JP2003512958A

JP2003512958A - 皮革に印刷するための方法

Info

Publication number: JP2003512958A
Application number: JP2001534613A
Authority: JP
Inventors: ギルハム．エリック．チャールズ
Original assignee: ギルハム．エリック．チャールズ
Priority date: 1999-11-05
Filing date: 2000-11-03
Publication date: 2003-04-08
Also published as: GB9926142D0; EP1152900A1; AU1160901A; GB2355959A; WO2001032434A1

Abstract

(57)【要約】皮革上に印刷するプロセスは、デジタル式単色または多色の画像を生成する段階、その画像をインクジェット転写紙へ印刷する段階、その画像を皮革片上に押付ける段階、および転写紙の裏地層を除去する段階を含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本願発明は、皮革への印刷における又はそれに関する改良に関する。本願発明の目的は、皮革の印刷のための改良方法を提供することであり、これ
によって、既知の手法の望ましからざる側面を防止する。従って、皮革に印刷する方法は、単色又は多色のキャラクターの画像を準備す
るステップ、バッキング層を有する転写紙に１種以上のインク又は染料を使用し
てその画像を印刷するステップ、転写紙を１枚の又は細片のなめし処理済み皮革
にプレスして前記画像を転写するステップ、及び転写紙のバッキング層を取り除
くステップを含む。

【０００２】転写紙のバッキング層を取り除くと、一般的に水性の性格のフィルム状の残留
物が残り、これは、適当な界面活性剤を使用して除去できる。この面で有用性が
あることが立証されたこの種の界面活性剤がNITROMORS （登録商標）という商標
で販売されている。この界面活性剤は、フィルムを再水和し、これにより、フィ
ルムを拭き取るだけで除去できる。この界面活性剤は、或る程度加熱することに
より、その除去性能が増大し、フィルムの更に迅速な除去が可能になる。

【０００３】画像を担った皮革片又は細片を加熱処理して、インキ又は染料を皮革片本体に
固定すると有利である。しかし、この熱処理ステップは、独立には、必ずしも常
に必要ではない。この熱処理ステップは、プレス・ステップと同時に行なうこと
ができる。

【０００４】画像は、便宜に、デジタル式に生成し、保存できる。転写紙は、市販のインクジェット転写紙でよい。

【０００５】本願発明の方法に使用するインク又は染料は、望ましくは、天然に発生するソ
ースから生成されるものである。インク又は染料は、顔料でもよい。転写紙は、一般に、表面層をインク又は染料の‘ドット・ゲイン’、即ち、イ
ンク又は染料が画像の収差を生じることなしに固定される程度を、制御する例え
ば陶土の層を含む。この種の比較的厚い表面層を有する紙を採用することによっ
て、比較的重いインクが使用でき、よって、画像の皮革への転写が強化される。

【０００６】本願発明の適用が特に適している皮革は、望ましくは、鉱物塩を含有しない皮
革であり、天然に生じる染料及びなめし材料を使用して生成される皮革である。
しかし、本願発明は、極く軽い（有利には、５％を超えない）鉱物塩を含む皮革
にも適用性がある。この上限を超える塩含有量の皮革は、本願発明の印刷方法に
比較的馴染まないと考えられる。何故なら、この塩が皮革によるインク又は染料
の受容に抵抗するからである。しかし、この５％レベルを超える鉱物塩を含む皮
革を使用することも可能である。

【０００７】皮革には、表面コーティングを施すことができるが、その場合、このコーティ
ングを担う表面に印刷を行なっている間に行なえる。表面コーティングは、水性
塗料でよい。

【０００８】インクジェット転写シートのバッキング層の除去と残留フィルムの除去とは、
皮革片の表面を触覚及び視覚の双方の天然のテクスチャーに戻すという点で重要
なステップである。上記の通り、この除去ステップに用いる界面活性剤は、水性
塗料を除去できるものであれば好都合である。

【０００９】バッキング層の除去は、低温でも高温でも行なえる。

【００１０】インクジェット転写紙のバッキング層の除去に続く加熱ステップは、皮革片に
インク又は染料を固定するのが目的であり、望ましくは、例えば、TEFLON（登録
商標）商標で販売されているノン・スティック材を使用して行なう。この材料は
、熱を皮革片又は細片全体に均等に拡散する。熱は、圧力下で通常の加熱プラテ
ンによって与えることができる。皮革に適用される熱がインク又は染料の固定の
効果と皮革への熱損傷の回避との双方の結果をもってできるだけ迅速に拡散する
ことを確保するために、この加熱ステップ中に熱分散媒体を使用することが好都
合であろう。この熱分散媒体は、皮革片又は細片の下に配備される、即ち、画像
を担わない皮革の表面と接触する、泡状であり得るケイ酸塩でよい。

【００１１】加熱ステップの時間及び熱転写が発生する温度は、印刷する皮革片の自然の及
び物理的な性格、例えば、厚さによって決まる。例えば、加熱ステップは、１８
０℃の温度で15秒間継続し得るが、時間と温度レベル双方のバリエーションは、
処理する皮革片又は細片次第で可能である。

【００１２】転写紙を上記の通り皮革片又は細片にプレスするステップは、加熱ステップと
同時に行なえるが、プレスの１例は、転写紙を接触せしめ、皮革片又は細片の関
係する表面と接触させるためのプラテンのプレスである。これらの方法ステップ
に悪影響を及ぼす惧れがあるエアポケットの発生と水分の生成を回避するために
、プラテンの適用は、プラテンと紙のバッキング層との間に捉えられるエア又は
水分が実質的にゼロになるよう確保するような仕方で行なう。この関連において
、プラテンは、皮革片又は細片のエリアに圧力を徐々に適用せしめ、よって、エ
ア又は水分を排除せしめるような不均一な、非対称的な仕方でバッキング層に当
たるようにされる。これと対照的に、プラテンを層に対称的な直線的に適用する
と、エア又は水分が捉えられ、その結果、恐らく画像品質が不均一になる。

【００１３】一つの代替方法では、スワイピング作用を採用し、よって、バッキング層を横
断し、皮革のエリアに亘って均一なしかし徐徐の動きを惹き起こすブレードに圧
力が当たるようにする。

【００１４】

【００１５】圧力を適用する更なる代替方法では、ローラーシステムを使用し、徐徐の動き
が与えられ、よって、エア又は水分ポケットの形成の問題を回避する。

【００１６】加熱ステップの後、皮革片又は細片を更に処理して、そのドロップ特性、即ち
、吊り下げ点から容易に落下する能力、即ち、本質的に言うと、そのしなやかさ
を回復することができる。かかる処理には、皮革を物理的にマッサージすること
が含まれ、皮革工業界で使用されている従来の手段で達成できる。皮革のなお更なる処理としては、SCOTCHGUARD （登録商標）商標の下で販売さ
れているような耐汚染媒体の適用がある。

【００１７】実施例としてのみ、本願発明によって皮革に印刷するための一つの方法を下記
に記述する。

【００１８】多色画像をデジタル式にコンピュータで生成し、インクジェット転写紙に画像
を置くインク又は染料を備えた大型フォーマット・インクジェット・プリンタ、
例えば、Encad Nova-Jet Pro 600e 、を使用して、印刷する。このインク又は染
料は、反応の早いものでよい。

【００１９】印刷画像を担うシートを、次いで、なめし済みの皮革片にプレスする。

【００２０】本願方法での次のステップは、バッキング層を除去することであり、これは、
低温又は高温で単に剥ぎ取るだけである。バッキング層を剥ぎ取った後に残った
残留フィルムの除去は、textured水性塗料剥離剤、例えば、NITROMORS （登録商
標）の商標で販売されている剥離剤である界面活性剤の適用によって行なえる。
この剥離剤の作用は、バッキング層を皮革の表面から静かに容易に拭き取れる程
度に軟化せしめることである。代替方法として、このようにして生成されたフィ
ルムは、皮革の表面から洗い落とすことができる。このフィルムの除去は、高温
で界面活性剤を使用することによって加速できる。

【００２１】フィルムの除去によって、皮革の触覚的及び視覚的特性が回復されるが、イン
ク又は染料を再固定するためには、皮革に熱を加えると有利である。

【００２２】この実施例では、TEFLON（登録商標）商標の下で販売されているものなどのノ
ン・スティック・シート材料を皮革片の上に置き、熱と圧力をこのノン・スティ
ック材料に加えると、この材料は熱を均一に分散させ、よって、インク又は染料
を再固定し、皮革片本体にプレスし戻す。

【００２３】その結果得られる皮革片は、印刷前の皮革の正常な外観と触覚的特性を有する
が、コンピュータによってデジタル式に生成された画像を担い、その画像は、皮
革の組織に固定される。

【００２４】印刷済み皮革は、更に、SCOTCHGUARD （登録商標）などの製品を使用して保護
処理ができる。

【００２５】皮革の印刷は、皮革を例えばローラーの上で処理できるような長さにして、印
刷、皮革への画像適用、バッキング層除去、及び熱処理（熱処理を施した場合）
ための適当な処理ステーションを備えた連続プロセスで実施できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｄ０６Ｐ 5/00 １１５Ｄ０６Ｐ 5/00 １１８Ｃ１１８Ｂ４１Ｊ 3/04 １０１Ｚ (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷＦターム(参考） 2C056 FB01 FD13 HA45 2H086 BA15 BA26 BA53 BA55 BA56 3B005 EA20 EB01 EB05 EB09 EC13 FA09 FB11 FB22 GA02 GB05 GD03 GD10 4H057 AA02 BA32 CA12 CC03 DA01 DA21 FA16 FA17 FA42 GA05 HA01 HA02 JA10 JB03

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】単色または多色の文字の画像を準備する段階、１種類以上の
天然インクまたは染料を使用して、裏地層を有する転写紙のシート上に画像を印
刷する段階、皮革の一片または帯片上に転写紙を押付ける段階、および転写紙の
裏地層を除去する段階を含む、皮革上に印刷するプロセス。
【請求項２】裏地層の除去に続いて、界面活性剤を使用して皮革の表面か
ら残留膜が除去される、請求項１に従うプロセス。
【請求項３】界面活性剤が加熱される、請求項２に従うプロセス。
【請求項４】皮革片または帯片が、裏地層の除去に続いて加熱処理される
、上述の請求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項５】放熱媒体が熱処理中に採用される、請求項４に従うプロセス
。
【請求項６】放熱媒体はシリケートである、請求項５に従うプロセス。
【請求項７】皮革の一片または帯片上に転写紙を押付ける段階は、空気お
よび／または水分のポケットの生成をほぼ避けるような仕方で実施される、上述
の請求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項８】転写紙の押付け段階は、不規則で非対称的な仕方で、転写紙
に接触し、それにより不均一な仕方で圧力を転写紙へ加えるように適応される定
盤の使用により実施されるので、定盤が転写紙と徐々にかつ順次に接触する、請
求項７に従うプロセス。
【請求項９】転写紙の押付け段階はローラを使用して実施されるので、圧
力が転写紙へ徐々にかつ順次に加わる、請求項７に従うプロセス。
【請求項１０】画像は、デジタル的に生成されかつ格納される、上述の請
求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項１１】転写紙はインクジェット転写紙である、上述の請求項のい
ずれかに従うプロセス。
【請求項１２】インクまたは染料は、自然発生源から生成されたものであ
る、上述の請求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項１３】インクまたは染料は植物染料である、請求項１２に従うプ
ロセス。
【請求項１４】インクまたは染料は顔料である、請求項１２に従うプロセ
ス。
【請求項１５】インクまたは染料は合成物であり、請求項１乃至１１のい
ずれかに従うプロセス。
【請求項１６】染料は反応性染料である、上述の請求項のいずれかに従う
プロセス。
【請求項１７】インクまたは染料は水性である、上述の請求項のいずれか
に従うプロセス。
【請求項１８】帯片または片が作られる皮革は、自然なめし工程を使用し
てなめされたものである、上述の請求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項１９】皮革は鉱物成分を含有しない、請求項１８に従うプロセス
。
【請求項２０】皮革は、５％までのクロム塩成分を有する、請求項１８に
従うプロセス。
【請求項２１】皮革は、５％を超えるクロム塩成分を有する、請求項１８
に従うプロセス。
【請求項２２】皮革は、５％までの明礬塩成分を有する、請求項１８に従
うプロセス。
【請求項２３】裏地層残留膜の除去に使用される界面活性剤は、水性ペイ
ントを除去できるものである、請求項２またはそれに従属する請求項に従うプロ
セス。
【請求項２４】界面活性剤は裏地層残留物を軟化し、それにより残留物が
除去できるようにされる、請求項２またはそれに従属する請求項に従うプロセス
。
【請求項２５】加熱段階は、皮革片または帯片と接触する非粘着加圧成形
シートと組合せて熱源を採用することにより実施される、上述の請求項のいずれ
かに従うプロセス。
【請求項２６】加熱処理段階に続く別の処理段階は、皮革のドロップ特性
の復元に関わる、上述の請求項のいずれかに従うプロセス。
【請求項２７】耐汚染媒体が、加熱処理段階に続いて皮革片へ加えられる
、上述の請求項のいずれかに従うプロセス。