JP2000157080A - アルファ―アミラ―ゼ遺伝子のプロモ―タ―領域を含んでなる遺伝子発現系 - Google Patents
アルファ―アミラ―ゼ遺伝子のプロモ―タ―領域を含んでなる遺伝子発現系Info
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Abstract
されたプロモーター領域および所望の遺伝子産生物をコ
ードする遺伝子を含むベクターで形質転換した宿主細胞
を培養し、前記プロモーター領域のコントロール下に前
記遺伝子の発現を促進し、そして発現された遺伝子産生
物を回収することを特徴とする、遺伝子産生物をコード
する遺伝子を植物宿主細胞の中で発現させることによっ
て遺伝子産生物を生産する方法。 【効果】 植物細胞における外来遺伝子の発現のための
新規な発現系を提供する。
Description
る方法、とくに遺伝子産生物をコードする遺伝子を植物
宿主細胞の中で発現させることによって所望の遺伝子産
生物を大量生産し、これにより前記所望の遺伝子産生物
を植物宿主細胞の培地から回収することができる方法に
関する。
酵母またはバクロウイルス(Baculouirus)
の発現系を越えた利点を有する。バクテリアは発現した
タンパク質の翻訳後の修飾を行わず、そして酵母はそれ
を制限された程度にのみ行う。植物細胞は高等真核生物
であり、そしてタンパク質の適切な機能のためにしばし
ば必要とされる、複雑なタンパク質の修飾を実施するこ
とができる。
在的な形質転換ベヒクルであり、そして一般にタンパク
質の満足すべき修飾を行うが、バクロウイルスを培養す
るためのコストは植物細胞についてより非常に高い。さ
らに、宿主細胞はバクロウイルスにより究極的に溶解さ
れ、そして発現したタンパク質と一緒に数千の宿主タン
パク質が混合されそして培地の中に解放され、これが発
現したタンパク質の精製を困難とする。
びビタミン類を含有し、したがって、バクロウイルスの
トランスフェクションのために使用される昆虫の細胞系
の培養に使用される培地よりコストとが非常に少ない。
そのうえ、植物細胞のための培地は血清を供給する必要
がないが、ほとんどすべての動物細胞の培養物は血清な
しでは生き残ることができない。さらに、植物細胞は真
核生物であり、その中で発現したタンパク質は適当に後
修飾されて、前記タンパク質を機能的にしかつ植物細胞
から分泌することができるようにする。植物タンパク質
の分泌メカニズムはまだ深くは理解されていないが、現
在それは動物の分泌メカニズムに類似しうるということ
が普通に信じられている。
素、香味剤および芳香油の潜在的商業的源であることが
できる。このような化合物の植物細胞での生産は、
(1)それらが植物により少量であるいは植物のつかの
間のまたは収穫できない段階において生産されるとき、
(2)それらが農業に適さないか、あるいは消滅するま
たは容易に得られない環境に対して生来的である植物に
より生産されるとき、および(3)化合物が生体外でま
たは他の生合成系により満足に合成できないとき、探求
される。
物を生産する試みは、所望の産生物の非効率的生産およ
び分泌、劣った細胞の成長、および培養における適当な
細胞のタイプの維持の困難のような因子のために、しば
しば商業的に成功しない。カルスのアルファ−アミラー
ゼ(α−アミラーゼ)の発現系は、植物細胞の発酵技術
に使用される潜在的特徴、すなわち、その高い発現、持
続した発現、細胞培養由来の組織または細胞培養におけ
る組織の発酵に無関係の発現、およびその産生物の分泌
を有する。イネのカルスそれ自体は商業的α−アミラー
ゼの理想的な源でないが、高い発現の原因となる遺伝子
の調節領域を、組み換えDNA技術および植物の形質転
換の助けにより使用して、他の価値があるタンパク質の
高い発現を達成することができる(Carl R.Simmons et
al.(1991),Biotechnology and Bioengineering, 38:545
-551)。
の澱粉および分枝鎖の澱粉を含み、そして穀類における
基本的な貯蔵された栄養成分である(T.Akazawa et al.
(1985),Ann.Rev.Plant Pysiol., 36:441-472)。穀類の
種子の初期の発芽期間の間に、糊粉層(aleuron
e layer) の細胞は合成してα−アミラーゼを形
成するであろう。アルファ−アミラーゼ、α−グルコシ
ダーゼおよびデキストリナーゼを制限する酵素は胚乳
(endosperm) の中に分泌され、そして一緒に
なって澱粉を加水分解してグルコースおよびマルトース
を形成して、胚芽の成長に要求される栄養を提供する
(Rogers,J.C.,J.Biol.Chem., 259 (19):12234-12240,1
985;Roger J.G. J.Biol.Chem. 260 :3731-3738,1985)。
水分解してマルトースおよびグルコースのわずかの部分
を形成するβ−アミラーゼを包含する。β−アミラーゼ
は、通常乾燥した種子においては、タンパク質とのジサ
ルファイド結合の組み合わせにより胚乳の中に不活性の
形態で存在する。種子が発芽するとき、糊粉層の細胞は
また、GA3 により誘導され、これによりプロテアーゼ
を生産し、これはジサルファイド結合を破壊し、そして
活性な形態のβ−アミラーゼを解放することができる。
上の4つの酵素は、種子の発芽の間に、澱粉の加水分解
に参加する。しかしながら、α−アミラーゼが大部分の
量を生産し、そして大部分の重要な役割を保持する(Ak
azawa et al.(1985),Ann.Rev.Plant Pysiol., 36:441-4
72)。
響を発揮する(Chandler,P.M.et al.(1984),Mol.Biol.
3:401-418)。イネの種子をGA3 で処理するとき、糊
粉層の細胞により新しく合成されたα−アミラーゼのm
RNAは正常値の50〜100倍に増加する(O'Neill,
S.D.et al.(1990),Mol.Gen.Genet. 221:235-244)。実
際には、GA3 によるα−アミラーゼ遺伝子の発現の調
節は、植物における遺伝子の発現のホルモンの調節メカ
ニズムを研究するための、非常に理想的なモデルを提供
した(Ho,T.H.D.et al.(1987),"Regulation of gene ex
pression in barley a eurone layers,":Molecular Bio
logy of Plant Growth Control,Liss,A.R.(編)pp.35
−49、ミゾリー州ルイス)。
α−アミラーゼ遺伝子は大量にクローニングされ、そし
てさらに研究および分析されてきている。その結果、こ
れらの穀類型α−アミラーゼのイソ酵素またはイソ形態
のすべてはいくつかの型のα−アミラーゼ遺伝子により
生産されることが示された(Baulcombe,D.C.(1987),Mo
l.Gen.Genet. 209:33-40);Haung,N.et al.(1990a)。Pl
ant Mol.Biol. 14:655-668;Knox,C.A.P.et al.(1987),
Plant Mol.Biol. 9:3-17 )。
間に糊粉層の細胞から分泌されたα−アミラーゼは、2
つのクラス、すなわち高い等電点および低い等電点のも
のを含む。オオムギにおいて、高い等電点に属する約7
つのα−アミラーゼ遺伝子および低い等電点に属する約
3〜4つの遺伝子が存在する(B.Khursheed およびJ.C.
Robers,J.Biol.Chem. 263;18593-18960, 1988)。
cDNAおよび9つのα−アミラーゼのゲノムDNAの
群がクローニングされている(Chandler,P.M.et al.(19
84),Plant Mol.Biol. 3:401-418;J.DeikmanおよびR.L.
Jones,Plant Physiol.78:192-198,1985;Khrusheed およ
びRogers(1988), 前掲:Knox,C.A.P.et al.(1987)前掲)
。コムギのα−アミラーゼ遺伝子はα−Amy1、α
−Amy2およびα−Amy3のグループに分けられ
る。
が、α−Amy2は低い等電点を有し、そして両者の少
なくとも各々は発芽する種子において発現される10以
上の遺伝子を有する。アルファ−アミラーゼα−Amy
3は未熟の種子の中で発現される3〜4遺伝子を含む
(Baulcombe et al.(1987)前掲)。
し、そのα−アミラーゼ遺伝子は、オオムギおよびコム
ギと同様に、高い等電点の群および低い等電点の群とし
て分類される。実際には、マクグレゴール(MacGr
egor)A.W.et al.(CerealChem.65:326,1988 )は
等電点の電気泳動の分析法を適用し、そしてイネのα−
アミラーゼのイソマーが5.5より小さいpI値を有す
ることを発見した。
をもたない可能性がある。フアング(Huang ),N.et a
l.(Nucl.Acids Res. 18:7007-7014,1990b)は、10の
イネのα−アミラーゼ遺伝子を交差ハイブリダイゼーシ
ョン実験により5つの群に分け、そして5つの染色体の
中のその分布を確認した(Ranjhan et al.、オリジナル
の原稿はまだ作成中である)。オー’ネイル(O'Neill
)et al.(Mol.Gen.Genet. 221:235-244, 1990)は、
イネのα−アミラーゼのcDNA pOS103および
pOS137の最初のいっそう詳細な研究を行った。p
OS103およびpOS137から作ったα−アミラー
ゼは、48KDaの分子量の前駆体タンパク質を有す
る。
き、前駆体タンパク質のシグナルペプチド鎖は切断され
るであろう。したがって、成熟α−アミラーゼの分子量
は約45〜46KDaであり、そしてその等電点は約
6.0であると予測される。しかしながら、クマガイ、
M.H.et al.(Gene,94:209-216, 1990)は、サッカロミセ
ス(Saccharomyces )の細胞の中にpOS103をサブ
クローニングして、サッカロミセス(Saccharomyces )
がα−アミラーゼを培地の中に分泌するようにし、そし
てα−アミラーゼの分子量が約44〜45KDaであ
り、そして等電点が約4.7〜5.0であることが見出
された。
リウム・ツメファシエンス(Agrobacteriu
m tumefaciens)による形質転換はよく確
立されそして広く使用されている。アグロバクテリウム
(Agrobacterium)の中のTiプラスミド
のT−DNAの境界の間に担持された多数の外来遺伝子
は植物細胞に供給され、染色体の中に組み込まれ、そし
て引き続く世代により安定に遺伝される。しかしなが
ら、これは一般に単子葉植物に当てはまらなかった。過
去において、単子葉、とくにイネ科の作物種はアグロバ
クテリウム(Agrobacterium)宿主領域の
外にあると考えられてきている(Bevan,M.W.,Nucl.Acid
s Res.12:8711-8721,1984;Declene,M.,Phytopathol.Z.
113:81-89)。経済的に重要な単子葉種から開発された
遺伝子転移法は、原形質体の中への方向づけられたDN
Aの転移、あるいは胚のカルスの完全な細胞または懸濁
細胞の中への直接のDNAの転移の粒子放出法に制限さ
れてきている。
cterium)を使用する単子葉の形質転換について
のデータは段々蓄積されてきている。アスパラガス・オ
フィシナリス(Asparagus officina
lis)(Bytebier,B.et al.(1987),Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,85:5345-5349)およびジオスコレア・ブルフィフ
ェラ(Dioscorea bulbifera)(Sc
hafer,W.et al.(1987)) のゲノムDNAの中へのアグロ
バクテリウム(Agrobacterium)T−DN
Aの組み込みの実証は、いくつかの単子葉種がアグロバ
クテリウム(Agrobacterium)により形質
転換される可能性を有することを最初に示した。
ryza sativa)のゲノムDNAの中へのT−
DNAの組み込みの報告(Raineri,D.M.et al.(1990),B
io/Technology 8:33-38)は、イネ科作物の植物をアグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)により
形質転換できることをさらに示した。最近、外来遺伝子
がトウモロコシの中に首尾よく形質転換され、そして植
物の再生およびF1子孫において形質転換された遺伝子
の検出が実証された(Gould,J.et al.(1991),Plant Phy
siol.95:426-434)。したがって、アグロバクテリウム
(Agrobacterium)仲介遺伝子転移系は単
子葉植物の形質転換に適用可能であるように思われる。
rium)仲介形質転換は複雑なプロセスであり、そし
ていくつかの因子が関係する(概観について、参照、Ho
oykaas,P.J.J.,Plant Mol.Biol.13:327-336,1986)。ビ
ルレンス系の活性化は植物腫瘍の誘導における初期の重
要な段階である(Garfinkrl,D.J.,J.Bacteriol.144:732
-743,1980)。Tiプラスミド上のvir遺伝子は、それ
らがある種の植物因子により誘導されるようになるま
で、サイレントであり、これはタバコにおいてフェノー
ル系化合物であるアセトシリンゴンおよびα−ヒドロキ
シアセトシリンゴンとして同定された(Stachel,S.E.et
al.(1985),Nature,318:624-629)。これらの化合物は植
物組織から、ことに創傷後、解放され、これらはアグロ
バクテリウム(Agrobacterium)を経る植
物の腫瘍発生のための前提条件であると知られてきてい
る。
リウム(Agrobacterium)に感受性でな
く、ある単子葉種(例えば、アスパラガス)はT−DN
Aの転移後腫瘍を形成する傾向がある(Hernalsteens,
J.P. et al.(1984),EMBO J.3:3039-3041)。アグロバク
テリウム(Agrobacterium)による単子葉
のヤマイモ・ヤーム・オニドコロ(Dioscore
a)(yam)のディスク上の腫瘍の形成は、双子葉植
物からの滲出物との予備インキュベーションを必要とし
(Schafer,W.et al.(1987),Nature,327:529-531)、いく
つかの単子葉植物はアグロバクテリウム(Agroba
cterium)により形質転換されたTiプラスミド
上のvir遺伝子の発現を活性化するために十分な誘導
因子を多分生産しないことが示される。
(Agrobacterium tumefacien
s)の増殖およびTiプラスミド上のvir遺伝子の発
現を阻害する毒素または阻害因子がコムギ(Usami,S.et
al.(1988)Proc.Natl,Acad.Sci.USA,85:3748-3752)およ
びトウモロコシ(Sahi,S.U.et al.(1991),Proc.Natl,Ac
ad.Sci.USA,87:3879-3883)の中に存在することが示さ
れ、そして単子葉植物をアグロバクテリウム(Agro
bacterium)で形質転換しようと試みる間に問
題を引き起こすことがあるであろう。それにもかかわら
ず、コムギおよびカラスムギはTiプラスミドのvir
位置の発現およびT−DNAのプロセシング反応を誘導
する物質を含有することが示されたが、コムギの誘導物
質はアセトシリンゴンと異なる(Usami,S.et al.(198
8)、前掲)。
インジカ型イネのアグロバクテリウム(Agrobac
terium)仲介形質転換のために必須であることが
報告された(Chan,M.T.et al.,"Transformation of ind
ica rice(Oryza sativa L.)mediated by Agrobacteriu
m."Plant Cell Physiol.(1992),33:577-583。その開示
を本発明の開示の一部分としてここに引用によって加え
る)。PSCはフェノール系化合物のアセトシリンゴン
(AS)およびシナピン酸(SA)に富んでいる。形質
転換の成功または効率におけるこれらの化合物の役割は
まだ知られていないが、結果はアグロバクテリウム(A
grobacterium)を使用する単子葉植物、少
なくともイネの形質転換をある種の物質の添加により改
良することができることを意味する。
ロバクテリウム(Agrobacterium)仲介形
質転換のために重要であることが示された(An,G.et a
l.(1986),Plant Physiol.81:301-305;Chan,M.T.et al.
(1992)前掲);H.H.Chang およびM.T.Chan,Bot.Bull.Acad
emia Sinica 32:171-178,1991 、これらを本発明の開示
の一部分としてここに引用によって加える;Dale,P.J.et
al.(1989),Plant Sci.63:237 ;Gould,J.et al.(19
91)、前掲;Hernalsteens J.P.et al.(1984)、前
掲)。
ム(Agrobacterium)による感染およびT
−DNAの転移は、適当な組織を形質転換のために使用
する場合、単子葉植物において起こる。イネの根の若い
組織は、適当な条件を適用する場合、アグロバクテリウ
ム(Agrobacterium)により形質転換され
る、より大きい可能性を有することが以前に示され(Cha
n,M.T.et al.(1992)前掲) 、そして若い組織は比較的よ
り少ない阻害因子またはよりビルレンスの誘導因子を含
有できることが仮定された。したがって、イネの形質転
換のための未熟の胚およびPSCの組み合わせを本発明
において使用することができる。
ベレリン酸(GA3 )による調節に加えて、イネの懸濁
培養した細胞の中のα−アミラーゼ遺伝子の発現は培地
の中に存在する炭水化物のレベルにより調節されるとい
う本発明者らの発見に基づく(Yu,SuMay et al.(1991),
J.Biol.Chem. 266:21131-2137 、これらを本発明の開示
の一部分としてここに引用によって加える)。
NAのレベルはショ糖の枯渇下に大きく誘導される。α
−アミラーゼ合成の増加は、外因性炭素源が消耗された
とき、エネルギー源として細胞の澱粉の加水分解を加速
すると仮定される。培地の中に糖を適切に供給した通常
の成長条件下で、α−アミラーゼ遺伝子の発現は代謝物
抑制(metabolic repression)にかかる。さらに、培養
したイネ細胞により合成されたα−アミラーゼは培地の
中に分泌され、そして培地の中に存在する全タンパク質
の約15〜20%に達することがあることが観察され
た。
モーターおよびシグナルペプチドを利用して、植物宿主
細胞の中で発現可能なベクターを構成することによっ
て、植物細胞培養における遺伝子発現系を開発すること
は有利であろう。任意の外来遺伝子を前記プロモーター
およびシグナルペプチドをコードする配列の下流に連結
することができる。次いで、この構成体を使用して適合
性の植物宿主細胞を形質転換することができる。
ーは前記植物細胞の中の外来遺伝子の発現および培地の
中へのタンパク質の分泌を制御するであろう。したがっ
て、このような発現系は大量の重要なタンパク質を発現
するおよび/または発現されたタンパク質の精製を大き
く促進するように培地の中に分泌する、高い可能性を有
する。
たは上に構成した遺伝子の発現系の発現効率をさらに増
強するために、前記遺伝子発現系はさらに適当なマーカ
ー遺伝子、リポーター遺伝子、抗生物質耐性遺伝子およ
び/またはエンハンサー遺伝子を含むことができ、それ
らのすべては関係する分野の専門家によく知られている
遺伝子である(Manatis,T.et al.,"Molecular Cloning:
A Laboratory Manual,",Cold Spring Harbor Laborator
y 、第2版、1989)。
て、植物宿主細胞の中で発現可能なベクターを構成し、
前記ベクターは植物のα−アミラーゼ遺伝子から誘導さ
れたプロモーター領域、および所望の遺伝子産生物をコ
ードする遺伝子を含んでなり;適合性の植物宿主細胞を
前記ベクターで形質転換し;生ずる形質転換体の宿主細
胞を培養し;前記培養した形質転換体の宿主細胞を糖消
耗または糖不含条件に暴露して、前記プロモーター領域
の制御下に前記遺伝子の発現を促進し;そして発現され
た遺伝子産生物を回収する、ことを含んでなる、遺伝子
産生物をコードする遺伝子を植物宿主細胞の中で発現さ
せることによって遺伝子産生物を生産する方法が提供さ
れる。
中で発現可能なベクターを構成し、前記ベクターは植物
のα−アミラーゼ遺伝子から誘導されたプロモーター領
域、および所望の遺伝子産生物をコードする遺伝子から
なり、α−アミラーゼ遺伝子から誘導された前記プロモ
ーター領域はプロモーターおよびシグナルペプチドをコ
ードするDNA配列を含み;適合性の植物宿主細胞を前
記ベクターで形質転換し;生ずる形質転換体の宿主細胞
を培地中で培養し;発現された遺伝子産生物を前記培地
から回収する、ことを含んでなる遺伝子産生物をコード
する遺伝子を植物宿主細胞の中で発現させることによっ
て遺伝子産生物を生産する方法が提供される。
別々のメンバーを含む多遺伝子(multi gene)族により
コードされる。GAおよび糖がイネにおけるα−アミラ
ーゼ遺伝子の発現を調節する方法を理解するために、異
なるα−アミラーゼ遺伝子を代表するα−アミラーゼc
DNAクローンを同定することが重要である。これらの
クローンは、それらの対応するゲノムのクローンを分離
するために使用される。
すα−アミラーゼcDNAクローンをプラスミドベクタ
ーpブルースクリプト(pBluescript)中で
のサブクローニングのために選択した。生ずるクローン
を、それぞれ、0.6,1.0,1.4および1.5kb
の挿入部の大きさをもつ、αAmy6−C(Oryza
sativa α−アミラーゼcDNA)、αAmy
7−C、αAmy8−CおよびαAmy10−Cと表示
した。
をさらにサブクローニングし、そして配列決定した。α
Amy6−C、αAmy7−CおよびαAmy8−Cの
配列決定した3′領域は、それぞれ、報告されたイネα
−アミラーゼ遺伝子RAmy3B(Sutliff et al.,199
1)、RAmy1A(Huang et al.,1990a)およびRAm
y3E(Huang et al.,1990b)のそれらと同一であるこ
とが見出された。pOSAmy10−Cに相当するゲノ
ムDNAはまだ報告されていない。
4つのα−アミラーゼ遺伝子の発現パターンは、構成さ
れた遺伝子特異的プローブを使用して決定された。αA
my7−CおよびαAmy8−Cの発現は12日に、そ
れぞれ、6倍および37倍誘導され、そして14日に増
加し続けた。αAmy10−Cの発現は14日に5倍の
増加で後誘導された。Amy6−Cの発現もまた、12
日に4倍に増加したが、それは14日に基底レベルに減
少した。他のアルファ−アミラーゼ遺伝子、αAmy3
−Cの発現は、糖の枯渇後、5倍に増加した(S.
M.,Yu、発表されない結果)。
アルファ−アミラーゼ遺伝子の間で、αAmy8−Cは
糖の枯渇後に最も豊富に発現される遺伝子である。さら
に、αAmy8−Cは、pOSAmy−Cのプローブで
検出したとき、全アミラーゼ転写体の40倍の増加を構
成する主要な遺伝子の1つであることに注意することは
価値がある。結果は、培養した細胞における炭水化物の
枯渇に応答するアルファ−アミラーゼ遺伝子の発現が一
時的かつ量的に調節されることを示す。
(αAmy8)のプロモーター領域を含有する発現ベク
ターを構成して、形質転換されたイネの細胞の中でβ−
グルクロニダーゼ(GUS)を発現させた。CaMV
35S RNAプロモーターの下流に配置されたヒグロ
マイシン耐性遺伝子hphを選択マーカーとして使用し
た。異なる形質転換法、例えば、原形質体または完全な
細胞のエレクトロポレイション、粒子の衝突、マイクロ
インジェクション法、超音波法、ポリエチレングリコー
ル仲介原形質体形質転換、ポリ−Lオルニヒン法、リン
酸カルシウム法(Hain,R.et al.(1985),Mol.Gen.Genet.
199:161-168)、およびアグロバクテリウム(Agro
bacterium)仲介形質転換系を適用してプラス
ミドDNAをイネの細胞の中に供給することができる。
GUSの発現は、形質転換後2日に、衝突されたまたは
エレクトロポレイションした細胞の中で検出された。こ
の結果は、α−アミラーゼプロモーター−GUSキメラ
遺伝子がイネの細胞において機能的であることを示す。
されるリポーター遺伝子は、ジャポニカ型のイネ(オリ
ザ・サチバ(Oryza sativa)L.cv.Tainung
62)において、アグロバクテリウム(Agrobact
erium)仲介遺伝子転移系を使用して、トランスフ
ェクトおよび発現される。この系はβ−グルクロニダー
ゼ(GUS)およびネオマイシンホスホトランスフェラ
ーゼ(NPTII)のキメラ遺伝子を含むプラスミドを
含んでなり、そしてこのアグロバクテリウム(Agro
bacterium)の形質転換効率はジャガイモ懸濁
培養物(PSC)の同時インキュベーションにより改良
された。
れ、イネのアルファ−アミラーゼ遺伝子(αAmy8)
およびアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)ノパリンシンターゼ遺伝子(NOS)のプロモータ
ーの制御下にあるとき、両者共トランスジェニックのカ
ルスおよび植物の中で発現された。実験のデータは、首
尾よい遺伝子の転移および本発明により作られたキメラ
遺伝子の性的遺伝を実証する。
付図面を参照する以下の詳細な説明において明らかとな
るであろう。本発明は、植物細胞中のα−アミラーゼプ
ロモーター、さらに詳しくはイネのα−アミラーゼプロ
モーターによる発現の調節に関する。アルファ−アミラ
ーゼは、穀類の発芽の間の胚乳の中に貯蔵された澱粉の
加水分解のための主要な澱粉加水分解酵素である。すで
にわれわれが示したように、イネにおけるα−アミラー
ゼ遺伝子の発現は2つの異なる調節のモード下にある:
I)発芽する種子におけるホルモンの調節およびII)
利用可能な炭水化物の栄養物質により培養した細胞にお
ける代謝抑制(metabolic reprssion)(Yu,S.M.et al.
(1991),J.Biol.Chem. 266:21131-21137)。われわれの
前の観察は高等植物における炭水化物の代謝の潜在的に
重要な制御のメカニズムを示唆し、これは発芽するイネ
の種子の胚の中のα−アミラーゼ遺伝子の抑制を説明す
ることができる(Karrer,E.E.et al.(1991),Plant Mol.
Biol. 16:797-805)。
伝子の発現を調節する分子のメカニズムを理解するため
に、われわれはα−アミラーゼ遺伝子の中の調節要素の
機能の分析にα−アミラーゼのプロモーターの制御下に
リポーター遺伝子を有するトランスジェニックイネを使
用した。これを実施するために、4つのα−アミラーゼ
cDNAクローンを、ジベレリン酸(GA3 )処理した
イネの糊粉層のポリ(A) +RNAから誘導されたcD
NAライブラリーから分離した。ヌクレオチド配列の分
析は、4つのcDNAが異なるα−アミラーゼ遺伝子か
ら誘導されたことを示す。イネの発芽する種子および懸
濁培養した細胞における個々のα−アミラーゼ遺伝子の
発現を、遺伝子特異的プローブを使用して研究した。
伝子の発現は、一時的に共同するが量的に別個の方法で
GA3 によりポジティブに調節される。対照的に、培養
した懸濁細胞において、α−アミラーゼ遺伝子の発現は
培地の中に存在する糖によりネガティブにかつ差別的に
調節される。さらに、1つの強いおよび1つの弱い炭水
化物の枯渇に応答性のα−アミラーゼ遺伝子が同定され
る。
ー領域(HS501)とイネの糊粉細胞の中のGA3 誘
導性DNA結合性タンパク質との間の相互作用もまた研
究される。DNAの移動シフトアッセイは、糊粉タンパ
ク質がHS501内の2つの特異的DNA断片と相互作
用することを示した。一方の断片は、2つの不完全な直
接に反復したピリミジンボックスおよび推定上のジベレ
リンの応答要素を含有する、位置−131〜−170の
間に位置する。他方の断片は推定上のエンハンサー配列
を含有する位置−92〜−130の間に位置する。糊粉
タンパク質とこれらの2つの断片との間の相互作用は、
配列特異的およびGA応答性である。
acterium)仲介遺伝子転移系を使用してジャポ
ニカ型のイネ(Oryza sativa L.cv.
Tainung62)の中のα−アミラーゼのプロモー
ターにより駆動されるリポーター遺伝子をわれわれは首
尾よく転移させそして発現させた。未熟のイネの胚(開
花後10〜12日)を、β−グルクロニダーゼ(GU
S)およびニオマイシンホスホトランスフェラーゼ(N
PTII)のキメラ遺伝子を含有するプラスミドを有す
るアグロバクテリウム(Agrobacterium)
菌株で感染させた。ジャガイモ懸濁培養物(PSC)と
アグロバクテリウム(Agrobacterium)接
種物との同時インキュベーションは、イネの形質転換効
率を有意に改良した。
ぞれ、イネのα−アミラーゼ遺伝子(αAmy8)のプ
ロモーターおよびアグロバクテリウム(Agrobac
terium)ノパリンシンターゼ遺伝子(NOS)の
制御下にあり、両者共トランスジェニックのカルスおよ
び植物において発現された。トランスジェニック植物の
ゲノムの中への外来遺伝子の導入は、サザンプロット分
析により確証された。1つのトランスジェニック植物
(TI)におけるGUS活性の組織化学的局在化は、成
熟した葉、茎、鞘および根のすべての細胞型において機
能するが、非常に若い葉において機能しない。
物よりゆっくり成長し、そしてより少ない種子を生産し
た。GUS活性は、また、この植物の子孫(R1)から
誘導されたカルスにおいて検出された。GUS遺伝子断
片を、同一トランスジェニック植物のR1子孫から分離
されたDNAを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応により
増幅した。これらのデータは、キメラ遺伝子の首尾よい
遺伝子の転移および有性遺伝を実証する。
テリウム(Agrobacterium)によるイネの
形質転換および再生した植物およびジャポニカ型遺伝子
のイネのR1子孫におけるα−アミラーゼのプロモータ
ー駆動リポーター遺伝子の首尾よい発現をわれわれは記
載する。われわれが知るかぎりでは、これはイネのアグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)仲介形
質転換を代表しかつトランスジェニックイネの子孫によ
り転移されたDNAの遺伝を実証する最初の報告であ
る。したがって、本発明において使用する選択された外
来遺伝子(GUS)は本発明の遺伝子の発現系において
次の2つの役割を演ずることが理解されるであろう:本
発明の遺伝子発現系の中に挿入すべき外来遺伝子として
および前記遺伝子発現系の首尾よい形質転換を示すため
のリポーター遺伝子として。
およびα−アミラーゼcDNAクローンのスクリーニン
グするための条件は次の通りであった:イネ(Oryz
a sativa L.cv.Labelle)の種子
を2.5%の次亜塩素酸ナトリウムの中で20分間表面
滅菌し、無菌の蒸留水でよく洗浄し、そして無菌の10
μモルのGA3 /20ミリモルのCaCl2 /20ミリ
モルのクエン酸ナトリウムの中で異なる長さの時間の間
インキュベーションした。
から剥離した。集めた糊粉層を液体N2 の中で直ちに凍
結させ、そして使用するまで−70℃において貯蔵し
た。全RNAをベランガー(belanger)、F.C.
ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:1354-1358, 1986)の
方法に従い凍結した糊粉層から分離した。ポリ(A) +
RNAをHYBOND−mAP親和性紙(Amersh
am)で精製した。1μgのポリ(A) +RNAを使用
して、ラムダーgtllの中でアマーシャム(Amer
sham)のcDNA合成およびクローニング系を使用
してcDNAライブラリーを構成した。
独立の組み換えクローンから成っていた。ほぼ2×10
4 プラークをイネのゲノムのクローン、pOSAmy−
Cの 32P標識した1.5kbの断片を使用してスクリーニ
ングした(J.K.Kim およびR.Wu(1922),Plant Mol.Biol.
18:399-402)。ラムダーgtllの中のcDNAクロー
ンをEcoRIで切断し、そしてpブルースクリプト
(pBluescript)の中にサブクローニング
し、そしてE. coli菌株XL1−B(Strat
gene)の中で維持した。
連鎖停止技術を使用して実施した。ヌクレオチド配列の
分析および比較は、ウィスコンシン大学の遺伝学のコン
ピューター・グループ(the Genetics Computer Group,
University of Wisconcin)の配列分析のソフトウェアの
パーケージ(バージョン5.0、1987年6月)。ヌ
クレオチド配列を整列させ、そしてギャップ(破線)を
導入して配列の類似性を最大にする。4つのクローンの
間の相同性配列を星印(*)により示す。
ナルに下線が引かれている。遺伝子特異的領域の5′境
界を矢印により示し、そしてDNAの切頭のために使用
した制限酵素をそれらの対応する部位の下に示す。ヌク
レオチド配列を配列決定した領域の最初の塩基から番号
を付す。ジーンバンク(GeneBank)、EMBL
およびDDBJにおけるpOSAmy−Cについての受
け入れ番号はM81143である。
調製のための条件は次のようにして実施した:4つのα
−アミラーゼcDNAは、図1に示す制限酵素を使用し
て遺伝子特異的領域の5′末端において切断した。T3
RNAポリメラーゼによる4つの切断cDNAの試験
管内転写は、それぞれ、Amy6−C−3′,αAmy
7−C−3′およびαAmy10−C−3′を代表す
る、大きさ210,112,119および50ヌクレオ
チドのアンチセンス鎖の転写体を生ずる。32P−UTP
(Amersham、試験したSP−6)を使用してプ
ローブ標識した。
異性を実証するサザンプロット分析を図2に示すように
実施し、ここで:パネル1:α−アミラーゼcDNAを
EcoRIで消化し、そしてpOSAmy−CをBam
HIおよびEcoRIで消化し、次いで1%のアガロー
スゲル上で電気泳動させ、そして臭化エチジウムで染色
した。パネル2〜5:パネル1に示すのと同一のゲルの
4つの複製をジーンスクリーン(GeneScree
n)膜にプロッティングし、32P標識した遺伝子特異的
プローブと42℃において12時間ハイブリダイゼーシ
ョンした。
SSCおよび0.1%のSDS中で55℃において40
分間洗浄した。ベクターを、また、ハイブリダイゼーシ
ョンさせた。なぜなら、アンチセンスRNAプローブ
は、cDNAが挿入される、EcoRI部位とT3プロ
モーターとの間に多数クローニング部位62bpの配列を
含有したからである。分子量マーカーを左に示す。
伝子のサザンブロット分析を次のようにして実施した:
全体のイネのゲノムDNAを発声後2ヵ月の室温で成長
させた植物から分離した。イネの葉を液体N2 の中で微
細粉末に粉砕し、尿素抽出緩衝液〔42g/mlの尿素、
5モルのNaCl、1モルのトリス−Cl(pH8.
0)、0.5モルのEDTA(pH8.0)、および20
%のサルコシン〕および等しい体積のフェノール−クロ
ロホルムで室温において15分間抽出した。遠心後、酢
酸アンモニウム(pH5.2)およびイソプロパノールを
上澄み液に添加した。
クでスプールにし、75%および100%のエタノール
中ですすぎ、そして空気乾燥した。DNAをTE緩衝液
の中に再懸濁させ、そして4℃において貯蔵した。10
μgのゲノムDNAを6つの制限酵素で消化し、0.8
%のアガロースゲルを使用して電気泳動により分画し、
そしてジーンスクリーン(GeneScreen)膜
(DuPont)に移した。膜をαAmy10−Cの32
P標識した1.5kbのα−アミラーゼcDNAの挿入で
プロービングした。分子量マーカーを左に示す。
た細胞の中のα−アミラーゼmRNAの蓄積。イネの種
子を10μモルのGA3 の中で異なる時間の間発芽させ
た。発芽する胚を切断し、そして全糊粉RNAをベラン
ガー(Belanger)、F.C.et al.(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA, 83:1354-1358, 1986)の方法に従い胚不含
む種子から精製した。イネの懸濁細胞を従来記載された
ように培養した(Yu,S.M.et al.(1991),J.Biol.Chem. 2
66:21121-21137)。RNAをショ糖を含有する培地の中
で8,10,12および14日間成長させた細胞から精
製した。
RNAのブロット分析はトマス(Thomas)P.S.(Methods
Enzymol. 100:255-266, 1983)の方法に従い実施した。
pブルースクリプト(pBluescript)の中の
全体のα−アミラーゼの解読領域を含有するプラスミド
pOSAmy−Cを、イネのゲノムのクローンOSAm
y−Cから本来サブクローニングした(J.K.Kim および
R.Wu(1992),Plant Mol.Biol.18:399-402)。
ーゼDNAの挿入を制限酵素BamHIおよびEcoR
Iによりプラスミドのベクターから切除し、マニアチス
(Maniatis)et al.(Molecular Cloning;A Lab
oratory Manual、コールド・スプリングス・ハーバー・
ラボラトリー、1982)に記載されているようにゲル
精製し、そして〔a−32P〕−dCTPでランダムプラ
イマー法により標識した(A.P.FeinbergおよびB.Vogels
tein(1983), Analyt.Biochem. 132:6-13 )。4つのイ
ネのα−アミラーゼcDNAの各々に相当する遺伝子特
異的プローブを調製し、そして図2に記載するように標
識した。プローブのすべてにより検出されたmRNAの
大きさは1.6kbである。
異的DNA断片への糊粉タンパク質抽出物の結合、ここ
で糊粉層の抽出物の調製法およびDNA移動−シフト
(ゲル遅延)アッセイは従来記載されたものであった
(Yu,S.M.et al.(1990)前掲)。結果を図5に示す。こ
こで:(A)断片A,BおよびCはHS501の5′末
端における3つの連続する40bpの合成DNA断片であ
った。充填したボックスは、2つの不完全な直接に反復
したピリミジンのボックスの位置およびGARE様要素
を示す。
を示す。(B)糊粉タンパク質の断片A,BおよびCと
の相互作用。(+)および(−)は、それぞれ、タンパ
ク質抽出物の存在または不存在下の反応を示す。B1,
B2およびB3は3つのタンパク質−DNA複合体の位
置を示す。Fは遊離のDNAプローブを示す。(C)断
片A,BおよびCのヌクレオチド配列。番号は転写開始
部位に関する3つの断片の位置を示す。下線はピリミジ
ンのボックスの位置を示す。破線はエンハンサー様要素
の位置を示す。
コシダーゼOSAmy−C(J.K.Kim およびR.Wu(199
2),Plant Mol.Biol.18:399-402)を用いてスクリーニン
グした。異なる制限パターンを示すα−アミラーゼcD
NAクローンの4つを選択して、プラスミドベクターp
ブルースクリプト(pBluescript)の中にサ
ブクローニングした。生ずるクローンをAmy6−C
(Oryzasativa α−アミラーゼcDN
A)、αAmy7−C,αAmy8−CおよびαAmy
10−C(それぞれ、0.6,1.0,1.4および
1.5kbの大きさをもつ)と表示した。
をさらにサブクローニングしそして配列決定した(図
1)。Amy6−C、αAmy7−CおよびαAmy8
−Cの配列決定した3′領域は、それぞれ、α−アミラ
ーゼ遺伝子のRAmy3B(Sutliff,T.D. et al.(199
1),Plant Mol.Biol. 16:579-591):RAmy1A(Hua
ng,N.et al.(1990a)Plant Mol.Biol.14:655-668)およ
びRAmy3E(Huang,N.et al.(1990b)Nucl.Acids Re
s.18:7007-7014)のそれらと同一であることが発見され
た。αAmy6−C、αAmy7−C、αAmy7−C
およびαAmy10−Cの詳細な配列情報は配列表の配
列番号:1,2,3および4にそれぞれ示し、ここでα
Amy10−Cは1回のみ配列決定された。
プローブの構成 3′未翻訳領域のヌクレオチド配列の比較は、69%の
同一性を示すαAmy7−CおよびαAmy10−Cを
除外して、4つのα−アミラーゼcDNAクローンの間
で非常に低い同一性(23〜27%)を示す(図1)。
これらの4つのcDNAクローンの相同性領域からの非
相同性(遺伝子特異的)領域の分離およびアンチセンス
RNAプローブの調製のために、制限部位を選択した。
使用した制限酵素および遺伝子特異的領域のヌクレオチ
ド配列を図1に示す。
異的領域を、Amy6−C−3′,αAmy7−C−
3′,αAmy8−C−3′およびαAmy10−C−
3′と表示する。適当な領域をαAmy10−C−3′
のために選択し、ここでαAmy7−C−3′と非常に
低い相同性が存在する。次いで交差ハイブリダイゼーシ
ョンを実施して遺伝子特異性を決定し、そして結果は各
プローブがそれらのそれぞれの親のcDNAのみにハイ
ブリダイゼーションすることを示した(図2)。これら
の遺伝子特異的プローブのいずれも、本来cDNAライ
ブラリーのスクリーニングにプローブとしてを使用した
pOSAmy−Cにハイブリダイゼーションしなかっ
た。結果は、4つの遺伝子特異的プローブが異なるα−
アミラーゼ遺伝子を識別することができることを実証し
た。
子族によりコードされる4つの別個のα−アミラーゼc
DNAの同定は、イネのα−アミラーゼが1つの遺伝子
族によりコードされることを示す。イネの中のα−アミ
ラーゼ遺伝子の数を決定するために、イネの葉から分離
した全ゲノムDNAを種々の制限酵素で消化し、そして
全体のαAmy10−C配列で低いストリンジェンシイ
でプロービングした(図3)。全DNAをEcoRIで
消化したとき、8または9つの制限断片が観察された。
の報告された制限地図と一致する(Huang,N.et al.(199
0a)前掲) 。2つのα−アミラーゼ遺伝子が1つのEc
oRI断片上に連鎖することが示された(Huang,N.et a
l.(1990b)前掲) ので、イネの全ゲノムは少なくとも1
0の遺伝子を含有すると推定される。平行なゲノムDN
Aのブロットを、また、4つのイネのα−アミラーゼ遺
伝子特異的プローブとハイブリダイゼーションさせた。
各遺伝子特異的プローブはただ1つの制限断片に特異的
にハイブリダイゼーションし(データは示されていな
い)、各プローブが1つのα−アミラーゼ遺伝子から誘
導されることがさらに確認された。
ラーゼ遺伝子の発現 α−アミラーゼ遺伝子族の異なるメンバーの発現が種子
の発芽の間に同一方法で調節されるかどうかを決定する
ために、遺伝子特異的プローブを使用して、GA3 処理
した発芽する種子の中の個々のα−アミラーゼ遺伝子の
発現を研究した。GA3 添加後の時間の関数として糊粉
の中のα−アミラーゼmRNAの蓄積をRNAブロット
分析により決定した(図4A)。
するpOSAmy−Cから作ったプローブは、全部でな
いにしても、α−アミラーゼ遺伝子の大部分のmRNA
にハイブリダイゼーションすると思われた。α−アミラ
ーゼmRNAは1日にめったに検出されず、急速に蓄積
し、そして4日にそれらの最大レベルに到達し、4日と
5日との間で急速にターンオーバーした。イネのアクチ
ンのcDNAクローン、pcRAcl.3(McElroy,D.
et al.(1990),Plant Mol.Biol.14:163-171)、その発現
はGAにより影響を受けない、を、内部の対照として使
用した。
トメーターを使用してオートラジオグラムのシグナルの
強度を測定することによって定量した。各々の日におけ
る各α−アミラーゼ遺伝子の相対的mRNAの蓄積は、
mRNAのレベルを4日におけるそれらのピークのレベ
ルと比較することによって決定した。各α−アミラーゼ
遺伝子のmRNAは同様な速度で蓄積したが、ただしα
Amy8−Cのそれは3日にほとんどピークのレベルに
到達した。
y8−CのmRNAは、αAmy7−CおよびαAmy
10−Cのそれらより高い(2倍)速度でターンオーバ
ーした。αAmy7−CおよびαAmy10−CのmR
NAレベルは、5日におけるそれらの最高レベルの、1
/2に減少したが、対照的に、Amy6−CおよびαA
my8−Cのそれらは1/4に減少した。次いで、すべ
てのmRNAレベルは同様に低い速度で減少した。結果
が示すように、発芽する種子の中の4つのα−アミラー
ゼ遺伝子の発現は一時的に対等であるが、定量的に区別
される。
−アミラーゼ遺伝子の発現 前に、われわれが示したように、イネの培養した懸濁細
胞の中のα−アミラーゼ遺伝子の発現は炭水化物の栄養
の剥奪により誘導される(Yu,S.M.et al.(1991)前
掲)。その報告において、pOSAmy−Cをプローブ
として使用して、懸濁培養した細胞の中の全体のα−ア
ミラーゼ遺伝子族の発現を研究した。ここで、遺伝子特
異的プローブを使用して、異なるα−アミラーゼ遺伝子
の発現パターンを決定した。
る培地の中の糖(アントロン反応により分析した)は、
12日にほとんど検出できないレベルに消耗した。α−
アミラーゼmRNAの同時の増加が12日に観測された
(Yu,S.M.et al.(1991)前掲)。したがって、8,1
0,12および14日についてのショ糖を含有する培地
の中で成長した細胞から精製したRNAをRNAのブロ
ット分析のために使用した(図4B)。cDNAクロー
ン、pOScx、これは同一cDNAライブラリーから
不規則的に選択しそしてその発現は糖の消耗により影響
を受けなかった、を、内部の対照として使用した。
定量し、そして各々の日における各α−アミラーゼ遺伝
子の相対的mRNAの蓄積をmRNAを8日におけるそ
れらの基底レベルと比較することによって決定した(表
2)。αAmy7−CおよびαAmy8−Cの発現は、
12日において、それぞれ、6および37倍に誘導さ
れ、そして14日まで増加し続けた。
日に5倍増加した。Amy6−Cの発現は12日に4倍
増加したが、それは14日に基底レベルに減少した。他
のα−アミラーゼ遺伝子、αAmy3−C、の発現は、
糖の枯渇後、5倍に増加した(Yu,S.M. 、発表されない
結果)。したがって、これまで検査した5つのα−アミ
ラーゼ遺伝子の間で、αAmy8−Cは、糖の枯渇後、
最も豊富に発現される遺伝子である。
伝子であり、その転写体はpOSAmy−Cのプローブ
で検出して全体のα−アミラーゼ転写体の40倍の増加
を構成することに注意することは価値がある。結果が示
すように、培養した細胞の中の炭水化物の枯渇に応答す
る4つのα−アミラーゼ遺伝子の発現は一時的でありそ
して定量的に調節される。
モーターの特定の領域はGA処理した糊粉層の中のタン
パク質因子と相互作用する。HS501はイネのα−ア
ミラーゼ遺伝子、OSAmy−bの5′末端プロモータ
ー領域に位置するDNA断片であり(Ou-Lee,T.M.et a
l.(1988) 前掲)、そしてそのDNA配列は提供された
(Yu,S.M.et al.(1990)、前掲)。後に、HS501の
ヌクレオチド配列は、完全なイネのα−アミラーゼのイ
ソ酵素をコードするRAmy3Cのそれと同一であるこ
とが発見された(Sutliff,T.D. et al.(1991)、前
掲)。
域の260ヌクレオチド、および第2エクソンの最初お
よび一部分の中の270ヌクレオチドを含む。HK35
0はHS501の3′末端欠失誘導体であり、そしてH
S501の全体の5′非解読(260bp)および最初の
エクソン領域(90bp)を含有する。RNAブロット分
析により、HK350とのプロービングにより検出され
た糊粉細胞のα−アミラーゼmRNAは、また、GA3
処理後に増加したことが示された。
1の5′末端は安定なタンパク質−DNA複合体の形成
のために重要である(Ou-Lee,T.M.(1988),supra;Yu,S.
M.etal.(1990)、前掲)。HS501の中のタンパク質
結合部位をより正確に局在化するために、われわれは3
つの連続の二本鎖40bpのオリゴヌクレオチドを合成
し、これらはA,BおよびCと設計し、HS501の
5′末端に位置する(図5A)。タンパク質をGA3 処
理した発芽する種子の糊粉組織から抽出し、そして糊粉
タンパク質と合成DNA断片との間の相互作用をゲル遅
延アッセイにより検出した(図5B)。
合体B1,B2およびB3の形成を生じた(図5B、レ
ーン4および6)。存在する場合、非常に弱い結合がタ
ンパク質抽出物と断片Aとの間に検出された(図5B、
レーン2)。DNA断片A,BおよびCの比較は、これ
らの断片が多少の類似性を共有することを明らかにする
(図5C)。タンパク質への断片Aの弱い結合が低い親
和性または非特異的結合のためであるかどうかは明らか
ではない。それにもかかわらず、結果は断片BおよびC
内にタンパク質部位が存在することを示された。
よび配列特異的タンパク質因子われわれは他のタンパク
質/DNA結合アッセイを実施して、DNA結合性タン
パク質がGA誘導可能であるか否かを決定した。3日間
GA3 で処理したか、あるいはしていない脱胚した種子
の糊粉組織からタンパク質を抽出した。GA処理した糊
粉抽出物のみは、断片Bを使用して3つの複合体を産生
した(図6、レーン4)またはC(データは示されてい
ない)。糊粉抽出物は断片Aに結合しなかった(データ
は示されていない)。GA未処理の糊粉抽出物と断片B
との間にDNA/タンパク質の相互作用は検出されなか
った(図6、レーン2)。結果が示すように、断片Bお
よびCに結合する糊粉タンパク質はGA依存性である。
遺伝子特異的プローブの利用可能性は、特定のα−アミ
ラーゼイソ酵素をコードするmRNAの存在量の検査を
可能とした。個々のα−アミラーゼ遺伝子の発現は対等
に調節されることが発見され、そしてそれらのmRNA
はイネの発芽する種子の糊粉層の中に同様な速度および
レベルで蓄積された。しかしながら、異なるα−アミラ
ーゼ遺伝子のmRNAのターンオーバー速度の差は、発
芽する種子の中の異なるα−アミラーゼ遺伝子の発現に
対する可能な異なる調節を示す。
アミラーゼ遺伝子は、糖がなお培地の中に存在すると
き、培養した細胞において低いレベルで構成的に発現さ
れた。4つのα−アミラーゼ遺伝子のうちの3つの発現
は、糖が培地から消耗されたのち、誘導され、そしてA
my6−Cのみは他の3つの遺伝子と異なる発現のパタ
ーンを表す。
水分解において異なる機能を実施するかどうか、および
調節機構が同様な構造および/または機能を有する1組
のα−アミラーゼ遺伝子に示差的に作用しているかどう
かは知られていない。異なる組織におけるα−アミラー
ゼ遺伝子族の異なるメンバーの調節および発現、および
それらの構造および機能的関係についてのそれ以上の研
究は、イネにおけるα−アミラーゼの生理学的役割の理
解の助けとなるであろう。
遺伝子の発現を調節する。2つの調節モードが同一ある
いは異なる分子のメカニズムにより働くかどうかは知ら
れていない。αAmy8−Cの発現は発芽する種子にお
いてGA調節され、そして懸濁培養した細胞における主
要な代謝調節遺伝子の1つであるので、それはこのよう
な研究のためのすぐれたモデルの遺伝子であろう。調節
の2つの異なるモードおよびそれらの間の相互作用を引
き起こす分子のメカニズムはそれ以上の研究の焦点であ
ろう。
S501の断片BおよびCと相互作用するタンパク質を
含有する。断片Cは、動物のコアエンハンサー〔GTG
GTTT(T)G〕、〔GTGGAAA(T)G〕に類
似する位置−108〜−118からの11bpの断片(G
TTGCGTTTCT)を含有する(Gillies, S.D.et
al.,Cell (1983) , 33 : 717-728 ; Weiher, H.et al.
(1983) Science, 219: 629-631)。断片Bは位置−14
5〜−152および位置−157〜−164からの2つ
のピリミジンのボックス(CCTCCTTT)(CCT
CTTTT)を含有し、これらはイネ、コムギ、オオミ
ギのいくつかのα−アミラーゼ遺伝子および他のGA誘
導可能な遺伝子、例えば、β−グルカナーゼ、カルボキ
シペプチダーゼおよびアレウラインの中に見いだされる
コンセンサス配列(CCTTTTC)(TCTTTT
T)に類似する(Huang, N.et al. (1990a), supra) 。
α−アミラーゼ遺伝子、α−Amy2/54、のプロモ
ーター領域における3つのピリミジンのボックスのうち
の2つを含む配列はこの遺伝子の高いレベルの発現およ
びGA3 の調節に要求されることが示された。オオミギ
のα−アミラーゼ遺伝子、Amy32b、のプロモータ
ー領域におけるピリミジンのボックスの突然変異は、発
現の絶対レベルおよび発現へのGAの作用の両者を有意
に減少する(Lanahan, M.V.et al. (1992), Plant Cell
4 : 203-211) 。
ピリミジンボックスに対して直ぐに3′の配列は、−1
38〜−145からTAAATGAGを読み取り、推定
上のGARE要素TAACAGAGと保存を共有する
(Huang, N.et al. (1990a) 、前掲;Lanahan, M.V.et
al. (1992)、前掲)、これはα−アミラーゼ遺伝子のホ
ルモンの調節を仲介することが示された(Lanahan, M.
V.et al. (1992), supra; Skriver, K.et al. (1991)、
前掲)。GA応答性タンパク質、ピリミジンボックス、
推定上のGARE要素がイネのα−アミラーゼ遺伝子の
GA刺激の原因となるトランス−およびシス−調節を表
すか否かはまだ決定されていない。
α−アミラーゼ遺伝子からαAmy8遺伝子を、さらな
る研究のために選択した。GUS/NPTIIを含有す
るキメラ遺伝子の構成その発現は前記αAmy8遺伝子
およびノパリンシンターゼ遺伝子(NOS)のコントロ
ール下にある。
ザ・サチバ(Oryza sativa)L.cv.T
ainung 62であった。開花後10〜12日に、
種子の皮を取り、1%のNaOClおよび1滴のツイー
ン20で90分間滅菌し、そして無菌の蒸留水でよく洗
浄した。未熟の胚を無菌的に層流ベンチで切除した。切
除した胚をN6塩類(Chu, C.C et al.,Scientia Sinic
a 18 : 659-668, 1975) 、N6ビタミン、3%のショ
糖、0.8%のアガロース(w/v)、2μg2,4−
Dを含有するN6RD培地(Chan, M.T.et al. (1992)
、前掲)上に配置し、そして25℃において16時間
光(1000ルックス)の下で培養した。2日後、未熟
の胚にアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)を接種した。
ネのα−アミラーゼ遺伝子αAmy8のコード領域のち
ょうど上流の、分離した1.2kbの断片を、E.col
iのβ−グルクロニダーゼ(GUS)(Jefferson, R.
A.,Plant Mol.Biol.Rotr.5 : 387-405, 1987) にノパ
リンシンターゼ(NOS)遺伝子のターミネーターと供
に連結して、プロモーターの活性を試験した。このキメ
ラ遺伝子〔αAmy8(1.2kb)/GUS〕をバイナ
リーベクターのプラスミドpBIN19(Bevan, M.W.,
Nucl.Acids Res. 12 : 8711-8721, 1984) のマルチクロ
ーニング領域の制限部位XbaIおよびSalIの間に
挿入して、新しいプラスミドpAG8を発生させた(図
7)。
・ツメファシエンス(Agrobacterium t
umefaciens)菌株A281(Hood, E.F.,Bio
/Technology 2 : 702-709, 1984) の中に凍結−融解
法(Holster, M.et al. (1978), Mol.Gen.Genet.163 :
181-187)を使用して移動化させた。アグロバクテリウム
・ツメファシエンス(Agrobacterium t
umefaciens)を、100mg/lのカナマイシ
ンを含有するYEB培地(Zaenen, J.,J.Mol.Biol.86 :
109-127, 1974) の中で28℃において一夜増殖させ
た。
ピンセットおよびメスで傷をつけ、そして10μlのジ
ャガイモ懸濁培養物(PSC)を含有するペトリ皿の中
で25μlの一夜培養したアグロバクテリウム(Agr
obacterium)培養物と一夜同時培養し、次い
で暗所で26℃において一夜インキュベーションした。
対照のために、ジャガイモ懸濁細胞を添加しない10ml
の新鮮なジャガイモ懸濁培養培地(Chang, H.H. (199
0)、前掲)を使用した。ジャガイモ懸濁培養のための条
件は前に記載されている(Chang, H.H. (1991)、前
掲)。
ォタクシムを含有するジャガイモ懸濁培養培地で1回洗
浄してアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)を殺し、次いでN6塩、N6ビタミン、42.5μ
g/mlの4−フルオロフェノキシ酢酸(4−FPA)、
3%のショ糖、0.8%(w/v)のアガロース、40
μg/mlのG−418および500μg/mlのセフォタ
クシムを含有するN6RF培地に移した。この培地のpH
を5.7に調節した後、オートクレーブ処理した。胚を
25℃において16時間光(2000ルックス)下に培
養し、そして毎週の間隔で継代培養した。
種後3週に培養した胚からカルスが生成した。カルスを
N6RFB(N6RFに類似するが、13μg/mlの4
−FPA、1μg/mlの6−ベンジルアミノ−プリン
(6−BAP)、40μg/mlのG−418および20
0mg/mlのセフォタクシムを含有する)に形質転換体の
選択のために移した。3数週選択後、カルスをN6培地
にシュートの発生および根の発育のために移した。再生
した植物を温室内のポットの土に究極的に移し、そして
自家受粉に成長させた。子孫におけるカナマイシン耐性
表現型の分離は、300μg/mlのカナマイシンを含有
するMS培地上でR1種子を発芽させることによって分
析した。
い分離した(M.G.Murry およびW.F.Thompson, Nucl.Aci
ds Res.8 : 4321-4325, 1980) 。DNAブロット分析は
マニアチス(Maniatis) et al. (Molecular Cloning :
A Laboratory Manual 、コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー、1982)に記載されているように
実施した。GUSのためのプローブは、pBI221プ
ラスミド(Clontech)のBamHI−SstI
制限断片から作った。DNAプローブはランダムブライ
マー法を使用して〔a32P〕dCTPで標識した(A.P.
FeinbergおよびB.Vogelstein, Anal.Biochem. 132 : 6
-13, 1983)。
ウム(Agrobacterium)の汚染の不存在を
実証するために、GUS DNAとハイブリダイゼーシ
ョンさせた同一のナイロンのフィルターをストライピン
グし、そしてpTiC58のvirBおよびvirD領
域を含有するHindIII 18およびHindII
I 27 DNA断片から作られたプローブと再ハイブ
リダイゼーションさせた(Depicker, A et al. (1980),
Plasmid 3 : 193-211 ; Jansscns, A.et al.(1986), P
lant Sci.47 : 185-193) 。
ゼII(NPTII)活性についてのアッセイ 推定的に形質転換されたカルスおよび植物におけるNP
TII活性を、少なくとも4回の反復実験において、ラ
ドケ(Rade)S.E.らの方法(Theor.Appl.Gene
t.75 : 685-694)の変法を使用してアッセイした。葉の
組織(100mgの新鮮な重量)を1.5mlのエッペンド
ルフ(Eppendorf)管内で等しい体積(100
μl)の抽出緩衝液(2.5ミリモルのトリス(pH6.
8)、0.143ミリモルのβ−メルカプトエタノー
ル、0.27ミリモルのレウペプチン)で粉砕し、そし
て4℃において15分間遠心した。30μgのタンパク
質を10mlの反応緩衝液A(67ミリモルのトリス−マ
レエート、42ミリモルのMgCl2 、400ミリモル
のNH6 Cl、1.7ミリモルのジチオスレイトール、
および0.4mg/mlの硫酸カナマイシン)または反応緩
衝液B(緩衝液Aと同一であるが、カナマイシンを含有
しない)と混合した。
μCiの〔γ−32P〕ATPおよび0.75ミリモルの
ATP〕を添加した。試料を30℃の水浴中で30分間
インキュベーションし、次いで1片のワットマン(Wh
atman)3MM紙の上に配置された3層のワットマ
ン(Whatman)P81イオン交換紙の上に「ハイ
ブリ−ドット(Hybri−Dot)」ブロッティング
装置(BRL)を使用してブロッティングした。
4分間洗浄し、そして1mg/mlのプロテイナーゼKおよ
び1%のSDSを含有する10mlの溶液中で65℃にお
いて60分間インキュベーションした。次いで紙を蒸留
水で室温において4分間洗浄し、そして蒸留水で3回8
5℃において4分間洗浄した。3片の紙を空気乾燥し、
それらのもとの位置に積み重ね、そして増強スクリーン
を使用してX線フィルム(Kodak)に露出した。
のアッセイ 推定的に形質転換されたカルスおよび植物におけるGU
S活性を測定するために、各試料の少なくとも2つの複
製をR.A.ジェファーソン(Jefferson)の方法(“Analys
is of Gene Organization and Gene Expression, A Lab
oratory Manual, ”Blackwell Scientfic Publication,
oxford, Draper, J.et al.(編) pp.263-339, 1988) に
従いアッセイした。
リン酸ナトリウム(pH7.0)、10ミリモルのEDT
A、10ミリモルのトリトンX−100、0.1%のサ
ルコシル、および10ミリモルのβ−メルカプトエタノ
ール)で均質化した。20μgのタンパク質を等しい体
積のSDS試料緩衝液(62.5%のトリス−HCl、
0.23%のSDS、10%のグリセロール、50ミリ
モルのβ−メルカプトエタノール、および0.001%
のブロモフェノールブルー)と室温において15分間イ
ンキュベーションした。電気泳動を一夜室温および3V
/cmにおいて実施した。
2時間以内に洗浄し、氷上でGUS蛍光測定緩衝液(G
US抽出緩衝液中の1mlのメチルウンベリノェリルグル
クロニド)と30分間インキュベーションし、そして暗
所で37℃において30分間インキュベーションした。
反応を0.2モルのNa2 CO3 で停止させた。ゲルを
365nmの紫外線ランプによりコダック(Kodak)
2Eラッテン・フィルターを使用して照明し、そして写
真撮影した。
在化は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルグル
クロニド(X−gluc)の組織化学的アッセイにより
評価した(Benfey, P.N.et al. (1989), EMBO J.8 : 21
95-2202)。形質転換しないか、あるいは形質転換され
た、発生後4月の植物の葉身、鞘、茎または根の切片を
ビブラトーム(Vibratome)(Oxford)
切断装置で切断した。100〜200ミクロンの切片
を、1ミリモルのX−gluc、10ミリモルのEDT
A、100ナノモルのNaH2 PO4 ・H2 O(pH7.
0)および0.1%のトリトンX−100を含有する溶
液中で37℃において12〜17時間インキュベーショ
ンした。
分間すすぎ、そして切片の中のクロロフィルを5%のホ
ルムアルデヒド、5%の酢酸および20%のエタノール
の溶液中で10分間インキュベーションし、次いで50
%のエタノール中で2分間インキュベーションし、そし
て蒸留水中で2回洗浄することによって透明にした。切
片を顕微鏡により検査した。R1子孫におけるGUS活
性を染色によりアッセイした。R1の種子をまず2μg
/mlの2,4−Dおよび300μg/mlのカナマイシン
を含有するMS培地の中で発芽させてカルスの形成を誘
導した。
た。各カルスの一部分を除去し、そして変更したGUS
組織化学的染色アッセイにかけた(Benfey, P.N.et al.
(1989), supra) 。簡単に述べると、R1子孫または対
照のカルスを1ミリモルのX−gluc、10ミリモル
のEDTA、100ミリモルのNaH2 PO4 ・H2 O
(pH7.0)および0.1%のトリトンX 100を含
有する溶液中で37℃において12〜17時間インキュ
ベーションした。コダカラー64フィルムで解剖顕微鏡
(オリンパス)下に写真撮影した。
内で410bpの断片を増幅した。5′プライマー(AC
GTCCTGTAGAAACCCCAA)および3′プ
ライマー(AGTTCAGTTCGTTGTTCACA
CA)は、それぞれ、翻訳開始部位の3bpおよび417
bp下流にGUSコード領域において位置した。100μ
gのpAG8を陽性の対照として使用した;R1子孫の
若い葉からの100ngの全体のイネDNAを使用した。
リモルのトリス−HCl、15ミリモルのMgCl2 、
0.1%のゼラチン(w/v)、1%のトリトンX−1
00、0.2ミリモルの各デオキシヌクレオチドトリホ
スエート(dATP,dCTP,dGTP,dTT
P)、2.5単位のTaqDNAポリメラーゼ(Pro
mega)および0.25ミリモルの各プライマーを含
有する50μlの溶液中で実施した。
ルのPCR増幅にかけた。サイクリングは、次の条件で
プログラミングした。プログラム可能な熱サイクラー
(MJResearch.Inc.)によりコントロー
ルした:変性、94℃で1分間;アニーリング、58℃
で2分間;伸長、72℃で3分間。5μlのPCR産生
物を1%のアガロースゲルの中で電気泳動させ、そして
臭化エチジウムで染色して検出した。PCR産生物のサ
ザンブロットをBamHI−SstIのGUS断片から
作られたプローブとハイブリダイゼーションさせた。
bacteriumtumefaciens)による未
熟のイネの胚の形質転換 前に、われわれが示したように、アグロバクテリウム
(Agrobacterium)を使用するイネの形質
転換はPSCの添加により改良された(Chan, M.T. (19
92) 、前掲)。ここで、PSCおよびアグロバクテリウ
ム(Agrobacterium)接種物の存在は形質
転換の効率をほとんど3倍に増加した(表3)。アグロ
バクテリウム(Agrobacterium)で接種し
た未熟のイネの胚のほぼ6.8%はカルスを形成し、そ
して選択的培地上で増殖した。接種しないか、あるいは
接種したが、形質転換しない未熟の胚は褐色となり、そ
して3週以内に死亡した。
し、そして4週後根は自発的に形成した(図8B)。接
種した250の未熟の胚の間で、17のカルスおよび4
つの植物は培養物から回収された。4つのトランスジェ
ニック植物をT1,T2,T3およびT4と表示した。
これらの植物は、9週の培養後、土の中に移植できる状
態であった(図8C)。
し、そして子孫を生産した(図8D〜F)。このトラン
スジェニック植物は正常の表現型を示し、そして繁殖能
力があったが、それは野生型植物よりいっそうゆっくり
成長し(121cmの長さの植物から花成まで約14週)
そしてより少ない種子(合計75の種子)を生産した。
他方の3つのトランスジェニック植物は、また、土の中
に移植したが、生き残らなかった。
証拠を提供するために、4つのトランスジェニック植物
(T1,T2,T3およびT4)の葉からのゲノムDN
Aの制限消化物のサザンブロット分析を、プローブとし
てpBI211からのGUS DNAを使用して実施し
た(図9)。消化しないイネゲノムDNA(Unc)の
大きさは50kbであった。(図9、レーン2および
6)。
DNAは期待した大きさ2.3kbの断片として検出され
(図9、レーン3,7および9)これはpAG8の中に
存在するものと同一の大きさであった(図9、レーン
1)。HindIII(H)またはPstl(P)で消
化した後、50kbのバンドは消失し、そしてより低い分
子量のDNA断片が現れた(図9、レーン4,5,8,
10および11)。
2つのハイブリダイゼーションバンドが検出されたの
で、トランスジェニック植物T4はGUS遺伝子のため
の組み込み部位を有するように思われた(図9、レーン
11)。GUS DNAプローブは4つのトランスジェ
ニック植物からのDNAのみにハイブリダイゼーション
したが、形質転換しない対照植物(NT)にハイブリダ
イゼーションしなかった(図9、レーン12)ので、こ
れはGUS遺伝子がイネのゲノムの中に組み込まれたこ
とを示す。
トランスジェニック植物の中のアグロバクテリウム(A
grobacterium)の汚染から生じなかったこ
と証明するために、同一ナイロンフィルターをvirB
およびvirDNAで再プロービングした。vir遺伝
子はTiプラスミド上に位置しないので、プローブとし
てvirDNAを使用するサザンブロット分析はアグロ
バクテリウム(Agrobacterium)の汚染を
検出する信頼性ある方法を提供するであろう。この実験
において使用したアグロバクテリウム(Agrobac
terium)菌株A281はpTiC58を有する菌
株C58から誘導された。
域を含有するHindIII 18およびHindII
I 27 DNAから作られたプローブは、こうして、
アグロバクテリウム(Agrobacterium)の
DNAにハイブリダイゼーションするであろう。しかし
ながら、プローブとしてvirDNAを使用するとき、
ハイブリダイゼーションバンドは検出されず(データは
示されていない)、トランスジェニック植物のゲノムに
おいて検出されたGUS DNAはイネ組織の中の存続
するアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)細胞のためではないことを明瞭に実証する。
物におけるGUSおよびNPTIIの発現 pAG8の中のGUSコード配列をα−アミラーゼ遺伝
子(αAmy8)の推定上の5′プロモーター領域の下
流に配置し、転写の融合をつくった。このα−アミラー
ゼ遺伝子の1.5kbの長さの5′領域のプロモーター機
能を研究するために、GUS遺伝子の発現をトランスジ
ェニックのカルスおよび植物の中のGUS活性の存在に
より決定した。
kdの見掛けの分子量で、SDSポリアクリルアミドゲル
の中を移動した(図10A)。4つのトランスジェニッ
クの植物およびカルスC1において検出することができ
たGUS活性のレベルは類似した(図10A、レーン2
〜6)。トランスジェニックカルスC2の中のGUS活
性のより低いレベル(図10A、レーン7)は、NPT
II活性のそのより低いレベルと関係があるように思わ
れる(図10Bレーン6)。
T)において検出されなかった(図10A、レーン
8)。結果が示唆するように、αAmy8の1.2kbの
5′領域はGUS遺伝子発現を調節するための効率よい
プロモーターを含有する。
プロモーターにより推進されるNPTIIコード領域を
含有する。結局、外来遺伝子を有する植物についての選
択はG418を含有する培地を使用して達成すべきであ
る。さらに、NPTII活性を8つの不規則的に選択し
た形質転換したカルス(RO)および3つのトランスジ
ェニック植物(T1,T2およびT3)において決定し
た。8つのトランスジェニック細胞のすべてはNPTI
I活性を発現し、そしてそれらのうちの2つ(C1およ
びC2)についてのデータが表されている(図10B、
レーン5および6)。NPTII活性は、また、3つの
トランスジェニック植物において検出された(図10
B、レーン1,2および3)。活性は形質転換しないカ
ルス(図10D、レーン7)植物(図10B、レーン
4)において観測されなかった。
GUSの組織化学的局在化 αAmy8の5′領域により推進されるGUS遺伝子の
細胞の発現パターンを局在化するために、トランスジェ
ニック植物(T1)の種々の組織を切片にし、そして組
織化学的に染色した(図11及び図16)。切片のブル
ーの染色は、基質の中で17時間インキュベーションし
た後に現れた。GUSの発現は葉身(図11B,C)、
茎(図11E,F)および鞘(図16G)のすべての細
胞の型において観察された。
茎の組織の切片は染色を示さなかった(図11A,
D)。根の横方向の切片は表皮細胞がブルーに染色さ
れ、そして皮膚細胞が淡く染色されることを明らかにし
た(図16I)。切片にしない根毛は、維管円筒におけ
る強い染色および皮膚細胞における軽度の染色を示した
(図16J)。鞘の内側に埋め込まれた、非常に若い葉
身の切片において、GUSの発現は見いだされなかった
(図16H)。
うちで、36の種子は選択的培地(300μg/mlのカ
ナマイシンを含有する)上で発芽してカルスの形成を誘
導した。10日以内に、32の発芽する種子はカルスを
形成しそして成長し続け、そして耐性とスコアを付され
た。他方の4つの発芽する種子は、また、種子を形成し
た、褐色となり、後に死亡した。各カナマイシン耐性の
約半分を取り出し、そしてGUS活性についてアッセイ
した。
はブルーの染色を示しそして4つのカルスは黄色に止ま
り、形質転換しない対照に類似した(それらのうちの4
つについてのデータを図12に示す)。異なるトランス
ジェニックR1種子から誘導されたカルスは、異なる程
度のブルー染色により明らかにされるように、GUS活
性のかなりの変動を示した(図12)。
子を温室内で発芽させそして成長させた。10cmの高さ
であるとき、これらのR1植物のうちの13の若い葉か
らDNAを分離した。DNAをGUSコード領域内の4
10bpの断片のPCR増幅にかけた(図13A)。増幅
したDNAの同定は32P標識GUS DNAプローブへ
のブロットハイブリダイゼーションにより確立された
(図13B)。これらのR1子孫の中のGUS遺伝子の
存在をさらに確証した。
くつかの方法は現在利用可能であるが、多数のイネの変
種の形質転換された原形質体または懸濁細胞から成熟植
物を再生する試みは不成功に終わった。土のバクテリア
のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrob
acterium tumefaciens)の使用に
基づく方法は多くの場合においてなお好ましい。なぜな
ら、アグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)仲介形質転換は原形質体を必要とせずそして、一般
に、他の形質転換技術より高い形質転換効率およびより
予測可能な外来DNAの組み込みのパターンを生ずるか
らである(Czernilofsky, A.P.et al. (1986), DNA, 5
: 101-113)。ここでわれわれが示すように、トランス
ジェニックイネアグロバクテリウム(Agrobact
erium)仲介DNA転移系を使用して首尾よく生産
される。
おける成功に寄与することができる。第1の因子はアグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)と未熟
のイネemgとの同時培養の間のPSCの添加であるこ
とができる。PSCは多分アグロバクテリウム(Agr
obacterium)仲介T−DNA転移プロセスを
増強する物質を含有する。なぜなら、PSCは1週速い
カルスの形成を誘導し、そして形質転換の頻度を3倍増
大したからである(表3)。
を増強する(Stafer, W.et al. (1985) 、前掲)と信じ
られる、アセトシリンゴンおよびシナピン酸に富む(Ch
ang,H.H.et al. (1991)、前掲)。しかしながら、形質
転換の成功および効率におけるこれらの2つの化合物の
役割は現在明らかではない。トランスジェニック植物の
生産についてわれわれが得た1.6%の形質転換の百分
率は、遺伝子をイネの中に転移するためのアグロバクテ
リウム(Agrobacterium)の使用をいっそ
う可能とするであろう。
因子は、形質転換材料として未熟のイネの胚(受粉後1
0〜12日)の使用であることができる。なぜなら、そ
れらはT−DNAの転移に対する阻害因子またはよりビ
ルレンスの誘導因子を成熟胚より少なく含有するからで
ある。トウモロコシの未熟の胚は、また、アグロバクテ
リウム(Agrobacterium)仲介遺伝子の転
移について能力があること示されそしてその能力は遺伝
子型および発育段階に依存する。未熟の胚の分裂組織
は、最初の1〜2葉の初生の分化と相関関係がある発育
段階において受容能力をもつようになる(M.Schlappiお
よびB.Horn (1992), Plant Cell, 4 : 7-16)。
胚はT−DNAの転移の成功を増加する条件、例えば、
(a)vir遺伝子誘導物質の利用可能性、(b)バク
テリア毒性物質の低い生産、(c)好適な内因性ホルモ
ンのレベル、および(d)癌腫菌(Agrobacte
rium)の取り付けのための受容体の利用可能性(M.
SchlappiおよびB.Horn (1992) 、前掲)。ただ4つの植
物をこの実験において形質転換したカルスから再生する
ことができたが、すべてのこれらの植物は現実の形質転
換体であることが証明された、4つのトランスジェニッ
ク植物のゲノムの中へのキメラ遺伝子の組み込みは、制
限されたゲノムDNAのハイブリダイゼーションにより
確証された。さらに、われわれの実験は、ハイブリダイ
ゼーションバンドの可能な源として、イネ組織のアグロ
バクテリウム(Agrobacterium)の汚染の
可能性を除外した。
よびGUSの活性の検出は、組み込まれた遺伝子が発現
されたことを示す。また、われわれの結果が示すよう
に、カナマイシンを使用して、形質転換された細胞およ
び形質転換しない細胞の混合した集団から形質転換され
たイネの細胞を選択することができる。カナマイシンが
逃げるのを防止するために、選択は同時培養後直ちに適
用することが重要である。
植物(T1)は生き残って花成し、そして子孫を生産し
た。トランスジェニック植物T1は、温室内の室温が2
0℃以下であったとき、12月に花成したが、これがそ
の低い収量(75の種子)についての理由であったかど
うかわれわれは知らない。トランスジェニックR1子孫
は、カナマイシン耐性およびGUS活性の発現により示
されるように、NPTIIおよびGUS遺伝子を遺伝し
かつ発現した。遺伝子が単一の優生位置として輸送され
たと仮定すると、自家受粉から子孫において3:1の比
が期待された。
カルスのカナマイシン選択と関連してGUS染色のアッ
セイにおいて、28はGUS陽性およびカナマイシン耐
性であり、4つはGUS陰性であるが、カナマイシン耐
性であり、そして4つはGUS陰性であるかつカナマイ
シン感受性であった。この28:2または3.5:1の
比が示すように、トランスジェニック植物T1のR1子
孫におけるGUSの分離は、ヘテロ接合体×ヘテロ接合
体交雑における予測した3:1のメンデル遺伝のパター
ンと一致する。
活性の欠如は、GUS遺伝子が存在しないか、あるいは
存在するが、非機能的であったことを示し得る。カナマ
イシン耐性R1中のGUS遺伝子の不存在は、DNA再
配置を経るGUS遺伝子の欠失のためであることがあ
る。GUSのDNA断片のPCR増幅は、試験した18
のR1植物のうちの13のDNAから達成された。1
3:5または2.6:1は、また、理論的なメンデルの
分離パターンに近い。
の明確なメンバーを含有する多重遺伝子によりコードさ
れる(Huang N.et al. (1990), Plant Mol.Biol.14 : 6
55-668) 。α−アミラーゼ遺伝子族の異なるメンバーを
表すゲノムおよびcDNAのクローンはわれわれの実験
室において分離された。α−アミラーゼ遺伝子、αAm
y8、の発現は発芽する種子においてGA調節される。
細胞の中の主要な代謝調節された遺伝子の1つである
(Yu, S.M.et al., 発表されない結果)。われわれの実
験において、αAmy8の1.2kbの5′領域のリポー
ター遺伝子への融合はイネの中に形質転換された。トラ
ンスジェニックイネにおけるGUSの発現は、この1.
2kbの断片が機能的プロモーターを含有することを示
す。
のコントロール下にリポーター遺伝子を有するトランス
ジェニックイネの使用は、α−アミラーゼのプロモータ
ーの中の調節要素を分析するための新しい道具を提供し
た。このような研究はイネにおけるα−アミラーゼ遺伝
子の発現の調節の理解に導くであろう。
的局在化は、αAmy8のプロモーターがトランスジェ
ニックイネ植物の成熟した葉、茎、鞘および回転のすべ
ての細胞のタイプにおいて機能的であることを示した。
GUSを発現しない唯一の組織は、鞘の内側に埋め込れ
た非常に若い葉であった。それは、また、回転の表皮、
皮層、および維管円筒において活性であった。
組織特異的ではない。むしろ、それはトランスジェニッ
ク植物において一時的に調節されるが、葉のどの成長段
階においてαAmy8がその発現を開始するか知られて
いない。われわれの組織化学的研究は、土へ移植された
後生き残る単一のトランスジェニック植物であるT1の
みを使用して実施された。
の発現または損失を起こさせ得る、イネのゲノムの非常
に活性なエンハンサーに密接してαAmy8/GUSが
挿入される可能性を除外することができなかった。しか
しながら、αAmy8は明らかに培養した懸濁細胞の中
の主要な代謝調節された遺伝子の1つであり(Yu, S.M.
et al. (1992), Gene 、印刷中)、こうしてイネの栄養
成長の炭水化物の代謝において重要な役割を演ずる。
GUS遺伝子がトランスジェニック植物の異なる組織の
すべての細胞のタイプにおいて構成的に発現されること
は、完全には驚くべきことではない。これは、また、野
生型植物の中に天然に存在するαAmy8について真実
である場合、イネにおけるαAmy8の生理学的機能を
知ることは興味あることであろう。安定に形質転換され
たイネ植物における得られたGUS活性の一般的分布お
よびレベルは、トランスジェニックイネにおける遺伝子
の活性の研究のための陽性の対照として、αAmy8プ
ロモーターの可能性を示す。
胚はアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)仲介形質転換に感受性であること、そして形質転換
された外来遺伝子は形質転換体の次の発生により遺伝さ
れることが示された。この実験において使用したイネの
変種タイヌング(Tainung)62(ジャポニカ
(Japnica)型)に加えて、T−DNAは、ま
た、同一アプローチ(M.T.Chan, H.H.Chang およびS.M.
Yu、発現されない結果)を使用して、タイナン(Tai
nan)5(ジャポニカ型)およびタイチュング・ネイ
ティブ(Taichung Native)no.1
(ジャポニカ型)を包含する他のイネの変種のゲノムの
中に首尾よく転移された。したがって、この簡単なアプ
ローチを他のイネの変種および、変更を加えて、他の単
子葉種の形質転換に適用することができることが提案さ
れる。
宿主細胞における新しい遺伝子発現系を提供し、これに
より発現された遺伝子産生物を培地から直接回収するこ
とができるようにすることである。この目的を達成する
ために、実施例IIにおいて得られた結果に基づき、さら
に実験を実施して、本発明のトランスジェニックイネ細
胞の中の外来遺伝子GUSの発現に関する、αAmy8
のプロモーター領域の調節を研究した。
が前記プロモーターのコントロール下に糖消耗または糖
不含条件により影響を受けるか否かを研究した。次の実
験は実施例IIに記載する材料および方法を採用した。未
熟の胚をαAmy8/GUSキメラ遺伝子(pAG8)
を有するアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Ag
robacterium tumefaciens)で
形質転換した。次いで、形質転換した胚から誘導された
カルスを2μモルの2,4−Dを含有する液体MS培地
の中で成長させて、イネの懸濁培養を確立した。
した。この実験のために、懸濁細胞をショ糖を含む
(+)または含まない(−)培地に2日間移した。RN
Aを処理した細胞から精製し、そしてGUS mRNA
を32P標識したGUSのDNAをプローブとして使用し
てノザンブロット分析により検出した。10μgの合計
のRNAを各レーンに負荷した。結果を図14に示し
た。発現されたGUSタンパク質が形質転換された細胞
の中で維持されるか、あるいは培地の中に分泌されるか
どうかを決定するために、イネの懸濁細胞を上の実験と
同一の条件下に成長させそして処理した。タンパク質を
処理した細胞から抽出するか、あるいは培地から集め、
ウェスタンブロット分析し、そしてGUS抗体で検出し
た。20μgの合計のタンパク質を各レーンに負荷し
た。結果を図15に示した。
す;C3,C7およびC11は3つの独立の形質転換さ
れた細胞系である。ショ糖の存在または不存在のいずれ
においても形質転換しない細胞の中にGUS mRNA
は検出されなかった(レーン1および2)。GUS m
RNAはショ糖を含有する培地の中で成長させた3つの
細胞系において検出された(レーン3,5および7)。
mRNAレベルはショ糖不含培地の中で成長させた細胞
において増加した(レーン4,6および8)。
AG8)を有するアグロバクテリウム・ツメファシエン
ス(Agrobacterium tumefacie
ns)で形質転換した。次いで、形質転換された胚から
誘導されたカルスを2μモルの2,4−Dを含有する液
体MS培地の中で成長させてイネの懸濁培養を確立し
た。細胞の培養物を5口毎に継代培養した。
む(+)か、あるいは含まない(−)培地の中で成長さ
せた。RNAを処理した細胞から精製し、そしてGUS
mRNAをノザンブロット分析により32P標識GUS
DNAをプローブとして使用して検出した。10μg
の合計のRNAを各レーンに負荷した。NTは形質転換
しない細胞を示す;C3,C7およびC11は3つの独
立に形質転換された細胞系である。前記キメラ遺伝子を
担持する形質転換されたイネ植物の細胞(Ricecell C1
1)は、ブタペスト条約に基き、工業技術院微生物工業
技術研究所に、微工研条寄第4064号(FERM B
P−4064)として寄託されている。
存在または不存在下にGUS mRNAは検出されなか
った(レーン1および2)。GUS mRNAはショ糖
を含有する培地の中で成長させた3つの系統の細胞にお
いて検出された(レーン3,5および7)。mRNAの
レベルはショ糖不含培地の中で成長させた細胞において
増加した(レーン4,6および8)。
ンパク質の位置を示す。GUSタンパク質は形質転換し
ない細胞およびそれらの培地においてショ糖の存在また
は不存在下に検出されなかった(レーン1,2,8およ
び9)。GUSタンパク質は形質転換した細胞および培
地のいずれにおいてもショ糖の存在下に検出されなかっ
た(レーン3,5,10および12)。期待するよう
に、GUSタンパク質は形質転換した細胞および培地に
おいてショ糖の不存在下に検出された(レーン4,6,
11および13)。
長および処理した。タンパク質を処理した細胞から抽出
するか、あるいは培地から集め、ウェスタンブロット分
析にかけ、そしてGUS抗体で検出した。20μgの合
計のタンパク質を各レーンに負荷した。矢印はGUSタ
ンパク質の位置を示す。
培地の中にショ糖の存在または不存在下にGUSタンパ
ク質は検出されなかった(レーン1,2,8および
9)。形質転換された細胞および培地の中でショ糖の存
在下にGUSタンパク質は検出されなかった(レーン
3,5,10および12)。形質転換された細胞および
培地の中でショ糖の不存在下にGUSタンパク質は容易
に検出された(レーン4,6,11および13)。
明の遺伝子発現系は少なくとも2つの主要な利点を達成
できることを確証することができる。第1に、αAmy
8/GUSキメラ遺伝子の発現は、αAmy8のプロモ
ーター領域により、ことに培地の糖消耗または糖不含条
件下に、よくコントロールされる。それゆえ、α−アミ
ラーゼ遺伝子のプロモーターからなる本発明の遺伝子発
現系は、所望の遺伝子産生物、例えば、ここにおいて例
示するGUSタンパク質の、糖消耗または糖不含条件下
に、定量的生産を促進することができる。
領域が、また、α−アミラーゼのシグナル配列をコード
するDNA配列を含むかぎり、発現された遺伝子産生物
(GUS)は培地の中に分泌され、こうして前記遺伝子
産生物は培地から回収することができる。その結果、所
望の遺伝子産生物の回収および精製手順を簡素化するこ
とができ、そしてその中の汚染を、また、減少させるこ
とができる。
植物、例えば双子葉植物において、外来遺伝子、例えば
GUSレポーター遺伝子の発現に関してα−アミラーゼ
遺伝子のプロモーター領域の制御がなおうまく働くか否
かを検討するため、更なる実験を行った。この目的のた
め、植物宿主としてタバコ及びポテトを選択し、そして
以下の実施例において試験した。得られた実験結果がよ
く示すところによれば、実施例Iにおいて得られたイネ
αAmy8遺伝子からの1.2kbプロモーター領域を含
んで成る、本発明により確立された発現系は、それによ
り形質転換された植物宿主細胞中での所望の外来性蛋白
質の大規模生産のための簡単で便利な手段を提供する。
うにしてあらかじめ作製された。pBluescrip
t KS+ (Stratagene)中に1.4kbのα
−アミラーゼcDNA挿入部を担持するプラスミドαA
my8−Cはもともと、実施例Iに詳細に記載したよう
にイネゲノムクローンOSAmy8Cからサブクローニ
ングされた。アグロバクテリウム・チュメファシエンス
(Agrobacterium tumefacien
s)A281株(pTiBO542+pAG8)の発生
は実施例IIに記載されている。
berosum Lcv.ApH69及びタバコの品種
ニコチアナ・タバクム(Nicotianatabac
um)L.cv.Pefit Havana SR1を
用いた。タバコのセルラインT01及びT02は、葉の
ディスクをアグロバクテリウムにより形質転換すること
により得られた(Horschら、「Plant Molecular Biolog
y Manual」1−9頁、Klwer Academic Publishers, Dor
drecht, 1988) 。ポテトのセルラインP1及びP2は、
マイクロチューバーをアグロバクテリウムにより形質転
換することにより得られた(Chang 及び Chang, Bat. B
ull. Acad. Sin. , 32:63-70, 1991)。
てアグロバクテリウムにより未成熟イネ胚を形質転換す
ることにより得られた、オリザ・サティバ(Oryza
sativa)L.cv.Tainan 5からのイ
ネのセルラインC51及びC52並びに実施例III のイ
ネのセルラインC7及びC11も、この実験において比
較のために検出した。懸濁細胞培養物はすでに記載され
ているようにして増加させた(Yuら、J. Biol. Chem.,
266 :21131-21137, 1991)。懸濁細胞を400メッシュ
のナイロン篩による濾過により集め、紙タオル上でブロ
ット乾燥し、そして秤量した。培地はワットマンNo1濾
紙を通しての濾過により集めた。集めた細胞及び培地は
液体窒素により急速凍結し、そして使用するまで−70
℃にて貯蔵した。
ら全DNAを単離した。5μgのDNAをHindIII
により消化し、アガロースゲル(0.8%)電気泳動に
より分画し、そしてGeneScreen膜(Du P
ont)に移した。プローブとして使用したGUS D
NAは、プラスミドpBI221(Clontech)
のBamHI−SstI制限酵素処理から作り、そして
ランダムプライマー法(Feinberg及びVogelstein, Ana
l. Biochem, 132 : 6-13, 1983)を用いて〔α−32P〕
dCTPにより標識した。
A, 83:1354-1358, 1986)に従って懸濁細胞から全RN
Aを精製した。Thomas(Methods Enzymol., 100
: 255-266, 1983)により記載されているようにしてR
NAブロット分析を行った。プローブとして使用した
1.4kb α−アミラーゼcDNA挿入部はプラスミド
ベクターから制限酵素EcoRIにより切り出し、そし
てランダムプライマー法(Feinberg and Vogelstein, An
al. Biochem., 132 : 6-13, 1983) を用いて〔α32P〕
dCTPにより標識した。
ト分析 500mlのGUS抽出緩衝液(50mMリン酸ナトリウム
緩衝液、pH7.0,10mM EDTA,0.20% T
ritonX−100,0.1% Sarkosyl,
10mM β−メルカプトエタノール)中で0.1〜0.
2gの細胞を破砕することにより全蛋白質を抽出した。
GUS活性測定は、R. A. Jefferson (1982)により「Pl
ant Genetic Transformation and Gene Expression, A
Laboratory Manual.」263−339頁、Blackwell Sc
ientific Publications, Oxfordに記載されているよう
にして行った。イムノブロッティング用途のため、α−
アミラーゼポリクローナル抗体を、培地から精製された
イネα−アミラーゼに対してラビット中で生じさせ、そ
してGUSポリクローナル抗体はMolecular Probes, In
c.から購入した。
物種におけるα−Amy8/GUSの発現 α−Amy8/GUSが異るイネ・カルチバー(cul
tivar)及び植物種において類似の態様で糖により
制御され得るか否かを検討するため、プラスミドpAG
8を、アグロバクテリウム−介在形質転換によりイネc
v.Tainan 5、タバコ及びポテトの細胞に導入
した。無作為に選択された推定上のトランスジェニック
セルラインへのキメラα−Amy8/GUS遺伝子の取
り込みがサザンブロット分析により示された(図1
7)。GUS DNAは、イネのセルラインG51及び
C52(図17のレーン2及び3)、タバコのセルライ
ンT01及びT02(図17のレーン5及び6)、並び
にポテトのセルラインP1及びP2(図17のレーン8
及び9)のゲノム中に検出された。
単離された全RNAについて、プローブとしてGUS
DNAを用いてノーサンブロット分析を行った(それぞ
れのデーターを図18に示す)。この結果が示すところ
によれば、ショ糖を含有する培地中で増殖した細胞にお
いてはGUS mRNAは検出されなかったが(図18
のレーン3,7及び11)、ショ糖を欠く培地中で増殖
した細胞においては、GUS mRNAが豊富に貯種さ
れた(図18のレーン4,8及び12)。ショ糖含有培
地及びショ糖不含有培地のいずれで増殖した非形質転換
細胞においてもGUS mRNAは検出されなかった
(図18のレーン1,2,5,6,9及び10)。これ
らの結果が示すところによれば、イネα−アミラーゼプ
ロモーターはイネの細胞においてのみならずタバコ及び
ポテトの細胞においても機能的でありそして糖栄養によ
り制御される。
濁細胞中での及びそれらの培地でのGUS蛋白質の発現
もウエスタンブロット分析により決定した(図19)。
その結果が示すところによれば、GUSの濃度は、細胞
がショ糖を含有する培地中で増殖した場合、トランスジ
ェニックイネC51及びC52の細胞中で低い(図19
のAのレーン3及び5)が、細胞がショ糖を欠く培地中
で増殖した場合には5〜7倍に増加した(図19のAの
レーン4及び6)。培地中のGUSの蓄積の類似のパタ
ーンが観察された。すなわち、ショ糖不含有培地中のG
USの濃度(図19のAのレーン11及び12)は、シ
ョ糖含有培地中でのそれ(図19のAのレーン10及び
12)に比べて15〜20倍高かった。
及びトランスジェニックポテト(図19のC)における
GUSの発現は、トランスジェニックイネの場合と同様
であった。ショ糖飢餓のもとでの細胞又は培地中に蓄積
したGUSの量は異るトランスジェニックセルライン又
は植物種間で異った。いずれの非−形質転換細胞の細胞
又は培地中でもGUSは検出されなかった(図19の
A,B及びCのレーン1,2,8及び9)。
ターゲッティング及びGUSのグリコシル化 N−連結グリコシル化(Kornfeld及びKornfeld, Annu.
Rev. Biochem. , 54:631-664, 1985)のための2個の潜
在的な部位が、大腸菌GUSの推定されるアミノ酸配列
中に存在する(Jefferson ら、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 83:8447-8451, 1986)。トランスジェニックタバ
コ細胞の小胞体(Endoplasmic Reticulum ; ER) へのG
USのターゲッティングがGUSのグリコシル化をもた
らすことが報告されている(Iturriaga ら、Plant Cel
l, 1:381-390, 1989 ; Deneckeら、Plant Cell, 2:
51-59, 1990 ; Pangら、Gene, 112 :229-234, 1992)。
SをREにターゲッティングすることができるか否か、
及びその中でGUSのN−連結グリコシル化が起こるか
否かを決定するため、トランスジェニックセルラインの
懸濁細胞から蛋白質を抽出し、又はそれらの培地から蛋
白質を集め、そしてウエスタンブロット分析にかけた
(図20のA)。トランスジェニックイネ、タバコ及び
ポテトの細胞抽出物中に存在するGUS(図20のAの
レーン1,3及び5)は70kDの分子量を有することが
検出され、これは大腸菌からの精製された生来のGUS
(図20のAのレーン7)のそれと同一であった。
GUS(図20のAのレーン8,10及び12)は85
kDの分子量を有することが見出された。分泌されたGU
Sの分子量の増加は、おそらく、ERのルーメン側に見
出されるオリゴサッカライド・トランスフェラーゼによ
るオリゴサッカライドの付加の結果であろう(Hirschba
rg及びSnider, Annu. Rev. Biochem. , 56, 63-87, 198
7)。ERのレーメン中のオリゴサッカライド・トランス
フェラーゼによる蛋白質のNXS/T残基へのオリゴサ
ッカライド側鎖の移行をツニカマイシン(Tunica
mycin;TM)が阻害することが知られている(El
bein, Annu. Rev. Biochem. , 56;1987) 。
ル化をブロックし、そしてその結果分泌されたGUSの
分子量を減少させるはずである。本発明のトランスジェ
ニックセルラインの懸濁細胞を10μg/mlのTMによ
り24時間処理することにより、その様な可能性を試験
した。その結果が示すところによれば、GUSの分子量
は、本発明のトランスジェニックイネ、タバコ及びポテ
トの細胞抽出物においては70kDのままであった(図2
0のAのレーン2,4及び6)が、培地から集められた
GUSの分子量は、これらの細胞のTM処理の後85kD
から70kDに低下した。これらの結果が示すところによ
れば、αAMY8のシグナルペプチド配列に融合したG
USはERに輸送され、ERのルーメン内でグリコシル
化され、そして細胞外に分泌されることができた。
阻害し、そしてTM処理がトランスジェニックタバコに
おける活性なGUSの合成を可能にすることが報告され
ている (Iturriaga ら、(1989)、前掲;Pangら (1992)
前掲)。タバコにおけると同様にイネにおいても同じ現
象が起こるか否かを理解するため、前記のTM−処理細
胞又はそれらの培地中のGUS活性を測定した。図20
のBに関し、タバコの懸濁細胞中のGUS活性はTM処
理の後に2倍に上昇し、他方培地中のGUS活性はTM
処理の後10倍に上昇した。GUS活性に対するTM処
理の効果はイネの細胞について一層顕著であった。
はTM処理後1.6倍に上昇したが、培地中の該活性は
TM処理後30倍に上昇した(図20のC)。GUS活
性は非形質転換細胞又はその培地中ではバックグラウン
ドレベルにあった。これらの実験が示唆するところによ
れば、培地中のGUSの低い活性は蛋白質のグリコシル
化のためであり、そして分泌されたGUSはそれがグリ
コシル化されなければ活性であろう。さらに、GUSの
グリコシル化及び不活性化はイネの細胞のERにおいて
も起った。
ERのルーメン中で活性な4量体に組立てられたことを
意味する。このことは重要である。なぜなら、現在植物
において発現されている幾つかの重要な外来蛋白質はE
Rにおいて修飾されそして組立てられることが必要だか
らである。観察された結果は、活性な転流された(tr
anslocated)蛋白質を得るためにαAMY8
のシグナルペプチドが有用であることを示している。
ため、異る植物種の培養細胞からのGUS分泌の効率を
測定しそして比較した。培地から全蛋白質を集め、そし
てウエスタンブロット分析にかけた(データーは示さな
い)。異るトランスジェニックセルラインにより分泌さ
れたGUSの収量を算定するための標準として精製され
た大腸菌GUSを使用した。結果を表4に示す。
%は10〜40%の範囲であった。GUSの収量は同じ
植物種の異るトランスジェニックセルライン間及び異る
植物種間で異った。収量はイネcv.Tainan 5
(約303〜370μg/g細胞)で最も高く、ポテト
(約30〜33μg/g細胞)で最も低かった。イネc
v.Taiung 62についての収量(約135−1
50μg/g細胞)はポテトのそれ(約150−163
μg/g細胞)と類似していた。これらのトランスジェ
ニックセルラインの収量の順序は次の通りであった。イ
ネ(Tainan 5)>イネ(Tainung 6
2)>タバコ>ポテト。
αAMY8のプロモーター及びシグナルペプチドは、種
々の植物細胞培養物における外来蛋白質の発現及び分泌
のための蛋白質発現系を開発するために使用することが
できる。しかしながら、異る植物種及び/又は異るトラ
ンスジェニックセルラインは外来蛋白質の発現及び分泌
の効率を異にするであろう。
GUSキメラ遺伝子の発現がトランスジェニックポテト
及びタバコにおいて同様に制御され、イネα−アミラー
ゼプロモーター中の制御配列がこれらの2つの植物種に
おいて同定され得ることが示される。これはさらに、糖
飢餓のシグナルを伝達する経路及びα−アミラーゼプロ
モーターに対する糖抑制の制御機作が保存されており、
そして2つの被子植物の系統の分岐の間に、単子葉植物
と双子葉植物との間で共通の特徴が残っていることを示
唆している。
ーゼプロモーターの誘導性のため、このプロモーター
は、トランスフェクトされた遺伝子のための誘導性遺伝
子発現系の設計のために潜在的に有用である。植物にお
ける遺伝子の条件的発現のための理想的なプロモーター
は幾つかの規準を満たすべきである。1)非誘導条件下
での低レベルの発現、2)誘導条件下での高レベルの発
現、3)容易に可逆的な誘導、4)多くの異種系での適
切な抑制。ここに本発明は、細胞がショ糖を含有する培
地で増殖した場合には非常に低レベルのαAMY8/G
US発現が起こるが、しかしながら、細胞がショ糖を欠
く培地中でインキュベートされた後、高レベルの発現が
達成され得ることを示す(図18及び図19)。
によってα−アミラーゼプロモーターの誘導又は抑制を
容易に逆転させることができる。さらに、前記のよう
に、イネα−アミラーゼプロモーターはイネ、タバコ及
びポテトにおいて発現されそして同様に制抑され得る。
従って、本発明のイネα−アミラーゼプロモーターは、
前記すべての規準を満足し、そして組織培養における誘
導的発現系を樹立するために使用され得るだろう。この
様な発現系は、ある種の遺伝子生成物の生理的機能を研
究する機会を得るのみならず、植物の代射及び発達の重
要な段階を制御する機会を提供するであろう。
5アミノ酸からなる推定上のシグナルペプチド配列を含
有し(Yuら、1993)、この配列はトランスジェニックイ
ネ、タバコ、又はポテト細胞の外でGUSの標的化を速
進する。植物細胞のERを介してのGUSの細胞膜への
転流の証拠は、αAMY8/GUSキメラ遺伝子により
形質転換された細胞が85kDのGUSを培地に分泌し
(図20のA)、そして分泌されたGUSの活性有意に
低下している(図20のB及びC)という観察に基く。
低下(70kD)(図20のA)、及び培地に分泌された
GUSの活性の増加を惹起し(図20のB及びC)、G
USがERに輸送され、ERのルーメン中でグリコシル
化され、そして細胞外に分泌されることが示唆される。
従って、αAMY8のシグナルペプチド配列は、ERに
おいて修飾されそして組立てられることが必要な発現さ
れたパッセンジャー蛋白質の発現を可能にする。タバコ
又はイネの懸濁細胞におけるGUS活性はわずかに増加
し(図20のB及びC)、幾らかの細胞内GUSがグリ
コシル化されたことが示されたが、それはウエスタンブ
ロット分析において検出不能であった(図20A)。あ
るいは、TM処理が細胞内GUSを幾分安定化させるの
かもしれない。
れば、トランスジェニック植物の異る種におけるイネα
−アミラーゼプロモーター/GUSレポーター遺伝子の
発現は培地中の糖レベルにより制御することができ、こ
のことが糖制御への応答のために重要なプロモーター配
列の機能的分析を可能にする。α−アミラーゼプロモー
ターを操作して、トランスフェクトされた遺伝子の発現
のレベルを制御することによりその遺伝子の細胞生物学
的効果の基本的研究のための誘導性発現カセットにする
ことができる。α−アミラーゼのシグナルペプチド配列
と組合わせて、この発現カセットはまた、分泌される組
換え蛋白質の製造のために使用することができる。この
発現系は、植物生物学における基本的研究、及び遺伝子
操作された蛋白質の大量生産のための新しい可能性を提
供する。
神および範囲から逸脱しないで種々の変化および変更が
可能である。したがって、本発明はそれ以外は詳しく記
載したよう実施することができる。
3′領域のヌクレオチド配列を示す。
を実証するサザンブロット分析を示す。(電気泳動図で
あって図面に代る写真である。)
ザンブロット分析を示す。(電気泳動図であって図面に
代る写真である。)
中のα−アミラーゼmRNAの蓄積を示す。(A)イネ
のGA3 処理した糊粉細胞の中のα−アミラーゼmRN
Aの経時的蓄積。(B)後期成長段階の間のイネの懸濁
培養した細胞の中のα−アミラーゼ遺伝子の相対的mR
NAレベル。(電気泳動図であって図面に代る写真であ
る。)
A断片への糊粉タンパク質抽出物の結合を示す。(電気
泳動図であって図面に代る写真である。)
糊粉タンパク質の結合を示す。+GAおよび−GA:そ
れぞれ、GA3 を使用してあるいは使用しないで吸収の
3日後の脱胚したイネの種子から調製したタンパク質抽
出物。(電気泳動図であって図面に代る写真である。)
を含有するバイナリー(binary)ベクターpAG
8の構造を示す。α−アミラーゼ遺伝子αAmy8の
1.5kbの5′−上流断片を、E.coliのβ−グル
クロニダーゼ遺伝子(GUS)のコード領域に、ノパリ
ンシンターゼ遺伝子(NOS)のポリアデニル化シグナ
ルを使用して結合した。このキメラ遺伝子をpBIN1
9の左の境界と選択可能なマーカー遺伝子との間に挿入
した。略号:RBおよびLB、それぞれ、T−DNAの
右および左の境界;NPTII、ネオマイシンホスホト
ランスフェラーゼII遺伝子;Pnos、NOS遺伝子
のプロモーター。
生。(A)プレート後3週の、40μg/mlのG418
を含有する選択的培地(N6RF)上の形質転換されて
いない対照カルス;(B)アグロバクテリウム(Agr
obacterium)を接種後8週のG418耐性細
胞からのシュートおよび根の再生;(C)接種後9週
の、N6/G418培地上で成長したトランスジェニッ
ク植物;(D)接種後16週の、温室内のポットの土の
中で成長したトランスジェニック植物;(E)接種後1
8週のトランスジェニック植物の分葉枝;(F)接種後
24週のトランスジェニック植物の種子の固定。(生物
の形態を表わす図面に代る写真である。)
子の検出のためのDNAブロット分析。ゲノムDNAを
野生型植物およびトランスジェニック植物の若い葉から
分離した。種々の制限酵素で消化したDNAの5μgを
各レーンに負荷した。pBI221の中にGUS遺伝子
を含有するSstI/BamHI断片をプローブとして
使用した。レーン1:BamHIで消化したpAG8;
レーン2〜5:トランスジェニック植物T1からのDN
A;レーン6〜8:トランスジェニック植物T2からの
DNA;レーン9〜10:トランスジェニック植物T3
からのDNA;レーン11:トランスジェニック植物T
4からのDNA;およびレーン12:形質転換しない対
照植物からのDNA。制限酵素の略号:B,BamH
I;H,HindIII;P,PstI;Unc、消化
せず。(電気泳動図であって図面に代る写真である。)
けるGUSおよびNPTII活性の分析を示す。(A)
トランスジェニックイネにおけるGUS活性の分析。形
質転換されたおよび形質転換しないイネ植物およびカル
スからのタンパク質抽出物を7.5%のSDS−PAG
Eを使用して分離した。ゲルを1ミリモルのメチルウベ
リフェリルグルクロニド(MUG)と反応させ、そして
「材料および方法」に記載するように写真撮影した。レ
ーン1:標準の大腸菌β−グルクロニダーゼ;レーン2
〜5:形質転換した植物からのタンパク質抽出物;レー
ン6〜7:形質転換したカルスからのタンパク質抽出
物;レーン8:形質転換しないカルスからのタンパク質
抽出物。20μg/レーンのタンパク質をレーン2〜8
に負荷した。(B)トランスジェニックイネにおけるネ
オマイシンホスホトランスフェラーゼII活性。形質転
換したまたは形質転換しないイネの植物およびカルスか
らの30μgのタンパク質抽出物を、「材料および方
法」に記載するように、〔γ−32P〕−ATPと反応さ
せ、ワットマン(Whatman)P81紙上にドット
ブロッテイングし、そしてオートラジオグラフにかけ
た。列A:カナマイシンを伴う反応;列B:カナマイシ
ンを伴わない反応;レーン1〜3:トランスジェニック
植物からのタンパク質抽出物;レーン5〜6:形質転換
したカルスからのタンパク質抽出物;レーン4および
7:それぞれ、形質転換しない植物およびカルスからの
タンパク質抽出物。(電気泳動図であって図面に代る写
真である。)
織におけるαAmy8(1.2kb)/GUS遺伝子の発
現。高さが100cmの形質転換したまたは形質転換しな
い植物の各器官の薄い切片を「材料および方法」に記載
するようにX−glucで染色した。(A)形質転換し
ない植物からの葉身の断面;(B)トランスジェニック
植物T1からの葉身の断面;(C)(B)のボックスの
区域の拡大;(D)形質転換しない植物の分葉枝の1つ
の茎の断面;(E)トランスジェニック植物T1からの
1つの分葉枝の茎の断面;(F)(E)のボックスの区
域の拡大。略号:ph、師部;mx、後生木部管状要
素;sc、厚壁組織;par、柔組織。(植物の形態を
表わす図面に代る写真である。)
けるGUS活性の分析を示す。種子をカナマイシンおよ
び2,4−Dを含有するMS培地の中で発芽させてカル
スの形成を誘導する。カルスを「材料および方法」に記
載するようにGUS組織化学的染色アッセイにかける。
NT:形質転換しない植物の種子から誘導されたカル
ス;T:トランスジェニック植物T1の種子から誘導さ
れたカルス。(生物の形態を表わす図面に代る写真であ
る。)
からの410bpのGUS DNA断片のPCR増幅を示
す。DNAをトランスジェニック植物T1のR1子孫の
若い葉から分離した。PCRは「材料および方法」に記
載するように実施した。(A)増幅したDNAを1%の
アガロースゲルの中で電気泳動させ、そして臭化エチジ
ウムにより検出した。(B)(A)と同一のDNAを遺
伝子スクリーンの膜上にブロッティングし、32P標識G
US DNAプローブとハイブリダイゼーションさせ、
そしてオートラジオグラフにかけた。レーン1:形質転
換しない植物(NT)からのDNA鋳型を陰性対照とし
て使用した;レーン2プラスミドpAG8からのDNA
鋳型;レーン3〜10:トランスジェニックイネ植物T
1のR1子孫(no.1−1〜1−8)からのDNA鋳
型。(電気泳動図であって図面に代る写真である。)
Sの発現を示す。(電気泳動図であって図面に代る写真
である。)
のGUSタンパク質の蓄積を示す。(電気泳動図であっ
て図面に代る写真である。)
織におけるαAmy8(1.2kb)/GUS遺伝子の発
現。高さが100cmの形質転換したまたは形質転換しな
い植物の各器官の薄い切片を「材料および方法」に記載
するようにX−glucで染色した。(G)トランスジ
ェニック植物T1からの葉鞘の断面:(H)トランスジ
ェニック植物T1からの分葉枝の1つの葉鞘の内側に埋
め込まれた若い葉の断面;(I)トランスジェニック植
物T1の根の断面;(J)トランスジェニック植物T1
からの切断しない根毛。(生物の形態を表わす図面に代
る写真である。)
NAの検出のためのサザンブロット分析の結果を示す図
である。ゲノムDNAを、推定上のトランスジェニック
植物のカルスから単離した。5μgのDNAをHind
III で消化し、そして32P−標識GUS DNAプロー
ブとハイブリダイズさせた。イネcv.Tainan
5(C51及びC52)、タバコ(T01及びT02)
並びにポテト(P1及びP2)の推定上のトランスジェ
ニックセルラインからのDNA。NTは、非形質転換対
照セルラインのDNAを示す。(電気泳動図であって図
面に代わる写真である。)
GUS遺伝子の発現のショ糖抑制を示す図である。トラ
ンスジェニックイネcv.Tainan 5(C5
1)、タバコ(T01)及びポテト(P1)の懸濁細胞
を、ショ糖含有培地又はショ糖不含有培地中で2日間増
殖させた。懸濁細胞から全RNAを単離し、ノーサンブ
ロット分析にかけ、そして32P−標識GUS DNAプ
ローブとハイブリダイズさせた。5μgの全RNAを各
レーンに負荷した。レーン間のRNAの負荷の同等性が
rRNAの臭化エチジウム染色によって示された。(電
気泳動図であって図面に代わる写真である。)
中のGUSの蓄積を示す図である。懸濁細胞はショ糖含
有培地又はショ糖不含有培地で2日間増殖させた。蛋白
質を細胞から抽出し、又は培地から集めた。GUSをG
US抗体を用いるウエスタンブロット分析により検出し
た。20μgの全細胞蛋白質をレーン1〜6の各レーン
に負荷した。培地からの5μgの全蛋白質をレーン8〜
13の各レーンに負荷した。NTは非形質転換対照セル
ラインからの蛋白質を示す。+及び−は培地中のショ糖
の存在又は不存在を示す。(A)2種類のトランスジェ
ニックイネ(cv.Tainan 5)セルライン(C
51及びC52)からの蛋白質。レーン7(M)は1μ
gの精製大腸菌GUSを含有する。(B)2種類のトラ
ンスジェニックタバコセルライン(T01及びT02)
からの蛋白質。レーン7(M)は400ngの精製大腸菌
GUSを含有する。(C)2種類のトランスジェニック
ポテトセルライン(P1及びP2)からの蛋白質。レー
ン7(M)は400ngの精製大腸菌GUSを含有する。
(電気泳動図であって図面に代わる写真である。)
GUS融合蛋白質の分析の結果を示す図である。トラン
スジェニックイネ(C51)、タバコ(T01)及びポ
テト(P1)の懸濁細胞を、10μg/mlのTMを含有
するショ糖不含有培地中で24時間増殖させた。対照細
胞は、TMを溶解するのに使用した同量の溶剤を含有す
るショ糖不含有培地中で増殖させた。蛋白質を細胞から
抽出し、又は培地から集めた。(A)GUS抗体を用い
てのGUSのウエスタンブロット分析であり、8−15
%グラジエントゲルを用いた。細胞からの20μgの全
蛋白質をレーン1〜6の各レーンに負荷した。培地から
の5μgの全蛋白質をレーン8〜13の各レーンに負荷
した。レーン7(M)は200ngの精製大腸菌GUSを
含有した。+及び−は、培地中のTMの存在又は不存在
を示す。(B)及び(C)はそれぞれ、タバコ(T0
1)及びイネ(C51)におけるGUS活性の測定を示
す。(Aは電気泳動図であって図面に代わる写真であ
る。)
Claims (16)
- 【請求項1】 稲のトランスジェニック植物の製造方法
であって、 (1)イネ植物の未成熟胚に形質転換用アグロバクテリ
ウム(Agrobacterium)属を感染せしめ; (2)形質転換段階の間、前記感染された胚を双子葉植
物懸濁培養物と共に同時培養し; (3)イネ植物の成長のために十分な量の植物成長ホル
モンを含有する選択培地中で、段階(2)の形質転換さ
れた胚をカルスに成長せしめ;そして (4)イネ植物の成長のための所定量の栄養を含んで成
る再生培地中で前記培養されたカルスを根及び芽に再生
せしめる;段階を含んで成る方法。 - 【請求項2】 前記双子葉植物懸濁培養物がポテト懸濁
培養物である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記選択培地が植物成長ホルモンとして
4−フルオロフェノキシ酢酸(4−FPA)を含んで成
る、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記選択培地を用いる段階が2つの亜段
階を含んで成り、第一亜段階において十分量の4−FP
Aを含んで成る選択培地を用い、そして第二亜段階にお
いて、十分量の4−FPA及び6−ベンジルアミノ−プ
リン(6−BAP)を含んで成る選択培地を用いる、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】 前記選択培地を用いる段階(3)におい
て使用される選択培地が、4−FPAを含んで成る改変
N6培地である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
方法。 - 【請求項6】 前記再生培地を用いる段階(4)におい
て使用される再生培地がN6培地である、請求項1〜5
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項7】 形質転換のためにアグロバクテリウム・
ツメファシエンス(Agrobacterium tu
mefaciens)を使用する、請求項1〜6のいず
れか1項に記載の方法。 - 【請求項8】 双子葉植物懸濁培養物と共に同時培養し
ながらイネ植物の未成熟胚をアグロバクテリウムにより
形質転換し;イネ植物の成長のための所定量の植物成長
ホルモンを含んで成る選択培地中で前記形質転換された
胚をカルスに成長せしめ;そしてイネ植物の成長のため
に十分な量の栄養素を含んで成る再生培地中で、前記培
養されたカルスを根及び芽に再生せしめる、 段階により生成したイネのトランスジェニック植物。 - 【請求項9】 前記双子葉植物懸濁培養物がポテト懸濁
培養物である、請求項8に記載のイネのトランスジェニ
ック植物。 - 【請求項10】 前記選択培地が植物成長ホルモンとし
て4−フルオロフェノキシ酢酸を含んで成る、請求項8
又は9に記載のイネのトランスジェニック植物。 - 【請求項11】 前記選択培地を用いる段階が選択の2
つの亜段階を含んで成り、第一亜段階において十分量の
4−FPAを含んで成る選択培地を用い、そして第二亜
段階において十分量の4−FPA及び6−ベンジルアミ
ノ−プリン(6−BAP)を含んで成る選択培地を用い
る、請求項8〜10のいずれか1項に記載のイネのトラ
ンスジェニック植物。 - 【請求項12】 前記再生段階において使用される再生
培地がN6培地である、請求項8〜11のいずれか1項
に記載のイネのトランスジェニック植物。 - 【請求項13】 形質転換のためにアグロバクテリウム
・ツメファシエンス(Agrobacterium t
umefaciens)を用いる、請求項1〜12のい
ずれか1項に記載のイネのトランスジェニック植物。 - 【請求項14】 前記トランスジェニック植物が、所望
の遺伝子産物をコードする配列に作用可能に連結され
た、植物のα−アミラーゼ遺伝子由来のプロモーター領
域を含んで成るキメラ遺伝子を有する、請求項8に記載
のトランスジェニック植物。 - 【請求項15】 前記プロモーター領域が、オリザ・サ
ティバ(Oryzasativa)由来のαAmy6,
αAmy7,αAmy8及びαAmy10プロモーター
から成る群から選択される、請求項14に記載のトラン
スジェニック植物。 - 【請求項16】 前記キメラ遺伝子が、前記所望の遺伝
子産物をコードする配列にフレームを合わせて融合し
た、α−アミラーゼシグナルペプチドをコードする配列
をさらに含んで成る、請求項14に記載の植物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32127492 | 1992-11-05 | ||
JP4-321274 | 1992-11-05 |
Related Parent Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29760793A Division JP3400050B2 (ja) | 1992-11-04 | 1993-11-04 | アルファ−アミラーゼ遺伝子のプロモーター領域を含んでなる遺伝子発現系 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000157080A true JP2000157080A (ja) | 2000-06-13 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11356560A Pending JP2000157080A (ja) | 1992-11-05 | 1999-12-15 | アルファ―アミラ―ゼ遺伝子のプロモ―タ―領域を含んでなる遺伝子発現系 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000157080A (ja) |
-
1999
- 1999-12-15 JP JP11356560A patent/JP2000157080A/ja active Pending
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