0024】 トランスジェニック動物の技術もまた、新規の実験モデルという条件で、肥満
および食行動異常のコントロールに関する試験化合物の効果を評価するために有
用である。以下に簡単に概説するような、そして例えば "Gene Targeting; A Pr
actical Approac", IRL Press, 1993の実施例に記載されているような標準的な
方法を用いて、GPR12を欠失、不活性化または修飾してもよい。好ましくは
、標的遺伝子またはその一部(例えばコード領域の横に位置する相同の配列)を
、その機能を失うように遺伝子内に挿入する選択マーカー(例えばNeo)と共
に、ベクター内にクローニングする。このベクターを直鎖化し、次に(例えば1
29/Ola株のマウス由来の)胚性幹細胞(ES細胞)を(通常エレクトロポ
レーションにより)形質転換させると、その後ある割合の幹細胞に相同組み換え
が起こる。遺伝子破壊を含む幹細胞を増殖させ、(例えばC57BL/6Jマウ
ス由来の)胚盤胞に注入し、さらに生育させるため仮母親内に移植する。キメラ
の子はコートカラーマーカーにより同定することができる。キメラを育て、ES
由来の配偶子と宿主の胚盤胞由来の配偶子を区別できる遺伝子マーカーを持つマ
ウスと交配させることにより、生殖系列へのES細胞の寄与を確認する。ES由
来の配偶子の半分は遺伝子修飾を伴うだろう。子孫を(例えばサザンブロット法
により)スクリーニングし、遺伝子破壊を含むものを同定する(子孫の約50%
)。これらの選択された子孫はヘテロ接合体と考えられ、したがってもう1個の
ヘテロ接合体と共に育てることにより、ホモ接合体の子孫を作製することができ
る(子孫の約25%)。
【0025】 標的遺伝子欠失のトランスジェニック動物(“ノックアウト”)を、公知の技
術、例えば前核へのDNAのマイクロインジェクション、スフェロプラスト融合
、または脂質を介してのES細胞のトランスフェクションにより作製されたトラ
ンスジェニック動物と交配させて、内因性の遺伝子がノックアウトされ非自己遺
伝子で置き換えられたトランスジェニック動物を作製することができる。標的遺
伝子破壊を含むES細胞は、特定の変化を含む標的遺伝子配列を用いての形質転
換により、さらに修飾することができる。相同組み換え後、変化させた遺伝子を
ゲノムに導入する。その後これらの胚性幹細胞を上に記載のトランスジェニック
の作製に使用することができる。
【0026】 トランスジェニック動物は1つの表現型を提示するため、食欲調節および肥満
におけるGPR12の役割を反映し、したがって試験化合物の効果を評価する有
用な実験モデルを提供することになる。したがって本発明のさらなる態様におい
て、GPR12が欠失、不活性化または修飾されており、食欲調節および肥満に
おける試験化合物の効果の評価に使用することのできる、トランスジェニック動
物を提供する。
【0027】 GPR12受容体はまた診断の基礎として、例えばDNA配列の直接の比較ま
たはDNA/RNAハイブリダイゼーションアッセイにより、例えばヒトにおけ
る発現レベルの決定に使用することができる。診断のアッセイとして核酸増幅技
術、例えばPCRおよび特に当方の欧州特許第0 332 435号に記載の増
幅不適応変異システム(the Amplification Refractory Mutation System (ARMS
))の使用を含み得る。このようなアッセイは遺伝子の対立遺伝子の変異体、例
えば挿入、欠失および/または突然変異(例えば1つ以上のポイントの突然変異
)の決定に利用できる。このような変異体はヘテロ接合体のこともホモ接合体の
こともある。別のアプローチを用いて、肥満患者において類似の分子をコードす
る遺伝子の変異を同定した例がある (Yeo et al., 1998, Nature Genetics, 20,
111-112)。
【0028】 本発明のさらなる態様において、GPR12受容体を、他の細胞内タンパク質
および細胞膜に関与するタンパク質との相互関係を維持しつつ、しかもそのエフ
ェクター機能および生物学的活性を失わせるように、遺伝子工学的に操作するこ
とができる。遺伝子的に修飾されたタンパク質は優性ネガティブ変異体として知
られている。適当な細胞のタイプ内での優性ネガティブ変異体の過剰な発現は、
内因性タンパク質の効果をダウンレギュレーションし、それにより食欲調節にお
けるこの遺伝子の生物学的な役割りが明らかになる。
【0029】 同様にGPR12受容体はまた、そのエフェクター機能および生物学的活性を
高めるように、遺伝子工学的に操作することもできる。得られた過剰活性のタン
パク質は優性ポジティブ変異体として知られている。適当な細胞のタイプ内での
優性ポジティブ変異体の過剰な発現は、内因性の本来のタンパク質の生物学的反
応を増幅し、食欲調節におけるその役割に着目させることになる。これはまた、
リガンド不在下で構造的に活性な受容体のアンタゴニストを検出するスクリーニ
ングでの有用性を有する。
【0030】 以上により本発明のさらなる態様において、GPR12受容体の優性ネガティ
ブ変異体ならびに優性ポジティブ変異体、および食欲調節におけるGPR12受
容体の生物学的な役割を評価する際のそれらの使用を提供する。
【0031】 本発明を具体的に示すが、以下の特定の記述および配列リストの参照内容によ
りこれに限定されるものではない[使用する特定の技術の多くは標準的な分子生
物学のテキスト、例えばSambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular cloning, a
Laboratory Manual, Second Edition, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory
Pressに詳述されている。したがってそれに関する参考文献は同書の適所を参照
するものとする。]: GPR12のPCRクローニング ヒトおよびラットのGPR12をコードする配列(配列は以下参照)のATG
開始コドンのすぐ5’側、および終止コドンのすぐ3’側に対応する、長さ30
ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドプライマーを合成する。ラットまたはヒトの
脳のRNAの市販の原料を鋳型として、これらのプライマーとの標準的なRT−
PCR反応で使用する。RT−PCRのプライマーはタグ配列、例えばmyc、
His6をコードするヌクレオチドを組み込み、後の段階でタンパク質の精製が
容易となるように設計する。市販の入手可能なRT−PCRキットを製品の指示
に従って、また先に引用したSambrook の参考文献に記載されたように使用する
。PCRベクターの産物を標準的な技術(同書参照)を用いてプラスミドベクタ
ー pBluescript (Stratagene Ltd.)にクローニングする。プラスミドDNAを単
離し(同書参照)、DNA配列分析を行い(同書参照)、公開の配列(以下に記
載)と同一のGPR12配列を含むクローンを同定する。GPR12cDNAと
対応する挿入断片を、標準的な消化法を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ酵
素により、このDNAより解離する。次にこの挿入断片を、標準的な技術を用い
て(同書参照)適切に調整されたプラスミドDNAにクローニングする。これら
のプラスミドが、以下に記載する本研究で使用する発現ベクターである。
【0032】 発現ベクターへのクローニング (i)さまざまな哺乳類の発現ベクターは、当明細書で考察した変異体と同様
にGPR12分子組み換え体の発現にも用いることができる。組み換え体の発現
に適する市販の入手可能な哺乳類の発現ベクターは以下を含むが、これに限定さ
れない; pcDNA3 シリーズ(InVitrogen)、 pMC1neo (Stratagene)、pXT1 (Strat
agene)、pSG5 (Stratagene)、 EBO-pSV2-neo (ATCC 37593) pBPV-1 (8-2) (ATCC
37110)、pdBPV-MMTneo(342-12) (ATCC 37224)、pRSVgpt (ATCC 37199)、 pRSVn
eo (ATCC 37198)、 pSV2-dhfr (ATCC 37146)、 pUCTag (ATCC 37460)ならびに l
ZD35 (ATCC 37565)、 pLXIN ならびに pSIR (CLONTECH)、 pIRES-EGFP (CLONTEC
H)。次にGPR12cDNAの挿入断片を含むプラスミドDNAを精製し(同書
参照)、適当な宿主細胞に導入する。
【0033】 (ii)ヒトベータグロブリン遺伝子の遺伝子座調節領域を利用したマウス赤
白血病細胞(MEL)発現システムによる、ベクターの使用についての記載があ
る (Davies et al., J of Pharmacol & Toxicol. Methods, 33, 153-158)。この
ベクターシステムおよびその誘導体を使用する。次にGPR12cDNA挿入断
片を含むプラスミドDNAを精製し(同書参照)、適当な宿主細胞に導入する。
【0034】 抗体産生 培養細胞および in vivo での生体分子の検出に関して、診断用の抗体を作製
するためにGPR12を用いることができる。したがって本発明のなおさらなる
態様により、生理学的食行動異常の検出を目的とするさまざまな診断用アッセイ
の一部として使用できる、GPR12受容体ポリペプチド抗体を提供する。GP
R12受容体の公知のアミノ酸配列から得られるペプチドに対する有効なポリク
ローナル抗体を産生する一例は、Jameson および Wolf (The antigenic Index:
A novel Algorithm for Predicting Antigenic Determinants, CABIOS, 4:181
(1988))により開発され十分に確立されたアルゴリズムの方法を利用する。典型
的には10−20の間のアミノ酸残基からなるペプチド分子を化学的に合成し、
keyhole limpet(巻貝)のヘモシアニンに結合させ、GENOSYS BIOTECHNOLOGIES,
1442 Lake Front Circle, Suite 185, The Woodlands, Texas 77380の方法によ
り抗体産生に用いる。免疫アジュバントを用いてあるいは用いずに、適当な濃度
のGPR12ペプチドで動物(ウサギが好ましい)を免疫することにより、特異
的抗体を作成してもよい。
【0035】 本発明のポリペプチドに対する単一特異的抗体は、GPR12に対して反応す
る抗体を含む哺乳類の抗血清から、Kohler および Milstein, Nature, 256:495
(1975)の技術により精製する。当要約書で使用する単一特異的抗体という用語は
、新規の標識を形質導入した分子に対して均一の結合特性を持つ、単一の抗体種
または複数の抗体種と定義する。当要約書で用いる均一の結合という用語は、特
定の抗原またはエピトープ、例えば配列No.2、4および6と関連する物質と
結合する抗体種の能力をいう。モノクローナル抗体は、プリスチンで感作された
Balb/cマウスに、1マウスあたり約0.5ml、約2x106から約6x
106ハイブリドーマ細胞を感作後約4日間注射することにより in vivo で作製
する。細胞注入後約8−12日間で腹水を採取し、当業者に公知の技術によりモ
ノクローナル抗体を精製する。抗ポリペプチドmAbのin vitro での作製は、
約2%ウシ胎児血清を含むDMEM中でハイブリドーマを増殖させることにより
行い、十分量の特異的mAbを得る。mAbは当業者公知の技術により精製する
【0036】 宿主細胞のトランスフェクション/選択 (i)哺乳類の発現ベクタープラスミドDNAを培養哺乳類細胞に導入する(
同書参照)。真核細胞組み換え型の宿主細胞が特に好ましい。これらの例として
イースト、哺乳類の細胞(ヒト、ウシ、ブタ、サルおよびげっ歯類起源を含むが
これに限定されない)、および昆虫の細胞(Drosophila および細胞系由来のカ
イコを含むがこれに限定されない)を含むがこれに限定されない。当目的に適す
る、市販で入手可能な哺乳類の種由来の細胞系は、以下を含むがこれに限定され
ない;L 細胞L-M(TK-) (ATCC CCL 1.3), L 細胞L-M (ATCC CCL 1.2), 293 (ATCC
CRL 1573), Raji (ATCC CCL 86), CV-1 (ATCC CCL 70), COS-1 (ATCC CRL 1650
), COS-7 (ATCC CRL 1651), CHO-K1 (ATCC CCL 61), 3T3 (ATCC CCL 92), NIH/3
T3 (ATCC CRL 1658), HeLa (ATCC CCL 2), C127I (ATCC CRL 1616),BS-C-1 (ATC
C CCL 26), MRC-5 (ATCC CCL 171) および HEK293 (ATCC CRL 1573)。加えてこ
のDNAは、他のタンパク質、例えばβガラクトシダーゼ、またはGタンパク質
突然変異体、例えばGa16(Milligan et al, 1996, TiPS, 17, 235-237)を発
現するようにすでにトランスフェクトされ、選択されたこれらの細胞系の変異体
に導入することができる。GPR12cDNAを発現する哺乳類の細胞のクロー
ンは、親のプラスミド上の適当な耐性遺伝子の存在による抗生物質への抵抗性に
基づいて選択された哺乳類細胞のクローンを選択し(Maniatis ら参照)、導入
された配列のRT−PCRを行い、特異的な抗体を用いてタンパク質を検出する
ことにより同定する。
【0037】 (ii)ベータ−グロブリン遺伝子座調節領域およびGPR12cDNAを含
むDNAをMEL細胞に導入し、詳細に記述された方法(Davies ら、前掲同書
参照)にしたがってクローンを選択し、分析を行う。
【0038】 GPR12を発現する宿主細胞内への発現ベクターの導入は、形質転換、トラ
ンスフェクション、リポフェクション、プロトプラス融合法、およびエレクトロ
ポレーションを含む多くの技術(ただしこれに限定されない)のいずれかにより
行うことができる。異質の発現のため本発明と合わせての使用に適用できる市販
の入手可能なキットは、特徴が十分に明らかにされているベクター、トランスフ
ェクション試薬ならびに条件、および細胞培養の材料を含むが、これらはかなり
定評もあり十分利用できる[CLONTECH, Palo Alto, CA; InVitrogen, Carlsbad,
CA; PHARMINGEN, San Diego, CA; STRATAGENE, LaJolla, CA.]。
【0039】 GPR12受容体のリガンドの同定 GPR12受容体の自然のリガンドの同定に続いて、精製および、出発物質と
してラット、ブタまたはその他の動物の脳を用いてのアッセイのステップへと進
めることができる。ホモゲナイズした脳組織を慣用の生物学的方法により分画し
、そのフラクションを以下に記載のレポーター細胞アッセイにおける活性につい
てスクリーニングする。これらの方法の詳細なプロトコールは、Sakurai, et al
. 1998, Cell, 92:573-585より入手できる。続いての精製で、配列決定法(同書
参照)により特徴が明らかとなるGPR12の精製リガンドを得る。
【0040】 細胞結合アッセイ 上に記載の選択法により単離された哺乳類の細胞を標準的な技術を用いて培養
し、(一度同定できればその)125[I]リガンドに暴露させる。結合してい
ない材料を除去するため細胞を十分に洗浄した後、どの程度リガンドが結合して
いるかDaviesらにより詳述されている方法(前掲同書参照)を用いてガンママス
ターカウンター(Packard)にて定量する。このリガンドと最大の結合を示す細胞
のクローンを本方法の次の段階へと進める。
【0041】 膜の調整 上に記載の方法により同定された哺乳類細胞のクローンを培養し、集め、膜の
調製の材料として使用する。Daviesらにより詳述されている標準的な生物学的技
術(前掲同書参照)により、これらの細胞クローンから膜を調整する。
【0042】 リガンド結合アッセイ GPR12の自然のリガンドが一度明らかになれば、 (i)これらの哺乳類細胞のクローンから単離された細胞膜を用いて、Davies
らにより詳述されているような慣用のリガンド結合のアッセイ(前掲同書参照)
を確立する。または: (ii)上記の膜を、上記の放射性リガンドまたはGTPg[S]35と共に
用いて、Amersham Ltd.により開発された専有のSPAビーズを用いた、シンチ
レーションプロキシミティーアッセイ(Scintillation Proximity Assay (SPA)
)を開発する。この技術のライセンスおよび詳細なプロトコールはAmersham Ltd
. より入手できる。
【0043】 レポーター細胞のアッセイ―cAMP/Ca++/AAの放出 GPR12を発現する細胞は上に記載のように同定する。これらの細胞はまた
、哺乳類のサイクリックAMP応答要素とカップルしたLacZ遺伝子を発現す
るように操作された(Egerton et al, J.Mol.Endocrinol, 1995, 14(2), 179-189
)。細胞内のcAMPレベルが上昇するとLacZ遺伝子の転写が比例して増加
し、標準的なベータ―ガラクトシダーゼアッセイ(Maniatis et al.、同書参照)
による測定が可能となる。
【0044】 GPR12を発現する細胞はまた、Gタンパク質Gα16を発現するように操
作される (Milligan et al., 1996, TiPS, 17, 235-237)。活性化に際して、細
胞は細胞内カルシウム濃度を増加することで反応する。蛍光化合物、例えばFu
ra2(Molecular Probes Ltd)(ただしこれに限定されない)に予め細胞を暴露
した後、市販の入手可能ないずれかの蛍光分析装置で読み取り、この増加を測定
する。 (Lembo et al., 1999, Nature Cell Biol., 1, 267-271 )。
【0045】 GPR12を発現する細胞はまた、3[H]アラキドン酸にて細胞を予めイン
キュベーションし、(一度同定できればその)リガンドにより刺激した後、放射
能標識したアラキドン酸(AA)代謝物の放出の増加についてアッセイを行う(
Daviesら、前掲同書参照)。
【0046】 化合物のスクリーニング GPR12のリガンドが明らかになった場合、化学化合物について、GPR1
2受容体での自然のリガンドの活性を阻害する(拮抗する)能力、およびGPR
12受容体の活性を増加させる(作動させる)能力を検査する。
【0047】 (i)個々の化合物のさまざまな量での存在下で上に記載のリガンド結合およ
びSPAアッセイを行うことにより、GPR12受容体から自然のリガンドを置
き換えさせる能力のある化合物を明らかにすることができる。
【0048】 (ii)これらの化合物をリガンドの存在下および不在下で哺乳類の細胞に与
え、上に記載のアッセイの結果に影響を与える化合物を同定する。 現在GPR12のリガンドは明らかにされていない。したがって所望の特性を
もつ化学化合物の同定には、以下の方法のほうがより適している。
【0049】 アゴニスト:GPR12を含むレポーター細胞を、いかなるリガンドも存在し
ない条件下で化学的化合物に暴露させ、上述のように、アラキドン酸代謝物の放
出の増加同様に、細胞内cAMPおよびCa++の変化についてもアッセイを行
う。
【0050】 アンタゴニスト:GPR12cDNAを標準的な分子生物学的技術(Sambrook,
同書参照)により変異させ、上述のように哺乳類のレポーター細胞にトランスフ
ェクションする。次にレポーター遺伝子の活性を増加させる変異受容体を保有す
る細胞系を用いて、これらの構造的に活性な受容体に拮抗させることによりこの
レポーター遺伝子の活性を抑制する能力について、化学化合物のスクリーニング
を行う。
【0051】 in vivo における化合物の検査 上に記載のアッセイにより同定される化合物の、動物モデルでの試験について
考察する。適当に製剤化した化合物は、経口強制投与、腹腔内注射、静注、筋注
もしくは脳血管内注射、または輸液により(ただしこれに限定されない)投与す
る。動物は標準的な実験用げっ歯類、イヌおよび霊長類、肥満Zuckerラット、肥
満(ob/ob)マウス、糖尿病マウス(db/db)および上に記載のトランスジェニッ
ク“ノックアウト”動物を含むものとするが、これに限定されない。これらの動
物には標準的な実験用飼料を与えてもよいが、あるいは過食症および体重増加を
誘発するよう調整された飼料(例えば高脂肪、高炭水化物)を含む(ただしこれ
に限定されない)変則的な飼料を与えてもよい(Stock, 1998, Clinical Obesity
, Oxford Press, 50-72)。食物摂取のパラメータ、水分摂取、体重変化、体脂肪
、タンパク質および水分組成、内因性パラメータ、代謝基質濃度、エネルギー消
費、および行動の活動度、(ただしこれに限定されない)に関する化合物の効果
が、標準的な生理学的、生物学的および神経生物学的方法により明確にされるこ
とだろう (Halford et al, 1998, Pharmacol. Biochem. Behav., 61, 159-168,
Shimada et al, 1998, Nature, 396, 670-674.)。
【0052】 配列リスト:添付の配列リストにて以下の配列を提供する。 配列番号No.1 HS18548 ヒト GPR12 Gタンパク質共役型受容体遺伝子、完全な
コード鎖。 配列番号No.2 GPRC_ヒト Gタンパク質共役型受容体GPR12と思われる。 配列番号No.3 マウス Gタンパク質共役型受容体のmRNA GPCR01 D21061。
配列番号No.4 GPRC_マウス Gタンパク質共役型受容体 GPR12(GPCR01)と
思われる。 配列番号No.5 U12184 ドブネズミ Gタンパク質共役型受容体mRNAの完全なコード
鎖と推定される。 配列番号No.6 GPRC_ラット Gタンパク質共役型受容体GPR12と思われる(R334
)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61K 48/00 A61P 3/04 A61P 3/04 G01N 33/50 G01N 33/50 Z 33/566 33/566 // C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハート,ケビン・アンソニー イギリス国チェシャー エスケイ10・4テ ィージー,マクレスフィールド,アルダー レイ・パーク Fターム(参考) 2G045 AA40 FB03 4B024 AA01 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4C084 AA13 AA17 NA14 ZA702 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA70

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食欲調節剤を提供する方法であって、 1つ以上の食欲調節試験法において、試験化合物としてGタンパク質共役型受
    容体GPR12の1つ以上のアゴニストまたはアンタゴニストを使用すること、
    および 食欲調節剤として使用するために活性化合物を選択すること を含む方法。
  2. 【請求項2】 (i)GPR12受容体のアゴニストおよび/またはアンタゴ
    ニストに対する当受容体のスクリーニング、および(ii)試験化合物として同
    定された1つ以上のアゴニストおよび/またはアンタゴニストを1つ以上の食欲
    調節試験法において使用すること、および、食欲調節剤として使用するために活
    性化合物を選択することを含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 GPR12受容体がヒトのGPR12受容体である前記請求項
    のいずれか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 食欲調節剤としてのGPR12受容体のアゴニストの使用。
  5. 【請求項5】 食欲調節剤としてのGPR12受容体のアンタゴニストの使用
  6. 【請求項6】 請求項1−3のいずれか1項に記載の方法を用いて同定された
    食欲調節剤の医薬的有効量を各個体に投与することを含む、食欲調節の方法。
  7. 【請求項7】 配列番号No.1に示されたポリヌクレオチド配列またはその
    変異体の全長またはその一部と相補的なアンチセンスDNAを含む、食欲調節剤
  8. 【請求項8】 配列番号No.1に示されたポリヌクレオチド配列またはその
    変異体の全長またはその一部と相補的なアンチセンスRNAを含む、食欲調節剤
  9. 【請求項9】 GPR12遺伝子が欠失しているトランスジェニック動物。
  10. 【請求項10】 GPR12遺伝子が不活性化されているトランスジェニック
    動物。
  11. 【請求項11】 GPR12遺伝子が修飾されているトランスジェニック動物
  12. 【請求項12】 食欲調節および肥満における試験化合物の効果の評価におけ
    る、請求項9−11のいずれか1項に記載のトランスジェニック動物の使用。
  13. 【請求項13】 GPR12受容体の優勢ネガティブ変異体。
  14. 【請求項14】 GPR12受容体の優勢ポジティブ変異体。
  15. 【請求項15】 食欲調節におけるGPR12の生物学的役割の評価における
    、請求項14または請求項15に記載の突然変異体の使用。
  16. 【請求項16】 試験化合物がポリペプチドである請求項1−3のいずれか1
    項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 試験化合物が分子量1000ドルトン未満の化学化合物であ
    る請求項1−3のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 化合物のライブラリーについて試験を行う請求項16または
    請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ヒトにおけるGPR12の発現レベルを決定するための診断
    用アッセイの使用。
  20. 【請求項20】 GPR12遺伝子の対立遺伝子の変異体を決定するための診
    断用アッセイの使用。
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