JP2003512870A - 洗濯ばさみ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 洗濯ばさみは、主に２個の分枝（１、２）から構成され、各分枝が、他方の分枝の対応する顎部の正面に配置された、顎部を形成する前部（６、７）を含む。２個の分枝（１、２）は、比較的剛性の材料で構成され、顎部をなす部分（６、７）が、比較的柔軟な材料からなるライニング（１７、１８）を内側に備え、ライニングが、洗濯物との接触面（１９、２０）を形成する。このような洗濯ばさみにより、「跡」を残さずに洗濯物が最適にとめられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、洗濯ばさみに関する。

【０００２】

【従来の技術】

洗濯ばさみは、一般に、木製または合成の材料からなる２個の同じ分枝から構
成される。２個の分枝は、反対方向に組み立てられ、互いに回転可能である。各
分枝は、レバーアームをなす後部と、顎部をなす前部とを含み、前部は、他方の
分枝の対応する顎部の正面に配置されて、この他方の顎部と協働する。ばねが、
２個の分枝を結合し、締めつけ方向に向かって顎部を互いに付勢することにより
、乾燥させるために吊される洗濯物を挟むことができる

【０００３】 また、２個の分枝と、ヒンジをなす薄い厚さの結合ゾーンとを形成するように
、一体成形された合成材料からなる洗濯ばさみも知られている。たとえば、特許
出願ＥＰ０３０２１３５号、ＥＰ０６４１８８２号、およびＷＯ９３／２３６０
２号を参照されたい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

いずれの場合にも、洗濯ばさみの分枝は、剛性の部品もしくは部分であるので
、特に顎部に関して幾つかの不都合が生じる。これらの顎部が比較的滑らかな面
を有する場合、洗濯物を十分に保持できず、洗濯物自体の重量または、風などの
他の作用によって、洗濯物が滑って洗濯ばさみから外れるおそれがある。この不
都合を解消するために、洗濯ばさみは、しばしば、洗濯物をさらにしっかりとは
さむ歯形の顎部を備える。しかしながら、この構成は、挟んだ場所で、多かれ少
なかれ洗濯物に強く「跡をつける」という不都合を有する。

【０００５】 本発明の目的は、「跡をつける」ことなく洗濯物の保持を著しく改善する改良
洗濯ばさみを提供することにより、上記の不都合を解消することにあり、提案さ
れた洗濯ばさみは、単純な構造を保持するとともに経済的に製造される。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本発明が目的とする洗濯ばさみでは、２個の分枝の、比較的剛性の
材料で構成される顎部をなす部分が、洗濯物との接触面を形成するように構成さ
れた比較的柔軟な材料からなるライニングを内側に備える。

【０００７】 かくして、本発明が目的とする洗濯ばさみは、主な特徴として、２種類の異な
る材料から構成され、より柔軟な材料が顎部の内側に設けられる。「パッド」を
形成するこうした柔軟な材料は、洗濯ばさみの使用時に弾性的につぶれて洗濯物
を非常にうまく保持する。これは、シリコーンまたはフォームラバー等の柔軟な
使用材料の表面の品質が、滑りを防ぐだけにますます有効である。

【０００８】 この柔軟な材料は、特に、顎部と異なる材料の２個の小パッドの形状をとり、
洗濯ばさみの２個の分枝の顎部をなす部分の内側にそれぞれ固定される。

【０００９】 変形例では、柔軟な材料が、「Ｕ」字形の輪郭を持つ単一部品の形状をとり、
このＵ字形の対向する２個の翼部が、洗濯ばさみの２個の分枝の顎部をなす部分
の内側にそれぞれ固定される。このような「Ｕ」字形部品の構成材料の柔軟性に
より、洗濯ばさみを開閉するとき、Ｕ字形部品は自然に変形して、２個の分枝の
相対運動に「従う」ことができる。

【００１０】 剛性材料からなる２個の分枝に柔軟な材料からなる部分を固定する場合、様々
な製造技術が考えられる。

【００１１】 特に、２個の分枝が成形された合成材料から構成される洗濯ばさみの場合、柔
軟な材料からなる部分は、対応する分枝への成形および固定を同時に行う工業的
なツーショット（two-shot）射出成形技術または成形技術（overmolding）によ
り得られる。

【００１２】 柔軟な材料からなる部分はまた、貼り合わせもしくは嵌め込み（nest）により
、剛性材料からなる２個の分枝に固定される。

【００１３】 柔軟な材料からなる部分の有効性は、これらの部分、ならびに２個の分枝の顎
部をなす部分を、洗濯ばさみの分枝の他の部分に対して拡大することにより高ま
る。これにより、 −洗濯物との接触面を増して、洗濯物をいっそうよく保持することができる。 −より広い接触面に締めつけ圧を配分することにより、洗濯物に「跡をつける
」おそれをさらに制限することができる。

【００１４】 いずれにしても、本発明は、この洗濯ばさみの幾つかの実施形態を例として示
す添付図に関する以下の説明を読めば、いっそう理解されるだろう。

【００１５】

【発明の実施の形態】

図１は、細長い２個の分枝１、２を含む洗濯ばさみを示しており、分枝は、そ
れらの長さの中間地点で、薄いウェブ材料３によって互いに結合されている。２
個の分枝１、２とウェブ３は、比較的硬い合成材料の一体成形部品から構成され
るが、ウェブ３は、その厚みが薄いために、一定の可撓性を保持し、これによっ
てヒンジの役割を果たすことができる。各分枝１、２は、レバーアームをなす後
部４または５と、顎部をなす前部６または７とを含む。閉鎖位置への復帰用コイ
ルばね８は、２個の分枝１、２の間に取り付けられ、ばね８は、その端部で２個
のボス９、１０に配置される。このボスは、２個の分枝１、２の互いに向かい合
って配置された後部４、５の内側に、それぞれ形成される。

【００１６】 顎部をなす２個の分枝１、２の各前部６、７もまた、互いに向かい合って配置
され、柔軟な材料で内側を被覆されている。特に、図１に示した実施形態では、
シリコーンまたはフォームラバー等の柔軟な材料からなる「Ｕ」字形の単一部品
１１が設けられており、このＵ字形が、中間ゾーン１４によって相互結合される
２個の対向する翼部１２、１３を形成する。２個の翼部１２、１３は、２個の分
枝１、２の各前部６、７の内面にそれぞれ取り付けられて固定され、一方で、中
間ゾーン１４は、薄いウェブ３に取り付けられる。互いに向き合った２個の翼部
１２、１３の各内面１５、１６は、波形の輪郭を有し、洗濯ばさみの使用時に洗
濯物との接触面を構成する。部品１１を構成する材料の柔軟性により、また翼部
１２、１３の位置でこの材料がつぶれることにより、洗濯物の保持が改善され、
この洗濯物に望ましくない「跡」がつかないようにする。さらに、特に中間ゾー
ン１４における部品１１の柔軟性によって、洗濯ばさみの開閉時に、薄いウェブ
３の変形と２個の分枝１、２の相対運動とに「従う」ことができる。

【００１７】 図２は、２個の分枝１、２と、この２個の分枝１、２を結合するウェブ材料３
とに関して、一般的な構造が図１の構造と同じ洗濯ばさみを示す。このアセンブ
リもまた、比較的剛性の合成材料からなる一体成形部品から構成される。２個の
分枝１、２の、顎部をなす各前部６、７は、ここでは、それぞれ内面に、柔軟な
材料からなる２個の小パッド１７、１８を有している。従って、小パッドは向か
い合って配置される。パッド１７、１８は、顎部をなす部分６、７のショルダで
係止される。互いに向かい合ったこれらの２個のパッド１７、１８の各内面１９
、２０は、ここでは比較的なめらかであり、洗濯ばさみの使用時に洗濯物との接
触面を構成する。上記と同様に、２個のパッド１７、１８の構成材料の柔軟性と
、パッドのつぶれとにより、「跡をつける」ことなく、洗濯物を非常にうまく保
持できる。

【００１８】 図３は、別のタイプの洗濯ばさみに本発明を適用したところを示しており、ほ
ぼ平行な２個の分枝１、２を含み、これらの分枝が洗濯ばさみの後部２１で結合
されている。このタイプの洗濯ばさみは、特に北欧諸国に普及している。ここで
も、顎部を形成する２個の分枝１、２の各前部６、７は、前の二つの実施形態と
同様に、洗濯ばさみの他の部分と比べて、柔軟な材料からなる被覆部によってラ
イニングされている。洗濯ばさみの他の部分は、比較的剛性の材料が、２個の分
枝１、２の領域で一定の弾性を有する。柔軟な部分は、ここでも同様に２個のパ
ッド１７、１８の形状をとり、２個の分枝１、２の各前部６、７に固定される。

【００１９】 柔軟な材料からなる２個のパッド１７、１８を２個の分枝１、２の各前部６、
７に固定するには、洗濯ばさみの製造中に、ツーショット射出成形、成形、貼り
合わせ、嵌め込み、スナップ嵌め合い等の様々な方法で実施することができる。

【００２０】 言うまでもないが、本発明は、例として挙げた上記の洗濯ばさみの実施形態だ
けに制限されるものではなく、反対に、同じ原理に基づく全ての変形実施形態お
よび応用を含む。従って、特に、本発明の範囲を逸脱することなく、 −適切な別の形態およびまたは材料で柔軟な部分を構成し、 −あらゆる手段により洗濯ばさみの２個の分枝にこれらの柔軟な部分を固定し
、 −比較的剛性の全ての材料で分枝を構成可能な、あらゆるタイプおよびあらゆ
る形態の洗濯ばさみに本発明を適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明が目的とする洗濯ばさみの第一の実施形態の正面図である。

【図２】 この洗濯ばさみの第二の実施形態の正面図である。

【図３】 この洗濯ばさみの第三の実施形態の正面図である。

【符号の説明】

１・２ 分枝 ６・７ 顎部 １１・１７・１８ 被覆部 １２・１３ 翼部 １５・１６・１９・２０ 接触面

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年１０月１５日（２００１．１０．１５）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正の内容】

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】 いずれの場合にも、これらの洗濯ばさみの分枝は、剛性の部品もしくは部分で
あるので、特に顎部に関して幾つかの不都合が生じる。これらの顎部が比較的滑
らかな面を有する場合、洗濯物を十分に保持できず、洗濯物自体の重量または、
風などの他の作用によって、洗濯物が滑って洗濯ばさみから外れるおそれがある
。この不都合を解消するために、洗濯ばさみは、しばしば、洗濯物をさらにしっ
かりとはさむ歯形の顎部を備える。しかしながら、この構成は、挟んだ場所で、
多かれ少なかれ洗濯物に強く「跡をつける」という不都合を有する。 また、フランス特許ＦＲ２５５６６２０Ａ号およびドイツ特許ＤＥ５２８５２ ０Ｃ号から、比較的剛性の材料で構成された２個の分枝を持つ洗濯ばさみが知ら れている。分枝の顎部をなす部分は、内側に、シャフトとの接触面を形成するよ うに構成された比較的柔軟な材料からなるパッドまたはライニングを備える。フ ランス特許ＦＲ２５５６６２０Ａ号の場合、洗濯ばさみの２個の分枝は、それぞ れが対称な構造を有し、柔軟なパッドが、各分枝の対向する二端に設けられてい る。かくして、洗濯ばさみの一端における２個のパッドの作動が、他端における ２個のパッドの作動を妨げるので、このような洗濯ばさみの締めつけ効果は、非 常に不確実なものになる。ドイツ特許ＤＥ５２８２５９Ｃ号に関しては、カムレ バーにより制御される洗濯ばさみが記載されており、従って、カムレバーのため に追加回転軸が必要になるので機構が比較的複雑になる。このような洗濯ばさみ の使用は実用的ではない。何故なら、洗濯物を吊し続けながら、２個の分枝およ びレバーに同時に作動しなければならないからである。さらに、ドイツ特許ＤＥ ５２８２５９Ｃ号の洗濯ばさみは、閉鎖位置への復帰ばねを備えない。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正の内容】

【０００６】

【課題を解決するための手段】 このため、本発明は、主に２個の分枝から構成され、各分枝が、他方の分枝の 対応する顎部の正面に配置された、顎部を形成する前部と、レバーアームをなす 後部とを含み、２個の分枝が、それらの長さの中間地点で、ヒンジの役割を果た すウェブ材料によって互いに結合され、閉鎖位置への復帰用コイルばねが、２個 の分枝の間に取り付けられて、２個の分枝の後部の内側にそれぞれ形成された２ 個のボスの間に、ばねの端部が配置され、一方で、２個の分枝の、比較的剛性の 材料で構成される顎部をなす部分が、洗濯物との接触面を形成するように構成さ れた比較的柔軟な材料からなる被覆部が内側にライニングされ、前記接触面が、 波形の輪郭を有する前記被覆部の内面、あるいは、前記被覆部の比較的滑らかな 内面から形成される洗濯ばさみを目的とする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２個の分枝（１、２）から構成され、各分枝が、他方の分枝
   の対応する顎部の正面に配置された、顎部を形成する前部（６、７）を含む洗濯
   ばさみにおいて、２個の分枝（１、２）の、比較的剛性の材料で構成される顎部
   をなす部分（６、７）が、洗濯物との接触面（１５、１６；１９、２０）を形成
   するように構成された比較的柔軟な材料からなる被覆部（１１；１７、１８）に
   よって内側にライニングされていることを特徴とする洗濯ばさみ。
2. 【請求項２】 前記柔軟な材料が、シリコーンまたはフォームラバーである
   ことを特徴とする請求項１に記載の洗濯ばさみ。
3. 【請求項３】 前記柔軟な材料が、異なる２個の小パッド（１７、１８）の
   形状をとり、洗濯ばさみの２個の分枝（１、２）の顎部をなす部分（６、７）の
   内側にそれぞれ固定されることを特徴とする請求項１または２に記載の洗濯ばさ
   み。
4. 【請求項４】 前記柔軟な材料が、「Ｕ」字形の輪郭を持つ単一部品（１１
   ）の形状をとり、前記Ｕ字形の対向する２個の翼部（１２、１３）が、洗濯ばさ
   みの２個の分枝（１、２）の顎部をなす部分（６、７）の内側にそれぞれ固定さ
   れることを特徴とする請求項１または２に記載の洗濯ばさみ。
5. 【請求項５】 ２個の分枝（１、２）が、成形された合成材料で構成される
   洗濯ばさみの場合、柔軟な材料からなる部分（１１；１７、１８）が、ツーショ
   ット射出成形技術または成形技術により得られることを特徴とする請求項１から
   ４のいずれか一項に記載の洗濯ばさみ。
6. 【請求項６】 柔軟な材料からなる部分（１１；１７、１８）が、貼り合わ
   せにより２個の分枝（１、２）に固定されることを特徴とする請求項１から４の
   いずれか一項に記載の洗濯ばさみ。
7. 【請求項７】 柔軟な材料からなる部分（１１；１７、１８）が、嵌め込み
   により２個の分枝（１、２）に固定されることを特徴とする請求項１から４のい
   ずれか一項に記載の洗濯ばさみ。
8. 【請求項８】 柔軟な材料からなる部分（１１；１７、１８）、ならびに２
   個の分枝（１、２）の顎部をなす部分（６、７）が、洗濯ばさみの分枝（１、２
   ）の他の部分よりも広いことを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載
   の洗濯ばさみ。