JP2003517799A - 移動無線端末のユーザが自身の無線品質に影響を与えることを可能とするシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 移動無線端末のユーザが自身の無線品質に影響を与えるのを可能とすることによって、厄介な無線シャドー効果に対処するシステム及び方法が提供される。基本的には、このシステムは移動通信端末とセルラ・ネットワーク・アナライザとの間に設置される移動通信ネットワークを含んでいる。移動無線端末は、移動通信ネットワーク内での自分の現在位置を推定するよう動作可能であり、更に推定された現在位置をセルラ・ネットワーク・アナライザから受信した無線品質マップと比べて、移動無線端末の近辺の無線品質を求めるように動作可能である。このため、移動無線端末は、自身のユーザに、移動無線端末の現在位置の周囲の無線品質について通知でき、移動無線端末を移動させること又は停めることによってユーザが自身の無線品質に影響を与えることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 ＜発明の背景＞ 発明の技術分野 本発明は概して移動通信の分野に関し、より詳細には、移動無線端末を移動さ
せること又は停めることにより、移動無線端末のユーザが自身の無線品質に影響
を与えることを可能とするシステム及び方法に関する。

【０００２】 関連する技術の説明 移動通信ネットワークで採用されているような無線信号の通信では、移動無線
端末で受信した基地局からの無線信号の品質は、自然現象によって悪影響を受け
ることがある。この自然現象には、移動無線端末と基地局との間に位置する建物
や丘のような自然の障害物によって引き起こされる、厄介な無線シャドー（radi
o shadow）の影響も含まれる。無線シャドーは、移動無線端末によって受信され
る無線信号の強度を有効に低下させる、対数正規フェージング（log-normal fad
ing）としても知られている。

【０００３】 図１を参照すると、移動無線端末１０６（自動車で示されている）と基地局１
０８との間に建物１０２や丘１０４のような自然の障害物が位置するときに、自
然現象としての無線シャドーが起こり得る代表的な状況が概略的に示されている
。移動通信ネットワークにおいて厄介な無線シャドーの影響に対処するため、ネ
ットワークのオペレータが用いてきた従来の一つの方法を以下で簡単に説明する
。

【０００４】 ＪＰ １００４２３６０号（日本語要約）は、影となっているゾーンに位置す
る携帯型無線通信装置のユーザに、高速無線通信基地局との通信が行える特定の
領域を通知するシステムを開示している。この携帯型無線通信装置は、現在のユ
ーザの位置を推定するのに使用する全地球側位衛星（ＧＰＳ）の受信器を含んで
いる。このシステムは、ユーザに現在の位置の近くで高速無線通信基地局との通
信が行える領域及び場所の位置の少なくともいずれかを通知するために、携帯型
無線通信装置との通信の開始時点で低速無線データ回線を使用する、中央制御局
を含んでいる。これは携帯型無線通信装置のユーザが影となっているゾーン（例
えば、無線シャドー）から出られるようにするには複雑な解決策である。

【０００５】 残念ながら、この厄介な無線シャドーに対処するために使用される従来の方法
は、移動無線端末が無線シャドーを被っている地理的領域に入る前に、移動無線
端末のユーザは自身の無線品質に影響を与えることができない。その上、この厄
介な無線シャドーに対処するために使用される従来の方法は、現在無線シャドー
を被っている地理的領域から移動無線端末のユーザが出られるようにする簡単な
解決策を提供できない。このため、移動無線端末のユーザに、移動無線端末の現
在の位置の周囲の無線品質を通知することができ、それにより移動無線端末を移
動させること又は停めることにより、ユーザが自身の無線品質に影響を与えるこ
とを可能とする、システム及び方法が必要とされている。

【０００６】 ＜発明の簡単な説明＞ 本発明は、移動通信端末（例えば、移動電話、コミュニケータ（移動電話とオ
ーガナイザーとの両方を備える）、ページャ）のユーザが自身の無線品質に影響
を与えることができるようにすることにより、厄介な無線シャドーに対処するシ
ステム及び方法を提供する。基本的には、このシステムは移動無線端末とセルラ
・ネットワーク・アナライザとの間に設置される移動通信ネットワークを含んで
いる。移動無線端末は、移動通信ネットワーク内での自身の現在位置、方向及び
速度を推定すべく動作可能であり、更には推定した現在位置とセルラ・ネットワ
ーク・アナライザから受信した無線品質マップとを比べて、移動無線端末の近辺
の無線品質を求めるべく動作可能である。従って、移動無線端末は、移動無線端
末の現在位置の周囲の無線品質についてユーザに通知することができ、そのため
移動無線端末を移動させること又は停めることにより、ユーザが自身の無線品質
に影響を与えることを可能にする。

【０００７】 添付図面と共に以下の詳細な説明を参照することにより、本発明のシステム及
び方法をより完全に理解することができるであろう。

【０００８】 ＜図面の詳細な説明＞ 同様な部分が同様な符号で示されている図２から図７を参照すると、本発明に
よる代表的システム２００、代表的移動無線端末６００、及び好適な方法７００
が開示されている。

【０００９】 本発明は、この業界で対数正規フェージングとして一般的に知られている厄介
な無線シャドー効果（図１参照）に対処するための方法として記載されているが
、本発明はこの業界で経路損失及びレイリー・フェージングとして一般に知られ
ている他の伝送の問題に対処するのにも使用できることを理解されたい。従って
、記載されたシステム２００、移動無線端末６００及び好適な方法７００を、限
定的に解釈すべきでない。

【００１０】 図２には、本発明のシステム２００に関する基本的構成要素のブロック図が示
されている。基本的にシステム２００は、移動無線端末６００（１つだけが示さ
れている）とセルラ・ネットワーク・アナライザ４００との間に設置される移動
通信ネットワーク３００を含んでいる。移動無線端末６００（例えば、移動電話
、コミュニケータ（移動電話とオーガナイザーとの両方を備える）、ページャ）
は、移動通信ネットワーク３００内での自身の現在位置、方向及び速度を推定す
べく動作可能である。例えば、移動無線端末６００は、移動通信ネットワーク内
での自身の現在位置を推定するのに、ＧＰＳ衛星２２０及びＧＰＳ受信器６１０
を含む全地球側位システム（ＧＰＳ）を用いてもよい。移動無線端末６００はま
た、推定した現在位置とセルラ・ネットワーク・アナライザ４００から受信した
無線品質マップとを比べて、移動無線端末の近辺の無線品質を求めるべく動作可
能である。従って、移動無線端末６００は、移動無線端末の現在位置の周囲の無
線品質についてユーザに通知することができ、そのため移動無線端末を移動させ
ること又は停めることにより、ユーザが自身の無線品質に影響を与えることを可
能にする。

【００１１】 図３には、代表的移動通信ネットワーク３００をより詳細に表わすブロック図
が示されている。移動通信ネットワーク３００に関するある種の詳細事項はこの
業界では知られており、そのため本明細書で記載する必要はない。従って、簡潔
にするため、移動通信ネットワーク３００に関する以下の説明では、本発明を理
解するのに不要であるいくつかの構成要素を省略した。

【００１２】 移動通信ネットワーク３００は、Ｃ１からＣ１０の複数の無線カバレージ領域
あるいはセルに分割された任意の地理的領域を含んでいる。Ｃ１からＣ１０の各
セルは、セルと同じ番号で示された基地局Ｂ１からＢ１０を有している。図示さ
れた移動通信ネットワーク３００は、９個の移動無線端末Ｍ１からＭ９と、それ
ぞれが一つのセル内で移動でき、あるセルから別のセルへの移動もできる、１０
個の移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０とをサポートする。９個の移
動無線端末Ｍ１からＭ９（少なくとも１つが移動無線端末６００であり得る）と
、１０個の移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０（図４のセルラ・ネッ
トワーク・アナライザ４００を参照）とのそれぞれは、移動通信ネットワーク３
００内でのそれらの現在位置を求めるために、ＧＰＳ衛星２２０と相互に作用す
るＧＰＳ受信器を内蔵していてもよい。図示されたように、移動通信ネットワー
ク３００は、示された１０個の基地局Ｂ１からＢ１０の全てに配線された移動無
線電話交換機ＭＳＣも含んでいる。移動無線電話交換機ＭＳＣは、セルラ・ネッ
トワーク・アナライザ４００に接続された公衆交換電話網ＰＳＴＮに接続されて
いる。

【００１３】 図１に示された移動通信ネットワーク３００の例は、単に説明のためであり、
本発明の考えられる様々な実施態様を制限することを意図したものではないこと
を理解されたい。このため、本発明は、１０個より多いセル、１０個より多い基
地局、９個より多い移動無線端末及び１０個より多い移動テスト・ユニットを含
む移動通信ネットワークに標準的に適用できる。

【００１４】 図４には、代表的セルラ・ネットワーク・アナライザ４００をより詳細に表わ
すブロック図が示されている。基本的に、セルラ・ネットワーク・アナライザ４
００は、移動通信ネットワーク３００内の全体の無線品質をモニタし報告するた
めにネットワークのオペレータによって使用され得る。この実行を助けるべく、
セルラ・ネットワーク・アナライザ４００は、移動通信ネットワーク３００によ
ってサービスされる地理的領域の少なくとも一部における無線状態（例えば、無
線品質）を表わす無線品質マップ５００（図５参照）を生成するために、移動テ
スト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０を利用する。このように、無線シャドー
効果により許容できない無線品質を有する地理的領域が、移動通信ネットワーク
３００全体に渡って設置された移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０で
測定された測定値によって識別され得る。

【００１５】 セルラ・ネットワーク・アナライザ４００は、それぞれが移動通信ネットワー
ク３００内を移動している自動車に設置可能な、移動テスト・ユニットＭＴＵ１
からＭＴＵ１０（図４には３つだけが示されている）を制御する。移動無線端末
６００と同様、移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の各々は、ＧＰＳ
受信器４０５を内蔵していてもよく、移動通信ネットワーク３００内でのそれら
の現在位置を推定するのにＧＰＳ衛星２２０を使用してもよい。また、移動テス
ト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の各々は、通信サーバ４１０から送信され
た測定命令によって指定された時間、場所、及びネットワーク条件において、テ
スト・コールの開始又は受信を行うことができる。通信サーバ４１０は、移動テ
スト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の各々からの、それらの現在位置とテス
ト・コールの間に測定された様々なネットワーク・シグナリング・パラメータ（
後述）とを含む情報を、移動通信ネットワーク３００及びＰＳＴＮ経由で受信す
るよう動作する。

【００１６】 通信サーバ４１０は、データ通信ネットワーク４１２を介して、オペレータ・
コンソール４２０とコンフィギュレーション・ステーション４２５とを含む管理
センタに接続されている。オペレータ・コンソール４２０は、自立した移動テス
ト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０を中心的に管理する（例えば、測定命令の
定義、ソフトウェアのアップグレード及び移動テスト・ユニットのコンフィギュ
レーションの実行）主要部分である。オペレータ・コンソール４２０はまた、移
動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０にテスト・コールを発信し終了する
よう動作する。換言すれば、オペレータ・コンソール４１５は、ネットワーク・
オペレータがセルラ・ネットワーク・アナライザ４００の動作を制御するのを可
能とする。

【００１７】 コンフィギュレーション・ステーション４２５は、無線品質マップ５００（図
５参照）を作成すべく、地理的領域と移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ
１０によって行われる様々な測定の命令とを定義する。より詳細には、コンフィ
ギュレーション・ステーション４２５は、無線品質マップ５００を作成するため
に、地理的領域を管理し測定されたシグナリング・パラメータを用いて統計的デ
ータを生成するよう動作する。無線品質マップ５００は、オペレータ・コンソー
ル４２０によって、プレゼンテーション・ステーション４３０に表示されてもよ
く、かつ／又は移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０に送られてもよい
。移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０はまた、無線品質マップ５００
をユーザに提示してもよい。加えて、コンフィギュレーション・ステーション４
２５は、セルラ・ネットワーク・アナライザ４００によって使用される情報（例
えば、測定結果、コンフィギュレーション・データ）を格納する、データベース
管理システム４４０のインタフェースとして動作する。

【００１８】 セルラ・ネットワーク・アナライザ４００の構成要素（例えば、通信サーバ４
１０、管理センタ４１５及びデータベース管理システム４４０）は、ＴＣＰ／Ｉ
Ｐ（伝送制御プロトコル／インターネット・プロトコル）標準に基づいて、デー
タ通信ネットワーク４１２を介して通信可能である。ＴＣＰ／ＩＰ標準の使用は
構成要素が地理的に分配されるのを可能とし、構成要素が（例えば）ＬＡＮ（ロ
ーカル・エリア・ネットワーク）、ＷＡＮ（広域ネットワーク）、固定又はダイ
ヤルアップ回線、あるいはＩＳＤＮ（サービス統合デジタル網）を介して接続さ
れるのも可能とする。

【００１９】 図５には、地理的領域のレイヤ（例えば、ロード・マップ）と無線品質の統計
レイヤ（例えば、受信レベル）とを重ねることによって形成された無線品質マッ
プ５００の代表例が示されている。より詳細には、セルラ・ネットワーク・アナ
ライザ４００は、選択された数の移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０
で測定が実行される地理的領域のレイヤ内に、少なくとも１つのサブエリアを形
成するよう動作する。サブエリアの使用により、加入者密度が高くかつトラフィ
ック負荷が大きい、あるいは問題（例えば、無線シャドー問題）が既知の又は想
定される位置にあるかもしれない一定のサブエリアが他のサブエリアよりも多く
の注意を引くように、ネットワーク・オペレータが様々な測定を異なったサブエ
リア内で実行するのを可能とする。

【００２０】 それぞれのサブエリアは、ネットワーク・オペレータによってインタラクティ
ブに定義されて命名されデータベース管理システム４４０に格納される、任委形
状の多角形にできる。加えて、測定値の報告の表示及び分析を容易にすると共に
測定命令によって移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の動作を制御す
るために、サブエリアが使用され得る。再度述べるが、地理的領域のレイヤ（例
えば、ロードマップ）を形成するサブエリアが無線品質の統計レイヤ（例えば、
受信レベル）に重ねられて品質マップ５００が形成される。

【００２１】 無線品質の統計レイヤは、移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０によ
て測定された測定結果（測定されたネットワーク・シグナリング・パラメータ）
を集計して表示するのに使用されてもよい。地理的レイヤと同様に、無線品質の
統計レイヤが、小区画のマトリクスを含んでいてもよく、この小区画が均一な形
状となるように、グリッドによって細分化される任委形状であってもよい。

【００２２】 セルラ・ネットワーク・アナライザ４００は、移動テスト・ユニットＭＴＵ１
からＭＴＵ１０によって測定されたネットワーク・シグナリング・パラメータを
用いて無線品質の統計レイヤを形成するよう動作する。無線品質の統計レイヤを
形成するために、セルラ・ネットワーク・アナライザ４００は、選択した数の移
動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０からのデータをまとめるよう動作し
、このデータを地理的に分配した統計的アキュムレータに分配するよう動作する
。平均値、中央値、標準偏差、及び／又は分散などのこの統計的アキュムレータ
が、測定されたネットワーク・シグナリング・パラメータの代わりに統計レイヤ
で使用される。

【００２３】 無線品質の統計レイヤの区画内に表示され得る測定されたネットワーク・シグ
ナリング・パラメータ（統計的パラメータ）は、移動テスト・ユニットＭＴＵ１
からＭＴＵ１０によって測定される以下に示すような測定値を含んでいる： ・地理的測定地点 ・サービスしているセルの識別情報 ・基地局の識別コード ・ＡＲＦＣＮ（絶対的無線周波数チャネル番号）の番号 ・以下のパラメータについての平均値、中央値、標準偏差、サンプル数及びグ
ループ分布： − Ｒｘレベル，フル及びサブ値 − ＴＥＭＳ音声品質指数 − Ｃ１／Ｃ２セル再選択パラメータ − 無線リンク・タイムアウト・カウンタ − Ｒｘ品質，フル及びサブ値 − 呼設定時間，移動体終端 − 呼設定時間，移動体発 − 移動局の送信パワー ・発呼の総数 ・以下のネットワーク・アクセス・パラメータ − 移動体発呼設定成功レート − 移動体終端呼設定成功レート − 初期無線アクセスを得るための試の数 − 初期無線アクセスを得る呼成功レート − トラフィック・チャネル割り当てを得るための試の数 − トラフィック・チャネル割り当てを得る呼成功レート − ＰＳＴＮへのアクセスの試の数 − ＰＳＴＮアクセスの呼成功レート − 成功した呼設定の数 ・成功した呼設定（成功した呼の解放）合計の呼完了レート。

【００２４】 図５は、測定されたＲｘレベルを含む代表的な無線品質の統計レイヤを示して
いるが、呼が高いレベルで切断及び／又はブロックされる領域を含む無線品質の
統計レイヤにおいて、上述のどのネットワーク・パラメータが表示されてもよい
。加えて、無線品質の統計レイヤが、測定された無線品質値を用いる代わりに、
シミュレートされた無線品質値を用いてもよい。

【００２５】 無線品質マップ５００の完成あるいは更新の後、セルラ・ネットワーク・アナ
ライザ４００は、無線品質マップ５００を移動無線端末６００に送るよう動作す
る。品質マップ５００は、例えば、移動無線端末のパワーオン及びハンドオフを
含む所定の動作の間に、移動無線端末６００に送られてもよい。その上、移動無
線端末６００が小さなセルあるいはルーラル・エリア・ネットワーク内に位置す
るときは、新たな品質マップのダウンロードを開始する前に、無線品質マップ５
００の縁部に移動無線端末がどれだけ近くにいられるのかを定義するのが有用で
あろう。

【００２６】 図６には、本発明の移動無線端末６００の代表例が示されている。移動無線端
末６００は、汎欧州デジタル移動電話方式（ＧＳＭ）仕様に基づいた移動通信ネ
ットワーク３００内で使用されてもよい。加えて、移動通信ネットワーク３００
は、例えば、先進移動電話サービス・システム（ＡＭＰＳ）、デジタル先進移動
電話サービス・システム（Ｄ−ＡＭＰＳ）及びパーソナル・デジタル・セルラー
（ＰＤＣ）・システムを含む他の仕様や規格に基づいていてもよい。

【００２７】 移動無線端末６００は、移動通信ネットワーク３００内での移動無線端末の現
在位置を推定するよう動作する受信器６００を含んでいる。先に説明したように
、移動通信ネットワーク４００内での現在位置、方向及び速度を推定するのに、
移動無線端末によって全地球側位システム（ＧＰＳ）が使用されてもよい。移動
無線端末６００は、セルラ・ネットワーク・アナライザ４００から受信した無線
品質マップ５００を格納するよう動作するメモリ６２０も含んでいる。再度述べ
るが、無線品質マップ５００は、移動通信ネットワーク３００によってサービス
される領域の全てあるいは一部だけを含む所定の地理的領域における無線品質を
表わしている。移動無線端末６００は、格納された無線品質マップ５００を移動
無線端末の現在位置と比べて移動無線端末近辺の無線品質を求めるよう動作可能
なコントローラ６３０を含んでいる。ユーザが彼らの現在位置に関連した無線品
質マップ５００を見てもよい。コントローラ６３０は、受信器６１０及びメモリ
６２０に接続されている。

【００２８】 更にまた、移動無線端末６００は、コントローラ６３０に接続され、移動無線
端末のユーザに移動無線端末の現在位置周辺の無線品質について通知するよう動
作可能なインタフェース・ユニット６４０を含んでいる。より詳細には、インタ
フェース・ユニット６４０は、ユーザが現在許容できない（低い）無線品質を提
供している領域に入ろうとしていることを通知でき、これにより移動無線端末を
移動させること又は停めることによりユーザが問題のある領域を回避するのを可
能とする。許容できない無線品質は、厄介な無線シャドー効果や他の伝送に関連
した問題に起因するものであろう。

【００２９】 加えて、インタフェース・ユニット６４０は、許容できない無線品質を提供し
ている領域に現在おり、許容できる無線品質を提供している領域に入るためには
どの方向へ移動すべきかをユーザに通知できる。インタフェース・ユニット６４
０は、例えば、視覚的、声、又は音を含むいくつかの方法のいずれかで、ユーザ
に通知することあるいは方向を示すことができる。

【００３０】 図７には、移動無線端末を移動させること又は停めることにより、移動無線端
末６００のユーザが自身の無線品質に影響を与えることを可能とする、好適な方
法７００の基本的ステップが示されている。好適な方法７００を開始するステッ
プ７０２で、移動無線端末６００の現在位置、方向及び速度が、ＧＰＳ衛星２２
０及びＧＰＳ受信器６１０を用いて推定される。移動無線端末６００の現在位置
を推定するのに、他の側位システム（例えば、無線ベースの位置ナビゲーション
（Location Radio Based Navigation；ＬＯＲＡＮ）又は三角測量）が使用され
てもよいことを理解されたい。

【００３１】 ステップ７０２で、移動通信ネットワーク３００によってサービスされる領域
の全て又は一部における無線品質を表わす無線品質マップ５００が、セルラ・ネ
ットワーク・アナライザ４００から受信されて移動無線端末６００のメモリ６２
０内に格納される。先に説明したように、無線品質マップ５００は、移動通信ネ
ットワーク３００内でのネットワーク・シグナリング・パラメータを測定するよ
う動作する移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の助けを借りてセルラ
・ネットワーク・アナライザ４００によって生成される。

【００３２】 ステップ７０４で、コントローラ６３０は、無線品質マップ５００を移動無線
端末５００の推定した現在位置と比べて、移動無線端末の現在位置の周囲の無線
品質を求めるよう動作する。

【００３３】 ステップ７０６で、インタフェース・ユニット６０４は、移動無線端末６００
のユーザに、移動無線端末の現在位置の周囲の無線品質について通知するよう動
作し、その結果、ユーザは移動無線端末を移動させること又は停めることにより
自身の無線品質に影響を与えることができる。より詳細には、インタフェース・
ユニット６４０は、ユーザが現在許容できない（低い）無線品質を提供している
領域に入ろうとしていることを通知でき、これにより移動無線端末を移動させる
こと又は停めることによりユーザが問題のある領域を回避するのを可能とする。
加えて、インタフェース・ユニット６４０はまた、許容できない無線品質を提供
している領域に現在おり、許容できる無線品質を提供している領域に入るために
はどの方向へ移動すべきかをユーザに通知できる。

【００３４】 「備える／備えている」という用語が本明細書で使用されるとき、述べられた
特徴、数字、ステップ又は構成要素の存在を特定するために用いられるが、１つ
以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらのグループの存在や付加
を除外するものではないことを強調しておく。

【００３５】 以上の説明から、本発明が移動無線端末のユーザに、移動無線端末の現在位置
周囲の無線品質について通知でき、そのためユーザが移動無線端末を移動させる
こと又は停めることにより自身の無線品質に影響を与えることができる、システ
ム及び方法を提供することが当業者には容易に理解されよう。

【００３６】 本発明の方法及び装置の一実施形態を添付図面に示し上記の詳細な説明で説明
したが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲
で定義される本発明の要旨から逸脱することなしに、多くの再構成、変更及び置
換が可能であることを理解されたい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 厄介な無線シャドー効果が従来の移動無線端末と従来の基地局との通信に悪影
響を与え得る、代表的な状況を示す概略図である。

【図２】 本発明の代表的システムに関する基本的構成要素を示すブロック図である。

【図３】 図２に示した代表的システムの移動通信ネットワークをより詳細に示すブロッ
ク図である。

【図４】 図２に示した代表的システムのセルラ・ネットワーク・アナライザをより背負
う際に示すブロック図である。

【図５】 図４に示したセルラ・ネットワーク・アナライザで生成され得る無線品質マッ
プの代表例を示す図である。

【図６】 図２に示した代表的システムの移動無線端末をより詳細に示すブロック図であ
る。

【図７】 本発明による好適な実施形態の基本的ステップを示すフローチャートである。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１４年１月１８日（２００２．１．１８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【０００１】 ＜発明の背景＞ 発明の技術分野 本発明は概して移動通信の分野に関し、より詳細には、移動無線端末の周囲の
無線状態のマップに従って、移動無線端末を移動させること又は停めることによ
り、移動無線端末のユーザが自身の無線品質に影響を与えることを可能とするシ
ステム及び方法に関する。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【００３１】 ステップ７０４で、移動通信ネットワーク３００によってサービスされる領域
の全て又は一部における無線品質を表わす無線品質マップ５００が、セルラ・ネ
ットワーク・アナライザ４００から受信されて移動無線端末６００のメモリ６２
０内に格納される。先に説明したように、無線品質マップ５００は、移動通信ネ
ットワーク３００内でのネットワーク・シグナリング・パラメータを測定するよ
う動作する移動テスト・ユニットＭＴＵ１からＭＴＵ１０の助けを借りてセルラ
・ネットワーク・アナライザ４００によって生成される。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３２

【補正方法】変更

【補正の内容】

【００３２】 ステップ７０６で、コントローラ６３０は、無線品質マップ５００を移動無線
端末５００の推定した現在位置と比べて、移動無線端末の現在位置周囲の無線品
質を求めるよう動作する。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３３

【補正方法】変更

【補正の内容】

【００３３】 ステップ７０８で、インタフェース・ユニット６０４は、移動無線端末６００
のユーザに、移動無線端末の現在位置の周囲の無線品質について通知するよう動
作し、その結果、ユーザは移動無線端末を移動させること又は停めることにより
自身の無線品質に影響を与えることができる。より詳細には、インタフェース・
ユニット６４０は、ユーザが現在許容できない（低い）無線品質を提供している
領域に入ろうとしていることを通知でき、これにより移動無線端末を移動させる
こと又は停めることによりユーザが問題のある領域を回避するのを可能とする。
加えて、インタフェース・ユニット６４０はまた、許容できない無線品質を提供
している領域に現在おり、許容できる無線品質を提供している領域に入るために
はどの方向へ移動すべきかをユーザに通知できる。

【手続補正６】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図２】

【手続補正７】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図５】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (23)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動無線端末であって、 該移動無線端末の現在位置を推定する受信器と、 前記移動無線端末の前記現在位置を含む領域内の無線状態を表わすマップを格
   納するメモリと、 前記受信器及び前記メモリに接続されており、前記マップと前記移動無線端末
   の前記現在位置とを比べて、前記移動無線端末の前記現在位置の周囲の無線状態
   を求めるコントローラと、 前記コントローラに接続されており、前記移動無線端末のユーザに、前記移動
   無線端末の前記現在位置の周囲の前記無線状態について通知するインタフェース
   ・ユニットと、を備えることを特徴とする移動無線端末。
2. 【請求項２】 前記移動無線端末の前記現在位置の周囲の前記無線状態を通
   知されたとき、前記ユーザが前記移動無線端末を移動させること又は停めること
   により自身の無線品質に影響を与えることができることを特徴とする請求項１に
   記載の移動無線端末。
3. 【請求項３】 前記インタフェース・ユニットが更に、前記ユーザに、許容
   できない無線品質を提供する地理的領域に入ろうとしていることを通知できるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の移動無線端末。
4. 【請求項４】 許容できない無線品質を提供する前記地理的領域が更に、無
   線シャドーを被っている位置を含むことを特徴とする請求項３に記載の移動無線
   端末。
5. 【請求項５】 前記無線シャドーが、対数正規フェージング又は経路損失を
   含む伝送の問題に起因することを特徴とする請求項４に記載の移動無線端末。
6. 【請求項６】 前記インタフェース・ユニットが更に、前記ユーザに、許容
   できる無線品質を提供する地理的領域に入るために移動する方向を通知できるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の移動無線端末。
7. 【請求項７】 前記受信器が更に、全地球側位衛星の受信器を含むことを特
   徴とする請求項１に記載の移動無線端末。
8. 【請求項８】 前記マップが更に、測定した無線品質値を示す地理的マップ
   を含むことを特徴とする請求項１に記載の移動無線端末。
9. 【請求項９】 前記品質マップが更に、シミュレートした無線品質値を示す
   地理的マップを含むことを特徴とする請求項１に記載の移動無線端末。
10. 【請求項１０】 移動通信ネットワークと、 前記移動通信システムの地理的領域の少なくとも一部における無線品質を表わ
    す品質マップを生成するセルラ・ネットワーク・アナライザと、 生成された品質マップを前記セルラ・ネットワーク・アナライザから受信する
    ことができる移動無線端末であって、 前記移動通信システムの地理的領域における前記移動無線端末の現在位置を
    推定する受信器、 受信した品質マップを格納するメモリ、 前記受信器及び前記メモリに接続されており、前記品質マップと前記移動無
    線端末の前記現在位置とを比べて、前記移動無線端末の前記現在位置の周囲の無
    線品質を求めるコントローラ、及び 前記コントローラに接続されており、前記移動無線端末のユーザに、前記移
    動無線端末の前記現在位置の周囲の前記無線品質について通知するインタフェー
    ス・ユニットを含む移動無線端末と、を備えることを特徴とするシステム。
11. 【請求項１１】 前記インタフェース・ユニットが更に、前記ユーザに、現
    在低い無線品質を提供している領域に入ろうとしていることを通知できることを
    特徴とする請求項１０に記載の移動通信ネットワーク。
12. 【請求項１２】 現在低い無線品質を提供している前記領域が更に、対数正
    規フェージング又は経路損失を含む伝送の問題に起因する無線シャドーを被って
    いる位置を含むことを特徴とする請求項１１に記載の移動通信ネットワーク。
13. 【請求項１３】 前記インタフェース・ユニットが更に、前記ユーザに、許
    容できる無線品質を現在提供している領域に入るために移動する方向を通知でき
    ることを特徴とする請求項１０に記載の移動通信ネットワーク。
14. 【請求項１４】 前記セルラ・ネットワーク・アナライザが更に、それぞれ
    が前記品質マップを生成するのに使用される複数のシグナリング・パラメータを
    記録できる、複数の移動テスト・ユニットを含むことを特徴とする請求項１０に
    記載の移動通信ネットワーク。
15. 【請求項１５】 前記品質マップが更に、記録されたシングナリング・パラ
    メータを表わす統計的レイヤと、地理的領域を表わす地理的レイヤとを含むこと
    を特徴とする請求項１４に記載の移動通信ネットワーク。
16. 【請求項１６】 移動無線端末のユーザが自身の無線品質に影響を与えるこ
    とを可能とする方法であって、 前記移動無線端末の現在位置を推定するステップと、 前記移動無線端末の前記現在位置を含む地理的領域内での無線品質を表わす品
    質マップを受信して格納するステップと、 前記品質マップと前記移動無線端末の前記現在位置とを比べて、前記移動無線
    端末の前記現在位置の周囲の無線品質を求めるステップと、 前記移動無線端末の前記ユーザに、前記移動無線端末の前記現在位置の周囲の
    前記無線品質を通知するステップと、を備えており、前記ユーザが、前記移動無
    線端末を移動させること又は停めることにより自身の無線品質に影響を与えるこ
    とができることを特徴とする方法。
17. 【請求項１７】 前記通知するステップが更に、前記ユーザに、許容できな
    い無線品質を現在提供している領域に入ろうとしていることを通知するステップ
    を含むことを特徴とする請求項１６に記載の方法。
18. 【請求項１８】 許容できない無線品質を現在提供している前記領域が更に
    、無線シャドーを被っている位置を含むことを特徴とする請求項１７に記載の方
    法。
19. 【請求項１９】 前記通知するステップが更に、前記ユーザに、許容できる
    無線品質を現在提供している領域に入るために移動する方向を通知するステップ
    を含むことを特徴とする請求項１６に記載の方法。
20. 【請求項２０】 前記品質マップを受信して格納するステップが更に、複数
    の移動テスト・ユニットを使用して複数のシグナリング・パラメータを測定する
    ことによって前記品質マップを生成するステップを含むことを特徴とする請求項
    １６に記載の方法。
21. 【請求項２１】 前記品質マップが更に、移動通信システムの地理的領域を
    表わす地理的レイヤに重ねられる、測定されたネットワーク・シグナリング・パ
    ラメータを表わす統計的レイヤを含むことを特徴とする請求項２０に記載の方法
    。
22. 【請求項２２】 前記移動無線端末の現在位置を推定する前記ステップが更
    に、複数の全地球側位衛星から信号を受信するステップを含むことを特徴とする
    請求項１６に記載の方法。
23. 【請求項２３】 セルラ・ネットワーク・アナライザから品質マップを受信
    することができる移動無線端末を備えた移動通信ネットワークであって、前記移
    動無線端末が更に、 前記移動通信ネットワークの地理的領域内での前記移動無線端末の現在位置を
    推定する受信器と、 受信した品質マップを格納するメモリと、 前記受信器及び前記メモリに接続されており、前記品質マップと前記移動無線
    端末の前記現在位置とを比べて、前記移動無線端末の前記現在位置の周囲の無線
    品質を求めるコントローラと、 前記コントローラに接続されており、前記移動無線端末のユーザに、許容でき
    ない無線品質を現在提供している領域に入ろうとしていることを通知するインタ
    フェース・ユニットと、を含むことを特徴とする移動通信ネットワーク。