JP3549337B2 - 樹脂層形成装置及び該装置を備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の印刷表面に樹脂層を設けることにより、例えば、防水等の印刷面の保護機能や,光沢発現等の外観向上機能を付与させるための樹脂層形成装置及び、該樹脂層形成装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に、印刷面の保護方法に関する従来技術による開示例とその問題点を列挙する。
特開平2−80279号公報に開示される印刷面保護方法は、印刷面にアクリルウレタン系樹脂含有液を塗布し、その後フィルムを圧着することにより印刷面を保護する方法であるが、塗布したアクリルウレタン系樹脂含有液をある程度乾燥させるために1時間ほどの加熱処理時間を必要とし、このような処理が複雑で装置構成が大規模となり、さらに、ラミネートフィルムと必要とするため材料コストが高くなるという問題が生じる。また、この方法が適用できるのは水性インクによる印刷面に限られている。
【0003】
特開平3−173646号公報に開示される印刷面保護方法は、着色剤を含有した第一液と第二液を別々に飛翔させ、混合されたインクを印刷面に転写することにより該印刷面の耐水性、耐候性を得る方法であるが、2種類の液を飛翔させて1つのドットを形成すると、各液滴の印刷面上での位置ずれによりドット径が大きくなるため画像の階調性が低下する。また、2つの液滴の位置精度が要求されるため、画質に対する記録紙の厚み依存性が生じるという問題がある。またこの方法が適用できるのは、記録方式がインク飛翔方式に限られている。
【0004】
特開平4−21493号公報に開示される印刷面保護方法は、印刷面の所望領域にニスを塗布して硬化前にフィルムを張り合わせ、その後剥離することにより所望領域に高光沢面を設ける方法であるが、ニスの溶剤が蒸発をするまでにフィルムを張り合わせてから40℃中で15時間もの時間を必要とし、更に、フィルムを剥がす工程が必要である。従って、多大な時間を要し、複雑なシステムを必要とするという問題がある。
【0005】
特開平5−269949号公報に開示される印刷面保護方法は、石油樹脂含有ポリプロピレン系樹脂からなる樹脂層とポリオレフィン系樹脂を25重量%以上含有する接着層とを積層したラミネートフィルムを印刷面に熱圧着することにより、印刷面の光沢出しと保護を行う方法であるが、該ラミネートフィルムの印刷面への接着時に100℃に加熱しながら35kg/cmの圧力を必要とするため大規模な製造ラインが必要となり、また、ラミネートフィルムの材料コストが高価であるという問題がある。
【0006】
特開平8−39947号公報に開示される印刷面保護方法は、ポリエステルフィルムとマット加工済のポリオレフィン系樹脂層との積層体からなる基材にラミネート層を施した転写型ラミネートフィルムを用い、印画紙の画像形成面上にマット状のラミネート層を形成する方法であるが、ラミネートフィルムはラミネート層以外にも2種類のフィルムとこのフィルムの接着層を必要とするため材料コストが高く、また、印刷面へのラミネートは1m/分と低速で生産性が低く、その後フィルムを剥がす工程が必要となる。またラミネート層が固体であるため、表面粗度の粗い印刷面に対しては密着性が悪いという問題がある。
【0007】
特開昭54−120005号公報に開示される印刷面保護方法は、ラジカル架橋性エチレン性不飽和2重結合を有するプレポリマー又は、これにラジカル架橋性エチレン性不飽和2重結合を有するモノマーを加えたもの及び、光増感剤からなる組成物に樹脂又は樹脂酸を0.5〜10.0重量%添加した紫外線硬化性被覆剤を油性インク印刷面にコートし、これを乾燥して印刷面被覆を施す方法であるが、紫外線硬化性材料を用いるためランニングコスト及び硬化手段の設備費用が高くなるという問題があり、かつ、この方法が適用できるのは、油性インクによる印刷面に限られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の様な実情に鑑みてなされたもので、手書きを含めてその他、公知の印刷方式、即ち、インクジェット方式,電子写真方式,溶融型熱転写方式,昇華型熱転写方式による記録装置を用いた印刷や、オフセット印刷,フレキソ印刷,グラビア印刷,孔版印刷等任意の印刷方式による印刷面に樹脂層を簡易な構成で形成し、印刷面の保護,防水処理,光沢出し等を低コストかつ高速に達成し得る印刷面への樹脂層形成装置、及び、印刷及び印刷面への樹脂層形成ができる画像形成装置を提供することをその解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、可塑剤を表面に析出する材料を接触材として用いることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、流動性を有するシリコーン樹脂を接触材として用いることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の発明において、マット又はエンボス形状付与手段を加えることにより、前記樹脂層の表面形状をマット状又はエンボス状にすることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか1記載の発明において、前記塗布手段は、前記樹脂層を前記印刷面の所定の領域にのみ形成することができるようにしたこと特徴とするものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか1記載の発明において、前記塗布手段は、前記樹脂液をスプレー又はジェットノズルを用いて塗布するようにすることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか1記載の発明において、前記樹脂液硬化手段は、前記接触材と前記印刷面との接触圧力を前記印刷面の表面状態により変化させるようにすることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜6いずれか1記載の発明において、前記記録媒体の印刷面を前記印刷手段により作成することにより前記樹脂層を形成できるようにすることを特徴とするものである。
【0018】
請求項8の発明は、請求項7記載の発明において、前記印刷手段に使用されるインクが水性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記水性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とするものである。
【0019】
請求項9の発明は、請求項7記載の発明において、前記印刷手段に使用されるインクが油性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記油性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とするものである。
【0020】
請求項10の発明は、請求項7記載の発明において、前記油性インクは昇華型熱転写インクであり前記樹脂層形成手段は、昇華型熱転写インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とするものである。
【0021】
請求項11の発明は、請求項7〜10いずれか1記載の発明において、予め印刷がなされている記録媒体に対して、前記印刷手段を用いることなく、前記樹脂層の形成を行なうモードを選択できるようにすることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明が適用される実施例を添付された図面を参照して具体的に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(請求項1の発明)
図1は、本発明による樹脂層形成装置が適用される装置構成の概要を示す構成図で、図中、1は樹脂層形成ユニット(樹脂層形成手段)、2は記録媒体(記録紙)、2′はラミネート済記録紙、5は給紙ローラ、10は樹脂液塗布手段、20は樹脂液硬化手段であり、記録紙2は矢印X方向に搬送されるものとする。
図2は、請求項1の発明を説明するための要部構成図で、樹脂液塗布方法として、樹脂液を含浸した多孔質体を用いるようにしたものを(A)に、多段ローラにより樹脂液を薄層供給するようにしたものを(B)に、第1ローラのブレードにより樹脂液薄層を形成し、これを第2ローラに転写するようにしたものを(C)に示すものである。
図2において、3はインク、4は樹脂液、4′は樹脂層(硬化樹脂層又は硬化が促進中の樹脂層)、11は加圧ローラ、12は樹脂液含浸多孔質体、13,14,14′はゴムローラ、15はブレード、A,C,Dは接触材、21は加圧ローラ、である。
この発明は、紙などの記録媒体(以下、記録紙と記す)の印刷面に樹脂液を薄層塗布した後、接触材Aを接触させて樹脂液を硬化させ、印刷面に薄い樹脂層を形成するように印刷面の樹脂層形成装置を提案するものである。
【0023】
図1に示すように本プロセスの大まかな流れは、セットされた印刷済みの記録紙2を給紙ローラ5によって樹脂液塗布手段10へ搬送し、ここで印刷面に樹脂液を塗工する。次にこれを樹脂液硬化手段20へ搬送し、印刷面にこの樹脂液硬化手段が有する接触材A,C,Dのいずれかを接触させることにより塗工された樹脂液を硬化させる。そして最後に印刷面に樹脂層がコートされた記録紙2′を搬出するものである。
【0024】
ここで使用される樹脂液には、酸化重合乾燥型オーバープリントワニス,溶剤型オーバープリントワニス及び紫外線硬化型オーバプリントワニスなどの既存のオーバープリントワニスや、印刷インクに含有される樹脂や溶剤,油が用いられ、樹脂の例としてはロジン,セラック,ギルソライトなどの天然樹脂,ロジンエステル,マレイン酸樹脂及びフマル酸樹脂などの天然樹脂誘導体の他、合成樹脂その他としてロジン変性フェノール樹脂などのフェノール樹脂,アルキド樹脂(脂肪酸変性ポリエステル脂肪),芳香族及び脂肪族の炭化水素樹脂などの石油樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,環化ゴム,塩化ゴム,尿素樹脂及びメラミン樹脂,ケトン樹脂,ポリ塩化ビニル,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタン,ニトロセルロースなどが挙げらける。
油の例としてはアマニ油,シナキリ油,大豆油,ヒマシ油などの植物油,重合油や脱水コマシ油,マレイン化油,ウレタン化油,ビニル化油などの加工油,鉱油などが挙げられる。
また溶剤の例としては石油溶剤などの脂肪酸炭化水素,アルコール,エステル,ケトン,グリコールなどが挙げられる。なお、上記樹脂液には各種の添加剤、例えば、可塑剤,ワックス,ドライヤ,分散剤,増粘剤,ゲル化剤,帯電防止剤,滑剤などを添加しても良い。
【0025】
印刷面にコートする樹脂液の粘度は5cp程度の低粘度のものから106cp程度の超高粘度のものまで利用でき、樹脂液硬化時間を重視すると高粘度であることが望ましい。また樹脂層厚みは0.5〜100μm程度が良く、樹脂液硬化時間を重視すると薄層であることが望ましい。低粘度の樹脂液を用いる場合は樹脂層厚みは0.1〜2μm程度と薄く形成されるが、溶剤分量が多いため樹脂液硬化手段の接触材を接触させる前に数秒〜数分程度時間をおくことが望ましく、樹脂層形成時間は多少長くなる。高粘度の樹脂液を用いる場合は樹脂層厚みは1〜100μm程度と幅広く形成でき、樹脂液の硬化時間も短くなる。
【0026】
記録紙の印刷面への樹脂液塗布方法としては、例えば、図2(A)のごとく樹脂液4を含浸させたスポンジやゴム,布,紙などの多孔質体12を用いて直接印刷面に接触させて樹脂液4を供給しても良いし、図2(B)のごとくゴムローラ13,14,14′により構成される多段ローラにより樹脂液4を薄層供給しても良いし、また、図2(C)のごとくブレード15により第1ゴムローラ14の表面に薄い樹脂液層を形成し第2ゴムローラ13の表面に樹脂液を転写して印刷面に供給しても良いし、またこの他印刷物が壁紙やポスターのように動かない場合や大きい場合などは、刷毛やハンドローラ,スキージ等を利用して塗布しても良い。
樹脂液4の色は通常無色透明が好ましいが、印刷表面色の仕上がり要求に応じて顔料,染料などの着色剤を添加して微着色を施しても良い。
【0027】
請求項1の発明による接触材Aは、可塑剤を析出する材料としては、クロロプレンゴムや塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
本出願人らは樹脂や溶剤、油などの混合材料からなる樹脂液4の薄層部に接触材Aを接触させると、接触材Aから析出される可塑剤と前記の樹脂液4とが何らかの反応を起こして物理反応か化学反応か定かでない樹脂液の硬化が促進され、数秒〜5分程度で硬化がなされることを発見した。樹脂液4をコートした印刷面への接触材Aの接触方法としては、例えば該接触材をローラ形状、円弧状、板状に成形して接触させる方法などがある。なお、ここで述べた記録紙とはパルプ紙,コート紙,合成紙の他,OHPなどのフィルムや、その他印刷対象とするものは全て含むものとする。
【0028】
(請求項2の発明)
図3は、請求項2の発明を説明するための図で、樹脂液を硬化させるために接触させる流動性シリコーンの塗布方法を(A),(B),(C),(D)にそれぞれ示すものである。図中、22,25は接触材B含浸多孔質体、23,24,24′はゴムローラ、26は接触材B噴射手段、27は液吸取り手段である。
この発明は、紙などの記録媒体(以下、記録紙と記す)の印刷面に樹脂液を薄層塗布した後、接触材Bを接触させて樹脂液を硬化させ、印刷面に薄い樹脂層を形成するようにした方法及びその方法を用いた印刷面への樹脂層形成装置を提案するものである。
ここで用いられるプロセス,樹脂液の種類,供給方法,色,記録紙等は請求項1の発明の説明に記載されたものが適用される。またこの発明では、記録紙への樹脂液の転写後、流動性シリコーンを接触材Bとして該記録紙表面に接触させるようにしたものであり、接触材Bの流動性シリコーンとしては、シリコーンオイル,シリコーンゲルまたはシリコーンガムなどが挙げられ、その供給方法としては、例えば、図3(A)のごとく流動性シリコーンを含浸したスポンジやゴム,布,紙なとの多孔質体22を用いて直接記録紙2の表面に接触しても良いし、図3(B)のごとくゴムローラ23,24,24′により構成される多段ローラにより流動性シリコーン保持液を薄層供給しても良いし、また、図3(C)のごとく流動性シリコーンを含浸した多孔質体25を、ローラ23に接触させて該ゴムローラ23の表面に流動性シリコーンの薄層を形成し供給しても良く、また図3(D)のごとく、例えばスプレーやノズルジェットのような接触材B噴射手段26により非接触方式で塗布しても良い。
本出願人らは樹脂や溶剤,油などの混合材料からなる樹脂液の薄層部に接触材Bを接触させると、物理反応か化学反応か定かでない樹脂液の硬化が促進され、樹脂の硬化を数百ミリ秒〜5分程度で行えることを発見した。
【0031】
(請求項3の発明)
請求項3の発明を図4を参照して説明する。
図4は、請求項3の発明を説明するための記録紙または接触材の要部拡大図で、印刷面へのマット状又はエンボス状形状を付与するための手段を(A),(B),(C),(D)にそれぞれ示すものである。図中、30は微粒子、31はマット加工又はエンボス加工、32はマット加工又はエンボス加工を表面に施したローラ、33は接触材B含浸多孔質体である。
本発明は、請求項1〜4記載の樹脂層形成装置において、印刷面の樹脂層にマット状又はエンボス状の表面を付与する手段を付加した樹脂層を形成するようにした樹脂層形成装置を提案するものである。
樹脂層形成方法の例としては、図4(A)のごとく樹脂層4に微粒子30を添加する方法や、図4(B)のごとく樹脂液硬化用の接触材A表面にマット加工又はエンボス加工31を施すか、或いは、図4(C)のごとくマット加工又はエンボス加工を施した硬質ローラ32に接触材Aの層を形成するか、或いは、図4(D)のごとくマット加工又はエンボス加工を施した硬質ローラ32に接触材B含浸多孔質体33により接触材Bを供給して樹脂液硬化と樹脂層表面のマット加工又はエンボス加工を同時に行う方法がある。なお、硬質ローラ表面へのマット加工又はエンボス加工は一体成形や型押しなど一般的な方法が適宜選択されることにより容易に作製される。
【0032】
(請求項4の発明)
請求項4の発明を図5を参照して説明する。
図5は、請求項4の発明を説明するための樹脂液塗布手段の拡大図で、図中、16は版、17はオフセットローラである。
請求項1〜3の発明による装置では、記録紙の印刷面全体に樹脂層が形成されるため、部分的に光沢を出して強調したり、微小領域の防水や保護を行うことができない。この発明は、請求項1〜3の発明において、樹脂層を印刷面の所望の位置にのみ形成するようにした樹脂層形成装置を提案するものである。
この発明では、印刷面の中で樹脂層を形成したい領域と樹脂液の塗工領域が一致するように平板や凹版,凸版,孔版等を製版して、この版に樹脂液が付着する領域を形成し、印刷面の所望領域に版から直接、又は図5に示すごとく、オフセット方式で樹脂液を供給し、請求項1〜3のいずれかの装置による塗布方法で印刷面に樹脂液層を形成する方法がある。
なお、ここで用いる版としては、サーマルヘッドで容易に製版が可能な孔版や、加熱状態で液体または液体を発生する固体などの接触材と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体または液体を発生する固体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性を持つ版などを用いると良い。
【0033】
(請求項5の発明)
請求項5の発明を図6を参照して説明する。
図6は、請求項5の発明を説明するための樹脂液塗布手段の拡大図で、図中、18,19は樹脂液噴射手段で、特に18はスプレー、19はジェットノズルを示すものある。
請求項1〜4の装置による塗布方法では、特にインクが未乾燥状態で粘度が低い場合において、印刷面への樹脂液塗布時にインクが樹脂液塗布手段側へ転移しやすく、そのため印刷面が汚染されるという問題がある。
この発明は、請求項1〜4の発明において、印刷面への樹脂液塗布をスプレー又はジェットノズルを用いて非接触で行うようにした樹脂層形成装置を提案するものである。
スプレー18による樹脂液供給方法では、使用する樹脂液の粘度は0.5〜103cp程度が好ましく、ジェットノズル19による樹脂液供給方法では、使用する樹脂液の粘度は0.5〜102cp程度であることが望ましい。なお、樹脂液の噴射を印刷面の情報に応じて制御することにより、印刷面に非接触にて所望の領域にのみ樹脂層の形成を行うことが可能となる。
【0034】
(請求項6の発明)
請求項6の発明を図7を参照して説明する。
図7は、請求項6の発明を説明するための樹脂層硬化手段の要部拡大図でインクが印刷面に浸透している場合を(A)に、インクが印刷面に付着している場合を(B)に示すものであり、図中、34は接触材であり、請求項1〜5いずれかに記載の接触材を指すものである。
この発明は、請求項1〜5の発明において、樹脂液硬化手段と印刷面との接触圧力を該印刷面を有する記録紙の厚みや材料硬度に依らず一定以上となるように制御し、かつ、記録紙2の表面粗度及び印刷面へのインク浸透具合及び印刷面でのインク乾燥具合に応じて該接触圧力を変えるようにして、常に良好な樹脂液塗布を可能にした樹脂層形成装置を提案するものである。
記録紙2の厚みによらず樹脂液硬化手段の接触材34と印刷面との接触圧力を一定にするには、記録紙2の厚みが厚く、また硬度が高い接触材34と記録紙2との距離dを大きくし、逆に記録紙2の厚みが薄く、硬度が低い程該距離dを小さくする。方法としては、記録紙の厚みと硬度をそれぞれ検知しても良いし、利用者が装置へ入力しても良いし、記録紙2の台座に圧力センサーを設けてすべての条件を同時に検知するようにしても良い。
【0035】
接触材34と印刷面との接触圧力を変える要因は、印刷面の粗面度と印刷面におけるインクの状態である。印刷面のインクが乾燥している場合や、図7(A)のごとく、インクジェット記録やグラビア印刷のように、インク粘度が低く、印刷面に浸透している場合において、かつ、印刷面が滑らかである場合は、接触材34と印刷面との接触性が良いため接触圧力を下げ、逆に、印刷面が粗い場合は、接触材34と印刷面との接触性が悪いため接触圧力が上げるようにする。また、平版印刷やスクリーン印刷のように、粘度が高いインクが未乾燥で、かつ、図7(B)のごとく印刷面に浸透せずに表面に付着している場合においては、接触材34と印刷面との接触圧力が高いとインクが広がりやすく、画質が低下するため、インクが乾燥している場合よりも圧力を下げることが望ましい。なお、印刷面の表面が粗い場合は、印刷面との接触性に優れ低圧力で樹脂液の硬化を行うことが可能な接触材Bを用いることが望ましい。
【0036】
(請求項7の発明)
請求項7の発明を図8を参照して説明する。
図8は、請求項7の発明を説明するための装置構成図で、図中、40は印刷手段、41は粉体色剤供給手段、42は感光体、43は光源である。
この発明は、請求項1〜6に説明した印刷面への樹脂層形成手段を備え印刷手段40を有する画像形成装置を提案するものである。
動作手順は、記録紙への印刷→印刷面への樹脂液塗布→樹脂液の硬化となる。印刷後、印刷面への塵埃付着,汚染を防止するために、直ちに印刷面への樹脂層形成を行うようにする。
【0037】
(請求項8の発明)
請求項8の発明を図9を参照して説明する。
図9は、請求項8の発明を説明するための装置構成図で、図中、44はインクジェット記録手段である。
この発明は、水性インクを用いた印刷手段と水性インクによる印刷面への樹脂層形成手段を有する画像形成装置を提案するものである。
印刷手段は、水性インクを用いた方式であれば良く、例えば、図示されるインクジェット記録方式やその他グラビア印刷,フレキソ印刷,スクリーン印刷(含デジタル孔版印刷),プロッターなどが挙げられる。樹脂液塗布方法は、吸液性の良い記録紙の場合は、その印刷面に液層がなく、顔料,染料などの着色剤や樹脂成分などが付着しており、樹脂液が印刷面に付着しやすいため、請求項1の装置による方法と同様な方法で良いが、特にOHPフィルムなどのように、記録紙表面の液浸透性が低い場合は、インクに含まれる水分が蒸発するまで時間を置いてから樹脂液を塗布することが望ましい。また、印刷面がインクで湿った状態では、樹脂液が超高粘度であると樹脂液塗布手段10の例えば塗布ロールから印刷面へ樹脂液が転移しにくく、また、その粘度が低いと印刷面にて部分的にはじかれることがあるため、その粘度は103〜105cp程度であることが望ましい。また、印刷面での樹脂液のむらを防止するため、樹脂液を塗布した後、直ちに樹脂硬化を行うことが望ましい。樹脂液硬化手段20としては、請求項1〜4,6いずれかの発明の装置によるものが用いられる。
【0038】
(請求項9の発明)
請求項9の発明を図10を参照して説明する。
図10は、請求項9の発明を説明するための装置構成図で、印刷方式がオフセット方式であるものを(A)に、孔版方式であるものを(B)に示すものであり、図中、45は版、46は孔版である。
この発明は、油性インクを用いた印刷手段と油性インクにより印刷された印刷面への樹脂層形成手段を有する画像形成装置を提案するものである。
印刷手段40は、油性インクを用いた方式であれば良く、例えば図(A)に示されるオフセット印刷,図(B)に示されるスクリーン印刷(含デジタル孔版印刷),その他凸版印刷,その他プロッターなどが挙げられる。樹脂液塗布方法に関しては、印刷面のインクがセットされている状態では請求項1の発明の装置による方法で良いが、印刷面のインクがセットされていない状態では、特に樹脂液が超高粘度であるとインクが樹脂液供給側へ付着しやすく、また、その粘度が低いと印刷面のインクが樹脂液の溶剤や油に溶けて滲みやすいため、その粘度は103〜105cp程度であることが望ましい。また、印刷面でのインク溶融による滲みを防止するため、樹脂液を塗布した後、直ちに樹脂硬化を行うことが望ましい。樹脂液硬化手段20としては、請求項1〜4,6いずれかの発明の装置によるものが用いられる。
【0039】
(請求項10の発明)
請求項10の発明を図11を参照して説明する。
図11は、請求項10の発明を説明するための装置構成図で、図中、47は昇華型熱転写記録手段である。
この発明は、昇華型熱転写インクを用いた印刷手段と昇華型熱転写インクによる印刷面への樹脂層形成手段を有する画像形成装置を提案するものである。
印刷手段40は、昇華型熱転写インクを用いた方式であれば良く、例えば、サーマルヘッドやレーザー光による昇華型熱転写印刷やグラビア印刷や平版印刷による転写紙への印刷物を布地と重ね合わせて加熱する昇華転写捺染印刷などが挙げられる。樹脂液塗布手段10に関しては、昇華型熱転写インクを用いる印刷方式では、記録紙の表面が吸液性に乏しく、樹脂液硬化時間が長くなることを防ぐために、樹脂液の粘度は高い方が良く、104〜106cp程度であることが望ましい。樹脂液硬化手段20としては、請求項1〜4,6いずれかの発明の装置による方法が用いられるが、昇華型熱転写インクを用いる印刷では、記録紙の表面が印画紙などのように鏡面であるため、指紋や傷が付きやすい。従って、請求項3の発明の装置による樹脂層の形成が特に望ましい。
【0040】
(請求項11の発明)
請求項11の発明を図12を参照して説明する。
この発明は、既存印刷物又は記録物の画像形成面への樹脂層形成手段を有し、印刷手段を用いることなく樹脂層の形成を行なうモードを選択できる画像形成装置を提案するものである。
図12は、請求項11の発明を説明するための装置構成図及びチャート図で、本発明が適用される構成を(A)に、このときの動作フロー例を(B),(C),(D)にそれぞれ示すものであり、図中、48は印刷制御部、50は印刷済機録紙セット位置、51は紙検知センサー、52は信号である。
既存印刷物又は記録物とは、他の既存印刷装置により出力された印刷物や手書きによる記録物のことを指す。従って、この発明による装置は、該装置に搭載された印刷手段を使わずに、樹脂層の形成のみを行うことができるものである。装置に搭載されて、印刷手段40を使用する。印刷+樹脂層形成モードであるか又は樹脂層形成のみのモードであるかを判断する方法としては、例えば、図(B)に示すごとく、利用者がスイッチや装置に設置されたパネルから入力することにより設定する方法や、他に、図(C)に示すごとく、印刷及び樹脂層形成用の記録紙と樹脂層形成用だけの記録紙のセット位置を変えて、記録紙のセット状態を光センサ等で検知し、樹脂層形成用だけの記録紙がセットされている場合は、樹脂層形成だけのモードを優先的に行う方法や、他に、図(D)に示すごとく、印刷を行う場合は本装置に対して画像データがバスやスキャナを通して入力されるが、樹脂層形成のみを行う場合は記録紙がセットされるだけであるため、実行命令が出された時の印刷動作をデータや通信プロトコル信号の内容又は入力の有無によって判断する方法が使用できる。
【0041】
〔実施例〕
実施例1
・印刷物
印刷手段:インクジェットプリンタ出力(MJ-5000C,セイコーエプソン社)
インク:4色カラー水性インク(C,M,Y,K)
記録紙:(1)スーパーファイン専用紙
(2)ファイン専用紙
(3)上質紙
(4)専用光沢フィルム
(5)専用OHPシート
・樹脂液:(1)樹脂(塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂+アクリル樹脂)+
溶剤(#100ソルベント(H))
(2)溶剤型オーバープリントワニス
・樹脂液供給手段:スポンジ
・樹脂液硬化用接触材:(1)塩ビローラ(φ30mm,硬度30度)
(2)クロロプレンゴムローラ(φ40mm,硬度20度)
上記条件のもと、図1の構成で、図2(A)の方法により印刷面への樹脂層形成を行った結果、2種類の接触材ともに上記どの樹脂液,オーバープリントワニスでも1分以内に樹脂液が硬化し、樹脂層表面に水滴を接触させてもインク滲みの生じない良好な無色透明の樹脂層形成を行うことができた。
【0042】
実施例2
・印刷物
印刷手段:孔版印刷機出力
インク:エマルジョンインク
記録紙:(1)専用紙
(2)上質紙
(3)わら半紙
・樹脂液:(1)樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)+
溶剤(ダイアレン168:0ソルベント(H)=4:1)
(2)樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)+油(アマニ油)+
溶剤(AF7号ソルベント:ダイアレン168=1:4)
(3)ワニス(アルキド樹脂ワニス)+油(アマニ油)+
溶剤(AF7号ソルベント:ダイアレン168=1:4)
(4)酸化重合乾燥型オーバープリントワニス
・樹脂液供給手段:金属ブレード+ゴムローラ(2段)
・樹脂液硬化用接触材:
(1)シリコーンオイル(KE-1031-A+B,信越化学工業)+
スポンジローラ(ルビセル,東洋ポリマー)+ゴムローラ(60度)
(2)シリコーンゲル(SE1891K B,東レ・ダウ・コーニングシリコーン)
+スポンジローラ+ゴムローラ
(3)シリコーンガム(東レ・ダウ・コーニングシリコーン)+
+スポンジローラ+ゴムローラ
上記条件のもと、図1の構成で、図2(C)の樹脂液塗布方法、及び図3(C)の樹脂液硬化方法により印刷面への樹脂層形成を行った結果、3種類の接触材ともに上記どの樹脂液,オーバープリントワニスでも5秒程度で樹脂液が硬化し、樹脂層表面を擦っても樹脂層が剥離せず、良好な無色透明の樹脂層形成を行うことができた。
【0043】
実施例3
・印刷物
印刷手段:オフセット印刷機出力
インク:油性プロセスインク(C,M,Y,K)
記録紙:(1)コート紙(ニューエイジ)
(2)上質紙
(3)合成紙(ピーチコート)
・樹脂液:(1)樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)+
溶剤(ダイアレン168:0ソルベント(H)=4:1)
(2)樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)+油(アマニ油)+
溶剤(AF7号ソルベント:ダイアレン168=1:4)
(3)酸化重合乾燥型オーバープリントワニス
・樹脂液供給手段:多段ローラ
・樹脂液硬化用接触材:一液型RTVゴム(信越化学工業)ローラ
…シリコーンゴムローラ(φ20mm,硬度20度)周囲に1mm厚程度に
塗布し、室温下にて半日放置して硬化させたもの。
上記条件のもと、図1の構成で、図2(C)の方法により印刷面への樹脂層形成を行った結果、3種類の接触材ともに上記どの樹脂液,オーバープリントワニスでも5秒程度で樹脂液が硬化し、樹脂層表面を擦っても樹脂層が剥離せず、良好な無色透明の樹脂層形成を行うことができた。
【0044】
実施例4
各条件,装置構成及び樹脂層形成方法を実施例3と同様とし、接触材に下記に示す鏡面のシリコーンゴムローラを用い、樹脂液硬化を行った結果、接触材への樹脂液転移を最小限に抑えることができ、どの樹脂液に対しても5秒程度で樹脂液が硬化して、印刷面に光沢の優れる樹脂層の形成ができた。
・接触材:シリコーンゴムローラ(φ20mm,硬度20度)
…10点平均粗さ=1μm程度
【0045】
実施例5
各条件,装置構成,樹脂液塗布方法を実施例3と同様とし、昇華型熱転写方式による印刷物に対し、図4(B)のごとく表面にエンボス加工が施されたシリコーンゴムローラを接触材として用いて、樹脂液硬化を行った結果、印刷面にエンボス状の樹脂層が形成でき、印刷面に指紋や傷が付きにくい樹脂層の形成ができた。
・樹脂液硬化用接触材:型成形エンボス加工RTVゴムローラ
【0046】
実施例6
各条件,装置構成,樹脂液硬化方法を実施例4と同様とし、樹脂液塗布方法を図5に示した方法で行った結果、印刷面の任意の領域にのみ樹脂層を形成することができ、部分領域が光沢性に優れて強調された印刷面を得ることができた。
なお、用いた版は、以下に示す材料からなり、加熱状態で液体または液体を発生する固体などの接触材と接触させた時に後退接触角が低下し、かつ、液体または液体を発生する固体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇する表面特性を持つ。
・版構成:・記録層材料:乳化重合タイプパーフロロアルキルアクリレート
(LS317 [旭硝子]),厚み:1μm
・記録体基板:粗面化PETフィルム,サイズ:350×220mm,厚み: 25μm
【0047】
実施例7
各条件,装置構成,樹脂液硬化方法を実施例2と同様とし、樹脂液塗布方法を下記に示すスプレーガンと下記粘度の樹脂液を用いて、図6(A)の方法で行った結果、樹脂液塗布手段へのインク転移がないため、インクが未硬化,未乾燥の場合にも良好に塗布することが可能となり、また、印刷面の任意の領域にのみ樹脂層を形成することができた。
・樹脂液粘度:102cp(実施例2と同様の樹脂液)
・樹脂液供給手段:スプレーガン(岩田塗装)
【0048】
実施例8
印刷面と樹脂液硬化手段との接触圧力
【0049】
【表1】
【0050】
各条件,装置構成,樹脂液塗布方法を実施例2と同様とし、樹脂液硬化方法を実施例4と同様にして、上記接触圧力において樹脂液硬化を行った結果、インクの広がりや接触不良がなく、良好な樹脂層形成がなされた。
【0051】
実施例9
図8の装置構成で電子写真方式により印刷を行い、樹脂液塗布及び樹脂層形成方法を実施例1と同様としたところ、印刷面に均一で光沢に優れる樹脂層の形成を行うことができた。
【0052】
実施例10
図9の装置構成でインクジェット方式により印刷を行い、樹脂液,樹脂層形成方法を実施例2と同様にして、粘度が104cpの樹脂液を用いたところ、印刷面に均一で防水性に優れる樹脂層の形成を行うことができた。
【0053】
実施例11
図10(A)の装置構成でオフセット印刷方式により印刷を行い、樹脂液塗布と樹脂層形成方法を実施例4と同様にして、粘度が105cpの樹脂液を用いたところ、印刷面に均一で光沢に優れる樹脂層の形成を行うことができた。
【0054】
実施例12
図11の装置構成で昇華型熱転写方式により印刷を行い、樹脂液,樹脂層形成方法を実施例4と同様にして、粘度が105cpの樹脂液を用いたところ、印刷面に均一で傷が付きにくく、光沢に優れる樹脂層の形成を行うことができた。
【0055】
実施例13
図12(A)の装置構成で、樹脂層形成だけを行なうための記録紙と印刷+樹脂層形成用の記録紙をそれぞれの挿入位置に各1枚セットし、図12(C)の方法により装置を実行したところ、樹脂層形成だけ行なった記録紙の印刷面に、均一で傷が付きにくく、光沢性のある樹脂層の形成を行うことができた。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の効果:溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、可塑剤を表面に析出する材料を接触材として用いることを特徴としたもので、印刷面の保護,光沢出し,防水処理が容易にできる。
請求項2の効果:溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、流動性を有するシリコーン樹脂を接触材として用いることを特徴としたもので、印刷面の保護,光沢出し,防水処理が容易にできる。
請求項3の効果:請求項1または2の発明において、マット又はエンボス形状付与手段を加えることにより、前記樹脂層の表面形状をマット状又はエンボス状にすることを特徴としたもので、印刷面への指紋付着や傷発生を容易に防止できる。
請求項4の効果:請求項1〜3のいずれかの発明において、前記塗布手段は、前記樹脂層を前記印刷面の所定の領域にのみ形成することができるようにしたこと特徴としたもので、必要な領域にのみ防水処理や保護処理,光沢出しが行えるため、印刷面の部分強調や樹脂液の消費抑制ができる。
請求項5の効果:請求項1〜4のいずれかの発明において、前記塗布手段は、前記樹脂液をスプレー又はジェットノズルを用いて塗布するようにすることを特徴としたもので、印刷面から樹脂液塗布手段へのインク転移防止、及び、印刷面の汚染防止が可能である。
請求項6の効果:請求項1〜5のいずれかの発明において、前記樹脂液硬化手段は、前記接触材と前記印刷面との接触圧力を前記印刷面の表面状態により変化させるようにすることを特徴としたもので、印刷画像品質を低下させずに印刷面に樹脂層形成が可能である。
請求項7の効果:前記記録媒体の印刷面を前記印刷手段により作成することにより前記樹脂層を形成できるようにすることを特徴としたもので、印刷面の塵埃汚染の防止が可能である。
請求項8の効果:請求項7の発明において、前記印刷手段に使用されるインクが水性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記水性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴としたもので、水性インク印刷面の防水処理,光沢出し,保護を容易にできる。
請求項9の効果:請求項7の発明において、前記印刷手段に使用されるインクが油性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記油性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴としたもので、油性インク印刷面の光沢出し,保護を容易にできる。
請求項10の効果:請求項7の発明において、前記油性インクは昇華型熱転写インクであり前記樹脂層形成手段は、昇華型熱転写インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴としたもので、昇華型熱転写インク印刷面の変退色防止処理,保護を容易にできる。
請求項11の効果:請求項7〜10のいずれかの発明において、前記樹脂層形成装置により、予め印刷がなされている記録媒体に対して、前記印刷手段を用いることなく、前記樹脂層の形成を行なうモードを選択できるようにすることを特徴としたもので、印刷と、該印刷面への樹脂層形成だけでなく、手書き書類や、他の記録手段による印刷面に対しての樹脂層形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】請求項1の発明を説明するための要部構成図である。
【図3】請求項2の発明を説明するための要部構成図である。
【図4】請求項3の発明を説明するための記録紙または接触部の要部拡大図である。
【図5】請求項4の発明を説明するための樹脂液塗布手段の拡大図である。
【図6】請求項5の発明を説明するための樹脂液塗布手段の拡大図である。
【図7】請求項6の発明を説明するための樹脂層硬化手段の要部拡大図である。
【図8】請求項7の発明を説明するための装置構成図である。
【図9】請求項8の発明を説明するための装置構成図である。
【図10】請求項9の発明を説明するための装置構成図である。
【図11】請求項10の発明を説明するための装置構成図である。
【図12】請求項11の発明を説明するための装置構成図及びチャート図である。
【符号の説明】
1…樹脂層形成ユニット(樹脂層形成手段)、2…記録媒体(記録紙)、2′…ラミネート済記録紙、3…インク、4…樹脂液、4′…樹脂層(硬化樹脂層又は硬化促進中の樹脂層)、5…給紙ローラ、10…樹脂液塗布手段、11,21…加圧ローラ、12…樹脂液含浸孔質体、13,14,14′,23,24,24′…ゴムローラ、15…ブレード、16,45…版、17…オフセットローラ、18,19…樹脂液噴射手段、20…樹脂液硬化手段、22,25,33…接触部B含浸多孔質体、26…接触部B噴射手段、27…液吸取り手段、30…微粒子、31…マット加工又はエンボス加工、32…マット加工又はエンボス加工を表面に施したローラ、34,A…接触部、40…印刷手段、41…粉体色剤供給手段、42…感光体、43…光源、44…インクジェット記録手段、46…孔版、47…昇華型熱転写記録手段、48…印刷制御部、50…印刷済機録紙セット位置、51…紙検知センサー、52…信号。
Claims (11)
- 溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、可塑剤を表面に析出する材料を接触材として用いることを特徴とする樹脂層形成装置。
- 溶剤及び/又は油に樹脂を溶解又は分散した樹脂液を記録媒体の印刷面へ塗布する塗布手段と、前記樹脂液を硬化させる樹脂液硬化手段とを備え、前記印刷面に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、流動性を有するシリコーン樹脂を接触材として用いることを特徴とする樹脂層形成装置。
- 請求項1または2記載の樹脂層形成装置において、マット又はエンボス形状付与手段を加えることにより、前記樹脂層の表面形状をマット状又はエンボス状にすることを特徴とする樹脂層形成装置。
- 請求項1〜3いずれか1記載の樹脂層形成装置において、前記塗布手段は、前記樹脂層を前記印刷面の所定の領域にのみ形成することができるようにしたこと特徴とする樹脂層形成装置。
- 請求項1〜4いずれか1記載の樹脂層形成装置において、前記塗布手段は、前記樹脂液の塗布をスプレー又はジェットノズルを用いて行なうようにすることを特徴とする樹脂層形成装置。
- 請求項1〜5いずれか1記載の樹脂層形成装置において、前記樹脂液硬化手段は、前記接触材と前記印刷面との接触圧力を前記印刷面の表面状態により変化させるようにすることを特徴とする樹脂層形成装置。
- 印刷手段と、請求項1〜6いずれか1記載の樹脂層形成装置を有し、前記記録媒体の印刷面を前記印刷手段により作成することにより前記樹脂層を形成できるようにすることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項7記載の画像形成装置において、前記印刷手段に使用されるインクが水性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記水性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項7記載の画像形成装置において、前記印刷手段に使用されるインクが油性インクであり、前記樹脂層形成手段は、前記油性インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項7記載の画像形成装置において、前記印刷手段に使用されるインクが昇華型熱転写インクであり、前記樹脂層形成手段は、昇華型熱転写インクによる印刷面へ樹脂層を形成できるようにすることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項7〜10いずれか1記載の画像形成装置において、予め印刷がなされている記録媒体に対して、前記印刷手段を用いることなく、前記樹脂層の形成を行なうモードを選択できるようにすることを特徴とする画像形成装置。
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