JP2003509648A - 空気バネ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は少なくとも次の構成部品、すなわち、空気バネ蓋２と、空気バネピストン３と、空気バネベロー７と、リュックサックモジュール１４（ＡＤＳモジュール）をもつ振動ダンパー１１と、第１連結領域Ｂ（内径Ｄ１）と第２連結領域Ｂ’（内径Ｄ２）をもつ保護カラー１７と、を有する空気バネ装置１に関する。本発明の空気バネ装置は、保護カラー１７の第１連結領域Ｂの内径Ｄ１と第２連結領域Ｂ’の内径Ｄ２とが、保護カラーがリュックサックモジュールを乗り越えて滑り得るような大きさであることを特徴としている。保護カラー１７の第２連結領域Ｂ’内の過剰な自由空間がアダプター要素１８により補償的に満たされている。アダプター要素１８は閉鎖装置を用いて閉鎖され、リング状の形体をなしている。アダプター要素１８をもつ新規な保護カラー１７は修理カラーとしても連続カラーとしても使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は請求項１の前文に述べた種類の空気バネ装置に関する。

【０００２】 （背景技術） 空気バネモジュールの本質的構成部分として空気バネ蓋、空気バネピストン、
空気バネベローをもつこの種の空気バネ装置が、例えばＤＥ−Ａ−１９７５３６
３７（図１）に記載されており、ここには、振動ダンパー（衝突ダンパー）、リ
ュックサックモジュール、保護カラーが使用されている。これら追加の構成部分
について以下詳細に説明する。

【０００３】 振動ダンパーは、空気バネ蓋の中核領域に固く結合され、収納筒内に潜入する
ように滑り込むピストンロッドと、該ロッドのための収容筒とを有している。振
動ダンパーはしばしばリュックサックモジュール、特に、空気バネピストンの端
末領域の外面から側方に突出したＡＤＳモジュール（適応性のある緩衝装置）の
形態のリュックサックモジュールを備えている。このことに関しＤＥ−Ａ−１９
８２６４８０に補足説明されている。

【０００４】 蛇管状の保護カラーは、対応する空気バネ構造部に固定される第１、第２連結
領域と、多層形状の中央部とを有する。ＤＥ−Ａ−１９７５３６３７（図１）の
実施例においては、第１連結領域が空気バネ蓋に結合され、第２連結領域が空気
バネピストンの端末領域に固定されている。

【０００５】 今日までの空気バネ装置においては、連続した形態の保護カラーが、リュック
サックモジュール（ＡＤＳモジュール）を越えて進み得るためには第２連結領域
の内径が狭過ぎるから、保護カラーは振動ダンパーを取付ける前に取付けられる
。一方、第１連結領域は大抵充分な内径を有している。

【０００６】 本発明の目的は、振動ダンパーが修理のために常に空気バネモジュールから分
離し得るとは限らないという事実を考慮して修理カラーを用意することである。
さらに保護カラーは該モジュールを越えて連続カバーとして挿入出来ねばならな
い。

【０００７】 この目的は請求項１の特徴に従つて − 保護カラーの第１、第２連結領域の内径が、保護カバーがリュックサック
モジュールを越えて押し進み得るような大きさを有し、その際； − 保護カラーの第２連結領域内部の過剰自由空間がアダプター要素により補
償的に満たされ、アダプター要素が閉鎖装置を用いて、空気バネピストンの端末
領域および／または収納筒を包囲するようにリング状構造に閉じられる、 ことにより解決される。

【０００８】 本発明の好適実施例が請求項２〜１４に記載されている。

【０００９】 以下、付図を参照して本発明を説明する。

【００１０】 （発明を実施するための最良の形態） 図１は自動車の前車軸の空気バネ装置１を示す。空気バネモジュールの本質的
構成成分は、頂部を形成する空気バネ蓋２と、空気バネ蓋に対向して配置された
前面領域４を有する空気バネピストン３と、空気バネベロー７とである。空気バ
ネベローは、固定手段（例えばクランプリング）を用いて、容積可変な空気バネ
内部空間９を包囲しつつ、空気バネ蓋と空気バネピストンとを連結している。空
気バネベローがバネ変形したとき、空気バネピストンの展開表面５において展開
可能なロール畳み部８が形成される。

【００１１】 空気バネベロー７は多くの場合、軸方向ベロー（ＤＥ−Ａ−３６４３０７３；
図１）、または、十字横断方向ベロー（ＤＥ−Ａ−２９０４５２２；図２）の形
態の埋蔵補強材を有している。空気バネ装置１の場合、外部案内１０を備えた軸
方向ベローが使用されている。

【００１２】 空気バネ装置１はさらに、容器筒１２とピストンロッド１３とを有する振動ダ
ンパー１１を有する。ピストンロッドは空気バネ蓋２の中核領域に固く結合され
、容器筒内へ滑り込んでいる。ＡＤＳ−モジュールの形態のリュックサックモジ
ュール１４が空気バネピストン３の端末領域の外周から突出し、容器筒の最大外
径Ｄを形成している。

【００１３】 さらに空気バネ装置１は、エラストマー材料、熱可塑性エラストマー（ＴＰＥ
）または熱可塑性合成樹脂から成る蛇管状の保護カラー１５を備えている。保護
カラーは襞状の中央部Ａと、内径Ｄ１をもつ第１連結領域Ｂと、内径Ｄ２Ａをも
つ第２連結領域Ｂ’とを有している。第１連結領域Ｂは、止め輪を用いて外部案
内１０の下端外面に固定されている。リュックサックモジュール１４と第１連結
領域Ｂとの間に存在する第２連結領域Ｂ’は空気バネピストン３に端末領域６に
直接接触して、例えば止め輪を用いてピストン縮小部内において空気バネピスト
ン３に結合されている。保護カラーは、空気バネベロー７の動的領域における汚
染を阻止することを目的とする。

【００１４】 空気バネピストン３の端末領域６はピストン受容部１６上に着座し、該受容部
は同時に空気バネピストンと振動ダンパー１１の容器筒１２との間の密封結合を
形成している。空気バネピストンの端末領域における他の構造、例えば空気バネ
ピストンと容器筒との一体となった構造に制約されて、保護カラー１５の第２連
結領域Ｂ’も容器筒に、または、空気バネピストンと容器筒との遷移領域に固定
可能である。

【００１５】 空気バネ装置１において、連続した保護カラー１５が損傷した場合、保護カラ
ーの第２連結領域Ｂ’の内径Ｄ２が、ＡＤＳモジュール１４の領域における容器
筒１２の最大外径Ｄよりも小さいから保護カラーを滑らせることは出来ないが、
例えば“カッター刃物”のような切断工具を用いて保護カラーが切り取り分離さ
れ、修理カバーに交換することが可能である。他方、保護カラーの第１連結領域
Ｂの内径Ｄ１は多くの場合充分大きい。修理カラーを取り付けるためには、空気
バネモジュールを振動ダンパーから分離する必要がある。その際、分離が他の手
段を用いることなく常に可能であるとは限らないことに留意する必要がある。

【００１６】 図２は同じ構造原理をもつ空気バネ装置１を示す。図１の空気バネ装置と異な
る点は、保護カラー１７、特に第２連結領域Ｂ’内における保護カラーの形状に
ある。ここでは連結領域Ｂ’の内径Ｄ２の大きさが、修理カラーとしての保護カ
ラーがＡＤＳモジュール１４を越えて矢印方向に滑動し得るようになっている。
かくて構造的な障害が問題なく克服され得る。

【００１７】 空気バネピストン３の端末領域６の外側輪郭に関しては変更はなく、保護カバ
ー１７の第２連結領域Ｂ’は最早空気バネピストンに直接は結合されてはいない
から、過剰な自由空間が生じている。過剰な自由空間は今やアダプター要素１８
で満たされている。図１の空気バネ装置におけると同じく強固なクランプが止め
輪を用いて行われる。

【００１８】 図３はさらに図２の保護カラー１７の詳細を示す。第１連結領域Ｂと襞状の中
央部Ａとは本質的に中央軸Ｚの回りに回転対称に形成されている。これに対し第
２連結領域Ｂ’は回転対称軸を有しない。該領域は周囲方向にほぼ楕円形の走行
線を有し最大内径Ｄ２（図２）を形成している。第２連結領域Ｂ’は張出し部１
９を形成して鏡面Ｘが存在するように側方に偏心して展開している。

【００１９】 図４は図３の保護カラー１７の第２連結領域Ｂ’に関連する好適なアダプター
要素１８を示す。好適には合成樹脂またはエラストマー合成物質（ゴム状の）か
ら成る円筒状のアダプター要素はここでは、フィルム帯状継手をもつ薄壁筒部２
０の形状の円筒部２０と、例えば掛け金機構を用いてリング状の構造を形成する
ための閉鎖装置２２が存在する厚壁状の円筒部２１とを有する一体構造である。
さらに、アダプター要素には空気流を補償するためのラビリンス装置２３が内側
に設けられている。

【００２０】 図５は自動車の後車軸のための保護カラー２４を示す。第１連結領域Ｂと、そ
れに隣接する、空気バネベローの展開が存在する中央部Ａ’が中央軸Ｚ回りにほ
ぼ回転対称に形成されている。これに対し、平衡から自由な張出しのない連結領
域Ｂ’とそこに隣接する中央部Ａ”とは回転対称軸を有しない。周方向に関して
は、両カラー領域Ａ”、Ｂ’はほぼ卵形の走行線を有し、２個の鏡面Ｘ、Ｙにお
ける１個の最大内径Ｄ２を形成している。ある種の保護カラーにおいては、保護
カラーがＡＤＳモジュール１４（図２）を越えて矢視方向に滑動可能になってい
る。

【００２１】 図６は、図５の保護カラー２４の第２連結領域Ｂ’のための好適なアダプター
要素を示す。筒形アダプター要素は合成樹脂、エラストマー材料（ゴム状部品）
または金属の２個の同形な半割り殻２６、２７から成り、該殻は閉鎖装置２８に
より突出節またはラスター腕を用いて１個のリング状構造に集結されている。ア
ダプター要素はさらに空気流を補償させるラビリンス装置２９を備えている。

【００２２】 保護カラー１７（図２、３）、２４（図５）は修理カラーとしても連続カラー
としても挿入可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 技術の現況における保護カラーをもつ空気バネ装置を示す。

【図２】 本発明の保護カラーをもつ空気バネ装置を示す。

【図３】 図２の保護カラーの詳細を示す。

【図４】 図３の保護カラーのための好適なアダプター要素を示す。

【図５】 本発明の保護カラーの他の実施例を示す。

【図６】 図５の保護カラーのための好適なアダプター要素を示す。

【符号の説明】

１ 空気バネ装置 ２ 空気バネ蓋 ３ 空気バネピストン ４ 空気バネピストン前面 ５ 空気バネピストン展開面 ６ 空気バネピストンの端末領域 ７ エラストマー材料から成る空気バネベロー ８ 空気バネベローのロール襞 ９ 空気バネ内部空間 １０ 外部案内 １１ 振動ダンパー １２ 収納筒 １３ ピストンロッド １４ リュックサックモジュール（ＡＤＳモジュール） １５、１７ 保護カラー １６ ピストン受容部 １８ アダプター要素（アダプター筒） １９ 第２連結領域の張出し ２０ フィルム帯状継手をもつ薄壁筒部 ２１ 閉鎖装置をもつ厚壁筒部 ２２ 閉鎖装置 ２３ ラビレンス装置 ２４ 保護カラー ２５ アダプター要素（アダプター筒） ２６、２７ 半割り殻（半割り筒） ２８ 閉鎖装置 ２９ ラビレンス装置 Ａ、Ａ’ 保護カラーの折り畳み状の中央部（回転対称） Ａ” 保護カラーの折り畳み状の中央部（非回転対称） Ｂ 保護カラーの第１連結領域（回転対称） Ｂ’ 保護カラーの第２連結領域（非回転対称） Ｄ リュックサックモジュール（ＡＤＳモジュール） 領域における振動ダンパーの収納筒の最大外径 Ｄ１ 保護カバーの第１連結領域の内径 Ｄ２ 保護カバーの第２連結領域の内径 Ｘ、Ｙ 鏡面 Ｚ 中央軸

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本質的に次の構成部品、すなわち − 多くの場合深鍋状に形成された空気バネ蓋２と、 − ・空気バネ蓋２に対向して配置された前面領域４と ・側方の展開面５と、および ・前面領域４から最も遠く隔離された端末領域６と を有する空気バネピストン３と − ・空気バネ蓋２と空気バネピストン３とを固定手段を用いて互いに結合し
   、容積変化可能な空気バネ内部空間９を形成し、その際、空気バネベローが空気
   バネピストン３の展開面５に展開襞８を形成し、さらに、 ・空気バネベローが多くの場合、軸方向層または横断方向層のベローの形
   態の埋蔵補強材を備え、軸方向ベローを使用する場合には好適には外部案内１０
   が存在している エラストマー材料から成る空気バネベロー７と、 − ・収納筒１２と、 ・空気バネ蓋２の中核領域に固定され、収納筒内へと滑り込むピストンロ
   ッド１３と、 を有する振動ダンパー１１と、 − ・空気バネピストン３の端末領域６の外面から側方に突出し、 ・収納筒１２の側方において振動ダンパー１１に結合されて配置されたＡ
   ＤＳモジュールの形態をなし、収納筒の最大外径Ｄを形成している、 少なくとも１個のリュックサックモジュール１４と、 − ・襞状の中央部Ａ，Ａ’，Ａ”と、 ・空気バネピストン３または振動ダンパー１１には結合されず、例えば空
   気バネ蓋２または外部案内１０に固定されている第１連結領域Ｂ，（内径Ｄ１）
   と、 ・固定手段を用いて、空気バネピストンの端末領域および／または振動ダ
   ンパー１１の収納筒１２と結合され、リュックサックモジュール１４と第１連結
   領域との間に存在している第２連結領域Ｂ’（内径Ｄ２）と、 を有する蛇管状保護カラー１５、１７、２４と、 の構成部品から成る空気バネ装置１において、 保護カラー１７、２４の第１連結領域Ｂの内径Ｄ１と第２連結領域Ｂ’の内径
   Ｄ２が、保護カラーがリュックサックモジュール１４を越えて押し進み得るよう
   な大きさを有し、 保護カラー１７、２４の第２連結領域Ｂ’の内部の過剰自由空間が補償的にア
   ダプター要素により満たされ、該アダプター要素が閉鎖装置２２、２８を用いて
   リング状の形状に閉鎖可能であり、その際、空気バネピストン３の端末領域６お
   よび／または収納筒１２を包囲している、 ことを特徴とする空気バネ装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の空気バネ装置において、保護カラー１７、
   ２４の第１連結領域Ｂが中央軸に関してほぼ回転対称であることを特徴とする空
   気バネ装置。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載の空気バネ装置において、保
   護カラー１７、２４の第２連結領域Ｂ’が中央軸に関してほぼ回転対称でないこ
   とを特徴とする空気バネ装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の空気バネ装置において、保護カラー１７、
   ２４の第２連結領域Ｂ’が周方向に関してほぼ楕円形または卵形の走行線を有し
   、最大内径Ｄ２を形成していることを特徴とする空気バネ装置。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の空気バネ装置において、保護カラー１７の
   第２連結領域Ｂ’が、鏡面Ｘが最大であるように側方に展開し張出し１９を形成
   していることを特徴とする空気バネ装置。
6. 【請求項６】 請求項４に記載の空気バネ装置において、保護カラー２４の
   第２連結領域Ｂ’が、展開自由な２個の鏡面Ｘ、Ｙを有することを特徴とする空
   気バネ装置。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれか１項に記載の、特に請求項５に関連
   した空気バネ装置において、保護カラー１７の全体中央部Ａが中央軸Ｚの回りに
   ほぼ回転対称であることを特徴とする空気バネ装置。
8. 【請求項８】 請求項１〜６のいずれか１項に記載の、特に請求項６に関連
   した空気バネ装置において、第１連結領域Ｂに対向する保護カラー２４の中央部
   Ａ’が中央軸Ｚの回りにほぼ回転対称であり、他方、第２連結領域Ｂ’に対向す
   る保護カラー２４の中央部Ａ”が、２個の鏡面Ｘ、Ｙ有するほぼ楕円形または卵
   形の周方向走行線を有していることを特徴とする空気バネ装置。
9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれか１項に記載の、特に請求項５と７と
   に関連した空気バネ装置において、アダプター要素１８が薄帯状の継手をもつ薄
   壁筒部２０と、リング状の構造を構成するための閉鎖装置２２が存在する厚壁筒
   部２１とを有する単一部材であることを特徴とする空気バネ装置。
10. 【請求項１０】 請求項１〜８のいずれか１項に記載の、特に請求項６と８
    とに関連した空気バネ装置において、アダプター要素２５が、閉鎖装置２８を用
    いてリング状の構造に纏められる２個の半割り殻２６、２７から成ることを特徴
    とする空気バネ装置。
11. 【請求項１１】 請求項１〜１０のいずれか１項に記載の空気バネ装置にお
    いて、アダプター要素１８、２５が内部に、空気流を平衡させるためのラビリン
    ス装置２３、２９を備えていることを特徴とする空気バネ装置。
12. 【請求項１２】 請求項１〜１１のいずれか１項に記載の空気バネ装置にお
    いて、アダプター要素１８、２５が合成樹脂から成ることを特徴とする空気バネ
    装置。
13. 【請求項１３】 請求項１〜１１のいずれか１項に記載の空気バネ装置にお
    いて、アダプター要素２５がエラストマー材料から成ることを特徴とする空気バ
    ネ装置。
14. 【請求項１４】 請求項１〜１３のいずれか１項に記載の、特に請求項１０
    に関連した空気バネ装置において、アダプター要素２５が金属から成ることを特
    徴とする空気バネ装置。