JP2003516126A - 腫瘍細胞において発現し、かつ免疫応答の調節に関与する遺伝子のクローニング、発現及び特徴付け - Google Patents

腫瘍細胞において発現し、かつ免疫応答の調節に関与する遺伝子のクローニング、発現及び特徴付け

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マジストレリ、ジョヴァンニ
ジーニン、パスカル
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ピエール ファブル メディカマン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍細胞において発現され、かつ免疫応答の調節に関与する新規遺伝子の同定及び特徴付け、そのcDNA及び対応するポリペプチドのクローニング及び特徴付けに関する。本発明はまた、上記遺伝子をコードする核酸を含むベクター、上記ベクターで形質転換された細胞、並びに診断方法、及び本発明の核酸又はポリペプチドと直接的又は間接的に相互作用し得る化学的又は生化学的化合物の選択方法に関する。本発明はさらに、免疫病状、特に、自己免疫疾患及び癌を処置するための化合物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、腫瘍細胞において発現され、かつ免疫応答の調節に関与する新規遺
伝子の同定及び特徴付け、それらのcDNAのクローニング及び特徴付け、並び
にまた対応するポリペプチドに関する。本発明はまた、この遺伝子をコードする
核酸を含むベクター、このようなベクターで形質転換された細胞、並びにまた診
断方法、及び本発明の核酸又はポリペプチドと直接的又は間接的に相互作用し得
る化学的又は生化学的化合物を選択する方法に関する。本発明はまた、免疫病理
学的状態、特に、自己免疫疾患及び癌を処置するための化合物に関する。
【0002】 多くの正常又は病理学的な細胞メカニズムは、いくつかの遺伝子が特定の時期
及び/又は特定の強度で所定の組織中に発現している差示的遺伝子発現に関与す
る。
【0003】 これらの遺伝子の中で、翻訳プロセスの間又はその後に、細胞内の区画中に位
置するか、又はその細胞外に分泌されるタンパク質をコードする遺伝子は、非常
に価値がある。特に、因子タンパク質(例えば、サイトカイン)をコードする遺
伝子、又は選り抜きの治療標的を構成する膜結合型レセプターをコードする遺伝
子に関して言及がなされる。
【0004】 これらのタンパク質(例えば、膜結合型タンパク質)のほとんどは、シグナル
ペプチドに対応するN末端ドメイン、細胞外ドメイン及び膜貫通ドメインを有す
る。
【0005】 従って、このような遺伝子(該遺伝子の発現は、特定の組織又は細胞、特に、
免疫応答の調節に関与する細胞又は腫瘍細胞に特異的である)を同定及び特徴付
けする必要性が、今日においても依然として非常に存在する。
【0006】 まさに、これは本発明の主題である。
【0007】 従って、本発明の主題は、ヒトのリンパ組織において、特に、未刺激の末梢T
リンパ球及び腫瘍細胞において優先的に発現される新規遺伝子(該遺伝子の翻訳
産物は、膜結合型である)の同定及び特徴付けである。
【0008】 第1の局面において、本発明の主題は、以下の配列の群: a)配列番号1の配列; b)末端ポリAフラグメントが欠失した配列番号1の配列の少なくとも18個の
連続するヌクレオチド、好ましくは20個、25個、30個、50個、100個
若しくは200個の連続するヌクレオチドの配列、好ましくは配列番号3、配列
番号5、配列番号7、又は配列番号9である該配列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
80%、好ましくは90%、95%若しくは99%の同一性パーセントを有する
核酸配列; d)a)、b)又はc)で規定される配列に対して相補的な配列、あるいはa)
、b)又はc)で規定される配列に対応するRNAの配列、 から選択される核酸配列を含むということによって特徴付けられる、精製又は単
離された核酸である。
【0009】 好ましくは、本発明は、以下の配列の群: a)配列番号1の配列; b)末端ポリAフラグメントが欠失した配列番号1の配列の少なくとも18個の
連続するヌクレオチドのフラグメントの配列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
80%の同一性パーセントを有する核酸配列; d)a)、b)又はc)で規定される配列に対して相補的な配列、あるいはa)
、b)又はc)で規定される配列に対応するRNAの配列、 〔但し、文献WO99/54461の配列番号11の配列、文献WO99/06
548の配列番号51の配列、並びにEMBLデータバンクの文献に識別番号A
I672868、AA890726及びAI301140で記載される3つの配
列を除く〕から選択される核酸配列を含むことによって特徴付けられる、精製又
は単離された核酸に関する。
【0010】 文献WO99/54461は、子宮内膜腫瘍組織によって発現される核酸配列
に関する特許文献である。その文献は、特に、635個の配列の中で、本発明の
配列番号1の配列(nt1597〜3313)のフラグメント及び配列番号2の
配列(aa519〜1013)のフラグメントとそれぞれ、100%に近い同一
性を有する、配列番号11の核酸配列及びその対応する配列番号173のペプチ
ド配列を記載している。その文献は、153頁において、配列番号173のペプ
チド配列が、機能既知の配列のいずれにも対応しないことを記している。
【0011】 文献WO99/06548は、非組織特異的分泌タンパク質をコードするES
T配列に関する文献である。その文献は、特に、その配列表中に記載される54
5個の配列のうち、本発明の配列番号2のaa1〜150フラグメントと非常に
高い相同性を示す、配列番号51のペプチド配列(aa37〜113の配列)(
150個のアミノ酸)を記載している(150個のアミノ酸フラグメントに対し
ておよそ85%の同一性;最初の135個のアミノ酸に対して約94%)。その
文献はまた、この5’EST配列(配列番号51)に対応するDNAが、ヒト前
立腺腫瘍組織を起源とすることを記している(例えば、配列表の40頁「起源と
なる供給源」)。
【0012】 「EMBL」文献AA672868は、クローン病に罹患したヒト結腸組織の
ライブラリーを起源とし、かつ本発明の配列番号1の配列のcDNAフラグメン
ト(nt441〜971)に相補的な配列とかなりの程度の同一性を有するmR
NA配列を記載している。
【0013】 「EMBL」文献AI890726は、散在性の腺癌を有するヒト甲状腺組織
のライブラリーを起源とし、かつ本発明の配列番号1の配列のcDNAフラグメ
ント(nt2779〜3309)に相補的な配列とかなりの程度の同一性を有す
るmRNA配列を記載している。
【0014】 最後に、「EMBL」文献AI301140は、記載された神経内分泌型ヒト
肺カルチノイドライブラリーを起源とし、かつ本発明の配列番号1の配列のcD
NAフラグメント(nt2736〜3299の位置)に相補的な配列とかなりの
程度の同一性を有するmRNA配列を記載している。
【0015】 用語「核酸」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド
」、「ポリヌクレオチド配列」及び「ヌクレオチド配列」(これらの用語は、本
出願の記載において区別せずに使用される)は、明確なヌクレオチド鎖を意味す
ることが意図される。この鎖は、改変されていてもされていなくてもよく、核酸
のフラグメント又は領域を規定することを可能にし、非天然ヌクレオチドを含ん
でいても含んでいなくてもよく、そして二本鎖DNA及び一本鎖DNAの両方に
、及び上記DNAの転写産物に対応していてもよい。
【0016】 本発明が、それらの天然の染色体環境(即ち、天然の状態)におけるヌクレオ
チド配列に関するものでないことが理解されるべきである。それらは、単離及び
/又は精製された配列であり、すなわち、それらは、例えば、コピーによって、
直接的又は間接的に取り出され、それらの環境は、少なくとも部分的に改変され
ている。
【0017】 好ましくは、本発明の核酸配列の長さは、150kb未満、さらにより好まし
くは、100kb、50kb、25kb、10kb又は5kb未満である。
【0018】 本発明において、2つの核酸又はアミノ酸配列の間の「同一性パーセント」と
いう用語は、最良のアラインメントの後に得られる、比較されるべき2つの配列
の間で同一であるヌクレオチド又はアミノ酸残基のパーセントを意味することが
意図される。このパーセンテージは、純粋に統計学的であり、そしてこの2つの
配列間の差異は、無作為に分布しかつそれらの長さの全体にわたる。用語「最良
のアラインメント」又は「最適なアラインメント」は、以下のように決定される
同一性パーセントが最高であるアラインメントを意味することが意図される。2
つの核酸又はアミノ酸配列間の配列比較は、これらの配列を最適に整列した後に
これらを比較することによって、従来通りに行なわれる。上記比較は、配列類似
性の局所領域を同定しかつ比較するために、セグメントによってか、又は「比較
のウインドウ」によって行なわれる。比較のための配列の最適なアラインメント
は、手動の他に、Smith及びWaterman (1981) [Ad.App.Math., 2:482]の局所相同
性アルゴリズムによって、Neddleman and Wunsch (1970) [J.Mol.Biol., 48:443
]の局所相同性アルゴリズムによって、Pearson及びLipman(1988)[Proc. Natl. A
cad. Sci., USA, 85:2444]の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズムを
使用するコンピュータプログラム(Wisconsin Genetics Software Package, Gen
etics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BES
TFIT、BLAST P、BLAST N、FASTA及びTFASTA)に
よって作成され得る。
【0019】 2つの核酸又はアミノ酸配列の間の同一性パーセントは、比較されるべき核酸
又はアミノ酸配列が、これらの2つの配列間の最適なアラインメントのために、
参照配列と比較して付加又は欠失を含み得る最適な様式で整列されたこれら2つ
の配列を比較することによって決定される。同一性パーセントは、ヌクレオチド
又はアミノ酸残基がこの2つの配列間で同一である同一の位置の数を決定し、比
較した位置の総数で同一の位置の数を除算し、そしてこれら2つの配列間の同一
性パーセントを得るために、得られた結果に100を掛けることによって算定さ
れる。
【0020】 「最適なアラインメントの後に、参照配列と少なくとも80%、好ましくは9
0%、95%又は99%の同一性パーセントを有する核酸配列」という表現は、
核酸配列が、参照核酸配列と比較して特定の改変(例えば、特に、欠失、短縮、
伸長、キメラ融合及び/又は置換(特に、点置換))を有し、かつその核酸配列
が、最適なアラインメントの後に、その参照核酸配列と少なくとも80%、好ま
しくは90%、95%又は99%の同一性を有することを意味することが意図さ
れる。それらは、好ましくは、本発明の配列番号1の配列と特異的にハイブリダ
イズし得る配列に相補的な配列である。好ましくは、特異的又は高ストリンジェ
ンシーハイブリダイゼーション条件は、最適なアラインメントの後に、2つの配
列の一方と他方に相補的な配列との間で少なくとも80%、好ましくは90%、
95%又は99%の同一性を保証するような条件である。
【0021】 高ストリンジェンシー条件下のハイブリダイゼーションは、温度及びイオン強
度の条件が、2つの相補DNAフラグメント間でのハイブリダイゼーションの維
持が可能であるように選択されることを意味する。例示としては、上記ポリヌク
レオチドフラグメントを規定するためのハイブリダイゼーション工程についての
高ストリンジェンシー条件は、有利には、以下の通りである:
【0022】 DNA−DNA又はDNA−RNAハイブリダイゼーションは、2つの工程で
行なわれる:(1)5×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl+0.0
15Mクエン酸ナトリウム溶液に対応する)、50%のホルムアミド、7%のド
デシル硫酸ナトリウム(SDS)、10×デンハート(Denhardt)、5%の硫酸
デキストラン及び1%のサケ精子DNAを含有するリン酸緩衝液(20mM、p
H7.5)中での42℃で3時間のプレハイブリダイゼーション;(2)プロー
ブのサイズに依存する温度で20時間のハイブリダイゼーション自体(即ち、プ
ローブのサイズが100個のヌクレオチドよりも大きい場合には42℃)、引き
続いて、2×SSC+2%のSDS中での20℃での20分間の2回の洗浄、及
び0.1×SSC+0.1% SDS中での20℃での20分間の1回の洗浄。
最後の洗浄は、プローブのサイズが100個のヌクレオチドよりも大きい場合に
は、0.1×SSC+0.1% SDS中で、60℃で30分間行なわれる。規
定されたサイズのポリヌクレオチドに対する上記の高ストリンジェンシーハイブ
リダイゼーション条件は、サイズがより大きい又はより小さいオリゴヌクレオチ
ドについて、Sambrookら(Molecular cloning:a laboratory Manual(第2版)
,Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor, New York, 1989)の教示に従
い当業者によって調節される。
【0023】 最適なアラインメントの後に、本発明の配列と少なくとも80%、好ましくは
90%、95%又は99%の同一性パーセントを有する核酸配列の中で、配列番
号1の核酸配列の変異体又はそのフラグメント(即ち、対立遺伝子変異体(即ち
、配列番号1の核酸配列の個々のバリエーション)に対応する全ての核酸配列)
もまた好ましい。これらの天然に変異した配列は、哺乳動物(特にヒト)に存在
する多型、特に病理学的状態の出現を引き起こし得る多型に対応する。本発明は
好ましくは、変異が、配列番号1の配列の正常な配列によってコードされるポリ
ペプチド又はそのフラグメントのアミノ酸配列の改変を生じる変異核酸配列に関
する。
【0024】 「変異核酸配列」という表現もまた、ゲノム核酸配列のスプライス部位の変異
から生じる任意のRNA又はcDNAを意味することが意図される。このcDN
Aは、配列番号1の配列を有する。
【0025】 本発明は、好ましくは、配列番号1の配列、配列番号1の配列(好ましくは、
配列番号2のペプチドをコードするそのフラグメント、又はシグナルペプチドa
a1〜41を欠失した配列番号2の配列のペプチドをコードするそのフラグメン
ト)に相補的な配列、あるいはそれらに対応するRNAの配列からなるというこ
とによって特徴付けられる、本発明の精製又は単離された核酸に関する。
【0026】 本発明は、好ましくは、以下の配列: a)配列番号5、配列番号7、配列番号15、配列番号17及び配列番号19の
配列; b)配列番号19の配列の少なくとも18個のヌクレオチドのフラグメントの配
列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)に規定される配列と少なくとも
80%の同一性パーセントを有する核酸配列;並びに d)a)、b)又はc)で規定される配列に相補的な配列、あるいはそれらの配
列に対応するRNAの配列、 から選択される配列を含むことによって特徴付けられる、本発明の精製又は単離
された核酸に関する。
【0027】 本発明は、好ましくは、その配列が以下の配列: a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号
15、配列番号17、配列番号19及び配列番号21; b)最適なアラインメントの後に、a)で規定される配列と少なくとも80%の
同一性パーセントを有する核酸配列;並びに c)a)又はb)で規定される配列に相補的な配列、あるいはそれらの配列に対
応するRNAの配列、 から選択されるということによって特徴付けられる、本発明の精製又は単離され
た核酸に関する。
【0028】 本発明の核酸配列を含むということによって特徴付けられるプライマー又はプ
ローブもまた、本発明の一部である。
【0029】 従って、本発明は、好ましくは、本発明のプライマー又はプローブに関する。
このプライマー又はプローブは、特に、増幅法(例えば、PCR法)又は関連す
る方法を使用して、変異核酸配列間を明らかにすること又は識別すること、ある
いは遺伝子(該遺伝子のcDNAは、配列番号1の配列によって示される)のゲ
ノム配列を同定することを可能にし得る。
【0030】 本発明はまた、核酸配列を検出、同定、力価測定又は増幅するために、プロー
ブ又はプライマーとして、本発明の核酸配列を使用することに関する。
【0031】 本発明によれば、核酸配列を検出、同定、力価測定又は増幅するための方法に
おいてプローブ又はプライマーとして使用され得るポリヌクレオチドは、最小の
サイズが15塩基、好ましくは20塩基、又はなお好ましくは20〜30塩基で
ある。
【0032】 本発明の全てのプローブ又はプライマーは、検出可能及び/又は定量可能なシ
グナルを得るために、当業者に周知の方法を使用して、放射性又は非放射性化合
物で直接的又は間接的に標識されてもよい。
【0033】 本発明の非標識ポリヌクレオチド配列は、プローブ又はプライマーとして直接
的に使用されてもよい。
【0034】 この配列は、一般的に、多くの適用に使用され得る配列を得るために標識され
る。本発明のプライマー又はプローブは、放射性元素又は非放射性分子で標識さ
れる。
【0035】 使用される放射性同位体の中で、32P、33P、35S、3H又は125Iに関して言
及がなされる。非放射性物は、リガンド類(例えば、ビオチン)、アビジン、ス
トレプトアビジン又はジゴキシゲニン、ハプテン類、色素類及び発光剤(例えば
、放射性発光剤、化学発光剤、生物発光剤、蛍光剤又はりん光剤)から選択され
る。
【0036】 従って、本発明のポリヌクレオチドは、特にPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)
技術 (H.A.Erlich, New York: Stockton Press,1989; M.A.Innisら, Academic P
ress, 1990; 及びA.Rolfsら, Berlin: Springer-Verlag, 1991)を用いる方法に
おいてプライマー及び/又はプローブとして使用され得る。この技術は、増幅さ
れなければならないフラグメントを境界付けるオリゴヌクレオチドプライマー対
を選択することを必要とする。参照は、例えば、米国特許第4,683,202
号に記載される技術に対してなされ得る。増幅フラグメントは、例えば、アガロ
ース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動の後に、あるいはクロマトグラフィー
技術(例えば、ゲルろ過又はイオン交換クロマトグラフィー)の後に、配列決定
されることによって同定され得る。増幅の特異性は、本発明のポリヌクレオチド
のヌクレオチド配列をプライマーとして、及びこれらの配列を含有するプラスミ
ド又はそれに由来する増幅産物を鋳型として使用することによって制御され得る
。この増幅ヌクレオチドフラグメントは、生物学的サンプル中の、上記増幅ヌク
レオチドフラグメントの配列に相補的な配列の標的核酸の存在を実証するために
、ハイブリダイゼーション反応における試薬として使用され得る。
【0037】 本発明はまた、本発明のプライマーを使用する増幅によって得られ得る核酸に
関する。
【0038】 標的核酸を増幅するための他の技術は、本発明のヌクレオチド配列のプライマ
ー対を使用して、PCRに対する代替(PCR様)として有利に用いられ得る。
用語「PCR様」とは、核酸配列の直接的又は間接的な複製(即ち、ここにおい
て、標識システムが増幅されている)を使用する全ての方法を意味することが意
図される;これらの技術は、勿論、公知である;一般に、それらは、ポリメラー
ゼによるDNAの増幅を含み;サンプルの起源がRNAである場合には、逆転写
が予め行なわれるべきである。例えば、SDA(鎖置換増幅)技術 (G.T.Walker
ら, Nucleic Acids Res., 20: 1691〜1696, 1992)、D.Y.Kwohら (1989)(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA, 86: 1173〜1177)に記載されるTAS(転写ベース増幅システ
ム)技術、J.C.Guatelliら (1990)(Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 87: 1874〜1878及
びCell, 85: 281〜290, 1996)によって記載される3SR(自己持続性配列複製
)技術、T.Kievitisら (1991)(J.Virol.,Methods, 35: 273〜286)によって記載
されるNASBA(核酸配列ベース増幅)技術、TMA(転写媒介増幅)技術、
U.Landegrenら (1988)(Science, 241: 1077〜1080)によって記載され、かつF.Ba
rany (1991)(Proc.Natl.Adad.Sci.USA, 88: 189〜193)によって改善されたLC
R(リガーゼ連鎖反応)技術(この技術は、熱安定性リガーゼを使用する)、D.
Segev (1992)(Kessler C. Springer Verlag, Berlin, New York, 197〜205)によ
って記載されるRCR(修復鎖反応)技術、P.Duckら (1990)(Biotechniques, 9
: 142-147)によって記載されるCPR(サイクリングプローブ反応)技術、並び
にE.A.Mieleら (1983)(J.Mol.biol., 171: 281〜295)によって記載され、かつ特
に、B.C.F.Chuら (1986)(Nucleic Acids Res., 14: 5591〜5603)及びP.M.Lizard
iら (1988)(Biotechnology, 6: 1197〜1202)、次いでJ.L.Burgら (Mol.and Cell
.Probes, 10: 257〜271)、そしてまたB.B.Stoneら (Mol.and Cell.Probes, 10:
359〜370)(1996)によって改善されたQβレプリカーゼ増幅技術等の、この増幅
のための多くの方法が現在存在する。
【0039】 検出されるべき標的ポリヌクレオチドがmRNAの場合、生物学的サンプル中
に含まれるmRNAからcDNAを得るために、本発明のプライマーを使用する
増幅反応を実施する前に、又は本発明のプローブを使用する検出方法を実施する
前に、逆転写酵素型の酵素が有利に使用される。次いで、得られたcDNAは、
本発明の増幅又は検出方法において使用されるプライマー又はプローブに対する
標的として使用される。
【0040】 プローブハイブリダイゼーション技術は、種々の様式 (J.A.Matthewsら, Anal
.Biochem., 169: 1〜25, 1988)で行なわれ得る。最も一般的な方法は、種々の組
織の細胞、又は培養された細胞から抽出される核酸を、支持体(例えば、ニトロ
セルロース、ナイロン又はポリスチレン)上に固定すること、並びに十分に規定
された条件下で、この固定された標的核酸をプローブとともにインキュベートす
ることからなる。ハイブリダイゼーション後に、過剰のプローブを取り除き、そ
して適切な方法を使用して(プローブに関連する放射活性、蛍光又は酵素活性を
測定して)、形成されたハイブリッド分子を検出する。
【0041】 本発明の核酸プローブの別の実施態様によれば、後者は、捕捉用プローブとし
て使用され得る。この場合において、「捕捉用プローブ」と呼ばれるプローブが
支持体上に固定され、そして特異的なハイブリダイゼーションによって、試験さ
れるべき生物学的サンプルから得られる標的核酸を捕捉するために使用され、次
いで容易に検出可能な要素で標識された第2のプローブ(「検出用プローブ」と
呼ばれる)を使用して、この標的核酸が検出される。
【0042】 従って、有利な核酸フラグメントの中で、特に、アンチセンスオリゴヌクレオ
チド(即ち、オリゴヌクレオチド)に関して言及がなされるべきである。この構
造は、標的配列とのハイブリダイゼーションによって、対応する産物の発現の阻
害を提供する。対応する産物の発現の調節に関与するタンパク質との相互作用に
よって、この発現の阻害又は活性化のいずれかを誘導するであろうセンスオリゴ
ヌクレオチドに関する言及もまた、なされるべきである。
【0043】 別の局面において、本発明は、本発明の核酸配列を使用することによって特徴
付けられる、ゲノムDNA又はcDNAライブラリーをスクリーニングするため
の、又は単離されたゲノム又はcDNAをクローニングするための方法を含む。
【0044】 これらの方法の中で、特に以下に関して言及がなされ得る: −本発明の核酸配列を使用してcDNAライブラリーをスクリーニングすること
及び単離されたcDNAをクローニングすること (Sambrook,J.ら, 1989; Suggs
,S.V.ら,PNAS 78: 6613〜6617, 1981; Woo, S.L.C. Methods Enzymol., 68: 389
, 1979)。 −本発明の配列を使用して、ゲノムライブラリー(例えば、BAC)をスクリー
ニングすること (Chumakov,I.M.ら, 1992; Chumakov,I.M.ら, Nature, 377: 175
〜183, 1995)、及び必要に応じて、FISHにより遺伝子分析すること (Cherif
,D.,ら, Proc.Natl.Acad.Sci.,USA, 87: 6639〜6643, 1990)によって単離及び染
色体の位置選定を可能にし、次いで、cDNA配列が配列番号1の配列である遺
伝子を完全に配列決定すること。
【0045】 特に、本発明のこれらの方法は、ここでは、核酸変異体のcDNAを同定し、
それによって得るために使用され得る。
【0046】 これらのスクリーニング及び/又はクローニング方法は、特に、本発明の核酸
を、ゲノム又はcDNAライブラリー中に含まれる核酸とハイブリダイズさせる
ための工程を含む。
【0047】 本発明はまた、本発明の核酸を使用することによって特徴付けられる、遺伝子
(該遺伝子のcDNAは、配列番号1の配列を有する)の発現を促進及び/又は
調節する核酸配列を同定するための方法を含む。
【0048】 当業者に利用可能なコンピュータツールは、遺伝子発現を制御するに必要かつ
十分なプロモーター調節ボックス(特に、TATA、CCAAT及びGCボック
ス)、並びにまた、本発明の遺伝子の発現をシスにおいて制御する刺激性調節配
列(「エンハンサー」)又は阻害調節配列(「サイレンサー」)を、本発明のゲ
ノム核酸配列から容易に同定することを可能にする;これらの調節配列の中で、
IRE、MRE及びCREに関して言及がなされるべきである。
【0049】 本発明はまた、本発明の核酸配列を使用することによって特徴付けられる、配
列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子によって担持される変異、特
に欠落([lacuna])を担う変異を同定するための方法に関する。
【0050】 本発明は特に、本発明の核酸配列を使用することによって特徴付けられる、配
列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子配列の少なくとも18個の連
続するヌクレオチドの核酸(該核酸は、好ましくは、上記遺伝子の異常な発現を
担う少なくとも1つの変異を含む)を同定するための方法に関する。
【0051】 これらの変異を同定するためのこれらの方法は、特に、以下の工程を含む:(
i)分析されるべき生物学的サンプルからのDNAの単離、又は生物学的サンプ
ルのmRNAからのcDNAの産生;(ii)本発明のプライマーを使用する、
変異を有していると思われる標的DNAの特異的な増幅;(iii)増幅産物、
特に、参照配列に対する増幅産物のサイズ及び/又は配列の分析。
【0052】 対応するタンパク質の発現を改変し得る変異を有する本発明の上記遺伝子のプ
ロモーター及び/又は調節配列もまた、本発明の一部である。
【0053】 本発明の上記方法の1つを使用して得られ得ることによって特徴付けられる核
酸、又は高ストリンジェンシー条件下で、上記核酸配列とハイブリダイズし得る
核酸(2つの配列の一方と他方に相補的な配列との間で少なくとも80%の同一
性パーセント)、特に、遺伝子(該遺伝子のcDNAは、配列番号1の配列を有
する)の対立遺伝子変異体の核酸、及び他の哺乳動物(例えば、マウス)の相同
遺伝子のゲノム配列もまた、本発明の一部である。
【0054】 ゲノム又はcDNAライブラリースクリーニングのためのプローブ又はプライ
マーとして、本発明の核酸配列を使用することは、勿論、本発明の主題の一部で
ある。
【0055】 別の局面において、本発明は、本発明の核酸によってコードされる精製又は単
離されたポリペプチドを含む。
【0056】 本明細書において、用語「ポリペプチド」は、タンパク質又はペプチドを同等
に意味するために使用される。
【0057】 好ましくは、本発明は、以下の群: a)配列番号2の配列: b)配列番号2の配列の少なくとも6個、10個、15個、30個又は50個の
連続するアミノ酸のフラグメントの配列、好ましくは、配列番号4、配列番号6
、配列番号8又は配列番号10の配列の上記フラグメントの配列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
80%、好ましくは90%、95%又は99%の同一性パーセントを有するアミ
ノ酸配列、 から選択されるアミノ酸配列を含むことによって特徴付けられる、精製又は単離
されたポリペプチドに関する。
【0058】 また好ましくは、本発明の主題は、配列番号2のアミノ酸配列、aa1〜41
のフラグメントが欠失した配列番号2の配列、あるいは最適なアラインメントの
後に、配列番号2の配列と少なくとも80%、好ましくは90%、95%又は9
9%の同一性パーセントを有するアミノ酸配列のポリペプチドである。
【0059】 タンパク質配列の分析は、配列番号2の配列のポリペプチドが、配列番号2の
配列上に、シグナルペプチド(この配列は、aa1〜41の位置の間にある)、
細胞外ドメイン(この配列は、aa42〜911の位置の間にある)、膜貫通ド
メイン(この配列は、aa912〜930の位置の間にある)、及び細胞内ドメ
イン(この配列は、aa931〜1013の位置の間にある)を有することが推
定される。
【0060】 本発明のポリペプチドの中で、配列が、配列番号2の配列のaa42〜911
の位置の間にあるポリペプチド(膜外ドメインに対応)、あるいは上記配列aa
42〜911の少なくとも6個、10個、15個、30個又は50個の連続する
アミノ酸、好ましくは配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号10の
配列の連続するアミノ酸の任意のフラグメントが好ましい。
【0061】 本発明は、好ましくは、以下の群: a)配列番号2の配列; b)配列番号22の配列、好ましくは配列番号20の配列の少なくとも6個のア
ミノ酸のフラグメントの配列;並びに c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
80%の同一性パーセントを有するアミノ酸配列、 から選択されるアミノ酸配列を含むことによって特徴付けられる、精製又は単離
されたペプチドに関する
【0062】 本発明は、好ましくは、本発明のポリペプチドに関する。これらのポリペプチ
ドは、その配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番
号10、配列番号16、配列番号18、配列番号20及び配列番号22の配列か
ら選択されるものであるか、又は最適なアラインメントの後に、これらの配列と
少なくとも80%の同一性パーセントを有する配列であることによって特徴付け
られる。
【0063】 本発明は、天然形態のポリペプチドに関するものではない(すなわち、それら
は、それらの環境にない)ことが理解されるべきである。詳細には、本発明は、
天然の供給源から精製によって得られるペプチド、又は遺伝子組換えによって若
しくは化学合成によって得られるペプチド(非天然アミノ酸を含むことが可能)
に関する。本発明のヌクレオチド配列の1つを使用して行なわれ得る組換えポリ
ペプチドの産生は、特に有利である。なぜなら、これは、純度レベルを向上させ
て所望のポリペプチドを得ることを可能にするからである。
【0064】 「最適なアラインメントの後に、そのアミノ酸配列が参照配列と少なくとも8
0%、好ましくは90%、95%又は99%の同一性パーセントを有するポリペ
プチド」という表現は、参照ポリペプチドに対して特定の改変(例えば、特に、
1以上の欠失、短縮、伸長、キメラ融合及び/又は1以上の置換)を有するポリ
ペプチドを意味することが意図される。
【0065】 最適なアラインメントの後に、そのアミノ酸配列が本発明の配列番号2の配列
又はそのフラグメントと、少なくとも80%、好ましくは90%、95%又は9
9%の同一性パーセントを有するポリペプチドの中で、上記の変異核酸配列によ
ってコードされる変異ポリペプチド、特に、配列番号2の配列又はそのフラグメ
ントに対して少なくとも1つの変異(特に、少なくとも1つのアミノ酸残基の短
縮、欠失、置換及び/又は付加に対応する)を有するアミノ酸配列のポリペプチ
ド、より好ましくは、病理学的状態に関連付けられる変異を有する変異ポリペプ
チドが好ましい。
【0066】 本発明はまた、本発明の核酸配列を含有するクローニングベクター及び/又は
発現ベクターを含む。
【0067】 宿主細胞中での上記配列の発現及び/もしくは分泌を可能にするエレメント、
又は細胞のアドレシング(addressing)のための配列を含むことによって特徴付
けられる、本発明のベクターもまた、本発明の一部である。
【0068】 本発明のプロモーター及び/又は調節配列を含むことによって特徴付けられる
ベクターもまた、本発明の一部である。
【0069】 上記ベクターは、好ましくは、プロモーター、翻訳開始及び終止シグナル、並
びに転写を調節するための適切な領域を含む。それらが細胞中で安定に維持され
ることが可能であるべきであり、そして必要に応じて、それらは、翻訳タンパク
質の分泌を指定する特定のシグナルを有していてもよい。
【0070】 これらの種々の制御シグナルは、使用される細胞宿主の機能に応じて選択され
る。この効果のために、本発明の核酸配列は、選択された宿主中で自律的に複製
するベクター、又は選択された宿主中に組み込まれるベクターに挿入されてもよ
い。
【0071】 自律的に複製する系の中で、プラスミド又はウイルス型の系の使用は、好まし
くは、宿主細胞に依存してなされる。ウイルスベクターとして可能性のあるもの
は、特に、アデノウイルス (Perricaudet,M.ら, La Recherche [Research], 23: 471〜473, 1992)、レトロウイルス、レンチウイルス、ポックスウイルス又はヘ
ルペスウイルス (Epstein,A., Medecine/Sciences, 8: 902〜911, 1992)である
。当業者は、これらの系の各々に使用され得る技術に精通している。
【0072】 宿主細胞の染色体中への配列の組み込みが所望される場合、例えば、プラスミ
ド又はウイルス型の系の使用がなされてもよい;このようなウイルスは、例えば
、レトロウイルス (Temin,H.M., Retrovirus Vectors for gene transfer, Kuch
erlapati R.(編) Gene Transfer, New York, Plenum Press, 147〜187, 1986)又
はAAV (Carter,B.J., Curr.Op.Biotechnology, 3: 533〜539, 1993)である。
【0073】 非ウイルスベクターの中で、VICAL会社によって開発された技術に従う裸
のポリヌクレオチド(例えば、裸のDNA又は裸のRNA)、酵母中での発現の
ための酵母人工染色体(YAC)、マウス細胞中での発現のためのマウス人工染
色体(MAC)、及び好ましくは、ヒト細胞中での発現のためのヒト人工染色体
(HAC)が好ましい。
【0074】 このようなベクターは、当業者によって一般的に使用される方法に従って調製
され、それから得られたクローンは、標準的な方法(例えば、リポフェクション
、エレクトロポレーション又は熱ショック等)を使用して適切な宿主中に導入さ
れてもよい。
【0075】 本発明はまた、本発明のベクターで形質転換された宿主細胞、特に真核生物細
胞及び原核生物細胞、並びにまた本発明の上記の形質転換細胞の1つを含むトラ
ンスジェニック動物(ヒトを除く)を含む。
【0076】 これらの目的のために使用され得る細胞の中で、当然のことながら細菌細胞 (
Olins,P.O.ら, Curr.Op.Biotechnology, 4: 520〜525, 1993について言及がなさ
れ得るが、又、酵母細胞 (Buckholz,R.G., Curr.Op.,Biotechnology, 4: 538〜5
42, 1993)、並びに動物細胞、特に哺乳動物細胞培養物 (Edwards,C.P.ら, Curr.
Op.Biotechnology, 4: 558〜563, 1993)について言及がなされ得るが、又、チャ
イニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、及び例えば、バキュロウイルスを用い
る方法を使用することが可能である昆虫細胞 (Luckow,V.A., Curr.Op.Biotechno
logy, 4: 564〜572, 1993)に関しても言及がなされ得る。COS細胞は、本発明
のタンパク質を発現するための好ましい細胞宿主を構成する。
【0077】 本発明の哺乳動物の中で、本発明のポリペプチドを発現する動物(例えば、マ
ウス、ラット又はウサギ)が好ましい。
【0078】 本発明の哺乳動物の中で、マウス、ラット又はウサギ等の動物が好ましく、こ
れらの動物は、配列番号2の配列のタンパク質、又はこれらの動物に対する相同
遺伝子によってコードされる配列のタンパク質をコードする遺伝子が機能的でな
いか、ノックアウトされているか、又は少なくとも1つの変異を有することによ
って特徴付けられる。
【0079】 これらのトランスジェニック動物は、例えば、胚性幹細胞での相同組換え、こ
れらの幹細胞の胚への移入、生殖株において影響を受けたキメラの選択、及び上
記キメラの成長によって得られる。
【0080】 これらのトランスジェニック動物(好ましくは、マウス)は、本発明のタンパ
ク質をコードする遺伝子、又はそれらの相同遺伝子を過剰発現し得るか、あるい
は変異が導入されていてもよい上記遺伝子を発現し得る。これらのトランスジェ
ニック動物(特に、マウス)は、例えば、天然で遍在的である強力なプロモータ
ー、又は組織型に選択的な、若しくはウイルス転写の後に選択的なプロモーター
の制御下で、この遺伝子の1コピーをトランスフェクトすることによって得られ
る。
【0081】 これらのトランスジェニック動物(好ましくは、マウス)は、LOXP/CR
Eリコンビナーゼシステム (Rohlmann,A.ら, Nature Biotech., 14: 1562〜1565
, 1996)を使用する不活性化によって、又はこの遺伝子の発現を不活性化するた
めの任意の他のシステムによって、配列番号2の配列のポリペプチドをコードす
る遺伝子、又はそれらの相同遺伝子を欠失するように作製される。
【0082】 本発明の細胞及び哺乳動物は、以下に記載されるような本発明のポリペプチド
を産生するための方法において使用され得、そしてまた、分析モデルとして使用
され得る。
【0083】 従って、上記のような形質転換細胞又は哺乳動物が、本発明のポリペプチドと
、本発明のポリペプチドの活性に直接的又は間接的に関与する化学的又はタンパ
ク質化合物との間の相互作用を研究するために、モデルとして使用され得る。こ
れは、関与する種々のメカニズム及び相互作用を研究するためのものである。
【0084】 それらは、本発明のポリペプチド、特に、本発明の配列番号2の配列のタンパ
ク質又はその変異体と相互作用する産物を、補因子又はインヒビター(特に、競
合的インヒビター)として選択するために、あるいは本発明のポリペプチドの活
性に対してアゴニスト活性又はアンタゴニスト活性を有する産物を選択するため
に特に使用され得る。好ましくは、上記形質転換細胞又はトランスジェニック動
物は、モデルとして、特に、この遺伝子の異常な発現と関連付けられた病理学的
状態に抗う産物を選択するために使用される。
【0085】 本発明はまた、本発明のポリペプチドと直接的又は間接的に相互作用し得るか
、並びに/あるいはこれらのポリペプチドの発現又は活性を調節し得る化学的又
は生化学的化合物をスクリーニングするために、本発明の細胞、哺乳動物又はポ
リペプチドを使用することに関する。
【0086】 本発明はまた、組換えポリペプチドを合成するための、本発明の核酸配列の使
用に関する。
【0087】 組換え形態で本発明のポリペプチドを産生するための方法自体が、本発明に含
まれ、そして形質転換細胞(特に、本発明の細胞又は哺乳動物)が、本発明の核
酸配列によってコードされる組換えポリペプチドの発現を可能にする条件下で増
殖されること、及び該組換えポリペプチドが回収されることによって特徴付けら
れる。
【0088】 上記製造方法を使用して得られ得ることによって特徴付けられる組換えポリペ
プチドもまた、本発明の一部である。
【0089】 上記のように得られる組換えポリペプチドは、グリコシル化及び非グリコシル
化の両方の形態であり得、そして天然の三次構造を有していても有していなくと
もよい。
【0090】 組換えポリペプチドの配列もまた、それらの溶解度(特に水性溶媒中)を改善
するために改変されてもよい。
【0091】 そのような改変は、例えば、疎水性ドメインの欠失、又は親水性アミノ酸での
疎水性アミノ酸の置換等が当業者に公知である。
【0092】 これらのポリペプチドは、当業者に公知の組換えポリペプチドを産生するため
の技術に従って、上記の核酸配列から産生され得る。この場合、使用される核酸
配列は、細胞宿主中でのその発現を可能にするシグナルの制御下に置かれる。
【0093】 組換えポリペプチドを産生するために効果的な系は、本発明のベクター及び宿
主細胞を有することを必要とする。
【0094】 これらの細胞は、上記のように、ベクター中に挿入されたヌクレオチド配列を
宿主細胞中に導入し、次いで、トランスフェクトされたヌクレオチド配列の複製
及び/又は発現を可能にする条件下で上記細胞を培養することによって得られ得
る。
【0095】 組換えポリペプチドを精製するために使用される方法は、当業者に公知である
。組換えポリペプチドは、例えば、分画、クロマトグラフィー法、特定のモノク
ローナル又はポリクローナル抗体を使用するイムノアフィニティー技術等の方法
を個別に又は組み合わせて使用して、細胞溶解物及び抽出物から、並びに培養培
地上清から精製され得る。
【0096】 本発明のポリペプチドは、多数の公知のペプチド合成(例えば、固相を使用す
る技術又は部分的な固相を使用する技術)の1つを使用する化合合成、フラグメ
ントの縮合あるいは溶液中での従来の合成によって得られ得る。
【0097】 液相合成技術は、当業者に周知である(特に、J.M.Stewartら (Solid phase p
eptide synthesis, Pierce Chem., Company, Rockford, 111 (第2版), 1984)及
びM.Bodansky (Principles of peptide synthesis, 1984)を参照のこと)。
【0098】 化学合成によって得られ、非天然アミノ酸を含む可能性がある対応するポリペ
プチドもまた、本発明に含まれる。
【0099】 本発明のポリペプチドを特異的に認識し得ることによって特徴付けられる、モ
ノクローナル若しくはポリクローナル抗体、又はそれらのフラグメント、キメラ
抗体あるいは免疫結合体もまた、文献WO99/54461の配列番号173の
配列又は文献WO99/06548の配列番号51の配列のポリペプチドを認識
し得る上記抗体又はそのフラグメントと同様に、本発明の一部である。
【0100】 特異的なポリクローナル抗体は、本発明のポリペプチド(特に、汎用的な手順
に従う遺伝子組換え又はペプチド合成によって産生され得る)に対して免疫され
た動物血清から得られ得る。
【0101】 本発明の特定のポリペプチド、変異体又はその免疫源性フラグメントを特異的
に認識する抗体の利点が、特に留意される。
【0102】 配列番号2の配列のポリペプチドの膜外ドメインを特異的に認識し得ることに
よって特徴付けられる、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体、又はその
フラグメント、キメラ抗体あるいは免疫結合体が、特に好ましい。
【0103】 特異的なモノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein (Nature, 256: 495〜49
7, 1975)によって記載される、ハイブリドーマを培養する従来の方法に従って得
られ得る。
【0104】 本発明の抗体は、例えば、キメラ抗体、ヒト抗体、又はFab若しくはF(a
b’)2フラグメントである。それらはまた、検出可能な及び/又は定量可能な
シグナルを得るために、免疫結合体又は抗体が標識された形態であってもよい。
【0105】 本発明はまた、本発明の抗体を使用することによって特徴付けられる、本発明
のポリペプチドを検出及び/又は精製するための方法に関する。
【0106】 本発明はまた、本発明の方法を使用して得られることを特徴とする、精製され
たポリペプチドを含む。
【0107】 さらに、ポリペプチドを精製するためのそれらの使用に加え、本発明の抗体、
特にモノクローナル抗体もまた、生物学的サンプル中のこれらのポリペプチドを
検出するために使用され得る。
【0108】 従って、それらは、本発明のポリペプチド、特に、配列番号2の配列のポリペ
プチド又はその変異体の発現を、特定の組織切片上で、例えば、免疫蛍光若しく
は金標識によって、又は酵素免疫結合体を用いて、免疫細胞化学的又は免疫組織
化学的に分析するための手段を構成する。
【0109】 それらは、特に、組織又は生物学的試料中でのこれらのポリペプチドの異常な
発現を実証することを可能にし得る。
【0110】 より一般的には、本発明の抗体は、本発明の正常又は変異したポリペプチドの
発現が観察されなければならない任意の状況において有利に使用され得る。
【0111】 本発明の核酸配列又は抗体を使用することによって特徴付けられる、本発明の
遺伝子の対立遺伝子変動性、変異、欠失、ヘテロ接合性の消失、又は遺伝子異常
を決定するための方法もまた、本発明の一部である。
【0112】 好ましくは、本発明は、以下の工程: a)適切な場合には、分析されるべき生物学的サンプルからゲノムDNAを単離
する工程、又は生物学的サンプルのRNAからcDNAを得る工程; b)本発明のプライマーを使用して、変異を含むと思われる遺伝子のDNA配列
を特異的に増幅する工程; c)得られた増幅産物を分析し、かつそれらの配列と正常な配列とを比較する工
程、 を含むことによって特徴付けられる、本発明の遺伝子の配列上の少なくとも1つ
の変異の存在と関連する疾患を、患者由来の生物学的サンプルを使用して診断す
るための方法に関する。
【0113】 本発明はまた、本発明のポリペプチド、特に、配列番号2の配列のポリペプチ
ド又はその変異体の異常な発現と関連する疾患を診断する方法を含む。この方法
は、本発明の1以上の抗体又は複数の抗体が、上記ポリペプチドと上記抗体又は
複数の抗体との間での特異的な免疫学的複合体の形成を可能にする条件下で、試
験されるべき生物学的物質と接触されること、及び形成される可能性のあるこの
免疫学的複合体が検出及び/又は定量されることによって特徴付けられる。
【0114】 これらの診断方法は、患者由来の生物学的試料を使用して、本発明の配列の異
常な量での存在を決定することによって、例えば、配列番号2の配列のポリペプ
チドをコードする遺伝子の異常な発現(例えば、過剰発現又は抑制)と関連する
疾患を診断するための方法に関する。分析される核酸配列は、等しく、ゲノムD
NAでもcDNAでもmRNAでもよい。
【0115】 勿論、野生型遺伝子と比較して遺伝子中の変異を実証するための多くの方法が
存在する。それらは、本質的に、2つの主要なカテゴリーに分類され得る。第1
タイプの方法は、変異の存在が、変異した配列と対応する野生型配列とを比較す
ることによって検出されるものであり、そして第2のタイプは、変異の存在が、
例えば、この変異の存在に起因するミスマッチの証拠により間接的に検出される
ものである。
【0116】 これらの方法は、本発明のプローブ及びプライマーを使用してもよい。それら
は、一般的に、本発明の核酸配列と特異的にハイブリダイズし得ることによって
特徴付けられる、少なくとも15個のヌクレオチド、好ましくは、20個、25
個又は30〜200個のヌクレオチドを含むハイブリダイゼーション用精製核酸
配列である。
【0117】 特異的なハイブリダイゼーション条件は、好ましくは、上記又は実施例中の条
件の通りである。
【0118】 対立遺伝子変動性、変異、欠失又は遺伝子異常を決定するための方法の中で、
本発明のヌクレオチド配列のプライマー対を使用する、異常を有しているようで
ある本発明の標的配列を増幅するための少なくとも1つの「PCR」(ポリメラ
ーゼ連鎖反応)又は「PCR様」増幅工程を含む方法が好ましい。増幅産物は、
標的産物の検出又は力価測定に進行する前に、適切な制限酵素で処理されてもよ
い。
【0119】 本発明の遺伝子の変異は、その翻訳産物の種々の改変の原因となり得、これら
は、診断アプローチに使用され得る改変である。詳細には、これらの変異と関連
付けられた抗原性の改変は、特異的な抗体の開発を可能にする。これらの方法に
よって、変異した遺伝子産物を区別することが可能である。全てのこれらの改変
は、正常なポリペプチド又は変異した変異体を認識するモノクローナル又はポリ
クローナル抗体の使用に基づくいくつかの周知の方法(例えば、RIA又はEL
ISA等による)を用いる診断アプローチに使用され得る。
【0120】 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチド、特に、配列番号2の配
列のポリペプチドと、又は本発明の核酸と直接的又は間接的に相互作用し得る化
学的又は生化学的化合物を選択するための方法、並びに/あるいは本発明のポリ
ペプチドの発現又は活性を調節することを可能にする方法を含む。
【0121】 従って、本発明は、本発明の核酸配列とインビトロ又はインビボで相互作用し
得る化学的又は生化学的化合物を選択するための方法を含む。この方法は、配列
番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子を正常又は異常に発現している
細胞を候補化合物と接触させる工程、及び配列番号2の配列のポリペプチドの発
現又は活性の改変を直接的又は間接的に検出する工程を含むことによって特徴付
けられる。
【0122】 スクリーニングは、配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子のプ
ロモーター中に位置する転写因子結合部位への競合的結合、又は転写因子への直
接的な結合のいずれかによって、本発明のポリペプチド、特に、配列番号2の配
列のポリペプチドの発現のレベル及び/又は特異性を改変し得る試験化合物を試
験するために使用され得る。
【0123】 配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベル、及びその
位置は、PCT特許WO97/05277に記されるような大きなプローブを用
いて液中でハイブリダイゼーションすることによって分析され得る。
【0124】 配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の発現の定量的分析もま
た、DNA鋳型を使用して行われ得、このDNA鋳型は、可能な場合には、本発
明の配列番号1の配列のcDNAの全て又は一部の配列を含み、かつそれにハイ
ブリダイズし得るmRNAの発現の特異的な検出を可能にするのに十分な長さで
ある。このフラグメントは、それらが由来する核酸配列のSchenaら (Science, 2
70: 467〜470, 1995)に記載されるように、好ましくは、少なくとも15個、2
5個、50個、100個又は500個の連続するヌクレオチドを含む。
【0125】 本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の発現の定量的
分析もまた、Pietuら (1996)による記載に従うDNA鋳型上で、本発明のDNA
を用いて行なわれ得る。本発明のDNA又はそのフラグメントは、PCRによっ
て増幅され、そして膜上に結合される。種々の組織又は細胞を起源とするmRN
Aは、放射性ヌクレオチドで標識される。制御された条件でのハイブリダイゼー
ション及び洗浄の後に、ハイブリダイズしたmRNAは、Phosphor I
magerを用いて、又はオートラジオグラフィーによって検出される。この実
験は二連で行なわれ、そして差示的に発現されたmRNAの定量的分析が行なわ
れ得る。
【0126】 上記の技術は、異なる条件(例えば、誘導又は非誘導)に依存する、同じ細胞
又は同じ組織中での、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺
伝子の発現レベルの分析を可能にし、及び変動し得る条件下での、この発現の組
織特異性の分析も可能にする。
【0127】 本発明の別の局面は、本発明のポリペプチド、特に、配列番号2の配列のポリ
ペプチドと結合し得る分子を同定するための方法に関する。このような分子は、
これらのポリペプチドの生物学的活性を調節するために使用され得る。例えば、
このような分子は、これらのポリペプチドの活性を刺激又は低減するために使用
され得る。
【0128】 従って、本発明は、配列番号2の配列のポリペプチドの活性を調節し得る化学
的又は生化学的化合物を選択するための方法を含む。この方法は、本発明のポリ
ペプチド又は本発明の細胞を候補化合物と接触させる工程、及び配列番号2の配
列のポリペプチドの活性の改変を検出する工程を含むことによって特徴付けられ
る。
【0129】 本発明の主題はまた、配列番号2の配列のポリペプチドとインビボ又はインビ
トロで結合し得る化学的又は生化学的化合物を選択するための方法である。この
方法は、本発明のポリペプチド又は本発明の細胞を候補化合物と接触させる工程
、及び候補化合物と上記ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出する工程を含
むことによって特徴付けられる。
【0130】 本発明の配列番号2の配列のポリペプチドに対するリガンドを同定するための
多くの方法が存在する。
【0131】 例えば、以下に制限されないが、細菌又は酵母ツーハイブリッドシステム (例
えば、Matchmaker Two Hybrid System 2 (カタログ番号K1604-1, Clontech)に添
付のマニュアルの使用説明書に従うMatchmaker Two Hybrid System 2)を使用す
る、配列番号2の配列のポリペプチドと相互作用し得る分子を同定するための方
法に関して言及がなされ得る。
【0132】 低分子(例えば、コンビナトリアルケミストリーによって作製された低分子)
との配列番号2の配列のポリペプチドの相互作用を研究するために、Wangら (Ch
romatographia, 44: 205〜208, 1997)に記載されるHPLC、又はBuschら (J.C
hromatogr., 777: 311〜328, 1997)に記載されるアフィニティーキャピラリー電
気泳動と結びついた微量透析(microdialysis)を使用することが可能である。
【0133】 他の方法において、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドと相互作用し得
るペプチド又は低分子は、検出可能な標識(例えば、放射性標識、蛍光標識又は
酵素標識)に結合され得る。これらの標識分子は、特異的な相互作用を可能にす
る条件下で、上記の本発明の固定されたポリペプチドと接触される。特異的に結
合しなかった分子を除去した後に、結合した分子が適切な手段によって検出され
る。
【0134】 BIACORE技術もまた、配列番号2の配列のポリペプチドと相互作用し得
る化合物のスクリーニングを行なうために使用され得る。A.Szaboら (Curr.Opin
.Struct.Biol., 5: 699〜705, 1995)に記載されるこの技術は、標識を使用する
ことなく、リアルタイムで分子間の相互作用を検出することができる。これは、
SPR(表面プラズモン共鳴)の現象に基づく。この方法の主要な利点のうちの
1つは、配列番号2の配列のポリペプチド及び相互作用する分子に対する会合定
数を決定することを可能にするというものである。従って、高い又は低い会合定
数で相互作用する分子を特異的に選択することが可能である。
【0135】 本発明の配列番号2の配列のポリペプチドと相互作用するタンパク質又は他の
分子は、本発明の上記ポリペプチド又はそのフラグメントを含むアフィニティー
カラムを使用して同定され得る。配列番号2の配列の上記ポリペプチド又はその
フラグメントは、適切なカラムマトリクス(例えば、アガロース、Affi G
el、又は当業者に公知の他のマトリクス)に対する化学的カップリングを含む
従来の技術を使用してカラムに結合され得る。本発明の別の局面において、アフ
ィニティーカラムは、配列番号2の配列の上記ポリペプチド又はそのフラグメン
トが、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼと融合したキメラタンパ
ク質を含み得る。次いで、試験されるべき上記の分子は、カラムへとロードされ
る。配列番号2の配列の上記ポリペプチドと相互作用する分子は、カラムによっ
て保持され、そして溶出によって単離され得る。
【0136】 本発明はまた、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子
のプロモーター及び/又は調節配列と相互作用する化合物をスクリーニング及び
/又は選択するための方法に関する。
【0137】 本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子のプロモーター
及び/又は調節配列と相互作用するタンパク質をコードする核酸は、ワンハイブ
リッドシステム(例えば、ClontechからのMatchmaker One-Hybrid System Kit(
カタログ番号K1603)に添付のマニュアルに記載されるもの)を使用してスクリ
ーニング及び/又は選択され得る。
【0138】 本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の発現を、その
調節及び/又はプロモーター配列に結合することによって改変し得る化合物もま
た、「リポーター」遺伝子(例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシ
ダーゼ又はGFP(緑色蛍光タンパク質))を使用して選択され得る。従って、
本発明の配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の調節及び/又は
プロモーター配列から誘導される発現に対する候補化合物の効果が、評価され得
る。
【0139】 別の局面において、本発明は、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの発
現又は活性を研究するために、並びに/あるいは配列番号2の配列の上記ポリペ
プチドとその活性に関与し得る化学的又は生化学的化合物との間の直接的又は間
接的な相互作用を研究するために、本発明の核酸若しくはポリペプチド、本発明
の細胞又は本発明の哺乳動物を使用することを含む。
【0140】 上記方法を使用して選択されることによって特徴付けられる化学的又は生化学
的化合物もまた、本発明の一部である。
【0141】 これらの化合物の中で、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの発現又は
活性を調節することを可能にする化学的又は生化学的化合物が好ましい。
【0142】 「本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの発現又は活性を調節することを
可能にする化合物」という表現は、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの
量又は特異性を低減、安定化又は向上させること、あるいは上記ポリペプチドの
全活性又は特定のドメインの1つの活性を促進又は阻害すること、又は例えば、
遺伝子異常が留意される場合には、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドを
コードする上記遺伝子の正常な発現を再確立させることを特に可能にする化合物
を意味することが意図される。
【0143】 これらの化合物は、例えば、本発明の配列番号2の配列の上記ポリペプチド又
はそのドメインに特異的なリガンドとして相互作用し得るか(例えば、補因子又
はインヒビター(特に、競合的インヒビターとして)、または本発明の配列番号
2の配列の上記ポリペプチドの活性に対してアゴニスト活性又はアンタゴニスト
活性を有し得る。これらの化合物はまた、本発明の配列番号2の配列の上記ポリ
ペプチドに対する天然の特異的なリガンドを中和し、それによってこれらのリガ
ンドによって誘導される上記ポリペプチドの活性を阻害すること、あるいはこれ
らの天然リガンドの結合部位を中和することのいずれかによって相互作用し得る
【0144】 本発明は、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの活性のアゴニスト又は
アンタゴニストであることによって特徴付けられる、本発明の化合物を含む。
【0145】 本発明はまた、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドに結合し得ることに
よって特徴付けられる、本発明の化合物を含む。
【0146】 特に、本発明のこれらの化合物の中でも、以下: −本発明の抗体、 −本発明のポリペプチド(文献WO99/54461及びWO99/06458
にそれぞれ記載される、配列番号173及び配列番号51の配列のポリペプチド
を含む)、 −本発明の配列番号2の配列のポリペプチドのフラグメント又はその可溶性画分
に対応することによって特徴付けられる、本発明のポリペプチド、 −本発明の核酸(文献WO99/54461の配列番号11の配列、文献WO9
9/06548の配列番号51の配列、及びEMBL文献の対応する識別番号A
I672868、AA890726又はAI30140の配列の核酸を含む)〔
該核酸はセンスでもアンチセンスでもよい〕、並びに −本発明のベクター、 から選択されることによって特徴付けられる化合物が好ましい。
【0147】 別の局面において、本発明は、本発明の配列番号2の配列のポリペプチドの発
現及び/又は活性の異常性と関連付けられた病理学的状態を予防及び/又は処置
するための医薬品としての、本発明の化合物を含む。
【0148】 特に、本発明は、免疫病理学的状態を予防及び/又は処置するための、特に、
自己免疫疾患又は癌を予防及び/又は処置するための医薬品としての、本発明の
化合物を含む。
【0149】 最後には、本発明は、ウイルス、真菌、細菌又は寄生生物型の感染を予防及び
/又は処置するための医薬品としての、本発明の化合物を含む。
【0150】 医薬品の活性の原動力としての本発明の化合物は、好ましくは、医薬上許容さ
れ得るビヒクルと組み合わされた可溶性形態である。
【0151】 好ましくは、これらの化合物は、全身投与、特に、静脈内投与、筋肉内投与、
皮内投与又は経口投与される。
【0152】 それらの最適な医薬上の投与の形態、用量及び方法は、患者への適切な処置の
確立を一般的に考慮した基準(例えば、患者の年齢又は体重、患者の通常の状態
の重篤度、処置に対する寛容性及び留意される副作用等)に従って決定され得る
【0153】 本発明の他の特徴及び利点は、実施例及び図面(図面の説明は以下に示される
)とともに、記載の残りの部分において見出される。
【0154】 (実施例1.配列番号2の配列のポリペプチドをコードするcDNAのクロー
ニング) ヒト細胞の表面に選択的に発現される新規分子を同定する目的で、膜貫通モチ
ーフを含む可能性がある配列についての検索を、ヒトEST(発現配列タグ)デ
ータバンクで行なった。
【0155】 (方法論) ウェブ(http://www.biokemi.su.se/TopPred2)上で入手可能であるTopP
red2プログラム(膜結合型タンパク質を推定するためのプログラム)を使用
して、潜在的な膜貫通モチーフをコードするヒトEST配列を同定した。得られ
た多くの配列の中で、翻訳産物が膜貫通モチーフ(14〜34位:推定スコア1,
868)を有し、かつこのヌクレオチド配列が他の既知の配列に相同ではないとい
う事実に基づいて、EST番号AI301140を選択する。入手可能なヌクレ
オチド配列(http://www.ncbi.nih.nlm.gov)は、停止コドンを有する116個
のアミノ酸のオープンリーディングフレームを有する。次いで、本発明者らは、
ヒトESTデータバンクにおいて、配列番号AI301140のホモログについ
て検索を行なった。それによって、配列番号AI301140との相同性に基づ
き、18個の新規ヌクレオチド配列を選択した。このクローンをResearch Genet
ics (New York, NY)から入手した。適切な抗生物質を使用して、細菌クローンを
選択した。市販のキット(Midiprep DNA extraction kit, Qiagen, Germany)を
使用して、プラスミドDNAを精製し、そして製造元の推奨に従い、ABI prism
BigDye Terminator DNA kit (Perkin Elmer Applied Biosystems, Warrington,
UK)を使用して配列決定した。ABI Prism 377 automatic sequencer (Perkin Elm
er Applied Biosystems)を用いて、配列を分析した。Sequencher sequence anal
ysis program (Genecodes, Ann Arbor, MI)を使用して、この配列を分析した。
種々の配列のアラインメントの後に、停止コドン及びポリAテイルを含むオープ
ンリーディングフレームを有する1100塩基対のDNAフラグメントを規定し
た。整列した配列の5’及び3’末端に対応する特異的なプライマーを使用する
PCRによって、このフラグメントを増幅した。市販のキットを使用する一連の
サイクルの5’末端のPCR増幅(5’RACE)(Frohman, M.A.ら,Proc.Nat
l.Adad.Sci.USA, 85: 8998〜9002, 1988)によって、完全cDNA配列を得た。
DNA鋳型を、ヒト脳及び骨髄(Marathon-Ready cDNA; Clontech)からcDN
A調製した。ウェブ(http://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP)で入手可能な
プログラムを使用して、シグナルペプチドの推定を規定した。この分子は、推定
分子量113kDa、pI 6.5及び3つの可能なグリコシル化部位(スレオ
ニン及びセリン残基)を有する。
【0156】 (結果) 利用可能なヒトESTデータバンクの分析によって、膜貫通モチーフを有する
分子をコードするcDNAクローン(番号AI301140)を選択した。得ら
れた配列番号1のcDNA配列は、3331塩基対の長さであり、そしてデータ
ベースに存在する分子と相同性を示さない。これは、推定1013個のアミノ酸
タンパク質をコードする3042塩基対のオープンリーディングフレームを有す
る。開始コドンは、配列番号1の配列のnt45〜47位に位置し、そして停止
コドンは、nt3084〜3086位に位置する。タンパク質配列の分析は、配
列番号2の配列のこのタンパク質が、配列aa1〜41のシグナルペプチド、配
列aa42〜911の細胞内ドメイン、配列aa912〜930の膜貫通ドメイ
ン及び配列aa931〜1013の細胞外ドメインを有することを推定する。 配列番号3、配列番号5、配列番号7及び配列番号9の配列は、実施例1で選
択されたEST配列に相同ではない、配列番号1の配列のフラグメントに対応す
る。
【0157】 (実施例2.配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAの組織発
現) (方法論) 種々の組織中のmRNA発現の評価を可能にする、市販のメンブラン (Multip
le Tissue Northern 又はMTN, Clontech)を使用するノーザンブロッティングに
よって、配列番号2の配列のポリペプチドの組織発現を分析した。配列番号1の
配列から推定される配列の特異的なプライマーを使用するPCRによって、nt
385〜nt1137のフラグメントに対応するcDNAフラグメントを作製す
る。精製後に、市販のキット (Multiprime DNA labeling kit, Amersham, Amerc
ham, UK)及び放射性ヌクレオチド[α-32P]-dATPを使用して、25μgのこのフ
ラグメントを放射性標識する。標識プローブをクロマトグラフィーにより精製す
る。メンブランを、攪拌しながら、2×SSC溶液 (300mMクエン酸ナトリウム, pH7−3M NaCl−0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)中で50℃で2時
間プレインキュベートする。次いで、このメンブランを、熱変性(攪拌しながら
95℃で10分間)した放射性標識プローブとともに、攪拌しながら50℃で一
晩インキュベートする。2×SSC−0.1% SDS溶液中での3回の洗浄(
攪拌しながら、55℃で15分間)の後に、このメンブランをオートラジオグラ
フィーフィルム (Kodak, Rochester, NY)に24時間曝す。
【0158】 (結果) 図1A及び1Bに示されるノーザンブロッティングメンブランは、末梢血単核
細胞及び小腸において強力なハイブリダイゼーションシグナルを示す;配列番号
2の配列のポリペプチドをコードするmRNAもまた、胸腺、脾臓、脳及び肺に
発現される。
【0159】 従って、配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAは、ヒトリン
パ組織に優先的に発現される。
【0160】 (実施例3.循環血の種々の集団における、配列番号2の配列のポリペプチド
をコードするmRNAの発現) (方法論) (末梢血の種々の細胞亜集団の単離) 血液を、ロイコフォレシス (leukophoresis)(例えば、ヘパリン酸リチウム等
の抗凝固剤の存在下)によって健常な志願した個体から採取する。単核細胞(M
NC)(Tリンパ球、Bリンパ球及び単球を含む)を、Ficoll-Hypaque勾配(密
度=1.077) (Pharmacia, Uppsala, Sweden)上での遠心分離によって単離する。
簡潔には、血液細胞を、周囲温度で30分間1500rpmで遠心分離する。Fi
coll-血漿界面に位置したMNCを回収し、そしてRPMI1640培地 (Life Technolo
gies)の存在下で2回洗浄した。Tリンパ球を「ロゼッティング」技術によって
精製した。簡潔には、MNCを200×106細胞/mlの濃度で再懸濁し、そして50
%のヒツジ赤血球 (BioMerieux, Marcy1’Etoile, France)を含有する1mlの
溶液とともに混合する。細胞懸濁物を4℃で一晩インキュベートする。穏やかな
再懸濁の後に、T細胞を、Ficoll-Hypaque勾配での遠心分離(周囲温度にて1500
rpmを30分間)によって単離する。ヒツジ赤血球−Tリンパ球複合体をチュー
ブの底に収集する。赤血球細胞を2回の連続的な低張ショックによって溶解する
。それによって、FITC抗CD3抗体での標識によって評価される、単離T細
胞の純度は、95%よりも高い。簡潔には、この細胞を、FACS緩衝液(1%
のウシ血清アルブミン及び0.01%アジ化ナトリウムを含有する10mMリン
酸緩衝液,pH7.4)中で洗浄し、その後に50μl容量のFACS緩衝液中
2×105細胞にて96ウェル丸底培養プレート (Nunc, Roskilde, Denmark)の
ウェルに分配する。FITC標識抗ヒトCD3抗体 (Becton Dickinson)又はF
ITC標識コントロールイソ型抗体 (Becton Dickinson)のいずれかを、各ウェ
ルに添加する。4℃で20分間のインキュベーション後に、この細胞を200μ
lのFACS緩衝液で2回洗浄し、次いで200μlのこの同じ緩衝液中に再懸
濁する。Tリンパ球の表面でのCD3発現をFACSによって分析する。
【0161】 抗ヒトCD14抗体でコーティングされた磁気ビーズ (MACSTM system;M
iltenyi Biotex, Bergish Gladbach, Germany)を使用する陽性選択技術によって
単球を精製する。簡潔には、単核細胞 (300×106/ml)を、60mlのビーズ懸濁
液 (Miltenyi)とともにPBS/2mM EDTA/0.5%ウシ血清アルブミ
ン(PBS/EDTA/BSA)緩衝液中で4℃で15分間インキュベートする
。洗浄後に、この細胞を、磁場に供されるカラムにロードする。PBS/EDT
A/BSA溶液での3回の洗浄後に、コロニーを磁場から取り出し、そして単球
を重力により収集する。サイズ/顆粒性 (granulosity)パラメータに基づくサイ
トメトリーによって評価された単球の純度は、95%よりも高い。
【0162】 未熟ヒト樹状細胞を、上記のように精製された単球からインビトロで作製する
。この単球を、6ウェル培養プレート (Nunc, Rockilde, Denmark)において1ウ
ェルあたり5mlの培地にて、以下の培地(以降、完全培養培地と呼ぶ)(10
%のウシ胎児血清(56℃で30分間加熱)、2mMのL−グルタミン、50U
/mlのペニシリン及び50μg/mlのストレプトマイシン (Life Technolot
ies)で補充されたRPMI1640培地)中で106細胞/mlの濃度で培養す
る。この細胞を20ng/mlの組換えヒトIL−4及び20ng/mlの組換
えヒトGM−CSF (R&D Systems, Abingdon, United Kindom)を用いて活性化
する。6日間の培養(加湿雰囲気下で37℃、5%CO2)の後に、フローサイ
トメトリーによって、フルオレセイン標識抗ヒトCD1a抗体、又はフルオレセ
イン標識抗マウスイムノグロブリン抗体 (Silenus, Hauworth, Australia)で検
出される抗ヒトCD83抗体 (Becton Dickinson)を使用してCD1a及びCD
83分子の発現を分析することによって、この細胞の表現型を規定する。未熟な
樹状細胞を、CD1a分子の発現(平均蛍光強度(MFI)>100)、及びC
D83分子の発現の非存在によって特徴付ける。
【0163】 フルオレセイン標識抗CD56抗体 (Becton Dickinson)及びフィコエリトリ
ン標識抗CD3抗体での標識の後に、NK細胞(CD56+/CD3−)を、フ
ローサイトメトリー(陽性選択)によってMNCから単離する。この細胞を上記
の抗体で標識する。この細胞をFACS Vantage (Becton Dickinson)
で選別する;純度は98%よりも高い。
【0164】 Bリンパ球を、外科的切除後に収集した扁桃から単離する。簡潔には、扁桃を
機械的にすりつぶし、次いで間隙50μmのふるいを通過させる。単核細胞を上
記のようにFicoll-Hypaque勾配上での遠心分離によって単離する。上記のように
、ロゼッティング技術を使用して、MNC懸濁液からTリンパ球を取り出す。F
ITC標識抗CD20抗体を使用するフローサイトメトリーによって、B細胞集
団の純度を評価する;純度は95%よりも高い。
【0165】 (PCR技術) 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするRNAの発現を、種々のMNC
亜集団におけるPCRによって分析した。簡潔には、細胞をPBS中で2回洗浄
し、次いでTrizol核酸抽出培体 (Life Technoloties)に溶解する。タンパク質を
、フェノール/クロロホルム/イソアミル酸 (25:24:1)(Life Technologies)で
の2回の連続する抽出によって除去する。核酸を沈殿させるために(−20℃で
一晩)、当容量のイソプロピルアルコールを水相に添加する。核酸を遠心分離(
12000rpm、4℃で30分間)によって収集する。ペレットを、エタノール溶液で
70℃で1回洗浄する。ペレットを水中に再懸濁し、RNAをスペクトロメトリ
(λ=260nm)によって定量する。変性(65℃、10分間)の後に、製造元の推
奨に従い、市販のキット (Promega, Madison, MI)とともにオリゴdTプライマ
ーを使用して、2μgの総RNAを逆転写する。配列番号2の配列のポリペプチ
ドをコードするcDNAを、以下のプライマーを使用するPCRによって増幅す
る: 5’−TGACTCGGAATCACCTCCCAGCT−3’(配列番号1
1)及び 5’−CAAGACGGTGAGCAGGATGGCAGTACAG−3’(
配列番号12)。
【0166】 以下のプライマーを使用して、GAPDH分子をコードするcDNAの発現を
評価することによって、cDNAの調製するために使用されたRNAの完全性を
分析する: 5’−TCCACCACCCTGTTGCTGTA−3’(配列番号13)及
び 5’−ACCACAGTCCATGCCATCAC−3’(配列番号14)。
【0167】 この反応混合物は以下の通りである:1μlのcDNA(25ngの総RNA
に対応する)、25pmolのプライマー、200μM dNTP、1.5mM MgCl2、10mM Tris−HCl(pH=8.3)、50mM KC
l及び0.4ユニットのTaqポリメラーゼ (Perkin Elmer)。PCR条件は、
95℃で5分間、30サイクル(94℃で1分間、55℃で1分間及び72℃で
1分間)、並びに72℃での5分間の最後の伸長である。サンプルをサンプル緩
衝液(0.25%ブロモフェノールブルー、40%スクロース)中に取る。エチ
ジウムブロマイドを含む1%アガロースゲル上での電気泳動によってサンプルを
分析する。移動後に、サンプルを、ゲルのUV照射によって可視化する。
【0168】 (結果) 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAを、未刺激末梢血Tリ
ンパ球においてのみPCRによって検出する。これは、試験した他の単核細胞集
団(NK細胞、Bリンパ球、単球)を含まない。mRNAもまた、インビトロで
作製されたヒト樹状細胞において検出する。結果を図2に示す。
【0169】 従って、配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAが、循環血の
Tリンパ球によって選択的に発現される。
【0170】 (実施例4.配列番号2の配列のポリペプチドをコードするRNAは、種々の
腫瘍細胞株において発現される)
【0171】 (方法論) 本発明者らは、種々の腫瘍細胞株における配列番号2の配列のポリペプチドを
コードするmRNAの発現を評価した。これらの細胞株をATCCから入手し、
そして提供された指示書に従って培養した。総RNA抽出及びcDNA合成を上
記のように行なった。配列番号2の配列のポリペプチドをコードするRNA及び
GAPDH分子の発現を上記のようにPCRによって分析した。
【0172】 (結果) PCR実験(図3)は、以下のヒト細胞株が、配列番号2の配列のポリペプチ
ドをコードするmRNAを構成的に発現することを示す:肺腺癌(A549株)
、単球白血病(THP1株)、神経芽腫(HTB10株)、膀胱癌(T24)、
バーキットリンパ腫(Daudi株)、肺癌(A427株)、グリア芽腫(U3
73株)、喉頭癌(HEP2株)、結腸癌(HT29株)及び乳癌(BT20株
)。
【0173】 従って、配列番号2の配列のポリペプチドをコードするRNAは、特定の数の
腫瘍株によって発現される。
【0174】 (実施例5.配列番号2の配列の組換えポリペプチドは、トランスフェクトさ
れたCOS細胞の膜画分に主に発現する) (方法論) 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするインサートを含むベクターpC
DNA3.1 (Invitrogen)をCOS細胞にトランスフェクトする。この系は、
組換え分子にc−mycエピトープを付加することを可能にする。このトランス
フェクションを、リポフェクション技術 (Fugene; Boehringer Mannheim, Germa
ny)によって行なう。トランスフェクションの3日後に、細胞を収集し、次いで
PBSで3回洗浄する。次いで、この細胞を3回の急速凍結/融解に供し、次い
で12000rpmにて4℃で10分間遠心分離する。この上清は細胞質画分に対応し、
そしてペレットは、膜成分+核+オルガネラに対応する。0.5%のNonidet P4
0及びプロテアーゼインヒビターのカクテル (Boehringer Mannheim, Germany)を
含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に、ペレットを4℃で20分間再
懸濁する。次いで、核を除去するために、細胞溶解物を12000rpmにて4
℃で10分間遠心分離する。膜及び細胞質画分に対応する上清を、0.1%ブロ
モフェノールブルー、5%のグリセロール及び0.1%のβ−メルカプトエタノ
ールを含有する当容量の10mMリン酸緩衝液中に取る。次いで、タンパク質を
、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(5%濃縮ゲル−10%分離ゲル)によって
それらの分子量に従い分離する。5×106細胞に対応する量のタンパク質を各
レーンにロードする。移動後に、タンパク質をウエスタンブロッティングによっ
てニトロセルロース膜へと転写する。10%のスキムミルクを含むリン酸溶液中
での飽和後に、メンブレンを、10μg/mlの濃度の抗c−myc抗体(クロ
ーン9E10;ATCC, Manassa, VA)とともに、攪拌しながら4℃で一晩インキ
ュベートする。10%のスキムミルクを含むリン酸緩衝液での洗浄後に、メンブ
レンをペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体 (Amersham)ととも
に、攪拌しながら周囲温度で2時間インキュベートする。メンブレンをリン酸緩
衝液で洗浄する。ECLシステム(Amersham製)を使用して、結合した抗体を化
学発光によって検出する。
【0175】 (結果) 図4に示されるウエスタンブロッティングは、組換えタンパク質が細胞抽出物
の不溶性画分(細胞質膜及び細胞質内オルガネラ)に主に発現されることを示す
。この結果、及びまた潜在的な膜貫通ドメインの推定は、この組換えポリペプチ
ドがトランスフェクトされた細胞の表面に発現されることを示唆する。
【0176】 従って、配列番号2の配列の組換えポリペプチドは、トランスフェクトされた
COS細胞の膜(非細胞質)画分に発現される。
【0177】 (実施例6.配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子は、染色体
11q33〜11q34上に位置する) (方法論) EST配列番号AI3011410を使用してUnigeneデータバンクを
検索することによって、配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の
染色体位置を得た。
【0178】 (結果) EST番号AI301140と98%の相同性を示すゲノムDNA配列が、染
色体11qのクラスター33〜34のフラグメント上に見出された。多くの腫瘍
感受性遺伝子が、ゲノム領域11q23〜40に位置している (Koreth,J.,ら,J
.Pathol., 187: 28〜38, 1999)。
【0179】 配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子は、第11染色体領域q
33〜q34に位置する。
【0180】 配列番号2の配列のポリペプチドが免疫応答の調節に関与すること、及びその
発現の改変が、配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の異常な発
現を示す細胞を誘導して天然に腫瘍性になるようである免疫学的障害と関連し得
ることを、この結果から確認することができる。
【0181】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 市販のメンブレン(Multiple Tissue Northern; Clontech, Palo Alto, CA)を
使用するノーザンブロッティングによって、配列番号2の配列のペプチドをコー
ドするRNAの発現を分析した。2つの異なるメンブレンで得られたそれぞれの
結果を示す(1.胎児肝臓、2.骨髄、3.単核細胞、4.胸腺、5.末梢リン
パ節、6.脾臓、7.単核細胞、8.肺、9.胎盤、10.小腸、11.肝臓、
12.腎臓、13.脾臓、14.胸腺、15.結腸、16.骨格筋、17.心臓
、18.脳)。 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAは、単核細胞、脾臓、
肺及び小腸に発現される。
【図2】 未刺激単核細胞の種々の亜集団(Tリンパ球(レーン1)、Bリンパ球(レー
ン2)、NK細胞(レーン3)及び単球(レーン4))、並びにまた、インビト
ロで作製された樹状細胞(レーン5)におけるPCRによって、配列番号2の配
列のポリペプチドをコードするRNAの発現を評価した。GAPDH分子をコー
ドするcDNAを増幅することによって、RNAの完全性、及びまた、合成され
たcDNAの品質を評価する。 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAは、単核細胞、脾臓、
肺及び小腸に発現される。
【図3】 ヒト腫瘍株における、配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNA
をPCRによって分析した。分析した細胞株は、レーン1:A549、レーン2
:THP1、レーン3:HTB10、レーン4:T24、レーン5:Daudi
、レーン6:A427、レーン7:U373、レーン8:HEP2、レーン9:
HT29、レーン10:BT20である。 配列番号2の配列のポリペプチドをコードするmRNAは、種々のヒト腫瘍株
によって構成的に発現される。
【図4】 配列番号2の配列のポリペプチドをコードする完全cDNAを含むベクターp
CDNA3.1をCOS細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの
3日後に、細胞の細胞質及び非細胞質画分を凍結/融解によって得た。タンパク
質抽出物をSDS−PAGE電気泳動によって分離した;抗c−myc抗体を使
用するウエスタンブロッティングによって、組換えタンパク質の発現を評価した
(レーン1:非細胞質画分、レーン2:細胞質画分)。 配列番号2の配列のポリペプチドは、トランスフェクトされた細胞の非細胞質
画分に発現される。
【手続補正書】特許協力条約第19条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月7日(2001.6.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 31/04 4C084 A61P 31/00 31/10 4C085 31/04 31/12 4C086 31/10 35/00 4C087 31/12 37/02 4H045 35/00 C07K 14/47 37/02 16/30 C07K 14/47 C12N 1/15 16/30 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A 33/53 A61K 37/02 (72)発明者 ジーニン、パスカル フランス国、エフ−74160 サン−ジュリ アン−アン−ジュヌヴォア、アレ デ セ ードル 8 (72)発明者 ボンヌフォイ、ジャン−イヴ フランス国、エフ−74350 ル サペ、レ ノワイエール(番地なし) Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA36 DA78 FB03 FB07 4B024 AA01 AA12 BA45 BA80 CA01 GA11 HA12 4B063 QA01 QA17 QA18 QA19 QQ02 QQ42 QQ79 QQ96 QR32 QR48 QR55 QS33 QS34 QS36 QX01 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA93Y AA94Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA14 BA01 BA08 BA19 BA20 BA21 BA22 BA23 BA35 CA18 NA01 NA13 NA14 ZB072 ZB262 ZB332 ZB352 ZB372 4C085 AA14 AA16 BB11 CC02 CC13 CC21 CC23 CC32 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA13 NA14 ZB07 ZB26 ZB33 ZB35 ZB37 4C087 AA01 AA02 BC39 CA12 NA13 NA14 ZB07 ZB26 ZB33 ZB35 ZB37 4H045 AA10 AA11 BA10 CA41 DA76 EA28 EA51 FA74

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の配列の群: a)配列番号1の配列; b)末端ポリAフラグメントが欠失した配列番号1の配列の少なくとも18個の
    連続するヌクレオチドのフラグメントの配列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
    80%の同一性パーセントを有する核酸配列; d)a)、b)又はc)で規定される配列に相補的な配列、あるいはa)、b)
    又はc)で規定される配列に対応するRNAの配列 〔但し、文献WO99/54461の配列番号11の配列、文献WO99/06
    548の配列番号51の配列、並びにEMBLデータバンクの文献に識別番号A
    I672868、AA890726及びAI301140で記載される3つの配
    列を除く〕 から選択される核酸配列を含むことによって特徴付けられる、精製又は単離され
    た核酸。
  2. 【請求項2】 以下の配列: a)配列番号5、配列番号7、配列番号15、配列番号17及び配列番号19の
    配列; b)配列番号19の配列の少なくとも18個のヌクレオチドのフラグメントの配
    列; c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
    80%の同一性パーセントを有する核酸配列;並びに d)a)、b)又はc)で規定される配列に相補的な配列、あるいはa)、b)
    又はc)で規定される配列に対応するRNAの配列、 から選択される配列を含むことによって特徴付けられる、請求項1記載の精製又
    は単離された核酸。
  3. 【請求項3】 以下の配列: a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号
    15、配列番号17、配列番号19及び配列番号21; b)最適なアラインメントの後に、a)で規定される配列と少なくとも80%の
    同一性パーセントを有する核酸配列;並びに c)a)又はb)で規定される配列に相補的な配列、あるいはa)又はb)で規
    定される配列に対応するRNAの配列、 から選択される配列を含むことによって特徴付けられる、請求項1又は2記載の
    精製又は単離された核酸。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の核酸配列を使用すること
    によって特徴付けられる、ゲノムcDNA又はDNAライブラリーをスクリーニ
    ングするための、又は単離されたゲノム又はcDNAをクローニングするための
    方法。
  5. 【請求項5】 配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子の配列
    の少なくとも18個の連続するヌクレオチドの核酸を同定するための方法であっ
    て、該核酸が、該遺伝子の異常な発現の原因となる少なくとも1つの変異を含み
    、該方法は、請求項1〜3のいずれか1項記載の核酸配列を使用することによっ
    て特徴付けられる、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項記載の核酸配列を使用すること
    によって特徴付けられる、配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子
    のゲノム配列、好ましくは、発現を促進及び/又は調節する核酸配列を同定する
    ための方法。
  7. 【請求項7】 請求項5及び6のいずれかに記載の方法を使用して同定され
    る核酸。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3及び7のいずれか1項に記載の核酸によってコ
    ードされる、単離又は精製されたポリペプチド。
  9. 【請求項9】 以下の群: a)配列番号2の配列; b)配列番号22の配列、好ましくは配列番号20の配列の少なくとも6個のア
    ミノ酸のフラグメントの配列;並びに c)最適なアラインメントの後に、a)又はb)で規定される配列と少なくとも
    80%の同一性パーセントを有するアミノ酸配列、 から選択されるアミノ酸配列を含むことによって特徴付けられる、精製又は単離
    されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のポリペプチドであって、その配列が、配
    列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号16
    、配列番号18、配列番号20及び配列番号22の配列から選択されるか、又は
    最適なアラインメントの後に、これらの配列と少なくとも80%の同一性パーセ
    ントを有する配列であることによって特徴付けられる、ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸配列を含む
    クローニング及び/又は発現ベクター。
  12. 【請求項12】 宿主細胞中でのその発現に必要とされるエレメントを含む
    ことによって特徴付けられる、請求項11記載のベクター。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12記載のベクターで形質転換された宿主
    細胞。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の細胞を含むことによって特徴付けられる
    、ヒトを除く哺乳動物。
  15. 【請求項15】 核酸配列を検出及び/又は増幅するためのプローブ又はプ
    ライマーとしての、請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸配列の使用。
  16. 【請求項16】 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドとしての、請
    求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸の使用。
  17. 【請求項17】 組換えポリペプチドを産生するための、請求項1〜3及び
    7のいずれか1項記載の核酸配列の使用。
  18. 【請求項18】 請求項13記載の形質転換細胞が、組換えポリペプチドの
    発現を可能にする条件下で培養されること、及び該組換えポリペプチドが回収さ
    れることによって特徴付けられる、該組換えポリペプチドを産生するための方法
  19. 【請求項19】 請求項18記載の方法を使用して得られることによって特
    徴付けられるポリペプチド。
  20. 【請求項20】 請求項8〜10及び19のいずれか1項記載のポリペプチ
    ド、あるいは文献WO99/54461の配列番号173又は文献WO99/0
    6548の配列番号51の配列のポリペプチドを特異的に認識し得ることによっ
    て特徴付けられる、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体、又はそれらの
    フラグメント、キメラ抗体あるいは免疫結合体。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の抗体を使用することによって特徴付けら
    れる、ポリペプチドを検出及び/又は精製するための方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸配列が使用
    されることによって特徴付けられる、配列番号2のポリペプチドをコードする遺
    伝子の異常な発現と関連する病理学的状態を診断するための方法。
  23. 【請求項23】 患者由来の生物学的サンプルを使用して、配列番号2のポ
    リペプチドをコードする遺伝子の少なくとも1つの変異の存在と関連する病理学
    的状態を診断するための方法であって、以下の工程: a)適切な場合には、分析されるべき生物学的サンプルからゲノムDNAを単離
    する工程、又は生物学的サンプルのRNAからcDNAを得る工程; b)請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸から選択されるプライマーを
    使用して、変異を含むようである遺伝子のDNA配列を特異的に増幅する工程; c)得られた増幅産物を分析し、そしてそれらの配列と該遺伝子の対応する正常
    な配列とを比較する工程、 を含むことによって特徴付けられる、方法。
  24. 【請求項24】 配列番号2の配列のポリペプチドの異常な発現と関連する
    病理学的状態を診断するための方法であって,請求項20記載の1以上の抗体又
    は複数の抗体が、該ポリペプチドと該抗体又は複数の抗体との間での特異的な免
    疫学的複合体の形成を可能にする条件下で、試験されるべき生物学的物質と接触
    されるということ、並びに形成される可能性のある免疫学的複合体が検出及び/
    又は定量されるということによって特徴付けられる、方法。
  25. 【請求項25】 インビトロ又はインビボで、配列番号2の配列のポリペプ
    チドの活性を調節し得る化学的又は生化学的化合物を選択するための方法であっ
    て、請求項8〜10及び19のいずれか1項記載のポリペプチド、文献WO99
    /54461の配列番号173又は文献WO99/06548の配列番号51の
    配列のポリペプチド、請求項13記載の細胞あるいは請求項14記載の哺乳動物
    を候補化合物に接触させる工程、並びに配列番号2の配列の該ポリペプチドの活
    性の改変を検出する工程を含むことによって特徴付けられる、方法。
  26. 【請求項26】 配列番号2の配列のポリペプチドに結合し得る化学的又は
    生化学的化合物を選択するための方法であって、請求項8〜10及び19のいず
    れか1項記載のポリペプチド、文献WO99/54461の配列番号173又は
    文献WO99/06548の配列番号51の配列のポリペプチド、請求項13記
    載の細胞あるいは請求項14記載の哺乳動物を候補化合物に接触させる工程、並
    びに該候補化合物と該ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出する工程を含む
    ことによって特徴付けられる、方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸配列とイン
    ビトロ又はインビボで相互作用し得る化学的又は生化学的化合物を選択するため
    の方法であって、配列番号2の配列のポリペプチドをコードする遺伝子を正常又
    は異常に発現している細胞を候補化合物と接触させる工程、並びに配列番号2の
    配列のポリペプチドの発現又は活性の改変を直接的又は間接的に検出する工程を
    含むことによって特徴付けられる、方法。
  28. 【請求項28】 配列番号2の配列番号のポリペプチドの発現又は活性、並
    びに/あるいは配列番号2の配列の該ポリペプチドと、配列番号2の配列番号の
    該ポリペプチドの活性に関与する可能性がある化学的又は生化学的化合物との間
    の直接的又は間接的な相互作用を研究するための、請求項8〜10及び19のい
    ずれか1項記載のポリペプチド、文献WO99/54461の配列番号173又
    は文献WO99/06548の配列番号51の配列のポリペプチド、請求項13
    記載の細胞あるいは請求項14記載の哺乳動物の使用。
  29. 【請求項29】 請求項25〜27のいずれか1項記載の方法を使用して選
    択されることによって特徴付けられる化合物。
  30. 【請求項30】 以下: −請求項20記載の抗体、 −請求項8〜10及び19のいずれか1項記載のポリペプチド、又は文献WO9
    9/54461の配列番号173若しくは文献WO99/06548の配列番号
    51の配列のポリペプチド、 −配列番号2の配列のポリペプチドの可溶性フラグメントに対応することによっ
    て特徴付けられる、請求項8〜10及び19のいずれか1項記載のポリペプチド
    、又は文献WO99/54461の配列番号173若しくは文献WO99/06
    548の配列番号51の配列のポリペプチド、 −請求項11又は12記載のベクター、 −請求項1〜3及び7のいずれか1項記載の核酸、あるいは文献WO99/54
    461の配列番号11の配列若しくは文献WO99/06548の配列番号51
    の配列、又はEMBL文献の対応する識別番号がAI672868、AA890
    726若しくはAI30140である配列の核酸〔該核酸は、センスでもアンチ
    センスでもよい〕 から選択されることによって特徴付けられる、化合物。
  31. 【請求項31】 医薬品としての、請求項29及び30のいずれかに記載の
    化合物。
  32. 【請求項32】 配列番号2の配列のポリペプチドの異常な発現及び/又は
    活性と関連付けられる病理学的状態を予防及び/又は処置するための、請求項3
    1記載の化合物。
  33. 【請求項33】 免疫病理学的状態を予防及び/又は処置するための、特に
    、自己免疫疾患又は癌を予防及び/又は処置するための、請求項31及び32の
    いずれかに記載の化合物。
  34. 【請求項34】 ウイルス、真菌、細菌又は寄生生物型の感染を予防及び/
    又は処置するための、請求項31及び32のいずれかに記載の化合物。
JP2001533984A 1999-10-29 2000-10-30 腫瘍細胞において発現し、かつ免疫応答の調節に関与する遺伝子のクローニング、発現及び特徴付け Pending JP2003516126A (ja)

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