JP2003514575A - 85kDaのナイセリア抗原 - Google Patents

85kDaのナイセリア抗原

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Abstract

(57)【要約】 Neisseria meningitidisおよびNeisseriagonorrhoeae由来の85kDaの抗原をクローン化し、配列決定し、そして発現させた。この抗原は、N.meningitidisの種々の株、血清群および血清型に共通であり、またN.gonorrhoeae、N.polysaccharia、およびN.lactamicaに対しても共通である。N.meningitidis(血清群Aおよび血清群B)およびN.gonorrhoeaeのタンパク質配列は高い相同性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本明細書中に引用する全ての文書は、本明細書中にその全体が参考として援用
される。
【0002】 (技術分野) 本発明は、関連した細菌Neisseria meningitidisおよ
びNeisseria gonorrhoeae由来の抗原に関する。
【0003】 (背景技術) Neisseria meningitidisは、非運動性のグラム陰性双
球菌ヒト病原体である。これは、咽頭にコロニー形成をし、髄膜炎(および、時
折、髄膜炎のない敗血症)を引き起こす。これは、N.gonorrhoeae
に密接に関連しているが、髄膜炎菌が淋菌と明らかに異なる1つの特徴は、全て
の病原性髄膜炎菌に存在する多糖類性莢膜の存在である。
【0004】 N.meningitidisは、風土病および伝染病をともに引き起こす。
米国において、発病率は1年間に100、000人あたり0.6〜1人の割合で
あり、そして大流行によりずっと大きくなり得る(Liebermanら(19
96)JAMA 275(19):1499−1503;Schuchatら(
1997)N Engl J Med 377(14):970−976)。発
展途上国では、風土病の割合はずっと大きく、そして流行の間、発生率は1年間
あたり100、000人あたり500症例に達し得る。死亡率は極めて高く、米
国では10〜20%、そして発展途上国においてはよりずっと高い。Haemo
philus influenzaeに対する結合ワクチンの導入後、N.me
ningitidisは、米国において全ての年齢における細菌性髄膜炎の主な
原因である(Schuchatら(1997)前出)。
【0005】 生物の莢膜多糖類に基づいて、N.meningitidisの12血清群が
同定されている。現在使用される髄膜炎ワクチンは、血清群A、C、Y、および
W135によって構成される4価の多糖類ワクチンである。しかし、H.inf
luenzaに対するワクチン接種の成功の後、血清群Aおよび血清群Cに対す
る結合体ワクチンが開発されている。
【0006】 しかし、髄膜炎菌Bは問題を残したままである。この血清型は現在、米国、欧
州および南アメリカにおける全髄膜炎のおおよそ50%の原因である。この多糖
類アプローチは使用できない。なぜなら、menB莢膜多糖類は、哺乳動物組織
にもまた存在するα(2−8)結合N−アセチルノイラミン酸のポリマーである
からである。これは抗原に対する寛容を生ずる;実際、応答が惹起された場合、
それは抗自己であり、それ故、所望されない。自己免疫の誘導を回避しそして防
御免疫応答を誘導するために、この莢膜多糖類は、例えば、N−アセチル基をN
−プロピオニル基と置換して化学的に改変され、特異的抗原性は不変のままであ
る(RomeroおよびOutschoorn(1994)Clin Micr
obiol Rev 7(4):559−575)。
【0007】 menBワクチンに対する代替のアプローチは、外膜タンパク質(OMP)の
複雑な混合物(OMPのみを含むかまたはポーリンに富むOMPのいずれかを含
む)を使用したか、または細菌活性をブロックする抗体を誘導すると考えられる
クラス4OMPを欠失した。これらのワクチンは、十分に特徴付けられておらず
、相同な株に対してのみ有効である。抗原変異性を克服するために、9つまでの
異なるポーリンを含む多価ワクチンが構築されている(例えば、Poolman
JT(1992)Infect.Agents Dis.4:13−28)。
外膜ワクチンで使用されるさらなるタンパク質は、opaおよびopcタンパク
質であるが、これらのアプローチはいずれも抗原変異性を克服できていない(例
えば、Ala’AldeenおよびBorriello(1996)Vacci
ne 14(1):49−53)。しかし、Norwegian Nation
al Institute of Public Healthワクチンは、安
全であり、株特異的免疫を小児および成人において惹起し、そして青年期におけ
る疾患を予防する際に有効である(Fredriksenら(1991)NIP
H Ann 14(2):67−80および107−123)。
【0008】 しかし、これらのワクチンは、ほとんど特徴付けられておらず、そしてこれら
の効力および保護についての分子的根拠は詳細には吟味されていない。本発明の
目的は、ワクチンの抗原性成分を規定すること、より良好に規定されたワクチン
(例えば、無細胞性サブユニットワクチン)が産生されることを可能にするため
にこれらを特徴付けること、および免疫が惹起されるナイセリア株を広げること
である。
【0009】 (発明の開示) (タンパク質) 本発明は、以下のアミノ酸配列のうちの1以上を含むタンパク質を提供する:
配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、
配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13。
【0010】 本発明はまた、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号
7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12または配列番号13
に対して配列相同性を有する配列を含むタンパク質を提供する。この特定の配列
番号に依存して、配列同一性の程度は、好ましくは50%よりも大きい(例えば
、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上)。これらの相同配列
は、変異体および対立遺伝子改変体を包含する。代表的には、2つのタンパク質
の間の50%以上の同一性は、機能的に等価であることの表示であると考えられ
る。タンパク質間の同一性は、好ましくは、パラメータ(gap open p
enalty=12およびgap extension penalty=1)
でのaffine gap検索を使用して、MPSRCHプログラム(Oxfo
rd Molecular)において実行されるようなSmith−Water
man相同性検索アルゴリズムによって決定される。
【0011】 本発明はさらに、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番
号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12または配列番号1
3のフラグメントを含むタンパク質を提供する。このフラグメントは、その配列
由来の少なくともn個連続したアミノ酸を含むべきであり、そしてその特定の配
列に依存して、nは7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20以
上)である。好ましくはこのフラグメントは、その配列に由来するエピトープを
含む。
【0012】 本発明のタンパク質は、もちろん、種々の手段(例えば、組換え発現、細胞培
養物からの精製、化学合成など)によって、および種々の形態で(例えば、天然
型、融合型など)調製され得る。これらは、好ましくは実質的に純粋な形態で調
製される(すなわち、他のナイセリアまたは宿主細胞のタンパク質を実質的に含
まない)。
【0013】 (抗体) さらなる局面に従って、本発明は、これらのタンパク質に結合する抗体を提供
する。これらは、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、そして任意の
適切な手段により産生され得る。
【0014】 (核酸) さらなる局面に従って、本発明は、配列番号2、配列番号6または配列番号1
0を含む核酸を提供する。さらに、本発明は、配列番号2、配列番号6または配
列番号10に対する配列同一性を有する配列を含む核酸を提供する。この特定の
配列番号に依存して、配列同一性の程度は、好ましくは50%よりも大きい(例
えば、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上)。配列同一性は
、好ましくは、パラメータ(gap open penalty=12およびg
ap extension penalty=1)でのaffine gap検
索を使用して、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)
において実行されるようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズ
ムによって決定される。
【0015】 さらに、本発明は、配列番号2、配列番号6または配列番号10に、好ましく
は「高ストリンジェンシー」条件下(例えば、0.1×SSC、0.5% SD
S溶液中で、65℃)でハイブリダイズし得る核酸を提供する。
【0016】 配列番号2、配列番号6または配列番号10のフラグメントを含む核酸もまた
、提供される。これらは、配列番号2、配列番号6または配列番号10由来の少
なくともn個連続したヌクレオチドを含有すべきであり、そして特定の配列に依
存して、nは10以上(例えば、12、14、15、18、20、25、30、
35、40以上)である。
【0017】 さらなる局面に従って、本発明は、本発明のタンパク質およびタンパク質フラ
グメントをコードする核酸を提供する。
【0018】 本発明が上記の配列と相補的な配列を含む核酸を(例えば、アンチセンスの目
的またはプロービングの目的のために)提供することもまた、認識されるべきで
ある。
【0019】 本発明に従う核酸は、もちろん、多くの方法(例えば、化学合成により、ゲノ
ムライブラリーまたはcDNAライブラリーから、生物自体から、など)で調製
され得、そして種々の形態(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プローブ、な
ど)をとり得る。
【0020】 さらに、用語「核酸」は、DNAおよびRNAを含み、そしてそれらのアナロ
グ(例えば、修飾した骨格を含むアナログ)もまた含み、そしてペプチド核酸(
PNA)などもまた含む。
【0021】 さらなる局面に従って、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター
(例えば、発現ベクター)およびこのようなベクターを用いて形質転換した宿主
細胞を提供する。
【0022】 (組成物) さらなる局面に従って、本発明は、本発明に従うタンパク質、抗体、および/
または核酸を含む組成物を提供する。これらの組成物は、ワクチンとして、例え
ば、または診断剤として、または免疫原性組成物として適切であり得る。
【0023】 本発明の組成物は、さらに、以下の1つ以上から選択される免疫原性組成物を
含む: ・WO99/57280に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・WO99/36544に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・WO99/24578に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・Tettelinら[Science(2000)287:1809-181
5;NMB0001〜NMB2160]に開示されるタンパク質またはその免疫
原性フラグメント; ・WO97/28273に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・WO96/29412に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・WO95/03413に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・WO99/31132に開示されるタンパク質またはその免疫原性フラグメン
ト; ・Neisseria meningitidis血清群Aに対する防御抗原; ・Neisseria meningitidis血清群Cに対する防御抗原; ・Neisseria meningitidis血清群Yに対する防御抗原; ・Neisseria meningitidis血清群Wに対する防御抗原; ・Haemophilus influenzaeに対する防御抗原; ・pneumococcusに対する防御抗原; ・ジフテリアに対する防御抗原; ・破傷風に対する防御抗原; ・百日咳に対する防御抗原; ・Helicobacter pyloriに対する防御抗原; ・ポリオに対する防御抗原;および/または ・B型肝炎ウイルスに対する防御抗原。
【0024】 好ましくは、組成物は、さらに、以下の1つ以上から選択される免疫原性成分
を含む: ・WO99/24578に開示される以下の配列番号(SEQ ID)からな
る群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質(または以下の配列番号の1
つ以上の免疫原性フラグメントを含むタンパク質、または以下の配列番号のいず
れか1つに対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60%、
70%、80%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタンパク
質):
【0025】
【化1】 ; ・WO99/36544に開示される以下の配列番号(SEQ ID)からな
る群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質(または以下の配列番号の1
つ以上の免疫原性フラグメントを含むタンパク質、または以下の配列番号のいず
れか1つに対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60%、
70%、80%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタンパク
質):
【0026】
【化2】 ; ・Tettelinら[Science(2000)287:1809-18
15]に開示される2160個の遺伝子NMB0001〜NMB2160もいず
れか1つによりコードされるタンパク質(またはこれらの2160個の遺伝子の
1つ以上の免疫原性フラグメントを含むタンパク質、またはこれらの2160個
の遺伝子のいずれか1つに対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例
えば、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上))を有する配列
を含むタンパク質); ・WO99/57280に開示される以下の配列番号(SEQ ID)からな
る群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質(または以下の配列番号の1
つ以上の免疫原性フラグメントを含むタンパク質、または以下の配列番号のいず
れか1つに対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60%、
70%、80%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタンパク
質):
【0027】
【化3】 ; ・WO97/28273の図4または図13に開示されるタンパク質; ・WO96/29412に開示される配列番号1〜8からなる群より選択され
るアミノ酸配列を含むタンパク質(またはこれらの配列番号の1つ以上の免疫原
性フラグメントを含むタンパク質、またはこれらの配列番号のいずれか1つに対
する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60%、70%、80
%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタンパク質); ・WO95/03413に開示される配列番号1〜23からなる群より選択さ
れるアミノ酸配列を含むタンパク質(またはこれらの配列番号の1つ以上の免疫
原性フラグメントを含むタンパク質、またはこれらの配列番号のいずれか1つに
対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60%、70%、8
0%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタンパク質); ・WO99/31132に開示される配列番号2からなるアミノ酸配列を含む
タンパク質(または配列番号2の免疫原性フラグメントを含むタンパク質、また
は配列番号2に対する配列同一性(好ましくは、50%を超える(例えば、60
%、70%、80%、90%、95%、99%以上))を有する配列を含むタン
パク質); ・Neisseria meningitidis血清群Aに対する多糖類抗
原; ・Neisseria meningitidis血清群Cに対する多糖類抗
原(例えば、Costantinoら(1992)Vaccine 10:69
1-698); ・Neisseria meningitidis血清群Yに対する多糖類抗
原; ・Neisseria meningitidis血清群Wに対する多糖類抗
原; ・Haemophilus influenzaeに対する多糖類抗原; ・pneumococcusに対する多糖類抗原; ・ジフテリアトキソイド(例えば、CRM197変異体[例えば、Del G
uidiceら(1998)Molecular Aspects of Me
dicine 19:1-70])からなる、ジフテリアに対する防御抗原; ・破傷風トキソイド[例えば、WassilakおよびOrenstein、
Vaccinesの第4章(PlotkinおよびMortimer編)、19
88]からなる、破傷風に対する防御抗原; ・百日咳ホロトキシン(pertussis holotoxin)(PT)
および糸状血球凝集素(filamentous haemagglutini
n)(FHA)を含む;必要に応じてパータクチン(pertactin)およ
び/または凝集原2および3[例えば、Gustafssonら(1996)N
.Engl.J.Med.334:349-355;Rappuoliら(19
91)TIBTECH9:232-238]をさらに含む、百日咳に対する防御
抗原; ・CagA(例えば、WO93/18150)、VacA(例えば、WO93
/19150)、NAP(例えば、WO99/53310)、HopX(例えば
、WO98/04702)、HopY(例えば、WO98/04702)、ウレ
アーゼの1つ以上を含む、H.pyloriに対する防御抗原; ・HBV表面抗原および/またはHBVコア抗原からなる、B型肝炎ウイルス
に対する防御抗原。
【0028】 組成物が、ジフテリアに対する抗原を含む場合、破傷風およびポリオに対する
抗原を含むこともまた好ましい。組成物が、破傷風に対する抗原を含む場合、ジ
フテリアおよびポリオに対する抗原を含むこともまた好ましい。組成物が、ポリ
オに対する抗原を含む場合、ジフテリアおよび破傷風に対する抗原を含むことも
また好ましい。
【0029】 百日咳トキシンは、毒性タンパク質であり、そして組成物中に存在する場合、
好ましくは、解毒される。解毒は、化学的手段および/または遺伝子的手段によ
るものであり得る。好ましい解毒化変異体は、9K/129G二重変異体(do
uble mutant)[例えば、Rappuoli(1997)Natur
e Medicine 3:374-376]である。
【0030】 組成物が、異なる新生形態および成熟形態で存在するタンパク質を含む場合、
このタンパク質の成熟形態が、好ましくは、用いられる。例えば、NspA[W
O96/29412;Martinら(1997)J.Exp.Med 185
1173-1183もまた参照のこと]が含まれる場合、シグナルペプチドを
欠くこのタンパク質の成熟形態が、好ましくは、用いられる。
【0031】 組成物が、多糖類抗原を含む場合、この多糖類は、好ましくは、キャリアタン
パク質に結合体化される。
【0032】 組成物中に存在する本発明のタンパク質は、好ましくは、組成物中の少なくと
も1つの防御抗原と相乗的に相互作用する。
【0033】 (治療、予防、診断) 本発明はまた、医薬として(好ましくはワクチンとして)または診断試薬とし
て使用するための、本発明の組成物を提供する。本発明はまた、以下の製造にお
ける、本発明の組成物の使用を提供する:(i)ナイセリア細菌に起因する感染
の処置または予防のための医薬;(ii)ナイセリア細菌またはナイセリア細菌
に対して惹起された抗体の存在を検出するための診断試薬;および/または(i
ii)ナイセリア細菌に対する抗体を惹起し得る試薬。上記のナイセリア細菌は
任意の種または菌株であり得る(例えば、N.gonorrhoeae)が、好
ましくはN.meningitidis(特に、血清群B)であり得る。
【0034】 本発明はまた、治療的有効量の、本発明に従う核酸、タンパク質、および/ま
たは抗体を患者に投与する工程を含む、患者の処置の方法を提供する。この方法
は好ましくは免疫である。
【0035】 本発明によるワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防するため)または治
療的(すなわち、感染後の疾患を処置するため)のいずれかであり得る。
【0036】 (プロセス) さらなる局面によれば、本発明は、種々のプロセスを提供する。
【0037】 本発明のタンパク質を産生するためのプロセスであって、タンパク質の発現を
誘導する条件下において、本発明に従う宿主細胞を培養する工程を包含する、プ
ロセスが提供される。
【0038】 本発明のタンパク質または核酸を産生するためのプロセスであって、ここでそ
のタンパク質または核酸は、化学的手段を使用して、一部または全体が合成され
るプロセスが提供される。
【0039】 本発明のポリヌクレオチドを検出するためのプロセスであって、(a)本発明
に従う核プローブを、ハイブリダイズする条件下で生物学的サンプルと接触させ
て二重鎖を形成させる工程;および(b)この二重鎖を検出する工程を包含する
、プロセスが提供される。
【0040】 本発明のタンパク質を検出するためのプロセスであって、(a)本発明に従う
抗体を、抗体−抗原複合体の形成に適した条件下で生物学的サンプルと接触させ
る工程;および(b)この複合体を検出する工程を包含する、プロセスが提供さ
れる。
【0041】 (発明を実施するための形態) 本発明を実行するために用いられ得る標準的な技術および手順(例えば、ワク
チン接種目的または診断目的のために、開示された配列を利用するための)の要
旨は以下の通りである。この要旨は、本発明に対する限定ではなく、むしろ使用
され得るが必要とされるわけではない例を与えるものである。
【0042】 (総論) 本発明の実施は、他に示されなければ、分子生物学、微生物学、組換えDNA
、および免疫学の従来技術を使用し、これらは当該分野の技術の範囲内である。
このような技術は以下の文献で十分説明されている(例えば、Sambrook
Molecular Cloning;A Laboratory Manu
al、第2版(1989);DNA Cloning、Volumes I a
nd ii(D.N Glover編 1985);Oligonucleot
ide Synthesis(M.J.Gait編 1984);Nuclei
c Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J
.Higgins編 1984);Transcription and Tr
anslation(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編 1
984);Animal Cell Culture(R.I.Freshne
y編 1986);Immobilized Cells and Enzym
es(IRL Press、1986);B.Perbal、A Practi
al Guide to Molecular Cloning(1984);
the Methods in Enzymology series(Aca
demic Press、Inc.)、特に154巻および155巻;Gene
Transfer Vectors for Mammalian Cell
s(J.H.MillerおよびM.P.Calos編1987、Cold S
pring Harbor Laboratory);MayerおよびWal
ker、編(1987)、Immunochemical Methods i
n Cell and Molecular Biology(Academi
c Press、London);Scopes、(1987)Protein
Purification:Principles and Practic
e、第2版(Springer−Verlag、N.Y.)、およびHandb
ook of Experimental Immunology、Volum
es I−IV(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編 19
86)。
【0043】 ヌクレオチドおよびアミノ酸についての標準的な略号が、本明細書において使
用される。
【0044】 Xを含む組成物は、組成物中のX+Yの合計のうちの少なくとも85重量%が
Xであるとき、Yを「実質的に含まない」。好ましくは、Xは、組成物中のX+
Yの合計のうちの少なくとも90重量%を、さらに好ましくは少なくとも約95
重量%を、または99重量%さえも構成する。
【0045】 用語「含む(comprising)」は「含む(including)」お
よび「からなる」を意味する。例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXから
なり得るか、またはX+YのようなXに何かを付加したものも含み得る。
【0046】 用語「異種」とは、天然では一緒には見られない2つの生物学的成分をいう。
この成分は、宿主細胞、遺伝子または調節領域(例えば、プロモーター)であり
得る。異種成分は天然では一緒には見られないが、例えば、遺伝子に対して異種
のプロモーターがその遺伝子に作動可能に連結されるときは、それらは一緒に機
能し得る。別の例は、ナイセリア配列がマウス宿主細胞に対して異種である場合
である。さらなる例は、天然においてみられない配置で単一タンパク質に組み立
てられた、同じタンパク質または異なるタンパク質由来の2つのエピトープであ
る。
【0047】 「複製起点」とは、発現ベクターのような、ポリヌクレオチドの複製を開始お
よび調節するポリヌクレオチド配列である。複製起点は、細胞内でのポリヌクレ
オチド複製の自律性ユニットとして振る舞い、それ自体の制御下で複製し得る。
複製起点は、ベクターが特定の宿主細胞において複製するために必要とされ得る
。特定の複製起点を有せば、発現ベクターは、細胞内の適切なタンパク質の存在
下で高いコピー数で再生され得る。起点の例は、酵母において有効な自律性複製
配列;およびCOS−7細胞で有効であるウイルスT抗原である。
【0048】 「変異体」配列は、天然の配列または開示された配列とは異なるが配列同一性
を有するDNA配列、RNA配列またはアミノ酸配列として定義される。特定の
配列に依存して、天然の配列または開示された配列と変異体配列との間の配列同
一性の程度は、好ましくは50%より大きい(例えば、上記のSmith−Wa
termanアルゴリズムを使用して算出して60%、70%、80%、90%
、95%、99%またはそれより大きい)。本明細書中で使用される場合、本明
細書で核酸配列が提供される核酸分子(または領域)の「対立遺伝子改変体」は
、別のもしくは第2の単離体のゲノム中の本質的に同じ遺伝子座で生じ、かつ、
例えば、変異または組換えにより生ずる天然のバリエーションに起因して、類似
するが、しかし同一でない核酸配列を有する核酸分子(または領域)である。コ
ード領域の対立遺伝子改変体は、代表的には、比較される遺伝子によってコード
されるタンパク質の活性と類似した活性を有するタンパク質をコードする。対立
遺伝子改変体はまた、遺伝子の5’または3’非翻訳領域(例えば、調節制御領
域)での変化を含み得る(例えば、米国特許第5、753、235号を参照のこ
と)。
【0049】 (発現系) ナイセリアヌクレオチド配列は、種々の異なる発現系;例えば、哺乳動物細胞
、バキュロウイルス、植物、細菌、および酵母について使用される発現系におい
て発現され得る。
【0050】 (i.哺乳動物系) 哺乳動物発現系は当該分野において公知である。哺乳動物プロモーターは、哺
乳動物RNAポリメラーゼを結合し得、コード配列(例えば、構造遺伝子)のm
RNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモータ
ーは、転写開始領域(これはコード配列の5’末端の近位に通常位置する)およ
びTATAボックス(転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流に通常位置
する)を有する。TATAボックスは、その正しい部位においてRNAポリメラ
ーゼIIにRNA合成を開始させるよう指示すると考えられている。哺乳動物プ
ロモーターはまた、TATAボックスの100〜200bp上流以内に通常位置
する上流プロモーターエレメントを含む。上流プロモーターエレメントは、転写
が開始される速度を決定し、そしていずれの方向にも作用し得る(Sambro
okら(1989)「Expression of Cloned Genes
in Mammalian Cells.」、Molecular Clon
ing:A Laboratory Manual、第2版)。
【0051】 哺乳動物ウイルス遺伝子は、しばしば高度に発現され、そして広い宿主域を有
する;従って、哺乳動物ウイルス遺伝子をコードする配列は、特に有用なプロモ
ーター配列を提供する。例は、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルス
LTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(Ad MLP)、
および単純疱疹ウイルスプロモーターを含む。さらに、マウスのメタロチオネイ
ン遺伝子のような非ウイルス性遺伝子に由来する配列もまた、有用なプロモータ
ー配列を提供する。発現は、構成性であるかまたは調節される(誘導可能)かの
いずれかであり得、プロモーターに依存して、ホルモン応答性細胞においてグル
ココルチコイドで誘導され得る。
【0052】 上記のプロモーターエレメントと組み合わされたエンハンサーエレメント(エ
ンハンサー)の存在は、通常発現レベルを増大させる。エンハンサーは、同種プ
ロモーターまたは異種プロモーターに連結されたとき、転写を100倍まで刺激
し得る調節DNA配列であり、合成は、通常のRNA開始部位で始まる。エンハ
ンサーはまた、それらが、通常方向もしくは反転(flipped)方向のいず
れかで転写開始部位より上流もしくは下流に、またはプロモーターから1000
ヌクレオチドを超える距離で位置するとき、活性である(Maniatisら(
1987) Science 236:1237;Albertsら(1989
)Molecular Biology of the Cell、第2版)。
ウイルス由来のエンハンサーエレメントは、それらは通常、より広い宿主域を有
するため、特に有用であり得る。例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー
(Dijkemaら(1985)EMBO J.4:761)およびラウス肉腫
ウイルスの長末端反復(LTR)に由来するエンハンサー/プロモーター(Go
rmanら(1982b)Proc.Natl.Acad.Sci.79:67
77)およびヒトサイトメガロウイルスに由来するエンハンサー/プロモーター
(Boshartら(1985)Cell 41:521)が挙げられる。さら
に、いくつかのエンハンサーは調節可能であり、そしてホルモンまたは金属イオ
ンのような誘導因子の存在下のみで活性になる(Sassone−Corsiお
よびBorelli(1986)Trends Genet.2:215;Ma
niatisら(1987)Science 236:1237)。
【0053】 DNA分子は、哺乳動物細胞において細胞内で発現され得る。プロモーター配
列は、DNA分子と直接連結され得、この場合、組換えタンパク質のN末端にお
ける最初のアミノ酸は常に、ATG開始コドンによりコードされるメチオニンで
ある。所望される場合、N末端は、臭化シアンとのインビトロでのインキュベー
ションによりタンパク質から切断され得る。
【0054】 あるいは、外来タンパク質もまた、哺乳動物細胞において外来タンパク質の分
泌を提供するリーダー配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメ
ラDNA分子を作製することにより、細胞から増殖培地中へ分泌され得る。好ま
しくは、リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされる、インビボま
たはインビトロのいずれかにおいて切断され得るプロセシング部位が存在する。
リーダー配列フラグメントは通常、細胞からのタンパク質の分泌を指示する、疎
水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。アデノウイルス3部構成リ
ーダーは、哺乳動物細胞における外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列
の例である。
【0055】 通常、哺乳動物細胞によって認識される転写終結配列およびポリアデニル化配
列は、翻訳終止コドンの3’側に存在する調節領域であり、従って、プロモータ
ーエレメントと共に、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末端は、部位
特異的転写後切断およびポリアデニル化により形成される(Birnstiel
ら、(1985)Cell 41:349;ProudfootおよびWhit
elaw(1988)「Termination and 3’end pro
cessing of eukaryotic RNA.」Transcrip
tion and splicing(B.D.HamesおよびD.M.Gl
over編);Proudfoot(1989)Trends Biochem
.Sci.14:105)。これらの配列は、mRNAの転写を導き、そのmR
NAは、そのDNAにコードされるポリペプチドに翻訳され得る。転写ターミネ
ーター/ポリアデニル化シグナルの例としては、SV40由来のものが挙げられ
る(Sambrookら(1989)「Expression of clon
ed genes in cultured mammalian cells
.」Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual)。
【0056】 通常、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および転写終結配列を含む上
記の構成要素は、発現構築物内に共に導入される。エンハンサー、機能的なスプ
ライス供与部位およびスプライス受容部位を有するイントロン、ならびにリーダ
ー配列もまた、所望される場合、発現構築物内に含まれ得る。発現構築物はしば
しば、哺乳動物細胞または細菌のような宿主内で安定的に維持され得る染色体外
エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコン内で維持される。哺乳
動物の複製系としては、複製にトランス作用性の因子を必要とする、動物ウイル
ス由来の複製系が挙げられる。例えば、SV40(Gluzmam(1981)
Cell 23:175)、あるいはポリオーマウイルスのようなパポバウイル
スの複製系を含むプラスミドは、適切なウイルスのT抗原の存在下で極めて高い
コピー数で複製する。哺乳動物レプリコンの別の例としては、ウシパピローマウ
イルスおよびエプスタイン−バーウイルス由来のレプリコンが挙げられる。さら
に、このレプリコンは、二つの複製系を有し得、従って、例えば、発現用に哺乳
動物細胞内で、ならびにクローニングおよび増幅用に原核生物の宿主内で、その
レプリコンが維持されることが可能である。このような哺乳動物−細菌シャトル
ベクターの例としては、pMT2(Kaufmanら(1989)Mol.Ce
ll.Biol.9:946)およびpHEBO(Shimizuら(1986
)Mol.Cell.Biol.6:1074)が挙げられる。
【0057】 使用される形質転換の手順は、形質転換される宿主に依存する。異種のポリヌ
クレオチドの哺乳動物細胞への導入方法は、当該分野で公知であり、その方法と
しては、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリ
ブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーショ
ン、リポソーム内へのポリヌクレオチドの封入、およびDNAの核内への直接微
量注入が挙げられる。
【0058】 発現用宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で公知であり、その
ような細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa
細胞、新生仔ハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝
細胞癌細胞(例えば、Hep G2)および多くの他の細胞株を含むが、これら
に限定されない、American Type Culture Collec
tion(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が挙げられる。
【0059】 (ii バキュロウイルス系) タンパク質をコードしているポリヌクレオチドはまた、適切な昆虫発現ベクタ
ー内に挿入され得、そしてそのベクター内で、制御エレメントに作動可能に連結
される。ベクターの構築には、当該分野で公知の技術を使用する。一般に、その
発現系の構成要素として、以下のものが挙げられる:バキュロウイルスゲノムの
フラグメント、および発現させる異種遺伝子の挿入用の簡便な制限部位の両方を
含む転移ベクター(通常は細菌プラスミド);転移ベクター内のバキュロウイル
スに特異的なフラグメントに相同性のある配列を有する野生型バキュロウイルス
(これは、バキュロウイルスゲノム内への異種遺伝子の相同組換えを可能にする
);ならびに適切な昆虫宿主細胞および増殖培地。
【0060】 転移ベクターにタンパク質をコードするDNA配列を挿入した後、そのベクタ
ーおよび野生型ウイルスゲノムを、昆虫宿主細胞にトランスフェクトし、そこで
このベクターとウイルスゲノムとを組換えさせる。パッケージングされた組換え
ウイルスは発現され、そして組換えプラークが同定されそして精製される。バキ
ュロウイルス/昆虫細胞発現系の材料および方法は、特に、Invitroge
n、San Diego CAからキット形態(「MaxBac」キット)で市
販される。これらの技術は、一般に当業者に公知であり、そしてSummers
およびSmith、Texas Agricultural Experime
nt Station Bulletin No.1555(1987)(以下
、「SummersおよびSmith」)に十分に記載されている。
【0061】 タンパク質をコードするDNA配列をバキュロウイルスゲノムに挿入するのに
先立って、プロモーター、リーダー(所望される場合は)、目的のコード配列、
および転写終結配列を含む上記の構成要素を、通常、中間置換(interme
diate transplacement)構築物(転移ベクター)に構築す
る。この構築物は、単一の遺伝子および作動可能に連結された調節エレメント;
作動可能に連結された調節エレメントのセットを各々が所有する複数の遺伝子;
あるいは調節エレメントの同じセットにより調節される複数の遺伝子を含み得る
。中間置換構築物は、しばしば、細菌のような宿主内で安定的に維持し得る染色
体外エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコン内で維持される。
レプリコンは、複製系を有しており、従って、それはクローニングおよび増幅用
の適切な宿主内で維持され得る。
【0062】 現在、外来遺伝子のAcNPVへの導入のために最も一般に使用される転移ベ
クターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベクターもまた設計
されている。これらのものとして、例えば、pVL985(これは、ポリへドリ
ンの開始コドンをATGからATTに変化させ、そしてそのATTから32塩基
対下流に、BamHIクローニング部位を導入する;LuckowおよびSum
mers、Virology(1989)17:31を参照のこと)が挙げられ
る。
【0063】 そのプラスミドはまた通常、ポリへドリンポリアデニル化シグナル(Mill
erら(1988)Ann.Rev.Microbiol.、42:177)、
および原核生物のアンピシリン耐性(amp)遺伝子、ならびに大腸菌において
の選択および増殖のための複製起点を含む。
【0064】 バキュロウイルス転移ベクターは通常、バキュロウイルスプロモーターを含む
。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結
合し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(5’か
ら3’)方向の転写を開始し得る、任意のDNA配列である。プロモーターは、
通常、コード配列の5’末端に近接して存在する転写開始領域を有している。こ
の転写開始領域は通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む
。バキュロウイルス転移ベクターは、またエンハンサーと呼ばれる第二のドメイ
ンを有し得、これは存在する場合は、通常、構造遺伝子に対して遠位にある。発
現は調節されるか、または構成的であるかのいずれかであり得る。
【0065】 ウイルスの感染周期の後期で大量に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロ
モーター配列を提供する。例としては、ウイルス多角体タンパク質をコードする
遺伝子(Friesenら、(1986)「The Regulation o
f Baculovirus Gene Expression」、The M
olecular Biology of Baculoviruses(Wa
lter Doerfler編);EPO公開番号127839および1554
76;ならびにp10タンパク質をコードする遺伝子(Vlakら、(1988
)、J.Gen.Virol.69:765)由来の配列が挙げられる。
【0066】 適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌昆虫タンパク質または分泌バ
キュロウイルスタンパク質の遺伝子(例えば、バキュロウイルスポリへドリン遺
伝子(Carbonellら(1988)Gene、73:409))から誘導
され得る。あるいは、哺乳動物細胞の翻訳後修飾(例えば、シグナルペプチド切
断、タンパク質分解性切断、およびリン酸化)のシグナルは、昆虫細胞に認識さ
れると思われ、そして分泌および核蓄積に必要なシグナルもまた、無脊椎動物細
胞と脊椎動物細胞との間で保存されると思われるために、ヒトα−インターフェ
ロン(Maedaら、(1985)、Nature 315:592);ヒトガ
ストリン放出ペプチド(Lebacq−Verheydenら、(1988)、
Molec.Cell.Biol.8:3129);ヒトIL−2(Smith
ら、(1985)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA、82:8
404);マウスIL−3(Miyajimaら(1987)Gene 58:
273);およびヒトグルコセレブロシダーゼ(Martinら、(1988)
DNA、7:99)をコードする遺伝子由来のリーダーのような、非昆虫起源の
リーダーも、昆虫での分泌を与えるために使用され得る。
【0067】 組換えポリペプチドまたは組換えポリタンパク質は、細胞内に発現され得、ま
たは適切な調節配列と共に発現される場合、分泌され得る。非融合外来タンパク
質の優れた細胞内発現には通常、ATG開始シグナルに先行する適切な翻訳開始
シグナルを含む短いリーダー配列を理想的には有する異種遺伝子が必要である。
所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベー
ションにより、成熟タンパク質から切断され得る。
【0068】 あるいは、天然では分泌されない組換えポリタンパク質あるいは組換えタンパ
ク質は、昆虫において外来タンパク質の分泌を与えるリーダー配列フラグメント
を含む、融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、
昆虫細胞から分泌され得る。リーダー配列フラグメントは通常、タンパク質の小
胞体内へのトランスロケーションを指示する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプ
チドをコードしている。
【0069】 タンパク質の発現産物前駆体をコードするDNA配列および/または遺伝子の
挿入後、昆虫細胞宿主に、転移ベクターの異種DNAおよび野生型バキュロウイ
ルスのゲノムDNAを同時形質転換(通常は、同時トランスフェクションによっ
て)する。構築物のプロモーターおよび転写終結配列は、通常バキュロウイルス
ゲノムの2〜5kbの区域を含む。バキュロウイルスウイルスの望ましい部位に
異種DNAを導入する方法は、当該分野で公知である(SummersおよびS
mith、上記;Juら(1987);Smithら、Mol.Cell.Bi
ol.(1983)3:2156;ならびにLuckowおよびSummers
(1989)を参照のこと)。例えば、その挿入は、相同二重交差組換え(ho
mologous double crossover recombinat
ion)により、ポリへドリン遺伝子のような遺伝子内へであり得る;挿入はま
た、所望のバキュロウイルス遺伝子内に設計された制限酵素部位内へであり得る
。Millerら、(1989)、Bioessays 4;91。発現ベクタ
ー内のポリへドリン遺伝子の代わりにクローン化した場合、このDNA配列は、
ポリへドリン特異的配列が5’および3’の両側に隣接しており、そしてポリへ
ドリンプロモーターの下流に位置される。
【0070】 新規に形成されたバキュロウイルス発現ベクターは続いて、感染性の組換えバ
キュロウイルス内にパッケージされる。相同組換えは、低い頻度で起こる(約1
%と約5%との間);それゆえ、同時トランスフェクション後に産生されたウイ
ルスの大半は、依然野生型ウイルスである。従って、組換えウイルスを同定する
方法が必要となる。その発現系の利点は、組換えウイルスを区別し得る視覚的ス
クリーニングである。天然のウイルスにより産生されるポリへドリンタンパク質
は、ウイルス感染後の後の時期に、その感染された細胞の核内で非常に高いレベ
ルで産生される。蓄積されたポリへドリンタンパク質は、閉塞体を形成し、また
それは包理された粒子を含む。これらの閉塞体は、最大15μmの大きさで、高
度に屈折し、明るく輝く外見を与え、容易に光学顕微鏡下で可視化される。組換
えウイルスに感染した細胞は、閉塞体を欠く。組換えウイルスと野生型ウイルス
とを区別するために、トランスフェクションの上清を、当業者に公知の技術によ
り昆虫細胞の単層にプラーク形成させる。すなわち、プラークを、光学顕微鏡下
で閉塞体の存在(野性型ウイルスを示す)または非存在(組換えウイルスを示す
)によりスクリーニングする。「Current Protocols in
Microbiology」2巻(Ausubelら編)16.8(増補10、
1990);SummersおよびSmith、上記;Millerら(198
9)。
【0071】 組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞への感染用に開
発された。例えば、組換えバキュロウイルスは、特に以下に示すもののために開
発された:Aedes aegypti、Autographa califo
rnica、Bombyx mori、Drosophila melanog
aster、Spodoptera frugiperda、およびTrich
oplusia ni(WO89/046699;Carbonellら、(1
985)J.Virol.56:153;Wright(1986)Natur
e 321:718;Smithら、(1983)Mol.Cell.Biol
.3:2156;およびFraserら、(1989)In Vitro Ce
ll.Dev.Biol.25:225を一般に参照のこと)。
【0072】 細胞および細胞培養培地は、バキュロウイルス/発現系における異種ポリペプ
チドの直接発現および融合発現の両方のために市販される;細胞培養技術は、一
般に当業者に公知である。例えば、上記SummersおよびSmithを参照
のこと。
【0073】 改変した昆虫細胞をさらに、適切な栄養培地で増殖させる。この培地は、その
改変した昆虫宿主内で存在するプラスミドの安定的維持を可能にする。発現産物
の遺伝子が、誘導性の制御下にある場合、宿主は高密度まで増殖され得、そして
発現は誘導され得る。あるいは、発現が構成的である場合、その産物は培地中に
連続的に発現され、そして目的産物を取り出し、そして枯渇した栄養を補給しな
がら、栄養培地を連続的に循環させる必要がある。その産物は、クロマトグラフ
ィー(例えば、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロ
マトグラフィーなど);電気泳動;密度勾配遠心;溶媒抽出などのような技術に
より精製され得る。適切な場合、その産物をさらに精製し、必要ならば、培地中
にまた分泌された、または昆虫細胞の溶解から生じたあらゆる昆虫タンパク質を
実質的に除去し、宿主細片(例えば、タンパク質、脂質および多糖類)を少なく
とも実質的に含まない産物を供給する。
【0074】 タンパク質の発現を得るために、形質転換体に由来する組換え宿主細胞は、組
換えタンパク質をコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートさ
れる。これらの条件は、選択された宿主細胞に依存して変動する。しかし、その
条件は、当該分野で公知の条件に基づいて、当業者に容易に確かめられる。
【0075】 (iii 植物系) 当該分野で公知の多くの植物細胞培養および全植物遺伝子発現系が存在する。
例示的な植物細胞遺伝子発現系としては、米国特許第5、693、506号;米
国特許第5、659、122号;および米国特許第5、608、143号のよう
な特許に記載されるものが挙げられる。植物細胞培養における遺伝子発現のさら
なる例は、Zenk、Phytochemistry 30:3861−386
3(1991)に記載された。植物タンパク質のシグナルペプチドの記載は、上
記の参考文献に加え、以下に示すものの中においても見出され得る;Vaulc
ombeら、Mol.Gen.Genet.209:33−40(1987);
Chandlerら、Plant Molecular Biology 3:
407−418(1984);Rogers、J.Biol.Chem.260
:3731−3738(1985);Rothsteinら、Gene 55:
353−356(1987);Whittierら、Nucleic Acid
s Research 15:2515−2535(1987);Wirsel
ら、Molecular Microbiology 3:3−14(1989
);Yuら、Gene 122:247−253(1992)。植物ホルモンジ
ベレリン酸およびジベレリン酸により誘導される分泌酵素による植物遺伝子発現
の調節の記載は、R.L.JonesおよびJ.MacMillin、Gibb
erellins:Advanced Plant Physiology、M
alcolm B.Wilkins編 1984 Pitman Publis
hing Limited、London、21−52頁の中に見出され得る。
他の代謝調節性遺伝子が記載される参考文献:Sheen、Plant Cel
l、2:1027−1038(1990);Maasら、EMBO J.9:3
447−3452(1990);BenkelおよびHickey、Proc.
Natl.Acad.Sci.84:1337−1339(1987)。
【0076】 代表的に、当該分野で公知の技術を使用して、所望のポリヌクレオチド配列は
、植物内で作動するように設計された遺伝子調節エレメントを含む発現カセット
の中に挿入される。その発現カセットは、植物宿主内での発現に適切な発現カセ
ットの上流および下流にコンパニオン配列を有する望ましい発現ベクターの中に
挿入される。そのコンパニオン配列は、プラスミドまたはウイルス起源のもので
あり、そしてそのベクターが、細菌のような本来のクローニング宿主から、所望
の植物宿主へDNAを移動させるために必要とされる特徴をベクターに提供する
。基本的な細菌/植物ベクター構築物は、好ましくは、広い宿主域の原核生物の
複製起点;原核生物の選択マーカー;および、アグロバクテリウムの形質転換に
ついては、アグロバクテリウム媒介移入のためのT DNA配列を植物染色体に
提供する。異種遺伝子が容易に検出できない場合は、好ましくは、その構築物は
また、植物細胞が形質転換されたかどうかを決定するために適した選択マーカー
遺伝子を有する。適切なマーカーの一般的な総説は、例えば、イネ科のメンバー
については、WilminkおよびDons、1993、Plant Mol.
Biol.Reptr、11(2):165−185に見られる。
【0077】 植物ゲノムへの異種配列の組み込みを可能にするために適した配列もまた、推
奨される。これらは、相同組換え用のためのトランスポゾン配列など、および植
物ゲノム内へ異種発現カセットのランダム挿入を可能にするTi配列を含み得る
。適切な原核生物選択マーカーとしては、アンピシリンまたはテトラサイクリン
のような抗生物質に対する耐性が挙げられる。さらなる機能をコードしている他
のDNA配列はまた、当該分野で公知であるように、そのベクターの中に存在し
得る。
【0078】 本発明の核酸分子はまた、目的のタンパク質の発現用の発現カセットに含まれ
得る。2つ以上も可能であるが、通常はただ一つの発現カセットが存在する。組
換え発現カセットは、異種タンパク質のコード配列に加え、以下のエレメントを
含む;プロモーター領域、植物の5’非翻訳配列、構造遺伝子がそれを備えてい
るかどうかに依存して、開始コドン、ならびに転写および翻訳終結配列。そのカ
セットの5’末端および3’末端の独特な制限酵素部位は、既存のベクター内へ
の容易な挿入を可能にする。
【0079】 異種のコード配列は、本発明に関係する任意のタンパク質についての配列であ
り得る。目的のタンパク質をコードする配列は、適切な場合、そのタンパク質の
プロセシングおよびトランスロケーションを可能にするシグナルペプチドをコー
ドし、そして通常、本発明の所望のタンパク質の膜への結合を生じ得るあらゆる
配列を欠いている。たいてい、転写開始領域は、発芽中に発現およびトランスロ
ケーションされる遺伝子についてのものであるから、トランスロケーションを与
えるシグナルペプチドを使用することにより、また、目的のタンパク質のトラン
スロケーションを提供し得る。このようにして、目的のタンパク質は、それらが
発現される細胞からトランスロケーションされ、そして効率的に回収され得る。
代表的には、種子における分泌は、アリューロン層あるいは胚盤上皮層を通過し
て、種子の胚乳内へと至る。タンパク質がそれが産生された細胞から分泌される
ことは必要とされないが、このことは組換えタンパク質の単離および精製を容易
にする。
【0080】 所望の遺伝子産物の最終的な発現が、真核生物におけるものであるので、クロ
ーン化した遺伝子の任意の部分が、イントロンのような、宿主のスプライセオソ
ーム(splicosome)機構よりプロセシングされて除去される配列を含
むかどうかを決定することが望ましい。そのような場合、「イントロン」領域の
部位特異的変異誘発は、偽イントロンコードとして遺伝的メッセージの一部を欠
失することを防ぐために実施され得る。ReedおよびManiatis、Ce
ll 41:95−105(1985)。
【0081】 ベクターは、組換えDNAを機械的に転移するためにマイクロピペットを用い
て植物細胞内に直接的に微量注入され得る(Crossway、Mol.Gen
.Genet、202:179−185、1985)。遺伝物質はまた、ポリエ
チレングリコールを用いて植物細胞内に転移され得る(Krensら、Natu
re、296、72−74、1982)。核酸セグメントの導入の別の方法は、
小さいビーズまたは微粒子のいずれかのマトリックスの内部に、あるいは表面に
核酸を有する小さな微粒子による高速バリスティック(ballistic)穿
通法である(Kleinら、Nature、327、70−73、1987なら
びにKnudsenおよびMuller、1991、Planta、185:3
30−336は、大麦胚乳の粒子の照射(bombardment)によりトラ
ンスジェニック大麦を作製することを示している)。さらに別の導入方法は、他
の物体(ミニ細胞、細胞、リソソームまたは他の易融な脂肪表面体のいずれか)
とのプロトプラストの融合である(Fraleyら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA、79、1859−1863、1982)。
【0082】 ベクターはまた、エレクトロポレーションにより植物細胞内に導入され得る(
Frommら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:582
4、1985)。この技術において、植物プロトプラストは、遺伝子構築物を含
むプラスミドの存在下でエレクトロポレートされる。高電界強度での電気衝撃に
より、生体膜を可逆的に透過性にし、プラスミドの導入を可能にする。エレクト
ロポレートされた植物プロトプラストは細胞壁を再形成し、分裂し、植物カルス
を形成する。
【0083】 プロトプラストが単離され得、そして培養されて完全な再生植物を与え得る全
ての植物は、本発明により形質転換され得、その結果、移入した遺伝子を含む完
全な植物が回収される。実際に、全ての植物が、サトウキビ、テンサイ、ワタ、
果樹および他の樹木、マメ科植物および野菜という全ての主要な種を含むがそれ
らに限定されない培養細胞または組織から再生され得ることが公知である。いく
つかの適切な植物としては、例えば、以下の属由来の種が挙げられる:Frag
aria、Lotus、Medicago、Onobrychis、Trifo
lium、Trigonella、Vigna、Citrus、Linum、G
eranium、Manihot、Daucus、Arabidopsis、B
rassica、Raphanus、Sinapis、Atropa、Caps
icum、Datura、Hyoscyamus、Lycopersion、N
icotiana、Solanum、Petunia、Digitalis、M
ajorana、Cichorium、Helianthus、Lactuca
、Bromus、Asparagus、Antirrhinum、Herero
callis、Nemesia、Pelargonium、Panicum、P
ennisetum、Ranunculus、Senecio、Salpigl
ossis、Cucumis、Browaalia、Glycine、Loli
um、Zea、Triticum、Sorghum、およびDatura。
【0084】 再生のための手法は、植物の種によって変化するが、しかし一般に異種遺伝子
のコピーを含む形質転換されたプロトプラストの懸濁液が最初に提供される。カ
ルス組織は形成され、そしてシュートがカルスから誘導され得、続いて発根させ
得る。あるいは、胚形成がプロトプラスト懸濁液から誘導され得る。これらの胚
は、天然の胚として発芽し、植物を形成する。培養培地は、一般に種々のアミノ
酸、ならびにオーキシンおよびサイトカイニンのようなホルモンを含有する。グ
ルタミン酸およびプロリンを培地に添加することもまた、特にコーンおよびアル
ファルファのような種にとって有用である。シュートおよび根は通常、同時に発
達する。効率的な再生は培地、遺伝子型、および培養歴に依存する。これらの3
つの変動要因が制御される場合は、再生は十分に再現性がありそして繰り返し可
能である。
【0085】 いくつかの植物細胞培養系において、本発明の所望のタンパク質は排出され得
、あるいはこのタンパク質は植物全体から抽出され得る。本発明の所望のタンパ
ク質が培地内に分泌される場合、これは回収され得る。あるいは、胚および胚の
ない半分の種子または他の植物組織は、機械的に破壊されて細胞間および組織間
のあらゆる分泌タンパク質を放出し得る。その混合物は緩衝液に懸濁されて、可
溶タンパク質が回収され得る。次いで、従来のタンパク質単離および精製方法は
組換えタンパク質を精製するために使用される。時間、温度、pH、酸素、およ
び容量というパラメーターは、異種タンパク質の発現および回収を最適化するた
めに慣用的な方法により調整される。
【0086】 (iv.細菌系) 細菌の発現技術は、当該分野で公知である。細菌のプロモーターは、細菌のR
NAポリメラーゼに結合し得そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流方
向(3’方向)へのmRNAへの転写を開始し得る、任意のDNA配列である。
プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に近接して配置される、転写開始
領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および
転写開始部位を含む。細菌のプロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第二
のドメインを有し、これは、RNA合成が開始する、隣接するRNAポリメラー
ゼ結合部位と重複し得る。オペレーターは、遺伝子リプレッサータンパク質がこ
のオペレーターに結合し、それによって、特定の遺伝子の転写を阻害し得るよう
な、負の調節された(誘導性の)転写を可能にする。構成的発現は、オペレータ
ーのような負の調節エレメントの非存在下で起こり得る。さらに、正の調節は、
遺伝子アクチベータータンパク質結合配列により達成され得、この配列は、通常
、存在する場合には、RNAポリメラーゼ結合配列の(5’)側に近接している
。遺伝子アクチベータータンパク質の例としては、カタボライト活性化タンパク
質(CAP)があり、これは、Escherichia coli(E.col
i)におけるlacオペロンの転写の開始を補助する(Raibaudら(19
84)Annu.Rev.Genet.18:173)。従って、調節される発
現は、正または負のいずれかであり、それによって、転写を増強するかまたは低
下し得る。
【0087】 代謝経路の酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する
。例としては、ガラクトース、ラクトース(lac)(Changら.(199
7)Nature 198:1056)およびマルトースのような糖代謝の酵素
由来のプロモーター配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン(
trp)(Goeddelら(1980)Nuc.Acids Res.8:4
057;Yelvertonら(1981)Nucl.Acids Res.9
:731;米国特許第4、738、921号;EPO公開番号036 776お
よび121 775)のような生合成酵素由来のプロモーター配列が挙げられる
。β−ラクタマーゼ(bla)プロモーター系(Weissmann(1981
)「The cloning of interferon and othe
r mistakes.」Interferon 3(I.Gresser編)
)、バクテリオファージλPL(Shimatakeら(1981)Natur
e 292:128)およびT5(米国特許第4、689、406号)プロモー
ター系もまた、有用なプロモーター配列を提供する。
【0088】 さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまた、細菌プロモーターとして
機能する。例えば、ある細菌またはバクテリオファージプロモーターの転写活性
化配列を、別の細菌またはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と結
合し得、合成ハイブリッドプロモーターを作製する(米国特許第4、551、4
33号)。例えば、tacプロモーターは、trpプロモーター配列、およびl
acリプレッサーにより調節されるlacオペロン配列の両方から構成される、
ハイブリッドtrp−lacプロモーターである(Amannら(1983)G
ene 25:167;de Boerら(1983)Proc.Natl.A
cad.Sci.80:21)。さらに、細菌プロモーターには、細菌のRNA
ポリメラーゼに結合しそして転写を開始させる能力を有する、非細菌起源の天然
に存在するプロモーターが含まれ得る。非細菌起源の天然に存在するプロモータ
ーはまた、適合性のあるRNAポリメラーゼが結合され、原核生物においていく
つかの遺伝子の高レベルの発現をもたらし得る。バクテリオファージT7 RN
Aポリメラーゼ/プロモーター系は、連結したプロモーター系の例である(St
udierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;Tabor
ら(1985)Proc Natl.Acad.Sci.82:1074)。さ
らに、ハイブリッドプロモーターはまた、バクテリオファージプロモーターおよ
びE.coliオペレーター領域から構成され得る(EPO公開番号267 8
51)。
【0089】 機能性プロモーター配列に加え、有効なリボソーム結合部位もまた、原核生物
における外来遺伝子の発現に有用である。E.coliにおいて、リボソーム結
合部位は、シャイン−ダルガルノ(SD)配列と呼ばれ、そしてこれは、開始コ
ドン(ATG)および開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に位置する長さ3
〜9ヌクレオチドの配列を含む(Shineら(1975)Nature 25
4:34)。SD配列は、SD配列とE.coliの16S rRNAの3’末
端との間の塩基対形成により、リボソームへのmRNAの結合を促進すると考え
られている(Steitzら(1979)「Genetic signals
and nucleotide sequences in messenge
r RNA.」Biological Regulation and Dev
elopment:Gene Expression(R.F.Goldber
ger編))。弱いリボソーム結合部位を有する真核生物遺伝子および原核生物
遺伝子の発現のためには、SD配列と真核生物遺伝子のATGとの間の距離を最
適化することが、しばしば、必要とされる(Sambrookら(1989)「
Expression of cloned genes in Escher
ichia coli.」Molecular Cloning:A Labo
ratory Manual)。
【0090】 DNA分子は、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、そのDNA分子
と直接的に連結され得、この場合、N末端の最初のアミノ酸は、常に、メチオニ
ンであり、これは、ATG開始コドンによりコードされる。所望される場合、N
末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションによって、
あるいは細菌性メチオニンN末端ペプチダーゼとのインビボインキュベーション
またはインビトロインキュベーションのいずれかによって、タンパク質から切断
され得る(EPO公開番号219 237)。
【0091】 融合タンパク質は、直接的発現に対する代替物を提供する。通常、内在性の細
菌タンパク質あるいは他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配
列を、異種コード配列の5’末端に融合する。発現の際に、この構築物は、その
2つのアミノ酸配列の融合体を提供する。例えば、バクテリオファージλ細胞遺
伝子は、外来遺伝子の5’末端に連結され得、そして細菌において発現され得る
。この生じた融合タンパク質は、好ましくは、このバクテリオファージタンパク
質をこの外来遺伝子から切断するためのプロセシング酵素(Xa因子)用の部位
を保持する(Nagaiら(1984)Nature 309:810)。融合
タンパク質はまた、lacZ(Jiaら(1987)Gene 60:197)
、trpE(Allenら(1987)J.Biotechnol.5:93;
Makoffら(1989)J.Gen.Microbiol.135:11)
、およびChey(EPO公開番号324 647)遺伝子由来の配列を用いて
作製され得る。この2つのアミノ酸配列の接合部でのDNA配列は、切断部位を
コードしてもよいし、コードしなくてもよい。別の例は、ユビキチン融合タンパ
ク質である。このような融合タンパク質は、外来タンパク質からユビキチンを切
断するためのプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテ
アーゼ)部位を好ましくは保持する、ユビキチン領域と共に作製され得る。この
方法を通して、ネイティブの外来タンパク質は単離され得る(Millerら(
1989)Bio/Technology 7:698)。
【0092】 あるいは、外来タンパク質はまた、細菌において外来タンパク質の分泌を提供
するシグナルペプチド配列フラグメントから構成された融合タンパク質をコード
する、キメラDNA分子を作製することによって、細胞から分泌され得る(米国
特許第4、336、336号)。このシグナル配列フラグメントは、通常、細胞
からのタンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペ
プチドをコードする。このタンパク質は、増殖培地(グラム陽性細菌)またはペ
リプラズム空間(細胞の内膜と外膜との間に位置する)(グラム陰性細菌)のい
ずれかに分泌される。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断
され得る、このシグナルペプチドフラグメントと外来遺伝子との間にコードされ
る、プロセシング部位が存在する。
【0093】 適切なシグナル配列をコードするDNAは、E.coli外膜タンパク質遺伝
子(ompA)(Masuiら(1983)、Experimetal Man
ipulation of Gene Expression;Ghrayeb
ら、(1984)EMBO J.3:2437)およびE.coliアルカリホ
スファターゼシグナル配列(phoA)(Okaら(1985)Proc.Na
tl.Acad.Sci.82:7212)のような、分泌性細菌タンパク質の
遺伝子に由来し得る。さらなる例として、種々のBacillus株由来のα−
アミラーゼ遺伝子のシグナル配列が、B.subtilis由来の異種タンパク
質を分泌するために使用され得る(Palvaら(1982)Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 79:5582;EPO公開番号244 042
)。
【0094】 通常、細菌によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位
置する調節領域であり、そして従って、プロモーターとともに、コード配列に隣
接する。これらの配列は、mRNAの転写を指向し、このmRNAが、そのDN
Aによってコードされるポリペプチドへと翻訳され得る。転写終結配列は、頻繁
には、ステムループ構造を形成し得る、約50ヌクレオチドのDNA配列を含み
、この構造が、転写の終結を補助する。例としては、強力なプロモーターを有す
る遺伝子(例えば、E.coliのtrp遺伝子および他の生合成遺伝子)由来
の転写終結配列が挙げられる。
【0095】 通常、上記の構成要素(プロモーター、シグナル配列(もし所望ならば)、目
的のコード配列、および転写終結配列を含む)が、発現構築物へと組み立てられ
る。発現構築物は、しばしば、宿主(例えば、細菌)において安定に維持し得る
染色体外エレメント(例えばプラスミド)のような、レプリコンに維持される。
このレプリコンは、複製系を有し、従って、これが、このレプリコンを、発現ま
たはクローニングおよび増幅のいずれかのために、原核生物宿主において保持さ
れることを可能にする。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低
コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に、
約5〜約200、そして通常、約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高
コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは、少なくとも約10個、そしてよ
り好ましくは、少なくとも約20個のプラスミドを含む。宿主に対するベクター
および外来タンパク質の効果に依存して、高コピー数ベクターまたは低コピー数
ベクターのいずれかが選択され得る。
【0096】 あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、細菌ゲノム内に組み込
まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、細
菌染色体と相同な少なくとも1つの配列を含む。組み込みは、このベクターにお
ける相同なDNAと細菌染色体との間の組換えから生じるようである。例えば、
種々のBacillus株からのDNAで構築した組み込みベクターは、Bac
illus染色体に組み込まれる(欧州特許公開番号127 328)。組み込
みベクターはまた、バクテリオファージまたはトランスポゾン配列から構成され
得る。
【0097】 通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、選択マーカーを含み
、形質転換された細菌株の選択を可能にし得る。選択マーカーは、この細菌宿主
において発現され得、そしてこれらには、薬物(例えば、アンピシリン、クロラ
ムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)およびテト
ラサイクリン)に対する耐性を細菌に付与する遺伝子が含まれ得る(Davie
sら(1978)Annu.Rev.Microbiol.32:469)。選
択マーカーはまた、ヒスチジン、トリプトファンおよびロイシンの生合成経路に
おける生合成遺伝子のような、生合成遺伝子を含み得る。
【0098】 あるいは、上記の成分のいくつかは、形質転換ベクターに組み立てられ得る。
形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて維持されるかま
たは組み込みベクターへと展開されるかのいずれかの、選択マーカー(mark
et)から構成される。
【0099】 発現ベクターまたは形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組み込みベ
クターのいずれも)は、多くの細菌への形質転換のために開発されてきた。例え
ば、発現ベクターは、とりわけ、以下の細菌のために開発されてきた:Baci
llus subtilis(Palvaら(1982)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 79:5582;欧州特許公開番号036 259
および欧州特許公開番号063 953;PCT公開番号WO 84/0454
1)、Escherichia coli(Shimatakeら(1981)
Nature 292:128;Amannら(1985)Gene 40:1
83;Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;
欧州特許公開番号036 776、欧州特許公開番号136 829および欧州
特許公開番号136 907)、Streptococcus cremori
s(Powellら(1988)Appl.Environ.Microbio
l.54:655);Streptococcus lividans(Pow
ellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:
655)、Streptomyces lividans(米国特許4、745
、056)。
【0100】 外因性DNAを細菌宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そ
して通常、CaCl2または他の薬剤(例えば、2価の陽イオンおよびDMSO
)のいずれかで処理された細菌の形質転換を含む。DNAはまた、エレクトロポ
レーションによって、細菌細胞へ導入され得る。形質転換の手順は、通常、形質
転換される細菌の種によって変化する。例えば、以下を参照のこと:[Mass
onら(1989)FEMS Microbiol.Lett.60:273;
Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
9:5582;欧州特許公開番号036 259および欧州特許公開番号063
953;WO84/04541、Bacillus]、[Millerら(1
988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:856;Wangら(
1990)J.Bacteriol.172:949、Campylobact
er]、Cohenら(1973)Proc.Natl.Acad.Sci.6
9:2110;Dowerら(1988)Nucleic Acids Res
.16:6127;Kushner(1978)「An improved m
ethod for transformation of Escheric
hia coli with Co1E1−derived plasmids
」Genetic Engineering:Proceedings of
the International Symposium on Genet
ic Engineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia
編);Mandelら(1970)J.Mol.Biol.53:159;Ta
keto(1988)Biochim.Biophys.Acta 949:3
18、Escherichia coli]、[Chassyら(1987)F
EMS Microbiol.Lett.44:173、Lactobacil
lus]、[Fiedlerら(1988)Anal.Biochem 170
:38、Pseudomonasの使用]、[Augustinら(1990)
FEMS Microbiol.Lett.66:203、Staphyloc
occus]、[Baranyら(1980)J.Bacteriol.144
:698;Harlander(1987)「Transformation
of Streptococcus lactis by electropo
ration」Streptococcal Genetics(J.Ferr
ettiおよびR.Curtiss III編);Perryら(1981)I
nfect.Immun.32:1295;Powellら(1988)App
l.Environ.Microbiol.54:655;Somkutiら(
1987)Proc.4th Evr.Cong.Biotechnology
1:412、Streptococcus]。
【0101】 (v.酵母発現) 酵母発現系もまた、当業者に公知である。酵母プロモーターは、酵母RNAポ
リメラーゼに結合し得そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)からmRNAへ
の下流の(3’側の)転写を開始し得る、任意のDNA配列である。プロモータ
ーは、通常、コード配列の5’末端の近位に位置する、転写開始領域を有する。
この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位(「TATAボックス
」)および転写開始部位を含む。酵母プロモーターはまた、上流アクチベーター
配列(UAS)と呼ばれる第2のドメインを有し得、これは、存在する場合、通
常、構造遺伝子に対して遠位にある。このUASは、調節された(誘導性)発現
を可能にする。構成的発現は、UASの非存在下で生じる。調節された発現は、
正または負のいずれかであり得、それによって、転写を増強または減少させ得る
【0102】 酵母は、活性な代謝経路を有する発酵性生物であり、従って、代謝経路におけ
る酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例として
は、以下が挙げられる:アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(欧州特許公開
番号284 044)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸
イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまた
はGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセ
リン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(欧州特許公開番号32
9 203)。酸性ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子もまた、有
用なプロモーター配列を提供する(Myanoharaら(1983)Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 80:1)。
【0103】 さらに、天然には生じない合成プロモーターもまた、酵母のプロモーターとし
て機能する。例えば、ある1つの酵母プロモーターのUAS配列を、別の酵母プ
ロモーターの転写活性化領域と連結し得、合成ハイブリッドプロモーターを生成
し得る。このようなハイブリッドプロモーターの例としては、GAP転写活性化
領域に連結されたADH調節配列(米国特許第4、876、197号および同第
4、880、734号)が挙げられる。ハイブリッドプロモーターの他の例とし
ては、GAPまたはPyKのような解糖系酵素遺伝子の転写活性化領域に結合さ
れた、ADH2、GAL4、GAL10またはPHO5遺伝子のいずれかの調節
配列からなるプロモーターが挙げられる(欧州特許公開番号164 556)。
さらに、酵母プロモーターには、酵母RNAポリメラーゼと結合しそして転写を
開始する能力を有する、非酵母起源の天然に存在するプロモーターが含まれ得る
。このようなプロモーターの例としては、とりわけ、以下が挙げられる:(Co
henら、(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77
:1078;Henikoffら(1981)Nature 283:835;
Hollenbergら(1981)Curr.Topics Microbi
ol.Immunol.96:119;Hollenbergら(1979)「
The Expression of Bacterial Antibiot
ic Resistance Genes in the Yeast Sac
charomyces cerevisiae」、Plasmids of M
edical、Environmental and Commercial
Importance(K.N.TimmisおよびA.Puhler編);M
ercerau−Puigalonら(1980)Gene 11:163;P
anthierら(1980)Curr.Genet.2:109;)。
【0104】 DNA分子は、酵母において、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、
DNA分子と直接連結され得、その場合、この組換えタンパク質のN末端にある
最初のアミノ酸は、常に、メチオニンであり、これが、ATG開始コドンによっ
てコードされている。所望の場合、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのイン
ビトロインキュベーションによって、このタンパク質から切断され得る。
【0105】 融合タンパク質は、酵母発現系について、ならびに哺乳動物、植物、バキュロ
ウイルスおよび細菌の発現系においての、代替物を提供する。通常、内因性酵母
タンパク質または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列を
、異種コード配列の5’末端に融合する。発現に際して、この構築物は、この2
つのアミノ酸配列の融合体を提供する。例えば、酵母またはヒトのスーパーオキ
シドジスムターゼ(SOD)遺伝子を、外来遺伝子の5’末端に連結し、そして
酵母において発現させ得る。この2つのアミノ酸配列の連結部にあるDNA配列
は、切断部位をコードしてもよいし、コードしなくてもよい。例えば、欧州特許
公開番号196 056を参照のこと。別の例はユビキチン融合タンパク質であ
る。このような融合タンパク質は、外来タンパク質からユビキチンを切断するプ
ロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)部位を
好ましくは保持する、ユビキチン領域と共に作製される。従って、この方法を通
じて、ネイティブな外来タンパク質は、単離され得る(例えば、WO88/02
4066)。
【0106】 あるいは、外来タンパク質はまた、酵母における外来タンパク質の分泌を提供
するリーダー配列フラグメントから構成された融合タンパク質をコードする、キ
メラDNA分子を作製することによって、細胞から増殖培地へ分泌され得る。好
ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、リーダーフラ
グメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。リー
ダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎水
性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。
【0107】 適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌性酵母タンパク質の遺伝子(
例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(欧州特許公開番号012 873;日本国
公開公報62、096、086)およびA因子遺伝子(米国特許4、588、6
84))由来であり得る。あるいは、インターフェロンリーダーのような、酵母
における分泌もまた提供する、非酵母起源のリーダーが存在する(欧州特許公開
番号060 057)。
【0108】 好ましいクラスの分泌リーダーは、酵母α因子遺伝子のフラグメントを使用す
るリーダーであり、これは「プレ」シグナル配列、および「プロ」領域の両方を
含む。使用され得るこの型のα因子フラグメントは、完全長のプレ−プロα因子
リーダー(約83アミノ酸残基)および短縮されたα因子リーダー(通常約25
〜約50アミノ酸残基)を含む(米国特許4、546、083および4、870
、008;欧州特許公開番号324 274)。分泌を提供するα因子リーダー
フラグメントを使用するさらなるリーダーとしては、第1の酵母のプレ配列およ
び第2の酵母α因子からのプロ領域を用いて作製される、ハイブリッドα因子リ
ーダーが挙げられる(例えば、PCT公開番号WO89/02463を参照のこ
と)。
【0109】 通常、酵母に認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位置する
調節領域であり、そして従って、プロモーターと共にコード配列に隣接する。こ
れらの配列は、mRNAの転写を指向し、このmRNAが、そのDNAにコード
されるポリペプチドへと翻訳され得る。転写終結配列および他の酵母に認識され
る終結配列の例は、例えば、解糖酵素をコードする配列である。
【0110】 通常、上記の成分(プロモーター、リーダー(所望の場合)、目的のコード配
列および転写終結配列を含む)を、発現構築物に組み立てる。発現構築物は、し
ばしば、宿主(例えば、酵母または細菌)において安定に保持され得る染色体外
エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコンにおいて維持される。
このレプリコンは、2つの複製系を有し得、従って、これが、例えば、発現のた
めに酵母中で維持され、そしてクローニングおよび増幅のために原核生物宿主中
で維持されることを可能にする。このような酵母−細菌シャトルベクターの例と
しては、以下が挙げられる:YEp24(Botsteinら(1979)Ge
ne 8:17〜24)、pCl/1(Brakeら(1984)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 81:4642〜4646)、およびYR
p17(Stinchcombら(1982)J.Mol.Biol.158:
157)。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラ
スミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に、約5〜約20
0、そして通常、約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラ
スミドを含む宿主は、好ましくは、少なくとも約10個、そしてより好ましくは
、少なくとも約20個を有する。宿主に対するベクターおよび外来タンパク質の
効果に依存して、高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれかが選
択され得る。例えば、Brakeら、前出を参照のこと。
【0111】 あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、酵母のゲノムへ組み込
まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、酵
母の染色体と相同な少なくとも1つの配列を含み、そして好ましくは、この発現
構築物に隣接する2つの相同配列を含む。組み込みは、ベクターにおける相同な
DNAと酵母の染色体との間の組換えから生じるようである(Orr−Weav
erら(1983)Methods in Enzymol.101:228〜
245)。組み込みベクターは、そのベクター中に含有するための適切な相同配
列を選択することによって、酵母における特定の遺伝子座に指向され得る。Or
r−Weaverら、前出を参照のこと。1つ以上の発現構築物が組み込まれ得
、これが、おそらく、産生される組換えタンパク質のレベルに影響を与える(R
ineら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:
6750)。ベクターに含まれる染色体配列は、ベクターにおける単一セグメン
トとして存在し得るか(これは、ベクター全体の組み込みを生じる)、または染
色体における隣接セグメントに相同でかつベクターにおける発現構築物に隣接す
る2つのセグメントとして存在し得る(これは、発現構築物のみの安定した組み
込みを生じ得る)。
【0112】 通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、その形質転換された
酵母株の選択を可能にする、選択マーカーを含み得る。選択マーカーとしては、
、酵母宿主において発現され得る生合成遺伝子(例えば、ADE2、HIS4、
LEU2、TRP1およびALG7)ならびにG418耐性遺伝子が含まれ得、
それぞれ、酵母細胞にツニカマイシンおよびG418に対する耐性を付与する。
さらに、適切な選択マーカーはまた、金属のような毒性化合物の存在下において
増殖する能力を、酵母に提供し得る。例えば、CUP1の存在は、酵母が、銅イ
オンの存在下において増殖することを可能にする(Buttら(1987)Mi
crobiol.Rev.51:351)。
【0113】 あるいは、上記成分のうちのいくつかは、形質転換ベクターに組み立てられ得
る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて保持される
かまたは組み込みベクターに展開される、選択マーカーから構成される。
【0114】 発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込み
ベクターのいずれかであり、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。
例えば、外因性DNAを酵母宿主に導入する発現ベクターおよび方法は、とりわ
け、以下の酵母のために開発されてきた:Candida albicans(
Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142)、Can
dida maltosa(Kunzeら(1985)J.Basic Mic
robiol.25:141)、Hansenula polymorpha(
Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:34
59;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.20
2:302)、Kluyveromyces fragilis(Dasら(1
984)J.Bacteriol.158:1165)、Kluyveromy
ces lactis(De Louvencourtら(1983)J.Ba
cteriol.154:737;Van den Bergら(1990)B
io/Technology 8:135)、Pichia guilleri
mondii(Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol
.25:141)、Pichia pastoris(Creggら(1985
)Mol.Cell.Biol.5:3376;米国特許第4、837、148
号および同第4、929、555号)、Saccharomyces cere
visiae(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol
.153:163)、Schizosaccharomyces pombe(
BeachおよびNurse(1981)Nature 300:706)、お
よびYarrowia lipolytica(Davidowら(1985)
Curr.Genet.10:380471;Gaillardinら(198
5)Curr.Genet.10:49)。
【0115】 外因性DNAを酵母宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そ
して通常、スフェロプラストの形質転換またはアルカリ陽イオンで処理したイン
タクトな酵母細胞の形質転換が含まれる。形質転換の手順は、通常、形質転換さ
れる酵母の種によって変化する。例えば、以下を参照のこと:(Kurtzら(
1986)Mol.Cell.Biol.6:142;Kunzeら(1985
)J.Basic Microbiol.25:141;Candida);(
Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:34
59;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.20
2:302;Hansenula);(Dasら(1984)J.Bacter
iol.158:1165;De Louvencourtら(1983)J.
Bacteriol.154:1165;Van den Bergら(199
0)Bio/Technology 8:135;Kluyveromyces
);(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;
Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141
;米国特許第4、837、148号および同第4、929、555号;Pich
ia);(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.1
53:163 Saccharomyces);(BeachおよびNurse
(1981)Nature 300:706;Schizosaccharom
yces);(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:3
9;Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49;
Yarrowia)。
【0116】 (抗体) 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは、少なくとも1つの抗体結合
部位から構成されるポリペプチドまたはポリペプチド群をいう。「抗体結合部位
」は、内部表面形状および抗原のエピトープの特徴に相補的な電荷分布を有する
、3次元結合空間であり、これが、抗体と抗原の結合を可能にする。「抗体」は
、例えば、脊椎動物抗体、ハイブリッド抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、改変さ
れた抗体、単価抗体、Fabタンパク質、および単一ドメイン抗体を含む。
【0117】 本発明のタンパク質に対する抗体は、親和性クロマトグラフィー、免疫アッセ
イ、およびNeisseriaのタンパク質の識別/同定に有用である。
【0118】 本発明のタンパク質に対する抗体(ポリクローナルおよびモノクローナルの両
方)は、従来の方法によって調製され得る。一般に、このタンパク質は、最初に
、適切な動物、好ましくはマウス、ラット、ウサギ、またはヤギを免疫するため
に使用される。ウサギおよびヤギは、得られ得る血清の容量、および標識された
抗ウサギ抗体および抗ヤギ抗体の入手可能性に起因して、ポリクローナル血清の
調製のために好ましい。免疫は、一般的に、タンパク質を生理的食塩水(好まし
くはフロイント完全アジュバントのようなアジュバント)に混合または乳化し、
そして混合物または乳化物を非経口的に(一般的に皮下、または筋肉内に)注射
することによって、行われる。50〜200μg/注射の用量が、代表的に十分
である。免疫は、一般的に、2〜6週後に生理的食塩水(好ましくはフロイント
不完全アジュバントを用いて)中のタンパク質の1回以上の注射でブーストされ
る。あるいは、当該分野において公知の方法を使用するインビトロ免疫によって
抗体を産生し得、これは、本発明の目的にとっては、インビボ免疫に等しいと考
えられる。ポリクローナル抗血清は、免疫された動物からガラスまたはプラスチ
ック製の容器へ採血し、その血液を25℃で1時間インキュベートし、その後4
℃で2〜18時間インキュベートすることによって得られる。この血清は、遠心
分離(例えば1、000g、10分間)によって回収される。ウサギから、採血
1回につき約20〜50mlが得られ得る。
【0119】 モノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein(Nature
(1975)256:495〜96)の標準的方法、またはその改変版を使用し
て調製される。代表的には、マウスまたはラットが、上記のように免疫される。
しかし、血清を抽出するために動物から採血するよりも、脾臓(および必要に応
じていくつかの大きなリンパ節)が取り出され、そして単一の細胞へ解離される
。所望の場合、脾臓細胞は、(非特異的付着細胞の回収後)タンパク質抗原でコ
ーティングされたプレートまたはウェルへ細胞懸濁液を適用することによって、
スクリーニングされ得る。この抗原に特異的な膜結合免疫グロブリンを発現する
B細胞は、このプレートに結合し、そして残りの懸濁液によって、洗い落とされ
ない。得られるB細胞、または全ての解離された脾臓細胞は、次に骨髄腫細胞と
融合するように誘導されてハイブリドーマを形成し、そして選択培地(例えばヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、チミジン培地、「HAT」)において培養され
る。得られるハイブリドーマは、限界希釈によってプレーティングされ、そして
免疫する抗原に対して特異的に結合する(かつ関連しない抗原に結合しない)抗
体の産生についてアッセイされる。選択されたMAb分泌ハイブリドーマは、次
にインビトロ(例えば、組織培養瓶または中空線維リアクター中で)、またはイ
ンビボ(マウスにおける腹水として)のいずれかで培養される。
【0120】 所望の場合、抗体は(ポリクローナルまたはモノクローナルいずれであっても
)、従来技術を使用して標識され得る。適切な標識としては、以下が挙げられる
:発蛍光団、発色団、放射性原子(特に32Pおよび125I)、電子密度試薬、酵
素、および特異的結合パートナーを有するリガンド。酵素は、代表的に、その活
性によって検出される。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼは、通常、3、3
’、5、5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を青い色素へ変換するその能
力(分光光度計を用いて定量可能)によって、検出される。「特異的結合パート
ナー」とは、高い特異性でリガンド分子に結合し得るタンパク質をいい、例えば
、抗原およびそれに特異的なモノクローナル抗体の場合である。他の特異的結合
パートナーは、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、IgGおよ
びプロテインA、ならびに当該分野において公知の多くのレセプター−リガンド
結合体を含む。同じ標識がいくつかの異なる様式で働き得るので、上記が、種々
の標識を別個のクラスへ分類することを意味しないことは、理解されるべきであ
る。例えば、125Iは、放射性標識として、または電子密度試薬として働き得る
。HRPは、酵素として、またはMAbについての抗原として働き得る。さらに
、所望の効果のために、種々の標識を組合せ得る。例えば、MAbおよびアビジ
ンはまた、本発明の実施において、標識を必要とする。従って、MAbをビオチ
ンで標識して、そして125Iで標識したアビジン、またはHRPで標識した抗ビ
オチンMAbで、その存在を検出し得る。他の並べ替えおよび可能性は、当業者
に容易に明らかであり、そして本発明の範囲内で等価であると考えられる。
【0121】 (薬学的組成物) 薬学的組成物は、本発明のポリペプチド、抗体または核酸のいずれかを含み得
る。この薬学的組成物は、治療上有効な量の、本願発明のポリペプチド、抗体、
またはポリヌクレオチドのいずれかを含む。
【0122】 本明細書において使用される場合、用語「治療上有効な量」とは、所望の疾患
または状態を処置、改善、または予防するための治療薬剤の量、または、検出可
能な治療効果または予防効果を示すための治療薬剤の量をいう。この効果は、例
えば、キメラマーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療効果はまた
、体温低下のような、身体の症状における減少を含む。被験体に関する正確な有
効量は、被験体の大きさおよび健康、状態の性質および程度、および投与のため
に選択される治療剤または治療剤の組合せに依存する。従って、あらかじめ正確
な有効量を特定することは有用ではない。しかし、所定状況のための有効量は、
慣用的な実験によって決定され得、そして臨床医の判断内である。
【0123】 本発明の目的のために、有効な用量は、DNA構築物が投与される個体におい
て、約0.01mg/kg〜50mg/kgまたは0.05mg/kg〜約10
mg/kgのDNA構築物である。
【0124】 薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的
に受容可能なキャリア」とは、抗体またはポリペプチド、遺伝子、および他の治
療薬剤のような、治療薬剤の投与のためのキャリアをいう。この用語は、この組
成物を受け取る個体に有害な抗体の産生をそれ自体は誘導しない、任意の薬学的
キャリアをいい、そして、過度の毒性を伴わずに投与され得る。適切なキャリア
は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸
コポリマー、および不活性ウイルス粒子のような、大きく、ゆっくり代謝される
高分子であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。
【0125】 薬学的に受容可能な塩が、その中で使用され得る。例えば、塩酸塩、臭化水素
塩、リン酸塩、硫酸塩などのような鉱酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マ
ロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩である。薬学的に受容可能な賦形
剤の徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical
Sciences(Mack Pub.Co.、N.J.1991)にて入手
可能である。
【0126】 治療組成物における薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理的食塩水、グリ
セロールおよびエタノールのような液体を含み得る。さらに、湿潤剤または乳化
剤、pH緩衝物質などのような補助物質が、このようなビヒクルに存在し得る。
代表的には、治療組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして、注射可能
物質として調製される;注射前に液体ビヒクルに溶解または懸濁するのに適切な
固体形態もまた、調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの
定義中に含まれる。
【0127】 (送達方法) 一旦処方されると、本発明の組成物は、その被験体へ直接投与され得る。処置
される被験体は、動物であり得;特に、ヒト被験体が処置され得る。
【0128】 その組成物の直接送達は、一般的に、皮下、腹腔、静脈内、または筋肉内のい
ずれかでの注入によって達成されるか、あるいは、組織の間隙空間へ送達される
。この組成物はまた、病巣へ投与され得る。他の投与様式には、経口投与、およ
び肺投与、坐剤、および経皮(transdermal)適用または経皮(tr
anscutaneous)適用(例えば、WO98/20734を参照のこと
)、針、および遺伝子銃またはハイポスプレー(hypospray)が含まれ
る。投薬処置は、単回用量スケジュール、または多数回用量スケジュールであり
得る。
【0129】 (ワクチン) ワクチンは、免疫抗原、免疫原、ポリペプチド、タンパク質または核酸を、通
常「薬学的に受容可能なキャリア」とともに含み、このキャリアは、その組成物
を受ける個体に有害である抗体の産生をそれ自体は誘発しない任意のキャリアを
含む。適切なキャリアは、代表的に、大きく、ゆっくり代謝される高分子(例え
ば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸
コポリマー、脂質凝集物(例えば、油小滴またはリポソーム)、および不活性ウ
イルス粒子である。このようなキャリアは、当業者に周知である。さらに、これ
らのキャリアは免疫刺激薬剤(「アジュバント」)として機能し得る。さらに、
この抗原または免疫原は、細菌毒素(例えば、ジフテリア、破傷風、コレラ、H
.pyloriなどの病原体由来の毒素)と結合体化され得る。
【0130】 この組成物の効力を増強するために好ましいアジュバントは、(1)アルミニ
ウム塩(「ミョウバン」)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム
、硫酸アルミニウムなど)、(2)水中油懸濁処方物(他の特定の免疫刺激薬剤
(例えば、ムラミルペプチド(以下を参照のこと)または細菌細胞壁成分)を含
むか含まない)を含むが、それらに限定されず、例えば、以下:(a)5%スク
アレン、0.5% Tween 80、および0.5% Span85(必要に
応じて、種々の量のMTP−PE(以下を参照のこと)を含有するが、必要では
ない)を含み、モデル110Yマイクロフルイダイザー(Microfluid
ics、Newton、MA)のようなマイクロフルイダイザーを用いてμ未満
の粒子へと処方された、MF59TM(WO90/14837;Vaccine
design:the subunit and adjuvant appr
oach、PowellおよびNewman編、Plenum Press 1
995の第10章);(b)μ未満のエマルジョンへと微小流体化されたか、ま
たはボルテックスして、より大きな粒子径エマルジョンを生成したかのいずれか
である、10%スクアレン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロッ
クポリマーL121、およびthr−MDP(以下を参照のこと)を含有する、
SAF、ならびに(c)2%スクアレン、0.2%Tween80、およびモノ
ホスホリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞
壁骨格(CWS)、好ましくはMPLおよびCWS(DetoxTM)からなる群
由来の1つ以上の細菌細胞壁成分を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)
、(Ribi Immunochem、Hamilton、MT);(3)サポ
ニンアジュバント(例えば、StimulonTM)(Cambridge Bi
oscience、Worcester、MA)を使用し得るか、またはそれか
ら粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激性複合体)を生成し得る;(4)完全フ
ロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA
);(5)サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL
−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インター
フェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(
M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;および(6)その組成物の効力を
強化するための免疫刺激剤として作用する他の物質を含むが、それらに限定され
ない。ミョウバンおよびMF59TMが好ましい。
【0131】 上記で言及したように、ムラミルペプチドは、N−アセチル−ムラミル−L−
スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラ
ミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、N−アセチルムラ
ミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’
−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチ
ルアミン(MTP−PE)などを含むが、それらに限定されない。
【0132】 免疫原性組成物(例えば、免疫抗原/免疫原/ポリペプチド/タンパク質/核
酸、薬学的に受容可能なキャリア、およびアジュバント)は、代表的に、希釈剤
(例えば、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなど)を含有する。さら
に、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など)が、このよう
なビヒクルにおいて存在し得る。
【0133】 代表的に、免疫原性組成物は、液体溶液または懸濁物のいずれかとして、注射
剤として調製され;注射前に液体ビヒクルにおける溶液または懸濁物として適切
な固体形態もまた調製され得る。この調製物はまた、薬学的に受容可能なキャリ
アの下で、上記に記載のように、アジュバント効果の強化のために乳化され得る
かまたはリポソーム中にカプセル化され得る。
【0134】 ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原性ポリペ
プチドまたは免疫原性ポリペプチド、および任意の他の上記の成分を必要に応じ
て含む。「免疫学的有効量」とは、個体へのその量の投与が、単回用量であれ、
一連の(用量の)一部としてであれ、処置または予防に有効であることを意味す
る。この量は、処置される個体の健康および身体状態、処置される個体の分類学
上の群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する
能力、所望される防御の程度、そのワクチンの処方、医療的状況の処置する医師
の評価、および他の関連する因子に依存して変動する。その量は、比較的広い範
囲にあり、この量が慣用的な試行を通して決定され得ることが予想される。
【0135】 免疫学的組成物は、従来のように、非経口的(例えば、皮下、筋肉内または経
皮(transudermally)/経皮(transucutaneous
ly)のいずれかでの注射による)に投与される(例えば、WO98/2073
4)。他の投与様式に適切なさらなる処方物は、経口処方物および肺処方物、坐
剤、ならびに経皮適用を含む。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは多数回
用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤と組み合わせて投与
され得る。
【0136】 タンパク質ベースのワクチンの代替として、DNAワクチンが使用され得る(
例えば、RobinsonおよびTorres(1997)Seminars
in Immunology 9:271−283;Donnellyら(19
97)Annu Rev Immunol 15:617−648;本明細書以
下を参照のこと)。
【0137】 (ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの薬学的組成物) 上記に記載の薬学的に受容可能なキャリアおよび塩に加えて、以下のさらなる
薬剤がポリヌクレオチド組成物および/またはポリペプチド組成物とともに使用
され得る。
【0138】 (A.ポリペプチド) 1つの例は、限定することなく以下を包含するポリペプチドである:アシアロ
オロソムコイド(ASOR);トランスフェリン;アシアロ糖タンパク質;抗体
;抗体フラグメント;フェリチン;インターロイキン;インターフェロン;顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子
(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、幹細胞因子
およびエリスロポエチン。ウイルス抗原(例えば、エンベロープタンパク質)も
また、使用され得る。また、他の侵襲性生物由来のタンパク質(例えば、RII
として知られる熱帯熱マラリア原虫(plasmodium falcipar
um)のサーカムスポロゾイト(circumsporozoite)タンパク
質由来の17アミノ酸ペプチド)。
【0139】 (B.ホルモン、ビタミンなど) 包含され得る他の群は、例えば、ホルモン、ステロイド、アンドロゲン、エス
トロゲン、甲状腺ホルモン、またはビタミン、葉酸である。
【0140】 (C.ポリアルキレン、ポリサッカリドなど) また、ポリアルキレングリコールが、所望のポリヌクレオチド/ポリペプチド
とともに含まれ得る。好ましい実施態様において、ポリアルキレングリコールは
、ポリエチレングリコールである。さらに、モノサッカリド、ジサッカリド、ま
たはポリサッカリドが含有され得る。この局面の好ましい実施態様において、こ
のポリサッカリドは、デキストランまたはDEAE−デキストランである。また
、キトサンおよびポリ(乳酸−コ−グリコリド) (D.脂質およびリポソーム) 所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドはまた、被験体またはそれに由来する
細胞への送達の前に、脂質中にカプセル化され得るか、またはリポソーム中にパ
ッケージングされ得る。
【0141】 脂質カプセル化は、一般的に核酸に安定に結合し得るかまたは核酸を捕捉およ
び維持し得る、リポソームを用いて達成される。縮合ポリヌクレオチドの脂質調
製物に対する比は、変動し得るが、一般的に約1:1(mgDNA:マイクロモ
ル脂質)であるか、またはより多くの脂質である。核酸の送達のためのキャリア
としてリポソーム使用の概説については、HugおよびSleight(199
1)Biochim.Biophys.Acta.1097:1−17;Str
aubinger(1983)Meth.Enzymol.101:512−5
27を参照のこと。
【0142】 本発明における使用のためのリポソーム調製物は、カチオン性(正に荷電した
)調製物、アニオン性(負に荷電した)調製物および中性調製物を包含する。カ
チオン性リポソームは、機能的な形態で、プラスミドDNA(Felgner(
1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−
7416);mRNA(Malone(1989)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 86:6077−6081;および精製した転写因子(D
ebs(1990)J.Biol.Chem.265:10189−10192
)の細胞内送達を媒介することが示されている。
【0143】 カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2、3−ジ
オレイルオキシ)プロピル]−N、N、N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは、GIBCO BRL、Grand Island、NYから
の商標リポフェクチン(Lipofectin)の下で入手可能である(Feg
ner前出もまた参照のこと)。他の市販されているリポソームとしては、トラ
ンスフェクテース(transfectace)(DDAB/DOPE)および
DOTAP/DOPE(Boerhinger)が挙げられる。他のカチオン性
リポソームは、当該分野で周知の技法を使用して、容易に利用可能な物質から調
製され得る。例えば、DOTAP(1、2−ビス(オレイルオキシ)−3−(ト
リメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載について、Szoka
(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:4194
−4198;WO90/11092を参照のこと。
【0144】 同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avant
i Polar Lipids(Birmingham、AL)から容易に入手
可能であるか、または容易に入手可能な物質を使用してたやすく調製され得る。
このような物質としては、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、
ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOP
C)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホ
スファチジルエタノールアミン(DOPE)などが挙げられる。これらの物質は
また、適切な比率のDOTMA出発物質およびDOTAP出発物質と混合され得
る。これらの物質を使用してリポソームを作製する方法は、当該分野で周知であ
る。
【0145】 このリポソームとしては、多重膜リポソーム(MLV)、小さな単膜リポソー
ム(SUV)、または大きな単膜リポソーム(LUV)が挙げられ得る。種々の
リポソーム−核酸複合体は当該分野で公知の方法を使用して調製され得る。例え
ば、Straubinger(1983)Meth.Immunol.101:
512−527;Szoka(1978)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 75:4194−4198;Papahadjopoulos(1
975)Biochim.Biophys.Acta 392:483;Wil
son(1979)Cell 17:77);DeamerおよびBangha
m(1976)Biochim.Biophys.Acta 443:629;
Ostro(1977)Biochem.Biophys.Res.Commu
n.76:836;Fraley(1979)Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 76:3348);EnochおよびStrittmatte
r(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:145
;Fraley(1980)J.Biol.Chem.(1980)255:1
0431;SzokaおよびPapahadjopoulos(1978)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 75:145;ならびにScha
efer−Ridder(1982)Science 215:166を参照の
こと。
【0146】 (E.リポタンパク質) さらに、リポタンパク質が、送達されるポリヌクレオチド/ポリペプチドと共
に含まれ得る。利用されるリポタンパク質の例としては、カイロミクロン、HD
L、IDL、LDL、およびVLDLが挙げられる。これらのタンパク質の変異
体、フラグメント、または融合物もまた、使用され得る。また、天然に存在する
リポタンパク質の改変体(例えば、アセチル化されたLDL)が使用され得る。
これらのリポタンパク質は、リポタンパク質レセプターを発現する細胞へのポリ
ヌクレオチドの送達を標的化し得る。好ましくは、リポタンパク質が、送達され
るポリヌクレオチドと共に含まれる場合、他の標的化リガンドはその組成物中に
は含まれない。
【0147】 天然に存在するリポタンパク質は、脂質部分およびタンパク質部分を含む。こ
のタンパク質部分は、アポタンパク質として知られる。現在では、アポタンパク
質A、B、C、D、およびEが単離および同定されている。少なくともこれらの
2つはいくつかのタンパク質を含み、ローマ数字、AI、AII、AIV;CI
、CII、CIIIによって命名されている。
【0148】 1つのリポタンパク質は、1つより多くのアポタンパク質を含み得る。例えば
、天然に存在するカイロミクロンはA、B、C、およびEから構成され、時間が
経てばこれらのリポタンパク質はAを欠失し、そしてCおよびEアポタンパク質
を獲得する。VLDLは、A、B、C、およびEアポタンパク質を含み、LDL
はアポタンパク質Bを含み;そしてHDLはアポタンパク質A、C、およびEを
含む。
【0149】 これらのアポタンパク質のアミノ酸は公知であり、そして例えば、Bresl
ow(1985)Annu Rev.Biochem 54:699;Law(
1986)Adv.Exp.Med.Biol.151:162;Chen(1
986)J Biol Chem 261:12918;Kane(1980)
Proc Natl Acad Sci USA 77:2465;およびUt
ermann(1984)Hum Genet 65:232に記載されている
【0150】 リポタンパク質は、トリグリセリド、コレステロール(遊離およびエステル)
、およびリン脂質を含む、種々の脂質を含む。この脂質の組成は、天然に存在す
るリポタンパク質において変化する。例えば、カイロミクロンは主としてトリグ
リセリドを含む。天然に存在するリポタンパク質の脂質含有物のより詳細な記載
は、例えば、Meth.Enzymol.128(1986)に見いだされ得る
。この脂質の組成は、レセプター結合活性についてアポタンパク質の立体構造を
補助するように選択される。脂質組成はまた、ポリヌクレオチド結合分子との疎
水性相互作用および会合を容易にするように選択され得る。
【0151】 天然に存在するリポタンパク質は、例えば、血清から超遠心分離によって単離
され得る。そのような方法は、Meth.Enzymol.(前出);Pita
s(1980)J.Biochem.255:5454−5460およびMah
ey(1979)J Clin.Invest 64:743−750に記載さ
れる。リポタンパク質はまた、インビトロ方法によってかまたは所望の宿主細胞
中のアポタンパク質遺伝子の発現により組換え方法によって産生され得る。例え
ば、Atkinson(1986)Annu Rev Biophys Che
m 15:403およびRadding(1958)Biochim Biop
hys Acta 30:443を参照のこと。リポタンパク質はまた、Bio
medical Techniologies、Inc.、Stoughton
、Massachusetts、USAのような商業的な供給者から購入され得
る。さらなるリポタンパク質の記載は、Zuckermannら、PCT/US
97/14465にて見い出され得る。
【0152】 (F.ポリカチオン性薬剤) ポリカチオン性薬剤は、送達される所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドを
含む組成物中に、リポタンパク質を伴ってかまたはリポタンパク質を伴わずに含
まれ得る。
【0153】 ポリカチオン性薬剤は、代表的には、生理的に適切なpHにおいて正味の正電
荷を示し、そして所望の位置への送達を容易にするために核酸の電荷を中和し得
る。これらの薬剤は、インビトロ適用、エキソビボ適用、およびインビボ適用の
いずれも有する。ポリカチオン性薬剤は、生きている被験体に、筋肉内、皮下な
どのいずれかで核酸を送達するために使用され得る。
【0154】 以下は、ポリカチオン性薬剤として有用なポリペプチドの例である:ポリリジ
ン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、およびプロタミン。他の例としては、ヒ
ストン、プロタミン、ヒト血清アルブミン、DNA結合タンパク質、非ヒストン
染色体タンパク質、DNAウイルス由来のコートタンパク質(例えば、X174
)が挙げられる。転写因子もまた、DNAに結合するドメインを含み、従って核
酸縮合薬剤として有用であり得る。手短に言えば、転写因子(例えば、C/CE
BP、c−jun、c−fos、AP−1、AP−2、AP−3、CPF、Pr
ot−1、Sp−1、Oct−1、Oct−2、CREP、およびTFIID)
は、DNA配列に結合する塩基性ドメインを含む。
【0155】 有機ポリカチオン性薬剤としては、スペルミン、スペルミジン、およびプトレ
シン(purtrescine)が挙げられる。
【0156】 ポリカチオン性薬剤の大きさおよびその物理的特性は、上記の表から推定され
て、他のポリペプチドポリカチオン性薬剤が構築され得るか、または合成ポリカ
チオン性薬剤が産生され得る。
【0157】 有用な合成ポリカチオン性薬剤としては、例えば、DEAE−デキストラン、
ポリブレンが挙げられる。LipofectinTM、およびlipofectA
MINETMは、ポリヌクレオチド/ポリペプチドと組み合わせた場合にポリカチ
オン性複合体を形成するモノマーである。
【0158】 (核酸ハイブリダイゼーション) 「ハイブリダイゼーション」とは、水素結合による2つの核酸配列の互いに対
する会合をいう。代表的には、1つの配列は、固体支持体に固定され、そして他
方は溶液中で遊離している。次いで、2つの配列は水素結合に好ましい条件下で
互いに接触される。この結合に影響を与える因子としては以下が挙げられる:溶
媒のタイプおよび容量;反応温度;ハイブリダイゼーションの時間;撹拌;液体
相の配列の固体支持体への非特異的な付着をブロックする薬剤(Denhard
t’s試薬またはBLOTTO);配列の濃度;配列の会合の速度を増大させる
化合物(硫酸デキストランまたはポリエチレングリコール)の使用;およびハイ
ブリダイゼーション後の洗浄条件のストリンジェンシー。Sambrookら(
前出)第2巻、第9章、9.47〜9.57頁を参照のこと。
【0159】 「ストリンジェンシー」とは、異なる配列よりも非常に類似する配列の会合に
好ましいハイブリダイゼーション反応における条件をいう。例えば、研究中のハ
イブリッドの計算されたTmより約120〜200℃低い温度および塩濃度の組
み合わせが選択されるべきである。温度および塩条件はしばしば、フィルターに
固定したゲノムDNAのサンプルが目的の配列にハイブリダイズし、次いで異な
るストリンジェンシーの条件下で洗浄される、予備的な実験において経験的に決
定され得る。Sambrookら、9.50頁を参照のこと。
【0160】 例えば、サザンブロットを行う場合、考慮する変数は、(1)ブロットされる
DNAの複雑さ、および(2)プローブおよび検出される配列の間の相同性であ
る。研究されるフラグメントの全量は、プラスミドまたはファージ消化物につい
ては0.1〜1μg、高度に複雑な真核生物ゲノム中の単一コピー遺伝子につい
ては10-9〜10-8gまで、10倍変化し得る。より低い複雑さのポリヌクレオ
チドについては、実質的により短いブロッティング、ハイブリダイゼーション、
および曝露時間、より少量の出発ポリヌクレオチド、およびより低い非活性のプ
ローブが使用され得る。例えば、単一コピーの酵母遺伝子は、1μgの酵母DN
Aで開始し、2時間ブロットし、そして4〜8時間108cpm/μgを用いて
ハイブリダイズして、わずか1時間の曝露時間を用いて検出され得る。単一コピ
ーの哺乳動物遺伝子について、保存性のアプローチは、10μgのDNAで開始
し、一晩ブロットし、そして108cpm/μgより多いプローブを用いて10
%硫酸デキストランの存在下で一晩ハイブリダイズし、約24時間露光時間を生
じる。
【0161】 いくつかの因子が、プローブと目的のフラグメントとの間のDNA−DNAハ
イブリッドの融解温度(Tm)、ならびに、結果として、ハイブリダイゼーショ
ンおよび洗浄についての適切な条件に影響を与え得る。多くの場合において、そ
のプローブはフラグメントに対して100%相同なわけではない。他の共通して
直面する変化には、ハイブリダイズする配列の長さおよび全G+C含量、ならび
にイオン強度およびハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド含量が含まれ
る。これらのすべての因子の効果は、一つの式によって近似され得る: Tm=81+16.6(log10Ci)+0.4[%(G+C)]−0.6
(%ホルムアミド)−600/n−1.5(%ミスマッチ)。 ここでCiは塩濃度(一価イオン)であり、そして塩基対内のハイブリッドの長
さである(MeinkothおよびWahl(1984)Anal.Bioch
em.138:267/284からわずかに改変した)。
【0162】 ハイブリダイゼーション実験の設計において、核酸ハイブリダイゼーションに
影響を与えるいくつかの因子が簡便に変更され得る。ハイブリダイゼーションお
よび洗浄の温度ならびに洗浄時の塩濃度を調整するのが最も単純である。ハイブ
リダイゼーション温度(すなわち、ストリンジェンシー)が上昇するにつれて、
非相同的な鎖の間で起こるハイブリダイゼーションは起こりにくくなるようであ
り、結果として、バックグラウンドが減少する。放射標識したプローブが固定化
されたフラグメントと完全に相同ではない場合(遺伝子ファミリーおよび種間の
ハイブリダイゼーション実験における場合で頻繁であるように)、ハイブリダイ
ゼーション温度は低下されなければならず、そしてバックグラウンドが増大する
。洗浄の温度は、類似の様式で、ハイブリダイゼーションバンドの強度、および
バックグラウンドの程度に影響を与える。洗浄のストリンジェンシーはまた、塩
濃度の減少とともに増大する。
【0163】 一般的に、50%ホルムアミドの存在下で都合よいハイブリダイゼーション温
度は、標的フラグメントに95%〜100%相同であるプローブについて42℃
、90%〜95%相同性では37℃、85%〜90%相同性については32℃で
ある。より低い相同性については、上記の式を用いて、適切にホルムアミド含量
が低くされ、そして温度が調整されるべきである。プローブと標的フラグメント
との間の相同性が未知である場合、最も単純なアプローチは、ともにストリンジ
ェントではないハイブリダイゼーション条件および洗浄条件で開始することであ
る。オートラジオグラフィー後に非特異的バンドまたは高いバックグラウンドが
観察される場合、フィルターは高ストリンジェンシーで洗浄され得、そして再び
露光され得る。露光のために必要な時間がこのアプローチを非実用的にする場合
、いくつかのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄ストリンジェンシーが
並行して試験されるべきである。
【0164】 (発明を実施するための形態) (髄膜炎菌の(meningococcal)80〜85kDaのタンパク質
の同定) N.meningitidis血清群B由来の種々の外膜の小胞調製物は、約
80〜85kDaの成分を含んでいたことが観察された。このタンパク質を、S
DS−PAGEゲルから精製し、そしてN末端を配列決定した(配列番号1)。
【0165】 抗体は、SDS−PAGEで精製した50より多くの様々な血清群および血清
型のN.meningitidis株における等価のタンパク質と交差反応した
タンパク質に対して惹起させた。N.gonorrhoeae、N.polys
accharia、およびN.lactamicaとの交差反応もまた、観察し
た。ワクチン接種された患者由来の免疫後血清もまた、このタンパク質と反応し
た。
【0166】 完全な遺伝子を、血清群BのN.meningitidis(配列番号2)か
らクローン化し、そしてコードされたタンパク質を、推定した(配列番号3)。
上記のN末端の配列決定との比較により、シグナルペプチド(配列番号4)およ
び成熟配列(配列番号5)を推定する。
【0167】 (N.meningitidis血清群AおよびN.gonorrhoeae
における対応する遺伝子の同定) 血清群BのN.meningitidis配列に基づいて、N.mening
itidis血清群AおよびN.gonorrhoeae由来の対応する遺伝子
をクローン化し、そして配列決定した(「ORF」と称される)。
【0168】 血清群AのN.meningitidis由来の完全な遺伝子を、配列番号6
に示し、このコードされたタンパク質を配列番号7に示す。このシグナルペプチ
ドおよび成熟配列は、配列番号8および配列番号9である。
【0169】 N.gonorrhoeae由来の完全な遺伝子を、配列番号10に示し、こ
のコードされたタンパク質を配列番号11に示す。このシグナルペプチドおよび
成熟配列は、配列番号12および配列番号13である。
【0170】 (配列比較) これらのタンパク質の配列を比較した。これらの配列は、非常に相同である。
【0171】 N.meningitidis血清群Bの配列およびN.gonorrhoe
aeの配列は、797aaの重複において、95.4%の同一性を示す:
【0172】
【化4】 N.meningitidis血清群Aの配列およびBの配列は、797aa
の重複において、99.9%の同一性を示す:
【0173】
【化5】 この高度な保存は、単一のタンパク質が、種々のNesseriae種に対す
る免疫応答を誘導し得ることを、示唆する。
【0174】 (クローニング、発現、および精製) N.meningitidis株2996およびMC58を、100mlのG
C培地中で対数期まで増殖させて、遠心分離により収集し、そして5mlの緩衝
液(20%w/vのスクロース、50mMのTris−HCl、50mMのED
TA、pH8)中に再懸濁した。氷上で10分間のインキュベション後、この細
菌を10mlの溶解液(50mMのNaCl、1%のNa−サルコシル、50μ
g/mlのプロテイナーゼ(Proteinase)K)を添加することにより
溶解し、この懸濁液を37℃で2時間インキュベートした。2回のフェノール抽
出および1回のCHCl3/イソアミルアルコール(24:1)抽出を行った。
DNAを、0.3Mの酢酸ナトリウムおよび2容量のエタールの添加により沈殿
させ、遠心分離により収集した。このペレットを、70%(w/v)のエタノー
ルで1回洗浄し、そして4.0mlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl
、1mMのEDTA、pH8.0)に再溶解した。このDNA濃度をOD260
読みとることにより測定した。
【0175】 ORF21(これは、リーダーペプチドをコードする配列を有さない)を、以
下のオリゴヌクレオチドヌクレオチドを用いてPCRにより増幅した: orf21 順方向 <配列番号105>(BamH1−Nde1) orf21 逆方向 <配列番号106>(Xho1) この増幅産物(ORF21に対応する)のクローニングを、2つの発現ベクタ
ー(N末端にGST融合物を有するためのpGEX−KG(BamH1−Xho
1を用いる)およびC末端にHis融合物を有するためのpET21b+(Nd
e1−Xho1を用いる))中へ指向させるために、5’プライマーは、2つの
制限部位(BamH1−Nde1)を含み、3’プライマーは、Xho1制限部
位を含む。
【0176】 標準的なPCRプロトコールは、以下であった:2996もしくはMC58株
由来の200ngのゲノムDNAまたは組換えクローンの10ngのプラスミド
DNA調製物を、40μgMの各オリゴヌクレオチドヌクレオチドプライマー、
400〜800μMのdNTP溶液、1×PCR緩衝液(1.5mMのMgCl 2 を含む)、2.5ユニットのTaqI DNAポリメラーゼ(Perkin−
Elmer AmpliTaQ、Boehringher Mannheim
ExpandTM Long Template)存在下でテンプレートとして用
いた。
【0177】 総混合物の95℃での予備的な3分間のインキュベーション後、各サンプルを
、2工程の増幅に供した:最初の5サイクルを、プライマー(Tm1)の制限酵素
尾部を除外したハイブリダイゼーションテンプレートを用いて実施した。続いて
、完全長オリゴ(Tm2)について算出したハイブリダイゼーション温度に従って
30サイクル行った。伸長時間は、68℃または72℃で実施し、増幅されるべ
きOrfの長さに従って変化させた。Orf1の場合、この伸長時間を、3分間
から開始し、各サイクルで15秒増加させた。このサイクルを、72℃での10
分間の伸長工程で完了させた。
【0178】 増幅したDNAを、1%アガロースゲル上に直接ロードした。正確なサイズの
このバンドに対応するDNAフラグメントを、Qiagen Gel Extr
action Kitを用いて、製造業者のプロトコールに従って、ゲルから精
製した。
【0179】 この増幅されたフラグメントに対応する精製したDNAを、pET−21b+
またはpET22b+中へクローニングするために、適切な制限酵素を用いて消
化した。消化したフラグメントを、QIAquick PCR精製キットを用い
て(製造業者の指示書に従って)精製し、H2Oまたは10mMのTris(p
H8.5)のどちらかで抽出した。プラスミドベクターを、適切な制限酵素を用
いて消化し、1.0%のアガロースゲル上にロードし、そしてこの消化したベク
ターに対応するこのバンドを、Qiagen QIAquick Gel Ex
traction Kitを用いて精製した。
【0180】 既に消化して精製した各遺伝子に対応するフラグメントを、pET−21b+
またはpET22b+中に連結した。3:1のモル比のフラグメント/ベクター
を、製造業者より供給されるライゲーション緩衝液中でT4 DNAリガーゼと
ともに用いた。
【0181】 組換えプラスミドを、リガーゼ反応溶液および細菌を、氷上で40分間、次い
で、37℃で3分間、インキュベートすることにより、コンピテントE.col
i DH5またはHB101中に形質転換した。続いて、800μlのLBブロ
スを添加し、そして37℃で20分間、インキュベートした。この細胞を、エッ
ペンドルフ微量遠心管(Eppendorf microfuge)中で最高速
度で遠心分離し、約200μlの上清中に再懸濁し、そしてLBアンピシリン(
100mg/ml)アガロース上にプレートした。
【0182】 組換えクローンについてのスクリーニングを、ランダムに選んだコロニーを、
4.0mlのLBブロスおよび100μgのアンピシリン中で37℃で一晩増殖
させることにより、実施した。細胞をペレット化し、プラスミドDNAを、Qi
agen QIAprep Spin Miniprep Kitを用いて、製
造業者の指示書に従って抽出した。約1μgの各々のミニプレップを、適切な制
限酵素を用いて消化し、そして分子量マーカー(1kbのDNAラダー(Lad
der)、GIBCO)と同時に、この消化物を1〜1.5%アガロースゲル(
予測される挿入物のサイズに依存する)上にロードした。陽性のクローンを、挿
入物のサイズに応じて選択した。
【0183】 各遺伝子を発現ベクター中へクローニング後、組換えプラスミドを、組換えタ
ンパク質の発現に適切なE.coli株中に形質転換した。1μlの各構築物を
用いて、上記のようにE.coli BL21−DE3に形質転換した。単一の
組換えコロニーを、2mlのLB+Amp(100mg/ml)中でインキュベ
ートし、37℃で一晩インキュベートし、次いで100mlのフラスコの中で2
0mlのLB+Amp(100mg/ml)に1:30で希釈し、0.1と0.
2の間のOD600を得た。このフラスコを、回転水浴振盪機(gyratory
water bath shaker)で、OD600が、発現の誘導に適切な
指数増殖期を示す(0.4〜0.8 OD)まで、30℃または37℃でインキ
ュベートした。タンパク質発現を、1.0mM IPTGの添加によって誘導し
た。30℃または37℃での3時間のインキュベーション後、OD600を測定し
、そして発現を調べた。1.0mlの各サンプルを、微量遠心管中で遠心分離し
、このペレットをPBS中に再懸濁し、そしてSDS−PAGEおよびクマシー
ブルー染色により分析した。
【0184】 GST融合タンパク質を、発現させたが、これが、不溶性(すなわち、精製可
能ではない)であるべきでないことを見出した。His融合物を、不溶性タンパ
ク質として発現させた。
【0185】 His−融合物として精製した各クローンについて、単一のコロニーを、画線
し、そしてLB/Amp(100mg/ml)アガロースプレート上で一晩37
℃で増殖させた。このプレートから単離したコロニーを、20mlのLB/Am
p(100mg/ml)液体培地中に接種し、そして振盪しながら37℃で一晩
増殖させた。一晩の培養物を、1.0LのLB/Amp(100mg/ml)液
体培地中に1:30で希釈し、そしてOD550が、0.6〜0.8に達するまで
、最適な室温(30℃または37℃)で増殖させた。組換えタンパク質の発現を
IPTG(最終濃度1.0mM)の添加により誘導し、そして、培養物をさらに
3時間インキュベートした。細菌を、8000gで4℃にて15分間、遠心分離
することにより収集した。この細菌ペレットを7.5mlの緩衝液B(8Mの尿
素、10mMのTris−HCl、100mMのリン酸緩衝液、pH8.8)中
に再懸濁した。細胞を、Branson sonifier 450を用いる、
氷上で4回の40Wにて30秒間の超音波処理により破砕し、そして13000
×gで4℃にて30分間、遠心分離した。ペレットを、2.0mlの緩衝液C(
6Mの塩酸グアニジン、100mMのリン酸緩衝液、10mMのTris−HC
l、pH7.5)中に再懸濁し、10パス(passes)のDounceホモ
ジナイザーを用いて処理した。ホモジネートを、13000×gで30分間遠心
分離し、そしてその上清を残した。上清を、150μlのNi2+樹脂(既に、緩
衝液Bを用いて平衡化した)を用いて混合し、そして、穏やかに撹拌しながら室
温で30分間インキュベートした。この樹脂は、Chelating Seph
arose Fast Flow(Pharmacia)であり、製造業者のプ
ロトコールに従って調製した。パッチ式(batch−wise)の調製物を、
700×gで4℃にて5分間、遠心分離し、そしてこの上清を廃棄した。この樹
脂を、10mlの緩衝液Bを用いて10分間、2回(パッチ式)洗浄し、1.0
mlの緩衝液B中に再懸濁し、そして使い捨てのカラムにロードした。この樹脂
を、貫流液のOD280が、0.02から0.01に達するまで、室温で緩衝液B
を用いて洗浄し続けた。この樹脂を、貫流液のOD280が、0.02から0.0
1に達するまで、緩衝液D(8Mの尿素、10mMのTris−HCl、100
mMのリン酸緩衝液、pH6.3)を用いてさらに洗浄し続けた。His融合タ
ンパク質を、700μlの抽出緩衝液B(8Mの尿素、10mMのTris−H
Cl、100mMのリン酸緩衝液、pH4.5)の添加により溶出し、そして画
分を、OD280が全ての組換えタンパク質が得られたことを示すまで、収集した
。各溶出画分の20μlのアリコートを、SDS−PAGにより分析した。タン
パク質濃度を、Bradford分析を用いて推定した。
【0186】 このタンパク質を再生するために、グリセロールを、上記で得た変性した画分
に添加して、10%v/vの最終濃度を得た。このタンパク質を、透析緩衝液I
(10%v/vのグリセロール、0.5Mのアルギニン、50mMのリン酸緩衝
液、5.0mMの還元型グルタチオン、0.5mMの酸化型グルタチオン、2.
0Mの尿素、pH8.8)を用いて200μg/mlまで希釈し、そして同じ緩
衝液に対して4℃にて12〜14時間、透析した。さらに、透析を、緩衝液II
(10%v/vのグリセロール、0.5Mのアルギニン、50mMのリン酸緩衝
液、5.0mMの還元型グルタチオン、0.5mMの酸化型グルタチオン、pH
8.8)を用いて200μg/mlまで希釈し、そして同じ緩衝液に対して4℃
にて12〜14時間、行った。タンパク質濃度を以下の式を用いて計算した: Protein(mg/ml)=(1.55×OD280)−(0.76×OD2 60 ) ORF21の免疫学的特徴付けについて、Balb/Cマウスを、0日目、2
1日目および35日目に抗原で免疫し、そして49日目に血清を分析した。
【0187】 ORF21は、以下のELISAアッセイにおいて陽性の結果を生じた:無莢
膜のMenB M7株および莢膜のある株を、チョコレートアガープレート上に
プレートし、そして5%CO2を用いて37℃で一晩インキュベートした。細菌
のコロニーをアガープレートから滅菌ドラコン(dracon)スワブを使用し
て収集し、そして0.25%グルコースを含有するMueller−Hinto
nブロス(Difco)中に接種した。細菌の増殖を30分毎に、OD620を追
跡することによりモニターした。細菌をODが0.4〜0.5の値に達するまで
増殖させた。培養物を10分間4000rpmで遠心分離した。上清を捨て、そ
して細菌をPBSで1回洗浄し、0.025%のホルムアルデヒドを含有するP
BS中に再懸濁し、そして37℃で1時間インキュベートし、次いで4℃で一晩
で攪拌しながらインキュベートした。100μlの細菌細胞を、96ウェルGr
einerプレートの各ウェルに添加し、そして4℃で一晩でインキュベートし
た。次いでそのウェルをPBT洗浄緩衝液(0.1% Tween−20含有P
BS)を用いて3回洗浄した。200μlの飽和緩衝液(2.7%のポリビニル
ピロリドン 10含有水)を各ウェルに添加し、そしてプレートを37℃で2時
間インキュベートした。ウェルをPBTで3回洗浄した。200μlの希釈血清
(希釈緩衝液:1% BSA、0.1% Tween−20、0.1% NaN 3 を含有するPBS)を各ウェルに添加し、そしてそのプレートを37℃で90
分間インキュベートした。ウェルをPBTで3回洗浄した。1:2000に希釈
した100μlのHRP−結合体化ウサギ抗マウス(Dako)血清を含有する
希釈緩衝液を、各ウェルに添加し、そしてこのプレートを37℃で90分間イン
キュベートした。ウェルを、PBT緩衝液で3回洗浄した。HRPに対する10
0μlの基質緩衝液(25mlのクエン酸緩衝液、pH5、10mgのO−フェ
ニルジアミンおよび10μlのH22)を各ウェルに添加し、そしてこのプレー
トを室温で20分間放置した。100μlの12.5% H2SO4を各ウェルに
添加し、そしてOD490を追跡した。得られたOD490値が免疫前血清のレベルを
超える0.4である血清の希釈としてELISA力価を勝手に計算した。OD49 0 が1:400よりも高い0.4の血清の希釈である場合、ELISAが陽性で
あるとみなした。
【0188】 ORF21の細胞内位置を評価するため、以下のFACSアッセイを用いた:
無莢膜MenB M7株をチョコレートアガープレートにプレートし、そして5
%CO2を用いて、37℃で一晩インキュベートした。細菌のコロニーをアガー
プレートから滅菌ドラコン(dracon)スワブを使用して回収し、そして各
々0.25%グルコースを含有する8mlのMueller−Hintonブロ
ス(Difco)を含む4本のチューブに中に接種した。細菌の増殖を30分毎
に、OD620を追跡することによりモニターした。細菌を、ODが0.35〜0
.5の値に達するまで増殖させた。培養物を10分間4000rpmで遠心分離
した。上清を捨て、ペレットをブロッキング緩衝液(PBS中1% BSA、0
.4% NaN3)中に再懸濁し、そして5分間4000rpmで遠心分離した
。細胞をOD620が0.05に達するようにブロッキング緩衝液に再懸濁した。
100μlの細菌細胞を、Coster96ウェルプレートの各ウェルに添加し
た。100μlの希釈(1:100、1:200、1:400)血清(ブロッキ
ング緩衝液中)を各ウェルに添加し、そしてそのプレートを4℃で2時間インキ
ュベートした。細胞を5分間4000rpmで遠心分離し、その上清を吸引し、
そして各ウェルに200μl/ウェルのブロッキング緩衝液を添加することによ
り、細胞を洗浄した。100μlのR−フィコエリトリン結合体化F(ab)2
ヤギ抗マウス(1:100希釈)を各ウェルに添加し、そしてプレートを1時間
4℃でインキュベートした。細胞を、4000rpm5分間の遠心分離によって
スピンダウン(遠心沈殿)し、そして200μl/ウェルのブロッキング緩衝液
を添加することにより、洗浄した。その上清を吸引し、そして細胞を200μl
/ウェルのPBS、0.25%のホルムアルデヒドに再懸濁した。サンプルをF
ACScanチューブに移して、そして読み取った。FACScan設定(La
ser Power 15mW)の条件は、以下のとおりである:FL2オン、
FSC−H閾値:92;FSC PMT電圧:E 01;SSC PMT:47
4;増幅利得 6.1:FL−2 PMT:586;補償値:0。
【0189】 FACSと同様、細胞位置を評価するためにウエスタン分析を用いた:Men
B株2996由来の精製タンパク質(500ng/レーン)、外膜小胞(5μg
)、および総細胞抽出物(25μg)を、12%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル上にロードし、そしてニトロセルロース膜上に転写した。この転写は、2時間
、150mA、4℃で転写緩衝液(0.3% Trisベース、1.44% グ
リシン、20%(v/v)メタノール)を用いて行った。この膜を飽和緩衝液(
10% スキムミルク、0.1% Triton X100含有PBS)中での
4℃の一晩のインキュベートにより飽和させた。この膜を洗浄緩衝液(3% ス
キムミルク、0.1% Triton X100含有PBS)を用いて2回洗浄
し、そして洗浄緩衝液中に1:200に希釈したマウス血清とともに、2時間3
7℃でインキュベートした。この膜を2回洗浄し、そして1:2000希釈の西
洋ワサビペルオキシダーゼ標識化抗マウスIgとともに90分間インキュベート
した。この膜をPBS中の0.1% Triton X100を用いて2回洗浄
し、そしてOpti−4CN基質キット(Bio−Rad)を用いて、発色させ
た。この反応を水を添加して停止した。
【0190】 OMVを、以下のとおり調製した:N.meningitidis株2996
を5GCプレート上で5%CO2を用いて37℃で一晩増殖させ、ループを用い
て回収し、そして10mlの20mM Tris−HCl pH7.5、2mM
EDTA中に再懸濁した。56℃、45分の熱不活化を行い、そして細菌を5
分間氷上で超音波処理することにより破壊した(50%負荷サイクル、50%出
力、Branson 聴音器3mmマイクロチップ)。未破壊細胞を5000g
、10分間の遠心分離によって除去し、そして全細胞エンベロープ画分を含む上
清をさらに50000g、4℃、一晩の遠心分離によって回収した。内部膜を可
溶化するために、膜を含有するペレットを、2%サルコシル、20mM Tri
s−HCl pH7.5、2mM EDTA中に再懸濁し、そして室温で20分
間インキュベートした。この懸濁液を、10000gで10分間遠心し、凝集物
を除去し、そしてこの上清をさらに50000gで3時間、遠心分離した。外膜
を含有するこのペレットを、PBS中で洗浄し、そして同じ緩衝液中に再懸濁し
た。タンパク質濃度を、D.C.Bio−Rad Proteinアッセイ(改
変ローリー法)によって、BSAを標準物として用いて測定した。
【0191】 総細胞抽出物を以下のとおり調製した:N.meningitidis株29
96をGCプレート上で一晩増殖させ、ループを用いて収集し、そして1mlの
20mM Tris−HClに再懸濁した。56℃、30分の熱不活化を行った
【0192】 ELISA、FACSおよびウエスタンブロット分析は全て、ORF21が表
面に露出されていることを示す。
【0193】 ORF21は、以下の殺菌性アッセイを用いて良好な結果を得た:N.men
ingitidis株2996を、チョコレートアガープレート上で(凍結貯蔵
から開始して)5%CO2を用いて37℃で一晩増殖させた。コロニーを回収し
、そしてこれを用いて、7mlのMueller−Hintonブロス(0.2
5%グルコース含有)に接種し、OD620が0.05〜0.08に到達させた。
この培養物を、OD620が0.23〜0.24に達するまで振盪しながら37℃
で約1.5時間インキュベートした。細菌を105CFU/mlの使用時希釈で
、10mM MgCl2、10mM CaCl2、および0.5%(w/v)BS
A(アッセイ緩衝液)を含有する50mMリン酸緩衝液pH7.2中で希釈した
。最終反応混合物の総容積は、50μlであり、これは試験血清の2倍階段希釈
の25μl、使用時希釈での12.5μlの細菌、12.5μlの乳飲みウサギ
補体(最終濃度25%)を含んだ。コントロールは、補体血清とともにインキュ
ベートした細菌、細菌とともにインキュベートした免疫血清、および56℃30
分の加熱により不活化した補体とともにインキュベートした免疫血清を含んだ。
乳飲みウサギ補体の添加直後、10μlのコントロールを傾斜法(tilt m
ethod)を用いて、Mueller−Hintonアガープレートにプレー
トした(0時点)。この96ウェルプレートを、1時間37℃で回転しながらイ
ンキュベートした。各サンプルの7μlをMueller−Hintonアガー
プレート上にスポットとしてプレートし、一方、10μlのコントロールを傾斜
法を用いてプレートした(時間1)。アガープレートを37℃で18時間インキ
ュベートし、そして0時点および1時点に対応するコロニーをカウントした。
【0194】 (コンピューター分析) 図1は、コンピューター分析のデータと共にORF21の配列を示す。
【0195】 ORF21は、次のようなAMPHI領域を有する[Gaoら(1989)J
.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS
Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(199
2)Scand J Immunol suppl.11:9]:配列番号14
〜32。
【0196】 抗原性指数のアルゴリズムは、次の領域を同定した:配列番号33〜70。
【0197】 Hopp & Woods分析は、次の親水性領域を明らかにする:配列番号
71〜104。
【0198】 配列番号14〜104は、これらのオリゴペプチドとしてか、またはより長い
ポリペプチドの一部分として用いられ得る。
【0199】 MenA、MenBおよびgonococcus由来のORF21配列のアラ
インメントを図2に示す。
【0200】 (ワクチン) 上記のように同定されたこれらのタンパク質を発現させ、そして免疫化のため
に使用する。良好な免疫応答が、このタンパク質に対して観察される。
【0201】 (配合ワクチン) さらに、このタンパク質を、他の病原性生物に対する抗原とそれぞれ配合し(
例えば、血清群Cのmeningitisに対してカイロンポリサッカリドワク
チン)、そして免疫化のために使用した。良好な免疫応答が観察された。
【0202】 本発明は、実施例のみによって記載され、そして改変がなされ得るが、依然と
して本発明の範囲および意図内であることが理解される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、コンピューター分析のデータと共にORF21の配列を示す。
【図2】 図2は、MenA、MenBおよびgonococcus由来のORF21配
列のアラインメントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/095 A61K 39/10 39/10 39/13 39/13 39/145 39/145 39/29 39/29 39/295 39/295 39/395 D 39/395 H A61P 31/04 A61P 31/04 C07K 14/22 C07K 14/22 16/12 16/12 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ピッツァ, マリアグラツィア イタリア国 イー−53100 シエナ, ビ ア フィオレンティーナ 1 (72)発明者 ラップオーリ, リーノ イタリア国 イー−53100 シエナ, ビ ア フィオレンティーナ 1 (72)発明者 ホルスト, ヨハン ノールウェー国 エヌ−0403 オスロ, ピー.オー. ボックス 4404, スタッ テンス インスティトゥット フォー フ ォールケヘルセ Fターム(参考) 4B024 AA01 AA13 BA31 CA02 DA06 HA11 HA17 4C085 AA03 AA04 AA13 AA14 BA07 BA10 BA12 BA16 BA17 BA38 BA53 BA89 CC07 CC08 DD62 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA11 DA75 DA86 FA74

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のアミノ酸配列の1つ以上を含む、タンパク質:配列番
    号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番
    号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、および配列番号14〜配列
    番号104。
  2. 【請求項2】 以下の配列に対して50%より高いの配列同一性を有する配
    列を含む、タンパク質:配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配
    列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、または配列
    番号13。
  3. 【請求項3】 以下の配列由来の連続する少なくとも7個のアミノ酸のフラ
    グメントを含む、タンパク質:配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号
    5、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、また
    は配列番号13。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質に結合する
    、抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質をコードす
    る、核酸。
  6. 【請求項6】 配列番号2、配列番号6、または配列番号10を含む、核酸
  7. 【請求項7】 配列番号2、配列番号6、または配列番号10に対して50
    %より高い配列同一性を有する配列を含む、核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号2、配列番号6、または配列番号10由来の連続す
    る少なくとも10個のヌクレオチドのフラグメントを含む、核酸。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項4
    に記載の抗体、および/または請求項5〜8のいずれか1項に記載の核酸を含む
    、組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の組成物であって、以下: WO99/57280に開示されるタンパク質またはこれらの免疫原性フラグメ
    ント;WO99/36544に開示されるタンパク質またはこれらの免疫原性フ
    ラグメント;WO99/24578に開示されるタンパク質またはこれらの免疫
    原性フラグメント;WO97/28273に開示されるタンパク質またはこれら
    の免疫原性フラグメント;WO96/29412に開示されるタンパク質または
    これらの免疫原性フラグメント;WO95/03413に開示されるタンパク質
    またはこれらの免疫原性フラグメント;WO99/31132に開示されるタン
    パク質またはこれらの免疫原性フラグメント;Neisseria menin
    gitidis血清群Aに対する防御抗原;Neisseria mening
    itidis血清群Cに対する防御抗原;Neisseria meningi
    tidis血清群Yに対する防御抗原;Neisseria meningit
    idis血清群Wに対する防御抗原;Haemophilus influen
    zaeに対する防御抗原;pneumococcusに対する防御抗原;ジフテ
    リアに対する防御抗原;破傷風に対する防御抗原;百日咳に対する防御抗原;H
    elicobacter pyloriに対する防御抗原;ポリオに対する防御
    抗原;および/またはB型肝炎ウイルスに対する防御抗原; の1つ以上から選択される免疫原性成分をさらに含む、組成物。
  11. 【請求項11】 医薬として使用するための、請求項9または請求項10に
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 ワクチンとして使用するための、請求項9または請求項1
    0に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ナイセリア細菌に起因する感染を処置または予防するため
    の医薬の製造における、請求項9または請求項10に記載の組成物の、使用。
  14. 【請求項14】 患者を処置する方法であって、治療有効量の請求項9また
    は請求項10に記載の組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
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