JP2732382B2 - 合成樹脂製のスラックス用ハンガー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ハンガー主体に
片持ち支持された二股形の吊り下げ杆を有して、平面状
に折り畳んだスラックスの両脇のベルト通しに上記二股
形の吊り下げ杆を挿通して吊り下げるようにした合成樹
脂製のスラックス用ハンガーに関し、吊り下げ杆を２本
に分離して成形することにより、ハンガーの使用を安全
にできるようにしたことを特長とするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のスラックス用ハンガー
は、ハンガー主体の一方の端部（図１左側）に、端面か
ら下面へかけて、上部が広く下部が狭くなるように開口
する嵌合溝を設け、１本の二股形の吊り下げ杆の端部
に、上記嵌合溝の内面形状と合致する外形を具えた嵌合
部を設け、この嵌合溝と嵌合部との嵌合により、ハンガ
ー主体と吊り下げ杆とを結合するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように１本の二
股形の吊り下げ杆の一端に、嵌合溝の内面形状に合致さ
せて上部が広く下端の狭い嵌合部を形成し、他端をスラ
ックスに挿通させる自由端に形成して成形する従来のハ
ンガーは、型抜きの関係から、二股形の吊り下げ杆の、
互いに向かい合う内側面の上下の縁がシャープに成形さ
れることになるので、ハンガーの使用に際して、スラク
ッス自体あるいはベルト通しが該縁を擦過して商品を傷
めたり、指を傷つけたりする危険を生じ易い欠点があっ
た。

【０００４】そのために、二股形の吊り下げ杆の当該部
分の縁がシャープに成形されないようにすることがこの
種の合成樹脂製のスラックス用ハンガーにおいて解決す
べき課題となっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、一端に
フック部を具え、他端に、端面から下面にかけて、上部
の幅が広く下部が狭くなるように開口する嵌合溝を設け
たハンガー主体と、一端に上記嵌合溝に嵌合する嵌合部
を設け、吊り下げるべきスラックスの両脇のベルト通し
に挿通される前後に二股形をなす吊り下げ杆とを備えた
合成樹脂製のスラックス用ハンガーにおいて、前記吊り
下げ杆は、それぞれの一端に、前記嵌合溝の内部を長さ
方向に沿って縦に２分した断面形状を有する半割り形の
嵌合部を設け、この２分した嵌合部をそれぞれ前記ハン
ガー主体の嵌合溝に嵌合することにより二股形を形成す
るようにした２本の吊り下げ杆よりなることを特徴とす
るスラックス用ハンガーを提供するものである。

【０００６】図示のように、二股形をなす吊り下げ杆を
２本に分けてハンガー主体の嵌合溝に嵌合させるように
した本発明ハンガーは、ハンガーの正面から見て、手前
側になる吊り下げ杆と、向こう側の吊り下げ杆を長さ方
向に沿って縦に２分される金型により個別に成形するこ
とができる。そして、金型の合わせ目となる吊り下げ杆
の上下の面と両側面を曲面で連続させることにより、吊
り下げ杆の内側面の上下の縁をシャープに成形されない
ハンガーを得ることができる。

【０００７】さらに、吊り下げ杆を２本に分けてハンガ
ー主体の嵌合溝と嵌合させるようにした本発明ハンガー
は、ハンガー主体の嵌合溝を長さ方向に沿って上段を幅
広の溝に形成し、相対的に幅を狭くした下段の溝の内側
面と、この内側面に沿う２本の吊り下げ杆の嵌合部の両
外側面とに、端面側に向けて逆止爪状に作用する抜け止
め用の凹凸部を設け、先に一方の吊り下げ杆の嵌合部を
嵌合溝に嵌め込み、後から他方の吊り下げ杆の嵌合部を
嵌め込むことにより、嵌合溝の開口部の溝幅を超える抜
け止め用の凹凸部の嵌合が比較的にスムーズにでき、接
着剤を使用することなく、ハンガー主体と２本の吊り下
げ杆の嵌め合いを互いに緊締させて強固に結合させるこ
とができる。本発明は上記のようにして、前記の課題を
解決したものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明ハンガーは、以上の説明か
ら明らかなように、それぞれ合成樹脂の成形体で、一端
にフック部２を具え、他端に嵌合溝３を開口したハンガ
ー主体１と、それぞれの一端に、上記嵌合溝３に嵌め込
まれる嵌合部６，７を設けて、前後で一対をなし、嵌合
溝３内での両嵌合部６，７の接合により二股形になる２
本の吊り下げ杆４，５とからなる。

【０００９】

【実施例】ハンガー主体１の嵌合溝３は、図１に示すよ
うに、ハンガー主体１の左端から下面にかけて開口し、
図２に示すように、上段を横幅の広い溝３ａに、下段を
相対的に幅の狭い溝３ｂに形成することによって、図２
に示すように嵌合させた嵌合部６，７の下方への脱落を
阻止し、その嵌め込みにより二股形になる２本の吊り下
げ杆４，５を片持ち支持する。

【００１０】吊り下げ杆４，５の左端にそれぞれ設けた
嵌合部６，７は、嵌合溝３の内部を長さ方向に沿って縦
に２分した断面形状を有する半割り形に形成されてい
る。また、この実施例において、嵌合溝３の前記下段の
溝３ｂの内側面と、この内側面部に対応する２本の吊り
下げ杆４，５の嵌合部６、７の両外側面には、図３に示
すように、互いに噛み合って端面側に向けてそれぞれ逆
止爪状に作用する抜け止め用の凹凸部８，９が設けられ
ている。

【００１１】そして、ハンガーの組立に際し、一方の吊
り下げ杆４の嵌合部６を嵌合溝３の所定位置まで先に挿
入し、一側の抜け止め用の凹凸部８，９を互いに噛み合
わせておき、次に他方の吊り下げ杆５の嵌合部７を、素
材の有する弾性を利用して、嵌合溝３の左端の開口部か
ら圧入することにより、該開口部の溝幅を超えた横幅を
有する凸部９の嵌め込みが比較的に容易にできる。

【００１２】上記のように、両嵌合部６，７の外側面に
設けた凸部９と、嵌合溝３の内側面に設けた凹部８とが
合致すれば、接着剤を使用することなく、嵌合部６，７
の後退が阻止されるとともに、ハンガー主体の嵌合溝３
と２本の吊り下げ杆４，５の嵌合部６，７相互の嵌合状
態が互いに緊締されて、接着剤を使用することなく強固
に一体に結合する。

【００１３】なお、本発明の第一の目的は、前述のよう
に二股形の吊り下げ杆４，５の内側面にシャープな縁を
形成しないことにあるので、上記抜け止め用の凹凸部
８，９を設けることなく、例えば半割り形の嵌合部６，
７と嵌合溝３との接合面を接着剤により固定するように
してもよい。また、接着を不要にするために抜け止め用
の凹凸部８，９を設ける場合は、嵌合溝３の内側面側に
凸部９を設け、嵌合部６，７の外側面側に凹部８を設け
ることもできる。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明は、ハンガー主体の
嵌合溝に一端の嵌合部を密嵌合させて片持ち支持状に支
持される二股形の吊り下げ杆を前後に２分するととも
に、それぞれの一端に、上記嵌合溝の内面を長さ方向に
沿って縦に２分した断面形状を有する半割り形の嵌合部
を設けて、上記ハンガー主体の嵌合溝内に嵌合するよう
にしたので、２本の吊り下げ杆を個別に成形し、二股形
の吊り下げ杆の内側面の上下の縁に丸みのある曲面を形
成して、危険のないハンガーのスムーズな使用を図るこ
とができる。また、シャープな縁の解消によりハンガー
の取扱時における商品や手指の損傷を未然に防止でき
る。本発明には以上のような優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例を示す一部切欠分解正面
図

【図２】図２は嵌合溝と嵌合部との嵌合状態を示す一部
切欠拡大側面図

【図３】図３は図２のＡ−Ａ’断面図である。

【符号の説明】

１ ハンガー主体 ２ フック部 ３ 嵌合溝 ３ａ 上段の溝 ３ｂ 下段の溝 ４ 吊り下げ杆 ５ 吊り下げ杆 ６ 嵌合部 ７ 嵌合部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端にフック部を具え、他端に、端面か
   ら下面にかけて、上部の幅が広く下部が狭くなるように
   開口する嵌合溝を設けたハンガー主体と、一端に上記嵌
   合溝に密嵌合する嵌合部を設け、吊り下げるべきスラッ
   クスの両脇のベルト通しに挿通される前後に二股形をな
   す吊り下げ杆とを備えた合成樹脂製のスラックス用ハン
   ガーにおいて、前記吊り下げ杆は、それぞれの一端に、
   前記嵌合溝の内部を長さ方向に沿って縦に２分した断面
   形状を有する半割り形の嵌合部を設け、この２分した嵌
   合部をそれぞれ前記ハンガー主体の嵌合溝に嵌合するこ
   とにより二股形を形成するようにした２本の吊り下げ杆
   よりなることを特徴とするスラックス用ハンガー。
2. 【請求項２】 前記嵌合溝は、長さ方向に沿って上段が
   幅広で、下段が相対的に幅の狭い上下２段の内側面を有
   する溝に形成され、下段の溝の両内側面と、この内側面
   に沿う前記２本の吊り下げ杆の嵌合部の両外側面とに、
   互いに噛み合って端側に向けて逆止爪状に作用する抜け
   止め用の凹凸部を設けて、前記ハンガー主体の嵌合溝と
   前記２本の吊り下げ杆の嵌合部との嵌合状態を接着剤を
   使用することなく互いに結合させるように構成した請求
   項１の合成樹脂製のスラックス用ハンガー。