JP2003509391A - ベンゼン系アルデヒドおよび酸塩化物の製造方法 - Google Patents

ベンゼン系アルデヒドおよび酸塩化物の製造方法

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JP2003509391A JP2001523347A JP2001523347A JP2003509391A JP 2003509391 A JP2003509391 A JP 2003509391A JP 2001523347 A JP2001523347 A JP 2001523347A JP 2001523347 A JP2001523347 A JP 2001523347A JP 2003509391 A JP2003509391 A JP 2003509391A
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ルパン,クリストフ
ショソン,フランスワ
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テセンデルロ ヘミ− エヌ.ベ−.
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    • C07C45/43Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by hydrolysis of >CX2 groups, X being halogen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応器中にジクロロメチルベンゼン化合物を主成分とする出発材料を導入し、それと同時にかつ連続的にカルボン酸(1)またはその無水物、ジクロロメチルベンゼン(2)および少なくとも一種のフリーデルクラフト触媒とを反応器中に導入し、大気圧P1以下で、攪拌下に、60〜180℃の温度で反応させ、反応媒体から酸塩化物(3)および任意成分としてのHClを圧力P1下でかつ反応温度で蒸留で取り出し、ベンゼンアルデヒドを主として含む反応器の有効容積に達した時点で反応物の導入を止め、P2<P1であるP2の圧力下かつ180℃以下の温度で、主としてベンゼンアルデヒドによって構成される反応媒体の全部または一部を分留する、酸塩化物とベンゼンアルデヒド化合物との半連続的な製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は酸塩化物 (acid chloride) とベンゼンアルデヒド化合物(aldehydes benzeniques)との製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸塩化物は工業化学の合成中間体として重要であり、種々の医薬品(抗ウイル
ス薬、抗炎症剤)または植物健康剤(除草剤、殺虫剤)の合成で広く使われてい
る。酸塩化物はさらに、過酸化物、特にラジカル重合開始剤の合成でも使われる
【0003】 酸塩化物の主要な製造方法は、従来の反応剤、例えばホスゲン、塩化スルホニ
ル、三−または五塩化燐および塩化チオニルを反応させる方法である。しかし、
この方法は複雑な技術を必要とし、得られた化合物および廃水処理にコストが掛
かるために工業生産には向いていない。 そのため、Butlerow はJustus Liebiegs Ann. Chem., p. 373, 1874では下記
反応式に従ってピバル酸を五塩化燐と反応させる方法を開示している: (CH3)3CCOOH + PCl5 −> (CH3)3CCOCl + POCl3 + HCl しかし、この方法で得られるPOCl3と塩化ピバロイルは融点が近い(104〜106
℃)ため分離が不可能である。
【0004】 下記反応に従って三塩化燐をカルボン酸と反応させる方法も提案されている: PCl3 + RCOOH −> RCOCI+H3P03+HCl この方法ては一般に高い収率が得られるが、最後に残った燐酸の除去が極めて
困難である。この燐酸はある種の酸塩化物合成の抑制剤になる。
【0005】 最も多くの文献に記載の酸塩化物の合成方法は下記反応式に従って塩化チオニ
ルを反応させるものである: RCOOH + SOCl2 −> RCOCl + SO2 + HCl この反応は一般に20〜50モル%の過剰SOCl2の存在で実行される。この条件下
で得られる蒸留後の酸塩化物のモル収率は約90%%である。触媒、例えばDMF、
ピリジンまたはN-メチルアセトアミドをし添加することによって反応速度は速く
なり、選択性も改善する(無水物のような副生成物の比率が低下する)。
【0006】 しかし、SOCl2の使用には得られた酸塩化物が硫黄を含むという欠点もある。
さらに、さらに、触媒を使用した場合には再循環が難しくなる。 また、酸塩化物はホスゲンから下記の反応で得ることができる: RCOOH + COCl2 −> RCOCl + HCl + CO2 しかし、この方法は有毒で取扱が難しいホスゲンを使用するという欠点がある
。しかも、許容可能な収率、例えば90%以上にするためには、許容範囲内である
採掘高を有するために、第三アミン、イミダゾール、イミド、ラクタム等の窒素
触媒を使用する必要がある。
【0007】 脂肪族芳香族酸塩化物は、触媒、例えばH2S04(米国特許第4,163,753号)、H3 P04、HClO4(米国特許第 1,965,556号)、FeCl3またはZnCl2(フランス特許第2.
686.601号)の存在下で、芳香族炭素に結合した少なくとも一つの-CCl3を有する
芳香族化合物と脂肪族カルボン酸との反応によって得ることができる。 ベンゼンアルデヒド化合物、特にベンズアルデヒドは香料および種々の化学薬
品(染料、抗生物質)の合成中間体として使用されている。
【0008】 ベンゼンアルデヒド化合物、特にベンズアルデヒドは対応するジクロルメチル
ベンゼンの加水分解で得られる。すなわち、ベンズアルデヒドは塩化ベンジリデ
ンの酸またはアルカリ性加水分解で工業的に得られている: C6H5CHCl2 + H2O −> C6H5CHO + 2HCl 金属塩を触媒とする塩化ベンジリデンの酸加水分解ではベンズアルデヒドが 9
0%以上の収率で得られる。
【0009】 使用する酸は特にH3P04(フランス特許第216 374号)、HCl(ドイツ特許第2 7
56 612号)およびHCO2H(欧州特許41 672号)である。硫酸も使用できるが、希
硫酸H2S04の廃液が生じるという欠点がある。しかし、ある種の置換された塩化
ベンジリデン、例えば2,4-および2,6-ジクロル-1-(ジクロルメチル)ベンゼン
の加水分解ではH2S04が用いられている。 ベンズアルデヒドはトルエンの部分酸化も得られる。すなわち、国際特許第WO
95.20560にはCoおよびMnを含む触媒の存在下の液相で102〜200℃の温度且つ2
〜50バールの圧力下でトルエンを部分酸化させる方法が記載されている。
【0010】 酸塩化物およびベンゼンアルデヒドの工業的な同時生産方法を記載した文献は
少なく、実験室レベルでの試験結果しか記載がない。 ドイツ特許第 11 494号(1879)には下記反応に従ってZnCl2、SbCl3またはCuC
l2の存在下で1モルの酢酸と1モルのC6H5CHCl2とを反応させてベンズアルデヒ
ド、塩化アセチルおよび塩化水素を作る方法が記載されている: C6H5CHCl2 + CH3CO2H −> C6H5CHO + CH3COCl + HC1
【0011】 米国特許第3,691,21号の実施例16では、100℃で0,5モルの塩化ベンジリデンと
0,5モルのプロピオン酸とを0.005モルのSnCl4の存在下で1時間30分反応させてベ
ンズアルデヒドと塩化プロピオニルとを製造している。しかし、収率に関する記
載はない。 この方法の主たる欠点は揮発性の触媒すなわちSnCl4(沸点=114.1℃)を使用
することにある。この揮発性触媒は蒸留時に酸塩化物に随伴し、酸塩化物の純度
を低下させる原因となることにあり、工業的な連続または半連続方法では使えな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
出願人は上記公知方法をバッチテストで追試した。その結果、変換率および収
率が低いということ、二次的副生成物の量が多ということを確認した。特に、酢
酸(またはその無水物)を用いた場合には二次的副生成物が桂皮酸の誘導体を含
み、一般にはさらに他の酸、例えばベンジリデンジカルボキシレートのような芳
香族ジエステルを含む。本発明者はこのジエステルが形成される理由は以下のよ
うなもの、すなわち、形成された化合物から下記の反応: C6H5CHO + RCOCI −> C6H5CHCl-O-C-(0)R が起こり、これが下記反応: C6H5CHClOC(O)R + RCOOH −> C6H5CH[OC(O)R]2 + HCl で酸と反応して生じると考えている。
【0013】
【課題を解決する手段】
本発明者は、フリーデル クラフツ型触媒の存在下で、下記の(I)または(II)の
反応:
【0014】
【式2】
【0015】 (ここで、 Rは、必要に応じてCl、Br、Fのようなハロゲンで置換されていてもよい1〜1
2、好ましくは2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐した基、必要に応じ
て一つまたは複数のCl、Fのようなハロゲンで置換されていてもよい2〜8個の炭
素原子を有するアルケニル(alcenyle)基、必要に応じてCl、Br、Fのようなハロ
ゲンで置換されていてもよい直鎖または分岐した1〜4の炭素原子を有するアル
キル基(Cl、Br、Fのような一つまたは複数のハロゲンを含むことができる)で置
換されていてもよいフェニル基を表し、 (R1)mは、ベンゼン環が、Cl原子、CBr原子、CF原子、直鎖または分岐した1〜
4の炭素原子を有するアルキル基、−CF3および-CH2Clの中から選択される一つま
たは複数の互いに同じまたは異なる置換基を有することができる、ということを
表し、 m=0または1〜3の整数を表し、 n=1または2を表す) によって、カルボン酸(1)またはその無水物(1a)とジクロロメチルベンゼン
化合物(2)との反応によって、酸塩化物(3)とベンゼンアルデヒド化合物(4
)とを製造する方法において、
【0016】 a) 反応器中にジクロロメチルベンゼン化合物(2)を主成分とする釜残(un p
ied de cuve、タンク底部物)を残し、 b) 次いで、下記b1)とb2)を同時かつ連続的に行い: b1) 反応器中にカルボン酸(1)またはその無水物、ジクロロメチルベンゼン(
2)および少なくとも一種のフリーデルクラフト触媒とを同時に導入し、大気圧P
1以下、好ましくは100〜500ミリバールの圧力P1下かつ60〜180℃の温度、好まし
くは80〜150℃Cの温度で、攪拌下に反応させ、 b2) 反応媒体から酸塩化物(3)および任意成分としてのHClを上記圧力P1下か
つ反応温度で蒸留で取り出し、 c) ベンゼンアルデヒドを主として含む反応器の有効容積に達した時点で反応
物の導入を止め、 d) P2<P1であるP2の圧力下かつ180℃以下の温度で、主としてベンゼンアル
デヒドによって構成される反応媒体の全部または一部を分留する、 ことを特徴とする方法を提供する。
【0017】
【実施の形態】
反応媒体の全部または一部の分留は、別に設けた分留装置で行うことができる
。この場合には、反応を行った反応器の内容物の全部または一部を分留装置へ送
る。内容物の一部を分留装置へ送る場合には、取り出さなかった内容物が次回の
運転での釜残(タンク底部物)を構成する。 本発明では、釜残は主としてジクロロメチルベンゼン化合物(2)と上記定義
の触媒とからなる。この釜残にはさらに、酸塩化物および/または前回の運転で
得られるベンゼンアルデヒド、特に、反応媒体の分留での中間カット分が含まれ
ることがある。
【0018】 本発明では釜残は反応器の有効体積の30%以下存在させる。 本発明では、ジクロロメチルベンゼン化合物(2)とカルボン酸(1)またはそ
の無水物(1a)とのモル比(2)/(1)または(2)/(1a)は1/n〜1.2/n、好
ましくは1/n〜1.05/nにする。
【0019】 フリーデルクラフト触媒とはルイス酸およびブレンステッド酸を用いることが
できる。本発明で使用可能なルイス酸はしてはFeCI3、ZnCl2、SbCI5、CoCl2、Bi
CI3、ZrCl4を挙げることができる。ZnCl2またはFeCI3を用いるのが好ましい。 本発明で使用可能なブレンステッド酸としては硫酸、燐酸を挙げることができ
る。 このフリーデルクラフト触媒は水溶液の形または反応物に溶かした溶液の形で
反応帯域へ導入することができる。
【0020】 本発明では、ルイス酸の量(モル比)を、使用するジクロロメチル化合物(2
)の量に対して0.01%〜2%、好ましくは0.05%〜 0.5%にする。 本発明では、ブレンステッド酸の量(モル比)を、使用するジクロロメチル化
合物(2)の量に対して0.1%〜5%、好ましくは0.5%〜2%にする。
【0021】 本発明方法は、(カルボン酸の)COのα位の炭素が最大限置換されているカ
ルボン酸(1)またはその無水物(1a)に特に適用される。そうした酸としては
イソブチル酸、ピバル酸、2−クロロプロピオン酸、トリフルオロ酢酸、トリク
ロ酢酸を挙げることができる。本発明は安息香酸およびその誘導体にも適用でき
る。 本発明で使用可能なジクロロメチル化合物(2)の例としては下記のものを挙
げることができる: 1) (ジクロロメチル)ベンゼンまたは塩化ベンジリデン、 2) 2-クロル−3-クロルおよび4-クロル-1-(ジクロルメチル)ベンゼン、 3) 4-フルオロ-1-(ジクロロメチル)ベンゼン、 4) 1,2-および-1,4-トリフルオロメチル-1-(ジクロロメチル)ベンゼン、
【0022】 本発明方法は特に、塩化ベンジリデンとカルボン酸(またはその無水物)、好
ましくは上記カルボン酸とから、COのα位の炭素が最大限置換されている酸塩
化物とベンズアルデヒドを製造するのに適している。 本発明方法でカルボン酸(1)を用いた場合には、生成した塩化水素をジクロ
ロメチルベンゼン化合物(2)に対して向流で流すことで洗浄して随伴する酸塩
化物を回収することができる。回収したHClは洗浄カラムで水で吸収して回収し
、非常に純粋な商業的HCl水溶液にするのが好ましい。洗浄後の有機溶液は合成
工程へ再循環することができる。
【0023】 本発明方法は、酸塩化物とベンズアルデヒドを高純度、高収率、高選択性で定
量的に製造することができるという利点がある。 本発明方法はさらに、二次生成物ができないか、少なく、反応剤として酸無水
物を用いた場合でもガス状排気物がでず、カルボン酸を用いた場合には商業的純
度の溶液の形でHClを得ることができるという利点もある。 さらに、本発明方法では生成物の抽出時に随伴する危険のある揮発性のある触
媒を使わないので、製品の汚染がなく、反応段階での活性ロスがないという利点
もある。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。実施例1 (本発明ではない) 反応は500mlのガラス製反応器でバッチで行った。反応器には水冷式冷却器を
取付け、アンカー型攪拌器、温度計および不活化装置を取り付けた。冷却器の出
口はドライアイスのトラップに連結して揮発性有機化合物を回主し、その後、水
洗してHClを吸収させた。
【0025】 装置全体を窒素で置換した後、反応器に室温で下記を順次加えた: 1モルのピバル酸(103g、純度約99%) 1モルの塩化ベンジリデン(162,6g、純度約99%) 2ミリモルの無水FeCl3(165 mg) この混合物を攪拌下に30分かけて105℃まで徐々に加熱し、この温度を2時間
30分間維持する(HClの放出が終わるまで)。反応の間、HClは理論値の80%ま
で連続的に吸収する。 得られた粗生成物をCPGで分析した結果、塩化ベンジリデンの変換率は66%、
ピバル酸の変換率は60%で、当初のピバル酸に対する塩化ピバロイルの粗モル収
率は33%に過ぎず、当初の塩化ベンジリデンに対するベンズアルデヒドの粗モル
収率は47%に過ぎなかった。 塩化ピバロイルの選択性が悪い(55%)理由は、対応するベンジリデンピバレ
ート:C6H5CH[OC(O)C(CH3)22が形成されるためであることがCPG/SMの組み
合わせで確認された。
【0026】実施例2 (本発明) 反応を500mlのガラス製フラスコで半連続的に行った。フラスコには理論段1
0のOldershaw型蒸留カラムを取付け、このカラムの頂部には還流装置を取付け
、それに2つの循環路で2つの寒剤で冷却し、粗生成物中の有機物を回収した。
寒剤の出口を回収路のドライアイスで冷却し(第2の粗生成物)、その後、水洗
してHClを吸収させた。 装置全体を窒素で置換した後、反応器に室温で下記を順次加えた: 0,68モルの塩化ベンジリデン(112g、純度約98%) 1モルのピバル酸(103g、純度約99%) 180 mg(約1.3 mmol)の無水ZnCl2
【0027】 タンク低部物を攪拌しながら大気圧下に温度150℃まで加熱する。この150℃の
温度を維持したまま、258g(2.5モル)のピバル酸と、300g(1.82モル)の塩化
ベンジリデンと、490g(3.6 mmol)のZnCl2とを6時間30分かけて連続的に導入
する。反応を容易にするためには、各成分を予め混合して母液(25℃以下の温度
に維持)を作っておき、単一の計量ポンプを用いて、この母液を80ml/時の流速
で反応器に導入すればよい。 反応物の導入と同時にHClの放出が観測され、この放出量は0.3〜0.4モル/時の
吐出量で続く。 導入後の約1時間30分後にカラム頂部で塩化ピバロイルの凝縮が観測され、そ
の後、約25グラム/時の流速で塩化ピバロイルが回収される。 反応物の導入終了時までに吸収したHClの総量は理論量の102.5%である。回収
した塩化ピバロイルの量は134.6g(第1粗生成物が118.1g、第2粗生成物が16.5
g)であり、純度は97.6%である。収率は43.6%である。
【0028】 次いで、フラスコ内に残った粗反応物を減圧蒸留(500〜50 mbar)すると下記
が得られる: 1) 82.8gの純度99.1%の残りの塩化ピバロイル、 2) 7.8gの再循環可能な中間カット物(26.8%の塩化ピバロイルと、66.7%の
ベンズアルデヒド) 3) 248.5g(88.5%)のベンズアルデヒドに富んだ成分(無水ピバル酸を10%
含む) 4) 73gの蒸留残差(ベンズアルデヒド2.7%、無水ピバル酸20.8%、塩化ベン
ジリデン0.7%) 運転最後時の塩化ベンジリデンおよびピバル酸の変換率はそれぞれ99.8%およ
び97.7%であり、塩化ピバロイルの全収率は71.6%であり、粗ベンズアルデヒド
の収率は85.6%である。
【0029】実施例3 (本発明) 実施例2の装置と同様な装置で反応を行ったが、反応を減圧下かつピバル酸に
対する塩化ベンジリデンのモル比を5.6%過剰にして行った。 減圧はドライアイスのトラップの出口に連結した排気路にメンブレンポンプ(
テフロン(登録商標))を設けて行った。出口では水洗してHClを吸収させた。 装置全体を窒素で置換した後、反応器に112g(0,68モル)の塩化ベンジリデ
ンと、192 mg(約1.4 mmol)の無水ZnCl2を導入した。 タンク低部物を攪拌しながら80 mbarの圧力下に温度120℃まで加熱する。この
120℃の温度を維持したまま、206g(2モル)のピバル酸と、236.4g(1.432モル
)の塩化ベンジリデンと、391g(2.9 mmol)のZnCl2とを5時間かけて連続的に
導入する。混合液は計量ポンプを用いて80ml/時の流速で反応器に導入した。 反応物の導入と同時にHClの放出が観測され、この放出量は平均0.4モル/時で
続いた。
【0030】 導入後の約30分後にカラム頂部で塩化ピバロイルの凝縮が観測され、その後、
約45グラム/時の流速で塩化ピバロイルが回収される。 反応物の導入終了時までに吸収したHClの総量は理論量の97.5%である。回収
した塩化ピバロイルの量は224.7g(第1粗生成物が161.8g、第2粗生成物が62.9
g)であり、純度は99.2%である。収率は92.4%である。 次いで、フラスコ内に残った粗反応物を減圧蒸留(150mbar)すると下記が得
られる: 1) 11gの純度98%の残りの塩化ピバロイル、 2) 11.6gの再循環可能な中間カット物(27.8%の塩化ピバロイルと、64.9%の
ベンズアルデヒド) 3) 200.4g(純度98%)のベンズアルデヒドに富んだ成分 4) 16.1gの蒸留残差(ベンズアルデヒド38%、残留塩化ベンジリデン14%) 運転最後時の塩化ベンジリデンおよびピバル酸の変換率はそれぞれ99.1%およ
び99.9%であり、使用したピバル酸に対する蒸留後の塩化ピバロイル(純度98%
)の全収率は97%であり、蒸留後のベンズアルデヒドの収率は92.5%である。
【0031】実施例4〜7 実施例3と類似の装置を用いて反応を行ったが、塩化ベンジリデンをイソブチ
ル酸(実施例4)、(無水イソブチル酸(実施例5、6)および2-クロロプロピ
オン酸(実施例7)と反応させた。使用した塩化ベンジリデンの純度は97%およ
び99%であった。全ての実施例で触媒としてZnCl2を用いた(塩化ベンジリデンに
対するモル比は0.2%)。ただし、実施例4のモル比は0.1%にした。 反応条件は[表1]に示してある。 [表2]は反応物の変換率、反応物を供給すると同時に抜き出した時の酸塩化
物の収率と、酸塩化物の全モル収率と、釜残(タンク底部物)を減圧蒸留後して得
られるベンズアルデヒドの収率とを示している。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 53/50 C07C 53/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC45 AC47 AD11 BA07 BA19 BA37 BA67 BC10 BC11 BC31 BC34 BC40 BD20 BM10 BM72 BS90 4H039 CA62 CA65 CD20 CD30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリーデル クラフツ型触媒の存在下で、下記の(I)または(II)
    の反応: 【化1】 (ここで、 Rは、必要に応じてCl、Br、Fのようなハロゲンで置換されていてもよい1〜1
    2、好ましくは2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐した基、必要に応じ
    て一つまたは複数のCl、Fのようなハロゲンで置換されていてもよい2〜8個の炭
    素原子を有するアルケニル基、必要に応じてCl、Br、Fのようなハロゲンで置換
    されていてもよい直鎖または分岐した1〜4の炭素原子を有するアルキル基(Cl、
    Br、Fのような一つまたは複数のハロゲンを含むことができる)で置換されていて
    もよいフェニル基を表し、 (R1)mは、ベンゼン環が、Cl原子、CBr原子、CF原子、直鎖または分岐した1〜
    4の炭素原子を有するアルキル基、−CF3および-CH2Clの中から選択される一つま
    たは複数の互いに同じまたは異なる置換基を有することができる、ということを
    表し、 m=0または1〜3の整数を表し、 n=1または2を表す) によって、カルボン酸(1)またはその無水物(1a)とジクロロメチルベンゼン
    化合物(2)との反応によって、酸塩化物(3)とベンゼンアルデヒド化合物(4
    )とを製造する方法において、 a) 反応器中にジクロロメチルベンゼン化合物(2)を主成分とする釜残を残
    し、 b) 次に、下記b1)とb2)を同時かつ連続的に行い: b1) 反応器中にカルボン酸(1)またはその無水物、ジクロロメチルベンゼン(
    2)および少なくとも一種のフリーデルクラフト触媒とを同時に導入し、大気圧P
    1以下で、攪拌下に、60〜180℃の温度で反応させ、 b2) 反応媒体から酸塩化物(3)および任意成分としてのHClを圧力P1下でかつ
    反応温度で蒸留で取り出し、 c) ベンゼンアルデヒド化合物を主として含む反応器の有効容積に達した時点
    で反応物の導入を止め、 d) P2<P1であるP2の圧力下かつ180℃以下の温度で、主としてベンゼンアル
    デヒド化合物によって構成される反応媒体の全部または一部を分留する ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 b)の段階を100〜500ミリバールの圧力P1下かつ80〜150℃Cの
    温度で行う請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 釜残の量を反応器の体積の30%以下にする請求項1または2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジクロロメチルベンゼン化合物(2)とカルボン酸(1)または
    その無水物(1a)とのモル比(2)/(1)または(2)/(1a)を1/n〜1.2/nに
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 モル比(2)/(1)または(2)/(1a)を1/n〜1.05/nにす
    る請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 フリーデルクラフト触媒をルイス酸にする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ルイス酸をZnCl2またはFeCI3にする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ルイス酸の使用量(モル比)を、使用するジクロロメチル化合
    物(2)の量に対して0.01%〜2%、好ましくは0.05%〜 0.5%にする請求項6ま
    たは7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ジクロロメチル化合物(2)を塩化ベンジリデンにする請求項
    1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 カルボン酸(1)またはその無水物(1a)のCOのα位の炭
    素が最大限置換されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 カルボン酸(1)がピバル酸、2−クロロプロピオン酸、イ
    ソブチル酸、トリフルオロ酢酸またはトリクロ酢酸である請求項10に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 カルボン酸の無水物(1a)が無水イソブチル酸である請求項
    11に記載の方法。
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