JP2003505704A - クラスターをフラグメント化する方法及び装置 - Google Patents

クラスターをフラグメント化する方法及び装置

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JP2003505704A JP2001512616A JP2001512616A JP2003505704A JP 2003505704 A JP2003505704 A JP 2003505704A JP 2001512616 A JP2001512616 A JP 2001512616A JP 2001512616 A JP2001512616 A JP 2001512616A JP 2003505704 A JP2003505704 A JP 2003505704A
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ゲブハルト、クリストフ
シュレーダー、ハルトムート
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マツクス−プランク−ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デル ヴイツセンシャフテン エー フアウ
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    • H01J27/00Ion beam tubes
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    • H01J27/026Cluster ion sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
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    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0459Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for solid samples
    • H01J49/0463Desorption by laser or particle beam, followed by ionisation as a separate step
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H3/00Production or acceleration of neutral particle beams, e.g. molecular or atomic beams
    • H05H3/02Molecular or atomic beam generation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】本発明は、担体物質を含む少なくとも1つのクラスターを発生させること、及びクラスターをクラスター・フラグメントにフラグメント化すること、という工程を有する、クラスターをフラグメント化する方法に関する。フラグメント化前に、クラスターに少なくとも1つの反応体を負荷する。この反応体は、フラグメント化後に少なくとも1つのクラスター・フラグメントの一部である。本発明はこの方法を実行するクラスタービーム装置に関し、このクラスター・フラグメント化を分析に、表面の洗浄に、クラスターの分析に、エンジンの操作に適用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラスターをフラグメント化する方法、特に、電気的に異なって荷
電された粒子を発生させる及び/又は電気的に中性の粒子を操作するクラスター
・フラグメント方法、及びクラスターをフラグメント化する装置に関する。本発
明は、クラスター・フラグメント化の、境界面での物質の分析のための、表面の
洗浄のための、及びイオン源及び/又はイオンエンジンの構成の際の、使用にも
、並びに、クラスター(又はエアロゾル粒子)を、特に、自然由来のこれらを、
その量又は組成に基づいて分析すべきであるときの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的に中性の粒子への影響行使又は該粒子の検出は、周囲との相互作用が僅
かに弱く現われるので、比較的高い技術的コストに結び付いている。これに対し
、電気的に荷電された粒子のクーロン相互作用は、電磁界を用いての容易な操作
を、及び、例えば直接的な電気測定による、容易化された検出を可能にする。従
って、電気的に中性の電子、分子又は対応の原子群又は分子群を、対応の荷電さ
れた粒子に転換すること(イオン化)は利点である。一般的には、少なくとも1
つの電荷担体、例えば電子を中性の粒子に加えることによって又は電荷担体の除
去によって、電気的に中性の粒子から、荷電された粒子への転移がなされる。そ
れ故に、元来中性の粒子には実効電荷が残る。最重要な周知のイオン化技術は、
イオン衝突によるイオン化と、レーザによるイオン化と、電子の添加と、プラズ
マによるイオン化とを含む。
【0003】 プラスのイオンを発生させるための知られた方法の場合、通常、1段階イオン
化がなされる。この場合、中性粒子に実際に即座に供給されたエネルギーは、少
なくとも1つの電子を、発生している陽イオンから完全に分離するために、十分
に大きい。分離された電子は通常はもはや用いられない。それ故に、費やされた
単位あたりのイオン化エネルギーにつき、1つの関連の電荷担体が発生されるだ
けである。
【0004】 従来のイオン化の場合の一般的な問題は中性粒子を対応のイオンに定量的に転
換することである。努めて得られるイオン化度(元来ある中性粒子数に対するイ
オン化された粒子の比率)は、高い技術的なコストの下でのみ、出来る限り1近
くに達成される。しばしば、イオン化は元の中性粒子の破壊と結び付いている。
従来のイオン化技術は軽いイオン(荷電された分子又は分子群)の発生に限定さ
れている。しかし、表面加工の際の及びイオンエンジンの作動の際の種々の利用
範囲では、特に多くてかつ特に重いイオンの発生が利点である。
【0005】 電気的に中性の粒子の影響行使及び検出のみならず、これらの粒子の、気相へ
の転移もまた、技術的諸問題に結び付いている。生物学上関連のある高分子又は
DNA断片のような、特に、大きな分子結合体の場合、担体物質又は周囲の溶媒
との相互作用は強いので、脱離又は浸出の実験の際に、分子内の結合も壊され、
かくて、気相への転移は出発物質の破壊を伴う。
【0006】 転移の工程によって、分子は通常強く加熱される(回転自由度、振動自由度及
び電子自由度の励起)。気相では、分子はこの過剰なエネルギーを排出する効果
的な方法を有しない(熱浴への結合がない)。結果として、同様に(wiederum)、
分子結合の破壊又は変性が生じる。分光分析は、同様に、高い励起状態によって
妨げられる。大きな分子を気相に転移することは、例えば質量分析の第1段階と
して、技術的な重要性を有する。
【0007】 大きな分子を気相に転移するための知られた方法はMALDI法(matrix assi
sted laser distortion ionization)である(例えば米国特許第58 28 063号)。
しかし、このために必要なレーザのコストは使用を非常に限定する。
【0008】 いわゆるクラスターの形の分子結合体又は原子結合体の発生は周知である。ク
ラスターは、固体状態とは異なるその特別な物質特性の故にのみならず、例えば
、表面の変更又は洗浄の際の、操作可能な粒子としても、利点を有する。W.ス
キナー他(『Vaccum Solutions』、3月/4月1999年、29頁以下)は、例
えば、表面加工の際のガス原子からなるイオン化されたクラスターの適用を記述
している。
【0009】 イオン化された粒子を発生させるための知られた方法は、水及び二酸化イオウ
のクラスターのフラグメント化によって、与えられている。しかし、このフラグ
メント化は、下記の理由から、理論的な意義のみを有する。例えば、A.A.ヴ
ォストリコフ他は、『Chemical Physics Letters』第139巻、1977、12
4頁以下に、『物理学雑誌のシリーズD』第20巻、1991、61頁以下に、
『物理学雑誌のシリーズD』第40巻、1997、542頁以下に、固体表面に
衝突の際に水のクラスターをイオン化することを記述している。更に、ヴォルフ
ガング・クリステン、カール-ルートヴィッヒ・コムパ、ハルトムート・シュレ
ーダー及びハインリッヒ・シュテュルプナーゲルの刊行物(『物理化学のための
ブンセン協会の報告』第96巻、1992、1197頁以下に所収)からは、単
結晶の表面での機械的な分散の際にSOのクラスターをイオン化することが知
られている。HOクラスターの、表面への衝突の際の、イオン化されたクラス
ターセグメントの形成は、HO→H+OHを表わす自己プロトリシスによ
って説明される。衝突の時点でクラスターの種々の粒子にあるイオンH及びO
は、フラグメント化によって互いに分離され、種々のクラスター・フラグメ
ントと共に連行される。そのときクラスター・フラグメントは外に対し電気的に
荷電されている。
【0010】 クラスター・フラグメント化によるイオン化は、従来、全く実際的な意義を有
しない。何故ならば、イオン化はHO又はSOに限定されており、極めて僅
かな効率を有するからである。かくて、通常の諸条件では、水中に10の9乗番
目の各粒子のみがイオン化されている。従って、荷電されたクラスター・フラグ
メントを発生させる確率は非常に僅かである。HOのクラスターをフラグメン
ト化するための他の研究(『物理学雑誌のシリーズD』第41巻、1997、5
7頁以下のP.U.アンダーソン他の刊行物を参照せよ)は、クラスターが当た
った表面からクラスターへの電子伝達への影響に、及び、これに結び付いた、ク
ラスター・フラグメントのイオン化に向けられている。
【0011】 金属原子でドープされたクラスターの電子的特性の研究も知られている。例え
ば、R.タッソウ他が『物理化学雑誌のシリーズA』第101巻、1997、3
078頁以下に、I.V.ヘルテル他が、『Physical Review Letters』第67
巻、1991、1767頁以下に、分子のクラスター中のアルカリ原子のための
電子非局在化を記述している。更に、『Physical Review Letters』第70巻、
1993、1775頁以下のR.N.バーネット他の刊行物、『Physical Revie
w Letters』第76巻、1996、956頁以下のK.S.キム他の刊行物、及
び『化学物理学雑誌』第100巻、1994、4981頁以下のD.フェラー他
の刊行物からは、HO及びNHのクラスター中のナトリウムの性質が記述さ
れている。クラスターに溶けた状態のナトリウムがイオン化テンシャルの減少を
引き起こすことが、確認された。このことから、実際の適用を導き出すことはで
きなかった。例えばクラスター中のナトリウムの電子的性質の従来の研究は長寿
命の平衡状態で実行された。しかし、こうした平衡状態は、これまで、クラスタ
ー中の電荷担体が移動する証拠を供しなかった。
【0012】 水、アンモニア及びアセトニトリルからなるクラスター中のアルカリ原子によ
る電荷担体対の発生も記述された(『Clusters of atoms and molecules II』H
.ハーバーラント編、シュプリンガー、1984、7乃至11頁のC.P.シュ
ルツ他を参照せよ)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、荷電された粒子を発生させるための及び/又は電気的に中性
の粒子を操作するための改善されたクラスター・フラグメント化方法であって、
特に、物質の拡大された範囲で、使用することができ、高められたかつ制御可能
な効率を有する方法を準備することである。本発明の課題は、また、このタイプ
の方法を実行するための装置を記載することである。本発明の課題は、更に、改
善されたクラスター・フラグメント化方法で発生された荷電されたか荷電されな
いクラスター・フラグメントの、新たな適用可能性を記載することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
これらの課題は請求項1,21及び29の主題によって解決される。本発明の
好都合な実施の形態及び他の使用は従属請求項から明らかである。
【0015】 本発明の基本思想は、従来のフラグメント化方法を、実際のフラグメント化の
前に、例えば、クラスターの、境界面への機械的な衝突によって、クラスターに
反応体を負荷するように、更に開発することである。反応体は個々の原子又は分
子、原子結合体又は分子結合体からなり、あるいは、反応体自体がクラスター又
はクラスター・フラグメントである。
【0016】 クラスターとしては、純粋に物理的な力(例えばファン・デル・ワールス力又
はH橋状結合)によって比較的弱く結合された、原子又は分子の結合体あるいは
原子凝集体又は分子凝集体が挙げられる。これらの結合体又は凝集体の内的な嵩
密度は固体の密度と比較可能であるが、これらの固体は気相粒子の性質を外に対
し有している。クラスターの(中位の)大きさは用途に従って調節され、僅かな
粒子(約10)から粒子の大きな数(例えば1000又は数1000)へ達する
ことができる。クラスターは巨視的なエアロゾル粒子と同じ大きさであってもよ
い。
【0017】 本発明の或る実施の形態では、反応体は電気的に中性の分子からなる。これら
の分子は、担体物質との物理的な相互作用によって、クラスター・フラグメント
へピックアップされることができる
【0018】 本発明の他の実施の形態では、反応体は、クラスター物質(担体物質)の粒子
によって対の電気的に異なって荷電された電荷担体を発生させる能力を有する。
クラスターのフラグメント化が誘導されている間に、これらの発生された電荷担
体は、破裂するクラスターの種々のフラグメント上にあって、クラスター・フラ
グメントの慣性運動によって空間的に分離されることができる。複数の電荷担体
が外に対し互いに中和してなる元のクラスターと異なって、フラグメント従って
また個々の電荷担体を空間的に分離することによって、相互の遮蔽がなくなる。
それ故に、互いに分離された、荷電されたクラスター・フラグメントは、外に対
し電気的に荷電された自由粒子を形成する。以下、これらの粒子をイオンとも言
う。発生された荷電担体を種々のフラグメントに分配することの代わりに、適切
な方法の実施の場合、プラスに荷電されたフラグメントの発生のみがなされるこ
とができ、他方、マイナスの電荷担体は、現にある(jeweilige)境界面上を流れ
る。
【0019】 電荷担体対の発生は、化学反応によって又は反応体のイオン化によってあるい
は他に外部励起によって、例えば、電荷担体の転移を光の照射又は機械的な衝突
によって誘発することによって、自発的になされる。電荷担体が種々のフラグメ
ント上にあるという確率に、クラスターの大きさと、クラスターの速度と、フラ
グメント化の諸条件との選択によって、影響を及ぼすことができる。この確率が
一般的に高められているのは、クラスター内の高い移動度を有する電荷担体(例
えば、水素結合で結合されたクラスターの電子又は陽子)が、反応体として生じ
る場合である。何故ならば、この場合、既にクラスター内での空間的な分離が生
じるからである。
【0020】 好都合な実施の形態では、同時に、本発明に係わる方法に基づいてクラスター
・フラグメントをイオン化することが生じる。
【0021】 クラスターを形成する担体物質は、好ましくは、極性分子から、自身の双極子
モーメントを有する分子、例えば、H0,SO,NO,NH,NO
SF,CHCN,CHClF又はイソブデンからなる。極性分子は、クラ
スターにあるイオンのクーロン相互作用を弱めるという利点を有する。更に、極
性周囲は、全く一般的に、イオン反応の進行を促進する。更に、分子のより強い
双極子相互作用は反応体のピックアップを容易にする。担体物質は1つ又は複数
の反応体とは異なった化学組成を有する。
【0022】 フラグメント化されるクラスターへの反応体の負荷は、クラスターの発生中に
、気相内で、あるいはフラグメント化の直前の境界面でなされる。このためには
、原子又は分子あるいは原子群又は分子群は、気相を通って、1つ又は複数のク
ラスターへ、又はクラスターのフラグメント化のために設けられた表面へ付けら
れる。反応体が、電荷担体対を発生させつつクラスターの担体物質と反応する物
資からなることは、好ましい。極性の担体分子の場合に、反応体として、例えば
10eVよりも下の、僅かなイオン化エネルギーを有する物質、特に、リチウム
、ナトリウム、カリウム及びセシウムのようなアルカリ原子を選択することは好
ましい。このように低いイオン化ポテンシャルを有する物質の使用は、極性分子
からなるクラスターの内部で自発的に電子放出がなされる、という利点を有する
。この際に「高い」効率で発生された電荷担体を、クラスターのフラグメント化
の、本発明に係わる方法によって、効果的に分離することができる。しかし、本
発明に係わる方法は、用途に応じて、特に、クラスターの中位の質量と、クラス
ターの中位の速度と、担体物質の分子の双極子モーメントの強さとに応じて、他
の反応体を用いて、実現される。
【0023】 クラスターのフラグメント化は、一般的には、エネルギー供給によってなされ
る。機械的なエネルギー供給の場合、所定の速度又は速度分布による、1つ又は
複数のクラスターと表面との衝突がなされる。この表面は気相と固体との又は気
相と液体との転移を表わす。境界面は幾何学的に任意に形成されていることがで
き、多くの適用の際に、好ましくは固体の物質面によって形成される。この物質
面は、クラスターが発生されて加速されてなる空間に隣接している。このことは
、クラスターが通る経路に境界面を設けることによってのみ表面との相互作用が
保証されている、という利点を有する。このことは、各クラスターが1の確率を
もって表面に当たって、フラグメント化されること、を意味する。境界面は、一
般的には、固定されている必要はない。例えばクラスターのフラグメント化方法
に影響を与えるために、動く境界面によってクラスターと境界面との間の相対速
度を適切に上げたり又は下げたりすることは、特に好都合である。更に、境界面
を小さな液体粒子によって又は気相内のクラスターによって形成することも、可
能である。
【0024】 他に、クラスターをフラグメント化するために放射エネルギー供給を実行する
ことができるのは、例えば、レーザ照射によってクラスター内の分子を電子状態
又は振動状態の励起に晒すことによってである。
【0025】 本発明に係わる方法の好適な適用は、固体表面の変更、洗浄又は分析にあり、
量及び組成に関してクラスター及びエアロゾル粒子の分析にあり、測定又は分析
の目的のための又はイオンエンジンのためのイオン源の準備にある。本発明の他
の適用では、中性分子を操作するためにクラスター・フラグメント化方法を用い
ることが提案される。詳しくは、操作される分子を、クラスターのフラグメント
化の前に反応体のようにクラスターからピックアップし、クラスター・フラグメ
ントに転移する。クラスター・フラグメントへのピックアップによって、分子は
気相に転移され、転移中に、場合によっては、本発明に係わる方法の1によって
イオン化され、かくて、知られた操作又は測定に供される。
【0026】 本発明の他の観点では、前記クラスター・フラグメント化を実行する装置は、
クラスタービーム装置の形で記述される。この装置は,特に、クラスター発生装
置及びクラスター・フラグメント化装置の点で並びにクラスター・フラグメント
のための制御・ガイド・測定装置の点で際立っている。クラスター発生装置は知
られたクラスター源を有する。クラスター・フラグメント化装置は、クラスター
発生装置によって準備された1つ又は複数のクラスターを、用途に応じて形成さ
れた境界面に衝突させるために、設計されている。
【0027】 本発明は以下の利点を有する。電荷担体の発生は、従来のイオン化方法とは異
なり、2段階でなされる。まず、クラスターに反応体を負荷することによって、
外に対し中性の陽イオン/陰イオン対を形成する。次に、この対をクラスターの
フラグメント化によって分離する。陽イオン/陰イオン対を形成するためには、
既に、多数の効率的な化学反応が用いられている。他の利点は、電荷担体対の発
生のために必要なエネルギーがクラスターの粒子に対応する単一イオンを発生さ
せるためのエネルギーよりも著しく小さいことにある。エネルギーの差は、クー
ロン相互作用によってクラスター中の陽イオン/陰イオン対を相互に安定化させ
ることから生じる。クラスターのフラグメント化によってはじめて、この安定化
が終了され、相互のクーロン引力を克服するエネルギーはクラスター・フラグメ
ントの運動エネルギーから由来する。従って、必要なイオン化エネルギーは、本
発明に従って、2段階又は部分で供給される。
【0028】 この2段階法は、特にコスト又は労力の点でも各エネルギーの準備の際に異な
る、そういう種々のエネルギー形態の使用を可能にする。かくて、イオン化エネ
ルギーの一部は、「高価な」エネルギーパック(例えばレーザ光子)によって準
備され、他の部分は「安価な」エネルギーパック(例えば運動エネルギー)によ
って準備される。
【0029】 クラスターに電荷担体対を埋め込むことにより、クラスター媒体(担体物質)
への誘電体のような影響によって、クーロン相互作用は著しく減じられる。気相
とは異なって、空間的な電荷分離の可能性は既にクラスターにある。このことに
よって、自由な電荷担体の発生のために必要なエネルギー量は著しく減少される
【0030】 従来のイオン化方法に比べての重要な利点は、クラスターのどのフラグメント
化の場合でも、方法により、プラス及びマイナスの電荷担体の同一の量が形成さ
れることにある。陽イオン/陰イオン・プラスマの形の高い電荷担体密度が発生
され、これらの高い密度は、極性の電荷担体の、空間電荷によって限定された密
度を遥かに上回っている。
【0031】 クラスターに反応体を負荷することは、例えば、僅かな、数の予測可能な電荷
担体対のみが、クラスターに、所定の方法で発生される、という利点を有する。
電荷担体対を分離するためのエネルギーは、放射するクラスターの運動エネルギ
ーによって、フラグメント化前に決定されるので、クラスターの、与えられた中
位の大きさのために、最大に発生可能な自由電荷担体の量と、クラスターの元来
の運動エネルギーとの間の関係が明示される。クラスターに反応体を負荷する際
に、1つのクラスターにつき発生された電荷担体対の量を、クラスターの運動エ
ネルギーに適合させることができる。
【0032】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化は、高い効率の点で及びイオン化
された粒子の質量(イオン質量)を広い範囲で用途に応じて変更する可能性の点
で際立っているイオン化方法を準備する。目下の知識水準では、典型的には、固
体の表面に当たるクラスターの約5%が、荷電されるフラグメントに分解される
。このことは、従来のイオン化方法と比較して、高い値を示している。更に、イ
オン質量は、典型的には数千までの原子の質量単位によって、準備される。この
ことは、特に、イオンエンジンの作動にとって、重要である。
【0033】 境界面からの反応体のピックアップとの関連で、本発明に係わるクラスター・
フラグメント化は、大きな分子も気相に慎重に転移させることができる。クラス
ターへのピックアップ及びクラスター・フラグメントへの転移は、分子内結合の
破壊が回避される、という利点を有する。過剰な励起エネルギーは、ピックアッ
プされた分子から周囲のクラスター・フラグメントへ放出され得るので、非常に
冷たい、容易に分光分析可能な分子が気相へ転移される。クラスター・フラグメ
ントに含まれるエネルギーは、クラスター・フラグメントの弱く結合されたキャ
リヤーガス分子を完全に蒸発させるためには、十分であることができる。この場
合、方法は、ピックアップされた分子を、周囲のクラスター殻なしに、気相に転
移させるという利点を有する。
【0034】 方法の特別な利点は、反応体(例えば大きな分子)の転移と同時に、該反応体
の電荷を、本発明に係わる複数の経過のうちの1で引き起こすことができること
にある。この場合、反応体を、直接に、電磁分析法に晒すことができる。
【0035】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化方法が、クラスター及びエアロゾ
ル粒子を定量化及び分析するためにも、適用されるのは特に好都合である。検査
される粒子が、例えば大気圏に生じるような自然由来のエアロゾル粒子であって
もよいこと、は好都合である。これらの粒子は、大部分、水及び他の極性分子を
含むので、特に容易な方法で、例えば、アルカリ金属が付着した表面との衝突に
よって、イオン化されたフラグメントに転移される。これらのイオンを、検査さ
れた空気量中の濃度を測定するために、例えば、電荷量の測定に晒すことができ
、及び/又は組成を解明するために、質量分析に晒すことができる。エアロゾル
のフラグメント化を、飛行体とエアロゾルとの間の相対速度を活用しつつ、直接
、測定用飛行体(例えば航空機)の機内で検査することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明のその他の詳細及び利点を、添付した図面を参照して説明する。以下、
クラスターの、固体の平坦な基板表面との衝突を参照して、本発明を例として説
明する。本発明は、しかるべく、気相/液体境界面及び/又は別様に形成された
境界面での、あるいは照射で誘発されたフラグメント化による衝突の際に、利用
可能である。複数の図面はクラスター及びクラスター・フラグメントの拡大略図
のみを示しており、他方、寸法及び組成は、下記に説明される原理に従って、用
途に応じて選択される。
【0037】 図1は、発明の第1の実施の形態に基づく、本発明に係わるクラスター・フラ
グメント化の原理を示している。図1の左部分には、所定の中位の速度でターゲ
ット1に移動するクラスター2の出発状況が示されている。ターゲット1は、ク
ラスターが移動する反応室に対して、フラグメント化のための境界面を形成して
いる。クラスター2は、分子の永続的な双極子モーメントを有する分子を好まし
くは部分的に含む一定の担体物質からなる。クラスター2に反応体(図示せず)
が負荷されている。この反応体は担体物資と化学反応しており、化学反応の結果
として、種々の記号(陰イオン3,陽イオン4)を有する電荷担体対が発生され
た。
【0038】 本発明では、フラグメント化されるクラスターには、フラグメント化の前に、
反応体が負荷されている。このことは、用途に応じて、既にクラスターの形成の
際に、なされることができる。反応体は、特に、クラスターの担体物質と同じ物
質からなることができる。すなわち、反応に加わっている抽出物がクラスターの
構成要素自体であることがある。他には、境界面へのクラスターの移動中に負荷
がなされる。最後に、負荷がまず境界面自体でなされることも可能である(図2
を参照せよ)。
【0039】 クラスター2は例えばSO分子からなり、クラスターには、Na原子が負荷
されている。負荷は、クラスタービームの、ナトリウム原子ビームとの又はナト
リウム蒸気との衝突によって、なされている。担体物質である二酸化イオウと反
応体であるナトリウムとの間の反応は、二酸化イオウの陰イオン3とナトリウム
の陽イオン4とを形成しつつ、ナトリウム電子を周囲のSO分子に自発放出す
ることにある。二酸化イオウは、以下の理由から、クラスター用の担体物質とし
て好適である。二酸化イオウは化学的に安定しており、水素結合又は自己解離を
示さず、約1eVという比較的高い電子親和力(EA)を有する。この高いEA
値は安定的な陰イオンのクラスターの形成を容易にする。二酸化イオウの他の利
点は、この担体物質からクラスターを容易に室温で発生させることができること
にある(以下を参照)。図1の左部分では、クラスター2は電荷分離後でも外に
対し中性の粒子を表わす。何故ならば、内部電荷は逆に同じ大きさだからである
【0040】 クラスター2の(図1で右への)移動はターゲット1との図示しない衝突をも
たらす。衝突の結果として、クラスターはフラグメント5,6及び7に分かれる
。これらのフラグメントは固体の境界面への衝突により左へ移動する。図1の右
部分には、クラスター2とターゲット1との衝突後の状態が示されている。クラ
スター・フラグメント5,6及び7は境界面から離れ、このとき、陽イオン4及
び陰イオン3は夫々異なったフラグメント5及び6にある。クラスター・フラグ
メント5及び6の慣性運動によって相互のクーロン引力が克服される。フラグメ
ント化後に、電荷担体3,4の相互の遮蔽がなくなる。それ故に、フラグメント
5,6と共に、外に電荷された2つの自由粒子が生じ、これらの自由粒子は他の
用途のために用いられる(下記を参照せよ)。
【0041】 図2は、反応体へのクラスターの負荷が境界面との衝突の際にはじめてなされ
る、本発明の変更の実施の形態を示している。図2の左部分のように、クラスタ
ー10はターゲット1の表面へ移動する。ターゲットは例えば金からなり、表面
に吸着質11を有する。これらの吸着質はクラスター内での電荷担体分離のため
の反応体を表わす。基板表面の被覆は、例えば蒸発炉によって形成される反応体
供給装置12によって、なされる。本発明では、反応体供給装置12によって基
板表面に連続的に吸着質を供給して、クラスターの前述の表面衝突の際に除去さ
れた吸着質を補い、かくて、時間の平均値で一定の表面被覆を維持することを、
提案することができる。従って、クラスターの照射中に連続的に作動するイオン
源が用意される。
【0042】 ターゲット1の、吸着質が付着した表面との、クラスター10の衝突(図示せ
ず)中に、クラスター10は、少なくとも1つの吸着質原子又は分子をターゲッ
トからピックアップする。原子又は分子は反応体としてクラスターの担体物質内
に解放される。クラスターには、ピックアップされた反応体と少なくとも1つの
クラスター構成要素との化学反応が直ぐに生じ、この化学反応はイオン生成物を
もたらす(電荷担体の分離)。基板1の、吸着質で覆われた表面との、クラスタ
ー10の衝突後に(図2の右部分を参照せよ)、クラスターの相互作用によって
境界面に形成されたクラスター・フラグメント13,14及び15が、基板1の
表面から離れる。吸着質のピックアップによってクラスター10に生じたイオン
生成物は、異なったフラグメント13,14にあって、互いに離れている。同様
に、相互のクーロン引力の克服に必要なエネルギーは、クラスター・フラグメン
トの慣性運動によって供給される。クラスター・フラグメント13,14は外に
対し荷電された自由粒子を形成し、これらの自由粒子は更なる使用に供される。
【0043】 図2に示した過程は、本発明に係わるクラスター・フラグメント化の種々の使
用の基礎である。連続的に吸着質を供給しつつ、ターゲットの表面にクラスター
ビームを放射することによって、例えば、連続的に作動するイオン源が形成され
る。平面状のターゲット1の代わりに、用途に応じて所定の縁部で限定されてマ
スク状に形成された基板も提案することができる。この基板は、クラスターの照
射の際に、一定の幾何学的な特性を有する局部イオン源を形成する。他に、本方
法によって、吸着質が表面から適切にピックアップされ、分析に晒される。この
目的のためには、荷電されたフラグメントは、電界を使用しつつ、例えば質量分
析計に運ばれる。
【0044】 図2は、同時に、特に自然由来のクラスター及びエアロゾル粒子を定量化し分
析するための、本発明に係わるクラスター・フラグメント化の使用を示している
。この場合、入り込む粒子10はクラスター、あるいは場合によっては知られて
いない組成を有しており、かつ適切な装置によって試料室からクラスター・フラ
グメント化用室に運ばれたエアロゾル粒子を表わしている。クラスター又はエア
ロゾル粒子10にはフラグメント化前に反応体が供給され、この反応体はクラス
ター又はエアロゾル粒子10内での電荷担体対の形成をもたらす。供給は、図示
のように、反応体で覆われた表面との衝突中になされることができる。自然由来
のエアロゾル粒子は水及び他の極性分子の高い成分を含むので、反応体としては
アルカリ金属原子が特に好都合である。何故ならば、アルカリ原子は、アルカリ
金属陽イオンを形成しつつ、極性の周囲の中で価電子を自発放出するからである
。同様に、10eVより下の低いイオン化エネルギーを有するすべての電子、特
に第3主族の代表物も適切である。クラスター・フラグメント化によって解放さ
れ荷電された断片は、試料容積中の元のクラスター/エアロゾル粒子の濃度を測
定するために、電荷量測定に晒され及び/又は出発クラスター又は出発エアロゾ
ル粒子の組成を測定するために質量分析に晒される。
【0045】 本発明の特別なかつ意外な観点は、反応体の負荷後の、図2に示した電荷分離
のために、表面との衝突中に、約1psの又はそれより少ない非常に短い時間間
隔が用いられること、に見出される。この短時間は、非局在化された電荷担体の
十分な分離を達成するために、十分である。
【0046】 以下、図3に示した表面分析を参照しながら、図2に示した原理の他の使用を
説明する。ターゲットは基板21によって形成される。基板21は例えばケイ素
からなる。基板21の、分析される表面には、図3(左部分)に示すように、例
えば、電気的に中性のアルカリ金属原子(例えば、Li,K,Na又はCs)の
サブ単分子層の形の、吸着質がある。クラスター20の移動は表面との衝突をも
たらし、クラスター20はアルカリ金属原子22をピックアップする。同様に、
アルカリ金属は極性のSO分子との相互作用によって価電子をクラスターの周
囲に自発放出し、アルカリの陽イオン23及び二酸化イオウの陰イオン24が形
成される。図示しない衝突の後の状況は、図3の右部分に示されている。クラス
ターのフラグメント化の結果として形成されたクラスター・フラグメント25,
26及び27は基板21の表面から離れて、元のクラスター20中で分離された
電荷担体23,24は異なったフラグメント26,27にあって、互いに離れて
いる。上記の実施の形態の場合のように、クーロン引力は、イオン化されたクラ
スター・フラグメントの慣性運動によって、補償される。
【0047】 表面にあるピックアップされた吸着質の組成を測定するために、空間的分離後
に獲得された自由イオン26,27を、質量分析計内で分析することができる。
【0048】 本発明の特別な利点は、表面の吸着質の分析を多数の元素にまで拡張すること
ができることにある。一般的には、十分に僅かなイオン化エネルギーを有するす
べての元素は検出可能である。6.5eVより少ないイオン化エネルギーを有す
る元素が検出されるのは好ましい。これらの元素の一部には、前記アルカリ金属
の他に、元素In,Y,Gd,U,Er,Tm,Tu,Sn,Ce,Pr,Ba
,Rb,Yb,Tl,Th,Sr,La,Nd,Ra,Pu,Fr,Al及びG
aも数えられる。特別な利点は、例えば、放射性物質例えばプルトニウムの痕跡
分析にある。本発明に係わる分析法で達成される感度は約1000原子/cm である。このことは10−10単分子層のカバーに対応する。更に、クラスター
の照射によって、分析される基板の大きな面(例えば1cm)が検出されるの
で、大きな表面のラスタ状の走査が効果的に可能である。このことは、追跡分析
のための他の極めて敏感な方法に比べて、例えば、サブmm範囲の小さな測定ス
ポットのみを検出することができるSIMS法に比べて決定的な利点を表わして
いる。SIMS法によっては、例えば実行可能な測定時間内に、より大きな表面
、例えば、放射性物質用容器の表面は走査されない。
【0049】 図3に示された方法を、基板表面の洗浄のためにも、適切に用いることができ
る。図4(左部分)に示すように、クラスター30は、極性分子(例えば二酸化
イオウ)から、洗浄される基板31へ移動する。基板31には、不純物として電
気的に中性の吸着質、例えばアルカリ金属の吸着質32がある。クラスター30
の、基板31との衝突(図示せず)の際に、吸着質32がピックアップされて、ク
ラスター・フラグメントと共に離される。図4の右部分には、衝突後の状況が示
されている。基板31にある吸着質の量は減らされている。不純物は境界面から
除去されて、同時に、イオン粒子に転移される。これらのイオン粒子は電磁手段
によって特に容易に吸引濾過されることができる。同様に、表面の不純物の組成
を測定するために、自由イオンを分析に晒すことができる。不純物の知られたタ
イプの場合、質量分析を省略することもでき、その代わりに、電荷を測定するこ
とができる。電荷の測定によって、2つの極性の1の、その全電荷が算出され、
そこから、不純物の度合又は洗浄の進行が直接に逆推理される。
【0050】 境界面におけるクラスター負荷(いわゆる「ピックアップ」負荷)の、図2に
示した原理の、その、本発明の他の実施の形態を表わす拡張は、図5に示されて
いる。図5の左部分に示すように、大きなクラスター40は、僅かな電子親和力
を有する分子、例えばアンモニア分子からターゲット41へ移動する。境界面は
気相と例えば金からなるターゲットとの間の転移によって形成される。境界面に
は、アルカリ金属の電気的に中性の吸着質42、例えばLi、K、Na又はCs
及び他の中性の分子43が付着している。分子43は、例えば、有機分子又は例
えばDNA断片(DNA-Abschnitt)のような高分子を含む。クラスター40とタ
ーゲット41との間の図示しない衝突の最中に、クラスター40は、上述の如く
、アルカリ金属の吸着質42及び/又は中性分子43をピックアップして、境界
面41から剥がすことができる。
【0051】 クラスター40が衝突の際に分子43のみをピックアップして、クラスターと
分子の間の反応が生じないとき、気相への分子の転移のみがなされる。衝突で誘
発されたフラグメント化によって分子43の回りでクラスターの殻が小型化した
後に、夫々のクラスター・フラグメントの個々の成分の蒸発によって、エネルギ
ーの熱的除去が生じる。それ故に、最後には、中性分子は、最小限のみの内的な
励起エネルギーによって、気相相にもたらされる。分子を取り囲むクラスター構
成要素の、その数を、この場合、0まで減少することができる。この操作方法は
気相への中性分子の極めて慎重な転移を表わしている。この転移は、特に、敏感
な、生物活性的な高分子にとって、利点である。
【0052】 クラスター40は境界面との衝突の際にアルカリ金属の吸着質42のみをピッ
クアップするとき、この吸着質はクラスター40の極性のアンモニア分子との相
互作用によって、価電子をクラスターの環境に自発放出し、そのことによって、
アルカリの陽イオン44及び非局在化された電子45が形成される。しかし、分
子アンモニアの電子親和力が欠如しているために、アンモニアの陰イオンの形成
は生じない。非局在化された電子は双極子ケージによってクラスター内で安定化
されるか、あるいは、衝突の最中に金の固体に転移するか、あるいはクラスター
の外に自由電子を形成することができる。
【0053】 クラスター40は衝突の際にアルカリ金属の吸着質42及び中性分子43をピ
ックアップするとき、同様に、上記の経過が生じ、追加的に、非局在化された電
子は分子43によって安定化されることができる。更に、アルカリの陽イオン4
4も分子43と同じクラスター・フラグメント上にあることができるので、気相
への分子43の転移と同時に、分子のイオン化も達成される。この非破壊のイオ
ン化の後に、低い運動エネルギーにおいても際立っている分子イオンを、質量分
析に直接晒すことができる。
【0054】 図6はクラスタービーム装置の形の境界面を検査し及び/又は変更する本発明
の装置の実施の形態を示している。クラスタービーム装置は(図示されない)複数
部分構成の反応室にあり、この反応室は、例えば、従来の2室の分子ビーム装置
(クラスタービームのない圧力(Hintergrunddruck)10−6mbar...10 −7 mbar)のように構成されている。クラスタービーム装置は、場合によっ
てはビームリミッタ63を有するクラスター発生装置60,61と、クラスター
・フラグメント化装置62と、測定装置64とを含む。更に、イオン化されたク
ラスター・フラグメントのための制御・ガイド装置が設けられていることができ
るが、これらの制御・ガイド装置は負荷された粒子のためのマニピュレータとし
て知られているので、別個に書き入れられていない。クラスター発生装置はノズ
ル60及び供給装置61を含む。ノズルは、好ましくは、用途に従って選択され
るパラメータを有するパルス式に作動されるノズルであるが、連続的に作動され
てもよい。
【0055】 パルス式の作動のための典型的なパラメータは、例えば、0.5mmのノズル
直径と、400μsのパルス幅と、20barまでのよどみ点圧力である。供給
装置61によってノズルに作動ガスが供給される。この作動ガスは、発生された
クラスターの担体物質から、担体物質及び不活性添加物の混合気から又は担体物
質及び反応体の混合気からなる。作動ガスは例えば四フッ化イオウ及びヘリウム
からなる。ノズル60では、作動ガスが、用途に応じて選択された一定の膨張比
(例えば1:30)で膨張される。反応室の、ノズル60の下流方向に位置して
いる部分には、約10−3mbarの圧力が支配的である。膨張後に、クラスタ
ーの形成は、知られるように、縮合によってなされる。クラスターの大きさの分
布は、例えばO.S.ハゲナ他著『化学物理学雑誌』第56巻、1972、17
93頁以下に記載される遅延電磁界技術によって、30eVの電子衝突イオン化
装置を用いて、測定されることができる。
【0056】 クラスターの発生の際の不活性ガスの添加は、クラスター発生の際のクラスタ
ー速度に影響を及ぼすために用いられる。不活性ガスとしては例えばNe,He
又はHが用いられる。クラスターの大きさ及びクラスターの速度は、膨張の際
の不活性ガス量及びガス圧力に依存している。上記のパラメータの場合、クラス
ターの速度に関しては、750ms−1乃至2.5・10ms−1の範囲の数
値及び1乃至750原子又は分子の範囲のクラスターの中位の大きさが生じる。
【0057】 ノズル開口部から放出されるクラスタービームは、ビームリミッタ63(いわ
ゆるスキマー)によって、半径方向の拡張を制限され、クラスター・フラグメン
ト化装置に当たる。クラスター・フラグメント化装置は、図示した実施の形態で
は、放出方向に設けられた固体表面62(ターゲット)によって形成される。
【0058】 スキマーは圧力低下のために及びターゲットの照射(一定の試料領域への照射
)の際の局部解像度の導入のために用いられる。大気圧よりも低い圧力の場合で
のクラスター・フラグメント化の実行は、このことによって、より大きな自由飛
行距離が、移動するクラスター及びイオン化されたクラスター・フラグメントの
ために準備される、という利点を有する。クラスタービームの半径方向の制限は
、局部的に解像されたイオン信号を境界面から得て、従って、局部的に解像され
た表面分析(mm...μmの範囲までの)を実行することを可能にする。固体
表面62はクラスターをフラグメント化するための境界面を形成し、例えば誘電
体、ケイ素、金又は鋼からなる。ターゲット(固体表面62)の、ノズルからのの
距離は、測定用構成体の場合、例えば約30cmである。ターゲットにおけるク
ラスタービームの直径は約8mmである。ターゲットが、弱く結合された分子吸
着質が既に脱着されている条件を調節するために、温度調節装置(図示せず)に
よって、例えば400K乃至600Kの範囲にある一定の作動温度に温度調節さ
れることが、提案されることができる。固体表面62に沿った上記のクラスター
・フラグメント化過程の進行後に、クラスター・フラグメントは元々の照射方向
に対し逆方向に移動し、測定装置64へと偏向される。
【0059】 測定装置64は質量分析計であり、好ましくは、イオン化されたクラスター・
フラグメントの質量分析のために設けられている飛行時間法質量分析計である。
飛行時間法質量分析計は、他に使用可能な4重極子質量分析計に比べて、例えば
質量200のより大きな質量も分析することができる、という利点を有する。
【0060】 図7は、本発明に基づいて金の表面上でクラスターをフラグメント化する際の
、陽イオン及び陰イオンのプラス及びマイナスの質量スペクトルを示している。
選択された反応性のシステムは、極性のSO分子と、衝突面にあるアルカリ原
子とのクラスターからなる。クラスター内の反応は、極性の周囲によって媒介さ
れてアルカリ価電子をSO分子に自発放出することにある。クラスターのフラ
グメント化によってクラスターの断片にあって、空間的に互いに分離されるアル
カリの陽イオンとSOの陰イオンとが形成される。質量スケール(横座標)は
SO質量の単位で描かれている。縦座標は測定されたイオン数すなわちイオン
密度(任意の単位)を表わしている。2つの陰イオンスペクトル(下)は、期待通
りに、形態(SOSO の最大値を示している。表面でのCsの追加の
付着(陰イオンの下のスペクトル)による実験の際に、この結果は再現される。
しかし、陰イオンのフラグメントの数は増やされている。
【0061】 2つの陽イオンスペクトル(上)の場合、形態(SOの最大値のみが
示されている。但し、M=Na,K,Cs。期待通りに、すべてのプラスのクラ
スター・フラグメントはアルカリの陽イオンを有する。表面にセシウムを追加的
に付着する際に、矢印でマークをつけたCs(SOの最大値が著しく増
大される(最上の陽イオンスペクトル)。フラグメントの類似の質量スペクトル
は、HOの、NHの及びSFのクラスターを有する他の極性分子でも、見
出された。プラスに荷電されたクラスター・フラグメントが、常に、照射された
境界面からピックアップされたアルカリ金属原子を含むこと、がその都度確認さ
れる。
【0062】 図6に示したクラスタービーム装置6は、測定装置64の代わりに又はこの測
定装置に補足して電荷測定装置(図示せず)が設けられているように、変更され
ていてもよい。この電荷測定装置は、例えば、固体表面62の手前に僅かな間隔
をあけて設けられており、かつ大地電位に対し所定の電圧を加えられている格子
からなる。電圧の極性に応じて、一方のイオンフラグメントタイプは格子へ引っ
張られ、これに対し、他方のタイプは固体表面で沈積するので、固体表面は電荷
される。電荷測定装置によって、この電荷が測定される。測定された電荷量から
は、イオン化されたフラグメントの数が直接導き出される。
【0063】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化方法の他の適用は、図8に、イオ
ンエンジンを例として示されている。イオンエンジン7はクラスター発生装置7
0,71と、クラスター・フラグメント化装置72,73と、制御・ガイド装置
74,75と、加速装置76,77とを含む。イオンエンジン全体は、実験室内
の真空にされた反応室又は宇宙においても作動させるために、設計されている。
クラスター発生装置は,同様に、パルス式に作動されるノズル70及び供給装置
71を有する。例えば二酸化イオウ及びヘリウム又はHからなる混合気は供給
装置71からノズル70へ導かれ、ノズルの通過後に膨張される。膨張比は例え
ば1:10である。ノズル開口部から放出されるクラスタービームはクラスター
発生装置のターゲット72に当たる。このクラスター発生装置の中には、更に、
吸着質供給装置73が数えられる。ターゲット72は大地電位にあって、ターゲ
ットには、例えば蒸発炉の形の吸着質供給装置73によって、吸着質がイオンエ
ンジンの作動中に連続的に付着される。極性の担体分子からなるクラスターと、
アルカリ金属原子例えばセシウムからなる吸着質とが選択される。クラスターと
吸着質が付着したターゲット72との衝突の間に生じるプラス及びマイナスのク
ラスター・フラグメントは排出用格子74によって空間的に分離され、磁気的及
び/又は電気的ガイド装置75によって、望みの方向に偏向される。続いて、分
離されたフラグメントは、電極管76及び及び放出用格子77を含む加速装置7
6,77に入り込む。電極管76は金属からなり、電極管には、クラスターパル
ス(衝突例えば100ms毎)に適合した時間的に可変の電位が大地電位に対し
て加えられる。放出用格子77は大地電位にある。電極管76は、クラスター・
フラグメントの発生後に放出用格子への磁性依存の加速がなされるように、制御
される。望ましい電位を調節するために、典型的には数10kVの高さの電圧が
電極管76に印加される。
【0064】 従来のイオンエンジンに対するイオンエンジン7の特別な利点は、クラスター
・フラグメント化によって、常に、2つの荷電されたフラグメントが発生され、
双方ともスラスト発生のために用いられることができることにある。更に、クラ
スター・フラグメント化によって特に重いイオンを準備することができる。それ
故に、イオンエンジンのスラストが増大される。
【0065】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化方法を、クラスターの担体物質と
、クラスターの、境界面への衝突の形態との適切な選択によって、整えることが
できる。その目的は、クラスター発生の結果として、主に特に大きな、プラスに
荷電されたクラスター・フラグメントが発生するようにするためである。出発ク
ラスターと実質的にほぼ同じ大きさを有する特に大きなフラグメントの発生は、
イオンエンジンの作動の際に特別な利点を有する。大きなクラスター・フラグメ
ントは大きな質量従ってまた高いパルスを有する。物質及び形態の適合は以下の
構想に基づく。
【0066】 担体物質としては、分子の無視できる程に僅かな電子親和性を有するか又は有
しない物質が用いられる。これの例はNH又はHOによって与えられる。分
子の高い電子親和性(上を参照せよ)を有するSOの使用とは異なり、電荷担
体対の、クラスターに存在する電子は、電荷物質によってはピックアップされな
い。その代わりに、電子はターゲット又は自由空間にも転移する。結果として、
プラスの(及び場合によっては中性の)クラスター・フラグメントのみがある。
ターゲットへの電子の転移を促進するために、ターゲットが、高い仕事関数を有
する金属(例えばタングステン)からなることは好ましい。
【0067】 残っているプラスに荷電されたクラスター・フラグメントを出来る限り大きく
形成するためには、(表面の法線に対し)非ゼロ度の角度での表面への衝突がな
される。(表面の法線に対し)例えば70乃至ほぼ90°の場合に、すれすれの
入射角が実現される。この入射角では、比較的僅かな運動エネルギーがクラスタ
ーに伝達され、クラスターのフラグメント化のために用いられる。フラグメント
化の結果として、比較的大きなフラグメントが存在する。例としては、例えば1
00個の原子からなるクラスターによるすれすれの入射角での境界面への衝突の
場合、フラグメント化の後に、例えば80乃至90個の原子を有するプラスに荷
電されたフラグメントが依然として存在することができる。
【0068】 主にプラスのクラスター・フラグメントの発生は図9に示されている。図9は
、NHクラスター(曲線A,B)又はSOでドープされたNHクラスター
(曲線C)による、Na原子が付着したターゲットへのすれすれの衝突の際の、
質量分析検査の結果を示している。図9の左部分には、種々の質量を有する、時
間経過中に生じるクラスターが、示されている。図9の右部分には、狭い時間範
囲でのクラスターの質量分布が示されている。プラスのクラスター(曲線A)の
分析は、純粋のNHクラスターの場合に、図7に類似の図を生じさせる。溶媒
化されたNaのイオンの何倍に対応する最大値が認められ得る。マイナスに荷
電されたクラスター(曲線B)の測定の際に、最大値は見出されない。マイナス
に電荷されたクラスターは検出できない。マイナスの電荷担体(電子)はターゲ
ットに又は自由空間に流れた。SOによるクラスターのドープがなされるとき
、質量分析計のプラスのチャンネルでも、図7から知られる図が測定される。こ
の場合、電子がSOからピックアップされる。相応にマイナスに電荷されたク
ラスター・フラグメントは検出可能である。
【0069】 説明した実施の形態に対し、本発明は以下のように変更されていてもよい。ク
ラスターに反応体を負荷するために、既にクラスターの発生の際に、担体物質及
び反応体が2つの反応体として関与していることができる(例えばHO及びN
)。クラスターは2つの反応体の混合物の断熱膨張の際に形成される。この
ことは、クラスター中の反応粒子の、ガス組成によって調節可能な高密度という
利点を有する。境界面との衝突の際にクラスターに負荷するために、境界面に吸
着質を上記のように付着することの代わりに、反応体自体が境界面の構成要素で
あるか、境界面を形成することを、実現することもできる。このことは、反応体
の表面密度によってクラスター中の電荷担体対の量を制御することができる、と
いう利点を有する。気相の負荷に比べて、どのクラスターも表面と従ってまた可
能性として反応体と相互作用するので、気相内でのより小さな衝突断面に対応す
る僅かな効率が回避される、という利点がある。用途に応じて、個々のクラスタ
ー又はクラスタービームをフラグメント化することが可能である。
【0070】 クラスターの発生中に、クラスターの速度と、ビーム中の平均的なクラスター
の大きさとに影響を及ぼすべく、ガス組成、膨張ノズルの温度及び膨張圧力を制
御する、断熱膨張に特殊な予備措置を、実現することができる。このことは、ク
ラスターのフラグメント化の際に、クラスターの大きさ及びクラスターの運動エ
ネルギーの調節によって、電荷担体の発生に影響を及ぼす、という利点を有する
。軽いガス成分を重いガス成分と混合することによって、重い成分の速度が速め
られる(いわゆる「シード・ビーム」技術)。1つの粒子当たりの有効なエネル
ギー範囲は、この場合、約0.1乃至1eVの範囲にある。
【0071】 クラスターの発生の際に、クラスターイオンを電磁界の中で続いて加速するこ
とによってクラスターをイオン化する工程を実現することができる。イオン化は
本発明に係わるクラスター・フラグメント化方法に従って又は従来のイオン化方
法によってなされることができる。イオン化されたクラスターを他のクラスター
・フラグメント化のために用いることは、クラスター・フラグメント化に適切な
運動エネルギーを大きな範囲に亘って自由に調節することができる、という利点
を有する。これに従って、例えば、本発明に係わるクラスター・フラグメント化
方法の何回かの実施が順次に行なわれる。第1の実施は荷電されたクラスター・
フラグメントの発生に向けられている。次に、クラスター・フラグメントは、他
の実施によって新たに荷電されたクラスター・フラグメントを発生させるために
、例えば電磁界において加速される。しかし、これらのクラスター・フラグメン
トは運動エネルギーのパラメータスペースの他の領域で諸特性を有する。
【0072】 クラスター・フラグメント化のための境界面が金によって形成されるとき、こ
のことは吸着エネルギーが金の表面で比較的僅かであるという利点を有する。従
って、境界面で吸着質の形の反応体をクラスターに負荷することは、エネルギー
消費が僅かである故に、促進される。更に、金は金属として導電性を有するので
、電気的配線が適切であるとき、境界面は、操作が長くても、帯電されない。金
の表面には任意の電位が加えられることができるので、得られた電荷担体のイオ
ン化電位が決められて、特に電荷担体の加速の際に、電荷担体の操作のためにイ
オン化電位が用いられることができる。本発明に係わるクラスタービーム装置は
、クラスター・フラグメントの一定のイオン化電位を調節するために、境界面の
電位を調節する装置を有することができる。
【0073】 半導体の表面でのクラスター・フラグメント化が実行されるとき、このことは
、高い純度を特に有する半導体の表面が商業的に非常に入手可能である、という
利点を有する。更に、半導体の表面の性質は良く知られている。半導体の表面は
、表面による電荷担体の捕獲が増大されたことにより電荷担体の収量に悪影響を
及ぼすであろう粗さを特に僅かにして、製造されることができる。最後に、半導
体は、ドープによって、その導電性の点で、境界面の電気及び誘電特性の点でも
可変である。ドープが適切である場合、境界面の帯電は、操作が長くても、回避
される。同様に、発生されたフラグメント化のイオン化電位も調整される。
【0074】 超音速での気体又は混合気の膨張によるクラスターの発生は、クラスターが方
向性ビームの形の高密度で生じる、という利点を有する。クラスタービームは、
既に、約10のノズル直径に合わせて形成されている。更に、クラスターは、発
生の際既に、運動エネルギーを十分に得るので、クラスターの後段加速は必ずし
も必要ではない。最後に、膨張の際既に、ガス状の反応体を比較的容易にクラス
ターに挿入することができる。ターゲットでのビームの直径は、ノズルとターゲ
ットの距離に比例しており、例えば、間隔が30cmでありかつスキマーを使用
する場合に、約8mmである。
【0075】 実時間内でのクラスター・フラグメントの分析及び測定の可能性は、クラスタ
ー・フラグメント化方法を、プロセスの成功又は表面の変化の発展に応じてプロ
セス変量を再調整するための制御法に結び付けることができることを可能にする
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化の際の電荷担体分離の図を示して
いる。
【図2】 反応体が付着した境界面でのクラスターの負荷の図を示している。
【図3】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化の、表面分析のための適用を示し
ている。
【図4】 本発明に係わるクラスター・フラグメント化の、表面洗浄のための適用を示し
ている。
【図5】 表面の中性の吸着質のピックアップの図を示している。
【図6】 表面の吸着質の分析のために形成されている、本発明に係わるクラスター・フ
ラグメント化装置の、第1の実施の形態を示している。
【図7】 図6に示した装置によって得られた測定結果を図解するための曲線の描写を示
している
【図8】 イオンエンジンの形の、本発明に係わるクラスター・フラグメント化装置の、
他の実施の形態を示している。
【図9】 他の測定結果を図解するための曲線の描写を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C038 EE02 EF03 EF04 EF16 EF17 EF33 GG08 GG13 GH02 GH05 GH09 GH13

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体物質を含む少なくとも1つのクラスターを発生させる工
    程と、及び前記クラスターをクラスター・フラグメントにフラグメント化する工
    程とを有する、クラスターをフラグメント化する方法において、 フラグメント化前に、前記クラスターに、前記担体物質とは化学的に異なり、
    かつフラグメント化後に少なくとも1つのクラスター・フラグメントの一部であ
    る少なくとも1つの反応体を負荷すること、を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記クラスターに、前記クラスター内の前記担体物質と共に
    自発的に又は外から励起されて対の電気的に異なって荷電された電荷担体を形成
    する少なくとも1つの反応体を負荷し、フラグメント化中に、少なくとも1つの
    電気的に荷電されたクラスター・フラグメントを形成する、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記クラスターに、追加的に、電気的に中性の分子を負荷す
    る、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記中性の分子を操作するために、該中性の分子を吸着質の
    付着物として固体の表面に被覆し、固体の表面から、荷電されたクラスター・フ
    ラグメントへと転移させる、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 クラスター・フラグメント化を、前記クラスターの、動く又
    は静止した境界面との衝突によって、あるいは放射励起によって行なう、請求項
    1乃至4のいずれか1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記境界面は気相/液体境界面又は気相/固体境界面である
    、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記境界面を、金属、半導体又は誘電体からなる固体の表面
    によって形成する、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記境界面に、時間の平均値で所定の値を有する表面密度を
    持った、反応体の吸着質を付着させる、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応体の吸着質を前記クラスターへピックアップすることに
    よって、クラスターの発生中に、該反応体の少なくとも1つの気相粒子との相互
    作用による前記境界面へのクラスターの移動中に及び/又は前記境界面との衝突
    中に、前記反応体の負荷を行なう、請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 担体物質として極性分子又は分子群を用い、担体物質とし
    て、低いイオン化エネルギーを有する原子及び/又は分子又は原子群又は分子群
    を用いる、請求項1乃至9のいずれか1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 反応体としてアルカリ金属を用いる、請求項10に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 フラグメント化される多数のクラスターを、超音速での気
    体及び/又は混合気の膨張によって、ノズル装置を用いて発生させる、請求項1
    乃至11のいずれか1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記発生されたクラスターを、所定の模様に従って境界面
    を照射するために幾何学的なビーム制限に晒す、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記クラスターを衝突前にイオン化し、電界及び/又は磁
    界によって、イオン化されたクラスターに、特にその運動エネルギーに影響を与
    える、請求項1乃至13のいずれか1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記クラスターのイオン化を請求項1乃至13のいずれか
    1に記載の方法により行なう、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記クラスター・フラグメントを、カウント、質量分析検
    査又は物質分析に晒す、請求項1乃至15のいずれか1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記クラスターのフラグメント化を、境界面への前記クラ
    スターのすれすれの入射によって、行なう、請求項1乃至16のいずれか1に記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 前記担体物質は、電子がクラスター・フラグメントに結合
    されないほどに僅かな電子親和力を有する化合物からなる、請求項1乃至17の
    いずれか1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 分析に晒すべき、表面の吸着質を、表面からピックアップ
    するための、固体表面を洗浄すべく不純物を固体表面からピックアップするため
    の、あるいは、電荷測定又は質量分析に晒すべき荷電されたクラスター・フラグ
    メントをクラスター及びエアロゾル粒子から発生させるための、請求項1乃至1
    8のいずれか1に記載の方法の使用。
  20. 【請求項20】 エンジンのスラストを形成するために、前記荷電された粒
    子を、請求項1乃至16のいずれか1に記載の方法によって発生されたクラスタ
    ー・フラグメントによって、形成する、イオンエンジンを作動させる方法。
  21. 【請求項21】 クラスター発生装置(60,61)と、クラスター・フラグ
    メント化装置(62)と、クラスター・フラグメント用の測定装置及び/又は操
    作装置(64)と、を含むクラスタービーム装置。
  22. 【請求項22】 前記測定装置(64)は質量分析計であってなる請求項2
    1に記載のクラスタービーム装置。
  23. 【請求項23】前記測定装置(64)は電荷測定装置であってなる請求項2
    1又は22に記載のクラスタービーム装置。
  24. 【請求項24】 前記操作装置(64)は、時間的に一定の又は時間的に可
    変の電磁界を発生させる電極装置及び/又は巻線装置を含んでなる請求項21乃
    至23のいずれか1に記載のクラスタービーム装置。
  25. 【請求項25】 所定の模様に従ってビームを形勢するために、前記クラス
    ター発生装置(60,61)と、前記クラスター・フラグメント化装置(62)と
    の間に、ビームリミッタ(63)が設けられてなる請求項21乃至24のいずれ
    か1に記載のクラスタービーム装置。
  26. 【請求項26】 少なくとも1つの反応体供給装置が設けられてなる請求項
    21乃至25のいずれか1に記載のクラスタービーム装置。
  27. 【請求項27】 前記反応体供給装置は蒸発炉によって形成されてなる請求
    項26に記載のクラスタービーム装置。
  28. 【請求項28】 前記クラスター・フラグメント化装置(62)の電位を調
    節するための装置が設けられてなる請求項21乃至27のいずれか1に記載のク
    ラスタービーム装置。
  29. 【請求項29】 クラスター発生装置(70,71)と、クラスター・フラグ
    メント化装置(72,73)と、制御・ガイド装置(74,75)と、加速装置
    (76,77)とを含むイオンエンジン(7)。
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