JP2003517421A - 金属シリケート、セルロース製品及びその方法。 - Google Patents

金属シリケート、セルロース製品及びその方法。

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JP2003517421A JP2001545202A JP2001545202A JP2003517421A JP 2003517421 A JP2003517421 A JP 2003517421A JP 2001545202 A JP2001545202 A JP 2001545202A JP 2001545202 A JP2001545202 A JP 2001545202A JP 2003517421 A JP2003517421 A JP 2003517421A
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Abstract

(57)【要約】 少なくとも1種の二価金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物を含む水性組成物。水溶性金属シリケート錯化合物を含む水性組成物を製造する方法は、一価のカチオンのシリケートを二価金属イオンとを水性環境内で組み合わせて水溶性金属シリケート錯化合物を形成することを含む。セルローススラリーを改質する方法は、二価金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物を有する水性組成物をセルローススラリーに加えることを含む。セルローススラリーを製造するための方法は、一価のカチオンのシリケートを、該一価のカチオンのシリケートを結合して水溶性金属シリケート錯化合物を形成するために十分な量の二価金属を含むセルローススラリーに加えることを含む。セルロース製品を製造する方法は、二価金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物を有する水性組成物をセルローススラリーに加えること、及び該セルローススラリーからセルロース製品を形成することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、少なくとも1種の二価の金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物
のような、水溶性の金属シリケート錯化合物に関する。本発明はまた、水溶性金
属シリケート錯化合物を製造するための方法に関する。本発明はさらに、水溶性
金属シリケート錯化合物を使用する、汚水処理方法に関する。本発明はさらに、
少なくとも1種の水溶性金属シリケート錯化合物をセルローススラリー、例えば
紙のスラリーに添加することを含む、紙製品のようなセルロース製品を製造する
ための方法にも関する。同様に、本発明は、セルローススラリー中に水溶性金属
シリケート錯化合物を形成するために、少なくとも1種の水溶性金属シリケート
(例えば一価のカチオンのシリケート)をセルローススラリーに添加することを
含む、セルロース製品を製造するための方法に関する。本発明はまた、水溶性シ
リケート錯化合物を含む、紙製品のようなセルロース製品にも関する。
【0002】 板紙、ティッシュペーパー、筆記用紙などのセルロース生成物は、伝統的にセ
ルロース木材繊維の水性スラリーを製造することにより作られ、それらは無機鉱
物増量剤もしくは顔料を含んでもよい。水性スラリーを、セルロースマトリック
スの生成を容易にするために可動ワイヤもしくは布帛の上に堆積させる。ついで
、セルロースマトリックスを脱水し、乾燥させ、最終セルロース生成物にプレス
する。しかし、脱水工程の間に、所望の固体繊維、固体微粒子及び他の固形分が
、しばしば水と一緒に除去される。これに関し、固体微粒子には、非常に短いパ
ルプ繊維もしくは繊維破片及びレイ・セル(ray cell)が含まれる。固体微粒子は
、顔料、充填剤及び他の非繊維添加剤も含まれ、それらはシート形成の間に布帛
を通過し得る。さらに、脱水の間に、望ましくない水が、しばしばセルロースマ
トリックスに残留する。所望の固形分の除去及び望ましくない水の残留は、シー
ト生成に悪影響し、かくて低品質のセルロース生成物を産出する。さらに、所望
の固形分の損失は、セルロース生成物製造業者にとって不経済で、かつ高くつく
【0003】 結果として、製紙産業は、紙の品質を改善し、生産性を増大し、かつ製造コス
トを低減する製紙方法を提供しようと絶えず奮闘している。排水/脱水及び歩留
りを改善するために、製紙ワイヤもしくは布帛の前に繊維質スラリーに化学薬品
がしばしば添加される。これらの化学薬品は、脱水促進剤及び/又は歩留り向上
剤と呼ばれる。製紙において、シリケート、シリカコロイダル、ミクロゲル及び
ベントナイトなどの種々の脱水促進剤及び/又は歩留り促進剤を添加する試みが
なされてきた。
【0004】 製紙用の歩留り向上剤は、紙のウエブを脱水し、形成する乱流法の間に微細な
完成紙料の固形分の歩留りを増す。微細な固体の適切な歩留りが無いと、それら
は、工程の流出液中へと失われるか、又は再循環白水内に大量に蓄積し、堆積物
の蓄積及び製紙機の排水が害されるおそれを生じる。さらに、微細な固形分の不
十分な歩留りは、それぞれの紙の不透明度、強度又はサイズ処理性を与えるため
に繊維上に吸着させようとされている添加剤の損失による製紙者の経費を増す。
【0005】 例えば、Peats等への米国特許第5194120号は、微粒子の歩留り及び水
切れを改善するために、カチオンポリマー及び非晶質金属のシリケート物質の紙
完成紙料への添加を開示している。Peats等の非晶質金属のシリケートは、
白色のさらさらした粉末であるが、水に十分に分散されると極小のアニオンコロ
イド粒子を生成する。これらの物質は、通常ナトリウムシリケートをMg2+、C
2+及び/又はAl3+などの適宜の金属イオンの可溶塩と反応させて沈殿物を生
成し、ついで、それをろ過し、洗浄し、乾燥させることにより合成される。
【0006】 DrummondへのWO/97/17289及びその関連米国特許第5989714
号は、金属のシリケート沈殿物を使用することによる紙マトリックスの形成にお
いて、水切れ及び/又は歩留りを制御する方法に関する。Drummondの金属のシリ
ケート沈殿物は、可溶金属塩を可溶性シリケートと混合することにより調製され
る。
【0007】 中村によるJP63295794は、パルプスラリーにカチオン性水溶性ポリ
マー及びナトリウムシリケート水溶液を添加することを含む、中性もしくは弱ア
ルカリ性製紙方法に関する。
【0008】 HaimoへのJP1072793は、紙スラリーにナトリウムオルトシリケート
水溶液を直接添加することによる製紙方法を開示している。Haimoのオルト
シリケート溶液は、紙スラリーに添加される前に別の工程(例、pHを調整する
ためにアルミニウムスルフェートの処理)で調製されなければならない。
【0009】 Rushmere及びRushmereらへの米国特許第4927498号、第4954220
号、第5185206号、第5470435号、第5543014号、第562
6721号及び第5707494号は、製紙における歩留り向上剤及び脱水促進
剤としてポリシリケートミクロゲルの使用に関する。これらの特許の多くのミク
ロゲルは、ポリ珪酸をアルカリ金属と反応させてミクロゲルを生成させ、ついで
、ミルロゲルが紙完成紙料に添加される現場方法により製造される。。
【0010】 Kaliskiへの米国特許第5240561号は、製紙方法におけるミクロゲルの
使用に関する。Kaliskiのミクロゲルは、二段法により調製される。第一工程は
、紙完成紙料を2つの異なる溶液とブレンドすることによる、一時的化学反応性
サブコロイドハイドロゾルの調製を含む。第二工程は、少なくとも1つの架橋剤
を含む水溶液を第一工程からの完成紙料とブレンドして、現場生成化学反応性準
コロイドハイドロゾルを架橋し、(現場で)複雑な官能ミクロゲルセメントを合
成することである。結果として得られるセメントは、紙完成紙料を凝集して紙シ
ートを形成する。
【0011】 Langley等への米国特許第4753710号及びCauleyへの米国特許第551
3249号は、製紙におけるベントナイトクレーの使用に向けられる。 種々の型の脱水促進剤及び歩留り向上剤を提供しようとする多くの試みにもか
かわらず、費用効果的で、同時に使用が簡単な優れた脱水及び歩留り性を有する
紙製品などのセルロース生成物を製造する方法を提供するための製紙工業におけ
る需要が、依然として存在する。さらに、歩留り性及び排水(水切れ性)の有意な
改善を得ると同時にセルロース製品、例えば紙シートの良好な形成を維持する、
セルロース製品を製造する方法に対する必要性がいまだに存在する。
【0012】 歩留り性及び排水・水切れ性を改善する必要性、特に厚い繊維質マットの通し
ての遅い水切れによって、生産性が他の方法では減じられるセルロース製品の大
量製造において水切れを改善する必要性が依然として存在する。
【0013】 発明の概要 本発明の目的は、少なくとも1種の二価金属を含む金属シリケート錯化合物の
ような、水溶性の金属シリケートを提供することである。
【0014】 本発明のさらなる目的は、水溶性金属シリケート錯化合物をセルローススラリ
ー(例えば紙スラリー)に加えることによって、又はセルローススラリー内に水
溶性金属シリケート錯化合物を形成させることによって、紙のようなセルロース
製品を製造する際の歩留り及び脱水制御を改善することに関する。
【0015】 本発明の他の目的は、少なくとも1種の水溶性金属シリケート錯化合物をセル
ローススラリー(例えば紙スラリー)に添加することを含む、セルロース製品を
製造するための方法を提供することである。
【0016】 本発明の類似の目的は、少なくとも1種の一価のカチオンのシリケートをセル
ローススラリー(例えば紙スラリー)に加えて、セルローススラリー中の水溶性
金属シリケート錯化合物を形成させることを含む、セルロース製品を製造するた
めの方法を提供することである。
【0017】 本発明の他の目的は、水溶性金属シリケート錯化合物を含む、紙製品のような
セルロース製品を提供することである。 本発明の他の目的は、水溶性の金属シリケート錯化合物を汚水中に加えるかま
た汚水中で形成することを含む、汚水処理の方法を提供することである。
【0018】 一面において、本発明は、少なくとも1種の二価金属を含む水溶性金属シリケ
ート錯化合物を含む、水性組成物に関する。 他の面に従い、本発明は、水溶性金属シリケート錯化合物を含む水性組成物を
製造する方法であって、一価のカチオンのシリケートと二価の金属とを水性環境
において組み合わせて、水溶性金属シリケート錯化合物を形成することを含む、
前記の方法に関する。
【0019】 他の面に従って、本発明は二価金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物を有
する水性組成物をセルローススラリーに添加することを含む、セルローススラリ
ーを改質する方法に関する。
【0020】 本発明の他の面に従い、本発明は、一価のカチオンのシリケートを、該一価の
カチオンのシリケートと結合して水溶性金属シリケート錯化合物を形成するため
に十分な量の二価金属イオンを含むセルローススラリーに加えることを含む、セ
ルローススラリーを製造する方法に関する。
【0021】 他の面に従い、本発明は二価金属を含む水溶性金属シリケート錯化合物を有す
る水性組成物をセルローススラリーに加えること、及びセルローススラリーから
セルロース製品を形成することを含む、セルロース製品を製造する方法に関する
【0022】 他の面に従い、本発明は、一価のカチオンシリケートを、該一価のカチオンの
シリケートと結合して水溶性金属シリケート錯化合物を形成するために十分な量
の二価金属を含むセルローススラリーに加えること、及びセルローススラリーか
らセルロース製品を形成することを含む、セルロース製品を製造する方法に関す
る。
【0023】 他の面に従い、本発明は、セルロース繊維及び少なくとも1種の水溶性金属シ
リケート錯化合物の残留物を含むセルロース製品に関する。好ましくは、残留物
は、SiO2を基準として約50〜10000ppmの量で存在する。
【0024】 他の面に従い、本発明は、少なくとも1種の水溶性金属シリケート錯化合物を
汚水に加えることを含み、該水溶性金属シリケート錯化合物が二価の金属を含む
、汚水処理のための方法に関する。
【0025】 他の面に従い、本発明は、一価カチオンのシリケートを汚水に加えることを含
み、汚水が、該一価のカチオンのシリケートと結合して水溶性金属シリケート錯
化合物を形成するために十分な量の二価金属を含む、汚水を処理するための方法
に関する。
【0026】 一面において、二価金属は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄(II)、
マグネシウム(II)、及びバリウムの少なくとも1種、好ましくはマグネシウム及
びカルシウムのうちの少なくとも1種を含む。
【0027】 一面において、水溶性金属シリケート錯化合物は約2〜20、好ましくは約3
〜5のSiO2:一価カチオン酸化物のモル比を有する。 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は、0.001〜0.25、
好ましくは0.01〜0.2の二価金属:珪素のモル比を有する。
【0028】 水性組成物は約0.01〜5重量%、好ましくは約0.1〜2重量%のSiO2
度を有する。 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は約200nm未満の粒径を
有する。
【0029】 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は、次の式の水溶性金属シリ
ケート錯化合物を含む: (1-y)M2O・yM'O・xSiO2 (式中、Mは一価のカチオンであり、M'は二価の金属イオンであり、xは約2〜4
であり、yは約0.005〜0.4である、そしてy/xは約0.001〜0.25
である)。
【0030】 一面において、Mはナトリウム、カリウム、リチウム、又はアンモニウムを含
み、そして好ましくはナトリウムを含む。 他の面において、M’はカルシウム又はマグネシウムを含む。
【0031】 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は、次の式の水溶性金属シリ
ケート錯化合物: (1-y)Na2O・yM'O・xSiO2 (式中、M'はカルシウム又はマグネシウムを含む二価の金属イオンであり、 xは約2〜4であり、 yは約0.005〜0.4であり、 y/xは約0.001〜0.25であり、 x/(1-y)は約2〜20である)を含み、そして該水性組成物が約0.01〜5重
量%のSiO2濃度を有する。好ましくはy/xは約0.01〜0.2であり、x/(1-y)
は約3〜10であり、そして水性組成物は約0.1〜2重量%のSiO2濃度を有す
る。さらに好ましくは、y/xは約0.025〜0.15であり、x/(1-y)は約3〜
5であり、そして水性組成物は約0.25〜1.5重量%のSiO2濃度を有する。
【0032】 他の面において、一価のカチオンのシリケートは、ナトリウムシリケート、カ
リウムシリケート、リチウムシリケート、及びアンモニウムシリケートの少なく
とも1種を含む、好ましくは、約2〜4のSiO2/Na2O重量比を有するナトリウム
シリケートのようなナトリウムシリケートを含む。
【0033】 他の面において、二価の金属イオンは、マグネシウム及びカルシウムの少なく
とも1種を含む。 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は好ましくは、一価のカチオ
ンのシリケートを、水溶性金属シリケート錯化合物を形成するために十分な量の
二価の金属イオンを有する水性反応体組成物に加えることによって製造される。
【0034】 他の面において、十分な量の二価金属を有する水性反応体組成物は約1〜60
0ppmのCa当量の硬度を有する。例えば、水性反応体組成物は、トレイ水、
硬水、処理済水(処理済水は硬度を増すか減らすかして調製される)の少なくと
も1種を含むことができる。
【0035】 他の面において、二価金属イオン源は、CaCl2、MgCl2、MgSO4、Ca(NO3)2、Mg(
NO3)2、CaSO4、及びZnSO4の少なくとも1種を含む。 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は、二価の金属イオンを、水
溶性金属シリケート錯化合物を形成するために十分な量の一価のカチオンのシリ
ケートを有する水性反応体組成物に加えることによって製造される。
【0036】 他の面において、十分な量の一価カチオンシリケートを有する水性反応体組成
物は約0.01〜30重量%のSiO2濃度を有する。 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は最後の高剪断工程の後でヘ
ッドボックス前にセルローススラリーに加えられる。
【0037】 他の面において、凝集剤、澱粉及び凝結剤の1種がセルローススラリーに加え
られる。例えば、少なくとも1種の添加剤は、カチオン性のポリアクリルアミド
コポリマーであり得る。少なくとも1種の添加剤は、最後の高剪断工程の前の時
点でセルローススラリーに加え得る。
【0038】 他の面において、水溶性金属シリケート錯化合物は、次の式の水溶性金属シリ
ケート錯化合物: (1-y)Na2O・yM'O・xSiO2 (式中、M'はカルシウム又はマグネシウムを含む二価の金属イオンであり、 xは約2〜4であり、 yは約0.005〜0.4であり、 y/xは約0.001〜0.25であり、 x/(1-y)は約2〜20である)を含み、そして該水性組成物が約0.01〜5重
量%のSiO2濃度を有し、そして凝集剤、澱粉及び凝結剤の少なくとも1種がセル
ローススラリーに加えられる。
【0039】 発明の詳細な説明 本明細書中に示す事項は例示であり、本発明の種々の態様の例示の議論の目的
のためのみであり、そして最も有用でそして本発明の原理及び概念的面の説明を
容易に理解されると考えられるものを提供するために示される。これに関し、本
発明の基本的理解のために必要であるもの(本発明のいくつかの形態が実際にど
のような具体化されるかを本技術の当業者に明らかにする説明)よりも詳しく本
発明の詳細を示す試みはなされていない。
【0040】 本出願中の全ての百分率測定値は、他に示さない限り、100重量%を基準と
して測定された一定の試料の重量によって測定される。従って、例えば、30%
は、100重量部の試料あたりの30重量部を示す。
【0041】 他に注記しない限り、化合物又は成分への言及は、化合物又は成分それ自体、
並びに、化合物の混合物のような、他の化合物又は成分との組合せを含む。 さらなる議論の前に、以下の用語が、本発明の理解を助けるために議論される
【0042】 「硬度」とは、例えば、カルシウム、マグネシウム、カルシウムカーボネート
及び塩化カルシウムなど、水中の二価の金属イオンもしくはその塩の全濃度を指
す。硬度は、カルシウム当量の百万部につきの部数で測定できる。これに関し、
1ppmのCa当量は、2.78ppmのCaCl2当量に等しく、それは2.
50ppmのCaCO3当量(これは、0.61ppmのMg当量に等しい)に
等しい。
【0043】 「水溶性」及び「安定度」は、本発明の金属シリケート錯化合物の溶液中にと
どまる能力を指す。本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物が生成されるとき
、沈殿物が生成されないように方法を制御できる。しかし、ある環境下では、わ
ずかな量の沈殿物が生成し得る。金属のシリケート錯化合物が沈殿物を生成した
ら、それはもはや錯化合物ではなく、金属のシリケート沈殿物である。本発明に
おいては、本発明の金属のシリケート錯化合物が溶液にとどまり、沈殿物を生成
しないことが望まれる。水溶性の金属シリケート錯化合物のあるものは経時的に
沈殿し得るが、沈殿物が全く生成しないか、もしくは最小の沈殿物が生成するこ
とが好ましいことに注目されたい。金属のシリケート錯化合物が水溶性である限
り、溶液は、基本的に無色透明であるべきである。これに関し、本発明の水溶性
の金属シリケート錯化合物は、肉眼では見えない。特に、濁り度が濃度に依存す
ることを考慮すると、濁り度に影響を及ぼす他の物質の不在下0.3重量%のS
iO2の濃度を有する本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物の水性組成物は
、好ましくは約70NTU未満、さらに好ましくは約50NTU未満、もっとも
好ましくは約20NTU未満の濁り度を有することになろう。本発明の水溶性の
金属シリケート錯化合物は、遠心処理、沈降もしくはろ過など、ほとんどの物理
的もしくは機械的な分離技術により水性相から分離することができない。
【0044】 「セルローススラリー」とは、セルロース繊維及び微粒子を含む水系スラリー
を示し、他の添加材を含み得る。 「紙スラリー」もしくは「紙完成紙料」は、木、野菜及び/又は綿などの繊維
及び/又は微粒子を含む水系スラリーを示し、例えば、クレー及び沈降炭酸カル
シウムのような充填剤などの製紙用の他の添加剤も含み得る。
【0045】 「コポリマー」とは、2又はそれ以上の異なる種類のモノマーを含むポリマー
をいう。 あらましとして、本発明は、水溶性金属シリケート錯化合物、例えば少なくと
も1種の二価金属を含む金属シリケート錯化合物に関する。本発明はまた水溶性
金属シリケート錯化合物を製造する方法に関する。本発明はまた、水溶性金属シ
リケート錯化合物を使用する汚水処理法に関する。本発明はまた、少なくとも1
種の水溶性金属シリケート錯化合物をセルローススラリー、例えば紙スラリーに
加えることによって、セルロース製品、例えば紙製品を製造する方法に関する。
同様に、本発明は、少なくとも1種の一価カチオンのシリケートをセルロースス
ラリーに加えて、セルローススラリー中に水溶性金属シリケート錯化合物を形成
することによってセルロース製品を製造する方法に関する。セルローススラリー
中に水溶性金属シリケート錯化合物を加えるか又は形成させることによって、本
発明は、セルロース製品を製造する際の歩留り及び水切れ制御を改善することが
できる。本発明はまた、水溶性金属シリケート錯化合物を含むセルロース製品、
例えば紙製品にも関する。
【0046】 本発明の水溶性金属シリケート錯化合物は好ましくは少なくとも1種類の二価
金属イオン及び少なくとも1種類の一価カチオンを含む。 本発明の水溶性金属シリケート錯化合物中で有用な二価金属のイオンの例は、
アルカリ土類金属及び遷移金属のイオンを含むがこれらに限定されない。特に、
二価金属イオンは、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄(II)、マンガン(I
I)、及び/又はバリウムを含み得る。好ましくは、二価金属イオンは、マグネシ
ウム、カルシウム、及び/又は亜鉛を含む。最も好ましくは、二価金属イオンは
マグネシウム及び/又はカルシウムを含む。
【0047】 本発明の水溶性金属シリケート錯化合物中で有用な一価カチオンの例は、アル
カリ金属のイオンを含むがこれらに限定されない。特に、一価のカチオンはナト
リウム、カリウム、リチウム及び/又はアンモニウムであり得る。好ましくは、
一価のカチオンはナトリウム及び/又はカリウムである。最も好ましくは、一価
のカチオンはナトリウムである。
【0048】 本発明の好ましい態様において、金属シリケート錯化合物は、ナトリウムシリ
ケートを、マグネシウム及び/又はカルシウムイオンを含む水性組成物に加える
ことによって製造される、マグネシウムシリケート錯化合物、及び/又はカルシ
ウムシリケート錯化合物である。好ましくは、本発明の水溶性金属シリケート錯
化合物の水性組成物は、水性組成物の重量部により0.01〜5重量%の量のSi
O2、約2〜20のSiO2/一価カチオンオキサイド(例えばNa2O)のモル比、及び約
0.001〜0.25の[(二価金属(例えばMg+Ca)/Si]のモル比を有する。
【0049】 理論によって束縛されたくはないが、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物
は次の式を有する水溶性金属シリケート錯化合物を含むと考えられる。 (1-y)M2O・yM'O・xSiO2 式(1) (式中、Mは上述したような一価のカチオンであり、M'は上述の二価金属イオン
のような二価の金属イオンであり、xは好ましくは約2〜4であり、yは好ましく
は約0.005〜0.4であり、そしてy/xは好ましくは約0.001〜0.2
5である)。
【0050】 溶液中にとどまる本発明の水溶性金属シリケート錯化合物の能力、すなわち金
属シリケート錯化合物の安定性は、本発明の結果を達成するために重要である。
例えば、安定性は、セルロース製品の製造に際して歩留り及び水切れ制御を改善
することとの関係で重要である。特に、形成され得る金属シリケートの沈殿は、
歩留り及び水切れに関して低い活性を有するか又は全く活性を有しない。場合に
よっては、金属シリケート錯化合物はわずかな沈殿を有するが、それでも妥当な
歩留り及び水切れ活性を示す。これは、金属シリケート錯化合物のさほど多くな
い部分が沈殿に転化され、そして成分の大部分は水溶性のままであるからである
。上述のように、0.3重量%の濃度のSiO2を有する本発明の水溶性の錯化合物
の水性組成物(濁度に影響する他の物質を含まない)は好ましくは、約70NT
U未満、さらに好ましくは約50NTU未満、そして最も好ましくは約20NT
U未満の濁度を有する。
【0051】 溶液中にとどまる本発明の金属シリケート錯化合物の能力、すなわち安定性は
、一般にいくつかの因子に依存する。これらの因子は、SiO2/M2Oのモル比、M'
/Siのモル比、SiO2の濃度、錯化合物のミクロ粒子の大きさ、錯化合物が形成さ
れる水性組成物の硬度、金属シリケート錯化合物の形成中に加えられる攪拌を含
む。これらの因子のうち、最も重要なものはSiO2/M2Oのモル比、及びM'/Siの
モル比である。金属シリケート錯化合物の溶液中にとどまる能力は、以下に議論
するように、これらの因子の相互作用に依存する。
【0052】 水溶性金属シリケート錯化合物を製造する方法中に含まれる水溶性金属シリケ
ート錯化合物の安定性に影響する変数について議論する前に、錯化合物に特異的
である安定性因子の議論は以下のとおりである。本発明の金属シリケート錯化合
物それ自体に特有の金属シリケート錯化合物の安定性に影響する因子は、SiO2
M2Oのモル比、及びM'/Siのモル比、及び錯化合物を形成するミクロ粒子のサイ
ズを含む。
【0053】 本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物は、好ましくはSiO2/M2Oのモル比
、すなわち、化学式(1)による化合物のx:(1‐y)を、約2〜20、さら
に好ましくは3〜10、最も好ましくは約3〜5の範囲で有する。この値が高す
ぎると、金属のシリケート錯化合物は、沈殿物を生成して、活性を失い得る。こ
の値が低すぎると、比較的少量の金属のシリケート錯化合物が、生成される。
【0054】 本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物は、好ましくはM’/Siのモル比
、すなわち、化学式(1)による化合物のy:xを、約0.001〜0.25、
好ましくは約0.01〜0.2、さらに好ましくは0.025〜0.15の範囲
で有する。この値が高すぎると、金属のシリケート錯化合物は、沈殿物を生成し
て、活性を失うであろう。この値が低すぎると、比較的少量の金属のシリケート
錯化合物が、生成される。
【0055】 本発明の水溶性金属のシリケート錯化合物は、水溶液中25℃で動的光散乱に
より測定して、好ましくは約200nm未満、好ましくは約2〜100nm、さ
らに好ましくは約5〜80nmのミクロ粒子を有すると予想される。粒度が大き
すぎると、金属シリケート錯化合物は、沈殿物を生成するだろう。粒度が小さす
ぎると、金属シリケート錯化合物は、十分な凝集力を有さないだろう。
【0056】 さらに、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物の安定度に影響を及ぼす本発
明の水溶性の金属シリケートを製造する変数を検討する前に、本発明の水溶性の
金属シリケート錯化合物の製造方法の概要を、以下に示す。
【0057】 本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物は、少なくとも1つの一価のカチオ
ンのシリケートを二価の金属イオンを含む水性組成物に添加することにより製造
できる。少なくとも1つの一価のカチオンのシリケートが、二価の金属イオンを
含む水性組成物と混合されると、水溶性の金属シリケート錯化合物が、一価のカ
チオンのシリケートと水性組成物との混合の間に自発的に生成される。本発明の
水溶性金属シリケート錯化合物はまた、少なくとも1種の一価カチオンのシリケ
ートを含む水性組成物を用意し、同時及び/又は連続的に二価金属イオンの原料
を加えて、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物を形成することによって製造
され得る。本発明の水溶性金属シリケート錯化合物は、離れた工場内でコンセン
トレートとして、又は現場で、例えばペーパーミルのところで製造し得る。
【0058】 本発明の水溶性金属シリケート錯化合物を製造するために用いられる一価のカ
チオンのシリケートは、粉末もしくは液体の形状であり得る。水溶性金属シリケ
ート錯化合物を形成するために使用される一価のカチオンのシリケートの例はア
ルカリ金属のシリケートを含む。本発明の水溶性金属シリケート錯化合物を製造
するために特に好ましいシリケートの例は、ナトリウムシリケート、カリウムシ
リケート、リチウムシリケート及び/又はアンモニウムシリケートを含む。
【0059】 上で議論したように、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物を製造する際に
有用な二価金属イオンの例は、アルカリ土類金属及び遷移金属を含むがこれらに
限定されない。特に二価金属イオンはマグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄
(II)、マンガン(II)及び/又はバリウムであり得る。
【0060】 二価金属イオンを有する水性組成物の例は、トレイ水、硬水、処理済水、及び
セルローススラリーを含むがこれらに限定されない。「トレイ水」は、「サイロ
水」として既知であるが、セルロース製品の製造中にセルロース製品の機械から
集めた水、例えば製紙中又は製紙後の製紙機から集めた水をいう。「硬水」は、
「Mg2+」及び/又は「Ca2+」のような実質的な量の金属イオンを含む水を
いう。「処理済水」とは、硬度を増大もしくは低下させるために処理された硬水
もしくは軟水を指す。水の硬度が高すぎると、下で検討するように、金属イオン
のいくらかが、少なくとも1種のキレート剤、例えば、エチレンジアミンテトラ
酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、酒石
酸、くえん酸、グルコン酸及びポリアクリル酸を添加することによるなど、当業
界で既知の技術によりブロック又は奪活され得る。水の硬度が低すぎるなら、下
記で検討するように、二価の金属イオンを添加できる。例えば、マグネシウム及
び/又はカルシウム塩を添加して金属イオンを増加させ、かくて水の硬度を増大
させることができる。特に、CaCl2、MgCl2、MgSO4、Ca(NO3 2 、Mg(NO32、CaSO4及び/又はZnSO4、好ましくはCaCl2、M
gCl2及び/又はZnSO4、より好ましくはCaCl2及び/又はMgCl2
水性組成物に添加して金属イオンの濃度を増大させることができる。
【0061】 上記のことに注意して、金属のシリケート錯化合物が溶液中にとどまる能力に
影響を及ぼし得る水溶性錯化合物を製造する方法のいくつかの変数がある。これ
らの方法の変数には、水性組成物中のSiO2の濃度、水性組成物の硬度、水溶
性の金属シリケート錯化合物生成中に適用される攪拌、水性組成物のpH、水性
組成物の温度、及び水性組成物中の追加の溶質が含まれる。これらの変数のうち
、水性組成物中のSiO2の濃度及び水性組成物の硬度が、もっとも重要である
【0062】 一価のカチオンのシリケートが二価の金属イオンと組み合わされて本発明の水
溶性の金属シリケート錯化合物を含む水性組成物を生成すると、得られる水性組
成物は、好ましくは水性組成物の約0.01〜5重量%、より好ましくは約0.
1〜2重量%、もっとも好ましくは約0.25〜1.5重量%のSiO2濃度を
有する。この値が高すぎると、金属のシリケート錯化合物は、沈殿物を生成し、
活性を失い得る。この値が低すぎると、組成物は、多量の溶液が必要とされるの
で、経済的ではない。
【0063】 二価の金属イオンが一価のカチオンのシリケートを含む水性組成物に添加され
ると、水性組成物は、好ましくは水性組成物の約0.01〜30重量%、より好
ましくは約0.1〜15重量%、もっとも好ましくは約0.25〜10重量%の
SiO2濃度を有する。この値が高すぎると、金属のシリケート錯化合物は、沈
殿物を生成し、かくて活性(例、排水及び保持性)を失う可能性がある。この値
が低すぎると、組成物は、多量の水性組成物が必要とされるので、経済的ではな
い。
【0064】 一価のカチオンのシリケートが二価の金属イオンを含む水性組成物に添加され
ると、本発明の水性組成物は、好ましくは約1〜600ppmのCa当量、より
好ましくは約1〜200ppmのCa当量、もっとも好ましくは約20〜100
ppmのCa当量の硬度を有する。硬度が高すぎると、金属のシリケート錯化合
物は、沈殿し得る。硬度が低すぎると、水溶性の金属シリケート錯化合物が形成
されない可能性がある。
【0065】 金属のシリケート錯化合物生成中に適用される攪拌も、金属のシリケート錯化
合物が溶液中にとどまる能力に影響を及ぼす。ある環境下で攪拌が適用されない
と、本発明の水溶性錯化合物は、過濃度のために部分的に沈殿し得る。しかし、
攪拌の作用を量化するのは難しい。攪拌の量は、溶液の量及び粘度、容器の大き
さ、攪拌機バーもしくはプロペラの大きさと型、攪拌機もしくはミキサーの回転
速度などの要因に依存する。例えば、実験室製造において、200mlのビーカ
ー中で100mlの金属のシリケート錯化合物が、MIRAKTM Magnetic Stirrer(M
odel #L SO&3235-60, Bernstead Thermolyne Corporation, 2555 Kerper Blvd.
,ドゥビューク,アイオワ州52004)の上で1”の攪拌機バーを用いて混合される
ときには、300rpm以上の混合速度が適切であろう。一般に、可能な限り、
攪拌は最大にすべきである。しかし、攪拌が高すぎると、エネルギーの過消耗の
ために経済的でなかったり、もしくは設備の振動もしくは溶液の分離を起こし得
る。
【0066】 水性組成物のpHは、金属のシリケート錯化合物が溶液中にとどまる能力にお
ける重要な要因であると予想されるが、pHの正確な作用は、まだ研究されてい
ない。しかし、本発明は、例としてトレイ水で作用することがわかった。トレイ
水は、典型的に約6〜10、より典型的に約7〜9、もっとも典型的に約7.5
〜8.5のpHを有する。
【0067】 水性組成物の温度は、好ましくは約5〜95℃、さらに好ましくは約10〜8
0℃、もっとも好ましくは約20〜60℃である。製紙機中のトレイ水は、典型
的に温かく、典型的に約10〜65℃、より典型的に約30〜60℃、さらに典
型的に約45〜55℃の温度を有する。このように、金属のシリケート錯化合物
は、周囲温度で生成できる。低いM’/Si比では、温度を上げることは、金属
のシリケート錯化合物の生成を促進する。高いM’/Si比では、温度は、ほと
んど影響しない。
【0068】 金属のシリケート錯化合物の溶液中にとどまる能力に影響を及ぼすと予想され
る別の要因は、水性組成物中の溶質の存在である。すなわち、対イオンの存在は
、金属のシリケート錯化合物の安定度に影響を及ぼすと予想される。
【0069】 本発明はまた、セルローススラリー、例えば紙スラリーを製造するための方法
、及びセルロース製品、例えば紙を製造する方法に関する。特に、上述の本発明
の水溶性金属シリケート錯化合物はセルローススラリーに加え得る。さらに、本
発明のセルローススラリー及びセルロース製品を製造する方法は、少なくとも1
種の上述の一価のカチオンのシリケートを、少なくとも1種類の上述の二価金属
イオンを含むセルローススラリーに加えることを含み得る。
【0070】 本発明のセルローススラリーは、クレー、二酸化チタン、粉砕した炭酸カルシ
ウムもしくは沈降炭酸カルシウムなど、当業界で既知の充填剤を含み得る。セル
ローススラリーのpH及び温度は、本発明では重要な要因とはみなされない。セ
ルローススラリーのpH及び温度が、約4〜10の範囲のpH及び約5〜80℃
の温度などの標準状態にある限り、本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物は
、有効である。
【0071】 一価のカチオンのシリケートが、セルローススラリーに添加されて現場で水溶
性の金属シリケート錯化合物を生成するとき、本発明のセルローススラリーは、
好ましくは約1〜600ppm(百万あたり部数)のCa当量、さらに好ましく
は約1〜200ppmのCa当量、もっとも好ましくは約20〜100ppmの
Ca当量の硬度を有する。セルローススラリーが約1〜600ppmのCa当量
の硬度を有するなら、一価のカチオンのシリケートは、セルローススラリー中の
二価の金属イオンと反応して、本発明の水溶性の金属シリケート錯化合物を生成
できる。
【0072】 本発明の一価カチオンのシリケート又は水溶性金属シリケート錯化合物は好ま
しくは、形成されたフロックに過剰の剪断力がかかるのを避けるために、最後の
高剪断工程後でヘッドボックスの前の時点でセルローススラリーに加え得る。
【0073】 本発明に従い、水溶性の金属シリケート錯化合物もしくは一価のカチオンのシ
リケートは、セルローススラリーの乾燥重量に基づいて好ましくは約0.1〜2
0ポンド/トンのSiO2、さらに好ましくは約0.5〜6ポンド/トンのSi
2、最も好ましくは約1〜4ポンド/トンのSiO2の投与量で添加される。
【0074】 さらに、少なくとも1種の添加剤が、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物
とともにセルローススラリーに添加できる。例えば該少なくとも1種の添加剤は
製紙に使用されるいずれかの添加剤を実質的に含み得る。添加剤の例は、凝集剤
、カチオン性澱粉及び凝固剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤なら
びに他の歩留り向上剤など、当業界で既知の添加剤が含まれる。
【0075】 該少なくとも1種の添加剤ならびに水溶性シリケート、すなわち水溶性金属シ
リケート錯化合物及び/又は一価のカチオンのシリケートの、セルローススラリ
ーへの添加の順序は重要ではない。しかし水溶性シリケートは好ましくは、少な
くとも1種の添加剤の添加の後にセルローススラリーに加えられる。例えば、水
溶性シリケートは凝集剤の添加後にセルローススラリーに加えられ得る。好まし
くは、凝集剤は、圧力スクリーン及びクリーナーなどの最後の高剪断段階前の時
点で添加され、一方水溶性のシリケートは、最後の高剪断段階後の後であるがヘ
ッドボックス前の時点で添加される。
【0076】 2種以上の添加剤が本発明のセルローススラリーに添加されるときは、好まし
い添加剤は、凝集剤及び澱粉含む。澱粉は、凝集剤の前もしくは後にセルロース
スラリーに添加できる。好ましくは、澱粉は、凝集剤の前に添加される。
【0077】 凝固剤が少なくとも1つの凝集剤及び/又は澱粉とともにセルローススラリー
に添加されるときは、凝固剤は、凝集剤及び/又は澱粉の前もしくは後に添加で
きる。
【0078】 本発明によれば、凝集剤は、カチオンもしくはアニオン性、あるいは実質的に
非イオン性でもあり得る合成又は天然のポリマーであり得る。好ましくは、凝集
剤は、カチオン性である。
【0079】 カチオン凝集剤の例には、それらに限定はされないが、下記化合物の少なくと
も1つから選ばれる少なくとも1つのカチオンモノマーを含むホモポリマーもし
くはコポリマーが含まれる:ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM
)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、メタクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライド(METAC)、ジメチルアミノプロ
ピルメタクリレート(DMAPMA)、メタクリルアミドプロピル‐トリメチル
アンモニウムクロライド(MAPTAC)、ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド(DMAPAA)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド(AETAC)、ジメタミノエチルスチレン、(p‐ビニルベンジル)‐
トリメチルアンモニウムクロライド、2‐ビニルピリジン、4‐ビニルピリジン
、ビニルアミンなど。例えば、カチオン性凝集剤は、カチオンポリアクリルアミ
ドのコポリマーでもあり得る。
【0080】 カチオン凝集剤の分子量は、好ましくは少なくとも約500,000からで、
好ましくは約2,000,000〜15,000,000の範囲、より好ましく
は約4,000,000〜12,000,000、もっとも好ましくは約5,0
00,000〜10,000,000である。
【0081】 カチオン性凝集剤のカチオン置換度は、好ましくは少なくとも約1モル%であ
り、好ましくは約5〜50モル%の範囲、さらに好ましくは約10〜30モル%
である。
【0082】 カチオン凝集剤の電位電荷密度は、好ましくは0.1〜4meq/g、より好
ましくは約0.5〜3meq/g、もっとも好ましくは約1〜2.5meq/g
である。
【0083】 本発明のセルロース生成物製造方法において、カチオン凝集剤の投与量は、凝
集剤の活性成分及びセルローススラリーの乾燥重量に基づいて、好ましくは約0
.1〜4ポンド/トン、より好ましくは約0.2〜2ポンド/トン、もっとも好
ましくは約0.25〜1ポンド/トンである。
【0084】 本発明の好適なアニオン凝集剤は、下記の化合物から選ばれるアニオンモノマ
ーを含むホモポリマー及びコポリマーであり得る:アクリレート、メタクリレー
ト、マレエート、イタコネート、スルホネート及びホスホネートなど。例えば、
アニオン凝集剤は、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリレート)であり得る。
【0085】 本発明のアニオン凝集剤の分子量は、好ましくは少なくとも約500,000
で、好ましくは約5,000,000〜20,000,000の範囲、より好ま
しくは約8,000,000〜15,000,000である。
【0086】 アニオン凝集剤のアニオン置換度は、好ましくは少なくとも約1モル%であり
、好ましくは約10〜60モル%の範囲、さらに好ましくは約15〜50モル%
である。
【0087】 アニオン凝集剤の電位電荷密度は、好ましくは1〜20meq/g、より好ま
しくは約2〜8meq/g、もっとも好ましくは約2.5〜6meq/gである
【0088】 本発明のセルロース生成物製造方法において、アニオン凝集剤の投与量は、凝
集剤の活性成分及びセルローススラリーの乾燥重量に基づいて、好ましくは約0
.1〜4ポンド/トン、より好ましくは約0.2〜2ポンド/トン、もっとも好
ましくは約0.25〜1ポンド/トンである。
【0089】 本発明の実質的に非イオンの凝集剤の例には、それらに限定はされないが、ポ
リアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール及びポリ
(ビニルピロリジノン)が含まれ、好ましくはポリアクリルアミド、ポリ(エチ
レンオキシド)及びポリビニルアルコール、より好ましくはポリアクリルアミド
及びポリ(エチレンオキシド)が含まれる。
【0090】 実質的に非イオン性の凝集剤の分子量は、好ましくは少なくとも約500,0
00で、好ましくは約1,000,000〜10,000,000の範囲、より
好ましくは約2,000,000〜8,000,000である。
【0091】 本発明のセルロース製品製造方法において、実質的に非イオン性の凝集剤の投
与量は、凝集剤の活性成分及びセルローススラリーの乾燥重量に基づいて、好ま
しくは約0.2〜4ポンド/トン、より好ましくは約0.5〜2ポンド/トンで
ある。
【0092】 上で検討したように、両性澱粉を含むカチオン澱粉も、本発明のセルロースス
ラリーに添加してもよい。好ましくは、カチオン澱粉は、セルロース生成物製造
において湿潤もしくは乾燥強度添加剤として用いられる。本発明のカチオン澱粉
は、好ましくは少なくとも約0.01、好ましくは約0.01〜1、より好まし
くは約0.1〜0.5のカチオン電荷置換を有する。カチオン澱粉は、ジャガイ
モ、トウモロコシ、ろうトウモロコシ(waxy maize)、小麦及び米など種々の植物
から誘導できる。
【0093】 澱粉の分子量は、好ましくは約1,000,000〜5,000,000、よ
り好ましくは約1,500,000〜4,000,000、もっとも好ましくは
約2,000,000〜3,000,000である。
【0094】 本発明の澱粉は、凝集剤の前後の時点で、好ましくは本発明の水溶性シリケー
トの前にセルローススラリーに添加できる。澱粉の好ましい投与量は、セルロー
ススラリーの乾燥重量に基づいて、約1〜50ポンド/トン、より好ましくは約
5〜20ポンド/トンである。
【0095】 本発明のセルローススラリーに添加できる別の添加剤は、凝固剤である。本発
明の凝固剤の例には、それらに限定はされないが、ミョウバンまたは同様の物質
、例えば塩化アルミニウム、ポリアルミニウムクロライド(PAC)、ポリアル
ミニウムスルフェート(PAS)及びポリアルミニウムスルフェートシリケート
などの無機凝固剤、あるいはポリアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム
クロライド)、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミンなどの有機凝固剤が含ま
れ、好ましくは無機凝固剤、より好ましくはミョウバンもしくは同様の物質が含
まれる。
【0096】 有機凝固剤の分子量は、好ましくは約1,000〜1,000,000、より
好ましくは約2,000〜750,000、より好ましくは約5,000〜50
0,000である。
【0097】 本発明の凝固剤は、凝集剤の前後の時点で、好ましくは水溶性シリケートの前
にセルローススラリーに添加できる。無機凝固剤の好ましい投与量は、セルロー
ススラリーの乾燥重量に基づいて、約1〜30ポンド/トン、より好ましくは約
5〜20ポンド/トンである。有機凝固剤の好ましい投与量は、0.1〜5ポン
ド/トン、より好ましくは約0.5〜2ポンド/トンである。
【0098】 本発明のセルローススラリーはどのような方法によてもセルロース製品へと形
成し得る。例えば、水溶性金属シリケート錯化合物の添加又は形成、そして所望
によって少なくとも1種の添加剤のセルローススラリーへの添加の後に、セルロ
ーススラリーは製紙ワイヤ上に堆積され、脱水され、乾燥され、そして最終のセ
ルロース製品へとプレスされる。
【0099】 得られたセルロース製品はセルロース繊維及び少なくとも1種の水溶性金属シ
リケート錯化合物の残留物を含む。好ましくは残留物のセルロース製品中の量は
、約50〜10,000ppmのSiO2、より好ましくは約250〜3,00
0ppmのSiO2、もっとも好ましくは約500〜2,000ppmのSiO2 であり得る。
【0100】 歩留り向上剤及び脱水促進剤は典型的には凝集剤として働き、また汚水の処理
に有用でもあるので、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物は汚水を処理する
ために使用されることが期待される。汚水を処理するために、水溶性金属シリケ
ート錯化合物を汚水に加えて沈殿する懸濁した粒子を生じる。
【0101】 本発明の水溶性金属シリケート錯化合物及び方法はいくつかの利点を生じる。
特に、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物及び方法は歩留り及び脱水で有意
の改善を生じ、同時にセルロースシートの良好な形成を維持する。本発明の錯化
合物の脱水促進剤としての使用はセルロース製品の製造、特に比較的厚い繊維質
マットのゆっくりした水切れによって他の方法では生産性が減じられる場合に、
大量の脱水が必要とされる(例えば、少なくとも約76ポンド/3300平方フ
ィート)ときに有益である。
【0102】 従って、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物及び方法は生産率を高めるた
めに使用することができる。これに関し、ワイヤ又はスクリーン上の繊維質スラ
リーの脱水又は水切れはしばしば、より高い生産率を達成することを律っする工
程である。
【0103】 脱水を増すことは、プレス及びドライヤー部分内の上のより乾いたセルロース
シートを生じ、そして水蒸気の消費を減じることができる。ドライヤー部分はま
た、多くの最終シートの性質を決定するセルロース製品製造法における工程であ
る。
【0104】 同様に、歩留り向上剤として使用されるときに、本発明の金属シリケートは充
填剤及び微粒子の損失を減じ、そして生産コストを減じる。さらに、本発明の錯
化合物は、適切な水切れ(脱水)及び歩留りによって優秀な紙の形成を与える。
【0105】 さらに、本発明の水溶性金属シリケート錯化合物を製造する方法は単純であり
、そして特別の製造方法を必要としない。 さらなる苦労なく、本技術における当業者は、これまでの説明を使用して、本
発明のその最大限まで利用できる。本発明はさらに以下の実施例によって説明さ
れる。これらの実施例は非限定的であり、そして本発明の範囲を制限しない。
【0106】 他に言及しない限り、実施例中に示された全ての百分率、部数等は重量による
。 −実施例− 実施例1〜17は、液体のナトリウムシリケートをCa又は/及びMgイオン
を含む種々の水性溶液に混合することによって製造された水溶性金属(Ca又は
/及びMg)のシリケート錯化合物に関する。この水性溶液はCaCl2溶液、
MgCl2溶液溶液又は硬水のいずれかであった。Ca又はMgイオンのいずれ
かを含むCa又はMg溶液は、濃厚CaCl2又はMgCl2溶液を脱イオン水で
希釈することによって調製した。Ca及びMgの両方を含むCa/Mg溶液は、
136ppmCa当量の硬度を有する硬水を脱イオン水と混合することによって
調製された。
【0107】 他に特記しない限り、以下の実施例は、液体ナトリウムシリケートをこの水性
溶液と約30分間連続的に混合することによって調製された。水性溶液はCaC
2溶液又はMgCl2溶液又は新たな硬水のいずれかであることができる。得ら
れた溶液を次に、水切れ及び歩留り試験を実施する前に少なくとも3時間放置し
た。
【0108】 以下の実施例において使用した液体のナトリウムシリケートを下の表1に列挙
した。表1中、Aの製造者はPQ Corporation(ペンシルベニア州19482-0840フォ
ージ渓谷、P.O. Box 840)であり、BはOxyChem, Occidental Chemical Corporat
ion(オキシデンタルタワー、5005LBJフリーウエイ、ダラス、テキサス州75380-9
050)であった。
【0109】 以下の実施例において使用したCa又はMgイオンのいずれかを含むCa又は
Mg溶液は、濃厚CaCl2又はMgCl2溶液を脱イオン水で希釈することによ
って調製した。
【0110】 以下の実施例で使用したCaCl2及びMgCl2は、Tetra Technologies, In
c.(25025 I-45 North、ザ・ウッドランズ、テキサス州77380)によって製造され
た。
【0111】
【表1】
【0112】カナダ標準濾水度(CSF)試験 カナダ標準濾水度(CSF)試験を、以下の実施例(例えば実施例1〜13及
び15〜17)中のCa又は/及びMgシリケート錯化合物の脱水活性を評価す
るために使用された。特記しない限り、CSF脱水試験は1000mLの完成紙
料について実施された。この完成紙料は0.3重量%の濃度を有し、そして全乾
燥完成紙料の重量を基準として80重量%の繊維及び20重量%の沈降炭酸カル
シウム(PCC)充填剤を含む。紙完成紙料中に使用される繊維は硬材/柔材の
70/30のブレンドであった。硬材繊維は、Ekman and Company(STE 4400, 20
0 S,ビスケーン通り,マイアミ,フロリダ州33130)によって製造されたSt. Croix
Northern Hardwoodの漂白化学パルプであった。軟材繊維は、Rayonier (4470 Sa
vannan HWY, Jessup, ジョージア州)によって製造されたGeorgianier Softwood
の漂白化学パルプであった。PCCはSpecialty Minerals(230コロンビアStreet
, アダムス, マサチューセッツ州01220)によって製造されたAlbacar 5970であっ
た。
【0113】 完成紙料のpHは、8.0〜8.9であった。完成紙料の温度は21〜25℃
であった。完成紙料中に使用された繊維は硬材/軟材の70/30のブレンドで
あった。CSF脱水試験は、四角ビーカ中の1000mLの完成紙料を周囲温度
(特記しない限り)で、1200rpmの混合速度で混合することによって実施
した。完成紙料はシリケート錯化合物又は対照試料及び所望の添加剤を含んでい
る。
【0114】 以下の実施例において、完成紙料は、シリケート錯化合物、ナトリウムシリケ
ート又は水の添加の前に、完成紙料に添加材を加えることによって前処理される
ことができる。
【0115】 脱水試験において使用された添加剤はカチオン性澱粉、ミョウバン、及び凝集
材であった。カチオン性澱粉はSta-Lok 600TM(A.E. Staley Manufacturing Comp
anyから得られた)であった。凝集剤はカチオン性かアニオン性であった。カチ
オン性凝集剤は、約6000000の分子量を有し、そして10モル%のカチオ
ン電荷を有するカチオン変性ポリアクリルアミド(CPAM)であった。CPAMは、
Hercules Incorporated (ウイルミントン,デラウエア州)によって製造されたPC8
695, Novus 8910又はPC8138であった。
【0116】 アニオン性凝集剤は、約20000000の分子量及び30モル%のアニオン
電荷を有するアニオン変性ポリアクリルアミドであった。APAMは、Hercules Incorporated (ウイルミントン,デラウエア州)によって製造されたPA8130であ
った。
【0117】 ミョウバンは乾燥固体を基準として48.5重量%のAl2(SO4)・14H2O(を含む
液体の硫酸アルミニウム(General Chemical Corporation, East Halsey Road,
パーシッパニー, ニュージャージー州07054)であった。
【0118】 実施例中の添加剤の量を決定するために使用される単位は完成紙料の乾燥重量
を基準としてポンド/トンで示される。使用した澱粉及びミョウバンの量は乾燥
製品を基準としていた。使用したカチオン性及びアニオン性凝集剤の量は活性固
体を基準としていた。使用した金属シリケートの量は、SiO2の乾燥重量を基準と
して、又はナトリウムシリケートの乾燥重量を基準としている。
【0119】 各添加剤、水溶性金属シリケート錯化合物、金属シリケート、及び比較試料(
例えばベントナイト)の完成紙料への添加は、次の順序である。カチオン性澱粉
、ミョウバン、凝集剤、そして水溶性金属シリケート錯化合物又は金属シリケー
ト又は比較試料(例えばベントナイト)。
【0120】 カチオン性澱粉及びミョウバンの混合時間は10秒であった。凝集剤について
、混合時間は実施例で特定するように10秒又は60秒であった。水溶性金属シ
リケート錯化合物、金属シリケート又は比較試料のための混合時間は10秒であ
った。
【0121】 ブリット・ジャー(Britt Jar)微粒子歩留り試験 ブリット・ジャー微粒子歩留り試験を、Ca/Mgシリケート錯化合物(例えば実施
例14)の歩留り性能を評価するために実施した。歩留り試験において使用した
完成紙料は、濃度が0.5重量%であることを除き、CSF脱水試験におけるも
のと同じ固形分組成を有する。試験中、500mLの完成紙料をブリットジャー
中で混合し、そして脱水試験中と同じ試験条件で種々の添加剤で処理した。
【0122】 処理が終了した後、ジャーからの最初の100mLの流出物を歩留り率の分析
のために集めた。 実施例1 対照試験試料(下の表2に示す試験番号1)を、10ポンド/トンのカチオン
性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 8695
)を完成紙料に加えることによって調製した。
【0123】 ナトリウムシリケートOの試料(下の表2に示す試験番号2)を、1.02g
の液体のナトリウムシリケートOを98.98gの脱イオン水に加えることによ
って、ナトリウムシリケートOを0.3重量%SiO2に希釈することによって
調製した。2ポンド/トンの希釈したナトリウムシリケートOを前処理した完成
紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/ト
ンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 8695)で処理されていた。
【0124】 5種のCaシリケート錯化合物及び5種のMgシリケート錯化合物(下の表2
に示す試験番号3〜12)(これらは0.3重量%のSiO2及び表2に示すCa/
Si又はMg/Si比を有する)をこの実施例において使用した。シリケート錯化合物
のそれぞれを以下のように調製した。
【0125】 表2に示した試験番号3について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、100ppmのMg当量を含む98.98gのC
aCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0126】 表2に示した試験番号4について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、150ppmのMg当量を含む98.98gのC
aCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0127】 表2に示した試験番号5について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、200ppmのMg当量を含む98.98gのC
aCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0128】 表2に示した試験番号6について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、300ppmのMg当量を含む98.98gのC
aCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0129】 表2に示した試験番号7について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、400ppmのMg当量を含む98.98gのC
aCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0130】 表2に示した試験番号8について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、100ppmのMg当量を含む98.98gのM
gCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0131】 表2に示した試験番号9について、Caシリケート錯化合物を、1.017g
のナトリウムシリケートOを、200ppmのMg当量を含む98.98gのM
gCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート錯
化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC 86
95)で前処理されていた。
【0132】 表2に示した試験番号10について、Caシリケート錯化合物を、1.017
gのナトリウムシリケートOを、300ppmのMg当量を含む98.98gの
MgCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート
錯化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC
8695)で前処理されていた。
【0133】 表2に示した試験番号11について、Caシリケート錯化合物を、1.017
gのナトリウムシリケートOを、400ppmのMg当量を含む98.98gの
MgCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート
錯化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC
8695)で前処理されていた。
【0134】 表2に示した試験番号12について、Caシリケート錯化合物を、1.017
gのナトリウムシリケートOを、500ppmのMg当量を含む98.98gの
MgCl2溶液と混合することによって調製した。2ポンド/トンのシリケート
錯化合物を前処理した完成紙料に加えた。完成紙料は、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC
8695)で前処理されていた。
【0135】
【表2】
【0136】 表2は、0.018〜0.072の範囲のCa/Siモル比及び0.021〜
0.105の範囲のMg/Siモル比を有するCa及びMgシリケート錯化合物
が、完成紙料の脱水促進性を有意に改善することを示す。さらに、表2は、Ca
シリケート錯化合物のCa/Siモル比が少なくとも0.036であるとき、シ
リケート錯化合物は、肉眼で見える沈殿物を形成し(例えば試験番号5〜7の試
料)、それゆえ水切れ活性が減じられたことを示す。
【0137】 表2はまた、Naシリケートの完成紙料への添加が、完成紙料の濾水度の増加
を補助することを示す。 本発明のシリケート錯化合物を含む全ての溶液が、肉眼で見える小量の沈殿物
を含む試験番号5〜7の溶液の例外を除き、透明な溶液であった。実施例1から
得られたシリケート錯化合物の全ては、小量の沈殿物を生じた試験番号5〜7の
溶液の例外を除き、水溶性であった。
【0138】 実施例2 対照試料(下の表3に示す試験番号1)を、10ポンド/トンのカチオン性澱
粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)
を完成紙料に加えることによって調製した。
【0139】 商業的な微粒子脱水促進剤(ベントナイト)を含む試料(下の表3の試験番号
2)をこの実施例に含めた。この実施例において使用したベントナイトはBentol
ite HSでありSouthern Clay Products, Inc.によって供給された。このベントナ
イトを、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及
び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理されている完成紙料に加えた
。加えるベントナイトの量は固体重量を基準として2ポンド/トンであった。
【0140】 CaイオンもMgイオンも含まないNaシリケートN試料(下の表3に示す試
験番号3)も調製した。2.01gのNaシリケートNを248gの脱イオン水
で0.3重量%の濃度に希釈し、そして連続的に1分間混合した。この希釈した
Naシリケートを次にただちに10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/
トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理されて
いる完成紙料に加えた。加えたNaシリケートNの量は乾燥固体重量を基準とし
て2ポンド/トンであった。
【0141】 0.3重量%のナトリウムシリケートを含みかつ表3に示す種々のM’/Si
モル比を有する7種のCaシリケート錯化合物及び4種のMgシリケート錯化合
物(下の表3に示す試験番号4〜14)を以下のように調製した。
【0142】 表3に示す試験番号4について、Caシリケート錯化合物を、最初に0.31
3gの2%CaCl2溶液を247.68gの脱イオン水に加え、続いて2.0
1gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した
。この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこの
シリケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加え
た。(シリケート錯化合物の量はナトリウムシリケートの固体重量で2ポンド/
トンであった。)前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に
加えることによって調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/
トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8
138)を除く各添加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した
【0143】 表3に示す試験番号5について、Caシリケート錯化合物を、最初に0.62
5gの2%CaCl2溶液を247.37gの脱イオン水に加え、続いて2.0
1gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した
。この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこの
シリケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加え
た。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることに
よって調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各
添加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0144】 表3に示す試験番号6について、Caシリケート錯化合物を、最初に1.25
gの2%CaCl2溶液を246.74gの脱イオン水に加え、続いて2.01
gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。
この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシ
リケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた
。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによ
って調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添
加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0145】 表3に示す試験番号7について、Caシリケート錯化合物を、最初に1.87
5gの2%CaCl2溶液を246.12gの脱イオン水に加え、続いて2.0
1gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した
。この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこの
シリケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加え
た。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることに
よって調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各
添加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0146】 表3に示す試験番号8について、Caシリケート錯化合物を、最初に2.5g
の2%CaCl2溶液を245.49gの脱イオン水に加え、続いて2.01g
のナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。こ
の混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシリ
ケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた。
前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによっ
て調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添加
剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0147】 表3に示す試験番号9について、Caシリケート錯化合物を、最初に3.75
gの2%CaCl2溶液を244.24gの脱イオン水に加え、続いて2.01
gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。
この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシ
リケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた
。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによ
って調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添
加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0148】 表3に示す試験番号10について、Caシリケート錯化合物を、最初に5gの
2%CaCl2溶液を242.99gの脱イオン水に加え、続いて2.01gの
ナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。この
混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシリケ
ート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた。前
処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによって
調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、
及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添加剤
を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0149】 表3に示す試験番号11について、Mgシリケート錯化合物を、最初に2.5
gの1%MgCl2溶液を245.49gの脱イオン水に加え、続いて2.01
gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。
この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシ
リケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた
。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによ
って調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添
加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0150】 表3に示す試験番号12について、Mgシリケート錯化合物を、最初に5gの
1%MgCl2溶液を242.99gの脱イオン水に加え、続いて2.01gの
ナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。この
混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシリケ
ート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた。前
処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによって
調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、
及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添加剤
を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0151】 表3に示す試験番号13について、Mgシリケート錯化合物を、最初に7.5
gの1%MgCl2溶液を240.49gの脱イオン水に加え、続いて2.01
gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。
この混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシ
リケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた
。前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによ
って調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添
加剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0152】 表3に示す試験番号14について、Mgシリケート錯化合物を、最初に10g
の1%MgCl2溶液を237.99gの脱イオン水に加え、続いて2.01g
のナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製した。こ
の混合物を磁気攪拌機上で連続的に1分間攪拌した。2ポンド/トンのこのシリ
ケート錯化合物を、濾水度測定のためにただちに前処理した完成紙料に加えた。
前処理した完成紙料は、以下の添加剤を次に順序で完成紙料に加えることによっ
て調製した。10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)。CPAM(PC8138)を除く各添加
剤を10秒間混合した。CPAM(PC8138)を60秒間混合した。
【0153】 得られた試験番号1〜4の完成紙料を次にCSF装置に移し、濾水度を測定し
た。この実施例における試料の結果を下の表3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】 表3は明らかに、0.006〜0.11のモル比を有するCa及びMgシリケ
ート錯化合物(試験番号3及び4の試料)が、完成紙料の水切れを有意に改善す
ることを示す。同様に、ナトリウムシリケート又はベントナイトの完成紙料の添
加もまた、濾水度を増す。
【0156】 本発明のシリケート錯化合物を含む全ての溶液は透明な溶液であった。 実施例3 対照試料(下の表4に示す試験番号1)を、10ポンド/トンのカチオン性澱
粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完
成紙料に加えることによって調製した。
【0157】 NaシリケートOの試料(下の表4の試験番号2)をこの実施例に含めた。N
aシリケートOを、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョ
ウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)で前処理されている完成紙料に
加える前に0.245gのNaシリケートOを99.75gの蒸留水に加えるこ
とによって0.075重量%のSiO2に希釈した。
【0158】 0.075重量%のSiO2及び表4に示す種々のM’/Siモル比を有する
4種のCa/Mgシリケート錯化合物(下の表4に示す試験番号3〜6)を以下
のように調製した。
【0159】 試験番号3について、錯化合物を、0.254gのNaシリケートOを、Mg
/Caイオンを含みかつ34ppmのCa当量の硬度を有する99.75gの水
に加えることによって調製した。2ポンド/トンの錯体を次に、10ポンド/ト
ンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCP
AM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。混合物を連続的に30分間混合し
、そして次に3時間放置した。次に完成紙料をCSF装置に移して濾水度が測定
できるようにした。
【0160】 試験番号4について、錯化合物を、0.254gのNaシリケートOを、Mg
/Caイオンを含みかつ68ppmのCa当量の硬度を有する99.75gの水
に加えることによって調製した。2ポンド/トンの錯体を次に、10ポンド/ト
ンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCP
AMで前処理した完成紙料に加えた。混合物を連続的に30分間混合し、そして
次に3時間放置した。次に完成紙料をCSF装置に移して濾水度が測定できるよ
うにした。
【0161】 試験番号5について、錯化合物を、0.254gのNaシリケートOを、Mg
/Caイオンを含みかつ102ppmのCa当量の硬度を有する99.75gの
水に加えることによって調製した。2ポンド/トンの錯体を次に、10ポンド/
トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのC
PAMで前処理した完成紙料に加えた。混合物を連続的に30分間混合し、そし
て次に3時間放置した。次に完成紙料をCSF装置に移して濾水度が測定できる
ようにした。
【0162】 試験番号6について、錯化合物を、0.254gのNaシリケートOを、Mg
/Caイオンを含みかつ136ppmのCa当量の硬度を有する99.75gの
水に加えることによって調製した。2ポンド/トンの錯体を次に、10ポンド/
トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのC
PAMで前処理した完成紙料に加えた。混合物を連続的に30分間混合し、そし
て次に3時間放置した。次に完成紙料をCSF装置に移して濾水度が測定できる
ようにした。
【0163】 この実施例における試料の結果を下の表4にまとめた。
【0164】
【表4】
【0165】 表4は、0.068〜0.204の(Ca+Mg)/Si比を有するCa/Mgシリケー
ト錯化合物が完成紙料の水切れ性を有意に改善することを示す。対照的に、0.
272の(Ca+Mg)/Si比を有するCa/Mgシリケート錯化合物(試験番号6の試
料に示す)の使用は沈殿を形成し、従って完成紙料の水切れ性をそれほど改善し
ないこを示す。
【0166】 本発明のシリケート錯化合物を含む全ての溶液は透明な溶液であったが、肉眼
で見える沈殿物を含む試験番号6の溶液を除く。従って、実施例3から得られた
シリケート錯化合物の全てを水溶性であったが、沈殿を生じた試験番号6(13
6ppmのCa当量を有する)は除く。
【0167】 実施例4 この実施例の試験番号3〜6(下の表5に示す)の試料は、実施例3の試験番
号3〜6のものと、完成紙料がCPAMの代わりにAPAM(PA8130)で処理さ
れていたことを除き、同じである。すなわち、Ca/Mgシリケート錯化合物の
添加の前に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのAPAMが逐次的に完成紙料に加えられた。
【0168】 CaイオンもMgイオンも含まないNaシリケートOの試料(下の表5に示す
試験番号2)も調製した。NaシリケートOを脱イオン水中に0.075重量%
SiO2に希釈し、そして次に10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/
トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのAPAM(PA8130)を含む完成紙
料に加えた。
【0169】 完成紙料のみを含む対照試料(下の表5に示す試験番号1)を調製した。この
完成紙料は10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、
及び0.5ポンド/トンのAPAM(PA8130)で前処理されていた。
【0170】 得られた完成紙料をCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。結果
を下の表5にまとめた。
【0171】
【表5】
【0172】 表5に示すように、完成紙料がアニオン性ポリマーとCa/Mgシリケートで
処理されたときは、水切れにおける改善が達成された。同様に、ナトリウムシリ
ケートの完成紙料への添加は濾水度を増した。
【0173】 実施例5 10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポ
ンド/トンのCPAM(NOVUS8910)を完成紙料に加えることによって対照試料
(下の表5に示す試験番号1)を調製した。
【0174】 0.3重量%のSiO2及び0.034の(Ca+Mg)/Siのモル比を有するCa/
Mgシリケート錯化合物の9種の試料(表6に示す試験番号2〜10)を以下の
ように調製した。
【0175】 試験番号2について、錯化合物を、1gのNaシリケートSTIXSORRを、Mg/
Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水99.00gに混合すること
によって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。2
ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド
/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理さ
れている完成紙料に加えた。
【0176】 試験番号3について、錯化合物を、1.083gのNaシリケートEを、Mg
/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水98.92gに混合するこ
とによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。
2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポン
ド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理
されている完成紙料に加えた。
【0177】 試験番号4について、錯化合物を、1.045gのNaシリケートNを、Mg
/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水98.95gに混合するこ
とによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。
2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポン
ド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理
されている完成紙料に加えた。
【0178】 試験番号5について、錯化合物を、1.017gのNaシリケートOを、Mg
/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水98.98gに混合するこ
とによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。
2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポン
ド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理
されている完成紙料に加えた。
【0179】 試験番号6について、錯化合物を、1.027gのNaシリケート(グレード
40)を、Mg/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水98.92
gに混合することによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3
時間放置した。2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン
性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8
910)で前処理されている完成紙料に加えた。
【0180】 試験番号7について、錯化合物を、1gのNaシリケート(グレード42)を
、Mg/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水99.00gに混合
することによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置
した。2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、
5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で
前処理されている完成紙料に加えた。
【0181】 試験番号8について、錯化合物を、0.946gのNaシリケートKを、Mg
/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水99.05gに混合するこ
とによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。
2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポン
ド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理
されている完成紙料に加えた。
【0182】 試験番号9について、錯化合物を、0.935gのNaシリケートMを、Mg
/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水99.07gに混合するこ
とによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した。
2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポン
ド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処理
されている完成紙料に加えた。
【0183】 試験番号10について、錯化合物を、1.020gのNaシリケートDを、M
g/Caイオンを含み68ppmのCa当量を有する水98.98gに混合する
ことによって調製した。混合物を30分間連続的に混合し、次に3時間放置した
。2ポンド/トンの錯化合物を次に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポ
ンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS8910)で前処
理されている完成紙料に加えた。
【0184】 完成試料を次にCSF装置に移して濾水度を測定できるようにした。結果を表
6に示す。
【0185】
【表6】
【0186】 表6に示すように、2.0〜3.25のSiO2/Na2O重量比を有するナトリウム
シリケートは活性なCa/Mgシリケートを錯化合物を形成する。 実施例6 この実施例において使用したCa/Mgシリケート錯化合物は、1ポンド/ト
ンのCPAMの代りに0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を使用したこと
を除き、実施例5のものと同じであった。すなわち、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、0.25ポンド/トンのAPAM及び
2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物(SiO2として)を順次完成紙料
に加えた。
【0187】 この実施例の対照試料は、1ポンド/トンのCPAMの代りに0.25ポンド
/トンのAPAM(PA8130)を使用したことを除き、実施例5のものと同じであっ
た。
【0188】 処理した完成紙料を次にCSF装置に移して濾水度を測定できるようにした。
結果を表7にまとめる。
【0189】
【表7】
【0190】 表7に示すように、2.0〜3.25のSiO2/Na2O重量比を有するナトリウム
シリケートから形成されたCa/Mgシリケート錯化合物はAPAM凝集剤で処
理した完成紙料の濾水度を改善する。
【0191】 実施例7 対照試料(下の表8に示す試験番号1)を調製し、完成試料をCSF装置内に
置いて濾水度が測定できるようにした。
【0192】 他の対照試料(下の表8に示す試験番号2)を、完成紙料に0.5ポンド/ト
ンのCPAM(PC8138)を加えることによって調製した。 0.15%のCaCl2試料(下の表8に示す試験番号3)を、0.452g
の濃縮CaCl2溶液(TETRA Technologyによって製造された、38%の乾燥固
形分を有する)を114.5gの脱イオン水に加えることによって調製した。濾
水度測定のために、0.15%のCaCl2溶液を2ポンド/トンの量で、前処
理完成紙料に加えた。前処理された完成紙料は、0.5ポンド/トンのCPAM
(PC8138)を完成紙料に加えることによって調製された。
【0193】 CaイオンもMgイオンも含まないNaシリケートN試料(下の表8に示す試
験番号4)も次の通り調製した。0.803gのNaシリケートNを99.20
gの脱イオン水で0.3重量%の濃度に希釈し、そして1分間連続的に混合した
。2ポンド/トンの希釈Naシリケートを次にただちに、0.5ポンド/トンの
CPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0194】 下の表8に示す試験番号5〜8について、Caシリケート錯化合物を一緒に調
製した。これらの試験のCaシリケート錯化合物を、0.15%のCaCl2
液と0.803gのナトリウムシリケートNを89.2gの脱イオン水に加える
ことによって調製した。溶液を連続的に1分間、磁気攪拌機上で混合した。試験
番号5〜8について、濾水度測定のため、2ポンド/トンのシリケート錯化合物
をただちに、前処理した完成紙料に加えた。
【0195】 試験番号5について、前処理した完成紙料を、0.5ポンド/トンのCPAM
(PC8138)を完成紙料に加えることによって調製した。 試験番号6について、前処理した完成紙料を、5ポンド/トンのミョウバン、
続いて0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)を完成紙料に加えることによって
調製した。
【0196】 試験番号7について、前処理した完成紙料を、10ポンド/トンのカチオン性
澱粉、続いて0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)を完成紙料に加えることに
よって調製した。
【0197】 試験番号8について、前処理した完成紙料を、10ポンド/トンのカチオン性
澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC813
8)を完成紙料に加えることによって調製した。
【0198】 次に最終の完成紙料をCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。こ
の実施例の結果を下の表8に示す。
【0199】
【表8】
【0200】 表8からわかるように、試験番号3及び4(それぞれCaCl2及びナトリウ
ムシリケートNを含む)は脱水活性を有さなかったが、カルシウムシリケート錯
化合物は有意な脱水活性を有した。表8中の結果はまた、Caシリケート錯化合
物が、カチオン性澱粉、ミョウバン、及びカチオン性凝集剤(CPAM(PC8138))を
完成紙料に加えたときは、最適の性能を有することを示す。また、Caシリケー
ト錯化合物は少なくとも1種の添加剤を添加したときに、完成紙料の脱水活性を
高める。
【0201】 実施例8 この試験において、0.3%のSiO2の濃度及び0.034の(Ca+Mg)/Siモル比
を有するCa/Mgシリケート錯化合物を、1.02gのナトリウムシリケート
Oを、68ppmの当量のCaの硬度を有する98.98gのCa/Mg溶液と
反応させることによって調製した。
【0202】 水切れの検討において、Ca/Mgシリケート錯化合物は、ナトリウムシリケ
ート並びにCaCl2及びMgCl2のCa又はMgイオンが別々に完成紙料に加
えられており、予備混合されていないためCa又はMgシリケート錯化合物を形
成されていない一連の試料と比較した。シリケート錯化合物及びナトリウムシリ
ケートの量を下の表9に示す。完成紙料の処理は、10ポンド/トンのカチオン
性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)
の連続添加、その後の試験添加剤(下の表9に示す)の添加から成っていた。
【0203】 Ca/Mgシリケート錯化合物の用量はSiO2として決定され、そしてナト
リウムシリケートO、CaCl2及びMgCl2を生成物の乾燥固体として決定さ
れた。
【0204】 処理された紙の完成紙料をCSF装置に移して、濾水度が測定できるようにし
た。この実施例の結果を表9に示す。
【0205】
【表9】
【0206】 表9に示すように、試験番号8の予備形成されたCa/Mgシリケート錯化合
物は、試験番号3〜7のナトリウムシリケート及びCa又はMgイオンの単純な
組合せ(Ca又はMgシリケート錯化合物を予備形成しなかったもの)より水切
れ改善に対する性能が優れている。表9はまた、ナトリウムシリケートとCa又
はMgイオンの単純な組合せが、試験番号2のナトリウムシリケートと本質的に
同じ水切れ改善を生じることを示す。
【0207】 実施例9 対照試料(下の表10に示す試験番号1)を、10ポンド/トンのカチオン性
澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC813
8)を完成紙料に逐次的に加えることによって調製した。この完成紙料を次にCS
F装置に移して濾水度が測定できるようにした。この対照試料の結果を下の表1
0に示す。
【0208】 0.3%乾燥重量SiO2濃度及び0.071のCa/Si比を有する、7種のCaシ
リケート錯化合物(下の表10に示す試験番号2〜8)をこの実施例において使
用した。これらの7種のCaシリケート錯化合物のそれぞれを、22℃において
、3.75gの2%CaCl2を244.24gの脱イオン水に加え、続いて2
.01gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって調製
した。
【0209】 試験番号2について、反応が約0.5分進行したときに、2ポンド/トンのC
a錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した
。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0210】 試験番号3において、反応が約4.3分進行したときに、2ポンド/トンのC
a錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した
。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0211】 試験番号4において、反応が約7.3分進行したときに、2ポンド/トンのC
a錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した
。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0212】 試験番号5において、反応が約15.5分進行したときに、2ポンド/トンの
Ca錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移し
た。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした
【0213】 試験番号6において、反応が約30分進行したときに、2ポンド/トンのCa
錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した。
完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0214】 試験番号7において、反応が約39分進行したときに、2ポンド/トンのCa
錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した。
完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0215】 試験番号8において、反応が約59分進行したときに、2ポンド/トンのCa
錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した。
完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0216】 0.3%乾燥重量SiO2濃度及び0.071のCa/Si比を有する、2種のCaシ
リケート錯化合物(下の表10に示す試験番号9及び10)をこの実施例におい
て使用した。これらの2種のCaシリケート錯化合物のそれぞれを、50℃にお
いて、3.75gの2%CaCl2を244.24gの脱イオン水に加え、続い
て2.01gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによって
調製した。
【0217】 試験番号9において、反応が約0.5分進行したときに、2ポンド/トンのC
a錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した
。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0218】 試験番号10において、反応が約3分進行したときに、2ポンド/トンのCa
錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン
、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した。
完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0219】 0.3%乾燥重量SiO2濃度及び0.012のCa/Si比を有する、5種のCaシ
リケート錯化合物(下の表10に示す試験番号11〜15)をこの実施例におい
て使用した。これらの5種のCaシリケート錯化合物のそれぞれを、50℃にお
いて、0.625gの2%CaCl2を247.37gの脱イオン水に加え、続
いて2.01gのナトリウムシリケートNをこの脱イオン水に加えることによっ
て調製した。
【0220】 試験番号11において、反応が約0.5分進行したときに、2ポンド/トンの
Ca錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移し
た。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした
【0221】 試験番号12において、反応が約3.3分進行したときに、2ポンド/トンの
Ca錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移し
た。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした
【0222】 試験番号13において、反応が約6.3分進行したときに、2ポンド/トンの
Ca錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウ
バン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移し
た。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした
【0223】 試験番号14において、反応が約17分進行したときに、2ポンド/トンのC
a錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移した
。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0224】 試験番号15において、反応が約20.5分進行したときに、2ポンド/トン
のCa錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョ
ウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に移
した。完成紙料を次にただちにCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにし
た。
【0225】 上記試験試料の結果を以下に示す。
【0226】
【表10】
【0227】 表10にまとめた結果によって示されるように、Ca/Siのモル比が0.0
71であるとき、Caシリケート錯化合物は、反応が始まってまもなく最大脱水
活性に達した。しかし、低いCa/Siモル比において、反応時間は、反応温度
を50℃に上げても長かった。
【0228】 実施例10 試験番号2〜4及び6において使用されているCa/Mgシリケート錯化合物
は、それらが同時に調製されたものと同じである。このCa/Mgシリケート錯
化合物は0.3重量%のSiO2及び0.034の(Ca+Mg)/Siモル比を有し、そして
1.02ポンド/トンのナトリウムシリケートOを、68ppmのCa当量を有
する98.98gのCa/Mg溶液と、約30分間混合し、そして約3時間放置
することによって調製した。
【0229】 具体的には、6種の試料(表11に示す試験番号1〜6)をこの実施例におい
て調製した。 試験番号1は、10ポンド/トンのカチオン性澱粉及び1ポンド/トンのCP
AM(PC8695)を完成紙料に逐次的に加えて調製した。次にこの完成紙料をCSF
装置に移して水切れが測定できるようにした。この対照試料の結果を下の表11
に示す。
【0230】 試験番号2において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完成
紙料に逐次加えることによって前処理した完成紙料に加えた。完成紙料を次にC
SF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0231】 試験番号3において、4ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、10
ポンド/トンのカチオン性澱粉及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完成紙
料に逐次加えることによって前処理した完成紙料に加えた。完成紙料を次にCS
F装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0232】 試験番号4において、6ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、10
ポンド/トンのカチオン性澱粉及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完成紙
料に逐次加えることによって前処理した完成紙料に加えた。完成紙料を次にCS
F装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0233】 試験番号5は、1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完成紙料に加えることに
よって調製した。完成紙料を次にCSF装置に移し、濾水度が測定できるように
した。この対照試料の結果を下の表11に示した。
【0234】 試験番号6において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉及び1ポンド/トンのCPAM(PC8695)を完成
紙料に逐次加えることによって前処理した完成紙料に加えた。完成紙料を次にC
SF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
【0235】
【表11】
【0236】 表11に示すように、Ca/Mgの使用は、(a)CPAM凝集剤のみが完成
紙料中に存在するとき、及び(b)CPAM凝集剤及びカチオン性澱粉が完成紙
料中に存在するときの、有意な改善を示す。
【0237】 実施例11 この実施例において、Ca/Mg錯化合物(表12に示す試験番号1〜4)が
以下のように調製された。
【0238】 試験番号1において、0.3重量%SiO2の濃度及び0.034の(Ca+Mg)/Siモ
ル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を7℃において、1.02gのナト
リウムシリケートOを、(Ca当量として)68ppmの硬度を有するCa/M
g溶液98.98gと反応させることによって調製した。反応が約3分間進行し
たとき、2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物をただちに、10ポンド/トンの
カチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM
(PC8695)で前処理された完成紙料に加えた。完成紙料を次にCSF装置に移して
濾水度が測定できるようにした。
【0239】 試験番号2において、0.3重量%SiO2の濃度及び0.034の(Ca+Mg)/Siモ
ル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を15℃において、1.02gのナ
トリウムシリケートOを、(Ca当量として)68ppmの硬度を有するCa/
Mg溶液98.98gと反応させることによって調製した。反応が約3分間進行
したとき、2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物をただちに、10ポンド/トン
のカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPA
M(PC8695)で前処理された完成紙料に加えた。完成紙料を次にCSF装置に移し
て濾水度が測定できるようにした。
【0240】 試験番号3において、0.3重量%SiO2の濃度及び0.034の(Ca+Mg)/Siモ
ル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を20℃において、1.02gのナ
トリウムシリケートOを、(Ca当量として)68ppmの硬度を有するCa/
Mg溶液98.98gと反応させることによって調製した。反応が約3分間進行
したとき、2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物をただちに、10ポンド/トン
のカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンのCPA
M(PC8695)で前処理された完成紙料に加えた。完成紙料を次にCSF装置に移し
て濾水度が測定できるようにした。
【0241】 試験番号4において、0.3重量%SiO2の濃度及び0.034の(Ca+Mg)/Siモ
ル比の濃度を有するCa/Mgシリケート錯化合物を50℃において、1.02
gのナトリウムシリケートOを、(Ca当量として)68ppmの硬度を有する
Ca/Mg溶液98.98gと反応させることによって調製した。反応が約3分
間進行したとき、2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物をただちに、10ポンド
/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド/トンの
CPAM(PC8695)で前処理された完成紙料に加えた。完成紙料を次にCSF装置
に移して濾水度が測定できるようにした。
【0242】 この実施例の結果を下の表2に示す。
【0243】
【表12】
【0244】 表12に示すように、Ca/Mgシリケート錯化合物の脱水活性は、反応温度
が上昇したときに増す。 実施例12 この実施例において使用したCa/Mgシリケート錯化合物は、実施例10の
錯化合物と同じである。具体的には、0.3重量%SiO2の濃度及び0.034の
(Ca+Mg)/Siモル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を、1.02ポンド/
トンのナトリウムシリケートOを68ppm当量のCaの硬度を有すCa/Mg
溶液98.98gと30分間混合し、次に混合物を約3時間放置することによっ
て調製した。
【0245】 表13に示す試験番号1〜12は以下のように調製した。 試験番号1において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS 8910)を7.7のpHを有す
る完成紙料に加えた。
【0246】 試験番号2において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド
/トンのCPAM(NOVUS 8910)で前処理した7.7のpHを有する完成紙料に加
えた。
【0247】 試験番号3において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を7.7のpHを有
する完成紙料に加えた。
【0248】 試験番号4において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.25
ポンド/トンのCPAM(PA8130)で前処理した7.7のpHを有する完成紙料に
加えた。
【0249】 試験番号5において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS 8910)を8.7のpHを有す
る完成紙料に加えた。
【0250】 試験番号6において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポンド
/トンのCPAM(NOVUS 8910)で前処理した8.7のpHを有する完成紙料に加
えた。
【0251】 試験番号7において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を8.7のpHを有
する完成紙料に加えた。
【0252】 試験番号8において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、1
0ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.25
ポンド/トンのAPAM(PA8130)で前処理した8.7のpHを有する完成紙料に
加えた。
【0253】 試験番号9において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び1ポンド/トンのCPAM(NOVUS 8910)を9.6のpHを有す
る完成紙料に加えた。
【0254】 試験番号10において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、
10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び1ポン
ド/トンのCPAM(NOVUS 8910)で前処理した9.6のpHを有する完成紙料に
加えた。
【0255】 試験番号11において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン、及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を9.6のpHを
有する完成紙料に加えた。
【0256】 試験番号12において、2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を、
10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.2
5ポンド/トンのAPAM(PA8130)で前処理した9.6のpHを有する完成紙料
に加えた。
【0257】 これらの完成紙料を次にCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。
濾水度の結果を下の表13に示す。
【0258】
【表13】
【0259】 表13からわかるように、Ca/Mgシリケート錯化合物の、pH7.7〜9
.6を有する完成紙料への添加は濾水度を有意に増す。 実施例13 この実施例において使用したCa/Mgシリケート錯化合物は実施例10の錯
化合物と同じであった。具体的には、0.3重量%のSiO2及び0.034の(Ca+
Mg)/Siモル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を、1.02ポンド/トン
のナトリウムシリケートOを、68ppm当量のCaの硬度を有する98.98
gのCa/Mg溶液と反応させることによって調製した。
【0260】 表14に示す試験番号1〜16を以下のように調製した。 試験番号1において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の濃
度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として100重量%の繊維及び0重
量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加え
た。
【0261】 試験番号2において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の濃
度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として100重量%の繊維及び0重
量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加え
た。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加えた
【0262】 試験番号3において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として100重量%の繊維及び0
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。
【0263】 試験番号4において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として100重量%の繊維及び0
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加え
た。
【0264】 試験番号5において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の濃
度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として90重量%の繊維及び10重
量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加え
た。
【0265】 試験番号6において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の濃
度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として90重量%の繊維及び10重
量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加え
た。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加えた
【0266】 試験番号7において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として90重量%の繊維及び10
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。
【0267】 試験番号8において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として90重量%の繊維及び10
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加え
た。
【0268】 試験番号9において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の濃
度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として80重量%の繊維及び20重
量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加え
た。
【0269】 試験番号10において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として80重量%の繊維及び20
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加え
た。
【0270】 試験番号11において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%
の濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として80重量%の繊維及び2
0重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに
加えた。
【0271】 試験番号12において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA8130)を、0.3重量%
の濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として80重量%の繊維及び2
0重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに
加えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加
えた。
【0272】 試験番号13において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として65重量%の繊維及び35
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。
【0273】 試験番号14において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び1ポンド/トンのCPAM(Novus 8910)を、0.3重量%の
濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として65重量%の繊維及び35
重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mLに加
えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に加え
た。
【0274】 試験番号15において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA 8130)を、0.3重量
%の濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として65重量%の繊維及び
35重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mL
に加えた。
【0275】 試験番号16において、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トン
のミョウバン及び0.25ポンド/トンのAPAM(PA 8130)を、0.3重量
%の濃度を有し、かつ全乾燥完成紙料の重量を基準として65重量%の繊維及び
35重量%の沈降炭酸カルシウム(PCC)充填剤を含む完成紙料1000mL
に加えた。2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を続いて完成紙料に
加えた。
【0276】 完成紙料をCSF装置に移し、濾水度が測定できるようにした。結果を表14
に示す。
【0277】
【表14】
【0278】 表14からわかるように、Ca/Mgシリケート錯化合物は、充填剤を含まな
いものから35重量%という高濃度の充填剤を含む完成紙料に有意な水切れの改
善を与える。
【0279】 実施例14 この実施例において使用したCa/Mgシリケート錯化合物は、実施例10の
錯化合物と同じである。具体的には、0.3%のSiO2濃度及び0.034の(Ca+
Mg)/Siモル比を有するCa/Mgシリケート錯化合物を、1.02ポンド/トン
のナトリウムシリケートOを、68ppm当量のCaの硬度を有する98.98
gのCa/Mg溶液と混合し、その後3時間放置することによって調製した。
【0280】 この実施例の試料(下の表15に示す試験番号1〜12)はブリットジャー微
粒子歩留り評価に向けられた。 試験番号1において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、1ポンド/トンのCPAM(PC8695)
を逐次添加することによって実施した。
【0281】 試験番号2において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、1ポンド/トンのCPAM(PC8695)
、及び2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加することによ
って実施した。
【0282】 試験番号3において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、1ポンド/トンのCPAM(PC8695)
、及び4ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加することによ
って実施した。
【0283】 試験番号4において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、1ポンド/トンのCPAM(PC8695)
、及び6ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加することによ
って実施した。
【0284】 試験番号5において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバンを逐次添加することによって実施した。 試験番号6において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び2ポンド/トンのCa/Mgシリ
ケート錯化合物を逐次添加することによって実施した。
【0285】 試験番号7において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び4ポンド/トンのCa/Mgシリ
ケート錯化合物を逐次添加することによって実施した。
【0286】 試験番号8において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び6ポンド/トンのCa/Mgシリ
ケート錯化合物を逐次添加することによって実施した。
【0287】 試験番号9において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチオ
ン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.25ポンド/トンのAPAM
(PA8130)を逐次添加することによって実施した。
【0288】 試験番号10において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、0.25ポンド/トンのAPAM(
PA8130)、及び2ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加する
ことによって実施した。
【0289】 試験番号11において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、0.25ポンド/トンのAPAM(
PA8130)、及び4ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加する
ことによって実施した。
【0290】 試験番号12において、歩留り評価を、完成紙料に、10ポンド/トンのカチ
オン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、0.25ポンド/トンのAPAM(
PA8130)、及び6ポンド/トンのCa/Mgシリケート錯化合物を逐次添加する
ことによって実施した。
【0291】 次に完成紙料をCSF装置に移し、濾水度を測定できるようにした。歩留り評
価の結果を下の表15に示す。
【0292】
【表15】
【0293】 表15に示すように、Ca/Mgシリケート錯化合物で処理されなかった完成
紙料は、Ca/Mgシリケート錯化合物で処理された完成紙料と比較して低い歩
留り率であった。Ca/Mg錯化合物は、凝集剤で処理した完成試料も処理しな
い完成紙料も、その歩留り率を改善する。
【0294】 実施例15 完成紙料に、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバ
ン、0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)を添加することによって対照試料
(下の表16に示す試験番号1)を調製した。
【0295】 商業的なミクロ粒子脱水促進剤であるベントナイトの試料(下の表16中に示
す試験番号2)もこの実施例に含めた。この実施例において使用するベントナイ
トはBentolite HSであり、Southern Clay Products, Inc.によって製造されてい
る。このベントナイトを10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンの
ミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙
料に加えた。
【0296】 試験番号3において、0.3重量%のSiO2を含むCa/Mgシリケート錯
化合物を、1.04gのナトリウムシリケートNを、124ppmのCa当量の
硬度を有する新しい水98.96gと2〜3分間混合することによって調製した
。2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉
、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)
で前処理した完成紙料に加えた。
【0297】 試験番号4において、0.3重量%のSiO2を含むCa/Mgシリケート錯
化合物を、1.04gのナトリウムシリケートNを、124ppmのCa当量の
硬度を有する新しい水98.96gと2〜3分間混合することによって調製した
。2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉
、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)
で前処理した完成紙料に加えた。
【0298】 試験番号5において、0.50gの2%CaCl2を124ppmのCa当量
の硬度を有する新しい水98.45gに加えた。1.04gのナトリウムシリケ
ートをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO2を含むCa/
Mgシリケート錯化合物を形成した。次に2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物
を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0
.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0299】 試験番号6において、0.75gの2%CaCl2を124ppmのCa当量
の硬度を有する新しい水98.21gに加えた。次に1.04gのナトリウムシ
リケートをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO2を含むC
a/Mgシリケート錯化合物を形成した。次に2ポンド/トンのCa/Mg錯化
合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及
び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0300】 試験番号7において、1.0gの2%CaCl2を124ppmのCa当量の
硬度を有する新しい水97.96gに加えた。次に1.04gのナトリウムシリ
ケートをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO2を含むCa
/Mgシリケート錯化合物を形成した。次いで2ポンド/トンのCa/Mg錯化
合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及
び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0301】 試験番号8において、1.5gの2%CaCl2を124ppmのCa当量の
硬度を有する新しい水97.46gに加えた。次に1.04gのナトリウムシリ
ケートをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO2を含むCa
/Mgシリケート錯化合物を形成した。次いで2ポンド/トンのCa/Mg錯化
合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及
び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0302】 試験番号9において、2.0gの2%CaCl2を124ppmのCa当量の
硬度を有する新しい水96.96gに加えた。次に1.04gのナトリウムシリ
ケートをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO2を含むCa
/Mgシリケート錯化合物を形成した。2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を
、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.
5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。
【0303】 処理した完成紙料を次にCSF装置に移して濾水度が測定できるようにした。
この実施例における試料の結果を下の表16に示す。
【0304】
【表16】
【0305】 表16に示すように、Ca/Mgシリケート錯化合物及びベントナイトは、完
成紙料の水切れ性を有意に改善した。 実施例16 この実施例は9つの試料(下の表17に示す試験番号1〜9)を含んでおり、
これらは、Ca/Mgシリケート錯化合物が形成された後に、前処理した完成紙
料に加えられる前に2時間放置された(試験番号3〜9)ことを除き、実施例1
5における試験番号1〜9と同一である。
【0306】 完成紙料を次にCSF装置に移して濾水度を測定できるようにした。水切れ試
験の後、金属シリケート錯化合物の濁度を、HACH 2100AN濁度計を使用して測定
した。
【0307】 結果を下の表17にまとめる。
【0308】
【表17】
【0309】 表17に示すように、この実施例において使用した全ての金属シリケート錯化
合物は、水切れの改善に高度に有効であった。錯化合物の濁度が18.7から5
6.5へと増加することは、錯化合物の性能に有利ではないことも示された。
【0310】 実施例17 対照試料(下に示す表18中の試験番号1)を、10ポンド/トンのカチオン
性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC81
38)を完成紙料に添加することによって調製した。
【0311】 0.3%のSiO2を含むCa/Mgシリケート錯化合物(下の表18に示す
試験番号2〜4)を以下のように調製した。 試験番号2(試料A)において、1.5gの2%CaCl2を124ppmの
Ca当量の硬度を有する新しい水97.46gに加えた。次に1.04gのナト
リウムシリケートNをこの新たな水と2〜3分間混合して0.3重量%のSiO 2 を含むCa/Mgシリケート錯化合物を形成した。このCa/Mg錯化合物を
5日間放置した。5日後、2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を、10ポンド
/トンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/ト
ンのCPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。次にこの完成紙料をC
SF装置に移して濾水度が測定できるようにした。水切れ試験の後、Ca/Mg
シリケート錯化合物の濁度を、HACH 2100AN濁度計を使用して測定した。
【0312】 試験番号3(試料B)において、1.5gの2%CaCl2を124ppmの
Ca当量の硬度を有する新しい水97.46gに加えた。次に1.04gのナト
リウムシリケートNをこの新たな水と約50間、7〜9℃で混合して0.3重量
%のSiO2を含むCa/Mgシリケート錯化合物を形成した。Ca/Mgシリ
ケート錯化合物を含む混合物に0.5gの0.2%CaCl2を22分間にわた
りさらに加えた。次に2ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を、10ポンド/ト
ンのカチオン性澱粉、5ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンの
CPAM(PC8138)で前処理した完成紙料に加えた。次にこの完成紙料をCSF
装置に移して濾水度が測定できるようにした。水切れ試験の後、金属シリケート
錯化合物の濁度を、HACH 2100AN濁度計を使用して測定した。
【0313】 試験番号4(試料C)において、1.0gの2%CaCl2を試料Bに上述(
試験番号3について)のように9℃において加え、そして65分間混合した。2
ポンド/トンのCa/Mg錯化合物を、10ポンド/トンのカチオン性澱粉、5
ポンド/トンのミョウバン、及び0.5ポンド/トンのCPAM(PC8138)で前
処理した完成紙料に加えた。次にこの完成紙料をCSF装置に移して濾水度が測
定できるようにした。水切れ試験の後、Ca/Mgシリケート錯化合物の濁度を
、HACH 2100AN濁度計を使用して測定した。
【0314】 この試験の結果を下の表18にまとめた。
【0315】
【表18】
【0316】 表18に示すように、金属シリケート錯化合物の濁度が30NTUから71N
TUへと増加するとき、水切れ性能は劇的に低下した。 上述の実施例は、金属イオン、例えばMg2+、及び/又はCa2+イオンを含む
水溶液を、ナトリウムシリケートを希釈してナトリウムシリケートを活性なマグ
ネシウム及び/又はカルシウムシリケートに転化させるために使用することによ
って、完成紙料の水切れ及び歩留り性は有意に改善されたことを示す。
【0317】 上述の実施例はまた、ナトリウムシリケートを完成紙料に加えることによって
、完成紙料の水切れ及び歩留り性も改善されたことを示す。 上述の実施例はさらに、カチオン性澱粉、凝固剤、及び凝集剤から選択される
少なくとも1種の添加剤の添加、及びその後の水溶性金属錯化合物又はナトリウ
ムシリケートの完成紙料への添加が、水切れ及び歩留り性を改善し、そして紙及
び厚紙を製造する際に経費効率がよいことを示す。
【0318】 以上の実施例は、以上の実施例中で使用したものについて、本発明の一般的・
具体的に説明した成分及び/又は操作条件を置換することによって同様な成功を
もって反復できる。以上の説明から、当業者は本発明の本質的特性を容易に確認
することができ、そして本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の用
途及び条件に適合させるために本発明の種々の変更及び修正をなすことができる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 タッガート,トム・イー アメリカ合衆国フロリダ州32256,ジャク ソンヴィル,ハンプシャー・グレン・ドラ イブ 8659 (72)発明者 ツハン,フシュアン アメリカ合衆国フロリダ州32257,ジャク ソンヴィル,アダムズ・ウォーク・ドライ ブ 8989 Fターム(参考) 4G073 BA03 BA04 BA05 BA10 BA11 BA13 BA32 BA36 BA48 BA52 BB48 BB69 BB78 BC03 BD05 BD13 CC01 CC08 CD01 4L055 AG05 AG48 AG73 AH18 EA32 FA10

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の二価の金属と少なくとも1種の一価のカチ
    オンのシリケートとを含む水溶性金属シリケート錯化合物、及び水を含む水性組
    成物。
  2. 【請求項2】 二価の金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄(I
    I)、マンガン(II)、及びバリウムの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の水
    性組成物。
  3. 【請求項3】 二価の金属がマグネシウム及びカルシウムのうちの一種を含
    む、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 水溶性金属シリケート錯化合物が約2〜20の、SiO2:一価
    カチオンのオキサイドのモル比を有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  5. 【請求項5】 水溶性金属シリケート錯化合物が約3〜5の、SiO2:一価カ
    チオンのオキサイドのモル比を有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  6. 【請求項6】 水溶性の金属シリケート錯化合物が約0.001〜0.25
    の、二価金属:珪素のモル比を有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  7. 【請求項7】 水性組成物が約0.01〜5重量%のSiO2濃度を有する、請
    求項1又は2に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 水溶性金属シリケート錯化合物が、約0.001〜0.25
    の二価金属:珪素モル比を有する、請求項4に記載の水性組成物。
  9. 【請求項9】 水溶性金属シリケート錯化合物が次の式: (1-y)M2O・yM'O・xSiO2 (式中、Mは一価のカチオンであり、M'は二価の金属イオンであり、xは約2〜4
    であり、yは約0.005〜0.4であり、そしてy/xは約0.001〜0.25
    である)を有する、請求項1に記載の水性組成物。
  10. 【請求項10】 Mがナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウムを
    含む、請求項9に記載の水性組成物。
  11. 【請求項11】 Mがナトリウムを含む、請求項9に記載の水性組成物。
  12. 【請求項12】 M'がカルシウム又はマグネシウムを含む、請求項9に記載
    の水性組成物。
  13. 【請求項13】 水溶性金属シリケート錯化合物が、約2〜20のSiO2/M2O
    モル比を有する、請求項9に記載の水性組成物。
  14. 【請求項14】 水溶性金属シリケート錯化合物が、約0.001〜0.2
    5のM'/Siモル比を有する、請求項17に記載の水性組成物。
  15. 【請求項15】 水性組成物が約0.01〜5重量%のSiO2濃度を有する、
    請求項17に記載の水性組成物。
  16. 【請求項16】 水溶性金属シリケート錯化合物が、次の式 (1-y)Na2O・yM'O・xSiO2 (式中、M'はカルシウム又はマグネシウムを含む二価の金属イオンであり、 xは約2〜4であり、 yは約0.005〜0.4であり、 y/xは約0.001〜0.25であり、 x/(1-y)は約2〜20である) の水溶性シリケートを含み、そして水性組成物が約0.01〜5重量%のSiO2
    度を有する、請求項1に記載の水性組成物。
  17. 【請求項17】 y/xが約0.01〜0.2であり、x(1-y)が約3〜10で
    あり、そして水性組成物が、約0.1〜2重量%のSiO2濃度を有する、請求項1
    6に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 一価のカチオンのシリケートと二価の金属イオンとを水性
    環境において組み合わせて、水溶性金属シリケート錯化合物を形成することを含
    む、水溶性金属シリケート錯化合物を含む水性組成物を製造する方法。
  19. 【請求項19】 水溶性金属シリケート錯化合物が約2〜20のSiO2:一価
    のカチオンのオキサイドのモル比を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 一価のカチオンのシリケートがナトリウムシリケート、カ
    リウムシリケート、リチウムシリケート、及びアンモニウムシリケートのうちの
    少なくとも1種を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 一価のカチオンのシリケートがナトリウムシリケートを含
    む、請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 ナトリウムシリケートが、約2〜4のSiO2/Na2Oの重量比
    を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 二価の金属イオンが、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、
    銅、鉄(II),マンガン(II)、及びバリウムのうちの少なくとも1種を含む、請求
    項18に記載の方法。
  24. 【請求項24】 二価値の金属イオンがマグネシウム及びカルシウムのうち
    の少なくとも1種を含む、請求項18に記載の方法。
  25. 【請求項25】 水溶性金属シリケート錯化合物が、次の式 (1-y)Na2O・yM'O・xSiO2 (式中、M'はカルシウム又はマグネシウムを含む二価の金属イオンであり、 xは約2〜4であり、 yは約0.005〜0.4であり、 y/xは約0.001〜0.25であり、 x/(1-y)は約2〜20である) の水溶性シリケートを含み、そして水性組成物が約0.01〜5重量%のSiO2
    度を有する、請求項1に記載の水性組成物。
  26. 【請求項26】 水溶性金属シリケート錯化合物が、一価のカチオンのシリ
    ケートを、十分な量の二価金属イオン有する水性反応体組成物に加えて水溶性金
    属シリケート錯化合物を形成することによって製造される、請求項18に記載の
    方法。
  27. 【請求項27】 二価の金属イオンがCaCl3、MgCl2、MgSO4、Ca(NO3)2、Mg(
    NO3)2、CaSO4及びZnSO4のうちの少なくとも1種を含む、請求項26に記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 水溶性金属シリケート錯化合物が、二価の金属イオンを、
    十分な量の一価カチオンのシリケートを有する水性反応体組成物に加えて水溶性
    金属シリケート錯化合物を形成することによって製造される、請求項18に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 二価金属及び少なくとも1種の一価カチオンのシリケート
    を含む水溶性金属シリケート錯化合物を有する水性組成物をセルローススラリー
    に添加することを含む、セルローススラリーを改質する方法。
  30. 【請求項30】 二価の金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄
    (II),マンガン(II)、及びバリウムをうちの少なくとも1種を含む、請求項29
    に記載の方法。
  31. 【請求項31】 二価の金属が、マグネシウム及びカルシウムのうちの少な
    くとも1種を含む、請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 水溶性金属シリケート錯化合物が次の式: (1-y)M2O・yM'O・xSiO2 (式中、Mは一価のカチオンであり、M'は二価の金属イオンであり、xは約2〜4
    であり、yは約0.005〜0.4である、そしてy/xは約0.001〜0.25
    である)を有する水溶性シリケートを含む、請求項29に記載の方法。
  33. 【請求項33】 Mがナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウムを
    含む、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 M'がカルシウム又はマグネシウムを含む、請求項32に記
    載の方法。
  35. 【請求項35】 水溶性金属シリケート錯化合物が、2〜20のSiO2/M2Oモ
    ル比を有する、請求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】 二価の金属源を、十分な量の一価カチオンのシリケートを
    含む水性反応体組成物に加えて水溶性金属シリケートを形成することによって、
    水溶性金属シリケート錯化合物を有する水性組成物が製造される、請求項29に
    記載の方法。
  37. 【請求項37】 水溶性金属シリケート錯化合物が、次の式 (1-y)Na2O・yM'O・xSiO2 (式中、M'はカルシウム又はマグネシウムを含む二価の金属イオンであり、 xは約2〜4であり、 yは約0.005〜0.4であり、 y/xは約0.001〜0.25であり、 x/(1-y)は約2〜20である) の水溶性シリケートを含み、水性組成物が約0.01〜5重量%のSiO2濃度を有
    し、そして凝集剤、澱粉、及び凝固剤の少なくとも1種がセルローススラリーに
    加えられる、請求項29に記載の方法。
  38. 【請求項38】 十分な量の二価金属イオンを含むセルローススラリーに一
    価カチオンのシリケートを添加して、該一価のカチオンと組み合わせて水溶性金
    属シリケート錯化合物を形成することを含む、セルローススラリーを製造する方
    法。
  39. 【請求項39】 一価のカチオンのシリケートが、ナトリウムシリケート、
    カリウムシリケート、リチウムシリケート、及びアンモニウムシリケートのうち
    の少なくとも1種を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 二価の金属イオンが、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、
    銅、鉄(II),マンガン(II)、及びバリウムをうちの少なくとも1種を含む、請求
    項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 セルロース繊維及び水溶性金属シリケート錯化合物の少な
    くとも1種の残留物を含む、セルロース製品。
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