JP2003506115A - 手術器具用切刃 - Google Patents
手術器具用切刃Info
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Abstract
Description
らなり、表面に、該表面に化学結合されたフッ素原子の層が提供される手術器具
用切刃に関する。
ている。切刃の所望の鋭利さを達成するために、切刃の製造に際して選択される
材料は、ダイヤモンドやサファイアなど結晶性のある硬い材料である。
に付着し、それにより刃の効果が低減する。例えば適切な材料を用いて刃を拭く
、あるいは適切なプラスチック・フォーム、例えばポリスチレンのブロック内に
刃を刺すことによって、これが生じるのを防止し、または少なくとも付着効果を
低減して刃の洗浄を容易にすることが知られている。
固が促進される条件下で悪化する場合がある。これは、手術刃を故意に加熱する
ことによって凝固が誘発されて起こる、あるいは刃と関連して使用される高強度
光源によって、または切刃を介する、もしくは個別に適用されるレーザビームの
同時使用によって起こる場合がある。
に、手術器具用切刃であって、ダイヤモンドからなり、刃を介してレーザ放射線
が透過されて、切開線に沿って焼灼効果をもたらす切刃が記述されている。この
先行出願を参照により本明細書に組み込む。この発明の主題をなす切刃を通過す
るレーザ放射線は、刃を加熱し、刃表面上での血液の付着および凝固を促進する
。
って、刃が、ダイヤモンド、サファイア、ガーネットなど硬く透明な結晶材料か
らなり、 a)刃をプラズマ反応器内に配置するステップと、 b)刃をプラズマ洗浄するステップと、 c)刃を、フッ化炭素(CnFm)ガスのプラズマ中で被覆するステップと を含む方法が提供される。
F4またはC2F6である。
0〜2000ワットの出力レベルで行われる。
中で行われる。
ァイア、ガーネットなど硬く透明な結晶材料からなり、表面に、上述した方法に
従って形成されたフッ素原子の保護層が提供される切刃が提供される。
サファイアからなる。
る方法であって、刃をフッ化脂肪族シリルエーテル溶液中に浸漬するステップを
含む方法が提供される。
む。
水酸基終端面を形成するステップを含むことができる。
の表面上に中間シリコン層またはTi層を形成するステップを含むことができる
。好ましくは、Si層の厚さが50nm未満である。
実施形態は、本発明の実施方法を単に例示するだけであり、本発明の範囲を限定
するものと見るべきではない。
って、手術刃が、ダイヤモンド、サファイア、ガーネットなど硬く透明な結晶材
料からなる方法に関する。保護層の目的は、使用中の刃に対する血液および体液
、ならびに材料の付着効果を低減することである。層は、最小の厚さにして、刃
の鋭利さの低減を最小限に抑えるようにすべきである。これは、層の厚さを最小
限に抑える(極端な場合にはフッ素原子1個分の層)ことによって、またはコー
ティングが塗布された後にカッティング・エッジの片側または両側でマイクロ・
ファセットを研磨することによって、本発明に従って達成することができると想
定される。
方法である。 1.刃を化学洗浄するステップ 2.切刃をプラズマ反応器内に配置するステップ 3.刃をプラズマ洗浄するステップ。これは、空気、酸素、アルゴン、またはそ
れらの混合物のプラズマ中で、5〜20分間、約1mbarの圧力で、約500
ワットの出力レベルで行われる。出力は、過熱を防止するために5%〜50%の
デューティ・サイクルで切り替えられる。この洗浄ステップは、フッ素含有層の
良好な接着を達成すべき場合に重要である。 4.刃をC3F8のプラズマ中で被覆するステップ。この被覆ステップのプロセス
条件は、30〜180分間、50〜2000ワットの出力レベルで圧力が0.0
1〜2mbarである。
ス条件に対する変形形態との説明である。
よび/または酸素ではなくフッ素原子で終端するように変更する。これは、ダイ
ヤモンドなど材料の表面を273〜573Kの温度範囲で原子フッ素に露出する
ことによって達成することができる。手術刃上へのフッ素原子層の好ましい堆積
方法はプラズマ処理である。この方法では、手術刃が、SF6、NF3、HF、F 2 など原子フッ素生成物質中で励起されるプラズマに露出される。アルゴンをプ
ラズマ中に導入して、堆積率を制御可能なレベルまで低減することができる。 2.表面をフルオロカーボンポリマー層で被覆する。これは、テトラフルオロエ
テンなど前駆物質を使用する既知のプラズマ重合技法によって達成することがで
きる。このプロセスは、「Fundamentals of Plasma C
hemistry and Technology」(H.V.Boenig,
Pub Technomatic,1988)と題された論文、およびこの文献
の中で参照された他の参考文献に記載されており、それら全てを参照により本明
細書に組み込む。
である。この方法では、手術刃が、フッ化炭素ガス中で励起されるプラズマに露
出される。アルゴンをプラズマ中に導入して、堆積率を制御可能なレベルまで低
減することができる。
プロセスを受ける時間に応じて決まる。コーティング厚さは、数ナノメートルか
ら数百ナノメートルで変えることができる。刃のカッティング・エッジを鈍らせ
ないように、またレーザ光吸収を制限しないように、より薄いコーティングがよ
り望ましい。
5〜50ミクロンのマイクロ・ファセットが、カッティング・エッジの片側また
は両側で研磨される。
層を達成することもできる。そのような方法の1つは、C2F4環境内で刃を加熱
することである。これは、高温表面上でのC2F4の重合を誘発して、フッ素原子
層を形成する。
アルカン基に化学反応基を付けることによって、フッ素原子をダイヤモンド表面
に化学結合することができる。そのようなフッ化アルカンは、(通常は直鎖)炭
素鎖中の水素原子をフッ素原子で置換した分子である。これは不活性分子であり
、重合変形体は、「Teflon」という商標名で知られている製品に関するベ
ースとなる。フッ化アルカンに化学反応基を付けることによって、ダイヤモンド
表面に結合することができる。そのような化学反応基の一例はSiOHを含む基
であり、これは、水酸基(−OH)で終端する表面に結合することができる。S
iOH基は、水分子を分離することによって水酸基終端面に結合することができ
、それによりフッ化尾部Si−O−Si面結合を形成する。このタイプのコーテ
ィング材料の一例は、フッ化脂肪族シリルエーテルであり、その一般化学式は以
下のように与えられる。 RfA−Si(OH)3
は活性結合基である。この場合、OH基の1つを表面に結合することができ、他
のOH基は、他のフッ化脂肪族シリルエーテル分子に結合し、それによりネット
ワークを形成する。
/60という商標名で市販されている製品である。ここで、フッ化脂肪族シリル
エーテル分子は、アルコール(例えばイソプロパノール)などの溶媒中で溶解さ
れる。溶液をイソプロパノールでさらに希釈してフッ化脂肪族シリルエーテル分
子の濃度を1%未満にし(例えば0.5mlのコーティング流体を60mlのイ
ソプロパノールに加える)、酢酸を加えてpH値を4〜5.5にすることにより
、ダイヤモンド刃をその溶液中に約3分間浸すことによって刃の表面にフッ素原
子の層を塗布することができる。溶液を超音波で攪拌して新しいコーティング流
体と刃表面との良好な接触を確立することが推奨される。刃をコーティング流体
から引き出し、残っているコーティング溶液層をイソプロパノールですすぎ落と
す。ついで、コーティングを高温で硬化させる。フッ化脂肪族シリルエーテル流
体の製造業者によって提供されている製品情報には、硬化は110℃で5分間行
うように書かれているが、235℃の温度を約1時間採用することによって、よ
り良い引っかき(scratch)および擦れ(rubbing)抵抗と、ダイ
ヤモンド刃表面へのより良い接着性とを有するコーティングを達成することがで
きることが判明した。
さらなる難点がある。これは、一般にダイヤモンド表面には水酸基が付いていな
いためである。したがって水酸基被覆面を塗布する方法が本発明の一部となる。
そのような方法は、最大で1時間、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または
これらと硝酸ナトリウムや硝酸カリウムとの混合物など溶融水酸化アルカリ浴内
にダイヤモンド刃を浸漬することによってこれを達成する。それよりも効果は小
さいが、別の方法としては、水蒸気中でのダイヤモンド刃表面に対するマイクロ
波放電の適用である。これは、水分子を解離し、ダイヤモンド表面に付くことが
できる蒸気の形でOHラジカル基を生じる。しかし、放電はまた、同様に表面に
付き、したがっていくつかの結合部位を占有することができる他のラジカル種も
発生し、それによりこれらの結合部位は水酸基に利用できない。この後者の方法
は、部分的に水酸基被覆された表面をもたらす。他の方法は、チタン(Ti)や
クロム(Cr)など界面層の塗布を含む。この層は、希釈NaOH中に浸漬する
によって水酸基で終端させることができる。また、新しく被覆された表面をコー
ティング液中に浸すことによってフッ化脂肪族シリルエーテルを金属表面に直接
付けることも可能である。
NaOH水溶液中にダイヤモンド刃を浸漬し、次いで脱イオン水中ですすぎ、高
濃度(>20%)HCl水溶液中に浸し、再び脱イオン水中ですすぎ、エタノー
ルですすぎ、最後にイソプロパノールですすぎ、その後刃を乾燥させることによ
って達成することができる。このステップの後、上述したように、刃をコーティ
ング液中に浸漬し、コーティングを塗布する。
の表面をシリコン(Si)の薄層で被覆するものである。通常は厚さ50nm未
満のこの層が、SiCを形成することによってダイヤモンドと化学結合をなす。
Si層の厚さが厚くなると、刃外への赤外線の透過が低減し、それに伴って刃で
放射線が吸収され、それにより組織の焼灼効果が低減し、かつ/または刃が加熱
され、刃に組織または血液が余剰に付着するので不利である。光がSi層から出
る必要がない適用例では、層をより厚く塗布する、あるいは他の界面層を塗布す
ることができる。
通常、この材料は、天然、単結晶合成、または多結晶合成ダイヤモンドまたはサ
ファイアである。ただし、ジルコニア(ZrO2)、イットリア(Y2O3)、ガ
ーネット、とりわけイットリウムアルミニウムガーネット、ルテチウムアルミニ
ウムガーネット、バナジン酸塩、および酸化アルミニウム(イットリウム酸化ア
ルミニウムなど)など硬い結晶性の簡単な酸化物など他の材料を使用することも
できる。やはりこの方法に適する可能性がある他の硬い赤外透明結晶は、オルト
シリケートである。
されるものなど、ある範囲のレーザ波長で動作する様々な切刃に適用することが
できる。
Claims (15)
- 【請求項1】 手術器具の切刃上にフッ素原子の保護層を形成する方法であ
って、刃が硬く透明な結晶材料からなり、 a)刃をプラズマ反応器内に配置するステップと、 b)刃をプラズマ洗浄するステップと、 c)刃を、フッ化炭素(CnFm)ガスのプラズマ中で被覆するステップと を含む方法。 - 【請求項2】 刃が、ダイヤモンド、サファイア、またはガーネットからな
る請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 フッ化炭素(CnFm)ガスが、C3F8、C2F4、またはC2
F6である請求項1または請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 刃を化学洗浄するステップを含む前記請求項のいずれか一項
に記載の方法。 - 【請求項5】 被覆が、0.01〜2mbarの圧力で、30〜180分間
、50〜2000ワットの出力レベルで行われる前記請求項のいずれか一項に記
載の方法。 - 【請求項6】 洗浄が、空気、酸素、アルゴン、またはそれらの混合物のプ
ラズマ中で行われる前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項7】 手術器具用切刃であって、硬く透明な結晶材料からなり、表
面に、上述した方法に従って形成されたフッ素原子の保護層が提供される切刃。 - 【請求項8】 ダイヤモンド、サファイア、またはガーネットからなる請求
項7に記載の切刃。 - 【請求項9】 天然、単結晶合成、または多結晶合成ダイヤモンドまたはサ
ファイアからなる請求項7に記載の切刃。 - 【請求項10】 手術器具の刃上にフッ素原子の保護層を形成する方法であ
って、刃をフッ化脂肪族シリルエーテル溶液中に浸漬するステップを含むことを
特徴とする方法。 - 【請求項11】 刃がダイヤモンドからなる請求項10に記載の方法。
- 【請求項12】 200℃を超える温度で層を硬化するステップを含む請求
項10または請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】 刃をフッ化脂肪族シリルエーテル溶液中に浸漬する前に、
刃上に水酸基終端面を形成するステップを含む請求項10から12のいずれか一
項に記載の方法。 - 【請求項14】 刃をフッ化脂肪族シリルエーテル溶液中に浸漬する前に、
刃の表面上に中間シリコン層を形成するステップを含む前記請求項のいずれか一
項に記載の方法。 - 【請求項15】 Si層の厚さが50nm未満である請求項14に記載の方
法。
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