JP2003507665A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
Description
ンに形成されたジョイントボールが設けられており、該ジョイントボールが、プ
ラスチックから成る支承シェル内に運動可能に支承されており、該支承シェルが
、ジョイントボールに面した内壁面に、潤滑剤を収容する溝を有しており、さら
に、支承シェルを収容するケーシングが設けられており、該ケーシングがその内
壁で支承シェルを密に取り囲んでいる形式のものに関する。
において幅広く普及している。ジョイントシェル内に形成された、組立て前に潤
滑剤リザーバが設計されている切欠きによって、互いに相対的に運動可能な部分
、すなわちジョイントボールと支承シェルとの間の摩擦損失が減少させられるこ
とが望ましい。この場合、ボールジョイントの組付け状態では、潤滑剤が切欠き
からジョイントボールと支承シェルとの間の中間スペースに流れ込むようになっ
ている。前述したボールジョイントは実用的であるにもかかわらず、ジョイント
の比較的長い休止時間の後、ジョイントボールと支承シェルとの間の潤滑フィル
ム厚さが、互いに運動可能な表面の表面粗さよりも小さな値に減少させられると
いう重大な問題点が存在する。この事実に基づき、ボールピンが滑らかであれば
あるほど、支承ギャップ内の潤滑フィルムはますます小さくなるということが生
ぜしめられる。少ない潤滑フィルム厚さは、ジョイントボールを支承シェルに対
して相対的に運動させるための剥離力(Loesekraft)を著しく強く増
大させる。
の間隔が通常3〜5mmを超えた範囲に存在していることよって付加的に助成さ
れる。これによって、付加的に、場合によっては数日間ないしは数週間後のボー
ルジョイント内の運動時に、狭幅ではあるものの著しく長い潤滑ギャップ内への
潤滑剤の、即座の迅速な逆流が困難となり得る。したがって、数日間または数週
間の、比較的長い休止時間にわたって行われる、潤滑ギャップからの潤滑剤の除
去を補償することができないので、剥離力(初動モーメント:Losbrech
moment)を、連続的な運動時の数倍にまで増大させる付着効果および吸着
効果が生ぜしめられる。
て、特に均一な傾倒・旋回モーメントを有していて、しかも、耐用年数が引き延
ばされた、改善されたジョイント潤滑を伴ったボールジョイントを提供すること
である。
、ボールジョイントの中心長手方向軸線に対して傾斜して延びる溝区分を備えた
構造複合体を形成しており、この場合、互いに隣り合って位置する2つの溝区分
の間の側方の間隔が小さく保たれており、溝区分の深さtが、溝区分の幅bと同
じであるかまたは溝区分の幅bよりも大きく寸法設定されていることによって解
決される。
れた切欠きが溝であり、この溝が、ボールジョイントの中心長手方向軸線に対し
て傾斜して延びる溝区分を備えた構造複合体を形成しており、この場合、互いに
隣り合って位置する2つの溝区分の間の側方の間隔が小さく保たれており、溝区
分の深さtが、溝区分の幅bの1/3倍の幅と同じであるかまたは溝区分の幅b
の1/3倍の幅よりも大きく寸法設定されていることが分かった。
小さな凹設部であってよい。
、弾性的な支承シェルのセグメントが変形し、したがって、切欠きの容積が変化
させられるかもしくは縮小させられるということが生ぜしめられる。この縮小に
よって、切欠き内に存在する潤滑剤がこの切欠きから押し出され、したがって、
潤滑物質として、負荷された領域のすぐ近傍に提供される。これにより形成され
た静水圧によって、切欠きから押し出された潤滑物質が分配され、したがって、
ジョイントボールと支承シェルとの間のギャップにおける摩擦を低下させる。さ
らに、有利には、構造複合体として支承シェルの内壁面に設けられた溝または凹
設部が、支承シェルの全構造体をより運動可能にさせるので、たとえば非円滑性
によって生ぜしめられる、支承シェルの局所的なピーク負荷をより良好に分配す
ることができ、ひいては減少させることができる。したがって、ボールジョイン
トの支承シェルの新たな構成によって、ボールジョイントの有効負荷を場合によ
っては増大させることさえできる。
、このような形式のボールジョイントの潤滑特性における驚くべき改善も達成す
ることができる。獲得された効果は、一方では、ジョイントボール表面によって
閉鎖された切欠きがそのグリース充填に基づき、ジョイントが運動させられない
場合でもボールピンの永久的な支持作用を生ぜしめる静圧を増加させるという点
にある。この場合、ボールピンの運動時には、ジョイントボールと支承シェルと
の間の摩擦を減少させるために、前述した流体力学的な効果が使用される。
tが、溝幅bと同じであるかまたは溝幅bよりも大きく寸法設定されているもし
くは溝幅bの1/3倍の幅と同じであるかまたは溝幅bの1/3倍の幅よりも大
きく寸法設定されているという事実にある。こうして、溝区分の内部の排出効果
を、支承シェルの、互いに隣接する領域の変形によって獲得することができる。
動モーメントに同化させることができるので、短い休止時間または長い休止時間
のあとの最初の初動モーメントおよび場合によってはこの初動モーメントに関連
する破折ノイズは生ぜしめられない。さらに、ボールジョイントの、種々異なる
運動形態における一層均一なモーメントによって、このような形式のジョイント
の互いに運動可能な部分の瞬間的な滑動の傾向ひいてはノイズ形成も減少させら
れる。
ような形式のボールジョイント製品におけるばらつきを減少させることができる
。
って、従属請求項に記載の特徴から得られる。
ボールジョイントでは、前述した溝の排出効果は、互いに隣接する溝区分がその
長手方向延在長さにおいて、互いにほぼ直角を成して配置されていることによっ
て獲得することができる。
体領域に分割されており、この構造体領域において溝区分が互いに平行に配置さ
れているのに対して、相並んで位置する、互いに異なる構造体領域の溝区分が互
いに直角を成して位置していることによって得られる。
ル1がジョイントピン2もしくはジョイントスタッドの一方の端部に形成されて
おり、ボールピン2の他方の端部は、固定のためのねじ山付きピン11を有して
いる。ジョイントボール1は支承シェル3と共にケーシング12内に挿入されて
いる。このケーシング12は、開放している側でカバー13によって閉鎖されて
いる。弾性的なクッション14または別のばね弾性的な手段は、支承シェル3内
でのジョイントボール1の、遊びのない装着のために働く。したがって、ジョイ
ントピン2は、ある程度の範囲内で支承シェル3に対して3つの軸線を中心とし
て自由に運動可能である。支承シェル3の内側には内壁面4が位置している。内
壁面4とジョイントボール1の外側の表面との間のギャップには、摩擦モーメン
トを減少させるために、潤滑剤から成る肉薄のフィルムが常に設けられていなけ
ればならない。
るように、支承シェル3は複数の溝5を有している。これらの溝5は、支承シェ
ル3の内壁面4全体にわたって分配されて1つの構造複合体を形成している。こ
の場合、溝5は個々の溝区分7を有している。これらの溝区分7の配置形式と寸
法とは、本発明によれば、ジョイントボール1と支承シェル3との間のギャップ
内に十分な潤滑フィルム厚さを保証している。
溝区分7a;7bで分配されている。両溝区分7a,7bは互いに接続されてお
り、溝区分7a,7bから形成された溝5は、タイヤトレッドに類似して、相並
んで平行に配置された列で形成されている。この場合、溝区分7a,7bの経過
は、ジョイントボール1が支承シェル3に対して相対的にあらゆる方向で旋回運
動する場合に、ジョイントボール表面の横方向運動が個々の溝区分7a;7bに
対して行われるように選択されている。相対運度は、各溝5の間の中間スペース
が狭幅であることに基づき、この中間スペースの変形を生ぜしめる。この変形は
、溝5の溝深さtが、この事例では溝幅bの1/3倍の幅よりも大きく寸法設定
されているという事実によって助成される。
とができる。溝深さtに対する溝幅bの比率と、図2aから明らかとなる、互い
の溝5の小さな間隔とによって、溝5の、開放した上側を越えてのジョイントボ
ール1の横方向運動が、溝5の中間スペースの変形を生ぜしめるということが保
証されている。中間スペースのこの変形は溝5の横断面を縮小させる。この縮小
は、溝5内に存在する潤滑剤をある程度上方へジョイントボール表面に向かって
押し出す。ジョイントボール1の運動によって、溝5から上方へ押し出された潤
滑剤は、支承シェル3とジョイントピン1との間のギャップ内に引き込まれる。
例が示してある。図3および特に図3aから明らかであるように、支承シェル3
のこの構成では、溝5が、互いに分割された個々の溝区分7a,7bで分配され
ている。この場合、溝区分7aは、相並んで位置して平行に方向付けられて構造
体領域10bを形成しており、溝区分7bは別の構造体領域10aを形成してい
る。この場合、両溝区分7a,7bの長手方向の伸びは互いに直交するように経
過している。溝区分7a;7bの配置形式によって、図2および図2aに類似し
て、ジョイントボール1を支承シェル3に対して相対的にあらゆる方向で運動さ
せるために、溝区分7a;7bの開口を越えてのジョイントボール表面の横方向
運動が同様に保証されている。溝区分の間の間隔ならびに溝5の幅bおよび深さ
tは、図2および図2aで説明した実施例のものに相当しているので、この変化
形にとっても、溝5の特殊な配置形式と寸法とに基づき、十分な潤滑フィルム厚
さが、ジョイントボール1と支承シェル3との間のギャップ内で常に保証されて
いる。
状が選択されている。
が維持されたまま、溝5の横断面形状を変えることができる。さらに、内壁面4
に隣接する、溝区分7a;7bの上側の長手方向側部は、図4bもしくは図4c
で知ることができるように、斜めに面取りされた縁部領域9を有することができ
る。この場合、斜めに面取りされた縁部領域9の表面は、ほぼ15゜よりも小さ
な角度で支承シェル3の内壁面5に対して傾けられている。
この支承シェル3に設けられた切欠きは、顕微鏡サイズの小さな凹設部5として
形成されている。支承シェル3の内壁面4に設けられたこの顕微鏡サイズの凹設
部5の数は、cm2あたり100〜100000個の間で変動するので、支承シ
ェル3の、パターン化された内壁面4が得られる。この内壁面4は、裸眼で見て
多孔性のもしくは拡散(diffus)した外観を有している。凹設部5の間に
はそれぞれウェブ領域が形成されている。図6および図6aに示した凹設部5は
球面状の表面を有している。この場合、縁部領域9は、それぞれ扁平部を成して
ウェブ領域に移行している。
プティカル(photooptisch)な方法と、エッチング法または別の除
去法による転用とによって可能にされ得る。
構成の断面図である。
ある。
壁面、 5 溝または凹設部、 7a,7b 溝区部、 9 縁部領域、 10
a,10b 構造体領域、 11 ねじ山付きピン、 12 ケーシング、 1
3 カバー、 14 クッション、 b 溝幅、 t 溝深さ
Claims (12)
- 【請求項1】 有利には自動車のためのボールジョイントであって、ジョイ
ントピンに形成されたジョイントボールが設けられており、該ジョイントボール
が、プラスチックから成る支承シェル内に運動可能に支承されており、該支承シ
ェルが、ジョイントボールに面した内壁面に、潤滑剤を収容する溝を有しており
、さらに、支承シェルを収容するケーシングが設けられており、該ケーシングが
その内壁で支承シェルを密に取り囲んでいる形式のものにおいて、 切欠きが溝(5)であり、該溝(5)が支承シェル内に、ボールジョイントの
中心長手方向軸線に対して傾斜して延びる溝区分(7a,7b)を備えた構造複
合体を形成しており、互いに隣り合って位置する2つの溝区分の間の側方の間隔
が小さく保たれており、溝区分(7a,7b)の深さtが、溝区分(7a,7b
)の幅bと同じであるかまたは溝区分(7a,7b)の幅bよりも大きく寸法設
定されていることを特徴とする、ボールジョイント。 - 【請求項2】 有利には自動車のためのボールジョイントであって、ジョイ
ントピンに形成されたジョイントボールが設けられており、該ジョイントボール
が、プラスチックから成る支承シェル内に運動可能に支承されており、該支承シ
ェルが、ジョイントボールに面した内側の壁面に、潤滑剤を収容する溝を有して
おり、さらに、支承シェルを収容するケーシングが設けられており、該ケーシン
グがその内壁で支承シェルを密に取り囲んでいる形式のものにおいて、 切欠きが溝(5)であり、該溝(5)が支承シェル内に、ボールジョイントの
中心長手方向軸線に対して傾斜して延びる溝区分(7a,7b)を備えた構造複
合体を形成しており、互いに隣り合って位置する2つの溝区分の間の側方の間隔
が小さく保たれており、溝区分(7a,7b)の深さtが、溝区分(7a,7b
)の幅bの1/3倍の幅と同じであるかまたは溝区分(7a,7b)の幅bの1
/3倍の幅よりも大きく寸法設定されていることを特徴とする、ボールジョイン
ト。 - 【請求項3】 有利には自動車のためのボールジョイントであって、ジョイ
ントピンに形成されたジョイントボールが設けられており、該ジョイントボール
が、プラスチックから成る支承シェル内に運動可能に支承されており、該支承シ
ェルが、ジョイントボールに面した内側の壁面に、潤滑剤を収容する溝を有して
おり、さらに、支承シェルを収容するケーシングが設けられており、該ケーシン
グがその内壁で支承シェルを密に取り囲んでいる形式のものにおいて、 支承シェル(3)に設けられた切欠きが、顕微鏡サイズの小さな凹設部(5)
であることを特徴とする、ボールジョイント。 - 【請求項4】 各溝の間の間隔が、溝幅bの0.5〜3倍の大きさである、
請求項1または2記載のボールジョイント。 - 【請求項5】 互いに隣接する溝区分(7a,7b)がその長手方向延在長
さにおいて、互いにほぼ直角を成して配置されている、請求項1,2または4記
載のボールジョイント。 - 【請求項6】 溝区分(7a,7b)の、内壁面(4)に隣接する上側の長
手方向側部が、斜めに面取りされた縁部領域(9)を有している、請求項1,2
,4または5記載のボールジョイント。 - 【請求項7】 斜めに面取りされた縁部領域(9)の表面が、支承シェル(
3)の内壁面(4)に対してほぼ15゜よりも小さな角度を成している、請求項
6記載のボールジョイント。 - 【請求項8】 溝区分(7a,7b)が互いに分割されており、これによっ
て、個々の構造体領域(10a,10b)が内壁面(4)に得られる、請求項1
,2,4,5,6または7記載のボールジョイント。 - 【請求項9】 個々の溝区分がまとめられて、閉鎖された環状溝が形成され
ている、請求項1または2記載のボールジョイント。 - 【請求項10】 支承シェル(3)の内壁面に設けられた顕微鏡サイズの凹
設部の数が、cm2あたり100〜100000個の間にある、請求項3記載の
ボールジョイント。 - 【請求項11】 凹設部(5)の間にウェブ領域が形成されている、請求項
3または10記載のボールジョイント。 - 【請求項12】 凹設部(5)が、球面状の表面を有していて、ウェブ領域
への移行領域に扁平部を有している、請求項11記載のボールジョイント。
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