JP2003518487A - ヒドロゲル駆動型積層薬物製剤 - Google Patents

ヒドロゲル駆動型積層薬物製剤

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チドロウ,マーク・ブライアン
フリーセン,ドウェイン・トーマス
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Abstract

(57)【要約】 セルトラリンの制御放出型製剤はセルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアをもち、水膨潤性組成物はコア内の別個の領域にある。コアの周囲にあるコーティングは水透過性、水不溶性であり、貫通した少なくとも1つの送達口をもつ。1態様において、本発明の製剤は使用環境へ導入した後、製剤がセルトラリンを2時間目から12時間目までに毎時約6〜10重量%の平均速度で使用環境へ放出し、最初の2時間で約25重量%未満を放出し、かつ少なくとも70重量%を12時間目までに放出する。これらの%は、錠剤から放出された薬物の質量をその錠剤中に最初に存在していた薬物の全質量で割ったものに相当する。他の態様において本発明の製剤は、該製剤を使用環境へ導入した後、セルトラリンを2時間までに約25重量%未満、8時間目から24時間目までに少なくとも約25重量%の量で使用環境へ放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景: 本発明は、セルトラリンを使用環境へ制御放出する製剤に関する。 セルトラリンは選択的セロトニン再取込み阻害薬であり、特に抗うつ薬および
食欲抑制薬として、また強迫性障害、月経前失調症、外傷後ストレス障害、薬物
依存症、不安関連障害、パニックおよび早漏の処置に有用である。たとえばUSP4
,536,518、5,130,338、4,971,998、5,061,728、4,940,731および4,9
62,128参照。セルトラリンのIUPAC名称は(1S−cis)−4−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフタレンアミンであり
、その実験式はC12H17NCl2、その構造式は下記のとおりである:
【0002】
【化1】
【0003】 セルトラリンはうつ病にの処置のために、一般的投与範囲50〜200mgA/日で最
も一般的に処方される。こで”mgA”は遊離塩基または中性形の活性セルトラリ
ンについて示す。セルトラリンは23時間の排出半減期をもち、一般に即時放出錠
剤を1日1回投与する。
【0004】 患者は一般に1日50mgA以下の量のセルトラリンから投与開始される。50mgに反
応しない患者にはより高い量を投与する。可能ならば、50mgAより高い投与量か
ら開始するのは一般に避ける。これより高い投与量ではめまい、振戦、発汗およ
び消化器障害などの副作用がより著しくなると考えられるからである。効果を得
るために必要であれば、用量を漸増することによってより高い投与量に達しても
よい。
【0005】 副作用の発生率および/または程度がより低い改良されたセルトラリン製剤が
あれば患者の快適さが向上し、したがってコンプライアンスが改善され、漸増の
必要なしに50mgAより高い投与量から開始できるので有利であろう。より高い出
発量から開始すると、抗うつ作用をより短い時間で開始させることによって有用
となる。たとえば高い用量(たとえば60mgA以上)を比較的少ない副作用で経口
投与できるそのような改良されたセルトラリン製剤は、セルトラリン療法の適応
を拡大することができ、したがって投与コンプライアンスおよび簡便さが著しく
改善されるであろう。また、より低い投与量での副作用の発生率および/または
程度を低下させる製剤もきわめて価値があるであろう。
【0006】 その投与量での副作用の発生率または程度を低下させるこのような1日1回型製
剤が望ましいが、そのような製剤の開発には実際上の難点がある。製剤がとりう
るサイズに上限がある。製剤は1g未満、好ましくは約800mg未満、より好ましく
は約600mg未満の質量をもつことが望ましい。場合により、特に小児や高齢者を
処置する際には、これよりさらに低い質量の錠剤が望ましい。さもなければ製剤
は飲み込むのが困難なほど大きくなる。
【0007】 各製剤中のセルトラリン量は約20〜200mgA、好ましくは約40〜150mgAでなけれ
ばならない。この量の有効セルトラリンを得るには、目的量の有効薬剤が送達さ
れる状態でセルトラリン塩(たとえば塩素物、乳酸塩、酢酸塩、アスパラギン酸
塩)をコア内に収容する必要がある。薬物が完全に放出されると仮定して、これ
は150mgAを送達するのにはコアには168mgの塩化セルトラリン、194mgの乳酸セル
トラリン、215mgのアスパラギン酸セルトラリン、179mgの酢酸セルトラリンを収
容しなければならないことを意味する。セルトラリンがこのようにコアの大きな
部分を占めるので、残りの賦形剤は最小量の材料で目的とする放出プロフィール
をもたらすことができなければならない。これは、より高い投与量でも多くの場
合は同じであるが、サイズによって投与量は異なるが共通の組成をもつ一連の製
剤があることがしばしば望ましい。したがって錠剤の組成は最大用量錠剤のサイ
ズにより制限される可能性がある。
【0008】 セルトラリンは、特に6〜7を超えるpHでの水溶解度も低い。このため生物学的
利用能が低い。生物学的利用能とは、特に制御放出製剤において、経口投与した
薬物のうち血流に取り込まれる部分である。特に投与量が高い場合、および有意
部分の薬物が下部消化管で送達される場合(ここではpHが比較的高く、薬物の溶
解度が比較的低い)、制御放出型セルトラリン配合物からの生物学的利用能は10
0%より著しく低くなる可能性がある。低いpHではセルトラリンの溶解度は比較
的高く、たとえばpH2.0では6mgA/mLであるが、より高いpHでは溶解度ははるか
に低い。たとえばpH6.5(一般に十二指腸内のpHに相当)ではセルトラリンの溶
解度は1mgA/mL、約7.0のpH(一般に小腸内のpHに相当)では溶解度は約0.2mg
A/mL、約7.5のpH(一般に結腸内のpHに相当)では溶解度は約0.05mgA/mLに
すぎない。より低い胃内のpHはセルトラリンを溶解するのに理想的であるが、吐
き気などの副作用の発生率または程度は胃内での過度のセルトラリン放出を避け
ることにより最小限に抑えうることが見出された。したがって、胃内でのセルト
ラリンの溶解度は高いが、胃内へのセルトラリン放出量を許容レベルに制限する
ことが望ましい。しかしセルトラリンが消化管を下降するのに伴って(pHが上昇
するのに伴って)その溶解度は次第に低下するので、放出を遅らせすぎると生物
学的利用能が低下する可能性がある。
【0009】 したがって、(1)低い副作用(たとえば吐き気)発生率または程度、(2)高
い生物学的利用能、および(3)可能な限り長い時間にわたる療法用血中濃度と
いう目標をいずれも達成するには、狭い範囲の薬物放出プロフィールが望ましい
。これにより胃内へ放出されるセルトラリン量を許容レベルにまで制限できるだ
けでなく、(1)確実に大部分のセルトラリンを結腸到達前に送達するか、ある
いは(2)セルトラリンが実質的に吸収される状態で結腸へ送達することにより
、セルトラリンを良好に吸収させることができる。さらに、セルトラリンの投与
量を高くすることができ(たとえば100〜200mgA)、かつ毎日1個の錠剤を送達す
るのが理想的であるので、その製剤は実質量の薬物を送達し、残留薬物が比較的
少なく、かつ薬物量は製剤の全重量のうちの高い割合であることが望ましい。
【0010】 ある条件下では、また一般的な制御放出製剤の配合のために用いるある種の賦
形剤の存在下では、セルトラリンはその生物学的利用能を変化させるかあるいは
望ましくない不純物を生成する不都合な反応を比較的短時間内に受け、このため
貯蔵寿命が短くなる可能性がある。商業的に受け入れられる制御放出製剤は、患
者に前記の要望事項をすべて提供し、一方では比較的長期間、妥当な広範囲の温
度および湿度条件にわたって貯蔵してもなおかつ安定なセルトラリンを患者に供
給するものでなければならない。
【0011】 薬物含有組成物および水膨潤性組成物を含む二層構造の浸透圧およびヒドロゲ
ル送達製剤を用い、コーティングに1以上の送達口をもつ周囲コーティングを通
して薬物を制御放出できることは既知である。しかしそのような浸透圧およびヒ
ドロゲル製剤により遭遇する共通の問題は、薬物吸収が行われる消化管部分から
製剤が出た後、その製剤内に残留薬物が残っていることである。そのような残留
薬物は吸収されず、したがってそのような製剤は、全薬物を使用環境内へ送達で
きない製剤の欠点を補うために多量の薬物を必要とする。さらに、そのような残
留薬物量は変動する可能性があるので、セルトラリンの血中濃度は患者毎および
日毎に変動するであろう。
【0012】 自明のとおりそのような二層の浸透圧およびヒドロゲル製剤は水膨潤性材料を
含有し、これはコア内でセルトラリンが利用できるはずの有意の空間を占めてい
る。水膨潤性材料が利用できるのは製剤の質量のうちごくわずかであるので、薬
物を送達する水膨潤性材料はセルトラリンを高い効率で送達できなければならな
い。
【0013】 さらに、薬物の生物学的利用能を最大限に高めるために、製剤は水性使用環境
に進入すると直ちにセルトラリンを送達し始めることがしばしば望ましい。しか
し多くの二層送達系が薬物送達開始前に遅れを示す。遅れを克服するために幾つ
かの送達方法が提唱されているが、それぞれ固有の欠点がある。ある方法は製剤
の周りに薄いコーティングを付与するものであった。この方法では水性液体の取
込みは速やかであるが、薄いコーティングにより得られる製剤保護はしばしば不
十分であり、取扱い中に破損しやすくなる。そのような薄いコーティングは本来
弱く、摂取すると破裂して薬物を無制御に放出する可能性がある。送達遅れを除
くためのさらに他の方法は、水膨潤性組成物と外部の液体との連絡を可能にする
孔または通路を設けるものであるが、これは許容できないほどの残留薬物量にな
ることが多い。他の方法はコアを即時放出型の薬剤配合物でコーティングするも
のであるが、これは追加の加工工程を必要とし、そのようなコーティング中の薬
物は安定でないことが多いという点で問題がある。
【0014】 一般的な二層の浸透圧駆動型(osmotically−driven)およびヒドロゲル駆動
型(hydrogel−driven)薬物送達系がもつさらに他の問題は、一般にそのような
製剤は浸透圧発生剤(osmagent)の存在を必要とすることである。これらの浸透
圧発生剤は、特に水透過性の低いコーティングを用いた場合に薬物放出速度を高
めるためにしばしば必要であるが、製剤の重量を増加させ、したがってその製剤
に含有させうるセルトラリン量をさらに制限するという欠点がある。そのような
浸透圧発生剤を含有させることの他の欠点は、それがセルトラリンと不都合に反
応することによりその分解を促進する(ある種の糖類の場合)か、またはその溶
解を低下させる(塩化物のような塩類の場合)可能性があることである。さらに
、そのような浸透圧発生剤が存在すると、それらの成分の濃度を組成物全体にわ
たって確実に均一にする必要があるため、製造原価が増大する。
【0015】 セルトラリンの持続放出および遅延放出製剤ならびに多様なセルトラリン組成
物が同一出願人による米国特許出願09/380,885、09/380,825および09/380
,900に開示されている。しかしこれらのいずれにも、薬物が非晶質分散体また
は二層浸透圧発生製剤であって、高い薬物装填量、安定性および最適な薬物放出
プロフィールならびに高い生物学的利用能を可能にする製剤は開示されていない
。これらのすべてが本発明によれば可能である。
【0016】 さらに、多様な薬物について二層の浸透圧およびヒドロゲル駆動型製剤が開示
されている。たとえばWongら、USP5,082,668;Eckenhoff、USP4,865,598;C
ourteseら、USP4,327,725;およびAyerら、USP5,126,142参照。それにもか
かわらず先行技術の二層製剤には、溶解度が低く疎水性で潜在的に反応性の薬物
であるセルトラリンを使用環境へ制御放出様式で最適に送達できる手段は開示さ
れていない。
【0017】 したがって当技術分野では、セルトラリンの制御放出製剤であって、セルトラ
リンをきわめて少ない残留薬物量において高い効率で使用環境へ送達し、高い量
の薬物を装填できるため製剤のサイズを小さくすることができ、目的とする使用
環境に進入した直後に薬物の送達を開始し、その製剤における他の成分の数が少
なく、胃内へのセルトラリン放出を許容レベルに制限することによって不都合な
副作用の頻度または程度を低下させ、同時に高い生物学的利用能を達成する製剤
がなお求められている。そのような高い生物学的利用能を達成するには、結腸に
進入する前に実質的に完全な放出が達成されるようにセルトラリン放出プロフィ
ールを慎重に制御するか、あるいは結腸で放出が続いている場合は結腸でのセル
トラリン吸収が増大するように放出される物質を修飾する必要がある。これらお
よび当業者に自明である他の要望は、以下に詳述する本発明により達成される。
【0018】 <発明の概要> 本発明は、セルトラリンの制御放出のための製剤を提供することにより先行技
術の欠点を克服する。本発明のすべての態様に共通の基本的製剤は、セルトラリ
ン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアをもち、水膨潤性組成物はコア内
の別個の領域にある。コアの周囲にあるコーティングは水透過性、水不溶性であ
り、かつ貫通した少なくとも1つの送達口を有する。
【0019】 コアまたはセルトラリン含有組成物の%について、重量%で示した%は、存在
するセルトラリン形の質量をコアまたは組成物の全質量で割って100を掛けたも
のを表す。重量%で示した放出率は、放出されるセルトラリン形の質量をセルト
ラリンの全質量で割って100を掛けたものを表す。本明細書および特許請求の範
囲で用いた、ある期間についてのセルトラリンの毎時放出速度は、その期間中に
放出されたセルトラリンの重量%をその期間の長さ(時間)で割ったものと定義
される。たとえば使用環境へ送達された後、2時間でセルトラリンの10重量%を
放出し、12時間で90重量%を放出する製剤は、2時間目から12時間目までについ
て毎時8重量%の平均セルトラリン放出速度をもつ。この同じ製剤が12時間目よ
り前に大部分のセルトラリンを放出してもよく(たとえば4時間目までにセルト
ラリンの80重量%)、したがって2〜4時間の期間について、2〜12時間の期間の
平均である毎時8重量%の平均放出速度よりはるかに高い放出速度をもつことが
できることを留意すべきである。
【0020】 本発明の第1態様においては、セルトラリン含有組成物はセルトラリンおよび
連行ポリマー(entraining polymer)を含有する。この製剤は高い薬物装填量
をもち、セルトラリンは少なくとも20mgAの量で存在し、セルトラリン含有組成
物の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは40
重量%以上を構成する。セルトラリンは医薬として許容できる塩の形で存在し、
この製剤は、該製剤を使用環境へ導入した後、セルトラリンを2時間目から12時
間目までに毎時約4.5〜10重量%の平均速度で使用環境へ放出し、最初の2時間
で約25重量%未満を放出し、かつ12時間目までに少なくとも70重量%を放出する
【0021】 本発明の第2態様においては、セルトラリン含有組成物は少なくとも500,000
の分子量を有するポリエチレンオキシド(PEO)、および流動化剤をも含む。こ
の製剤は本発明の第1態様と同じセルトラリン放出プロフィールをもつ。
【0022】 本発明の第3態様においては、水膨潤性組成物は浸透圧作用剤(osmotically
effective agent)を実質的に含有しない。セルトラリン含有組成物はセルトラ
リンおよびポリマー系同調化剤(polymeric entraining agent)を含有する。
この製剤は本発明の第1態様と同じセルトラリン放出プロフィールをもつ。
【0023】 本発明の第4態様においては、セルトラリン含有組成物はセルトラリンおよび
ポリマー系同調化剤を含有する。コーティングは、多孔質の親水性セルロース系
ポリマーコーティングである。この製剤は本発明の第1態様と同じセルトラリン
放出プロフィールをもつ。
【0024】 本発明の第5態様においては、製剤は長期間のセルトラリン放出プロフィール
をもつ。この製剤は本発明の前記第1態様と同様であるが、製剤を使用環境へ導
入した後、セルトラリンを2時間までに約25重量%未満、8時間までに少なくとも
約40重量%、そして8時間目から24時間目までに少なくとも約25重量%の量で使
用環境へ放出する。したがってこの製剤は、セルトラリンを2時間目から8時間目
までに毎時約3〜約13重量%の平均速度で使用環境へ放出する。セルロースの少
なくとも一部は、下部消化管における吸収の改善がみられる状態で送達される。
【0025】 本発明の第6態様においては、セルトラリンは非晶質分散体の形で存在する。 本発明の第7態様においては、セルトラリン含有組成物はセルトラリン、PEOお
よび結合剤を含有する。セルトラリン含有組成物は低級アルコールおよび水の混
合物を用いて湿式造粒される。
【0026】 本発明の第8態様においては、セルトラリン含有組成物はセルトラリン、連行
ポリマーおよび濃度増大ポリマーを含有する。この製剤は対照製剤が使用環境で
供給するセルトラリンの平衡濃度より少なくとも1.25倍高い最大濃度のセルト
ラリンを使用環境で供給し、使用環境でのセルトラリン濃度は対照製剤が供給す
る濃度が平衡濃度を超えるより長い時間その平衡濃度を超え、その際、対照製剤
は濃度増大ポリマーを含有せず、等量のセルトラリンを含むものである。この製
剤は、対照製剤と比較して少なくとも15分間、より好ましくは30分より長い期間
、平衡濃度より高いセルトラリン濃度を供給する。
【0027】 本発明の第9態様は、処置に感受性である患者において臨床上有効量のセルト
ラリンを投与することにより障害を処置する方法であって、本発明のセルトラリ
ン含有製剤を患者における使用環境へ導入することを含む。
【0028】 本発明の各態様は、下記の1以上の利点をもつ。本発明の製剤は、胃内への過
度のセルトラリン送達により生じる副作用の発生率および程度を低下させるある
速度および量でセルトラリンを放出する。さらに本発明の製剤は、溶存セルトラ
リン濃度を増大させることにより、この製剤が結腸に進入する前に全セルトラリ
ン投与量の大部分を送達するか、あるいは大腸または結腸からのセルトラリン吸
収を増大させる。また本発明の製剤は、制御放出に必要な他の材料の量を最小限
に抑えることにより錠剤のサイズおよび重量を最小限に抑えながら、比較的高い
投与量のセルトラリンを送達できる。本発明の製剤はまた、一般的製剤より多量
の薬物を目的とする使用環境へ送達でき、したがって残留薬物がより少ない。さ
らに本発明の製剤は、溶解度の低い疎水性薬物の一般的組成物と比較して高い薬
物装填が可能である。
【0029】 本発明によれば、セルトラリン送達の遅れを制御できる。たとえば結腸に進入
する前にセルトラリンをほぼ完全に放出したい場合、本発明の製剤は使用環境に
導入された直後にセルトラリンを使用環境へ放出し始める。これにより高い生物
学的利用能が達成され、なおかつ胃内へ放出されるセルトラリン量は消化器への
不都合な副作用が一般に避けられるのに十分なほど低く維持される。あるいは、
高いpHでの溶存セルトラリン濃度が改善されると、本発明の製剤は胃内へ放出さ
れるセルトラリン量が最小限に抑えられるようにセルトラリン放出を遅らせ、吸
収時間も延長し、より一定のセルトラリン血中濃度を達成することができる。
【0030】 さらに本発明は、セルトラリン制御放出製剤の貯蔵中にセルトラリンが分解す
るのを阻止または遅延させる。 以上および他の本発明の目的、特色および利点は、以下の本発明の詳細な記述
を添付の図面と合わせて考慮するとより容易に理解されるであろう。
【0031】 <発明の詳細な記述> 本発明は、原則として薬物拡散速度に依存しない機序で制御放出するように特
別に設計した制御放出製剤を提供する。以下に図面について述べる。図中の同じ
番号は同一要素を表す。図1は、セルトラリン含有組成物14および水膨潤性組成
物16からなるコア12をもつ製剤10を示す。薬物含有組成物および水膨潤性組成物
はコア12内で別個の領域を占める。”別個の領域”とは、これら2組成物が別個
の体積を占め、したがってこれら2つは実質的に互いに混合しないことを意味す
る。組成物が互いに接触している部位、たとえば2層の界面では、もちろん少量
の組成物の混和が起きてもよい。コーティング18はコア12を囲み、水透過性、水
膨潤性であり、1以上の送達口20がコーティングを貫通している。使用に際して
は、コア12はコーティング18を通して消化管など使用環境から水を取り込む。取
り込まれた水は水膨潤性組成物16を膨潤させ、これによりコア12内の圧力が上昇
する。取り込まれた水は、セルトラリン含有組成物の流動性も高める。コア12と
使用環境の圧力差が、流動化したセルトラリン含有組成物14の送達を誘発する。
コーティング18は無傷のままであるので、セルトラリン含有組成物14は送達口20
を通してコア12から使用環境へ押し出される。水膨潤性組成物16はセルトラリン
を含有しないので、ほぼすべてのセルトラリンが水膨潤性組成物の膨潤に伴って
送達口20を通して押し出され、残留薬物が残ることはほとんどない。
【0032】 本発明の製剤は、原則として薬物拡散によるのではなく原則として”押出し”
によりセルトラリンを製剤から使用環境へ送達する。本明細書中で用いる”押出
し”という用語は、コーティングを通して静水力により一部または全部の薬物を
排除または押し出すことを表すものとし、拡散機序または製剤塊の浸食による送
達と区別すべきである。セルトラリンは水溶液中の固体懸濁液の形で押出しによ
り送達される。あるいは溶解がコア12内で起きる限りセルトラリンは溶液状であ
ってもよい。水がコアに流入して、連行ポリマー内に連行されたセルトラリンが
コーティングにある1以上の送達口を通して押し出される結果として、環境へ放
出される。
【0033】 本明細書中で用いる”放出”とは、(1)摂取後、セルトラリンが製剤の内部
からそれの外部へ輸送されて、哺乳動物の消化(GI)管内の液体と接触すること
、または(2)セルトラリンが製剤の内部からそれの外部へ輸送されて、後記の
インビトロ試験による製剤評価のためのインビトロ試験媒質と接触することを意
味する。したがって”使用環境(use environment,environment of use)”
とは、インビボ消化管液またはインビトロ試験媒質であってよい。使用環境への
”導入”には、使用環境がインビボであれば摂取または嚥下によるもの、あるい
は使用環境がインビトロであれば試験媒質に装入することが含まれる。
【0034】 ≪放出特性≫ 本発明の重要な点は、副作用を最小限に抑え、かつ体内での吸収を最大限に高
めるために、セルトラリンを使用環境へ特定の量および時間で送達することであ
る。本発明の製剤は、下記の基準を満たすセルトラリン放出プロフィールを提供
する。
【0035】 第1に本発明の製剤は、胃内へ放出されるセルトラリン量を比較的少量にする
ことにより、胃内へ放出されたセルトラリンによる副作用を少なくする。同時に
、生物学的利用能を最大限に高めかつセルトラリンの血中濃度を目的範囲内に維
持するためには、一部のセルトラリンを胃内で放出させることがしばしば望まし
い。
【0036】 第2に本発明の製剤は、十分な量が吸収される状態でセルトラリンを放出する
。セルトラリンが消化管を結腸の方へ下降するのに伴ってpHが十二指腸での6〜6
.5付近の値から結腸での7.5以上の値へ次第に上昇するため、セルトラリンが
比較的溶解度の低い塩酸塩の比較的大きな結晶として放出される場合はセルトラ
リンの溶解度は定常的に低下するので、製剤が結腸の下部へ到達するまでに放出
は実質的に完了する;これは一般に摂取後6〜12時間で起きる。あるいは少なく
とも一部のセルトラリンは、結腸での溶存セルトラリン濃度を高めることにより
下部消化管での吸収が改善される状態で送達される。この溶存セルトラリン濃度
上昇は下記により達成される:(1)可溶化剤、たとえば有機酸の同時に送達に
より、セルトラリンの局所溶解度を高める;(2)たとえば粒子サイズの小さな
セルトラリン塩を送達することにより、溶解速度を高める;(3)溶解度の高い
塩形を使用する;(4)セルトラリンを非晶質固体分散体として送達する;(5)
濃度増大ポリマーの同時送達による;または(6)それらの組合わせ。
【0037】 第3に、セルトラリンを実質的に一定の速度で放出させる。 最後に、本発明の製剤は24時間後にその製剤に含まれる実質量のセルトラリン
を送達し、コア内に残留する薬物は比較的少量である。
【0038】 本発明の製剤は、2つの薬物プロフィールのうちの1つを提供する。 第1プロフィールにおいては、セルトラリンは2時間目から12時間目までに毎時
約4.5〜10重量%の平均速度で使用環境へ放出され、最初の2時間で約25重量%
未満のセルトラリンが放出され、かつ12時間目までに少なくとも70重量%、好ま
しくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましく
は少なくとも95重量%が放出される。したがって大部分のセルトラリンは結腸に
到達する前に放出され、かつ比較的少量だけが胃内へ放出される。高いセルトラ
リン投与量の副作用を最小限に抑えるために、場合によっては本発明の製剤は使
用環境へ導入された後、最初の2時間で15重量%未満のセルトラリンを放出する
ことが望ましい。
【0039】 1態様においては、第1放出プロフィールをもつ製剤がセルトラリンを比較的速
やかに使用環境へ放出し、したがってこの製剤はほとんどまたは全く遅れを示さ
ない。好ましくはこの製剤は、使用環境へ導入された後、最初の2時間以内に少
なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも1
5重量%のセルトラリンを放出する。使用環境がヒトの消化管であれば、セルト
ラリンの放出が速やかに開始することによりこの製剤はセルトラリンの吸収が最
も速やかな消化管部分にセルトラリンが存在する総時間が長く、その結果、吸収
が高まり、生物学的利用能が増大する。これはたとえば、セルトラリンを含有す
る即時放出コーティングを水透過性、水不溶性コーティング上に配置することに
より達成できる。
【0040】 1態様においては、第1放出プロフィールをもつ製剤が大部分のセルトラリンを
比較的速やかに使用環境へ放出する。好ましくは、このような製剤は最初の2時
間では20重量%未満のセルトラリンを放出するが、6時間目までに70重量%より
多量を放出する。そのような製剤は不都合な副作用の低下と高い生物学的利用能
という望ましい組合わせを提供すると考えられる。
【0041】 ”遅延放出プロフィール”と呼ばれる第2の放出プロフィールでは、セルトラ
リンの血中濃度を目的レベルに長期間維持するために、セルトラリンの送達は長
期間にわたって持続する。この遅延放出プロフィールでは、製剤は使用環境へ導
入された後、2時間までに約25重量%未満、8時間までに少なくとも約40重量%、
そして8時間目から24時間目までに少なくとも約25重量%を放出する。しかし、
セルトラリン溶解度が低くしたがって吸収速度が比較的低い結腸内で有意部分の
セルトラリンが放出されるので、下記の1以上の方法で溶存セルトラリンの濃度
を吸収改善に十分なほど一時的に改善する:(1)可溶化剤、たとえば有機酸を
送達する;(2)粒子サイズの小さなセルトラリン塩の使用により、溶解速度を
高める;(3)溶解度の高い塩形のセルトラリンを使用する;(4)セルトラリン
を含有する非晶質固体分散体の形でセルトラリンを送達する;(5)濃度増大ポ
リマーの同時送達による;または(6)それらの組合わせ。場合によりそのよう
な遅延放出プロフィールの製剤は、使用環境へ導入された後、最初の2時間で15
重量%未満のセルトラリンを放出することが好ましい。
【0042】 これら両方の放出プロフィールについて、製剤は24時間後には最初に錠剤コア
内に存在していたセルトラリンの実質部分を使用環境へ放出し、製剤中に残る残
留薬物が最少であることが重要である。第1放出プロフィールによる本発明の製
剤は、その製剤が使用環境へ導入された後12時間以内に、少なくとも80重量%、
好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%のセルトラ
リンを使用環境へ放出する。遅延放出プロフィールによる本発明の製剤は、その
製剤が使用環境へ導入された後24時間以内に、少なくとも80重量%、好ましくは
少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%のセルトラリンを使用
環境へ放出する。
【0043】 製剤が本発明の範囲に含まれる放出プロフィールをもつかを判定するには、イ
ンビトロ試験法を採用できる。2タイプのインビトロ試験法、すなわち残留試験
および直接試験を採用できるが、薬物放出を測定するための当技術分野で既知の
他の一般的試験法も採用できる。
【0044】 残留試験法では、胃液を模した緩衝液(10mM HCl、100mM NaCl、pH2.0、26
1mOsm/kg)900mLを入れたUSPタイプ2 ディゼッテ(dissoette)フラスコにま
ず製剤を2時間入れておき、次いで取り出し、脱イオン水ですすぎ、小腸内容物
を模した緩衝液(6mM KH2PO4、64mM KCl、35mM NaCl、pH7.2、210mOsm/kg
)900mLを入れた撹拌フラスコへ通す。両フラスコにおいて、錠剤を全表面が溶
液に曝露されるようにフラスコの底から離して維持するために金網支持体に入れ
、50rpmで回転する櫂を用いて溶液を撹拌する。一定の時間間隔で1個の錠剤を溶
液から取り出し、100mLの回収溶液(50/50 wt/wt エタノール/水、pH3)に
入れ、フラスコ内で周囲温度において一夜激しく撹拌し、錠剤中に残留する薬物
を撹拌溶解させる。溶存薬物を含有する回収溶液の試料をGelmanナイロンAcrodi
sc(登録商標)13(ポアサイズ0.45μm)により濾過し、HPLCバイアルに入れて
蓋をする。Phenomenex Ultracarb 5 ODS 20カラムを用いるHPLCにより残留
薬物を分析する。移動相はアセトニトリル中の35容量%TEA−アセテート緩衝液
(HPLC用H2O 1L中におけるトリエタノールアミン3.48mLおよび氷酢酸2.86mL
)からなる。230nmにおけるUV吸収を対照セルトラリンの吸収と比較することに
より、薬物濃度を計算する。錠剤中に残留する量をその錠剤中の最初の全薬物量
から差し引いて、各時間間隔で放出された量を求める。
【0045】 直接試験法では、製剤の試料を受容溶液900mLを入れたUSPタイプ2ディゼッテ
フラスコに入れる。受容溶液は、USP酢酸ナトリウム緩衝液(27mM酢酸および36m
M酢酸ナトリウム、pH4.5)または88mM NaClである。試料を一定間隔でVanKel
VK8000自動サンプリングディゼッテにより採取し、自動的に受容溶液を交換す
る。錠剤を前記のように金網支持体に入れ、櫂の高さを調整し、ディゼッテフラ
スコを37℃、50rpmで撹拌する。定期的に自動サンプラーで受容溶液試料を取り
出し、前記に概説したHPLCにより受容溶液のセルトラリン濃度を直接分析する。
薬物は通常は連行ポリマー中の懸濁液として製剤から押し出されるので、薬物が
放出される場合と薬物を試験媒質に溶解する(したがって直接試験法で測定され
る)場合との間にはしばしば遅れがある。この遅れは薬物の溶解度、試験媒質、
および薬物含有組成物の成分に依存するが、一般に30〜90分程度である。したが
って直接試験法の結果は実際に放出されるセルトラリン量を低く評価する傾向が
ある。
【0046】 あるいは、インビボ試験を用いて製剤が本発明の範囲内の放出プロフィールを
提供するかを判定できる。製剤をヒト、イヌまたは他の適切な哺乳動物の群に投
与し、下記により製剤放出および薬物吸収をモニターする:(1)定期的に血液
を採取し、薬物の血清または血漿濃度を測定する;あるいは(2)製剤が肛門か
ら排泄された後に製剤中に残る薬物(残留薬物)の量を測定する;あるいは(3
)(1)と(2)の両方。第2の方法では、被験対象の肛門から出た錠剤を回収し
、製剤中に残るセルトラリンの量を前記のインビトロ残留試験について述べたも
のと同じ方法で測定することにより残留薬物を測定する。最初の製剤中のセルト
ラリン量と残留セルトラリンの量の差が、口から肛門へ移動するまでに放出され
たセルトラリン量の尺度である。この試験法は1回のセルトラリン放出時点しか
提供しないので有用性が限られるが、インビトロ放出とインビボ放出の相関性を
証明するのには有用である。
【0047】 あるインビボ法では、横座標(x軸)に沿った採血時間に対して、血清または
血漿薬物濃度を縦座標(y軸)に沿ってプロットする。次いで一般的な分析法、
たとえばWagner−NelsonまたはLoo−Riegelman分析法によりデータを分析してセ
ルトラリン放出速度を決定する。Welling,”薬物反応速度:方法および数学”
,ACS Monograph 185,Amer.Chem.Soc.(1986)も参照。製剤から放出され
るセルトラリンの多くは、pHが高くセルトラリンの溶解度が低い下部消化管内で
は溶解しない状態のままであるから、そのような方法は特に遅い時点でのセルト
ラリンの放出量を低く評価する傾向がある点を留意すべきである。したがって、
ある製剤の放出プロフィールが本発明の範囲内にあるかを判定するには前記のイ
ンビトロ試験の方が好ましい。
【0048】 しかしセルトラリンの遅延放出プロフィールをもつ製剤の場合、下部消化管で
の吸収が改善される状態で少なくともセルトラリンの一部が送達されることを証
明するには、インビボ試験が望ましい。
【0049】 交差試験などのインビボ試験を用いて、ある製剤が下部消化管における吸収を
改善するかを判定できる。インビボ交差試験では、インビトロ試験で遅延放出プ
ロフィールを示す”被験製剤”を12人以上の群の半分に投与し、適切な洗出し期
間(たとえば1週間)後、同一被験者に”被験製剤”類似のインビトロセルトラ
リン放出プロフィールを示す”対照製剤”を12人以上の群の半分に投与する。対
照製剤中のセルトラリン含有組成物は標準的な10μmの平均粒子サイズの結晶塩
酸セルトラリンを含み、有機酸などの可溶化剤は対照製剤中に実質的に存在しな
い。この群の他方の半分にはまず対照製剤を投与し、次いで被験製剤を投与する
。各群について測定した曲線(AUC)の下側の面積として、生物学的利用能を測
定する。AUCのインビボ測定は、横座標(x軸)に沿った採血時間に対して、薬物
の血清または血漿濃度を縦座標(y軸)に沿ってプロットする。被験組成物を投
与した集団についてのAUCを測定し、対照を投与した同一集団についてのAUCと比
較することにより、被験組成物を評価できる。好ましくは、被験/対照AUC比を
各被験者について決定し、次いでその試験の被験者全員の比を平均する。AUCの
測定は周知の方法であり、たとえば前記と同じWelling,ACS Monographに記載
されている。製剤摂取後、約5時間目から約24時間目までのAUCが対照製剤につい
てのAUC値の少なくとも1.2倍であれば、被験製剤は消化管での吸収を改善する
と考えられる。
【0050】 ≪セルトラリン含有組成物≫ 図1について、製剤10のセルトラリン含有組成物14は少なくともセルトラリン
を含有し、かつ少なくとも連行用の水膨潤性ポリマーおよび好ましくはさらに賦
形剤を含有する。本発明の1態様において、セルトラリンは医薬として許容でき
る結晶性塩の形で用いられ、無水形または水和形であってよい。便宜上かつ統一
のため、療法量または放出速度に関して”セルトラリン”という場合、活性セル
トラリン(”mgA”と略す)、すなわち分子量306.2g/molの非塩形、非水和形
の遊離塩基である。mgAによる量は、前記のように任意のいかなる塩形について
の当量にも簡単に換算できる。好ましくは、本発明の製剤は少なくとも20mgAの
セルトラリンを含有する。目的投与量は比較的高くてもよいので、セルトラリン
含有組成物は200mgAという多量のセルトラリンを含有してもよい。一般にセルト
ラリンはセルトラリン含有組成物の少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも
30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%を構成する。
【0051】 好ましい1態様において、セルトラリンは結晶性薬物塩として存在する。プロ
トン化塩形と比較して、中性または遊離塩基形のセルトラリンの方がより反応性
であり、特に酸化を受けやすいことが見出された。薬物をできるだけ完全にその
プロトン化形に保持するために、純粋な薬物の形で使用する場合は薬物を非結晶
性すなわち非晶質状態ではなく結晶性状態に保持するのが好ましいことが見出さ
れた。医薬として許容できる各種セルトラリン塩のうち、塩酸塩が最も安定であ
ることも見出された。しかし、他の賦形剤の選択および加工条件の選択に注意を
払えば、他の塩形も使用できる。
【0052】 ある塩形セルトラリンは1種類より多い結晶構造(多形として知られる)を形
成する可能性がある。たとえばUSP5,248,699参照;その関連する開示内容を本
明細書に援用する。異なる多形が異なる水溶解度をもち、したがって異なる生物
学的利用能を示す可能性があることが見出された。異なる多形が異なる最適湿度
および貯蔵条件をもつ可能性もある。一貫した投与量を維持するために、製剤は
単一多形を含み、したがって製剤毎の生物学的利用能が本質的に一定であること
が好ましい。単一多形が望ましいが、実際にはしばしば他の多形が少量存在する
。したがって、少なくとも95重量%のセルトラリンが単一多形として存在するこ
とが好ましい。最大の化学的安定性を得るためには、結晶性のセルトラリン塩酸
塩が好ましいことが見出された。しかし場合により、高い生物学的利用能を得る
ためにセルトラリンの溶解度および吸収(特に結腸における)を改善するには、
溶解度がより高い結晶性塩形が好ましいこともある。許容できる他の塩形には、
乳酸セルトラリン、酢酸セルトラリンおよびアスパラギン酸セルトラリンが含ま
れる。
【0053】 別態様において、セルトラリンは非晶質固体分散体の形である。これはセルト
ラリンの主部分が実質的に非晶質すなわち非結晶性の状態でポリマー中に分散し
ていることを意味する。その非結晶性はX線回折分析または示差走査熱量測定に
より証明される。分散体は約5〜90重量%、好ましくは20〜70重量%、最も好ま
しくは25〜55重量%のセルトラリンを含有しうる。ポリマーは水溶性かつ不活性
であり、好ましくは濃度増大性である。適切なポリマーおよび固体非晶質分散体
の調製方法は、それぞれ同一出願人による米国特許出願09/495,059および09/
495,061(共に2000年1月31日出願)に記載されており、それらの関連する開示
内容を本明細書に援用する。分散体の調製に用いる濃度増大ポリマーは、イオン
化性および非イオン化性セルロース、ならびにヒドロキシ、アルキルアシルオキ
シおよび環状アミドよりなる群から選択される置換基を有するビニル系のポリマ
ーおよびコポリマーよりなる群から選択される。良好な安定性の維持のためにセ
ルトラリンをプロトン化形に保持する必要性があるので、好ましいポリマーは酸
性のものである。
【0054】 特に、プロトン化形のカルボン酸官能基をもつポリマーが好ましい。具体的な
好ましいポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC
AS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸フタル酸
セルロース(CAP)および酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)である。さらに、
セルトラリンの化学的環境を高酸性に維持するために、酸性賦形剤、たとえばク
エン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、リン酸または塩酸をセルトラリンの非晶
質固体分散体に含有させることが好ましい。
【0055】 セルトラリンは結晶形で存在する場合は最高50μmの平均粒子サイズで存在し
うる。好ましくはジェットミルその他、当技術分野で既知の装置を用いて、より
小さい約5μm未満程度の平均粒子サイズをもつようにセルトラリンを微細化する
。さらに、セルトラリンの粒子サイズを低下させ、特にセルトラリン粒子の凝集
を防ぐために、当技術分野で既知の界面活性剤、ポリマーまたは他の物質を粉砕
過程で添加してもよい。そのような小さい平均粒子サイズは、溶解速度を改善す
ることによりセルトラリンの生物学的利用能を高めると思われる。これは、実質
量の薬物(一般に20〜50重量%)が摂取後5時間以上で放出される放出プロフィ
ールを採用する場合、結腸での薬物吸収を増大させるのに特に有用である。その
ような小さいセルトラリン結晶がより大きい顆粒の一部であってもよく、これに
より顆粒が溶解すると結晶が放出される。
【0056】 好ましい態様において、セルトラリンは溶解度の高い塩形で存在する。本明細
書中で用いる”溶解度の高い塩形”のセルトラリンは、塩酸セルトラリンと比較
して改善された水溶解度を示す。これらの塩形は塩酸塩形と比較して高いセルト
ラリンの水溶解度をもつので、そのような塩形は改善されたインビトロ溶解度を
もつと思われ、改善されたインビボ溶解度も示すと予想される。消化管の高いpH
および高い塩酸含量のためそのようなセルトラリン塩はインビボで遊離塩基また
は塩酸塩形のセルトラリンに変換される可能性があるが、溶解度の高い塩類の使
用は少なくとも一時的にはある程度高い平均薬物濃度を維持し、したがって塩酸
セルトラリンと比較して改善された生物学的利用能を示すはずである。溶解度の
高い塩形のセルトラリンには、酢酸塩、乳酸塩およびアスパラギン酸塩が含まれ
る。
【0057】 セルトラリン含有組成物は、本明細書に述べる要件をすべて満たす製剤を得る
のに必要な他の各種賦形剤を含有しなければならない。特にセルトラリンは大部
分の薬物に比較して溶解度が低く、疎水性が高く、かつ反応性が高いので、それ
らの賦形剤のタイプおよび量を慎重に選択しなければならない。
【0058】 セルトラリン含有組成物は水膨潤性ポリマーの形の同調化剤を含有しなければ
ならない。そのような水膨潤性ポリマーは、医薬の分野でしばしば”浸透圧ポリ
マー(osmopolymer)”または”ヒドロゲル”と呼ばれる。同調化剤は薬物を懸
濁または連行し、これにより送達口20を通して薬物を使用環境へ送達するのを補
助する。いずれか特定の理論により拘束されたくはないが、水が製剤内へ取り込
まれると同調化剤が薬物を懸濁または連行するのに十分な粘度をもち、同時に同
調化剤が薬物と共に送達口20を通過しうるのに十分なほどの流動性を維持すると
考えられる。セルトラリン含有組成物中に存在する同調化剤の量は、セルトラリ
ン含有組成物の約20〜約80重量%であってよい。同調化剤は単一物質であっても
よく、物質の混合物であってもよい。非架橋PEOを同調化剤として使用できる。
他の適切な同調化剤にはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチル
セルロース(HEC)およびポリビニルピロリドン(PVP)、ならびにこれらのポリ
マーとPEOの混合物が含まれる。
【0059】 PEOの分子量の選択は、一部はPEOがセルトラリン含有組成物の非セルトラリン
部分の大部分を構成するか、あるいは有意量の他の低分子量水溶性賦形剤が含有
されるかに依存する;すなわちPEO分子量の選択はセルトラリン含有組成物のPEO
の割合に依存する。これは、使用環境へ送達された際にセルトラリン含有組成物
が急速に水を取り込んで、使用環境へ送達されるのに十分なほど流動性になるた
めに重要である。セルトラリン含有組成物が急速に流動性にならなければ、製剤
は膨潤してコアを囲むコーティングを破壊し、製剤を破損させる可能性がある。
セルトラリンについては、低透過性コーティングと比較してしばしば薄くかつ弱
い高透過性コーティングが必要なので、これは特に問題である。セルトラリンは
水溶性が低く、かつ疎水性であるので、水が製剤内へ取り込まれた際に結晶の形
を維持する傾向がある。したがって、コーティング18が破裂する前に、セルトラ
リン含有組成物中に残留する物質はセルトラリン含有組成物が口20から排出でき
るのに十分なほど流動性にならなければならない。セルトラリン含有組成物の賦
形剤が主にPEOである場合(たとえばPEOがセルトラリン含有組成物のセルトラリ
ン以外の成分の約60重量%以上を構成する)、PEOは約100,000〜300,000ダル
トンの平均分子量をもつことが一般に好ましい(本明細書および特許請求の範囲
で用いるポリマー分子量についての記載は、平均分子量を意味すると解すべきで
ある)。一般に、セルトラリン含有層を構成する顆粒の粒子サイズが小さい場合
(一般に約300μm未満)、約200,000ダルトンのPEO分子量で卓越した結果が得
られる。しかし有意部分の顆粒が約425μmの直径を超える場合、より高い分子量
、好ましくは300,000が好ましいことが見出された;この分子量のPEOは、セル
トラリン含有組成物を口20から排出させて使用環境へ放出するのに十分なほど流
動性であるが、セルトラリンを連行するのに十分な粘度をもつ。
【0060】 あるいは本発明の他の態様は、より高い約500,000〜800,000ダルトンの分子
量のPEOをより低い非セルトラリン賦形剤画分で用い、PEOの一部を流動化剤で交
換する。通常、PEOがセルトラリン含有組成物の非セルトラリン成分の約60重量
%以上を構成する場合、分子量500,000ダルトン以上のPEOではセルトラリン含
有層の粘度が高くなりすぎてコーティングが破裂し、あるいは少なくともセルト
ラリンの放出が遅れる可能性がある。しかし、セルトラリン含有組成物の非セル
トラリン成分が約60重量%未満のPEOを含有し、かつ流動化剤も含有する場合、
そのような高分子量PEOが好ましいことが見出された。高分子量PEOを用いる場合
、セルトラリン含有組成物中に存在する流動化剤の量はセルトラリン含有組成物
の約5〜約50重量%、好ましくは10〜30重量%であってよい。好ましい流動化剤
は低分子量の水溶性溶質、たとえば水溶解度30mg/mL以上の非還元性糖および有
機酸である。セルトラリンは反応性が高く、果糖またはブドウ糖など還元性糖と
の反応により分解することが見出されたので、流動化剤が糖である場合、糖は非
還元性でなければならない。したがってそのような分解を防ぐために非還元性糖
を選択すべきである。適切な非還元性糖にはキシリトール、マンニトール、ソル
ビトールおよびマルチトールが含まれる。流動化剤として有用な塩類の例には、
塩化ナトリウム、乳酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムが含まれるが、非塩素塩
が好ましい。流動化剤として有用な有機酸の例には、アジピン酸、クエン酸、リ
ンゴ酸、コハク酸および酒石酸が含まれる。
【0061】 比較的低い濃度の高分子量PEO(たとえば約500,000〜800,000ダルトン)と
共に流動化剤が存在すると、セルトラリン含有組成物は使用環境で水を取り込ん
だ際に急速に低粘度になる。意外にも高分子量PEOと流動化剤というこの組合わ
せは多数の利点をもつ:(1)セルトラリンの送達が速やかに開始する、すなわ
ち遅れが短い;(2)錠剤内の圧力の蓄積が少ないので、より薄く、より透過性
のコーティングを、信頼性をもって使用できる;および(3)非還元性糖およびP
EOを含有させることにより、改善された錠剤加工適性および流動性をもつセルト
ラリン含有層が得られる。そのような組成物は特に、後記で述べる問題”クラウ
ニング(crowning)”が少ない傾向にある。さらに、そのような態様は比較的高
い量のセルトラリンを使用環境へ送達できることが見出された。たとえばそのよ
うな製剤についてセルトラリン塩が錠剤コアの約28重量%を構成しても、約88重
量%を超えるセルトラリンを12時間以内に送達できることが示された。
【0062】 より均一な粒子サイズ範囲を得るためにPEOをふるい分けしてもよい。一般に
粒子サイズ分布が狭いほど材料の流動性は向上するであろう。流動性が良好なほ
ど高い生産速度および高い製造収率が得られるので、大量の錠剤を製造する際に
はこれが重要である。
【0063】 セルトラリン含有組成物は他の水膨潤性ポリマーをも含有してもよい。たとえ
ばセルトラリン含有組成物は、水の存在下で著しく膨張する水膨潤性ポリマーを
比較的少量含有してもよい。そのような水膨潤性ポリマーには、EXPLOTABの商品
名で市販されているグリコール酸デンプンナトリウム、AC−DI−SOLの商品名で
市販されているクロスカルメロースナトリウムが含まれる。そのようなポリマー
はセルトラリン含有組成物の0〜10重量%の量で存在しうる。
【0064】 セルトラリン含有組成物は、しばしば”浸透圧発生剤(osmogen,osmagent)
”と呼ばれる浸透圧作用性溶質を所望により含有してもよい。薬物含有組成物中
に存在する浸透圧発生剤の量は、セルトラリン含有組成物の約0〜約50重量%、
好ましくは10〜30重量%であってよい。代表的な一群の適切な浸透圧発生剤は、
水を取り込むことにより周囲のコーティングのバリヤーを隔てて浸透圧勾配を形
成する水溶性塩類、糖類、有機酸、および他の低分子量有機化合物である。代表
的な有用な塩類には、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリ
ウム、硫酸リチウム、塩化カリウムおよび硫酸ナトリウムが含まれる。一般には
塩素塩、たとえば塩化ナトリウムを浸透圧発生剤として用いるが、塩素はセルト
ラリンの溶解度を低下させるので、塩素塩の使用を避けることが好ましい。前記
のようにセルトラリンは反応性であるため、適切な糖類の選択に制限がある。
【0065】 セルトラリン含有組成物14はさらに、薬物の水溶性を高める溶解度増大剤また
は可溶化剤を含有してもよく、これらはセルトラリン含有組成物の約0〜約30重
量%の量で存在する。セルトラリンに有用な可溶化剤には、有機酸および有機酸
塩、部分グリセリド、すなわちグリセリンの不完全エステル化誘導体、たとえば
グリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド、グリセリド誘導体、ポリエチレン
グリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステル、多価アルコールエス
テル、ポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン
ソルビタンエステルおよび炭酸塩が含まれる。そのような可溶化剤は同一出願人
による出願中の米国特許出願09/380,897にさらに十分に記載されており、その
開示内容を本明細書に援用する。
【0066】 好ましい一群の可溶化剤は有機酸である。セルトラリンはプロトン化により可
溶化される塩基であり、pH5以上の水性環境ではその溶解度が低下し、pH7.5付
近(結腸におけるように)ではきわめて低い値になるので、セルトラリンを使用
環境へ送達するための製剤に有機酸を添加すると可溶化が助成され、したがって
セルトラリンの吸収が助成されると考えられる。高いpHでは水溶液のpHがわずか
に低下してもセルトラリンの溶解度は著しく増大する。有機酸およびそれらの共
役塩基が存在すると、単にpHが低下するほか、この共役塩基とセルトラリンの塩
が塩化セルトラリンより高い溶解度をもつ場合はそのpHでの溶解度も増大する。
有機酸はセルトラリンをプロトン化状態に維持する傾向をもつので、使用環境へ
導入する前の貯蔵中の安定性も増大させる。
【0067】 二層製剤においてセルトラリンの可溶化剤として用いるのに適した有機酸を選
択する際に考慮すべき要素は多数ある。酸はセルトラリンと不都合に相互作用す
べきでなく、高い水溶解度をもつべきであり、錠剤製造を補助する良好な加工適
性をもつべきであり、塩化セルトラリンと比較して高い溶解度をもつセルトラリ
ン塩を形成すべきである。さらに、使用環境のpHを低下させるために、酸はグラ
ム当たり高い酸当量数をもつことが望ましい。これは、各賦形剤の嵩を最小に維
持しなければならない本発明の製剤に特に重要である。
【0068】 したがって、そのような基準を満たす好ましい一群の有機酸にはクエン酸、コ
ハク酸、フマル酸、アジピン酸、リンゴ酸および酒石酸が含まれることが見出さ
れた。下記の表にこれらの有機酸の特性を示す。グラム当たり高い当量比が望ま
しい場合、これらのうちフマル酸およびコハク酸が特に好ましい。さらに、クエ
ン酸、リンゴ酸および酒石酸はきわめて高い水溶解度および高い浸透圧という利
点をもつ。コハク酸は適切な溶解度およびグラム当たり高い酸当量を兼ね備えて
いる。
【0069】 したがって溶解度の高い有機酸を可溶化剤として使用すると多数の目的が達成
される:特に使用環境が約5〜6より高いpHである場合、セルトラリンの溶解度を
改善する;浸透圧差をもたらす;セルトラリン含有組成物をより親水性にするの
で、組成物が容易に湿潤する;および流動化剤として作用し、セルトラリン含有
組成物の粘度を速やかに低下させる。この単一成分で多数の機能を達成できるの
で、セルトラリン含有組成物内にセルトラリンのための空間がさらに得られる。
【0070】
【表1】
【0071】 好ましい態様においては、セルトラリンが溶解度の高い塩形として存在する場
合、あるいはセルトラリン含有組成物中に可溶化剤が含有される場合、セルトラ
リン含有組成物は濃度増大ポリマーをも含有してもよい。本発明者らは、溶液中
において高溶解度塩または可溶化剤使用により得られる最初の高いセルトラリン
濃度は、濃度増大ポリマーを用いて沈殿を遅延させるかあるいはセルトラリンを
溶解度の低い形に変えることにより維持できることを見出した。この作用は濃度
増大ポリマーと薬物を混合するだけで得られる。この濃度増大ポリマーは、使用
環境でのセルトラリンの最大濃度が対照製剤(濃度増大ポリマーを含有せずかつ
当量のセルトラリンを含有する)が使用環境で供給するセルトラリンの平衡濃度
より少なくとも1.25倍高くなる量で、セルトラリン含有組成物中に存在できる
。たとえば、対照が1mg/mLの平衡濃度を与える場合、濃度増大ポリマーを含有
する製剤は少なくとも1.25mg/mLの最大濃度をもつ。さらに濃度増大ポリマー
は、当量のセルトラリンを含むが濃度増大ポリマーを含有しない対照製剤より長
い期間、使用環境でのセルトラリン濃度を平衡濃度より高く維持する。大部分の
場合、セルトラリンと濃度増大ポリマーの重量比は0.05より大きく、2.5未満
であることが好ましい。この態様においてセルトラリンの送達および溶解を最大
にするためには、溶解度の高いセルトラリン塩形および濃度増大ポリマーの両方
とも、小さい粒子サイズ、好ましくは20μm未満、より好ましくは5μm未満の粒
子サイズをもつことが望ましい。
【0072】 濃度増大ポリマーは、セルトラリンと不都合な化学反応をせず、生理的関連pH
1〜8の水溶液中で少なくともある程度の溶解度をもつべきである。pH1〜8の少な
くとも一部で少なくとも0.1mg/mLの水溶解度をもつ中性またはイオン化性のポ
リマーは、ほとんどすべて適する。適切な濃度増大ポリマーには下記のものが含
まれる:イオン化性および非イオン化性セルロース系ポリマー、たとえばセルロ
ースエステル、セルロースエーテル、およびセルロースエステル/エーテル;な
らびにヒドロキシ、アルキルアシルオキシおよび環状アミドよりなる群から選択
される置換基を有するビニル系のポリマーおよびコポリマー、たとえばポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニル
のコポリマー。特に好ましいポリマーには、HPMCAS、HPMC、HPMCP、CAP、CATお
よびPVPが含まれる。濃度増大ポリマーについては同一出願人による出願中の米
国仮特許出願60,171,84、表題”薬物濃度を増大させる医薬組成物”(1999年1
2月23日出願)に記載されており、その関連部分を本明細書に援用する。
【0073】 セルトラリン含有組成物は、セルトラリン含有組成物の0〜1重量%の量の酸化
防止剤を含有してもよい。意外にも、セルトラリンはPEOの存在下で反応して経
時的に分解することが見出された。PEOの酸化を起こす機序が判明した。PEOが酸
化されるのに伴ってペルオキシドが形成され、これがセルトラリンと反応する。
事実、Union Carbide社が製造するものなど多数のPEO製品が、安定性を改善す
るために酸化防止剤を含有する。しかしこれらの製品に含有される酸化防止剤は
しばしば揮発性であり、製剤の製造中に除去または失活するので、ペルオキシド
が依然として許容できないレベルで蓄積する。したがって、PEOの酸化を防ぐた
めに、PEO中に存在すると思われるもののほかに酸化防止剤をセルトラリン含有
組成物に含有させることが好ましい。これにより、セルトラリンとのペルオキシ
ドの反応を最小限に抑えることによってセルトラリンの化学分解が防止される。
適切な酸化防止剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロ
キシアニソール(BHA)、ビタミンEおよびパルミチン酸アスコルビルが含まれる
。ある配合物ではBHTなどの酸化防止剤により製剤が脱色される可能性があるこ
とを留意されたい。これらの場合、脱色を防ぐために酸化防止剤の使用量を少な
くする。
【0074】 最後に、セルトラリン含有組成物は医薬の分野で知られている他の一般的な賦
形剤、たとえば安定性、錠剤製造または製剤加工を向上させるものを含有しても
よい。そのような賦形剤には、充填剤、結合剤、錠剤製造助剤および離型剤が含
まれる。結合剤の例には、HPC、HPMC、MC、HECおよびPVPが含まれる。錠剤製造
助剤の例には、微結晶性セルロースが含まれる。離型剤の例には、酸の金属塩、
たとえばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸亜鉛が含まれる。
【0075】 各種賦形剤の量は、セルトラリンが製剤から十分に放出しうるように必要に応
じて選択される。セルトラリンはセルトラリン含有組成物の約20〜約80重量%を
構成できるが、好ましくは約30〜約70重量%、最も好ましくは約40〜約60重量%
を構成する。セルトラリンの用量が高い場合は特に、小型の製剤が望ましいので
、セルトラリンの量が多いほど好ましい。しかしセルトラリンが約55重量%を超
えると製剤の薬物放出プロフィールが場合によっては最適とならない。水膨潤性
ポリマー(1以上)がセルトラリン含有組成物のほぼ残りを占め、セルトラリン
含有組成物層のセルトラリン以外の材料の約25〜約99重量%を構成することがで
きる。しかし他の水溶性成分、たとえば流動化剤、可溶化剤および/または濃度
増大ポリマーが存在する場合、水膨潤性ポリマー(1以上)はセルトラリン含有
組成物層のセルトラリン以外の材料の約25〜約99重量%を構成するにすぎない。
各種賦形剤の量は前記に述べたとおりである。
【0076】 セルトラリン、水膨潤性ポリマーおよび他の賦形剤を混和して均質な混合物を
調製する。成分を直接に、すなわち予め造粒せずにブレンドすると、流動性が低
く均質性の低い混合物が得られることが見出された。このような特性は錠剤の大
量生産を困難にする。したがって薬物層材料の少なくとも一部を造粒することが
好ましい。さらに、ローラー圧縮による乾式造粒後に微粉砕すると、流動性およ
び圧縮性の低い製品が得られることが分かった。したがって圧縮前にセルトラリ
ン含有組成物の少なくとも一部を調製するためには、湿式造粒を用いることが好
ましい。そのような造粒プロセスで、好ましくはHPC、HPMC、MC、HECまたはPVP
などの結合剤を含有させる。
【0077】 湿式造粒に関連して用いる溶剤は慎重に選択すべきである。中性セルトラリン
(たとえば遊離塩基形セルトラリン)または非晶質セルトラリンはきわめて反応
性であるので、セルトラリンを結晶性塩形に維持することが望ましい。したがっ
て、セルトラリンが溶解し、次いで反応形セルトラリンとして沈殿するのを防止
するために、セルトラリンの溶解を最小限に抑える溶剤を選択しなければならな
い。造粒中にセルトラリンの結晶形を維持するもうひとつの理由は、複数の多形
形成を阻止するためである。それにもかかわらず、溶剤は他の賦形剤、特に結合
剤(たとえばHPCまたはHPMC)の少なくとも一部を溶解または少なくとも膨潤さ
せることができなければならない。湿式造粒のための好ましい選択溶剤は、水、
またはアルコール類と水の混合物であることが見出された。低級アルコールは、
C1〜C4アルコール、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、またはブタノールの各種異性体である。好ましくは、溶剤はイソプロ
パノールと水の混合物である。イソプロパノール85重量%と水15重量%の混合物
を用いることにより、特に良好な結果が得られる。
【0078】 湿式造粒に続いて、好ましくは湿式微粉砕を行い、塊や凝集顆粒を除く。次い
で造粒した粒子を好ましくはオーブン乾燥し(たとえば棚型乾燥機)、乾式微細
粉砕する。あるいは造粒した粒子を流動床または電子乾燥機で乾燥させる。造粒
した材料を、一般に98%の材料が850μmサイズのふるいを通過するように微粉砕
する。前記のように、得られた顆粒のサイズがセルトラリン含有組成物に使用す
るPEOの好ましい分子量を支配する。一般に小さい顆粒ほど連行されやすく、分
子量200,000のPEOが良好な性能を示す。このような顆粒サイズ要件は、セルト
ラリンの水溶性が低く、疎水性であり、かつセルトラリンの流動性および圧縮性
が低いため必要となる。顆粒が小さいほど内容物の均質性も改善され、分離しな
い組成物が得られる。場合により、特にPEOを造粒後のセルトラリンに添加する
場合、および微粉砕後に有意割合のセルトラリン含有顆粒が425μmを超える場合
、分子量約300,000ダルトン以上のPEOを用いるのが望ましいことが見出された
【0079】 満足すべき錠剤製造を達成するには、セルトラリン含有組成物を微粉砕して圧
縮性および流動性を向上させる必要がある。一般に顆粒のサイズが大きいほど流
動性は向上し、錠剤の硬さは一般に顆粒サイズが小さいほど向上する。前記賦形
剤と組み合わせたセルトラリンについて、約150〜約450μmの顆粒サイズがこれ
らの特性において最良の妥協点を与えることが見出された。
【0080】 ≪水膨潤性組成物≫ 再び図1について、この製剤はさらに水膨潤性組成物16を含む。水膨潤性組成
物16は、水膨潤性ポリマーを含む。これは、コア12内への水の取込みに応答して
拡張することによりセルトラリン含有組成物を口20(1以上)から押し出す。適
切な水膨潤性ポリマーは分子量3,000,000〜8,000,000ダルトンのPEOである
。他の水膨潤性ポリマー、たとえばグリコール酸デンプンナトリウムおよびクロ
スカルメロースナトリウム、ならびにこれらのそれぞれとPEOの混合物も使用で
きる。
【0081】 製剤内の他の賦形剤に対するセルトラリン量を最大限にしたいので、セルトラ
リン含有組成物の量に対する水膨潤性組成物の量は少なくすべきである。このた
めには、水膨潤性組成物中の水膨潤性ポリマーは少量しか存在しなくても十分に
膨潤できなければならない。したがって好ましい一群の水膨潤性ポリマーには、
EXPLOTABの商品名で市販されているグリコール酸デンプンナトリウム、AC−DI−
SOLの商品名で市販されているクロスカルメロースナトリウムが含まれる。これ
らの水膨潤性ポリマーを単独で、またはPEOとの混合物として使用できる。利点
の1つは、それらが浸透圧発生剤の不存在下でも高い膨潤性をもち、水膨潤性組
成物の嵩を低下させうることである。
【0082】 水膨潤性ポリマーがPEOのみである場合、水膨潤性組成物は浸透圧発生剤を含
有してもよい。浸透圧発生剤は水膨潤性組成物の0〜40重量%の量で存在できる
。代表的な一群の適切な浸透圧発生剤は、水を取り込むことにより周囲のコーテ
ィングのバリヤーを隔てて浸透圧勾配を形成する水溶性塩類、糖類、有機酸、お
よび他の低分子量有機化合物である。代表的な有用な塩類には、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸
カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウムお
よび硫酸ナトリウムが含まれる。一般には塩素塩、たとえば塩化ナトリウムを浸
透圧発生剤として用いるが、塩素はセルトラリンの溶解度を低下させるので、塩
素塩の使用を避けることが好ましい。セルトラリン含有組成物について前記に述
べたようにセルトラリンは反応性であるため、適切な糖類の選択に制限がある。
【0083】 好ましい1態様において、水膨潤性組成物は浸透圧作用剤を実質的に含有しな
い。これは、不十分な量の浸透圧発生剤が存在するか、あるいは存在する浸透圧
発生剤はいずれも溶解度が不十分であるため、水膨潤性層の浸透圧が使用環境の
浸透圧を超える(浸透圧により駆動される送達機序に必要な条件)ことがないこ
とを意味する。浸透圧とは、ファントホッフの方程式を用いて熱力学的原理によ
り計算した圧力を意味する。水膨潤性組成物中に浸透圧発生剤が存在しない状態
で製剤が十分なセルトラリンを放出するためには、また水膨潤性ポリマーがPEO
のみである場合、製剤は後記のような水透過性の高いコーティングをもつべきで
ある。特に水膨潤性組成物が浸透圧作用剤を実質的に含有しない場合、水膨潤性
組成物は好ましくは実質量の、一般に少なくとも10重量%、好ましくは少なくと
も50重量%の高膨潤性ポリマー、たとえばグリコール酸デンプンナトリウムまた
はクロスカルメロースナトリウムを含有すべきである。
【0084】 当業者は良好な性能を達成するには浸透圧発生剤が膨潤層に含有されなければ
ならないと考えるので、二層製剤を用いて水膨潤性組成物中に浸透圧発生剤を含
有させずに比較的速やかにセルトラリンを放出しうることは、意外な結果である
。これにより幾つかの利点が得られる。利点の1つは、他の場合は浸透圧発生剤
が占める空間および重量をセルトラリンに向けることができ、したがって製剤内
のセルトラリン量が増加することである。あるいは、製剤の全体的サイズを縮小
できる。さらに、浸透圧発生剤を排除することによって水膨潤性組成物に浸透圧
発生剤を含有させる工程を省くことができるので、より簡単に製造できる。
【0085】 水膨潤性組成物は、セルトラリン含有層に関して前記に述べた可溶化剤を所望
により含有してもよい。可溶化剤は水膨潤性組成物の0〜40重量%の量で存在で
きる。好ましい態様において、可溶化剤は水中での溶解度が高い有機酸である。
一例には、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸および酒石酸が含まれる。より好まし
い態様において、製剤は少なくとも一部の有機酸を製剤摂取後5時間で送達する
。これは、ほぼ消化管の下部に到達する時間に等しい。好ましくは、製剤を使用
環境へ導入した後8〜24時間で、製剤は少なくとも5重量%、好ましくは少なくと
も20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%の可溶化剤を使用環境へ送達す
る。有機酸をセルトラリン含有組成物中にではなく、水膨潤性組成物中に含有さ
せると、使用環境への有機酸の送達が遅れる。有機酸を両方の層に含有させても
よい。そのような有機酸の遅延放出は消化管液中において錠剤付近の有機酸濃度
を上昇させる傾向をもち、これがセルトラリン濃度を上昇させることができる。
これは、実質量のセルトラリンを結腸へ送達したい場合に特に重要である。
【0086】 本発明の製剤に用いる酸のタイプおよび量に対する他の制限は、酸による消化
管の損傷または刺激を阻止するという要望である。その製剤が消化管を刺激する
可能性があるかについてのインビトロ試験では、製剤を非緩衝生理食塩液中に置
いた際に連行された薬物および酸が送達口から押し出されたもの(plume)のpH
を測定する。pHはpH試験紙またはpH計で測定できる。薬物送達期間中の幾つかの
時点でpHを測定する。刺激を誘発しないpHは、酸の送達速度および酸の溶解度に
依存する。この製剤が消化管を刺激しないことを保証するためには、押出し物の
pHは常に約3.0より高くなければならず、約3.5〜4.0より高いpHが特に好まし
い(特に高い用量について)。
【0087】 水膨潤性組成物は所望により着色剤を含有してもよい。着色剤の目的は、たと
えばコーティングを穿孔して送達口20を付与する目的で薬物含有側のコア面を識
別可能にするためである。ただしセルトラリンは塩基であるので、着色剤はセル
トラリンの酸化を促進しないように選択すべきである。したがって、鉄(III)
を含有する着色剤、たとえば酸化鉄(III)は避けるべきである。許容できる着
色剤にはRed Lake No.40、FD & C Blue 2およびFD & C Yellow 6
が含まれるが、これらに限定されない。好ましい着色剤はFD & C Blue 2お
よびYellow 6である。
【0088】 水膨潤性組成物中に水膨潤性ポリマーとしてPEOを含有する態様では、水膨潤
性組成物は前記においてセルトラリン含有組成物について述べたものと同様な酸
化防止剤、たとえばBHT、ビタミンE、BHAまたはパルミチン酸アスコルビルを含
有してもよい。酸化防止剤は水膨潤性組成物の0〜1重量%の量で存在できる。
【0089】 水膨潤性組成物16は、医薬用として有用な他の一般的賦形剤、たとえばHPC、H
PMC、HEC、MCおよびPVPなどの結合剤、微結晶性セルロースなどの錠剤製造助剤
、ならびにステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含有してもよい。しかしそ
のような他の賦形剤は水膨潤性組成物の小部分を構成することが好ましく、水膨
潤性組成物が含有する賦形剤は可能な限り少なく、かつ可能な最小量であること
が最も好ましい。
【0090】 水膨潤性組成物は、水膨潤性ポリマーおよび他の賦形剤を混合して均質なブレ
ンドを形成することにより調製される。均質なブレンドを得るためには、前記に
セルトラリン含有組成物について挙げたものと同様な粒子サイズをもつ成分を、
同じ種類の方法で湿式造粒または乾式ブレンドすることが望ましい。たとえば粉
末塩化ナトリウムをPEOとブレンドすると、顆粒状塩化ナトリウムを用いるより
均質なブレンドが得られる。水膨潤性ポリマーがPEOである場合、湿式造粒法を
用いるのが望ましい。その際、溶剤は炭素原子1〜4個のアルコール、好ましくは
エタノールである。他の水膨潤性ポリマーを用いる場合、乾式造粒を用いてもよ
く、あるいは水が適切な溶剤であると認められた場合は湿式造粒を用いてもよい
。造粒した後、一般に当技術分野で既知の方法、たとえば棚型乾燥機、流動床お
よび電子乾燥機で材料を乾燥させる。乾燥後、一般に顆粒を約150〜約425μmの
サイズに微粉砕する。
【0091】 ≪錠剤製造≫ 下記によりコア12を製造する。まずセルトラリン含有組成物14の混合物を打錠
機に装入し、次いで混合物を軽く圧縮することによりレベリングする。次いで水
膨潤性組成物16をセルトラリン含有組成物14に乗せ、コア12の成形を完成するた
めに圧縮する。あるいはまず水膨潤性組成物を打錠機に装入し、次いでセルトラ
リン含有組成物を装入してもよい。
【0092】 セルトラリン含有組成物14および水膨潤性組成物16それぞれの量は、目的とす
るセルトラリン放出が得られるように選ばれる。多量のセルトラリンを比較的小
さい剤形、すなわち1g未満、好ましくは800mg未満、より好ましくははそれ以下
で供給したい場合、セルトラリン含有組成物の量を最大限にし、水膨潤性組成物
の量を最小限にし、なおかつ良好な放出性能を得ることが望ましい。意外にも、
本発明の製剤によれば水膨潤性組成物に比較してきわめて多量のセルトラリン含
有組成物が可能である。一般にセルトラリンのような溶解度の低い疎水性薬物に
ついては、許容できる放出速度および低い残留量を達成するには、水膨潤性組成
物中に多量の水膨潤性ポリマーおよび高濃度の浸透圧発生剤が必要であると考え
られていた。本発明の製剤においては、水膨潤性組成物中の水膨潤性ポリマーが
PEOのみである場合、セルトラリン含有組成物はコアの約50〜約85重量%、好ま
しくは約60〜約70重量%を構成することができる。これらの数値は、水膨潤性組
成物に対するセルトラリン含有組成物の重量比1〜約5.7、好ましくは約1.5〜
約2.3に相当する。水膨潤性組成物中の水膨潤性ポリマーの全部または一部がグ
リコール酸デンプンナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムである場合
、セルトラリン含有組成物はコアの50〜90重量%、好ましくは約75〜約85重量%
を構成することができる。これらの数値は、水膨潤性組成物に対するセルトラリ
ン含有組成物の比率1〜9、好ましくは約3〜5.7に相当する。
【0093】 コアの圧縮を容易にするために、水膨潤性組成物中に用いる材料の粒子サイズ
は比較的小さいことが好ましい。”クラウニング”を避けるためには、コア12を
比較的狭い範囲の圧力および圧縮時間で圧縮しなければならないことが見出され
た。クラウニングはセルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物の圧縮中に、
水膨潤性組成物から材料が各種ダイの表面にある空間に流出した場合に起きる。
図2に示すように、その結果表面24の周囲に周縁22をもつコアが形成される。周
縁22はコーティング18(図2には示していない)内に応力を生じ、コーティング
を通して水がコアに取り込まれるのにつれてコア内部の圧力が上昇するのに伴っ
てコーティングを破損する可能性すらある。
【0094】 クラウニングを避けつつコアを適切に圧縮するために使用できる圧力量は、コ
アの直径および重量、ならびにコアの成形に用いるプレスのタイプに依存するで
あろう。7/32インチの用具および100〜150mgのコア重量については、クラウニ
ングを避けるために1〜7キロポンド(Kp)、より好ましくは3〜5Kpの錠剤硬さと
なる圧縮を用いるべきであることが見出された。同様に11/32インチの用具およ
び350〜450mgのコア重量については3〜10、より好ましくは5〜7Kpの錠剤硬さと
なる圧縮を用いるべきであり、7/16インチの用具および650〜750mgのコア重量
については、6〜12、より好ましくは8〜10Kpの錠剤硬さをもたらす圧縮を用いる
べきである。したがって一般にクラウニングを避けつつコアを適切に圧縮するた
めに用いる圧力は、コアの硬さ(H;Kpで測定)が下記の式により記述される範
囲内になるように選択すべきである: 35D2−1≦H≦35D2+6 式中、Dはコアを成形するのに用いる用具の直径(インチ)である。錠剤の表面
が円形でない場合、Dの代わりに、錠剤表面の最大断面表面積(in2)×(4/Π
)をこの式に挿入することを留意する。
【0095】 この硬さが比較的小さいので、適切な圧縮を容易にするために水膨潤性組成物
の各種成分については粒子サイズが小さい方が好ましい。さもなければ、硬さ値
が比較的低い場合、コア12はコーティングする前または途中で崩壊する可能性が
ある。たとえばNaClを浸透圧発生剤として含有させる場合、粒子サイズを小さく
するためにジェットミルまたは噴霧乾燥によりNaClを微細化する。NaClを浸透圧
発生剤として含有させる場合、好ましくはNaClの10重量%未満が約425μmを超え
る粒子サイズをもつ。同様に、水膨潤性組成物に用いるPEOは、約425μmを超え
る粒子サイズのものが10重量%未満の粒子サイズ分布となるようにふるい分けさ
れる。
【0096】 本発明の錠剤の直径および高さの絶対値は広範に変更できる。しかしアスペク
ト比(錠剤の直径を錠剤の高さで割ったものと定義される)は厳密に制御しなけ
ればならない。具体的には、アスペクト比は約1.5の数値を超えてはならず、好
ましくは1.4を超えない。アスペクト比が大きいほど、錠剤が使用環境にある際
の錠剤からのセルトラリン放出が不完全になる。
【0097】 ≪コーティング≫ コア12の成形後、コーティング18を付与する。コーティングは水透過性が高く
かつ強度が高く、同時に加工および付与が容易でなければならない。高い水透過
性は、十分な量の水がコアに進入できるために必要である。セルトラリンの場合
、セルトラリンの溶解度が低いため、高い用量を送達することが望ましいときは
透過性の高いコーティングを用いて、錠剤を許容できる程度に小さく維持しつつ
目的とする放出プロフィールを達成する必要がある。高い強度は、コアが水を取
り込むのに伴って膨潤した際にコーティングが破裂してコア内容物を使用環境へ
無制御に送達することがないのを保証するために必要である。最後に、コーティ
ングは再現性および収率が高くなければならない。
【0098】 コーティング18は、セルトラリン含有組成物を送達するために、コーティング
の内部と外部を連絡する送達口20を少なくとも1つ備えていることが必須である
。さらにコーティングは、セルトラリン含有組成物の放出中に非溶解性および非
浸食性でなければならない。これは、コーティングを通して透過により送達され
るのと異なり、コーティングが水不溶性でありしたがってセルトラリンは実質的
に完全に送達口20を通して放出されることを意味する。
【0099】 前記のようにコーティング18は水透過性が高く、水をコア12内へ速やかに取り
込んでセルトラリン含有組成物14を速やかに放出する。”速やかに放出”とは、
放出開始前の時間および大部分のセルトラリンを放出するのに必要な時間が共に
比較的短いことを意味する。コーティングの水透過性は、下記の実験を行うこと
により測定できる。出来上がった錠剤を開放容器に入れ、これを一定の温度40℃
および一定の相対湿度75%に維持した環境チャンバー内に置く。乾燥錠剤の重量
増加の初速度(錠剤の重量を時間に対してプロットすることにより判定)を錠剤
の表面積で割ると、”水フラックス(40/75)”と呼ばれる数値が得られる。錠
剤についての”水フラックス(40/75)”は錠剤コーティングの水透過性の有用
な相対尺度であることが見出された。本発明者らは、好ましくは本発明の錠剤に
ついてコーティング18は少なくとも1.0×10-3gm/hr・cm2、好ましくは少なく
とも1.1×10-3gm/hr・cm2、より好ましくは1.3×10-3gm/hr・cm2の”水フラ
ックス(40/75)”をもつべきであることを見出した。
【0100】 本発明者らはさらに、親水性ポリマー、たとえば可塑化および非可塑化セルロ
ースエステル、エーテル、およびエステル−エーテルを用いてこれらの特性をも
つコーティングが得られることを見出した。特に適切なポリマーには、酢酸セル
ロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)およびエチルセルロース(EC)が含
まれる。好ましい一群のポリマーは、アセチル含量25〜42%の酢酸セルロースで
ある。特に好ましいポリマーは、アセチル含量39.8%のCA、殊にCA398−10(Ea
stman Fine Chemicals、テネシー州キングスポート)である。CA398−10は約4
0,000ダルトンの平均分子量をもつと報告されている。他の好ましいアセチル含
量39.8%のCAは、約45,000ダルトン以上の平均分子量をもつ高分子量CA、特に
50,000ダルトンの平均分子量をもつと報告されているCA398−30(Eastman Fin
e Chemicals)である。高分子量CAは卓越したコーティング強度をもち、より薄
いコーティング、したがってより高い透過性を提供できる。
【0101】 コーティングは常法により、まずコーティング溶液を調製し、次いで浸漬、流
動床コーティング法、または好ましくはパンコーティング法でコーティングする
ことにより付与される。これを実施するために、ポリマーおよび溶剤を含むコー
ティング溶液を調製する。前記セルロース系ポリマーに使用できる一般的な溶剤
には、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル
、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二
塩化エチレン、二塩化プロピレン、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロ
ロエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、およびそれら
の混合物が含まれる。特に好ましい溶剤はアセトンである。コーティング溶液は
、一般に3〜15重量%、好ましくは5〜10重量%、最も好ましくは7〜10重量%の
ポリマーを含有する。
【0102】 コーティング溶液は、コーティング形成に用いる条件下でポリマーが溶剤状態
を維持する限り、またコーティングが水透過性を維持しかつ十分な強度をもつ限
り、任意量のポア形成剤または非溶剤を含有してもよい。コーティング加工に際
してのポア形成剤およびそれらの使用については、USP5,698,220および5,612
,059に記載されており、その関連する開示内容を本明細書に援用する。本明細
書中で用いる”ポア形成剤”という用語は、コーティング溶液に添加する物質で
あって、溶剤と比較して低い揮発性をもつかまたは揮発性をもたないためコーテ
ィング処理後にコーティングの一部として残るが、水性の使用環境では水で満た
されたまたは水で膨潤した通路または”ポア”を提供して水を通過させ、これに
よりコーティングの水透過性を高めるのに十分なほど水膨潤性または水溶性であ
る物質を表す。適切なポア形成剤には、ポリエチレングリコール(”PEG”)、P
VPおよびPEOが含まれる。特に好ましいポア形成剤は、分子量1000〜8000ダルト
ンのPEGおよび水である。特に好ましいPEGは、分子量3350ダルトンのPEGである
。本発明者らは、PEGをポア形成剤として用いる場合に高い水透過性と高い強度
を兼ね備えるためには、CA:PEGの重量比を約6.5:3.5〜約9:1とすべきであ
ることを見出した。
【0103】 コーティング溶液に非溶剤、たとえば水を添加すると、卓越した性能が得られ
る。”非溶剤”とは、コーティング溶液に添加される物質であって、コーティン
グ溶液に実質的に溶解し、溶剤中のコーティングポリマー(1以上)の溶解度を
低下させる任意の物質を意味するものとする。一般に非溶剤の機能は、得られる
コーティングに多孔性を付与することである。後記のように多孔質コーティング
は、同一組成をもつ多孔質でない等重量のコーティングより高い水透過性をもつ
。この多孔性は、非溶剤が揮発性であるとき一般にそうであるようにポアが気体
で満たされた場合、コーティングの密度(質量/体積)が低いことにより示され
る。いずれか特定のポア形成機序に拘束されたくはないが、一般に非溶剤を添加
すると、溶剤の蒸発に際してコーティング溶液を凝固前に液−液相分離させるこ
とによりコーティングに多孔性が付与されると考えられる。ある候補物質を非溶
液として使用するための適性および量は、候補である非溶剤をコーティング溶液
が曇るまで徐々に添加することにより評価できる。コーティング溶液の約50重量
%までのいずれの濃度で添加しても曇りが生じない場合、それは一般に非溶剤と
して使用するのに適さない。曇りが生じた場合(”曇り点”と呼ぶ)、最大多孔
度に適した非溶剤濃度はこの曇り点のすぐ下の量である。7重量%のCAおよび3重
量%のPEGを含むアセトン溶液については、曇り点は水が約23重量%のときであ
る。より低い多孔度が望ましい場合、非溶剤の量を希望に従って減少させること
ができる。
【0104】 適切な非溶剤は、溶剤中で認めうるほどの溶解度をもち、かつ溶剤中でのコー
ティングポリマーの溶解度を低下させる任意の物質である。好ましい非溶剤は、
選択する溶剤および非溶剤に依存する。揮発性のポリマーコーティング溶剤、た
とえばアセトンを用いる場合、適切な非溶剤には水、グリセロール、およびC1
C4アルコール、たとえばメタノールまたはエタノールである。
【0105】 CA398−10を用いる場合、CA:PEG 3350:水の重量比は7:3:5、8:2:5およ
び9:1:5であり、溶液の残部はアセトンなどの溶剤からなる。たとえばCA:PEG
3350:水の重量比が7:3:5の溶液において、CAは溶液の7重量%を構成し、PE
G 3350は溶液の3重量%を構成し、水は溶液の5重量%を構成し、アセトンが残
り85重量%を構成する。
【0106】 これらの好ましいコーティング溶液から形成されるコーティングは、一般に多
孔質である。”多孔質”とは、乾燥状態のコーティングが非孔質形態の同一材料
の密度より低い密度をもつことを意味する。”非孔質”とは、非溶剤を含有しな
いコーティング溶液を用いて、または均質なコーティング溶液を調製するのに必
要な最小量の非溶剤を用いて形成したコーティング材料を意味する。好ましくは
、コーティングは非孔質形態の同一材料の密度の0.9倍未満、より好ましくは0
.75倍未満の乾燥状態密度をもつ。コーティングの乾燥状態密度は、コーティン
グ重量(コーティングを施す前と後の錠剤の重量増加から判定)をコーティング
体積(光学顕微鏡または走査電子顕微鏡により測定したコーティング厚に錠剤の
表面積を掛けることにより計算)で割ることにより計算される。コーティングの
多孔性は、コーティングが高い水透過性と高い強度を兼ね備える要因のひとつで
ある。
【0107】 コアの周りのコーティングの重量は、組成物およびコーティング多孔度に依存
するが、一般にコーティングしていないコアの重量に対して3〜30重量%、好ま
しくは8〜25重量%の量で存在すべきである。ただし信頼性のある性能にとって
十分な強度を得るには、少なくとも約8重量%、好ましくは少なくとも12重量%
のコーティング重量が好ましい。
【0108】 前記のCA、PEGおよび水に基づく多孔質コーティングによって卓越した結果が
得られるが、コーティングが高い水透過性、高い強度、ならびに加工および付与
の容易さという要件を兼ね備える限り、医薬として許容できる他の物質をコーテ
ィング中に使用できる。さらに、そのようなコーティングは、1以上の緻密な層
および1以上の多孔質層をもつ緻密、多孔質、または”非対称”なものであって
もよい;USP5,612,059および5,698,220に開示;それらの関連する開示内容
を本明細書に援用する。
【0109】 コーティング18は、コーティングの内部と外部を連絡して薬物含有組成物を製
剤の外部へ放出させる少なくとも1つの送達口20をも備えていなければならない
。送達口はほぼ薬物粒子のサイズ(したがって直径1〜100ミクロン程度の小さい
もの;ポアと言える)から、直径約5000ミクロンまでの大きさであってよい。送
達口の形状は、実質的な円形、スリット形、または加工および処理しやすい他の
好都合な形状であってよい。送達口(1以上)は、コーティング後に機械的もし
くは熱的手段で、または光ビーム(たとえばレーザー)、粒子ビーム、もしくは
他の高エネルギー源により形成でき、あるいはin situでコーティングの小部分
が破断することにより形成されてもよい。そのような破断は、比較的小さな弱い
部分をコーティングに設けることにより、意図的に制御できる。送達口は水溶性
物質のプラグの浸食により、あるいはコアの窪み上にある比較的薄いコーティン
グ部分の破壊により、in situで形成されてもよい。送達口は、1以上の小領域
をコーティングせずに残すようにコアをコーティングすることにより形成されて
もよい。さらに、送達口は多数の孔またはポアであってもよく、これらは、USP5
,612,059および5,698,220(それらの関連する開示内容を本明細書に援用す
る)に開示されるタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティング
を施す際に形成できる。送達路がポアである場合、1μmから100μm以上までのサ
イズの多数のポアがあってよい。操作中に、1以上のそれらのポアが操作中に発
生する静水圧の影響を受けて拡張してもよい。送達口20の数は1〜10またはそれ
より多くてもよい。薬物含有組成物が水膨潤性組成物の膨潤作用により送達口か
ら押し出されるように、少なくとも1つの送達口を薬物含有組成物に隣接した側
に形成しなければならない。送達口を形成するためのあるプロセスで水膨潤性組
成物に隣接するコーティングにも孔またはポアが形成される可能性があることは
認められる。一般にコアの送達口を開けた全表面積は5%未満、より一般的には1
%未満である。
【0110】 コーティングは所望により、水膨潤性組成物16と連絡する口30を含んでもよい
。そのような送達口は製剤のセルトラリン放出特性を変化させないが、製造上の
利点をもつ。分子量3,000,000〜8,000,000ダルトンのPEOを含有する水膨潤
性組成物は、検知できるほど口30から出るには粘稠すぎると考えられる。送達口
を機械的に、またはレーザーにより穿孔する製剤では、セルトラリン含有組成物
14に隣接するコーティングに少なくとも1つの送達口が形成される方向に錠剤を
向けなければならない。製造の穿孔工程でコア製剤の向きを定めるためには、水
膨潤性組成物内に着色剤を用いる。図1に示すように製剤の両面に送達口を設け
ることにより、製剤の向きを定める必要性が除かれ、水膨潤性組成物16から着色
剤を除くことができる。これにより製剤全体のサイズが縮小され、セルトラリン
の分解を触媒する可能性のある物質(着色剤)が除かれる。
【0111】 別態様においては、製剤10はコーティング18の内部または周りにセルトラリン
を収容できる。セルトラリン含有コーティングを形成するための1方法は、セル
トラリンおよびポリマーのスラリーまたは溶液を形成し、錠剤にこのスラリーを
噴霧コーティングする。そのような製剤はセルトラリンを使用環境へ即時放出す
る。このような即時放出は、セルトラリン含有コアがセルトラリンを十分に速や
かに送達しない場合に望ましい。即時放出の副作用を少なくするために、使用環
境へ導入した後、このようなセルトラリン含有コーティング製剤はセルトラリン
の全量の25重量%を超える量を最初の2時間以内に放出すべきではない。したが
ってコーティング18の内部または周りに存在するセルトラリンの量は、本発明の
製剤による製剤放出プロフィールが達成される程度に少ない。
【0112】 製剤をコーティングした後は、乾燥雰囲気に保持すべきであることは認められ
る。高度の湿度に曝露されると、セルトラリン含有組成物と水膨潤性組成物が混
和して製剤の放出速度および放出プロフィールを変化させる可能性がある。
【0113】
【実施例】
本発明の他の特色および態様は以下の実施例から明らかになる。これらは本発
明の意図する範囲を限定するためではなく説明のために示したものである。
【0114】 摂取後、2〜12時間でセルトラリンが放出されることが重要なので、別途明記
しない限り実施例中の薬物放出速度についての記載はすべて、2時間目の終わり
から開始して12時間目の終わりに終了する期間にわたって平均したセルトラリン
の重量%である。たとえば2時間目の終わりまでに20重量%のセルトラリンが放
出され、12時間目の終わりまでに90重量%が放出される場合、”放出速度”は(
90−20)÷10、すなわち7.0重量%/時である。
【0115】 <実施例1> 本発明の例示的な製剤は図1に描写される型のセルトラリン含有組成物層及び
水膨潤性組成物層から成る二重層核ジオメトリーを有するように作製された。
【0116】 セルトラリン含有組成物は以下の材料を含んでいた:22.8重量%のセルトラリ
ンHCl、71.7重量%の平均分子量200,000ダルトンのPEO(Polyox WSR N80)、5.0重
量%のHPMC(METHOCEL K3 LV Prem、錠剤結合剤)、及び0.5重量%の滑潤剤ステ
アリン酸マグネシウム。セルトラリン含有組成物を形成するために、前記成分(
ステアリン酸マグネシウム以外)をターブラー(Turbula)ミキサー中で20分間
混和した。この混和物を0.065インチサイズのスクリーンに通して選別し、それ
からさらに20分間混和した。次にステアリン酸マグネシウムを添加し、そして材
料をさらに4分間混和した。
【0117】 水膨潤性組成物は以下の材料を含んでいた:65.0重量%の平均分子量5,000,00
0ダルトンのPEO(Polyox WSR Coagulant)、29.3重量%の塩化ナトリウム、5.1
重量%のHPMC(METHOCEL K3 LV Prem.)、及び0.6重量%のステアリン酸マグネ
シウム。水膨潤性組成物を形成するために、前記成分(ステアリン酸マグネシウ
ム以外)をターブラーミキサー中で20分間混和し、それからステアリン酸マグネ
シウムと共にさらに4分間混和した。
【0118】 セルトラリン含有組成物及び水膨潤性組成物は、直接圧縮を使用して二重層核
へと成型された。セルトラリン含有組成物の一部(490 mg)を標準円形凹型15/
32インチ型を装備したf-プレス中に配置し、次に上部パンチを用いて徐々に水平
化した。水膨潤性組成物の一部(245 mg)をセルトラリン含有組成物層の上に配
置し、そして圧縮した。f−プレス上の上部パンチ及び下部パンチの間の圧縮距
離は、結果として得られた核の硬度が15 Kpに達するまで調節した。結果として
得られた二重層核は重量が735 mgであり、そして全部で15.2重量%のセルトラリ
ンHCl、47.8重量%のPEO 200,000、5.0重量%のHPMC,0.5重量%のステアリン酸
マグネシウム、21.7重量%のPEO 5,000,000、及び9.8重量%の塩化ナトリウムを
含有していた。これらの錠剤の検定により、112 mgのセルトラリンHCl、又は100
mgAの活性セルトラリンが確認された。
【0119】 次にこの核をベクター(Vector)LDCS-20パンコータ(pan coater)中で高水
透過性コーティングを用いてコーティングした。コーティング溶液は、CA 398-1
0、PEG 3350、水、及びアセトンを重量比7/3/5/85で含有していた。40 cfmの
加熱した乾燥空気を調節してパンコータ注出温度を25℃に維持した。20 psiの窒
素を使用してコーティング溶液をノズル―ベッド距離2インチのスプレーノズル
から霧化した。パンは30 rpmで転がした。最終的な乾燥コーティングの重量は、
核の重量の12.9重量%に達した。錠剤の薬物含有表面に900μmの送達ポートを1
個手動で穿った。コーティングされた錠剤の総重量は830 mgであった。
【0120】 in vitroの残留試験を行った。錠剤を、900 mlの模擬胃緩衝液(10 mM HCl、1
00 mM NaCl、pH 2.0、261 mOsm/kg)溶液を含有する攪拌されたUSP 2型ジソエッ
テ(dissoette)フラスコ中に2時間配置し、それから900 mlの模擬腸緩衝液(6
mM KH2PO4、64 mM KCl、35 mM NaCl、pH 7.2、210 mOsm/kg)溶液を含有する攪
拌されたUSP 2型ジソエッテフラスコ中に移した。どちらのフラスコにおいても
、製剤は、錠剤がフラスコの底に触れず、そのためすべての面が溶液にさらされ
るようにワイヤー支持体中に配置し、そして溶液は50 rpmで回転するパドルを使
用して攪拌した。一定の時間間隔で1個の錠剤を取り出し、そして環境温度で攪
拌されたフラスコ中の回収溶液(recovery solution)(50/50 重量/重量%
エタノール/水、pH 3)中に入れて、錠剤中に残存するセルトラリンを溶解し
た。残留セルトラリンは、Phenomenex Ultracarb 5 ODS 20カラムを使用してHPL
Cにより分析した。移動相は35重量%TEA−酢酸緩衝液(3.48 mlトリエタノール
アミン及び2.86 ml氷酢酸/1 L HPLCグレードH2O)/アセトニトリルから成っ
ていた。セルトラリン濃度は、230 nmのUV吸光度を、既知のセルトラリン標準の
吸光度と比較することにより算出した。錠剤中に残存する量を、錠剤中のセルト
ラリンの初期量(100 mgA)から引いて、各時間間隔に放出された量を得た。結
果を表1に示し、表Dに要約する。
【0121】
【表2】
【0122】 データは、19重量%のセルトラリンが2時間以内に、98重量%が8時間以内に放
出されたことを示す。これは、本発明の錠剤は、使用環境へのセルトラリンの急
速な放出をもたらす一方、最初の2時間の間に送達される量を適当に低い値に保
っていたことを示唆する。その上、24時間後には、実質的にすべてのセルトラリ
ンが放出されていた。放出試験の間の錠剤の観察から、このコーティングは、PE
Oを素材とする核の膨張に耐えることができ、そして試験の持続する間無傷で保
たれていたことが示唆された。
【0123】 <実施例2A−2D> これらの実施例は、セルトラリン含有組成物中のセルトラリンのパーセンテー
ジを20重量%から50重量%まで変化させ、本発明の錠剤からの創意に富んだセル
トラリンの送達を具体的に説明する。錠剤は、表A、B及びC中に言及され、そし
て以下のように議論される例外を除いては、実施例1と同様に製造した:実施例2
Aの錠剤は、コーティング溶液中のCA/PEGの重量比8/2(7/3の代わりに)でコ
ーティングされ、そして水膨潤性組成物が湿状顆粒化された;実施例2Bの錠剤は
送達ポートが900μmであり(実施例1で使用されたのと同じサイズ)、実施例2A
、2C及び2Dの送達ポートは700μmであった。これらの実施例のそれぞれにおいて
、セルトラリン含有組成物及び水膨潤性組成物は、実施例1と同様に、セルトラ
リン含有組成物:水膨潤性組成物=2:1の比で組み合わせた。
【0124】 実施例2A及び2Dの錠剤は直接試験を使用して評価した。錠剤を、900 mlのレセ
プター溶液を含有する攪拌されたUSP 2型ジソエッテフラスコ中に配置した。レ
セプター溶液はUSP酢酸ナトリウム緩衝液(27 mM酢酸及び36 mM酢酸ナトリウム
、pH 4.5)であった。レセプター溶液の自動置き換えを行うヴァンケル(VanKel
)VK8000オートサンプリングジソエッテを使用して、一定の時間間隔でサンプル
を取り出した。錠剤は上述のようにワイヤー支持体中に配置し、パドルの高さを
調節し、そしてジソエッテフラスコを50 rpmで37℃で攪拌した。定期的にオート
サンプラーがレセプター溶液のサンプルを取り出し、そしてレセプター中のセル
トラリン濃度をHPLCにより直接分析した。
【0125】 実施例2Cの錠剤も88mM NaClのレセプター溶液を使用した直接試験を使用して
評価した。実施例2Bの錠剤は、実施例1に記載された残留試験を使用して評価し
た。結果を表2に示し、表Dに要約する。
【0126】
【表3】
【0127】 このデータは、セルトラリン含有組成物中のセルトラリンのパーセンテージが
増大するほどセルトラリン放出速度が高く保たれたことを示す。その上、実施例
2A、2C及び2Dは、2時間以下のタイムラグを示し、実施例2Bは1時間以下のタイム
ラグを示した。24時間後の錠剤中の薬物残存量は、実施例2A、2B及び2Cでは5重
量%又はそれ以下と顕著であり、そして実施例2Dでは23重量%と場合によっては
許容範囲のレベルであった。これらの実施例は、全薬物含有組成物のパーセンテ
ージが高い送達においても、本発明の製剤からのセルトラリン送達が成功裡に達
成されたことを示す。
【0128】 <実施例3A−3C> このセットの実施例のためには、錠剤は様々な分子量のPEOを含有するように
製造した。表A、B及びC中に示される例外を除いて、錠剤は実施例1と同様に製造
した。重要な違いは以下の通りである。実施例3Aの錠剤のセルトラリン含有組成
物は2種類の分子量のPEOを含有していた:30重量%のPEO 200,000及び30重量%
のPEO 300,000。実施例3Bの錠剤は29重量%のPEO 600,000、並びに30重量%の流
動化剤キシリトール(XYLITAB 200)及び5重量%のデンプングリコール酸ナトリ
ウム(EXPLOTAB)をセルトラリン含有組成物中に含有していた。実施例3Cの錠剤
は54重量%のPEO 300,000を含有していた。実施例3Cで使用される錠剤では、セ
ルトラリン含有組成物は、薬物及び結合剤を組み合わせ、水と共に湿状顆粒化し
、次にPEO 300,000を添加することにより形成した。比較の対照例3Dの錠剤は、P
EO 300,000をPEO 200,000で置き換えて、実施例3Cと同様の方法で製造した。
【0129】 実施例3A及び3Bの錠剤は、実施例1で記載された残留試験を使用して評価した
;そして実施例3C及び対照例3Dの錠剤はUSP酢酸ナトリウム緩衝液中で、実施例2
に記載された直接試験を使用して試験した。結果を表3に示し、表Dに要約する。
【0130】
【表4】
【0131】 このデータは、幅広く異なる分子量のPEOを含有する実施例3A、3B及び3Cの製
剤のそれぞれによって満足すべきセルトラリン送達が達成されたことを示す。特
に、実施例3Bにおいて、高分子量PEO(600,000)及び非還元糖キシリトールの混
合物が、薬物送達能力をロスすることなく低分子量PEO(200,000又は300,000)
を置換し得ることに注目せよ。実施例3Bの錠剤は、高レベルのPEOを含有しキシ
リトールを含有しない実施例と比較して、粉砕及び圧縮において優れた製造上の
特性を有したことが注目された。実施例3C及び対照例3Dの比較から、場合によっ
てはPEOの分子量が非常に重要になり得ることが示される。PEO添加前にセルトラ
リン含有組成物の湿状顆粒化を使用して製造されるこれらの錠剤(対照例3D)で
は、より低分子量のPEO(200,000)は、より大きな顆粒化されたセルトラリン粒
子をポートを通して送達するため連行するのに充分に高い粘度を維持しなかった
。実施例3Cにおいては、より高分子量のPEO(300,000)の使用の結果、対照例3D
に比較してより高いパーセンテージのセルトラリン送達が得られた。これらの結
果は実施例4A−4Dにおける顆粒化の考察部分としてさらに議論されるであろう。
【0132】 <実施例4A−4D> これらの実施例は、セルトラリン含有組成物製造上の変数による錠剤の能力に
対する効果を具体的に説明する。対照例3D並びに実施例4A及び4Bは、顆粒化中に
様々な量のPEOを含むセルトラリン含有組成物顆粒化の効果を示す。実施例4Cは
、セルトラリン顆粒化の粒子サイズの効果を示す。実施例4B及び4Dは、セルトラ
リン含有組成物の低剪断(low-shear)水溶性顆粒化と、イソプロピルアルコー
ル(IPA)/水=85/15の重量比を使用する高剪断(high-shear)顆粒化を比較
する。表A、B及びCはこれらの実施例で使用された調合を要約している。
【0133】 以上で議論されたように、対照例3Dでは、錠剤は顆粒化段階の間PEO 200,000
の非存在下で、セルトラリン含有組成物の湿状顆粒化(水を使用、ずれが低い)
により製造した。薬物の顆粒化の後、セルトラリン含有組成物にPEOを添加し、
実施例1と同様に二重層錠剤を作製した。
【0134】 実施例4Aにおいて、湿状顆粒化(水を使用、ずれが低い)は、セルトラリン含
有組成物(全部で54重量%、表Aを見よ)中に使用されるPEO 200,000の全量の10
重量%が顆粒化段階の間に包含されるように行った。残りの90重量%のPEO 200,
000は顆粒化段階の後でセルトラリン含有組成物に添加した。
【0135】 実施例4Bにおいては、セルトラリン含有組成物(54重量%、表Aを見よ)中に
使用される全PEO 200,000が、顆粒化段階の間に包含された。 実施例4Cの錠剤は、この顆粒化物を粉砕して粒子サイズを減少させ、次に粉砕
した顆粒化物をPEO 200,000及びステアリン酸マグネシウムと混和してセルトラ
リン含有組成物を形成した以外は、対照例3D(PEO 200,000なしの湿状顆粒化)
の錠剤と同様の方法で製造した。
【0136】 実施例4Dにおいては、薬物、PEO 200,000及び結合剤を、IPA/水=85/15(重
量/重量)の混合物を使用するずれの高い顆粒化器(granulator)を使用して湿
状顆粒化した。
【0137】 表A、B及びC中に示されるように、これらの実施例(4A−4D)全ての4例及び対
照例3Dからの各錠剤は、セルトラリン含有組成物中に40重量%の薬物を含有し、
そして薬物含有表面に穿たれた700μmの送達ポートを1個有していた。これらの
錠剤の製造中に、IPA/水=85/15(重量/重量)(実施例4D)を用いた顆粒化
は、顆粒化の間にセルトラリンが分解の徴候を示さないこと、及び製造された顆
粒がより容易に粉砕される(即ち、これらはそれほど硬くない)という点で、水
のみを用いた顆粒化(実施例4B)と比較して好ましいことが注目された。
【0138】 この錠剤は、USP酢酸ナトリウム緩衝液中で直接試験法を使用して分解性を試
験した。実施例4A−Dの結果を表4に示す。
【0139】
【表5】
【0140】 これらの結果は、薬物顆粒化においてPEO 200,000を使用しない(対照例3D)
と、薬物の連行及び送達が限定され、その結果、放出速度が低くなり(5.6重量
%/時間)、そして8時間以内に42重量%の薬物しか放出されないことを示す。
しかしながら、顆粒化において10重量%のPEO 200,000(実施例4A)又は100重量
%のPEO 200,000(実施例4B)が包含されると、高い放出速度(それぞれ8.9及び
8.5重量%/時間)、及び8時間以内に許容範囲の薬物放出(それぞれ74重量%及
び94重量%)が得られた。PEO 200,000の一部を薬物と共に湿状顆粒化すると、
より良い顆粒の崩壊及び送達の間の薬物粒子の連行が得られ、その結果、より速
くより完全な放出が得られると仮定される。
【0141】 実施例4Cは、PEO 200,000なしで、顆粒化物の平均サイズが約400μm以下にな
るように作製された顆粒化物を粉砕することにより許容範囲の成果が得られたこ
とを示す。この製剤は高い放出速度(9.0重量%/時間)及び許容範囲の8時間以
内の薬物放出(70重量%)という結果であった。
【0142】 実施例4Dは、ステアリン酸マグネシウム以外の全てのセルトラリン含有組成物
成分が一緒に顆粒化された、IPA/水を使用するずれの高い湿状顆粒化プロセス
を使用して、非常によいセルトラリン放出が達成されたことを具体的に説明して
いる。さらに、この顆粒化方法は、より容易に粉砕されそして圧縮(錠剤化)さ
れる材料を製造したことが注目された。
【0143】 <実施例5A−5C> これらの実施例は、セルトラリンに伴う可溶化酸の放出を具体的に説明する。
実施例5A、5B及び5Cにおいて、本発明の製剤は、セルトラリン含有組成物又は水
膨潤性組成物がクエン酸及びフマル酸から選択される可溶化酸を含むように作製
された。これらの錠剤は、表A、B及びC中に言及された例外を除いて、実施例1と
同様に作製した。実施例5Aでは、セルトラリン含有組成物は15重量%のクエン酸
を含有していた。実施例5Bでは、セルトラリン含有組成物は7重量%のフマル酸
を含有していた。実施例5Cでは、セルトラリン含有組成物及び水膨潤性組成物の
両方が15重量%のクエン酸を含有していた。
【0144】 錠剤は、直接試験を使用してUSP酢酸ナトリウム緩衝液中で分解性を試験した
。実施例5A−Cの結果を表5.1及び5.2に示し、表Dに要約する。
【0145】
【表6】
【0146】
【表7】
【0147】 実施例5A−5Cの結果は、製剤が可溶化酸を含むと高いセルトラリン放出速度(
それぞれ8.8、8.7及び8.8重量%/時間)が得られたことを示す。可溶化酸を含
有しない製剤(例えば実施例2C)との比較から、可溶化酸の存在は薬物の放出プ
ロフィールを実質的に変化させなかったことが示される。
【0148】 実施例5Cの結果は、クエン酸はセルトラリンとほぼ同じ速度(クエン酸7.5重
量%/時間、セルトラリン8.8重量%/時間)で放出されたことを示す。さらに
、クエン酸はセルトラリンが放出される間中ずっと放出されていた。実施例5A−
Cの放出試験の間、錠剤にきわめて近接した部位でのレセプター溶液のpHは約3で
あり、製剤中に有機酸を含むと局所的にpHが低くなることが示唆された。より低
いpHにおいては一般的にセルトラリンの溶解度が大きくなるため、可溶化酸を含
むと溶解されるセルトラリンの濃度が高くなり、そしてその結果バイオアベイラ
ビリティが上昇すると予想される。
【0149】 <実施例6A> 実施例6Aは、セルトラリン送達における粒子サイズの効果を具体的に説明する
。この実施例のための錠剤は、セルトラリンHClをジェットミル(jet-mill)に
かけて粒子サイズを減少させ、そしてセルトラリン含有組成物を水と共に顆粒化
した(正確な錠剤の調合については表A、B及びCを見よ)以外は実施例2Cと同様
に製造した。対照例6BはジェットミルにかけたセルトラリンHClを使用して作製
したが、セルトラリン含有組成物は水と共に顆粒化しなかった。ジェットミルに
かける前、セルトラリンHClの平均粒子サイズは約20μmであった。ジェットミル
にかけた後、平均粒子サイズは約5μmであった。
【0150】 実施例6A及び対照例6Bの錠剤は、直接試験を使用し、それぞれ酢酸ナトリウム
緩衝液及び88 mM NaCl溶液中で分解性を試験した。すべてのサンプルはレセプタ
ー溶液から直接取り出し、そしてHPLCで分析した。実施例6A及び対照例6Bの結果
を表6に示し、表Dに要約する。
【0151】
【表8】
【0152】 このデータは、ジェットミルにかけたセルトラリンで作製した製剤(実施例6A
)のセルトラリン放出速度は9.0重量%/時間であり、12時間以内に99重量%の
放出、と非常によかったことを示す。この成果は、ジェットミルにかけていない
セルトラリンを使用し湿状顆粒化して作製した同じ製剤(実施例4B)及びジェッ
トミルにかけていないセルトラリンを使用し乾燥混和したセルトラリン含有組成
物で作製した同じ製剤(実施例2C)と同様であった。このデータは、ジェットミ
ルにかけたセルトラリンを乾燥混和してセルトラリン含有組成物を形成すると(
対照例6B)、放出速度は低く(5.9重量%/時間)、そして12時間の放出量が低
かった(60重量%)ことも示す。
【0153】 ジェットミルにかけたセルトラリンHClは、ジェットミルにかけていないセル
トラリンHClよりも塊りになることが観察された。実施例6Aの場合、対照例6Bに
おけるセルトラリン粒子が比較的大きいまま残っていた一方で、これらの塊りに
なったセルトラリン粒子が湿状顆粒化によってサイズを減少した。明らかに、こ
れらのより大きなセルトラリン粒子は、セルトラリン含有組成物中で、PEO 200,
000によって充分に連行されず、そしてセルトラリン送達は不完全であった。
【0154】 <実施例7A−7B> これらの実施例は、本発明の製剤からの、薬学的に受容し得る塩の異なる型の
セルトラリンの送達を具体的に説明する。セルトラリン塩の異なる型(例えば酢
酸塩、乳酸塩又はアスパラギン酸塩)は、より高い水溶性及びより速い分解速度
のために、セルトラリンHClよりも高いバイオアベイラビリティを示し得る。実
施例7Aの錠剤は、セルトラリンHClの代わりにセルトラリン乳酸塩を使用した(
錠剤の調合の詳細については表A、B及びCを見よ)以外は実施例2Bと同様に作製
した。これらの錠剤は、実施例1に記載された残留試験を使用して分解性を試験
した。
【0155】 実施例7Bの錠剤は、表A、B及びC中に言及された例外を除いて、実施例2Dと同
様に作製した。セルトラリン含有層は49.2重量%のセルトラリン乳酸塩を含有し
ていた。これらの錠剤は酢酸ナトリウム緩衝液溶液を使用し、直接試験によって
分解性を試験した。7A及び7B両方の結果を表7に示し、表Dに要約する。
【0156】
【表9】
【0157】 これらのデータは、セルトラリン乳酸塩を用いて満足すべきセルトラリン放出
が得られたことを示す。これは、本発明の製剤はセルトラリンを薬学的に受容し
得る様々な型の塩として送達し得ることを具体的に説明する。
【0158】 <実施例8> この実施例は流動化剤としての塩の使用を開示する。実施例3Bは、非還元糖で
あるキシリトール(浸透剤(osmagent)としても機能する)をセルトラリン含有
組成物中に含むと、許容範囲の成果が得られることを示した。実施例5A、5B及び
5Cは、可溶化酸であるクエン酸(浸透剤としても機能する)を調合中に含むと許
容範囲の成果が得られることも示した。
【0159】 製剤中の浸透剤の使用をさらに具体的に説明するため、実施例8の錠剤は、セ
ルトラリン含有組成物中に7.5重量%の塩化ナトリウムを含むこと以外は実施例2
Cと同様に作製した(錠剤の調合の詳細については表A、B及びCを見よ)。これら
の錠剤は、USP酢酸ナトリウム緩衝液中で、実施例2に記載された直接試験により
試験した。結果を以下の表8に示し表Dに要約する。
【0160】
【表10】
【0161】 このデータは、浸透剤であるNaClをセルトラリン含有組成物中に含むと、高い
セルトラリン放出速度(7.3重量%/時間)及び12時間以内に83重量%のセルト
ラリン放出が得られたことを示す。これはセルトラリン含有組成物中に浸透剤を
含まずに(実施例2C)得られた放出プロフィールと同様であった。
【0162】 <実施例9> この実施例は小さな賦形剤の粒子サイズの使用を開示する。賦形剤の粒子サイ
ズは、錠剤の内容の均一性、セルトラリン放出速度及び残留セルトラリンに影響
を及ぼし得る。実施例9の錠剤は、水膨潤性組成物中で顆粒状の塩化ナトリウム
の代わりに粉末状の塩化ナトリウムを使用した以外は、実施例2Cと同様に作製し
た(特定の錠剤の調合については、表A、B及びCを見よ)。(粉末状塩化ナトリ
ウムの場合、分量の25%が300μm以上の粒子サイズを有し、顆粒状塩化ナトリウ
ムの場合は分量の89.1%が300μm以上の粒子サイズを有していた。)これらの錠
剤は、直接試験を使用してUSP酢酸ナトリウム緩衝液中で分解性を試験し(サン
プルはレセプター溶液から直接取り出された)、そして実施例2に記載されたよ
うにHPLCで分析された。結果を以下の表9に示し、表Dに要約する。
【0163】
【表11】
【0164】 これらの結果は、セルトラリン放出速度が高く(9.5重量%/時間)、12時間
以内に実質上すべてのセルトラリンが放出された(実際の検定では101重量%の
放出)ことを示す。これらの結果は、粉末状NaClを使用すると、顆粒化NaClを使
用し、8.3重量%/時間の放出速度及び12時間以内に88重量%の薬物放出が得ら
れたとき(実施例2C)よりも速く、より完全なセルトラリン放出が得られたこと
を示す。これは、塩化ナトリウムの大きな表面積及び均一な分配のおかげで、水
膨潤性組成物がより急速に濡れたためかもしれない。さらに、粉末状NaClの使用
により、水膨潤性組成物のPEO、結合剤(METHOCEL)及びNaClをより均一に混合
し、その均一性を保つこと、即ち分離させないことが可能になり製造工程が改善
された。
【0165】 <実施例10A−10C> これらの実施例は水膨潤性組成物中の塩化ナトリウム量の変化の効果を具体的
に説明する。実施例10Aの錠剤は、水膨潤性組成物に塩化ナトリウムを添加しな
かった(錠剤の調合については表A、B及びCを見よ)以外は実施例2Bと同様に製
造した。実施例10Bの錠剤は、水膨潤性組成物中でPEO 5,000,000の代わりにEXPL
OTAB及び錠剤化補助の微結晶セルロース(PROSOLV 90)を使用した以外は実施例
10A(塩化ナトリウムなし)と同様に製造した。実施例10Cの錠剤は、水膨潤性組
成物に30重量%の代わりにわずか20重量%の塩化ナトリウムを添加した以外は実
施例2Cと同様に製造した。
【0166】 実施例10A及び10Bの錠剤は残留試験を使用して実施例1と同様に試験し、そし
て実施例10Cの錠剤は直接試験を使用してUSP酢酸ナトリウム中で試験した。サン
プルはHPLCを使用して分析し、そして結果を表10に示し、表Dに要約する。
【0167】
【表12】
【0168】 これらの結果は、水膨潤性組成物からNaClを除くと(実施例10A)、30重量%
のNaClを水膨潤性組成物中に含有する同様の調合(実施例2B、7.3重量%/時間
の放出速度を有した)と比較してほんの少しだけ薬物放出速度が遅くなった(6.
0重量%/時間)ことを示す。さらに、98重量%の薬物が12時間以内に放出され
た実施例2Bと比較すると、12時間以内にたった78重量%の薬物しか放出されなか
った。このセルトラリン放出速度の小幅な減少は、おそらく実施例10Aの錠剤上
のコーティング(15.2重量%)が、実施例2B(13.0重量%)に比較してやや分厚
いことに主として起因しており、従来の実務とは反対に、透過性の高いコーティ
ングを使用する限り浸透剤を含まずに許容範囲のセルトラリン放出を達成し得る
ことを示している。
【0169】 水膨潤性組成物中のPEOをEXPLOTAB及びPROSOLVで置き換えると(実施例10B)
、水膨潤性層中の浸透剤の不在にもかかわらず、放出速度は6.7重量%/時間及
び12時間以内に84重量%の薬物が放出され、非常によい成果が得られた。
【0170】 実施例10Cで観察された放出速度(9.4重量%/時間)は実施例2C(8.3重量%
/時間)よりもやや速く、水膨潤性組成物中の塩化ナトリウム量はセルトラリン
放出速度に逆効果を及ぼすことなく30重量%から20重量%に減少させ得ることが
示された。
【0171】 <実施例11A−11B> これらの実施例は、水膨潤性組成物の量に対するセルトラリン含有組成物の量
の比率の、本発明の製剤の成果に対する効果を具体的に説明する。この比率は、
錠剤サイズを最小にし、及び/又は1個の錠剤中で送達し得るセルトラリン量を
最大にするために、可能なかぎり高いことが望ましい。
【0172】 実施例11Aの錠剤は、水膨潤性組成物に対するセルトラリン含有組成物の比率
が、実施例2Cで使用された比率2の代わりに4.6であったこと以外は、実施例2Cと
同様に作製した(錠剤の調合については表A、B及びCを見よ)。実施例11Bにおい
ては、水膨潤性組成物に対するセルトラリン含有組成物の比率は4であった。さ
らに、実施例11Bにおいて、水膨潤性組成物にはPEO及びNaClの代わりにEXPLOTAB
及びPROSOLVが含まれ、そして薬物含有表面には5個の900μm送達ポートが穿たれ
た。錠剤間の他の違いは、表A、B及びC中に示す。
【0173】 実施例11Aの錠剤は、直接試験を使用しUSP酢酸ナトリウム中で分解性を試験し
、そして実施例11Bの錠剤は実施例1に記載された残留試験を使用して分解性を試
験した。サンプルはHPLCを使用して分析し、そして結果を表11に示し、表Dに要
約する。
【0174】
【表13】
【0175】 表11のデータは、水膨潤性組成物に対するセルトラリン含有組成物の比率がか
なり高い製剤でも良好な放出プロフィールを達成することを示す。水膨潤性組成
物に対するセルトラリン含有組成物の比率が4.6である実施例11Aの錠剤は、7.4
重量%/時間という許容範囲の放出速度を示した。これは水膨潤性組成物に対す
るセルトラリン含有組成物の比率が2であり、放出速度が8.3重量%/時間である
錠剤(実施例2C)と比較し得る。実施例11Bの錠剤は、実質的にタイムラグがな
く(最初の2時間の間に22重量%のセルトラリンが放出された)、そしてセルト
ラリン含有組成物が錠剤核の80重量%を占め、セルトラリン自体が全薬物核の約
32重量%を占めていて非常に薬物充填量が高く、特に良好な成果を示した。
【0176】 <実施例12A−12B> これらの実施例は、セルトラリン含有組成物賦形剤の顆粒化粒子サイズの効果
、及び核形成のために使用される圧縮力の核の硬度に対する効果を具体的に説明
する。実施例2C(表Aを見よ)と同様の調合を有するセルトラリン含有組成物を
錠剤へと形成した(水膨潤性組成物なし)。
【0177】 実施例12Aの場合、最初にステアリン酸マグネシウム及びPEO 200,000以外の成
分をツインシシェル(Twinshell)v−ブレンダー中で混合し、そして5分間混和
した。次に、セルトラリン含有組成物をプラネタリー(planetary)ミキサー中
で、水を顆粒化溶媒として使用して顆粒化した。セルトラリン含有組成物を40℃
のコンベクションオーブン中でトレイに載せて乾燥させた。それからセルトラリ
ン含有組成物を刃を前向きにし0.033−インチサイズのスクリーンを取り付けた
フィッツパトリック(Fitzpatrick) L1Aミル中で2500 rpmで粉砕した。次に、P
EO 2,000,000を添加し、そして10分間混和した。次に、ステアリン酸マグネシウ
ムを添加し、セルトラリン含有組成物を4分間混和した。
【0178】 実施例12Bの場合は、セルトラリン含有組成物の成分はイソプロピルアルコー
ルを溶媒として、ずれの高い顆粒化器中で顆粒化した。 実施例12A及び12Bの組成物は粒子サイズ分析のためふるいにかけた。結果を表
12.1に示す。
【0179】 錠剤は、実施例12A及び12Bの組成物から、7/16−インチの標準円形凹状ツー
ルを備えたKilian T100で作製した。錠剤は様々な圧縮力で作製し、錠剤の硬度
を試験した。結果を表12.2に示す。
【0180】
【表14】
【0181】
【表15】
【0182】 これらの実施例から、大きい粒子サイズの重量画分が減少し小さい粒子サイズ
の重量画分が増大するにつれて(実施例12A)、より大きな粒子サイズを有する
調合(実施例12B)と比較して、ある与えられた圧縮力に対し、より高い錠剤硬
度が得られたことが示され得る。
【0183】 <実施例13A−13B> これらの実施例の錠剤は、異なる錠剤縦横比を持つ本発明の製剤からのセルト
ラリン送達を示す。縦横比は、錠剤の直径を錠剤の高さで割った物と定義される
【0184】 実施例13Aの錠剤は、表A、B及びC中に言及される例外を除いて、実施例2Cと同
様に作製した。実施例13Aにおいて、総核重量は110 mgであり、そして錠剤形成
のために7/32インチのツールを使用した。対照例13Bの場合は、錠剤は、異なる
縦横比の錠剤を得るため錠剤圧縮ツールを7/32インチ(実施例13A)から1/4イ
ンチ(対照例13B)へと変更した以外は、実施例13Aと同様に作製した。対照例13
Bの錠剤のための薬物層は乾燥混和した。実施例13A及び対照例13Bの錠剤は25 mg
Aのセルトラリンを含有していた。縦横比を以下に示す。
【0185】
【表16】
【0186】 実施例13A及び比較の対照例13Bの錠剤は、直接試験法を使用し、USP酢酸ナト
リウムレセプター溶液を使用して試験した。サンプルはレセプター溶液から直接
取り出し、そして実施例1に記載されたようにHPLCで分析した。結果を以下の表1
3.2に示す。
【0187】
【表17】
【0188】 高い縦横比を持つ錠剤(対照例13B)の薬物放出速度は低く(5.1重量%/時間
)、一方、本発明の錠剤(実施例13A)の放出速度は7.0重量%/時間と許容範囲
であった。さらに、24時間後に、1.55という高い縦横比を持つ錠剤(対照例13B
)は67重量%の薬物しか放出しなかったが、1.21という低い縦横比を持つ本発明
の錠剤(実施例13A)は96重量%の薬物を放出した。したがって、高すぎる錠剤
縦横比は不充分なセルトラリン放出をもたらし得る。
【0189】 <実施例14A−14B> これらの実施例は、本発明の製剤からのセルトラリン放出に対するコーティン
グの変数の効果を具体的に説明する。
【0190】 実施例14A及び14Bの錠剤は、コーティング溶液中のCA/PEGの比率及びコーテ
ィングの厚さを変化させた以外は実施例2Cと同様に(錠剤の組成については表A
、B及びCを見よ)作製した。これらの錠剤は直接試験を使用して酢酸ナトリウム
緩衝液中で試験し、そして結果を表14に示す。実施例14A及び14Bについては、80
重量%の薬物の送達に必要な時間を、各コーティング重量ごとに測定した。
【0191】
【表18】
【0192】 これらのデータは、コーティング重量が増大すると、錠剤から80重量%の薬物
が放出されるために必要な時間が長くなることを示す。これは、コーティングの
量が増大するにつれてコーティングが厚く作られ、そしてコーティングの水透過
性が低くなるためと仮定される。結果として、錠剤への水の浸入が遅くなり、そ
のため錠剤の水膨潤性構成成分の膨潤速度が遅くなり、そしてそれに応じてセル
トラリン放出速度が遅くなった。
【0193】 このデータは、コーティング中のCAに対するPEGの比率を増大させると、ある
与えられたコーティング重量において錠剤からの80重量%のセルトラリン放出に
必要な時間を短縮させることも示す。これは、コーティング中のPEGの比率が増
大するにつれてコーティング材料の水透過性が高くなるためと仮定される。
【0194】 これらのデータは、望ましいセルトラリン放出プロフィールは、コーティング
の厚さ及び組成を調節することにより達成し得ることを具体的に説明している。 <実施例15A−15E> これらの実施例は、本発明の製剤からのセルトラリン放出における送達ポート
のサイズ及び数の変化の効果を示す。
【0195】 実施例15Aは、セルトラリン含有組成物側の錠剤表面上に穿たれた700μmの送
達ポートを1個持つように、実施例2Cと同様に作製した(錠剤の調合の詳細につ
いては表A、B及びCを見よ)。実施例15Bは、錠剤の両側の表面に穿たれた700μm
のポートを1個持つように、実施例2Cと同様に作製した。実施例15C、15D及び15E
は、セルトラリン含有組成物側の錠剤表面上に穿たれた、それぞれ700μm、900
μm及び2000μmの送達ポートを1個持つように、実施例2Cと同様に作製した。こ
れらの錠剤は、直接試験を使用してUSP酢酸ナトリウム中で分解性を試験し、実
施例2に記載されたようにHPLCで分析した。結果を表15.1及び15.2に示し、表D
に要約する。
【0196】
【表19】
【0197】
【表20】
【0198】 実施例15Aと15Bの比較から、錠剤の第2の表面に第2の送達ポートを追加しても
、錠剤の成果に対してほとんど影響しないことが示される。錠剤の両方の表面に
送達ポートを配置することは、セルトラリン含有層がどちらの表面か同定する必
要性なしに、送達ポートがセルトラリン含有層に接触しつつコーティング表面に
存在することを確実にすることによって、製造及び錠剤の信頼性を単純にし得る
。実施例15C、15D及び15Eの比較から、孔のサイズは錠剤の初期放出速度に影響
したことが示される:送達ポートが大きいほど、薬物の初期放出が速くなる。こ
れらのデータは、望ましい放出プロフィールを達成するために錠剤中の送達ポー
トの数及びサイズを調節し得ることを示す。
【0199】 <実施例16> この実施例は、本発明の製剤からの分散体(dispersion)型のセルトラリン送
達を具体的に説明する。ポリマー中のセルトラリンのアモルファス固形分散体は
、一般的に指定される米国特許出願シリアル番号09/495,059及び09/495,061(
両方共2000年1月31日出願であり、これらの中の関連する部分は、参考文献とし
て援用される)中に記載されている手順に従って製造した。これらのセルトラリ
ン/ポリマー分散体は、上記の実施例中に記載された製造技術を使用して、本発
明の二重層製剤のセルトラリン含有組成物中へと組み込むことができる。
【0200】 実施例16で使用される錠剤では、セルトラリン分散体は、0.65重量%のセルト
ラリンを含まない塩基、0.65重量%のHPMCP 55、49.35重量%のメタノール及び4
9.35重量%のアセトンを含有する溶液を噴霧乾燥することにより形成した。溶液
を混合する前に、薬物をメタノール中に溶解し、そしてポリマーをアセトン中に
溶解した。溶液は、2液外部混合スプレーノズルを使用し、1.8バール、送液速度
187〜211g/分で、注入温度230℃及び注出温度72℃に維持されたNiro噴霧乾燥器
のステンレススチールチャンバー中へと噴霧乾燥した。
【0201】 セルトラリン含有組成物形成のために、以下の材料を混和した:41.15重量%
の上記セルトラリン分散体(セルトラリンを含有しない塩基:HPMCP=1:1)、2
6.75重量%のPEO 6,000,000、26.75重量%のXYLITAB 200、4.33重量%のEXPLOTA
B、及び1.02重量%のステアリン酸マグネシウム。この工程において、セルトラ
リン含有組成物の成分を混合し、そしてプレ圧縮し、次にコミル(co-mill)中
で1100 rpmで開口サイズ0.075インチのスクリーンを用いて粉砕した。水膨潤性
組成物形成のためには、以下の材料を混和した:74.66重量%のEXPLOTAB、24.73
重量%のPROSOLV 90、0.47重量%のステアリン酸マグネシウム、及び0.14重量%
のRed Lake #40。水膨潤性組成物の成分をステアリン酸マグネシウムを入れずに
混合し、ターブラーミキサー中で20分間混和し、次にステアリン酸マグネシウム
と共にさらに4分間混和した。これらの錠剤の検定により、112 mgAのセルトラリ
ンを確認した。コーティング及び送達ポートの穿孔は実施例1と同様に行った。
【0202】 実施例1に記載されているように、実施例16の錠剤から模擬腸緩衝液中へのセ
ルトラリン分散体の放出を残留試験を使用して測定し、そしてサンプルをHPLCで
分析した。結果を表16に示す。
【0203】
【表21】
【0204】 このデータは、本発明の製剤からのセルトラリン分散体の満足すべき送達を具
体的に説明している。分散体型でのセルトラリンの送達は、同じ放出プロフィー
ルにおける結晶セルトラリン塩酸塩と比較して、胃腸菅内で溶解されるセルトラ
リン濃度及びセルトラリンのバイオアベイラビリティを高めると期待される。
【0205】 <実施例17A−C> これらの実施例は、コーティングの水透過性に対するコーティング材料の調合
の効果を示す。この実施例では以上で議論される水流量(water flux)(40/75
)値を測定した。錠剤の核は、表A、B及びC中に言及される例外を除いて、15/3
2インチ標準円形凹型ツールを使用し、13.4 Kpの圧縮で実施例2Aと同様に作製し
た。したがって、各錠剤核の表面積は約4.35 cm2であった。
【0206】 これらの核に対し、実施例1と同様にコーティングを施した。表17.1に使用さ
れたコーティング溶液の組成を示す。すべての場合において、アセトンを溶媒と
して使用した。
【0207】
【表22】
【0208】 水流量(40/75)値を決定するため、各実施例から5個ずつの錠剤を秤量容器
に入れて、定温(40℃)及び定湿度(相対湿度75%)に設定した環境チャンバー
内に置いた。定期的に錠剤を取り出し、そして秤量した。表17.2にこの実験の
データを示す。
【0209】
【表23】
【0210】 コーティングの水流量(40/75)値は、重量vs時間のプロットから得られる初
期の傾きを、錠剤の表面積(錠剤5個分)で割ることによって決定した。表17.3
は、初期の傾きを決定するために最初の3点のデータの直線回帰近似を使用した
これらの計算の結果を示す。このデータから、コーティング溶液中のCA量に対す
るPEGの量が増大するにつれて、水流量(40/75)値が増大したことを示す。
【0211】
【表24】
【0212】 <実施例18> この実施例は、濃縮亢進(concentration-enhancing)ポリマー及び可溶化剤
をセルトラリン含有組成物中に含めることの有用性を示す。セルトラリン含有組
成物は以下の材料を含んでいた:20重量%のセルトラリンHCl、15重量%の酒石
酸(可溶化剤)、20重量%のHPMCAS-LG(濃縮亢進ポリマー)、29重量%の平均
分子量600,000ダルトンのPEO(Polyox WSR-205)(重合化同調剤(polymeric en
training agent))、15重量%のキシリトール(XYLITAB 200)(流動化剤)、
および1重量%の滑潤剤ステアリン酸マグネシウム。
【0213】 セルトラリン含有組成物を形成するため、前記成分(ステアリン酸マグネシウ
ム以外)をターブラーミキサー中で10分間混和した。この混和物を乳鉢及び乳棒
を使用し、イソプロピルアルコール及び水の体積比85:15混合物と共に湿状顆粒
化した。この湿状顆粒化した材料を40℃のオーブン中で一晩乾燥させた。乾燥さ
せた顆粒化物を、3000 rpmでフィッツパトリックハンマーミル(hammer mill)
モデルL1Aに通し、そして0.065インチのスクリーンを通して選別した。この材料
を再びターブラーミキサー中でさらに10分間混和した。次にステアリン酸マグネ
シウムを添加し、そしてこの材料をさらに4分間混和した。
【0214】 水膨潤性組成物は以下の材料を含んでいた:64.4重量%の平均分子量5,000,00
0のPEO(Polyox WSR Coagulant)、30重量%の塩化ナトリウム、5重量%のHPMC
(METHOCEL E5 LV Prem.、錠剤結合剤)、0.1重量%の着色剤(Red Lake #40)
、及び0.5重量%のステアリン酸マグネシウム。水膨潤性組成物を形成するため
、前記成分(着色剤及びステアリン酸マグネシウム以外)をツインシェル(Twin
shell)ミキサー中で20分間混和し、次にハンマーミルを使用して粉砕し、そし
て0.098インチのスクリーンを通した。この材料をツインシェルミキサー中でさ
らに20分間混和した。着色剤及びステアリン酸マグネシウムを1分間混合し、そ
して次に前記混和物に添加した。これらの成分をさらに4分間混和した。
【0215】 セルトラリン含有組成物及び水膨潤性組成物は、核を形成させるため直接圧縮
を使用して、一緒に錠剤化した。セルトラリン含有組成物の一部(441.5 mg)を
標準円形凹型7/16インチ型を装備したf−プレス中に配置し、次に上部パンチを
用いて徐々に水平化した。水膨潤性組成物の一部(227.5 mg)をセルトラリン含
有組成物層の上に配置し、そして圧縮した。f−プレス上の上部パンチ及び下部
パンチの間の圧縮距離は、結果として得られた核の硬度が11.4 Kpに達するまで
調節した。結果として得られた二重層の核は重量が669 mgであり、全部で13.2重
量%のセルトラリンHCl、9.9重量%の酒石酸、13.2重量%のHPMCAS-LG、19.1重
量%のPEO 600,000、9.9重量%のキシリトール、0.9重量%のステアリン酸マグ
ネシウム、21.9重量%のPEO 5,000,000、10.2重量%の塩化ナトリウム、1.7重量
%のHPMC、及び0.03重量%の着色剤を含有していた。これらの核の検定により、
82 mg又は73 mgAのセルトラリンHClが示された。
【0216】 錠剤の核は、ベクターLDCS-20パンコータ中で、水透過性の高いコーティング
を用いてコーティングした。コーティング溶液は、CA 398-10、ポリエチレング
リコール(PEG 3350)、水、及びアセトンを重量比7/3/5/85(表Cを見よ)を
含有していた。40 cfmの加熱された乾燥空気を調節してパンコータ注出温度を25
℃に維持した。20 psiの窒素を使用し、ノズル−ベッド距離を2インチにして、
コーティング溶液をスプレーノズルから霧化した。パンを20 rpmで転がした。最
終的な乾燥コーティングの重量は、錠剤核の重量の20.4重量%に達した。錠剤の
薬物含有表面上に2 mmの穴を1個レーザーで穿った。コーティングされた錠剤の
総重量は805 mgであった。
【0217】 in vitroの残留セルトラリン放出試験を行った。錠剤を、模擬胃緩衝液溶液(
10 mM HCl、100 mM NaCl、pH 2.0、261 mOsm/kg)を含有する攪拌されたUSP 2
型ジソエッテフラスコ中に2時間配置し、そして次に模擬腸緩衝液溶液(6 mM KH 2 PO4、64 mM KCl、35 mM NaCl、pH 7.2、210 mOsm/kg)へ移した。どちらのフ
ラスコにおいても、錠剤がフラスコの底に接触せず、すべての表面が溶液にさら
されるように製剤はワイヤ支持体中に設置し、そして溶液は50 rpmで回転するパ
ドルを使用して攪拌した。あらかじめ選定した時間間隔で1個の錠剤を取り出し
、回収溶液(エタノール/水=50/50 w/w、pH 3)中に入れ、錠剤中に残存す
るセルトラリンを溶解した。残留セルトラリンを、Phenomenex Ultracarb 5 ODS
20カラムを使用したHPLCで分析した。移動相は35体積%のTFA−酢酸緩衝液(3.
48 mLトリエタノールアミン及び2.86 mL氷酢酸/1 L HPLC等級H2O)/アセトニ
トリルから成っていた。セルトラリン濃度は、230 nmのUV吸光度を既知のセルト
ラリンコントロールの吸光度と比較して算出した。錠剤中の残存量をを錠剤中の
初期セルトラリン量(73 mgA)から引いて各時間間隔において放出された量を得
た。結果を表18に示し、表Dに要約する。
【0218】
【表25】
【0219】 このデータは、セルトラリンの4重量%は2時間以内に放出され、そしてセルト
ラリンの74重量%は8時間以内に放出されたことを示す。20時間後には、錠剤中
に含有されるセルトラリンの89重量%が放出された。試験中の錠剤の観察から、
試験の時間の間コーティングは無傷で保たれていたことが示唆された。
【0220】 <実施例19> この例は、本発明の製剤の製造に使用できる方法を示す。セルトラリン含有組
成物を調製するために、800gの塩酸セルトラリン、1080gのPolyox N80(Union
Carbide、分子量200,000ダルトンのPEO、NFグレード)および100gのKlucel E
F(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード)を、Nitro
SP1高剪断造粒機の10Lのボウルに入れる。300rpmのインペラー速度および1000rp
mのチョッパー速度で5分間ブレンドする。同じ速度で、310gの85/15(wt/wt)
イソプロピルアルコール/水混合物を80g/分の速度で、イソプロピルアルコー
ル/水混合物310g全部が4分間で添加されるように送入しながら6分間混合し続け
る。6分後、インペラー速度を500rpmに設定し(チョッパー速度を1000rpmに維持
しながら)、30秒間混合する。湿潤顆粒をボウルから排出させる。次いで、300r
pmで回転する前方ナイフ付き0.093インチプレートを備えたFitzpatrick M5Aミ
ルに湿潤顆粒を通す。湿式微粉砕した顆粒をポリエチレンライニングしたオーブ
ントレーに1インチ未満の深さで入れ、40℃の熱対流オーブンで約16時間乾燥さ
せる。次いで乾燥顆粒を300rpmで回転する前方ナイフ付き0.030インチConidor
摩砕プレートを備えたFitzpatrick M5Aミルに通す。微粉砕で得た材料の実際の
重量に基づいて、微粉砕顆粒に1.0重量%のステアリン酸マグネシウム(1980g
の微粉砕顆粒に対し20g)を添加し、16クオートV型ブレンダーで5分間混合する
【0221】 水膨潤性組成物を調製するために、2578gの凝固剤グレードPolyox WSR(Unio
n Carbide、分子量5,000,000ダルトンのPEO、NFグレード)、1200gのNaClお
よび200gのMETHOCEL E5プレミアムLV(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、NFグレード)を、16クオートPKブレンダーに入れる。10分間混合する
。この混合物を300rpmで回転する0.079インチふるいを備えたFitzpatrick M5A
ミルに通して塊を除去する。この混合物200gを、#40ふるいに5分間通したRed
Lake #40 2.0gとボトルブレンドする。これを前記混合物の残りと共にV型ブ
レンダーに添加し、10分間混合する。混合した材料の実際の重量に基づいて、V
型ブレンダーに0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを添加して最終ブレンド
を得る。
【0222】 コアを成形するために、二層打錠機を製剤の目的サイズに適した錠剤サイズに
設定する。たとえば150mgA用量については、7/16インチ標準丸凹形(standard
round concave,SRC)成形用具を用いる;75mgA用量については、11/32イン
チSRC成形用具を用いる;25mgA用量については、7/32インチSRC成形用具を用い
る。セルトラリン含有組成物の力価を測定した後、目的用量に用いるセルトラリ
ン含有組成物の量を決定する。次いで、下記の全コア重量と仮定して、水膨潤性
組成物の必要量を計算する:150mgA用量には617mg、75mgA用量には333mg、25mgA
用量には111mg。まず目的量のセルトラリン含有組成物、次いで目的量の水膨潤
性組成物を添加することにより、打錠機でコアを成形する。コアが150mgA用量に
は8〜10Kp、75mgA用量には5〜7Kp、25mgA用量には3〜5Kpの硬さをもつように、
滞留時間および圧縮力を調整する。
【0223】 コーティングを形成するために、まずPEG 3350(150mgA用量には75g、75mgA
用量には60g、25mgA用量には30g)を4Lの三角フラスコ内で150gの精製水に溶解
することにより、約3000gの目的コーティング溶液を調製する。この溶液に2550g
のアセトンを添加する。フラスコを温水の容器に入れ、オーバーヘッド撹拌機に
より激しい撹拌を開始する。撹拌中、タイプ398−10酢酸セルロース(150mgA用
量に225g、75mgA用量には240g、25mgA用量には270g)を徐々に添加し、1〜2時間
、または溶液が透明になるまで混合する。目的とする放出プロフィールを得るた
めに、より高い水透過性(より多いPEG含量)またはより低い水透過性(より少
ないPEG含量)が必要であれば、他のコーティング溶液組成物も使用できる。
【0224】 次いでパンコーター、たとえばHCT30−EP Hi−Coaterを組み立てる。このコ
ーターには、2850フルイドキャップ(fluid cap)付き1/8インチJAC s/sノ
ズル本体を用いる。フルイドキャップ上にエアキャップ104228−45を付加する。
入口温度を42℃に設定することにより、コーターを約30℃に加温する。霧化空気
を15psiに設定し、コーティング溶液約20g/分を送入するようにポンプを設定す
る。HCT30−EP コーティングパンに約1kgの適宜なサイズの錠剤コアを装填する
。製品の統合性を最適化するために、コーティング操作中の出口温度28〜30℃を
維持しながら噴霧速度、入口温度、排出温度、空気流およびポンプ速度などのプ
ロセスパラメーターを調整する。目的とするコーティング重量が得られるまで、
湿分を調整して(150mgA、10時間放出型には17重量%;75mgA、10時間放出型に
は17重量%;75mgA、6時間放出型には10重量%;25mgA、10時間放出型には18重
量%)コーティングプロセスを続ける。40℃に設定した熱対流オーブンで錠剤を
16時間乾燥させる。レーザー穿孔機を用いて、錠剤のセルトラリン含有組成物側
に700μmの送達口1個を穿孔する。コア内への穿孔を最小にしてコーティングを
確実に貫通するように、レーザーパルス数を調整する。
【0225】 <実施例20> この例は、セルトラリンの結晶サイズを小さくするためにジェットミリングし
たセルトラリンを用いてセルトラリン含有組成物を調製するのに使用できる方法
を示す。まず800gのジェットミリングした塩酸セルトラリン、1080gのPolyox N
80(Union Carbide、分子量200,000ダルトンのPEO、NFグレード)および100g
のKlucel EF(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード)
を、Nitro SP1高剪断造粒機の10Lのボウルに入れる。300rpmのインペラー速度
および1000rpmのチョッパー速度で5分間ブレンドする。同じ速度で、335gの85/
15(wt/wt)イソプロピルアルコール/水混合物を85g/分の速度で、イソプロ
ピルアルコール/水混合物335g全部が4分間で添加されるように送入しながら6分
間混合し続ける。6分後、インペラー速度を500rpmに設定し(チョッパー速度を1
000rpmに維持しながら)、30秒間混合する。湿潤顆粒をボウルから排出させる。
次いで、300rpmで回転する前方ナイフ付き0.093インチプレートを備えたFitzpa
trick M5Aミルに湿潤顆粒を通す。湿式微粉砕した顆粒をポリエチレンライニン
グしたオーブントレーに1インチ未満の深さで入れ、40℃の熱対流オーブンで約1
6時間乾燥させる。次いで乾燥顆粒を300rpmで回転する前方ナイフ付き0.030イ
ンチConidor摩砕プレートを備えたFitzpatrick M5Aミルに通す。微粉砕で得た
材料の実際の重量に基づいて、微粉砕顆粒に1.0重量%のステアリン酸マグネシ
ウム(1980gの微粉砕顆粒に対し20g)を添加し、16クオートV型ブレンダーで5分
間混合する。こうして調製したセルトラリン含有組成物を、次いで実施例19の記
載に従って錠剤成形に使用できる。
【0226】 <実施例21> この例は、フマル酸を含有するセルトラリン含有組成物を調製するのに使用で
きる方法を示す。まず758gの塩酸セルトラリン、142gのフマル酸、980gのPolyox
N80(Union Carbide、分子量200,000ダルトンのPEO、NFグレード)および10
0gのKlucel EF(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード
)を、Nitro SP1高剪断造粒機の10Lのボウルに入れる。300rpmのインペラー速
度および1000rpmのチョッパー速度で5分間ブレンドする。同じ速度で、260gの85
/15(wt/wt)イソプロピルアルコール/水混合物を65g/分の速度で、イソプ
ロピルアルコール/水混合物260g全部が4分間で添加されるように送入しながら6
分間混合し続ける。6分後、インペラー速度を500rpmに設定し(チョッパー速度
を1000rpmに維持しながら)、30秒間混合する。湿潤顆粒をボウルから排出させ
る。次いで、300rpmで回転する前方ナイフ付き0.093インチプレートを備えたFi
tzpatrick M5Aミルに湿潤顆粒を通す。湿式微粉砕した顆粒をポリエチレンライ
ニングしたオーブントレーに1インチ未満の深さで入れ、40℃の熱対流オーブン
で約16時間乾燥させる。次いで乾燥顆粒を300rpmで回転する前方ナイフ付き0.0
30インチConidor摩砕プレートを備えたFitzpatrick M5Aミルに通す。微粉砕で
得た材料の実際の重量に基づいて、微粉砕顆粒に1.0重量%のステアリン酸マグ
ネシウム(1980gの微粉砕顆粒に対し20g)を添加し、16クオートV型ブレンダー
で5分間混合する。こうして調製したセルトラリン含有組成物を、次いで実施例1
9の記載に従って錠剤成形に使用できる。他の有機酸、たとえば酒石酸をフマル
酸の代わりに用いても同様な組成物が得られることを留意されたい。
【0227】 <実施例22> この例は、乳酸セルトラリンを用いてセルトラリン含有組成物を調製するのに
使用できる方法を示す。800gの乳酸セルトラリン、1080gのPolyox N80(Union
Carbide、分子量200,000ダルトンのPEO、NFグレード)および100gのKlucel E
F(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード)を、Nitro
SP1高剪断造粒機の10Lのボウルに入れる。300rpmのインペラー速度および1000rp
mのチョッパー速度で5分間ブレンドする。同じ速度で、320gの85/15(wt/wt)
イソプロピルアルコール/水混合物を80g/分の速度で、イソプロピルアルコー
ル/水混合物320g全部が4分間で添加されるように送入しながら6分間混合し続け
る。6分後、インペラー速度を500rpmに設定し(チョッパー速度を1000rpmに維持
しながら)、30秒間混合する。湿潤顆粒をボウルから排出させる。次いで、300r
pmで回転する前方ナイフ付き0.093インチプレートを備えたFitzpatrick M5Aミ
ルに湿潤顆粒を通す。湿式微粉砕した顆粒をポリエチレンライニングしたオーブ
ントレーに1インチ未満の深さで入れ、40℃の熱対流オーブンで約16時間乾燥さ
せる。次いで乾燥顆粒を300rpmで回転する前方ナイフ付き0.030インチConidor
摩砕プレートを備えたFitzpatrick M5Aミルに通す。微粉砕で得た材料の実際の
重量に基づいて、微粉砕顆粒に1.0重量%のステアリン酸マグネシウム(1980g
の微粉砕顆粒に対し20g)を添加し、16クオートV型ブレンダーで5分間混合する
。こうして調製したセルトラリン含有組成物を、次いで実施例19の記載に従って
錠剤成形に使用できる。
【0228】 <実施例23> この例は、本発明の製剤の製造に使用できる他の方法を示す。セルトラリン含
有組成物を調製するために、800gの塩酸セルトラリン、1080gのPolyox N80(Un
ion Carbide、分子量200,000ダルトンのPEO、NFグレード)および100gのKluce
l EF(Union Carbide、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード)を、Nit
ro SP1高剪断造粒機の10Lのボウルに入れる。300rpmのインペラー速度および10
00rpmのチョッパー速度で5分間ブレンドする。同じ速度で、310gの85/15(wt/
wt)イソプロピルアルコール/水混合物を80g/分の速度で、イソプロピルアル
コール/水混合物310g全部が4分間で添加されるように送入しながら6分間混合し
続ける。混合物の融解を避けるように注意を払いながら、顆粒を電子オーブン乾
燥させる(あるいは40℃の熱対流オーブンで顆粒を6時間以上トレー乾燥させる
)。乾燥後、顆粒を適切なサイズに微粉砕する(たとえば0.030インチのふるい
)。微粉砕で得た材料の実際の重量に基づいて、微粉砕顆粒に1.0重量%のステ
アリン酸マグネシウム(1980gの微粉砕顆粒に対し20g)を添加し、16クオートV
型ブレンダーで5分間混合する。
【0229】 水膨潤性組成物を調製するために、2578gの凝固剤グレードPolyox WSR(Unio
n Carbide、分子量5,000,000ダルトンのPEO、NFグレード)、1200gのNaCl(
粉末グレード;Morton)および200gのMethocel E5プレミアムLV(Union Carbi
de、ヒドロキシプロピルセルロース、NFグレード)を、高剪断造粒機に入れる。
5分間混合する。造粒終末点に達するのに十分なエタノールを送入しながら、同
じ速度で10分間混合を続ける。湿潤顆粒を電子オーブン乾燥(あるいは熱対流オ
ーブンを用いるトレー乾燥を用いる)し、次いで0.030インチふるいで微粉砕す
る。この微粉砕顆粒をV型ブレンダー内で0.5重量%のステアリン酸マグネシウ
ムと混和し、5分間混合して最終ブレンドを得る。
【0230】 コアを成形するために、二層打錠機を製剤の目的サイズに適した錠剤サイズに
設定する。たとえば75mgA用量については、11/32インチSRC成形用具を用いる。
セルトラリン含有組成物の力価を測定した後、目的用量に用いるセルトラリン含
有組成物の量を決定する。次いで、75mgA用量には333mgの全コア重量と仮定して
、水膨潤性組成物の必要量を計算する。まず目的量のセルトラリン含有組成物、
次いで目的量の水膨潤性組成物を添加することにより、打錠機でコアを成形する
。コアが5〜7Kpの硬さをもつように、滞留時間および圧縮力を調整する。
【0231】 コーティングを形成するために、前記実施例19の記載に従ってまず3000gの目
的コーティング溶液を調製する。 パンコーターを用い、実施例19に概説した操作条件でコアにコーティングを付
与する。目的とするコーティング重量が得られるまでコーティングプロセスを続
ける。40℃に設定した熱対流オーブンで錠剤を6時間以上乾燥させる。レーザー
穿孔機を用いて、錠剤のセルトラリン含有組成物側に700μmの送達口1個を穿孔
する。
【0232】
【表26】
【0233】
【表27】
【0234】
【表28】
【0235】
【表29】
【0236】
【表30】
【0237】
【表31】
【0238】
【表32】
【0239】
【表33】
【0240】
【表34】
【0241】
【表35】
【0242】
【表36】
【0243】
【表37】
【0244】 以上の明細書中で用いた用語および表現は説明のために用いたものであり、限
定のためのものではなく、それらの用語および表現を用いるに際し、図示および
記載した態様またはその一部の均等物を除外するものではない。本発明の範囲は
特許請求の範囲によってのみ定義および限定されると認識される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製剤の一例の断面模式図である。
【図2】 ”クラウニング”と呼ばれる現象を示した製剤の一例の断面模式
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/26 A61K 47/26 47/32 47/32 47/34 47/34 47/36 47/36 47/38 47/38 A61P 3/04 A61P 3/04 15/00 15/00 15/10 15/10 25/20 25/20 25/22 25/22 25/24 25/24 25/30 25/30 43/00 114 43/00 114 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 フェルジオネ,マイケル・ブルース アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 ロイ,マイケル・クリストファー アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 ソンブレ,アヴィナシュ・ゴーヴィンド アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 ウォーターマン,ケネス・クレイグ アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 アッペル,リア・エリザベス アメリカ合衆国オレゴン州97701,ベンド, ノースクリフ・ドライブ 4051 (72)発明者 ベイリンク,ロナルド・アーサー アメリカ合衆国オレゴン州97701,ベンド, ハートフォード・アベニュー 1620 ノー スウエスト (72)発明者 チドロウ,マーク・ブライアン アメリカ合衆国オレゴン州97701,ベンド, チェロキー・レイン 63274 (72)発明者 フリーセン,ドウェイン・トーマス アメリカ合衆国オレゴン州97702,ベンド, カーラント・ウェイ 60779 (72)発明者 サプリー,ダニエル アメリカ合衆国オレゴン州97701,ベンド, フィフス・ストリート 1427 ノースウエ スト Fターム(参考) 4C076 AA38 AA39 AA41 AA42 AA44 AA94 BB01 CC01 DD23 DD37 DD41 DD66 DD68 EE06 EE16 EE31 EE32 EE33 EE38 FF02 FF05 FF09 GG14 4C206 AA01 AA02 FA29 MA03 MA05 MA55 MA72 NA06 NA12 ZA05 ZA12 ZA70 ZA81 ZC39

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリンおよびポリエチレンオキシドを含む前記セルトラリン含有
    組成物であって、セルトラリンが前記セルトラリン含有組成物の少なくとも約20
    重量%を構成するもの;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、セルトラリンがその医薬として許容できる塩の形であり、前記製剤を
    使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間目から12時間目までに毎時約6〜10重量
    %の平均速度でセルトラリンを前記使用環境へ放出し、最初の2時間で約25重量
    %未満を放出し、かつ12時間目までに少なくとも70重量%を放出する、前記製剤
  2. 【請求項2】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリン、少なくとも500,000の分子量を有するポリエチレンオキ
    シド、および流動化剤を含む、前記セルトラリン含有組成物;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、セルトラリンがその医薬として許容できる塩の形であり、前記製剤を
    使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間目から12時間目までに毎時約6〜10重量
    %の平均速度でセルトラリンを前記使用環境へ放出し、最初の2時間で約25重量
    %未満を放出し、かつ12時間目までに少なくとも70重量%を放出する、前記製剤
  3. 【請求項3】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリンおよびポリマー系同調化剤を含む前記セルトラリン含有組
    成物であって、セルトラリンがセルトラリン含有組成物の少なくとも約20重量%
    を構成するもの;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、セルトラリンがその医薬として許容できる塩の形であり、前記製剤を
    使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間までに約25重量%未満、8時間までに少
    なくとも約40重量%、そして8時間目から24時間目までに少なくとも約25重量%
    の量でセルトラリンを前記使用環境へ放出する、前記製剤。
  4. 【請求項4】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあり、浸透圧作用剤を実質的に含有し
    ないもの; (b)セルトラリンおよびポリマー系同調化剤を含む、前記セルトラリン含有
    組成物;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、セルトラリンがその医薬として許容できる塩の形であり、前記製剤を
    使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間目から12時間目までに毎時約6〜10重量
    %の平均速度でセルトラリンを前記使用環境へ放出し、最初の2時間で約25重量
    %未満を放出し、かつ12時間目までに少なくとも70重量%を放出する、前記製剤
  5. 【請求項5】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリンおよびポリマー系同調化剤を含む、前記セルトラリン含有
    組成物;ならびに (c)コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、多孔性の
    、水不溶性の親水性セルロース系ポリマーコーティング; であって、セルトラリンがその医薬として許容できる塩の形であり、前記製剤を
    使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間目から12時間目までに毎時約6〜10重量
    %の平均速度でセルトラリンを前記使用環境へ放出し、最初の2時間で約25重量
    %未満を放出し、かつ12時間目までに少なくとも70重量%を放出する、前記製剤
  6. 【請求項6】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリンおよびポリマー系同調化剤を含む、前記セルトラリン含有
    組成物;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、セルトラリンが非晶質分散体の形である、前記製剤。
  7. 【請求項7】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、水
    膨潤性組成物が前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリン、ポリエチレンオキシドおよび結合剤を含む、前記セルト
    ラリン含有組成物;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング であって、セルトラリン含有組成物の少なくとも一部は低級アルコールおよび水
    の混合物を用いて湿式造粒されている、前記製剤。
  8. 【請求項8】 前記流動化剤が非還元性糖および有機酸よりなる群から選択さ
    れ、前記流動化剤が少なくとも30mg/mlの水溶解度を有する、請求項2に記載の
    製剤。
  9. 【請求項9】 前記セルトラリン含有組成物がさらに非還元性糖および有機酸
    よりなる群から選択される流動化剤を含み、前記流動化剤が少なくとも30mg/ml
    の水溶解度を有する、請求項1および3〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  10. 【請求項10】 セルトラリンが少なくとも40mgAの量で存在する、請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の製剤。
  11. 【請求項11】 前記医薬として許容できるセルトラリン塩が約10μm未満の
    重量平均粒子サイズを有する、請求項1〜5および7のいずれか1項に記載の製剤。
  12. 【請求項12】 前記コアが酸化防止剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の製剤。
  13. 【請求項13】 セルトラリンの前記医薬として許容できる塩形が、高溶解性
    である、請求項1〜5および7のいずれか1項に記載の製剤。
  14. 【請求項14】 前記高溶解性塩形が、乳酸セルトラリン、酢酸セルトラリン
    、アスパラギン酸セルトラリンよりなる群から選択される、請求項13に記載の製
    剤。
  15. 【請求項15】 前記コアが可溶化剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の製剤。
  16. 【請求項16】 前記セルトラリン含有組成物が可溶化剤を含む、請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の製剤。
  17. 【請求項17】 前記可溶化剤が有機酸である、請求項16に記載の製剤。
  18. 【請求項18】 前記水膨潤性組成物が浸透圧作用剤を実質的に含有しない、
    請求項1〜3および5〜6のいずれか1項に記載の製剤。
  19. 【請求項19】 水膨潤性組成物中の水膨潤性ポリマーがグリコール酸デンプ
    ンナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムを含み、前記セルトラリン含
    有組成物の質量を前記水膨潤性組成物の質量で割ったものが少なくとも3.0であ
    る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  20. 【請求項20】 前記製剤が式: (35D2)−1≦H≦(35D2)+6 (式中、Dは前記コアを圧縮するのに用いる用具の直径(インチ)である)で表
    される硬さH(Kp)の錠剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  21. 【請求項21】 前記コーティングが9:1〜6.5:3.5の酢酸セルロース対ポ
    リエチレングリコールの重量比を有する溶液から形成される、請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の製剤。
  22. 【請求項22】 乾燥状態の前記コーティングが非孔質コーティング材料の密
    度の0.9倍未満の密度の多孔質である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤
  23. 【請求項23】 前記コーティングが少なくとも1.0×10-3gm−hr/cm2の水
    フラックス(40/75)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  24. 【請求項24】 前記製剤を前記使用環境へ導入した後、前記製剤が2時間以
    内に10重量%未満のセルトラリンを送達する、請求項4に記載の製剤。
  25. 【請求項25】 実質的に同じ放出プロフィールで標準サイズの塩酸セルトラ
    リン結晶を放出する製剤と比較して、セルトラリンの改善された消化管吸収がみ
    られるように、前記セルトラリンの少なくとも一部を放出する、請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の製剤。
  26. 【請求項26】 前記非晶質分散体が濃度増大ポリマー中のセルトラリンの固
    体分散体である、請求項6に記載の製剤。
  27. 【請求項27】 前記濃度増大ポリマーが、以下よりなる群から選択される、
    請求項26に記載の製剤: (a)イオン化性セルロース系ポリマー; (b)非イオン化性セルロース系ポリマー;ならびに (c)ヒドロキシ、アルキルアシルオキシおよび環状アミドよりなる群から選
    択される置換基を有する、ビニル系のポリマーおよびコポリマー。
  28. 【請求項28】 前記濃度増大ポリマーが、セルロースエステル、セルロース
    エーテルおよびセルロースエステル/エーテルよりなる群から選択されるセルロ
    ース系ポリマーである、請求項26に記載の製剤。
  29. 【請求項29】 前記濃度増大ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
    ルアルコール、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルとのコポリマー、および
    水溶性セルロース系ポリマーよりなる群から選択される、請求項28に記載の製剤
  30. 【請求項30】 以下を含む、セルトラリンの制御放出型製剤: (a)セルトラリン含有組成物および水膨潤性組成物を含むコアであって、そ
    れぞれが前記コア内の別個の領域にあるもの; (b)セルトラリン、同調化剤および濃度増大ポリマーを含む、前記セルトラ
    リン含有組成物;ならびに (c)前記コアの周囲にあり、貫通した少なくとも1つの送達口を有する、水透
    過性の、水不溶性のコーティング; であって、前記製剤は、使用環境において、対照製剤が前記使用環境において供
    給するセルトラリンの平衡濃度より少なくとも1.25倍高い最大濃度のセルトラ
    リンを供給し、かつ前記使用環境において、対照製剤が供給する濃度が平衡濃度
    を超えるより長い時間その平衡濃度を超えるセルトラリン濃度を供給し、その際
    、対照製剤は濃度増大ポリマーを含有せず、等量のセルトラリンを含む、前記製
    剤。
  31. 【請求項31】 前記セルトラリン含有組成物がさらに可溶化剤を含有する、
    請求項30に記載の製剤。
  32. 【請求項32】 前記濃度増大ポリマーが、以下よりなる群から選択される、
    請求項30に記載の製剤: (a)イオン化性セルロース系ポリマー; (b)非イオン化性セルロース系ポリマー;ならびに (c)ヒドロキシ、アルキルアシルオキシおよび環状アミドよりなる群から選
    択される置換基を有する、ビニル系のポリマーおよびコポリマー。
  33. 【請求項33】 水膨潤性組成物中の水膨潤性ポリマーがグリコール酸デンプ
    ンナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムを含み、前記セルトラリン含
    有組成物の質量を前記水膨潤性組成物の質量で割ったものが少なくとも3.0であ
    る、請求項30に記載の製剤。
  34. 【請求項34】 製剤が式: (35D2)−1≦H≦(35D2)+6 (式中、Dはコアを圧縮するのに用いる用具の直径(インチ)である)で表され
    る硬さH(Kp)の錠剤である、請求項30に記載の製剤。
  35. 【請求項35】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項1に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  36. 【請求項36】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項2に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  37. 【請求項37】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項3に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  38. 【請求項38】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項4に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  39. 【請求項39】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項5に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  40. 【請求項40】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項6に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  41. 【請求項41】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項7に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
  42. 【請求項42】 障害を処置する方法であって、その処置を必要とするヒトを
    含む哺乳動物に、臨床上有効量の、請求項30に記載の製剤であるセルトラリンを
    投与することを含む、前記方法。
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