JP2002536989A - ガラニン受容体と類似したgタンパク質共役受容体 - Google Patents

ガラニン受容体と類似したgタンパク質共役受容体

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    • C07K14/72Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for hormones
    • C07K14/723G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH receptor

Abstract

(57)【要約】 新規なGタンパク質共役受容体GPR54をコードするヒト及びラットのDNA、並びに該DNAによりコードされるタンパク質が提供される。GPR54のアゴニスト及びアンタゴニストを同定する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の領域 本発明は、ガラニン(galanin)受容体と関連したGタンパク質共役受
容体(GPCR)GPR54をコードする新規なヒト及びラットのDNA、該D
NAによりコードされるタンパク質、並びに該DNAによりコードされるタンパ
ク質の選択的なアゴニスト及びアンタゴニストを同定する方法に関する。
【0002】 発明の背景 Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、細胞の外側から内側へと情報を中継
する、膜受容体の極めて大きいクラスである。GPCRは、Gタンパク質として
知られている異種三量体タンパク質のクラスと相互作用することにより機能する
。大部分のGPCRが、類似したメカニズムにより機能する。アゴニストと結合
すると、GPCRは、Gタンパク質のαサブユニットからのグアノシン二リン酸
(GDP)の解離を触媒する。これにより、グアノシン三リン酸(GTP)がα
サブユニットに結合できるようになり、その結果、β及びγサブユニットからα
サブユニットが解離する。次いで、遊離したαサブユニットが、他の細胞成分と
相互作用し、その過程で、アゴニストの存在により表された細胞外シグナルを伝
達する。遊離したβ及びγサブユニットが、アゴニストシグナルを伝達する場合
もある。
【0003】 GPCRは、共通の構造的特徴を有する。それらは、様々な長さの親水性アミ
ノ酸配列により連結された、それぞれ約20〜30アミノ酸長の7個の疎水性ド
メインを有する。これらの7個の疎水性ドメインは、原形質膜に挿入されており
、タンパク質は、7個の膜貫通ドメイン、細胞外アミノ末端及び細胞内カルボキ
シ末端を有することとなる(Strader et al.,1994,Ann
.Rev.Biochem.63:101−132;Schertler et
al.,1993,Nature 362:770−772l;Dohlma
n et al.,1991,Ann.Rev.Biochem.60:653
−688)。
【0004】 GPCRは、極めて多様な組織型において発現されており、広範囲のリガンド
、例えばタンパク質ホルモン、生体アミン、ペプチド、脂質由来メッセンジャー
等に対して応答する。発現及びリガンドが広範囲であることから、GPCRが多
くの病理学的状態に関与していることは驚くべきことではない。このため、薬理
学的に使用されうるGPCR活性の調節因子を開発することに、大きな関心が寄
せられている。例えば、Stadel et al.,1997,Trends
Pharmacol.Sci.18:430−437の表1には、GPCRに
作用する異なる市販薬が37種列挙されている。従って、GPCR機能を理解し
、GPCR活性を調節するために使用されうる薬剤を開発することが、非常に必
要とされている。
【0005】 ガラニンは、中枢及び末梢の神経系に広範に分布している。大部分の種のガラ
ニンは、カルボキシ末端がアミド化された29アミノ酸からなるペプチドである
。ヒトガラニンは、それよりも長く30アミノ酸であり、アミド化されていない
という特色を有する。ガラニン配列の強い保存が存在し、アミノ末端の15残基
は全ての種で完全に保存されている。ガラニンの免疫反応性及び結合は、視床下
部、青斑、海馬及び下垂体前葉、並びに脊髄部、膵臓及び胃腸管に多く存在する
。 視床下部の室傍核(PVN)へガラニンを注射すると、飽和ラットにおける摂食
が用量依存的に増加する。ガラニンは炭水化物摂取を増強しうるが、研究は、ガ
ラニンが脂質摂取を大きく増加させることを示している。ガラニンは、多量栄養
素の好みを炭水化物から脂質へとシフトさせることが示唆されている。摂食を増
加させる同様のガラニン注射が、エネルギー消費を減少させ、インスリン分泌を
阻害する。遺伝的肥満ラットの視床下部においては、痩せている同腹ラットと比
較してガラニン発現が増強されている。ペプチドガラニン受容体アンタゴニスト
をPVNへと注射すると、ガラニン特異的な脂質摂取増加の誘導が遮断される。
特異的ガラニンアンチセンスオリゴヌクレオチドをPVNへと注射すると、脂質
摂取及び総カロリー摂取の減少を伴ってガラニン発現が特異的に減少するが、タ
ンパク質又は炭水化物の摂取にはほとんど影響がない。従って、ガラニンは、脂
質摂取行動に関する神経化学的マーカーとなりうると考えられ、ガラニン受容体
は、肥満及びその他の摂食障害を治療するための薬物を開発するための魅力的な
標的である。
【0006】 ガラニンは、ラットにおいて、コリン作用性機能を阻害し、作業記憶に障害を
与える。コリン作用性ニューロンを破壊する傷害は、空間的学習過程の欠陥をも
たらす。局所投与されたアセチルコリン(ACh)はこの欠陥の一部を回復させ
るが、ガラニンは、このAChにより媒介される改善を遮断する。アルツハイマ
ー病に罹患した脳の生検試料からの証拠は、基底核のガラニン作用性(gali
nergic)神経支配が増加していることを示唆している。このように、ガラ
ニン作用の過剰活性がアルツハイマー病における認識能力の衰退に寄与している
のであれば、ガラニンアンタゴニストは、認識障害の緩解において治療的に有用
であるかもしれない。
【0007】 ガラニンが関与しているその他の生理学的過程には、痛覚伝達(Verge
et al.,1993,Neurosci.Lett.149:193−19
7)及び性的行動(Benelli et al.,1994,Eur.J.P
harmacol.260:279−282)が含まれる。 ラットにおいて、脳室内、皮下又は静脈内へガラニンを投与すると、血漿成長
ホルモンが増加する。ヒトガラニンの健常者への注入も、血漿成長ホルモンを増
加させ、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)に対する成長ホルモンの応答を
強く増強する。
【0008】 ガラニンレベルは、脊髄神経節において特に高い。座骨神経切除は、ガラニン
のペプチド及びmRNAのレベルを劇的にアップレギュレートする。軸索切断後
にガラニン受容体アンタゴニスト(M35、M15)を慢性的に投与すると、疼
痛に対する応答であると一般的に考えられている、ラットの自己断節行動が顕著
に増加する。横断された座骨神経の近心側端部へ、ガラニンに特異的なアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドを適用すると、ガラニンペプチドレベルの増加が抑制さ
れ、平行して自切が増加した。くも膜下注射されたガラニンは、モルヒネと共同
作用し、無痛を生じるが、このモルヒネの抗痛覚伝達効果はガラニン受容体アン
タゴニストにより遮断される。このように、ガラニンアゴニストは、神経痛の軽
減において、ある程度有用であるかもしれない。
【0009】 アデニル酸シクラーゼ活性の阻害、L型Ca++チャネルの閉口及びATP感
受性Kチャネルの開口に対するガラニンの作用は、百日咳毒素感受性G/G タンパク質と共役した少なくとも3種の高親和性ガラニン受容体により媒介さ
れる(Habert−Ortoli et al.,1994,Proc.Na
tl.Acad. Sci,, USA 91:9780−9783;Howa
rd et al.,1997,FEBS Lett.405:285−290
;Wang et al.,1997,J.Biol.Chem.272:31
949−31952;Kolakowski et al.,1998,J.N
eurochem 71:2239−2251)。125I−ガラニンの特異的
結合(およそ1nMのKd)が、ガラニン免疫反応の局在部位と平行した区域、
即ち海馬、腹側海馬、基底前脳、脊髄、膵臓及び下垂体において証明されている
。大部分の組織において、アミノ末端(GAL1〜15)が、抗親和性受容体結
合及びアゴニスト活性にとって十分である。
【0010】 ガラニン受容体cDNAは、ヒトボーズ(Bowes)黒色種細胞系からの発
現クローニングにより単離された(Habert−Ortoli,et al.
,1994,Proc.Nat.Acad. Sci,,USA 91:978
0−9783)。この受容体GALR1は、ヒトの胎児脳及び小腸に発現してい
るが、それ以外の分布についてはほとんど不明である。Gal(1〜16)は、 125 I−ブタガラニンとCOS細胞において一過性発現されたこの受容体との
結合の阻害剤として、pGAL(3〜29)よりも少なくとも1,000倍活性
が高い。この受容体サブタイプが、ガラニン特異的摂食行動を媒介する視床下部
受容体を表しているか否かは、未だ決定されていない。 ガラニン受容体は、いくつかの国際特許公報(WO98/03548;WO97
/46681;WO97/26853;WO98/29439;WO98/29
440;WO98/29441;WO95/22608)に記載されている。欧
州特許出願EP711830も、ガラニン受容体について記載している。
【0011】 この生物学的系をさらに特徴決定し、ガラニン受容体サブタイプに選択的なア
ゴニスト及びアンタゴニストを同定するために使用することができるよう、さら
なるガラニン受容体を同定することが望ましいであろう。
【0012】 発明の概要 本発明は、Gタンパク質共役受容体GPR54をコードする新規なヒト及びラ
ットのDNAに関する。GPR54をコードするDNAは、他の核酸を実質的に
含まず、かつ配列番号:1(ヒトGPR54)及び配列番号:2(ラットGPR
54)として示されたヌクレオチド配列を有する。該新規DNA配列によりコー
ドされるGPR54タンパク質も提供される。GPR54タンパク質は、他のタ
ンパク質を実質的に含まず、かつ配列番号:3(ヒトGPR54)及び配列番号
:4(ラットGPR54)として示されたアミノ酸配列を有する。組換え系にお
いてGPR54を発現させる方法、並びにGPR54のアゴニスト及びアンタゴ
ニストを同定する方法が、提供される。
【0013】 図面の簡単な説明 図1A〜Bは、ヒトGPR54の完全なcDNA配列及びアミノ酸配列を示す
図である。示されたDNA配列は配列番号:1である。示されたアミノ酸配列は
配列番号:3である。
【0014】 図2A〜Bは、ラットGPR54の完全なcDNA配列(配列番号:2)を示
す図である。
【0015】 図3は、ヒトGPR54の完全なアミノ酸配列(配列番号:3)を示す図であ
る。
【0016】 図4は、ラットGPR54の完全なアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図で
ある。
【0017】 図5A〜Bは、ラットGPR54のオープンリーディングフレームの位置を示
す図である。示されたヌクレオチド配列は(配列番号:2)である。示されたア
ミノ酸配列は(配列番号:4)である。
【0018】 図6は、ラット脳におけるラットGPR54 mRNAのノーザンブロットの
結果を示す図である。各レーンは、様々な組織から単離されたポリ(A)RN
A5μgを含有していた。
【0019】 図7A〜Dは、GPR54受容体mRNAの局在を示す、ラット脳の矢状断面
及び冠状断面の暗視野(darkfield)オートラジオグラフである。図7
Aは、0.9mmにおける代表的側面を示している。ブレグマとの相対レベルで
−3.3mm(図7B)、−3.8mm(図7C)及び−6.3mm(図7D)
の代表的な断面も示されている。Aco=扁桃皮質核(cortical nu
cleus of the amygdala);Ahy=視床下部前野(an
terior hypothalamic area);Arc=視床下部弓状
核(hypothalamic arcuate nucleus);IC=下
丘(inferior colliculus);CA,アンモン角野(fie
ld of Ammon’s horn);DG,歯状回(dentate g
yrus);DM,視床下部背内側核(dorsomedial hypoth
alamic nucleus);LC,青斑(locus coeruleu
s);LH,視床下部外側部(lateral hypothalamic a
rea);LHb,外側手綱核(lateral habenular nuc
leus);MeA,扁桃内側核(medial nucleus of th
e amygdala);MPO,内側視索前野(medial preopt
ic area);MRN,中脳網様核(mesencephalic ret
icular nucleus);PAG,水道周囲灰白質(periaque
ductal gray);PB,傍小脳脚核(parabrachial n
ucleus);PF,傍繊維束視床核(parafascicular th
alamic nucleus);PH,視床下部後核(posterior
hypothalamic nucleus);PMV,腹側乳頭前核(ven
tral premammillary nucleus);PO,一次嗅覚皮
質(primary olfactory cortex);RSp1,板状筋
後皮質(retrosplenial cortex);SC,上丘(supe
rior colliculus);SHy,視床下部中隔核(septohy
pothalamic nucleus);VTA,腹側被蓋野(ventra
l tegmental area);ZI,不確帯(zona incert
a)。
【0020】 図8は、GPR54(配列番号:4)のアミノ酸配列と、ラットGALR1(
配列番号:5)、ラットGALR2(配列番号:6)、ラットGALR3(配列
番号:7)及びラットオピオイド受容体DOR(配列番号:8)のアミノ酸配列
とのアラインメントを示す図である。
【0021】 図9は、ラットGPR54(配列番号:4)のアミノ酸配列とヒトGPR54
(配列番号:3)のアミノ酸配列とのアラインメントを示す図である。
【0022】 発明の詳細な説明 以下は、本発明の目的のための記載である。
【0023】 「他のタンパク質を実質的に含まない」とは、他のタンパク質を少なくとも9
0%、好ましくは95%、より好ましくは99%、さらに好ましくは99.9%
含まないことを意味する。従って、他のタンパク質を実質的に含まないGPR5
4タンパク質調製物は、その全タンパク質中の割合として、10%以下、好まし
くは5%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下の非G
PR54タンパク質を含有する。あるGPR54タンパク質調製物が他のタンパ
ク質を実質的に含まないか否かは、例えば適切な検出法、例えば銀染色又はイム
ノブロッティングと併用されたドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)のような、従来のタンパク質純度査定技術により
決定されうる。
【0024】 「他の核酸を実質的に含まない」とは、他の核酸を少なくとも90%、好まし
くは95%、より好ましくは99%、さらに好ましくは99.9%含まないこと
を意味する。従って、他の核酸を実質的に含まないGPR54 DNA調製物は
、その全核酸中の割合として、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましく
は1%以下、さらに好ましくは0.1%以下の非GPR54核酸を含有する。あ
るGPR54 DNA調製物が他の核酸を実質的に含まないか否かは、例えば適
切な検出法、例えば臭化エチジウム染色と併用されたアガロースゲル電気泳動の
ような従来の核酸純度査定技術により、又は配列決定により、決定されうる。
【0025】 「機能的等価物」とは、選択的スプライシング、置換、欠失、突然変異又は付
加のため天然に存在するGPR54と正確に同一のアミノ酸配列を有してはいな
いが、GPR54と実質的に同一の生物学的活性を保持している受容体を意味す
る。そのような機能的等価物は、天然に存在するGPR54との有意なアミノ酸
配列同一性を有するであろう。そのような機能的等価物をコードする遺伝子及び
DNAは、天然に存在するGPR54をコードするDNA配列を用いた低ストリ
ンジェンシーハイブリダイゼーションにより検出されうる。本発明の目的のため
、天然に存在するGPR54とは、配列番号:3又は配列番号:4として示され
たアミノ酸を有する。機能的等価物をコードする核酸は、ヌクレオチド配列レベ
ルで、少なくとも約50%の配列番号:1又は配列番号:2との同一性を有する
【0026】 あるポリペプチドが、配列番号:3又は配列番号:4を有するGPR54のK よりも最大5倍大きいリガンドに対するKを有する場合、そのポリペプチド
は、GPR54と「実質的に同一の生物学的活性」を有している。あるポリペプ
チドが、天然に存在するGPR54と同一のリガンドに曝された際、天然に存在
するGPR54と同一の機能的応答を媒介することができる場合にも、そのポリ
ペプチドは、GPR54と「実質的に同一の生物学的活性」を有している。機能
的応答の例には、ゼノパス(Xenopus)黒色素胞における色素凝集、ゼノ
パス卵母細胞における膜電流の変化、cAMPレベルの調節、カルシウム濃度の
変化、イノシトールリン酸レベルの変化及び内側に整流するカリウムチャネルと
の共役である。当業者であれば、他のGタンパク質共役受容体の機能的応答を測
定する多様な方法に精通しているであろうし、これらの方法をGPR54に適用
することができるであろう(例えば、Lerner,1994,Trends
Neurosci.17:142−146[黒色素細胞における色素分布の変化
];Yokomizo et al.,1997,Nature 387:62
0−624[cAMP又はカルシウムの濃度、走化性の変化];Howard
et al.,1996,Science 273:974−977[ゼノパス
卵母細胞における膜電流の変化];McKee et al.,1997,Mo
l.Endocrinol.11:415−423[エクオリンアッセイを使用
して測定されたカルシウム濃度の変化];Offermanns&Simon,
1995,J.Biol.Chem.270;15175,15180[イノシ
トールリン酸レベルの変化]を参照のこと)。Zlokarnik et al
.,1998,Science 279:84−88及び米国特許第5,741
,657号は、GPR54機能的応答を測定するために適合させることができる
レポーター遺伝子アッセイを記載している。そのアッセイは、蛍光基質を切断す
る、誘導可能プロモーターにより駆動されるβ−ラクタマーゼを利用する。基質
の切断は、β−ラクタマーゼの誘導の大きさと比例する、基質の異なる位置間の
蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の変化をもたらす。従って、誘導可能プロ
モーターの活性化レベルにより、測定されたFRETの量が決定される。次に、
このプロモーターの誘導レベルは、プロモーターを誘導する物質(例えば、cA
MP)のレベルにより決定される。リガンドとGPR54との相互作用から生じ
る機能的応答(例えば、cAMPレベルの変化)により誘導されるプロモーター
を選択することにより、このアッセイを、GPR54機能的応答を測定するため
に使用することが可能である。
【0027】 GPR54を発現させる細胞によって、従ってGPR54が共役するGタンパ
ク質によって、前記のような方法のいくつかは、GPR54の機能的応答を測定
するために適切なものとなろう。ある実験系にとって適切な機能的応答測定法を
選択することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0028】 「保存的アミノ酸置換」とは、あるアミノ酸残基と、別の化学的に類似したア
ミノ酸残基との交換をさす。そのような保存的置換の例は、ある疎水性残基(イ
ソロイシン、ロイシン、バリン又はメチオニン)と別の疎水性残基との置換;あ
る極性残基と、同一の電荷を有する他の極性残基との置換(例えば、アルギニン
とリジン;グルタミン酸とアスパラギン酸)である。
【0029】 「単離されたGPR54タンパク質」又は「単離されたGPR54 DNA」
とは、天然起源から単離された、GPR54タンパク質又はGPR54をコード
するDNAを意味する。「単離された」という用語の使用は、GPR54のタン
パク質又はDNAが、その通常の細胞環境から取り出されていることを示す。従
って、単離されたGPR54タンパク質は、無細胞溶液中に存在するか、又は天
然に存在する環境とは異なる細胞環境に置かれている。単離されたという用語は
、単離されたGPR54タンパク質が、存在している唯一のタンパク質であるこ
とを意味するのではなく、単離されたGPR54タンパク質が、GPR54タン
パク質と天然に関連している非アミノ酸材料(例えば、核酸、脂質、炭水化物)
を少なくとも95%含まないことを意味する。従って、GPR54タンパク質を
天然に(即ち、ヒトの介入なしに)は発現しない細菌又はさらには真核細胞にお
いて、組換え手段により発現されたGPR54タンパク質は、「単離されたGP
R54タンパク質」である。同様に、GPR54をコードするDNAを天然に(
即ち、ヒトの介入なしに)は含有していない細菌又はさらには真核細胞に、組換
え手段により存在するようになったGPR54をコードするDNAは、「単離さ
れた、GPR54をコードするDNA」である。
【0030】 本発明は、ガラニン受容体様タンパク質をコードするDNAの発見に関する。
それぞれ膜貫通セグメント3(TM3)及び膜貫通セグメント7(TM7)内の
GPCR保存配列に基づく2つの縮重プライマー(P1及びP2、実施例1参照
)を使用して、プルーフリーディングPfuポリメラーゼを用いて、ラット脳c
DNAライブラリーの一部を増幅した。増幅されたDNAを切り出し、pBlu
escriptベクターにサブクローニングした。得られたラットクローンの一
つが、ガラニン/オピオイド様受容体を部分的にコードしているようであった。
部分的cDNAを32P dCTP−αで標識し、それを使用して、縮重PCR
において使用されたcDNAライブラリーをスクリーニングした。2つの陽性プ
ラークを精製し、それらの挿入配列を、Pfuポリメラーゼ及びλgt11ベク
ターのクローニング部位に隣接するプライマーを使用したPCRにより増幅した
。PCR産物をpBluescriptにサブクローニングし、配列決定した。
配列の分析により、各プラークが、互いに同一の、そして最初のプローブと同一
のTM3からカルボキシ末端までの推定GPCRの領域をコードしていることが
明らかとなった。同ライブラリーから新たに接種された1×10個のプラーク
の第2スクリーニングにより、さらに3個の陽性プラークが得られた。それぞれ
内部プライマーと対にされたλgt11隣接プライマーを用いたこれらの陽性プ
ラークのPCR増幅は、これらの陽性プラークのうちの1個のみが完全なオープ
ンリーディングフレーム(ORF)を含有していることを明らかにした。このプ
ラークを精製し、挿入配列をpBluescriptにサブクローニングし、完
全長オープンリーディングフレームの5’末を含有していることを確認した。最
後に、ORFの5’末及び3’末からの2つの特異的プライマーを使用して、完
全長ラットcDNAの1.2Kbクローンをpfuポリメラーゼで増幅し、それ
をGPR54と名付けた。配列分析により、クローニングされたGPR54 O
RFが、以前のファージクローン及び最初のプローブと同一であることが明らか
となった。
【0031】 GPR54は、395アミノ酸からなるタンパク質をコードする1,185b
pのORFを含有していた。
【0032】 BLAST検索(Altschul,1997,Nucleic Acids
Res 25:3389−3402)においてGPR54を使用したところ、
ガラニン及びオピオイド受容体ファミリーとの最も高い同一性が観察された。特
に、GPR54は、TM領域において、ラットガラニン受容体GalR1(45
%)、GalR3(45%)、GalR2(44%)及びラットオピオイド受容
体DOR(37%)とのアミノ酸同一性を有していた(図8)。GPR54に存
在する、GPCRのロドプシンスーパーファミリーの保存残基及びコンセンサス
配列には、TM1内のアスパラギン、TM2内のアスパラギン酸、TM4〜7内
のプロリン、アミノ末端内のN結合型グリコシル化のための3個のコンセンサス
配列、第1及び第2細胞外ループ内のシステイン、第2細胞内ループ内のPKA
/PKCコンセンサス配列、第3細胞内ループ内のPKCコンセンサス配列、並
びにカルボキシテール内の3個の可能性のあるパルミトイル化システイン部位が
含まれていた。重要なこととして、高親和性ガラニン結合にとって重要であるこ
とが示されているヒトGalR1受容体の様々な残基(ラットGalR1のHi
s262、His265、Glu269及びPhe280に相当)(Kask
et al.,1996,EMBO J.15:236−244(Kask);
Berthold et al.,1997,Eur.J.Biochem.2
49:601−606(Berthold))は、GPR54において保存され
ていなかった。しかし、これらのうち、His262のみが、3種のガラニン受
容体間で保存されている。さらに、GalR1のPhe280の代わりのGPR
54、GalR2及びGalR3において見出されるチロシン残基の置換は、G
alR1においてPhe280がアラニンに交換した以前の研究(Bertho
ld)とは反対に、ガラニン結合に対して有意な効果を及ぼさないことが示され
た(Kask)。
【0033】 GPR54のノーザンブロット分析及びin situハイブリダイゼーショ
ン分析の両方を、高ストリンジェンシーで、GPR54のTM3からTM7をコ
ードするDNAプローブを用いて、そしてガラニン受容体及び関連受容体をコー
ドする遺伝子との低い同一性を用いて実施した。GPR54の組織分布は、様々
なラット組織から単離されたポリ(A)RNAを使用したノーザンブロット分
析により得られた(図6)。脳においては、複雑なパターンの複数のRNA転写
物が、橋延髄(medulla pons)、中脳、海馬、皮質、前頭皮質及び
線条に検出された。大部分の強力バンドがおよそ3.7Kb長であり、単一の比
較的大きいおよそ12Kb長の転写物が肝臓及び腸にのみ検出された。小脳又は
腎臓組織には転写物が認められなかった。
【0034】 ラット脳切片のin situハイブリダイゼーションを使用して、GPR5
4 mRNAの分布が、多くの野に別々に局在していることが見出された(図7
)。最高レベルの発現は、視床下部及び扁桃の核に見られた。GPR54 mR
NAは、不確帯、腹側被蓋野、歯状回、視床下部弓状核、視床下部背内側核、一
次嗅覚皮質、外側手綱核、視床下部後核、青斑、扁桃の皮質核及び内側核におい
て高度に発現していた。GPR54 mRNAは、上丘、内側視索前野、視床下
部前野、視床下部後核、水道周囲灰白質、傍繊維束視床核、傍小脳脚核及び腹側
乳頭前核にも濃縮されていた。視床下部中隔核、下丘、扁桃内側核、中脳網様核
及び板状筋後皮質において検出されたシグナルは、散在性であり、比較的少量で
あった。
【0035】 GPR54のCNS発現パターンは、ガラニン受容体のパターンと類似してい
ることが見出された。特に、ラットGalR1 mRNA発現は、視床下部、扁
桃、海馬及び青斑を含むいくつかの脳領域に多く存在している(Parker
et al.,1995,Mol.Brain Res.34:179−189
)。ラットGalR2 mRNA発現は、乳頭核、歯状回、視床下部後核及び弓
状核に見出される(Kolakowski et al.,1998,J.Ne
urochem.71,2239−2251)。ラットGalR3は、アンモン
角のCA野及び歯状回に多く発現していることが見出されており、転写物も視床
核、視床下部核、乳頭核及び扁桃核に検出されている(Kolakowski
et al.,1998,J.Neurochem.71,2239−2251
)。
【0036】 GPR54とガラニン受容体との同一性及び重複する発現パターンは、コード
された受容体がガラニンとの結合を示すかもしれないことを示唆した。発現及び
結合の研究のための準備として、GPR54のORFをコードする1.2kbの
cDNA断片を、pcDNA3発現ベクターのマルチプルクローニング部位にサ
ブクローニングし、COS−7細胞へと一過性トランスフェクトした。125
−ヒトガラニンとの特異的結合は観察されなかった。対照的に、ヒトGalR1
によりトランスフェクトされたCOS細胞から調製された膜においては、類似の
条件下で、125I−ヒトガラニンとの特異的かつ高親和性の結合が観察され、
それはGalR2及びGalR3に関する以前の報告と一致していた(Kola
kowski et al.,1998,J.Neurochem.71,22
39−2251)。
【0037】 ラットGPR54配列を用いたBLAST検索は、セリンプロテアーゼ遺伝子
クラスターを含有する第19染色体p13.3に位置するヒト3.5Mbコンテ
ィグ(GenBank登録番号AC005379)との高い同一性を明らかにし
た。配列分析は、398アミノ酸長のタンパク質をコードし、かつラットGPR
54との翻訳アミノ酸同一性が81%(TM領域は100%同一)である、以前
には認識されていなかったGPR54の3.3kbイントロン含有ヒトオルソロ
グを明らかにした。ゲノミック配列は、TM2(およそ800bp、翻訳FYI
..ANL配列の間)、TM3(およそ800bp、IQQ..VSVの間)、
TM4(およそ250bp、WVG..SAAの間)及び第3細胞内ループ(お
よそ180bp、ALQ..GQVの間)に位置する4個のイントロンを明らか
にした。
【0038】 本発明の一つの態様は、配列番号:3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチドを含む、単離されたDNAである。こ
の単離されたDNAは、他の核酸を実質的に含まなくともよく、一本鎖であって
もよいし、又は二本鎖であっても、即ちその相補配列と対を形成していてもよい
。本発明には、このDNAに対応する単離されたRNAも含まれる。
【0039】 本発明のもう一つの態様は、Gタンパク質共役受容体GPR54をコードする
cDNAの同定及びクローニングである。このcDNAは、他の核酸を実質的に
含まないかもしれず、一本鎖であってもよいし、又は二本鎖であってもよい。本
発明は、図1に配列番号:1として、又は図2に配列番号:2として示されたヌ
クレオチド配列を有する、他の核酸を実質的に含まないcDNA分子を提供する
。配列番号:1は、398アミノ酸からなるタンパク質をコードするオープンリ
ーディングフレーム(配列番号:1の1〜1,194位)を含有する。配列番号
:2は、395アミノ酸からなるタンパク質をコードするオープンリーディング
フレーム(配列番号:2の61〜1,245位)を含有する(図5A〜B参照)
【0040】 従って、本発明は、配列番号:1の1〜1,194位のヌクレオチド配列を含
む、他の核酸を実質的に含まないDNA分子、及び配列番号:2の61〜1,2
45位のヌクレオチド配列を含む、他の核酸を実質的に含まないDNA分子も提
供する。本発明は、配列番号:1の1〜1,194位又は配列番号:2の61〜
1,245位のヌクレオチド配列を含む組換えDNA分子も提供する。
【0041】 推定アミノ酸配列に基づき、ヒト及びラットのGPR54タンパク質は、例え
ば (a)7個の膜貫通ドメイン、 (b)3個の細胞内ループ、 (c)3個の細胞外ループ、及び (d)GPCRトリプレットシグナチャー(triplet signatur
e)配列 のようなGPCRに特徴的な特徴の多くを有しているため、新規なGタンパク質
共役受容体(GPCR)である可能性が極めて高い。
【0042】 図6及び図7のようなノーザンブロット分析及びin situハイブリダイ
ゼーション分析は、GPR54 RNAがラット脳野(橋、中脳、視床、視床下
部、海馬、扁桃、皮質、前頭皮質及び線条)及び末梢野(肝臓及び腸)に広く発
現していることを示した。
【0043】 GPR54の全部又は一部をコードする本発明の新規DNA配列は、他のDN
A配列、即ちGPR54が天然には連結してないDNA配列と連結し、GPR5
4配列を含有する「組換えDNA分子」を形成していてもよい。本発明の新規D
NA配列は、GPR54の組換え発現を指示するためベクターへ挿入されうる。
そのようなベクターは、DNA又はRNAから構成されうるが、大部分の目的に
は、DNAベクターが好ましい。典型的なベクターには、プラスミド、修飾ウイ
ルス、バクテリオファージ、コスミド、酵母人工染色体及びGPR54をコード
しうるエピソーム型又は組み込み型のその他のDNAが含まれる。当業者であれ
ば、特定の使用にとって適切なベクターを容易に決定することができる。
【0044】 本発明には、高ストリンジェンシー条件下で配列番号:1又は配列番号:2と
ハイブリダイズするDNA配列が含まれる。例えば、これらに限定されないが、
高ストリンジェンシー条件を使用した手順は、以下の通りである。DNAを含有
するフィルターのプレハイブリダイゼーションを、6×SSC、5×デンハルト
溶液及び100μg/ml変性サケ精子DNAからなる緩衝液中で、65℃で、
2時間から一夜、実施する。フィルターを、100μg/ml変性サケ精子DN
A及び5〜20×10cpmの32P−標識プローブを含有するプレハイブリ
ダイゼーション混合物中で、65℃で、12〜48時間ハイブリダイズさせる。
フィルターの洗浄を、2×SSC、0.1%SDSを含有する溶液中で、37℃
で、1時間、実施する。この後、0.1×SSC、0.1%SDS中で、50℃
で、45分間洗浄した後、オートラジオグラフィーを行う。
【0045】 高ストリンジェンシー条件を使用した他の手順は、5×SSC、5×デンハル
ト溶液、50%ホルムアミド中で、42℃で、12〜48時間実施されるハイブ
リダイゼーション工程、又は0.2×SSPE、0.2%SDS中で、65℃で
、30〜60分間実施される洗浄工程のいずれかを含むであろう。
【0046】 高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションを実施するための前記手順にお
いて言及された試薬は、当分野において周知である。これらの試薬の組成の詳細
は、例えば、Sambrook,Fritsch,and Maniatis,
1989,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,第2版,Cold Spring Harbor Labora
tory Pressに見出される。前記の条件以外に使用されうる高ストリン
ジェンシー条件は、当分野において周知である。
【0047】 遺伝暗号の縮重とは、2個のアミノ酸を除く全てのアミノ酸について、複数の
コドンが、ある特定のアミノ酸をコードするというものである。このため、配列
番号:1又は配列番号:2のヌクレオチド配列と有意に異なっているが、それで
も配列番号:1又は配列番号:2と同一のGPR54タンパク質をコードするヌ
クレオチド配列を有する、GPR54タンパク質をコードする合成DNAを構築
することが可能である。そのような合成DNAは、本発明の範囲に含まれるもの
とする。そのような合成DNAを特定の宿主細胞又は生物において発現させるこ
とが望まれる場合には、そのような合成DNAのコドン使用頻度を、その特定の
宿主細胞又は生物のコドン使用頻度を反映するよう調整し、宿主におけるGPR
54タンパク質の発現レベルを増加させることが可能である。
【0048】 本発明のもう一つの態様は、GPR54をコードするDNA配列を含有し、か
つ/又は発現するよう操作された宿主細胞を含む。そのような組換え宿主細胞は
、GPR54を産生するために適当な条件下で培養されうる。GPR54をコー
ドするDNAを含有する発現ベクターが、組換え宿主細胞におけるGPR54の
発現のため使用されうる。組換え宿主細胞は、原核細胞であっても、真核細胞で
あってもよく、これらに限定されないが、大腸菌のような細菌、酵母のような真
菌細胞、これらに限定されないがヒト、ウシ、ブタ、サル及び齧歯類が起源の細
胞系を含む哺乳動物細胞、並びにこれらに限定されないが、ショウジョウバエ(
Dorosophila)及びカイコに由来する細胞系を含む昆虫細胞を含む。
GPR54の組換え発現にとって適当な、哺乳動物種に由来する市販されている
細胞系には、これらに限定されないが、L細胞L−M(TK)(ATCC C
CL1.3)、L細胞L−M(ATCC CCL1.2)、HEK293(AT
CC CRL1573)、ラジ(ATCC CCL86)、CV−1(ATCC
CCL70)、COS−1(ATCC CRL1650)、COS−7(AT
CC CRL1651)、CHO−K1(ATCC CCL61)、3T3(A
TCC CCL92)、NIH/3T3(ATCC CRL1658)、HeL
a(ATCC CCL2)、C127I(ATCC CRL1616)、BS−
C−1(ATCC CCL26)、MRC−5(ATCC CCL171)、ゼ
ノパス黒色素胞及びゼノパス卵母細胞が含まれる。
【0049】 ヒト胎児腎臓(HEK293)細胞及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO
)細胞は、多数のGタンパク質を発現しているため、GPR54タンパク質の発
現にとって特に適当である。従って、これらGタンパク質のうちの少なくとも1
種が、GPR54とそのリガンドとの相互作用により生成したシグナルと機能的
に共役し、このシグナルを下流エフェクターに伝達し、最終的に、いくつかのア
ッセイ可能な成分、例えばcAMPレベル、レポーター遺伝子の発現、イノシト
ール脂質の加水分解又は細胞内Ca2+レベルの測定可能な変化をもたらすこと
ができる、という可能性が高い。
【0050】 GPR54タンパク質の発現にとって特に適当なその他の細胞は、アフリカツ
メガエル(Xenopus laevis)由来の不死化された色素細胞、黒色
素胞である。そのような色素細胞、黒色素胞は、他の組換えGPCRの機能アッ
セイのためのそのような色素細胞、黒色素胞の使用(Graminski et
al.,1993,J.Biol.Chem.268:5957−5964;
Lerner,1994,Trends Neurosci.17:142−1
46;Potenza&Lerner,1992,Pigment Cell
Res.5:372−378)と同様にして、GPR54の組換え発現を使用し
た機能アッセイに使用されうる。
【0051】 多様な哺乳動物発現ベクターが、哺乳動物細胞及びその他の細胞において組換
えGPR54を発現させるために使用されうる。適当な市販されている哺乳動物
発現ベクターには、これらに限定されないが、pCR2.1(Invitrog
en)、pMC1neo(Stratagene)、pSG5(Stratag
ene)、pcDNAI及びpcDNAIamp、pcDNA3、pcDNA3
.1、pCR3.1(Invitrogen)、EBO−pSV2−neo(A
TCC37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC37110)、pdB
PV−MMTneo(342−12)(ATCC37224)、pRSVgpt
(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC37198)及びpSV2
−dhfr(ATCC37146)が含まれる。非哺乳動物細胞における発現の
ため、様々な適当な発現ベクターが当分野において既知である。ベクターの選択
は、使用される細胞型、所望の発現レベル等により異なるであろう。組換え細胞
における発現に続き、GPR54を、従来の技術、例えば塩分画、イオン交換ク
ロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイト吸着クロ
マトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ及び調製用ゲル電気泳動により
、他のタンパク質を実質的に含まないレベルにまで精製することができる。
【0052】 本発明には、他のタンパク質を実質的に含まないGPR54タンパク質が含ま
れる。完全長ヒトGPR54タンパク質のアミノ酸配列が、図3に配列番号:3
として示されている。完全長ラットGPR54タンパク質のアミノ酸配列が、図
4に配列番号:4として示されている。従って、本発明には、配列番号:3又は
配列番号:4のアミノ酸配列を有する、他のタンパク質を実質的に含まないGP
R54タンパク質が含まれる。
【0053】 多くの受容体タンパク質と同様に、元の受容体と実質的に同一の生物学的活性
を保持しつつ、GPR54のアミノ酸、特にリガンド結合ドメインに見出されな
いアミノ酸の多くを修飾することが可能である。従って、本発明には、アミノ酸
の欠失、付加又は置換を有するが、それでも天然に存在するGPR54と実質的
に同一の生物学的活性を保持している修飾型GPR54ポリペプチドが含まれる
。単一のアミノ酸置換が、タンパク質の生物学的活性を改変することは通常ない
ということが、一般的に認められている(例えば、Molecular Bio
logy of the Gene,Watson et al.,1987,
第4版,The Benjamin/Cummings Publishing
Co.,Inc.,226頁;及びCunningham&Wells,19
89,Science 244:1081−1085を参照のこと)。従って、
本発明には、配列番号:3又は配列番号:4中に1個のアミノ酸の置換がなされ
ているが、それでも天然に存在するGPR54と実質的に同一の生物学的活性を
保持しているポリペプチドが含まれる。本発明には、配列番号:3又は配列番号
:4中に2個以上のアミノ酸の置換がなされているが、それでも天然に存在する
GPR54と実質的に同一の生物学的活性を保持しているポリペプチドも含まれ
る。特に、本発明には、前記の置換が保存的置換である実施態様が含まれる。特
に、本発明には、前記の置換がGPR54のリガンド結合ドメインには起こらな
い実施態様が含まれる。
【0054】 GPR54の機能的等価物であるポリペプチドを生成させるため、GPR54
のいずれのアミノ酸残基が置換されうるかを決定する際、当業者は、GPR54
のアミノ酸配列と、関連タンパク質、例えば、ヒト、マウス又はラットのGAL
R1、GALR2又はGALR3受容体、並びにラットオピオイド受容体DOR
のアミノ酸配列との比較により案内されよう(例えば図8参照)。そのような比
較は、当業者が、GPR54と関連タンパク質との間で高度に保存されている領
域に作成されるアミノ酸置換の数を最小限に抑えることを可能にするであろう。
従って、本発明には、配列番号:3又は配列番号:4中に2個以上のアミノ酸の
置換(保存的なものであり、かつGPR54と、ヒト、マウス又はラットのGA
LR1、GALR2もしくはGALR3受容体のアミノ酸が同一である位置、又
はGPR54とラットオピオイドDOR受容体とのアミノ酸が同一である位置に
は起こらない(図8参照))が作成されているが、それでも天然に存在するGP
R54と実質的に同一の生物学的活性を保持しているポリペプチドが含まれる。
特定の実施態様において、置換は、GPR54と、ラットのGALR1、GAL
R2又はGALR3受容体とのアミノ酸が同一である位置には起こらない(図8
参照)。
【0055】 当業者であれば、同指針に従うことにより、即ち、GPR54と関連タンパク
質とのアミノ酸配列の差違を最小限に抑えることにより、GPR54の機能的等
価物であり、かつアミノ酸の小さい欠失又は挿入であるGPR54アミノ酸配列
からの変化を有するポリペプチドを作製することも可能であることも認識するで
あろう。小さい欠失又は挿入とは、一般的には、約1〜5アミノ酸の範囲内であ
る。そのような小さい欠失又は挿入の、修飾型GPR54ポリペプチドの生物学
的活性に対する効果は、ポリペプチドを合成的に作製するか、又はGPR54を
コードするDNAにおいて必要な変化を作成し、次いでDNAを組換え発現させ
、そして合成的に又はそのような組換え発現により作製されたタンパク質をアッ
セイすることにより、容易にアッセイされうる。使用されうるアッセイには、修
飾型GPR54ポリペプチドが天然に存在するGPR54タンパク質とほぼ同一
の親和性で同リガンドと結合することができるか否かを決定するための単純な結
合アッセイが含まれる。又は、本明細書に記載されたアッセイのような機能アッ
セイを使用することもできる。
【0056】 本発明には、C末端短縮型GPR54、特に、受容体の細胞外部分を内含する
が、受容体の細胞内シグナル伝達部分は欠如しているようなC末端短縮型GPR
54も含まれる。そのような短縮型受容体は、結晶化研究及び構造活性相関研究
のための、本発明に記載された様々な結合アッセイにおいて有用である。
【0057】 本発明には、キメラGPR54タンパク質も含まれる。キメラGPR54タン
パク質は、非GPR54タンパク質のポリペプチド配列とインフレームで融合し
たGPR54の連続ポリペプチド配列からなる。例えば、C末端でGタンパク質
とインフレームで融合したGPR54のN末端ドメイン及び7個の膜貫通ドメイ
ンは、キメラGPR54タンパク質であろう。
【0058】 本発明には、多量体構造、例えば二量体の形態であるGPR54タンパク質も
含まれる。他のGタンパク質共役受容体のそのような多量体は、既知である(H
ebert et al.,1996,J.Biol.Chem.271,16
384−16392;Ng et al.,1996,Biochem.Bio
phys.Res.Comm.227,200−204;Romano et
al.,1996,J.Biol.Chem.271,28612−28616
)。二量体は、2個のGPR54タンパク質を含有する同種二量体であってもよ
いし、又はGPR54と他のタンパク質とを含有する異種二量体であってもよい
【0059】 本発明には、単離された型のGPR54タンパク質も含まれる。
【0060】 本発明には、GPR54タンパク質と特異的に結合する化合物を同定する方法
、及びそのような方法により同定された化合物も含まれる。GPR54との親和
性を有する化合物の結合特異性は、クローニングされた受容体を発現する組換え
細胞、又はそのような細胞由来の膜に対する化合物の親和性を測定することによ
り示される。クローニングされた受容体の発現、及びGPR54と結合するか、
又は既知のGPR54リガンドとそのような細胞との結合を阻害する化合物のス
クリーニングは、GPR54に対する高親和性を有する化合物の迅速な選択のた
めの効率的な方法を提供する。そのようなリガンド又は化合物は、放射性標識さ
れていてもよいが、結合した放射性標識リガンドと交換するために使用されうる
か、又は機能アッセイにおける活性化剤もしくは阻害剤として使用されうる非放
射性化合物であってもよい。前記方法により同定された化合物は、GPR54の
アゴニスト又はアンタゴニストである可能性が高く、ペプチド、タンパク質又は
非タンパク質性有機分子でありうる。そのような化合物は、GPR54活性の薬
理学的に有用な調節因子である可能性が高い。
【0061】 従って、本発明には、GPR54のアゴニスト及びアンタゴニストを同定する
アッセイも含まれる。他の受容体のアゴニスト及びアンタゴニストを同定するた
めの方法が、当分野において周知であり、それらをGPR54のアゴニスト及び
アンタゴニストを同定するために適合させることができる。従って、本発明には
、 (a)GPR54をコードする発現ベクターを細胞にトランスフェクトすること
、 (b)GPR54を発現させるために十分な時間、トランスフェクトされた細胞
を増殖させること、 (c)物質の存在下及び非存在下で、GPR54の標識リガンドに細胞を曝すこ
と、 (d)標識GPR54リガンドの結合を測定すること、ここにおいて、前記標識
リガンドの結合量が、前記物質の存在下において前記物質の非存在下におけるよ
りも少ない場合、前記物質がGPR54の可能性あるアゴニスト又はアンタゴニ
ストである、を含む、物質がGPR54の可能性あるアゴニスト又はアンタゴニ
ストであるか否かを決定するための方法が含まれる。
【0062】 この方法の工程(c)を実施する際の条件は、タンパク質−リガンド相互作用
の研究のために当分野において典型的に使用される条件、例えば生理学的pH、
PBSのような一般的に使用される緩衝液又は組織培養培地の塩条件のような塩
条件、約4〜55℃の温度である。
【0063】 本発明には、 (a)細胞内でGPR54の発現を指示する発現ベクターを細胞にトランスフェ
クトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)前記試験細胞を物質に曝すこと、 (c)前記物質と前記試験細胞中のGPR54との結合量を測定すること、 (d)前記物質と前記試験細胞中のGPR54リガンドとの結合量と、物質とG
PR54でトランスフェクトされていない対照細胞との結合量とを比較すること
、 ここにおいて、前記物質の結合量が、前記試験細胞の方が対照細胞と比較して
多い場合、前記物質はGPR54との結合能を有する、を含む、物質がGPR5
4との結合能を有するか否か、即ち物質がGPR54の可能性あるアゴニスト又
はアンタゴニストである可能性があるか否かを決定するための方法も含まれる。
次いで、物質がアゴニスト又はアンタゴニストであるか否かの決定が、例えば下
記のプロミスカスGタンパク質の使用を含むアッセイのような、機能アッセイの
使用によりアッセイされうる。
【0064】 この方法の工程(b)を実施する際の条件は、タンパク質−リガンド相互作用
の研究のため当分野において典型的に使用される条件、例えば生理学的pH、P
BSのような一般的に使用される緩衝液又は組織培養培地の塩条件のような塩条
件、約4〜55℃の温度である。
【0065】 前記方法の特定の実施態様において、細胞は真核細胞である。もう一つの実施
態様において、細胞は哺乳動物細胞である。他の実施態様において、細胞は、L
細胞L−M(TK)(ATCC CCL1.3)、L細胞L−M(ATCC
CCL1.2)、HEK293(ATCC CRL1573)、ラジ(ATCC
CCL86)、CV−1(ATCC CCL70)、COS−1(ATCC
CRL1650)、COS−7(ATCC CRL1651)、CHO−K1(
ATCC CCL61)、3T3(ATCC CCL92)、NIH/3T3(
ATCC CRL1658)、HeLa(ATCC CCL2)、C127I(
ATCC CRL1616)、BS−C−1(ATCC CCL26)又はMR
C−5(ATCC CCL171)である。
【0066】 前記アッセイは、GPR54により一過性又は安定的にトランスフェクトされ
た細胞を用いて実施されうる。トランスフェクションとは、GPR54を試験細
胞へと導入するための当分野において既知の任意の方法を含むものとする。例え
ば、トランスフェクションには、リン酸カルシウム又は塩化カルシウムにより媒
介されるトランスフェクション、リポフェクション、GPR54を含有するレト
ロウイルス構築物による感染及び電気穿孔が含まれる。
【0067】 物質又はリガンドとGPR54との結合を測定する場合、そのような結合は、
標識された物質又はリガンドを使用することにより測定されうる。物質又はリガ
ンドは、当分野において既知の便利な方法で、例えば放射性、蛍光、酵素で標識
されうる。
【0068】 前記方法の特定の実施態様において、GPR54は配列番号:3又は配列番号
:4のアミノ酸配列を有する。
【0069】 前記方法を修飾し、試験細胞を物質に曝すのではなく、試験細胞から膜を調製
し、これらの膜を物質に曝すようにすることもできる。細胞ではなく膜を利用す
るそのような修飾は、当分野において周知であり、例えばHess et al
.,1992,Biochem.Biophys.Res.Comm.184:
260−268に記載されている。
【0070】 従って、本発明は、 (a)細胞内でGPR54の発現を指示する発現ベクターを細胞にトランスフェ
クトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)前記試験細胞からGPR54を含有する膜を調製し、リガンドが膜中のG
PR54と結合するような条件下で、その膜をGPR54リガンドに曝すこと、
(c)工程(b)に続いて、又はそれと同時に、前記試験細胞由来の膜を物質に
曝すこと、 (d)前記物質の存在下及び非存在下でのリガンドと膜中のGPR54との結合
量を測定すること、 (e)前記物質の存在下及び非存在下での前記リガンドの膜中のGPR54への
結合量とを比較すること、ここにおいて、物質の存在下でのリガンドと膜中のG
PR54との結合量の減少は、物質がGPR54との結合能を有していることを
示す、を含む、物質がGPR54との結合能を有するか否かを決定するための方
法を提供する。
【0071】 特定の実施態様において、GPR54は配列番号:3又は配列番号:4のアミ
ノ酸配列を有する。
【0072】 本発明は、 (a)細胞におけるGPR54の発現を指図する発現ベクターを細胞にトランス
フェクトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)前記試験細胞からGPR54を含有する膜を調製し、前記試験細胞由来の
前記膜を物質に曝すこと、 (c)前記物質と前記試験細胞由来の前記膜中のGPR54との結合量を測定す
ること、 (d)前記物質と前記試験細胞由来の前記膜中のGPR54との結合量と、前記
物質とGPR54をトランスフェクトされていない対照細胞由来の膜との結合量
とを比較すること、ここにおいて、前記物質と前記試験細胞由来の膜中のGPR
54との結合量が、前記物質と前記対照細胞由来の前記膜との結合量よりも大き
い場合、物質がGPR54との結合能を有する、を含む、物質がGPR54との
結合能を有するか否かを決定するための方法を提供する。
【0073】 特定の実施態様において、GPR54は配列番号:3又は配列番号:4のアミ
ノ酸配列を有する。
【0074】 前記の方法のさらなる修飾として、GPR54をコードするRNAを、例えば
バクテリオファージT7プロモーターの調節下でGPR54を含有するプラスミ
ドを使用したin vitro転写により調製し、そのRNAをゼノパス卵母細
胞へと微量注射し、卵母細胞におけるGPR54の発現を引き起こすことができ
る。次いで、卵母細胞において発現されたGPR54との結合について、物質を
試験する。又は、結合を検出するのではなく、卵母細胞の電気生理学的特性に対
する物質の効果を測定してもよい。
【0075】 本発明には、GPR54により媒介される機能性応答を刺激するか、又はそれ
に対し拮抗作用する能力により、GPR54のアゴニスト及びアンタゴニストを
同定することができるアッセイが含まれる。当業者は、Gタンパク質共役受容体
の機能的応答を測定する多様な方法に精通しているであろう(例えば、Lern
er,1994,Trends Neurosci.17:142−146[黒
色素細胞における色素分布の変化];Yokomizo et al.,199
7,Nature 387:620−624[cAMP又はカルシウムの濃度、
走化性の変化];Howard et al.,1996,Science 2
73:974−977[ゼノパス卵母細胞における膜電流の変化];McKee
et al.,1997,Mol.Endocrinol.11:415−4
23[エクオリンアッセイを使用して測定されたカルシウム濃度の変化];Of
fermanns&Simon,1995,J.Biol.Chem.270;
15175,15180[イノシトールリン酸レベルの変化]を参照のこと)。
【0076】 従って、本発明は、 (a)細胞におけるGPR54の発現を指図する発現ベクターを細胞にトランス
フェクトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)試験細胞を、GPR54のアゴニスト又はアンタゴニストであると推測さ
れる物質に曝すこと、 (c)前記物質に曝された前記試験細胞の機能的応答の量を測定すること、 (d)前記試験細胞により示された機能的応答の量と、対照細胞により示された
機能的応答の量とを比較すること、ここにおいて、試験細胞により示された機能
的応答の量が、対照細胞により示された機能的応答の量と異なっている場合に、
物質がGPR54のアゴニスト又はアンタゴニストである、を含む、GPR54
のアゴニスト及びアンタゴニストを同定する方法を提供する。
【0077】 ここで、対照細胞とは、GPR54によりトランスフェクトされていないが、
物質に曝された細胞であるか、又は物質に曝されていない試験細胞である。
【0078】 特定の実施態様において、GPR54は、配列番号:3又は配列番号:4のア
ミノ酸配列を有する。
【0079】 特定の実施態様において、機能的応答は、黒色素細胞における色素分布の変化
、cAMP又はカルシウムの濃度の変化、ゼノパス卵母細胞における膜電流の変
化及びイノシトールリン酸レベルの変化からなる群より選択される。
【0080】 GPR54は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)として知られるタンパク
質のクラスに属する。GPCRは、リガンドが結合すると、細胞膜を介してシグ
ナルを伝達する。リガンドが結合したGPCRは異種三量体Gタンパク質と相互
作用し、Gタンパク質のGαサブユニットのGβ及びGγサブユニットからの解
離を引き起こす。次いで、Gαサブユニットは、多様な第二メッセンジャー系を
活性化することができる。
【0081】 一般に、ある特定のGPCRは、ある特定の型のGタンパク質とのみ共役して
いる。従って、GPCRからの機能的応答を観察するためには、妥当なGタンパ
ク質が、GPCRを含有する系中に存在することを保証する必要がある。しかし
、プロミスカスGタンパク質がいくつか存在することが見出されている。これら
のプロミスカスGタンパク質は、事実上いずれのGPCRとも共役し、従って事
実上いずれものGPCRからの機能的シグナルを伝達するであろう。例えば、O
ffermanns&Simon,1995,J.Biol.Chem.270
;15175,15180(オファーマンス)を参照のこと。オファーマンスは
、多数のGPCRのうちの1つの発現、及びプロミスカスGタンパク質Gα15
又はGα16のうちの1つの発現をもたらす発現ベクターを、細胞にトランスフ
ェクトする系を記載した。GPCRのアゴニストを、トランスフェクトされた細
胞へ添加すると、GPCRが活性化され、Gα15又はGα16を介してホスホ
リパーゼCのβ同位体を活性化することができるようになり、それにより細胞に
おけるイノシトールリン酸レベルが増加した。
【0082】 従って、オファーマンスと同様にして、これらのプロミスカスGタンパク質を
使用することにより、GPR54がin vivoで共役しているGタンパク質
が不明であっても、GPR54に関する機能アッセイを企画することが可能であ
る。1つの可能性は、プロミスカスGタンパク質と融合したGPR54の細胞外
部分及び膜貫通部分から構成された融合タンパク質又はキメラタンパク質を作出
することである。そのような融合タンパク質は、リガンドと融合タンパク質のG
PR54部分との結合に続き、シグナルを伝達することが予想されよう。従って
、本発明は、 (a)プロミスカスGタンパク質とC末端で融合したキメラGPR54タンパク
質を発現する細胞を準備すること、 (b)前記細胞を、GPR54のアゴニストに曝すこと、 (c)工程(b)に続いて、又はそれと同時に、前記細胞を、GPR54のアン
タゴニストであると推測される物質に曝すこと、 (d)前記細胞におけるイノシトールリン酸のレベルを測定すること、ここにお
いて、物質の非存在下での細胞におけるイノシトールリン酸のレベルと比較した
場合の、物質の存在下での細胞におけるイノシトールリン酸のレベルの増加は、
物質がGPR54のアンタゴニストであることを示す、 を含む、GPRのアンタゴニストを同定する方法を提供する。 GPR54と関連してプロミスカスGタンパク質を利用するためのもう一つの可
能性には、 (a)GPR54及びプロミスカスGタンパク質の両方を発現する細胞を準備す
ること、 (b)前記細胞を、GPR54のアゴニストであると推測される物質に曝すこと
、 (c)前記細胞におけるイノシトールリン酸のレベルを測定すること、ここにお
いて、推測アゴニストの非存在下での細胞におけるイノシトールリン酸のレベル
と比較した場合の、前記細胞におけるイノシトールリン酸のレベルの増加は、物
質がGPR54のアゴニストであることを示す、を含む、GPR54のアゴニス
トを同定する方法が含まれる。
【0083】 イノシトールリン酸のレベルは、カルシウム動員をモニターすることにより測
定されうる。細胞内カルシウム動向は、典型的には、蛍光色素を使用した顕微鏡
下で完全細胞において、又はエクオリンアッセイを使用した発光により細胞懸濁
液においてアッセイされる。
【0084】 前記方法の特定の実施態様において、細胞は真核細胞である。もう一つの実施
態様において、細胞は哺乳動物細胞である。他の実施態様において、細胞はL細
胞L−M(TK)(ATCC CCL1.3)、L細胞L−M(ATCC C
CL1.2)、HEK293(ATCC CRL1573)、ラジ(ATCC
CCL86)、CV−1(ATCC CCL70)、COS−1(ATCC C
RL1650)、COS−7(ATCC CRL1651)、CHO−K1(A
TCC CCL61)、3T3(ATCC CCL92)、NIH/3T3(A
TCC CRL1658)、HeLa(ATCC CCL2)、C127I(A
TCC CRL1616)、BS−C−1(ATCC CCL26)、MRC−
5(ATCC CCL171)、ゼノパス卵母細胞又はゼノパス黒色素胞である
【0085】 前記方法の特定の実施態様において、細胞は、細胞におけるGPR54及びプ
ロミスカスGタンパク質の発現を指図する発現ベクターによりトランスフェクト
される。
【0086】 この方法の工程(b)を実施する際の条件は、タンパク質−リガンド相互作用
の研究のために当分野において典型的に使用される条件、例えば生理学的pH、
PBSのような一般的に使用される緩衝液又は組織培養培地の塩条件のような塩
条件、約4〜55℃の温度である。
【0087】 前記方法の特定の実施態様において、プロミスカスGタンパク質は、Gα15
又はGα16からなる群より選択される。Gα15又はGα16を含有する発現
ベクターは、当分野において既知である。例えば、Offermanns、Bu
hl et al,1993,FEBS Lett.323:132−134;
Amatruda et al.,1993,J.Biol.Chem.268
:10139−10144を参照のこと。
【0088】 前記アッセイは、GPR54のアンタゴニストを同定するための方法を形成す
るように修飾することができる。そのような方法も、本発明の一部であり、 (a)GPR54及びプロミスカスGタンパク質の両方を発現する細胞を準備す
ること、 (b)前記細胞を、GPR54のアゴニストであると推測される物質に曝すこと
、 (c)工程(b)に続いて、又はそれと同時に、前記細胞を、GPR54のアン
タゴニストであると推測される物質に曝すこと、 (d)前記細胞におけるイノシトールリン酸のレベルを測定すること、ここにお
いて、推測アンタゴニストの非存在下での細胞におけるイノシトールリン酸のレ
ベルと比較した場合の、推測アンタゴニストの存在下での前記細胞におけるイノ
シトールリン酸のレベルの減少は、物質がGPR54のアンタゴニストであるこ
とを示す、を含む。
【0089】 前記方法の特定の実施態様において、細胞は真核細胞である。もう一つの実施
態様において、細胞は哺乳動物細胞である。他の実施態様において、細胞はL細
胞L−M(TK)(ATCC CCL1.3)、L細胞L−M(ATCC C
CL1.2)、293(ATCC CRL1573)、ラジ(ATCC CCL
86)、CV−1(ATCC CCL70)、COS−1(ATCC CRL1
650)、COS−7(ATCC CRL1651)、CHO−K1(ATCC
CCL61)、3T3(ATCC CCL92)、NIH/3T3(ATCC
CRL1658)、HeLa(ATCC CCL2)、C127I(ATCC
CRL1616)、BS−C−1(ATCC CCL26)、MRC−5(A
TCC CCL171)、ゼノパス卵母細胞又はゼノパス黒色素胞である。
【0090】 この方法の工程(b)及び(c)を実施する際の条件は、タンパク質−リガン
ド相互作用の研究のために当分野において典型的に使用される条件、例えば生理
学的pH、PBSのような一般的に使用される緩衝液又は組織培養培地の塩条件
のような塩条件、約4〜55℃の温度である。
【0091】 前記方法の特定の実施態様において、細胞は、細胞におけるGPR54及びプ
ロミスカスGタンパク質の発現を指図する発現ベクターによりトランスフェクト
される。
【0092】 前記方法の特定の実施態様において、プロミスカスGタンパク質は、Gα15
又はGα16からなる群より選択される。
【0093】 前記方法の特定の実施態様において、GPR54は配列番号:3又は配列番号
:4のアミノ酸配列を有する。
【0094】 前記方法は、「1つ」の物質がGPR54のアゴニスト又はアンタゴニストで
あるか否かの試験に関することが明示されているが、物質の集合物、例えばコン
ビナトリアルライブラリーを試験し、そのような集合物のメンバーがGPR54
の活性化剤又は阻害剤であるか否かを決定するために、そのような方法を適合さ
せうることは、当業者には明らかであろう。従って、物質の集合物、又はそのよ
うな集合物の個々のメンバーの、前記方法における物質としての使用は、本発明
の範囲内である。
【0095】 前記方法により同定されるGPR54のアゴニスト及びアンタゴニストは、G
PR54の不適切な発現が関与している疾患の治療において有用であると予想さ
れる。特に、GPR54とガラニン受容体は類似しているため、GPR54のア
ゴニスト及びアンタゴニストは、薬理学的活性を有しており、ガラニン受容体の
アゴニスト及びアンタゴニストが有用であるのと同様に有用であることが予想さ
れる。従って、GPR54のアゴニスト及びアンタゴニストは、摂食障害及び肥
満、アルツハイマー病及びその他の記憶に影響を与える障害、疼痛、性的障害、
並びに成長ホルモンのバランス異常の治療において有用であると予想される。
【0096】 本発明には、GPR54のアゴニスト及びアンタゴニストを含む薬学的組成物
が含まれる。アゴニスト及びアンタゴニストは、一般に、薬学的に許容される担
体と併せられ、薬学的組成物を形成する。そのような担体、並びにアゴニスト及
びアンタゴニストと担体とを含有する薬学的組成物の製剤化法の例は、レミント
ンの薬学(Remington’s Pharmacuetical Scie
nces)に見出される。有効な投与にとって適当な薬学的に許容される組成物
を形成させるため、そのような組成物は、治療に有効な量のアゴニスト及びアン
タゴニストを含有しているであろう。
【0097】 治療用又は予防用の組成物は、GPR54活性が異常である状態を治療又は予
防するために十分な量で、個体へ投与される。有効量は、個体の状態、体重、性
別及び年齢のような多様な要因によって変化しうる。その他の要因には、投与様
式が含まれる。適切な量は、熟練した医師により決定されうる。
【0098】 組成物は、適切な投薬量で単独で使用されうる。又は、他の薬剤との同時投与
又は連続投与が望ましい場合もある。
【0099】 組成物は、投与のための従来の媒体に含まれて、極めて多様な治療的投薬形態
で投与されうる。例えば、組成物は、錠剤、カプセル(それぞれ、放出時間制御
(timed release)製剤及び徐放性製剤を含む)、丸剤、粉末、顆
粒、エリキシル、チンキ、溶液、懸濁液、シロップ及び乳剤のような経口投薬形
態で、又は注射により、投与されうる。同様に、薬学分野の当業者に周知の形態
を使用して、静脈内(ボーラス及び点滴の両方)、腹腔内、皮下、閉塞があって
もなくてもよい局所、又は筋肉内の形態でも投与することができる。
【0100】 有利には、組成物は、1日1回の用量で投与されうるか、又は1日の総投薬量
が、1日2回、3回もしくは4回の分割された用量で投与されうる。さらに、組
成物は、適当な鼻腔内媒体の局所的使用により鼻腔内形態で、又は当業者に周知
の経皮的皮膚貼付剤の形態を使用した経皮経路により、投与されうる。経皮輸送
系の形態で投与するには、投薬は、当然、投薬計画を通して、断続的ではなく継
続的なものとなるであろう。
【0101】 組成物を利用する投薬計画は、患者の型、種、年齢、体重、性別及び医学的状
態;治療すべき状態の重度;投与経路;患者の腎臓、肝臓及び心臓血管の機能;
並びに使用される特定の組成物を含む、多様な要因に従い選択される。通常の技
術を有する医師であれば、状態の進展を予防し、対抗し、又は阻止するために必
要とされる組成物の有効量を容易に決定し、処方することができよう。毒性なし
に効力を生じる範囲内の組成物の濃度を達成する際の最適な精度は、標的部位へ
の組成物の到達可能性の動態に基づく計画を必要とする。これには、組成物の分
布、平衡及び排除の考慮が含まれる。
【0102】 本発明には、組換え系においてGPR54を発現させ、次いで組換え発現され
たGPR54受容体タンパク質をカウンタースクリーニングに利用する方法も含
まれる。標的受容体と特異的に相互作用する可能性がある医薬品を同定するため
、化合物をスクリーニングする場合には、同定された化合物が標的受容体に対し
て可能な限り特異的であることを保証する必要がある。このためには、標的受容
体に類似している受容体の可能な限り広いアレイに対して化合物をスクリーニン
グすることが必要である。従って、受容体Aと相互作用する医薬品である可能性
がある化合物を見出すためには、化合物が受容体A(「プラス標的」)と相互作
用し、受容体Aを介して所望の薬理学的効果を生じることを保証することが必要
なだけでなく、化合物が受容体B、C、D等(「マイナス標的」)とは相互作用
しないことを決定することも必要である。一般に、スクリーニングプログラムの
一部として、可能な限り多くのマイナス標的を有することが重要である(Hud
gson,1992,Bio/Technology 10:973−980の
980頁参照)。従って、GPR54タンパク質及びGPR54タンパク質をコ
ードするDNAは、カウンタースクリーニングにおいて有用である。即ち、それ
らは、他のGタンパク質共役受容体と特異的に相互作用する化合物を同定するた
めに設計されたスクリーニングプロジェクトに関する、カウンタースクリーニン
グにおける「マイナス標的」として使用されうる。
【0103】 本発明のDNA、又はそのDNAに基づくハイブリダイゼーションプローブは
、GPR54遺伝子又はGPR54と関連したタンパク質をコードする遺伝子の
正確な染色体位置を同定するための染色体マッピング研究において使用されうる
。本発明者らは、ヒトGPR54遺伝子が第19染色体p13.3に位置するこ
とを決定したが、ヒトGPR54遺伝子の位置をさらに正確に決定するためのマ
ッピング研究を実施することが望ましいかもしれない。そのようなマッピング研
究は、例えば、既知の染色体マーカーに対する連鎖分析、又はin situハ
イブリダイゼーションのような、周知の遺伝学的技術及び/又は染色体マッピン
グ技術を使用して実施されうる。例えば、Verma et al.,1988
,Human Chromosomes:A Manual of Basic
Techniques,Pergamon Press,New York,
NY参照。GPR54遺伝子又はGPR54関連タンパク質をコードする遺伝子
の正確な染色体位置を同定した後、この情報は、(Science(1994,
265:1981−2144)のゲノム討論に見出されるデータのような)遺伝
子地図データに含まれる既知の疾患原因遺伝子の位置と比較されうる。このよう
にして、GPR54遺伝子又はGPR54関連タンパク質をコードする遺伝子の
染色体位置を、既知の疾患原因遺伝子の位置と相関させ、それにより、そのよう
な疾患原因遺伝子を含有するDNAの領域を制限することに役立つかもしれない
。これは、そのような疾患原因遺伝子をクローニングする過程を単純化するであ
ろう。また、GPR54遺伝子又はGPR54関連タンパク質をコードする遺伝
子の正確な染色体位置と、既知の疾患原因遺伝子の位置との連鎖が確立されたな
ら、その連鎖を、GPR54遺伝子又はGPR54関連タンパク質をコードする
遺伝子の近傍の制限断片長多型(RFLP)を同定するため、診断的に使用する
ことができる。そのようなRFLPは、疾患原因遺伝子と相関させられ、それに
より、疾患原因遺伝子を保持する個体を同定するために使用されうる。
【0104】 本明細書に記載されたような染色体マッピング研究のため、本発明のDNAに
加え、本発明のDNAの逆相補鎖、又は本発明のDNAに対応するRNAを使用
することが有利であるかもしれない。
【0105】 本明細書に開示されたGPR54配列と相補的なヌクレオチド配列を、アンチ
センス療法において使用するため合成することができる。そのようなアンチセン
ス分子は、DNA、ホスホロチオエート又はメチルホスホネートのようなDNA
の安定な誘導体、RNA、2’−O−アルキルRNAのようなRNAの安定な誘
導体、又はその他の形態のGPR54アンチセンス分子でありうる。GPR54
アンチセンス分子は、多様な方法、例えば微量注入、リポソームカプセル化によ
り、又はアンチセンス配列を保持するベクターからの発現により、細胞へと導入
されうる。GPR54アンチセンス療法は、GPR54活性を減少させることが
有益である状態の治療において特に有用であると予想される。
【0106】 本発明には、GPR54タンパク質に対する抗体も含まれる。そのような抗体
は、ポリクローナル抗体であっても、又はモノクローナル抗体であってもよく、
GPR54タンパク質の不適切な発現又は活性が関与している障害の治療におい
て有用である。本発明の抗体は、当分野において周知の方法により、完全なGP
R54タンパク質に対して、又は適当な担体、例えば血清アルブミンもしくはカ
サガイ(keyhole limpet)ヘモシアニンとカップリングしたタン
パク質の適当な抗原性断片に対して、惹起される。タンパク質の適当な抗原性断
片を同定する方法は、当分野において既知である。例えば、Hopp&Wood
s,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:382
4−3828及びJameson&Wolf,1988,CABIOS(Com
puter Applications in the Bioscience
)4:181−186を参照のこと。
【0107】 ポリクローナル抗体を作製するためには、GPR54タンパク質又は適当な担
体とカップリングした抗原性断片を、例えばウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マ
ウスのような適当なヒト以外の宿主動物に、定期的に注射する。動物から定期的
に採血し、得られた血清を、注射された抗原に対する抗体の存在について試験す
る。注射は、筋肉内、腹腔内、皮下等であってよく、アジュバントが併用されて
いてもよい。
【0108】 モノクローナル抗体を作製するためには、GPR54タンパク質又は適当な担
体とカップリングした抗原性断片を、前記のポリクローナル抗体の作製の場合と
同様の適当なヒト以外の宿主動物に、定期的に注射する。モノクローナル抗体の
場合には、動物は一般的にマウスである。次いで、Kohler&Milste
in,1975,Nature 256:495−497に記載のようにして、
動物の脾細胞を不死化する。不死化は、骨髄腫細胞との融合により行われること
が多い。モノクローナル抗体作製のより詳細な説明については、Antibod
ies:A Laboratory Manual,Harlow&Lane編
、Cold Spring Horbor Laboratory Press
,1988を参照のこと。
【0109】 標的臓器の細胞へGPR54ポリペプチドを導入するため、遺伝子治療が使用
されうる。GPR54ポリペプチドをコードするヌクレオチドは、受容細胞の注
射によりヌクレオチドの移入を媒介するウイルスベクターへとライゲートされう
る。適当なウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随
伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス及びポリオウイルスに基づ
くベクターが含まれる。又は、GPR54ポリペプチドをコードするヌクレオチ
ドは、リガンド−ヌクレオチド結合体を使用した受容体媒介ターゲティッド移入
、リポフェクション、膜融合又は直接微量注入を含む非ウイルス技術により、遺
伝子治療のため細胞へと移入されうる。これらの手順及びそれらの変法は、ex
vivo及びin vivoの遺伝子治療にとって適当である。GPR54ポ
リペプチドを用いた遺伝子治療は、GPR54活性を上昇させることが有益であ
る疾患の治療に特に有用である。
【0110】 完全長GPR54をコードするcDNA断片は、適当なプライマー対を使用し
たポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することにより、適切なヒトcDNA
ライブラリーから単離されうる。そのようなプライマー対は、図1に配列番号:
1として示されたGPR54のcDNA配列に基づき選択されうる。適当なプラ
イマー対は、例えば 5’―ATG CAC ACC GTG GCT ACG TCC―3’(配列
番号:11)及び 5’―TCA GAG AGG GGC GTT GTC CTC―3’(配列
番号:12) であろう。
【0111】 前記プライマーは、適当なベクター、例えばpcDNA3.1への、増幅され
たcDNAのクローニングを容易にするための制限部位を5’末に含有していて
もよい。前記プライマーは、例示的なものである。当業者であれば、その他にも
多様な適当なプライマーが設計されうることを認識するであろう。
【0112】 PCR反応は、これらに限定されないが、AmpliTaq、AmpliTa
q Gold又はVentポリメラーゼを含む、多様な熱安定酵素を用いて実施
されうる。AmpliTaqの場合、反応は、10mMトリス−HCl、pH8
.3、2.0mM MgCl、各200μMのdNTP、50mM KCl、
0.2μMの各プライマー、DNA鋳型10ng、0.05単位/μl Amp
liTaq中で実施されうる。反応物は、95℃で3分間加熱され、次いで、9
5℃20秒間、62℃20秒間、72℃3分間のサイクリングパラメータを使用
して35回繰り返す。これらの条件以外にも、多様な適当なPCRプロトコルが
、PCR Primer,A Laboratory Manual,C.W.
Dieffenbach及びG.S.Dveksler編,1995,Cold
Spring Horbor Laboratory Press又はPCR
Protocols:A Guide to Methods and Ap
plications,Michael et al.編,1990,Acad
emic Pressに見出される。
【0113】 GPR54をコードするクローンが単離されうる適当なcDNAライブラリー
は、脳組織由来のRNAから作成されたヒトcDNAライブラリーであろう。そ
のようなライブラリーは、当分野において周知の方法により調製されうる。又は
、いくつかの市販されているライブラリー、例えばストラタジーン社(Stra
tagene,Inc.、La Jolla、CA、USA)のヒト胎児脳(カ
タログ#937227)、及びクロンテックラボラトリーズ社(Clontec
h Laboratories,Inc.、Palo Alto、CA、USA
)のヒト脳視床下部(カタログ#HL1172a)のようなcDNAライブラリ
ーが適当であろう。そのようなライブラリーの一次クローンは、およそ20,0
00クローンを含有するプールへと分割され、各プールが別々に増幅されうる。
【0114】 この方法により、398アミノ酸(配列番号:3)のオープンリーディングフ
レームをコードするcDNA断片が得られた。このcDNA断片は、適当なクロ
ーニングベクター又は発現ベクターへとクローニングされうる。例えば、断片は
、哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen、San D
iego、Ca)へとクローニングされうる。次いで、GPR54をコードする
発現ベクターを適当な宿主細胞へと移入し、適切な条件下で宿主細胞を増殖させ
ることによりGPR54タンパク質が作製されうる。次いで、GPR54タンパ
ク質は、当分野において周知の方法により単離されうる。
【0115】 前記PCR法の代替法として、GPR54に特異的なオリゴヌクレオチドをプ
ローブとして使用し、オリゴヌクレオチドプローブを用いてcDNAライブラリ
ーをスクリーニングするための当分野において周知の方法を使用して、GPR5
4をコードするcDNAクローンを、cDNAライブラリーから単離することが
できる。そのような方法は、例えばSambrook et al.,1989
,Molecular Cloning:A Laboratory Manu
al,Cold Spring Harbor Laboratory,Col
d Spring Harbor,New York;Glover,D.M.
編,1985,DNA Cloning:A Practical Appr
oach,MRL Press,Ltd.,Oxford,U.K.,第I,I
I巻に記載されている。GPR54に特異的であり、cDNAライブラリーをス
クリーニングするために使用されうるオリゴヌクレオチドは、図1に配列番号:
1として示されたGPR54のcDNA配列に基づき容易に設計され、当分野に
おいて周知の方法により合成されうる。
【0116】 GPR54遺伝子を含有するゲノミッククローンは、例えば、Researc
h Genetics,Huntsville,ALから市販されている、ヒト
PAC又はBACライブラリーから得ることができる。又は、本明細書に開示さ
れたGPR54ヌクレオチド配列に基づくプローブを使用して、GPR54を含
有するゲノミッククローンが単離されうる、例えばP1人工染色体ベクター中の
ゲノミックライブラリーを調製してもよい。そのようなライブラリーを調製する
方法は、当分野において既知である(Ioannou et al.,1994
,Nature Genet.6:84−89)。
【0117】 以下、本発明を制限するものではない実施例を、本発明をさらに例示するため
に提示する。
【0118】 実施例1 PCR増幅及びcDNAライブラリースクリーニング ラット脳5’ストレッチ(Stretch)cDNAライブラリー(Clon
tech)を、プルーフリーディングPfuポリメラーゼ(Stratagen
e)及びGPCRの保存された膜貫通(TM)領域3 P1:5’―CTGACCGGCCATGABDETFGADCGHTA―3’
(配列番号:9) 及び膜貫通(TM)領域7 P2:5’―GAAGGCGTAGAFBAIJGGKTT―3’(配列番号:
10) [ここで、B=C又はG、D=C又はT、E=A又はG又はT、F=C又はG又
はT、H=A又はC、I=A又はC又はG又はT、J=A又はC又はG、K=A
又はG] をコードする配列に基づく縮重オリゴヌクレオチドを使用したポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により増幅した。
【0119】 PCR条件は、以下の通りであった。94℃における30秒間の変性、55、
48、45、42又は40℃における40秒間のアニーリング、及び72℃にお
ける30秒間の伸長を30サイクル、それに続く72℃における7分間の伸長。
PCR産物をフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、低融
点アガロースゲルでの電気泳動にかけた。予想サイズ域内のPCR産物バンドを
ゲルから切り出し、pBluscript SK(−)(Stratagene
)のEcoRV部位へとライゲートし、配列決定した。1つの挿入配列が新規G
PCRをコードしているようであった。それを、ニックトランスレーション(A
mersham)により[32P]dCTP−α(NEN)で標識し、以前に記
載されたようにして(Marchese et al.,1994,Genom
ics 23:609−618)、前記と同じ増幅されたライブラリーをスクリ
ーニングするために使用した。陽性ファージクローンをプラーク精製し、それら
の挿入配列を、Pfuポリメラーゼ及びlgt11EcoRIクローニング部位
に隣接するプライマーを使用したPCRにより増幅した。PCR産物を、pBl
uscript SK(−)(Stratagene)のEcoRV部位へと平
滑末端ライゲートし、両鎖を配列決定した。
【0120】 実施例2 ノーザンブロット分析 いくつかのラット組織由来のラットmRNAを、以前に記載されたようにして
(Marchese et al.,1994,Genomics 23:60
9−618)、抽出した。簡単に説明すると、Chomczynski&Sac
chi,1987,Anal.Biochem.162:156−159の方法
により全RNAを抽出し、オリゴ(dT)セルローススピンカラム(Pharm
acia、Uppsala、Sweden)を使用してポリ(A)RNAを単
離した。RNAを変性させ、1%ホルムアルデヒドアガロースゲル上でサイズ分
画し、ナイロン膜へ転写し、UV照射により固定化した。ブロットに、GPR5
4をコードする32P−標識DNA断片をハイブリダイズさせ、2×SSPE及
び0.1%SDSで50℃で20分間洗浄し、0.1×SSPE及び0.1%S
DSで50℃で2時間再び洗浄し、増感スクリーンの存在下で−70℃でX線フ
ィルムへと感光した。
【0121】 実施例3 in situハイブリダイゼーション分析 GPR54をコードする35S−標識DNA断片を、in situハイブリ
ダイゼーション用のプローブとして使用した。ラット脳切片の調製及びin s
ituハイブリダイゼーションの手順は、以前に記載されたようにして実施した
(O’Dowd et al.,1996,FEBS Lett 394:32
5−329)。
【0122】 実施例4 COS−7哺乳動物細胞におけるGPR54 cDNAの発現 アメリカンタイプカルチャーコレクションから得られたアフリカングリーンモ
ンキー(African Green Monkey)SV40で形質転換され
た腎細胞系(COS−7細胞)を、10%熱不活化胎仔ウシ血清(Sigma)
、50単位/ml ペニシリン、50μg/ml ストレプトマイシン(Flo
w Laboratories、McLean、VA)及び2mMグルタミン(
Flow Laboratories)が補足されたダルベッコ改変イーグル培
地中で、37℃で、6%COの雰囲気下で増殖させた。175cm培養フラ
スコ1個当たり5×10個の細胞を、20mlの培地に播き、80%コンフル
エンスで、2.75、5.5又は11.65μgのpcDNA3−GPR54又
はpcIneo−hGALR1プラスミド及び70μlのリポフェクト(Lip
ofect)AMINE試薬(Life Technologies,Inc.
)により、製造業者の推奨に従い、一過性トランスフェクトした。トランスフェ
クションの2日後、無酵素溶解溶液(Specialty Media、Lav
allette、NJ)に溶解させた後、細胞を収集した。
【0123】 実施例5 膜調製及び放射性リガンド結合アッセイ 氷冷膜緩衝液(10mMトリス、pH7.4、10mMフェニルメチルスルホ
ニルフロリド、10mMホスホルアミドン)中での加圧窒素キャビテーションに
よる破壊により、トランスフェクトされた細胞から膜を調製した。低速(110
0×g、10分間、4℃)及び高速(38,700×g、15分間、4℃)の遠
心分離の後、膜を緩衝液に再懸濁させ、そのタンパク質濃度を決定した(Bio
−Radアッセイキット)。膜中の125I−ヒトガラニン(2200Ci/m
molの比活性、DuPont NEN)の結合を、全量250mlの25mM
トリス、pH7.4、0.3%BSA、2mM MgCl、4mg/mlホス
ホルアミドン(phosphoramidon)、及び10mMロイペプチンの
緩衝液を使用して測定した。200pMの125I−ヒトガラニンを使用した。
膜の添加により反応を開始させ、室温で2時間インキュベーションを進行させた
。非特異的な結合を、10mMの未標識ヒトガラニンの存在下で結合し続ける放
射能の量と定義した。TOMTEC(Orange CT)細胞採取器を使用し
て、0.1%ポリエチルアミンに予備浸漬させたCF/Cフィルターによる急速
濾過により、インキュベーションを停止させた。
【0124】 本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の実施態様により制限されるもの
ではない。実際、本明細書に記載されたものに加え、本発明の様々な修飾が、前
述の記載から当業者には明らかとなろう。そのような修飾は、添付の特許請求の
範囲の範囲に含まれるものとする。
【0125】 様々な出版物が本明細書において引用されているが、それらの開示は参照によ
り完全に組み込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 ヒトGPR54の完全なcDNA配列及びアミノ酸配列を示す図である。
【図1B】 ヒトGPR54の完全なcDNA配列及びアミノ酸配列を示す図である。
【図2A】 ラットGPR54の完全なcDNA配列(配列番号:2)を示す図である。
【図2B】 ラットGPR54の完全なcDNA配列(配列番号:2)を示す図である。
【図3】 ヒトGPR54の完全なアミノ酸配列(配列番号:3)を示す図である。
【図4】 ラットGPR54の完全なアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図である。
【図5A】 ラットGPR54のオープンリーディングフレームの位置を示す図である。
【図5B】 ラットGPR54のオープンリーディングフレームの位置を示す図である。
【図6】 ラット脳におけるラットGPR54 mRNAのノーザンブロットの結果を示
す図である。
【図7A】 GPR54受容体mRNAの局在を示す、ラット脳の矢状断面及び冠状断面の
暗視野(darkfield)オートラジオグラフである。
【図7B−C】 GPR54受容体mRNAの局在を示す、ラット脳の矢状断面及び冠状断面の
暗視野(darkfield)オートラジオグラフである。
【図7D】 GPR54受容体mRNAの局在を示す、ラット脳の矢状断面及び冠状断面の
暗視野(darkfield)オートラジオグラフである。
【図8】 GPR54(配列番号:4)のアミノ酸配列と、ラットGALR1(配列番号
:5)、ラットGALR2(配列番号:6)、ラットGALR3(配列番号:7
)及びラットオピオイド受容体DOR(配列番号:8)のアミノ酸配列とのアラ
インメントを示す図である。
【図9】 ラットGPR54(配列番号:4)のアミノ酸配列とヒトGPR54(配列番
号:3)のアミノ酸配列とのアラインメントを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 B (71)出願人 ユニバーシテイ・オブ・トロント カナダ国、オンタリオ・エム・1・イー・ 1・ビー・8、トロント、タドル・ロー ド・8、デパートメント・オブ・フアーマ コロジー (72)発明者 ハワード,アンドリユー・デイー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 オニール,ギヤリー・ピー カナダ国、ケベツク・アシユ・9・アシ ユ・3・エル・1、カークランド、トラン ス−カナダ・ハイウエイ・16711 (72)発明者 オダウド,ブライアン カナダ国、オンタリオ・エム・1・イー・ 1・ビー・8、トロント、タドル・クリー ク・ロード・8 (72)発明者 ジヨージ,スーザン カナダ国、オンタリオ・エム・1・イー・ 1・ビー・8、トロント、タドル・クリー ク・ロード・8 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 4B024 AA01 BA63 CA04 CA09 CA10 CA12 DA02 EA02 EA04 4B065 AA90X AB04 CA24 CA44 4H045 AA10 AA11 BA10 BA54 CA40 DA50 DA75 EA21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有するポリ
    ペプチドをコードするヌクレオチドを含む、単離されたDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号:1、配列番号:1の1〜1,194位、配列番号
    :2、及び配列番号:2の61〜1,245位からなる群より選択されるヌクレ
    オチド配列を含む、請求項1のDNA分子。
  3. 【請求項3】 請求項1のDNAと高ストリンジェンシー条件下でハイブリ
    ダイズするDNA分子。
  4. 【請求項4】 請求項1のDNAを含む発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1のDNAを含む組換え宿主細胞。
  6. 【請求項6】 配列番号:3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有するGP
    R54タンパク質を含む単離されたポリペプチド。
  7. 【請求項7】 他のタンパク質を実質的に含まない、請求項6の単離された
    ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 単一のアミノ酸置換を含有する、請求項6の単離されたポリ
    ペプチド。
  9. 【請求項9】 保存的であり、かつGPR54とラットのGALR1、GA
    LR2又はGALR3受容体とが同じアミノ酸を有している位置ではない位置で
    のアミノ酸置換を2個以上含有する、請求項6の単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 (a)GPR54をコードする発現ベクターを細胞にトラ
    ンスフェクトすること、 (b)GPR54を発現させるために十分な時間、トランスフェクトされた細
    胞を増殖させること、 (c)物質の存在下及び非存在下で、GPR54の標識リガンドに細胞を曝す
    こと、 (d)前記標識リガンドとGPR54との結合を測定すること、 ここにおいて、前記物質の存在下の方が、前記物質の非存在下よりも前記標識
    リガンドの結合量が少ない場合に、前記物質はGPR54の可能性あるアゴニス
    ト又はアンタゴニストであり、GPR54は配列番号:3又は配列番号:4のア
    ミノ酸配列を有する、 を含む、物質がGPR54のアゴニスト又はアンタゴニストであるか否かを決定
    するための方法。
  11. 【請求項11】 (a)細胞内でGPR54の発現を指示する発現ベクター
    を細胞にトランスフェクトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)前記試験細胞を物質に曝すこと、 (c)前記物質と前記試験細胞中のGPR54との結合量を測定すること、 (d)前記物質と前記試験細胞中のGPR54との結合量と、前記物質とGP
    R54でトランスフェクトされていない対照細胞との結合量とを比較すること、 ここにおいて、前記対照細胞と比較して前記試験細胞の方が前記物質の結合量
    が多い場合に、前記物質はGPR54への結合能を有し、GPR54は配列番号
    :3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有する、 を含む、ある物質がGPR54との結合能を有するか否かを決定するための方法
  12. 【請求項12】 (a)細胞内でGPR54の発現を指示する発現ベクター
    を細胞にトランスフェクトすることにより、試験細胞を準備すること、 (b)前記試験細胞を、GPR54のアゴニスト又はアンタゴニストであると
    推測される物質に曝すこと、 (c)前記物質に曝された前記試験細胞の機能的応答の量を測定すること、 (d)前記試験細胞により示された機能的応答の量と、前記対照細胞により示
    された機能的応答の量とを比較すること、 ここにおいて、前記試験細胞により示された機能的応答の量が、前記対照細胞
    により示された機能的応答の量と異なっている場合に、前記物質がGPR54の
    アゴニスト又はアンタゴニストであり、 前記対照細胞は、GPR54でトランスフェクトされていないが前記物質に曝
    された細胞、又は前記物質に曝されていない前記試験細胞であり、 GPR54は配列番号:3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有する、 を含む、GPR54のアゴニスト又はアンタゴニストを同定するための方法。
  13. 【請求項13】 配列番号:3又は配列番号:4のアミノ酸配列を有する、
    を含む、GPR54と特異的に結合する抗体。
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