JP2003506326A - 診断イメージング造影剤、生物活性物質、および薬剤の単分子担体としてのポリペプチドデンドリマー - Google Patents

診断イメージング造影剤、生物活性物質、および薬剤の単分子担体としてのポリペプチドデンドリマー

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規のポリペプチドデンドリマーおよびその合成法を記載する。本発明のポリペプチドデンドリマーは、多官能性コア部分と、そこから外側に放射状に延びている高度に分岐したポリペプチド鎖(短いペプチド分岐単位により形成される)と、から構成される構造を有する。最も外側の分岐は、空洞とチャネルを有する低密度空間を囲み、該空洞とチャネルに、診断および治療用の生物活性物質を捕捉または共有結合することができる。これらの特性のために、該ポリペプチドデンドリマーは、生物活性物質(薬剤を含む)の送達のための担体として、あるいは細菌、ウイルスおよび寄生体の抗原、遺伝子治療用化合物、および診断イメージング造影剤の担体として、生物学ならびに医学の多くの分野において特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、ポリペプチドデンドリマー、その合成法、生物活性物質(薬剤を含
む)の送達の担体としての、または細菌、ウイルスおよび寄生体の抗原、遺伝子
治療用化合物および診断イメージング造影剤の担体としてのその使用に関する。
【0002】従来技術 デンドリマーは、多官能性コア部分から放射される多数の1次分岐鎖(モノデ
ンドロン)が、古典的な超分岐した星形ポリマーとは大きく異なる構造と形態を
生じさせる、高度分岐ポリマーである(D. A. Tomaliaら、Angew. Chem. Int. E
d. Engl., 1990, 29, 138-175;D. A. TomaliaとH. Dupont Durst, "Topics in
Current Chemistry", 1993, 165, 193-313)。デンドリマーの構造成分(すなわ
ち、a)コア部分、b)コアに放射状に結合したモノデンドロンを形成する分岐単
位からなる内部層(世代(generation))、およびc)空間的に近接した表面残基
よりなる外表面)は、世代が増えるにつれて、充分発達した内腔とチャネルを有
する長球形構造を形成する。空洞とチャネルは、ゲスト分子の捕捉または共有結
合に使用することができる微小環境を形成する。第10世代までのポリアミドアミ
ン(PAMAM)星形デンドリマーの段階的合成およびホスト分子としてのその使用
が、多くの特許や論文で報告されている(O. A. Matthewsら、Progr. Polym. Sc
i., 1997, 23, 1-56)。PAMAMデンドリマーのコンピューターモデリングは、空
洞の数と大きさが、a)コア部分の官能基の数(Nc)、b)分岐単位の反応性部位の
数(Nb)、およびc)分岐単位の大きさと硬さに依存することを証明した。Nc=3ま
たは4でNb=2の時、PAMAMデンドリマーシリーズは、世代毎に約10Åずつその直径
を大きくし、ディスク状(第0〜2世代)から楕円(第3、4世代)に、そして第5
世代以上ではほとんど対称の長球形に進化する。
【0003】 高世代デンドリマーの調製のための2つの概念的に異なる合成法、すなわちダ
イバージェント(divergent)法とコンバージェント(convergent)法が存在す
る。どちらの方法も、反応工程の繰り返しに基づくものである。そして、繰り返
しの度ごとに追加の世代が作られる。ダイバージェント合成では、デンドリマー
は、コア部分から段階的に成長し、すべての反応は単一の分子中で行われる。す
べての反応工程は、指数的に増加する数の末端のそれぞれで不完全に起きるため
(平均選択率は100%未満)、欠陥のないデンドリマーはほんのわずかしか得ら
れない。例えば、反応工程当たり平均99.5%の選択率により、純粋な第5世代ポ
リ(プロピレンアミン)デンドリマーの収率はわずか29%となる。ダイバージェ
ント法により得られるデンドリマーは、その副生成物と非常に似た構造を有する
ため、その精製は困難である。コンバージェント法では、デンドリマーの合成は
、まず所望の世代数の単一のモノデンドロンを調製し、次にこれらをコア部分に
結合させることにより、周辺から開始してコアで終了する。この方法で合成され
るデンドリマーは、どの世代追加工程でも一定の少数の反応が必要なだけである
ため、ほとんど純粋に製造することができる。デンドリマーはまた、コア(ハイ
パーコア)と分岐単位(分岐モノマー)のあらかじめ分岐した類似体を使用して
、または「2重指数」および混合成長合成法に従って、より少ない工程で高収率
で得ることもできる。
【0004】 デンドリマーの構造の特徴(すなわち長球形で、内部に空隙があり、ナノスコ
ピックな大きさ)は、これらがその内部(エンド受容体としてのデンドリマー)
または表面(エキソ受容体としてのデンドリマー)で、ゲスト分子に結合するこ
とができるホスト分子としての使用を示唆している。種々の低分子量有機分子が
、カルボキシ末端炭化水素デンドリマー中に捕捉されている。アセチルサリチル
酸や2,4クロロフェノキシ酢酸は、第4、5、6世代のPAMAMデンドリマーの表面お
よびその近傍に捕捉されており、および第6世代のPAMAMデンドリマーのチャネル
中の10〜20のドパミン分子の封鎖が、分子動力学計算を使用して研究されている
(D. A. Tomalia, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1990, 29, 138-175)。Meije
rと共同研究者達は、第5世代のポリ(プロピレンアミン)デンドリマーの表面に
Boc-フェニルアラニンの殻を構築して「樹状ボックス(dendritic box)」を調
製した(J. F. G. A. Jansenら、Science, 1994, 266, 1226-1229)。ゲスト分
子(例えば、ローズベンガルまたはテトラシアノキノジメタン)の存在下で殻が
形成されると、デンドリマー空隙中に存在するものは立体的に捕捉される。殻の
破壊後すなわちBoc基の酸分解後にのみ、ゲストの放出が可能である。捕捉でき
るゲスト分子の数は、ゲストの大きさに依存する。デンドリマーの生体適合性や
薬剤動態を扱った論文はほんのわずかしか出ていない。第3〜6世代のPAMAMデン
ドリマーは毒性が低く、第7世代のデンドリマーはin vivoの毒性が強いことがわ
かっている。第7世代デンドリマーについて、膵臓への取り込みの増大と原因不
明の尿排泄の増大が観察されている。アミン末端PAMAMについて溶血と細胞障害
性が観察されているが、カルボキシ基末端を有するその類似体では観察されてい
ない(R. DuncanとN. Malik, Proc. Int. Symp. Control. Relat. Bioact. Mate
r., 1996, 23, 105-106)。金属デンドリマーキレートはまた、診断的応用につ
いて研究されている。PAMAM−チオ尿素−ジエチレントリアミン四酢酸磁気共鳴
イメージング造影剤のGd(III)キレート(Gd(III)-PAMAM-TU-DTPA)は、モノマー
キレートより長い時間血中を循環し、第6世代のデンドリマーが造影剤として、
ポリリジン、アルブミンおよびデキストラン支持体に基づくキレートコンジュゲ
ートよりも効果的である。90Y、111In、212BiおよびGd(III)のキレート化のため
に四酢酸または五酢酸の誘導体で表面を官能基化した第2世代のPAMAMデンドリ
マーに1つのモノクロナール抗体を結合させることにより、モノクローナル抗体
に基づく放射線療法やイメージングの実現可能性が示されている。ホウ素化デン
ドリマー−モノクローナル抗体コンジュゲートは、電子分光イメージングにおけ
るタンパク質プローブとしての使用が成功している。種々の細胞株へのアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドのトランスフェクションが、PAMAMデンドリマーを使用
してin vitroで行われている。さらに、リジル残基からなる第2および第3世代
のポリペプチドモノデンドロン(MAP、複数抗原ペプチド)が、ペプチド結合の
ための分岐多価足場として調製され、免疫原および免疫診断薬として使用されて
いる(J. P. Tam, J. Immunol. Methods, 1996, 196, 17-32)。しかしこの著者
は、内部の空洞にゲスト分子を捕捉するための、高世代長球形ポリ(アミドアミ
ン)に似た球形のポリペプチドデンドリマーを調製する可能性について言及して
いない。
【0005】 PAMAMデンドリマーのin vitroとin vivoの性質についての予備的観察結果と、
樹状ボックスからゲスト分子を放出するのに必要な厳しい条件は、両方の微小容
器が、生物活性物質の担体や薬剤送達に適していないことを示す。好ましい薬剤
動態性に加えて、そのような担体は以下の特性を有していなければならない。
【0006】 1)生物学的内密性(生体適合性) 2)酵素に対する限定され調節された安定性。酵素により処理されることは、身体
内の非特異的な蓄積による慢性毒性を避けるのみでなく、デンドリマー構造のゆ
るやかな加水分解によりゲスト分子の制御放出を得るために必要である。
【0007】 3)高担持能力。PAMAMの内部空隙は、多数の低分子量分子または妥当な数の巨大
分子ゲスト(例えば、インスリン)を捕捉するのに充分大きくはない。
【0008】 4)急速な尿クリアランスおよびRES(網内系)取り込みを避けるための、制御さ
れた大きさ(好ましくは、10〜100nmの範囲)。
【0009】発明の概要 驚くべきことに、ポリペプチド骨格を有するデンドリマーは、上記性質を有し
、本発明の以下の目的に合致することが見いだされた。本発明の第1の目的は、
デンドリマー構造、長球形、および正確に規定された大きさ(単分子デンドリマ
ー担体)を有し、分子量が5〜7 kDaまでの生物活性物質または薬剤分子を収容で
きるチャネルと空洞を有する、水溶性ポリペプチド担体を提供することである。
本発明の第2の目的は、in vivo、血液中、または標的細胞部位でのその段階的分
解が、酵素的加水分解(これは、骨格にDアミノ酸残基を挿入することにより制
御し調節することができる)とUV照射(担体が光不安定性結合を有する場合)に
より起きるポリペプチドデンドリマー担体を提供することである。本発明の第3
の目的は、その大きさと表面が、網内系取り込みと尿クリアランスを避けるよう
に作成されている、充填されたポリペプチドデンドリマー担体を提供することで
ある。本発明のさらなる目的は、その表面の反応性基に共有結合した抗原部分(
関連する病原体に由来するペプチド、オリゴヌクレオチド、糖、およびオリゴ糖
)を有するポリペプチドデンドリマー担体の合成である。本発明のさらなる目的
は、細胞ターゲティングのための葉酸、シアル酸、マンノース、脂肪酸、ビタミ
ン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、モノクローナル抗体、短いペプチド、タン
パク質およびオリゴヌクレオチドのような生物学的受容体リガンドで、ポリペプ
チドデンドリマー担体の表面を誘導体化することである。
【0010】 従って本発明の目的は、 i. 多官能性コア部分; ii. コアに放射状に結合した分岐ポリペプチド鎖(モノデンドロン)の末端
を構成する空間的に近接した基よりなる外表面、および、 iii. 該分岐ポリペプチド鎖(モノデンドロン)により構成される、特徴的な
空洞とチャネルを有する短いペプチド分岐単位(プロパゲーター)の内部層(世
代)を有し、かつ、式(I): K(-L)p-M (I) (式中、 Kは、多官能性コア部分であり、 Lは、ポリペプチドモノデンドロンであり、 pは、コア部分から放射状に出ているポリペプチドモノデンドロンの数であり
、 Mは、デンドリマーの最外部の分岐である) で示されるポリペプチドデンドリマーであって、前記プロパゲーターは3官能性
アミノ酸を含有し、該アミノ酸の不斉炭素(プロパゲーター分岐点)が、同一の
末端反応性基を有する2つの等しい長さのアームと、活性化可能な官能基を有す
る第3のアーム(プロパゲーター幹)とに連結したものである、上記のポリペプ
チドデンドリマーである。
【0011】 本発明のさらなる目的は、該ポリペプチドデンドリマーの合成法、および生物
活性物質(薬剤を含む)の送達用の担体としての、または細菌、ウイルスおよび
寄生体の抗原の担体としての、および遺伝子治療用化合物や診断イメージング造
影剤の担体としてのその生物学や医学における使用である。
【0012】詳細な説明 本発明の、ポリペプチドデンドリマー、その合成法および単分子担体としての
その使用を、以下の説明で例示する。
【0013】 本発明のポリペプチドデンドリマーは、短いペプチド分岐単位またはプロパゲ
ーターの繰り返し縮合により得られ、多官能性コア部分から外に放射し、モノデ
ンドロンの末端を構成する空間的に近接した基よりなる外表面と、特徴的な空洞
とチャネルを有するプロパゲーターの内部層または世代を有する、高度に分岐し
たポリペプチド鎖またはモノデンドロンからなり、ここで各プロパゲーターは、
その不斉炭素(プロパゲーター分岐点)が、同一の末端反応性基を有する2つの
等しい長さのアームと、活性化可能な官能基を有する第3のアーム(プロパゲー
ター幹)とに連結した3官能性アミノ酸を含有する。ポリペプチドデンドリマー
は、式(I)で示される: K(-L)p-M (I) 式中、 Kは、多官能性コア部分であり、Kは、以下の式で示される: (II) X-(CH2)n-X1 (式中、X=X1もしくはX≠X1であり、X、X1はNH、COもしくはSである);または (III) Y[-(CH2)n-Z]i (式中、Y=CもしくはY=Nであり、ZはNH、S、Cl、Br、Iもしくはマレイミド残基
であり、n=1〜6およびi=3もしくは4である);または (IV) X-CH(R)-CO[-NH-CH(R)-CO]n-NH-CH(R)-COOR1 (式中、Rは(CH2)m-X1であり、m=1〜5であり、R1はメチル、エチル、ブチルもし
くはイソプロピルであり、X=X1もしくはX≠X1であり、X、X1はNH、COもしくはS
であり、n=1〜6である); Lは、単一のモノデンドロンであり、そのプロパゲーターが以下の式で示され
る: (V) -CO-CH(R2)-(CH2)n-NR3- (式中、R2=H、または天然のもしくは合成のアミノ酸またはその誘導体の側鎖で
あり、R3=H、または、場合によりOH、SH、ClもしくはBrで置換されていてもよい
直鎖炭化水素基であり、R2-CH(CH2)n-NR3は5もしくは6員環であり、n=0〜6であ
る);または (VI) -CO-CH(R2)-CO-N(R3)-(CH2)m-N(R3) (式中、R2とR3は、上記の意味を有し、m=1〜6である);またはLは、単一のモ
ノデンドロンであり、そのプロパゲーターが以下の残基の1つで示される: -CO-CH2-NH-NH-;-CO-CH(R2)-O-;-CO-CH2-O-N=CH-CO-;-CO-CH(R2)-(CH2)n-S-C
H2-CO-W;-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-W-;
【化12】 (式中、W=-N(R3)-(CH2)m-NR3, Q=Hまたは-CH3;TはOまたはSであり、ここでR2
、R3およびmは上記の意味を有し、p=1〜4である); Mは、式(VII)で示される残基である: -Aq-B(Ar)-C-Ar[Aq-B(Ar)-C-Ar[Aq-B(Ar-D)-C-Ar-D]2]2 (VII) (式中、A=-CO-CH(R2)-(CH2)n-NR3であり、R3とnは上記の意味を有し;q=1〜6で
あり、r=1〜4であり、R2は、上記の意味以外に、天然のまたは合成の3官能基ア
ミノ酸であり; Bは、-CO-CH[-(CH2)n-X1]-Xであり、X=X1もしくはX≠X1であり、XとX1はNH、CO
もしくはSであり、n=1〜5であり; C=Aまたは-CO(CH2)n-NH-もしくは-(CH2)n-S-であり、n=1〜6であるか、または Cは、以下の残基の1つである:
【化13】 Dは、式(VIII)〜(XI)で示される残基である: -Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E (VIII) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2 (IX) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar)-C-Aq-[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2]2 (X) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar)-C-Aq-[Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2]2]2 (XI
) ここで、A、B、C、q、rは、上記の意味を有し; Eは、式(XII)と(XIII)で示される: -Aq-B(Ar-P)-C-Aq-P1 (XII) -Aq-B(Ar)-C-Aq[-Aq-B(Ar-P)-C-Aq-P1]2 (XIII) ここで、A、B、C、q、rは、上記の意味を有し、P=P1もしくはP≠P1であり、PとP 1 は、H、または1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されていてもよ
い直鎖炭化水素基、アシル、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、オリゴヌクレ
オチド、糖、オリゴ糖、タンパク質、モノクローナル抗体、10〜400の-CH2-CH2-
O-繰り返しを有するポリエチレングリコール、脂質、酵素、金属リガンドである
)。アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、糖、オリゴ糖、
タンパク質という用語は、天然または合成の類似体および誘導体を含む。
【0014】 本発明のポリペプチドデンドリマーの特徴は、血漿および細胞性酵素に対する
その骨格の限定された安定性であり、より重要なことは、Lアミノ酸をDアミノ酸
で置換してin vivoでの酵素に対する安定性をプログラムできる可能性である。
この性質は、ポリペプチドデンドリマーを、PAMAM、ポリプロピルアミン、炭化
水素、ポリエーテル、ポリチオエーテル、およびシリコンベースのデンドリマー
(これらはすべて、酵素的加水分解に対して安定であるため、体内で非特異的に
蓄積して毒性の問題を生み出す)から区別する。ポリペプチドデンドリマーの大
きさ(10〜100nm、急速な尿排泄と網内系による取り込みを避けるため)とデン
ドリマー骨格の不安定性を制御することにより、体内のポリペプチドデンドリマ
ー担体の保持と排泄をバランスさせることが可能である。酵素加水分解以外に、
アミノ酸残基の代わりに限定された数の光不安定性残基を骨格に挿入すると、選
択された結合のUV照射により、ゲスト分子の放出を伴ってポリペプチドデンド
リマーが分解される。その結果、生物活性ゲスト分子または薬剤の放出を治療上
有用な部位で引き起こすことができ、全身性副作用の発生はより少ない。驚くべ
きことに、本発明に従って、ビルティングブロックとして短い3分岐ペプチドプ
ロパゲーターを使用して、段階的合成により調製した2、3または4個のポリペプ
チドモノデンドロンを、2、3または4個の同一の官能基を有するコア部分に縮合
することにより、ポリペプチドデンドリマーを調製できることが見いだされた。
あるいは、低世代モノデンドロンを、あらかじめ作成したデンドリマー(拡張コ
ア)に縮合して最終デンドリマーを得ることができる。本発明のポリペプチドデ
ンドリマーは、広範囲の分子量のゲスト分子を封入できるのみでなく、驚くべき
ことに表面極性基(例えば、NH2、OHおよびCOOH)が疎水性残基でマスクされて
いる時でさえ著しい溶解度を示す。以下に、1)ポリペプチドデンドリマーの化学
合成の可能性;2)デンドリマー担体中へのゲスト分子の捕捉と封入の可能性;3)
酵素的加水分解および紫外線照射によるin vitroおよびin vivoでのゲスト分子
の放出;および4)マウス中のポリペプチドデンドリマーの非免疫原性とアジュバ
ント性を、証明する方法と例を報告する。本発明の無数の実施形態と他の特徴は
、以下の説明を参照してよりよく理解されるであろう。
【0015】一般的合成方法 本発明において、単分子ポリペプチドデンドリマーの第1の一般的調製方法は
:1)少なくとも2つの官能基を有するコア部分の合成;2)単一のポリペプチドモ
ノデンドロンのダイバージェント合成;3)ポリペプチドモノデンドロンのコア部
分への共有結合からなる。ポリペプチドデンドリマーの第2の一般的調製方法は
:1)少なくとも2つの官能基を有するコア部分の合成;2)除去可能な基でその末
端が保護された第1〜3世代のポリペプチドモノデンドロンのコア部分への縮合;
3)工程2で得られる低世代デンドリマーからの保護基の除去、および次に、標的
の高世代デンドリマーに達するための、保護されたモノデンドロンの反復縮合;
および4)最終デンドリマーから保護基の除去、次に必要であれば表面修飾、から
なる。保護基、縮合剤および脱保護剤、溶媒および反応時間は、コア部分とプロ
パゲーターの両方の構造のみでなく、ゲスト分子の化学的および構造的性質も考
慮して選択される。上記で概説した本発明の一般式(I)と2つの一般的方法に従っ
て、例えば第3〜7世代の単一のモノデンドロンが共有結合しているエチレンジア
ミンのような二官能性コアを特徴とする、構造が単純なポリペプチドデンドリマ
ー、すなわち、
【化14】 および
【化15】 を合成することができる。
【0016】 分子量が1,000Daを超える分子をポリペプチドデンドリマー分子中に捕捉する
目的は、2つの工程で達成される:1)ビルディングブロックとして短いペプチド
誘導体を使用する固形支持体上のポリペプチドモノデンドロンの組み立て(固相
ペプチド合成、SPPS)(ダイバージェント法)、および2)タンパク質の合成につ
いて現在応用されている「化学結合」法による、水相中およびゲスト分子の存在
下での、コア部分へのポリペプチドモノデンドロンの縮合(P. Lloyd-Williams,
F. AlbericioとE. Giralt, 「ペプチドとタンパク質の合成への化学的アプロー
チ」、1997, CRC Press, Boca Raton, 175-200)。
【0017】 分子量が1,000Da未満の分子をポリペプチドデンドリマー中に捕捉する目的は
、デンドリマー合成中にゲスト分子を捕捉する上記方法と、まず「空隙担体」を
調製し、これを次にその空洞への小ゲスト分子の拡散により充填することにより
、達成される。光不安定性結合を有するポリペプチドデンドリマーを調製する目
的は、上記方法に従い、骨格の1つ以上のアミノ酸残基を光不安定性部分で置換
したモノデンドロンを使用して、達成される。その内部で共有結合したゲスト分
子を有するポリペプチド担体を調製する目的は、1)拡散によるデンドリマー空洞
へのゲスト分子の予備的捕捉、および2)デンドリマー担体の反応性基への共有結
合により、達成される。最後に、受容体ターゲティングのために生物活性分子を
ポリペプチドデンドリマーの表面に結合する目的は、受容体認識にそれほど重要
ではない生物活性分子の反応性基の共有結合的縮合により達成される。
【0018】 本発明の無数の実施形態と他の特徴は、以下の説明を参照することにより、よ
り理解されるであろう。以下に報告する例は、本発明を限定するものではなく、
合成およびデンドリマー充填プロトコールの自然の進歩から得られるさらなる修
正は、本発明の精神および範囲に含まれるものである。
【0019】 HPLC分析は、UV Bruker LC313検出器を備えたBruker LC21-C装置を用いて、Pi
co Tag Watersカラムとアセトニトリル−水緩衝液A)および B)を使用して行った
:アセトニトリル−水緩衝液A) 0.1%のTFA水溶液中10%(v/v)アセトニトリルおよ
びアセトニトリル−水緩衝液B) 0.1%のTFA水溶液中60%(V/V)のアセトニトリル;
勾配(I)25分間でB0%からB100%へと、勾配(II)25分間でB50%からB100%へ;流速1
ml/分、220nm検出。分取用HPLCによるペプチド精製は、Waters Delta Prep 300
0装置を用いて、Delta Pack C18-300Å(30 mm x 30 cm, 15μ)カラムで、同じ
溶出液と条件を用いて行った。流速30ml/分、220nm検出。薄層クロマトグラフ
ィーは、F254シリカゲルプレート(Merck)で、展開液として1-ブタノール/酢
酸/水(3:1:1 v/v/v)を使用して、行った。検出試薬としてエタノール中1%ニ
ンヒドリンとCl2−ヨウ素を使用した。1H NMR測定は、200 MHz FT Bruker装置を
用いて行った。分子量は、Voyager-DE装置(PerSeptive Biosystems, マサチュ
ーセッツ州, アメリカ合衆国)で質量スペクトルにより確認した。
【0020】実施例1 本例は、固相マトリックス上で組み立てた第4世代モノデンドロン誘導体のト
リアミンコアへの液相中での縮合による、第4世代のデンドリマーの合成を記載
する。
【0021】1. N[CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH2]3・4HClの合成 1.91gのBoc-Phe-OH(7.2ミリモル)、150μlのN(CH2-CH2-NH2)3(2.0ミリモ
ル)、1.43gのWSC・HCl(7.5ミリモル)、1.15gのHOBt(7.5ミリモル)および56
0μlのトリエチルアミン(4.0ミリモル)を、0℃で10mlの無水DMFに溶解し、
攪拌しながら室温で24h維持した。DMFを留去後、固形分を100mlの酢酸エチルに
溶解し、5% NaHCO3(3x20ml)と食塩水(3x20ml)で抽出した。有機溶液を酸性
化し、溶媒を留去し、得られた生成物を、70mlの酢酸エチルに溶解し、さらに0
℃で4N HClで処理した。混合物を室温で30分攪拌した。溶媒の留去後得られた残
渣を、20mlのメタノールに溶解し、エチルエーテル−石油エーテル(1/1、v/v)
で沈殿させた。濾過後得られた固形分を、エチルエーテル−石油エーテル(1/1
、v/v)で繰り返し洗浄した。融点:167℃;[α]D 22−1.8(c1、DMF);Rf:0
.5;HPLC:8.97分;勾配(I);MS:M-H+、M-Na+、M-K+についてそれぞれ589Da、6
11Daおよび627Da。
【0022】2. Fmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OHの合成 30mlのDMF中の14.9gのBoc-Orn(Fomc)-OSuの溶液(27ミリモル)を、45mlの5%
NaHCO3と100mlのDMF中の3.92gのH-Gly-Gly-OH(29.7ミリモル)の溶液に0℃で
攪拌しながら加えた。0℃で1時間の後、室温で反応を一晩続けた。DMFを留去後
、残渣を150mlの10%クエン酸に溶解し、生成物を200mlの酢酸エチルで抽出した
。次に溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を除去して最終容
量を50mlに濃縮した。生成物を、2mlのメタノールを含有するエチルエーテル150
mlで沈殿させて回収した。収率:13.9g。融点:125〜128℃;Rf:1-ブタノール
/酢酸/水(3:1:1、v/v/v)中で0.7;HPLC:19.25分;勾配(I)。
【0023】 13.9gのBoc-Orn(Fomc)-Gly-Gly-OHを、20mlのTFAに溶解し、室温で1時間維持
した。TFA留去後、残渣をエチルエーテル中で粉砕し乾燥した。得られた塩(14.
5gのTFA・H-Orn(Fomc)-Gly-Gly-OH、24.8ミリモル)を、0℃で50mlの5% NaHCO3 と150mlのDMFに溶解し、8.78gのFmoc-Gly-OSu(22.3ミリモル)と0℃で1時間お
よび室温で一晩反応させた。DMFを留去後、残渣を10%クエン酸に溶解し、濾過し
、水で数回洗浄した。粗生成物を酢酸エチルから結晶化した。収量:14g;融点
:208-210℃;Rf:0.63;HPLC、23.68分;勾配(I);[α]D 22-20(c1, DMF)。 NMR(DMSO)δppm:1.32-1.8, m 4H; 2.92-3.06, m 2H; 3.65-3.79, m 6H; 4.
18-4.36, m 7H; 7.31-7.9, m 18H; 7.98, d 1H; 8.1, t 1H; 8.25, t 1H; 12.5,
bs 1H。MS:748Da。
【0024】3. 2[2[2[Ac-Gly-Orn(Ac)-Gly-Gly]Gly-Orn-Gly-Gly]Gly-Orn-Gly-Gly)]Gly-Or n-Gly-Gly-OHの合成 合成は、Milligen 9050装置で、0.5cm(I.D.)カラムを使用して、0.5gのFmoc
-Gly-PEG-PS(Millipore)樹脂を充填して行った。充填:0.18ミリモル/g。
【0025】 第1のサイクル:a)脱保護:DMF中20%ピペリジン、4分、流速:8.1ml/分;b)
洗浄:DMF、10分、流速:4.0ml/分;c)結合:134mgのFmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-
Gly-OH、68mgのHBTUと28mgのHOBtを、DMF中の0.6MのN-メチルモルホリン(NMM)
0.6mlと0.4mlのDMFに手動で溶解し、次にカラムに充填した(自動プロトコール
)。再循環:5時間、流速:8.1ml/分;d)洗浄:DMF、15分、流速:4.0ml/分。
【0026】 第2のサイクル:1.2mlのDMF中の0.6M NMMと0.3mlのDMFに溶解した268mgのFmoc
-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OH、136mgのHBTUと56mgのHOBtを、結合に使用した。小
サンプルの樹脂を、カラムから抽出し、DMF中20%ピペリジンで処理し、注意深く
乾燥し、再度TFA/水(95/5, v/v)で室温で1時間処理した。単一のHPLCピーク2
.8分(勾配(I))が観察された。
【0027】 第3のサイクル:2回の結合を行った。第1回目の結合では、1.8mlのDMF中の0.
6M NMMと0.2mlのDMFに溶解した400mgのFmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OH、208mg
のHBTUと80mgのHOBtを使用した。DMF(20分、流速:4.0ml/分)、DCM(10分、
流速:9.0ml/分)およびDMF(5分、流速4.0ml/分)による3回の連続洗浄を行
った。第2回目の結合では、0.9mlのDMF中の0.6M NMMと0.1mlのDMFに溶解した200
mgのFmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OH、104mgのHBTUと40mgのHOBtを使用した。再
循環:3時間;流速8.1ml/分;前述のようにDMFとDCMによる3回の洗浄。小サン
プルの樹脂を、カラムから抽出し、前述のように分析し、勾配(II)で6.3分で単
一のHPLCピークが得られた。
【0028】 第4のサイクル:2回の結合を行った。第1回目の結合では、3.6mlのDMF中の0.
6M NMMと0.4mlのDMFに溶解した800mgのFmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OH、416mg
のHBTUと160mgのHOBtを使用した。再循環:3.5時間;流速8.1ml/分;DMF、DCM
およびDMFによる3回の洗浄。第2回目の結合では、1.8mlのDMF中の0.6M NMMに溶
解した400mgのFmoc-Gly-Orn(Fmoc)-Gly-Gly-OH、208mgのHBTUと80mgのHOBtを使
用した。再循環:5時間;流速8.1ml/分。樹脂を洗浄し、前述のように分析した
。8.1分;勾配(II)で単一の広いHPLCピークが観察された。次にこの樹脂を、DMF
中20%ピペリジンで流速8.1ml/分で10分処理し、DMFで4.0ml/分で15分洗浄し、
DMF中1Mの無水酢酸と1MのNMMで、流速8.1ml/分でアセチル化した。最後に、樹
脂をカラムから抽出し、DMF、メタノール、DCMおよびエチルエーテルで洗浄し、
真空下で一晩乾燥した。ペプチドモノデンドロンは、樹脂を15mlのTFA/水(95/
5、v/v)に室温で1時間攪拌しながら懸濁することにより得られた。濾過後、樹
脂を1mlのTFAで洗浄し、あわせた濾液を、TFAを部分的に留去後、冷エチルエー
テルに加えてポリペプチドを沈殿させた。混合物を約3時間-20℃に維持した。濾
過後、白色の生成物を水に溶解し、3回凍結乾燥した。収量:420mg。主要な広い
HPLCピークは8.1分(勾配(I))であり、第2および第3のサイクルの生成物に対応
する2つの非常に小さなピークとともに観察された。生成物は、セファデックスG
-50で、50%酢酸を溶出液として使用して、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC
)により精製した。標的ペプチドを含有する画分を、水で希釈後2回凍結乾燥し
た。収量:350mg。MS:5,021Da(理論値5.022Da)。
【0029】4) N{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn- Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-GLyOrn(Ac)GlyAc]2]2]2}3・4HClの合成 7.33mgのN[CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH2]3・4HCl(0.01ミリモル)、
3)で報告したように調製した200.1mgのモノデンドロン(0.04ミリモル)、9.6mg
のWSC・HCl(0.5ミリモル)、7.7mgのHOBt(0.5ミリモル)および5.6μlのトリ
エチルアミン(TEA)(0.04ミリモル)を、15mlのDMFに溶解し、TEAで処理して
、見かけの塩基性pHにし、室温で48時間攪拌しながら反応させた。DMFを留去後
、残渣を10mlのメチルエチルケトンに溶解し、溶液を5% NaHCO3(3×10ml)と食
塩水(3×10ml)で抽出し、0.1M HClで酸性化し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の留
去後に回収した固形分を、エチルエーテルで4回洗浄し、真空下で乾燥し、再度5
0%酢酸に溶解し、前述のようにセファデックスG-50でSECにより精製した。収量
:161mg;MS:15,605Da(理論値:15,602Da)。生成物は、SEC HPLCによりさら
に特徴づけられる。SEC HPLC では、75HR10/30 Pharmacia Superdex カラム(固
定相:架橋アガロース−デキストラン、13μm)を使用して、50mMのNaH2PO4と10
0mMのNa2SO4(pH6.5)を溶出液として使用した:流速0.5ml/分;検出、220nm。
単一の広いピークが、18分に観察された。リボヌクレアーゼ(分子量=13,400Da
)、ウシ血清アルブミン(BSA)モノマー(MW=66,000Da)およびダイマー(MW=1
12,000Da)は、それぞれ25、20および18分でピークを示す。これらの結果は、ア
セチル化第4世代デンドリマーは、SEC HPLCに使用される緩衝液中で凝集するこ
とを示す。
【0030】実施例2 本例は、完全に液相で調製された第4世代デンドリマーの3工程合成を説明する
。第1の工程では、NH2末端が酸不安定性基で保護された第2世代のモノデンドロ
ンを、トリアミンコア上で縮合して、第2世代デンドリマーを得る。第2の工程で
は、酸分解後、モノデンドロンを再度、第2世代デンドリマーの遊離のNH2末端に
縮合して、第4世代デンドリマーを得る。第3の工程では、保護基を除去後、デン
ドリマーNH2末端をアセチル化する。
【0031】1) Z-Orn(Boc)-Gly-Gly-OCH3の合成 10.44gのZ-Orn(Boc)-OH(28.5ミリモル)、5.75gのWSC・HCl(30ミリモル)、
4.59gのHOBt(30ミリモル)、5.47gpのHCl・H-Gly-Gly-OCH3(30ミリモル)、お
よび5.6mlのTEA(40ミリモル)を、90mlのDMFに溶解し、塩基性pHになるまでTEA
で処理し、次に室温で12時間攪拌しながら反応させた。DMFを留去後、残渣を、3
00mlの酢酸エチルに溶解し、0.1M HCl/食塩水 1/2(3x40ml)、5% NaHCO3/食
塩水 2/1(5x40ml)および再度食塩水(30ml)で洗浄した。次に溶液を0.1M HCl
で酸性にし、Na2SO4で乾燥した。次に溶媒をほとんど完全に留去し、エチルエー
テル/石油エーテル 1/1 v/vからゆっくり結晶化して標的生成物を回収した。収
量:13.7g。単一のHPLCピークが、18.2分、勾配(I)で観察された。
【0032】2) Boc-Gly-Orn(Boc)-Gly-Gly-OHの合成 13gのZ-Orn(Boc)-Gly-Gly-OCH3を、170mlのメタノールに溶解し、750mgの10% C/Pdで処理した。水素添加を室温で2時間続けた。濾過して固形分を除去後、
生じた溶液を濃縮し、生成物をエチルエーテル石油エーテル 1/1からゆっくり結
晶化した。収量:9.7g。 8.83gのH-Orn(Boc)-Gly-Gly-OCH3(24.5ミリモル)、6.26gのBoc-Gly-OSu(23
ミリモル)を、30mlのDMFに溶解した。0℃で7時間後、10ミリモルのTEAを溶液
に加えた。反応を室温で24時間続けた。DMFを留去し300mlの酢酸エチルを添加後
、有機溶液を、1M HCl/食塩水 1/2(3x30ml)、5% NaHCO3/食塩水 1/1(3x3
0ml)および食塩水(2x30ml)で抽出した。1M HClで酸性化した後、溶媒を留去
し、生成物をエチルエーテルから結晶化して単離した。収量:11.8g。単一のHPL
Cピークが、15.5分、勾配(I)で観察された。 5.18gのBoc-Gly-Orn(Boc)-Gly-Gly-OCH3(10ミリモル)を、メタノール(50ml
)中1M NaOHと室温で15時間反応させた。アルコールを留去後、残渣を200mlの
酢酸エチルに溶解し、NaClを飽和させた30mlの1M HClと食塩水(2×20ml)で抽
出した。酸性化し溶媒を除去した後、生成物を、エチルエーテル/石油エーテル 1/1 v/vから結晶化して単離した。収率:定量的。単一のHPLCピークが14.48分
、勾配(I)で観察された。MS: M-Na+, M-K+およびM-K+-Na+につ527 Da, 543 Daお
よび565 Da(理論値:504 Da)。
【0033】3) [Boc-Gly-Orn(Boc)-Gly-Gly]2-Gly-Orn-Gly-Gly-OHの合成 4.03gのBoc-Gly-Orn(Boc)-Gly-Gly-OH(8.0ミリモル)、1.48gのHCl・H-Gly-O
rn(HCl)-Gly-Gly-OCH3(3.8ミリモル)、1.69gのWSC・HCl(8.8ミリモル)、1.3
5gのHOBt(8.8ミリモル)および1.12mlのTEA(8.0ミリモル)を、0℃で30mlのD
MFに溶解した。室温で15分間攪拌しながら反応を続けた。DMFを留去後、残渣を2
00mlのメチルエチルケトンに溶解した。溶液を、1M HCl/食塩水 1/1(4x20ml
)、5% NaHCO3(3x20ml)および食塩水(3x20ml)で抽出した。1M HClで酸性化
した後、溶媒を留去し、生成物を酢酸エチル/エチルエーテル 1/4 v/vから結晶
化して単離した。収量:エチルエーテルでさらに3回洗浄後、約4gのメチルエス
テルが単離された。3.97gを50mlの温メタノールに溶解し、溶液を室温で平衡化
させ、次に4mlの1M NaOHで16時間処理した。溶媒を留去後、残渣を200mlのメチ
ルエチルケトンに溶解し、10mlの1M HClと20mlの食塩水をこの溶液に加えた。溶
液を注意深く抽出し、食塩水(3×30ml)で中和した。次に有機層をNa2SO4で乾
燥し、濾過し、溶媒を留去した。粗生成物を酢酸エチルから結晶化し、得られた
固形分をエチルエーテルで3回洗浄した。収量:3.7g。単一のHPLCピークが19.14
分、勾配(I)で現れた。MS: M-Na+およびM-K+について1,298 Daと1,314 Da(理論
値:1,275 Da)。
【0034】4) N{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn(Boc) -Gly-Boc]2}3の合成 510mgの[Boc-Gly-Orn(Boc)-Gly-Gly]2-Gly-Orn-Gly-Gly-OH(0.4ミリモル)、
73.3mgのN[CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH2]3・HCl(0.1ミリモル)、96.0
mgのWSC・HCl(0.5ミリモル)、77.0mgのHOBt(0.5ミリモル)および56μlのTE
Aを、室温で20mlのDMFに溶解した。TEAを加えて塩基性pHにし、混合物を48時間
攪拌しながら反応させた。DMFを留去後、残渣を100mlのメチルエチルケトンに溶
解し、溶液を0.5% NaHCO3(3x20ml)と食塩水(3x20ml)で抽出した。1M HClで
酸性化した後、有機溶液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を留去して、白色の粉
末性固形分を得て、これを繰り返しエチルエーテルで洗浄した。収量:450mg。
単一のピークが、22.69分、勾配(I)で観察された。MS:M-H+とM-Na+について4,3
59 Daと4,381 Da(理論値:4,355 Da)。
【0035】5) N{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[ Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn(Ac)-Gly-Ac]2]2]2}3の合成 436mgのジN{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-O
rn(Boc)-Gly-Boc]2}3(0.1ミリモル)を、2mlの温DMSOに溶解した。次にジオキ
サン中の15mlの4M HClを溶液に加え、室温で平衡化させ、1時間攪拌しながら反
応を維持した。得られた塩を粉砕し、2,000rpmで遠心分離して単離した。酢酸エ
チルで2回洗浄後、吸湿性生成物を真空下でP2O5で乾燥した。363mgの塩(0.1ミ
リモル)を2mlの水に溶解し、0.1M NaOHで中和し、1.53gの[Boc-Gly-Orn(Boc)-G
ly-Gly]2-Gly-Orn-Gly-Gly-OH(1.2ミリモル)、250mgのWSC・HCl(1.3ミリモル
)、200mgのHOBt(1.3ミリモル)および210μlのTEA(1.5ミリモル)を含有す
る5mlのDMF溶液に加えた。溶液を攪拌しながら室温で48時間反応させた。DMFを
留去後、固形分を50mlのメチルエチルケトンに溶解し、溶液を5% NaHCO3(3x20m
l)と食塩水(3x20ml)で抽出した。1M HClで酸性化した後、Na2SO4で乾燥し、
有機層を濾過し、溶媒を留去して固体残渣を得て、これを繰り返しエチルエーテ
ルで洗浄した。固形分を真空下で乾燥し、再度20mlのTFA/水 98/2 v/vに溶解
し、攪拌しながら2時間反応させた。溶媒を除去後に得られた残渣を、エチルエ
ーテルで繰り返し洗浄し、真空下で乾燥した。 800mgのトリフルオロ酢酸塩(3.6ミリモル)を、905mgのp-ニトロフェニル酢
酸(5.0ミリモル)と700μlのTEA(5ミリモル)とともに10mlのDMF/水 1/1 v/
v に溶解した。溶液を50時間反応させた。溶媒を留去後、残渣をエチルエーテル
で繰り返し洗浄し、真空下で乾燥した。収量:1.1g。粗生成物をセファデックス
G-50で50%酢酸を溶出液としてSECにより精製した。標的生成物を含有する画分を
プールし、凍結乾燥した。MS:15,439 Da(理論値:15,431 Da)。デンドリマー
の分子量は、実施例1)に記載したように、75HR10/30 Pharmacia Superdex カラ
ムを使用してSEC HPLCによっても決定されている。R.t.:18分。デンドリマーは
、実施例1)の方策に従い調製したものと同一であった。
【0036】実施例3 本例は、4-[4-(1-(アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブタン酸
光分解性残基を含有する第7世代デンドリマーの合成を例示する。 1) の合成 合成は、Milligen 9050装置で、0.5cm(I.D.)カラムを使用して、0.1gのFmoc
-Cys(Trt)-PEG-PS(Millipore)樹脂を充填して行った。充填:0.16ミリモル/g
【0037】 鎖の組み立ての第1のサイクルにおいて、DMF中20%のピペリジンでFmocを除去
後、4-[4-(1-Fmoc-アミノエチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブタン酸を
システイン(Trt)残基に縮合させた。モノデンドロンの合成のためのすべての
以後の工程は、実施例1)に記載のプロトコールに従って、Fmoc-Gly-Orn(Fmoc)-G
ly-Gly-OHと同じ溶媒と試薬を使用して行った。収量:480mg。TFA/水 95/5 v/v
で切断後、粗生成物をセファデックスG-50で50%酢酸を溶出液としてSECにより精
製した。標的生成物を含有する画分を水で希釈し、3回凍結乾燥した。MS:41,98
0 Da(理論値:41,972 Da)。
【0038】 2) の合成 3.86mgのトリス(2-マレイミドエチル)アミン(Pierce)(0.01ミリモル)と4
.0gの (0.1ミリモル)を、5mlのDMF/水 10/90 v/vに室温で攪拌しながら溶解し、見
かけのpH 7.0で3時間反応させた。次に、2,2'-ジピリジルジスルフィドであらか
じめ活性化した10gのチオール−セファロース4B樹脂を溶液に加えて、未反応モ
ノデンドロンを7mlのPBS緩衝液(pH 7.3)中でチオール−ジスルフィド交換によ
り分離した。樹脂を除去後、溶液から溶媒を留去し、水で希釈し、凍結乾燥した
。次に粗生成物をセファデックスG-50で50%酢酸を溶出液としてSECにより精製し
た。標的生成物を含有する画分を水で希釈し、凍結乾燥した。収量:751mg。MS
:126,309 Da(理論値:126,299 Da)。
【0039】実施例4 本例は、実施例1〜3に記載のポリペプチドデンドリマーの、酵素的加水分解に
対するin vitroの安定性を示す。 in vitroでの分解は、ブタの腎臓から単離したロイシンアミノペプチダーゼVI
(E.C.3.4.11.1)(その活性は、ロイシン-4-ニトロアニリドですでにチェック
されている)に対して検討した。デンドリマー濃度:5mM MgCl2を含有する50mM
トリス−塩酸緩衝液(pH 8.5)中1.10-3 M。酵素濃度:3U/ml。実験は、37℃で
往復振盪機中で行った。一定の時間間隔で取ったサンプル(各100μl)を10% T
FAでブロックし、遠心分離(10,000×g、5分)した後、Lichrosorb RP 18 (10
μm)カラムを備えたWaters mod.660装置でHPLC測定を行った。検出は、Jasco U
videc-100-II検出器により行った。溶出液Aは、0.1%TFA水溶液であり、溶出液B
は、0.1%TFAアセトニトリル液であった。勾配:23分間でB 0%からB 21%まで。 前述のように37℃でデンドリマー濃度約1.0ナノモル/ml血漿を使用して、ヘパ
リン化ヒト血漿中の分解を検討した。経時的な分解の程度は、特定の時間に現れ
るHPLCシグナルの面積を、最初の面積と比較して得られた。遊離のアミノ末端を
有する第4世代デンドリマーの半減期は、ロイシンアミノペプチダーゼVIに対し
て約12時間であり、ヒト血漿では約8時間である。アセチル化第4および第7世代
デンドリマーは、ロイシンアミノペプチダーゼVI(半減期、23時間)に対しても
、ヒト血漿(半減期、16時間)に対してもあまり不安定ではなかった。
【0040】実施例5 本例は、実施例1)で調製した第6世代ポリペプチドデンドリマー中へのエンケ
ファリナーゼインヒビターL-Trp-L-Alaの拡散による充填および経時的な放出に
ついて例示する。 実施例1)で調製した遊離のアミノ末端を有する第6世代ポリペプチドデンドリ
マー30mgを、8mgのL-Trp-L-Alaの水溶液2mlに加え、24時間後、清澄な溶液を攪
拌しながら15mlのエタノールで沈殿させた。沈殿物を遠心分離し、無水エタノー
ルで洗浄し、真空下でP2O5で乾燥させた。収量:29mg。次に単離した生成物10mg
を10mlの水に溶解し、溶液を3〜15mlの「Slide-A-Lyzer Dialyzer Cassette」(
Pierce)(「カットオフ」、10,000 Da)中に注入した。100mlの水に対してゆっ
くり攪拌しながら48時間透析を行った。200μlの溶液アリコートを水で最終容
量1mlになるように希釈した液の280nmの吸光度を、30分毎に測定した。約12時間
の透析中に観察された吸光度値の上昇は、デンドリマー担体からゆっくり拡散し
ながらジペプチドが時間とともに放出されることを示した。透析カセットの外の
溶液のA280は、10mgのジペプチドを110mlの水に溶解して調製した参照溶液より
わずかに低かった(-6%)。
【0041】実施例6 本例は:a)ヘパリンの存在下で行った3官能基コアへの第7世代モノデンドロン
の縮合中の、光不安定性結合を含有する第7世代ポリペプチドデンドリマーへの
ヘパリンの捕捉、およびb)充填したデンドリマーの光分解によるヘパリンの放出
を例示する。 1)1.12gのヘパリンナトリウム(ヒツジヘパリンの脱重合により得られる、分
子量約2,500 Da:活性、約180 IU/mg)を、第7世代デンドリマーの合成のための
実施例3.2で使用した試薬に、見かけのpH 7.0で加えた。モノデンドロン縮合は
、室温で3時間延長した。過剰のモノデンドロンを、2,2'-ジピリジルスルフィド
であらかじめ活性化したチオール−セファロース4B樹脂で除去し、樹脂を濾過し
た後、生じた清澄な溶液を、直接セファデックスG-75カラムにのせた。デンドリ
マーを流速0.5ml/分の水で溶出し、過剰のヘパリンから分離した。収量:1.04g
【0042】 2)750mgの「充填した」デンドリマーを、6mlの水に溶解し、石英バイアル中で
360nmで600分照射した。次に、1mlの照射溶液を、実験開始前12時間絶食させた6
匹の雄のラット(体重約600g)それぞれに静脈内注入した(ラット3〜8)。同様
の体重の6匹の雄のラット(ラット9〜14)について、6mlの水に溶解した「充填
した」デンドリマー750mgの非照射溶液1mlを使用して、同じ実験を繰り返した(
ラット9〜14)。ラット1は、まったく注入せず、ラット2は、1mlの水に溶解した
ヘパリン250mgを静脈内注入した。ヘパリンの抗凝固作用(すなわち、尾の静脈
から採取したサンプルから取った血清試料についてフィブン凝固を形成するのに
必要な時間)を、APTT(活性化部分トロンボプラスチンテスト)試験により確認
した。結果を以下に報告する。
【0043】
【表1】 2時間以内に、ラット3〜8は、ヘパリンのみで処理したラット2に近い凝固時間
を示した。非照射デンドリマーで処理したラット9〜14は、4時間の間に凝固時間
の上昇を示した。4時間目に、凝固時間は、ヘパリン注入から2時間後のラット2
で観察されたものよりわずかに短かった。ラット9〜14の凝固時間は、24時間後
に正常になる。まとめると、上記結果は、a)低分子量ヘパリンはデンドリマー担
体内に捕捉される、b)デンドリマー骨格内に取り込まれた光不安定性残基の光分
解は、担体からのヘパリンの放出を決定する、およびc)非照射デンドリマーは、
血液中のその構造のゆっくりした酵素的分解と平行して、徐々にヘパリンを放出
することを示している。
【0044】実施例7 本例は、a)実施例2)に記載のように得られた第4世代デンドリマーのマウス中
の免疫原性の欠如、およびb)NH2末端の一部がオクタペプチド抗原Asn-Ala-Asn-P
ro-Asn-Ala-Asn-Pro(プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparu
m)サーカムスポロゾイトプロテイン(Circumsporozoite Protein)の免疫優勢
エピトープの短いセグメント)に共有結合する時のアジュバント性を報告する。
【0045】1) N{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[ Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly-H]2]2]2}3の免疫原性 50μgのアセチル化デンドリマーを、50μlのフロイントの完全アジュバント
に溶解し、5群のC57/8L/6マウス(1群7〜10匹のマウス)の尾の付け根に注入し
た。3週間後、25μlのフロイントの不完全アジュバントに乳化した25μgのデン
ドリマーを、同じ方法に従って注入した。10日後、眼窩後静脈叢を穿刺して各マ
ウスから血液サンプルを取った。抗デンドリマー抗体の存在についてELISAで、
血漿サンプルを評価した。簡単に説明するとマイクロタイター96ウェルプレート
(Maxisorp F 96, Nunc, デンマーク)を、加湿チャンバー中で4℃で一晩、PBS
(pH7.2)中に1μg/mlのアセチル化デンドリマーを含有する溶液100μlで被覆
した。次にプレートをPBSと5%脱脂粉乳で室温で2時間飽和させた。3回洗浄後(
リン酸緩衝液、pH7.4、および0.05%ツイーン20)、PBSで連続希釈した血清、2.5
%脱脂粉乳および0.05%ツイーン20を、室温で1時間プレートに加えた。洗浄後、P
BSで希釈したアルカリホスファターゼに結合したウサギ抗マウスIgG特異的多価
免疫グロブリン、2.5%脱脂粉乳および0.05%ツイーン20を、1時間加えた。プレー
トを洗浄し、p-ニトロフェニルリン酸基質で酵素の存在を証明した。405nmでの
吸光度をDynatech 25000 ELISAリーダーで測定した。抗デンドリマー抗体は検出
されなかった。洗浄の繰り返し中にウェルからデンドリマーが除去されるリスク
を避けるために、ポリエチレン製ピンに非アセチル化デンドリマーを結合(結合
試薬としてDCI/HOBt、室温、24時間)し、アクリル酸の6% v/v水溶液中でγ線
照射した後、実験を繰り返した(M. Geysenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1
984, 81, 3998-4002)。抗デンドリマー抗体は、すでに記載したように操作して
、ポリエチレン製ピンをマイクロタイタープレートのウェルに浸して検出した。
再度、抗デンドリマー抗体はマウス血清中で検出されなかった。
【0046】2) Asn-Ala-Asn-Pro-Asn-Ala-Asn-ProのN{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH -Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly-H]2]2]2 }3への結合 400.6mgのN{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-O
rn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly-H]2]2]2}3(1.8ミリモル)を、636mg
のFmoc-Asn-Ala-Asn-Pro-OH(1.0ミリモル)、192mgのWSC・HCl(1.0ミリモル)
、154mgのHOBt(1.0ミリモル)および460μlのTEAとともに10mlのDMF中に溶解
した。TEAで塩基性pHにした溶液を、室温で10時間攪拌し、次に500μlのTEAを
添加後、218.1mgの(Boc)2O(1.0ミリモル)で処理した。混合物を10時間攪拌し
、5mlのピペリジンで処理し、2時間攪拌し、最後に100mlのエチルエーテルを加
えて沈殿させた。生成物を10mlの水に溶解し、セファデックスG-50で50%酢酸を
溶出液としてSECにより精製した。水で希釈後凍結乾燥して、標的生成物を含有
する画分を回収した。再度400mgの固体を10mlのDMFに溶解し、Fmoc-Asn-Ala-Asn
-Pro-OHのデンドリマーへの結合をもう一度繰り返した。DMF中20%のピペリジン
を5ml加え、室温で3時間攪拌後、100mlのエチルエーテルを加えて生成物を沈殿
させた。収量:305mg。化合物を再度5mlのTFA/水 95/5 v/vに溶解し、室温で1
時間後、100mlのエチルエーテルを加えて、白色の粉末性固体を沈殿させた。真
空下でP2O5で乾燥後、粗生成物をセファデックスG-50 Superfineで50%酢酸を溶
出液としてSECにより精製した。収量:280mg。
【0047】3) N{CH2-CH2-NH-CO-CH(CH2-フェニル)-NH-Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn-Gly[ Gly-Gly-Orn-Gly[Gly-Gly-Orn(-Pro-Asn-Ala-Asn-Pro-Asn-Ala-Asn)-Gly-Pro-As n-Ala-Asn-Pro-Asn-Ala-Asn]2]2]2}3のアジュバント性の評価 5群の雌のBALB/cマウスの各成分(各群7〜10匹)(OLAC、Bicester, Oxon, 英
国)に、前述のように50mlの水に溶解した500μgの抗原−デンドリマーコンジュ
ゲートを注入した。平行して、同じ数のC57/8L/6マウスに、50μlの水に溶解し
た50μgのAsn-Ala-Asn-Pro-Asn-Ala-Asn-Proを注入した。3週間後、25と250μg
の同じ生成物を、2群のマウスに再度注入した。10日後、前述のように各マウス
から血液サンプルを取った。(Asn-Ala-Asn-Pro)40を抗原として使用して、ELIS
A試験により、血清を試験した。(G. Del Giudiceら、J. Clin. Microbiol., 19
97, 25, 91-96)。抗原−デンドリマーコンジュゲートは、Asn-Ala-Asn-Pro-Asn
-Ala-Asn-Pro抗原(2.81±08)と比較して第45週(4.10±0.01)で、より高い抗
-Asn-Ala-Asn-Pro抗体力価(抗体力価の対数幾何平均±標準誤差として)を示す
【0048】 上記のすべての結果を考慮すると、化学合成により得られた本発明のポリペプ
チドデンドリマーは、所期の目的に合致する。特に記載の合成法により単分子ポ
リペプチドデンドリマーが得られ、さらにデンドリマー充填と、in vivoでの酵
素的加水分解および紫外線照射の適用によるゲスト分子の制御放出の実現性が、
証明された。薬学的に許容される賦形剤を含む組成物中の単分子担体ポリペプチ
ドデンドリマー/ゲスト分子系の医学領域における応用が普及しており、癌の化
学療法、抗凝固剤療法および血栓溶解剤療法、抗ウイルス療法、ワクチン、ホル
モンや関連する生物活性物質の制御放出などに関して潜在的には非常に重要であ
る。医学診断には、上記の制御された合成法は、正確に規定された分子量を有す
るデンドリマー担体の金属キレートを調製する可能性を提供し、その結果不完全
な担体構造の存在による欠点を避けることができる。医学診断や治療法への応用
は、記載の例に限定されるものではなく、多くの他の可能性があることは当業者
に明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/12 A61P 31/12 35/00 35/00 C07K 1/02 C07K 1/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i)多官能性コア部分、ii)コアに放射状に結合した分岐ポリ
    ペプチド鎖(モノデンドロン)の末端を構成する空間的に近接した基よりなる外
    表面、および、iii)該分岐ポリペプチド鎖(モノデンドロン)により構成される
    、特徴的な空洞とチャネルを有する短いペプチド分岐単位(プロパゲーター)の
    内部層(世代)を有し、かつ、式(I): K(-L)p-M (I) (式中、 Kは、多官能性コア部分であり、 Lは、ポリペプチドモノデンドロンであり、 pは、コア部分から放射状に出ているポリペプチドモノデンドロンの数であり
    、 Mは、デンドリマーの最外部の分岐である) で示されるポリペプチドデンドリマーであって、前記プロパゲーターは3官能性
    アミノ酸を含有し、該アミノ酸の不斉炭素(プロパゲーター分岐点)が、同一の
    末端反応性基を有する2つの等しい長さのアームと、活性化可能な官能基を有す
    る第3のアーム(プロパゲーター幹)とに連結したものである、上記のポリペプ
    チドデンドリマー。
  2. 【請求項2】 Kが、式(II): X-(CH2)n-X1 (II) (式中、X=X1またはX≠X1であり、XおよびX1はNH、COまたはSである)で示され
    る、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  3. 【請求項3】 Kが、式(III): Y[-(CH2)n-Z]i (III) (式中、Y=CもしくはY=Nであり、ZはNH、S、Cl、Br、Iもしくはマレイミド残基
    であり、n=1〜6、i=3もしくは4である)で示される、請求項1に記載のポリペプ
    チドデンドリマー。
  4. 【請求項4】 Kが、式(IV): X-CH(R)-CO[-NH-CH(R)-CO]n-NH-CH(R)-COOR1 (IV) (式中、Rは(CH2)m-X1であり、m=1〜5であり、R1はメチル、エチル、ブチルもし
    くはイソプロピルであり、X=X1もしくはX≠X1であり、XおよびX1はNH、COもしく
    はSであり、n=1〜6である)で示される、請求項1に記載のポリペプチドデンド
    リマー。
  5. 【請求項5】 Lが単一のモノデンドロンであり、そのプロパゲーターが式(
    V): -CO-CH(R2)-(CH2)n-NR3- (V) (式中、R2=H、または天然もしくは合成のアミノ酸またはその誘導体の側鎖であ
    り、R3=H、または、場合によりOH、SH、ClもしくはBrで置換されていてもよい直
    鎖状の炭化水素基であり、R2-CH(CH2)n-NR3は5もしくは6員環であり、n=0〜6で
    ある)で示される、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  6. 【請求項6】 Lが単一のモノデンドロンであり、そのプロパゲーターが式(
    VI): -CO-CH(R2)-CO-N(R3)-(CH2)m-N(R3) (VI) (式中、R2とR3は、請求項5に示した意味を有し、m=1〜6である)で示される、
    請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  7. 【請求項7】 Lが単一のモノデンドロンであり、そのプロパゲーターが以
    下の残基: -CO-CH2-NH-NH-;-CO-CH(R2)-O-;-CO-CH2-O-N=CH-CO-;-CO-CH(R2)-(CH2)n-S-C
    H2-CO-W;-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-W-; 【化1】 (式中、W=-N(R3)-(CH2)m-NR3、 Q=Hまたは-CH3;TはOまたはSであり、ここでR2 、R3およびmは請求項5に示した意味を有する)のうちの1つで示される、請求項
    1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  8. 【請求項8】 Lが単一のモノデンドロンであり、そのプロパゲーターが以
    下の残基: 【化2】 のうちの1つで示される、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  9. 【請求項9】 pが1、2、3または4である、請求項1に記載のポリペプチド
    デンドリマー。
  10. 【請求項10】 Mが、式(VII): -Aq-B(Ar)-C-Ar[Aq-B(Ar)-C-Ar[Aq-B(Ar-D)-C-Ar-D]2]2 (VII) で示される残基であり、ここで、 A=-CO-CH(R2)-(CH2)n-NR3であり、R3とnは請求項5に示した意味を有し、q=1〜6
    であり、r=1〜4であり、R2は、請求項5に示した意味のほかに、天然または合成
    の3官能基アミノ酸であり; Bは、-CO-CH[-(CH2)n-X1]-Xであり、X=X1もしくはX≠X1であり、XとX1はNH、CO
    もしくはSであり、n=1〜5であり; C=AまたはC=-CO(CH2)n-NH-もしくは-(CH2)n-S-であり、n=1〜6であるか、または
    Cは、以下の残基: 【化3】 のうちの1つであり; Dは、式(VIII)〜(XI): -Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E (VIII) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2 (IX) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar)-C-Aq-[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2]2 (X) -Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar)-C-Aq-[Aq-B(Ar)-C-Aq[Aq-B(Ar-E)-C-Aq-E]2]2]2 (XI
    ) で示される1つの残基であり、ここで、A、B、C、qおよびrは、上記の意味を有
    し; Eは、式(XII)または(XIII): -Aq-B(Ar-P)-C-Aq-P1 (XII) -Aq-B(Ar)-C-Aq[-Aq-B(Ar-P)-C-Aq-P1]2 (XIII) で示され、ここで、A、B、C、qおよびrは、上記の意味を有し、P=P1もしくはP≠
    P1であり、PおよびP1は、H、または直鎖炭化水素基(1つ以上の直鎖もしくは分
    岐鎖アルキル基で置換されていてもよい)、アシル、アミノ酸、ペプチド、ヌク
    レオチド、オリゴヌクレオチド、糖、オリゴ糖、タンパク質、モノクローナル抗
    体、10〜400の-CH2-CH2-O-繰り返しを有するポリエチレングリコール、脂質、酵
    素、金属リガンド、またはその合成類似体もしくは誘導体である、請求項1に記
    載のポリペプチドデンドリマー。
  11. 【請求項11】 デンドリマーの二次元分子の直径が約10〜100nmの範囲で
    ある、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリペプチドデンドリマー。
  12. 【請求項12】 次式: 【化4】 で示されるデンドリマー。
  13. 【請求項13】 次式: 【化5】 で示されるデンドリマー。
  14. 【請求項14】 次式: 【化6】 で示されるデンドリマー。
  15. 【請求項15】 次式: 【化7】 で示されるデンドリマー。
  16. 【請求項16】 次式: 【化8】 で示されるデンドリマー。
  17. 【請求項17】 次式: 【化9】 で示されるデンドリマー。
  18. 【請求項18】 次式: 【化10】 で示されるデンドリマー。
  19. 【請求項19】 次式: 【化11】 で示されるデンドリマー。
  20. 【請求項20】 NH2末端がアセチル化されている、請求項12〜19のい
    ずれか1項に記載のポリペプチドデンドリマー。
  21. 【請求項21】 少なくとも1つの生物活性分子またはマーカー分子が、ポ
    リペプチドデンドリマーの表面に共有結合している、請求項1に記載のポリペプ
    チドデンドリマー。
  22. 【請求項22】 生物活性分子がアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレ
    オチド、オリゴヌクレオチド、脂質、糖、オリゴ糖、小さな有機分子、ならびに
    その合成類似体および誘導体よりなる群から選択される、請求項21に記載のポ
    リペプチドデンドリマー。
  23. 【請求項23】 生物活性分子が薬剤、細胞受容体リガンド、細菌、ウイル
    スおよび寄生体の抗原、および遺伝子治療用化合物よりなる群から選択される、
    請求項21に記載のポリペプチドデンドリマー。
  24. 【請求項24】 マーカー分子が診断イメージング造影剤である、請求項2
    1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  25. 【請求項25】 生物活性分子がポリペプチドデンドリマーに捕捉されてい
    る、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー。
  26. 【請求項26】 生物活性分子がアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレ
    オチド、オリゴヌクレオチド、脂質、糖、オリゴ糖、小さな有機分子、ならびに
    その合成類似体および誘導体よりなる群から選択される、請求項25に記載のポ
    リペプチドデンドリマー。
  27. 【請求項27】 生物活性分子が薬剤、細胞受容体リガンド、細菌、ウイル
    スおよび寄生体の抗原、および遺伝子治療用化合物よりなる群から選択される、
    請求項25に記載のポリペプチドデンドリマー。
  28. 【請求項28】 生物活性分子が抗癌剤である、請求項27に記載のポリペ
    プチドデンドリマー。
  29. 【請求項29】 生物活性分子が抗生物質である、請求項27に記載のポリ
    ペプチドデンドリマー。
  30. 【請求項30】 生物活性分子が抗ウイルス物質である、請求項27に記載
    のポリペプチドデンドリマー。
  31. 【請求項31】 以下の工程: i) 少なくとも2つの反応性官能基を有するコア部分の合成; ii) 一時的にまたは永久的に保護された末端を有するポリペプチドモノデンドロ
    ンの固相上でのダイバージェント合成; iii)ポリペプチドモノデンドロンのコア部分への共有結合; を特徴とする、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマーの製造法。
  32. 【請求項32】 以下の工程: i) 少なくとも2つの反応性官能基を有するコア部分の合成; ii) 一時的に保護された末端を有する第1〜3世代のポリペプチドモノデンドロン
    のコア部分への共有結合縮合による、対応する保護デンドリマーの合成; iii)保護基の除去後、デンドリマー反応性末端へのポリペプチドモノデンドロン
    の反復縮合による目的の最終デンドリマーの合成; を特徴とする、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマーの製造法。
  33. 【請求項33】 分子量が1,000 Da未満の生物活性物質または薬剤を、請求
    項1に記載のポリペプチドデンドリマー中に捕捉する方法であって、以下の工程
    : (a)該分子の濃厚または飽和溶液に、適量のポリペプチドデンドリマーを加える
    こと、 (b)大容量の沈殿剤中で室温にて24時間インキュベートした後、充填されたポリ
    ペプチドデンドリマーを沈殿させること、 を特徴とする、上記方法。
  34. 【請求項34】 分子量が1,000 Daより大きい生物活性物質または薬剤を、
    請求項1に記載のポリペプチドデンドリマー中に捕捉する方法であって、水性緩
    衝液中で、該分子の存在下にコア部分へのポリペプチドモノデンドロンの選択的
    化学結合を行なうことを特徴とする、上記方法。
  35. 【請求項35】 拡散によりデンドリマー担体に充填した後、水性緩衝液中
    で、請求項1に記載のポリペプチドデンドリマーの内部官能基に、生物活性物質
    または薬剤を選択的に化学結合する方法。
  36. 【請求項36】 少なくとも1つの生物活性分子またはマーカー分子が、ポ
    リペプチドデンドリマーの表面に共有結合している、生物活性分子の単分子担体
    としての請求項1に記載のポリペプチドデンドリマーの使用。
  37. 【請求項37】 生物活性分子がアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレ
    オチド、オリゴヌクレオチド、脂質、糖、オリゴ糖、小さな有機分子、ならびに
    その合成類似体および誘導体よりなる群から選択される、請求項36に記載のポ
    リペプチドデンドリマーの使用。
  38. 【請求項38】 生物活性分子が薬剤、細胞受容体リガンド、細菌、ウイル
    スおよび寄生体の抗原、および遺伝子治療用化合物よりなる群から選択される、
    請求項36に記載のポリペプチドデンドリマーの使用。
  39. 【請求項39】 マーカー分子が診断イメージング造影剤である、請求項3
    6に記載のポリペプチドデンドリマーの使用。
  40. 【請求項40】 生物活性分子がポリペプチドデンドリマー中に捕捉されて
    いる、生物活性分子の単分子担体としての、請求項1に記載のポリペプチドデン
    ドリマーの使用。
  41. 【請求項41】 生物活性分子がアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレ
    オチド、オリゴヌクレオチド、脂質、糖、オリゴ糖、小さな有機分子、ならびに
    その合成類似体および誘導体よりなる群から選択される、請求項40に記載のポ
    リペプチドデンドリマーの使用。
  42. 【請求項42】 生物活性分子が薬剤、細胞受容体リガンド、細菌、ウイル
    スおよび寄生体の抗原、および遺伝子治療用化合物よりなる群から選択される、
    請求項40に記載のポリペプチドデンドリマーの使用。
  43. 【請求項43】 生物活性分子が抗癌剤である、請求項40に記載のポリペ
    プチドデンドリマーの使用。
  44. 【請求項44】 生物活性分子が抗生物質である、請求項40に記載のポリ
    ペプチドデンドリマーの使用。
  45. 【請求項45】 生物活性分子が抗ウイルス物質である、請求項40に記載
    のポリペプチドデンドリマーの使用。
  46. 【請求項46】 請求項1に記載のポリペプチドデンドリマーが、その表面
    に共有結合された生物活性分子またはマーカー分子の単分子担体である、薬学的
    に許容される賦形剤を含む組成物。
  47. 【請求項47】 請求項1のポリペプチドデンドリマーが、そこに捕捉され
    た生物活性分子の単分子担体である、薬学的に許容される賦形剤を含む組成物。
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