JP2001510036A - 強い早期種子特異的遺伝子制御領域 - Google Patents

強い早期種子特異的遺伝子制御領域

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JP2001510036A JP2000503189A JP2000503189A JP2001510036A JP 2001510036 A JP2001510036 A JP 2001510036A JP 2000503189 A JP2000503189 A JP 2000503189A JP 2000503189 A JP2000503189 A JP 2000503189A JP 2001510036 A JP2001510036 A JP 2001510036A
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ブラウン、ピエール
サマービル、クリス
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カーネギー インスチチューション オブ ワシントン
モンサント カンパニー,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 種子、特に胚細胞中での、外来または内因性遺伝子の発現を制御または修飾するために、早期種子特異的転写を提供する核酸配列およびその使用方法を説明する。該方法が、種子組織での脂肪酸生成を修飾することに結びついて特に有用であることがわかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (政府の権利) 本明細書に記載の発明は、米国エネルギー省の補助金DE−FG02−94E
R20133による研究の過程でなされたものである。従って米国政府は、本発
明に一定の権利を有する。
【0002】 (緒言) 1.技術分野 隣接するヌクレオチド配列の早期種子特異的転写を促進する、ヌクレオチド配
列を含む転写制御領域が提供される。
【0003】 2.背景 成長する種子にのみ発現されるか、または他のタイプの臓器もしくは組織より
はるかに高レベルで、成長する種子中で発現される多くの遺伝子が知られている
。本明細書の目的において、「遺伝子発現」は特定の遺伝子に対応するmRNA
の合成を意味する。すなわち、遺伝子発現の量は一般に転写速度を意味するかま
たはmRNAの合成速度を意味する。便宜上本発明の文脈において、我々は、m
RNA蓄積の定常状態レベルの差は、mRNAの合成速度の差を反映すると大ま
かに仮定した。ある場合にはmRNAの定常状態レベルの変化は、mRNA分解
速度の変化により引き起こされることは理解されている。しかし、本明細書で教
示されるプロモーター配列の操作は、一般的にmRNA分解速度に影響を与える
可能性は低いと考えられる。
【0004】 種子特異的遺伝子発現に関する知見の多くは、貯蔵タンパク質をコードする遺
伝子の研究から得られている(ビーバン(Bevan)らの総説、1993年)。例 えば、トランスジェニック植物中で大豆コングリシニン(conglycinin)プロモ ーターにより胚特異的発現を付与するDNA配列が、同定されている(チェン(
Chen)ら、1988年)。同様に貯蔵タンパク質ナピン(napin)は、ブラシカ ・ナプス・エル(Brassica napus L.)(脂肪種子ナタネ)の種子の主要成分の 1つである。ナピンプロモーターからの152塩基対断片は、成熟したタバコ種
子中のβ−グルクロニダーゼレポーター遺伝子の強い発現を指令した(スタルバ
ーグ(Stalberg)ら、1996年)。すなわち、貯蔵タンパク質の強い種子特異
的発現を指令する配列は、遠縁の植物種の間で保存されている。ナピンプロモー
ターは、新規脂肪酸を産生するように設計されたトランスジェニック植物中の遺
伝子の発現を調節するために使用されている(例えば、ヴェールカー(Voelker )ら、1996年)。しかし貯蔵脂質の蓄積は実質的に、ナピンまたは他の貯蔵
タンパク質遺伝子が最大の発現レベルに達する前に始まり(ポスト−ベイテンミ
ラー(Post-Beittenmillar)ら、1992年)、貯蔵タンパク質遺伝子のプロモ
ーターは、貯蔵脂質蓄積に関連する遺伝子の発現を調節するのに好適ではないこ
とがある。
【0005】 本発明において、種子脂質組成の修飾を目指した遺伝子の発現または他の応用
についての好適な制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、サイレンサ
ー)は、種子貯蔵脂質の合成と蓄積に関与する酵素をコードする遺伝子と同様の
または同一の、発現の時間的および組織特異的パターンを有する遺伝子から得ら
れるであろう。しかし最近まで、脂質代謝に関与し種子特異的に発現される遺伝
子は、あまり知られていない。アブラナ科(Crucifer)のレスケレラ・フェンド
レリ(Lesquerella fendleri)からのカッパヒドロキシラーゼは、このクラスの
遺伝子の最初の例の1つである。本発明のプロモーターは普通、エル・フェンド
レリ(L. fendleri)からのカッパヒドロキシラーゼの発現を調節する。カッパ ヒドロキシラーゼは、小胞体中に存在し、そこでリン脂質のsn−2位に結合し
た脂肪酸中へのヒドロキシル基の導入を触媒すると考えられている。水酸化脂肪
酸はエル・フェンドレリ(L. fendleri)の種子貯蔵脂質中に豊富に存在するが 他の臓器や組織中では検出できる程度に存在しないため、この遺伝子は種子中で
のみ多量に発現される可能性が高い。エル・フェンドレリ(L. fendleri)から のカッパヒドロキシラーゼの単離は、米国特許出願第08/530,862号と
08/597,313号、およびPCT/US97/02187中に記載された
。カッパヒドロキシラーゼのmRNAは種子中に豊富にあるが、栄養組織中では
検出されないことを示す証拠が提供された。ここで我々は、エル・フェンドレリ
(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼのコード配列から5’方向の制御領域 は、エル・フェンドレリ(L. fendleri)以外の植物種の種子特異的プロモータ ーとして有用なことを証明する。我々はまた、カッパヒドロキシラーゼ以外の遺
伝子の早期種子特異的発現(すなわち、異種遺伝子発現)を引き起こすのに、こ
の制御領域が使用できることも示す。本明細書に記載の所望の性質を有する制御
領域はまた、親出願中で開示されたように単離され同定された他の植物の脂肪酸
アシルヒドロキシラーゼ遺伝子の上流にあるべきである。
【0006】 (発明の要約) 本発明の目的は、遺伝子産物の種子特異的発現を示すトランスジェニック植物
で使用するための転写制御領域を提供することである。
【0007】 本発明のさらなる目的は、成長している種子中の遺伝子産物の早期レベルの発
現を示すトランスジェニック植物で使用するための転写制御領域を提供すること
である。
【0008】 本発明のさらに別の目的は、遺伝子産物の高レベル発現を示すトランスジェニ
ック植物で使用するための転写制御領域を提供することである。
【0009】 植物脂肪酸アシルヒドロキシラーゼ遺伝子からの転写制御領域(例えば、プロ
モーター、エンハンサー、サイレンサー)を含む、単離された核酸(例えば、D
NA、RNA、cDNA、cRNA)が提供される。好ましくは植物遺伝子はカ
ッパヒドロキシラーゼ遺伝子であり、さらに好ましくはカッパヒドロキシラーゼ
遺伝子はレスケレラ(Lesquerella)由来である。制御領域は配列番号1からの ヌクレオチド配列を含有してもよい。制御領域は、約500ヌクレオチド〜約2
000ヌクレオチドを含み、高レベルで、成長の初期段階で、種子特異的に、ま
たはこれらの組合せで、発現を指令することができる。単離された核酸はさらに
、天然の脂肪酸アシルヒドロキシラーゼをコードする配列を含有してもよい。
【0010】 上記の単離された核酸と転写されるように機能的に結合した非天然の配列とか
らなる組換え核酸(例えば、DNA、RNA、cDNA、cRNA)が提供され
る。この配列は制御領域が得られるものと同じ植物種から、または異なる種もし
くは属からでもよく、配列は細菌、真菌、または哺乳動物遺伝子からでもよい。
好ましくは、配列は植物遺伝子由来であり、特に種子の脂質代謝または種子の成
長に関与するものである。配列は、転写に対してセンスまたはアンチセンス方向
でもよい。
【0011】 植物細胞を操作して早期および/または種子特異的転写を与えるために使用さ
れる発現作製体(例えば、DNA、RNA、cDNA、cRNA)が提供される
。特に脂肪酸アシルヒドロキシラーゼをコードする遺伝子からの転写制御領域は
、天然または同族遺伝子以外に機能的に結合しており、早期および/または種子
特異的転写を与えるようにゲノム内に組み込むために植物細胞宿主中に導入され
る。構築物は、内因性産物の発現の調節ならびに種子中の外因性産物の産生を提
供する。
【0012】 上記の組み込まれたかまたは組み込まれていない核酸、組換え核酸、または発
現構築物を含有する形質転換した宿主細胞、トランスジェニック植物、およびト
ランスジェニック種子が提供される。宿主細胞は、細菌、真菌、植物、動物、ま
たは類似の起源のものでよい。トランスジェニック植物は、早期種子種遺伝子発
現が好ましいアラビドプシス(Arabidopsis)、ブラシカ(Brassica)、綿花、 大豆、ベニバナ、ヒマワリ、タバコ、亜麻、落花生、または他の双子葉植物でも
よい。本発明の制御領域はまた、単子葉植物(例えば、コムギ、トウモロコシ、
コメなど)の遺伝子の種子特異的発現を調節するのに有用である。トランスジェ
ニック種子は、同様の植物種から得られる。トランスジェニック種子から、油状
物を圧縮するか、抽出するか、または他の物質(例えば、タンパク質、炭水化物
、ポリアルカノン酸塩、または二次的代謝物)を抽出する。
【0013】 トランスジェニック植物または種子を産生するために、その使用法の説明書と
ともに、前記の核酸、組換え核酸、発現構築物、宿主細胞、またはこれらの組合
せを含有するキットも提供される。
【0014】 (発明の詳細な記述) 本発明において、種子特に種子成熟中の胚中の転写の修飾を可能にする発現構
築物が提供される。この発現構築物は、種子形成、好ましくは胚形成と種子成熟
と関連する、制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー)
を含む。
【0015】 種子中で新規機能または産物を提供するために、カッパヒドロキシラーゼ制御
領域の下流かつその転写制御下に、内因性産物を、量、相対分布、タイミングな
どに関して、または外因性発現産物の産生を、調節することにより、種子の表現
型を修飾する目的の配列がある。この構築物は好ましくは、遺伝子が導入される
発現カセットを提供するように、ポリアデニル化および/または停止領域を提供
する。
【0016】 転写開始および停止領域は、遺伝子を制御領域の転写制御下に挿入するための
1つまたは複数の制限部位を有するリンカーまたはポリリンカーにより、転写の
方向で分離して提供することが便利である。通常リンカーは、1〜10個、さら
に一般的には約1〜8個、好ましくは約2〜6個の制限部位を有する。一般にリ
ンカーは、100塩基対未満であり、しばしば60塩基対未満であり、かつ一般
に少なくとも約5塩基対である。核酸増幅により生成される挿入体について、こ
の挿入体は、例えば制限酵素消化、直接の平滑末端連結、連結非依存性クローニ
ング(LIC)、およびチミジン残基の単一の3’−オーバーハングへの連結(
米国特許第5,487,993号)のような技術により、制御領域に連結しうる
【0017】 本発明の転写制御領域は、宿主に対して外来または異種であってもよい。外来
とは、制御領域が導入される宿主中にその制御領域が見いだされないことを意味
する。特に関係のあるものは、種子特異的カッパヒドロキシラーゼ遺伝子、特に
エル・フェンドレリ(L. fendleri)のものに関連する転写制御領域である。
【0018】 転写制御領域は種子の表現型を変化させるのに使用される。表現型の種々の変
化が関係する。これらには、種子中の脂肪酸組成の修飾、すなわち長さ、不飽和
度、水酸化、エポキシ化などについての種々の脂肪酸の比および/または量の変
化を含む。すなわち脂肪酸組成は、脂肪酸を修飾する酵素を導入して、宿主植物
中には通常見いだされない脂肪酸を産生することにより変化させることができる
。また本発明のプロモーターを使用して、それ自体が直接有用なタンパク質、例
えば工業的用途の触媒性を有するタンパク質を産生することも好ましい。あるい
は、植物以外の供給源(例えば、哺乳動物、真菌、始原細菌、およびユーバクテ
リア)からの種々の産物を提供してもよい。実際本発明の転写制御領域は、一般
に植物宿主の種子中の目的のタンパク質を産生するのに使用される。
【0019】 発現カセットは、5’→3’方向の転写、転写開始領域、目的のヌクレオチド
配列、および植物中で機能する転写停止領域を含有してもよい。多くの(しかし
すべてではない)場合、発現カセットはまた、翻訳開始および停止配列(すなわ
ち、転写/翻訳カセット)を含む。1つまたはそれ以上のイントロンも存在して
もよい。
【0020】 ヌクレオチド配列は通常、目的のペプチド(例えば酵素)の少なくとも1部を
コードする読みとり枠、またはゲノム配列に相補的な配列(例えばアンチセンス
)を有し、ここでゲノム配列は、読みとり枠、イントロン、非コードリーダー配
列、または他の配列でもよく、相補的な配列は、転写、メッセンジャーRNAプ
ロセシング(例えば、スプライシング)、または翻訳を阻害するであろう。目的
のヌクレオチド配列は、合成されたもの、天然に由来するもの、またはこの組合
せでもよい。核酸は、天然の供給源(例えば、細菌)、鋳型とポリメラーゼ(D
NA、cDNAまたはcRNAを産生する)の反応混合物から精製されるか、ま
たは化学合成される。
【0021】 発現カセットの調製において、種々のヌクレオチド断片を操作して、正しい配
向かつ適宜正しい読みとり枠で、ヌクレオチド配列が提供される。この目的のた
めに、アダプターまたはリンカーを使用してヌクレオチド断片を結合するか、ま
たは他の操作を使用して、便利な制限部位の付与、余分なヌクレオチドの除去、
制限部位の除去などを提供する。この目的のために、インビトロの突然変異誘発
、プライマー修復、制限切断、アニーリング、切断、連結などが使用され、挿入
、欠失、反転、または置換(例えば、転移、トランスバージョン)などが関与し
てもよい。
【0022】 停止領域は比較的相互に交換可能であるらしいため、使用される停止領域は主
に便利さにより選択されるであろう。停止領域は、転写開始領域と起源が同じで
あるか、目的のヌクレオチド配列と起源が同じであるか、または別の供給源から
得られてもよい。便利な停止領域は、エー・ツメファシエンス(A. tumefaciens
)のTi−プラスミドから得られ、例えばオクトピンシンターゼおよびノパリン
サンターゼ停止領域がある。
【0023】 本発明の核酸と構築物は、外来宿主中の構築物の増殖と選択を可能にする配列
をさらに含んでよい。場合により、核酸または構築物中に複製と選択マーカーの
起源が含まれる。複製開始点は好ましくは、微生物(例えば、細菌、真菌)から
得られるが、DNAまたはRNAウイルスから得られてもよい。選択マーカーは
、原核生物および/または真核生物中で機能し、抗生物質(例えば、アンピシリ
ン、ヒグロマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、プロマイシン(puromycin )、テトラサイクリンなど)に対する耐性を付与する。
【0024】 適当な操作(例えば、制限切断、平滑末端を与えるためのオーバーハングの後
方消化または充填、リンカーの連結など)により、結合および連結のための断片
の相補的な末端またはフラッシュ末端を提供することができる。
【0025】 種々の工程の実施において、クローニングを使用して、DNA量を増幅しDN
Aを解析して、遺伝子操作が正しく起きたことを確認する。広範なクローニング
ベクターが使用でき、ここでクローニングベクターは、大腸菌(E. coli)中で 機能性の複製系および形質転換細胞の選択を可能にするマーカーを含む。ベクタ
ーの例としては、pBR332、pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pAC
YC184などがある。すなわち配列は、適当な制限部位でベクター中に挿入さ
れ、得られるプラスミドは大腸菌(E. coli)宿主を形質転換するのに使用され 、大腸菌(E. coli)は適当な栄養培地中で培養し、細胞を採取し溶解し、プラ スミドを回収する。解析には、配列解析、制限解析、発現の誘導、電気泳動など
を含んでよい。各操作後、最終構築物中で使用されるDNA配列を制限切断し、
次の配列に結合させ、ここで各部分作製体は、同じかまたは異なるプラスミド中
でクローン化してもよい。
【0026】 宿主植物中への転写構築物の導入法に依存して、他のヌクレオチド配列が必要
な場合がある。例えば後述のように植物細胞の形質転換のためにTi−またはR
i−プラスミドを使用する時、Ti−およびRi−プラスミドのT−DNAの少
なくとも右の境界そしてしばしば右と左の両方の境界を、フランキング領域とし
て転写構築物に結合させる。植物細胞の形質転換のためのT−DNAの使用は広
範に研究されており、フラレイ(Fraley)ら(1986年)とリンゼイ(Lindse
y)(1996年)に詳細に記載されている。
【0027】 植物細胞宿主への核酸の導入のために、多様な方法が利用できる。これらの方
法には、形質転換物質としてエー・ツメファシエンス(A. tumefaciens)または
エー・リゾゲネス(A. rhizogenes)を用いるTi−DNAによる形質転換、プ ロトプラスト融合、注入、電気穿孔などがある(リンゼイ(Lindsey)(199 6年)の総説)。アロバクテリウム(Arobacterium)を用いる形質転換について
、Ti−プラスミド(特にT−DNA)と相補的なDNAを含有するプラスミド
を大腸菌(E. coli)中で調製する。プラスミドはアロバクテリウム(Arobacter
ium)中で複製できるかまたは複製できず、すなわち部分的に、転写構築物がT i−プラスミド中に組み込まれるかまたは独立したプラスミド上に保持されるか
に依存して、広域スペクトルの原核生物複製系(例えば、RK290)を有する
かまたは有さない。ヘルパープラスミドを用いて、転写構築物はエー・ツメファ
シエンス(A. tumefaciens)に移され、得られる形質転換生物は植物細胞を形質
転換するために使用される。
【0028】 発現カセットを植物細胞に移すことを可能にするために、外植片をエー・ツメ
ファシエンス(A. tumefaciens)またはエー・リゾゲネス(A. rhizogenes)と ともに培養して、植物細胞を選択のための適当な選択培地に分散させ、培養して
カルスにし、苗条を増殖させ、根付け培地中で増殖させて苗条から苗木を再生さ
せることが便利である。アグロバクテリウム(Agrobacterium)宿主は、植物細 胞へのT−DNAの輸送に必要なvir遺伝子を有するプラスミドを含有し、T
−DNAを有することも有さないこともある。注入と電気穿孔法のために、無力
化したTi−プラスミド(腫瘍遺伝子が欠如している、特にT−DNA領域)を
使用して、植物細胞に遺伝子を導入してもよい。
【0029】 形質転換された細胞は植物まで増殖させ、同じ形質転換した株または異なる株
で授粉し、所望の表現型の特徴を有する得られるハイブリッドを同定する。2つ
またはそれ以上の世代を増殖させて、対象の表現型の特徴が安定に維持され遺伝
していることを確認し、次に種子を採取して所望の表現型または他の性質が達成
されていることを確認する。
【0030】 宿主細胞として、目的の種子を与える任意の植物品種が使用される。すなわち
多くの場合、目的の種子特異的産物が関与している植物が選択されるであろう。
具体的な目的の種子には、脂肪種子、例えばアラビドプシス(Arabidopsis)、 ブラシカ(Brassica)、綿花、大豆、ベニバナ、ヒマワリ、タバコ、亜麻、落花
生などがある。コムギ、トウモロコシ、コメなどの種の種子も関係がある。
【0031】 本発明のプロモーターを含むヌクレオチド配列は、2000を超えるヌクレオ
チドを含有する。他の植物のプロモーターの解析に基づくと、本発明のプロモー
ター中に含有される配列の実質的により小さい領域が、同様の性質を示す可能性
が高い。例えば前述のように、152塩基対断片は、ビー・ナプス(B. napus)
およびタバコ種子中のβ−グルクロニダーゼレポーター遺伝子の強い発現を指令
した(スタルバーグ(Stalberg)ら、1996年)。すなわち我々は、数百ヌク
レオチドまたはこれ以下の配列が、本明細書に開示した完全な配列と同じまたは
類似の性質を有することが見つかると考える。
【0032】 このサブ配列はスタルバーグ(Stalberg)ら(1996年)の研究、およびベ
ーバン(Bevan)ら(1993年)の総説で引用されたような他の研究に例示の 実験により同定される。最小プロモーター配列は、プロモーター配列からヌクレ
オチドを連続的に除去(例えば末端切断)し、修飾したプロモーターの活性を天
然のプロモーターの活性を比較することにより、確認することができる。さらに
リンカー走査または飽和突然変異誘発を使用して、修飾プロモーターを産生して
もよい。評価されるプロモーター活性には、例えばカッパヒドロキシラーゼプロ
モーターの転写の量、転写の時間的特異性(すなわち、早期)、転写の空間的特
異性(すなわち、種子)、またはこれらの組合せがある。同様に、エンハンサー
またはサイレンサー配列を同定し修飾してもよい。エンハンサーまたはサイレン
サー配列は、転写開始の位置を決定しないが、プロモーターに対していずれの配
向でも機能し、プロモーターからある程度の距離で位置してもよい。エンハンサ
ーまたはサイレンサー配列を認識する同族の結合因子の存在のために、エンハン
サーは、機能的に結合したプロモーターからの転写を上昇させ、サイレンサーは
機能的に結合したプロモーターからの転写を低下させるであろう。エンハンサー
結合因子は、早期種子組織中に存在すると予測され、サイレンサー結合因子は、
種子以外の組織または早期成長以外の時期に存在すると予測される。プロモータ
ー、エンハンサー、サイレンサー、またはこれらの組合せは、カッパヒドロキシ
ラーゼ制御領域による早期種子特異的転写の原因かも知れない。遺伝子操作によ
り同定されるプロモーター、エンハンサー、および/またはサイレンサーモジュ
ールは、天然の配列または他の遺伝子(好ましくは植物遺伝子)からの異種制御
配列と組合せてもよい。
【0033】 異なる植物脂肪酸アシルヒドロキシラーゼ遺伝子の間に保存されている5’非
翻訳領域のコンピューター比較を使用して、転写制御領域を同定してもよい(グ
リブスコフ(Gribskov)とデヴェロー(Devereux)、1991年)。制御領域は
また、既知転写結合因子により認識されるコンセンサス配列を探索することによ
り同定され、そのようなコンセンサス配列はしばしば二分子対称を示す。各推定
の制御領域の機能は、ゲル遅延またはヌクレアーゼ保護により確認される。
【0034】 転写制御領域を同定するための測定法は、典型的には領域を適当なレポーター
遺伝子(例えば、大腸菌(E. coli)β−グルクロニダーゼ)に融合させ、次に レポーター構築物をトランスジェニック植物に導入し、産生されたβ−グルクロ
ニダーゼ活性、タンパク質、またはmRNAの量を測定する(ガラハー(Gallag
her)、1992年を参照)。他のレポーター遺伝子も使用され、例えば、アル カリ性ホスファターゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ル
シフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光性タンパク質、またはこれらの誘
導体がある。好ましくは測定は、安定に形質転換された植物で行われるが、有用
な情報はしばしば、粒子衝撃法などにより構築物で一過性に形質転換された組織
を測定することにより得られる。すなわち類似のまたは同じレベルの活性を有す
るであろう本明細書に開示の制御領域の多くの誘導体が包含される。さらに、転
写制御領域または誘導体の配列中の多くのヌクレオチドの変化も同等の活性を有
すると考えられる。すなわち、開示したヌクレオチド配列中の欠失、挿入、反転
、および/または置換は、同様の生物活性(例えば、転写の量、早期転写、種子
特異的転写)を有する制御領域の誘導体を産生する。好ましくは配列番号1の機
能的に同等の誘導体は、少なくとも2000塩基対、少なくとも1600塩基対
、少なくとも1400塩基対、少なくとも1200塩基対、少なくとも1000
塩基対、少なくとも800塩基対、少なくとも600塩基対、少なくとも400
塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも100塩基対、または少なくとも
50塩基対を含む。
【0035】 以下の例は例示のために示されるものであり、決して本発明を限定するもので
はない。
【0036】 (実施例) 略語:X−Gluc(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グル
クロン酸)およびGUS(β−グルクロニダーゼ)
【0037】 材料と方法 クローニングベクター バイナリーTiプラスミドpBI121をクロンテク(Clontech)(パロアル
ト、カリホルニア州)から購入した。ColE1由来ベクターpMON2611
2はモンサント(Monsanto)から得て、これを図1に示す。ブラシカ・ナプス(
Brassica napus)からのナピンプロモーターを含有するこのプラスミドを大腸菌
(E. coli)中で複製し、これはアンピシリン耐性を付与する。バイナリーTi プラスミドpMON17227(図2)は、大腸菌(E. coli)での複製を可能 にするpBR322の複製開始点、細菌宿主中での選択のためのスペクチノマイ
シン/ストレプトマイシン耐性遺伝子、およびグリホセート上の選択のためのC
P4シンターゼ遺伝子の両側に位置するTiプラスミドの左の境界と右の境界、
およびノパリンシンターゼ遺伝子ターミネーター遺伝子の上流のNotIクロー
ニング部位を含有する。プラスミドpMON17227−pLesq−GUSは
、後述するようにpMON17227から得られるバイナリーTiプラスミドで
ある。
【0038】 GUS活性を検出するためのプロトコールは以下の通りである。染色緩衝液(
20%メタノール、0.5%トリトンX−100、1mMフェロシアン酸カリウム
(potassium ferrocyanide)、および3mM X−Glucを含有する50mM K
PG、緩衝液、pH7.0)中で組織をインキュベートした。典型的には組織を
この溶液中で約12時間インキュベートしたが、ある場合には(染色が強い場合
)組織を速やかに取り出し、より短時間で染色を完了した。試料を650mmHgの
真空チャンバー中に2分間入れ、次に37℃で15時間インキュベートした。染
色後、試料を20%、40%、60%および70%エタノール中に連続的に5分
浸けて清澄化した。
【0039】 GUS活性を以下のように視覚的に定量化した。半対数スケールで活性のない
のを0とし、最も高いレベルのGUS活性を4としてスコアをつけた。評価4を
与えたもののほぼ50%の暗い染色を示した試料を3と評価し、評価4を与えた
もののほぼ50%の暗い染色を示した試料を3と評価し、評価3を与えたものの
ほぼ50%の暗い染色を示した試料を2と評価し、そして評価2を与えたものの
ほぼ50%の暗い染色を示した試料を1と評価した。
【0040】 例1.トランスジェニックアラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana
)中の外来遺伝子の種子特異的発現 エル・フェンドレリ(L. fendleri)からの種子特異的プロモーターの単離 ムレイ(Murray)とトンプソン(Thompson)(1980年)が記載したように
、エル・フェンドレリ(L. fendleri)の若い葉からゲノムDNAを単離した。 500μgのDNAを消化し、ショ糖勾配上でサイズ選択(サムブルーク(Sambr
ook)ら、1989年)し、そしてDNA(平均サイズ12kb)をDashII のBamHI消化したアームに連結することにより、ベクターλDashII(
ストラタジーン(Stratagene)、ラホヤ(La Jolla)、カリホルニア州)中で作
製したSau3AI部分消化物ゲノムライブラリーを調製した。製造業者の条件
に従って全連結物をパッケージングし、大腸菌(E. coli)株XL1−Blue MRA−P2(ストラタジーン(Stratagene))上にまいた。これは、5×1
5個の1次組換えクローンを与えた。次に製造業者の説明書に従ってこのライ ブラリーを増幅した。ゲノムライブラリーの一部を大腸菌(E. coli)XL1− Blue上にまき、得られたプラーク(150,000)を製造業者の説明書に
従って、荷電ナイロン膜(ハイボンド(Hybond)N+、アマシャム(Amersham) 、アーリントンハイツ(Arlington Heights)、イリノイ州)にリフトした。ス トラタリンカー(Stratalinker)(ストラタジーン(Stratagene))を使用して
UV下でDNAをフィルターに結合させた。
【0041】 プラスミドpLesq2(米国特許出願第08/530,862号に記載)上
に存在するエル・フェンドレリ(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼのcD NAクローンと膜をプローブ結合させることにより、エル・フェンドレリ(L. f
endleri)ヒドロキシラーゼに対応するゲノム配列を有するいくつかのクローン を単離した。プラスミドpLesq2をランダムプライミングにより32Pで標識
した。フィルターを、7%SDS、1mM EDTA、0.25M Na2HPO4 (pH7.2)、1%BSA中で65℃で2時間プレハイブリダイズし、同じ溶
液中で16時間プローブとハイブリダイズさせた。フィルターを、0.1%SD
S以外に2×SSC、1×SSC、0.5×SSCを含有する溶液中で65℃で
連続的に洗浄した。ヒドロキシラーゼの完全なコード配列を含有する4.5kbの
HindIII/NotI断片と約2.2kbの5’上流領域を、pBluescr iptKS(ストラタジーン(Stratagene))の対応する部位にサブクローニン
グしてプラスミドpLesqtotを作成し、自動シーケンサーを使用してジデ
オキシ鎖停止法によりプロモーター領域の配列を完全に決定した。配列データは
、コンピューターソフトウェアパッケージDNASIS(ヒタチ(Hitachi)、 ブリスバン(Brisbane)、カリホルニア州)を使用して解析した。
【0042】 クローンpLesqtot中の挿入体の部分配列を図3に示す(配列番号1)
。配列は3670塩基対の連続的DNA配列を含む。このクローンは、2217
塩基対の非翻訳領域領域(すなわち、最初のATGコドンに先行するヌクレオチ
ド)、1152塩基対の読みとり枠、および302塩基対の3’非翻訳領域をコ
ードする。読みとり枠は、予想分子量44,370の384アミノ酸のタンパク
質をコードする。
【0043】 ベクターpBI101−pLesq−GUSの構築とアラビドプシス(Arabidop
sis)の形質転換 第1の工程で、pLesqtotをHindIIIとEcoRIで切断し、2. 2kbの挿入体断片をpBluescriptKS中にクローン化した。得られた
ベクターpLesqpromは、pLesqtot中でORFの上流に2.2kb
の配列を含有する。プロモーター断片はBamHI部位を含有しないが、pBl
uescriptKSのポリリンカーは、EcoRIクローニング部位の隣にB
amHI部位を含有する。すなわちpLesqpromを次にHindIIIとB amHIで切断し、挿入体断片をアガロースゲル電気泳動で精製した。pBI1
21を同じ酵素で切断して35Sプロモーター断片を放出させた。pLesqp
romのHindIII/BamHI挿入体断片を次に、pBI121の対応する 部位に連結して、ベクターpBI−pLesq−GUSを得た(図4)。pBI
−pLesq−GUSを次に、電気穿孔法によりエー・ツメファシエンス(A. t
umefaciens)株GV3101中に導入し、アラビドプシス(Arabidopsis)植物 の形質転換に使用した。
【0044】 電気穿孔法のための細胞を以下のように調製した。GV3101をLB培地(
水1リットル当たり10gトリプトン、5g酵母エキス、5g NaCl)で増
殖させた。250mlの培養物をOD600=0.6まで増殖させ、次に4000rpm
で15分遠心分離した(ソーバル(Sorvall)GS−Aロータ)。ゆるいペレッ
トから上清を直ちに吸引し、これを静かに500mlの氷冷水中に再懸濁した。細
胞を前記したように遠心分離し、30mlの氷冷水中に再懸濁し、30mlの試験管
に移し、5000rpm (ソーバル(Sorvall)SS−34ロータ)で5分遠心分 離した。これを3回繰り返し、細胞を連続的に30mlの氷冷水、30mlの氷冷し
た10%グリセロール、そして最後に0.75mlの氷冷した10%グリセロール
中に再懸濁した。これらの細胞のアリコートを取り、液体窒素中で凍結し、−8
0℃で保存した。
【0045】 電気穿孔法では、ジーンパルサー(GenePulser)装置(バイオラッド(Bio-Ra
d)、ハーキュリーズ(Hercules)、カリホルニア州)を使用し、水中に40μ lの細胞と1μlのDNAを含有する冷2mmギャップキュベットを使用して、2
.5KVの電圧と25μFの静電容量で使用した。電気穿孔した細胞を1mlのSO
C培地(サムブルーク(Sambrook)ら、1989年、A2ページ)で希釈し、2
8℃で2〜4時間インキュベートした後、カナマイシン(50mg/l)を含有する
LB培地上にまいた。
【0046】 アラビドプシス(Arabidopsis)植物を、基本的にベクトールド(Bechtold) ら(1993年)に記載のようにインプランタ(in planta)形質転換法により 形質転換した。エー・ツメファシエンス(A. tumefaciens)GV3101(pB
I−pLesq−GUS)の細胞を液体培養物から遠心分離して採取し、次にO
600=0.8で浸透培地に再懸濁した。浸透培地は、10mg/lの6−ベンジル アミノプリンと5%グルコースを含有するムラシゲ(Murashige)とスクーグ(S
koog)マクロとミクロ栄養物質培地(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズー リ州)である。12〜15個の植物のバッチを天然光で、1日の平均温度約25
℃で、土壌を含有する3.5インチの鉢中で3〜4週間増殖させた。無傷の植物
を細菌懸濁液中に浸漬し、次に真空チャンバー中に移し、組織が均一に水に浸漬
したように見えるまで実験室の真空ポンプで作成した600mmの真空下に置く(
約10分)。植物を連続的光(400〜700nmの範囲で100μmolm-2s-1照 射)で4週間増殖させた。鉢の中のすべて植物から得られた種子を1つのバッチ
として採取した。種子を、エタノールで2分、次に家庭用漂白剤(クロロックス
(Chlorox))、水およびツイーン80(50%、50%、および0.05%) の混合液中で10分連続的に処理し、次に無菌水で完全にリンスして滅菌した。
B5ビタミン(シグマ(Sigma))を補強し50mg/lのカナマイシンを含有する 1/2×ムラシゲ(Murashige)とスクーグ(Skoog)塩培地を含有する100mm
シャーレ中の寒天固化培地に、種子を高密度(2000〜4000/プレート)
でまいた。4℃で48時間インキュベートして発芽を刺激後、形質転換体が、ク
ロロティックカナマイシン−感受性苗木のバックグランドに対して健康な緑の苗
木が明瞭に同定できるまで7日間苗木を増殖させた。形質転換体を土壌に移し、
成熟するまで増殖させた。20を超える形質転換体が得られた。
【0047】 トランスジェニック植物の解析 カッパヒドロキシラーゼプロモーターの活性を、X−Gluc(5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸)で染色してβ−グルクロ
ニダーゼの存在について、トランスジェニックアラビドプシス(Arabidopsis) 植物の種々の組織を染色することにより測定した。トランスジェニックアラビド
プシス(Arabidopsis)植物から異なるステージで単離された葉、茎、長角果、 花、および成長している胚について組織染色を行なった。3つのトランスジェニ
ック植物からのアラビドプシス(Arabidopsis)胚を種皮から切開し、7.5g/l
寒天を用いてMS−塩培地を含有するプレート上で後期ハート(heart)段階か ら後期子葉段階までステージ分類をした後、GUS染色緩衝液に移した。葉、茎
、および花序をトランスジェニック植物から採取し、直接染色緩衝液に浸漬した
【0048】 3つのトランスジェニック植物(1〜3と呼ぶ)で得られた結果を表1に示す
。これらの結果から、カッパヒドロキシラーゼプロモーターは、すでにトーピー
ド(torpedo)段階の胚でGUS活性の出現を引き起こすことがわかる。GUS 活性は、胚の以後の成長を通して持続した。pBI−pLesq−GUSトラン
スジェニック植物中のGUS活性の量を、大豆ベータ−コングリシニン(7S)
遺伝子(ヒライ(Hirai)ら、1994年)のアルファサブユニットをコードす る遺伝子からのプロモーターにより駆動されるGUS遺伝子を発現するトランス
ジェニック植物と比較した。高レベルのGUS発現についてp7S−GUS植物
を選択した。レスケレラ(Lesquerella)プロモーターは7Sプロモーターより 早く活性があった。活性の開始は、アラビドプシス(Arabidopsis)中の貯蔵タ ンパク質の開始と一致する(表1)。カッパヒドロキシラーゼプロモーターを含
有するトランスジェニック植物中のGUS活性のレベルは、大豆β−コングリシ
ニンプロモーターを含有するトランスジェニック植物中のものと少なくとも同程
度であった。トランスジェニック植物の葉、茎、または豆果の試料にはGUS活
性がなかった。すなわち、トランスジェニック植物中の外来遺伝子の種子特異的
発現を引き起こすのにカッパヒドロキシラーゼプロモーターを使用することがで
きる。
【0049】
【表1】
【0050】 例2.トランスジェニックブラシカ・ナプス(Brassica napus)中の外来遺伝子
の種子特異的発現
【0051】 カノーラ(Canola)の形質転換のためのベクターpMON17227−pLes
q−GUSの構築 第1の工程で、ベクターpBI121(クロンテク(Clontech))をSmaI
とSacIで切断してGUS遺伝子を精製した。GUS遺伝子を含有する挿入体
断片を、ベクターpMON26112のStuI部位とSacI部位にクローン
化して、ベクターpMON26112−GUSを得た。第2の工程で、エル・フ
ェンドレリ(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼプロモーターを含有するp LesqpromからのHindIII/BamHI断片を、HindIIIとBgl
IIで切断したpMON26112−GUS中にクローン化した。得られたベクタ
ー(pMON26112−pLesq−GUS)をNotIで切断し、挿入体断
片を、NotIで切断したベクターpMON17227に連結した。最後のベク
ターpMON17227−pLesq−GUS(図5)を使用して、レスケレラ
(Lesquerella)プロモーター−GUSカセットを、アグロバクテリウム(Agrob
acterium)介在形質転換を使用してカノーラ(Canola)植物中に導入した。
【0052】 ビー・ナプス(B. napus)の形質転換と再生 pMON17227−pLesq−GUSを含有するアグロバクテリウム(Ag
robacterium)株ABIを使用して、基本的にフライ(Fry)ら(1987年)に
記載のように、ブラシカ・ナプス(Brassica napus)品種ウェスター(Westar)
を形質転換した。簡単に説明すると苗木をメトロミックス(Metro Mix)350 中に植え、以下の条件(温度、昼15℃、夜10℃、光の強度600μmolm-2s- 1 、夜8時間、相対湿度50%)で増殖チャンバー中で増殖させ、3週令になっ た時、6インチの鉢に移した。5週令のウェスター(Westar)植物を、とう立ち
した時(しかし開花の前)に一度採取する(最大3つの花を有する植物までが採
取される)。葉と芽を取り、花の芽の下の4〜5インチの茎を、外植片組織源と
して使用する。接種の前に、茎を以下のように滅菌する:70%のメタノールに
1分浸漬、38%のクロロックス(Clorox)に20分浸漬、無菌脱イオン水で2
回リンス、そしてテーブルスプーン2杯分のカプタン(Captan)50−WP(I
CI)+500mlの無菌水に15分浸漬。
【0053】 アグロバクテリウム(Agrobacterium)調製 アグロバクテリウム(Agrobacterium)を、スペクチノマイシン100mg/l、 ストレプトマイシン100mg/l、クロラムフェニコール25mg/l、およびカナマ
イシン50mg/lを含有するLBプレート(LB−SSCKと呼ぶ)に画線培養す
る。接種の2日前に、白金耳10μl分のアグロバクテリウム(Agrobacterium )を、2mlのLB−SSCKを含有する試験管に入れ、ローテーターにのせて一
晩増殖させる。接種の前日に、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を継代し 、2mlの新鮮なLB−SSCKに200μlを入れ、ローテーターにもどして一
晩増殖させる。接種日に、アグロバクテリウム(Agrobacterium)をMS液体培 地で1:10希釈する。OD600の読み値をとり、0.2〜0.4の範囲の読み 値が許容される。
【0054】 外植片接種 茎の根からの方向に注意して茎を4分の1インチの切片に切る。外植片を、1
:10希釈のアグロバクテリウム(Agrobacterium)を有するシャーレに5分接 種し、5つの茎について5mlのアグロバクテリウム(Agrobacterium)を使用し 、アグロバクテリウム(Agrobacterium)はピペットで直接外植片の上にのせる 。5分接種後、外植片からアグロバクテリウム(Agrobacterium)を吸引して除 く。最適な苗条再生応答が得られるように、茎外植片を同時培養プレートの上に
基底部を下にして培養する(2mlのTXD液体培地を有する1/10MS培地を
無菌の8.5cmのろ紙で覆う)。TXD培地は4.3gのギブコ(Gibco)MS 培地、2mlのガンボルグ(Gamborg)BS混合物(シグマ(Sigma))500×溶
液、8mlのp−クロロフェノキシ酢酸(0.5mg/ml)、0.01mlのキネチン (Kinetin)(0.5mg/ml)、30gのショ糖を含有し、水で1リットルにする
。同時培養プレートを、裂け目をいれた透明のプラスチック袋に入れ、25℃で
24時間の連続的冷白色光下に置く。
【0055】 組織選択と再生 2日間の同時培養期間後、茎の外植片を、3日間の遅延期間のために、500
mg/lのチカルシリン(ticarcillin)、50mg/lのセフォタキシム(cefotaxime )、および1mg/lのベンジルアミノプリン(BAP)を含有するMS培地上に移
す。再度プレートを、裂け目をいれた透明のプラスチック袋に入れ、25℃で2
4時間の連続的冷白色光下に置く。3日間の遅延期間後、茎外植片を、グリホセ
ート(glyphosate)と上記レベルのチカルシリン、セフォタキシム、およびBA
Pを含有するMS 0.1mMグリホセート選択培地上に3週間移す。次に茎外植
片を同量の上記チカルシリン、セフォタキシム、およびBAPそして0.5mg/l
のジベレリン(gibberellin)(GA3)(これは苗条の伸長を促進することがわ
かっている)を含有するMS 0.1mMグリホセート選択培地上にさらに3週間
移す。これらのグリホセート選択培地上での6週間後、茎の受容体から緑色の正
常な成長している苗条を切り出す。苗条(プレート当たり4〜5苗条)を根付け
培地[上記レベルのチカルシリンとセフォタキシム、および2mg/lのインドール
酪酸(IBA)を含有する、ギブコ(Gibco)MS塩、ビタミン、3%ショ糖] に入れる。苗条を根付け培地に入れてすでに1週間後には根の成長が始まる。2
週間目の時点で、大きな基部を有する苗条を、鉢土壌(メトロミックス(Metro
Mix)350)を有する2.5インチの鉢に移し、平かごを透明のプラスチック ドームで覆い、苗条が伸長できるようにする。ストック植物の増殖のために、す
べての植物を上記と同じ条件の増殖チャンバーに入れる。3〜4日後に苗条が硬
くなったら、プラスチックドームに裂け目を入れ、数日後完全に除去する。植物
を22℃の増殖チャンバー中で、16時間/8時間の明/暗サイクルで光強度2
20μEm2S-1で増殖させ、数週間後、温室に移す。
【0056】 トランスジェニック植物の解析 18個の再生ビー・ナプス(B. napus)植物を、例1に記載の発現レベルと同
じスケールを使用して、GUS遺伝子の胚特異的発現について調べる。トランス
遺伝子カノーラ(canola)豆果と種子を、10、10、16、21、28、35
dpaおよび成熟期に採取した。葉、茎、豆果、および種子試料を、上記のように β−グルクロニダーゼ活性について染色した。GUS測定の結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】 表2の結果から、カッパヒドロキシラーゼプロモーターに融合した外来遺伝子
は、種子ではない組織中では有意なレベルで発現されないが、成長している種子
中では多量に発現されることは明らかである。高レベルのGUS染色が、開花後
すでに16日で明らかであり、種子の成長の間染色は持続された。すなわちカッ
パヒドロキシラーゼプロモーターは、植物中で外来遺伝子の発現を引き起こすの
に有用なプロモーターである。このプロモーターは、目的の遺伝子が種子成長の
早期段階で高レベルで転写され、これが種子成長の間持続することが好ましい場
合に、特に有用である。このような応用には、種子脂質代謝の修飾がある。
【0059】 本明細書に記載のすべて刊行物および特許出願は、本発明が関係する分野の当
業者のレベルを示す。
【0060】 本明細書に記載のすべて刊行物および特許出願は、各刊行物および特許出願が
参照により具体的かつ個々に示されるように、参照することにより本明細書の一
部とする。
【0061】 理解を容易にするために上記発明を説明と例によりある程度詳細に説明したが
、請求の範囲の逸脱することなくこれらの変更および修飾が可能であることは当
業者に明らかであろう。
【0062】 (図面の簡単な説明)
【図1】 図1は、プラスミドpMON26112の制限地図である。
【図2】 図2は、プラスミドpMON17227の制限地図である。
【図3】 図3は、エル・フェンドレリ(L. fendleri)のカッパヒドロキシラーゼ遺伝 子のプロモーター領域とコード領域を含有するゲノムクローンpLesqtot
の部分ヌクレオチド配列を示す。このクローン(3670塩基対の連続的ヌクレ
オチド配列、配列番号1)は、2217塩基対の5’非翻訳領域(すなわち、開
始ATGコドンの前の配列)、1152塩基対の読みとり枠、および302塩基
対の3’非翻訳領域をコードする。サブクローニングに使用されるHindIII とEcoRI部位は、2重下線で示す。カッパヒドロキシラーゼの第1の翻訳コ
ドンに対応するATGは下線で示す。
【図4】 図4は、プラスミドpBI−pLesq−GUSの制限地図である。
【図5】 図5は、プラスミドpMON17227−pLesq−GUSの制限地図であ
る。
【0063】
【0064】
【配列表】
(1) 一般情報 (i) 出願人:BROUN,Pierre SOMERVILLE,Chris (ii) 発明の名称:強い早期種子特異的遺伝子制御領域 (iii)配列の数:1 (iv) 連絡宛先: (A) 受信者:PILLSBURY MADISON & SUTRO,LLP (B) 通り:1100 New York Avenue,N.W. (C) 市:ワシントン (D) 州:D.C. (E) 国:USA (F) 郵便番号:20005-3918 (v) コンピューターの読込み形式 (A) 媒体のタイプ:ディスケット (B) コンピューター:IBM PC コンパチブル (C) オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS (D) ソフトウェア:MS Word (vi) 現在の出願のデータ (A) 出願番号: (B) 出願日: (C) 分類: (2) 配列番号1の情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ:3670ヌクレオチド (B) タイプ:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (xi) 配列番号1の配列
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 強い早期種子特異的遺伝子制御領域
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (政府の権利) 本明細書に記載の発明は、米国エネルギー省の補助金DE−FG02−94E
R20133による研究の過程でなされたものである。従って米国政府は、本発
明に一定の権利を有する。
【0002】 (緒言) 1.技術分野 隣接するヌクレオチド配列の早期種子特異的転写を促進する、ヌクレオチド配
列を含む転写制御領域が提供される。
【0003】 2.背景 成長する種子にのみ発現されるか、または他のタイプの臓器もしくは組織より
はるかに高レベルで、成長する種子中で発現される多くの遺伝子が知られている
。本明細書の目的において、「遺伝子発現」は特定の遺伝子に対応するmRNA
の合成を意味する。すなわち、遺伝子発現の量は一般に転写速度を意味するかま
たはmRNAの合成速度を意味する。便宜上本発明の文脈において、我々は、m
RNA蓄積の定常状態レベルの差は、mRNAの合成速度の差を反映すると大ま
かに仮定した。ある場合にはmRNAの定常状態レベルの変化は、mRNA分解
速度の変化により引き起こされることは理解されている。しかし、本明細書で教
示されるプロモーター配列の操作は、一般的にmRNA分解速度に影響を与える
可能性は低いと考えられる。
【0004】 種子特異的遺伝子発現に関する知見の多くは、貯蔵タンパク質をコードする遺
伝子の研究から得られている(ビーバン(Bevan)らの総説、1993年)。例 えば、トランスジェニック植物中で大豆コングリシニン(conglycinin)プロモ ーターにより胚特異的発現を付与するDNA配列が、同定されている(チェン(
Chen)ら、1988年)。同様に貯蔵タンパク質ナピン(napin)は、ブラシカ ・ナプス・エル(Brassica napus L.)(脂肪種子ナタネ)の種子の主要成分の 1つである。ナピンプロモーターからの152塩基対断片は、成熟したタバコ種
子中のβ−グルクロニダーゼレポーター遺伝子の強い発現を指令した(スタルバ
ーグ(Stalberg)ら、1996年)。すなわち、貯蔵タンパク質の強い種子特異
的発現を指令する配列は、遠縁の植物種の間で保存されている。ナピンプロモー
ターは、新規脂肪酸を産生するように設計されたトランスジェニック植物中の遺
伝子の発現を調節するために使用されている(例えば、ヴェールカー(Voelker )ら、1996年)。しかし貯蔵脂質の蓄積は実質的に、ナピンまたは他の貯蔵
タンパク質遺伝子が最大の発現レベルに達する前に始まり(ポスト−ベイテンミ
ラー(Post-Beittenmillar)ら、1992年)、貯蔵タンパク質遺伝子のプロモ
ーターは、貯蔵脂質蓄積に関連する遺伝子の発現を調節するのに好適ではないこ
とがある。
【0005】 本発明において、種子脂質組成の修飾を目指した遺伝子の発現または他の応用
についての好適な制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、サイレンサ
ー)は、種子貯蔵脂質の合成と蓄積に関与する酵素をコードする遺伝子と同様の
または同一の、発現の時間的および組織特異的パターンを有する遺伝子から得ら
れるであろう。しかし最近まで、脂質代謝に関与し種子特異的に発現される遺伝
子は、あまり知られていない。アブラナ科(Crucifer)のレスケレラ・フェンド
レリ(Lesquerella fendleri)からのカッパヒドロキシラーゼは、このクラスの
遺伝子の最初の例の1つである。本発明のプロモーターは普通、エル・フェンド
レリ(L. fendleri)からのカッパヒドロキシラーゼの発現を調節する。カッパ ヒドロキシラーゼは、小胞体中に存在し、そこでリン脂質のsn−2位に結合し
た脂肪酸中へのヒドロキシル基の導入を触媒すると考えられている。水酸化脂肪
酸はエル・フェンドレリ(L. fendleri)の種子貯蔵脂質中に豊富に存在するが 他の臓器や組織中では検出できる程度に存在しないため、この遺伝子は種子中で
のみ多量に発現される可能性が高い。エル・フェンドレリ(L. fendleri)から のカッパヒドロキシラーゼの単離は、米国特許出願第08/530,862号と
08/597,313号、およびPCT/US97/02187中に記載された
。カッパヒドロキシラーゼのmRNAは種子中に豊富にあるが、栄養組織中では
検出されないことを示す証拠が提供された。ここで我々は、エル・フェンドレリ
(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼのコード配列から5’方向の制御領域 は、エル・フェンドレリ(L. fendleri)以外の植物種の種子特異的プロモータ ーとして有用なことを証明する。我々はまた、カッパヒドロキシラーゼ以外の遺
伝子の早期種子特異的発現(すなわち、異種遺伝子発現)を引き起こすのに、こ
の制御領域が使用できることも示す。本明細書に記載の所望の性質を有する制御
領域はまた、親出願中で開示されたように単離され同定された他の植物の脂肪酸
アシルヒドロキシラーゼ遺伝子の上流にあるべきである。
【0006】 (発明の要約) 本発明の目的は、遺伝子産物の種子特異的発現を示すトランスジェニック植物
で使用するための転写制御領域を提供することである。
【0007】 本発明のさらなる目的は、成長している種子中の遺伝子産物の早期レベルの発
現を示すトランスジェニック植物で使用するための転写制御領域を提供すること
である。
【0008】 本発明のさらに別の目的は、遺伝子産物の高レベル発現を示すトランスジェニ
ック植物で使用するための転写制御領域を提供することである。
【0009】 植物脂肪酸アシルヒドロキシラーゼ遺伝子からの転写制御領域(例えば、プロ
モーター、エンハンサー、サイレンサー)を含む、単離された核酸(例えば、D
NA、RNA、cDNA、cRNA)が提供される。好ましくは植物遺伝子はカ
ッパヒドロキシラーゼ遺伝子であり、さらに好ましくはカッパヒドロキシラーゼ
遺伝子はレスケレラ(Lesquerella)由来である。制御領域は配列番号1からの ヌクレオチド配列を含有してもよい。制御領域は、約500ヌクレオチド〜約2
000ヌクレオチドを含み、高レベルで、成長の初期段階で、種子特異的に、ま
たはこれらの組合せで、発現を指令することができる。単離された核酸はさらに
、天然の脂肪酸アシルヒドロキシラーゼをコードする配列を含有してもよい。
【0010】 上記の単離された核酸と転写されるように機能的に結合した非天然の配列とか
らなる組換え核酸(例えば、DNA、RNA、cDNA、cRNA)が提供され
る。この配列は制御領域が得られるものと同じ植物種から、または異なる種もし
くは属からでもよく、配列は細菌、真菌、または哺乳動物遺伝子からでもよい。
好ましくは、配列は植物遺伝子由来であり、特に種子の脂質代謝または種子の成
長に関与するものである。配列は、転写に対してセンスまたはアンチセンス方向
でもよい。
【0011】 植物細胞を操作して早期および/または種子特異的転写を与えるために使用さ
れる発現作製体(例えば、DNA、RNA、cDNA、cRNA)が提供される
。特に脂肪酸アシルヒドロキシラーゼをコードする遺伝子からの転写制御領域は
、天然または同族遺伝子以外に機能的に結合しており、早期および/または種子
特異的転写を与えるようにゲノム内に組み込むために植物細胞宿主中に導入され
る。構築物は、内因性産物の発現の調節ならびに種子中の外因性産物の産生を提
供する。
【0012】 上記の組み込まれたかまたは組み込まれていない核酸、組換え核酸、または発
現構築物を含有する形質転換した宿主細胞、トランスジェニック植物、およびト
ランスジェニック種子が提供される。宿主細胞は、細菌、真菌、植物、動物、ま
たは類似の起源のものでよい。トランスジェニック植物は、早期種子種遺伝子発
現が好ましいアラビドプシス(Arabidopsis)、ブラシカ(Brassica)、綿花、 大豆、ベニバナ、ヒマワリ、タバコ、亜麻、落花生、または他の双子葉植物でも
よい。本発明の制御領域はまた、単子葉植物(例えば、コムギ、トウモロコシ、
コメなど)の遺伝子の種子特異的発現を調節するのに有用である。トランスジェ
ニック種子は、同様の植物種から得られる。トランスジェニック種子から、油状
物を圧縮するか、抽出するか、または他の物質(例えば、タンパク質、炭水化物
、ポリアルカノン酸塩、または二次的代謝物)を抽出する。
【0013】 トランスジェニック植物または種子を産生するために、その使用法の説明書と
ともに、前記の核酸、組換え核酸、発現構築物、宿主細胞、またはこれらの組合
せを含有するキットも提供される。
【0014】 (発明の詳細な記述) 本発明において、種子特に種子成熟中の胚中の転写の修飾を可能にする発現構
築物が提供される。この発現構築物は、種子形成、好ましくは胚形成と種子成熟
と関連する、制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー)
を含む。
【0015】 種子中で新規機能または産物を提供するために、カッパヒドロキシラーゼ制御
領域の下流かつその転写制御下に、内因性産物を、量、相対分布、タイミングな
どに関して、または外因性発現産物の産生を、調節することにより、種子の表現
型を修飾する目的の配列がある。この構築物は好ましくは、遺伝子が導入される
発現カセットを提供するように、ポリアデニル化および/または停止領域を提供
する。
【0016】 転写開始および停止領域は、遺伝子を制御領域の転写制御下に挿入するための
1つまたは複数の制限部位を有するリンカーまたはポリリンカーにより、転写の
方向で分離して提供することが便利である。通常リンカーは、1〜10個、さら
に一般的には約1〜8個、好ましくは約2〜6個の制限部位を有する。一般にリ
ンカーは、100塩基対未満であり、しばしば60塩基対未満であり、かつ一般
に少なくとも約5塩基対である。核酸増幅により生成される挿入体について、こ
の挿入体は、例えば制限酵素消化、直接の平滑末端連結、連結非依存性クローニ
ング(LIC)、およびチミジン残基の単一の3’−オーバーハングへの連結(
米国特許第5,487,993号)のような技術により、制御領域に連結しうる
【0017】 本発明の転写制御領域は、宿主に対して外来または異種であってもよい。外来
とは、制御領域が導入される宿主中にその制御領域が見いだされないことを意味
する。特に関係のあるものは、種子特異的カッパヒドロキシラーゼ遺伝子、特に
エル・フェンドレリ(L. fendleri)のものに関連する転写制御領域である。
【0018】 転写制御領域は種子の表現型を変化させるのに使用される。表現型の種々の変
化が関係する。これらには、種子中の脂肪酸組成の修飾、すなわち長さ、不飽和
度、水酸化、エポキシ化などについての種々の脂肪酸の比および/または量の変
化を含む。すなわち脂肪酸組成は、脂肪酸を修飾する酵素を導入して、宿主植物
中には通常見いだされない脂肪酸を産生することにより変化させることができる
。また本発明のプロモーターを使用して、それ自体が直接有用なタンパク質、例
えば工業的用途の触媒性を有するタンパク質を産生することも好ましい。あるい
は、植物以外の供給源(例えば、哺乳動物、真菌、始原細菌、およびユーバクテ
リア)からの種々の産物を提供してもよい。実際本発明の転写制御領域は、一般
に植物宿主の種子中の目的のタンパク質を産生するのに使用される。
【0019】 発現カセットは、5’→3’方向の転写、転写開始領域、目的のヌクレオチド
配列、および植物中で機能する転写停止領域を含有してもよい。多くの(しかし
すべてではない)場合、発現カセットはまた、翻訳開始および停止配列(すなわ
ち、転写/翻訳カセット)を含む。1つまたはそれ以上のイントロンも存在して
もよい。
【0020】 ヌクレオチド配列は通常、目的のペプチド(例えば酵素)の少なくとも1部を
コードする読みとり枠、またはゲノム配列に相補的な配列(例えばアンチセンス
)を有し、ここでゲノム配列は、読みとり枠、イントロン、非コードリーダー配
列、または他の配列でもよく、相補的な配列は、転写、メッセンジャーRNAプ
ロセシング(例えば、スプライシング)、または翻訳を阻害するであろう。目的
のヌクレオチド配列は、合成されたもの、天然に由来するもの、またはこの組合
せでもよい。核酸は、天然の供給源(例えば、細菌)、鋳型とポリメラーゼ(D
NA、cDNAまたはcRNAを産生する)の反応混合物から精製されるか、ま
たは化学合成される。
【0021】 発現カセットの調製において、種々のヌクレオチド断片を操作して、正しい配
向かつ適宜正しい読みとり枠で、ヌクレオチド配列が提供される。この目的のた
めに、アダプターまたはリンカーを使用してヌクレオチド断片を結合するか、ま
たは他の操作を使用して、便利な制限部位の付与、余分なヌクレオチドの除去、
制限部位の除去などを提供する。この目的のために、インビトロの突然変異誘発
、プライマー修復、制限切断、アニーリング、切断、連結などが使用され、挿入
、欠失、反転、または置換(例えば、転移、トランスバージョン)などが関与し
てもよい。
【0022】 停止領域は比較的相互に交換可能であるらしいため、使用される停止領域は主
に便利さにより選択されるであろう。停止領域は、転写開始領域と起源が同じで
あるか、目的のヌクレオチド配列と起源が同じであるか、または別の供給源から
得られてもよい。便利な停止領域は、エー・ツメファシエンス(A. tumefaciens
)のTi−プラスミドから得られ、例えばオクトピンシンターゼおよびノパリン
サンターゼ停止領域がある。
【0023】 本発明の核酸と構築物は、外来宿主中の構築物の増殖と選択を可能にする配列
をさらに含んでよい。場合により、核酸または構築物中に複製と選択マーカーの
起源が含まれる。複製開始点は好ましくは、微生物(例えば、細菌、真菌)から
得られるが、DNAまたはRNAウイルスから得られてもよい。選択マーカーは
、原核生物および/または真核生物中で機能し、抗生物質(例えば、アンピシリ
ン、ヒグロマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、プロマイシン(puromycin )、テトラサイクリンなど)に対する耐性を付与する。
【0024】 適当な操作(例えば、制限切断、平滑末端を与えるためのオーバーハングの後
方消化または充填、リンカーの連結など)により、結合および連結のための断片
の相補的な末端またはフラッシュ末端を提供することができる。
【0025】 種々の工程の実施において、クローニングを使用して、DNA量を増幅しDN
Aを解析して、遺伝子操作が正しく起きたことを確認する。広範なクローニング
ベクターが使用でき、ここでクローニングベクターは、大腸菌(E. coli)中で 機能性の複製系および形質転換細胞の選択を可能にするマーカーを含む。ベクタ
ーの例としては、pBR332、pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pAC
YC184などがある。すなわち配列は、適当な制限部位でベクター中に挿入さ
れ、得られるプラスミドは大腸菌(E. coli)宿主を形質転換するのに使用され 、大腸菌(E. coli)は適当な栄養培地中で培養し、細胞を採取し溶解し、プラ スミドを回収する。解析には、配列解析、制限解析、発現の誘導、電気泳動など
を含んでよい。各操作後、最終構築物中で使用されるDNA配列を制限切断し、
次の配列に結合させ、ここで各部分作製体は、同じかまたは異なるプラスミド中
でクローン化してもよい。
【0026】 宿主植物中への転写構築物の導入法に依存して、他のヌクレオチド配列が必要
な場合がある。例えば後述のように植物細胞の形質転換のためにTi−またはR
i−プラスミドを使用する時、Ti−およびRi−プラスミドのT−DNAの少
なくとも右の境界そしてしばしば右と左の両方の境界を、フランキング領域とし
て転写構築物に結合させる。植物細胞の形質転換のためのT−DNAの使用は広
範に研究されており、フラレイ(Fraley)ら(1986年)とリンゼイ(Lindse
y)(1996年)に詳細に記載されている。
【0027】 植物細胞宿主への核酸の導入のために、多様な方法が利用できる。これらの方
法には、形質転換物質としてエー・ツメファシエンス(A. tumefaciens)または
エー・リゾゲネス(A. rhizogenes)を用いるTi−DNAによる形質転換、プ ロトプラスト融合、注入、電気穿孔などがある(リンゼイ(Lindsey)(199 6年)の総説)。アロバクテリウム(Arobacterium)を用いる形質転換について
、Ti−プラスミド(特にT−DNA)と相補的なDNAを含有するプラスミド
を大腸菌(E. coli)中で調製する。プラスミドはアロバクテリウム(Arobacter
ium)中で複製できるかまたは複製できず、すなわち部分的に、転写構築物がT i−プラスミド中に組み込まれるかまたは独立したプラスミド上に保持されるか
に依存して、広域スペクトルの原核生物複製系(例えば、RK290)を有する
かまたは有さない。ヘルパープラスミドを用いて、転写構築物はエー・ツメファ
シエンス(A. tumefaciens)に移され、得られる形質転換生物は植物細胞を形質
転換するために使用される。
【0028】 発現カセットを植物細胞に移すことを可能にするために、外植片をエー・ツメ
ファシエンス(A. tumefaciens)またはエー・リゾゲネス(A. rhizogenes)と ともに培養して、植物細胞を選択のための適当な選択培地に分散させ、培養して
カルスにし、苗条を増殖させ、根付け培地中で増殖させて苗条から苗木を再生さ
せることが便利である。アグロバクテリウム(Agrobacterium)宿主は、植物細 胞へのT−DNAの輸送に必要なvir遺伝子を有するプラスミドを含有し、T
−DNAを有することも有さないこともある。注入と電気穿孔法のために、無力
化したTi−プラスミド(腫瘍遺伝子が欠如している、特にT−DNA領域)を
使用して、植物細胞に遺伝子を導入してもよい。
【0029】 形質転換された細胞は植物まで増殖させ、同じ形質転換した株または異なる株
で授粉し、所望の表現型の特徴を有する得られるハイブリッドを同定する。2つ
またはそれ以上の世代を増殖させて、対象の表現型の特徴が安定に維持され遺伝
していることを確認し、次に種子を採取して所望の表現型または他の性質が達成
されていることを確認する。
【0030】 宿主細胞として、目的の種子を与える任意の植物品種が使用される。すなわち
多くの場合、目的の種子特異的産物が関与している植物が選択されるであろう。
具体的な目的の種子には、脂肪種子、例えばアラビドプシス(Arabidopsis)、 ブラシカ(Brassica)、綿花、大豆、ベニバナ、ヒマワリ、タバコ、亜麻、落花
生などがある。コムギ、トウモロコシ、コメなどの種の種子も関係がある。
【0031】 本発明のプロモーターを含むヌクレオチド配列は、2000を超えるヌクレオ
チドを含有する。他の植物のプロモーターの解析に基づくと、本発明のプロモー
ター中に含有される配列の実質的により小さい領域が、同様の性質を示す可能性
が高い。例えば前述のように、152塩基対断片は、ビー・ナプス(B. napus)
およびタバコ種子中のβ−グルクロニダーゼレポーター遺伝子の強い発現を指令
した(スタルバーグ(Stalberg)ら、1996年)。すなわち我々は、数百ヌク
レオチドまたはこれ以下の配列が、本明細書に開示した完全な配列と同じまたは
類似の性質を有することが見つかると考える。
【0032】 このサブ配列はスタルバーグ(Stalberg)ら(1996年)の研究、およびベ
ーバン(Bevan)ら(1993年)の総説で引用されたような他の研究に例示の 実験により同定される。最小プロモーター配列は、プロモーター配列からヌクレ
オチドを連続的に除去(例えば末端切断)し、修飾したプロモーターの活性を天
然のプロモーターの活性を比較することにより、確認することができる。さらに
リンカー走査または飽和突然変異誘発を使用して、修飾プロモーターを産生して
もよい。評価されるプロモーター活性には、例えばカッパヒドロキシラーゼプロ
モーターの転写の量、転写の時間的特異性(すなわち、早期)、転写の空間的特
異性(すなわち、種子)、またはこれらの組合せがある。同様に、エンハンサー
またはサイレンサー配列を同定し修飾してもよい。エンハンサーまたはサイレン
サー配列は、転写開始の位置を決定しないが、プロモーターに対していずれの配
向でも機能し、プロモーターからある程度の距離で位置してもよい。エンハンサ
ーまたはサイレンサー配列を認識する同族の結合因子の存在のために、エンハン
サーは、機能的に結合したプロモーターからの転写を上昇させ、サイレンサーは
機能的に結合したプロモーターからの転写を低下させるであろう。エンハンサー
結合因子は、早期種子組織中に存在すると予測され、サイレンサー結合因子は、
種子以外の組織または早期成長以外の時期に存在すると予測される。プロモータ
ー、エンハンサー、サイレンサー、またはこれらの組合せは、カッパヒドロキシ
ラーゼ制御領域による早期種子特異的転写の原因かも知れない。遺伝子操作によ
り同定されるプロモーター、エンハンサー、および/またはサイレンサーモジュ
ールは、天然の配列または他の遺伝子(好ましくは植物遺伝子)からの異種制御
配列と組合せてもよい。
【0033】 異なる植物脂肪酸アシルヒドロキシラーゼ遺伝子の間に保存されている5’非
翻訳領域のコンピューター比較を使用して、転写制御領域を同定してもよい(グ
リブスコフ(Gribskov)とデヴェロー(Devereux)、1991年)。制御領域は
また、既知転写結合因子により認識されるコンセンサス配列を探索することによ
り同定され、そのようなコンセンサス配列はしばしば二分子対称を示す。各推定
の制御領域の機能は、ゲル遅延またはヌクレアーゼ保護により確認される。
【0034】 転写制御領域を同定するための測定法は、典型的には領域を適当なレポーター
遺伝子(例えば、大腸菌(E. coli)β−グルクロニダーゼ)に融合させ、次に レポーター構築物をトランスジェニック植物に導入し、産生されたβ−グルクロ
ニダーゼ活性、タンパク質、またはmRNAの量を測定する(ガラハー(Gallag
her)、1992年を参照)。他のレポーター遺伝子も使用され、例えば、アル カリ性ホスファターゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ル
シフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光性タンパク質、またはこれらの誘
導体がある。好ましくは測定は、安定に形質転換された植物で行われるが、有用
な情報はしばしば、粒子衝撃法などにより構築物で一過性に形質転換された組織
を測定することにより得られる。すなわち類似のまたは同じレベルの活性を有す
るであろう本明細書に開示の制御領域の多くの誘導体が包含される。さらに、転
写制御領域または誘導体の配列中の多くのヌクレオチドの変化も同等の活性を有
すると考えられる。すなわち、開示したヌクレオチド配列中の欠失、挿入、反転
、および/または置換は、同様の生物活性(例えば、転写の量、早期転写、種子
特異的転写)を有する制御領域の誘導体を産生する。好ましくは配列番号1の機
能的に同等の誘導体は、少なくとも2000塩基対、少なくとも1600塩基対
、少なくとも1400塩基対、少なくとも1200塩基対、少なくとも1000
塩基対、少なくとも800塩基対、少なくとも600塩基対、少なくとも400
塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも100塩基対、または少なくとも
50塩基対を含む。
【0035】 以下の例は例示のために示されるものであり、決して本発明を限定するもので
はない。
【0036】 (実施例) 略語:X−Gluc(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グル
クロン酸)およびGUS(β−グルクロニダーゼ)
【0037】 材料と方法 クローニングベクター バイナリーTiプラスミドpBI121をクロンテク(Clontech)(パロアル
ト、カリホルニア州)から購入した。ColE1由来ベクターpMON2611
2はモンサント(Monsanto)から得て、これを図1に示す。ブラシカ・ナプス(
Brassica napus)からのナピンプロモーターを含有するこのプラスミドを大腸菌
(E. coli)中で複製し、これはアンピシリン耐性を付与する。バイナリーTi プラスミドpMON17227(図2)は、大腸菌(E. coli)での複製を可能 にするpBR322の複製開始点、細菌宿主中での選択のためのスペクチノマイ
シン/ストレプトマイシン耐性遺伝子、およびグリホセート上の選択のためのC
P4シンターゼ遺伝子の両側に位置するTiプラスミドの左の境界と右の境界、
およびノパリンシンターゼ遺伝子ターミネーター遺伝子の上流のNotIクロー
ニング部位を含有する。プラスミドpMON17227−pLesq−GUSは
、後述するようにpMON17227から得られるバイナリーTiプラスミドで
ある。
【0038】 GUS活性を検出するためのプロトコールは以下の通りである。染色緩衝液(
20%メタノール、0.5%トリトンX−100、1mMフェロシアン酸カリウム
(potassium ferrocyanide)、および3mM X−Glucを含有する50mM K
PG、緩衝液、pH7.0)中で組織をインキュベートした。典型的には組織を
この溶液中で約12時間インキュベートしたが、ある場合には(染色が強い場合
)組織を速やかに取り出し、より短時間で染色を完了した。試料を650mmHgの
真空チャンバー中に2分間入れ、次に37℃で15時間インキュベートした。染
色後、試料を20%、40%、60%および70%エタノール中に連続的に5分
浸けて清澄化した。
【0039】 GUS活性を以下のように視覚的に定量化した。半対数スケールで活性のない
のを0とし、最も高いレベルのGUS活性を4としてスコアをつけた。評価4を
与えたもののほぼ50%の暗い染色を示した試料を3と評価し、評価4を与えた
もののほぼ50%の暗い染色を示した試料を3と評価し、評価3を与えたものの
ほぼ50%の暗い染色を示した試料を2と評価し、そして評価2を与えたものの
ほぼ50%の暗い染色を示した試料を1と評価した。
【0040】 例1.トランスジェニックアラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana
)中の外来遺伝子の種子特異的発現 エル・フェンドレリ(L. fendleri)からの種子特異的プロモーターの単離 ムレイ(Murray)とトンプソン(Thompson)(1980年)が記載したように
、エル・フェンドレリ(L. fendleri)の若い葉からゲノムDNAを単離した。 500μgのDNAを消化し、ショ糖勾配上でサイズ選択(サムブルーク(Sambr
ook)ら、1989年)し、そしてDNA(平均サイズ12kb)をDashII のBamHI消化したアームに連結することにより、ベクターλDashII(
ストラタジーン(Stratagene)、ラホヤ(La Jolla)、カリホルニア州)中で作
製したSau3AI部分消化物ゲノムライブラリーを調製した。製造業者の条件
に従って全連結物をパッケージングし、大腸菌(E. coli)株XL1−Blue MRA−P2(ストラタジーン(Stratagene))上にまいた。これは、5×1
5個の1次組換えクローンを与えた。次に製造業者の説明書に従ってこのライ ブラリーを増幅した。ゲノムライブラリーの一部を大腸菌(E. coli)XL1− Blue上にまき、得られたプラーク(150,000)を製造業者の説明書に
従って、荷電ナイロン膜(ハイボンド(Hybond)N+、アマシャム(Amersham) 、アーリントンハイツ(Arlington Heights)、イリノイ州)にリフトした。ス トラタリンカー(Stratalinker)(ストラタジーン(Stratagene))を使用して
UV下でDNAをフィルターに結合させた。
【0041】 プラスミドpLesq2(米国特許出願第08/530,862号に記載)上
に存在するエル・フェンドレリ(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼのcD NAクローンと膜をプローブ結合させることにより、エル・フェンドレリ(L. f
endleri)ヒドロキシラーゼに対応するゲノム配列を有するいくつかのクローン を単離した。プラスミドpLesq2をランダムプライミングにより32Pで標識
した。フィルターを、7%SDS、1mM EDTA、0.25M Na2HPO4 (pH7.2)、1%BSA中で65℃で2時間プレハイブリダイズし、同じ溶
液中で16時間プローブとハイブリダイズさせた。フィルターを、0.1%SD
S以外に2×SSC、1×SSC、0.5×SSCを含有する溶液中で65℃で
連続的に洗浄した。ヒドロキシラーゼの完全なコード配列を含有する4.5kbの
HindIII/NotI断片と約2.2kbの5’上流領域を、pBluescr iptKS(ストラタジーン(Stratagene))の対応する部位にサブクローニン
グしてプラスミドpLesqtotを作成し、自動シーケンサーを使用してジデ
オキシ鎖停止法によりプロモーター領域の配列を完全に決定した。配列データは
、コンピューターソフトウェアパッケージDNASIS(ヒタチ(Hitachi)、 ブリスバン(Brisbane)、カリホルニア州)を使用して解析した。
【0042】 クローンpLesqtot中の挿入体の部分配列を図3に示す(配列番号1)
。配列は3670塩基対の連続的DNA配列を含む。このクローンは、2217
塩基対の非翻訳領域領域(すなわち、最初のATGコドンに先行するヌクレオチ
ド)、1152塩基対の読みとり枠、および302塩基対の3’非翻訳領域をコ
ードする。読みとり枠は、予想分子量44,370の384アミノ酸のタンパク
質をコードする。
【0043】 ベクターpBI101−pLesq−GUSの構築とアラビドプシス(Arabidop
sis)の形質転換 第1の工程で、pLesqtotをHindIIIとEcoRIで切断し、2. 2kbの挿入体断片をpBluescriptKS中にクローン化した。得られた
ベクターpLesqpromは、pLesqtot中でORFの上流に2.2kb
の配列を含有する。プロモーター断片はBamHI部位を含有しないが、pBl
uescriptKSのポリリンカーは、EcoRIクローニング部位の隣にB
amHI部位を含有する。すなわちpLesqpromを次にHindIIIとB amHIで切断し、挿入体断片をアガロースゲル電気泳動で精製した。pBI1
21を同じ酵素で切断して35Sプロモーター断片を放出させた。pLesqp
romのHindIII/BamHI挿入体断片を次に、pBI121の対応する 部位に連結して、ベクターpBI−pLesq−GUSを得た(図4)。pBI
−pLesq−GUSを次に、電気穿孔法によりエー・ツメファシエンス(A. t
umefaciens)株GV3101中に導入し、アラビドプシス(Arabidopsis)植物 の形質転換に使用した。
【0044】 電気穿孔法のための細胞を以下のように調製した。GV3101をLB培地(
水1リットル当たり10gトリプトン、5g酵母エキス、5g NaCl)で増
殖させた。250mlの培養物をOD600=0.6まで増殖させ、次に4000rpm
で15分遠心分離した(ソーバル(Sorvall)GS−Aロータ)。ゆるいペレッ
トから上清を直ちに吸引し、これを静かに500mlの氷冷水中に再懸濁した。細
胞を前記したように遠心分離し、30mlの氷冷水中に再懸濁し、30mlの試験管
に移し、5000rpm (ソーバル(Sorvall)SS−34ロータ)で5分遠心分 離した。これを3回繰り返し、細胞を連続的に30mlの氷冷水、30mlの氷冷し
た10%グリセロール、そして最後に0.75mlの氷冷した10%グリセロール
中に再懸濁した。これらの細胞のアリコートを取り、液体窒素中で凍結し、−8
0℃で保存した。
【0045】 電気穿孔法では、ジーンパルサー(GenePulser)装置(バイオラッド(Bio-Ra
d)、ハーキュリーズ(Hercules)、カリホルニア州)を使用し、水中に40μ lの細胞と1μlのDNAを含有する冷2mmギャップキュベットを使用して、2
.5KVの電圧と25μFの静電容量で使用した。電気穿孔した細胞を1mlのSO
C培地(サムブルーク(Sambrook)ら、1989年、A2ページ)で希釈し、2
8℃で2〜4時間インキュベートした後、カナマイシン(50mg/l)を含有する
LB培地上にまいた。
【0046】 アラビドプシス(Arabidopsis)植物を、基本的にベクトールド(Bechtold) ら(1993年)に記載のようにインプランタ(in planta)形質転換法により 形質転換した。エー・ツメファシエンス(A. tumefaciens)GV3101(pB
I−pLesq−GUS)の細胞を液体培養物から遠心分離して採取し、次にO
600=0.8で浸透培地に再懸濁した。浸透培地は、10mg/lの6−ベンジル アミノプリンと5%グルコースを含有するムラシゲ(Murashige)とスクーグ(S
koog)マクロとミクロ栄養物質培地(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズー リ州)である。12〜15個の植物のバッチを天然光で、1日の平均温度約25
℃で、土壌を含有する3.5インチの鉢中で3〜4週間増殖させた。無傷の植物
を細菌懸濁液中に浸漬し、次に真空チャンバー中に移し、組織が均一に水に浸漬
したように見えるまで実験室の真空ポンプで作成した600mmの真空下に置く(
約10分)。植物を連続的光(400〜700nmの範囲で100μmolm-2s-1照 射)で4週間増殖させた。鉢の中のすべて植物から得られた種子を1つのバッチ
として採取した。種子を、エタノールで2分、次に家庭用漂白剤(クロロックス
(Chlorox))、水およびツイーン80(50%、50%、および0.05%) の混合液中で10分連続的に処理し、次に無菌水で完全にリンスして滅菌した。
B5ビタミン(シグマ(Sigma))を補強し50mg/lのカナマイシンを含有する 1/2×ムラシゲ(Murashige)とスクーグ(Skoog)塩培地を含有する100mm
シャーレ中の寒天固化培地に、種子を高密度(2000〜4000/プレート)
でまいた。4℃で48時間インキュベートして発芽を刺激後、形質転換体が、ク
ロロティックカナマイシン−感受性苗木のバックグランドに対して健康な緑の苗
木が明瞭に同定できるまで7日間苗木を増殖させた。形質転換体を土壌に移し、
成熟するまで増殖させた。20を超える形質転換体が得られた。
【0047】 トランスジェニック植物の解析 カッパヒドロキシラーゼプロモーターの活性を、X−Gluc(5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸)で染色してβ−グルクロ
ニダーゼの存在について、トランスジェニックアラビドプシス(Arabidopsis) 植物の種々の組織を染色することにより測定した。トランスジェニックアラビド
プシス(Arabidopsis)植物から異なるステージで単離された葉、茎、長角果、 花、および成長している胚について組織染色を行なった。3つのトランスジェニ
ック植物からのアラビドプシス(Arabidopsis)胚を種皮から切開し、7.5g/l
寒天を用いてMS−塩培地を含有するプレート上で後期ハート(heart)段階か ら後期子葉段階までステージ分類をした後、GUS染色緩衝液に移した。葉、茎
、および花序をトランスジェニック植物から採取し、直接染色緩衝液に浸漬した
【0048】 3つのトランスジェニック植物(1〜3と呼ぶ)で得られた結果を表1に示す
。これらの結果から、カッパヒドロキシラーゼプロモーターは、すでにトーピー
ド(torpedo)段階の胚でGUS活性の出現を引き起こすことがわかる。GUS 活性は、胚の以後の成長を通して持続した。pBI−pLesq−GUSトラン
スジェニック植物中のGUS活性の量を、大豆ベータ−コングリシニン(7S)
遺伝子(ヒライ(Hirai)ら、1994年)のアルファサブユニットをコードす る遺伝子からのプロモーターにより駆動されるGUS遺伝子を発現するトランス
ジェニック植物と比較した。高レベルのGUS発現についてp7S−GUS植物
を選択した。レスケレラ(Lesquerella)プロモーターは7Sプロモーターより 早く活性があった。活性の開始は、アラビドプシス(Arabidopsis)中の貯蔵タ ンパク質の開始と一致する(表1)。カッパヒドロキシラーゼプロモーターを含
有するトランスジェニック植物中のGUS活性のレベルは、大豆β−コングリシ
ニンプロモーターを含有するトランスジェニック植物中のものと少なくとも同程
度であった。トランスジェニック植物の葉、茎、または豆果の試料にはGUS活
性がなかった。すなわち、トランスジェニック植物中の外来遺伝子の種子特異的
発現を引き起こすのにカッパヒドロキシラーゼプロモーターを使用することがで
きる。
【0049】
【表1】
【0050】 例2.トランスジェニックブラシカ・ナプス(Brassica napus)中の外来遺伝子
の種子特異的発現
【0051】 カノーラ(Canola)の形質転換のためのベクターpMON17227−pLes
q−GUSの構築 第1の工程で、ベクターpBI121(クロンテク(Clontech))をSmaI
とSacIで切断してGUS遺伝子を精製した。GUS遺伝子を含有する挿入体
断片を、ベクターpMON26112のStuI部位とSacI部位にクローン
化して、ベクターpMON26112−GUSを得た。第2の工程で、エル・フ
ェンドレリ(L. fendleri)カッパヒドロキシラーゼプロモーターを含有するp LesqpromからのHindIII/BamHI断片を、HindIIIとBgl
IIで切断したpMON26112−GUS中にクローン化した。得られたベクタ
ー(pMON26112−pLesq−GUS)をNotIで切断し、挿入体断
片を、NotIで切断したベクターpMON17227に連結した。最後のベク
ターpMON17227−pLesq−GUS(図5)を使用して、レスケレラ
(Lesquerella)プロモーター−GUSカセットを、アグロバクテリウム(Agrob
acterium)介在形質転換を使用してカノーラ(Canola)植物中に導入した。
【0052】 ビー・ナプス(B. napus)の形質転換と再生 pMON17227−pLesq−GUSを含有するアグロバクテリウム(Ag
robacterium)株ABIを使用して、基本的にフライ(Fry)ら(1987年)に
記載のように、ブラシカ・ナプス(Brassica napus)品種ウェスター(Westar)
を形質転換した。簡単に説明すると苗木をメトロミックス(Metro Mix)350 中に植え、以下の条件(温度、昼15℃、夜10℃、光の強度600μmolm-2s- 1 、夜8時間、相対湿度50%)で増殖チャンバー中で増殖させ、3週令になっ た時、6インチの鉢に移した。5週令のウェスター(Westar)植物を、とう立ち
した時(しかし開花の前)に一度採取する(最大3つの花を有する植物までが採
取される)。葉と芽を取り、花の芽の下の4〜5インチの茎を、外植片組織源と
して使用する。接種の前に、茎を以下のように滅菌する:70%のメタノールに
1分浸漬、38%のクロロックス(Clorox)に20分浸漬、無菌脱イオン水で2
回リンス、そしてテーブルスプーン2杯分のカプタン(Captan)50−WP(I
CI)+500mlの無菌水に15分浸漬。
【0053】 アグロバクテリウム(Agrobacterium)調製 アグロバクテリウム(Agrobacterium)を、スペクチノマイシン100mg/l、 ストレプトマイシン100mg/l、クロラムフェニコール25mg/l、およびカナマ
イシン50mg/lを含有するLBプレート(LB−SSCKと呼ぶ)に画線培養す
る。接種の2日前に、白金耳10μl分のアグロバクテリウム(Agrobacterium )を、2mlのLB−SSCKを含有する試験管に入れ、ローテーターにのせて一
晩増殖させる。接種の前日に、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を継代し 、2mlの新鮮なLB−SSCKに200μlを入れ、ローテーターにもどして一
晩増殖させる。接種日に、アグロバクテリウム(Agrobacterium)をMS液体培 地で1:10希釈する。OD600の読み値をとり、0.2〜0.4の範囲の読み 値が許容される。
【0054】 外植片接種 茎の根からの方向に注意して茎を4分の1インチの切片に切る。外植片を、1
:10希釈のアグロバクテリウム(Agrobacterium)を有するシャーレに5分接 種し、5つの茎について5mlのアグロバクテリウム(Agrobacterium)を使用し 、アグロバクテリウム(Agrobacterium)はピペットで直接外植片の上にのせる 。5分接種後、外植片からアグロバクテリウム(Agrobacterium)を吸引して除 く。最適な苗条再生応答が得られるように、茎外植片を同時培養プレートの上に
基底部を下にして培養する(2mlのTXD液体培地を有する1/10MS培地を
無菌の8.5cmのろ紙で覆う)。TXD培地は4.3gのギブコ(Gibco)MS 培地、2mlのガンボルグ(Gamborg)BS混合物(シグマ(Sigma))500×溶
液、8mlのp−クロロフェノキシ酢酸(0.5mg/ml)、0.01mlのキネチン (Kinetin)(0.5mg/ml)、30gのショ糖を含有し、水で1リットルにする
。同時培養プレートを、裂け目をいれた透明のプラスチック袋に入れ、25℃で
24時間の連続的冷白色光下に置く。
【0055】 組織選択と再生 2日間の同時培養期間後、茎の外植片を、3日間の遅延期間のために、500
mg/lのチカルシリン(ticarcillin)、50mg/lのセフォタキシム(cefotaxime )、および1mg/lのベンジルアミノプリン(BAP)を含有するMS培地上に移
す。再度プレートを、裂け目をいれた透明のプラスチック袋に入れ、25℃で2
4時間の連続的冷白色光下に置く。3日間の遅延期間後、茎外植片を、グリホセ
ート(glyphosate)と上記レベルのチカルシリン、セフォタキシム、およびBA
Pを含有するMS 0.1mMグリホセート選択培地上に3週間移す。次に茎外植
片を同量の上記チカルシリン、セフォタキシム、およびBAPそして0.5mg/l
のジベレリン(gibberellin)(GA3)(これは苗条の伸長を促進することがわ
かっている)を含有するMS 0.1mMグリホセート選択培地上にさらに3週間
移す。これらのグリホセート選択培地上での6週間後、茎の受容体から緑色の正
常な成長している苗条を切り出す。苗条(プレート当たり4〜5苗条)を根付け
培地[上記レベルのチカルシリンとセフォタキシム、および2mg/lのインドール
酪酸(IBA)を含有する、ギブコ(Gibco)MS塩、ビタミン、3%ショ糖] に入れる。苗条を根付け培地に入れてすでに1週間後には根の成長が始まる。2
週間目の時点で、大きな基部を有する苗条を、鉢土壌(メトロミックス(Metro
Mix)350)を有する2.5インチの鉢に移し、平かごを透明のプラスチック ドームで覆い、苗条が伸長できるようにする。ストック植物の増殖のために、す
べての植物を上記と同じ条件の増殖チャンバーに入れる。3〜4日後に苗条が硬
くなったら、プラスチックドームに裂け目を入れ、数日後完全に除去する。植物
を22℃の増殖チャンバー中で、16時間/8時間の明/暗サイクルで光強度2
20μEm2S-1で増殖させ、数週間後、温室に移す。
【0056】 トランスジェニック植物の解析 18個の再生ビー・ナプス(B. napus)植物を、例1に記載の発現レベルと同
じスケールを使用して、GUS遺伝子の胚特異的発現について調べる。トランス
遺伝子カノーラ(canola)豆果と種子を、10、10、16、21、28、35
dpaおよび成熟期に採取した。葉、茎、豆果、および種子試料を、上記のように β−グルクロニダーゼ活性について染色した。GUS測定の結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】 表2の結果から、カッパヒドロキシラーゼプロモーターに融合した外来遺伝子
は、種子ではない組織中では有意なレベルで発現されないが、成長している種子
中では多量に発現されることは明らかである。高レベルのGUS染色が、開花後
すでに16日で明らかであり、種子の成長の間染色は持続された。すなわちカッ
パヒドロキシラーゼプロモーターは、植物中で外来遺伝子の発現を引き起こすの
に有用なプロモーターである。このプロモーターは、目的の遺伝子が種子成長の
早期段階で高レベルで転写され、これが種子成長の間持続することが好ましい場
合に、特に有用である。このような応用には、種子脂質代謝の修飾がある。
【0059】 本明細書に記載のすべて刊行物および特許出願は、本発明が関係する分野の当
業者のレベルを示す。
【0060】 本明細書に記載のすべて刊行物および特許出願は、各刊行物および特許出願が
参照により具体的かつ個々に示されるように、参照することにより本明細書の一
部とする。
【0061】 理解を容易にするために上記発明を説明と例によりある程度詳細に説明したが
、請求の範囲の逸脱することなくこれらの変更および修飾が可能であることは当
業者に明らかであろう。
【0062】
【0063】
【配列表】 (1) 一般情報 (i) 出願人:BROUN,Pierre SOMERVILLE,Chris (ii) 発明の名称:強い早期種子特異的遺伝子制御領域 (iii)配列の数:1 (iv) 連絡宛先: (A) 受信者:PILLSBURY MADISON & SUTRO,LLP (B) 通り:1100 New York Avenue,N.W. (C) 市:ワシントン (D) 州:D.C. (E) 国:USA (F) 郵便番号:20005-3918 (v) コンピューターの読込み形式 (A) 媒体のタイプ:ディスケット (B) コンピューター:IBM PC コンパチブル (C) オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS (D) ソフトウェア:MS Word (vi) 現在の出願のデータ (A) 出願番号: (B) 出願日: (C) 分類: (2) 配列番号1の情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ:3670ヌクレオチド (B) タイプ:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (xi) 配列番号1の配列
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プラスミドpMON26112の制限地図である。
【図2】 図2は、プラスミドpMON17227の制限地図である。
【図3】 図3は、エル・フェンドレリ(L. fendleri)のカッパヒドロキシラーゼ遺伝 子のプロモーター領域とコード領域を含有するゲノムクローンpLesqtot
の部分ヌクレオチド配列を示す。このクローン(3670塩基対の連続的ヌクレ
オチド配列、配列番号1)は、2217塩基対の5’非翻訳領域(すなわち、開
始ATGコドンの前の配列)、1152塩基対の読みとり枠、および302塩基
対の3’非翻訳領域をコードする。サブクローニングに使用されるHindIII とEcoRI部位は、2重下線で示す。カッパヒドロキシラーゼの第1の翻訳コ
ドンに対応するATGは下線で示す。
【図4】 図4は、プラスミドpBI−pLesq−GUSの制限地図である。
【図5】 図5は、プラスミドpMON17227−pLesq−GUSの制限地図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ブラウン、ピエール アメリカ合衆国 カリフォルニア、バーリ ンゲーム カプチーノ 1249 (72)発明者 サマービル、クリス アメリカ合衆国 カリフォルニア、ポルト ラ バレイ、バレイ オーク 5

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物カッパヒドロキシラーゼ遺伝子からの転写制御領域から
    なる核酸。
  2. 【請求項2】 転写制御領域は、レスケレラ・フェンドレリ(Lesquerella
    fendleri)カッパヒドロキシラーゼ遺伝子からである、請求項1記載の核酸。
  3. 【請求項3】 転写制御領域は、配列番号1のヌクレオチド1〜ヌクレオチ
    ド2214からなる、請求項2記載の核酸。
  4. 【請求項4】 植物カッパヒドロキシラーゼ遺伝子のコード配列からさらに
    なる、請求項1に記載の核酸。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の核酸と異種遺伝子とからなる組換え核酸。
  6. 【請求項6】 異種遺伝子は脂質代謝の酵素である、請求項5記載の組換え
    核酸。
  7. 【請求項7】 異種遺伝子は植物ヒドロキシラーゼ遺伝子である、請求項5
    に記載の組換え核酸。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の組換え核酸からなる宿主植物細胞。
  9. 【請求項9】 植物カッパヒドロキシラーゼ遺伝子からの転写制御領域と、
    転写停止領域とからなる、発現構築物。
  10. 【請求項10】 転写制御領域は、レスケレラ・フェンドレリ(Lesquerell
    a fendleri)カッパヒドロキシラーゼ遺伝子からである、請求項9記載の発現構
    築物。
  11. 【請求項11】 転写制御領域は、配列番号1のヌクレオチド1〜ヌクレオ
    チド2214からなる、請求項10記載の発現構築物。
  12. 【請求項12】 転写開始領域と翻訳停止領域とからさらになる、請求項9
    記載の発現構築物。
  13. 【請求項13】 植物カッパヒドロキシラーゼ遺伝子のコード配列からさら
    になる、請求項9記載の発現構築物。
  14. 【請求項14】 異種遺伝子のコード配列からさらになる、請求項9記載の
    発現構築物。
  15. 【請求項15】 異種遺伝子は脂質代謝の酵素である、請求項14記載の発
    現構築物。
  16. 【請求項16】 異種遺伝子は、異種遺伝子のセンス転写体が産生されるよ
    うに、転写制御領域と転写停止領域に機能的に結合している、請求項14記載の
    発現構築物。
  17. 【請求項17】 転写制御領域はプロモーターである、請求項9記載の発現
    構築物。
  18. 【請求項18】 請求項9記載の発現構築物からなる宿主細胞。
  19. 【請求項19】 宿主細胞は宿主植物細胞である、請求項18記載の宿主細
    胞。
  20. 【請求項20】 請求項14記載の発現構築物からなる宿主植物細胞。
  21. 【請求項21】 宿主植物細胞はブラシカ(Brassica)種である、請求項2
    0記載の宿主植物細胞。
  22. 【請求項22】 宿主植物細胞は双子葉植物種である、請求項20記載の宿
    主植物細胞。
  23. 【請求項23】 (a)宿主植物細胞を請求項6記載の組換え核酸で形質転
    換し、 (b)形質転換した宿主植物細胞のコレクションから種子を得て、そして (c)脂肪酸の所望の組成について種子をスクリーニングする、 ことを特徴とする、種子の脂肪酸組成の改変方法。
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