JP2003507068A - 脳において発現するgタンパク質共役型受容体 - Google Patents

脳において発現するgタンパク質共役型受容体

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JP2003507068A JP2001518867A JP2001518867A JP2003507068A JP 2003507068 A JP2003507068 A JP 2003507068A JP 2001518867 A JP2001518867 A JP 2001518867A JP 2001518867 A JP2001518867 A JP 2001518867A JP 2003507068 A JP2003507068 A JP 2003507068A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はCON167と命名する今まで知られていなかったGタンパク質共役型受容体をコードする遺伝子;該遺伝子を取込む構築物および組換え宿主細胞;該遺伝子によってコードされるCON167ポリペプチド;該ポリペプチドに対する抗体;ならびに、前記のものすべてを作製および使用する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般的に、遺伝学ならびに細胞生物学および分子生物学の分野に関
する。より詳細には、本発明は、脳に局在する新規なGタンパク質の7回膜貫通
型受容体、ポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列に関する。
【0002】 関連技術の説明 ヒトおよび他の生命形態は生存する細胞からなる。生物の細胞が互いにコミュ
ニケーションし、その外界から情報および刺激を得る機構は、細胞表面に発現す
る細胞膜受容体分子を介する。多くのかかる受容体が同定され、特徴付けられて
おり、しばしば、構造モチーフおよびシグナル伝達の特徴に基づいて主要な受容
体スーパーファミリーに分類されることもある。かかるファミリーには、(限定
されるものではないが)リガンド−ゲート開閉イオンチャネル受容体、電圧依存
型イオンチャネル受容体、受容体チロシンキナーゼ、受容体タンパク質チロシン
ホスファターゼ、およびGタンパク質共役型受容体が含まれる。受容体は、細胞
外シグナルを細胞の生理学的応答に翻訳する最初の必須のリンクである。
【0003】 Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、アミノ−末端細胞外ドメイン、カ
ルボキシル−末端細胞内ドメインおよび細胞膜を7回通過するセルペンチン構造
によって特徴付けられる細胞表面受容体の膨大な数のスーパーファミリーを形成
する。したがって、かかる受容体は7回膜貫通型(7TM)受容体といわれるこ
ともある。これらの7回膜貫通型ドメインは、アミノ−およびカルボキシル−末
端ドメインに加えて、3の細胞外ループおよび3の細胞内ループを形成する。受
容体の細胞外部分が1またはそれを超える細胞外結合パートナー(リガンド)を
認識および結合する役割を有する一方、細胞内部分は下流のエフェクター分子を
認識しおよびそれとコミュニケーションする役割を有する。
【0004】 Gタンパク質共役型受容体は、カルシウムイオン、ホルモン、ケモカイン、神
経ペプチド、および神経伝達物質、ヌクレオチド、脂質、臭気物質、およびフォ
トンでさえも含む種々のリガンドに結合し、多くの細胞型の正常な(および、時
として異常な)機能において重要である[一般的に、A. D. Strosberg, Eur. J.
Biochem., 196, 1-10 (1991)およびS. K. Bohmら, Biochem. J., 322:1-18 (199
7)を参照されたい]。特異的リガンドがその対応する受容体に結合する場合、そ
のリガンドが受容体を刺激して、受容体の細胞内部分に共役する特異的ヘテロ三
量体グアニン−ヌクレオチド−結合調節タンパク質(G−タンパク質)を活性化
する。ついで、Gタンパク質は、細胞内のエフェクター分子の活性を刺激するか
または阻害するかのいずれかによって、該エフェクター分子にシグナルを伝達す
る。これらのエフェクター分子には、アデニル酸シクラーゼ、ホスホリパーゼお
よびイオンチャネルが含まれる。アデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼは
、セカンドメッセンジャー分子であるcAMP、イノシトール三リン酸およびジ
アシルグリセロール(diacyglycerol)の生成に関与する酵素である。細胞外リ
ガンド刺激がGタンパク質共役型受容体を介して細胞内の変化を発揮するのはこ
の一連の事象を介して行われる。かかる各受容体はそれ自体の特徴的な一次構造
、発現パターン、リガンド結合プロフィール、および細胞内エフェクター系を有
する。
【0005】 細胞と細胞環境との間のコミュニケーションにおけるGタンパク質共役型受容
体の極めて重要な役割のため、かかる受容体は治療介入についての魅力的な標的
であり、かかる受容体を活性化またはそれと競合することに向けて指向された多
くの薬剤が登録されている。公知のリガンドを有する受容体に関しては、アゴニ
ストまたはアンタゴニストの同定がリガンドの作用を増強または阻害することが
特に求められ得る。幾つかのGタンパク質共役型受容体は、疾患病理において役
割を有し(例えば、HIV共受容体として作用し、AIDS病理に役割を有し得
るある種のケモカイン受容体)、受容体の天然リガンドの知見を欠いている場合
でさえ、治療介入につき魅力的な標的である。また、他の受容体は、治療介入に
つき魅力的な標的である組織または細胞型におけるその発現パターンによって治
療介入につき魅力的な標的である。この後者のカテゴリーの受容体の例には、病
原菌または癌と格闘するかまたは自己免疫応答を阻害するための免疫応答を増強
させるために標的化する免疫細胞において発現する受容体;および、精神分裂症
、鬱病、バイポラー疾患または他の神経障害を治療するために標的化する脳また
は他のニューロンにおいて発現する受容体が含まれる。この後者のカテゴリーの
受容体は、受容体を発現する細胞サブタイプを(例えば、経口活性セルソーティ
ングを介して)同定および/または精製するためのマーカーとしても有用である
。残念ながら、中枢神経系(CNS)からは限られた数のGタンパク質受容体し
か知られていない。かかるGタンパク質共役型受容体の存在および構造を同定す
る要望が存在する。
【0006】 発明の概要 本発明は、CON167と命名する今まで知られていなかったGタンパク質共
役型受容体をコードする精製したポリヌクレオチド;該ポリペプチドを取込ませ
る構築物および組換え宿主細胞;該遺伝子によってコードされるCON167ポ
リペプチド;該ポリペプチドに対する抗体;および前記したもののすべてを生成
および使用する方法を提供することにおいて、前記に同定した1またはそれを超
える要望を扱う。本明細書中で詳記するごとく、CON167は脳、心臓および
骨格筋、肝臓および他の組織で発現しており、かかる組織と関連する疾患を治療
するためのCON167結合パートナーについての治療指標を提供する。
【0007】 1の具体例において、本発明は、配列番号:2記載のアミノ酸配列を含む精製
および単離したCON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチド、または該7回膜
貫通型受容体に特異的なエピトープを含むそのフラグメントを提供する。“〜に
対して特異的なエピトープ”とは、後に詳細に定義する、CON167の7回膜
貫通型受容体に対して特異的である抗体によって認識可能であるCON167受
容体の部分を意味する。好ましい具体例は、配列番号:2記載の完全アミノ酸配
列を含む精製および単離したポリペプチドを含む。
【0008】 配列番号:2は特定のヒト配列を提供するが、本発明は、他のヒト対立遺伝子
変異型;ヒト以外の哺乳動物のCON167の形態、および他の脊椎動物のCO
N167の形態をその範囲内に包含することを意図する。
【0009】 細胞外エピトープは、CON167のごとき受容体に結合する抗体および他の
結合化合物を生起およびスクリーニングのに特に有用であることは理解されるで
あろう。かくして、もう1の好ましい具体例において、本発明は、CON167
の少なくとも1の細胞外ドメインを含む精製および単離したポリペプチドを提供
する。“細胞外ドメイン”とは、アミノ末端細胞外ドメインまたは2の膜貫通ド
メインにひろがる細胞外ループを意味する。CON167のN-末端細胞外ドメ
インを含む精製および単離したポリペプチドが非常に好ましい。また、CON1
67のN−末端細胞外ドメイン、CON167の膜貫通ドメイン、CON167
の膜貫通ドメインを結合する細胞外ループ、CON167の膜貫通ドメインを結
合する細胞内ループ、CON167のC−末端細胞質ドメイン、およびそれらの
融合物よりなる群から選択されるCON167の7回膜貫通型受容体フラグメン
トを含む精製および単離したポリペプチドも好ましい。かかるフラグメントは天
然の受容体の連続部分とし得る。しかしながら、本明細書中に提供するCON1
67遺伝子およびタンパク質の配列の知見によって、天然のタンパク質では隣接
していない種々のドメインを組換えることができることも理解されるであろう。
【0010】 もう1の具体例において、本発明は、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列を
コードするヌクレオチド配列を含む精製および単離したポリヌクレオチド(例え
ば、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、RNA、またはそれらの組合せ、一
本鎖または二本鎖)を提供する。もう1の具体例においては、異種タグアミノ酸
配列に融合した本発明のポリペプチドのアミノ酸配列をコードする精製および単
離したポリヌクレオチドを提供する。かかるポリヌクレオチドは、受容体を組換
え発現するのに有用であり、(例えば、ノザン・ハイブリダイゼーションおよび
イン・サイチュ(in situ)・ハイブリダイゼーションアッセイを用いて)細胞
における受容体の発現を検出するのにも有用である。かかるポリヌクレオチドは
、(治療目的、または異常なCON167発現によって特徴付けられる疾患のモ
デルを提供するための)培養細胞または動物におけるCON167発現を抑制さ
せるアンチセンスおよび分子を設計するのにも有用である。かかるポリヌクレオ
チドは、治療目的、または異常なCON167発現によって特徴付けられる疾患
のモデルを提供するための、培養細胞もしくは組織または動物におけるCON1
67発現を抑制させるアンチセンスまたは他の分子を設計するのにも有用である
。本発明のポリヌクレオチドの定義から特異的に排除されるものは、天然宿主細
胞の全体的の単離した染色体である。配列番号:1記載の好ましいポリヌクレオ
チドは、天然発生のCON167配列に対応する。普遍的遺伝コードのよく知ら
れている縮重に起因して、配列番号:2のCON167をコードする膨大な数の
他の配列も存在することは理解されるであろう。
【0011】 本発明は、哺乳動物の7回膜貫通型受容体をコードするヌクレオチドを含む精
製および単離したポリヌクレオチドも提供し、ここに該ポリヌクレオチドは以下
のハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:1記載のヌクレオチド配列また
はそれに対して相補的な非コード鎖にハイブリダイズする: (a)50%のホルムアミド、1%のSDS、1MのNaCl、10%のデキ
ストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃にて16時間のハイ
ブリダイゼーション;ついで (b)0.1%のSSC、1%のSDSを含む洗浄溶液中、60℃にて30分
間の2回の洗浄。ヒト対立遺伝子変異型をコードするポリヌクレオチドが非常に
好ましい。
【0012】 関連する具体例において、本発明は本発明のポリヌクレオチドを含むベクター
を提供する。かかるベクターは、例えば、宿主細胞中でポリヌクレオチドを増幅
させてその有用な量を生成させるのに有用である。好ましい具体例において、該
ベクターは発現ベクターであり、その中で、本発明のポリヌクレオチドが発現制
御配列を含むポリヌクレオチドに作動可能に連結される。かかるベクターは、本
発明のポリペプチドの組換え生成に有用である。
【0013】 もう1の関連する具体例において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドまた
は本発明のベクターで(安定してまたは一時的に)形質転換またはトランスフェ
クトした宿主細胞を提供する。前述したごとく、かかる宿主細胞は、ポリヌクレ
オチドを増幅させるのに、および、該ポリヌクレオチドによってコードされるC
ON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチドまたはそのフラグメントを発現さ
せるのにも有用である。かかる宿主細胞は、本明細書中に記載するアッセイにお
いて有用である。
【0014】 いまだもう1の関連する具体例において、本発明は、栄養培地中で本発明の宿
主細胞を増殖させ、ついで、該細胞または培地から7回膜貫通型受容体ポリペプ
チドまたはその変異型を単離する工程を含む、7回膜貫通型受容体ポリペプチド
(またはそのフラグメント)を生成する方法を提供する。CON167は7回膜
貫通型受容体であるため、ある種の活性アッセイのごとき幾つかの適用について
は、好ましい単離が、それに埋め込まれたポリペプチドを含む細胞膜の単離を含
み得る一方、他の適用については、より完全な単離が好ましいこともあることは
理解されるであろう。
【0015】 いまだもう1の具体例において、本発明は、本発明のCON167の7回膜貫
通型受容体に対して特異的な抗体を提供する。抗体特異性は、後に遥かに詳細に
説明する。しかしながら、刊行物に以前に記載されているポリペプチドから生起
し得る抗体、および、(例えば、両方のポリペプチドに類似するエピトープが偶
然に存在することに起因する)CON167と偶然に交差反応し得る抗体を“交
差反応”抗体とみなすことは強調すべきであろう。かかる交差反応抗体は、CO
N167に対して“特異的な”抗体ではない。抗体がCON167に対して特異
的であるか、または他の知られている受容体と交差反応性であるかの判断は、ウ
ェスタンブロッティング・アッセイまたは刊行物でよく知られている幾つかの他
のアッセイを用いて行う。CON167を発現する細胞を同定するため、および
、CON167−リガンド結合活性を変調させるためには、CON167の7回
膜貫通型受容体の細胞外エピトープに特異的に結合する抗体が好ましい。
【0016】 1の好ましい変形において、本発明はモノクローナル抗体を提供する。かかる
抗体を産生するハイブリドーマも本発明の態様として意図する。いまだもう1の
変形において、本発明は、ヒト化抗体を提供する。ヒト化抗体は、イン・ビボ(
in vivo)治療指標に有用である。
【0017】 もう1の変形において、本発明は、ポリクローナル抗体を含むセルフリー組成
物を提供し、ここに少なくとも1の抗体はCON167に対して特異的な本発明
の抗体である。水または他の希釈剤、賦形剤もしくは担体中に再懸濁されている
抗血清の抗体画分を含む組成物のごとき、動物から単離した抗血清は例示的な組
成物である。
【0018】 いまだもう1の関連する具体例において、本発明は、CON167に対して特
異的な抗体に対して特異的な抗イディオタイプ抗体を提供する。 抗体が化学的または組換え技術によって単離し得る比較的小さい抗原結合ドメ
インを含むことはよく知られている。かかるドメインは、それ自体で有用なCO
N167結合分子であり、ヒト抗体に再導入すること、またはトキシンもしくは
他のポリペプチドに融合させることもできる。かくして、いまだもう1の具体例
において、本発明は、CON167−特異的抗体のフラグメントを含むポリペプ
チドを提供し、ここに該フラグメントおよびポリペプチドはCON167の7回
膜貫通型受容体に結合する。非限定的な実施例によって、本発明は、一本鎖抗体
およびCDR−グラフティング抗体であるポリペプチドを提供する。
【0019】 また、例えば医薬上許容し得る担体とともに、処方化されている本発明のポリ
ペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体を含む組成物も、本発明の範囲内に入る
【0020】 本発明は、本発明の抗体を用いる方法も提供する。例えば、本発明は、CON
167の7回膜貫通型受容体と該7回膜貫通型受容体に対して特異的な抗体とを
、該抗体が該受容体に結合する条件下で接触させる工程を含む、CON167の
7回膜貫通型受容体のリガンド結合を変調させる方法を提供する。
【0021】 CON167は脳で発現し、異常なCON167シグナリング活性が1または
それを超える神経障害と関係付けられ得ることの指標を提供する。本発明は、当
該治療を必要とする哺乳動物に、哺乳動物のニューロンにおけるCON167の
7回膜貫通型受容体のリガンド結合を変調させるのに十分な量の本発明の抗体様
ポリペプチドを投与する工程を含む、神経障害を治療するための方法も提供する
。抗体様ポリペプチドの投与に加えて、CON167に対する天然リガンド、な
らびに、リガンド−媒介CON167シグナリングを模倣、作動または拮抗する
小分子のごときCON167活性のモジュレーターの投与も意図する。発現パタ
ーンは、かかる分子が神経学的および/または精神医学的な疾患を治療するため
の有用性を有するであろう指標を提供し、かかる神経学的または精神医学的な疾
患には、限定されるものではないが、精神分裂症、鬱病、不安症、バイポラー疾
患(bipolar disease)、情緒障害、注意欠陥多動性障害/注意欠陥障害(AD
HD/ADO)、癲癇、神経炎、神経衰弱症、ニューロパシー、神経症、アルツ
ハイマー病、パーキンソン病、偏頭痛、老人性痴呆などが含まれる。これらの障
害のいずれかを有する個人の治療は、本発明の態様として意図する。
【0022】 CON167は肝臓ならびに骨格筋および心筋においても発現しており、異常
なCON167発現またはシグナリング活性が1またはそれを超える心血管、筋
肉または肝臓障害と相関し得ることの指標を提供する。本発明は、哺乳動物の罹
患した心臓、筋肉または肝臓組織で発現されているCON167の7回膜貫通型
受容体のリガンド結合を変調させるのに十分な量の発明の抗体様ポリペプチドを
当該治療を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む、かかる障害を治療するた
めの方法を提供する。
【0023】 また、本発明は、CON167の7回膜貫通型受容体に結合する化合物を同定
するアッセイも提供する。1のかかるアッセイには、(a)CON167の7回
膜貫通型受容体を含む組成物をCON167に結合することが予想される化合物
と接触させ;ついで、(b)該化合物とCON167との間の結合を測定する工
程が含まれる。1の変形において、該組成物はその表面にCON167を発現す
る細胞を含む。もう1の変形において、単離したCON167またはCON16
7を含む細胞膜を利用する。結合は、例えば標識化合物を用いることによって直
接的に、または、該化合物によって誘導されるCON167の細胞内シグナリン
グを測定する(または、CON167シグナリングのレベルの変化を測定する)
ことを含む、幾つかの技術によって間接的に測定し得る。
【0024】 また、本発明は、(a)CON167結合パートナーおよびCON167の7
回膜貫通型受容体を含む組成物を、推定モジュレーター化合物の存在下および不
存在下で接触させ;(b)該結合パートナーおよびCON167の間の結合を検
出し;ついで、(c)推定モジュレーターの不存在下における結合と比較して、
推定モジュレーターの存在下における該結合パートナーおよびCON167の間
の低下または増大した結合に鑑みて推定モジュレーター化合物を同定する工程を
含む、CON167の7回膜貫通型受容体およびCON167結合パートナーの
間の結合のモジュレーターを同定するための方法も提供する。
【0025】 CON167を刺激するCON167結合パートナーは、(例えば、活性CO
N167リガンドの不十分な発現の結果として)不十分なCON167シグナリ
ングによって特徴付けられる疾患状態におけるアゴニストとして有用である。リ
ガンド−媒介CON167シグナリングを遮断するCON167結合パートナー
は、過剰なCON167シグナリングによって特徴付けられる疾患状態を治療す
るためのCON167アンタゴニストとして有用である。
【0026】 本発明のさらなる特徴および変形は、図面および詳細な説明を含む本願全体か
ら当業者に明らかであって、かかる特徴はすべて本発明の態様として意図する。
同様に、本明細書中に記載する発明の特徴は、特徴の結合が本発明の態様または
具体例として特異的に言及されているかにかかわりなく、本発明の態様としても
意図するさらなる具体例に再結合し得る。また、本発明に非常に重要であると本
明細書中に記載するかかる限定のみはそれ自体を見るべきであり;非常に重要で
あると本明細書中に記載していない限定を欠いている本発明の変形は本発明の態
様として意図する。
【0027】 前記に加えて、本発明は、さらなる態様として、前記に特異的に言及した変形
よりもいかなる場合においても範囲においてより狭い本発明のすべての具体例を
含む。出願人(ら)は添付する請求の範囲の十分な範囲を発明したが、本明細書
に添付する請求の範囲は、他のものの従来技術の研究の範囲を包含することを意
図しない。したがって、請求の範囲内の法定の先行技術が特許庁または他の会社
もしくは個人による出願人の注意になる事象においては、出願人(ら)は適用し
得る特許法下で補正する権利を行使して、かかる請求の範囲の主題を再定義して
、かかる法定の先行技術または法定の先行技術の明らかな変形をかかる請求の範
囲の範囲から特異的に排除する権利を保有する。かかる補正後の請求の範囲によ
って規定される本発明の変形も、本発明の態様として意図する。
【0028】 発明の詳細な説明 本発明は、本明細書中にてCON167という、ヒトGタンパク質共役型受容
体をコードする精製および単離したポリヌクレオチド(例えば、センスおよび相
補的アンチセンス鎖の両方の、一本鎖および二本鎖の両方の、そのスプライシン
グ変異型を含むDNA配列およびRNA転写物)を提供する。本発明のDNAポ
リヌクレオチドには、ゲノムDNA、cDNAおよび全体的または部分的に化学
合成したDNAが含まれる。本明細書中で用い当該技術分野で理解される“合成
(した)”とは、酵素的な方法に対して、純粋に化学的な方法によって作製した
ポリヌクレオチドをいう。したがって、“全体的に”合成したDNA配列は、化
学的手段によって全体的に作製され、“部分的に”合成したDNAには、得られ
たDNAの一部分のみが化学的手段によって作製されるものを包含する。
【0029】 本発明のゲノムDNAは、本発明のポリペプチドに対するタンパク質コード領
域を含み、その対立遺伝子変異型を含むことも意図する。多くの遺伝子について
、ゲノムDNAがRNA転写物に転写され、それが、転写物のイントロン(すな
わち、非コード領域)が除去または“スプライス・アウト”される1またはそれ
を超えるスプライシング事象を受けることは広く理解されている。別の機構によ
ってスプライシングされ得、したがって異なるRNA配列の除去に付されるがい
まだCON167ポリペプチドをコードするRNA転写物は、本発明によって包
含されるスプライス変異型といい、これも本発明によって包含される。したがっ
て、本発明によって包含されるスプライシング変異型は同一の起原ゲノムDNA
配列によってコードされるが、異なるmRNA転写物から生じる。対立遺伝子変
異型は修飾形態の野生型遺伝子配列であって、該修飾は染色体分離の間の組換え
または遺伝子突然変異を生じる条件への曝露から生じる。野生型遺伝子と同様に
、対立遺伝子変異型は、(イン・ビトロ(in vitro)操作から生じる非天然に生
じる変異型とは反対に)天然発生する配列である。
【0030】 本発明は、CON167をコードするRNAポリヌクレオチドの逆転写(慣習
的には、二本鎖DNAを得るためのつづく相補鎖の第2の鎖合成)を介して得ら
れるcDNAも包含する。
【0031】 ヒトCON167ポリペプチドをコードする好ましいDNA配列を、配列番号
:1に記載する。当業者であれば、本発明の好ましいDNAが二本鎖分子、例え
ば、DNAに対するワトソン−クリック塩基対形成ルールに従って配列番号:1
の配列から推定可能な配列を有する相補的分子(“非コード鎖”または“相補体
”)と共に配列番号:1に記載する配列を有する分子を含むことは容易に理解す
るであろう。また、普遍的遺伝コードのよく知られている縮重によって配列番号
:1のポリヌクレオチドとは配列が異なる配列番号:2のCON167ポリペプ
チドをコードする他のポリヌクレオチドも好ましい。
【0032】 さらに、本発明は、ヒトCON167 DNAの種、好ましくは哺乳動物のホ
モログも包含する。種ホモログは“オーソログ”といわれることもあり、一般的
に、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50
%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75
%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95
%、少なくとも98%、または少なくとも99%のホモロジーを、本発明のヒト
DNAと共有する。本発明のポリヌクレオチドに関するパーセント配列“ホモロ
ジー”は、配列を整列させ、ギャップを導入し、必要ならば、最高パーセント配
列同一を達成した後に、配列番号:1記載のCON167配列中のヌクレオチド
と同一である候補配列中のヌクレオチド塩基のパーセントとして本明細書中で定
義する。
【0033】 本発明によって提供されるポリヌクレオチド配列情報は、当該技術分野でよく
知られ日常的に実施されている技術によって、コードしたポリペプチドの大スケ
ール発現を可能にする。本発明のポリヌクレオチドは、サザンおよび/またはノ
ザン・ハイブリダイゼーション、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む
よく知られている技術によって、ヒト対立遺伝子変異型および種ホモログのごと
き関連するCON167ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを同定およ
び単離することも許容する。関連するポリヌクレオチドの例には、対立遺伝子変
異型ならびにCON167およびCON167の1またはそれを超える生物学的
、免疫学的および/または物理学的特性を共有する構造的に関連するポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドを含む、ヒトおよび非ヒトのゲノム配列が含ま
れる。CON167に相同なタンパク質をコードする非ヒトの種の遺伝子も、サ
ザンおよび/またはPCR分析によって同定することができ、CON167障害
の動物モデルに有用である。ヒトCON167 DNAの配列の知見により、サ
ザン・ハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を
介して、プロモーター、オペレーター、エンハンサー、リプレッサーなどのごと
きCON167発現制御調節配列をコードするゲノムDNA配列を同定すること
もできるようになる。本発明のポリヌクレオチドは、CON167を発現する細
胞の能力を検出するためのハイブリダイゼーション・アッセイにおいても有用で
ある。本発明のポリヌクレオチドは、疾患の状態または状態群に横たわるCON
167遺伝子座中の遺伝的変化(群)を同定するのに有用な診断方法の基礎とも
なり得、その情報は診断および治療戦略の選択の両方に有用である。
【0034】 本明細書に開示するCON167ポリペプチドをコードする完全長ポリヌクレ
オチドにより、当業者が完全長ポリヌクレオチドのいずれの可能なフラグメント
を容易に入手することができるようになる。したがって、本発明は、CON16
7をコードするポリヌクレオチドの少なくとも14−15、好ましくは少なくと
も18、20、25、50または75の連続ヌクレオチドを含むCON167を
コードするポリヌクレオチドのフラグメントを提供する。好ましくは、本発明の
フラグメントのポリヌクレオチドは、CON167をコードするポリヌクレオチ
ド配列にユニークな配列を含み、したがって、高度にストリンジェントまたは中
度にストリンジェントな条件下で、CON167をコードするポリヌクレオチド
(またはそのフラグメント)にのみ(すなわち“特異的に”)ハイブリダイズす
る。クローン2939091H1に見出された配列の上流である配列番号:1の
ヌクレオチド1から769に由来するフラグメントが非常に好ましい。本発明の
ゲノム配列のポリヌクレオチド・フラグメントは、コード領域にユニークな配列
のみならず、イントロン、調節領域および/または他の非翻訳配列に由来する完
全長配列のフラグメントをも含む。本発明のポリヌクレオチドにユニークな配列
は、他の知られているポリヌクレオチドに対する配列比較を通して認識可能であ
って、当該技術分野で日常的に利用されるアライメント・プログラム、例えば、
公開された配列データベースで利用可能となるもの、の使用を介して同定し得る
。かかる配列はサザンおよびノザン・ハイブリダイゼーション分析からも認識可
能であって、ポリヌクレオチドがハイブリダイズするであろうゲノムDNAおよ
びRNAの多数のフラグメントを決定することができる。本発明のポリヌクレオ
チドは、放射能、蛍光および酵素の標識を含む、その検出を許容する様式で標識
し得る。
【0035】 フラグメントのポリヌクレオチドは、完全長または他のフラグメントのCON
167ポリヌクレオチドを検出するためのプローブとして特に有用である。1ま
たはそれを超えるフラグメントのポリヌクレオチドは、CON167をコードす
るポリヌクレオチドの存在を検出するために用いる、またはCON167をコー
ドするポリヌクレオチド配列中の変形を検出するために用いるキットに含め得る
【0036】 本発明は、中度のストリンジェンシーまたは高度のストリンジェンシーの条件
下で当該DNAが配列番号:1中のポリヌクレオチドの非コード鎖または相補体
にハイブリダイズするCON167ポリペプチドをコードするDNAも包含する
【0037】 例示的な高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は以下の通り
である:50%のホルムアミド、1%のSDS、1MのNaCl、10%のデキ
ストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃にてハイブリダイズ
させ、ついで、0.1×SSCおよび1%のSDSを含む洗浄溶液中、60℃に
て30分間、2回洗浄する。等価なストリンジェンシーの条件は、Ausubelら(
編), Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (1994), pp. 6.0.
3-6.4.10に記載されているごとく、温度および緩衝液または塩濃度を変えること
を介して達成し得ることは当該技術分野で理解されている。ハイブリダイゼーシ
ョン条件における修飾は、経験的に決定し得、あるいはプローブの長さおよびグ
アノシン/シトシン(GC)塩基対形成のパーセンテージに基づいて正確に算出
し得る。ハイブリダイゼーション条件は、Sambrookら(編), Molecular Cloning
: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring
Harbor, New York (1989), pp. 9.47-9.51に記載されているごとく算出し得る。
【0038】 本発明のポリヌクレオチドを取込むプラスミドおよびウイルスDNAベクター
のごとき自律的に複製する組換え発現構築物も提供する。CON167をコード
するポリヌクレオチドが内因性または外因性の発現制御DNA配列および転写タ
ーミネーターに作動可能に連結されている発現構築物も提供する。発現制御DN
A配列には、プロモーター、エンハンサーおよびオペレーターが含まれ、発現構
築物を利用しなければならない発現系に基づいて一般的に選択する。好ましいプ
ロモーターおよびエンハンサー配列は、一般的に、遺伝子発現を増大させる能力
について選択し、一方、オペレーター配列は、一般的に、遺伝子発現を調節する
能力について選択する。本発明の発現構築物は、当該構築物を運んでいる宿主細
胞を同定することができる1またはそれを超える選択マーカーをコードする配列
も含み得る。発現構築物は、宿主細胞中の相同性組換えを容易にし、好ましくは
促進する配列も含み得る。好ましい本発明の構築物は、宿主細胞中での複製に必
要な配列をも含む。
【0039】 発現構築物は、好ましくは、コードされるタンパク質の産生に利用するが、C
ON167をコードするポリヌクレオチド配列を増幅させるために単純に利用す
ることもできる。
【0040】 本発明のもう1の態様によれば、コードされるCON167のポリペプチドの
発現を許容するように本発明のポリヌクレオチド(または本発明のベクター)を
含む、原核生物細胞および真核生物細胞を含む宿主細胞を提供する。本発明のポ
リヌクレオチドは、環状プラスミドの一部分として、または単離したタンパク質
コード領域を含む線状DNAもしくはウイルスベクターとして宿主細胞に導入し
得る。DNAを宿主細胞に導入する当該技術分野でよく知られ、日常的に実施さ
れている方法には、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション
、核注入、またはリポソーム、ミセル、ゴースト細胞およびプロトプラストのご
とき担体を用いる融合が含まれる。本発明の発現系には、細菌、酵母、菌類、植
物、昆虫、無脊椎動物および哺乳動物の細胞系が含まれる。
【0041】 本発明の宿主細胞は、CON167と特異的に免疫反応性である抗体を発生さ
せるための免疫原の価値ある供給源である。本発明の宿主細胞は、CON167
ポリペプチドの大規模産生用の方法においても有用であり、そこにおいては、細
胞を好適な培養培地中で増殖させ、当該技術分野で知られている精製方法、例え
ば、免疫アフィニティークロマトグラフィー、受容体アフィニティークロマトグ
ラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、レシチン・アフィニティークロ
マトグラフィー、サイズ排除濾過、カチオンもしくはアニオン交換クロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLCなど、によっ
て、細胞からかまたは細胞を増殖させている培地から目的のポリペプチド産物を
単離する。いまだ他の精製方法には、目的タンパク質を発現させ、特異的な結合
パートナーまたは剤によって認識される特異的なタグ、標識またはキレート基を
有する融合タンパク質として精製する。精製タンパク質を切断して、目的タンパ
ク質を得るか、無傷の融合タンパク質のまま放置しておくことができる。融合コ
ンポーネントの切断は、切断プロセスの結果としてさらなるアミノ酸残基を有す
る形態の目的タンパク質を生成し得る。
【0042】 CON167 DNA配列の知見により、細胞を修飾して、内因性CON16
7の発現を許容しまたは増大させることができる。細胞を修飾(例えば、相同的
組換えによって)して、細胞がより高レベルでCON167を発現するように、
天然発生CON167プロモーターを全体的または部分的に外因性プロモーター
の全体または一部分で置き換えることによって、発現を増大させることができる
。異種プロモーターは、それが内因性CON167コード配列に作動可能に結合
されるように挿入する[例えば、国際公開番号WO 94/12650、国際公開番号WO 92
/20808および国際公開番号WO 91/09955を参照されたい]。また、異種プロモー
ターDNAに加えて、増幅可能なマーカーDNA(例えば、ada、dhfrおよびカ
ルバモイルリン酸シンターゼ、アスパルギン酸トランスカルバミラーゼおよびジ
ヒドロオロターゼ)および/またはイントロンDNAを外因性プロモーターDN
Aと一緒に挿入し得る。CON167コード配列に連結する場合には、標準的な
選抜方法によるマーカーDNAの増幅は細胞中のCON167コード配列の同時
増幅を生じる。
【0043】 本発明により提供されるDNA配列情報は、例えば、相同的組換えまたは“ノ
ック−アウト”戦略[Capecchi, Science 244: 1288-1292 (1989)]を介して、機
能的CON167を発現することができない動物またはCON167の変形を発
現する動物を発生させることも可能とする。かかる動物(特に、ラット、ウサギ
およびマウスのごとき実験室小動物)は、CON167およびCON167のモ
ジュレーターのイン・ビボ(in vivo)活性を研究するモデルとして有用である。
【0044】 また、CON167をコードするポリヌクレオチドを認識およびハイブリダイ
ズするアンチセンス・ポリヌクレオチドも、本発明により入手することができる
。完全長およびフラグメントのアンチセンス・ポリヌクレオチドを提供する。本
発明のフラグメント・アンチセンス分子には、(i)(他の知られている分子を
コードするDNAに対するCON167をコードするDNAの配列比較によって
決定される)CON167のRNAを特異的に認識およびハイブリダイズするも
のが含まれる。CON167をコードするポリヌクレオチドにユニークな配列の
同定は、いずれかの公衆利用可能な配列データベースの使用を介して、および/
または市販の配列比較プログラムの使用を介して推定することができ、さらに、
ゲノミックDNAに対するハイブリダイゼーション分析によって確認し得る。目
的配列の同定後に、当該技術分野でよく知られている制限分解または種々のポリ
メラーゼ連鎖反応技術のいずれかを用いる増幅を行い得る。アンチセンス・ポリ
ヌクレオチドは、CON167のmRNAを発現する細胞によるCON167の
発現を調節するのに特に適する。
【0045】 CON167発現制御配列またはCON167 RNAに特異的に結合するこ
とができるアンチセンス核酸(好ましくは10ないし20塩基対のオリゴヌクレ
オチド)は、(例えば、ウイルス・ベクターまたはリポソームのごときコロイド
分散系によって)細胞に導入する。アンチセンス核酸は細胞中のCON167標
的ヌクレオチド配列に結合し、標的配列の転写または翻訳を妨げる。ホスホロチ
オエートおよびメチルホスホネート・アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本発
明による治療使用に特に意図する。さらに、アンチセンス・オリゴヌクレオチド
は、その5'末端でポリ−L−リシン、トランスフェリン・ポリリシンまたはコ
レステロール基によって修飾し得る。転写または翻訳レベルのいずれかでのCO
N167発現の抑制は、異常な発現によって特徴付けられる疾患の一般的な細胞
および/または動物モデルに有用である。転写または翻訳レベルのいずれかでの
CON167発現の抑制は、異常なCON167発現によって特徴付けられる疾
患の細胞動物モデルを作製するのに有用である。
【0046】 本発明において教示するCON167配列は、天然の細胞および動物、または
CON167ポリヌクレオチドで形質転換もしくはトランスフェクトした細胞に
おけるCON167発現を調節する新規な転写因子を設計することを容易にする
。例えば、その亜鉛フィンガードメインを介してDNAに結合するCys−H
is亜鉛フィンガータンパク質は、異なる標的配列の認識に通じる構造変化に
敏感に反応することが示されている。これらの人工的亜鉛フィンガータンパク質
は、高いアフィニティーおよび低い解離定数で特異的な標的部位を認識し、遺伝
子スイッチとして作用して遺伝子発現を調節することができる。本発明の特定の
CON167標的配列の知見は、構造ベース・モデリングおよびファージ・ディ
スプレイ・ライブラリーのスクリーニングの組合せのごとき知られている方法を
用いて標的配列に特異的な亜鉛フィンガータンパク質の構築を容易にする[Segal
ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96: 2758-2763 (1999); Liuら, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 94: 5525-30 (1997); GreismanおよびPabo、Science, 275: 6
57-61 (1997); Chooら, J. Mol. Biol., 273: 525-32 (1997)]。各亜鉛フィンガ
ードメインは、通常、3またはそれを超える塩基対を認識する。18塩基対の認
識配列は一般的にいずれかの知られているゲノムにおいてそれをユニークとする
長さにおいて十分であるため、亜鉛フィンガーの6のタンデムリピートよりなる
亜鉛フィンガータンパク質は、特定の配列に対する特異性を確証すると予想され
る[Segalら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96: 2758-2763 (1999)]。CON1
67配列に基づいて設計した人工的な亜鉛フィンガーのリピートを、活性化また
は抑制ドメインに融合して、CON167発現を促進または抑制する[Liuら, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 94: 5525-30 (1997)]。別に、亜鉛フィンガードメ
インは、当該亜鉛フィンガーペプチドとTATAボックス−結合因子(TBP)
との間のリンカー領域の長さを変化させつつ、TBPに融合して転写アクチベー
ターまたはリプレッサーのいずれかを作製することができる[Kimら, Proc. Natl
. Acad. Sci. USA, 94:3616-3620 (1997)]。かかるタンパク質およびそれをコー
ドするポリヌクレオチドは、天然細胞、動物およびヒトのすべてで;および/ま
たはCON167コード配列でトランスフェクトした細胞で、イン・ビボでCO
N167発現を調節する用途を有する。新規な転写因子は、転写因子を発現する
構築物をトランスフェクトする(遺伝子治療)か、またはタンパク質を導入する
ことによって、標的細胞にデリバリーすることができる。構築亜鉛フィンガータ
ンパク質は、アンチセンスまたは触媒RNA法の別法として治療において用いる
ためのRNA配列に結合するように設計することもできる[McCollら, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 96: 9521-6 (1999); Wuら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
92: 344-348 (1995)]。本発明は、本発明の遺伝子配列に基づいてかかる転写因
子を設計する方法、ならびにその遺伝子相補体がこれらの配列を含む細胞(天然
または形質転換した)中のCON167発現を調節するのに有用である注文作製
亜鉛フィンガータンパク質を設計する方法を意図する。
【0047】 また、本発明は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる精製および
単離した哺乳動物CON167ポリペプチドも提供する。現在、好ましいのは、
配列番号:2に掲載するアミノ酸配列を含むヒトCON167ポリペプチドであ
る。
【0048】 本発明は、本発明の好ましいポリペプチドに対して、少なくとも99%、少な
くとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少な
くとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少な
くとも55%、または少なくとも50%の同一性および/またはホモロジーを有
するポリペプチドも包含する。本発明の好ましいポリペプチドに関する%アミノ
酸配列“同一性”とは、両方の配列を整列させ、必要ならギャップを導入して最
高パーセントの配列同一性を達成した後にCON167配列中の残基と同一であ
る候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして本明細書中では定義され、いず
れの保存的置換も配列同一性の部分として考慮しない。本発明の好ましいポリペ
プチドに関するパーセント配列“ホモロジー”とは、配列を整列させ、必要なら
ギャップを導入して最高パーセントの配列同一性を達成した後にCON167配
列中の残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして本明細書
中では定義されるが、これはいずれの保存的置換も配列同一性の部分として考慮
する。
【0049】 1の態様において、パーセントホモロジーは、100アミノ酸の長さ中の4の
ギャップを導入してアライメントを最大化し得る場合に、比較すべき配列中の同
一アミノ酸残基と整列する2の配列中の小さい方の中のアミノ酸残基のパーセン
トとして算出する[出典明示して本明細書の一部とみなすAtlas of Protein Sequ
ence and Structure中のDayhoff, Vol. 5, p.124, National Biochemical Resea
rch Foundation, Washington, D.C. (1972)]。
【0050】 本発明のポリペプチドは、天然の細胞起原から単離し得、あるいは化学合成し
得るが、好ましくは本発明の宿主細胞を含む組換え法によって作製する。哺乳動
物宿主細胞の使用は、本発明の組換え発現産物に最適な生物活性を付与するのに
必要となり得るごとき翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、切頭、リピデーショ
ンおよびリン酸化)を提供することが予想される。グリコシル化および非−グリ
コシル化形態のCON167ポリペプチドが包含される。
【0051】 本発明は、変異型(またはアナログ)CON167ポリペプチドも包含する。
1の例において、1またはそれを超えるアミノ酸残基がCON167アミノ酸配
列に補充された挿入変異型を提供する。挿入は、タンパク質のいずれかまたは両
方の末端に位置させることができ、あるいはCON167アミノ酸配列の内部領
域内に位置し得る。いずれかまたは両方の末端にさらなる残基を有する挿入変異
型は、例えば融合タンパク質およびアミノ酸のタグまたは標識を含むタンパク質
を含み得る。 挿入変異型には、1またはそれを超えるアミノ酸残基がCON167アミノ酸
配列またはその生物学的に活性なフラグメントに付加されたCON167ポリペ
プチドが含まれる。
【0052】 本発明の変異型産物には、成熟CON167産物、すなわちリーダーまたはシ
グナル配列が除去され、さらなるアミノ末端残基を有するCON167産物も含
まれる。さらなるアミノ末端残基は、他のタンパク質由来とし得、特異的なタン
パク質に由来すると同定不可能な1またはそれを超える残基を含み得る。ポジシ
ョン−1にさらなるメチオニン残基を有するCON167産物(Met−1−C
ON167)は、ポジション−2および−1にさらなるメチオニンおよびリシン
残基を有する変異型(Met−2−Lys−1−CON167)と同様に意図さ
れる。さらなるMet、Met−Lys、Lys残基(または、一般的に1また
はそれを超える塩基性残基)を有するCON167の変異型は、細菌宿主細胞中
で組換えタンパク質の産生を高めるのに特に有用である。
【0053】 本発明は、特異的発現系を用いることによって生じるさらなるアミノ酸残基を
有するCON167変異型も包含する。例えば、グルタチオン−S−トランスフ
ェラーゼ(GST)融合産物の一部分として目的ポリペプチドを発現する市販の
ベクターの使用は、目的ポリペプチドからGSTコンポーネントを切断した後に
ポジション−1にさらなるグリシン残基を有する目的ポリペプチドを提供する。
他のベクター系での発現から生じる変異型も意図される。
【0054】 挿入変異型には、CON167のアミノおよび/またはカルボキシ末端がもう
1のポリペプチドに融合した融合タンパク質も含まれる。 もう1の態様において、本発明は、CON167ポリペプチド中の1またはそ
れを超えるアミノ酸残基が除去された欠失変異型を提供する。欠失はCON16
7ポリペプチドの1または両方の末端で起こし得、あるいはCON167アミノ
酸配列内の1またはそれを超える残基の除去を有し得る。したがって、欠失変異
型には、CON167ポリペプチドの全てのフラグメントが含まれる。
【0055】 本発明は、配列番号:2に記載の配列のポリペプチドフラグメントも包含し、
ここに該フラグメントはCON167ポリペプチドの生物学的(例えば、リガン
ド結合性および/または細胞内シグナリング)および免疫学的特性を維持してい
る。配列番号:2の少なくとも5、10、15、20、25、30、35または
40の連続するアミノ酸を含むフラグメントが本発明によって包含される。好ま
しいポリペプチドフラグメントは、ヒトCON167ならびにその対立遺伝子お
よび種ホモログに対してユニークまたは特異的な抗原特性を示す。目的の生物学
的および免疫学的特性を有する本発明のフラグメントは、当該技術分野でよく知
られ、日常的に実施されているいずれかの方法によって調製し得る。
【0056】 いまだもう1の態様において、本発明は、CON167ポリペプチドの置換変
異型を提供する。置換変異型には、CON167ポリペプチドの1またはそれを
超えるアミノ酸残基が除去されて別の残基で置き換わったポリペプチドが含まれ
る。1の態様において、置換は本来保存的であるが、本発明は非保存的である置
換も包含する。この目的の保存的置換は、後記する表A、BまたはCに掲載する
ごとく定義し得る。
【0057】 変異型ポリペプチドには、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドの修飾によって保存的置換が導入されているものが含まれる。アミノ酸は、物
理学的特性ならびに二次元および三次元タンパク質構造への寄与に従って分類し
得る。保存的置換は、1のアミノ酸から同様な特性を有する別のアミノ酸への置
換として当該技術分野で認識される。例示的な保存的置換を、すぐ下の(1997年
3月13日に公開されたWO97/09433、10頁(96年6月9日に出願されたPCT/GB96/0
2197)からの)表Aに掲載する。
【0058】
【表1】
【0059】 別法として、保存的アミノ酸は、すぐ下の表Bに掲載するごとくLehninger [B
iochemistry, 第二版; Worth Publishers, Inc. NY: NY (1975), pp.71-77]中に
記載されているようにグループ分けすることもできる。
【0060】
【表2】
【0061】 いまだもう1の別法として、例示的な保存的置換をすぐ下の表Cに掲載する。
【0062】
【表3】
【0063】 天然CON167のリガンド結合特性を示し、より高レベルで発現されるCO
N167変異型、ならびに構成的に活性な受容体を提供する変異型は、本発明の
アッセイにおいて特に有用である。かかる変異型は、異常なCON167の発現
/活性によって特徴付けられる疾患の細胞および動物モデルにおいても有用であ
る。
【0064】 本発明のポリペプチドの定義がアミノ酸残基の挿入、欠失または置換以外の修
飾を運ぶポリペプチドを含むことを意図することは理解されるべきである。例え
ば、修飾は本来共有的とし得、例えば、ポリマー、脂質、他の有機および無機の
基との化学結合が含まれる。かかる誘導体を調製して、ポリペプチドの循環半減
期を延長させることができ、あるいはかかる誘導体を設計して、目的の細胞、組
織または器官に対するポリペプチドの標的化能力を修飾することができる。
【0065】 同様にして、本発明は、さらに、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレ
ングリコールまたはポリプロピレングリコールのごとき1またはそれを超える水
溶性ポリマー・アタッチメントを含むように共有的に修飾されているCON16
7ポリペプチドを包含する。
【0066】 関連する具体例において、本発明は、本発明の精製したポリペプチドを含む組
成物を提供する。好ましい組成物は、本発明のポリペプチドに加えて、医薬ビヒ
クル、賦形剤または媒体として作用する医薬上許容し得る(すなわち、無菌およ
び非毒性の)液体、半固体または固体の希釈剤を含む。当該技術分野で知られて
いるいずれの希釈剤も使用し得る。例示的な希釈剤には、限定されるものではな
いが、水、塩類溶液、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、
ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香
酸プロピル、タルク、アルギン酸塩、デンプン、ラクトース、スクロース、デキ
ストロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、リン酸カルシウム、
鉱油、およびカカオ脂が含まれる。
【0067】 また、CON167またはそのフラグメントに対して特異的な抗体(例えば、
モノクローナルおよびポリクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、二機能性
/二特異的抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ならびに本発明のポリペプチドを特異
的に認識するCDR配列を含む化合物を含む、相補的決定領域(CDR)−グラ
フティング抗体)も、本発明によって包含される。本発明の好ましい抗体は、出
典明示して本明細書の一部とみなす、1993年6月20日に公開されたWO93/11236に
記載されている方法に従って作製および同定し得るヒト抗体である。Fab、F
ab'、F(ab’)およびFを含む抗体フラグメントも本発明によって提
供する。本発明の抗体を説明するために用いる場合の“〜に対して特異的”なる
語句は、本発明の抗体の可変領域が排他的に(すなわち、CON167と他の知
られているGPCRポリペプチドとの間で決定された配列同一性、ホモロジーま
たは類似性が存在することがあっても、結合アフィニティーにおける測定可能な
相異によってかかる他の知られているGPCRポリペプチドからCON167ポ
リペプチドを識別し得る)CON167ポリペプチドを認識および結合すること
を示す。特異的抗体は、他のタンパク質(例えば、エス・アウレウスのタンパク
質AまたはELISA技術における他の抗体)との、抗体の可変領域の外側の配
列、特に分子の定常領域中との相互作用を介して、相互作用することもできる。
本発明の抗体の結合特異性を決定するスクリーニングアッセイは当該技術分野で
よく知られており、日常的に実施されている。かかるアッセイの包括的議論に関
しては、Harlowら(編), Antibodies A Laboratory Manual; Cold Spring Harb
or Laboratory; Cold Spring Harbor, NY (1988), 第6章を参照されたい。本発
明のCON167ポリペプチドのフラグメントを認識し、それに結合する抗体も
意図されるが、抗体は、第1におよび最も重要には、CON167ポリペプチド
に特異的である。本発明の抗体は、当該技術分野でよく知られ、日常的に実施さ
れているいずれかの方法を用いて生成することができる。
【0068】 非ヒト抗体は、当該技術分野で知られているいずれかの方法によってヒト化し
得る。1の方法において、非ヒトCDRをヒト抗体または共通抗体骨格配列に挿
入する。ついで、さらなる変化を抗体骨格に導入して、アフィニティーまたは免
疫原性を調節し得る。
【0069】 本発明の抗体は、例えば、(CON167の活性を調節することによって)治
療目的に、CON167を検出または定量化するための診断目的に、ならびにC
ON167の精製に有用である。本明細書中に記載したいずれかの目的で本発明
の抗体を含むキットも包含される。一般的に、本発明のキットには、抗体が免疫
特異的である対照抗原も含まれる。
【0070】 天然リガンドおよび合成化合物を含む特異的結合分子は、単離または組換えC
ON167産物、CON167変異型、または好ましくはかかる産物を発現する
細胞を用いて同定または発生させることができる。結合パートナーは、知られて
いる免疫学的手法を用いて、CON167産物を精製するのに、および流体およ
び生物試料中のCON167産物を検出または定量化するのに有用である。結合
分子は、CON167の生物活性、特にシグナル伝達に関与する活性を変調させ
る(すなわち、遮断、阻害または刺激する)のにも明らかに有用である。
【0071】 本発明によって提供されるDNAおよびアミノ酸配列情報は、CON167の
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドが相互作用するであろう結合パートナー化
合物の同定も可能とする。結合パートナー化合物を同定するための方法には、溶
液アッセイ、CON167ポリペプチドを固定化するイン・ビトロ(in vitro)
アッセイ、および細胞ベースのアッセイが含まれる。CON167ポリペプチド
の結合パートナー化合物の同定は、CON167の正常および異常な生物活性と
関連する病理における治療または予防介在の候補を提供する。
【0072】 本発明は、CON167結合パートナーを同定するための幾つかのアッセイ系
を含む。溶液アッセイにおいては、本発明の方法は、(a)CON167ポリペ
プチドと1またはそれを超える候補結合パートナー化合物とを接触させ、ついで
(b)CON167ポリペプチドに結合する化合物を同定する工程を含む。CO
N167ポリペプチドに結合する化合物の同定は、CON167ポリペプチド/
結合パートナー複合体を単離し、ついで結合パートナー化合物からCON167
ポリペプチドを分離することによって達成し得る。結合パートナー化合物の物理
学的、生物学的および/または生化学的特性を特徴付けるさらなる工程も、本発
明のもう1の具体例において包含される。1の態様において、CON167ポリ
ペプチド/結合パートナー複合体は、CON167ポリペプチドまたは候補結合
パートナー化合物のいずれかに対して免疫特異的な抗体を用いて単離する。
【0073】 いまだ他の具体例において、CON167ポリペプチドまたは候補結合パート
ナー化合物のいずれかはその単離を容易にする標識またはタグを含み、結合パー
トナー化合物を同定するための本発明の方法は、標識またはタグとの相互作用を
介してCON167ポリペプチド/結合パートナー複合体を単離する工程を含む
。このタイプの例示的なタグは、一般的には6のヒスチジン残基の周りのポリヒ
スチジン配列であって、それはニッケルキレート化を用いてかく標識した化合物
の単離を許容する。当該技術分野でよく知られており、日常的に用いられるFL
AGタグ(Eastman Kodak, Rochester, NY)のごとき他の標識およびタグも本
発明によって包含される。
【0074】 イン・ビトロアッセイの1の変形において、本発明は、(a)固定化CON1
67ポリペプチドと候補結合パートナー化合物とを接触させ、ついで(b)CO
N167ポリペプチドへの候補化合物の結合を検出する工程を含む方法を提供す
る。別の具体例において、候補結合パートナー化合物を固定化し、ついでCON
167の結合を検出する。固定化は当該技術分野でよく知られているいずれかの
方法を用いて行い、これには、支持体、ビーズまたはクロマトグラフィー樹脂へ
の共有結合、ならびに、非共有結合、抗体結合のごとき高アフィニティー相互作
用、または固定化化合物がビオチン基を含むストレプトアビジン/ビオチン結合
の使用が含まれる。結合の検出は、(i)固定化されていない化合物上の放射性
標識を用いて、(ii)非固定化化合物上の蛍光標識を用いて、(iii)非固
定化化合物に対して免疫特異的な抗体を用いて、(iv)固定化化合物が結合し
ている蛍光支持体を励起する非固定化化合物上の標識を用いて、ならびに、当該
技術分野でよく知られ、日常的に実施されている他の技術を用いて行い得る。
【0075】 本発明は、CON167ポリペプチドの結合パートナー化合物を同定するため
の細胞ベースのアッセイも提供する。1の具体例において、本発明は、細胞表面
に発現したCON167ポリペプチドと候補結合パートナー化合物とを接触させ
、ついでCON167ポリペプチドへの候補結合パートナー化合物の結合を検出
する工程を含む方法を提供する。好ましい具体例において、検出は、分子の結合
によって引き起こされるカルシウム流入または他の生理学的細胞事象を検出する
ことを含む。
【0076】 CON167の活性または発現を変調(すなわち、増大、低下または遮断)す
る剤は、推定モジュレーターとCON167ポリペプチドまたはポリヌクレオチ
ドを発現する細胞とを接触させ、ついで、CON167の活性または発現に対す
る推定モジュレーターの効果を判定することによって同定し得る。CON167
の活性を変調する化合物の選択性は、他のGPCR化合物に対するその効果に対
してCON167に対するその効果を比較することによって評価し得る。選択的
モジュレーターには、例えば、CON167ポリペプチドまたはCON167を
コードする核酸に特異的に結合する抗体および他のタンパク質、ペプチド、また
は有機分子が含まれ得る。CON167活性のモジュレーターは、正常または異
常なCON167活性が関与する疾患および生理症状の治療に治療上有用であろ
う。
【0077】 モジュレーターを同定するための本発明の方法には、結合パートナー化合物を
同定するために前記したいずれかの方法の変形が含まれ、該変形には結合パート
ナー化合物を同定し、および結合アッセイを候補モジュレーターの存在および不
存在下で行う技術が含まれる。モジュレーターは、CON167ポリペプチドと
結合パートナー化合物との間の結合が候補モジュレーター化合物の不存在下にお
ける結合と比較して変化する場合に同定する。CON167ポリペプチドと結合
パートナー化合物との間の結合を増大させるモジュレーターはエンハンサーまた
はアクチベーターと記載し、CON167ポリペプチドと結合パートナー化合物
との間の結合を低下させるモジュレーターをインヒビターと記載する。
【0078】 本発明は、CON167と相互作用するかまたはその生物活性を阻害する(す
なわち、酵素活性、結合活性ほかを阻害する)化合物を同定するための高処理量
スクリーニング(HTS)アッセイをも包含する。HTSアッセイは、効率的な
様式で多数の化合物のスクリーニングを許容する。CON167受容体−リガン
ド相互作用を調べるための細胞ベースのHTS系が意図される。HTSアッセイ
を設計して、目的の特性を有する“ヒット”または“リード化合物”を同定し、
それから修飾を設計して目的の特性を改善することができる。“ヒット”または
“リード化合物”の化学修飾は、しばしば、“ヒット”およびCON167ポリ
ペプチドの間の同定可能な構造/活性相関に基づくこともある。
【0079】 CON167遺伝子産物の正常な機能の欠失を生じるCON167遺伝子中の
突然変異は、CON167−関連ヒト疾患状態の根底に横たわる。本発明は、C
ON167活性を回復させてこれらの疾患状態を治療するための遺伝子治療を包
含する。機能性CON167遺伝子の適当な細胞へのデリバリーは、ベクター、
より詳細にはウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス
またはレトロウイルス)を使用することによってエクス・ビボ(ex vivo)、イ
ン・サイチュまたはイン・ビボ(in vivo)で、またはDNA移入法(例えば、リ
ポソームまたは化学処理)を使用することによってエクス・ビボで行う。例えば
、Anderson, Nature, vol.392, no.6679に対する増刊号, pp.25-20 (1998)を参
照されたい。遺伝子治療技術のさらなるレビューについては、Friedmann, Scien
ce, 244: 1275-1281 (1989); Verma, Scientific American: 68-84 (1990); お
よびMiller, Nature, 357: 455-460 (1992)を参照されたい。また、他のヒトの
疾患状態においては、CON167の発現を妨害しまたはその活性を阻害するこ
とが疾患状態を治療するのに有用であろうことが予想される。アンチセンス治療
または遺伝子治療を適用して、CON167の発現を負に調節し得ることが予想
される。 本発明のさらなる特徴は以下の実施例から明らかになるであろう。
【0080】 実施例1 CON167タンパク質共役型受容体のクローニング A.データベース検索 IncyteおよびGenbankの発現配列タグ(EST)データベースを、クエリー配
列として全ての知られているGPCRを用いてNCBIプログラムBlastallで検
索して、新規なGタンパク質共役型受容体を示唆するパターンを見出した。find
-patternプログラムからの陽性ヒットをさらにGCGプログラムBLASTで解析し
て、いずれのものがガイドとしてBLASTによって作成された標準(デフォルト)
アライメントを用いてGタンパク質共役型受容体をコードする最もありそうな候
補であるかを決定した。
【0081】 この検索により、興味深い候補配列としてIncyteデータベース中にクローン29
39091H1を同定した。2939091H1クローンを得、標準技術を用いて配列決定した。
配列から、クローン2939091H1はGPCRの7番目の貫膜領域(TM7)のみを
含むことが推定された。配列番号:1に参照すると、クローン2939091H1のヌク
レオチド配列は、新規な7回膜貫通型受容体の完全配列であると最終的に決定し
たものの塩基770〜948に対応する。この部分配列を用いたデータベース検
索は、嗅覚受容体に対して56%のマッチを示した。
【0082】 B.完全長GPCRクローンを得るためのファージ・ライブラリーのスクリーニ
ング 新規なGPCRの完全長クローンを単離する試みで、クローン2939091H1の完
全配列に基づいて、2のオリゴヌクレオチド・プライマーを設計してゲノムライ
ブラリーをスクリーニングした: プライマーLW1129:5'-GCCTCTATCTTCTACACAGTCC-3'(配列番号:3)、および プライマーLW1130:5'-CCAAAACCTATAAACCATCC-3’(配列番号:4)。 これらのプライマーを設計して、(この領域にはイントロンは存在しないと仮定
しつつ)クローン2939091H1中に見出した部分的推定GPCR配列を含むクロー
ンの251塩基対部分を増幅させた。
【0083】 スクリーニングに好適なライブラリーを調製するために、2マイクロリットル
のヒトゲノム・ライブラリー(〜10プラーク形成単位/ml(PFU/ml
)(Clontech社))を、K802細胞(Clonetech社)の一晩培養物6mlに添
加し、ついで、24の各試験管に250μlアリコットとして分配した。その試
験を37℃にて15分間インキュベートし、ついで7mlの0.8%アガロース
を各試験管に添加した。混合した後、試験管の内容物をLBプレートに注ぎ、3
7℃にて一晩インキュベートした。
【0084】 BA85ニトロセルロース・フィルター(Schleicher & Schuell社)を、各密
集プレートの上面に10−15分間置いた。そのフィルターを取り外し、ペトリ
皿中にファージ側を上方にして置き、4mlのSM培地(0.1MのNaCl、
8.1μMのMgSO・7HO、50mMのトリス−HCl、pH7.5、0
.001%のゼラチン)で15分間覆ってファージを溶出させた。1mlのSM
を各プレートから取出し、遠心して細菌を除去し、ついでその上清を新たな試験
管に入れて4℃にて保管した。
【0085】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をファージライブラリーをスクリーニングす
る技術として選択した。各PCR反応は、8.84μlのHO、2μlの1O
×PCR緩衝液II(Perkin−Elmer社)、2μlの25mMのMgCl、0.
8μlの10mM dNTP混合物(dATP、dCTP、dGTP、dCTP
)、0.12μlのプライマーLW1129(ほぼ1μg/μl)、0.12μlのプラ
イマーLW1130、0.12μlのAmpliTaq Goldポリメラーゼ(5U/μl、Parkin
Elmer 社)および24の試験管からの2μlのファージを含有する20μl反
応体積で行った。PCR反応は、95℃にて10分間および80℃にて30分間
の1サイクル、つづく95℃にて30秒間、50℃にて2分間、72℃にて30
秒間の10サイクル、つづく95℃にて15秒間、50℃にて30秒間、72℃
にて30秒間の30サイクル、つづく72℃にて5分間の最終“サイクル”を含
ませた。
【0086】 PCRサイクリング後に、各反応試験管からの内容物を2%のアガロースゲル
に負荷し、知られているサイズの標準に隣接させて電気泳動して、2の選択した
プライマーによって増幅させたクローン2939091H1の251bp部分を含むクロ
ーンを示す発現されたサイズ長のPCR産物につきスクリーニングした。陽性ク
ローンが24の試験管のうちの1に同定された。
【0087】 正確なサイズのPCR産物が得られた起原の試験管からの5μlのファージ・
アリコットを用いて、一連の希釈物を設定してそれを平板し、インキュベートし
、起原ファージライブラリーと同様にしてフィルターを上昇させた。PCR反応
を前記同様に行い、予想したサイズのPCR産物が得られた最低希釈物のプレー
トをつづく実験用に選択した。この培養試験管を再度サブ分割し、フィルター上
昇させ、同一のPCR手法を用いてスクリーニングした。一連の希釈およびプレ
ートのサブ分割は、陽性PCRバンドを与える単一プラークが単離されるまで続
けた。
【0088】 単一プラークを単離したら、20μlのファージ上清を用いて250μlの1
0×K802細胞(SM中に再懸濁した)を感染させた。その細胞を37℃にて
16時間培養し、Qiagen社製Lambda Midi Kitを用いてゲノムファージDNAを
単離した。このゲノムDNAを配列決定すると、クローン2939091H1に対応する
配列を含むメチオニンで開始する945ヌクレオチドのオープンリーディングフレ
ームが同定された。この配列の解析により、CON167と命名した新規なDP
CRの推定膜貫通領域として、7の疎水性領域が明かとなった。CON167の
DNAおよび推定アミノ酸配列を配列番号:1および2に掲載する。
【0089】 C.PCRを介したCON167のコード領域のサブクローニング さらなる実験を行って、CON167クローンのコード領域を有用なベクター
にサブクローニングした。2のさらなるPCRプライマーを、CON167のコ
ード領域に基づいて設計した。最初のプライマーLW1168は、5'から3'にかけて
(配列番号:5): GCACTAGTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACCATGGGAAGATGGGTGAACCAGTCC CON167コード領域の5'末端(下線部分)ならびにつづく実験作業に有用
なT7プロモーターの上流配列を含む。2番目のプライマーLW1169は、5'から
3'にかけて(配列番号:6): GACTGGATCCCCCGGGCTTTTTTTTTTTTTTTGCGGCCGCTCAGTGCTGGCTGCCAATCC CON167コード配列の3'末端に対して相補的な配列(下線部分)につづい
てつづくクローニングおよび発現実験作業に有用な配列を含む。
【0090】 PCRは、35μlのHO、5μlの10×TT緩衝液(140mMの硫酸
アンモニウム、0.1%のゼラチン、0.6Mのトリス−トリシン、pH8.4)
、5μlの15mM MgSO、2μlの10mM dNTP、2μlのゲノ
ムファージDNA(0.175μg/μl)、0.3μg/μlのプライマーLW11
68(1μg/μl)、0.3μlのプライマーLW1169(1μg/μl)、0.5μ
lのHigh Fidelity Taqポリメラーゼ(Boehringer Mannheim社)を含有する50
μlの反応物中で行った。PCR反応は、94℃にて2分間の1サイクル;つづ
いて94℃にて30秒間、55℃にて2分間および72℃にて2分間の10サイ
クル;つづいて94℃にて30秒間、55℃にて30秒間および72℃にて2分
間の25サイクルで開始した。
【0091】 PCR反応物からの内容物を1.2%のアガロースゲルに負荷し、電気溶出さ
せた。予想されるサイズのDNAバンドをゲルから切除し、GenElute Agaroseス
ピンカラム(Supelco社)に入れ、最高回転数で10分間遠心した。溶出したD
NAをエタノール沈澱させ、連結させるために6μlのHOに再懸濁した。
【0092】 CON167コード配列を含むPCRフラグメントを、Invitrogen社製Origin
al TA Cloning Kitを用いて市販のベクターに連結した。6μlのDNA、1μ
lの10×連結緩衝液、2μlのプラスミドpCR2.1(25ng/μl)(I
nvitrogen社製)、1μlのT4 DNAリガーゼ(Invitrogen社)よりなる連
結反応物を14℃にて一晩インキュベートした。その反応物を65℃にて10分
間加熱して酵素を失活させ、ついで1μlの連結反応物をOne Shot細胞(Invitr
ogen社)中に形質転換し、ついでアンピシリン・プレートに平板した。インサー
トを含有する単一のコロニーを用いて、LB培地の50ml培養物を接種した。
その培養物を37℃にて16時間増殖させ、細胞ペレットに遠心した。プラスミ
ドDNAをQiagen Plasmid Midi Kitを用いてプラスミドDNAをペレットから
精製し、ついで、ABI377蛍光ベースシークエンサー(Perkin Elmer/Applied Bio
systems Division, PE/ABD, Foster City, CA)およびTaq FSTMポリメラーゼを
含むABI PRISMTM Ready Dye-Deoxy Terminatorキットを用いて配列決定して、C
ON167インサートの首尾よいクローニングを確認した。
【0093】 各ABIサイクル配列決定反応物は、約0.5μgのプラスミドDNAを含んでい
た。サイクル配列決定は、98℃にて1分間の初期変性につづく50サイクル:
98℃にて30秒間の変性、50℃にて30秒間のアニーリング、および60℃
にて4分間の伸長を用いて行った。温度サイクルおよび時間は、Perkin Elmer 9
600サーモサイクラーによって制御した。伸長産物はCentriflexTMゲル濾過カー
トリッジ(Advanced Genetic Technologies Corp社., Gaithersburg, MD)を用
いて精製した。各反応産物をピペットによってカラムに負荷し、ついでこれをス
イング式バケット遠心(Sorvall model RT6000B卓上遠心)中、1500×gで、室温
にて4分間遠心した。カラム精製した試料を真空下にて約40分間乾燥させ、つ
いで、5μlのDNA負荷溶液(83%の脱イオンホルムアミド、8.3mMの
EDTA、および1.6mg/mlのBlue Dextran)中に溶解した。ついで、試
料を90℃にて3分間加熱し、ABI377シークエンサーによって配列解析用のゲル
試料ウェルに負荷した。シークエンサー解析は、Sequencerプログラム(Gene Co
des社, Ann Arvor, MI)にABI377ファイルをインポートすることによって行った
。一般的に、700bpの配列リードを得た。両方のDNA鎖から配列情報を得
、全ての配列決定あいまいが除去されるまで、異なるロケーションのプライマー
を用いて困難な領域を再配列決定することによって潜在的な配列エラーを最小限
化した。
【0094】 実施例2 CON167配列の解析 CON167についてのDNAおよび推定アミノ酸配列を、各々、配列番号:
1および2に掲載する。イニシエーターメチオニンで開始し、CON167ゲノ
ムクローンは、315のアミノ酸をコードする945のヌクレオチドのオープン
リーディングフレームにつづいて終止コドンを含む。“tmtrest.all”[Parodiら
, Comput. Appl. Biosci., 5:527-535 (1994)]と呼ばれるFORTRANコンピュータ
・プログラムを用いると、CON167は残基27−51、60−79、92−
121、151−170、196−220、242−260、275−294に
対応する7の膜貫通スパニング・ドメインを含むことが推定された。
【0095】 CON167は、3番目の膜貫通ドメイン(TM3)の後にDHY配列を含み
、これは、このロケーションにDRY配列を有する大部分のGPCRからCON
167を区別する。配列DHYは知られていないものではない。しかしながら、
例えば、GPR1として知られている受容体中で認められている[Marcheseら, G
enomics, 23: 609-618 (1994)を参照されたい]。
【0096】 CON167の配列を、知られている遺伝子の配列と比較した。CON167
は、ラット嗅覚受容体に対して45%同一、63%類似であり[Guillaumeら, Re
cept. Channels, 3: 33-40 (1940)]、ヒト嗅覚受容fat11に対して46%同
一/63%類似であった[Fanら, Immunogenetics, 44: 97-103 (1996)]。つづく
データベース検索により、CON167の223アミノ酸のストレッチが、げっ
歯類嗅覚受容体G7に対して83%同一(187/223)/87%類似(19
8/223)であることが明らかとなった[Krautwurstら, Cell, 95: 917-926 (
1998)]。このレベルの配列類似性は、CON167がG7受容体のオーソログ(
種等価物)を表すことを示唆するが、少なくとも2の重要な相異が明らかである
。CON167を用いたノザン・ハイブリダイゼーションは、小脳、大脳皮質お
よび髄質を含む脳の幾つかの領域における発現を示した。2番目に、膜貫通II
Iの後に、CON167ポリペプチドDHY配列を有する一方、マウスはDRY
を有する。GPR1として知られているGPCRは、この知見についての先例を
提供し、ここではヒト遺伝子はDHY配列を有し、一方ラットのオーソログはD
RYを有する(Marcheseら, Biochem. Biophy. Res. Comm., 205: 1952-1958 (1
994)を参照されたい)。ノザン・ハイブリダイゼーションは、ヒトおよびラット
の受容体について脳中の異なる分布を示し、これは、これらの2の種においてこ
の受容体について機能変化を示すと著者らは考えた。
【0097】 実施例3 CON167が脳において発現していることを示すハイブリダイゼーション解
析 ハイブリダイゼーション分析を以下のように行って、CON167が発現する
細胞/組織を決定した。完全長CON167をコードするインサートDNAを、
提供元プロトコールに従って、Stratagene社製のPrime-It IIラベリングキット
を用いて標識した(32P、比活性=1.1×10cpm/μg)。ヒト多重
組織ノザンブロット(Clonetech 7751-1および7760-1、ポリA+RNA)を、提
供元プロトコールに従ってCON167プローブとハイブリダイズさせ、洗浄(
ExpressHyb溶液、高ストリンジェンシー(68℃))し、ブロットをホスホルイ
メージャー(Molecular Dynamics社)で分析した。得られたイメージは、以下の
組織において約2.2kbのシグナルを明らかにした:心臓、脳、胎盤、肺、骨
格筋、腎臓および膵臓。発現は心臓、胎盤および肝臓において最高であるようで
あった。ヒト脳ブロットにより、小脳、大脳皮質、髄質、脊髄、オシプタル・ポ
ール(occiptal pole)、前頭葉、側頭葉および被殻について陽性シグナルが得
られた。発現は小脳、大脳皮質および髄質において最高のようであった。脳にお
けるCON167の発現は、CON167活性のモジュレーターが、限定される
ものではないが、精神分裂症、鬱病、不安症、両極性疾患、癲癇、神経炎、神経
衰弱、ニューロパシー、神経症などを含む神経障害を治療するのに有用性を有す
るという示唆を与える。かかる疾患を治療するためのCON167および抗−C
ON167抗体を含むCON167モジュレーターの使用は、本発明の態様とし
て意図する。
【0098】 約2.7kbのさらなるシグナルが、心臓および骨格筋mRNAで認められた
。これらの筋肉組織における発現は、CON167活性のモジュレーターが、限
定されるものではないが、鬱血性心不全、再狭窄、筋ジストロフィー、筋肉炎、
筋疾患、筋無力症などを含む心血管または骨格筋疾患状態を治療するのに有用性
を有することの示唆を提供する。かかる疾患状態を有する個人を治療するため、
リガンドおよび抗−CON167抗体を含むCON167モジュレーターの使用
は、本発明の態様として意図する。
【0099】 実施例4 真核生物宿主細胞におけるCON167の組換え発現 CON167タンパク質を産生するために、CON167をコードするポリヌ
クレオチドを、標準的な遺伝子組換え技術を用いて、好適な発現ベクターを用い
て好適な宿主細胞中で発現させた。例えば、実施例1に記載したCON167を
コードする配列を市販の発現ベクターpzeoSV2(Invitrogen, San Diego,
CA)にサブクローニングし、トランスフェクション試薬fuGENE6(Boehr
inger Mannheim社)および製品インサート中に提供されているトランスフェクシ
ョン・プロトコールを用いてチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトラ
ンスフェクトした。ミドリザル腎臓細胞(COS−7、ATCC CRL−16
51)またはヒト腎臓細胞(例えば、HEK−293、ATCC CRL−15
73)のごとき別の真核生物セルラインを用い得る。CON167を安定して発
現する細胞を、100μg/mlのゼオシン(Stratagene, La Jolla, CA)存在
下の増殖によって選択した。所望により、CON167は標準的なクロマトグラ
フィー技術を用いて細胞から精製することもできる。精製を容易にするために、
CON167のアミノ酸配列の部分に対応する1またはそれを超える合成ペプチ
ド配列に対して抗血清を生起させ、その抗血清を用いてCON167をアフィニ
ティー精製した。CON167は、タグ配列(例えば、ポリヒスチジン、ヘマグ
ルチニン、FLAG)を用いてイン・フレームで発現させて精製を容易にするこ
ともできる。さらに、以下に記載するアッセイのごとく、CON167ポリペプ
チドに関する使用の多くは、宿主細胞からのCON167の精製を必要としない
【0100】 実施例5 CON167活性のモジュレーターを同定するためのアッセイ 以下に記載するのは、CON167活性のモジュレーター(アゴニストおよび
アンタゴニスト)を同定するためのアッセイである。これらのアッセイにより同
定し得るモジュレーターの中には、受容体の天然リガンド化合物;天然リガンド
の合成アナログおよび誘導体;抗体、抗体フラグメント、および/または天然抗
体由来または抗体様の組合せライブラリー由来の抗体様化合物;および/または
ライブラリーの高処理スクリーニングを介して同定した合成化合物;などが含ま
れる。CON167に結合する全てのモジュレーターは、(例えば、診断目的、
病理学目的などのため)組織試料中のCON167を同定するのに有用である。
アゴニストおよびアンタゴニスト・モジュレーターは、各々、CON167活性
を上昇調節および下降調節するのに有用であり、異常レベルのCON167活性
によって特徴付けられる疾患状態を治療する。CON167結合分子を用いて治
療化合物または標識をCON167を発現する細胞にデリバリーし得る(例えば
、該化合物または標識を結合分子に結合することによって)。このアッセイは単
一の推定モジュレーターを用いて行うことができ、および/または候補アンタゴ
ニストと組合せた知られているアゴニスト(またはその逆)を用いて行い得る。
【0101】 A.cAMPアッセイ 1の型のアッセイにおいて、サイクリック・アデノシン一リン酸(cAMP)
を、候補モジュレーター化合物に曝露したCON167一トランスフェクト細胞
中で測定した。cAMPアッセイのプロトコールは、文献に記載されている[例
えば、Sutherlandら, Circulations, 37: 279 (1968); Frandsen, E. K.およびK
rishna, G, Life Science, 18: 529-541 (1976); Dooleyら, Journal of pharma
cology and Experimental Therapeutics, 283 (2): 735-41 (1997);およびGeorg
eら, Journal of Biomolecular Screening, 2(4): 235-41 (1997)を参照された
い]。かかるアッセイの例示的プロトコールは、以下に記載するNENTM Life Scie
nce ProductsからのAdenylyl Cyclase Activation FlashPlateR Assayを用いる
ことである。
【0102】 簡単には、CON167コード配列(例えば、cDNAまたはイントロンを含
まないゲノムDNA)をpzeoSV2(Invitrogen, San Diego, CA)のごと
き市販のベクターにサブクローニングし、トランスフェクション試薬FuGEN
E6(Boehringer Mannheim社)および製品インサートに提供されているトラン
スフェクション・プロトコールのごとき知られている方法を用いてチャイニーズ
・ハムスター卵巣(CHO)細胞に一時的にトランスフェクトする。トランスフ
ェクトしたCHO細胞をFlashPlateR Assay Kitから、cAMPに対する抗血清
が結合されている固体シンチラントでコートした96ウェルマイクロプレートに
播いた。対照に関しては、幾つかのウェルに野生型(非トランスフェクト)CH
O細胞を播いた。プレート上の他のウェルには、標準曲線を作成するのに使用す
る種々の量のcAMP標準溶液を入れた。
【0103】 1またはそれを超える試験化合物を、対照として作用する水および/または化
合物を含まない培地/希釈液とともに、各ウェル中の細胞に添加した。処理後、
室温にて正確に15分間、細胞中にcAMPを蓄積させた。[125I]−標識
cAMPを含有する溶解緩衝液を添加することによってアッセイを終結させ、Pa
ckard TopcountTM96−ウェルマイクロプレート・シンチレーションカウンター
を用いてプレートをカウントした。溶解した細胞からの(または標準からの)非
標識cAMPを、プレートに結合させた抗体に対して、固定量の[125I]−c
AMPと競合させた。標準曲線を作成し、知られていないものに関するcAMP
は内挿により得た。試験化合物への曝露に応答した細胞の細胞内cAMPレベル
における変化は、CON167変調活性の示唆である。Gタンパク質のGsサブ
タイプに共役する受容体においてアゴニストとして作用するモジュレーターは、
cAMPの産生を刺激し、測定可能な3−10倍の上昇に通じるであろう。Gタ
ンパク質のGi/oサブタイプに共役する受容体アゴニストは、フォルスコリン
刺激cAMP産生を阻害し、50−100%の測定可能な低下に通じるであろう
。逆アゴニストとして作用するモジュレーターは、構成的に活性であるかまたは
知られているアゴニストによって活性化されたかのいずれかである受容体におけ
るこれらの効果を逆転させるであろう。
【0104】 B.エクオリン・アッセイ もう1のアッセイにおいては、細胞(例えば、CHO細胞)をCON167発
現構築物および発光タンパク質アポエクオリンをコードする構築物の両方で一時
的に同時トランスフェクトした。補因子コエレンテラジンの存在下にて、アポエ
クオリンは細胞内(細胞質)遊離カルシウムの量に比例する測定可能なルミネセ
ンスを発光するであろう[一般的に、McCormack J. G.およびCobbold P.H.編Cell
ular calcium: A Practical Approach. Oxford: IRL Press (1991)におけるCob
bold P. H.およびLee, J. A. C. "Aequorin measurements of cytoplasmic free
calcium";Stablesら, AnalyticalBiochemistry,252:115−26(1997);および
Haugland, R. P. Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals.
第6版.Eugene OR: Molecular Probes社 (1996)を参照されたい]。
【0105】 1の実験アッセイにおいて、CON167を市販の発現ベクターpzeoSV
2(Invitrogen社, San diego, CA)にサブクローニングし、トランスフェクシ
ョン試薬FuGENE6(Boehringer Mannheim社)および製品インサート中に
提供されていたトランスフェクション・プロトコールを用いて、CHO細胞に発
光タンパク質であるアポエクオリン(Molecular Probes社, Eugene, OR)をコー
ドする構築物とともに一時的に同時トランスフェクトした。
【0106】 細胞を、10%の仔ウシ血清、2mMのグルタミン、10U/mlのペニシリ
ンおよび10μg/mlのストレプトマイシンを補充したアルファMEM(Gibc
o/BRL社, Gaithersburg, MD)中、37℃にて24時間培養し、その時点で、培
地を5μMのコエレンテラジン(Molecular Probes社, Eugene, OR)を含有する
無血清αMEMに代えて、細胞を37℃にて2のさらなる時間培養した。ついで
、VERSEN(Gibco/BRL社)を用いて細胞をプレートから脱着させ、洗浄し
、無血清αMEM中に200,000細胞/mlで再懸濁した。
【0107】 候補CON167モジュレーターの希釈物を無血清αMEM中に調製し、不透
明96ウェル・アッセイプレートのウェルに50μl/ウェルで分配した。プレ
ートは、MLXマイクロタイタープレート・ルミノメーター(Dynex Technologi
es, Inc.社, Chantilly, VA)上に負荷した。この機器を、一度に1のウェルに
ついて、各ウェルに50μlの細胞懸濁液を分配し、直ちに15秒間ルミネセン
スを判読するようにプログラムした。モジュレーター候補についての用量−応答
曲線を、各光シグナルピークの曲線下の面積を用いて作成した。データは、1部
位リガンドについての式を用いてSlideWriteを用いて解析し、EC50値を得た
。薬剤によって引き起こされたルミネセンスにおける変化は、変調活性の示唆で
あると考えた。Gタンパク質のGqサブタイプに共役する受容体アゴニストとし
て作用するモジュレーターは、100倍にのぼるルミネセンスの上昇を生じる。
逆アゴニストとして作用するモジュレーターは、構成的に活性であるかまたは知
られているアゴニストによって活性化されたかのいずれかである受容体でこの効
果を逆転するであろう。
【0108】 C.ルシフェラーゼ受容体遺伝子アッセイ 発光タンパク質ルシフェラーゼは、CON167活性のモジュレーターをアッ
セイするのに有用なもう1のツールを提供する。細胞(例えば、CHO細胞また
はCOS7細胞)をCON167発現構築物(例えば、pzeoSV2(Invitr
ogen社, San Diego, CA))およびcAMP−応答エレメント(CRE)、AP
−1またはNFカッパBのいずれかの転写因子から下流にルシフェラーゼタンパ
ク質の遺伝子を含む受容体構築物の両方で一時的に同時トランスフェクトした。
Gタンパク質のGsサブタイプに共役した受容体に結合するアゴニストはcAM
Pにおける上昇に通じ、CRE活性化因子を活性化し、ルシフェラーゼ遺伝子の
発現に通じる。Gタンパク質のGqサブタイプに共役した受容体に結合するアゴ
ニストは、タンパク質キナーゼCを活性化するジアシルグリセロールの産生に通
じる。その結果、AP−1またはNFカッパB転写因子が活性化され、これは、
ルシフェラーゼ遺伝子の発現を刺激する。ルシフェラーゼの発現レベルは、シグ
ナリング事象の活性化状況を反映する[一般的に、Georgeら, Journal of Biomol
ecular Screening, 2(4): 235-40 (1997);およびStratowaら, Currenst Opinio
n in Biochemistry, 6: 574-81 (1995)を参照されたい]。ルシフェラーゼ活性は
、例えばPromega社(Madison, WI)から市販されているルシフェラーゼアッセイ
試薬を用いて定量的に測定し得る。
【0109】 1の例示的なアッセイにおいて、トランスフェクションの前日にCHO細胞を
100,00細胞/ウェルの密度で24ウェル培養皿に平板し、10%の仔ウシ
血清、2mMのグルタミン、10U/mlのペニシリンおよび10μg/mlの
ストレプトマイシンを補充したαMEM(Gibco/BRL社, Gaithersburg, MD)中
、37℃にて培養した。細胞をCON167発現構築物およびルシフェラーゼ遺
伝子を含むレポーター構築物の両方で一時的に同時トランスフェクトした。レポ
ータープラスミドCRE−ルシフェラーゼ、AP−1−ルシフェラーゼおよびN
FカッパB−ルシフェラーゼは、Stratagene社(La Jolla, CA)から購入し得る
。トランスフェクションは、FuGENE6トランスフェクション試薬(Boehri
nger Mannheim社)および製品インサートに提供されていたプロトコールを用い
て行ったレポーター構築物単独でトランスフェクトした細胞を対照として用いた
。トランスフェクションの24時間後に、37℃に予め温めたリン酸緩衝液セー
ライン(PBS)で細胞を1階洗浄した。ついで、無血清αMEMを、単独(対
照)または1もしくはそれを超える候補モジュレーターのいずれかと共に細胞に
添加し、細胞を37℃にて5時間インキュベートした。その後、細胞を氷冷PB
Sで洗浄し、ウェル当り100μlの(ルシフェラーゼアッセイキット、Promeg
a社, Madison, WIからの)溶解緩衝液を添加することによって溶解した。室温にて1
5分間インキュベートした後に、15μlのライゼートを、不透明白色の96ウ
ェルプレート中の50μlの基質溶液(Promega社)と混合し、直ちにWallace m
odel 1450 MicroBetaシンチレーションおよびルミネセンス・カウンター(Walla
ce Instruments社, Gaithersburg, MD)でルミネセンスを判読した。
【0110】 候補モジュレーター化合物の存在下−対−不存在下のルミネセンスの差異は変
調活性の暗示である。構成的に活性であるかまたはアゴニストによって活性化さ
れたかいずれかである受容体は、レポーター遺伝子単独でトランスフェクトした
細胞に比してルミネセンスの3−20倍の刺激を与える。逆アゴニストとして作
用するモジュレーターは、この効果を逆転させるであろう。
【0111】 D.FLIPRを用いた細胞内カルシウム測定 細胞内カルシウムレベルにおける変化は、Gタンパク質共役型受容体活性のも
う1の認識されているインジケーターであり、かかるアッセイを利用してCON
167活性のモジュレーターを評価し得る。例えば、個々のウェルへの蛍光シグ
ナルを単離するように特別に設計したPackard黒塗り96ウェルプレートに、C
ON167発現ベクターで安定してトランスフェクトしたCHO細胞を4×10 細胞/ウェルの密度で平板した。細胞は、1%仔ウシ血清および4のカルシウ
ム・インジケーター色素(Fluo−3TM AM、Fluo−4TM AM、Calcium GreenTM−1 A
M、またはOregon GreenTM 488 BAPTA−1 AM)のうちの1を4μMの濃度で添加
しつつ36mg/mlのピルビン酸塩および1g/Lのグルコースを含有する改
変ダルベッコPBS(D−PBS)中、37°にて60分間インキュベートした
。プレートを1%仔ウシ血清を含まない改変D−PBSで1回洗浄し、37℃に
て10分間インキュベートして、細胞膜から残存色素を除去した。さらに、カル
シウム応答の活性化の直前に、1%仔ウシ血清を含まない改変D−PBSを用い
た一連の洗浄を行った。
【0112】 カルシウム応答は、1またはそれを超える候補受容体アゴニスト化合物、カル
シウム・イオノフォアA23187(10μM)またはATP(4μM)を添加
することによって開始した。蛍光は、アルゴンレーザーを備えたMolecular Devi
ce社製FLIPRによって測定する。488nmの励起[例えば、Kuntzweilerら
, Drug Development Research, 44 (1): 14-20 (1998)を参照されたい]。検出器
カメラのF-stopを2.5に設定し、露出時間は0.4ミリ秒とした。細胞の
基底蛍光をアゴニスト、ATP、またはA23187を添加する20秒前に測定
し、応答シグナルから引いた。カルシウムシグナルはほぼ200秒間測定し、2
秒毎に値をとった。カルシウムイオノフォアおよびATPは、カルシウムシグナ
ルをベースラインレベルから200%上昇させた。一般的に、活性化した開発さ
れていない(orphan)GPCRはカルシウムシグナルをベースラインのシグナル
から上方にほぼ10−15%上昇させる。
【0113】 E.有糸分裂促進アッセイ 有糸分裂促進アッセイにおいては、CON167媒介細胞増殖を誘導または阻
害する候補モジュレーターの能力を決定する[例えば、Lajinessら,Journal
of Pharmacological and Experimental Therapeutics, 267 (3): 1573-81 (1993
).を参照されたい]。例えば、CON167を安定して発現しているCHO細胞
を5000細胞/ウェルの密度で96−ウェルプレートに播き、10%仔ウシ血
清を補充したαMEM中、37℃にて48時間増殖させ、その時点で細胞を無血
清αMEMで2回濯ぐ。濯いだ後に、80μlの新たなαMEMまたは知られて
いる有糸分裂促進因子を含有するαMEMを、無血清培地中に希釈した変化する
濃度の1またはそれを超える試験化合物を含有する20μlのMEMと共に添加
する。対照として、プレート上の幾つかのウェルに無血清培地単独を入れ、幾つ
かのウェルに10%仔ウシ血清を含有する培地を入れた。非トランスフェクト細
胞およびベクター単独でトランスフェクトした細胞は、対照として供し得る。
【0114】 16−18時間培養した後に、1μCi/ウェルの[H]−チミジン(cpm
)をウェルに添加し、細胞を37℃にてさらに2時間インキュベートした。その
細胞をトリプシン処理し、セルハーベスター(Tomtec社)を用いてフィルターマ
ットに収集し、そのフィルターをベータプレート・カウンターでカウントした。
無血清試験ウェル中の3H−チミジンの取込みを、血清で刺激した細胞で行った
結果と比較した。複数の濃度の試験化合物の使用により、非線形最小二乗フィッ
ト式:A=B×[C/(D+C)]+G(式中、Aは血清刺激のパーセント;Bは
最大効果−ベースライン;CはEC50;Dは化合物の濃度;およびGは最大効
果である。パラメーターB、CおよびGは、Simplex最適化によって決定した)
を用いて用量−応答曲線の作成および解析が可能となる。
【0115】 受容体に結合するアゴニストは、80%にのぼる血清に対する応答を示す、細
胞への[H]−チミジン取込みのを増加させると予想される。受容体に結合する
アンタゴニストは、100%にのぼって知られているアゴニストで示される刺激
を阻害するであろう。
【0116】 F.[35S]GTPγS結合アッセイ Gタンパク質共役型受容体は、活性がGTP/GDP結合および加水分解を含
む細胞内“Gタンパク質”を介してシグナル伝達するため、推定モジュレーター
の存在または不存在下の非加水分解GTPアナログ、[35S]GTP−γSの結
合の測定はモジュレーター活性のもう1のインジケーターを提供する[例えば、K
owalら, Neuropgharmacology, 37: 179-87 (1998).を参照されたい]。
【0117】 1の例示的なアッセイにおいては、CON167発現ベクターで安定してトラ
ンスフェクトした細胞を10cm皿中で準密集まで増殖させて、5mlの氷冷無
Ca2+/Mg2+PBSで1回濯ぎ、5mlの同一の緩衝液にかきとった。細
胞を遠心(500×g、5分間)によってペレット化し、25mMのトリス、5
mMのEDTA、5mMのEGTA、pH7.5(TEE)中に再懸濁し、液体
窒素中で凍結させた。解凍後、ダウンス型ホモジナイザー(細胞のプレート当り
1mlのTEE)を用いてホモジナイズし、1000×gにて5分間遠心して、
核および非破砕細胞を除去した。
【0118】 ホモジネートの上清を20,000×gにて20分間遠心して膜画分を単離し
、膜ペレットをTEEで1回洗浄して結合緩衝液(20mMのHEPES、pH
7.5、150mMのNaCl、10mMのMgCl、1mMのEDTA)中に
再懸濁した。再懸濁した膜を液体窒素中で凍結し、使用するまで−70℃にて保
存した。
【0119】 前記のごとく調製し、−70℃にて保存した細胞膜のアリコットを解凍し、ホ
モジナイズし、20mMのHEPES、10mMのMgCl、1mMのEDT
A、120mMのNaCl、10μMのGDPおよび0.2mMのアスコルビン
酸塩を含有する緩衝液中で10−50μg/mlの濃度まで希釈した。90μl
の最終体積中で、ホモジネートを変化する濃度の推定モジュレーター化合物また
は100μMのGTPと30℃にて30分間インキュベートし、ついで氷上に置
いた。各試料に、10μlのグアノシン5'−O−(3[35S]チオ)三リン酸
(NEN、1200Ci/ミリモル)、([35S]−GTPγS)を100−2
00pMの最終濃度まで添加した。試料を30℃にてさらに30分間インキュベ
ートし、ついで、1mlの10mMのHEPESおよび10mMのMgCl
4℃にて添加し、濾過することによって反応を停止させた。
【0120】 試料をWhatman GF/Bフィルター上で濾過し、そのフィルターを20ml
の氷冷した10mMのHEPES(pH7.4)および10mMのMgCl
洗浄した。フィルターを液体シンチレーション分光学によってカウントした。[
35S]−GTPγSの非特異的結合は100μMのGTPの存在下で測定し、
合計から差し引いた。非トランスフェクト対照細胞と比較して、細胞における[
35S]−GTPγS結合の量を変調させる化合物を選択した。アゴニストによ
る受容体の活性化は、[35S]GTPγS結合において5倍にのぼる上昇を与え
た。この応答はアンタゴニストによって遮断された。
【0121】 G.MAPキナーゼ活性アッセイ GPCRを発現する細胞におけるMAPキナーゼ活性の評価は、GPCR活性
のモジュレーターを同定するもう1のアッセイを提供する[例えば、Lajinessら,
Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 267 (3): 1573-81
(1993); およびBoultonら, Cell, 65: 663-75 (1991).を参照されたい]。
【0122】 1の具体例において、CON167で安定してトランスフェクトしたCHO細
胞を、アッセイの48時間前に、70,000細胞/ウェルの密度で6ウェルプ
レートに播いた。この時間の間に、細胞を10%仔ウシ血清、2mMのグルタミ
ン、10U/mlのペニシリンおよび10μg/mlのストレプトマイシンを補
充したαMEM培地中、37℃にて培養した。細胞は刺激を添加する前の1−2
時間飢餓に付した。
【0123】 アッセイに関しては、細胞を培地単独または推定アゴニストもしくは陽性対照
としてのホルボールエステル−酢酸ミリストイル(PMA)を含有する培地で処
理した。処理後、細胞を種々の時間37℃にてインキュベートした。反応を停止
させるために、プレートを氷上に置き、培地を吸引し、細胞を1mMのEDTA
を含有する1mlの氷冷PBSで濯いだ。その後、200μlの細胞溶解緩衝液
(12.5mMのMOPS(pH7.3)、12.5mMのβ−グリセロリン酸、
7.5mMのMgCl、0.5mMのEGTA、0.5mMのバナジウム酸ナト
リウム、1mMのベンズアミジン、1mMのジチオトレイトール、10μg/m
lのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、2μg/mlのペプスタチ
ンAおよび1μMのオカダ酸)を細胞に添加した。細胞をプレートからかきとり
、23 2/4ゲージニードルを介する10回ストロークによってホモジナイズ
した。サイトゾル画分は、53,000rpmにて15分間遠心することによっ
て調製した。
【0124】 サイトゾルのアリコット(1−5μgのタンパク質を含有する5−10μl)
を、1mM MAPK基質ペプチド(APRTPGGRR(配列番号:7), Up
state Biotechnology, Inc., N. Y.)と混合し、50μM[γ−32P]ATP(
NEN、3000Ci/ミリモル)を25μlの合計体積中に〜2000cpm
/ピコモルの最終比活性まで希釈した。試料を30℃にて5分間インキュベート
し、2cmのWhatman P81 リン酸セルロースろ紙上に20μlをスポットする
ことによって反応を停止した。そのろ紙四角形を1%のHPOを4回取り換
えて洗浄し、その四角形を液体シンチレーション分光学によってカウントした。
等価なサイトゾル抽出物をMAPK基質ペプチドを含ませずにインキュベートし
、これらの試料からのcpmを基質ペプチドと対合した試料から差し引いた。各
ウェルからのサイトゾル抽出物を、分離点として用いた。タンパク質濃度は、色
素結合タンパク質アッセイ(Bio−Rad社)によって決定した。受容体のアゴニス
ト活性化は、MAPK酵素活性における5倍にのぼる上昇を生じると予想された
。この上昇はアンタゴニストによって遮断された。
【0125】 H.[H]アラキドン酸放出 GPCRの活性化は細胞におけるアラキドン酸放出を強化することが観察され
ており、GPCR活性のモジュレーターに有用ないまだもう1の有用なアッセイ
を提供する[例えば、Kantermanら, Molecular Pharmacology, 39: 364-9 (1991
)を参照されたい]。例えば、CON167発現ベクターで安定してトランスフ
ェクトしたCHO細胞は、使用する前に、15,000細胞/ウェルの密度で2
4−ウェルプレートに平板し、10%の仔ウシ血清、2mMのグルタミン、10
U/mlのペニシリンおよび10μg/mlのストレプトマイシンを補充したα
MEM培地中、37℃にて48時間増殖させた。各ウェルの細胞を、10mMの
HEPES(pH7.5)および0.5%の脂肪酸を含有しないウシ血清アルブミ
ンを補充した1mlのαMEM中の0.5μCi/mlの[H]アラキドン酸(A
mersham Corp.社、210Ci/ミリモル)で、37℃にて2時間接種すること
によって標識した。ついで、細胞を1mlの同一緩衝液で2回洗浄した。
【0126】 候補モジュレーター化合物を単独または10μMのATP(アデノシン5’−
三リン酸)を含有する1mlの同一緩衝液に添加し、細胞を37℃にて30分間
インキュベートした。緩衝液単独および偽トランスフェクトした細胞を対照とし
て用いた。各ウェルからの試料(0.5ml)を、液体シンチレーション分光学
によってカウントした。受容体を活性化するアゴニストは、[H]−アラキドン
酸のATP−刺激放出の強化に通じるであろう。この強化はアンタゴニストによ
って遮断された。
【0127】 I.細胞外酸性化率 いまだもう1のアッセイにおいて、CON167活性の推定モジュレーターの
効果を、推定モジュレーターによって誘導されるpHにおける細胞外変化をモニ
ターすることによってアッセイした[例えば、Dunlopら, Journal of Pharmacolo
gical and Toxicological Methods, 40(1): 47-55 (1998).を参照されたい]。
【0128】 CON167発現ベクターでトランスフェクトしたCHO細胞を、10%の仔
ウシ血清、2mMの1−グルタミン、10単位/mlのペニシリンおよび10μ
g/mlのストレプトマイシンを補充したαMEM中の4×10細胞/カップ
で12mmカプセルカップ(Molecular Devices Corp.社)に播いた。その細胞
を5%CO下、この培地中、37℃にて24時間インキュベートした。
【0129】 細胞外酸性化率は、Cytosensorマイクロフィジオメーター(Molecular Device
s Corp.社)を用いて測定した。そのカプセルカップをマイクロフィジオメータ
ーのセンサーチャンバーに負荷し、そのチャンバーをランニング緩衝液(4mM
の1−グルタミン、10単位/mlのペニシリン、10μg/mlのストレプト
マイシン、26mMのNaClを補充した重炭酸塩を含有しないαMEM)を用
いて100μl/分の流速で潅流した。アゴニストまたは他の剤をランニング緩
衝液に希釈し、第2の流路を通して潅流した。各60秒のポンプサイクルの間、
ポンプは38秒間作動させ、残りの22秒間はポンプを切った。センサーチャン
バー中のランニング緩衝液のpHは43−58秒のサイクルの間に記録し、ポン
プを60秒間再スタートして酸性化率を次のサイクルを開始させた。記録時間の
間のランニング緩衝液の酸性化率は、Cytosoftプログラムによって算出した。酸
性化率の変化は、モジュレーター候補を添加した後に得られた最高酸性化率測定
値からベースライン値(モジュレーター候補を添加する直前の4の酸性化率測定
値の平均)を差し引くことによって算出した。選択した機器は61mV/pH単
位を検出した。受容体においてアゴニストとして作用するモジュレーターは、ア
ゴニスト不存在下の率と比較して、細胞外酸性化率の上昇を生じた。この応答は
、受容体においてアンタゴニストとして作用するモジュレーターによってブロッ
クされた。
【0130】 実施例6 CON167が脳において発現されていることを示すハイブリダイゼーション分
析 イン・サイチュ(in situ)ハイブリダイゼーション実験を行って、脳におけ
るCON167の発現パターンを分析した。冠状および矢状指向ラット脳切片を
Leica CM3050クリオスタットを用いて冷凍薄片標本作成(20μm厚)した。個
々の切片をシラン化したヌクレアーゼフリーのスライド(CEL Associates, Inc.
社, Houston, TX)上で解凍マウントし、−80℃にて保存した。その切片を冷
4%パラホルムアルデヒド(pH7.4)中で後固定して出発して処理し、冷リ
ン酸緩衝液セーライン(PBS)中で濯ぎ、トリエタノールアミン緩衝液中の無
水酢酸を用いてアセチル化し、室温(RT)にて70%、95%および100%
のアルコールを介して脱水化した。脱水化後に、その切片をクロロホルム中の脱
脂に付し、ついでRTにて、100%および95%アルコール中で再水和させた
。ハイブリダイゼーション前に、切片を風乾させた。
【0131】 CON167のcDNA配列(配列番号:1)+5'非翻訳領域(配列番号:
10)に基づいて2のアンチセンス・オリゴヌクレオチドを設計した。これらの
オリゴヌクレオチドはSigma−Genoys社(St. Louis, MO)から得て、イン・サイ
チュ・ハイブリダイゼーション用のプローブとして用いた。CON167−10
31と命名した最初のオリゴヌクレオチドは配列番号:1のヌクレオチド367
−409の相補体に対応する配列: 5'TGAGGATGGGATAGTGAAGTGGGTGGCTAACGGCCACGTAGTG3'(配列番号:11)を有す
る。CON167−570と命名した2番目のオリゴヌクレオチドは、配列番号
:10のヌクレオチド−102ないし53の相補体に対応する配列: 5'TGACATGTCTCTATTGTGCTCCAAATTCTTCAGTTCAACAGCGTATGCTC3'(配列番号:12)
を有する。双方のオリゴヌクレオチド、CON167−1031およびCON1
67−570を1×TE緩衝液中で20pMol/μlの濃度に復元し、33
−dATPで標識して、各々、3.05×10および2.49×10cpm/
μlの比活性を得た。
【0132】 ハイブリダイゼーション実験における使用に関しては、両方のオリゴヌクレオ
チドプローブを70℃にて3分間変性させ、50%のホルムアミド、10%のデ
キストラン、0.3MのNaCl、10mMのトリス(pH8.0)、1mMのE
DTA、1×デンハート溶液および200mMのDTTを含有するハイブリダイ
ゼーション水性緩衝液中に保存した。ハイブリダイゼーション緩衝液中の両方の
プローブの最終濃度は2ピコモル/mlであった。一連の脳の冷凍切片を45μ
l/スライドのセンスおよびアンチセンス・オリゴプローブ・ハイブリダイゼー
ション混合物とハイブリダイズさせ、ついでシラン化したヌクレアーゼを含まな
いガラスカバースリップでカバーした。切片は、インキュベーター中、37℃に
て一晩(15−18時間)ハイブリダイズさせた。
【0133】 ハイブリダイゼーション後に、1×SSCを用いてスライドからカバースリッ
プを45分間洗い流した。ついで、スライドを1×SSC中、RTにて20分間
洗浄し、つづいて1×SSC中、65℃にて20分間、高ストリンジェンシー洗
浄した。その後、スライドを1×SSC中、RTにて45分間、さらに2回洗浄
した。洗浄後に、スライドを0.3mMのNHOAcを含有する70%および
95%のエタノール、ついで100%のエタノールで脱水し、風乾し、Kodak Bi
oMax MR−1フィルムに感光させた。感光の15日後に、フィルムを現像した。こ
れらの結果に基づき、フィルム・オートラジオグラフィー上にハイブリダイゼー
ション・シグナルを示した切片をKodac NTB−2核探知エマルジョンで被覆し
、暗所下にて30日間保存した。ついで、このスライドをKodak D−19現像液
で現像し、ついでヘマトキシリン2(Richard-Allen Scientific社, Kalamazoo,
MI)で対比染色した。エマルジョンで被覆した切片を顕微鏡下で分析して、標
識の特異性を判定した。(アンチセンス・プローブ・ハイブリダイゼーションに
よって生成した)オートラジオグラフィー粒子がクリスタルバイオレット染色細
胞体と明らかに会合している場合に、シグナルは特異的であると判断した。細胞
体間に見出されたオートラジオグラフィー粒子は、非特異的であるとみなした。
【0134】 アンチセンス・プローブを用いた特異的標識は、脳におけるCON167のm
RNAの広範な分布を示した。標識した領域には、洋ナシ型皮質、海馬および視
床下部(SON−視索上核、SCN−視索上核)が含まれた。センスプローブは
特異的な標識を作成しなかった。
【0135】 CON167 mRNAの認められた局所的分布は、CON167に対する天
然リガンドならびに、抗−CON167抗体物質またはリガンド媒介CON16
7シグナリングを模倣し、作動または拮抗する小分子のごときCON167活性
のモジュレーターについての治療指標を提供する。特に発現パターンは、かかる
分子が、限定されるものではないが、精神分裂症、情緒障害、情緒障害、注意欠
陥多動性障害/注意欠陥障害、鬱病、不安症、バイポラー疾患、癲癇、神経炎、
神経衰弱、ニューロパシー、神経症、アルツハイマー病、パーキンソン病、偏頭
痛、老人性痴呆などを含む神経および/または精神医学疾患を治療する有用性を
有するであろうことの指標を提供する。かかる疾患状態を有する個人を治療する
ためのCON167リガンドおよび抗−CON167抗体を含むCON167モ
ジュレーターの使用は、本発明の態様である。かかるモジュレーターは、CON
167発現細胞にモジュレーターを安全にデリバリーするのに有効ないずれの手
段によっても投与し得、これには、限定されるものではないが、医薬上許容し得
る希釈剤、補助剤または担体中にモジュレーターを含む組成物の経口投与、吸入
、または注射が含まれる。治療の効力は、最初に、疾患の重度または治療効力と
相関する生化学的または行動マーカーを提供するいずれかの認められた動物モデ
ルにおいて決定し得る。
【0136】 実施例6 CON167に対する抗体 標準的な技術を用いて、CON167受容体に対するポリクローナルまたはモ
ノクローナル抗体を作成し、“ヒト化”変異型を含むその有用な抗原結合フラグ
メントまたは変異型を作成した。かかるプロトコールは、例えば、Sambrookら,
Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor, New
York: Cold Spring harbor Laboratory (1989); Harlowら(編), Antibodies A L
aboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory; Cold Spring harbor, NY
(1988);ならびに以下に引用するほかの文献に見出し得る。1の具体例において
、組換えCON167ポリペプチド(またはかかるポリペプチドを含有する細胞
または細胞膜)を抗原として用いて抗体を作成した。もう1の具体例において、
CON167の免疫源性部分に対応するアミノ酸配列を有する1またはそれを超
えるペプチド(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
、16、17、18、19、20またはより多くのアミノ酸)を抗原として用い
た。CON167の細胞外部分、とりわけ親水性細胞外部分に対応するペプチド
が好ましい。抗原はアジュバントと混合するかまたはハプテンに結合して抗体産
生を上昇させ得る。
【0137】 A.ポリクローナルまたはモノクローナル抗体 1の例示的プロトコールとして、組換えCON167またはその合成フラグメ
ントを用いて、モノクローナル抗体作成用のマウス(または、ポリクローナル抗
体用のウサギのごときより大きな哺乳動物)を免疫接種した。抗原性を上昇させ
るために、製造業者の推奨に従ってペプチドをスカシガイのヘモシアニン(Pier
ce社)にコンジュゲートさせた。最初の接種に関しては、抗原をフロイント完全
アジュバントを用いて乳化し、皮下接種した。2または3週間の間隔で、さらな
るアリコットのCON167抗原をフロイント不完全アジュバントを用いて乳化
し、皮下接種した。最終追加免疫接種の後に、免疫接種したマウスから血清試料
を採取し、ウェスタン・ブロットによってアッセイして、CON167と免疫反
応する抗体の存在を確認した。免疫接種した動物からの血清は、ポリクローナル
抗血清として用いることができ、あるいは、CON167を認識するポリクロー
ナル抗体を単離するために用いることができる。別法として、マウスを殺し、モ
ノクローナル抗体を作成するためにその脾臓を取出すこともできる。
【0138】 モノクローナル抗体を作成するためには、脾臓を10mlの無血清RPMI1
640に入れ、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、10
0単位/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシン(R
PMI)(Gibco社, Canada)を補充した無血清RPMI1640中で脾臓をす
り潰すことによって単一細胞懸濁液を形成させた。細胞懸濁液を濾過し、遠心に
よって洗浄して、無血清RPMIに再懸濁した。3の天然Balb/cマウスか
ら採取した胸腺細胞を同様に調製し、フィーダー層として用いた。融合前3日間
、10%仔ウシ血清(FBS)(Hyclone Laboratories,Inc.社, Logan, Utah
)を含むRPMI中で対数増加期に維持したNS−1ミエローマ細胞を、同様に
して遠心し洗浄した。
【0139】 ハイブリドーマ融合を作成するために、免疫接種マウスからの脾臓細胞をNS
−1細胞と合して遠心し、その上清を吸引した。遠心管を軽くたたいて細胞ペレ
ットを追い出し、2mlの37℃のPEG1500(75mMのヘペス中の50
%、pH8.0)(Boehringer Mannheim社)をペレットに攪拌し、つづいて無血
清RPMIを添加した。その後、細胞を遠心し、15%のFBS、100μMの
ヒポキサンチンナトリウム、0.4μMのアミノプテリン、16μMのチミジン
(HAT)(Gobco社)、25単位/mlのIL−6(Boehringer Mannheim社)
および1.5×10の胸腺細胞を含有するRPMI中に再懸濁し、コーニング
平底96ウェル組織培養プレート(Corning社, Corning, New York)に平板した
【0140】 融合から2、4および6日目に、100μlの培地を融合プレートのウェルか
ら取出し、新たな培地に移した。8日目に、融合物をELISAによってスクリ
ーニングし、CON167に結合するマウスIgGの存在について試験した。抗
−CON167抗体を産生するモノクローナル培養物が得られるまで希釈するこ
とによって、選抜した融合物ウェルをさらにクローン化した。
【0141】 B.抗−CON167モノクローナル抗体のヒト化 本明細書中に報告したCON167の発現パターンおよび治療媒介の標的とし
てのGPCRの明らかにされた軌跡記録は、CON167インヒビター(アンタ
ゴニスト)についての治療指標を示唆した。CON167−中和抗体は、アンタ
ゴニストとして有用な1のクラスの治療剤に含まれる。以下に記載するのは、モ
ノクローナル抗体を“ヒト化”してその血清半減期を改善し、かつ、それをヒト
宿主においてより低い免疫源性とする(すなわち、非−ヒト抗CON167句体
に対するヒト抗体応答を予防する)ことによって、ヒトにおける治療剤としての
抗−CON167モノクローナル抗体の有用性を改善するためのプロトコールで
ある。
【0142】 ヒト化の原理は、刊行物に記載されており、抗体タンパク質のモジュール整列
によって容易に促進される。結合する補体の可能性を最小限化するために、Ig
G4イソ型のヒト化抗体が好ましい。
【0143】 例えば、ヒト化のレベルは、ヒト抗体分子の定常ドメインと共に関心のある非
−ヒト抗体タンパク質の可変ドメインを含むキメラ抗体を作製することによって
行った(例えば、MorrisonおよびOi, Adv. Immunol., 44: 65-92 (1989)を参照
されたい)。CON167を中和する抗−CON167抗体の可変ドメインは、
B−細胞ハイブリドーマのゲノムDNAからか、または関心のあるハイブリドー
マから単離したmRNAから作製したcDNAからクローニングした。V領域の
遺伝子フラグメントをヒト抗体の定常ドメインをコードするエキソンに結合し、
得られた構築物を好適な哺乳動物宿主細胞(例えば、ミエローマまたはCHO細
胞)中で発現させた。
【0144】 より高いレベルのヒト化を達成するために、非−ヒトモノクローナル抗体遺伝
子の抗原−結合相補性決定領域(“CDR”)をコードする可変領域の遺伝子フ
ラグメントの部分のみをヒト抗体配列にクローン化した[例えば、Jonesら, Natu
re, 321: 533-525 (1986); Riechmannら, Nature, 332: 323-327 (1988); Verho
eyenら, Science, 239:1534-36 (1988): およびTempestら, Bio/Technology, 9:
266-71 (1991)を参照されたい]。必要なら、CDR3領域を取囲むヒト抗体の
β−シート骨格を、元のモノクローナル抗体の抗原結合ドメインのより近いミラ
ー三次元構造に改変する(Kettelboroughら, Protein Engin., 4: 773-783 (199
1);およびFooteら, J. Mol. Biol., 224:487-499 (1992)を参照されたい)。
【0145】 別のアプローチとして、例えば、部位特異的突然変異によって非−ヒト抗体の
選択した表面残基を改変することによって、全ての非−ヒト抗体の内部および接
触する残基を保持しつつ関心のある非−ヒトモノクローナル抗体の表面をヒト化
する[Padlan, Molecular Immunol., 28 (4/5): 489-98 (1991)を参照されたい]
【0146】 CON167を中和する抗−CON167モノクローナル抗体、およびそれを
産生し、CON167発現またはリガンド媒介CON167シグナリングが有害
である症状を治療または和らげるための治療剤として有用なヒト化CON167
を中和する抗体を生成するハイブリドーマを用いて、前記のアプローチを利用す
る。
【0147】 C.ファージ・ディスプレイからのヒトCON167−中和抗体 (出典明示して本明細書の一部とみなす)Aujameら, Human Antibodies, 8(4)
:155-168 (1997); Hoogenboom, TIBTECH, 15:62-70 (1997); およびRaderら, Cu
rr. Opin. Biotechnol., 8:503-508 (1997)に記載されているごときファージ・
ディスプレイによって、ヒトCON167中和抗体を生成させた。例えば、Fa
bフラグメントまたは結合一本鎖Fvフラグメントの形態の抗体可変領域を線状
マイナーコートタンパク質pIIIのアミノの末端に融合させた。融合タンパク
質の発現および成熟ファージコートへのその取込みは、その表面に抗体が存在し
、抗体をコードする遺伝物質を含むファージ粒子を生じる。かかる構築物を含む
ファージライブラリーは細菌中で発現させ、抗原プローブとして標識または固定
化したCON167を用いて、そのライブラリーをCON167特異的ファージ
−抗体についてえり分けた(スクリーニングした)。
【0148】 D.トランスジェニックマウスからのヒトCON167中和抗体 ヒトCON167中和抗体は、BruggemannおよびNeuberger, Immunol. Today,
17 (8): 391-97 (1996)およびBruggemannおよびTaussig, Curr. Opin. Biotech
nol., 8: 455-58 (1997)に実質的に記載されているごとく、トランスジェニック
マウスにおいて生成させた。生殖系列配置でヒトV-遺伝子セグメントを運搬し
、このトランス遺伝子をリンパ組織で発現するトランスジェニックマウスを、慣
用的な免疫接種プロトコールを用いてCON167組成物で免疫接種した。ハイ
ブリドーマを従来プロトコールを用いて免疫接種したマウスからのB細胞を用い
て生成し、スクリーニングして、抗−CON167ヒト抗体を分泌するハイブリ
ドーマを(例えば、前記のごとく)同定した。
【0149】 本発明を特異的な具体例に関して記載してきたが、変形および修飾が当該技術
分野におけるそれら具体例に生じ、それらのすべても本発明の態様として意図さ
れることは理解されるであろう。したがって、請求の範囲に現すごとき限定のみ
が本発明の上に置かれるべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、CON167のアミノ酸配列の一部分およびヒト嗅覚受容体FAT1
1(Genbank受入れ番号L35475、配列番号:8)のアミノ酸配列の一部分のアラ
イメントを図示する。同一残基および同様な文字の残基(+)を示す。
【図2】 図2は、CON167のアミノ酸配列の一部分とげっ歯類嗅覚受容体G7(Ge
nbank AF102537、配列番号:9)のアミノ酸配列の一部分のアライメントを図示
する。同一残基および同様な文字の残基(+)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 9/00 4C084 A61P 1/16 25/00 4C085 9/00 101 4H045 25/00 25/06 101 25/18 25/06 25/20 25/18 25/22 25/20 25/24 25/22 25/28 25/24 C07K 14/705 25/28 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z 15/02 33/50 Z C12P 21/02 C12P 21/08 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 B // C12P 21/08 15/00 C A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 リンダ・エス・ウッド アメリカ合衆国49024ミシガン州ポーテイ ジ、フォックスホロー10193番 Fターム(参考) 2G045 AA35 BB05 BB10 BB20 BB50 BB51 CB01 DA13 FB02 FB03 FB05 FB08 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 DA02 GA01 GA03 GA11 HA11 HA15 4B063 QA18 QQ08 QQ13 QQ20 QQ79 QQ91 QR48 QR51 QR55 QR80 QS34 4B064 AG20 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA91X AA92X AA93X AA93Y AB01 AB05 AC14 BA02 BA08 CA24 CA25 CA43 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA08 BA22 BA23 CA53 CA56 DB63 NA14 ZA01 ZA02 ZA05 ZA08 ZA12 ZA15 ZA16 ZA18 ZA36 ZA75 4C085 AA13 AA14 BB11 DD62 DD63 EE01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA40 DA50 DA75 DA76 EA20 EA34

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:2記載のアミノ酸配列を含む精製および単離した
    CON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチド、または該7回膜貫通型受容体
    に特異的なエピトープを含むそのフラグメント。
  2. 【請求項2】 配列番号:2記載のアミノ酸配列を含む請求項1記載の精製
    および単離したポリペプチド。
  3. 【請求項3】 CON167の少なくとも1の細胞外ドメインを含む請求項
    1記載の精製および単離したポリペプチド。
  4. 【請求項4】 CON167のN−末端細胞外ドメインを含む請求項3記載
    の精製および単離したポリペプチド。
  5. 【請求項5】 CON167のN−末端細胞外ドメイン、CON167の膜
    貫通ドメイン、CON167の膜貫通ドメインを結合する細胞外ループ、CON
    167の膜貫通ドメインを結合する細胞内ループ、CON167のC−末端細胞
    質ドメインおよびそれらの融合物よりなる群から選択されるCON167の7回
    膜貫通型受容体フラグメントを含む精製および単離したポリペプチド。
  6. 【請求項6】 哺乳動物の7回膜貫通型受容体をコードするヌクレオチド配
    列を含み、以下のハイブリダイゼーション条件下: (a)50%のホルムアミド、1%のSDS、1MのNaCl、10%のデキ
    ストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃にて16時間のハイ
    ブリダイゼーション;ついで (b)0.1×SSCおよび1%のSDSを含む洗浄溶液中、60℃にて30
    分間の2回の洗浄 で配列番号:1記載のヌクレオチド配列またはそれに対して相補的な非コード鎖
    にハイブリダイズする精製および単離したポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ヒトの7回膜貫通型受容体をコードする請求項6記載のポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のCON167の7回膜貫通型受容体ポリペプ
    チドをコードするヌクレオチド配列を含む精製および単離したポリヌクレオチド
  9. 【請求項9】 DNAである請求項8記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 cDNAである請求項8記載のポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 請求項6記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  12. 【請求項12】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  13. 【請求項13】 該ポリヌクレオチドが発現制御配列を含むポリヌクレオチ
    ドに作動可能に結合している請求項12記載のベクター。
  14. 【請求項14】 CON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチドまたはポ
    リヌクレオチドによってコードされるそのフラグメントを宿主細胞で発現するよ
    うに、請求項1記載のポリペプチドまたはフラグメントをコードするヌクレオチ
    ド配列を含むポリヌクレオチドで安定して形質転換またはトランスフェクトした
    宿主細胞。
  15. 【請求項15】 CON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチドを宿主細
    胞で発現するように、請求項13記載のベクターで安定して形質転換またはトラ
    ンスフェクトした宿主細胞。
  16. 【請求項16】 CON167の7回膜貫通型受容体ポリペプチドまたはポ
    リヌクレオチドによってコードされるそのフラグメントを宿主細胞で発現するよ
    うに、請求項11記載のベクターで安定して形質転換またはトランスフェクトし
    た宿主細胞。
  17. 【請求項17】 請求項14、15または16のいずれか1項に記載の宿主
    細胞を増殖させる工程がポリヌクレオチドによってコードされる7回膜貫通型ポ
    リペプチドを細胞が発現する条件下、栄養培地中でいずれか1項に記載の該宿主
    細胞を増殖させる工程を含む7回膜貫通型受容体ポリペプチドまたはそのフラグ
    メントを産生する方法。
  18. 【請求項18】 さらに、細胞または栄養培地から7回膜貫通型受容体ポリ
    ペプチドを単離する工程を含む請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項2記載のCON167の7回膜貫通型受容体に対し
    て特異的な抗体。
  20. 【請求項20】 モノクローナル抗体である請求項19記載の抗体。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の抗体を産生するハイブリドーマ。
  22. 【請求項22】 ヒト化抗体である請求項19記載の抗体。
  23. 【請求項23】 CON167の7回膜貫通型受容体の細胞外エピトープに
    特異的に結合する請求項19記載の抗体。
  24. 【請求項24】 CON167の7回膜貫通型受容体のアミノ末端細胞外ド
    メインに特異的に結合する請求項19記載の抗体。
  25. 【請求項25】 少なくとも1の抗体が請求項19記載の抗体であるポリク
    ローナル抗体を含むセルフリー組成物。
  26. 【請求項26】 請求項19記載の抗体に対して特異的な抗−イディオタイ
    プ抗体。
  27. 【請求項27】 請求項19記載の抗体のフラグメントを含むポリペプチド
    であって、ここに該フラグメントおよび該ポリペプチドがCON167の7回膜
    貫通型受容体に結合することを特徴とするポリペプチド。
  28. 【請求項28】 一本鎖抗体およびCDR−グラフティング抗体よりなる群
    から選択される請求項27記載のポリペプチド。
  29. 【請求項29】 医薬上許容し得る担体中に請求項1記載のポリペプチドを
    含む組成物。
  30. 【請求項30】 医薬上許容し得る担体中に請求項27記載のポリペプチド
    を含む組成物。
  31. 【請求項31】 7回膜貫通型受容体に特異的な抗体が7回膜貫通型受容体
    に結合する条件下で、7回膜貫通型受容体と7回膜貫通型受容体に特異的な抗体
    とを接触させる工程を含む、請求項2記載のCON167の7回膜貫通型受容体
    の活性を変調させる方法。
  32. 【請求項32】 該7回膜貫通型受容体と請求項27記載のポリペプチドと
    を接触させる工程を含むCON167の7回膜貫通型受容体の活性を変調させる
    方法。
  33. 【請求項33】 治療が必要な哺乳動物に、該哺乳動物のニューロン中のC
    ON167の7回膜貫通型受容体のリガンド結合を変調させるのに十分な量の請
    求項27記載のポリペプチドを投与する工程を含む、神経障害を治療するための
    方法。
  34. 【請求項34】 該接触工程が組成物を哺乳動物に投与することを含み、こ
    こに該哺乳動物がCON167の7回膜貫通型受容体を発現する細胞を含み、か
    つ、該組成物が該抗体を含むことを特徴とする請求項31記載の方法。
  35. 【請求項35】 哺乳動物がヒトである請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 ヒトが神経障害に罹っている請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 該接触工程が組成物を哺乳動物に投与することを含み、こ
    こに該哺乳動物がCON167の7回膜貫通型受容体を発現する細胞を含み、か
    つ、該組成物が該ポリペプチドを含むことを特徴とする請求項32記載の方法。
  38. 【請求項38】 哺乳動物がヒトである請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 ヒトが神経障害に罹っている請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 (a)CON167の7回膜貫通型受容体を含む組成物と
    CON167に結合すると予想される化合物とを接触させ; (b)化合物およびCON167の間の結合を測定する 工程を含むCON167の7回膜貫通型受容体に結合する化合物を同定するアッ
    セイ。
  41. 【請求項41】 組成物が表面にCON167を発現する細胞を含む請求項
    40記載のアッセイ。
  42. 【請求項42】 測定工程が、化合物によって誘導されるCON167の細
    胞内シグナリングを測定することを含む請求項41記載のアッセイ。
  43. 【請求項43】 CON167の7回膜貫通型受容体が配列番号:2のアミ
    ノ酸配列を含む請求項40記載のアッセイ。
  44. 【請求項44】 CON167の7回膜貫通型受容体に結合する請求項40
    記載の方法によって同定した化合物であって、ここに該化合物がCON167に
    結合する抗原結合フラグメントまたは抗体を含む抗体またはポリペプチドではな
    いことを特徴とする化合物。
  45. 【請求項45】 請求項44記載の化合物がCON167の7回膜貫通型受
    容体に結合する条件下、該受容体と該化合物とを接触させる工程を含むCON1
    67の7回膜貫通型受容体の活性を変調させるための方法。
  46. 【請求項46】 該接触工程が組成物を哺乳動物に投与することを含み、こ
    こに該哺乳動物がCON167の7回膜貫通型受容体を発現する細胞を含み、か
    つ、該組成物が該化合物を含む請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 哺乳動物がヒトである請求項46記載の方法。
  48. 【請求項48】 ヒトが神経障害に罹っている請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 (a)推定モジュレーター化合物の存在および不存在下で
    、CON167結合パートナーとCON167の7回膜貫通型受容体を含む組成
    物とを接触させ; (b)結合パートナーとCON167との間の検出を検出し;ついで (c)推定モジュレーターの不存在下における結合と比較して、推定モジュレ
    ーターの存在下における結合パートナーおよびCON167の間の結合の低下ま
    たは増大の見地から推定モジュレーター化合物を同定する 工程を含むCON167の7回膜貫通型受容体とCON167結合パートナーと
    の間の結合のモジュレーターを同定するための方法。
  50. 【請求項50】 結合パートナーとCON167の7回膜貫通型受容体との
    間の結合を低下または増大させる請求項49記載の方法によって同定したモジュ
    レーター。
  51. 【請求項51】 モジュレーターが結合パートナーと受容体との間の結合を
    増大または低下させる条件下にて、該7回膜貫通型受容体と請求項50記載のモ
    ジュレーターとを接触させる工程を含むCON167の7回膜貫通型受容体の活
    性を変調させるための方法。
  52. 【請求項52】 該接触工程が組成物を哺乳動物に投与することを含み、こ
    こに該哺乳動物がCON167の7回膜貫通型受容体を発現する細胞を含み、か
    つ、該組成物が該モジュレーターを含む請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 哺乳動物がヒトである請求項52記載の方法。
  54. 【請求項54】 ヒトが神経障害に罹っている請求項53記載の方法。
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