JP2003511065A - 新規ヒトカリウムチャンネルサブユニット - Google Patents

新規ヒトカリウムチャンネルサブユニット

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JP2003511065A
JP2003511065A JP2001530451A JP2001530451A JP2003511065A JP 2003511065 A JP2003511065 A JP 2003511065A JP 2001530451 A JP2001530451 A JP 2001530451A JP 2001530451 A JP2001530451 A JP 2001530451A JP 2003511065 A JP2003511065 A JP 2003511065A
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subunit
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リウ,ユーアン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カリウムチャンネルサブユニットIsK2をコードする新規ヒトDNA配列、該DNA配列にコードされるタンパク質、該DNA配列を含むベクター、該ベクターを含有する宿主細胞、ならびに該ヒトIsK2サブユニットを含有するカリウムチャンネルのインヒビターおよびアゴニストの同定方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、カリウムチャンネルサブユニットをコードする新規ヒトDNA配列
、該DNA配列にコードされるタンパク質、組換え細胞における該タンパク質の
発現方法、ならびに該サブユニットを含むカリウムチャンネルのアクチベーター
およびインヒビターの同定方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 電位依存性カリウムチャンネルは、細胞膜電位の変化に応答して開く膜貫通ポ
アを形成し、カリウムイオンを選択的に膜通過させる。電位依存性カリウムチャ
ンネルは、多数の細胞(例えば、ニューロン、筋細胞および膵β細胞)における
細胞膜電位の維持および活動電位の再分極の制御に関与することが示されている
。脱分極後、電位依存性カリウムチャンネルは開き、カリウム流出を可能にして
、膜の再分極を可能にする。この挙動のため、電位依存性カリウムチャンネルは
、種々の疾患に関連した薬物発見のための重要な標的となっている。その結果、
多数の電位依存性カリウムチャンネルが同定されており、多数がクローニングさ
れている。それらは、それらの一次アミノ酸配列、組織特異的発現パターン、な
らびに電気生理学的および薬理学的特性により区別されうる。電位依存性カリウ
ムチャンネルの総説としては、Robertson,1997,Trends
Pharmacol.Sci.18:474−483;Jan & Jan,1
997,J.Physiol.505:267−282;Catterall,
1995,Ann.Rev.Biochem.64:493−531を参照され
たい。
【0003】 多数の機能的電位依存性カリウムチャンネルは、6個の膜貫通伸長セグメント
をそれぞれが含有する4個のαサブユニットの四量体であると考えられている。
四量体を構成するαサブユニットは同一であることもあれば(ホモ四量体の場合
)、異なることもある(ヘテロ四量体の場合)。該四量体を構成する膜伸長αサ
ブユニットは、該四量体の挙動を改変しうる追加的なβサブユニットを伴うこと
がある。
【0004】 一方、他のタイプの電位依存性カリウムチャンネルは、追加的なタイプのサブ
ユニットを含有する少々異なる構造を有するらしい。特に、心臓活動電位の再分
極の一部を媒介するカリウムチャンネルは、2つの異なるサブユニット(KvQ
LT1およびminK)のヘテロマーであり、遅く活性化する遅延整流カリウム
電流をもたらす(Sanguinettiら,1996,Nature 384
:80−83)。
【0005】 KvQLT1は、6個の疎水性膜伸長αヘリックスと典型的なカリウムチャン
ネルシグネチャー配列とを有するタンパク質である(Sanguinettiら
,1996,Nature 384:80−83;Heginbothamら,
1994,Biophys.J.66:1061−1067)。MinKは、単
一の膜貫通ドメインを有する小さな(129〜130アミノ酸)タンパク質であ
る(Takumiら,1988,Science 242:1042−1045
;Swansonら,1993,Sem.Neurosci.5:117−12
4)。KvQLT1は単独でイオンチャンネルを形成しうるが、遅いゲーティン
グ速度論、小さな単位コンダクタンス、第2メッセンジャーに対する感受性、お
よびクラスIII抗不整脈剤に対する親和性(天然IKsチャンネルにより示さ
れるもの)を有する複合体を生成するためにはminKの存在が必要である(T
akumiら,1988,Science 242:1042−1045;Go
ldstein & Miller,1991,Neuron 7:403−4
08;Blumenthal & Kaczmarek,1994,J.Neu
rosci.14:3097−3105;Sanguinettiら,1996
,Nature 384:80−83;Buschら,1997,Br.J.P
harmacol.122:187−189;Sesti & Goldste
in,1998,J.Gen.Phys.112:651−664;Tai &
Goldstein,1998,Nature 391:605−608;B
arhaninら,1996,Nature 384:78−80)。
【0006】 もう1つのタイプの遅延整流カリウムチャンネル電流はIKr電流である。I Kr 電流は、タンパク質h−erg(ヒトether−a−go−go関連遺伝
子)がポア形成サブユニットであるカリウムチャンネルにより媒介される(Sa
nguinettiら,1995,Cell 81:299−307;Curr
anら,1995,Cell 80:795−803)。MinKもh−erg
と共集合して機能的心臓IKrチャンネルを形成しうる(McDonaldら,
1997,Nature 388:289−292)。
【0007】 公知サブユニットに関連した他の新規カリウムチャンネルサブユニット、特に
、限局化組織発現を示すものを見出すことが望ましい。そのような新規サブユニ
ットは薬物発見の魅力的な標的となり、イオンチャンネル生物学に関する更なる
詳細を理解するための重要な研究手段となろう。
【0008】 本発明者らによるIsK2遺伝子の発見後、Abbottら,1999,Ce
ll 97:175−187は、本明細書に開示するIsK2タンパク質と同じ
アミノ酸配列を有するMiRP1と称される遺伝子のクローニングを報告した。
【0009】 (発明の概要) 本発明は、遅延整流カリウムチャンネルのminKサブユニットに類似したタ
ンパク質であるIsK2をコードする新規ヒトDNA配列に関する。本発明のD
NAは、配列番号1および配列番号1の79−447位として示すヌクレオチド
配列を含む。該新規DNA配列にコードされるタンパク質も提供する。該タンパ
ク質は、配列番号2として示すアミノ酸配列およびその断片を含む。組換え系に
おける該新規サブユニットタンパク質の発現方法、ならびに該サブユニットタン
パク質を含むカリウムチャンネルのアクチベーターおよびインヒビターの同定方
法を提供する。
【0010】 (図面の簡単な記載) 図1Aは、IsK2をコードするDNA配列(配列番号1)を示す。開始AT
Gコドンは79−81位であり、終結コドンは448−450位である。図1B
は、IsK2サブユニットの推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【0011】 図2は、IsK2(配列番号2)とヒトminK(配列番号3)とのアミノ酸
配列アライメントを示す。
【0012】 図3A〜Fは、ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイ
ゼーション/免疫組織化学的局在化研究を示す。図3A〜Cは、同じ組織切片を
示す。図3Aは、ビオチンで標識されTexas Redで検出された、IsK
2遺伝子からのmRNA転写産物に特異的なリボヌクレオチドプローブでのin
situハイブリダイゼーションを示し、IsK2 mRNAを発現する細胞
は赤色で出現する。図3Bは、図3Aと同じ細胞の免疫組織化学を示すが、この
場合には、ガストリンに特異的な抗体で可視化されており、FITC共役二次抗
体で検出されている。ガストリンペプチドを発現する細胞は緑色で出現する。図
3Aにおける赤染色のパターンは図3Bにおける緑染色のパターンと同じである
と理解され、このことは、IsK2を発現する同じ細胞がガストリンをも発現す
ることを示している。これは、IsK2およびガストリンの両方に関して該細胞
が同時に染色される結果を示す図3Cにおいて確認される。この場合、該細胞は
黄色(赤と緑との組合せ)で出現し、この場合にも、このことは、該細胞がIs
k2およびガストリンの両方を発現することを示している。図3Dは、IsK2
およびガストリンに関して染色された胃細胞の別の領域を示す。この場合にも、
唯一の染色細胞は黄色で出現する。図3Eは、IsK2およびソマトスタチンに
関して染色された(ソマトスタチンに対する抗体を使用し、FITC共役二次抗
体で検出された)胃細胞の別の領域を示す。この場合、IsK2を発現する細胞
(赤色に染色されている)は、ソマトスタチンを発現する細胞(緑色に染色され
ている)とは異なる。図3Fは、IsK2およびサブスタンスPの両方に関して
染色された(サブスタンスPに対する抗体を使用し、FITC共役二次抗体で検
出された)胃細胞の別の領域を示す。この場合、IsK2を発現する細胞(赤色
に染色されている)は、サブスタンスPを発現する細胞(緑色に染色されている
)とは異なる。
【0013】 図4A〜Fは、種々のヒト組織におけるIsK2(図4A)、KvLQT1(
図4B)、KCNQ2(図4C)、KCNQ3(図4D)、KCNQ4(図4E
)およびh−erg(図4F)の発現のノーザンブロット分析を示す。
【0014】 図5A〜Eは、ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブ
ユニットの発現の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示す
。IsK2遺伝子からのmRNA転写産物に特異的なリボヌクレオチドプローブ
を、ビオチンで標識し、Texas Redで検出した。IsK2 mRNAを
発現する細胞は赤色で出現する。その他のカリウムチャンネルサブユニットから
のmRNA転写産物はFITCで可視化したため、緑色で出現する。Isk2と
もう1つのサブユニットとを共発現する細胞は黄色(赤と緑との組合せ)で出現
する。図5Aは、Isk2およびKCNH2(herg)に特異的なプローブを
使用した場合の結果を示し、黄色の細胞は認められない。図5Bは、Isk2お
よびKCNQ4に特異的なプローブを使用した場合の結果を示し、黄色の細胞は
認められない。図5Cは、Isk2およびKCNQ1(KvLQT1)に特異的
なプローブを使用した場合の結果を示す。図5Dは図5Cの拡大図であり、多数
の黄色の細胞が明らかであり、このことは、それらの細胞におけるIsk2およ
びKCNQ1の共発現を示しており、Isk2およびKCNQ1が共集合してそ
れらの細胞においてヘテロマーカリウムチャンネルを形成しうることを示唆して
いる。図5Eは、Isk2およびKCNQ1に特異的なプローブを使用して得ら
れた胃細胞の別の領域であり、この場合にも、多数の黄色の細胞が認められる。
【0015】 (発明の詳細な記載) 本発明の目的においては、「他のタンパク質を実質的に含有しない」は、他の
タンパク質から少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは99%、
より一層好ましくは99.9%フリーである(すなわち、かかる割合分は他のタ
ンパク質を含有しない)ことを意味する。したがって、他のタンパク質を実質的
に含有しないヒトIsK2サブユニットタンパク質調製物は、その全タンパク質
に対する割合として、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以
下、より一層好ましくは0.1%以下の、ヒトIsK2サブユニットタンパク質
でないタンパク質を含有するであろう。ある与えられたヒトIsK2サブユニッ
トタンパク質調製物が他のタンパク質を実質的に含有しないか否かは、適当な検
出方法(例えば、銀染色または免疫ブロット法)と組合せた例えばドデシル硫酸
ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)などのタンパ
ク質純度を評価する通常の技術により判定することができる。
【0016】 「他の核酸を実質的に含有しない」は、他の核酸から少なくとも90%、好ま
しくは95%、より好ましくは99%、より一層好ましくは99.9%フリーで
あることを意味する。したがって、他の核酸を実質的に含有しないヒトIsK2
サブユニットDNA調製物は、その全核酸に対する割合として、10%以下、好
ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、より一層好ましくは0.1%以下
の、ヒトIsK2をコードしない核酸を含有するであろう。ある与えられたヒト
IsK2サブユニットDNA調製物が他の核酸を実質的に含有しないか否かは、
適当な染色方法(例えば、臭化エチジウム染色)と組合せた例えばアガロースゲ
ル電気泳動などの核酸純度を評価する通常の技術により、または配列決定により
判定することができる。
【0017】 「同類アミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、化学的に類似した別のアミノ
酸残基により置換されることを意味する。そのような同類置換の具体例としては
、疎水性残基(イソロイシン、ロイシン、バリンまたはメチオニン)間での置換
、ある極性残基を同じ電荷の別の極性残基で置換すること(例えば、リシンから
アルギニンへの、アスパラギン酸からグルタミン酸への置換)、芳香族アミノ酸
(トリプトファン、チロシンまたはフェニルアラニン)間での置換が挙げられる
【0018】 あるポリペプチドが「ヒトIsK2サブユニットタンパク質と実質的に同じ生
物活性」を有するのは、そのポリペプチドが別のカリウムチャンネルサブユニッ
トと一緒になって、機能的カリウムチャンネルを構成する複合体を形成すること
が可能であり、該IsK2タンパク質がその別のサブユニットに付与する電気生
理学的または薬理学的特性に類似した(その別のサブユニット単体と比較して)
変化した電気生理学的または薬理学的特性を該ポリペプチドが該複合体に付与し
、該ポリペプチドが、BLASTまたはFASTAなどの標準的なプログラムに
より測定された場合に配列番号2と少なくとも約50%同一であるアミノ酸配列
を有する場合である。該ポリペプチドが一緒になりうる別のカリウムチャンネル
サブユニットの具体例としては、KvQLT1、KvLQT2、KvLQT3、
KvLQT4、KvLQT5およびh−ergが挙げられる。
【0019】 本発明は、ヒトIsK2タンパク質をコードするDNAの同定およびクローニ
ングに関する。ゲノムDNAおよびESTデータベースの検索において、IsK
タンパク質に対する相同性を有するタンパク質をコードするクローンとして、c
DNAを同定した。該IsKタンパク質(minKとしても公知である)は、心
臓K電流(IKrおよびIKs)の再分極を引き起こす2つのカリウムチャン
ネルのサブユニットである。該IsKタンパク質に対するその相同性を考慮して
、該cDNAにコードされるタンパク質をIsK2と命名した。IsK2の発現
パターンのノーザンブロット分析は、ヒトの胃における強力な発現、および結腸
および小腸における非常に弱い発現を示し、試験した他のいずれの組織において
も、発現は全く検出されなかった(図4A)。in situハイブリダイゼー
ションおよび免疫組織化学による更に詳細な分析は、ヒトの胃におけるこのチャ
ンネルタンパク質の発現が主としてG細胞(すなわち、胃のガストリン分泌細胞
;図3A〜Fを参照されたい)におけるものであり、胃平滑筋においても非常に
少量の発現が認められることを示した。
【0020】 染色体マッピング研究は、IsK2遺伝子が、逆配向の該IsK遺伝子の約8
0kb以内で且つ同一染色体上、21q22.1にマッピングされることを示し
ている。
【0021】 本発明は、ヒトIsK2サブユニットをコードする、他の核酸を実質的に含有
しないDNAを提供する。本発明はまた、ヒトIsK2サブユニットをコードす
る単離された及び/又は組換えDNA分子を提供する。本発明は、配列番号1に
示すヌクレオチド配列を含む、他の核酸を実質的に含有しないDNA分子を提供
する。
【0022】 本発明は、配列番号1のコード領域を含む単離されたDNA分子および他の核
酸を実質的に含有しないDNA分子を含む。したがって、本発明は、配列番号1
の79−447位(コード配列)を含む配列を有する単離されたDNA分子およ
び他の核酸を実質的に含有しないDNA分子を含む。
【0023】 また、配列番号1の79−447位を含むヌクレオチド配列を有する組換えD
NA分子も含まれる。ヒトIsK2サブユニットをコードする本発明の新規DN
A配列は、全体的または部分的に、他のDNA配列(すなわち、ヒトIsK2サ
ブユニットが天然では結合していないDNA配列)と結合して、ヒトIsK2サ
ブユニットをコードする「組換えDNA分子」を形成しうる。そのような他の配
列は、転写または翻訳を制御するDNA配列、例えば、翻訳開始配列、IRES
(internal ribosome entry sites)、RNAポ
リメラーゼIIのプロモーター、転写または翻訳終結配列、エンハンサー配列、
微生物における複製を制御する配列、抗生物質耐性を付与する配列、またはポリ
ペプチド「タグ」(例えば、ポリヒスチジン領域、FLAGエピトープ、myc
エピトープ)をコードする配列を含みうる。本発明の新規DNA配列は、プラス
ミド、コスミド、ウイルスベクター、P1人工染色体、酵母人工染色体などのベ
クター内に挿入することができる。
【0024】 本発明には、高いストリンジェンシーの条件下で配列番号1にハイブリダイズ
するDNA配列が含まれる。例えば、高いストリンジェンシーの条件を用いる方
法としては、以下のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。DN
Aを含有するフィルターのプレハイブリダイゼーションを、6×SSC、5×デ
ンハルト液および100μg/ml 変性サケ精子DNAを含むバッファー中、
65℃で2時間〜一晩行なう。100μg/ml 変性サケ精子DNAおよび5
〜20×10cpmの32P標識プローブを含有するプレハイブリダイゼーシ
ョン混合物中、フィルターを65℃で12〜48時間ハイブリダイズさせる。2
×SSC、0.1% SDSを含有する溶液中、37℃で1時間、フィルターの
洗浄を行なう。この後、0.1×SSC、0.1%SDS中、50℃で45分間
の洗浄を行ない、ついでオートラジオグラフィーに付す。
【0025】 高いストリンジェンシーの条件を用いる他の方法は、5×SSC、5×デンハ
ルト液、50% ホルムアミド中、42℃で12〜48時間行なうハイブリダイ
ゼーション、または0.2×SSPE、0.2% SDS中、65℃で30〜6
0分間行なう洗浄工程を含むであろう。
【0026】 高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを行なうための前記方法で
挙げた試薬は当技術分野でよく知られている。これらの試薬の組成の詳細は、例
えば、Sambrook,FritschおよびManiatis,1989, Molecular Cloning:A Laboratory Manua ,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory
Pressに記載されている。前記のもの以外の使用可能な他の高いストリンジ
ェンシー条件は当技術分野でよく知られている。
【0027】 遺伝暗号の縮重のため、2種のアミノ酸を除く全てのアミノ酸に関しては、2
以上のコドンが1つの特定のアミノ酸をコードする。このため、配列番号1のヌ
クレオチド配列とは有意に異なるが配列番号1と同じヒトIsK2サブユニット
タンパク質を尚もコードする合成DNAヌクレオチド配列を有するヒトIsK2
サブユニットタンパク質コード化合成DNAの構築が可能となる。そのような合
成DNAは本発明の範囲内にあると意図される。
【0028】 配列番号1の突然変異形態は本発明の範囲内にあると意図される。特に、野生
型Isk2タンパク質と別のカリウムチャンネルサブユニットとの組合せにより
形成されるカリウムチャンネルと比較して改変された電位感受性、電流伝達特性
、薬理学的特性または他の特性を有するカリウムチャンネルを前記の別のカリウ
ムチャンネルサブユニットと一緒になった場合に与えるタンパク質をコードする
配列番号1の突然変異形態は、本発明の範囲内にあると意図される。そのような
突然変異形態は、ヌクレオチドの欠失、置換または付加を有することにより、配
列番号1とは異なりうる。
【0029】 また、配列番号1に対応する配列を有するRNA分子も、本発明の範囲内にあ
ると意図される。配列番号1の逆相補体であるアンチセンスヌクレオチド、DN
AもしくはRNAまたはそれらの一部も、本発明の範囲内である。また、少数の
位置が非天然または修飾ヌクレオチド(例えば、イノシン、メチル−シトシンま
たはデアザ−グアノシン)で置換された配列番号1に基づくポリヌクレオチドは
、本発明の範囲内にあると意図される。本発明のポリヌクレオチドはまた、該ヌ
クレオチド間に非天然連結が存在する配列番号1に基づく配列を含みうる。その
ような非天然連結は、例えば、メチルホスホナート、ホスホロチオアート、ホス
ホロジチオナート、ホスホロアミジットおよびリン酸エステルでありうる。本発
明のポリヌクレオチドはまた、ヌクレオチド間の架橋としてデ−ホスホ連結、例
えばシロキサン、カルボナート、カルボキシメチルエステル、アセトアミダート
、カルバマートおよびチオエーテル架橋を有する配列番号1に基づく配列を含み
うる。存在しうる他のヌクレオチド間連結は、N−ビニル、メタクリルオキシエ
チル、メタクリルアミドまたはエチレンイミン連結を含む。配列番号1に基づく
ペプチド核酸も本発明に含まれる。
【0030】 本発明のもう1つの態様は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードす
るDNA配列を含有および/または発現するように操作された宿主細胞を含む。
ヒトIsK2サブユニットタンパク質を産生させるために、そのような組換え宿
主細胞を適当な条件下で培養することができる。組換え宿主細胞内でヒトIsK
2サブユニットタンパク質を発現させるために、ヒトIsK2サブユニットタン
パク質をコードするDNAを含有する発現ベクターを使用することができる。組
換え宿主細胞は、原核性または真核性であることが可能であり、それらには、大
腸菌(E.coli)などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サ
ルおよびげっ歯類由来の細胞系を含む(これらに限定されるものではない)哺乳
類細胞、ツメガエル(Xenopus)卵母細胞などの両生類細胞、およびショ
ウジョウバエ(Drosophila)およびカイコに由来する細胞系を含む(
これらに限定されるものではない)昆虫細胞が含まれるが、これらに限定される
ものではない。ヒトIsK2サブユニットタンパク質の組換え発現に適した広く
入手可能な細胞および細胞系には、L細胞L−M(TK)(ATCC CCL
1.3)、L細胞L−M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC
CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV−1(ATC
C CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7
(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、
3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 16
58)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL
1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)、MRC−5(ATCC
CCL 171)、CPAE(ATCC CCL 209)、Saos−2(
ATCC HTB−85)、ARPE−19ヒト網膜色素上皮(ATCC CR
L−2302)、ツメガエル(Xenopus)黒色素胞およびツメガエル(X
enopus)卵母細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0031】 哺乳類細胞内で組換えヒトIsK2サブユニットタンパク質を発現させるため
には、種々の哺乳類発現ベクターを使用することができる。商業的に入手可能な
適当な哺乳類発現ベクターには、pMC1neo(Stratagene)、p
SG5(Stratagene)、pcDNAIおよびpcDNAIamp、p
cDNA3、pcDNA3.1、pCR3.1(Invitrogen)、EB
O−pSV2−neo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(A
TCC 37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC
37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(
ATCC 37198)、pIZD35(ATCC 37565)およびpSV
2−dhfr(ATCC 37146)が含まれるが、これらに限定されるもの
ではない。もう1つの適当なベクターとしては、PT7TS卵母細胞発現ベクタ
ーが挙げられる。
【0032】 組換え細胞内での発現後、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を、他のタン
パク質を実質的に含有しないレベルにまで通常の技術により精製することができ
る。使用しうる技術には、硫安沈殿、疎水性または親水性相互作用クロマトグラ
フィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、
ホスホセルロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、分取ゲ
ル電気泳動およびアルコール沈殿が含まれる。いくつかの場合には、そのような
技術に加えてタンパク質の変性および/またはリフォールディング工程を用いる
のが有利かもしれない。
【0033】 ある種の電位依存性カリウムチャンネルサブユニットは、高レベルで適切に発
現され膜内に挿入されるためには、他の電位依存性カリウムチャンネルサブユニ
ットの発現を要することが判明している。例えば、KCNQ3の共発現は、ツメ
ガエル(Xenopus)卵母細胞におけるKCNQ2の発現を増強するらしい
(Wangら,1998,Science 282:1890−1893)。ま
た、いくつかの電位依存性カリウムチャンネルKv1αサブユニットは他の関連
αサブユニットまたはKvβ2サブユニットを要する(Shiら,1995,N
euron 16:843−852)。したがって、ヒトIsK2サブユニット
タンパク質の組換え発現は、ある条件下では、他のカリウムチャンネルタンパク
質の共発現から利益が得られることがあり、そのような共発現は本発明の範囲内
にあると意図される。特に好ましい共発現形態は、ヒトIsK2サブユニットタ
ンパク質とヒトKvQLT1サブユニットタンパク質またはヒトh−ergサブ
ユニットタンパク質との共発現である。そのような共発現は、ヒトIsK2サブ
ユニットタンパク質をコードする発現ベクターを、ヒトKvQLT1サブユニッ
トタンパク質またはヒトh−ergサブユニットタンパク質を天然で発現する細
胞内にトランスフェクトすることにより行うことができる。あるいは、ヒトIs
K2サブユニットタンパク質をコードする発現ベクターを、ヒトKvQLT1サ
ブユニットタンパク質またはヒトh−ergサブユニットタンパク質をコードす
る発現ベクターもトランスフェクトされている細胞内にトランスフェクトするこ
とができる。好ましくは、そのような細胞は、ヒトKvQLT1サブユニットタ
ンパク質もヒトh−ergサブユニットタンパク質も天然では発現しない。
【0034】 本発明は、他のタンパク質を実質的に含有しないヒトIsK2サブユニットタ
ンパク質を含む。完全長ヒトIsK2サブユニットタンパク質のアミノ酸配列は
、配列番号2に示されている。したがって、本発明は、アミノ酸配列配列番号2
を有する、他のタンパク質を実質的に含有しないヒトIsK2サブユニットタン
パク質を含む。本発明はまた、アミノ酸配列配列番号2を有する単離されたヒト
IsK2サブユニットタンパク質を含む。
【0035】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質の突然変異形態は、本発明の範囲内であ
ると意図される。特に、他のカリウムチャンネルサブユニットと一緒になった場
合に改変された電気生理学的または薬理学的特性を有するカリウムチャンネルを
与える配列番号2の突然変異形態は、本発明の範囲内である。
【0036】 多数のタンパク質の場合と同様、ヒトIsK2サブユニットタンパク質のアミ
ノ酸の多数を修飾し、それでもなお、元のタンパク質と実質的に同じ生物活性を
保有させることが可能である。したがって、本発明は、アミノ酸の欠失、付加ま
たは置換を有するが天然に存在するヒトIsK2サブユニットタンパク質と実質
的に同じ生物活性を依然として保有する修飾されたヒトIsK2サブユニットタ
ンパク質を含む。単一のアミノ酸の置換は通常はタンパク質の生物活性を改変し
ないことが、一般に認められている(例えば、Molecular Biolo gy of the Gene ,Watsonら,1987,第4版,The
Benjamin/Cummings Publishing Co., In
c.,p.226;およびCunningham & Wells,1989,
Science 244:1081−1085を参照されたい)。したがって、
本発明は、配列番号2において1つのアミノ酸置換が施されているポリペプチド
であって、天然に存在するヒトIsK2サブユニットタンパク質と実質的に同じ
生物活性を依然として保有するポリペプチドを含む。本発明はまた、配列番号2
において2以上のアミノ酸置換が施されているポリペプチドであって、天然に存
在するヒトIsK2サブユニットタンパク質と実質的に同じ生物活性を依然とし
て保有するポリペプチドを含む。特に、本発明は、前記置換が同類置換である実
施形態を含む。特に、本発明は、保存された位置には前記置換が存在しない実施
形態を含む。保存された位置は、ヒトIsK2およびヒトminKタンパク質が
同一アミノ酸を有する位置である(図2を参照されたい)。
【0037】 本発明のヒトIsK2サブユニットタンパク質は、翻訳後修飾、例えば、共有
結合した炭水化物、リン酸化、ミリストイル化、パルミルトイル化などを含有し
うる。
【0038】 本発明はまた、キメラヒトIsK2サブユニットタンパク質を含む。キメラヒ
トIsK2サブユニットタンパク質は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質か
らのものではないポリペプチド配列に融合したヒトIsK2サブユニットタンパ
ク質の少なくとも一部の連続したポリペプチド配列よりなる。
【0039】 本発明はまた、単離されたヒトIsK2サブユニットタンパク質、およびこれ
らの単離されたサブユニットをコードするDNAを含む。「単離(された)」な
る語の使用は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質またはDNAが、その通常
の細胞環境から取り出されていることを示す。したがって、単離されたヒトIs
K2サブユニットタンパク質は無細胞溶液中に存在していたり、あるいはそれが
天然に存在する場合とは異なる細胞環境中に存在しうる。単離(された)なる語
は、単離されたヒトIsK2サブユニットタンパク質が、存在する唯一のタンパ
ク質であることを必ずしも意味するものではなく、単離されたヒトIsK2サブ
ユニットタンパク質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質に天然で付随する
非アミノ酸物質(例えば、核酸、脂質、炭水化物)から少なくとも95%フリー
であることを意味する。例えば、ヒトIsK2サブユニットタンパク質のうち、
それを天然(すなわち、ヒトの介入の不存在下)では発現しない細菌内または更
には真核細胞内で組換え手段により発現されたものは、「単離されたヒトIsK
2サブユニットタンパク質」である。
【0040】 ある種のカリウムチャンネルサブユニットは相互作用してヘテロマー複合体を
形成して、機能的カリウムチャンネルを与えることが公知である。例えば、KC
NQ2とKCNQ3とが集合してヘテロマー機能的カリウムチャンネルを形成し
うる(Wangら,1998,Science 282:1890−1893)
。したがって、本発明のヒトIsK2サブユニットタンパク質も、機能的カリウ
ムチャンネルを構成するヘテロマー構造を他のタンパク質と共に形成しうる可能
性があると考えられる。したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタン
パク質を含むそのようなヘテロマーを含む。好ましいヘテロマーは、本発明のヒ
トIsK2サブユニットタンパク質がヒトKvQLT1またはh−ergとヘテ
ロマーを形成しているものである。
【0041】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードするDNAは、当技術分野でよ
く知られた方法により得ることができる。例えば、完全長ヒトIsK2タンパク
質をコードするcDNA断片は、適当なプライマー対を使用するポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)を用いることによりヒト胃cDNAライブラリーから単離する
ことができる。そのようなプライマー対は、図1に配列番号1として示すヒトI
sK2タンパク質をコードするDNA配列に基づいて選択することができる。適
当なプライマー対としては、例えば以下のものが挙げられるであろう: 5’−ATA GCC AAA TCC AGA AAA−3’(配列番号4)
および 5’−GCT TGG TGC CTT TCT CCC−3’(配列番号5)
【0042】 前記のプライマーは例示的なものであるにすぎない。当業者は、配列番号1に
基づき、他の適当なプライマーを容易に設計しうるであろう。そのようなプライ
マーは、当技術分野でよく知られたオリゴヌクレオチド合成方法により製造され
うるであろう。
【0043】 AmpliTaq、AmpliTaq GoldまたはVentポリメラーゼ
を含む(これらに限定されるものではない)種々の熱安定酵素でPCR反応を行
なうことができる。AmpliTaqの場合には、10mM Tris−Cl(
pH8.3)、2.0mM MgCl、200μMの各dNTP、50mM
KCl、0.2μMの各プライマー、10ngのDNA鋳型、0.05単位/μ
lのAmpliTaq中で反応を行なうことができる。該反応を95℃で3分間
加熱し、ついで95℃で20秒間、62℃で20秒間、72℃で3分間の適当な
サイクリングパラメーターを用いる35サイクルに付す。これらの条件に加えて
、適当な種々のPCRプロトコールがPCR Primer, A Labor atory Manual ,C.W.DieffenbachおよびG.S.D
veksler編,1995,Cold Spring Harbor Lab
oratory Press、またはPCR Protocols:A Gui de to Methods and Applications ,Micha
elら編,1990,Academic Pressに記載されている。
【0044】 本発明のIsK2チャンネルサブユニットは他のカリウムチャンネルサブユニ
ットと相同であるため(図2を参照されたい)、所望のIsK2サブユニットが
実際に得られたことを確認するために、本明細書に記載の方法により得られたク
ローンを配列決定することが望ましい。
【0045】 これらの方法により、ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードするcD
NAクローンを得ることができる。これらのcDNAクローンを、適当なクロー
ニングベクターまたは発現ベクター、例えば哺乳類発現ベクターpcDNA3.
1(Invitrogen,San Diego,CA)内にクローニングする
ことができる。ついでヒトIsK2サブユニットまたはその一部をコードする発
現ベクターを適当な宿主細胞内に導入し、該宿主細胞を適当な条件下で培養する
ことにより、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を製造することができる。つ
いで、当技術分野でよく知られた方法により、ヒトIsK2サブユニットタンパ
ク質を単離することができる。
【0046】 前記PCR法に代わる方法として、オリゴヌクレオチドプローブでcDNAラ
イブラリーをスクリーニングするための当技術分野でよく知られた方法を用いヒ
トIsK2サブユニットタンパク質に特異的なオリゴヌクレオチドをプローブと
して使用して、ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードするcDNAクロ
ーンをcDNAライブラリーから単離することができる。そのような方法は、例
えば、Sambrookら,1989,Molecular Cloning:
A Laboratory Manual;Cold Spring Harb
or Laboratory,Cold Spring Harbor,New
York;Glover,D.M.(編),1985,DNA Clonin
g:A Practical Approach,MRL Press,Ltd
.,Oxford,U.K.,Vol.I,IIに記載されている。ヒトIsK
2サブユニットタンパク質に特異的でcDNAライブラリーのスクリーニングに
使用されうるオリゴヌクレオチドは、図1Aに示すDNA配列に基づき容易に設
計することができ、当技術分野でよく知られた方法により合成することができる
【0047】 ヒトIsK2サブユニット遺伝子を含有するゲノムクローンは、ヒトゲノムD
NAを鋳型として使用するPCRにより、あるいはResearch Gene
tics,Huntsville,ALから商業的に入手可能なヒトPACまた
はBACライブラリーから得ることができる。あるいは、本明細書に開示するヒ
トIsK2サブユニットDNA配列に基づくプローブを使用して、ヒトIsK2
サブユニット遺伝子を含有するゲノムクローンが単離されうるゲノムライブラリ
ー(例えば、P1人工染色体ベクター中のもの)を調製することができる。その
ようなライブラリーの調製方法は当技術分野で公知である(例えば、Ioann
ouら,1994,Nature Genet.6:84−89を参照されたい
)。
【0048】 本発明の新規DNA配列は、種々の診断方法において使用することができる。
本発明は、ある患者がヒトIsK2サブユニット遺伝子内に突然変異を保持する
か否かを判定するための診断方法を提供する。広い意味では、そのような方法は
、該患者からのヒトIsK2サブユニット遺伝子内またはその近傍の領域のDN
A配列を決定し、その配列を、非罹患者(すなわち、診断されている状態を有さ
ない者)からのヒトIsK2サブユニット遺伝子の対応領域からの配列と比較す
ることを含み、該患者からの遺伝子のDNA配列と該非罹患者からの遺伝子のD
NA配列との配列における相違は、該患者がヒトIsK2サブユニット遺伝子内
に突然変異を有することを示す。
【0049】 本発明はまた、ヒトIsK2サブユニットを有する突然変異形態を有する患者
を同定するための診断方法において、またはヒトIsK2サブユニットをコード
するRNAの発現レベルを測定するために、または他の種からのヒトIsK2サ
ブユニットに相同な遺伝子を単離するために使用しうる、配列番号1に基づくオ
リゴヌクレオチドプローブを提供する。特に、本発明は、配列番号1の少なくと
も約10、15または18個の連続したヌクレオチドを含むDNAオリゴヌクレ
オチドを含み、該オリゴヌクレオチドプローブは、前記の少なくとも約10、1
5または18個の連続したヌクレオチド以外は、配列番号1からの5個を超える
連続したヌクレオチドの伸長を含まない。該オリゴヌクレオチドは、他の核酸を
実質的に含有しないことが可能である。本発明はまた、対応RNAオリゴヌクレ
オチドを提供する。該DNAまたはRNAオリゴヌクレオチドは、キット中にパ
ッケージ化されうる。
【0050】 本発明は、種々の細胞型におけるヒトIsK2サブユニットタンパク質の組換
え発現を可能にする。そのような組換え発現は、このタンパク質の研究を可能に
し、その結果、その生化学的活性および種々の疾患(例えば、胃運動障害または
胃酸分泌障害)におけるその役割が明らかにされうる。
【0051】 本発明はまた、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャ
ンネルの生物活性を測定するアッセイの開発を可能にする。組換え的に発現され
たヒトIsK2サブユニットタンパクを使用するそのようなアッセイに、特に関
心が持たれる。ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャン
ネルの活性のアクチベーターまたはインヒビターである化合物を同定するために
、化合物のライブラリーまたは他の化合物源をスクリーニングするために、その
ようなアッセイを用いることができる。そのような同定された化合物は、カリウ
ムチャンネル活性を増強または抑制することが有益である疾患を有する患者を治
療するために使用しうる医薬の開発のための「リード体」として使用することが
できる。
【0052】 前記アッセイの変法においては、突然変異ヒトIsK2サブユニットタンパク
質を含有するカリウムチャンネルを使用し、該突然変異カリウムチャンネルの活
性のインヒビターまたはアクチベーターを同定する。
【0053】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質の組換え発現のための好ましい細胞系は
、内因性カリウムチャンネルを発現しない細胞系(例えば、CV−1、NIH−
3T3、CHO−K1、COS−7)である。そのような細胞系に、カリウムチ
ャンネルを通過しうるイオンである86Rbをローディングすることができる。 86 Rbがローディングされた細胞を、物質の集合体(例えば、組合せライブラ
リー、天然物、医化学的方法により製造されたリード化合物の類似体)にさらし
86Rb流出を改変しうる物質を同定することができる。そのような物質は、
ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチベ
ーターまたはインヒビターであると考えられる。
【0054】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチ
ベーターおよびインヒビターは、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有す
るカリウムチャンネルに結合しうる物質であると考えられる。したがって、1つ
のタイプのアッセイは、集合体の物質の1以上がそのような結合能を有するか否
かを判定するものである。
【0055】 したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルに結合する物質の同定方法であって、 (a)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルを
発現する細胞を準備すること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
結合することが知られていない物質に該細胞をさらすこと、 (c)該細胞への該物質の結合の量を測定すること、 (d)工程(c)における結合の量を、対照細胞(該対照細胞は、該対照細胞
がヒトIsK2サブユニットタンパク質を発現しないこと以外は、工程(a)の
細胞と実質的に同一である)への該物質の結合の量と比較することを含んでなり
、 工程(c)における結合の量が対照細胞への該物質の結合の量より多い場合、
該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネル
に結合するものである、方法を提供する。
【0056】 工程(a)の細胞と実質的に同一である対照細胞の一例として、工程(a)の
ヒトIsK2タンパク質を含有するカリウムチャンネルを発現する細胞を得るた
めにIsK2タンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクトされる親
細胞系が挙げられるであろう。
【0057】 このアッセイのもう1つの変法は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含
有するカリウムチャンネルに結合することが知られている化合物を使用する。こ
れらの既知化合物の結合を増強または遮断する能力により、新規結合体を同定す
る。この能力を有する物質はそれ自体が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質
を含有するカリウムチャンネルのインヒビターまたはアクチベーターであると考
えられる。
【0058】 したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルに結合し従ってヒトIsK2サブユニットタンパク質含有カリウ
ムチャンネルのインヒビターまたはアクチベーターでありうる物質の同定方法で
あって、 (a)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルを
発現する細胞を準備すること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
結合することが知られていない物質の存在下および不存在下、ヒトIsK2サブ
ユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに結合することが知られてい
る化合物に該細胞をさらすこと、 (c)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
結合することが知られていない物質の存在下および不存在下、該細胞への該化合
物の結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の存在下の該化合物の結合の量が該物質の不存在下の結合の量と異なる
場合、該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャ
ンネルに結合しヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャン
ネルのインヒビターまたはアクチベーターでありうる、方法を含む。
【0059】 一般には、該既知化合物を標識(例えば、放射能、酵素的、蛍光的標識)して
、該カリウムチャンネルへのその結合の測定を容易にする。
【0060】 前記方法により物質を同定したら、それがインヒビターまたはアクチベーター
であるか否かを判定するために、それを機能的試験(例えば、本明細書に記載の
もの)においてアッセイすることができる。
【0061】 特定の実施形態においては、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有する
カリウムチャンネルに結合することが知られている化合物は、メタンスルホンア
ニリドクラスIII抗不整脈剤、例えばE−4031(Abbottら,199
9,Cell 97:175−187)、E−4031の誘導体(例えばMK−
499(Lynchら,1994,J.Pharmacol.Exp.Ther
apeut.269:541−554))、およびIKsを遮断または活性化す
る化合物(例えばL−364,373(Salataら,1998,Mol.P
harmacol.53:220−230)、L−768,673(Selni
ckら,1997,J.Med.Chem.40:3865−3868)または
L−735,821(Salataら,1996,Circulation 9
4:I−529))よりなる群から選ばれる。
【0062】 本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネ
ルのアクチベーターまたはインヒビターの同定方法であって、 (a)組換え的に発現したヒトIsK2サブユニットタンパク質が、それ単独
で又は他のカリウムチャンネルサブユニットタンパク質とのヘテロマーを形成す
ることによりカリウムチャンネルを形成するよう、ヒトIsK2サブユニットタ
ンパク質または突然変異ヒトIsK2サブユニットタンパク質を宿主細胞内で組
換え的に発現させること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
アクチベーターまたはインヒビターであると疑われる物質の存在下および不存在
下、工程(a)で形成したカリウムチャンネルの生物活性を測定することを含ん
でなり、 該物質の不存在下と比較した場合の該物質の存在下の、工程(a)で形成した
カリウムチャンネルの生物活性の変化が、該物質が、ヒトIsK2サブユニット
タンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチベーターまたはインヒビター
である、方法を含む。
【0063】 カリウムチャンネルのその他のサブユニット(例えば、ヒトKvQLT1また
はh−ergサブユニット)を組換え的に発現させることが有利であろう。ある
いは、そのような他のサブユニットを内因的に発現する宿主細胞を使用すること
が有利であろう。
【0064】 特定の実施形態においては、該生物活性は、電位依存性カリウム電流の生成ま
たは86Rbの流出である。
【0065】 特定の実施形態においては、ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードす
るベクターをツメガエル(Xenopus)卵母細胞内に導入して、ヒトIsK
2サブユニットタンパク質を該卵母細胞内で発現させる。あるいは、ヒトIsK
2サブユニットタンパク質をコードするRNAをインビトロで調製し、該卵母細
胞内に注入することによっても、該卵母細胞内でヒトIsK2サブユニットタン
パク質を発現させることができる。該卵母細胞内でのヒトIsK2サブユニット
タンパク質の発現後、およびこれらのサブユニットと他のカリウムサブユニット
(その「他の」サブユニットも該卵母細胞内に導入されうる)とを含有するカリ
ウムチャンネルの形成後、膜電位を数工程で変化させた後、膜電流を測定する。
該カリウムチャンネルが開いてカリウムイオンの流動が可能になった場合に、膜
電流の変化が認められる。同様の卵母細胞研究が、KCNQ2およびKCNQ3
カリウムチャンネルに関して、Wangら,1998,Science 282
:1890−1893に、また、minK含有チャンネルに関して、Golds
tein & Miller,1991,Neuron 7:403−408に
報告されている。これらの参考文献およびそれらに引用されている参考文献は、
そのような研究の実施方法の指針として参考になるであろう。
【0066】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのインヒ
ビターは、該卵母細胞を物質または物質の集合体にさらし、該物質の不存在下で
認められる膜電流を該物質が遮断または減弱しうるか否かを判定することにより
同定することができる。
【0067】 したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルのインヒビターの同定方法であって、 (a)ヒトIsK2サブユニットタンパク質をツメガエル(Xenopus)
卵母細胞内で発現させて、該ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカ
リウムチャンネルを形成させること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
インヒビターであると疑われる物質の存在下および不存在下、該卵母細胞の膜電
位を変化させること、 (c)工程(b)の後に膜カリウム電流を測定することを含んでなり、 工程(c)において測定したカリウム膜電流が該物質の存在下より不存在下で
大きい場合、該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウ
ムチャンネルのインヒビターである、方法を提供する。
【0068】 本発明はまた、第1蛍光色素と第2蛍光色素との間の蛍光共鳴エネルギー移動
(FRET)に基づく、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウ
ムチャンネルのアクチベーターおよびインヒビターの同定のためのアッセイを含
み、この場合、該第1色素は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有する
カリウムチャンネルを発現する細胞の形質膜の一方の側に結合し、該第2色素は
、膜電位の変化に応答して該膜の一方の面から他方の面へ自由に往復できる。あ
る実施形態においては、該第1色素は該細胞の形質膜に不透過性であり、主に形
質膜の細胞外表面に結合する。該第2色素は形質膜内に捕捉されるが、該膜内で
自由に拡散できる。該膜の通常の(すなわち、負の)静止電位においては、該第
2色素は主に形質膜の細胞外面の内部表面に結合し、したがって該第2色素は該
第1色素に接近して位置する。この接近性は、それらの2つの色素の間の大量の
FRETの生成を可能にする。膜の脱分極の後、該第2色素は該膜の細胞外面か
ら細胞内面に移動し、それらの色素の間の距離が増加する。この距離の増加は、
FRETの減少およびそれに対応した、該第1色素由来の蛍光発光の増加、およ
びそれに対応した、該第2色素からの蛍光発光の減少につながる。このようにし
て、それらの2つの色素間のFRETの量を用いて、該膜の分極状態を測定する
ことができる。この技術の更に詳細な説明については、Gonzalezおよび
Tsien,1997,Chemistry & Biology 4:269
−277を参照されたい。また、GonzalezおよびTsien,1995
,Biophys.J.69:1272−1280および米国特許第5,661
,035号も参照されたい。
【0069】 ある実施形態においては、該第1色素は、蛍光供与体として作用する蛍光性レ
クチンまたは蛍光性リン脂質である。そのような第1色素の具体例としては、ク
マリン標識ホスファチジルエタノールアミン(例えば、N−(6−クロロ−7−
ヒドロキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキサミドアセチ
ル)−ジミリストイルホスファチジル−エタノールアミン)またはN−(7−ニ
トロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)−ジパルミトイルホ
スファチジルエタノールアミン);蛍光標識レクチン(例えば、フルオレセイン
標識コムギ胚芽凝集素)が挙げられる。ある実施形態においては、該第2色素は
、蛍光受容体として作用するオキソノールである。そのような第2色素の具体例
としては、ビス(1,3−ジアルキル−2−チオバルビツラート)トリメチンオ
キソノール(例えば、ビス(1,3−ジヘキシル−2−チオバルビツラート)ト
リメチンオキソノール)またはペンタメチンオキソノール類似体(例えば、ビス
(1,3−ジヘキシル−2−チオバルビツラート)ペンタメチンオキソノール)
;またはビス(1,3−ジブチル−2−チオバルビツラート)ペンタメチンオキ
ソノール)が挙げられる。本発明での使用に適した種々の色素の合成方法に関し
ては、GonzalezおよびTsien,1997,Chemistry &
Biology 4:269−277を参照されたい。ある実施形態において
は、該アッセイは、一重項酸素による光力学損傷を軽減するための天然カロテノ
イド(例えば、アスタキサンチン)を含みうる。
【0070】 前記アッセイは、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチ
ャンネルのアクチベーターおよびインヒビターを見出すために用いることができ
る。そのようなアッセイでは、一般には、例えば、ヒトIsK2サブユニットタ
ンパク質と所望により他のカリウムチャンネルサブユニットとをコードする発現
ベクターでのトランスフェクションによりヒトIsK2サブユニットタンパク質
含有カリウムチャンネルを発現する細胞を使用する。そのような細胞においては
、該膜電位の増加(すなわち、脱分極)が該カリウムチャンネルを開口させうる
。これはカリウム流出を引き起こし、該脱分極に抗する傾向にあるであろう。す
なわち、該細胞は再分極する傾向にあるであろう。IsK2タンパク質を含有す
るカリウムチャンネルのインヒビターの存在は、この再分極を妨害または減弱さ
せるであろう。したがって、インヒビターの存在下では、膜電位は、より正にな
る傾向にあるであろう。該カリウムチャンネルのアゴニストはこのチャンネルを
開口して、該膜電位を過分極させる傾向にあるであろう。IsK2タンパク質を
含有するカリウムチャンネルのインヒビターおよびアゴニストにより引き起こさ
れる膜電位の変化(脱分極および過分極)は、前記のFRETを用いるアッセイ
によりモニターすることができる。
【0071】 したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルのアクチベーターの同定方法であって、 (a)試験細胞を準備すること(該試験細胞は、 (1)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネル
が該細胞内で形成されるように、該細胞内でのヒトIsK2サブユニットタンパ
ク質の発現を指令する発現ベクター、 (2)該細胞の形質膜の一方の側に結合している第1蛍光色素、および (3)膜電位の変化に応答して該細胞の形質膜の一方の面から他方の面へ自
由に往復できる第2蛍光色素を含む)、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
アクチベーターであると疑われる物質に該試験細胞をさらすこと、 (c)該物質にさらされた試験細胞における蛍光共鳴エネルギー移動(FRE
T)の量を測定すすること、 (d)該物質にさらされた試験細胞により示されたFRETの量を、対照細胞
により示されたFRETの量と比較することを含んでなり、 該試験細胞により示されたFRETの量が、該対照細胞により示されたFRE
Tの量より多い場合、該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有す
るカリウムチャンネルのアクチベーターであり、 該対照細胞が、(1)それが(a)(1)〜(3)に記載の事項の少なくとも
1つを含まないこと以外は該試験細胞と実質的に同じであるが、該物質にさらさ
れた細胞、または(2)該物質にさらされていない試験細胞である、方法を提供
する。
【0072】 また、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチ
ャンネルのインヒビターの同定方法であって、 (a)試験細胞を準備すること(該試験細胞は、 (1)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネル
が該細胞内で形成されるように、該細胞内でのヒトIsK2サブユニットタンパ
ク質の発現を指令する発現ベクター、 (2)該細胞の形質膜の一方の側に結合している第1蛍光色素、および (3)膜電位の変化に応答して該細胞の形質膜の一方の面から他方の面へ自
由に往復できる第2蛍光色素を含む)、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
インヒビターであると疑われる物質に該試験細胞をさらすこと、 (c)該物質にさらされた試験細胞における蛍光共鳴エネルギー移動(FRE
T)の量を測定すること、 (d)該物質にさらされた試験細胞により示されたFRETの量を、対照細胞
により示されたFRETの量と比較することを含んでなり、 該試験細胞により示されたFRETの量が、該対照細胞により示されたFRE
Tの量より少ない場合、該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有
するカリウムチャンネルのインヒビターであり、 該対照細胞が、(1)それが(a)(1)〜(3)に記載の事項の少なくとも
1つを含まないこと以外は該試験細胞と実質的に同じであるが、該物質にさらさ
れた細胞、または(2)該物質にさらされていない試験細胞である、方法を提供
する。
【0073】 前記アッセイの変法においては、該細胞の膜電位をそれ自身で定常状態に到達
させる代わりに、該膜電位を、IsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルが開く電位に人工的に設定する。これは、例えば、公知方法で外
部K濃度を変化(例えば、外部K濃度を増加)させることにより行なうこと
ができる。開いたヒトIsK2サブユニットタンパク質含有カリウムチャンネル
を有するそのような細胞をインヒビターにさらすと、該カリウムチャンネルは閉
じ、該細胞の膜電位は脱分極するであろう。この脱分極はFRETの減少として
観察されうる。
【0074】 したがって、本発明は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリ
ウムチャンネルのインヒビターの同定方法であって、 (a)細胞を準備すること(該細胞は、 (1)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネル
が該細胞内で形成されるように、該細胞内でのヒトIsK2サブユニットタンパ
ク質の発現を指令する発現ベクター、 (2)該細胞の形質膜の一方の側に結合している第1蛍光染料、および (3)膜電位の変化に応答して該細胞の形質膜の一方の面から他方の面へ自
由に往復できる第2蛍光染料を含む)、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
より形成されたイオンチャンネルが開くように該細胞の膜電位を調節すること、 (c)該試験細胞における蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の量を測定す
ること、 (d)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
インヒビターであると疑われる物質に該細胞をさらしながら、工程(b)および
工程(c)を繰返すことを含んでなり、 該物質にされされた細胞により示されたFRETの量が、該物質にさらされて
ない細胞により示されたFRETの量より少ない場合、該物質が、ヒトIsK2
サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのインヒビターである、
方法を提供する。
【0075】 前記方法の特定の実施形態においては、該発現ベクターを該試験細胞内にトラ
ンスフェクトする。
【0076】 前記方法の特定の実施形態においては、該ヒトIsK2サブユニットタンパク
質は、配列番号2に示すアミノ酸配列を有する。前記方法の特定の実施形態にお
いては、該発現ベクターは配列番号1の79−447位を含む。
【0077】 前記方法の特定の実施形態においては、該第1蛍光染料は、蛍光性レクチン、
蛍光性リン脂質、クマリン標識ホスファチジルエタノールアミン、N−(6−ク
ロロ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキサ
ミドアセチル)−ジミリストイルホスファチジル−エタノールアミン)、N−(
7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)−ジパルミト
イルホスファチジルエタノールアミン)およびフルオレセイン標識コムギ胚芽凝
集素よりなる群から選ばれる。
【0078】 前記方法の特定の実施形態においては、該第2蛍光染料は、蛍光受容体として
作用するオキソノール、ビス(1,3−ジアルキル−2−チオバルビツラート)
トリメチンオキソノール、ビス(1,3−ジヘキシル−2−チオバルビツラート
)トリメチンオキソノール、ビス(1,3−ジアルキル−2−チオバルビツラー
ト)クワトラ(quatra)メチンオキソノール、ビス(1,3−ジアルキル
−2−チオバルビツラート)ペンタメチンオキソノール、ビス(1,3−ジヘキ
シル−2−チオバルビツラート)ペンタメチンオキソノール、ビス(1,3−ジ
ブチル−2−チオバルビツラート)ペンタメチンオキソノール)、およびビス(
1,3−ジアルキル−2−チオバルビツラート)ヘキサメチンオキソノールより
なる群から選ばれる。
【0079】 前記方法の特定の実施形態においては、該細胞は真核細胞である。もう1つの
実施形態においては、該細胞は哺乳類細胞である。他の実施形態においては、該
細胞は、L細胞L−M(TK)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L−M
(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Ra
ji(ATCC CCL 86)、CV−1(ATCC CCL 70)、CO
S−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 16
51)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL
92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATC
C CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1
(ATCC CCL 26)、MRC−5(ATCC CCL 171)、ツメ
ガエル(Xenopus)黒色素胞、またはツメガエル(Xenopus)卵母
細胞である。
【0080】 前記方法の特定の実施形態においては、該対照細胞は(a)(1)項は含まな
いが、(a)(2)および(a)(3)項は含む。
【0081】 IsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチベー
ターまたはインヒビターを同定するためのアッセイにおいては、機能的ヘテロマ
ーカリウムチャンネルを形成させるために、該ヒトIsK2サブユニットに加え
て、もう1つのカリウムチャンネルサブユニットを共発現させることが有利であ
ろう。特に、ヒトKvQLT1(Sanguinettiら,1996,Nat
ure 384:80−83;GenBankアクセッション番号U71077
およびU40990)、ツメガエル(Xenopus)KvQLT1(Sang
uinettiら,1996,Nature 384:80−83;GenBa
nkアクセッション番号U71076)またはh−erg(Warmke &
Ganetzky,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
91:3438−3442;GenBankアクセッション番号U04270
)のようなカリウムチャンネルサブユニットを共発現させることが有利であろう
【0082】 前記方法は、明示的には、「ある1つの」物質が、ヒトIsK2サブユニット
タンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチベーターまたはインヒビター
であるか否かの試験に関するものであるが、そのような方法は、物質の集合体、
例えば組合せ(combinatorial)ライブラリー、ファージ提示ライ
ブラリー、天然物の集合体を試験してそのような集合体のいずれかのメンバーが
ヒトIsK2サブユニットタンパク質含有カリウムチャンネルのアクチベーター
またはインヒビターであるか否かを判定するのに応用されうることが当業者に明
らかであろう。したがって、前記方法における物質として物質の集合体またはそ
のような集合体の個々のメンバーを使用することが、本発明の範囲内に含まれる
。特に、カリウムイオンチャンネルのモジュレーションに関連していることが知
られている化学構造体を含むように設計されたライブラリー、例えば、カリウム
チャンネルアクチベーターに関するジヒドロベンゾピランライブラリー(国際特
許公開WO95/30642)またはカリウムチャンネルインヒビターに関する
ビフェニル−誘導体ライブラリー(国際特許公開WO95/04277)が特に
適していると予想される。
【0083】 本発明は、本明細書に記載の方法により同定されたヒトIsK2サブユニット
タンパク質を含むカリウムチャンネルのアクチベーターまたはインヒビターを含
んでなる医薬組成物を含む。一般には、該アクチベーターまたはインヒビターを
医薬上許容される担体と一緒にして医薬組成物を得る。アクチベーターまたはイ
ンヒビターと担体とを含有する医薬組成物の製剤化のそのような担体および方法
の具体例は、Gennaro編,Remington’s Pharmaceu
tical Sciences,第18版,1990,Mack Publis
hing Co.,Easton,PAに記載されている。有効な投与に適した
医薬上許容される組成物を形成させるためには、そのような組成物は、該アクチ
ベーターまたはインヒビターの治療的に有効な量を含有するであろう。
【0084】 治療用または予防用組成物は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有す
るカリウムチャンネルの活性が異常である状態を治療または予防するのに十分な
量で個体に投与する。該有効量は、個体の状態、体重、性別、年齢などの種々の
要因によって様々となりうる。他の要因には投与様式が含まれる。適当な量は、
熟練した医師により決定されうる。一般には、有効量は、約0.01〜約1,0
00、好ましくは約0.1〜約250、より一層好ましくは約1〜約50mg/
ヒト成人/日である。
【0085】 組成物は、適当な投与量で単独で使用することができる。あるいは、他の物質
の同時投与または連続的投与が望ましいことがある。
【0086】 該組成物は、通常の投与用ビヒクル中の多種多様な治療用剤形として投与する
ことができる。例えば、該組成物は、錠剤、カプセル剤(それぞれは時限放出(
timed release)および徐放製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、
エリキシル剤、チンキ剤、水剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤などの経口剤形とし
て又は注射により投与することができる。同様に、それらを、静脈内(ボーラス
および注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(閉塞(occlusion)の存在
下または不存在下)または筋肉内形態として投与することも可能であり、それら
はすべて、薬学分野の当業者によく知られた形態を用いることが可能である。
【0087】 組成物を単回1日量で投与したり、あるいは合計1日量を毎日2、3、4回以
上の分割量で投与するのが有利かもしれない。さらに、組成物は、適当な鼻腔内
ビヒクルの局所的使用により鼻腔内形態で、または当業者によく知られた経皮皮
膚パッチの形態を使用して経皮経路により投与することができる。もちろん、経
皮デリバリーシステムの形態で投与されるためには、該投与量の投与は、該投与
計画の全体にわたり、断続的なものではなく連続的なものとなるであろう。
【0088】 該組成物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および
医学的状態;治療すべき状態の重症度;投与経路;患者の腎、肝および心臓血管
機能;および使用するその個々の組成物を含む種々の要因に応じて選択される。
通常の技量を有する医師は、該状態の進行の予防、阻止または停止に必要な組成
物の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を伴うことなく効力を
与える範囲内の組成物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に対する該組
成物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。これは、組成物
の分布、平衡および消失に関する考慮を含む。
【0089】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルのインヒ
ビターおよびアクチベーターは、過剰または不十分なカリウムチャンネル活性に
関連した種々の疾患の治療に有用である。
【0090】 本発明のインヒビターは、現在販売されているカリウムチャンネルインヒビタ
ーが有効な状態において有用であると予想される。例えば、カリウムチャンネル
アンタゴニストは、心筋梗塞を治療するためのクラスIII抗不整脈剤として使
用されている。本発明のインヒビターもこのような様態で有用でありうると予想
される。
【0091】 ヒトIsK2タンパク質は胃のG細胞において特異的に発現される。胃のG細
胞は、壁細胞による酸分泌の調節に関与するガストリンを分泌する。したがって
、IsK2を含むカリウムチャンネルの活性のモジュレーターは、ガストリン分
泌および酸生成の調節において有用でありうる。
【0092】 本発明のIsK2サブユニットは、他のイオンチャンネルのアクチベーターお
よびインヒビターを同定するように設計されたスクリーニングに関して有用であ
る。標的イオンチャンネルと特異的に相互作用する潜在的医薬を同定するために
化合物をスクリーニングする場合には、同定される化合物が該標的イオンチャン
ネルに対して可能な限り特異的であることを保証する必要がある。これを行なう
ためには、該標的イオンチャンネルに類似した可能な限り多種多様なイオンチャ
ンネルに対して該化合物をスクリーニングする必要がある。例えば、イオンチャ
ンネルAと相互作用する潜在的医薬である化合物を見出すためには、該化合物が
イオンチャンネルA(「プラス標的」)と相互作用しイオンチャンネルAを介し
て所望の薬理学的効果をもたらすことを保証するだけでは十分ではない。該化合
物がイオンチャンネルB、C、Dなど(「マイナス標的」)とは相互作用しない
ことを確認する必要もある。一般に、スクリーニング計画の一部として、可能な
限り多数のマイナス標的を有することが重要である(Hodgson,1992
,Bio/Technology 10:973−980、980頁を参照され
たい)。ヒトIsK2サブユニットタンパク質、ヒトIsK2サブユニットタン
パク質をコードするDNA、およびヒトIsK2サブユニットタンパク質を発現
するように操作された組換え細胞は、他のイオンチャンネルと特異的に相互作用
する化合物を同定するように設計されたスクリーニングにおいて「マイナス標的
」として使用されうる点で有用である。例えば、Wangら,1998,Sci
ence 282:1890−1893は、KCNQ2およびKCNQ3が、「
M−チャンネル」として公知のヘテロマーカリウムイオンチャンネルを形成する
ことを示している。KCNQ2およびKCNQ3における突然変異は、てんかん
の原因となるため(Biervertら,1998,Science 279:
403−406;Singhら,1998,Nature Genet.18:
25−29;Schroederら,Nature 1998,396:687
−690)、Mチャンネルは薬物発見のための重要な標的である。Mチャンネル
のアクチベーターまたはインヒビターを同定するように設計されたスクリーニン
グ計画は、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含むカリウムチャンネルの、
マイナス標的としての使用により、著しい利益を得るであろう。
【0093】 イオンチャンネルモジュレーターの同定を目的とした薬物発見計画は、IKs 電流を引き起こすカリウムチャンネルをマイナス標的として利用するカウンター
スクリーニング(counterscreen)を含むべきであると認識されて
いる。例えば、Curran,1998,Current Opinion i
n Biotechnology 9:565−572,567頁,左欄:“[
S]creening against IKr and IKs early
in the drug development process sho
uld be considered”を参照されたい。minKは、IKs
流を引き起こすカリウムチャンネルのサブユニットであるため(Sanguin
ettiら,1996,Nature 384:80−83)、そしてIsK2
はminKと密接に関連しているため(本明細書の図2を参照されたい)、イオ
ンチャンネルモジュレーターの同定を目的とした薬物発見プログラムは、IsK
2を含有するカリウムチャンネルをマイナス標的として利用するカウンタースク
リーニングを含むべきである。
【0094】 本発明はまた、ヒトIsK2サブユニットタンパク質に対する抗体を含む。そ
のような抗体はポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体でありうる。本発
明の抗体は、当技術分野でよく知られた方法により、全ヒトIsK2サブユニッ
トタンパク質に対して、または血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシア
ニンなどの適当な担体と共役した適当な抗原断片に対して産生させることができ
る。タンパク質の適当な抗原断片を同定する方法は、当技術分野で公知である。
例えば、Hopp & Woods,1981,Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 78:3824−3828およびJameson & Wo
lf,1988,CABIOS(Computer Applications
in the Biosciences)4:181−186を参照されたい
【0095】 ポリクローナル抗体の産生のためには、ヒトIsK2サブユニットタンパク質
または抗原断片(適当な担体に共役させたもの)を、適当な非ヒト宿主動物(例
えば、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス)に定期的に注射する。該動物か
ら定期的に採血し、得られた血清を、注射されたサブユニットまたは抗原断片に
対する抗体の存在に関して試験する。該注射は、筋肉内、腹腔内、皮下などに行
なうことができ、アジュバントと共に行なうことができる。
【0096】 モノクローナル抗体の産生のためには、ヒトIsK2サブユニットタンパク質
または抗原断片(適当な担体に共役させたもの)を、ポリクローナル抗体の産生
に関して前記したのと同様に適当な非ヒト宿主動物に注射する。モノクローナル
抗体の場合には、該動物は一般にはマウスである。ついで該動物の脾臓細胞を不
死化させる。これは、しばしば、Kohler & Milstein,197
5,Nature 256:495−497に記載のとおり、骨髄腫細胞との融
合により行なう。モノクローナル抗体の産生の更に詳しい説明については、An tibodies:A Laboratory Manual ,Harlow
& Lane編,Cold Spring Harbor Laborator
y Press,1988を参照されたい。
【0097】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を標的器官の細胞内に導入するために、
遺伝子治療を用いることができる。ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコー
ドするヌクレオチドは、レシピエント細胞への感染により該ヌクレオチドの導入
を媒介するウイルスベクターに連結させることができる。適当なウイルスベクタ
ーには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイ
ルス、ワクシニアウイルス、レンチウイルスおよびポリオウイルスに基づくベク
ターが含まれる。あるいは、リガンド−ヌクレオチドコンジュゲートを使用する
受容体媒介標的化導入(receptor−mediated targete
d transfer)、リポフェクション、膜融合または直接マイクロインジ
ェクションを含む非ウイルス技術により、ヒトIsK2サブユニットタンパク質
をコードするヌクレオチドを遺伝子治療のために細胞内に導入することができる
。これらの方法およびそれらの変法は、エクスビボ(ex vivo)およびイ
ンビボ遺伝子治療に適している。ヒトIsK2サブユニットタンパク質での遺伝
子治療は、カリウムチャンネルの活性を上昇させることが有益である疾患の治療
に特に有用であろう。
【0098】 本発明は、非ヒト種からヒトIsK2サブユニットタンパク質のオーソログ(
orthologue)をクローニングするための方法を含む。一般には、その
ような方法は、配列番号1に基づくPCRプライマーまたはハイブリダイゼーシ
ョンプローブを調製することを含み、これは、非ヒトIsK2サブユニットを含
有する断片を適当なDNA調製物から増幅するために(PCRの場合)または非
ヒトIsK2サブユニットを含有するcDNAもしくはゲノムクローンを適当な
ライブラリーから選択するために使用されうる。この方法の好ましい実施形態は
、該IsK2サブユニットをマウスからクローニングするための方法である。
【0099】 本発明は、マウスIsK2サブユニットをコードするDNAを提供することに
より、IsK2サブユニットの活性が異常であるヒト疾患のモデル動物の作製を
可能にする。そのようなモデル動物は、改変されたIsK2サブユニット遺伝子
を含有するトランスジェニック「ノックアウト」または「ノックイン」マウスを
作ることにより作製することができる。マウスIsK2サブユニット遺伝子の部
分が欠失したノックアウトマウスを作製することができる。ヒト疾患を招くこと
が示されている突然変異が該マウス遺伝子内に導入されたノックインマウスを作
製することができる。そのようなノックアウトおよびノックインマウスは、カリ
ウムチャンネルと疾患との関係の研究における貴重な手段であり、カリウムチャ
ンネルが関与するヒト疾患の潜在的医薬または治療方法を試験するための重要な
モデル系を提供するであろう。
【0100】 したがって、本発明は、 (a)マウスIsK2サブユニット遺伝子またはcDNAをクローニングする
のに使用するPCRプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを配列番号1
に基づき設計すること、 (b)該PCRプライマーまたは該オリゴヌクレオチドプローブを使用して、
該マウスIsK2サブユニット遺伝子またはcDNAの少なくとも一部(該一部
は、トランスジェニックマウスの作製に使用するのに十分な程度に大きい)をク
ローニングすること、 (c)天然状態から改変された該マウスIsK2サブユニット遺伝子の少なく
とも1つのコピーを有するトランスジェニックマウスを製造することを含んでな
る、トランスジェニックマウスの製造方法を含む。
【0101】 ノックアウトマウスおよびノックインマウスの製造方法は当技術分野でよく知
られている。1つの方法は、標的遺伝子組換えトランスジェニックノックアウト
マウスの作製における標的遺伝子組換えES細胞の使用を含み、例えばThom
asら,1987,Cell 51:503−512に記載されており、種々の
文献に概説されている(Frohmanら,1989,Cell 56:145
−147;Capecchi,1989,Trends in Genet.5
:70−76;Baribaultら,1989,Mol.Biol.Med.
6:481−492)。
【0102】 特定の変化を染色体遺伝子内に挿入するために標的化相同組換えを用いること
により任意の遺伝的領域を不活性化したり所望の実質的に任意の突然変異に改変
するための技術が利用可能である。一般には、「ターゲッティングベクター」、
すなわち、突然変異させたい遺伝的領域の部分を含有するプラスミドを使用する
。該プラスミド上の遺伝的領域のこの部分と該染色体上の対応遺伝的領域との相
同性に基づき、相同組換えを利用して該遺伝的領域内に該プラスミドを挿入して
、該遺伝的領域を破壊することができる。通常、該ターゲッティングベクターは
選択マーカー遺伝子も含有する。
【0103】 100%に近い頻度で生じる相同染色体外組換えと比較して、相同プラスミド
−染色体組換えは、10−6〜10−3の頻度でしか検出されないと当初は報告
された(Linら,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
82:1391−1395;Smithiesら,1985,Nature
317:230−234;Thomasら,1986,Cell 44:419
−428)。非相同プラスミド−染色体相互作用は、比較しうる相同的挿入より
頻繁であり、10倍(Linら,1985,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 82:1391−1395)〜10倍(Thomasら,1
986,Cell 44:419−428)大きなレベルで生じる。
【0104】 マウスES細胞におけるこの低い標的化組換え率を克服するために、稀有(r
are)相同組換え体を検出または選択するための種々の方法が開発されている
。相同改変事象を検出するための1つのアプローチでは、ポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)を用いて相同的挿入に関して形質転換体細胞のプールをスクリーニン
グし、ついで個々のクローンをスクリーニングする(Kimら,1988,Nu
cleic Acids Res.16:8887−8903;Kimら,19
91,Gene 103:227−233)。あるいは、相同的挿入が生じた場
合にのみ活性となるマーカー遺伝子を構築してこれらの組換え体が直接的に選択
されるのを可能にするポジティブ遺伝的選択アプローチが開発されている(Se
divyら,1989,Proc,Natl.Acad.Sci.USA 86
:227−231)。相同組換え体を選択するために開発された最も効果的なア
プローチの1つは、該改変の直接的選択が存在しない遺伝子用に開発されたポジ
ティブ−ネガティブ選択(PNS)法である(Mansourら,1988,N
ature 336:348−352;Capecchi,1989,Scie
nce 244:1288−1292;Capecchi,1989,Tren
ds in Genet.5:70−76)。PNS法は、高レベルで発現され
ない遺伝子をターゲッティングするのに、より効率的である。なぜなら、該マー
カー遺伝子はそれ自体のプロモーターを有するからである。単純ヘルペスウイル
スチミジンキナーゼ(HSV−TK)遺伝子を使用しガンシクロビル(GANC
)、FIAU(1−(2−デオキシ2−フルオロ−B−D−アラビノフラノシル
)−5−ヨードウラシル)などのヘルペス薬でその非相同的挿入に対して選択す
ることにより、非相同組換え体を選択する。この対抗選択により、生存している
形質転換体のうちの相同組換え体の割合を増加させることができる。
【0105】 トランスジェニックマウスを製造するための他の方法は、受精卵の雄性前核の
マイクロインジェクションを含む。そのような方法は当技術分野でよく知られて
いる。
【0106】 本発明は、トランスジェニック非ヒト動物であって、該動物のゲノムが、ヒト
IsK2サブユニットの少なくとも一部をコードするDNAを含有することを特
徴とする動物を含む。
【0107】 本発明を更に例示するために、以下に非限定的な実施例を記載する。
【0108】 実施例1 ヒトIsK2サブユニットの同定およびcDNAクローニング ヒトminKをコードするDNA配列を使用して、相同配列に関してGenb
ankデータベースを検索した。この検索は、部分的なIsK2配列を含有する
EST(AI246239)を与えた。また、このEST配列は、ゲノムDNA
配列AP00052(ヌクレオチド80218−80589)内で見出された。
この情報から、合成オリゴヌクレオチドプライマー(配列番号4および5)を使
用して、ヒトゲノムDNA(Clontech)から、完全長コード領域、何ら
かの5’非翻訳配列(インフレーム終結コドンを含む)および少量の3’非翻訳
配列を増幅した。このDNA断片をDNAクローニングベクター(pCR2.1
,Invitrogen)内にサブクローニングし、ABI Prism 31
0 Genetic Analyzerを使用して万能(universal)
T7およびM13リバースシークエンシングプライマーで配列決定した。ヒトの
胃におけるIsK2発現を示したノーザン分析に基づき、同じ合成オリゴヌクレ
オチドプライマー(配列番号4および5)を使用して、ヒト胃mRNAからcD
NA断片を増幅した。50mM Tris(pH8.3)、8mM MgCl 、3mM KCl、1mM DTT、2mM dNTPおよび24単位のAMV
逆転写酵素中、19μM ランダムヘキサマープライマーを42℃で90分間使
用して、第1鎖胃cDNAを1.5gのヒトポリA+ mRNA(Clonte
ch)から合成した。ついで、20mM Tris(pH8.75)、10mM KCl、10mM(NHSO、2mM MgSO、0.1% Tr
itonX100、0.1mg/ml BSA、200μM dNTP、1μM オリゴヌクレオチドプライマー、5単位のTaq Plus Long(St
ratagene)中、5%(2μL)の該合成cDNAを鋳型として使用して
、PCRを行った。サイクリングパラメーターは、94℃で1分間、56℃で2
分間および72℃で3分間の25サイクルであった。このようにして増幅したc
DNA断片をTAクローニングベクター内にクローニングし、配列決定した。該
胃cDNAの配列と該ゲノムDNA断片の配列とは同一であった。
【0109】 実施例2 ヒトIsK2サブユニットの発現の分析 RT−PCR分析: 種々の組織における該IsK2遺伝子の転写をRT−PCRにより調べた。種
々のヒト組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、
前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸および末梢血白血球)に由来するポリ(A+)
−RNAから調製されたcDNAをClontech(Palo Alto,C
A)から購入した。IsK2 cDNAの存在(これは、ある組織におけるこの
遺伝子の発現を示す)を、PCRによるその断片の増幅によりアッセイした。使
用したプライマーは、IsK2の84bpの断片を増幅する5’−CCT CA
T GGT GAT GAT TGG AA−3’(配列番号6)および5’−
GAG TGT TCC CGT CTC TTG GA−3’(配列番号7)
であった。10mM Tris−HCl(pH8.3)、50mM KCl、1
.5mM MgCl、200μM dNTP、250nMの各オリゴヌクレオ
チドプライマー、0.05U Amplitaq Gold(Perkin E
lmer Corp,Foster City,CA)および0.4ng cD
NAを含有する20μLの総容積中、PCR増幅を行った。サイクリングパラメ
ーターは、94℃で10分間、ついで35サイクルの94℃で30秒間、56℃
で30秒間および72℃で90秒間、ならびに最終的な72℃で7分間の伸長期
よりなるものであった。増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析した。
【0110】 ノーザンブロット分析: ヒト心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、
精巣、卵巣、小腸、結腸、末梢血白血球、副腎髄質、甲状腺、副腎皮質、胃、子
宮および膀胱から単離されたポリ(A+)−RNAのノーザンブロットを、Cl
ontech(Palo Alto,Ca)から購入し、32P−標識ランダム
プライムドIsK2(配列番号1)でプローブした。該ハイブリダイゼーション
を、5×SSPE、10×デンハルト液、50% ホルムアミド、2% SDS
、100μg/mL サケ精子DNA中、42℃で一晩行った。ブロットを、2
×SSC、0.05% SDS中、42℃で40分間、ついで1×SSC、0.
05% SDS中、50℃で40分間、段階的に洗浄した。高いストリンジェン
シーの洗浄を、0.1×SSC、0.05% SDS中、65℃で40分間行っ
た。該ブロットをKodak XAR X線フィルムにさらすことにより又はM
olecular Dynamicsホスホイメージャーを使用する電子的検出
により、ハイブリダイゼーションを検出した。
【0111】 実施例3 どのαサブユニットがIsK2と潜在的に相互作用しうるのかを判定するため のノーザン分析 ノーザンブロット分析を用いて、公知αサブユニット遺伝子がIsK2と同じ
組織において発現され従ってそれと共集合して機能的チャンネルを形成しうるか
否かを判定した。骨格筋、子宮、結腸、小腸、膀胱、心臓、胃および前立腺から
単離された2μgのポリA+ RNAを含有するヒト多組織ノーザンブロットを
Clontechから購入した。KvLQT1(Genbankアクセッション
番号AF000571;ヌクレオチド1289−2147)、KCNQ2(Ge
nbankアクセッション番号AF033348;ヌクレオチド1235−14
20)、KCNQ3(Genbankアクセッション番号AF033347;ヌ
クレオチド1478−2482)、KCNQ4(Genbankアクセッション
番号AF105202;ヌクレオチド1192−1360)およびh−erg(
Genbankアクセッション番号U04270;ヌクレオチド178−366
3)に特異的なプローブで、該ブロットをプローブした。プローブは、cDNA
(制限断片として単離されランダムヘキサマープライミングにより>1×10 cpm/μgの比活性にまで32Pで標識されたもの)または合成オリゴヌクレ
オチドプローブ(フィルイン反応により>1×10cpm/pmolの比活性
にまで標識されたもの)であった。cDNA断片でプローブされたブロットに関
しては、5×SSPE、10×デンハルト液、50% ホルムアミド、2% S
DS、100μg/ml サケ精子DNA中、42℃で一晩、ハイブリダイゼー
ションを行った。オリゴヌクレオチドプローブでプローブされたブロットに関し
ては、5×SSPE、2×デンハルト液、0.5% SDS、100μg/ml
中、42℃で一晩、ハイブリダイゼーションを行った。すべてのブロットを、2
×SSC、0.05% SDS中、42℃で40分間、ついで1×SSC、0.
05% SDS中、50℃で40分間、段階的に洗浄した。高いストリンジェン
シーの洗浄を、0.1×SSC、0.05% SDS中、65℃で40分間行っ
た。該ブロットをKodak XAR X線フィルムにさらすことにより又はM
olecular Dynamicsホスホイメージャーを使用する電子的検出
により、ハイブリダイゼーションを検出した。KvLQT1はヒトの胃において
豊富に発現され、KCNQ4およびh−ergも、より低いレベルでではあるが
ヒトの胃において発現される。したがって、これらの3つのタンパク質は、Is
K2と共集合して機能的カリウムチャンネルを形成しうるKチャンネルαサブユ
ニットの候補体である。結果については、図4を参照されたい。
【0112】 本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではない
。実際のところ、前記の記載から、本明細書に記載のものに加えて本発明の種々
の修飾が当業者に明らかとなるであろう。そのような修飾は、特許請求の範囲の
範囲内に含まれると意図される。
【0113】 本明細書には種々の刊行物が引用されているが、それらの開示の全体を参照に
より本明細書に組み入れることとする。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 IsK2をコードするDNA配列(配列番号1)を示す。。
【図1B】 IsK2サブユニットの推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図2】 IsK2(配列番号2)とヒトminK(配列番号3)とのアミノ酸配列アラ
イメントを示す。
【図3A】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、ビオチンで標識されTexas Redで検出
された、IsK2遺伝子からのmRNA転写産物に特異的なリボヌクレオチドプ
ローブでのin situハイブリダイゼーションを示す。IsK2 mRNA
を発現する細胞は赤色で出現する。
【図3B】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、図3Aと同じ組織片について、ガストリンに特
異的な抗体で可視化し、FITC共役二次抗体での検出を示す。
【図3C】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、図3Aと同じ組織片について、IsK2および
ガストリンの両方に関して該細胞が同時に染色される結果を示す。この場合、該
細胞は黄色(赤と緑との組合せ)で出現する。
【図3D】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、IsK2およびガストリンに関して染色された
胃細胞の別の領域を示す。この場合にも、唯一の染色細胞は黄色で出現する。
【図3E】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、IsK2およびソマトスタチンに関して染色さ
れた(ソマトスタチンに対する抗体を使用し、FITC共役二次抗体で検出され
た)胃細胞の別の領域を示す。この場合、IsK2を発現する細胞(赤色に染色
されている)は、ソマトスタチンを発現する細胞(緑色に染色されている)とは
異なる。
【図3F】 ヒトの胃におけるIsK2発現のin situハイブリダイゼーション/免
疫組織化学的局在化研究を示し、IsK2およびサブスタンスPの両方に関して
染色された(サブスタンスPに対する抗体を使用し、FITC共役二次抗体で検
出された)胃細胞の別の領域を示す。この場合、IsK2を発現する細胞(赤色
に染色されている)は、サブスタンスPを発現する細胞(緑色に染色されている
)とは異なる。
【図4】 種々のヒト組織におけるIsK2(図4A)、KvLQT1(図4B)、KC
NQ2(図4C)、KCNQ3(図4D)、KCNQ4(図4E)およびh−e
rg(図4F)の発現のノーザンブロット分析を示す。
【図5A】 ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブユニットの発現
の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示し、Isk2およ
びKCNH2(herg)に特異的なプローブを使用した場合の結果を示す。
【図5B】 ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブユニットの発現
の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示し、Isk2およ
びKCNQ4に特異的なプローブを使用した場合の結果を示す。
【図5C】 ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブユニットの発現
の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示し、Isk2およ
びKCNQ1(KvLQT1)に特異的なプローブを使用した場合の結果を示す
【図5D】 ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブユニットの発現
の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示し、図5Cの拡大
図である。
【図5E】 ヒトの胃におけるIsK2および他のカリウムチャンネルサブユニットの発現
の二重in situハイブリダイゼーション局在化研究を示し、Isk2およ
びKCNQ1に特異的なプローブを使用して得られた胃細胞の別の領域を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (72)発明者 リウ,ユーアン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 フオランダー,キンバリー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA14 BB20 BB24 CB01 CB21 CB26 DA12 DA13 DA14 DA36 DA37 DB10 FB02 FB03 FB04 FB07 FB12 GC19 GC20 4B024 AA11 BA80 CA04 CA09 CA12 CA20 DA01 DA02 DA05 DA12 GA11 HA11 HA13 HA14 4B063 QA01 QA05 QQ21 QQ41 QQ61 QQ89 QR77 QR80 QS36 QX10 4B065 AA01X AA58X AA72X AA87X AA93Y AB01 AC14 AC20 BA02 BD50 CA24 CA46 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA75 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質をコードするヌクレオ
    チドを含んでなる単離されたDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコー
    ドするヌクレオチドを含む、請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号1および配列番号1の79−447位よりなる群か
    ら選ばれるヌクレオチド配列を含む、請求項1記載のDNA。
  4. 【請求項4】 ストリンジェントな条件下で請求項3記載のDNAにハイブ
    リダイズする単離されたDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のDNAを含んでなる組換え宿主細胞。
  7. 【請求項7】 単離されたヒトIsK2サブユニットタンパク質。
  8. 【請求項8】 配列番号2に示すアミノ酸配列を有する、請求項7記載のタ
    ンパク質。
  9. 【請求項9】 単一のアミノ酸置換を含有する、請求項8記載のタンパク質
  10. 【請求項10】 保存された位置には存在しない2以上のアミノ酸置換を含
    有する、請求項8記載のタンパク質。
  11. 【請求項11】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質に特異的に結合する
    抗体。
  12. 【請求項12】 配列番号1からの少なくとも10個の連続したヌクレオチ
    ドを含んでなるDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドプローブ。
  13. 【請求項13】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウム
    チャンネルに結合する物質の同定方法であって、 (a)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルを
    発現する細胞を準備すること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
    結合することが知られていない物質に該細胞をさらすこと、 (c)該細胞への該物質の結合の量を測定すること、 (d)工程(c)における結合の量を、対照細胞(該対照細胞は、該対照細胞
    がヒトIsK2サブユニットタンパク質を発現しないこと以外は、工程(a)の
    細胞と実質的に同一である)への該物質の結合の量と比較することを含んでなり
    、 工程(c)における結合の量が対照細胞への該物質の結合の量より多い場合、
    該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネル
    に結合するものである、方法。
  14. 【請求項14】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウム
    チャンネルに結合し従ってヒトIsK2サブユニットタンパク質含有カリウムチ
    ャンネルのインヒビターまたはアクチベーターでありうる物質の同定方法であっ
    て、 (a)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルを
    発現する細胞を準備すること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
    結合することが知られていない物質の存在下および不存在下、ヒトIsK2サブ
    ユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに結合することが知られてい
    る化合物に該細胞をさらすこと、 (c)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルに
    結合することが知られていない物質の存在下および不存在下、該細胞への該化合
    物の結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の存在下の該化合物の結合の量が該物質の不存在下の結合の量と異なる
    場合、該物質が、ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャ
    ンネルに結合しヒトIsK2サブユニットタンパク質含有カリウムチャンネルの
    インヒビターまたはアクチベーターでありうる、方法。
  15. 【請求項15】 ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウム
    チャンネルのアクチベーターまたはインヒビターの同定方法であって、 (a)組換え的に発現したヒトIsK2サブユニットタンパク質が、それ自体
    により又は他のカリウムチャンネルサブユニットタンパク質とのヘテロマーを形
    成することによりカリウムチャンネルを形成するよう、ヒトIsK2サブユニッ
    トタンパク質または突然変異ヒトIsK2サブユニットタンパク質を宿主細胞内
    で組換え的に発現させること、 (b)ヒトIsK2サブユニットタンパク質を含有するカリウムチャンネルの
    アクチベーターまたはインヒビターであると疑われる物質の存在下および不存在
    下、工程(a)で形成したカリウムチャンネルの生物活性を測定することを含ん
    でなり、 該物質の不存在下と比較した場合の該物質の存在下の、工程(a)で形成した
    カリウムチャンネルの生物活性の変化が、該物質が、ヒトIsK2サブユニット
    タンパク質を含有するカリウムチャンネルのアクチベーターまたはインヒビター
    であることを示す、方法。
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