JP2003509653A - 延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置 - Google Patents

延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置

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JP2003509653A JP2001523576A JP2001523576A JP2003509653A JP 2003509653 A JP2003509653 A JP 2003509653A JP 2001523576 A JP2001523576 A JP 2001523576A JP 2001523576 A JP2001523576 A JP 2001523576A JP 2003509653 A JP2003509653 A JP 2003509653A
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regenerator
rare earth
earth metal
solid solution
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JP2001523576A
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カール エイ. グシュネイドナー
ヴィタリィ ケイ. ペチャルスキー
アレクサンドラ オー. ペチャルスキー
Original Assignee
アイオワ ステイト ユニヴァーシティ リサーチ ファウンデーション インコーポレイテッド
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/14Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the cycle used, e.g. Stirling cycle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、コストを削減しつつ信頼性があり効率的な極低温冷却装置の高低両温度領域あるいはステージにおける(例えば約10K〜100K、より一般的には約300K〜約10K)冷却力を改良することを目的としている。 【構成】 そして、希土類金属、2つ以上の希土類金属の合金、非希土類金属および希土類金属の合金、1つ以上の侵入型元素および希土類金属の合金を含む、延性および酸化腐食耐性のある一つ以上の成分で構成される蓄冷器を備えた極低温冷却装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は極低温冷却装置における延性かつ磁性のある蓄冷器に関するものであ
り、特に、およそ300Kから10Kで動作する閉サイクル極低温冷却装置の冷
却力および冷却効率を高める磁性蓄冷器に関するものである。
【0002】 米国エネルギー省とアイオワ州立大学(アイオワ州エームズ)との契約番号W
−7405−ENG−82により米国政府は本発明の権利を有しており、本契約
により本特許申請権がアイオワ州立大学研究財団(Iowa State Un
iversity Research Foundation,Inc.)に認
められる。
【0003】
【従来の技術】
蓄冷器は極低温冷却装置の一部を構成し、用いる冷凍技術とは関係なしに、す
なわち周知のギフォード・マクマホン冷凍、スターリング冷凍、パルス管冷凍と
いった冷凍技術とは関係なしに、4K〜20K(室温下で270〜250K)の
低温に至らせるものである。ギフォード・マクマホンサイクル極低温冷却装置あ
るいは冷凍機は、液体冷媒なしでおよそ10Kといった極めて低温度にするため
に用いられ、米国特許第5186765号に記載されている。その他の極低温冷
却装置については、「極低温熱交換器(Cryogenic Heat Exc
hangers)」、プレナムプレス、ニューヨーク、1997年、R.A.ア
ッカーマン著、および「極低温冷却装置パート1:基本(Cryocooler
s Part 1:Fundamentals)」、プレナムプレス、ニューヨ
ーク、1983、G.ウォーカー著を参照のこと。
【0004】 非常に効果的な蓄冷器の重要な性質としては、蓄冷材が大きな熱容量を有して
いることがあげられる。今日における市販の蓄冷器のほとんどはブロンズやステ
ンレス鋼網あるいは球を用いて約100Kにまで冷却し、鉛(Pb)球によって
100K以下に冷却する(10Kが熱負荷なしの低温限界である。その温度では
鉛の熱容量が極めて低くなるからである)。時にはブロンズまたはステンレス鋼
と鉛とを組合せることによって、単一ステージ(1段式)冷凍機用の積層蓄冷器
ベッドを用いて50K以下に冷却することもある。あるいは高温ステージで使用
されるブロンズ合金およびステンレス鋼材と、低温ステージで使用される鉛(P
b)(鉛の熱容量のため他の材料より遅く100K以下に冷却する)とからなる
2ステージ(2段式)冷凍機を用いる。100K以上では最も金属性があり磁性
のない材料のモル熱容量は同じであり、3Rのデュロン・プティ限界に至る(R
=8.314J/mol Kは普通気体定数である)。他のパラメータが全て同
等の下では、一般に蓄冷器の積層ベッド材の熱容量が高くなればなるほど極低温
冷却装置の冷却力はより強力になる。
【0005】 低磁気秩序温度(例えば10K未満)を示すランタニド金属間化合物を極低温
磁性の蓄冷材(冷媒あるいは冷蓄材)として用いる可能性については、ほぼ25
年前ブショウ(Buschow)等の論文「4〜10K間での極めて大きい熱容
量(Extremely Large Heat Capacities be
tween 4 and 10K)」、クライオジェニックス第15巻、197
5年、261〜264ページにおいて指摘されている。しかし、実用的なランタ
ニド蓄冷材はその約15年後まで開発使用されなかった。2ステージギフォード
・マクマホン極低温冷却装置(2段式GM冷凍機)の低温ステージ蓄冷材として
ErNi(金属間化合物)を使用することは、サハシ等による「蓄熱式熱交換
器用の極めて大きな熱容量を有する新規磁性材料R3Tシステム(New Ma
gnetic Material R3T System with Extr
emely Large Heat Capacities Used as
Heat Regenerators)」、Adv.クライオジェニックエナジ
ー第35巻、1990年、1175〜1182ページ、およびクリヤマ等による
「液体ヘリウム温度における磁性材料の高効率二段式GM冷凍機(High E
fficient Two−Stage GM Refrigerator w
ith Magnetic Material in Liquid Heli
um Temperature Region)」、Adv.クライオジェニッ
クエナジー第35巻、1990年、1261〜1269ページで提案されている
【0006】 これらの論文では、低温側ステージ鉛(Pb)蓄冷材はErNi金属間化合
物で代替することを提案している。最低温で相当な冷凍能力を発揮する従来の低
温側ステージ鉛蓄冷材の場合は約10Kであるのに対し、それをErNi(金
属間化合物)で代替すると約4.2Kまで冷却できるように改良される。この(
約4.2Kまでの)冷却改良は、25K以下の鉛(10K以下では鉛の熱容量は
わずかである)よりも高いErNiの熱容量によるものである。
【0007】 1996年7月23日交付のグシュネイドナー(Gschneidner)お
よびペカースキー(Pecharsky)による米国特許第5537826号に
おいては、改良された2ステージGM冷凍機の低温(例えば20K以下)ステー
ジ用の蓄冷器が記述されている。その特許を受けた蓄冷器は、蓄冷器構成成分と
して金属間化合物ErNiPb、ErNi(SnGa1−x)(xは
0以上1未満)、ErNiSnを含むものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コストを削減しつつ信頼性があり効率的な極低温冷却装置の
高低両温度領域あるいはステージにおける(例えば約10K〜100K、より一
般的には約300K〜約10K)冷却力を改良することにある。
【0009】 本発明の他の目的は、耐久性・非脆性・腐食耐性のある球粉や薄板や薄金網や
多孔性一体形状(例えばカートリッジ)へと、容易に蓄冷材として製造できる延
性磁性の希土類(ランタニド)基固溶合金を利用することにある。
【0010】 本発明のその他の目的は、例えばブロンズ、ステンレス鋼、鉛を組合せた上述
の従来の蓄冷材よりもかなり高い熱容量を有する蓄冷器を備えた極低温冷却装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、希土類金属、2つ以上の希土類金属の固溶合金、非希土
類金属および希土類金属の固溶合金、侵入型元素および希土類金属の固溶合金と
で構成される1つ以上の蓄冷器構成成分からなることを特徴とする。 また、低温側ステージと高温側ステージとを備えた極低温冷却装置であって、
前記ステージの少なくとも一方は、希土類金属、2つ以上の希土類金属の固溶合
金、非希土類金属および希土類金属の固溶合金、侵入型元素および希土類金属と
の固溶合金とからなる1つ以上の蓄冷器構成成分を有する受動的磁性蓄冷器を含
むことを特徴とする。 更に、希土類金属、2つ以上の希土類金属の固溶合金、非希土類金属および希
土類金属の固溶合金、侵入型元素および希土類金属との固溶合金からなる一つ以
上構成成分を含む受動的磁性蓄冷器であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、コストを削減しつつ信頼性があり効率的な極低温冷却装置の高低両
温度領域あるいはステージにおける冷却力を改良している。
【0013】
【実施例】
本発明の目的、特徴および効果は、図を用いた以下の詳細な説明によって明ら
かになる。
【0014】 図2aによれば、純希土類金属の熱容量は、磁気秩序温度(magnetic
ordering temperature)の近くでブロンズやステンレス
鋼より高くなっていることがわかる。重ランタニド金属(Gd、Tb、Dy、H
o、Tm、Er)を互いに組合せて適切な固溶合金を作ることにより、ブロンズ
の熱容量が純金属の熱容量より大きい領域(すなわち180〜210Kおよび2
35〜290K)である隙間(温度領域)を埋めることができる。この適切な合
金化でその隙間を充填することが以下検討される。100K以下におけるこの希
土類金属の熱容量は、鉛、ステンレス鋼、ブロンズの熱容量とともに、より詳細
な図2bで示される。鉛の熱量量がステンレス鋼あるいはブロンズよりも高くな
る60K以下において、希土類金属のうちの4つは、かなりの温度領域(すなわ
ちTbは55〜350K、Dyは45〜350K、Hoは35〜350K、Er
は18〜90K)にわたり、鉛より良好であることが示される(5〜18Kおよ
び90〜200Kでは鉛と同様)。(注:100K以上の高温側領域における鉛
の熱容量は図2aに示されていないが、希土類金属の熱容量は、提示された温度
領域における鉛の熱容量より確実に大きい)。したがって、80K以下の温度に
するには、10Kに至るために共通して用いられるすなわち鉛、ステンレス鋼、
ブロンズの組合せと比較した場合、Erが極低温冷却装置の蓄冷材の最有力候補
となる。結局、磁気秩序温度に最も近いところの熱容量は、狭い温度領域(Tb
は230K、Dyは180K)においては非常に大きくなっており、さらにDy
が91KでErが19Kで1次相転移するところでは著しく大きくなっているこ
とに我々は注目する。その高い熱容量は非常に魅力的であるが、極低温冷却装置
の蓄冷器としては有用でない。後二者は約2K、前二者は〜5Kという狭い温度
領域で起きるだけだからである。侵入型元素(例えばHr、Br、Cr、N、O
)の合金化で、それらの極低温冷却装置の蓄冷能力を改良することができる。し
かしそれは結晶格子にひずみを与えて(strain)1次相転移を汚し(sm
ear)、転移温度での高い熱容量値を下げ、幅広い温度領域にわたり転移を広
げる(図3a、図3b、図3cを参照のこと)。図3a、図3b、図3cは、侵
入型合金化剤を加えた場合の熱容量への効果を示した3つの代表例を示すもので
ある。図3aによると、酸素、炭素、窒素を純粋なGdに加えて四元固溶合金G
97.41.60.60.4を形成する場合、Gdの熱容量ピークを約
20%下げ、その幅を約10K増加させる。各合金元素の量は原子%で記載され
る(例えばGdは97.4原子%、Oは1.6原子%、Cは0.6原子%である
)。本発明によるその他の固溶合金も、以後類似の原子式を用い、合金元素は原
子%で記載される。図3b、図3cは、効果の大きい侵入型合金化剤をDy(9
1K、図3b)およびEr(19K、図3c)の1次相転移に適用した図である
。両方において極めて大きな熱容量値はかなり減少し、そのピークは両方とも広
がり少し高温側に移動した。高温第2次ピーク(Dy180K、Erは85K)
はDyが20%、Erが5%減少し、低温側に移動した(図3b、図3c)。さ
らに、Erの22Kおよび50Kでのスピン・スリップ磁気転移は、合金化によ
って排除された(図3b)。これらの変化は、高熱容量スパイクを排除あるいは
減少し、幅広い(したがってより有用な)温度領域にわたるピークと関連するエ
ントロピーを変化させることによって、純希土類元素の蓄冷器の性質を改良する
という点で有益である。
【0015】 Gd、Dy、Erで合金化した侵入型固溶体(例えばGd97.41.6 0.60.4、Dy97.02.50.30.2、Er96.82. 0.30.2)は、米国内や他国において様々な会社から市販されており
入手可能である。アリゾナ州フェニックスのローディア(Rhodia)、ミシ
ガン州西ブルームフィールドのアリスインターナショナル(Arris Int
ernational)、カリフォルニア州バーリンゲームのティアンジソ(T
ianjiso)国際商事会社がその例である。市販合金の場合、希土類元素含
有量は95から99原子%まで、酸素含有量は0.5から5.0原子%まで、炭
素含有量は0.1から3.0原子%まで、窒素含有量は0.1から3.0原子%
までといったようにばらつく可能性がある。後述するEr合金は、O、N、C含
量が同量の後者の合金を用いて作成されたが、出発合金が他の元素、特に希土類
金属で合金化される場合、不純物準位が同等であることからあまり変化しない。
【0016】 現代における極低温冷却装置は、階層化された蓄冷器ベッドを有する単一ステ
ージ冷却器であっても、(各ステージの蓄冷器ベッドを階層化した又は階層化し
ていない)2つの(さらに3つの)ステージ冷却器であっても、3つの独特の温
度範囲を有することから、その3つの温度の型のうちの2つにおけるこれらの磁
性希土類合金の利用を検討する。その3つの温度の型は、高温型(60〜300
K)、中間温度型(10〜60K)、低温型(4〜10K未満)である。重要な
2つの温度型は、高温型、中間温度型である。
【0017】 高温型の場合主な関心は、図2aに示す60〜300Kの温度領域、特に60
〜90K、90〜130K、140〜160K、180〜210K、230〜2
95Kにわたる高熱容量ピーク間の隙間(谷)を埋める内部希土類固溶合金を開
発することにある。隙間(図4aを参照)を満たすために用いる固溶合金の若干
例としては、(1)それぞれ60〜130K間、60〜140K間において最も
高い熱容量を有し2つの最低温度隙間を容易に充填するHo98.0(O、C、
N)およびDy80Nd20(図4bを参照)、(2)140〜160K領域に
おいて最も機能するDy90Nd10(図4bを参照)、(3)180〜200
K領域において最高となるTb30Dy70と、200〜215K領域で最高と
なるTb60Dy40(図4aを参照)がある。230K以上で機能するその他
の固溶合金は図4aに示されており、(1)245Kで最大熱容量を有するGd 25 Tb75、(2)260Kで最大熱容量を有するGd50Tb50、(3)
280Kで最大熱容量を有するGd75Tb25がそれである。その第1の合金
は230〜250K間の隙間を埋め合わせ、第2の合金は250〜270K間の
隙間を排除し、第3の合金は270〜285K間で効果を発揮する。図4bにお
いて、Ho98.0(O、C、N)およびDy80Nd20固溶合金の熱容量が
詳細に示されている。その後者は前者以上の2つの利点を有しており、それはH
98.0(O、C、N)よりもDy80Nd20の熱容量は130K以上で高
く、またコストもそれよりかなり低いことである(60K以下での熱容量は重要
ではないことに注意。より良い中間温度域における極低温冷却装置の蓄冷材があ
るからである。下記参照)。図4cには、Er60Dy40およびEr60Gd 40 の熱容量が示されている。それらの熱容量は、一般にその他のHo98.0 (O、C、N)、Dy80Nd20、Dy90Nd10材料より低い。図2a、
図4a、図4bから、希土類合金の平均熱容量は、ブロンズより60〜280K
で10〜20%、ステンレス鋼より100〜300Kで20〜30%、60〜1
00Kで10〜20%大きいことがわかる。したがって、階層化された希土類(
ランタニド)蓄冷器ベッドを形成することで、蓄冷器の性能は、60〜300K
におけるブロンズあるいはステンレス鋼の蓄冷器よりもかなり上がることが予想
できる。
【0018】 中間温度域領域に注意を向けてみると、図2bに示されるように、18〜70
K間において純粋エルビウムが他の素材より最も高い熱容量を有している。この
事実に基づき、中間温度域蓄冷材として鉛をEr基固溶合金で代替する数多くの
研究がなされた。図5a、図5bは、0〜100K(図5a)および0〜50K
(図5b)におけるEr96.8(O、C、N)、Pbの熱容量とともに、Er 95 Sc、Er97、Er95La、Er97Lu固溶合金の熱容量
を示すものである。Er95La固溶合金を除き、一般的に85Kで転移を下
げる傾向があり、15K以上での熱容量の実質的改善なしにEr96.8(O、
C、N)の20Kの転移を消す傾向がある(図5aを参照)。しかし15K以下
の低温では全ての固溶合金の熱容量は、基線材料Er96.8(O、C、N)お
よびPbよりそれぞれ25%、35%増加している(図5bを参照)。Er95 Laはかなり異なって作用しており、La添加によりかなり高温側転移が下が
り、下部ピークが20から35Kにまで移動し、30〜40K間における熱容量
をEr96.8(O、C、N)よりはるかに増加させる。Er95Zrおよび
Er95Hfの熱容量は、Er95Sc(比較のため再現されている)、E
96.8(O、C、N)、Pbとともに図6に示されている。Er95Zr 、Er95Hf合金は、Er95Scのように作用して、熱容量の大きな変
化なしに高温側転移温度を下げ、下部転移を消し去る。
【0019】 図7は、炭素含有量増加の影響、そしてボロンのEr96.8(O、C、N)
基固溶合金への添加の影響を示すものである。ボロンおよび追加炭素を添加する
と、Er96.82.70.20.3の82Kでの転移をそれぞれ1K、
2K増加させる。またボロンを添加した場合、25〜82Kの熱容量をわずかに
増加させる(53〜82Kでは3%)。ボロンおよび炭素を添加すると、21K
でのEr96.82.70.20.3合金の転移に対してかなりの効果を
与える。すなわち、両者ともそれぞれの転移温度で熱容量をかなりの約15%増
加させるが、ボロンによって転移温度が下がるのに対し、追加炭素によってこの
転移温度を上げる。
【0020】 軽ランタニド固溶合金元素La、Ce、Pr、Ndを添加した場合の影響を、
以下検討する。5原子%のLa、Pr、NdをErに添加した場合が図8に示さ
れており、82Kピークが下方へ移動しており、Laが最も強力な効果を有しP
rおよびNdがそれに続くことがわかる。この転移温度の低下は合金化剤のサイ
ズ(La、Ce、Pr、Ndの金属半径は、それぞれ1.879Å、1.825
Å、1.828Å、1.821Å)に比例する。しかしまた、この傾向はド・ジ
ャンヌ因子と整合している(Laは0、Ceは0.178、Prは0.800、
Ndは1.841)。ド・ジャンヌ因子が小さいほど、Erの91K磁気転移が
低下する。さらに、Laによって純粋Erの19K、25K磁気秩序温度を消失
させ(図2bを参照)、また52Kの転移(図2b)を下げて強化させるようで
あるが、これはおそらく、転移エントロピーの19K+25Kピークと52Kピ
ークとが結合して36Kに新たなピークを生じさせることによるのであろう(図
8)。一方、Pr、Ndを添加すると、純粋エルビウム(図2b)の52Kピー
クを消失させつつ、低い磁気秩序温度19Kの方へエントロピーの位置を変える
ことで25Kの磁気秩序温度を消失させるが、La添加のように36Kに新たな
ピーク(図8)を生じさせない。10原子%までのLa、Ce、Pr、Nd合金
化添加量を増加させると、上記5原子%を添加した効果が継続する(図9を参照
)。CeおよびLaは、ほとんど同じに作用することに留意する必要がある。更
なる合金化添加による影響は、CeおよびPrが図10(15原子%)、図11
aおよび図11b(20原子%)に示されており、そこに20原子%Ndの結果
も含まれている。Prの場合、二重のピーク構造が発生している。(高温ピーク
だけがある)図8および(二重のピーク構造が始まる証拠となる)図9と、図1
0および図11とを比較せよ。さらに2つのピークは、Pr量の増加とともに互
いに近づく(図10、図11a)。Ndの場合、20原子%Ndで二重のピーク
構造が現れ始め(図11a)、その二重ピーク構造は30原子%Ndではっきり
とわかる(図11b)。Ce合金の場合、正反対の動きとなる。低いCe濃度(
10原子%、図9)での二重のピーク構造は、(高温部分ではほとんど消滅して
いる)図10および(1つのピークだけが明らかである)図11aから明らかで
あるように、徐々に1つのピークへと結合する。より高い濃度(約50%のCe
、Pr、Nd)の場合でさえ、高温熱容量は、Er96.82.70.2 0.3 の熱容量より非常に低い(図12a)。ただし、20K以下の温度では正
反対となる。Er45Ce55、Er50Pr50、Er40Nd60固溶合金
の熱容量は、複合侵入型合金Er96.8(O、C、N)やPbよりもかなり高
い(図12bを参照)。4K未満の低温度でさえ、Er45Ce55およびEr 40 Nd60の熱容量は、ErNi(金属間化合物)の熱容量に匹敵するもの
である。3K以下ではErNiより高い熱容量を有しうるようにもみえる(図
12c)。Ce・La添加濃度と温度との従属関係およびEr磁気転移ピーク熱
容量値は、それぞれ図13a、図13bに示される。La、Ceの働きは、少な
くとも低濃度(10原子%以下)では概して同じである。
【0021】 Pr固溶合金化添加によるErの磁性相転移の熱容量への影響は、一連のグラ
フ(図14〜17)に示されている。低Pr濃度合金(5〜29原子%)の熱容
量は、図14a(3〜100K)および図14b(3〜50K)に示される。E
96.8(O、C、N)の82K高温側磁気転移は、Pr濃度が増加するのに
応じて一定の傾向で下げられる(図14a)。Pr濃度が増加するにつれて遂に
は高温(82K)ピークと結合して1つの36Kまでのピークとなる19K転移
が上方移動することは、図14bより明らかである。18K以下ではPr含有合
金の熱容量は、Er96.82.70.20.3合金やPbの熱容量より
、かなり大きいことに注目したい。すなわち、前者より約80%、さらに10K
では後者より約125%大きい。またそれらの熱容量は、上記ErNiの11
Kでの熱容量より大きい。高Pr濃度合金の熱容量は、図15a(3〜100K
)および図15b(3〜50K)に示される。図14aおよび図14bのEr Pr25合金のデータは、一般的な規準として2つの図の結果と比較するため
にここで再提示されている。Pr濃度27原子%以上における単一ピークの温度
および大きさは、Pr濃度の増加とともに継続して減少する(図15a、図15
b)。低温度の場合の詳細が、図15bに示される。図14、図15に示される
組成物のうち、25〜37K間での幅広い単一ピークを生じさせる組成物は、蓄
冷材としての特別な重要性を有している。Pr濃度27、30、33、37原子
%の関数温度としての熱容量は図16に詳細に示される。これらの合金の熱容量
は、100K以下の全温度においてPbの熱容量より、また24〜33K、〜4
0K(Pr含有量による)、18K以下の温度においてEr96.82.7 0.20.3の熱容量より、さらに11K以上においてErNiの熱容量よ
りかなり高いことに再び注目する。選択したPr−Er合金の20K以下の低温
熱容量は、Er40Nd60、Pb、Er96.82.70.20.3
ErNiとともに図17に示されている。この領域におけるPr−Er合金の
熱容量は、Pr含有量の増加とともに一定の傾向で増加する。10〜20K間の
全ての場合において、Pr−Er合金の熱容量は4つの非Pr−Er材より高く
なっており、Er50Pr50固溶合金用が最高値を示している。例えば、Er 50 Pr50合金の熱容量は10Kでの鉛の熱容量より185%大きく、10K
でのErNi金属間化合物の熱容量と同じである。磁気転移温度と濃度との従
属関係、およびEr−Pr合金それぞれの転移温度における(最大)熱容量値は
、それぞれ図18a、図18bに示される。高温(82K)および中温(54K
)転移は、約26原子%のPr(図18a)でひとつに結合し、この結合により
27原子%Prで最大熱容量値がかなり高い値に至るようである[82KでのE
96.8(O、C、N)合金の熱容量値とほぼ同じ](図18b)。また、最
低転移熱容量ピーク値および転移温度は、Pr添加によって速やかに減少し、も
はやEr75Pr25合金の転移は観察されないようである。最低転移温度の磁
気転移エントロピーは、中間温度転移に位置が変わるようであり、これは5原子
%以上でPr濃度のピーク熱容量値が増加することから明白である。普通は、純
粋な希釈効果からPrをErに添加するにつれて下落すると予想するものである
が、これは我々が高温側転移につき観察したところである(図18b)。磁気転
移温度および熱容量ピーク値の変則的あるいは異常な動きから、20〜35原子
%のPrに予想外の結果が起ったことがわかる。1つの可能性としては、Sm−
型構造を有し重軽ランタニドからなる合金にみられるδ相が形成されたのかもし
れない。残念なことにPr−Erシステムの相図は公知ではないので、グシュネ
イドナー(Gschneidner。参考資料1)提案の方法を用いてこのシス
テムの位相関係を予測する。図19は計算による相図であり、60〜75原子%
のPr領域でδ相が形成されることから、25〜35原子%のPrにおける異常
な磁気の動きは、δ相が原因ではないことが明白である。したがって、観察結果
については他の未知なる現象に原因があるようである。
【0022】 Nd固溶合金添加のEr磁気転移への効果は、図20aに示されている。図8
、図9、図11a、図11bから明らかなように、Ndによって高温側転移が下
がるが、La、Ce、Prより非常に遅い割合で下がる。その熱容量は、適切な
温度領域でのEr96.8(O、C、N)の熱容量より5〜8%大きい。65K
以下の極低温冷却装置に応用する場合、Er90Nd10固溶合金は、約30K
までにおいてEr96.8(O、C、N)より良い蓄冷材といえる(図20a)
。Dy80Nd20合金は、80〜140K間での最良の(すなわち最高熱容量
を有する)素材であり(図4b、図4cを参照)、80〜65K間のEr96. (O、C、N)とほとんど同じである(図4aを参照。ただし図21aおよび
図21bの方がより明らかである)。これによりDy80Nd20は、極低温冷
却装置における高温側(第1)ステージ蓄冷器の低温端(冷却端)用の最良材料
となる。Er90Nd10合金の高い熱容量からして、これが極低温冷却装置に
おける低温側(第2)ステージ蓄冷器の高温端(温暖端)用の最有力候補の材料
となる。約69Kにおいて、Dy80Nd20およびEr90Nd10固溶合金
の熱容量は同じだからである(図21bを参照)。19K温度におけるErに関
し、Nd合金化添加によって独特の動きが示される(図20b参照)。初めの添
加によってEr95Nd合金は約1K、Er90Nd10合金は約2K転移温
度が下がるのに対し、より量を増やして添加すると、20原子%Ndは約20K
にまで、30原子%Ndは24Kにまで温度が上がる。さらに、ピークの大きさ
(ピーク上下の熱容量から決定される基線より上の高さ)は、Nd含有量増加と
ともに初めは減少し、Er80Nd20合金の場合はほとんど消え、さらにNd
を添加するとEr70Nd30合金ピークは高くなる(図20bを参照)。
【0023】 極低温冷却装置の蓄冷材は、適切な大きい熱容量値を有することに加えて、さ
らに縦方向の熱損失を減らすべく低い熱伝導度を有しなければならない。図22
に示すように、純粋な重ランタニド金属Gd、Dy、Er(参考資料2)の熱伝
導度は、60〜300Kの温度領域におけるステンレス鋼(参考資料3)の熱伝
導度に匹敵する。Pbがプロトタイプ蓄冷材(参考資料2)となる10〜60K
の温度領域において、ランタニド金属はPbよりかなり良好である(すなわち良
好な低温熱伝導度を有する)。そして、示される値はかなり純粋なランタニド金
属についてのものという事実を考慮すると、合金化によって熱伝導度が下がるこ
とから、鉛およびステンレス鋼プロトタイプとの競争力を高めることになる。
【0024】 純粋なランタニド金属R、およびそれに侵入添加した合金R(O、C、N)の
極限引張強さが、Pb、ブロンズ、ステンレス鋼の極限引張強さとともに、表1
に示される。
【0025】 表1。
【0026】 これらのランタニド材は、純粋金属で比較した場合はPbより、あるいは侵入
強化R(O、C、N)合金で比較した場合はSb強化Pb合金より、10倍強い
ことがわかる。R(O、C、N)合金の極限引張強さは、ほぼブロンズと同じで
あり、ステンレス鋼の約半分である。これは、本発明に記載のR(O、C、N)
合金および他のR−M合金は、極低温冷却装置の蓄冷器に適用するために適当な
強さを有しなければならず、それがあればPbの球形を損なうといった問題を被
らないということを示すものである。鉛の機械的強さは低いため、蓄冷器に用い
られる圧力を受けて変形して球が平らになる。
【0027】 先に説明したように、提案された蓄冷器の希土類固溶合金は延性があり、薄板
(リボン)、金網、球といった様々な形に容易に製造できる。リボン、金網、球
は、Er96.82.70.20.3固溶合金で形成されてきた。リボン
は、2ミル(0.002のインチあるいは0.05mm)厚さでよく、金網や球
の直径は12ミル(0.012のインチあるいは0.30mm)でありうる。標
準的な冶金ローリング法や引張法により、リボンは円筒状に巻き、金網は引張っ
て形成される。これに対し球はプラズマ回転電極法(PREP)で形成される。
その方法によって、溶融金属(合金)の小溶滴を回転円柱で急速にスピンさせ、
その端面がプラズマで金属(合金)の溶融点にまで加熱する。
【0028】 また、選び出された固溶合金Er96.82.70.20.3、Er Pr27、Er60Pr40の酸化腐食の実験がなされた。123±5℃の外
気炉に合金を30週間配置したが、注目すべき重量増加は検出されなかった。こ
の実験から、室温では極低温冷却装置の寿命以上といった極めて長期間にわたり
酸化腐食に対して安定的であることがわかる。30週間にわたる123℃での酸
化腐食が室温での計量(0.1mg)精度を越えていると仮定したとしても、温
度が123℃から23℃にまで各々10℃減少すると反応速度が半分減少するこ
とから、酸化腐食は約210(1024)倍遅くなる。
【0029】 Er96.82.70.20.3球をパルス管極低温冷却装置の蓄冷材
として用いるため試験した。蓄冷器としてステンレス鋼だけを用いて、55Kの
無負荷温度を達成できた。 蓄冷器の低温側がPb球の層を有する場合は熱負荷
なし温度で42Kであり、Pb球をEr96.82.70.20.3球で
代替した場合は熱負荷温度なしで36Kに至る。Pbのほぼ50%温度を下げる
改良は、ステンレス鋼基準に比較して低下する。Er96.82.70.20.3合金の熱容量は45KでのPbの熱容量より28%大きいという事実を
考慮すると、これはかなりの改良といえる。
【0030】 極低温冷却装置 図1に示すように、単なる例示であるが2ステージギフォード−マクマホン(
GM)極低温冷却装置あるいは冷凍機が示されており、液体冷媒なしで約4Kと
いった極めて低温度に冷却すべく使用される。2ステージGM極低温冷却装置あ
るいは冷凍機は、米国特許第5186765号やクリヤマ等の論文「液体ヘリウ
ム温度における磁性材料の高効率二段式GM冷凍機(High Efficie
nt Two−Stage GM Refrigerator With Ma
gnetic Material In The Liquid Helium
Temperature Region)」、adv.クライオジェニックエ
ナジー第35巻、1990年、1261〜1289ページで議論されている。本
教示における2ステージGM極低温冷却装置の構造は本開示に含まれる。2ステ
ージGM極低温冷却装置は、従来のブロンズメッシュあるいはステンレス鋼(例
えば304あるいは316型のステンレス鋼)の第1蓄冷器を備えた第1の比較
的高温度のステージと、鉛(Pb)あるいは最近ではErNi金属間化合物微
粒子(鉛及びErNi金属間化合物層の組合せもある)を含む比較的低温度の
第2蓄冷器を備えた第2ステージとからなる。
【0031】 本発明は、GM極低温冷却装置やその他の極低温冷却装置における、第1のあ
るいは高温側のステージ(すなわち60〜300K)用の改良した第1ステージ
蓄冷器を提供し、また中間温度領域(10〜60K)用の改良した第2ステージ
蓄冷器を提供するものである。後者は、ErNi金属間化合物またはNdと容
易に結合して4Kの温度領域に至ることができる。ただ、ErNi金属間化合
物が脆性であること、Ndが容易に酸化腐食することから、問題が残る。そこで
図12a、図12b、図12c、図14a、図14b、図15a、図15b、図
16、図17に示されるErNi・NdなしのEr50Pr50等の固溶合金
を、10K以下に冷却するため用いることができる。本発明はGM極低温冷却装
置に限定されないのであって、例えばスターリング極低温冷却装置、パルス管極
低温冷却装置といったその他の極低温冷却装置に実施することもできる。すなわ
ち、受動的磁性蓄冷器を用いた、一般に約10K〜100K以下まで、より一般
的には約300Kから約10Kまで、さらに10K以下から約4K以下にまで温
度領域の冷却するための、前記その他の極低温冷却装置に実施することもできる
【0032】 図1に示すように、本発明の例示実施例は階層化されたベッドBとしてGM極
低温冷却装置の第1ステージを提供するものである。階層化されたベッドBは、
ベッドの冷却端E1(すなわち第2ステージおよび第2蓄冷器に隣接した端部)
すぐ近くの合金Dy80Nd20の第1層と、ベッド正反対の温暖端E2すぐ近
くのガドリニウム(Gd)金属の最終層と、例えばDy90Nd10固溶合金(
最低温度端たるDy80Nd20第1層の隣)、Dy97.02.50.20.3、Tb30Dy70、Tb60Dy40、Tb98.01.50. 0.2、Gd25Tb75、Gd50Tb50、Gd75Tb25(最高温
度端たるGd最終層の隣)からなる第1層と最終層との間に位置する一連の中間
層とで構成される。この10個の蓄冷器ベッド層を、MMRE−1(複合磁性希
土類)という。図24は、10個の蓄冷器ベッド層を備えたMMRE−1の熱容
量を示すものである。第1第2その他の中間層および最終層(Gd)は、それら
の接合点あるいは接合面で密接に接触しており、また蓄冷器ベッドを完全に充填
すべくそれぞれ0.1〜0.4インチの種々の厚さでありうる。 Er、Dy、Gd金属は、一般的に市販の0.2重量%未満の不純物が付随す
る純金属である。希土類合金は、市販の純粋な金属成分(例えば純粋なSc、Y
、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm
、Yb、Lu)で構成される。
【0033】 図2〜17に示すように、図2aおよび図2bの磁性希土類金属Gd、Tb、
Dy、Ho、Erの熱容量は、10Kから室温(295K)でのブロンズ、ステ
ンレス鋼、鉛(Pb)の熱容量より大きいことが明らかである。Er金属の熱容
量は、約85K以下でブロンズ、ステンレス鋼、鉛の熱容量の熱容量より大きい
ことに注目することが重要である(図2b)。しかしながら鉛については、その
2つの材料の熱容量は20Kの下で匹敵する(図2b)。
【0034】 冷却端E1がDy80Nd20固溶合金、温暖端E2がGdである上記10層
の組合せ(MMRE−1)からなる図1の第1蓄冷器については、その熱容量は
50K〜300Kにおいて鉛(Pb)蓄冷器の熱容量より50%〜150%大き
い。同様にMMRE−1蓄冷器ベッドの平均熱容量は、ブロンズの平均熱容量よ
り60〜280Kで10〜20%大きく、またステンレス鋼の平均熱容量より1
00K〜300Kで20〜30%、60〜100Kで10〜20%大きい。した
がって、上記10層の組合せで構成される本発明のMMRE−1蓄冷器の冷却力
および冷却効率は、蓄冷材としてブロンズあるいはステンレス鋼を用いた蓄冷器
の冷却力および冷却効率と比較して50〜300Kにて同様に改良される。
【0035】 最低温度層としてEr50Pr50固溶合金(図12a、図12b、図12c
を参照)、中間温度層としてEr70Pr30固溶合金(図15a、図15b、
図16を参照)、最高温度層としてEr90Nd10固溶合金(図9、図20a
、図20b、図21a、図21bを参照)を組合せた図1の第2蓄冷器について
は、その熱容量は10〜65K間における鉛(Pb)蓄冷器の熱容量より33〜
185%大きい。この蓄冷器組合せ(MMRE−2という)による合成熱容量が
、図25に示される。したがって、本発明のEr50Pr50、Er70Pr 、Er90Nd10固溶合金による組合せからなるMMRE−2蓄冷器の冷却
力および冷却効率も、蓄冷材として鉛を用いた蓄冷器と比較して、10K〜65
K間で同様に改良される。
【0036】 MMRE−2の代わりとなる階層化蓄冷器ベッドは、最低温度層としてEr Pr40固溶合金(図15a、図15b、図17を参照)と、中間温度層とし
てEr75Pr25固溶合金(図15a、図15b、図17)と、最高温度層と
してEr96.82.70.20.3固溶合金(図3c、図4a、図5a
、図6、図7、図8、図9、図10、図11a、図11b、図12a、図12b
、図14a、図14b、図15a、図15b、図16、図20a、図20b)と
の組合せからなりえ、その熱容量は10〜80K間で鉛蓄冷器の熱容量より25
〜175%大きい。この蓄冷器組合せはMMRE−3と呼ばれ、3つの構成要素
の熱容量が図26に示される。
【0037】 低温側(第2)ステージとしてのより複雑な7層の蓄冷器は、10〜65K温
度領域で可能な限り高い熱容量を有し最も有効な中間温度の蓄冷器となるように
構成される。この7層からなる蓄冷器ベッド(MMRE−4)は、蓄冷器の低温
端から始まり、続いて最適熱容量の温度増加と共に連続し、最終的には第7層で
高温端に至るEr−基固溶合金の組合せからなる。すなわち、Er50Pr50 (図12a、図12b、図13c、図17を参照)、Er96.62.7 .20.30.2(図7)、Er94.82.72.20.3(図7
)、Er60Pr40(図15a、図15b、図17)、Er70Pr30(図
15a、図15b、図16)、Er75Pr25(図15a、図15b、図17
)、Er90Nd10(図9、20a、図20b、図21a、図21b)の組合
せである。7層蓄冷器MMRE−4の熱容量は、図27に示される。種々の温度
に冷却できる高性能な極低温冷却装置用の再生ステージおよびその形状の実施例
が、以下に示される。
【0038】 実施例1。約50Kまでの改良冷却力を有する極低温冷却装置は、上述の蓄冷
器MMRE−1で構成される単一ステージからなる。
【0039】 実施例2。Gd(MMRE−1の最上位層)の熱容量はブロンズの熱容量より
少し低いので、MMRE−1のこの層(Gd)は、ブロンズで代替することがで
きる。これにより、冷却力あるいは低温度冷却をわずかに改良できることが予想
される。この改良蓄冷器ベッドはMMRE−1aという。
【0040】 実施例3。10Kにまで冷却できる高性能な2ステージ極低温冷却装置は、第
1(高温側)ステージ蓄冷器MMRE−1(またはMMRE−1a)と、3層M
MRE−2(またはMMRE−3)からなる第2(低温側)ステージ蓄冷器とで
構成される。MMRE−2の熱容量が少し高いので、MMRE−2の性能はMM
RE−3よりも多少良いと予想される。
【0041】 実施例4。良い冷却能力を発揮しつつ簡単に組み立てられるその他の第1、第
2ステージの組合せは、高温側(第1)ステージ蓄冷器としてブロンズ(あるい
はステンレス鋼)を用いたものである。低温側(第2)ステージは、MMRE−
2あるいはMMRE−3を用いる。
【0042】 実施例5。10Kまで冷却する最高性能を誇る2ステージ極低温冷却装置は、
10層MMRE−1(あるいはMMRE−1a)第1ステージ蓄冷器と、7層M
MRE−4第2ステージ蓄冷器とで構成される。
【0043】 実施例6。第1ステージ蓄冷器にブロンズ(あるいはステンレス鋼)、第2ス
テージ蓄冷器にMMRE−4蓄冷器を用いた場合も、10Kもの低温度を達成す
る強力で有用な極低温冷却装置となる。
【0044】 実施例7。充分な冷却で10K以下の低温4Kに至るには、3ステージ極低温
冷却装置が必要となる。しかし、改良低温側ステージ蓄冷器を備えた2ステージ
ユニットも、うまく機能することがあり得る。前者の場合、標準的な低温磁性蓄
冷材(例えばErNi金属間化合物あるいはNdあるいはHoCu)が、実
施例3〜6の2ステージ蓄冷器のうちの一方と組合わせて、第3(最低温度)と
して用いられる。後者の場合、標準的な低温磁性蓄冷材の一方が、実施例3〜6
に記載の蓄冷器MMRE−2、MMRE−3、MMRE−4を構成するその他の
層とともに、第2(低温側ステージ)蓄冷器の最低温度層となる。
【0045】 <参考資料> 1. K.A.グシュネイドナー(Gschneildner)Jr著、「内部
希土類二元合金システムの分類(Systematics of the In
tra−Rare−Earth Binary Alloy Systems)
」、Jレス・コモンマテリアルズ114、29〜42ページ(1985年)。 2. C.Y.Ho、R.W.パウエル、P.E.ロイリー共著、「元素の熱伝
導度:包括的検討(Thermal Conductivity of the
Elements:A Comprehensive Review)」J.
物理化学参考データ3、付録番号1、I−258〜I−262(Dy)、I−2
63〜I−267(Er)、I−274〜I−278(Gd)、I−398〜I
−411(Pb)、(1974年)。 3. 筆者不明、「市販合金の熱伝導度(Thermal Conductiv
ity of Selected Commercial Alloys)」、
米国物理協会ハンドブック4〜92ページ、第2版、D.E.グレイ、マグロー
ヒル、ニューヨーク(1963年)。 4. T.E.スコット著、「弾性・機械的性質(Elastic and M
echanical Properties)」、第1巻、希土類元素の物理化
学ハンドブック、591〜705ページ、K. A.グシュネルドナーJR・L
. エイリング、ノールトホラント/エルゼビア、アムステルダム(1978年
)。 5. 筆者不明、「性質・選択:非鉄合金及び特殊目的の材料(Propert
ies and Selection: Nonferrous Alloys
and Special−Purpose Materials)」217ペ
ージ(ブロンズ)・550ページ(Pb)、金属ハンドブック、第10版、第2
巻、ASMインターナショナル、マテリアルパーク、オハイオ(1990年)。
6. 筆者不明、「性質・選択:鉄、鋼、高性能合金(Properties
and Selection: Irons, Steels and Hig
h−Performance Alloys)」885ページ、金属ハンドブッ
ク、第10版、第2巻、ASMインターナショナル、マテリアルパーク、オハイ
オ(1990年)。
【0046】
【発明の効果】
本実施例において、本発明は受動的な磁性蓄冷器(passive magn
etic regenerator)を用いて、例えば10K〜100K、一般
的には約10K〜300Kの高低両温度動作領域あるいはステージにおける冷却
能力を改良した極低温冷却装置を提供するものである。その蓄冷器は1つ以上の
構成成分からなり、磁性希土類(ランタニド)金属、その両者の固溶合金(so
lid solution alloy)、非希土類金属との固溶合金、および
/または侵入型元素との固溶合金を含むものである。本発明は一実施例において
、50〜100K以下の温度に至るためにその蓄冷器構成成分のうち2つ以上を
用いることを想定している。固溶合金は、固体の結晶部位を占める2つ以上の金
属(時には侵入型元素溶質[例えばH、B、C、N、O]を有する金属マトリッ
クス[溶媒])のランダムな混合物である。これは、構成原子(2つ以上)が特
定の結晶格子部位を秩序良く占める金属間化合物とは対照的である。熱力学的に
は固溶合金は溶媒と同じ相部位に属すのであって、溶媒及び溶質と異なる相に属
する金属間化合物とは対照的である。磁性蓄冷器の成分は、Gd、Tb、Dy、
Ho、Er、Tmを含む一つ以上の希土類(ランタニド)金属や、特にその希土
類金属とその他希土類金属(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)との合金や、少なくとも部
分的に上述の金属固体への可溶性のある非希土類金属(例えばMg、Ti、Zr
、Hf、Th)との合金や、少なくとも部分的に上述の金属への可溶性のある侵
入型元素(例えばH、B、C、N、O、F)との合金を含むことができる。希土
類(ランタニド)金属および合金は、金網、フォイル、ゼリーロール、多孔性一
体カートリッジ、(球あるいは非球の)粉末といった形態で、異なった金属およ
び/または合金層からなる階層化された蓄冷器ベッドで構成することができ、あ
るいは、異なる金属微粒子領域からなる微粒子ベッドとして構成することもでき
る。その蓄冷器ベッドはその他金属(例えばブロンズ、ステンレス鋼、鉛等)を
含むこともでき、蓄冷器ベッドの蓄熱の性質を変える。磁性蓄冷器は、上記約3
00〜10Kの動作温度領域あるいはステージにおける極低温冷却装置の冷却効
率・冷却力を改良する点で有利である。
【0047】 さらに、蓄冷器の希土類金属、およびそれと他の希土類金属、非希土類金属、
侵入型元素との固溶合金は、例えば脆性金属間化合物と比較して延性を備えてい
るので、蓄冷器層あるいは微粒子は、使用の際に磨滅または粉砕あるいは粉々に
はならない。また、希土類金属およびその固溶合金を、容易に金網、薄板、また
は球もしくは多孔性一体形状に製造して蓄冷器構成要素として使用できる。
【0048】 本発明で具体化される材料の利点は、球形粒子、金網メッシュ、平板、ゼリー
ロール、多孔性一体形状といった形状から設計技術者が選択して経済的に容易に
製造できるところにある。さらにこれらの材料には耐久性があることから、現代
の低温冷却装置で用いられる繰り返しの高圧ガス流動の下で、(軟鉛球がそうで
あるように)変形しないし、(脆性金属間化合物がそうであるように)粉砕又は
焙焼及び粉々にならない。また本発明で具体化される材料は耐酸化腐食性があり
、空気にさらされる場合に、(10K以下で動作する極低温冷却装置の蓄冷材と
して用いられるNd金属球あるいはホイル(foil)がそうであるように)微
細な酸化物粉末にはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なる高低温度領域あるいはステージで動作する第1、第2ステージ蓄冷器を
備えた、2ステージギフォード・マクマホンサイクル極低温冷却装置の概略図で
ある。
【図2a】 ブロンズおよびステンレス鋼(例えば304あるいは316型ステンレス鋼)
とともに示される、純粋希土類(ランタニド)金属(Gd、Tb、Dy、Ho、
Er)の3.5〜350Kにおける熱容量グラフである。(SSEは、純化した
固体電解を意味する)。
【図2b】 同様の希土類金属、鉛、ステンレス鋼、ブロンズの100K以下における熱容
量グラフである。(SSEは、純化した固体電解を意味する)。
【図3a】 記載の温度領域における特定の希土類金属固溶合金への侵入型元素介在による
熱容量への効果を示すグラフである。
【図3b】 記載の温度領域における特定の希土類金属固溶合金への侵入型元素介在による
熱容量への効果を示すグラフである。
【図3c】 記載の温度領域における特定の希土類金属固溶合金への侵入型元素介在による
熱容量への効果を示すグラフである。
【図4a】 記載の温度領域における特定の希土類金属、固溶合金、ステンレス鋼、ブロン
ズの熱容量を示すグラフである。
【図4b】 記載の温度領域における特定の希土類金属、固溶合金、ステンレス鋼、ブロン
ズの熱容量を示すグラフである。
【図4c】 記載の温度領域における特定の希土類金属、固溶合金、ステンレス鋼、ブロン
ズの熱容量を示すグラフである。
【図5a】 希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフであり、図5aは0〜100K
まで、図5bは0〜50Kまでが示されている。また図5bにはErNi(金
属間化合物)の熱容量も示されている。
【図5b】 希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフであり、図5aは0〜100K
まで、図5bは0〜50Kまでが示されている。また図5bにはErNi(金
属間化合物)の熱容量も示されている。
【図6】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図7】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図8】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図9】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図10】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図11a】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図11b】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図12a】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図12b】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図12c】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金およびPbの熱容量グラフである
【図13a】 固溶合金La−Er、Ce−ErのCe/La濃度に対する転移温度のグラフ
である。
【図13b】 固溶合金La−ErおよびCe−ErのCe/La濃度に対する相当転移温度
における熱容量の最高値グラフである。
【図14a】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図14b】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図15a】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図15b】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図16】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図17】 Pr添加によるErの熱容量への影響を示すグラフである。また図17には、
Nd60Er40固溶合金の熱容量も示されている。
【図18a】 Er−Pr固溶合金のPr濃度に対する転移温度のグラフである。
【図18b】 Er−Pr固溶合金のPr濃度に対する転移温度における熱容量の最高値グラ
フである。
【図19】 Er−Prシステムの計算相図である。
【図20a】 記載の温度領域におけるEr−Nd固溶合金、Pb、ErNi(金属間化合
物)の熱容量グラフであり、Nd含有によるEr熱容量への効果が示されている
【図20b】 記載の温度領域におけるEr−Nd固溶合金、Pb、ErNi(金属間化合
物)の熱容量グラフであり、Nd含有によるEr熱容量への効果が示されている
【図21a】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、Pb、ブロンズ
の熱容量グラフであり、Nd、Pr含有によるEr、Dy熱容量への効果が示さ
れている。
【図21b】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、Pb、ブロンズ
の熱容量グラフであり、Nd、Pr含有によるEr、Dy熱容量への効果が示さ
れている。
【図22】 Gd、Tb、Dy、Ho、Er、ステンレス鋼、Pbの温度に対する熱伝導度
グラフである。
【図23】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、ブロンズ、Pb
の熱容量グラフである。
【図24】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、ブロンズ、Pb
の熱容量グラフである。
【図25】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、ブロンズ、Pb
の熱容量グラフである。
【図26】 記載の温度領域における希土類金属固溶合金、ステンレス鋼、ブロンズ、Pb
の熱容量グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ペチャルスキー ヴィタリィ ケイ. アメリカ合衆国 50014−9118 アイオワ 州 アメス グリーン ヒルズ ドライヴ 2621番地 (72)発明者 ペチャルスキー アレクサンドラ オー. アメリカ合衆国 50014 アイオワ州 ア メス グリーン ヒルズ ドライヴ 2621 番地

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属、2つ以上の希土類金属の固溶合金、非希土類金
    属および希土類金属の固溶合金、侵入型元素および希土類金属の固溶合金とで構
    成される1つ以上の蓄冷器構成成分からなることを特徴とする延性磁性のある蓄
    冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄冷器構成成分は、銅およびその合金、ステンレス鋼、
    鉛をさらに含む請求項1に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低
    温冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記侵入型元素は、H、B、C、N、O、Fからなる群から
    選ばれる請求項1に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却
    装置。
  4. 【請求項4】 前記希土類金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
    Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yからなる群から選
    ばれる請求項1に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装
    置。
  5. 【請求項5】 前記非希土類金属は、Mg、Ti、Zr、Hf、Thからな
    る群から選ばれる請求項1に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極
    低温冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器層を含む請求項1に記
    載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器粒子を含む請求項1に
    記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  8. 【請求項8】 前記粒子は球状である請求項7に記載の延性磁性のある蓄冷
    器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  9. 【請求項9】 低温側ステージと高温側ステージとを備えた極低温冷却装置
    であって、前記ステージの少なくとも一方は、希土類金属、2つ以上の希土類金
    属の固溶合金、非希土類金属および希土類金属の固溶合金、侵入型元素および希
    土類金属との固溶合金とからなる1つ以上の蓄冷器構成成分を有する受動的磁性
    蓄冷器を含むことを特徴とする延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温
    冷却装置。
  10. 【請求項10】 前記侵入型元素は、H、B、C、N、O、Fからなる群か
    ら選ばれる請求項9に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷
    却装置。
  11. 【請求項11】 前記希土類金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu
    、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yからなる群から
    選ばれる請求項9に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却
    装置。
  12. 【請求項12】 前記非希土類金属は、Mg、Ti、Zr、Hf、Thから
    なる群から選ばれる請求項9に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル
    極低温冷却装置。
  13. 【請求項13】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器層を含む請求項9に
    記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  14. 【請求項14】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器粒子を含む請求項9
    に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  15. 【請求項15】 希土類金属、2つ以上の希土類金属の固溶合金、非希土類
    金属および希土類金属の固溶合金、侵入型元素および希土類金属との固溶合金か
    らなる一つ以上構成成分を含む受動的磁性蓄冷器であることを特徴とする延性磁
    性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  16. 【請求項16】 前記侵入型元素は、H、B、C、N、O、Fからなる群か
    ら選ばれる請求項15に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温
    冷却装置。
  17. 【請求項17】 前記希土類金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu
    、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yからなる群から
    選ばれる請求項15に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷
    却装置。
  18. 【請求項18】 前記非希土類金属は、Mg、Ti、Zr、Hf、Thから
    なる群から選ばれる請求項15のに記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイ
    クル極低温冷却装置。
  19. 【請求項19】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器層を含む請求項15
    に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
  20. 【請求項20】 前記蓄冷器構成成分は、複数の蓄冷器粒子を含む請求項1
    5に記載の延性磁性のある蓄冷器を備えた閉サイクル極低温冷却装置。
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