JP2003510088A - 合成及びキメラプロモーター、発現カセット、プラスミド、ベクター、トランスジェニック植物、及びそれらを含む種子、並びにそれらを生産する方法 - Google Patents

合成及びキメラプロモーター、発現カセット、プラスミド、ベクター、トランスジェニック植物、及びそれらを含む種子、並びにそれらを生産する方法

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JP2003510088A
JP2003510088A JP2001526975A JP2001526975A JP2003510088A JP 2003510088 A JP2003510088 A JP 2003510088A JP 2001526975 A JP2001526975 A JP 2001526975A JP 2001526975 A JP2001526975 A JP 2001526975A JP 2003510088 A JP2003510088 A JP 2003510088A
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acid sequence
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ヴェロニーク・グルーベル
フレデリック・ノル
マンフレット・テイセン
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メリステム・テラピューティクス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、高分子量コムギグルテニン(HMWG)をコードする遺伝子のプロモーターから由来する少なくとも一つの核酸配列を含む合成的且つキメラプロモーターに関する。本発明はまた、上記プロモーターを含む発現カセット、ベクター及びトランスジェニック植物に関し、並びに上記トランスジェニック植物及び種子の生産のための方法に関する。本発明は、最も一般的に使用される現在存在するプロモーターに対して、特に宿主細胞、とりわけ植物細胞において生産されるポリペプチドをコードする遺伝子若しくは核酸配列の発現のレベルを増大することが可能であるキメラプロモーターを生産することに成功したことを報告する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に植物バイオテクノロジーの分野で使用することを企図した、発
現のキメラプロモーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、発現のプロモーターは、バイオテクノロジー及び遺伝学的操作の分
野において周知である。とりわけ植物バイオテクノロジーに関して、宿主細胞に
おいて生産されるポリペプチドをコードする遺伝子の発現のレベルは、しばしば
使用されるプロモーターに依存する。一般的に使用される各種のプロモーターは
、その組織特性若しくは発現の強度のために、特異的な応用若しくは組織にしば
しば制限される。例えばnos遺伝子から開始するプロモーターと比較して比較
的強いプロモーターとして、例えばカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロ
モーターが挙げられ、これら二つのプロモーターは、植物バイオテクノロジーの
分野でとりわけ使用されている。かくして、現在使用されているプロモーターの
欠点を解消することが可能な新規なプロモーターに対する必要性が存在する。
【0003】 この必要性を満足する一つの試みが、WO 97/20056のナンバーの下で印刷され
たPCT特許出願において報告されており、それは周知のプロモーター中で、エ
ンハンサー(即ちプロモーターの活性にポジティブな効果を有する)をしようす
ることによる遺伝子発現のレベルの増大を記載する。エンハンサーのヌクレオチ
ド配列はA及びT塩基が豊富であり、これらの塩基の全体は、該エンハンサーの
ヌクレオチド配列の50%以上を構成する。特に、この出願の出願人は、マメの
プラストシアニンプロモーターから開始するエンハンサー領域の使用を推奨する
【0004】 ここでの記載及び請求の範囲において使用される用語は、以下の意味を有する
: 用語、「核酸」は、DNA若しくはRNAを意味する。
【0005】 用語、「核酸配列」は、5’から3’に向けて読み取られるヌクレオチド塩基
の一本鎖若しくは二本鎖オリゴマー若しくはポリマーを意味し、それらは自己複
製プラスミド、遺伝子、及び感染性である若しくはない、機能的な若しくは非機
能的なDNA若しくはRNAであるDNA若しくはRNAポリマーを含む。本出
願において使用されるヌクレオチドの表記において、特に言及されている場合を
除いて、一本鎖ヌクレオチド配列の左側の末端が5’末端である。
【0006】 フレーズ、「〜から由来する核酸配列」は、例えば一つ以上のヌクレオチドの
置換、欠失、付加、突然変異、断片化、及び/または合成によって、参考文献が
言及している配列から該配列が直接若しくは間接に由来することを意味する。
【0007】 用語、「プロモーター」若しくはフレーズ「プロモーター核酸配列」は、翻訳
開始コドンの上流に存在し、RNAポリメラーゼ及び転写のための他のタンパク
質の認識及び結合に関与する核酸領域を意味する。
【0008】 「植物プロモーター」は、植物細胞中で転写を開始できるプロモーターである
【0009】 「構成的プロモーター」は、宿主生物の発達を通じて上記生物の全ての組織若
しくは実質的に全ての組織において、機能的な態様で上記プロモーターと連結し
た核酸配列を発現可能なプロモーターである。
【0010】 「特異的組織プロモーター」は、宿主生物の特定の特異的組成基において、機
能的な態様で上記プロモーターと連結した核酸配列を選択的に発現可能なプロモ
ーターである。
【0011】 フレーズ、「機能的な態様で連結した」若しくは「機能的に連結した」は、例
えばプロモーターまたは調節若しくは機能的ボックスである核酸配列が、例えば
別の調節若しくは機能的ボックスまたは生産されるタンパク質をコードする発現
される遺伝子といった別の核酸配列に連結していることを意味し、且つ該配列が
、それらが導入されている細胞、ゲノム、ベクター若しくは発現カセット中でそ
の主要な機能を発揮すること、即ちそれらが上記環境中で機能的であることを意
味する。プロモーターの場合、プロモーターの配列はまた、転写開始部位と翻訳
開始部位の間に転写される配列を含むことが理解されるべきである。
【0012】 用語、「発現カセット」は、上記配列と適合的である宿主細胞において、生産
されるポリペプチドをコードする配列若しくは遺伝子の発現に向けることが可能
なヌクレオチド配列を意味する。上記カセットは、少なくとも一つのプロモータ
ーと一つの転写終結シグナル、並びに任意に発現のために必要とされる若しくは
有用な他の因子を含む。
【0013】 用語、「ベクター」は、例えばDNAコート化発射体、核酸ベース輸送ビヒク
ル、及び核酸を輸送するのに適している核酸分子、並びに例えばプラスミド、コ
スミド、ファージミド等といった自律的自己複製環状DNAのような発現システ
ムを意味する。もし組換え細胞培養物若しくは微生物が、「発現ベクター」の宿
主であると記載されたならば、これは染色体外環状DNA(例えばミトコンドリ
ア若しくはクロロプラストDNAのような)及び宿主染色体内に挿入されている
DNAを含み、ベクターは宿主のゲノム内に挿入された自律的構造体として細胞
分裂の間細胞によって安定に複製されるか、宿主の核若しくは細胞質において維
持されるかのいずれかが可能である。
【0014】 用語、「プラスミド」は、細胞中で複製可能な自律的環状DNA分子を意味し
、「発現」プラスミドと称されるものと、「非発現」プラスミドと称されるもの
の両者を含む。もし組換え細胞培養物若しくは微生物が、「発現」プラスミドの
宿主として記載されたならば、これは染色体外環状DNA分子と、宿主染色体内
に挿入されているDNAの両者を含む。もしプラスミドが宿主細胞によって維持
されるのであれば、プラスミドは自律的構造体として細胞分裂の間細胞によって
安定に複製されるか、宿主のゲノム中に挿入されるかのいずれかである。
【0015】 用語、「異種配列」若しくは「異種核酸配列」は、その環境に対して外来であ
るソース若しくは種から由来する配列、またはもしそれが同じ環境から由来する
のであれば、そのもともとも形態に対して修飾されている配列を意味する。核酸
配列の修飾は、例えば機能的な態様でプロモーターに連結可能な核酸断片を生産
するように、核酸を制限酵素で処理することによって生じさせることができる。
修飾はまた、サイトディレクトミュータジェネシスのような方法を介して生じさ
せることができる。
【0016】 用語、「ボックス」は、調節機能が貢献する核酸配列を意味する。
【0017】 用語、「様」は、この用語が結びついているボックス及び/または核酸配列が
、好ましくは少なくとも50%の配列同一性、より好ましくは少なくとも75%
の配列同一性、とりわけ少なくとも90%の配列同一性で、ボックス及び/また
は周知の参考核酸配列と称される配列と特定の配列同一性若しくはコンセンサス
を含むことを意味する。配列同一性のパーセンテージは、少なくとも6のヌクレ
オチド塩基の比較の基準に基づいて計算される。比較の基準の測定は、例えば局
所的ホモロジーアリゴリズム、ホモロジー整列アリゴリズム、及び類似性検索ア
リゴリズムといった、参考配列とのホモロジーを測定するために配列背列アリゴ
リズムを使用して実施でき、これらのアリゴリズムはまた、GAP、BESTF
IT及びTFASTAという周知の名称の下で、コンピューター形態で存在する
。配列同一性のパーセンテージは、ボックス及び/または核酸配列と参考配列を
比較することによって得られる。
【0018】 用語、「位置する」は、「ボックス」、制限部位、若しくは特異的な機能を有
するコドンのような、同定されたエレメントの核酸配列上の位置を意味する。数
字によって示された位置は、特に言及されている場合を除き、後ろへの読み取り
の方向、即ち5’−>3’方向で、核酸配列中のエレメントの開始の部位を示す
【0019】 用語、「Element 300」、「EM」、「胚乳モチーフ」、「P−ボックス」若
しくは「プロラミン様」ボックスは、多くの穀物の貯蔵タンパク質をコードし、
マメ胚乳の発達の間でゼイン遺伝子の統合的な発現を介在する共通の調節機構に
関与する、調節若しくは機能的モチーフ若しくはエレメントを意味する。
【0020】 用語、「G様」ボックスはACGTコアモチーフを意味し、その転写調節に体
シル機能的貢献はほとんどの場合に定義されていないが、それはプロモーターの
最大の発現に必要であるようである。
【0021】 用語、「エンハンサー」ボックスは、その配向とは独立に、標的プロモーター
の上流若しくは下流で、一定の距離を有してcisに機能でき、プロモーターの
活性において誘導性、組織特異性若しくは一般的な改良を与えることが可能なt
rans因子の組み合わせを結合する複数の短いモチーフより一般的な成ること
ができる、調節DNA配列を意味する。
【0022】 用語、「GATA」ボックスは、多くの光調節プロモーターの活性に対して必
要とされる調節若しくは機能的モチーフ若しくはエレメントを意味する。
【0023】 用語、「as1」若しくは「活性化配列1」ボックスは、CaMV(カリフラ
ワーモザイクウイルス)の35Sプロモーターから好ましくは由来する調節若し
くは機能的モチーフ若しくはエレメントを意味し、それは根での発現を与えるこ
とができ、他のcis活性化エレメントとの協力的な相互作用を通じてプロモー
ター調節においてより複雑な役割を果たすことができ、任意にサリチル酸で誘導
可能であることができる。
【0024】 用語、「as2」若しくは「活性化配列2」ボックスは、CaMV(カリフラ
ワーモザイクウイルス)の35Sプロモーターから好ましくは由来する調節若し
くは機能的モチーフ若しくはエレメントを意味し、それは光合成組織での発現を
与えることができ、転写アクチベーター活性を有することができる。
【0025】 用語、「シリアル」ボックスは、コムギ種子における特異的な発現に関与でき
る調節若しくは機能的モチーフ若しくはエレメントを意味する。
【0026】 用語、「GCリッチ」ボックスは、例えばジェミニウイルスから由来する、G
若しくはCヌクレオチドが豊富な調節若しくは機能的モチーフ若しくはエレメン
トを意味する。
【0027】 用語、「トランスジェニック植物」は、遺伝学的な操作方法によって得られ流
植物を意味し、上記操作によって得られる植物、そのゲノム内に挿入されている
再生植物、または上記操作で、これらの方法によって得られる根、茎、及び葉と
いった植物器官を発現する植物等の植物全体をカバーする。本発明に従ったトラ
ンスジェニック植物は、各種のレベルの倍数性を有することができ、特に多倍数
体、二倍体若しくは一倍体であることができる。
【0028】 用語、「繁殖体」は、構造的な若しくは非構造的な、例えば移植片、カルス、
茎、葉、根、切片若しくは種子といった植物全体の再生が可能な植物細胞の塊若
しくは群を意味する。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の出願人は、以前に議論されたPCT出願の出願人のアプローチとは異
なるアプローチを採った。特に本発明の出願人は、驚くべきことに、上述の必要
性を満足することが可能であり、最も一般的に使用される現在存在するプロモー
ターに対して、特に宿主細胞、とりわけ植物細胞において生産されるポリペプチ
ドをコードする遺伝子若しくは核酸配列の発現のレベルを増大することが可能で
あるキメラプロモーターを生産することに成功した。さらに出願人は同時に、考
慮される使用及びその実施の環境に従って使用のために適したものを選択するこ
とができ、かくして生産されるポリペプチドをコードする発現される遺伝子の発
現のレベルのいくつかの方法で制御できる、完全な範囲のプロモーターを生産す
ることに成功した。この原理の使用の一つの例は、例えば抗生物質若しくは除草
剤に対する耐性といった植物における選択のための薬剤、若しくはより重要なタ
ンパク質をアセンブリーするために必要とされる補酵素若しくは補因子といった
、タンパク質若しくは酵素の発現に向けた及び/またはそれを制御する本発明の
比較的弱いプロモーターの一つを使用すること、並びに例えば治療上の効果を有
するポリペプチドの発現を制御する本発明に従った比較的強いプロモーターを使
用することであろう。
【0030】 本発明のまた別の利点は、本発明に従って調製されたプロモーターが、種子に
おける特異的な発現だけでなく、例えば葉、茎及び植物維管束系といった他の器
官における発現を助長するために脱調節も可能である点である。
【0031】
【課題を解決するための手段】
従って本発明の主な主題は、好ましくは高分子量コムギグルテニンをコードす
るコムギDx5若しくはBx7遺伝子から由来する核酸配列である、高分子量コ
ムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する少なくとも一つの核酸配列を含
むキメラプロモーターである。
【0032】 好ましくは該キメラプロモーターは、高分子量コムギグルテニンをコードする
遺伝子から由来する少なくとも一つの核酸配列を含み、その配列は配列番号01
のナンバーの下で同定される。
【0033】 とりわけ高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する核酸配列
は、配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号05、配列番号06
、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号10、配列番号11、
配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配
列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22のナンバーの下で同
定される配列よりなる群から選択される配列に相当する。
【0034】 さらに本出願人は、上述の高分子量コムギグルテニンをコードシリ遺伝子から
由来する核酸配列を使用して、特定数の調節若しくは機能的ボックスを組み合わ
せることによって、双子葉植物及び単子葉植物の両者で有利なプロモーター活性
を有する、特に植物プロモーターであるプロモーターを構築することが可能であ
ることに気付いた。
【0035】 かくして本発明の別の主題は、高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子
から由来する核酸配列を含み、3’位置で「TATA」ボックスと転写開始部位
(+1)を含む、発現のキメラプロモーターである。
【0036】 好ましくは該プロモーターは、「TATA」ボックスと転写開始部位(+1)
の上流の5’位置で機能的に連結した少なくとも一つの「エンハンサー」ボック
スを含む。
【0037】 より好ましくは該プロモーターは、「エンハンサー」ボックスの上流の5’位
置で機能的に連結した少なくとも一つの「G様」ボックスを含む。
【0038】 さらにより好ましくは該プロモーターは、「エンハンサー」ボックスの上流の
5’位置で機能的に連結した少なくとも一つの「P様」ボックスを含む。
【0039】 有利には該プロモーターは、少なくとも「エンハンサー」ボックスの上流の5
’位置で機能的に連結した少なくとも一つの「GATA」ボックスを含む。
【0040】 好ましくは該プロモーターは、「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で
機能的に連結した少なくとも一つのシリアルボックスを含む。
【0041】 さらにより好ましくは該プロモーターは、「エンハンサー」ボックスの上流の
5’位置で機能的に連結した二つの連続的な「シリアル」ボックスを含む。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明に従ったプロモーターの一つの好ましい実施態様に従って、それらは転
写開始部位の上流の5’位置に機能的に連結した、少なくとも一つの「as1」
ボックス若しくは少なくとも一つの「as2」ボックス、またはこれらの繰り返
し順列を含む。
【0043】 本発明の別の好ましい実施態様に従って、「as1」、「as2」、「as1
/as2」若しくは「as2/as1」ボックス、またはその繰り返し順列は、
エンハンサーボックスの3’位置で下流で機能的に連結している。
【0044】 本発明のさらに別の好ましい実施態様に従って、該プロモーターは、「エンハ
ンサー」ボックスの上流で機能的に連結した「GC」ボックスを含む。
【0045】 特に好ましくは該プロモーターは、「エンハンサー」ボックスの上流の5’位
置で機能的に連結した二つの「シリアル」ボックスを含み、エンハンサーボック
ス自体は、「as2/as1」ボックスの上流の5’位置で機能的に連結する。
【0046】 本発明のプロモーターのさらに別の好ましい実施態様に従って、それらは、逆
の配向及び/または転写開始部位の3’位置での下流で機能的に連結した、「エ
ンハンサー」ボックス、「G様」ボックス、「P様」ボックス、「GATA」ボ
ックス、「シリアル」ボックス、「as1」ボックス、「as2」ボックス、及
び/または「as1/as2」ボックス若しくは「as2/as1」ボックスと
いった任意に繰り返されるボックスの組み合わせ、並びに「GCリッチ」ボック
スより成る群から選択される少なくとも一つのエレメントを含む。
【0047】 最後に本発明に従ったキメラプロモーターは有利には、配列番号02、配列番
号03、配列番号04、配列番号05、配列番号06、配列番号07、配列番号
08、配列番号09、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号1
3、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20
、配列番号21及び配列番号22より成る群から選択される少なくとも一つの核
酸配列を含む。
【0048】 本発明のまた別の主題は、高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から
由来し、それ自体転写終結核酸配列に連結した生産されるポリペプチドをコード
する発現される核酸配列に機能的な態様で連結している、少なくとも一つのプロ
モーター核酸配列を含む発現カセットである。
【0049】 好ましくはこの発現カセットは、高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝
子から由来する少なくとも一つのプロモーター核酸配列を含む、その配列は配列
番号01のナンバーの下で同定される。
【0050】 さらにより好ましくは該発現カセットは、高分子量コムギグルテニンをコード
する遺伝子から由来し、配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号
05、配列番号06、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号1
0、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17
、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22
のナンバーの下で同定される配列よりなる群から選択される、少なくとも一つの
プロモーター核酸配列を含む。
【0051】 本発明の別の主題は、配列番号01のナンバーの下で同定される配列から由来
する配列に相当することを特徴とする、単離されたプロモーター核酸配列である
【0052】 好ましくは単離されたプロモーター核酸配列は、配列番号02、配列番号03
、配列番号04、配列番号05、配列番号06、配列番号07、配列番号08、
配列番号09、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配
列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列
番号21及び配列番号22のナンバーの下で同定される配列よりなる群から選択
される配列に相当する。
【0053】 本発明の別の主題は、プロモーター若しくはプロモーター核酸配列が、上述の
キメラプロモーター若しくはプロモーター核酸配列に相当することを特徴とする
、生産されるポリペプチドをコードする核酸配列の転写を開始可能な、プロモー
ター若しくはプロモーター核酸配列を含むベクターである。
【0054】 好ましくは該ベクターは、pMRT1207,pMRT1177,pMRT1
178,pMRT1179,pMRT1180及びpMRT1181のナンバー
の下で同定されるバイナリーベクターよりなる群から選択される。本発明にまた
別の主題は、上述の少なくとも一つのプロモーター若しくは少なくとも一つのプ
ロモーター核酸配列をそのゲノム内に安定に挿入されているトランスジェニック
植物である。
【0055】 好ましくは該トランスジェニック植物は、ジャガイモ、タバコ、綿花、レタス
、トマト、メロン、キュウリ、マメ、アブラナ、ビートの食用根、若しくはヒマ
ワリのような双子葉植物種、またはコムギ、オオムギ、オートムギ、コメ、若し
くはトウモロコシのような単子葉植物種から選択される。
【0056】 本発明の別の主題は、上述のトランスジェニック植物の繁殖体であり、好まし
くはこの繁殖体は種子である。
【0057】 本発明のさらに別の主題は、上述のプロモーター若しくはプロモーター核酸配
列を含む細胞であり、好ましくはこの細胞は植物細胞である。
【0058】 本発明の好ましい主題の中で、以下の工程: − 上述の少なくとも一つのプロモーター若しくは少なくとも一つのプロモータ
ー核酸配列を含むベクターで細胞をトランスフォームする工程; − ポリペプチドをコードする核酸配列若しくは遺伝子の発現を許容する条件下
で細胞の培養物を調製する工程; を含むことを特徴とする、細胞中で生産されるポリペプチドをコードする核酸配
列若しくは遺伝子を発現するための方法もまた存在する。
【0059】 好ましくは生産されるポリペプチドは、酵素若しくはタンパク質、若しくはタ
ンパク質の誘導体であり、それはin vitroで及び/またはヒト及び/または動物
中で活性を有し、上記活性は、胃腸、膵臓、胆汁、抗ウイルス、抗炎症、肺、抗
微生物、栄養、化粧、及び構造的な活性、血液中での活性、心臓血管、眼、抗原
、及び免疫刺激的な活性、並びに脳内での活性を含む。上記タンパク質の例は、
例えばインスリン、インターフェロン、胃腸、膵臓若しくは胆汁リパーゼ、エラ
スターゼ、アルファ−1アンチトリプシンのようなアンチプロテアーゼ、コラー
ゲンのような構造形成タンパク質、ラクトフェリンのようなトランスフェリン、
ヒトヘモグロビン若しくはアルブミンのような血液由来タンパク質、血液補因子
、並びにスーパーオキシドジスムターゼのような抗酸化剤である。
【0060】 好ましくはこの方法で使用される細胞は、原核生物若しくは真核生物細胞であ
る。
【0061】 さらにより好ましくは該細胞は、微生物細胞、真菌細胞、昆虫細胞、動物細胞
、及び植物細胞よりなる群から選択される細胞であり、さらにより好ましくはそ
れは植物細胞である。
【0062】 最後に、本発明の別の主題は、以下の工程: − 上述の少なくとも一つのプロモーター若しくは少なくとも一つのプロモータ
ー核酸配列を含むベクターで植物細胞をトランスフォームする工程; − 該プロモーター若しくはプロモーター核酸配列を挿入した植物細胞を選択す
る工程; − 培養物中で、またはキメラ若しくはトランスジェニック植物全体を再生する
ことによってのいずれかで、トランスフォームされ選択された植物細胞を増殖す
る工程; を含むことを特徴とする、上述のトランスジェニック植物若しくは繁殖体を得る
ための方法である。 本発明は、添付された図面を参考にして、以下の非制限的な実施例によって示
された各種の実施態様の詳細な説明を通じて、より明確に理解されるであろう。
【0063】 以下の詳細な説明において、制限酵素及びDNA修飾酵素を使用して実施され
る酵素処理は、供給者New England Biolabsの推奨に従って実施された。各酵素
処理に引き続いて、DNAは"QIAquick PCR Purification" (QIAGEN)若しくは"C
oncert Rapid PCR Purification System" (GIBCO BRL Life Technology)の補助
の下で、または特別な場合には"QIAquick Gel Extraction" (QIAGEN)もしくは"C
oncert Rapid Gel Extraction System" (GIBCO BRL Life Technology)キットの
補助の下で、製造者の説明書に従って系統的に精製された。使用された"GeneAmp
PCR System 9700"サーモサイクラーは、Perkin Elmer Applied Biosystemsによ
って販売される。
【0064】
【実施例】
実施例1 比較目的物(コントロール)の構築 本特許において記載されるキメラプロモーターの比較を可能にするために、ジ
ャガイモパタチン遺伝子ST−LS1のイントロンIV2の配列(Vancenneyt等,
1990)を含む、β−グルクロニダーゼをコードするuidA遺伝子(Jefferson等
, 1986)を、参考プロモーターの一つ、及びAgrobacterium tumefaciensのノパリ
ンシンターゼ遺伝子ターミネーター(term-nos)の制御の下で、Promega Corp. (M
adison, USA)によって販売されるプラスミドpGEM3Z中に配置した。
【0065】 1.1.ネガティブコントロールpMRT1144の構築 何れのプロモーター配列をも欠いているプラスミドpMRT1144を、ネガ
ティブコントロールとして使用する。それは、配列"uidA-IV2/term-nos"が導入
されているプラスミドpGEM3Zから由来する。
【0066】 初めに、プラスミドpBI221(Clontech, CA, USA)の5μgを、制限酵素
EcoRI及びBamHIで37℃で1時間切断した。次いでノパリンシンター
ゼターミネーターの制御の下にあるuidA配列を、"QIAquick Gel Extraction
"キットの補助の下で0.8%アガロースゲル上で単離した。
【0067】 平行して、プラスミドpGEM3Zの5μgを、制限酵素ペアEcoRI及び
BamHIで37℃で1時間切断した。次いでベクター断片を、"QIAquick Gel
Extraction"キットの補助の下で0.8%アガロースゲル上で単離し、40Uの
ウシ腸アルカリホスファターゼ(New England Biolabs)を使用して37℃で1時
間緩衝液3(1X)の存在下で脱リン酸化した。
【0068】 ライゲーション反応を、50ngの"uidA-IV2/term-nos"断片と100ngの
プラスミドpGem3Zで実施し、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラ
ーでT4DNAリガーゼ緩衝液(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ
(New England Biolabs)の存在下で10μlの反応混合物で処理した。それは1
0℃で30秒の1サイクルと、30℃で30秒、10℃で30秒及び30℃で3
0秒よりなる各200の同一のサイクルよりなる。事前にコンピーテントにされ
た大腸菌DH5a細菌を、全てのライゲーション反応混合物でトランスフォーム
した。アンピシリン(50mg/l)を補ったLuria-Bertani培地(LB、10
g/lバクトトリプトン、5g/l酵母抽出物、10g/lNaCl、pH7.
2及び15g/lAgar-Agar)で選択された、得られたクローンのプラスミドD
NAを、アルカリ溶解法(BirnboimとDoly, 1983)に従って抽出し、酵素切断で分
析した。生じたプラスミドを、pGEM3Z/uidA/term-nosと名付けた。
【0069】 第二に、pGEM3Z/uidA/term-nosのuidAコード配列中にジャガイモパタチン
遺伝子の192bpイントロンIV2を挿入するために、この遺伝子の内部部分
(710bpSnaI/BstI断片)を摘出し、次いでイントロンIV2を含
む同等な配列(902bpSnaI/BstI断片)で置換した。
【0070】 これを実施するために、10μgのプラスミドpGEM3Z/uidA/term-nosを、Sn
aIで37℃で1時間切断し(制限部位はuidA遺伝子のATG開始コドンの
+383bp上流の位置に位置した)、次いでBstIで65℃で1時間切断し
た(制限部位は+1093bpで位置した)。かくして710bp断片を欠くプ
ラスミドを、"QIAquick Gel Extraction"キットの補助の下で0.8%アガロー
スゲル上で単離し、40Uのウシ腸アルカリホスファターゼ(New England Biola
bs)で37℃で1時間緩衝液3(1X)の存在下で脱リン酸化した。
【0071】 uidA配列が引き続くイントロンIV2の配列に対応する902bpBst
I/SnaI断片を、制限酵素SnaBI(制限部位はuidA遺伝子のATG
開始コドンの+383bp上流の位置に位置する)で37℃で1時間、並びに制
限酵素BstBI(部位は+1285bpの位置に位置する)で37℃で1時間
を使用して、プラスミドp35S GUS INT(Vancanneyt等, 1990)の10μ
gを切断することによって得た。次いで902bp断片を、"Concert Rapid Gel
Extraction System"キットの補助の下で1%アガロースゲル上で単離した。
【0072】 ライゲーション反応を、かくして処理された100ngのベクターpGEM3Z/uid
A/term-nosと50ngの902bpBSTBI/SnaBI断片を使用して、上
述のように"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーでT4DNAリガーゼ
緩衝液(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)
の存在下で実施した。事前にコンピーテントにされた大腸菌DH5a細菌を、全
てのライゲーション反応混合物でトランスフォームした。アンピシリン(50m
g/l)を補ったLB培地で選択された、得られたクローンのプラスミドDNA
を、アルカリ溶解法に従って抽出し、酵素切断で分析した。生じたプラスミドを
、pMRT1144と名付けた。
【0073】 1.2.ポジティブコントロールpMRT1218の構築 トウモロコシ胚乳SN 87 165(L2)中でのプロモーターである参考配
列を有するために、Reina等(1990)によって記載されたプラスミドp63中に含
まれるg−ゼインプロモーター(Prg−ゼイン)の全1.7kbを、配列uidA
-IV2/term-nosの上流に配置した。
【0074】 1.7kbg−ゼインプロモーターを、制限酵素HindIIIとBamHI
で37℃で1時間15μgのプラスミドp63を切断することによって得た。か
くして放出された1.7kbPrg−ゼイン断片を、"Concert Rapid Gel Extra
ction System"キットの補助の下で0.8%アガロースゲル上で単離した。
【0075】 平行して10μgのプラスミドpMRT1126(実施例3のセクション3.
4に記載される)を、制限酵素HindIIIとBamHIで37℃で1時間切
断した。次いでベクター断片を、"Concert Rapid Gel Extraction System"キッ
トの補助の下で0.8%アガロースゲル上で単離し、 緩衝液3(1X)の存在下で40ウシ腸アルカリホスファターゼ(New England B
iolabs)で37℃で1時間脱リン酸化した。
【0076】 ライゲーション反応を、かくして処理された50ngのg−ゼインプロモータ
ー断片と100ngのプラスミドpMRT1126を使用して、上述のように"G
eneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーでT4DNAリガーゼ緩衝液(1X
)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で1
0μlの反応混合物で実施した。事前にコンピーテントにされた大腸菌DH5a
細菌を、全てのライゲーション反応混合物でトランスフォームした。アンピシリ
ン(50mg/l)を補ったLB培地で選択された、得られたクローンのプラス
ミドDNAを、アルカリ溶解法に従って抽出し、酵素切断で分析した。生じたプ
ラスミドを、pMRT1218と名付けた。
【0077】 1.3.ポジティブコントロールpMRT1092の構築 タバコ(Nicotiana Tabacum L., cultivar PBD6)の光合成組織中のプロモータ
ーである参考配列を有するために、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV
PrD35S)の二重35Sプロモーターを、配列uidA-IV2/term-nosの上流に
配置した。
【0078】 初めに、ジャガイモパタチン遺伝子の192bpイントロンIV2を、セクシ
ョン1.1に記載された+383bp位置でuidAコード配列内に挿入した。
これを実施するために、1μgのプラスミドpBI221(Clontech, CA, USA)
を、SnaBIで37℃で1時間30分、BstBIで65℃で1時間30分切
断した。710bp断片を欠いたプラスミドを、0.8%アガロースゲル上で単
離し、次いでQiaquickアフィニティーカラムで精製した。20ngの量のBst
BI/SnaBIベクターと、80ngの上述のp35S GUS INTから由
来する902bpBstBI/SnaBI断片を、T4DNAリガーゼ緩衝液(
1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ酵素(New England Biolabs)の存
在下で、10μlの反応混合物で18℃で一晩ライゲートした。事前にコンピー
テントにされた大腸菌DH5a細菌を、ライゲーション反応混合物の半分でトラ
ンスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を補ったLB培地で選択され
た、得られたクローンのDNAを、アルカリ溶解法に従って抽出し、酵素切断で
分析した。生じたプラスミドを、pBI221/uidA-IV2と名付けた。
【0079】 第二に、プラスミドpBI221/uidA-IV2中に存在するCaMV 35Sプロモータ
ーの配列を、"CaMV PrD35S"の配列で置換した。プラスミドpBI221/uidA-IV2を、
HindIIIで37℃で10時間30分間切断し、次いで粘着末端をKlenow断
片(New England Biolabs)で37℃で30分使用して平滑末端にした。この本能
の生産物を、次いでBamHIで37℃で一晩切断した。828bpCaMV
35Sプロモーター断片の欠失したベクターに対応するプラスミドDNA断片を
、0.8%アガロースゲル上で単離し、次いでQiaquickアフィニティーカラムで
精製した。
【0080】 平行して、CaMV D35Sプロモーターを、プラスミドpJIT163D
から得た。このプラスミドは、それ自体プラスミドpJIT160(Guerineauと
Mullineaux, 1993)から由来する、プラスミドpJIT163から由来する。プ
ラスミドpJIT163は、ポリリンカーのHindIIIとSalI部位の間
であTGコドンを有する。このATGコドンを欠失し、プラスミドpJIT16
3Dを得るために、pJIT163プラスミドDNAをHindIIIとSal
Iで切断し、0.8%アガロースゲル上で精製し、電気溶出し、1/10容量の
3M酢酸ナトリウム、pH4.8と2.5容量の完全エタノールの存在下−80
℃で30分で沈殿させ、12,000gで30分遠心分離し、70%エタノール
で洗浄し、乾燥し、Klenow断片(New England Biolabs)の作用に37℃30分か
け、1容量のフェノール、次いで1容量のフェノール/クロロホルム/イソアミ
ルアルコール(25/24/1v/v/v)、最後に1容量のクロロホルム/イ
ソアミルアルコール(24/1v/v)での抽出によって脱タンパク質化し、次
いで1/10容量の3M酢酸ナトリウム、pH4.8と2.5容量の完全エタノ
ールの存在下で−80℃で30分沈降し、次いで12,000gで30分遠心分
離し、70%エタノールで洗浄し、乾燥し、最後にT4DNAリガーゼ緩衝液(
1X)と2.5ユニットのT4リガーゼ(Amersham)の存在下で14℃で16時間
ライゲートした。事前にコンピーテントにされた大腸菌DH5a細菌をトランス
フォームした。アンピシリン(50mg/l)を補ったLB培地で選択された、
得られたクローンのDNAを、アルカリ溶解法に従って抽出し、酵素切断で分析
した。次に、10μgのプラスミドpJIT163Dを、KpnIで37℃で1
0時間30分切断し(プロモーターの5’に位置する部位)、次いで粘着末端を
6ユニットのT4DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を使用して37℃
で30分平滑末端にした。この反応の生産物を、次いでBamHIで37℃で一
晩切断した。CaMV D35Sプロモーターに対応する、生成した761bp
のDNA断片を、1%アガロースゲル上で単離し、次いでQiaquickアフィニティ
ーカラム上で精製した。10ngのプラスミドベクターと100ngの761b
p断片を使用して、T4DNAリガーゼ緩衝液(1X)と400ユニットのT4
DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で18℃で一晩で、10μlの
反応混合物においてライゲーションを実施した。事前にコンピーテントにされた
大腸菌DH5a細菌を、ライゲーション反応混合物の半分でトランスフォームし
た。アンピシリン(50mg/l)を補ったLB培地で選択された、得られたク
ローンのDNAを、アルカリ溶解法に従って抽出し、酵素切断で分析した。生じ
たプラスミドを、pMRT1092と名付けた。
【0081】 1.3.参考プラスミドpCaMV35Slicの説明 一過的発現における内部参考として使用されるプラスミドは、pCaMV35
Slic(Torrent等,1997)であり、それはCaMV 35SプロモーターとRN
Aターミネーターの制御の下で、ルシフェラーゼ(luc)レポーター遺伝子の
発現のためのカセットを含む。
【0082】 実施例2 高分子量コムギグルテニン遺伝子の全プロモーター配列と、欠失又は複製され
たプロモーター配列を含むプラスミドの構築 制御配列が異なっている可能性がある、位置−378bpから位置+39bp
までの範囲の417bpの配列(登録番号No.X12928)に相当する六倍体のコム
ギTriticum aestivum L. cv Cheyenne (Andersonら、1989)のGluD1-1bとも呼
ばれる、Dxサブユニットをコードする高分子量グルテニン遺伝子の全プロモータ
ー(PrHMWG-DX5(配列番号01))を同定し、転写開始点+1に対して5’側から
3’側で示した(図1): −プロラミン”様”ボックス、位置−357から位置−350bpまで伸びて
いる、 −2つのGATAボックス、位置−309から位置−306bpまで、及び位置−
292から位置−289bpまで伸びている、 −プロラミン”様”ボックス、位置−252から位置−246bpまで伸びて
いる、 −8−bp”G”様ボックス、位置−218から位置−211bpまで伸びて
いる、 −38−bp活性エレメント、位置−186から位置−149bpまで伸びて
おり、cis-活性モチーフのモザイクからなる: ・プロラミンボックス、位置−182から位置−176bpまで伸びている、 ・不完全な対称の配列、位置−178から位置−161bpまで伸びている、 ・位置−176と−163bpの間の5ヌクレオチドGCTCCの直接反復、 ・”E”ボックス、位置−172から位置−167bpまで伸びている、 ・位置−169と−158bpの間の5ヌクレオチドTTGCTの直接反復、 −”TATA”ボックス、位置−30から−24bpまでにコンセンサス TATAAA
Aを有する −+1転写開始点(位置1) −位置+1から位置+39bpまでの範囲の非翻訳5’領域。
【0083】 上記の種々の推定cis-活性エレメントの効果を調べるために、HMWG-Dx5プロモ
ーター(配列番号1)の詳しい機能分析を行なった。uidA-IV2レポーター遺伝子
を、全HMWG-Dx5 プロモーター(配列番号01)の制御下、及び5’領域の増加
された欠失、内部の欠失、又は内部の部分の複製のいずれかを有する合成HMWG-D
x5 プロモーター(配列番号01)制御下に配置した。
【0084】 2.1 プラスミドpMRT1125の構築 プラスミドpMRT1125は、uidA-IV2レポーター遺伝子の上流の高分子量グルテニ
ン遺伝子の全プロモーター(PrHMWG-DX5(配列番号01)、図1)のクローニング
の結果得られたものであり、この特許に記載されているすべての合成HMWG-Dx5(
配列番号01)プロモーターの対照構築物を構成している。
【0085】 Andersonら(1989)により記載されたHMWG-Dx5 プロモーター(配列番号
01)は、通常のクローニング技術に従って、pUC19プラスミド(Stratagene)
に導入された発現カセット”PrHMWG-DX5(配列番号01)/uidA/term-nos”から
得られた。得られたプラスミド(pPUC19-HMWG)10μgをEcoRIで37℃1時間
加水分解し、20Uのクレノーフラグメント(New England Biolabs)を、dNTPs
を各60nmol、12μlの500mM トリス-HCl、pH7.5/500mM MgCl2
ッファー、6μlの1M ジチオスレイトール(DTT)の存在下で、37℃30分
間作用させた。DNAをついでBamHIで37℃1時間消化し、こうして切り離された
HMWG-Dx5プロモーター断片(配列番号01)を、”QIAquick Gel Extraction”
キットを用いて、1.5%アガロースゲル上で単離した。
【0086】 平行して、ベクター断片をプラスミドpMRT1097(非公開仏国特許出願FR990363
5)から調製した。プラスミドpMRT109720μgをSphIで37℃1時間消化し、
こうして直鎖化されたベクターpMRT1097の粘着末端を、6UのT4 DNAポリメラー
ゼ酵素(New England Biolabs)を用いて37℃30分間で平滑末端にした。こ
の反応の産物をついで加水分解し、ベクター断片を”QIAquick Gel Extraction
”キットを用いて、0.8%アガロースゲル上で単離し、40Uの子ウシ腸アル
カリホスファターゼ(New England Biolabs)で、バッファー3(1×)存在下
で、37℃1時間で脱リン酸化した。得られたクローニングベクターをpGEM3Z-1
とした。
【0087】 こうして処理された100ngのHMWG-Dx5プロモーター断片(配列番号1)と5
0ngのプラスミドpGem3Z-1について、一晩16℃で、10μlの反応混合液中、
T4 DNAリガーゼバッファー(1×)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New Englan
d Biolabs)の存在下で、ライゲーションを行なった。前もってコンピテントに
したEscherichia coli DH5a細菌を、すべてのライゲーション反応混合物で形質
転換した。アンピシリン(50mg/l)が添加されたLB培地上で選択された、
得られたクローンのプラスミドDNAは、アルカリ溶解法で抽出し、酵素消化で分
析した。
【0088】 得られたプラスミドをpMRT1125とし、HMWG-Dx5プロモーター(配列番号01)
(図1に図示されている)を配列決定により確認した。
【0089】 2.2. MPr1128プロモーターの構築 MPR1128プロモーター(配列番号04)は、2つのプロラミン”様”ボックス
と2つのGATAボックスを含む配列である、ヌクレオチド−238の上流に位置す
る配列の欠失による、PrHMWG-DX5(配列番号01)の誘導体である。プロモーター
断片をPCRで、5ngのpMRT1125マトリックスDNA(実施例2のセクション2.1に
記載されている)から、2つのオリゴデオキシヌクレオチド: EcoRI制限部位を含む、5'ATCGGAATTCCAGAACTAGGATTACGCCG3'、及び BamHI制限部位を含む、5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' 各100pmolを用い、50nmolの各dNTPs、Vent DNAポリメラーゼバッファー(1
×)、2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolab)の存在下で、増幅し
た。PCR増幅反応は、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーで行なっ
た。94℃、5分間の変性の後、DNAは、94℃、1分間の変性工程、50℃
、1分間のハイブリダイゼーション、及び72℃、1分30秒間の伸長からなる
サイクルを、30回を行なった。最終サイクルでは、伸長を72℃、5分間延長
した。
【0090】 増幅から得られたDNA断片を、”QIAquick Gel Extraction”キットを用いて、
1.5%アガロースゲル上で単離し、EcoRIで37℃、1時間加水分解し、20U
のクレノーフラグメント(New England Biolabs)を、dNTPsを各60nmol、12
μlの500mM トリス-HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッファー、6μlの
1M DTTの存在下で、37℃、30分間作用させた。DNAをついでBamHIで37℃
1時間消化した。
【0091】 こうして処理された100ngのMPR1128プロモーター断片(配列番号4)と5
0ngのプラスミドpGEM3Z-1(実施例2のセクション2.1に記載されている)に
ついて、一晩16℃で、10μlの反応混合液中、T4 DNAリガーゼバッファー(
1×)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で、ラ
イゲーションを行なった。前もってコンピテントにしたEscherichia coli DH5a
細菌を、すべてのライゲーション反応混合物で形質転換した。アンピシリン(5
0mg/l)が添加されたLB培地上で選択された、得られたクローンのプラスミ
ドDNAは、アルカリ溶解法で抽出し、酵素消化で分析した。
【0092】 得られたプラスミドをpMRT1128とし、図1に図示されているMPR1128プロモー
ター配列(配列番号04)を配列決定により確認した。
【0093】 2.3. MPr1127プロモーター(配列番号03)の構築 MPr1127プロモーター(配列番号03)は、2つのプロラミン”様”ボックス
、2つのGATAボックス、及び”G”ボックスを含む配列である、ヌクレオチド−
205の上流に位置する配列の欠失による、HMWG-DX5プロモーター(配列番号0
1)の誘導体である。プロモーター断片を、2つのオリゴデオキシヌクレオチド
: EcoRI制限部位を含む、5'ATCGGGATTTCGCAGACTGTCCAAAAATC3'及び BamHI制限部位を含む、5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' を用いた以外は、MPR1128プロモーター(配列番号04)(実施例2のセクショ
ン2.2に記載されている)と同様に、PCRにより増幅し、処理した。
【0094】 得られたプラスミドをpMRT1127とし、図1に図示されているMPr1127プロモー
ター配列(配列番号03)を配列決定により確認した。
【0095】 2.4. MPr1126プロモーター(配列番号02)の構築 MPr1126プロモーター(配列番号02)は、2つのプロラミン”様”ボックス
、2つのGATAボックス、”G”ボックス、及び活性エレメントを含む配列である
、ヌクレオチド−142の上流に位置する配列の欠失による、HMWG-DX5プロモー
ター(配列番号01)の誘導体である。プロモーター断片を、2つのオリゴデオキ
シヌクレオチド: EcoRI制限部位を含む、5'ATCGGAATTCGTGTTGGCAAACTGC3'、及び BamHI制限部位を含む、5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' を用いた以外は、MPR1128プロモーター(配列番号04)(実施例2のセクショ
ン2.2に記載されている)と同様に、PCRにより増幅し、処理した。 得られたプラスミドをpMRT1126とし、図1に図示されているMPr1126プロモー
ター配列(配列番号02)を配列決定により確認した。
【0096】 2.5. MPr1183中間プロモーターの構築 MPr1183プロモーターは、MPR1128プロモーター(配列番号04)(実施例2の
セクション2.2に記載されている)の上流のXbaI制限部位の挿入により得られ
る。プロモーター断片をPCRにより、5ngのpMRT1128マトリックスDNAから、2つ
のオリゴデオキシヌクレオチド: EcoRIとXbaI制限部位を含む、5'ATCggAATTCTAgACgCCgATTACgTggCTTTAg3'、及び
BamHI制限部位を含む、5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' 各100pmolを用い、50nmolの各dNTPs、Vent DNAポリメラーゼバッファー(1
×)、2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolab)の存在下で、増幅し
た。PCR増幅反応は、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーで行なっ
た。94℃、5分間の変性の後、DNAについて、94℃、1分間の変性工程、
50℃1分間のハイブリダイゼーション、及び72℃、1分30秒間の伸長から
なるサイクルを、30回を行なった。最終サイクルでは、伸長を72℃5分間延
長した。
【0097】 増幅から得られたDNA断片を、”Concert Rapid Gel Extraction System”キッ
トを用いて、1.5%アガロースゲル上で単離し、EcoRIで37℃1時間加水分
解し、20Uのクレノーフラグメント(New England Biolabs)を、dNTPsを各6
0nmol、12μlの500mM トリス-HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッファ
ー、6μlの1M DTTの存在下で、37℃30分間作用させ、ついでBamHIで3
7℃1時間消化した。
【0098】 こうして処理された100ngのMPR1128プロモーター断片(配列番号4)と5
0ngのプラスミドpGem3Z-1(実施例2のセクション2.1に記載されている)に
ついて、一晩16℃で、10μlの反応混合液中、T4 DNAリガーゼバッファー(
1×)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で、ラ
イゲーションを行なった。
【0099】 前もってコンピテントにしたEscherichia coli DH5a細菌を、すべてのライゲ
ーション反応混合物で形質転換した。アンピシリン(50mg/l)が添加され
たLB培地上で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAは、 2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5'ATCggAATTCgCAgCCATggTCCTgAACC3'、及び 5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' 各25pmolを用い、15nmolの各dNTPs、Taq DNAポリメラーゼバッファー(1×)
、75nmolのMgCl2、1.25UのTaq DNAポリメラーゼ(Promega 社)の存在下で
、50μl反応容量のPCRにより分析した。増幅反応は、"GeneAmp PCR System
9700"サーモサイクラーで行なった。94℃、3分間の変性の後、DNAは、9
4℃、30秒間の変性工程、55℃1分間のハイブリダイゼーション、及び72
℃、1分間の伸長からなるサイクルを、25回を行なった。最終サイクルでは、
伸長を72℃5分間延長した。
【0100】 得られたプラスミドをpMRT1183とし、図1に図示されているMPr1183プロモー
ター配列を配列決定により確認した。
【0101】 2.6. MPr1197プロモーター(配列番号16)の構築 MPr1197プロモーター(配列番号16)は、ヌクレオチド−57の上流に位置
する配列の欠失による、MPr1183(実施例2のセクション2.5に記載されている
)の誘導体であり、この特許で調べられた最小HMWG-Dx5(配列番号1)を構成す
る。
【0102】 これを行なうために、5μgのプラスミドpMRT1183を37℃1時間XbaIとNcoI
で連続して消化した。こうしてMPr1183プロモーターのXbaI/NcoI断片を欠失した
ベクターpMRT1183を”Concert Rapid Gel Extraction System”キットを用いて
0.8%アガロースゲル上で単離し、20Uのクレノーフラグメント(New Engla
nd Biolabs)を、dNTPsを各60nmol、12μlの550mM トリス-HCl、pH7.
5/500mM MgCl2バッファー、6μlの1M DTTの存在下で、37℃30分間
作用させた。
【0103】 こうして修飾された150ngのプラスミドについて、10μlの反応混合液中
、T4 DNAリガーゼバッファー(1×)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New Engl
and Biolabs)の存在下で、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラー中で上
述のごとくライゲーションを行なった。前もってコンピテントにしたEscherichi
a coli DH5a細菌を、すべてのライゲーション反応混合物で形質転換した。アン
ピシリン(50mg/l)が添加されたLB培地上で選択された、得られたクロー
ンのプラスミドDNAは、アルカリ溶解法で抽出し、酵素消化で分析した。
【0104】 得られたプラスミドをpMRT1197とし、MPr1197プロモーター配列(配列番号1
6)を図1に図示する。
【0105】 2.7. MPr1198プロモーター(配列番号17)の構築 MPr1198プロモーター(配列番号17)は、上記cis-活性エレメントを欠いて
いる配列である、位置−59から位置−135bpまで伸びている内部プロモー
ター配列の欠失による、MPR1128プロモーター(配列番号04)(実施例2のセク
ション2.2に記載されている)の誘導体である。
【0106】 それは、pMRT1183(実施例2のセクション2.5に記載されている)のNcoI制
限部位における、以下の2つのオリゴデオキシヌクレオチド: EcoRIとXbaI制限部位を含む 5'ATCggAATTCTAgACgCCgATTACgTggCTTTAgC3' NcoI制限部位を含む5'CATgCCATggCCAACACAAAAgAAgCTgg3' 各100pmolを用い、50nmolの各dNTPs、Vent DNAポリメラーゼバッファー(1
×)、2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolab)の存在下で行なったP
CRにより増幅された断片の融合により構築された。PCR増幅反応は、"GeneAmp
PCR System 9700"サーモサイクラーで行なった。94℃、10分間の変性の後
、DNAは、94℃、1分間の変性工程、55℃1分間のハイブリダイゼーショ
ン、及び72℃、1分30秒間の伸長からなるサイクルを、25回を行なった。
最終サイクルでは、伸長を72℃5分間延長した。 増幅により得られたDNA断片を、”Concert Rapid Gel Extraction System”キッ
トを用いて1.5%アガロースゲル上で単離し、37℃1時間NcoIとXbaIで連続
して消化した。
【0107】 平行して、ベクター断片をプラスミドpMRT1183から、NcoI制限部位の5’に位
置するMPr1183プロモーター領域を欠失させることにより調製した。これを行な
うために、5μgのプラスミドpMRT1183を37℃1時間XbaIとNcoIで連続して消
化し、pMRT1183のベクター断片を”Concert Rapid Gel Extraction System”キ
ットを用いて0.8%アガロースゲル上で単離し、40Uの子ウシ腸アルカリホ
スファターゼ(New England Biolabs)で、バッファー3(1×)存在下で、3
7℃1時間で脱リン酸化した。
【0108】 50ngのプロモーター断片とこうして処理された100ngのプラスミドについ
て、一晩16℃で、10μlの反応混合液中、T4 DNAリガーゼバッファー(1×
)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で、"GeneAm
p PCR System 9700"サーモサイクラー中で上述のごとくライゲーションを行なっ
た。前もってコンピテントにしたEscherichia coli DH5a細菌を、すべてのライ
ゲーション反応混合物で形質転換した。アンピシリン(50mg/l)が添加さ
れたLB培地上で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAは、アルカリ溶
解法で抽出し、酵素消化で分析した。
【0109】 得られたプラスミドをpMRT1198とし、MPr1198プロモーター配列(配列番号1
7)を図1に図示した。
【0110】 2.8. MPr1216プロモーター(配列番号21)の構築 MPr1216プロモーター(配列番号21)は、”G”ボックスと活性エレメントを
含む配列である、位置−225から位置−136bpまで伸びている配列を複製
することによる、MPR1128プロモーター(配列番号04)(実施例2のセクション
2.2に記載されている)の誘導体である。
【0111】 それは、pGEM3Z-1(実施例2のセクション2.1に記載されている)へ以下の
2つのプロモーター断片をクローニングすることにより構築された: −「MPr1216(配列番号21)5’断片」、PCRにより合成され、5ngのpMRT1128
マトリックスDNAから以下の2つのオリゴデオキシヌクレオチド: EcoRI制限部位を含む、5'ATCggAATTCgCCgATTACgTggCTTTAgC3'、及び XbaI制限部位を含む、5'gCTCTAgACCAACACAAAAgAAgCTgg3' 各100pmolを用い、50nmolの各dNTPs、Vent DNAポリメラーゼバッファー(1
×)、2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolab)の存在下で増幅され
た。PCR増幅反応は、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーで行なっ
た。94℃、10分間の変性の後、DNAは、94℃、1分間の変性工程、55
℃1分間のハイブリダイゼーション、及び72℃、1分30秒間の伸長からなる
サイクルを、25回を行なった。最終サイクルでは、伸長を72℃5分間延長し
た。PCR増幅により得られたDNA断片を、”Concert Rapid Gel Extraction Syste
m”キットを用いて1.5%アガロースゲル上で単離し、37℃1時間EcoRIで加
水分解した。ついでDNA断片を、20Uのクレノーフラグメント(New England Bi
olabs)を、dNTPsを各60nmol、12μlの500mM トリス-HCl、pH7.5/5
00mM MgCl2バッファー、6μlの1M DTTの存在下で、37℃30分間作用
させ、XbaIで37℃1時間消化した。 −「MPr1216(配列番号21)3’断片」、5μgのプラスミドpMRT1183の制限酵
素XbaIとBamHIでの加水分解により得られたもので、”Concert Rapid Gel Extra
ction System”キットを用いて1.5%アガロースゲル上で単離した。
【0112】 50ngの「MPr1216(配列番号21)5’断片」とこうして処理された50ng
の「MPr1216(配列番号21)3’断片」、及び50ngのプラスミドpGem3Z-1に
ついて、10μlの反応混合液中、T4 DNAリガーゼバッファー(1×)と400
単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で、"GeneAmp PCR Syst
em 9700"サーモサイクラー中で上述のごとくライゲーションを行なった。前もっ
てコンピテントにしたEscherichia coli DH5a細菌を、すべてのライゲーション
反応混合物で形質転換した。アンピシリン(50mg/l)が添加されたLB培地
上で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAは、 2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5'ATCggAATTCgCCgATTACgTggCTTTAgC3'、及び 5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' 各10pmolを用い、上述のごとく"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラー
中のPCRで分析した。
【0113】 得られたプラスミドをpMRT1216とし、MPr1216プロモーター配列(配列番号2
1)を図1に図示した。
【0114】 2.9. MPr1217プロモーター(配列番号22)の構築 MPr1217プロモーター(配列番号22)は、”G”ボックスと活性エレメントを
含む配列である、位置−225から位置−136bpまで伸びている配列を直接
反復3倍に(トリプリケーション)することによる、MPR1128プロモーター(配列
番号04)(実施例2のセクション2.2に記載されている)の誘導体である。
【0115】 MPr1217プロモーター(配列番号22)は、 5ngのマトリックスDNAから、2つのオリゴデオキシヌクレオチド: EcoRIとXbaI制限部位を含む、5'ATCggAATTCTAgACgCCgATTACgTggCTTTAg3'、及び
XbaI制限部位を含む、5'gCTCTAgACCAACACAAAAgAagCTgg3' 各100pmolを用い、50nmolの各dNTPs、Vent DNAポリメラーゼバッファー(1
×)、2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolab)の存在下で、PCRによ
り合成された、2つの同一のプロモーター断片の、pMRT1183(実施例2のセクシ
ョン2.5に記載されている)XbaI制限部位への挿入により構築された。PCR
増幅反応は、"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラーで行なった。94℃
、10分間の変性の後、DNAは、94℃、1分間の変性工程、55℃1分間の
ハイブリダイゼーション、及び72℃、1分30秒間の伸長からなるサイクルを
、25回を行なった。最終サイクルでは、伸長を72℃5分間延長した。PCR増
幅から得られたDNA断片を、”Concert Rapid Gel Extraction System”キットを
用いて1.5%アガロースゲル上で単離し、37℃1時間XbaIで加水分解した。
【0116】 平行して、ベクター断片を10μgのプラスミドpMRT1183から、MPr1183の5
’に位置するXbaI制限部位での37℃1時間の酵素消化により調製した。こうし
て直鎖化されたベクター断片を、40Uの子ウシ腸アルカリホスファターゼ(New
England Biolabs)で、バッファー3(1×)存在下で、37℃1時間で脱リン
酸化した。
【0117】 50ngのプロモーター断片とこうして調製された100ngのベクター断片につ
いて、10μlの反応混合液中、T4 DNAリガーゼバッファー(1×)と400単
位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で、"GeneAmp PCR System
9700"サーモサイクラー中で上述のごとくライゲーションを行なった。前もって
コンピテントにしたEscherichia coli DH5a細菌を、すべてのライゲーション反
応混合物で形質転換した。アンピシリン(50mg/l)が添加されたLB培地上
で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAは、 2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5'ATCggAATTCgCCgATTACgTggCTTTAgC3'、及び 5'TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3' 各10pmolを用い、上述のごとく"GeneAmp PCR System 9700"サーモサイクラー
中のPCRで解析した。
【0118】 得られたプラスミドをpMRT1217とし、配列決定により確認したMPr1217プロモ
ーター配列(配列番号22)を図1に図示した。”G”様ボックスの4bp上流
の位置−317bpにCの欠失を有する。
【0119】 実施例3 キメラプロモーター配列を含むプラスミドの作製 3.1.MPr1130プロモーターの作製(配列番号05) MPr1130プロモーター(配列番号05)は、PrHMWG−Dx5(配
列番号01)の−65bpの位置に、CaMV35Sのas−2モチーフ(Lam
とChua,1989)およびas−1モチーフ(Lamら,1989)の重複に対応する55b
pの配列を挿入することによって得られる。これは、PCRによって合成された
、“MPr1130(配列番号05)5’フラグメント”および“MPr113
0(配列番号05)3’フラグメント”の重複伸張によるスプライシングによっ
て作製された。
【0120】 “MPr1130(配列番号05)5’フラグメント”を、5ngのpUC1
9−HMWGマトリックスDNA(実施例2のセクション2.1に記載)から、
それぞれ20pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TgCgTCATCCCTTACgTCAgTggAgATATCACAT
CAATCTTgATATCACATCAATCACggTgAggTTTgT
TTAgCCTAAg3’(CaMV35Sのas−2モチーフ(LamとChua,19
89)およびas−1モチーフ(Lamら,1989)の重複に対応する55bpの配列を
有する)を用いて、10nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッ
ファー(1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs
)の存在下で、50μlの反応容量において、PCRにより増幅した。PCR増
幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて実施した。
94℃で5分間変性した後、このDNAを、各サイクルが、94℃で1分間の変
性工程、55℃で1分間のハイブリダイゼーション工程、そして、72℃で1分
30秒間の伸張工程からなる15サイクルに処理した。最終サイクルでは、伸張
を72℃で5分間続けた。40μlのPCR反応媒体を、37℃で10分間、そ
れぞれ20nmolの各dNTPの存在下において、12.5Uのクレノウ断片
(New England Biolabs)の作用に処理した。かくして処理されたPCR産物を
、“QIAquick Gel Extraction”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離
した。
【0121】 “MPr1130(配列番号05)3’フラグメント”は、使用した2つのオ
リゴデオキシヌクレオチドが、 5’ATTgATgTgATATCAAgATTgATgTgATATCTCC
ACTgACgTAAgggATgACgCACACgCAgCCATggTC
CTgAACCTTC3’(CaMV35Sのas−2モチーフ(LamとChua,19
89)およびas−1モチーフ(Lamら,1989)の重複に対応する55bpの配列を
有する)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む)であることを除いて、“MPr1130(配列番号
05)5’フラグメント”と同様に合成および処理した。
【0122】 “MPr1130(配列番号05)5’フラグメント”および“MPr113
0(配列番号05)3’フラグメント”を、重複伸張により合わせられて、“M
Pr1130フラグメント(配列番号05)”を生じた。これを行うために、か
くして処理された二つのPCR産物のそれぞれ7.5μlを用いて、 それぞれ20pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を有する)を用いて、10nmolの各dNTP、Vent DN
Aポリメラーゼバッファー(1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(N
ew England Biolabs)の存在下で、50μlの反応容量において、PCRにより
増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラー
において実施した。94℃で5分間変性した後、このDNAを、各サイクルが、
94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダイゼーション工程、そ
して、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる15サイクルに処理した。最終
サイクルでは、伸張を72℃で5分間続けた。かくして合成された“MPr11
30フラグメント(配列番号05)”を、“QIAquick Gel Extraction”キット
を用いて1.5%アガロースゲルで単離した。このフラグメントに、37℃で1
時間EcoRIを用いて加水分解し、60nmolの各dNTP、12μlの500
mM Tris−HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッファーおよび
6μlの1M DTTの存在下で、37℃で30分間、20Uのクレノウ断片(N
ew England Biolabs)を作用させた。最後に、MPr1130フラグメント(配
列番号05)を、37℃で1時間BamHIで切断した。
【0123】 ライゲーションを、かくして処理された100ngの“MPr1130フラグ
メント(配列番号05)”と、50ngのプラスミドpGem3Z−1(実施例
2のセクション2.1に記載)とを用いて、16℃で一晩、1μlのT4DNA
リガーゼバッファー(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(New Engl
and Biolabs)の存在下で、10μlの反応混合物中において行った。予め反応
性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用いてトラン
スフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で選択され
た、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“GeneAmp PCR
System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ25pmolの2つのオリ
ゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0124】 得られたプラスミドをpMRT1130と称し、図IIIにおいて図式的に示さ
れているMPr1130プロモーター配列(配列番号05)を配列決定により確
認した。
【0125】 3.2.MPr1131プロモーターの作製(配列番号06) MPr1131プロモーター(配列番号06)は、PrHMWG−Dx5(配
列番号01)の−65bpの位置に、CaMV35Sのas−2モチーフ(Lam
とChua,1989)およびas−1モチーフ(Lamら,1989)に対応する38bpの配
列を挿入することによって得られる。これは、PCRによって合成された、“M
Pr1131(配列番号06)5’フラグメント”および“MPr1131(配
列番号06)3’フラグメント”の重複伸張によるスプライシングによって作製
された。
【0126】 “MPr1131(配列番号06)5’フラグメント”は、使用した2つのオ
リゴデオキシヌクレオチドが、 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TgCgTCATCCCTTACgTCAgTggAgATATCACAT
CAATCACggTgAggTTTgTTTAgCCTAAg3’(CaMV
35Sのas−2モチーフ(LamとChua,1989)およびas−1モチーフ(Lamら,
1989)に対応する38bpの配列を有する)であることを除いて、“MPr11
30(配列番号05)5’フラグメント”(実施例3のセクション3.1に記載
)と同様に合成および処理した。
【0127】 “MPr1131(配列番号06)3’フラグメント”は、使用した2つのオ
リゴデオキシヌクレオチドが、 5’ATTgATgTgATATCTCCACTgACgTAAgggATgA
CgCACACgCAgCCATggTCCTgAACCTTC3’(CaMV
35Sのas−2モチーフ(LamとChua,1989)およびas−1モチーフ(Lamら,
1989)に対応する38bpの配列を有する)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) であることを除いて、“MPr1130(配列番号05)5’フラグメント”(
実施例3のセクション3.1に記載)と同様に合成および処理した。
【0128】 “MPr1131(配列番号06)5’フラグメント”および“MPr113
1(配列番号06)3’フラグメント”を、重複伸張により合わせられて、“M
Pr1131フラグメント(配列番号06)”を生じた。これを行うために、か
くして処理された二つのPCR産物のそれぞれ7.5μlを用いて、 それぞれ20pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を有する)を用いて、10nmolの各dNTP、Vent DN
Aポリメラーゼバッファー(1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(N
ew England Biolabs)の存在下で、50μlの反応容量において、PCRにより
増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラー
において実施した。94℃で5分間変性した後、このDNAを、各サイクルが、
94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダイゼーション工程、そ
して、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる15サイクルに処理した。最終
サイクルでは、伸張を72℃で5分間続けた。かくして合成された“MPr11
31フラグメント(配列番号06)”を、“QIAquick Gel Extraction”キット
を用いて1.5%アガロースゲルで単離した。このフラグメントに、37℃で1
時間EcoRIを用いて加水分解し、60nmolの各dNTP、12μlの500
mM Tris−HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッファーおよび
6μlの1M DTTの存在下で、37℃で30分間、20Uのクレノウ断片(N
ew England Biolabs)を作用させた。最後に、MPr1131フラグメント(配
列番号06)を、37℃で1時間BamHIで切断した。
【0129】 ライゲーションを、かくして処理された100ngの“MPr1130フラグ
メント(配列番号05)”と、50ngのプラスミドpGem3Z−1(実施例
2のセクション2.1に記載)とを用いて、16℃で一晩、1μlのT4DNA
リガーゼバッファー(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(New Engl
and Biolabs)の存在下で、10μlの反応混合物中において行った。予め反応
性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用いてトラン
スフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で選択され
た、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“GeneAmp PCR
System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ25pmolの2つのオリ
ゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCCAgCTTTgAgTggCCgTAg3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0130】 得られたプラスミドをpMRT1131と称し、図IIにおいて図式的に示され
ているMPr1131プロモーター配列(配列番号06)を配列決定により確認
した。
【0131】 3.3.MPr1135プロモーターの作製(配列番号09) 二つのプロラミン様ボックスと二つのGATAボックスとを含む、ヌクレオチ
ド−293の上流に位置する配列を欠失させることにより、MPr1135プロ
モーター(配列番号09)を、MPr1130プロモーター(配列番号05)(
実施例3のセクション3.1に記載)から誘導した。
【0132】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1130マトリックスDNA
から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCCAGAACTAGGATTACGCCG3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、PCRにより増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700
”サーモサイクラーにおいて実施した。94℃で5分間変性した後、このDNA
を、各サイクルが、94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダイ
ゼーション工程、そして、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる25サイク
ルに処理した。最終サイクルでは、伸張を72℃で1分間続けた。
【0133】 増幅から誘導されたDNAフラグメントを、“QIAquick Gel Extraction”キ
ットを用いて2%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間EcoRIを用いて加水
分解し、次いで、37℃で30分間、それぞれ60nmolの各dNTP、12
μlの500mM Tris−HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッ
ファーおよび6μlの1M DTTの存在下において、20Uのクレノウ断片(N
ew England Biolabs)の作用に処理した。かくして処理されたDNAフラグメン
トを、37℃で1時間、BamHIで切断した。
【0134】 ライゲーションを、かくして処理された100ngのMPr1135プロモー
ターフラグメント(配列番号09)と、50ngのプラスミドpGem3Z−1
(実施例2のセクション2.1に記載)とを用いて、16℃で一晩、1μlのT
4DNAリガーゼバッファー(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(
New England Biolabs)の存在下で、10μlの反応混合物中において行った。
予め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用い
てトランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で
選択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“Gene
Amp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ25pmolの2
つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCGTGTTGGCAAACTGC3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0135】 得られたプラスミドをpMRT1135と称し、図IIにおいて図式的に示され
ているMPr1131プロモーター配列(配列番号06)を配列決定により確認
した。
【0136】 3.4.MPr1138プロモーターの作製(配列番号12) 二つのプロラミン様ボックスと二つのGATAボックスとを含む、ヌクレオチ
ド−276の上流に位置する配列を欠失させることにより、MPr1138プロ
モーター(配列番号12)を、MPr1131プロモーター(配列番号06)(
実施例3のセクション3.2に記載)から誘導した。
【0137】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1131マトリックスDNA
からPCRによって増幅し、MPr1135プロモーター(配列番号09)(実
施例3のセクション3.3に記載)と同様に処理し、得た。
【0138】 得られたプラスミドをpMRT1138と称し、図IIにおいて図式的に示され
ているMPr1138プロモーター配列(配列番号12)を配列決定により確認
した。
【0139】 3.5.MPr1137プロモーターの作製(配列番号11) 二つのプロラミン様ボックス、二つのGATAボックスおよび“G”様ボック
スを含む、ヌクレオチド−243の上流に位置する配列を欠失させることにより
、MPr1137プロモーター(配列番号11)を、MPr1131プロモータ
ー(配列番号06)(実施例3のセクション3.2に記載)から誘導した。
【0140】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1131マトリックスDNA
から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGGAATTCGCAGACTGTCCAAAAATC3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて増幅し、MPr1135プロモーター(配列番号09)(実施例3のセ
クション3.3に記載)と同様に処理し、得た。
【0141】 得られたプラスミドをpMRT1137と称し、図IIにおいて図式的に示され
ているMPr1137プロモーター配列(配列番号11)を配列決定により確認
した。
【0142】 3.6.MPr1134プロモーターの作製(配列番号08) 二つのプロラミン様ボックス、二つのGATAボックスおよび“G”様ボック
スを含む、ヌクレオチド−260の上流に位置する配列を欠失させることにより
、MPr1134プロモーター(配列番号08)を、MPr1130プロモータ
ー(配列番号05)(実施例3のセクション3.1に記載)から誘導した。
【0143】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1130マトリックスDNA
から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGGAATTCGCAGACTGTCCAAAAATC3’(EcoR
I制限部位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて増幅し、MPr1135プロモーター(配列番号09)(実施例3のセ
クション3.3に記載)と同様に処理し、得た。
【0144】 得られたプラスミドをpMRT1134と称し、図IIIにおいて図式的に示さ
れているMPr1134プロモーター配列(配列番号08)を配列決定により確
認した。
【0145】 3.7.MPr1136プロモーターの作製(配列番号10) 二つのプロラミン様ボックス、二つのGATAボックス、“G”様ボックスお
よび活性化因子を含む、ヌクレオチド−180の上流に位置する配列を欠失させ
ることにより、MPr1136プロモーター(配列番号10)を、MPr113
1プロモーター(配列番号06)(実施例3のセクション3.2に記載)から誘
導した。
【0146】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1131マトリックスDNA
から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCGTGTTGGCAAACTGC3’(EcoRI制限部
位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて増幅し、MPr1135プロモーター(配列番号09)(実施例3のセ
クション3.3に記載)と同様に処理し、得た。
【0147】 得られたプラスミドをpMRT1136と称し、図IIにおいて図式的に示され
ているMPr1136プロモーター配列(配列番号10)を配列決定により確認
した。
【0148】 3.8.MPr1133プロモーターの作製(配列番号07) 二つのプロラミン様ボックス、二つのGATAボックス、“G”様ボックスお
よび活性化因子を含む、ヌクレオチド−197の上流に位置する配列を欠失させ
ることにより、MPr1133プロモーター(配列番号07)を、MPr113
0プロモーター(配列番号05)(実施例3のセクション3.2に記載)から誘
導した。
【0149】 プロモーターフラグメントを、5ngのpMRT1130マトリックスDNA
から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCGTGTTGGCAAACTGC3’(EcoRI制限部
位を含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて増幅し、MPr1135プロモーター(配列番号09)(実施例3のセ
クション3.3に記載)と同様に処理し、得た。
【0150】 得られたプラスミドをpMRT1133と称し、図IIIにおいて図式的に示さ
れているMPr1133プロモーター配列(配列番号07)を配列決定により確
認した。
【0151】 3.9.MPr1139プロモーターの作製(配列番号13) MPr1139プロモーター(配列番号13)は、MPr1131(配列番号
06)(実施例3のセクション3.2に記載)の−405bpの位置に、六倍体
小麦Triticum aestivum L. cv Cheyenne(Andersonら,1998)のBx7サブユニ
ット(PrHMWG−Bx7)をコードする高分子量グルテニン遺伝子のプロモ
ーターの“シリアル(cereal)”ボックスの重複を含む61bpの配列を挿入する
ことによって得られる。
【0152】 MPr1139プロモーター(配列番号13)を、5ngのpMRT1131
マトリックスDNAから、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌク
レオチド: 5’TACgAATTCCTCgACATggTTAgAAgTTTTgAgT
gCCgCCACTACTCgACATggTTAgAAgTTTTgAgTg
gCCgTAgATTTgC3’(EcoRI制限部位と上記二つの“シリアル”ボ
ックスを含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、PCRにより増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700
”サーモサイクラーにおいて実施した。94℃で5分間変性した後、このDNA
を、各サイクルが、94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダイ
ゼーション工程、そして、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる25サイク
ルに処理した。最終サイクルでは、伸張を72℃で1分間続けた。
【0153】 増幅から誘導されたDNAフラグメントを、“QIAquick Gel Extraction”キ
ットを用いて2%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間EcoRIを用いて加水
分解し、次いで、37℃で30分間、それぞれ60nmolの各dNTP、12
μlの500mM Tris−HCl、pH7.5/500mM MgCl2バッ
ファーおよび6μlの1M DTTの存在下において、20Uのクレノウ断片(N
ew England Biolabs)の作用に処理した。かくして処理されたDNAフラグメン
トを、37℃で1時間、BamHIで切断した。
【0154】 ライゲーションを、かくして処理された100ngのMPr1139プロモー
ターフラグメント(配列番号13)と、50ngのプラスミドpGem3Z−1
(実施例2のセクション2.1に記載)とを用いて、16℃で一晩、1μlのT
4DNAリガーゼバッファー(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(
New England Biolabs)の存在下で、10μlの反応混合物中において行った。
予め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用い
てトランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で
選択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“Gene
Amp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ25pmolの2
つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCCAGAACTAGGATTACGCCG3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0155】 得られたプラスミドをpMRT1139と称し、図IVにおいて図式的に示され
ているMPr1139プロモーター配列(配列番号13)を配列決定により確認
した。
【0156】 3.10.MPr1200プロモーターの作製(配列番号19) MPr1200プロモーター(配列番号19)は、MPr1138(配列番号
12)(実施例3のセクション3.4に記載)の−263bpの位置に、六倍体
小麦Triticum aestivum L. cv Cheyenne(Andersonら,1998)のBx7サブユニ
ット(PrHMWG−Bx7)をコードする高分子量グルテニン遺伝子のプロモ
ーターの“シリアル(cereal)”ボックスの重複を含む79bpの配列を挿入する
ことによって得られる。
【0157】 MPr1200プロモーター(配列番号19)は、ベクターpGEM3Z−1
(実施例2のセクション2.1に記載)に以下の二つのプロモーターフラグメン
トをクローニングすることによって作製された: −PCRにより合成された“MPr1200(配列番号19)5’フラグメン
ト”は、5ngのpMRT1139マトリックスDNA(実施例3のセクション
3.9に記載)から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオ
チド: 5’TACgAATTCCTCgACATgg3’(EcoRI制限部位を含む)お
よび、 5’gCTCTAgAgCAAATCTACggCCACTC3’(XbaI制限部
位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、PCRにより増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700
”サーモサイクラーにおいて実施した。94℃で10分間変性した後、このDN
Aを、各サイクルが、94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダ
イゼーション工程、そして、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる25サイ
クルに処理した。最終サイクルでは、伸張を72℃で5分間続けた。PCR増幅
から誘導されたDNAフラグメントを、“Concert Rapid Gel Extraction Syste
m”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間EcoRIを用
いて加水分解した。次いで、DNAフラグメントを、37℃で30分間、それぞ
れ60nmolの各dNTP、12μlの500mM Tris−HCl、pH
7.5/500mM MgCl2バッファーおよび6μlの1M DTTの存在下
において、20Uのクレノウ断片(New England Biolabs)の作用に処理した。
かくして処理されたDNAフラグメントを、37℃で1時間、XbaIで切断した。 −PCRにより合成された“MPr1200(配列番号19)3’フラグメン
ト”は、5ngのpMRT1138マトリックスDNAから、それぞれ100p
molの2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCggAATTCTAgACgCCgATTACgTggCTTTAg
C3’(EcoRI制限部位とXbaI制限部位とを含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、“MPr12
00(配列番号19)5’フラグメント”と同じ条件下で、増幅した。PCR増
幅から誘導されたDNAフラグメントを、“Concert Rapid Gel Extraction Sys
tem”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間BamHIと
XbaIを用いて連続的に加水分解した。
【0158】 ライゲーション反応を、かくして処理された50ngの“MPr1200(配
列番号19)5’フラグメント”、50ngの“MPr1200(配列番号19
)3’フラグメント”と、50ngのプラスミドpGem3Z−1とを用いて、
上述したように、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、1
0μlの反応混合物において、T4DNAリガーゼバッファー(1X)と400
ユニットのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で行った。予
め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用いて
トランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で選
択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“GeneAm
p PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ10pmolの2つ
のオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCggAATTCgCAgCCATggTCCTgAACC3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0159】 得られたプラスミドをpMRT1200と称し、図IVにおいて図式的に示され
ているMPr1200プロモーター配列(配列番号19)を配列決定により確認
した。
【0160】 3.11.MPr1213プロモーターの作製(配列番号20) MPr1213プロモーター(配列番号20)は、MPR1128(配列番号
04)(実施例2のセクション2.2に記載)の−225bpの位置の上流に、
六倍体小麦Triticum aestivum L. cv Cheyenne(Andersonら,1998)のBx7サ
ブユニット(PrHMWG−Bx7)をコードする高分子量グルテニン遺伝子の
プロモーターの“シリアル(cereal)”ボックスの重複を含む79bpの配列を挿
入することによって得られる。
【0161】 MPr1213プロモーター(配列番号20)は、ベクターpGEM3Z−1
(実施例2のセクション2.1に記載)に以下の二つのプロモーターフラグメン
トをクローニングすることによって作製された: −PCRにより合成された“MPr1213(配列番号19)5’フラグメン
ト”は、5ngのpMRT1139マトリックスDNA(実施例3のセクション
3.9に記載)から、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌクレオ
チド: 5’TACgAATTCCTCgACATgg3’(EcoRI制限部位を含む)お
よび、 5’gCTCTAgAgCAAATCTACggCCACTC3’(XbaI制限部
位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、PCRにより増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700
”サーモサイクラーにおいて実施した。94℃で10分間変性した後、このDN
Aを、各サイクルが、94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダ
イゼーション工程、そして、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる25サイ
クルに処理した。最終サイクルでは、伸張を72℃で5分間続けた。PCR増幅
から誘導されたDNAフラグメントを、“Concert Rapid Gel Extraction Syste
m”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間EcoRIを用
いて加水分解した。次いで、DNAフラグメントを、37℃で30分間、それぞ
れ60nmolの各dNTP、12μlの500mM Tris−HCl、pH
7.5/500mM MgCl2バッファーおよび6μlの1M DTTの存在下
において、20Uのクレノウ断片(New England Biolabs)の作用に処理した。
かくして処理されたDNAフラグメントを、37℃で1時間、XbaIで切断した。 −XbaIおよびBamHI制限酵素を用いて5μgのプラスミドpMRT1183(
実施例2のセクション2.5に記載)を加水分解することにより得られた“MP
r1213(配列番号20)3’フラグメント”は、“Concert Rapid Gel Extr
action System”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離した。
【0162】 ライゲーション反応を、かくして処理された50ngの“MPr1213(配
列番号20)5’フラグメント”、50ngの“MPr1213(配列番号20
)3’フラグメント”と、50ngのプラスミドpGem3Z−1とを用いて、
上述したように、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、1
0μlの反応混合物において、T4DNAリガーゼバッファー(1X)と400
ユニットのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下で行った。予
め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用いて
トランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地で選
択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“GeneAm
p PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ10pmolの2つ
のオリゴデオキシヌクレオチド: 5’TACgAATTCCTCgACATgg3’ および 5’gCTCTAgAgCAAATCTACggCCACTC3’ を用いてPCRにより分析した。
【0163】 得られたプラスミドをpMRT1213と称し、図IVにおいて図式的に示され
ているMPr1213プロモーター配列(配列番号20)を配列決定により確認
した。
【0164】 3.12.MPr1199プロモーターの作製(配列番号18) MPr1199プロモーター(配列番号18)は、MPR1128(配列番号
04)(実施例2のセクション2.2に記載)の−224bpの位置に、トウモ
ロコシ・ストリーク(streak)ウイルス(MSV)の遺伝子間(intergenic)領域(
Fenollら,1990)の“GCリッチ”因子を含む27bpの配列を挿入することに
よって得られる。
【0165】 MPr1199プロモーター(配列番号18)を、5ngのpMRT1128
マトリックスDNAから、それぞれ100pmolの2つのオリゴデオキシヌク
レオチド: 5’ATCGGAATTCAAATGGGCCGGACCGGGCCGGCCC
AGCGCCGATTACGTGGCTTTAGC3’(上記“GCリッチ”因
子とEcoRIおよびXbaI制限部位とを含む)および、 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’(BamHI制限部位を含む) を用いて、50nmolの各dNTP、Vent DNAポリメラーゼバッファー(
1X)、および2UのVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の存在
下で、PCRにより増幅した。PCR増幅反応を、“GeneAmp PCR System 9700
”サーモサイクラーにおいて実施した。94℃で5分間変性した後、このDNA
を、各サイクルが、94℃で1分間の変性工程、55℃で1分間のハイブリダイ
ゼーション工程、そして、72℃で1分30秒間の伸張工程からなる25サイク
ルに処理した。最終サイクルでは、伸張を72℃で1分間続けた。
【0166】 増幅から誘導されたDNAフラグメントを、“Concert Rapid Gel Extraction
System”キットを用いて1.5%アガロースゲルで単離し、37℃で1時間Eco
RIを用いて加水分解した。次いで、フラグメントを、37℃で30分間、それぞ
れ60nmolの各dNTP、12μlの500mM Tris−HCl、pH
7.5/500mM MgCl2バッファーおよび6μlの1M DTTの存在下
において、20Uのクレノウ断片(New England Biolabs)の作用に処理した。
かくして処理されたDNAフラグメントを、37℃で1時間、BamHIで切断した
【0167】 ライゲーションを、かくして処理された100ngのMPr1199プロモー
ターフラグメント(配列番号18)と、50ngのプラスミドpGem3Z−1
(実施例2のセクション2.1に記載)とを用いて、上記条件下で、“GeneAmp
PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、PCRサイクルにより実施した
。予め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反応混合物を用
いてトランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加したLB培地
で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、上述したように、“Ge
neAmp PCR System 9700”サーモサイクラーにおいて、それぞれ25pmolの
2つのオリゴデオキシヌクレオチド: 5’ATCGGAATTCCAGAACTAGGATTACGCCG3’ および 5’TACggATCCCCggggATCTCTAgTTTgTggTgC3
’ を用いてPCRにより分析した。
【0168】 得られたプラスミドをpMRT1199mutと称し、配列決定により確認さ
れた、対応するMPr1199(配列番号18)mutプロモーター配列は、+
27位における未翻訳リーダー配列に変異を有する。未変異のMPr1199配
列(配列番号18)を回復するために、位置−251〜−58bpにわたる“M
Pr1199(配列番号18)5’フラグメント”を、位置−225〜−58b
pにわたる“MPr1183 5’フラグメント”の場所にクローン化した。
【0169】 これを実施するために、10μgのプラスミドpMRT1199mutを、3
7℃で1時間、EcoRIを用いて切断し、37℃で30分間、それぞれ60nmo
lの各dNTP、12μlの500mM Tris−HCl、pH7.5/50
0mM MgCl2バッファーおよび6μlの1M DTTの存在下において、2
0Uのクレノウ断片(New England Biolabs)の作用に処理した。NcoIを用いて
37℃で1時間切断した後、“MPr1199(配列番号18)5’フラグメン
ト”を、“Concert Rapid Gel Extraction System”キットを用いて1.5%ア
ガロースゲルで単離した。
【0170】 同時に、5μgのプラスミドpMRT1183(実施例2のセクション2.5
に記載)を、37℃で1時間、XbaIを用いて切断し、37℃で30分間、それぞ
れ60nmolの各dNTP、12μlの500mM Tris−HCl、pH
7.5/500mM MgCl2バッファーおよび6μlの1M DTTの存在下
において、20Uのクレノウ断片(New England Biolabs)の作用に処理した。N
coIを用いて切断した後、かくして“MPR1183 5’フラグメント”を欠
くベクターMRT1183を、“Concert Rapid Gel Extraction System”キッ
トを用いて0.8%アガロースゲルで単離し、バッファー3(1X)の存在下で
40Uのウシ腸アルカリホスファターゼ(New England Biolabs)を用いて37
℃で1時間脱リン酸基化した。
【0171】 ライゲーション反応を、かくして処理された100ngの“MPr1199(
配列番号18)mut5’フラグメント”と50ngのプラスミドpMRT11
83とを用いて、上述したように、“GeneAmp PCR System 9700”サーモサイク
ラーにおいて、10μlの反応混合物において、T4DNAリガーゼバッファー
(1X)と400ユニットのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存
在下で行った。予め反応性とされた大腸菌DH5aを、全てのライゲーション反
応混合物を用いてトランスフォームした。アンピシリン(50mg/l)を添加
したLB培地で選択された、得られたクローンのプラスミドDNAを、アルカリ
溶解法に従って抽出し、酵素切断により分析した。
【0172】 得られたプラスミドをpMRT1199と称し、MPr1199プロモーター
配列(配列番号18)は図IVにおいて図式的に示されている。
【0173】 実施例4 タバコの安定な形質転換に用いられるプロモーターのMPr1130(配列番号05
)、MPr1131(配列番号06)、MPr1135(配列番号09)、MPr1138(配列番号
12)、MPr1139(配列番号13)及びMPr1092を含むバイナリープラスミドの作
成。 4.1.バイナリープラスミドpMRT1177の作成 バイナリープラスミドpMRT1177は、pMRT 1130(実施例3のセクション3.1
に記載)の発現カセット「MPr1130(配列番号05)/uidA-IV2/term-nos」を
、バイナリープラスミドpMRT1118(未公表特許出願FR 9911112)のEcoRI部位に
挿入することによって得られた。
【0174】 これを行うために、10μgのプラスミドpMRT1130を、37℃で1時間、EcoR
I及びXmnIを用いて連続的に消化した。それから、「Concert Rapid Gel Extract
ion System」キットを用いて、該発現カセットを0.8%アガロースゲルで単離
した。
【0175】 平行して、10μgのバイナリープラスミドpMRT1118を、37℃で1時間、Ec
oRIを用いて消化した。それから、その直線化ベクター断片を、緩衝液3(1X
)の存在下で、37℃で1時間、40Uの子ウシ腸アルカリホスファターゼ(Ne
w England Biolabs)を用いて脱リン酸した。
【0176】 ライゲーションは、50ngの発現カセットと100ngのプラスミドpMRT1118を
用いて実施され、10μlの反応混合物中で、16℃で一晩、T4 DNAリガーゼ緩
衝液(1X)と400単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)の存在下
で処理した。Escherichia coli DH5a細菌は、予めコンピテントにされており、
該ライゲーション反応混合物の全てを用いて形質転換された。得られたクローン
のプラスミドDNAは、カナマイシン(50mg/l)を補充したLB培地にて選択し、ア
ルカリ法に従って抽出して、酵素消化を用いて分析した。
【0177】 得られたプラスミドを、pMRT1177と命名し、Holstersら(1978)によって記載
された技術に従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に移入した。得ら
れたクローンのプラスミドDNAを、リファンピシン(50mg/l)及びカナマイシン
(50mg/l)を補充した2YT培地(10 g/lバクトトリプトン、10 g/lイースト抽
出液、5 g/l NaCl、pH 7.2及び15 g/l 寒天−寒天)にて選択し、アルカリ法に
従って抽出し、その細胞再懸濁緩衝液にリゾチーム(25 mg/ml)を添加すること
によってそれを修飾した。該プラスミドDNAを、酵素消化を用いて分析し、得ら
れたアグロバクテリウム(agrobacterium)クローンをA1177と命名した。
【0178】 4.2.バイナリープラスミドpMRT1178の作成 バイナリープラスミドpMRT1178は、その発現カセットがプラスミドpMRT1131(
実施例3のセクション3.2に記載)から単離されたことを除いては、実施例4
のセクション4.1に記載されるように、発現カセット「MPr1131(配列番号0
6)/uidA-IV2/term-nos」をバイナリープラスミドpMRT1118のEcoRI部位に挿
入することによって得られた。
【0179】 得られたプラスミドは、pMRT1178と命名し、上述の実施例4のセクション4.
1に記載されたプロトコルに従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に
移入した。得られたアグロバクテリウムクローンをA1178と命名した。
【0180】 4.3.バイナリープラスミドpMRT1179の作成 バイナリープラスミドpMRT1179は、その発現カセットがプラスミドpMRT1135(
実施例3のセクション3.3に記載)から単離されたことを除いては、実施例4
のセクション4.1に記載されるように、発現カセット「MPr1135(配列番号0
9)/uidA-IV2/term-nos」をバイナリープラスミドpMRT1118のEcoRI部位に挿
入することによって得られた。
【0181】 得られたプラスミドは、pMRT1179と命名し、上述の実施例4のセクション4.
1に記載されたプロトコルに従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に
移入した。得られたアグロバクテリウムクローンをA1179と命名した。
【0182】 4.4.バイナリープラスミドpMRT1180の作成 バイナリープラスミドpMRT1180は、その発現カセットがプラスミドpMRT1138(
実施例3のセクション3.4に記載)から単離されたことを除いては、実施例4
のセクション4.1に記載されるように、発現カセット「MPr1138(配列番号1
2)/uidA-IV2/term-nos」をバイナリープラスミドpMRT1138のEcoRI部位に挿
入することによって得られた。
【0183】 得られたプラスミドは、pMRT1180と命名し、上述の実施例4のセクション4.
1に記載されたプロトコルに従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に
移入した。得られたアグロバクテリウムクローンをA1180と命名した。
【0184】 4.5.バイナリープラスミドpMRT1181の作成 バイナリープラスミドpMRT1181は、その発現カセットがプラスミドpMRT1139(
実施例3のセクション3.9に記載)から単離されたことを除いては、実施例4
のセクション4.1に記載されるように、発現カセット「MPr1139(配列番号1
3)/uidA-IV2/term-nos」をバイナリープラスミドpMRT1118のEcoRI部位に挿
入することによって得られた。
【0185】 得られたプラスミドは、pMRT1181と命名し、上述の実施例4のセクション4.
1に記載されたプロトコルに従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に
移入した。得られたアグロバクテリウムクローンをA1181と命名した。
【0186】 4.6.バイナリープラスミドpMRT1182の作成 バイナリープラスミドpMRT1182は、CaMV PrD35Sプロモーター断片及び配列uid
A-IV2/term-nosをバイナリープラスミドpMRT1118に挿入することによって得ら
れた。
【0187】 CaMV PrD35Sは、10μgのプラスミドpJIT163Dを、37℃で1時間、KpnI及
びHindIIIを用いて、連続的に消化することによって単離した。CaMV PrD35Sに対
応する743-bp断片は、0.8%アガロースゲルにて単離し、それから、「QIAqui
ck Gel Extraction」キットを用いて精製した。
【0188】 配列uidA-IV2/term-nosは、4μgのプラスミドpMRT1092を、37℃で1時間
、HindIII及びEcoRIを用いて、消化することによって得た。配列uidA-IV2/term
-nosに対応する2.2-kb断片は、0.8%アガロースゲルにて単離し、それから、
「QIAquick Gel Extraction」キットを用いて精製した。
【0189】 平行して、10μgのバイナリープラスミドpMRT1118を、37℃で1時間、Kp
nI及びEcoRIを用いて、連続的に消化した。それから、その直線化ベクター断片
を、緩衝液3(1X)の存在下で、37℃で1時間、40Uの子ウシ腸アルカリ
ホスファターゼ(New England Biolabs)を用いて脱リン酸した。
【0190】 ライゲーションは、100ngのバイナリープラスミド、50ngのCaMV PrD35S
、及び配列uidA-IV2/term-nosに対応する断片50ngの存在下で、20μlの反
応容量中で、T4 DNAリガーゼ緩衝液(1X)と400単位の酵素T4 DNAリガーゼ
(New England Biolabs)の存在下で実施した。インキュベーションは、上述し
たような「GeneAmp PCR System 9700」サーモサイクラー内でのPCRサイクルを用
いて実施した。Escherichia coli DH5a細菌は、予めコンピテントにされており
、該ライゲーション反応媒体の半分を用いて形質転換された。得られたクローン
のプラスミドDNAは、カナマイシン(50mg/l)を補充したLB培地にて選択し、ア
ルカリ法に従って抽出して、酵素消化を用いて分析した。
【0191】 得られたプラスミドは、pMRT1182と命名し、上述の実施例4のセクション4.
1に記載されたプロトコルに従って、LBA4404 Agrobacterium tumefaciens株に
移入した。得られたアグロバクテリウムクローンをA1182と命名した。
【0192】 実施例5 トウモロコシの安定な形質転換に用いられる、MPr1139プロモーター(配列番
号13)を含むバイナリープラスミドの作成。 バイナリープラスミドpMRT1207は、pMRT 1139の発現カセット「MPr1139(配列
番号13)/uidA-IV2/term-nos」を、バイナリープラスミドpMRT1195(未公表
特許出願FR 9911112)のHpaI部位に挿入することによって得られた。
【0193】 これを行うために、7μgのプラスミドpMRT1139を、37℃で1時間、EcoRI
及びXmnIを用いて、連続的に消化した。それから、該発現カセットを、「Concer
t Rapid Gel Extraction System」キットを用いて、0.7%アガロースゲルにて
単離して、各dNTPs60nmol、MgCl2緩衝液(500mM)12μl及びDTT(1M)
6μlの存在下で、37℃で30分間、20UのKlenow断片(New England Biol
abs)を作用させた。
【0194】 平行して、5μgのバイナリープラスミドpMRT1195を、37℃で1時間、HpaI
を用いて消化した。それから、その直線化ベクター断片を、緩衝液3(1X)の
存在下で、37℃で1時間、40Uの子ウシ腸アルカリホスファターゼ(New En
gland Biolabs)を用いて脱リン酸した。
【0195】 ライゲーションは、100ngの発現カセットと10ngのプラスミドpMRT1195を
用いて実施され、上述したような「GeneAmp PCR System 9700」サーモサイクラ
ー内でのPCRサイクルを用いて処理された。Escherichia coli DH5a細菌は、予め
コンピテントにされており、該ライゲーション反応混合物の全てを用いて形質転
換された。得られたクローンのプラスミドDNAは、カナマイシン(50mg/l)を補
充したLB培地にて選択し、アルカリ法に従って抽出して、酵素消化を用いて分析
した。
【0196】 得られたプラスミド、いわゆるpMRT1207を、実施例4のセクション4.1に記
載するように、LBA4404-pSB1 Agrobacterium tumefaciens株に移入した。この系
統は、A1177の生成についての上述のプロトコルに従って、プラスミドpSB1(未
公表特許出願FR 9911112)の組込み後のLBA4404 Agrobacterium tumefaciens株
から誘導されている。得られたクローンのプラスミドDNAを、リファンピシン(
50mg/l)及びカナマイシン(50mg/l)を補充した2YT培地にて選択し、アルカ
リ法に従って抽出し、これを、その細胞再懸濁緩衝液にリゾチーム(25 mg/ml)
を添加することによって修飾した。該プラスミドDNAを、酵素消化を用いて分析
し、得られたアグロバクテリウムクローンをA1207と命名した。
【0197】 (実施例6:トウモロコシ及びタバコの一過性発現における、様々なプロモータ
ーの活性の測定及び比較) 6.1 植物抽出物の調製 6.1.1. トウモロコシ種子の製造及び調製 一過性発現実験を、24℃、湿度60%及び、光16時間/暗闇8時間の光周
期で、ファイトトロン中にて培養したトウモロコシ胚乳SN87 165(L2
)に行った。
【0198】 授粉後(DAP)12日間で、トウモロコシを取り出し、20%ドメストスの
バス中、5分間攪拌して滅菌した。滅菌脱塩水中で連続的に濯ぎ、ドメストスを
除去したことに続き、果皮及びアリューロン細胞の層を、無菌条件下で注意深く
除去した。胚乳の接線部分を、こうして抽出し、調製し、最少量のmurashige an
d Skoog媒質(MS 5524, Sigma)に浸した濾紙上においた。
【0199】 6.1.2. タバコのイン・ビトロ培養、葉の調製 一過性発現実験を、品種PBD6のタバコ(Nicotiana tabacum L.)の、6週
齢の葉に行った。品種PBD6の成熟した種子を、次亜塩素酸酸カルシウムの飽
和溶液(70g/l)中で10分間滅菌した後、滅菌脱塩水中で3度に渡って5分間
濯いだ。滅菌種子をMS20媒質(Murashige and Skoog, 1962)中におき、培
養チャンバー(24℃の一定温度、光16時間/暗闇8時間の光周期)中で6週
間インキュベートした。
【0200】 生物論によるトランスフォーメーションの間、葉状葉肉の細胞の破壊を最小限
にするために、6週齢のPBD6タバコ植物の二つの主要な葉を、トランスフォ
ーメーションの24時間前に取り除き、葉の上側を上向きにしてBY3緩性原形
質分離培地(4.4g/lのMS−5519塩、100mg/lのミオイノシトール、1mg/lの
チアミン、200mg/lのKH2PO4、30g/lのスクロース、45.5g/lのソルビトール
、1mg/lの2.4D、8g/lのアガー、pH5.8)上に置き、培養チャンバー(
25℃の一定温度、光16時間/暗闇8時間の光周期)に置いた。
【0201】 6.2 タングステンまたは金の微粒子へのプラスミドDNAの吸着 生物論によるトランスフォーメーションでは、無水エタノール(99.98%
、水の含量0.02%未満)中で10分間滅菌し、無菌脱塩水で4回洗浄し、最
高で4週間、50%のグリセリンの溶液中に−20℃にて保存した、タングステ
ン製または金製の球状微粒子に、DNAを予め付着させることが必要である。
【0202】 トランスフォーメーションの際に使用される全てのコントロール及び試験プラ
スミドの濃度は、1mg/mlに調整した。調査したプロモーターの活性が、蛍光分析
アッセイを用いて評価される、各トランスフォーメーション実験において、様々
な実験(Leckie et al., 1994)におけるGUS活性における多様性を標準化す
るために、内部標準コントロール(pCaMV35Sluc)をコトランスフォ
ームさせた。しかしながら、調査したプロモーターの活性を、組織化学的アッセ
イを利用して測定した場合、参照プラスミドは、コトランスフォームさせなかっ
た。
【0203】 こうして調製した粒子への、DNAの被覆は、無菌の層状フローチャンバー内
で行った。50%グリセリン30μl中の、無菌粒子懸濁液のアリコートフラク
ション1.8mgを、1分間渦動させることによって激しく攪拌し、次いで10秒間
、試験しようとするプラスミドの一つを5μg及び参照プラスミドpCaMV3
5Slucを2μg含有するDNA懸濁液20μlと混合した。その後、20μl
の2.5M CaCl2を添加し、10秒間激しく攪拌した。次に、20μlの0.
1M スペルミジンを該混合物に添加し、この全体をさらに30秒間渦動させる
ことによって攪拌した。ビーズ表面へのDNAの被覆を、該混合物を氷中で15
分間インキュベートすることによって継続した後、被覆ビーズを低速で5秒間遠
心分離させ、無水エタノール中で二度洗浄した。こうして被覆された粒子を、3
2μlの無水エタノール中に再懸濁させ、15秒間渦動させることによって混合
し、次いで、製造者(Bio-Rad, Hercule, USA)の勧告に従って調製されたPDS-1
000/He Biolistic systemの無菌“ミクロキャリア”ディスク上に、4つの別個
のアリコートフラクションとして即座に分けた。“ミクロキャリア支持体/粒子
被覆を備えたミクロキャリア”セットを、5分間乾燥させた。
【0204】 6.3 生物論による、植物抽出物の一過性トランスフォーメーション 6.3.1 トウモロコシ胚乳発射体処理及び一過性発現 トウモロコシ胚乳への発射体処理を、装置の様々な部品の取り扱い及び組立に
関する、供給者(Bio-Rad, Hercule, USA)の一般的勧告に従って調製されたPDS
-1000/He Biolistic systemを用いて行った。各胚乳に、直径0.6μmのタン
グステン粒子を、下記の発射特性に従って、連続的に二度衝突させた: ・粒子を加速するために選択されるヘリウム圧は6200kPa(900psi)とす
る、 ・植物試料を、ビーズ加速領域から6cmに配置することとする、 ・発射は、27mmHgの減圧下で行うこととする。
【0205】 発射体処理の後、胚乳を同一条件下に残し、26℃の培養チャンバー内で、暗
所にて24時間インキュベートし、細胞中に導入されたトランスジーンの一過性
発現を起こさせた。
【0206】 6.3.2. タバコ葉状組織への刺激付与及び一過性発現 タバコ葉の刺激付与を、二つの例外: ・試料に、直径1μmの金の粒子で刺激付与することとした、 ・試料を、ビーズ加速領域から9cmに配置することとした、 を伴うが、トウモロコシ胚乳の刺激付与と同様の方法で行った。
【0207】 刺激照射の後、葉を同一条件下に残し、培養チャンバー(25℃の一定温度、
光16時間/暗闇8時間の光周期)内で、48時間インキュベートし、細胞中に
導入されたトランスジーンの一過性発現を起こさせた。
【0208】 6.4. 組織化学的染色による様々なプロモーターの活性の暴露と評価 6.4.1. β-グルクロニダーゼ発現の暴露 b-グルコロニダーゼ発現の暴露を、Jeffersson et al.により記載の組織化学
的染色によって実行した。培養チャンバー中でのインキュベート期間に続き、植
物抽出物を、β-グルクロニダーゼ基質X-Gluc(500mg/lの5-ブロモ-4-ク
ロロ-3-インドリルグルクロニド)の存在下で、0.1Mリン酸緩衝液、0.0
5%のTriton X100中、pH7.0において、37℃にて24時間インキュベー
トした。
【0209】 染色の後、トウモロコシ胚乳を、直接分析するか、または、数週間4℃にて滅
菌状態に保持した。その一方で、タバコ葉を、95%エタノール浴をそれぞれ3
時間と12時間行う、連続的な二工程によって脱色した後、蒸留水中で濯ぎ、二
枚のセロファンシートの間で平らに乾燥させた。
【0210】 様々な恒星物のプロモーター活性を、各植物抽出物上に現れる青色斑の数及び
濃さを概算することによって評価した。
【0211】 6.4.2. トウモロコシ胚乳中のプロモーターの活性の質的評価 b-グルクロニダーゼ発現の組織化学的暴露により、三つのカテゴリーのプロ
モーターを同定することが可能になった。 ・pMRT1197、pMRT1126、pMRT1127及びpMRT119
9構築物を撃ち込んだ胚乳は、呈示した青色斑の数が、系統的に10未満であっ
た。pMRT1197構築物で形質転換した胚乳における青色斑の存在は、MP
r1197(配列番号16)の96−bp配列が、HMWG-Dx5プロモータ
ー(配列番号01)の最小プロモーター配列を構成し、これがトウモロコシ胚乳
における塩基性転写活性を導き得ることを示している。プロモーター配列のない
(ネガティブコントロール)、pMRT1144構築物を撃ち込んだ胚乳に青色
斑がないことにより、このカテゴリーにまとめたプロモーターの機能性が確認さ
れる。 ・pMRT1128、pMRT1213、pMRT1216、pMRT1217
、pMRT1136,pMRT1137、pMRT1135及びpMRT113
8構築物を撃ち込んだ胚乳は、平均的に、pMRT1125(PrHMWG−D
x5(配列番号01))及びpMRT1218(Prg−zein、ポジティブ
コントロール)構築物で形質転換された胚乳と同等の数の青色斑を呈した。 ・最後に、pMRT1130、pMRT1131、pMRT1139及びpMR
T1200構築物を撃ち込んだ胚乳は、濃く、放散した青い染色を呈して、青色
斑の計数が困難であるが、これにより、MPr1130(配列番号05)、MP
r1131(配列番号06)、MPr1139(配列番号13)及びMPr12
00(配列番号19)プロモーターが、授粉12日間後のトウモロコシ胚乳中で
、非常に高度に活性であることが示唆される。
【0212】 6.4.3. タバコ葉におけるプロモーターの活性の量的評価 pMRT1125(PrHMWG−Dx5(配列番号01))、pMRT11
30、pMRT1131、pMRT1133、pMRT1134、pMRT11
35、pMRT1136、pMRT1137、pMRT1138及びpMRT1
092(CaMV PrD35S、ポジティブコントロール)構築物で形質変換
されたタバコ葉に行われた、図5に示される組織化学的アッセイの結果により、
四つのカテゴリーにおいて調査されたプロモーターを分類することが可能となっ
た。pMRT1125(PrHMWG−Dx5(配列番号01))構築物を撃ち
込んだ葉には、青色斑は観察されなかった。pMRT1133、pMRT113
4、pMRT1136及びpMRT1137構築物を撃ち込んだ葉は、平均的な
数として50乃至100の青色斑を示した。pMRT1135、pMRT113
8及びpMRT1139構築物で形質転換した(結果は提示なし)葉は、参照構
築物pMRT1092(CaMV PrD35S)を撃ち込んだ葉に観察される
のと同等の、かなりの数の青色斑を示した。最後に、pMRT1130及びpM
RT1131構築物を撃ち込んだ葉は、参照構築物pMRT1092(CaMV
PrD35S)を撃ち込んだ葉よりも格段に多数の、放散した、濃い青色斑を
呈した。
【0213】 これらの結果に鑑みて、幾つかの重要な情報を引き出すことができる: ・CaMV 35S as−1及びas−2活性化配列は、タバコ葉中のHMW
G−Dx5プロモーター(配列番号01)の活性を失わせる。 ・CaMV 35S as−1及びas−2活性化配列は、HMWG−Dx5プ
ロモーター(配列番号01)中に存在するcis−制御モチーフと相助的に作用す
る。「G」様ボックスが、この組み合わせコントロールの主要な要素の一つであ
ることがわかる。GATAボックスは、「G」”様ボックス及びCaMV 35
S as−1及びas−2活性化配列と共に、おそらくは、MPr1130(配
列番号05)及びMPr1131(配列番号06)の非常に高い活性の原因であ
る。 ・CaMV 35S as−2活性化配列を複製することでは、顕著な正の、更
なる効果は確認されない。 ・「シリアルボックス」は、CaMV 35S as−1及びas−2活性化配
列と共に、タバコ葉中での負の転写効果を裏付けることが判る。
【0214】 結論として、CaMV D35Sプロモーターは、文献中には一般的に、Ca
MV D35Sプロモーターによって与えられるよりも、GUSレポーター遺伝
子のプロモーター活性を約8乃至12倍増大させる、キメラプロモーターである
と報告されている(Kay et al., 1987)ため、MPr1135(配列番号09)
、MPr1138(配列番号12)、MPr1139(配列番号13)、MPr
1130(配列番号05)及びMPr1131(配列番号06)プロモーターは
、当然ながら、タバコ葉中で活性な、今日までに記載されたものとして最強のキ
メラプロモーターである。
【0215】 MPr1133(配列番号07)、MPr1134(配列番号08)、MPr
1136(配列番号10)及びMPr1137(配列番号11)プロモーターは
、タバコ葉における活性がより弱いものであるが、耐性遺伝子の発現を導いて、
例えば“nos”タイプのプロモーターと同様の方法で形質転換植物を選択するこ
とができるため、これもまた有利である。
【0216】 6.5 β-グルクロニダーゼ発現の蛍光分析アッセイによる、トウモロ
コシ胚乳中の様々なプロモーターの活性の定量化 予め生物論によりトランスフォームさせた胚乳を液体窒素中で冷凍し、ドリル
を取り付けたガラスロッドの補助を得て粉砕した。該粉末は、抽出バッファー(
25mMのトリスホスフェート、pH7.8、2mMのジチオトレイトール、2mMの
1,2-ジアミノシクロヘキサン、N,N,N’,N’-四酢酸、10%グリセリ
ン、1%Triton X100)中に、250mgの組織につき1mlのバッファーという割合
で解凍された。該混合物をホモジェナイズし、その後、16060gにて5分間
遠心分離によって分類する前に、4℃にて1時間インキュベートした。
【0217】 GUS活性を、製造者の勧告に従って“GUS光化学発光レポーター遺伝子アッ
セイ”検出キット(Tropix Inc., Bedford, USA)を利用して、10μlの清澄化
させた粗製の抽出物について測定した。光放出の測定を、Lumat LB 9507 lumino
meter (EGG-Berthold, Bad Wildbad, Germany)を使用して行った。
【0218】 同時に、ルシフェラーゼ活性を、製造者の勧告に従って“ルシフェラーゼアッ
セイシステム”検出キット(Promega Corp., Madison, USA)を利用して、10
μlの清澄化させた粗製の抽出物について測定した。光放出の測定を、4℃の冷
温室に置いたLumat LB 9507 luminometerを使用して行った。
【0219】 結果を図6及び7にまとめた。各アッセイ(3ハーフ胚乳=1粗製抽出物)に
ついて、β-グルコニダーゼ活性と、ルミノメーターで測定したルシフェラーゼ
活性との間の比率を算出した。構築物当たり、少なくとも5の個々のアッセイの
平均及び、平均の標準誤差を決定した。
【0220】 本特許に記載した各プロモーターに至る様々な修飾の効果を分析するために、
前記プロモーターを二つの別個の群に分けた。I群(図6)は、HMWG-Dx
5プロモーター(配列番号01)の精密な官能性開裂を実行することが可能なプ
ロモーターからなり、II群(図7)は、本特許において調査した多様なcis-活性
化成分の作用を決定することのできるプロモーターを、HMWG-Dx5プロモ
ーター(配列番号01)と共に含む。
【0221】 I群は、MPr1128、MPr1127(配列番号03)、MPr1126
(配列番号02)、MPr1197(配列番号16)、MPr1198(配列番
号17)、MPr1216(配列番号21)及びMPr1217(配列番号22
)プロモーター、HMWG-Dx5プロモーター(配列番号01)及び参照構築
物pMRT1144(ネガティブコントロール)を含み、この構築物はプロモー
ター配列(図6)を欠いている。蛍光分析アッセイの結果により、幾つかの情報
を導き出すことができる: ・HMWG-Dx5プロモーター(配列番号01)の5’領域の段階的欠失によ
り、これらのプロモーターにより与えられる平均相対活性において、段階的減少
が起こる。したがって、全417−bp PrHMWG−Dx5プロモーター配
列(配列番号01)が、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)の最大
活性を得るために必要とされていることが判る。 ・MPR1128(配列番号04)とPrHMWG−Dx5(配列番号01)プ
ロモーターとの間に記録された、活性の僅かな相違は、ヌクレオチド−238の
上流に位置する配列は、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)の活性
の原因である主要なcis-活性化成分を含まないことを示す。 ・MPR1128(配列番号04)及びMPr1127(配列番号03)プロモ
ーターの間の活性における著しい減少により、ヌクレオチド−205の上流に位
置する配列が、これは「G」様ボックスを含むものであるが、HMWG−Dx5
プロモーター(配列番号01)の活性のために主要な役割を果たすことが示唆さ
れる。 ・MPr1127(配列番号03)及びMPr1126(配列番号02)プロモ
ーターの間に記録された、活性の僅かな相違のため、エンハンサー成分の真の役
割に関して結論が出ない。 ・MPr1197(配列番号16)プロモーターの活性は、非常に弱いが、プロ
モーターを含まないpMRT1144構築物によって得られるよりも強く、96
−bp最小PrHMWG−Dx5(配列番号01)が基本的転写レベルを与える
ことを示す。 ・MPr1128(配列番号04)と比較して、MPr1198(配列番号17
)の弱い活性は、ヌクレオチド−59乃至ヌクレオチド−135に渡るPrHM
WG−Dx5(配列番号01)配列が、推定されるcis-活性化成分を欠いている
にも関わらず、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)の活性において
主たる役割を果たすことを示す。この結果は、「G」ボックス上及び活性化成分
上のtrans-活性化因子がTATAボックスから離れている距離によって、これら
の機能性、ひいてはアクセシビリティを示唆する。 ・これには「G」ボックス及び活性化成分が含まれるが、ヌクレオチド−136
乃至ヌクレオチド−225に渡るMPR1128(配列番号04)を複製するこ
とにより、MPr1216プロモーター(配列番号21)に、少なくともPrH
MWG−Dx5(配列番号01)に導かれるものと同等に高いb-グルクロニダ
ーゼ活性を与える。
【0222】 II群は、MPr1128、MPr1213(配列番号20)、MPr1199
(配列番号18)、MPr1136(配列番号10)、MPr1137(配列番
号11)、MPr1138(配列番号12)、MPr1131(配列番号06)
、MPr1135(配列番号09)、MPr1130(配列番号05)、MPr
1139(配列番号13)及びMPr1200(配列番号19)プロモーター、
HMWG−Dx5参照プロモーター(配列番号01)並びに、ポジティブコント
ロールとして使用されるg−zeinプロモーター(図7)を含む。I群のプロ
モーターと同様の方法で、蛍光分析アッセイの結果により、幾つかの情報が導か
れる: ・CaMV 35S as−2(Lam and Chua, 1989)及びas−1(Lam et al.
, 1989)活性化配列を、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)及びH
MWG−Dx5プロモーター(配列番号01)誘導体の−65bp位で融合させ
ることにより、生成するMPr1130(配列番号05)、MPr1131(配
列番号06)、MPr1136(配列番号10)、MPr1137(配列番号1
1)、MPr1135(配列番号09)及びMPr1138(配列番号12)プ
ロモーターの活性を、非常に大幅に高められる。目安として、MPr1131(
配列番号06)及びMPr1130(配列番号05)プロモーターは、それぞれ
、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)に比べて3.2及び3.8倍
活性である。 ・CaMV 35S as−2及びas−1活性化配列は、HMWG−Dx5プロ
モーター(配列番号01)のcis−活性化成分と相助的に作用する。MPr11
31(配列番号06)、MPr1138(配列番号12)、MPr1137(配
列番号11)及びMPr1136(配列番号10)プロモーターの活性における
段階的な減少は、それぞれ、HMWG−Dx5プロモーター(配列番号01)の
段階的な5’欠失と同時に起こるものであるが、これを保証している。 ・MPr1130(配列番号05)及びMPr1135(配列番号09)プロモ
ーターと、MPr1131(配列番号06)及びMPr1138(配列番号12
)プロモーターとの比較は、それぞれ、CaMV 35S as−2活性化配列
の複製が著しい付加的な活性化効果は引き起こさないことを示す。 ・六倍体小麦Triticum aestivum L.cv Cheyenne (Anderson et al., 1998)のB
x7サブユニットをコード化する、高分子量グルテニン遺伝子のプロモーターの
「シリアルボックス」を融合させると、MPr1131(配列番号06)及びM
Pr1138(配列番号12)プロモーターの上流が、得られるMPr1139
(配列番号13)及びMPr1200(配列番号19)プロモーターの活性を非
常に大幅に向上させる。目安として、MPr1139(配列番号13)及びMP
r1200(配列番号19)の活性は、HMWG−Dx5プロモーター(配列番
号01)の場合よりもおよそ5.5倍高い。 ・MPr1128プロモーターの「シリアルボックス」上流の融合に相当するも
のであるが、MPr1213プロモーター(配列番号20)の弱い活性は、「シ
リアルボックス」が、CaMV 35S as−2及びas−1活性化配列と相
助的に作用して、MPr1139(配列番号13)及びMPr1200(配列番
号19)プロモーターの活性を強化することを示唆する。 ・最後に、MPr1128(配列番号04)プロモーターのトウモロコシ洗浄ウ
ィルス(MSV)上流の遺伝子間領域の“Gc−rich”成分の融合は、得ら
れるMPr1199プロモーター(配列番号18)の活性の増大には貢献しない
。逆に、“Gc−rich”成分は僅かに抑制作用を与えるようである。
【0223】 結論として、MPr1139プロモーター(配列番号13)及び MPr12
00(配列番号19)プロモーターは、高レベルでの蛋白質発現を導くために植
物バイオテクノロジーにおいて通常使用されるPrg−zeinプロモーターよ
りも、それぞれ4及び3.9倍活性であるため、疑問の余地なく、トウモロコシ
胚乳における異種蛋白質の発現のレベルを向上させることのできる、強力なツー
ルである。さらにまた、MPr1130(配列番号05)、MPr1131(配
列番号06)、MPr1135(配列番号09)、MPr1138(配列番号1
2)、MPr1137(配列番号11)及びMPr1136(配列番号10)プ
ロモーターが、少なくともPrg−zeinプロモーターで得られるのと同等に
高い、トウモロコシ胚乳におけるb−グルクロニダーゼ活性を与えることに注目
に値する。最後に、より効果の低いプロモーターもまた、耐性遺伝子または酵素
の蛋白質をコード化する遺伝子の発現の制御をするために使用可能であるため、
非常に価値がある。
【0224】 実施例7 トウモロコシ及びタバコでの安定発現における種々のプロモーターの発現、及
びその活性の評価 7.1.アグロバクテリウム・ツメファシエンスでの、トウモロコシの安定な遺伝
子形質転換 用いたこの技術は、Ishida et al.(1996)により記載されている。長さが1.0乃
至1.2mmの未成熟胚(受粉後9乃至14日)を、LS-inf培地で洗浄し、次に、Ishida e
t al. (1996)の記載するようにしてアグロバクテリアの懸濁液に浸し、30秒間ボ
ルテックスにかけ、そして室温で5分間インキュベーションした。このようにし
て処置した未成熟な胚を、LS-AS培地で、暗所にて25°Cで3日間培養し、次に5
mg/lのホスフィノトリシン及び250 mg/lのセフォタキシムで補充したLSD1.5培地
へと移し、暗所で二週間、25°Cに置き、そして最後に10mg/lのホスフィノトリ
シン及び250mg/1のセフォタキシムで補充したLSD1.5培地で、暗所で3週間、25
°Cにおいた。このようにして得られたタイプIのカルスを単離し、断片化し、
そして10mg/lホスフィノトリシン及び250mg/1のセフォタキシムで補充したLSD1.
5培地へと移し、25°Cで3週間暗所に置いた。次に、タイプIカルスで、増殖し
たものを単離し、そしてホスフィノトリシン5mg/lとセフォタキシム250mg/1で補
充したLSZ培地に置き、光源下16時間/暗所8時間の光期間に、25°Cで2-3週間置
いた。再生した小植物を次に、光源下16時間/暗所8時間の光期間に、25°Cで1-
2週間、LSF1/2培地に置き、そして次にファイトトロン及び温室においた。
【0225】 7.2.アグロバクテリウム・ツメファシアエンスによる、タバコの安定な遺伝子
形質転換 タバコの形質転換(PBD6培養株のニコチアナ・タバカムL.)は、Horsch et al.
(1985)に記載されるようにして、6週齢のタバコ小植物由来の葉盤(foliar disc
)をin vitroで、組換えアグロバクテリアに感染させて行った。
【0226】 in vitroの培養物は全て、空調された領域であって、光強度が200μE.m-2.s-1
であり、光期間が、光源下16時間/暗所8時間であり、そして温度が25°Cである
領域において調製した。
【0227】 初期の共培養工程を除き、再生工程、増殖工程、及び発根工程は、多様な選択
性培地であって静菌剤、即ち400mg/lのオーグメンチン(augmentin)、及び選択
剤、即ち200又は100mg/lのカナマイシンで補充されたもので行った。
【0228】 使用した種々の工程及び培地は、以下の通りである: -アグロバクテリアを、5mlの2YT培地(10g/lバクトトリプトーン、5g/l酵母抽出
物、5g/l NaCI、pH7.2)であって最終濃度が6 mMのCaCl2、及び抗生物質で補充さ
れたもので、28°C48時間前培養し、CaC12及び抗生物質で補充した10mlの2YT培
地中の培養物を、28°Cで一晩調製した。この培養物を次に3000gで10分間遠心
し、そして細菌を10mlの液体のMS30(4.4g/lのM0404、SIGMA販売、30g/lのスクロ
ースで補充、pH5.7)に再懸濁する。 -共培養は、ほぼ1cm2の葉の外植片であって、in vitro小植物の葉から切り出し
たものを、MS30で10倍に希釈したアグロバクテリアの懸濁液に20分間接触し
て行う。次に、このように処理した外植片を濾紙上ですぐに乾かし、そして固形
の共培養培地(CM)(MS30、ベンジルアミノプリン(BAP)1mg/l、インドール-3-酢酸
(IAA)0.1mg/l、寒天8g/l)で、48時間、空調された領域に置く。 -処置済みの外植片は次に、固形の再生培地(固形CM、オーグメンチン400mg/l、
カナマイシン200mg/l)に置く。2週間後に、外植片を同じ培地で継代培養(subcu
lture)する。 -2週間後、芽を固形の増殖培地(4.4g/lのM0404、SIGMA販売、20g/1スクロース補
充、pH5.7(液体MS20)、オーグメンチン400mg/l、カナマイシン100mg/l、寒天8g/
l)上で継代培養する。 -2週間後、形質転換した小植物を、固形の発根培地であって、増殖培地と同じも
のの上で継代培養する。発根は、2-3週間続き、その最後に当該小植物をジフィ
ーポット(jiffy pot)でファイトトロンへ取出し、10日間、光源下16時間/暗所
8時間の光期間、23°C、70%湿度に置き、そして次に温室に移す。
【0229】 7.3.トウモロコシ及びタバコの植物における、β-グルクロニダーゼ活性の測
定 β-グルクロニダーゼ活性を測定するため、トランスジェニック植物から取出
した試料を、液体窒素で凍結し、ドリルにマウントされたガラス製ロッドを使用
して粉砕した。この粉末を次に、抽出緩衝液(25mMトリスリン酸塩、pH7.8、2mM
ジチオスレイトール、2mM 1, 2-ジアミンシクロヘキサン、N,N,N’,N’-四酢酸
、10%グリセロール、1%Triton X100)に、250mgの組織当たり1mlの緩衝液の比
率で再懸濁した。この混合物をホモジナイズし、次に4°Cで1時間インキュベー
ションしてから、16060gで5分間遠心して浄化した。
【0230】 GUS活性は、10μlの清浄化済粗抽出物について、「GUS-光化学発光受容体遺
伝子アッセイ」検出キット(Tropix Inc., Bedford, USA)を、製造者の指示通り
に使用して測定した。光の放出の測定は、Lumat LB 9507光度計(luminometer)
(EGG-Berthold、Bad Wildbad、Germany)を使用して行った。
【0231】 粗抽出物中の全タンパク質量は、ブラッドフォード法(1976)により、「Bio-Ra
d タンパク質アッセイ」試薬(Bio-Rad、Munich、Germany)を使用して行った。
【0232】 7.4.トウモロコシの内胚乳及び葉における安定な発現、及びキメラプロモータ
ー活性 7.4.1.種子内での発現 トウモロコシの内胚乳での安定発現において、キメラのHMWGプロモーターで制
御されたβ-グルクロニダーゼ活性を、参照プロモーター512ガンマ-ゼインによ
り制御されるもの(これはトウモロコシの胚乳において活性が高いことが知られ
ている(Marzabal et al.1998)と比較した。穂軸(cob)当たり6つの種子を調査
したが、穂軸の頂点から始めて、基底部へと進み、異なる成長段階においておこ
なった。指標としては、30DAP段階が、受粉後30日のトウモロコシの種子に
対応する。β-グルクロニダーゼ活性の光量を、実施例7のセクション7.3に記載
の方法によりそれぞれの種子について測定した。
【0233】 図8には、30DAPで回収された未成熟なトウモロコシ中の安定発現中における
、キメラのHMWG-Dx5誘導プロモーター(MPrll39、MPrl200、及びMPrll3l)、及び
参照プロモーター512ガンマ-ゼインの制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性を
まとめた。植物のそれぞれのポピュレーションの活性の比較は、異なるプロモー
ターのそれぞれの強さを示すよい指標となる。プロモーターMPr1139、MPr1200、
及びMPr1131の制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性は、参照プロモーター512
ガンマ-ゼインの制御下のものの、平均で1.5乃至2倍大きいものである。しかし
ながら植物302.A3及び347.HIの種子は、それぞれGUSタンパク質をMPr1139及びMP
r1131プロモーター制御下に発現するものであるが、これらは参照プロモーター5
12ガンマ-ゼインの制御下での活性のそれぞれ7及び14倍のβ-グルクロニダーゼ
活性を示した。MPrll39,MPrl200、及びMPrll31のプロモーターの制御下でGUSタ
ンパク質を発現する植物においては、β-グルクロニダーゼ活性には顕著な差異
はなかった。しかしながら、β-グルクロニダーゼ活性は、植物のそれぞれのポ
ピュレーション中においてはかなり変動する。この現象は、植物に導入された大
部分の遺伝子においてすでに観察されているものであるが、これはトランス遺伝
子のポジショニング、及びコピー数によって説明することができる。発達におけ
る第13及び第18のDAP段階において行った、発光の測定(結果は示さない)は、
β-グルクロニダーゼ活性は時間とともに変動するが、第30DAP段階における最高
のβ-グルクロニダーゼ活性の原因であるプロモーターはまた、第13及び第18のD
AP段階のそれぞれにおける最強のプロモーターでもあることを示した。従って、
プロモーターの格付けは、発達中において維持された。図9のヒストグラムは、
プロモーターMPrll39制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性における一時的な変
動を示す。これらの結果は、GUS活性は、10DAPから検出可能であり、16から28DA
Pの間においてプラトーに達し、そしてその後30DAPまで下降することを示す。夏
の間に採取された植物において得られたGUS活性のプラトーはまた、発達の12及
び20DAPの間においても観察された(結果は示さず)。第13DAP(図10a)、第18DAP(
図10b)にあるトウモロコシの種子の縦断面、又は切開したトウモロコシ種子(
図10c)について行った組織化学的試験は、プロモーターMPrll39は、トウモロコ
シ種子中においては、胚乳(albumen)において特異的に発現していて、胚(embr
yo)、アリューロン、果皮のいずれにおいても染色は一切見られなかったことを
示した。更に、図11に示されるヒストグラムは、MPr1139の発現は、安定であ
り、第二世代(T2)においてはさらに大きいことを示している。
【0234】 前出のデータより、以下の情報が集約される: -CaMV 35Sプロモーターの活性化配列as-l及びas-2を、プロモーター配列HMWG-Dx
5に融合すると、トウモロコシの胚乳おいて非常に強力なシス作動性配列となる
; -CaMV 35Sプロモーターの活性化配列as-1及びas-2は、トウモロコシの種子にお
いては、HMWG-Dx5プロモーターの活性を脱制御化(deregulate)しない(図10
); -シリアルボックス(cereal boxes)は、トウモロコシの種子での安定発現にお
いては、顕著なシス作動性を有せず、プロモーターMPr1131は、少なくともプロ
モーターMPr1139と同程度の活性を有する; -「G」ボックス上流に位置する、プロモーター配列HMWG-Dx5は、ヌクレオチドの
-238から-378pbまで伸長しているが、これはHMWG由来のキメラプロモーター内に
おいては、中心的な役割を演ずるものではなく、プロモーターMPr1200は、トウ
モロコシの種子での安定な発現においては、プロモーターMPr1139と同程度の活
性を有する。
【0235】 まとめると、HMWG由来のキメラプロモーター(MPr1139, MPr1131、及び MPr120
0)は、参照プロモーター512ガンマ-ゼインとしては最高の発現体(expressor)
である302.A3347.H1と比較して、平均すると1.5乃至2倍、またはそれ以上活性が
高いが、これはトウモロコシの胚乳において異種タンパク質を発現させることを
改善できる非常に有益なツールであることが明白である。本発明による、このHM
WG由来のキメラプロモーターはまた、単子葉植物の種子における内在性のタンパ
ク質の過剰発現においても利用でき、これにより、農業、例えばデンプンの産生
との関係においてイネやコムギの産生に対する興味を起させることとなる。
【0236】 7.4.2 葉における安定な発現 プロモーターMPr1139、MPr1131及びMPr1200の制御下のβ-グルクロニダーゼの
活性は、トウモロコシの葉における安定発現により決定した。β-グルクロニダ
ーゼ活性の発光測定は、実施例7のセクション7.3に記載の方法により行ったが
、それぞれの直径が2センチメートルの二つの葉盤(leaf disks)であって、ト
ウモロコシを温室で気候順応させた後3週間たったものからのものを使用した。
【0237】 植物のそれぞれのポピュレーションの活性を比較すると、キメラプロモーター
MPr1139, MPr1200、及びMPr1131の制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性は、51
2ガンマ-ゼインプロモーターの制御下でGUSタンパク質を発現している植物にお
いて測定したバックグラウンドのノイズよりも、最大で30倍大きく(図12)、更に
プロモーターMPr1139、MPr1200、及びMPr1131は、温室における気候順応後3週
間の発達段階におけるトウモロコシの葉においてはかすかに活性であるか、又は
全く活性がなかった。しかしながら、HMWG由来のキメラプロモーターの制御下で
GUSタンパク質を発現している、初代の形質転換体(小植物)の葉において、in
vitroの栽培の発根中にシステマティックに行った組織化学的試験は、青色の染
色を示した(結果は示さない)。
【0238】 これらの結果は、プロモーターMPr1139、MPr1200、及びMPr1131の活性は、低
いものの、トランスジェニックなトウモロコシの葉において早期の試験を行うに
は十分であり、毒性についての大きな危険性を一切有しないという点において、
非常に興味深い。
【0239】 7.5.タバコの葉及び種子におけるキメラプロモーターの安定な発現活性 7.5.1.葉における安定な発現 タバコにおいて、プロモーターMPr1130、MPr113l、MPr1135、MPr1138、及びMP
r1139の制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性の安定な発現を、CaMV D35Sプロ
モーターにより制御されるものと比較した。β-グルクロニダーゼ活性の発光測
定は、実施例7のセクション7.3に記載の方法により行ったが、直径がそれぞれ
2センチメートルの二つの葉盤であって、初代形質転換体の上から3番目(the
upper third)の基底部に位置するものを、温室への気候順応後、2、5、8、
及び11週間の発達段階において行った。主としてランダムな組み込みにより導
入された受容体遺伝子の発現の程度と、発現カセットのコピー数とによる、変動
を制限するために、10乃至30の独立した形質転換体をそれぞれの構築物に対
して使用した。
【0240】 図13に示される結果は、温室に気候順応して11週のタバコの葉における、
HMWG由来のキメラプロモーター、及び参照プロモーターHMWG-Dx5及びCaMV D35S
の制御下にあるβ-グルクロニダーゼ活性の安定な発現を反映している。それぞ
れの植物のポピュレーションの活性の比較により、異なるプロモーターの個々の
強度がよくわかる。HMWG由来の、本発明のキメラプロモーターにより制御される
β-グルクロニダーゼ活性は、HMWG-Dx5プロモーターの制御下で測定されるもの
よりも、顕著に大きいが、CaMV D35S プロモーターの制御下にあるものよりもほ
ぼ5乃至10倍低い。異なるHMWGキメラプロモーターの中では、活性における顕著
な差異が観察されたが、プロモーターMPr1139は例外であり、これはわずかに活
性が低かった。温室に気候順応した後2、5、及び8週の発達段階における発光測
定(結果は示さない)は、β-グルクロニダーゼ活性は何れの植物においても経時
の増加は起さず、これは使用するプロモーターに関係しなかった。しかしながら
、11週の発達段階で最強のプロモーターはまた、発達のより初期(温室での気
候順応後2、5、及び8週)におけるβ-グルクロニダーゼ活性においても最も高い
ものを付与した。従って、11週の段階におけるプロモーターの格付けはまた、
タバコにおける他の段階にも適用される。
【0241】 このデータから、HMWG由来のキメラプロモーターは機能性であるが、タバコの
葉における安定な発現においては弱い活性しか示さないことが明らかである。本
発明者らは、活性化配列as-l及びas-2は、タバコの葉においてHMWG-Dx5プロモー
ターの活性を脱制御するが、HMWG-Dx5プロモーター配列に存在するシス作動性の
配列と、共同では強力な活性作用を付与しないと結論付ける。
【0242】 これらの結果と、一過性の発現実験において得られたものとの間の明らかな矛
盾を説明するため、二つの仮説を提案する: -HMWG由来のキメラプロモーターは、タバコの葉のバイオリスティック(biolist
ic)形質転換中における傷害及び/又はストレスにより誘導される; -安定なタバコ発現においては、HMWG由来のキメラプロモーターは、本質的に、
発達の何れの初期段階においても発現している。タバコのin vitroでの初代形質
転換体(小植物)について、再生段階において行った組織化学的試験は、HMWG由来
のキメラプロモーターのβ-グルクロニダーゼ活性が高いことを示した(結果は示
さない)。
【0243】 HMWG由来のキメラプロモーター、即ちMPr1130、MPr1131、MPr1135、MPr1138、
及びMPr1139は、タバコの葉での安定発現においては活性が弱いものの、例えば
植物の代謝における生合成の経路において関与する酵素の発現を制御するのに使
用できる。これらはまた、植物に抵抗性、例えば抗生物質や除草剤に対する抵抗
性を付与する遺伝子であって、選択剤として有益なものとして使用できる。
【0244】 7.5.2.タバコの種子における安定な発現 β-グルクロニダーゼ活性は、それぞれの構築物に対して独立に得られた初代
形質転換体の10乃至30個より取った、成熟したT1タバコの種子(形質転換
体当たり100mg)における発光測定により決定した。構築物についての活性は、植
物ごとに変動したが(図14参照)、これはポジショニング効果、及びゲノム中のト
ランス遺伝子のコピー数により説明がつく。
【0245】 この結果は、HMWG由来のキメラプロモーターは、β-グルクロニダーゼ活性を
タバコの種子において、少なくともCaMV D35Sプロモーターと同程度に促進する
ことを示している。実際に、このプロモーターは、以下のように分類できる: -プロモーターMPr1130、MPr1131、及びMPr11391(これらはβ-グルクロニダーゼ
活性を、CaMV D35Sプロモーターと同程度にまで促進する); -プロモーターMPr1135、及びMPr1138(これらは、CaMV D35Sプロモーターと比較
してタバコの種子において2倍活性である)。
【0246】 得られた結果は、以下のことを示している: -CaMV 35Sプロモーターの活性化配列as-l、及びas-2は、プロモーターMPr1135及
びMPr1138に見られる、「G様」ボックス及び「エンハンサ」配列のみを含むHMWG
由来のプロモーター配列において、重要なシス-活性化作用を付与する。従って
、CaMV35Sプロモーターの活性化配列as-l及びas-2は、HMWG-Dx5プロモーターに
存在するシス-作動性配列と共同で作用する。「G-様」ボックス及び「エンハン
サ」は、タバコの種子におけるこの組合せ制御において中心的な役割を演ずるも
のと考えられる。 -「G」ボックスの上流に位置するHMWG-Dx5プロモーターは、ヌクレオチド-378
から-238まで伸長するが、これはタバコの種子において、ネガティブなシス作動
性制御作用を、プロモーターMPr1130、MPr1131、及びMPr1139に付与する。 -CaMVプロモーターの活性化配列as-2の複製は、タバコの種子おいては、ポジテ
ィブな新規の付加効果を付与しない。実際に、MPr1131に対してのMPr1130におい
ても、MPr1138に対してのMPr1135においても、活性は一切異なっていない。 -「シリアル」ボックスは、タバコの種子において一切、新規の付加的シス作動
性作用を付与しないが、それは、プロモーターMPr1131及びMPr1139に対して得ら
れた結果が同じであるからである。
【0247】 プロモーターMPr1135及びMPr1138は、タバコの種子における安定発現において
は活性が高いが、これは双子葉植物、例えば農業経営的に興味有る植物等におけ
る異種タンパク質の発現を制御するのに強力なツールである。
【0248】 実施例8 EMWG-Dx5プロモーター(配列番号01)を含む、バイナリプラスミドpMRT1231で
あって、タバコの安定な形質転換に使用するものの構築 バイナリプラスミドpMRT1231は、pMRT1125由来の発現カセット「HMWG-Dx5(配
列番号01)/uidA-IV2/term-nos」を、バイナリプラスミドpMRT1195のHpaI制限部
位に挿入することにより得た。これは、仏国特許出願FR9911112(公開予定)に
記載されるが、この関連する節を参照することにより本願に組み込む。
【0249】 これを行うために、7μgのプラスミドpMRT1125を、連続してEcoRI及びXmnIで
1h、37°Cで消化した。次に「Concert Rapid Gel Extraction System」キット
を使用して発現カセットを0.7%アガロースゲルで分離し、そしてそれぞれ60ナノ
モルのdNTP、12μlのMgCl2 (500 mM)、及び6μlのDTT(1M)の存在下に、20単位の
クレノー断片(New England Biolabs)に30分間、37°Cで処理した。
【0250】 平行して、5μgのバイナリープラスミドpMRT1195を、HpaIで1h、37°Cで消化
した。線形化したベクター断片を、3バッファーの存在下に、40単位のウシ腸ア
ルカリホスファターゼ(New England Biolabs)に、37°Cで1時間処理した。
【0251】 ライゲーションは、100ngの発現カセット及び上記で得られた10ngのpMRT1195
プラスミドを、上述の「GeneAmp PCR System 9700」サーモサイクラーにおいて
、連続してPCRサイクルにかけて行った。予め調製しておいたコンピテント大
腸菌DH5αを、ライゲーション反応混合物の全てでもって形質転換した。得られ
たクローンのプラスミドDNAを、カナマイシン(50mg/l)で補充したLB培地上で選
択し、アルカリ法により抽出し、酵素消化により分析した。
【0252】 得られたプラスミドは、pMRT1231と命名したが、これを次に実施例4のセクシ
ョン4.1に記載されるようにして、アグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA44
04-pSB1株にツランスファーしたが、この株は、A1177株を得るために最近文献に
公表されたプロトコールにより、プラスミドpSB1を組み込んだ後のアグロバクテ
リウム・ツメファシエンスLBA4404に由来するものである。これは、仏国特許出
願FR9911112(公開予定)に記載されているが、この文献の関連する節を参照す
ることにより本願に組み込む。得られたクローンのプラスミドDNAは、リファン
ピシリン(50mg/l)、カナマイシン(50mg/l)、及びテトラサイクリン(5mg/l
)で補充した2YT培地上で選択し、アルカリ法(リゾチーム(25mg/ml)を細胞再懸
濁緩衝液に添加することで改変されたもの)により抽出した。得られたプラスミ
ドDNAを酵素消化で分析し、そして得られたアグロバクテリアをA1231と命名した
【0253】 タバコの安定な遺伝的形質転換は、実施例7のセクション7.2に記載してある
ようにして実施したが、但し、再生及び発達用の培地に使用した選択剤は、グル
フォシナート(それぞれ0,5、及び2mg/l)であった。
【0254】 実施例9 プロモーターMPr1131、MPr1200、及び512ガンマ-ゼインを含み、トウモロコシ
の安定な遺伝的形質転換に使用されるバイナリプラスミドの構築 9.1.バイナリプラスミドpMRT1263の構築 バイナリプラスミドpMRT1263は、発現カセット「MPr1131(配列番号06)/uidA-I
V2/term-nos」を、バイナリプラスミドpMRT1195のHpaI制限部位に挿入すること
により得た。これは、仏国特許出願FR9911112(未公開)に記載されるが、この
関連する節を参照することにより本願に組み込む。挿入は、実施例5と同様にし
たが、但し発現カセットは、プラスミドpMRT1131より単離したものであり、こ
れは実施例3のセクションに記載されている。
【0255】 得られるプラスミドをpMRT1263と命名し、実施例5のセクション5.1に記載さ
れるプロトコールにより、これをアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA440
4-pSB1へトランスファーした。得られたアグロバクテリアクローンは、A1263と
命名した。
【0256】 9.2バイナリープラスミドpMRT1266の構築 バイナリプラスミドpMRT1266は、発現カセット「MPr1200(配列番号19)/uidA-I
V2/term-nos」を、バイナリプラスミドpMRT1195のHpaI制限部位へ挿入して得た
。これは仏国特許出願FR9911112(未公開)に記載されていて、この関連する節
のテキストを参照することにより本願に組み込む。挿入は、実施例5に記載して
あるようにして行ったが、但し、発現カセットはプラスミドpMRT1200(実施例3
のセクション3.10に記載)であった。
【0257】 得られたプラスミドをpMRT1266と命名し、そしてアグロバクテリウム・ツメフ
ァシエンスLBA4404-pSB1株へ、実施例5のセクション5.1に記載のプロトコール
に準じてトランスファーした。得られたこのアグロバクテリアクローンをA1266
と命名した。
【0258】 9.3バイナリプラスミドpMRT1209の構築 トウモロコシの胚乳SN87165(L2)における安定発現の参照プロモーター配列を
得るため、プロモーター512ガンマ-ゼイン及びnosターミネータ(Marzabal et a
l.(1998)に記載の、526ガンマ-ゼインプラスミドに含まれる)の制御下にあるui
dA遺伝子を、バイナリプラスミドpMRT1195へ、実施例5に記載されるようにして
挿入したが、但し、発現カセットは、526ガンマ-ゼインプラスミドから単離した
ものとした。
【0259】 得られたプラスミドpMRT1209を、実施例5のセクション5.1のプロトコールに
準じてアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA4404-pSB1株へトランスファー
した。得られたこのアグロバクテリアのクローンは、A1209と命名した。
【0260】 [参考文献]
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従った合成的且つキメラプロモーター構築物を模
式的に表す図である。図1において、それらはコムギから由来し高分子量コムギ
グルテニンをコードする、Dx5遺伝子から由来するプロモーター全体から開始
する一連の欠失を含む構築物、並びに「G様」ボックスと組み合わせた「エンハ
ンサー」ボックスを含むエレメントの繰り返しを含む一連の構築物である。
【図2】 図2は、組み合わせた「as2/as1」ボックスを含む調節及び
/または機能的エレメントの挿入を含む、本発明に従った他の合成的且つキメラ
プロモーターの構築物を模式的に表す図である。
【図3】 図3は、組み合わせた「as2/as2/as1」ボックスを含む
調節及び/または機能的エレメントの挿入を含む、本発明に従った他の合成的且
つキメラプロモーターの構築物を模式的に表す図である。
【図4】 図4は、高分子量コムギグルテニンをコードするBx7遺伝子から
由来する組み合わせた「シリアル」ボックス単独、若しくは「as2/as1」
ボックスと組み合わせたものを含む調節及び/または機能的エレメントの挿入を
含み、「GCリッチ」ボックスを含む、本発明に従った他の合成的且つキメラプ
ロモーターの構築物を模式的に表す図である。
【図5】 図5は、GUS(ベータ−グルクロニダーゼ)をコードする遺伝子
に機能的に連結した上述のプロモーター若しくはプロモーター核酸配列を含むベ
クターでトランスフォームされ、組織化学的検出の後、上記構築物でトランスフ
ォームされた細胞の存在、つまり該プロモーターの化成を示す青色のドットを含
む、タバコの葉の写真を表す。
【図6】 図6は、トウモロクシ胚乳での一過的発現の後の各種の構築物につ
いてのプロモーター活性を比較するグラフである。遺伝子銃処理の3日後、胚乳
をすりつぶし、粗抽出物を遠心分離によって透明にする。β−グルクロニダーゼ
活性及びルシフェラーゼ活性を、等量の粗抽出物に対して蛍光計によって測定し
、次いでGUS活性/LUC活性比を測定する。棒グラフは、同じ構築物につい
ての比の平均+/−平均の標準誤差(SEM)に対応する。
【図7】 図7は、図6の続きであり、トウモロクシ胚乳での一過的発現の後
の各種の構築物についてのプロモーター活性を比較するグラフである。
【図8】 図8は、授粉後30日(30DAP)での、トウモロコシ胚乳中で
の安定な発現における512ガンマ−ゼインプロモーターの活性に対する、MP
r1139、MPr1200及びMPr1131のプロモーター活性を比較する
グラフを表す。β−グルクロニダーゼ活性及びタンパク質の全量を、蛍光計及び
分光計によってそれぞれ測定した。棒グラフは、各植物の種子毎に測定されたG
US活性/全タンパク質の平均の比+/−標準誤差に対応する。各トランスフォ
ーマントの名前が示されている。
【図9】 図9は、トウモロコシ胚乳において安定に発現するプロモーターM
Pr1139によって制御された一過的β−グルクロニダーゼ活性を表す。β−
グルクロニダーゼ活性及び全タンパク質の量を、蛍光計及び分光計によって測定
した。棒グラフは、異なる段階の発達で植物151.Clについての種子毎で測
定されたGUS活性/全タンパク質の平均比+/−標準誤差に対応する。
【図10】 図10は、トウモロコシ胚乳の写真を表す。図10aは、13D
APでのトウモロコシ種子の縦軸切片を表し、図10bは、20DAPでのトウ
モロコシ種子の縦軸切片を表し、図10cは、切断されたトウモロコシ種子の先
端面である。全て、組織化学的染色によって顕視化された、トウモロコシ種子に
おいて安定に発現するプロモーターMPr1139の制御の下にあるβ−グルク
ロニダーゼ活性を表し、記号は以下のものを示す:E(胚);Em(胚乳);A
C(アリューロン細胞);P(果皮)。
【図11】 図11は、授粉後18日(18DAP)での、第二世代トランス
ジェニックトウモロコシ種子(T2)の活性に対して、第一世代トウモロコシ種
子(T1)におけるMPr1139のプロモーター活性を比較したグラフを表す
。β−グルクロニダーゼ活性及び全タンパク質の量を、それぞれ蛍光計及び分光
計で測定した。棒グラフは、各植物についての種子毎で測定されたGUS活性/
全タンパク質の平均比+/−標準誤差に対応する。各トランスフォーマントの名
前が示されている。
【図12】 図12は、グリーンハウスにおける順応の3週間後の、トウモロ
コシ葉の安定に発現している512ガンマ−ゼインプロモーターの活性に対して
、MPr1139、MPr1200及びMPr1131のプロモーター活性を比
較するグラフを表す。β−グルクロニダーゼ活性及び全タンパク質の量を、それ
ぞれ蛍光計及び分光計で測定した。棒グラフは、異なるトウモロコシ葉の葉にお
いて測定されたGUS活性/全タンパク質の比に対応する。各トランスフォーマ
ントの名前が示されている。
【図13】 図13は、グリーンハウスにおける順応の11週間の段階での、
タバコ葉の安定に発現している参考プロモーターCaMVD35S及びHMWG
−Dx5の活性に対して、MPr1130、MPr1131、MPr1135及
びMPr1138のプロモーター活性を比較するグラフを表す。β−グルクロニ
ダーゼ活性及び全タンパク質の量を、それぞれ蛍光計及び分光計で測定した。棒
グラフは、異なるタバコ植物の葉において測定されたGUS活性/全タンパク質
の比に対応する。
【図14】 図14は、成熟第一世代タバコ種子において安定に発現する、参
考プロモーターCaMVD35Sの活性に対して、MPr1130、MPr11
31、MPr1135、MPr1138及びMPr1139のプロモーター活性
を比較するグラフを表す。β−グルクロニダーゼ活性及び全タンパク質の量を、
それぞれ蛍光計及び分光計で測定した。棒グラフは、異なるタバコ植物の種子に
おいて測定されたGUS活性/全タンパク質の比に対応する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 5/00 C B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 マンフレット・テイセン フランス・F−63400・シャマリエール・ リュ・デ・ローゼラエ・1 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CA06 CA17 CA19 CB03 CD03 CD07 CD09 4B024 AA08 BA79 CA01 DA01 FA02 FA06 FA07 4B065 AA88X AA88Y AB01 AB03 CA24 CA41 CA53

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する
    少なくとも一つの核酸配列を含む発現のキメラプロモーター。
  2. 【請求項2】 高分子量コムギグルテニンをコードするコムギDx5もしく
    はBx7から由来する少なくとも一つの核酸配列を含むことを特徴とする、請求
    項1記載のキメラプロモーター。
  3. 【請求項3】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する
    少なくとも一つの核酸配列を含み、該配列が配列番号01のナンバーの下で同定
    されることを特徴とする、請求項1記載のキメラプロモーター。
  4. 【請求項4】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する
    核酸配列が、配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号05、配列
    番号06、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号10、配列番
    号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号
    18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22のナンバー
    の下で同定される配列よりなる群から選択される配列より成ることを特徴とする
    、請求項1記載のキメラプロモーター。
  5. 【請求項5】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来する
    核酸配列を含み、該配列が3’位置で「TATA」ボックスと転写開始部位(+
    1)を含むことを特徴とする発現のキメラプロモーター。
  6. 【請求項6】 「TATA」ボックスと転写開始部位(+1)の上流の5’
    位置で機能的に連結した少なくとも一つの「エンハンサー」ボックスを含むこと
    を特徴とする、請求項5記載の発現のキメラプロモーター。
  7. 【請求項7】 「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機能的に連結
    した少なくとも一つの「G様」ボックスを含むことを特徴とする、請求項6記載
    の発現のキメラプロモーター。
  8. 【請求項8】 「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機能的に連結
    した少なくとも一つの「P様」ボックスを含むことを特徴とする、請求項6また
    は7記載の発現のキメラプロモーター。
  9. 【請求項9】 少なくとも「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機
    能的に連結した少なくとも一つの「GATA」ボックスを含むことを特徴とする
    、請求項6から8のいずれか一項記載の発現のキメラプロモーター。
  10. 【請求項10】 「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機能的に連
    結した少なくとも一つのシリアルボックスを含むことを特徴とする、請求項6か
    ら9のいずれか一項記載の発現のキメラプロモーター。
  11. 【請求項11】 「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機能的に連
    結した二つの連続的な「シリアル」ボックスを含むことを特徴とする、請求項6
    記載のキメラプロモーター。
  12. 【請求項12】 転写開始部位の上流の5’位置で機能的に連結した、少な
    くとも一つの「as1」ボックス、もしくは少なくとも一つの「as2」ボック
    ス、またはボックスの組み合わせである「as1/as2」もしくは「as2/
    as1」、またはこれらの繰り返し順列を含むことを特徴とする、請求項5記載
    のキメラプロモーター。
  13. 【請求項13】 「as1」、「as2」、「as1/as2」もしくは「
    as2/as1」ボックス、またはこれらの繰り返し順列が、エンハンサーボッ
    クスの下流の3’位置で機能的に連結していることを特徴とする、請求項12記
    載のキメラプロモーター。
  14. 【請求項14】 「エンハンサー」ボックスの上流に機能的に連結した二つ
    の「シリアル」ボックスを含むことを特徴とする、請求項6から14のいずれか
    一項記載のキメラプロモーター。
  15. 【請求項15】 「エンハンサー」ボックスの上流の5’位置で機能的に連
    結した二つの「シリアル」ボックスを含み、「エンハンサー」ボックス自体は「
    as2/as1」ボックスの上流の5’位置で機能的に連結していることを特徴
    とする、請求項6から14のいずれか一項記載のキメラプロモーター。
  16. 【請求項16】 逆の配向及び/または転写開始部位の3’位置での下流で
    機能的に連結した、「エンハンサー」ボックス、「G様」ボックス、「P様」ボ
    ックス、「GATA」ボックス、「シリアル」ボックス、「as1」ボックス、
    「as2」ボックス、及び/または「as1/as2」ボックス若しくは「as
    2/as1」ボックスといった任意に繰り返されるボックスの組み合わせ、並び
    に「GCリッチ」ボックスより成る群から選択される少なくとも一つのエレメン
    トを含むことを特徴とする、請求項5から15のいずれか一項記載のキメラプロ
    モーター。
  17. 【請求項17】 配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号0
    5、配列番号06、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号10
    、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、
    配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22よ
    り成る群から選択される少なくとも一つの核酸配列を含むことを特徴とする、請
    求項6から16のいずれか一項記載のキメラプロモーター。
  18. 【請求項18】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来し
    、それ自体転写終結核酸配列に連結した生産されるポリペプチドをコードする発
    現される核酸配列に機能的な態様で連結している、少なくとも一つの核酸配列を
    含む発現カセット。
  19. 【請求項19】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来す
    る少なくとも一つのプロモーター核酸配列を含み、該配列は配列番号01のナン
    バーの下で同定されることを特徴とする、請求項18記載の発現カセット。
  20. 【請求項20】 高分子量コムギグルテニンをコードする遺伝子から由来す
    る核酸配列が、配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号05、配
    列番号06、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号10、配列
    番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番
    号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22のナンバ
    ーの下で同定される配列よりなる群から選択される少なくとも一つの核酸配列よ
    り成ることを特徴とする、請求項18記載の発現カセット。
  21. 【請求項21】 配列番号01のナンバーの下で同定される配列から由来す
    る配列に相当することを特徴とする、単離されたプロモーター核酸配列。
  22. 【請求項22】 配列番号02、配列番号03、配列番号04、配列番号0
    5、配列番号06、配列番号07、配列番号08、配列番号09、配列番号10
    、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、
    配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22の
    ナンバーの下で同定される配列よりなる群から選択される配列に相当することを
    特徴とする、単離されたプロモーター核酸配列。
  23. 【請求項23】 プロモーターもしくはプロモーター核酸配列が、請求項1
    から17または21または22のいずれか一項記載のプロモーターもしくはプロ
    モーター核酸配列に対応することを特徴とする、生産されるポリペプチドをコー
    ドする核酸配列の転写を開始可能である、プロモーターもしくはプロモーター核
    酸配列を含むベクター。
  24. 【請求項24】 pMRT1207,pMRT1177,pMRT1178
    ,pMRT1179,pMRT1180及びpMRT1181のナンバーの下で
    同定されるバイナリーベクターよりなる群から選択されることを特徴とする、請
    求項23記載のベクター。
  25. 【請求項25】 ゲノム内に、請求項1から17または21または22のい
    ずれか一項記載の少なくとも一つのプロモーターもしくは少なくとも一つのプロ
    モーター核酸配列を安定に挿入している、トランスジェニック植物。
  26. 【請求項26】 ジャガイモ、タバコ、綿花、レタス、トマト、メロン、キ
    ュウリ、マメ、アブラナ、ビートの食用根、若しくはヒマワリのような双子葉植
    物種、またはコムギ、オオムギ、オートムギ、コメ、若しくはトウモロコシのよ
    うな単子葉植物種から選択される、請求項25記載のトランスジェニック植物。
  27. 【請求項27】 請求項25または26記載のトランスジェニク植物の繁殖
    体。
  28. 【請求項28】 種子であることを特徴とする、請求項27記載のトランス
    ジェニック植物の繁殖体。
  29. 【請求項29】 請求項1から17もしくは21もしくは22のいずれか一
    項記載のプロモーターもしくはプロモーター核酸配列のそれぞれを含む細胞。
  30. 【請求項30】 植物細胞であることを特徴とする、請求項29記載の細胞
  31. 【請求項31】 以下の工程: − 請求項1から17または21及び22のいずれか一項記載の少なくとも一つ
    のプロモーター若しくは少なくとも一つのプロモーター核酸配列を含むベクター
    で細胞をトランスフォームする工程; − ポリペプチドをコードする核酸配列若しくは遺伝子の発現を許容する条件下
    で該細胞の培養物を調製する工程; を含むことを特徴とする、細胞中で生産されるポリペプチドをコードする核酸配
    列若しくは遺伝子を発現するための方法
  32. 【請求項32】 該細胞が原核生物若しくは真核生物細胞であることを特徴
    とする、請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 該細胞が、微生物細胞、真菌細胞、昆虫細胞、動物細胞、
    及び植物細胞よりなる群から選択される細胞であることを特徴とする、請求項3
    1または32記載の方法。
  34. 【請求項34】 該細胞が植物細胞であることを特徴とする、請求項31か
    ら33のいずれか一項記載の方法。
  35. 【請求項35】 以下の工程: − 請求項1から17または21または22のいずれか一項記載の少なくとも一
    つのプロモーター若しくは少なくとも一つのプロモーター核酸配列を含むベクタ
    ーで植物細胞をトランスフォームする工程; − 該プロモーター若しくはプロモーター核酸配列を挿入した植物細胞を選択す
    る工程; − 培養物中で、またはキメラ若しくはトランスジェニック植物全体を再生する
    ことによってのいずれかで、トランスフォームされ選択された植物細胞を増殖す
    る工程; を含むことを特徴とする、請求項31から33のいずれか一項記載の方法
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