JP2003505470A - β鎖会合を防止するためのN置換Dアミノ酸を含むペプチド - Google Patents

β鎖会合を防止するためのN置換Dアミノ酸を含むペプチド

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Abstract

(57)【要約】 アミノ酸のD−エナンチオマーから構成され、β鎖構造に結合してβシートを形成することができるペプチドを含む化学的化合物および組成物を開示する。該ペプチドは、選択的にNα置換され、さらなるβ鎖結合を防ぐ。該ペプチドはβ鎖結合を防ぐのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、標的β鎖に特異的に結合することによってβシートおよび不溶性β
繊維への会合を阻害するペプチドベースの化合物のクラスに関する。特に、本発
明は、少なくともそのいくつかがNα置換によって改変されているアミノ酸のD
鏡像異性体を含むペプチドに関する。
【0002】 多数の非常に悲惨な現在不治の神経変異疾患は、脳内のタンパク質またはペプ
チドの不溶性細胞傷害性封入体またはアミロイド様プラークへの凝集によって発
症する。老年痴呆の最も一般的な形態であり、且つ先進国で4番目に多い死因で
あるアルツハイマー病(AD)は、より大きなアミロイド前駆体タンパク質の3
9−43残基Aβペプチドフラグメントの凝集によって発症し(Forloni, 1996;
Forloni et al., 1996; Joachim and Selkoe, 1992; Price et al., 1993; Selk
oe, 1994; Verbeek et al., 1997; Wisniewski et al., 1997)、パーキンソン病
(PD)および少なくとも1つの形態の痴呆(レビー小体型痴呆、すなわちDL
B)は、αシヌクレインのレーヴィ小体と呼ばれる細胞質内封入体への凝集およ
び組み込みによって発症し(Arima et al., 1998;Baba et al., 1998;Mezey et a
l., 1998; Polymeropoulos, 1998;Spillantini et al., 1998; Trojanowski et
al., 1998; Trojanowski and Lee, 1998)、プリオン関連脳症(牛海綿状脳症(
BSE、すなわち「狂牛病」)およびそのヒト形態であるクロイツフェルトヤコ
ブ病(CJD)ならびにクールーなど)は、プリオンとして公知の準安定性タン
パク質の自己触媒誤折りたたみ(misfolding)および凝集によって発症し(Forloni
, 1996; Forloni et al., 1996; Horwich and Weissman, 1997; Price et al.,
1993; Prusiner and Dearmond, 1995)、いくつかの優性遺伝神経変性疾患(ハン
ティングトン病(HD)、X染色体球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核
淡蒼球ルイ体萎縮種(DRPLA)、脊髄小脳失調の少なくとも5つの遺伝的に
区別可能な形態(SCA1、2、3、6、および7型;SCA3はマチャド−ジ
ョセフ病、すなわちMJDとしてより知られている)を含む)は異常に伸長した
グルタミン反復を含むタンパク質またはタンパク質フラグメントの核内封入体へ
の凝集および組み込みによって発症する(Perutz, 1999; Ross, 1997)。
【0003】 これらおよび未だ同定されていない神経変性疾患として明らかな多くの他の疾
患に加えて、非神経変性であるが同様に悲惨ないくつかの疾患は、身体の他の部
分のタンパク質またはペプチドの凝集によって発症する。例えば、II型真性糖
尿病は、膵臓のランゲルハンス島内の37残基の島アミロイドポリペプチド(I
APPまたはアミリン)の凝集によって発症し(Clark et al., 1996; Kahn et a
l., 1999; Obrien et al., 1993)、家族性アミロイド多発神経障害および老人性
全身系アミロイドーシスは全長トランスサイレチンおよびそのフラグメントの凝
集によって発症し(Benson and Uemichi, 1996)、透析関連アミロイドーシスは、
β2ミクログロブリンの凝集によって発症する(Miyata et al., 1998)。
【0004】 集合的にアミロイドーシスとして公知のこれら全ての疾患では、関連するンパ
ク質またはペプチドは、β鎖の伸長βシートへの分子間会合によって不溶性β繊
維に凝集する。これらのβ繊維は封入体またはアミロイド様プラーク中に蓄積し
て、ある未知の機構による進行性細胞死を生じさせる。アミロイドーシスおよび
その機構に関するより一般的な総説については、引例(Kakizuka, 1998; Kisilev
sky and Fraser, 1997; Serpell et al., 1997; Sunde and Blake, 1998; Wisni
ewski et al., 1998)を参照のこと。
【0005】 どのようにしてペプチドおよびタンパク質が不溶性封入体に凝集して進行性細
胞死を生じさせるのかは同定されていないままであるが、最も有効な疾患の一般
的治療法は、タンパク質およびペプチドの不溶性β繊維への凝集を特異的に阻害
するある薬剤を用いてこれらの細胞傷害性封入体の形成を防止することであるこ
とは明らかである。しかし、何らかの理由で、タンパク質およびペプチド凝集の
現存のインヒビターは治療薬としての使用には適していない。
【0006】 1)塩化グアニジニウム、尿素、界面活性剤、および多数の有機溶媒などのタ
ンパク質変性剤として作用する単純な有機化合物は、タンパク質およびペプチド
凝集の非常に有効なインヒビターである。しかし、これらは形態が単純すぎてタ
ンパク質およびペプチド凝集を特異的に阻害することができないので、正確に折
りたたまれたタンパク質を不安定化し、作用濃度で繊細な細胞内のタンパク質−
タンパク質相互作用を中断させる傾向がある。結果として、これらは細胞に対し
て有毒であるため、治療薬としての仕様には適していない。
【0007】 2)多数のより複雑な有機化合物はタンパク質およびペプチド凝集を幾らかよ
り特異的に阻害することがわかっている。これらには、βシクロデキストリン(C
amilleri et al., 1994)、コンゴレッドおよび他のスルホン化色素(Burgevin et
al., 1994; Lorenzo and Yankner, 1994; Pollack et al., 1995)、ニコチン(
Salomon et al., 1996)、ヘミンおよび関連ポルフィリン(Howlett et al., 1997
)、アントラサイクリン4’-ヨード−4’−デオキシドキソルビシン(Merlini et al., 1995 )、ヘキサデシル−N−メチルピペリジニウムブロミド(Wood et al., 1996)、メ
ラトニン(Pappolla et al., 1998)、およびリファンピシン(Tomiyama et al., 1
994)が含まれる。しかし、これらの化合物は治療薬としての仕様に適していると
わかっていないので、より活性で薬理学的に有用な化合物を探す際の構造的合致
として最もよくみなされる。Aβペプチド凝集のインヒビターとしてのこれらの
化合物に関する総説として、引例(Bandiera et al., 1997)を参照のこと。
【0008】 3)シャペロンまたは熱ショックタンパク質(Kudva et al., 1997)、a2−マ
クログロブリン(Hughes et al., 1998)、ラミニン(Bronfman et al., 1996)、お
よびモノクローナル抗体(Hanan and Solomon, 1996; Solomon et al., 1996)な
どの巨大タンパク質は、そのサイズおよび複雑さのためにタンパク質およびペプ
チド凝集のインヒビターとして非常に有効で特異的であり得る。しかし、これら
は非常に大きいので細胞膜および血液−脳障壁を貫通することができず、凝集お
よびタンパク質分解に感受性を示し、免疫原性の傾向がある。
【0009】 4)単純ペプチドはまた、タンパク質およびペプチド凝集を有効且つ特異的に
阻害することができ、少なくとも細胞膜および血液−脳障壁を貫通するのに十分
に小さく、このためにまた、巨大タンパク質より免疫原性になる可能性が低くな
る。しかし、タンパク質分解性の問題が存在するだけではなく、現在これらのペ
プチドの可溶性、疎水性、および効力との間には競合がある。
【0010】 例えば、アルツハイマー病では、39−43残基Aβペプチドは、配列KLV
FF(配列番号1)(Aβペプチの残基16−20に対応する)を含む5残基ペ
プチドセグメントの分子間会合によってアミロイドフィブリルに凝集される(Tje
rnberg et al., 1997; Tjernberg et al., 1996)。ペプチドセグメントはβ鎖を
形成し、これはその側鎖間の疎水性相互作用およびそのバックボーンのアミド基
間の水素結合によって会合して伸長逆平行βシートを形成する。この繊維形成会
合を、KLVFF配列(配列番号1)または相同配列(Ac−QKLVFF−NH 2 (Tjernberg et al., 1996)、GQKLVFFAEDVGG−[NH(CH25
CO]−K6(Ghanta et al., 1996)、およびKKLVFFA(Tjernberg et al.,
1997)など)も含む短鎖ペプチドによって阻害することができる。これらのペプ
チドは、Aβペプチド中の相同鎖配列との会合を競合してその凝集を妨害するβ
鎖を形成する。これらの第1のペプチドは、これもまた伸長βシートに凝集可能
なので、水溶液中での溶解性が限られる。それに対して、後者の2つのペプチド
は、より多数の極性基を含むのでより水溶性が高いが、結果的に親水性が高すぎ
て細胞膜および血液−脳障壁を貫通できない。極性残基よりもむしろプロリン残
基を含めることにより、疎水性を損なうことなくペプチドをより可溶性にするこ
とができる。例えば、ペプチドRDLPFFPVPID、LPFFPVD、およ
びLPFFDはAβペプチドと同程度の疎水性であるが、プロリン残基により伸
長βシートに凝集するβ鎖の形成が立体的に防止されるので、水溶液中に高度に
可溶性である(Soto et al., 1996; Soto et al., 1998)。しかし、β鎖の立体配
座(conformation)は、その凝集を阻害するためにAβペプチドによって形成され
るβ鎖との強力且つ特異的な相互作用をすることが実際は必要なので、これらの
ペプチドはAβペプチド凝集のあまり強力でないインヒビターである。簡単に述
べれば、細胞膜および血液−脳障壁の有効な貫通またはタンパク質およびペプチ
ド凝集のインヒビターとしての効力に必要な疎水性を損なうことなく、ペプチド
の水性緩衝液中での凝集を防止する方法は発見されていない。
【0011】 溶解性と疎水性および効力とのこの問題に加えて、上記の全てのペプチドは完
全にNα非置換α−Lアミノ酸残基からなるのでタンパク質分解酵素による分解
に高い感受性を示し、よって治療薬としての使用には不適切である。タンパク質
分解酵素によって認識されないα-D−アミノ酸残基のみからなるペプチドの設
計によって、この特定の問題に対処している(Miller et al., 1995)。例えば、
all−D−[RDLPFFPVPID](Soto et al., 1996)およびall−
D−[LFLRR](Tjernberg et al., 1997)は、予想通り酵素触媒タンパク質
分解に高い耐性を示すが、これらのペプチドは、水性緩衝液中の溶解性と、細胞
膜および血液−脳障壁の貫通能力と、他のタンパク質およびペプチドの不溶性β
繊維への凝集の阻害能力との間の競合という問題に依然として直面している。
【0012】 Nα置換もα-D−アミノ酸残基もタンパク質分解酵素によって認識されない
ので、Nα置換またはα-D−アミノ酸残基を含むペプチドはNα非置換α−L
アミノ酸残基のみからなるペプチドよりも酵素触媒タンパク質分解に対する感受
性がはるかに低いことが公知である(Miller et al., 1995)。Nα置換アミノ酸
残基を含むペプチドはまた、これらの残基のNα原子が水素結合に利用可能では
なく、さらにそのNα置換基はβ鎖の会合を立体的に不可能にするので、なおさ
ら水溶液中で不溶性β繊維に凝集しないようである。Nαメチル基が折り畳みを
立体的に防止するので、三本鎖βシートに折りたたまれるが伸長β鎖に凝集しな
いNαメチルアミノ酸残基を含むペプチドが設計されている(Doig、199
7)。このペプチドでは、2つの周辺β鎖は、それぞれ互いに1つのNα非置換
アラニン残基によって分離された2つのNαメチルアラニン残基配列を含むため
、4つ全てのNαメチル基はこれら2つのβ鎖の外縁に沿って存在する一方で内
縁は中心のβ鎖と会合しないままであり、これによって三本鎖βシートを形成す
る。しかし、このようなペプチドは分離の際に他のタンパク質またはペプチド分
子によって形成されるβ鎖と会合することができることにより、伸長βシートお
よび不溶性β繊維への凝集を阻害するということはまだ報告されていない。さら
に、Nα置換およびNα非置換α-D−アミノ酸残基を含むペプチドは、他のタ
ンパク質またはペプチド分子によって形成されたβ鎖と特異的に会合することが
でき、それによって伸長βシートおよび不溶性β繊維への凝集を阻害するという
ことはまだ報告されていない。
【0013】 [発明の概要] したがって、本発明の第1の態様によれば、ペプチドを含む化合物または組成
物であって、該ペプチドは、β鎖を形成するペプチドのβ鎖形成部分を含み、そ
れ自体が異なるペプチド含有分子によって形成された標的β鎖と会合するか、上
記ペプチドのβ鎖形成部分の構造および作用を模倣する成分を含んでおり、この
ペプチドのβ鎖形成部分は少なくとも4つの連続(consecutive)するα-D−アミ
ノ酸残基配列を含み、その全てによりペプチドのβ鎖形成部分が立体的にβ鎖を
形成可能であり、その少なくとも1つがNα置換α-D−アミノ酸残基であり、
任意の2つの連続するNα置換α-D−アミノ酸残基は奇数の連続(successive)
するNα非置換α-D−アミノ酸残基によって分離されている、化合物または組
成物が得られる。
【0014】 β鎖はそのバックボーンが伸長リボンの形態を取るペプチドの一部であり、β
鎖中の連続する残基の側鎖はリボンの平面の別の側面から突出し、バックボーン
ペプチド基のNHおよびCO成分はリボンの2つの縁に沿って存在する。β鎖は
、α−Lアミノ酸残基のみまたはα-D−アミノ酸残基のみからなるペプチド部
分によってのみ形成される規則的構造であり、β鎖中の各アミノ酸残基のφおよ
びψ角は、それぞれほぼ−120°および+120°である。β鎖は分離に安定
ではなく、これらの2つ以上が会合して平行または逆平行βシートを形成する場
合のみに存在する。βシート中の各β鎖は、そのバックボーンペプチド基のNH
成分とCO成分との間の水素結合、ならびにその側鎖間のさらなる非共有結合相
互作用によって平行または逆平行方向のいずれかで近接して縁と縁で互いに保持
し合っている。β鎖は2つの縁を有し、これらはそれぞれこの方法で別のβ鎖の
会合を補助することができる。したがって、βシートはその二つの周辺部のβ鎖
の遊離縁へのより多数のβ鎖の段階的添加によって無制限に伸長することができ
、これにより最終的に不溶性β繊維が形成される。
【0015】 タンパク質およびペプチドによって形成されたβ鎖がβシートに凝集し、それ
により不溶性β繊維が形成される機構を概略的に図1に示す。本発明のペプチド
は、β鎖の遊離の縁に特異的に結合して、伸長βシートへの会合を立体的に妨害
することによって不溶性β繊維へのタンパク質およびペプチドの凝集を阻害する
。上記のように、全長ペプチドまたはその一部のみがβ鎖の形成に関連し得る。
ペプチドの一部のみがβ鎖形成に関連する場合、これを「β鎖形成部分」という
ことができる。
【0016】 本明細書中で述べるように、「部分」は、ペプチドなどの構成(entity)要素の
任意の一部である。従って、ペプチドに適用した場合、「部分」は、ペプチド内
またはその一方の端の連続(contiguous)するアミノ酸残基配列のことを言う。ペ
プチド「部分」の長さは部分が使用される所望の用途に依存し、例えば、以下に
記載のようにペプチドのβ鎖形成部分は少なくとも4アミノ酸長、好ましくはよ
り長いアミノ酸長であり得る。部分はペプチド全体を含んでもよく、その任意の
部分を含んでもよい。例えば、部分はペプチドの10%、25%、50%、75
%、90%、または100%を含んでもよい。
【0017】 本明細書中で使用される、「連続(successive)」は、アミノ酸残基が接触して
いるかに関係なく、互いに配列が繋がった任意の2つの定義されたアミノ酸残基
のことをいう。したがって、2つの連続(successive)的なNα置換アミノ酸残基
は、分離されている場合、1つまたは複数のNα非置換アミノ酸残基によって分
離されていてもよい。
【0018】 本明細書中で使用される、「連続(consecutive)」は、配列が互いに接触して
繋がった任意の2つの定義されたアミノ酸残基をいう。したがって、2つの連続
(consecutive)するNα非置換アミノ酸残基はアミノ酸配列が隣接している。
【0019】 本発明によれば、化合物または組成物は標的と分離している。したがって、標
的は、ペプチドであるがペプチドを含む個別の分子である。したがって、標的分
子は、ペプチド、βシートペプチドまたはペプチドの一部を含むタンパク質、タ
ンパク質誘導体、または少なくとも1つのβ鎖を形成することができる任意の他
の分子であってもよい。
【0020】 本発明は、さらにβ鎖の構造および作用を模倣するペプチド模倣物(mimic)で
ある成分を含む化合物および組成物に関する。「ペプチド模倣物」は、1つまた
は複数のバックボーンペプチド基または側鎖基が類似の立体化学および能力の別
の化学基と置換されて標的β鎖と好ましい非共有結合相互作用を形成するペプチ
ドのことをいう。例えば、各バックボーンペプチド基(CONH)を、以下の基
の1つに置換することができる:CSNH(チオアミド)、COO(エステル)
、CSO、COS,CSS(チオエステル)、COCH2(ケトン)、CSCH2 (チオケトン)、SO2NH(スルホンアミド)、SOCH2(スルホキシド)、
SO2CH2(スルホン)、SO2O(スルホン酸塩)。各N置換バックボーンペ
プチド基を、以下の基の1つのNまたはC置換形態に置換することができる:C
SNH(チオアミド)、COCH2(ケトン)、CSCH2(チオケトン)、SO 2 NH(スルホンアミド)、SOCH2(スルホキシド)、SO2CH2(スルホン
)。標的β鎖との会合に必須の任意の特定の特徴が保存されている限り、各側鎖
は類似の立体化学または極性および非極性原子の配列を有する別の基に置換する
ことができる。
【0021】 Nα置換α−D−アミノ酸の使用は、非常に有益である。すべてのα−D−ア
ミノ酸は、プロテアーゼの攻撃に対して耐性であり、Nα置換α−D−アミノ酸
はまた、βシート形成を立体的に妨害するのに適している。プロテアーゼの攻撃
に対する耐性は、本発明のコンテキストにおいて好ましい特性である。
【0022】 本発明の第2の態様では、本発明の第1の態様の化合物または組成物に標的β
鎖を暴露する過程と、該化合物または組成物の標的β鎖への会合を可能にするか
誘導する過程とを含む、βシートまたはβ繊維への標的β鎖の会合の阻害および
逆行する方法が提供される。
【0023】 任意選択的に、本発明の先の態様の方法では、βシート形成を不安定化するこ
とができる他の薬剤を本発明のペプチドと共に使用することができる。例えば、
本発明のペプチドおよびシャペロン、例えば、グアニジウム塩酸塩のin vitroで
の使用は、溶液中でβ鎖がβシートに形成される凝集の防止に有効である。
【0024】 第3の態様では、タンパク質またはペプチドと本発明の第1の態様に記載の化
合物または組成物とを接触させる過程を含む、タンパク質またはペプチド凝集の
阻害または逆行する方法を提供する。
【0025】 第4の態様では、本発明は、凝集タンパク質またはペプチドと本発明の第1の
態様に記載の化合物または組成物とを接触させる過程を含む、変性または凝集タ
ンパク質またはペプチドの再折りたたみの補助法を提供する。
【0026】 第5の態様では、薬物に使用する本発明の第1の態様に記載の化合物または組
成物を提供する。
【0027】 第6の態様では、タンパク質またはペプチドの不溶性β繊維への凝集によって
発症する疾患の診断、研究、または治療用の組成物を調製するための本発明の第
1の態様に記載の化合物または組成物の使用を提供する。
【0028】 第7の態様では、本発明は、タンパク質サブユニットを本発明の第1の態様に
記載の化合物または組成物に暴露する過程を含む、タンパク質サブユニットのオ
リゴマー形成または会合の阻害法を提供する。
【0029】 第7の態様の方法を、例えば、in vitroまたはin vivoでの触媒活性がβ鎖の
会合によるオリゴマー形成に依存する酵素の阻害に適用することができる。
【0030】 第8の態様では、試験サンプルを検出可能部分を含む本発明の第1の態様に記
載の化合物または組成物に暴露する過程と、全ての非結合化合物または組成物を
除去する過程と、検出可能部分の存在について試験サンプルを評価する過程とを
含む、β鎖、βシート、またはβ繊維の存在または位置の表示法を提供する。
【0031】 試験サンプルは組織学的サンプルであってよく、化合物または組成物を組織化
学的色素(stain)またはインジケーターとして使用することができる。
【0032】 第9の態様では、本発明は、固体マトリクス、樹脂、または支持体に本発明の
第1の態様に記載の化合物または組成物を共有結合的に結合させる過程と、試験
サンプルをカラムに通過させる過程と、カラムから所望の処理生成物を分離する
過程を含む、アフィニティーまたはタンパク質再生クロマトグラフィー法に関す
る。
【0033】 第10の態様では、本発明は、本発明の第1の態様に記載の化合物または組成
物を含む組み合わせライブラリーを提供する。
【0034】 [図面の簡単な説明] 図1は、どのようにしてβ鎖が伸長βシートと会合して不溶性β繊維を形成す
るのかを示した概略図である。この図では、β鎖を、それぞれ2つの長い縁上に
同サイズの円形のタブおよび円形の穴(β鎖の2つの縁に沿ったバックボーンア
ミド基のCOおよびNH成分を示す)を有する波型(jigsaw)白色片として示す。
β鎖は平行または逆平行のいずれかの方向でCOとNH成分との間の水素結合の
形成による伸長βシートおよび不溶性β繊維に会合することができる。図1では
、会合した波型片の円形の穴に円形のタブが相互挿入し、これにより伸長βシー
トおよび不溶性β繊維を示す波型片の伸長鎖を生成することができる相互作用を
示す。
【0035】 図2は、 どのようにして本発明のペプチド中のペプチドのβ鎖形成部分によ
って形成されたβ鎖が他のタンパク質およびペプチド分子によって形成された標
的β鎖の伸長β鎖および不溶性β繊維への凝集を阻害することができるのかを示
した概略図である。この図では、図1と同様に、標的β鎖を、それぞれ2つの長
い縁上に同サイズの円形のタブおよび円形の穴を有する波型白色片として示し、
ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖を、影をつけた波型片として示
す。これらの影付き波型片の1つの縁は、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成
されたβ鎖の遊離の縁に沿って存在するバックボーンアミド基のCOおよびNH
成分を示す1個の円形のタブおよび1個の円形の穴を有する。この影付き波型片の
縁は白色波型片の両縁と同一であり、従って、白色波型片が互いに連結すること
ができるように、平行または逆平行方向のいずれかで白色波型片に連結すること
ができる。しかし、影付き波型片の他方の縁は2つの円形タブを有するが円形の
穴を有さず、これは、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖の1つの
縁に沿ったバックボーンNH基の1つ、いくつか、または全てがそれに沿って存
在するNα置換基によって立体的に阻止されているという事実を示す。結果とし
て、この影付き波型片の縁は、白色または影付き波型片のいずれであろうともい
かなる他の波型片とも連結できない。したがって、影付き波型片の1つのタブの
縁が平行または逆平行方向で白色波型片のいずれかの1つのタブの縁に連結する
場合(このような片のより長い鎖の一部を形成してもしなくてもよい)、他の波
型片はその後白色波型片の縁に連結することができず、末端の影付き波型片が最
初に除去されなければ、その方向での鎖の伸長は記載のように遮断される。全く
同一の方法では、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖は、他のタン
パク質およびペプチド分子によって形成された標的β鎖に結合することにより、
伸長β鎖および不溶性β繊維への凝集を阻害する。したがって、この波型モデル
は、本発明の基本概念を明確に示している。
【0036】 図3および図4は、 どのようにしてペプチドXがβ鎖X(配列番号2)を形
成し、それ自体がいずれかの方向でAβペプチドまたはいくつかの他のペプチド
ベースの分子のセグメントによって形成される標的β鎖(Y)の1つの縁と会合
して、平行(図3)および逆平行(図4)の二本鎖βシート複合体を形成し、そ
れによって、他のβ鎖は標的β鎖の縁との会合を立体的に妨害するのかことを示
す図である。これら2つの図では、標的β鎖は8つの連続(consecutive)するα
−Lアミノ酸残機配列を含み、そのCα原子は標識されておらず、ペプチドX(
配列番号2)の6つのα-D−アミノ酸残基をN末端から番号を付け、そのN末
端アセチル基のCα原子を文字Aで示し、これら2つのβ鎖(ペプチドX(配列
番号2)の2つのNα−メチル−α−D−アミノ酸残基(残基2および4)のN
α−メチル炭素原子を含む)の非水素バックボーンのみを示し(図の下の原子キ
ー(atom key)によって定義された記号で示す)、2つのβ鎖のバックボーンアミ
ド基間の水素結合を破線で示す。
【0037】 図5は、ペプチドX(配列番号2)を投与した後の、βシート構造へのアルツハ
イマーAβペプチド凝集の防止を示すグラフである。100mM濃度のペプチド
X(配列番号2)にて、アルツハイマーAβペプチド凝集における50%減少が
見られた。
【0038】 図6は、凝集したアルツハイマーAβペプチドを示す電子顕微鏡写真である。
アルツハイマーAβペプチドを500mM濃度でインキュベートし、その凝集物
を電子顕微鏡法により検査した。 図7は、ペプチドX(配列番号2)の存在下にて、500mM濃度でインキュ
ベートしたアルツハイマーAβペプチドを示す電子顕微鏡写真である。電子顕微
鏡検査は、凝集の実質的な除去を示す。
【0039】 [発明の詳細な説明] 本発明のペプチドは、タンパク質およびペプチドの不溶性β繊維への凝集を、
β鎖の遊離の縁への特異的結合によって阻害し、それによって伸長βシートへの
会合を立体的妨害する。本発明のペプチドは、これを実質的には以下のように行
う。
【0040】 本発明のペプチドはβ鎖を形成することができる部分を含むが、これは立体的
にβ鎖を形成することができるα-D−アミノ酸残基のみからなるためである。
これに加えて、ペプチドのβ鎖形成部分中のNα置換α-D-アミノ酸残基(複数
も可)および任意のβ分岐α-D−アミノ酸残基(複数も可)によって課される
立体的拘束を使用して、β鎖形成を促進することができる。ペプチドのβ鎖形成
部分がβ鎖を形成する場合、そのNα置換α-D−アミノ酸残基のNα置換基を
その2つの縁の1つのみに沿って存在させるように意図的に位置付ける。β鎖の
反復単位が2つの残基であるので、Nα置換残基はこれらが奇数の残基で分離さ
れるように間隔をあけられる。例えば、任意の2つの連続(successive)するNα
置換残基との間に、1つまたは3つのNα非置換残基が存在し得る。
【0041】 β鎖のNα置換縁は、β鎖に沿って存在するNα置換基により会合を立体的に
防止されるので、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成される他のβ鎖と会合す
ることができない。このβ鎖の他の遊離縁は会合することができ、バックボーン
ペプチド基間の水素結合および側鎖間のさらなる非共有結合相互作用により、別
のタンパク質またはペプチド分子によって形成された標的β鎖の遊離の縁と、平
行または逆平行のいずれかの方向で会合することができる。この標的β鎖はおそ
らく既存のβシートの2つの周辺β鎖の1つであるが、ペプチドのβ鎖形成部分
によって形成されたβ鎖と会合している場合にのみ形成される1つの単離β鎖で
もあり得る。いずれかの方法で、この会合の結果により、ペプチドのβ鎖形成部
分によって形成されたβ鎖が標的β鎖の新規に会合した縁への他のβ鎖の会合を
阻害して、それにより伸長βシートの形成および不溶性β繊維の堆積を防止する
βシート複合体が形成される。例えば、標的β鎖が既存のβシートの2つの周辺
β鎖のうちの1つである場合、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖
の標的β鎖の遊離の縁への会合により、標的β鎖の縁との他のβ鎖の会合を遮断
し、それによりその方向でのβシートの伸長が防止される。他の方向でのβシー
トの伸長を、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖のβシートの他の
周辺β鎖の遊離の縁との会合による同一の方法で防止することができる。単離標
的β鎖を、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成された2つのβ鎖との両縁の類
似の会合によって相互会合を防止することができる。この場合、得られた三本鎖
βシートは、両方の周辺β鎖の外縁に沿って存在するNα置換基による立体障害
によりいずれの方向へも伸長することができない。
【0042】 本明細書中で使用される、「ペプチド」は、モノマーがアミノ酸であり、ペプ
チド結合によって互いに連結したポリマーである。本発明のペプチドのβ鎖形成
部分の長さは以下に詳述するように経験によって決められるが、ペプチドのβ鎖
形成部分は少なくとも4アミノ酸残基長、好ましくは約4アミノ酸残基長と約5
0アミノ酸残基長との間、有利には約4アミノ酸残基長と約16アミノ酸残基長
との間、最も好ましくは約5アミノ酸残基長と約10アミノ酸残基長との間であ
る。好ましくは、ペプチドのβ鎖形成部分は、標的β鎖より短く、少なくとも標
的β鎖の凝集を引き起こす部分と同一の長さである。
【0043】 ペプチドを構築するアミノ酸モノマーは、α-D−アミノ酸であり、これは、
このモノマーがL型鏡像異性体に対向するD型鏡像異性体であることを意味する
。一般に天然に存在するLアミノ酸は、保護されていない場合プロテアーゼ酵素
による消化に感受性を示す。Nα置換α-D−アミノ酸はα−N原子上に水素で
はない置換基を保有するα-D−アミノ酸であり、Nα非置換α-D−アミノ酸は
この位置に置換基を有さない。本発明の実施に有用な好ましい置換基を以下に示
す。しかし、一般に、置換基はβ鎖の会合を立体的に妨害するのに十分な大きさ
、好ましくはペプチドのタンパク質分解を妨害または防止するのに十分な大きさ
でなければならないが、ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成を立体的に妨害して
はならない。
【0044】 本明細書中で使用される、「不安定化」は、βシートおよびβシート形成に適
用される場合、β鎖のβシート構造への凝集の阻害、好ましくはβ鎖凝集の防止
をいう。有利には、これはβ鎖凝集の逆行およびβシート構造の実際的な破壊を
いう。逆行は完全でも部分的でもよく、一般に、逆行は、βシート構造が非会合
β鎖に復帰するか、またはより小さなβシートに分割されることを示す。上記で
使用されるように、「妨害する」、「阻害する」、および「防止する」は、部分
的から実質的に完全な範囲のβ鎖凝集の減少をいう。例えば、β鎖凝集を、20
%、30%、50%、75%またはそれ以上、好ましくは約90%または100
%減少させることができる。
【0045】 本発明のβ鎖形成部分で使用される側鎖は、β鎖の形成が可能であるか、また
はその形成に好ましい。本明細書中で使用される、「可能である(allow)」は、
β鎖形成を妨げないことを意味する。「好ましい(favour)」は、このような形成
が、β鎖形成のみが可能な任意の選択されたアミノ酸に関して促進されることを
意味する。
【0046】 β鎖形成に好ましいか可能である概念を、アミノ酸残基のβシート傾向(prope
nsity)という用語で示すことができる。βシート傾向は、天然タンパク質によっ
て形成されるβシート中の特定のアミノ酸の出現頻度の尺度であり、傾向値は、
アミノ酸残基によるβシート形成を支配する熱力学的考察により、非常に十分に
相関することが見出されている。例えば、Williams et al., 1987; Wilmot and
Thornton, 1988; Kim and Berg, 1993; Smith et al., 1994; Minor and Kim, 1
994a; Regan, 1994; およびBai and Englander, 1994を参照のこと。有利には、
ペプチドのβ鎖形成部分に組み込まれた残基は少なくとも約1.00のβシート
傾向を有する。
【0047】 本発明のペプチドの設計 ペプチドのβ鎖形成部分がβ鎖を形成可能とするためには、ペプチドのβ鎖形
成部分が立体的にβ鎖を形成可能なα-D−アミノ酸残基のみからならなければ
ない。例えば、プロリンは、その側鎖がそのバックボーンの窒素原子に連結して
おり、そのためβ鎖形成に必要なφ角をとることができないので、非常に末端に
存在する以外はペプチドのβ鎖形成部分に含めることができない。
【0048】 ペプチドのβ鎖形成部分によって形成されるβ鎖を、不溶性β繊維への凝集を
阻害するのに十分に標的β鎖に強力に会合させるためには、少なくとも4アミノ
酸残基長でなければならない。3つまたはそれ以下のアミノ酸残基からなるβ鎖
は、他のβ鎖の標的β鎖との会合を妨害するのに十分に強力に標的β鎖と相互作
用しない。一般に、ペプチドのβ鎖形成部分は、3残基を超える任意の長さ(す
なわち、4つまたはそれ以上)であり得るが、実際には標的β鎖を超えるべきで
はなく、好ましくは少なくともその凝集を直接担う標的β鎖のセグメントと同一
の長さである。
【0049】 これは、おそらく標的β鎖の凝集を引き起こすセグメントが疎水性またはアミ
ドを含む側鎖を有する残基の配列を含み、水溶液中で会合したβ鎖の隣接する側
鎖と最も強力な相互作用を形成することができるためである。これは標的β鎖の
凝集を引き起こすセグメントであり、ペプチドのβ鎖形成部分が会合するように
設計されることが好ましい。本発明のペプチドのβ鎖形成部分が標的β鎖の凝集
を引き起こすセグメントより短いか、同一の長さであるかそれより長いのに対し
、ペプチドのβ鎖形成部分の任意の付加的な残基がβ構造中に存在しない場合は
、そのような残基は標的β鎖に側面に位置する残基とおそらく強力に相互作用し
ないので、標的β鎖自体よりも任意に長いペプチドのβ鎖形成部分は必要ではな
い。
【0050】 したがって、標的β鎖、標的β鎖の凝集を引き起こすセグメント、および本発
明のペプチドのβ鎖形成部分の適切な長さを経験的に決定することができる。例
えば、標的β鎖を、β鎖を形成しそれ自体が他のβ鎖と望ましくなく凝集するか
会合してβシートまたはβ繊維を形成するタンパク質またはペプチド分子中のペ
プチド部分として決定することができる。次いで、この標的β鎖の凝集を引き起
こすセグメントを、疎水性および/またはアミド含有側鎖を主に有する少なくと
も4残基部分として同定することができ、標的β鎖または標的β鎖の1残基変異
体の短いセグメントの会合特性の調査によって実験的に決定することができる。
例えば、39−43残基のアルツハイマーAβペプチド部分はβ鎖を形成し、望
ましくないことにそれ自体が不溶性β繊維に凝集される。したがって、このβ鎖
を、標的β鎖として同定し、その凝集を引き起こすセグメントはAβペプチドの
短鎖セグメントおよびその1残基変異体の会合の調査によって配列KLVFF(
配列番号1)を有すると同定した。両末端でのこのセグメントの短縮またはアラ
ニンによるその任意の残基の置換により、Aβペプチドの不溶性繊維への凝集傾
向が劇的に減少する(Tjernberg et al., 1997; Tjernberg et al., 1996)。
【0051】 当該分野で公知であり、かつ/または本明細書中に記載のように、類似の手順
を使用してAβ以外のタンパク質中の標的β鎖を同定するか、類似の(または他
の)手順を使用してAβ中の別の標的β鎖を同定することができることが当業者
に認識されるであろう。
【0052】 本発明のペプチドのβ鎖形成部分を、β鎖を形成し、それ自体が平行方向でこ
の標的β鎖の凝集を引き起こすセグメントと会合して平行βシート複合体を形成
するように設計することが好ましい。好ましくは、以下のように設計する。
【0053】 ペプチドのβ鎖形成部分は、好ましくは標的β鎖の凝集を引き起こすセグメン
トと同数の残基を含み、有利には、変化したNα−メチル−α-D−アミノ酸お
よびNα非置換α-D−アミノ酸残基配列を含む。ペプチドのβ鎖形成部分中の
残基の側鎖は、同じ順序で標的β鎖の凝集を起こすセグメントの残基に相補的で
あり、これはペプチドのβ鎖形成部分の第1の残基の側鎖が標的β鎖の凝集を起
こすセグメントの最後の残基の側鎖などと好ましい非共有結合相互作用を形成す
るように選択されることを意味する。例えば、標的β鎖の凝集を引き起こすセグ
メントの第1の残基がアミド含有側鎖を有する場合は、ペプチドのβ鎖形成部分
の第1の残基もまたアミド含有側鎖を有するべきであり、標的β鎖の凝集を引き
起こすセグメントの第1の残基が疎水性側鎖を有する場合は、ペプチドのβ鎖形
成部分の第1の残基もまた疎水性側鎖を有するべきであり、標的β鎖の凝集を引
き起こすセグメントの第1の残基が水酸基含有側鎖を有する場合は、ペプチドの
β鎖形成部分の第1の残基もまた水酸基含有側鎖を有するべきであり、標的β鎖
の凝集を引き起こすセグメントの最後の残基が塩基性側鎖を有する場合は、ペプ
チドのβ鎖形成部分の第1の残基は酸性側鎖を有するべきであり、標的β鎖の凝
集を引き起こすセグメントの第1の残基が酸性側鎖を有する場合は、ペプチドの
β鎖形成部分の第1の残基もまた酸性側鎖を有するべきである。この選択手順を
、ペプチドのβ鎖形成部分中の全残留側鎖にわたって継続する。
【0054】 一般に、ペプチドのβ鎖形成部分中の側鎖の適切な配列を、標的β鎖の凝集を
引き起こす部分と望ましくない会合をするβ鎖部分から直接得ることもできる。
例えば、同一のKLVFF(配列番号1)(逆方向β鎖としてのペプチドの凝集
を引き起こすセグメント)の分子間会合によってアルツハイマーのAβペプチド
が不溶性β繊維に凝集し、得られた逆方向βシート複合体では各β鎖の4つの疎
水性側鎖により会合β鎖の側鎖と疎水性相互作用を形成する一方で、各β鎖の塩
基性リジン側鎖はおそらく会合β鎖中のKLVFF配列(配列番号1)に続く2
つの酸性側鎖のうちの1つと静電気的相互作用を形成する(Tjernberg et al., 1
997)。ペプチドのβ鎖形成部分は、β鎖として、平行方向でKLVFF配列(配
列番号1)と会合するように設計されているので、その側鎖配列は、KLVFF
配列(配列番号1)、逆の順序で、例えばFFVLK(配列番号3)と相同である
か同一であるように設計することが好ましい。本発明の他の化合物または組成物
を、類似の方法によって他の標的β鎖と特異的に会合するように設計することが
できる。
【0055】 βシートポリペプチドの新規の(de novo)設計は、当該分野で説明されている
。例えば、Smith and Regan, 1995; Smith and Regan, 1997; De Alba et al.,
1999; およびKortemme et al., 1998の文献を参照のこと。これらおよび他のア
プローチを適切なポリペプチドの設計に使用することができる。例えば、ペプチ
ドのβ鎖形成部分中の側鎖の適切な配列を、標的β鎖が第2のβ鎖に会合する平
行または逆平行βシート複合体の分子モデルの構築、および次に、標的β鎖の側
鎖との好ましい非共有結合相互作用を得るための第2のβ鎖の側鎖の実体および
立体配座の適応によって同定することができる。これを、以下のコンピュータお
よび適切なソフトウェアの使用によって行うことができる。
【0056】 最初に、標的β鎖の分子モデルを構築する。これを、公知の分子構造のタンパ
ク質中のβ鎖の配位の抽出、および次にその側鎖配列の標的β鎖配列への変更に
よって行うことができる。次に、第2のβ鎖の分子モデルを類似の方法によって
構築し、それ自体の鏡像に変え、平行または逆平行方向で標的β鎖のいずれかの
縁に並んで位置付けて、二本鎖の平行または逆平行βシート複合体を形成する。
次いで、第2のβ鎖中のそれぞれの連続(consecutive)する残基の可能な側鎖を
考慮し、その他の立体配座を調査してβシート複合体中の会合標的β鎖の隣接側
鎖と望ましい非共有結合相互作用を形成するかどうかを同定する。最後に、いっ
たん適切な側鎖配列が選択されると、エネルギー最小化および分子力学プログラ
ムを適用して、モデルの理論的有効性を調査した後、候補ペプチドを合成してそ
れを活性について実験的に試験することができる。
【0057】 β鎖を形成するペプチド設計に関する他のガイダンスは、アミノ酸のβシート
特性に関する上記の材料ならびに以下の出典に見出すことができる:Nelsoney a
nd Kelly, 1996; Hutchinson et al., 1998; Pham et al., 1998; Minor and Ki
m, 1996; Koepf et al., 1999; およびMinor and Kim, 1994b。
【0058】 Nα置換基の選択および位置 ペプチドのβ鎖形成部分中のNα置換α-D−アミノ酸残基のNα置換基がペ
プチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖の2つの縁のうちの1つに沿って
存在するためには、β鎖の反復単位が2つの残基であるので、ペプチドのβ鎖形
成部分中のたった1つのNα置換α-D−アミノ酸残基が存在する場合を除いて
、Nα置換α-D−アミノ酸残基は奇数の非置換アミノ酸によって散在する。す
なわち:ペプチドのβ鎖形成部分中の任意の2つのNα置換α-D−アミノ酸残
基が偶数の非置換残基に隣接するか、偶数の置換基によって分離されている場合
、そのNα置換基はβ鎖の反対側の縁上に存在し、β鎖の縁はいずれも標的β鎖
と会合することができないので、他のβ鎖の標的β鎖との会合を立体的に妨害す
る。
【0059】 したがって、理論上は、ペプチドのβ鎖形成部分中のNα置換α-D−アミノ
酸残基は非常に多数の残基となってばらばらに存在するか、ペプチドのβ鎖形成
部分中のたった1つのNα置換α-D−アミノ酸残基が一個のみ存在する。しか
し、実際は、ペプチドのβ鎖形成部分中の連続(successive)するNα置換α-D
−アミノ酸残基は、好ましくは3つ以下の非置換残基で分離されるべきである。
なぜなら、これらの残基によって課された立体的拘束がペプチドのβ鎖形成部分
に実際に活性β鎖立体配座をとらせるように作用するためである(Manavalan and Momany,1980)。
【0060】 したがって、最も好ましい場合では、ペプチドのβ鎖形成部分中の連続(succe
ssive)するNα置換α-D−アミノ酸残基は、ペプチドのβ鎖形成部分が、変化
したNα置換およびNα非置換α-D−アミノ酸残基の配列を含むように、1つ
の非置換残基によって互いに分離されている。これにより、ペプチドの全ての部
分が活性β鎖立体配座を選択する。
【0061】 Nα置換基は、水素原子より大きな実質的に任意の原子または基であってよく
、これは本質的には水素原子以外の任意の原子または基を意味する。しかし、こ
れらはまた、ペプチドのβ鎖形成部分が標的β鎖と会合するためにβ鎖を形成し
なければならないため、ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成を立体的に防止して
はならない。
【0062】 したがって、Nα置換基は、任意選択的にフッ素原子または水酸基、もしくは
、であるか、もしくはメトキシ基または他のアルコキシ基のように基中の酸素原
子によってNα原子に連結する別の基(など)である。
【0063】 好ましくは、Nα置換基は基中でのメチレン(CH2)基によってNα原子に
連結する基である。このような基を、標準的な溶液または固相ペプチド合成法に
よってペプチドのβ鎖形成部分に組み込むことができ、連結したメチレン基はβ
鎖形成に立体的に適合する。Nα置換基のこの好ましい形態の適切な例には、メ
チルもしくはエチル基、基中のメチレン(CH2)基によってNα原子に連結さ
れた別のアルキル基または脂肪族の基、または置換および非置換ベンジル基(ア
セチル化またはアシル化2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル(AcHmb)
基、または別のアリール−メチル基など)が含まれる。
【0064】 メチル基は、標準的な溶液または固相ペプチド合成法によってペプチドのβ鎖
形成部分に組み込むことができる最も単純な基であり、対応するアミノ酸および
そのFmocおよびBoc誘導体は市販されているので、Nα置換基の最も好ま
しい形態である。
【0065】 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル(AcHmb)基は、対応するアミノ
酸およびそのFmocおよびBoc誘導体もまた市販されているので、Nα置換
基のさらに好ましい形態であるが、この基はその2−水酸基がアセチル化または
アシル化されていない場合、かなり不安定である(Quibell et al., 1995; Quibe
ll et al., 1995; Quibell et al., 1994)。
【0066】 2−ヒドロキシベンジル(AcHb)基は、Nα置換基のさらなる別の好まし
い形態であり、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル基と異なり、アセチル化
またはアシル化する必要がない(Johnson and Quibell, 1994)。
【0067】 ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成傾向を、側鎖が立体的にβ鎖立体配座を支
持するNα置換またはNα非置換α-D−アミノ酸残基を含めることによってさ
らに増加させることができる。これらには、β分岐側鎖を有するα-D−アミノ
酸残基、例えばα−Dトレオニン、α−Dバリン、α−Dイソロイシン、α−D
−tertロイシン、α−D−β−ヒドロキシバリンなど、およびそのNα置換
誘導体が含まれる。β鎖立体配座を支持する他のα-D−アミノ酸残基、例えば
、芳香族側鎖を有する残基(α−Dチロシン、α−Dフェニルアラニン、および
α−Dトリプトファンなど)、脂肪族疎水性側鎖を有する残基(α−Dロイシン
およびα−Dメチオニンなど)、ならびにα−Dセリンおよびα−Dグルタミン
もまた、適切ならばペプチドのβ鎖形成部分中に含まれるべきである。すなわち
、これらは、溶液または固相ペプチド合成化学に適合しなければならず、ペプチ
ドのβ鎖形成部分によって形成されるβ鎖の遊離の縁の標的β鎖への会合を立体
的に妨害してはならず、好ましくは、ペプチドのβ鎖形成部分によって形成され
たβ鎖が標的β鎖へ強固に会合するよう促進することが望ましい。
【0068】 上記の説明のように、ペプチドのβ鎖形成部分中のNα置換およびNα非置換
α-D−アミノ酸残基は、好ましくは、ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成を促
進するが、好ましくは、このβ鎖が標的β鎖に可能な限り強固に会合するよう促
進すべきである。これについて、2つの鎖が互いに平行または逆平行方向βシー
ト複合体中で互いに会合する場合、その側鎖は標的β鎖の隣接する側鎖と強力な
非共有結合相互作用を形成すべきである。水溶液中で会合β鎖の隣接側鎖間に存
在することができる最も強固な非共有結合相互作用は、疎水性側鎖間の疎水性相
互作用およびアミド含有側鎖間の水素結合である。最も凝集の原因となる標的β
鎖のセグメントはこれらの側鎖を有する残基中に豊富である可能性が高く、した
がって、これはペプチドのβ鎖形成部分が潜在的に最も強固に会合することがで
きる標的β鎖のこの凝集を引き起こすセグメントである。この理由により、ペプ
チドのβ鎖形成部分中のほとんどのNα置換およびNα非置換α-D−アミノ酸
残基は、疎水性またはアミド含有側鎖を有することが好ましい。疎水性側鎖を有
する好ましいアミノ酸残基には、α−Dバリン、α−Dロイシン、α−Dイソロ
イシン、α−Dメチオニン、α−Dフェニルアラニン、α−Dチロシン、α−D
トリプトファン、およびそのNα置換誘導体が含まれ、アミド含有側鎖を有する
好ましいアミノ酸残基には、α−Dアスパラギン、α−Dグルタミン、およびそ
のNα置換誘導体が含まれる。立体化学的に側鎖間の好ましい非共有結合相互作
用の形成に適合しなければならないので、ペプチドのβ鎖形成部分中の各残基の
最も好ましい側鎖は、βシート複合体中の会合標的β鎖の隣接側鎖によって決ま
る。しかし、一般に、最も好ましい疎水性側鎖はロイシン側鎖であり、これはわ
ずかに大きいが比較的柔軟性があり、9つの異なる回転異性体立体配座のうちの
任意の1つをとることができ、その立体化学的に容易に適用して会合標的β鎖の
ほとんどの隣接疎水性側鎖と最も好ましい疎水性相互作用を行うことができ、最
も好ましいアミド含有側鎖はグルタミン側鎖であって、これは比較的柔軟性があ
り、かつ会合標的β鎖の隣接グルタミンまたはアスパラギン側鎖と好ましく水素
結合を形成し易い。しかし、任意の疎水性側鎖またはかなりの疎水性部分を有す
る側鎖は、任意のアミド含有側鎖と同様に、ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成
または標的β鎖とのそれ自体の会合を立体的に妨害しない限り、ペプチドのβ鎖
形成部分に含めることができる。
【0069】 ペプチドのβ鎖形成部分中のほとんどのNα置換およびNα非置換α-D−ア
ミノ酸残基が、疎水性またはアミド含有側鎖を有するべきであるにもかかわらず
、ペプチドのβ鎖形成部分中の残りのNα置換およびNα非置換α-D−アミノ
酸残基は疎水性側鎖もアミド含有側鎖でもない側鎖を有しても良く、それにもか
かわらず、会合β鎖の隣接側鎖と好ましい非共有結合相互作用を形成することが
できる。例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸の酸性側鎖は会合β鎖中の
ヒスチジン、アルギニン、およびリジンの塩基性側鎖と塩橋を形成することがで
き、逆に、ヒスチジン、アルギニン、およびリジンの塩基性側鎖は、会合β鎖中
のアスパラギン酸およびグルタミン酸の酸性側鎖と塩橋を形成することができ、
セリン、トレオニン、およびβヒドロキシバリンの水酸基含有側鎖は、会合β鎖
の隣接水酸基含有側鎖と水素結合を形成することができる。
【0070】 βシートスタッキングの阻害 β鎖の会合によって形成されたβシートがスタッキングによって凝集しないよ
うに、ペプチドのβ鎖形成部分は、またペプチドのβ鎖形成部分によって形成さ
れるβ鎖中の隣接側鎖を越えて伸びる側鎖を有する1つまたは複数のα-D−ア
ミノ酸残基を含むことが好ましい。このような伸長側鎖は、βシートのスタッキ
ングを補助しないように好ましくは長く、好ましくは極性末端を有する。リジン
およびアルギニンの側鎖は、極性末端を有するこのような伸長側鎖の適切な例で
ある。
【0071】 ペプチドの標識 本発明のペプチドを追跡または検出することができるように、ペプチドのβ鎖
形成部分は、放射性または磁気活性核を含む側鎖を有するα−Lアミノ酸残基、
例えば、芳香環上に置換された1つまたは複数の放射性または磁気活性ヨウ素ま
たは他のハロゲン原子を有するα−Lフェニルアラニン、α−Lチロシン、α−
Lサイロニン残基などを含むことができ、また、ペプチドのβ鎖形成部分は、蛍
光、有色、または他の分光学的に検出可能な基、例えば不対電子を有する2,2
,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ(PROXYL)基、および
2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)基など
スピンラベルを有する基をもつα−Lアミノ酸残基を含むことができる。このよ
うな分光学的に検出可能な基または放射性もしくは磁気活性核を含むペプチドを
追跡可能なプローブとして使用して、in vitroまたはin vivoで標的β鎖または
不溶性β繊維の存在および位置を示すことができる。
【0072】 膜貫通 化合物または組成物が細胞膜および血液−脳障壁をより容易に貫通することが
できるように、ペプチドのβ鎖形成部分は高比率で疎水性または塩基性側鎖を有
するアミノ酸残基を含むことが好ましい。ショウジョウバエ・アンテナペディア
(Drosophila Antnnapedia)ホメオドメインおよびHIV−1Tatタンパク質の膜貫通
ペプチドセグメント中の塩基性側鎖が相互作用すると提示されたとおりに(Deros
si et al., 1996; Vives et al., 1997; Vives et al., 1997)、疎水性側鎖は、
これらの障壁を構成するリン脂質分子の疎水性部分と相互作用する一方で、塩基
性側鎖はこれらの分子のリン酸先端基(head group)と相互作用することができる
【0073】 あるいは、または上記に加えて、本発明のペプチドは、ペプチド配列中で、塩
基性または疎水性側鎖を有するアミノ酸残基の全てまたはほとんど全てを含む区
別可能な膜貫通部分のペプチド配列中の前または後に存在するかそれに結合する
ように、ペプチドのβ鎖形成部分の配置によって細胞膜および血液−脳障壁をよ
り容易に貫通するように促すことができる。上記のように、ペプチドのこれらの
膜貫通部分は、これらの生体障壁を構成するリン脂質分子との相互作用によって
細胞膜および血液−脳障壁を介して結合するペプチドおよび小タンパク質を保有
することができる。塩基性および/または疎水性側鎖を有する残基中に豊富な他
のペプチド部分はまた、これらの障壁を介してペプチドのβ鎖形成部分を輸送す
るためのベクターとして作用することができる(Derossi et al., 1998)。ペプチ
ドの膜貫通部分中の各残基の側鎖は、塩基性または疎水性基(アラニン、バリン
、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプ
トファン、プロリン、ヒスチジン、リジン、およびアルギニンの側鎖など)であ
ることが好ましい。ペプチドの膜貫通部分はまた、より高い酵素触媒タンパク質
分解耐性を獲得するためにα−DまたはNα置換アミノ酸残基を含むことができ
る。
【0074】 ペプチドの膜貫通部分を、1つの連続するペプチドとしてペプチドのβ鎖形成
部分の固相合成に膜貫通部分を含めることによってペプチドのβ鎖形成部分に結
合させることができ、ペプチドの膜貫通部分はペプチドのβ鎖形成部分の前また
は後ろに存在する。あるいは、ペプチドの膜貫通部分を、アミドまたはジスルフ
ィド結合を介してペプチドのβ鎖形成部分の側鎖の1つに結合させることができ
る。
【0075】 ペプチドのβ鎖形成部分は、遊離、アセチル化、もしくはアシル化N末端およ
び/または遊離、アミド化、またはエステル化C末端を有することができるか、
遊離、アセチル化、もしくはアシル化N末端および/または遊離、アミド化、ま
たはエステル化C末端を有するより大きなペプチドの一部を形成することができ
る。C末端のアミド化またはエステル化が好ましい。それは、遊離カルボキシル
基は、この負電荷の基と、これらの障壁を構成するリン脂質分子の負電荷のリン
酸先端基との間の好ましくない静電気的相互作用によりペプチドの、細胞膜およ
び血液−脳障壁を貫通する能力を減少させることによる。
【0076】 正電荷の遊離N末端アミノ基はリン脂質分子の負電荷のリン酸先端基と好まし
い静電気相互作用を形成して、それによりペプチドのこれらの障壁の通過を補助
するので、N末端アミノ基のアセチル化またはアシル化により、ペプチドの、細
胞膜および血液−脳障壁を貫通する能力を、実際に減少させることができる。
【0077】 しかし、正電荷の遊離N末端アミノ基は、アセチル化またはアシル化N末端ア
ミノ基のように会合標的β鎖のバックボーンカルボニルの酸素原子と強力な水素
結合を形成しない。したがって、N末端アミノ基がペプチドのβ鎖形成部分の一
部を形成する場合、アセチル化またはアシル化N末端アミノ基が好ましい。細胞
膜および血液−脳障壁を貫通するペプチドの能力が減少する問題は、上記のよう
に、ペプチドの塩基性側鎖または区別可能な膜貫通部分を有する残基をペプチド
のβ鎖形成部分のいずれかの末端に結合することによって克服することができる
【0078】 官能基の結合 本発明のペプチドを官能性基成分に結合させることができる。この官能性成分
は、化合物または組成物が特異的器官、細胞、または分子(ホルモン、抗体、転
写因子、または他のタンパク質分子など)を標的にするようにするペプチドまた
は他の分子の一部であってもよく、上記の標識(放射性または磁気活性核を含む
原子または基など)であり得るか、蛍光、有色、または他の分光学的に検出可能
な基であってもよく、不対電子を含むのでスピンラベルとして作用する基(2,
2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ(PROXYL)基および
2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)基など
)であってもよく、酵素、または標的β鎖を含むかそれに会合する細胞を選択的
に死滅させる細胞傷害性分子であってもよく、固体マトリクス、樹脂、または支
持体であってもよい。
【0079】 ペプチドのβ鎖形成部分は、側鎖、Nα置換基、または全長ペプチドのいずれ
かの末端の間のアミド結合、エステル結合、または任意の他の適切な結合によっ
て、これらの官能性成分またはいくつかの他の官能性成分のいずれかに結合され
る。官能性成分およびこの結合は、適切な分子のカップリングによって全長ペプ
チドの合成前、合成中、または合成後に作成される。例えば、全長ペプチド中の
システインまたはリジン残基の封入により、ペプチドを官能性成分の電気親和性
基に対するシステイン残基のチオール基の硫黄原子またはリジン残基のアミ基の
窒素原子の求核攻撃によって、ブロモ基もしくはヨード基もしくはエステル基ま
たは無水基などの電気親和性基を含む官能性成分に結合可能である。あるいは、
二官能価架橋剤を使用して官能性成分にペプチドのβ鎖形成部分を結合させるこ
とができるか、官能性成分をすでに含む特異的に調製したアミノ酸誘導体を使用
して全長プチドを合成することができる、あるいはジシクロヘキシルカルボジイ
ミドなどの標準的カップリング剤を使用してペプチドの側鎖または末端カルボキ
シル基もしくはアミノ基と官能性成分のアミノ基またはカルボキシル基との間に
アミド結合を形成することができる。
【0080】 本発明のペプチドの使用 本明細書中に記載の化合物および組成物を、標的β鎖に特異的に会合すること
によって他のβ鎖の標的β鎖への会合を阻害する能力を使用する任意の適用に使
用することができる。これらの化合物の1つの適用は、タンパク質またはペプチ
ドの不溶性β繊維への凝集の阻害または逆行、より詳細には、in vitroまたはin
vivoでのβ鎖のβシートへの会合の阻害または逆行での使用である。例えば、i
v vitroでは、これらの化合物を尿素、塩化グアニジニウム、または他の変性剤
などの添加剤と組み合わせて使用して、変性、誤折りたたみ、または凝集タンパ
ク質またはペプチドの再折りたたみを補助することができる。
【0081】 本発明の本態様により、変性、誤折りたたみ、または凝集タンパク質またはペ
プチドを、例えば本発明のペプチドおよび添加剤を含む溶液から、または添加剤
の存在下でペプチドが共有結合する固体マトリクス、樹脂、または支持体による
タンパク質再生クロマトグラフィーで透析する。
【0082】 ペプチドはまた、タンパク質またはペプチドの不溶性β繊維への凝集によって
発症する疾患(序文に列挙の疾患など)のin vitroまたはin vivoでの診断、研
究、または治療に有用である。このような適用では、化合物が細胞膜および血液
−脳障壁を貫通することができ、且つ化合物が酵素触媒タンパク質分解に耐性を
示すように設計され、追跡可能な基を、これらの疾患の診断用のプローブとして
使用することができるように上記の本発明の化合物に組み込むこともできる。
【0083】 本発明のペプチドをin vitroまたはin vivoのいずれかで使用して、β鎖の会
合で起こる場合のタンパク質サブユニットのオリゴマー形成または会合を阻害す
ることもできる。多数の酵素および他のタンパク質はβ鎖の会合による個別のサ
ブユニットから形成されるダイマーまたは他のオリゴマーとしてのみ活性であり
、本発明の化合物を使用してこれらのβ鎖への結合による完全なタンパク質複合
体を形成する会合の妨害によってこれらのタンパク質活性を阻害することができ
る。例えば、HIVプロテアーゼの触媒活性は、ペプチドのN末端およびC末端
部分によって形成されるβ鎖の会合に関与するその二量体化に依存する。このペ
プチド部分に相同な短鎖ペプチドを首尾よく使用して二量体化によるこの酵素の
触媒活性が阻害されている(Babe et al., 1992; Franciskovich et al., 1993;
Schramm et al., 1993; Schramm et al., 1996; Schramm et al., 1992; Zutshi
et al., 1997)。しかし、これらのペプチドは、Nα非置換α−Lアミノ酸残基
のみからなるので水溶液にあまり溶解せず、タンパク質分解酵素による分解に感
受性を示すので、治療薬としての使用には適切ではない。本明細書中に記載の化
合物は、水溶液により溶解し、且つタンパク質分解酵素による分解に耐性を示す
ので、本発明の化合物は治療薬としての使用により適切である。タンパク質サブ
ユニットの活性複合体へのオリゴマー形成または会合を阻害するための「境界」
ペプチドの使用に関する総説については参考文献(Zutshi et al., 1998)を参照
のこと。
【0084】 従って、本発明のペプチドのβ鎖会合阻害能力を、in vitroおよびin vivoの
両方での任意の適用に使用することができる。さらに、これらの化合物のただ標
的β鎖との特異的会合能力自体を、任意のin vitroまたはin vivo適用に使用す
ることもできる。例えば、化合物を追跡可能なプローブ、特に組織化学的色素ま
たはインディケーターとして使用して、in vitroまたはin vivoでのβ鎖、βシ
ート、またはβ繊維の存在または位置を表示することができる。このような適用
では、化合物は、放射性または磁気活性核、または蛍光、有色、もしくは他の分
光学的に検出可能な基(不対電子を含むのでスピンラベルとして作用する基など
)を含む原子または基を含むかそれに結合している。詳細には、このような化合
物を組織化学的色素またはインディケーターとして使用して、アルツハイマー病
、および脳中のタンパク質またはペプチドの不溶性β繊維への凝集によって発症
する他の神経変性疾患患者における不溶性β繊維の生成を監視することができる
【0085】 本発明のペプチドを固体マトリクス、樹脂、または支持体に結合させ、それ自
体を上記のタンパク質再生クロマトグラフィーに使用することができる。ペプチ
ドをこの形態でアフィニティークロマトグラフィーにも使用することができ、ペ
プチドのβ鎖形成部分は標的β鎖を形成するタンパク質またはペプチドを捕捉す
るためのバイト(餌)として作用する。例えば、β鎖を形成してそれ自体が生物
目的の特定のタンパク質によって形成される標的β鎖に特異的に会合するように
設計されたペプチドのβ鎖形成部分を、アフィニティークロマトグラフィーによ
る上記特定のタンパク質の精製を可能にするために固体マトリクス、樹脂、また
は支持体に結合させることができる。標的β鎖を含むタンパク質は固体支持体に
結合したペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖に結合し、それにより
ペプチドのβ鎖形成部分によって認識されない他のタンパク質から分離すること
ができ、次いで、精製タンパク質をペプチドのβ鎖形成部分の遊離形態の添加ま
たは2つのβ鎖間の相互作用を破壊するいくつかの他の薬剤(尿素またはいくつ
かの他の変性剤など)の添加によって支持体から遊離することができる。
【0086】 最後に、本明細書中に記載の化合物を、任意の上記の適用に使用される1つの
特定の化合物をスクリーニングするためのこのような化合物の組み合わせライブ
ラリーに含めることができる。この組み合わせライブラリーを、合成ペプチドラ
イブラリーの任意の適切な標準的調製法(Lebl and Krchnak, 1997)によって調製
することができ、Nα置換α-D−アミノ酸残基を本発明のペプチドの適切な位
置に含める。次いで、得られたライブラリーを、標的β鎖に十分に強固に結合す
るか、オリゴマー形成の遮断によってオリゴマータンパク質の活性を十分に阻害
するか、タンパク質またはペプチドの不溶性β繊維への凝集によって死滅してし
まう細胞を救出するペプチドについてスクリーニングする。選択された化合物を
上記の任意の適用に直接使用するか、さらに活性であるか治療薬としての使用に
より適した化合物の組み合わせライブラリーの設計に使用することができる。
【0087】 治療薬用として、本発明のペプチドを確立された手順にしたがって処方するこ
とができる。本発明のペプチドを、経口、静脈内(水溶性の場合)、筋肉内、皮
下、鼻腔内、皮内、または座薬経路または移植(例えば、徐放性分子を使用する
)などの便利な様式で投与することができる。投与経路によっては、ペプチドを
酵素作用、酸、およびペプチドを不活化し得る他の天然の条件から保護するため
の材料で被覆することが必要であり得る。
【0088】 非経口投与以外によってペプチドを投与するために、不活化を防止するための
材料でペプチドを被覆するかそれと共に投与することができる。例えば、ペプチ
ドをアジュバント中で投与するか、酵素インヒビターと同時投与するか、リポソ
ーム中で投与することができる。広義のアジュバントが使用され、これには、任
意の免疫刺激化合物(インターフェロンなど)が含まれる。本明細書中で意図さ
れるアジュバントには、レゾルシノール、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエ
チレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルなど)が
挙げられる。酵素インヒビターには、膵臓トリプシンおよび他の消化プロテアー
ゼのインヒビターが挙げられる。
【0089】 リポソームには、水中−油中−水CGFエマルジョンならびに従来のリポソー
ムが挙げられる。
【0090】 活性化合物を非経口または腹腔内で投与することもできる。グリセロール、液
体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物ならびに油中に分散物を調製
することもできる。通常の保存および使用条件下で、これらの調製物は微生物の
増殖予防のための防腐剤を含む。
【0091】 注射用途に適した薬学的形態には、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散物
および滅菌注射溶液または分散物の即席調製用の滅菌粉末が挙げられる。全ての
場合に、形態は滅菌されていなければならず、シリンジで容易に扱える範囲の流
動体でなければならない。形態は、製造および保存条件下で安定でなければなら
ず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。キ
ャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロ
ピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な
混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性を、例
えば、レシチンなどの被覆剤の使用、分散物の場合は必要な粒径の維持、および
界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0092】 種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノ
ール、ソルビン酸、チメロサールなど)によって、微生物作用を防止することが
できる。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含むことが
好ましい。吸収遅延剤(例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチン
)の組成物中での使用によって、注射用組成物の吸収を遅らせることができる。
【0093】 滅菌注射用溶液を、上記の種々の他の成分を含む適切な溶媒中への必要量の活
性化合物を組み込みによって調製し、必要に応じて、その後ろ過滅菌する。一般
に、分散物を、基本的分散媒および上記の必要な他の成分を含む滅菌賦形剤中へ
の滅菌有効成分の組み込みによって調製する。滅菌注射溶液調製用の滅菌粉末の
場合、好ましい調製法は、その予めろ過滅菌した溶液から有効成分および任意の
所望の添加成分の粉末を得る真空乾燥および凍結乾燥技術である。
【0094】 上記のようにペプチドが適切に保護されている場合、ペプチドを例えば不活性
希釈剤または吸収される食用キャリアと共に経口投与するか、硬殻ゼラチンカプ
セルまたは軟殻ゼラチンカプセル中に封入するか、錠剤に圧縮するか、食事の食
品に直接組み込むことができる。経口治療薬投与のために、活性化合物と賦形剤
に組み込み、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁
液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用することができる。このような治療
に有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な投薬量が得られる量である。
【0095】 錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどには、以下も含むことができる:結合剤
(トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチ、またはゼラチンなど)、
賦形剤(リン酸二カルシウムなど)、崩壊剤(コーンスターチ、ジャガイモデン
プン、アルギン酸など)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、甘味料(
スクロース、ラクトース、またはサッカリンなど)を添加できるか、または香料
(ペパーミント、冬緑油またはチェリー香料など)。投薬単位形態がカプセルで
ある場合、上記型の材料に加えて、液体キャリアを含み得る。
【0096】 種々の他の材料は被覆剤として、または他の方法で投薬単位の物理的形態を改
変するために存在することができる。例えば、錠剤、丸薬、またはカプセルをシ
ェラック、糖、またはその両方で被覆することができる。シロップまたはエリキ
シルは、活性化合物、甘味料としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよび
プロピルパラベン、色素、およびチェリーおよびオレンジ香料などの香料を含み
得る。勿論、任意の投薬単位形態の調製に使用される任意の材料は、薬学的に純
粋で使用量では実質的に無毒であるはずである。さらに、活性化合物を、徐放性
調製物および処方物に組み込むことができる。
【0097】 本明細書中で使用される、「薬学的に受容可能なキャリアおよび/または希釈
剤」には、任意および全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等
張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性な物質用のこのような溶
剤および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の溶剤または薬剤が
有効成分と不適合である範囲以外は、その治療組成物中での使用が意図される。
補助的な有効成分を、組成物中に組み込むこともできる。
【0098】 投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態中に非経口組成物
を処方することが特に有利である。本明細書中で使用される投薬単位形態とは、
治療を受ける哺乳動物被験体用の均一な投薬量として適切な物理的に個別の単位
(必要な薬学的キャリアと共同して所望の治療効果を得るように計算された予め
同定した量の活性材料を含む各単位)をいう。本発明の新規の投薬単位形態につ
いての規格は、(a)活性材料の固有の特徴および達成されるべき特定の治療効
果および(b)身体の健康を害した疾患状態の生きた被験体における疾患治療用
の活性材料などの合成分野が本来有する制限に従い、これに直接依存する。
【0099】 適切な薬学的に受容可能なキャリアと共に有効量の便利で有効な投与用に、主
要な有効成分を投薬単位形態で合成する。補助的な有効成分を含む組成物の場合
、投薬量を、通常の用量および上記成分の投与様式を基準にして決定する。
【0100】 本発明は、異常なタンパク質/ポリペプチド構造に関連する疾患の治療用薬物
を製造するための本発明のペプチドの使用を提供する。タンパク質/ポリペプチ
ドの異常な性質は誤折りたたみまたは非折りたたみによる場合があり、これらは
異常な、例えば変異アミノ酸配列による場合がある。タンパク質/ポリペプチド
を、不安定化するか、例えば、アルツハイマー病のようにプラークとして蓄積し
得る。疾患はプリオンによって発症し得る。本発明のポリペプチドベースの薬物
は、異常、不完全、または蓄積タンパク質の蓄積を再生もしくは再可溶化または
阻害するように作用する。
【0101】 本発明は、例示のみの目的で以下の実施例でさらに説明する。
【0102】
【実施例1】 アルツハイマーAβペプチドのアミロイド繊維への凝集は、Aβペプチドの残
基16〜20を含む5残基KLVFF(配列番号1)ペプチドセグメントの分子
間会合によって起こる(Tjernberg et al., 1997)。したがって、Aβペプチドの
凝集を阻害するために、ペプチド(以下ペプチドX(配列番号2)という)をK
LVFFモチーフ(配列番号1)と強固に会合するように構築した。
【0103】 ペプチドX中の側鎖配列はLLLRR(配列番号2)であり、これは、アルギ
ニン側鎖を有するさらなる残基をC末端に付加している以外は逆の配列FFVL
K(配列番号3)に非常に相同的である。
【0104】 ロイシン側鎖は比較的柔軟で、結合したβ鎖の隣接した疎水性側鎖と強力な疎
水性相互作用を作り出すようにそれらの立体配座を適合させることができるため
、ロイシン側鎖を選択して、FFVLK配列(配列番号3)における4つの疎水
性側鎖すべてと交換し、一方、アルギニン側鎖は、標的β鎖の凝集を引き起こす
KLVFF(配列番号1)セグメントに続く2つの酸性側鎖のうちの1つと、よ
り強力な静電的相互作用を形成することができるため、アルギニン側鎖を選択し
て、FFVLK配列(配列番号3)におけるリシン側鎖と交換した。
【0105】 ペプチドX(配列番号2)のC末端にアルギニン側鎖を有するさらなる残基は
、これら2つの酸性側鎖の第2の側鎖と別の強力な静電気的相互作用を形成する
ことができ、ペプチドX(配列番号2)が細胞膜および血液−脳障壁を貫通する
のをさらに補助するはずである。
【0106】 最後に、標的β鎖の凝集を引き起こすKLVFF(配列番号1)セグメントと
の会合を最大にするために、ペプチドX(配列番号2)のN末端アミノ基をアセ
チル化するか、ペプチドX(配列番号2)が細胞膜および血液−脳障壁を貫通す
る能力をさらに改良するために負電荷のC末端カルボキシル基をアミド化した。
この方法で、β鎖としてアルツハイマーAβペプチドによって形成された標的β
鎖の、凝集を引き起こすKLVFF(配列番号1)セグメントと特異的に会合し
て平行βシート複合体を形成して、Aβペプチドの不溶性β繊維への凝集を立体
的に妨害するようにペプチドX(配列番号2)を設計した。
【0107】 ペプチドX(配列番号2)は、本発明の置換ペプチドである。置換基を含む配
列は、Nα−アセチル−(Dロイシン)−(Nα−メチル−Dロイシン)−(D
ロイシン)−(Nα−メチル−Dロイシン)−(Dアルギニン)−(Dアルギニ
ン)−NH2、すなわち全−D−[Ac−Leu−meLeu−Leu−meL
eu−Arg−Arg−NH2である。
【0108】 立体障害アミノ酸残基をカップリングすることができるカップリング剤1−ヒ
ドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(Angell et al., 1994; Ca
rpino et al., 1994)を使用した9−フルオロレニルメトキシカルボニル−(F
moc−)ベースの固相ペプチド合成(Fields and Noble, 1990)によってペプチ
ドX(配列番号2)を合成した。
【0109】 ペプチドX(配列番号2)は、10mM(約10mg/ml)の濃度において
広範なpH値で水溶液に完全に溶解できることが見出された。しかし、2つの正
電荷のアルギニン側鎖を除いては、ペプチドは疎水性が非常に高いので、特にた
った6アミノ酸残基長であるため、全ての細胞膜および血液−脳障壁を貫通でき
る。2つの正電荷のアルギニン側鎖はこれらを構成するリン脂質分子の負電荷の
リン酸先端基との静電気的相互作用によってペプチドが細胞膜および血液−脳障
壁を貫通するのを補助して、これらの膜を通過するペプチド分子を運ぶ逆ミセル
を形成する。
【0110】 ペプチドX(配列番号2)の、アルツハイマーのAβペプチドの残基11〜2
5に対応する合成ペプチドフラグメントのアミロイドフィブリルへの凝集を阻害
する能力を、482nmのチオフラビンTのアミロイド依存性蛍光に基づいた標
準的アッセイを使用して定量的に測定した(Levine, 1993)。
【0111】 ペプチドX(配列番号2)を、10mM濃度(約10mg/ml)になるよう
に水中に溶解させた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中の50μ
M(約0.1mg/ml)濃度のアルツハイマーAβペプチド断片を、ペプチド
X(配列番号2)の非存在下、または100μM〜1mMの範囲の濃度のペプチ
ドXの存在下にて25℃でインキュベートした。20分後に溶液中での不溶性β
繊維へのAβペプチド断片の凝集を、440nmの励起波長を用いて、482n
mでの1μM添加したチオフラビンTの蛍光の測定によって、定量的に測定した
。次に、これらの溶液の5ml分取量を電子顕微鏡法により分析し、ペプチドX
(配列番号2)が、アルツハイマーAβペプチド断片の不溶性β繊維への凝集を
抑制するか、および、または逆進させるかを確認した。
【0112】 このアッセイによれば、Aβペプチド断片のアミロイド原繊維への凝集は、2
00μMのペプチドX(配列番号2)の存在下にて、60%を超えて抑制した(
図5を参照)。インキュベーション後にペプチドX(配列番号2)をAβペプチ
ド断片に添加した際、同様の結果が得られ、ペプチドX(配列番号2)は予め形
成したアミロイド原繊維を脱凝集化することができることを示した。500mM
ペプチドX(配列番号2)と共に、または用いずにインキュベートしたAβペプ
チド断片を電子顕微鏡法により分析することにより、ペプチドX(配列番号2)
は、Aβペプチド断片のアミロイド原繊維への凝集をほぼ完全に抑制することを
確認した(図6および7を参照)。
【0113】 図3および図4は、どのようにしてペプチドX(配列番号2)がβ鎖(X)を
形成し、それ自体がAβペプチドまたはいくつかの他のペプチドベースの分子の
セグメントによって形成される標的β鎖(Y)の1つの縁といずれかの方向で会
合して、平行(図3)および逆平行(図4)の二本鎖βシート複合体を形成する
ことにより、他のβ鎖の標的β鎖の上記縁との会合を立体的に妨害するのかを示
す。
【0114】 ペプチドX(配列番号2)の全長はβ鎖を形成することができるが、これは立
体的にβ鎖を形成することができるα-D−アミノ酸残基のみからなるためであ
る:これらは全てβ鎖形成に必要なφおよびψ角をそれぞれ選択することができ
る。さらに、2つのNα−メチル−a−Dアミノ酸残基(残基2および4)のN
−メチル基によって課される立体的拘束が、ペプチドX(配列番号2)によるβ
鎖の形成を促進するよう働く。ペプチドX(配列番号2)がβ鎖を形成する場合
、これら2つのNα−メチル基は図3または図4のいずれかに示すようにβ鎖の
同一の縁に沿って存在し、これは、これらの基が互いに離れた偶数の残基(この
場合、2残基)あり、β鎖の反復単位は2残基であるためである。ペプチドX(
配列番号2)によって形成されたこのβ鎖の縁は、これら2つのNα−メチル基
によって別のβ鎖との会合を立体的に妨害される。しかし、ペプチドX(配列番
号2)におって形成されたβ鎖の他方の縁は会合するために遊離したままであり
、平行または逆平行方向のいずれかで、Aβペプチドまたはいくつかの他のタン
パク質またはペプチド分子のセグメントによって形成される標的β鎖の遊離の縁
と会合して、平行(図3)および逆平行(図4)の二本鎖βシート複合体を形成
することにより、他のβ鎖の、標的β鎖のその縁との会合を立体的に妨害し、伸
長βシートの形成および不溶性病原性β繊維の蓄積を防止する。ペプチドX(配
列番号2)によって形成されるβ鎖の、標的β鎖との会合は、バックボーンペプ
チド基間の水素結合およびその側鎖間のさらなる非共有相互作用によりなされる
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【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 β鎖が伸長βシートと会合して不溶性β繊維を形成するのかを示した概略図で
ある。 この図では、β鎖を、それぞれ2つの長い縁上に同サイズの円形のタブおよび
円形の穴(β鎖の2つの縁に沿ったバックボーンアミド基のCOおよびNH成分
を示す)を有する波型(jigsaw)白色片として示す。
【図2】 本発明のペプチド中のペプチドのβ鎖形成部分によって形成されたβ鎖が他の
タンパク質およびペプチド分子によって形成された標的β鎖の伸長β鎖および不
溶性β繊維への凝集を阻害することができるのかを示した概略図である。
【図3】 ペプチドXがβ鎖X(配列番号2)を形成し、それ自体がいずれかの方向でA
βペプチドまたはいくつかの他のペプチドベースの分子のセグメントによって形
成される標的β鎖(Y)の1つの縁と会合して、平行の二本鎖βシート複合体を
形成して、他のβ鎖の標的β鎖の縁との会合を立体的に妨害するのかを示す図で
ある。
【図4】 ペプチドXがβ鎖X(配列番号2)を形成し、それ自体がいずれかの方向でA
βペプチドまたはいくつかの他のペプチドベースの分子のセグメントによって形
成される標的β鎖(Y)の1つの縁と会合して、逆平行の二本鎖βシート複合体
を形成して、他のβ鎖の標的β鎖の縁との会合を立体的に妨害するのかを示す図
である。
【図5】 ペプチドX(配列番号2)を投与した後の、βシート構造へのアルツハイマー
Aβペプチド凝集の防止を示すグラフである。
【図6】 凝集したアルツハイマーAβペプチドを示す電子顕微鏡写真である。アルツハ
イマーAβペプチドを500mM濃度でインキュベートし、その凝集物を電子顕
微鏡法により検査した。
【図7】 ペプチドX(配列番号2)の存在下にて、500mM濃度でインキュベート
したアルツハイマーAβペプチドを示す電子顕微鏡写真である。電子顕微鏡検査
は、凝集の実質的な除去を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
【配列表】 <110> SCOTT, KELVIN <120> PEPTIDES <130> 42197PCT <140> <141> <150> GB 9917725.5 <151> 1999-07-28 <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : RESIDUES 16 to 20 OF HUMAN A-BETA PEPTIDE <400> 1 Lys Leu Val Phe Phe 1 5 <210> 2 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : ARTIFICIAL PEPTIDE ASSOCIATES TIGHTLY WITH SEQUENCE OF SEQ ID NO 1 <400> 2 Leu Leu Leu Leu Arg Arg 1 6 <210> 3 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : REVERSE OF PEPTIDE SEQUENCE OF SEQ ID NO 1 <400> 3 Phe Phe Val Leu Lys 1 5 参考文献 Angell, Y. M., Garciaecheverria, C., and Rich, D. H. (1994)「固相ペプ
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Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチドを含む化合物または組成物であって、前記ペプチド
    は、β鎖を形成するペプチドのβ鎖形成部分を含み、それ自体が異なるペプチド
    含有分子によって形成された標的β鎖と会合するか、前記ペプチドのβ鎖形成部
    分の構造および作用を模倣する成分を含み、前記ペプチドのβ鎖形成部分は少な
    くとも4つの連続(consecutive)するα-D−アミノ酸残基配列を含み、その全て
    は前記ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成が立体的に可能であり、その少なくと
    も1つはNα置換α-D−アミノ酸残基であり、いずれの2つの連続(successive
    )するNα置換α−D-アミノ酸残基は奇数の連続(consecutive)するNα非置換
    α−D-アミノ酸残基によって分離されている、化合物または組成物。
  2. 【請求項2】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の2つの連続(successive)す
    るするNα置換アミノ酸残基は3つを超える連続(consecutive)するNα非置換
    アミノ酸残基によって分離されていない、請求項1記載の化合物または組成物。
  3. 【請求項3】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の連続(successive)するNα
    置換α-D−アミノ酸残基は、前記ペプチドのβ鎖形成部分がNα置換およびN
    α非置換α-D−アミノ酸残基が交互になった配列を含むように、1つのNα非
    置換α-D−アミノ酸残基によって互いに分離されている、請求項1または請求
    項2に記載の化合物または組成物。
  4. 【請求項4】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の各Nα-置換α-D−アミノ
    酸残基のNα-置換基により、前記ペプチドのβ鎖形成部分がβ鎖を立体的に形
    成できるようにするか、または促進し、かつ、そのβ鎖の一方の縁と他方のβ鎖
    の会合を立体的に阻害する、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物また
    は組成物。
  5. 【請求項5】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の各Nα置換α-D−アミノ
    酸残基のNα置換基は、 フッ素原子またはOH基、 その中の酸素原子によってNα原子と連結する基、 その中のCH2部分基によってNα原子と連結する基、 メチル基もしくはエチル基またはある他のアルキル基または脂肪族基、 置換もしくは非置換ベンジル基またはある他のアリールメチル基、 アセチル化またはアシル化2−ヒドロキシベンジル(AcHmb)基、および アシル化または非アシル化2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル(AcHb
    /Hb)基 からなる群から選択される、請求項4記載の化合物または組成物。
  6. 【請求項6】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の各α-D−アミノ酸残基の
    側鎖により、前記ペプチドのβ鎖形成部分のβ鎖形成を可能とするか、またはβ
    鎖の形成を促進する、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D−
    アミノ酸残基の側鎖は、1.00を超えるβシート傾向(sheet propensity)を有する
    アミノ酸残基の側鎖である、請求項6記載の化合物または組成物。
  8. 【請求項8】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D−
    アミノ酸残基の側鎖は、 前記ペプチドのβ鎖形成部分がβ鎖として標的β鎖と会合することにより安定
    したβシート複合体の形成を可能とするか、または促進する原子または基、およ
    び 標的β鎖およびペプチドのβ鎖形成部分を含むβシート複合体中の標的β鎖の
    隣接側鎖と疎水性または静電気的相互作用、水素結合、または他の好ましい非共
    有的相互作用を形成する原子または基からなる群から選択される、請求項6また
    は請求項7に記載の化合物または組成物。
  9. 【請求項9】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D−
    アミノ酸残基の側鎖は、 疎水基または多数の疎水性部分を有する基、 分岐または非分岐アルキルまたは脂肪族基、 連結β炭素原子で分岐している基、 芳香族基、 酸性または塩基性基、および アミドまたは水酸基を含む基からなる群から選択される、請求項6ないし請求
    項8のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  10. 【請求項10】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中のいずれか1つまたは複数
    のα-D−アミノ酸残基の側鎖は、βシートのスタッキングを防止する、先行す
    る請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  11. 【請求項11】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D
    −アミノ酸残基の側鎖は、β鎖中の隣接側鎖を越えて伸長する、請求項10項に
    記載の化合物または組成物。
  12. 【請求項12】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D
    −アミノ酸残基の側鎖により化合物または組成物を追跡または検出可能である、
    先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  13. 【請求項13】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D
    −アミノ酸残基の側鎖は、 放射性または磁気活性核を含む原子または基、 芳香環上に置換された1つまたは複数の放射性または磁気活性ヨウ素または他
    のハロゲン原子を有するフェニルアラニンまたはチロシンである上記の原子また
    は基、 蛍光、有色、または他の分光学的に検出可能な基、 不対電子を含み、それによってスピンラベルとして作用する基、 2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ(PROXYL)基
    を含む基、および 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)基を
    含む基からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物または組成物。
  14. 【請求項14】 前記ペプチドのβ鎖形成部分中の1つまたは複数のα-D
    −アミノ酸残基の側鎖は、 天然に存在するα−Lアミノ酸またはその合成誘導体、グリシン、アラニン、
    セリン、システイン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニ
    ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン
    、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、アルギニン、およびte
    rt−ロイシン、またはβヒドロキシバリンからなる群から選択される、先行する
    請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  15. 【請求項15】 前記標的β鎖はアルツハイマーのAβペプチドによって形
    成され、前記ペプチドのβ鎖形成部分は、β鎖として標的β鎖内のKLVFFA
    E配列の一部または全部に平行方向で特異的に結合し、それにより前記ペプチド
    のβ鎖形成部分の連続(consecutive)する残基が、同一の順序でKLVFFAE
    配列の連続(consecutive)する残基に斜めに向かい合っている平行βシート複合
    体を形成する、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  16. 【請求項16】 前記標的β鎖はアルツハイマーのAβペプチドによって形
    成され、前記ペプチドのβ鎖形成部分は、β鎖として標的β鎖内のKLVFFA
    E配列の一部または全部に逆平行方向で特異的に結合し、それにより前記ペプチ
    ドのβ鎖形成部分の連続(consecutive)する残基が、逆の順序でKLVFFAE
    配列の連続する残基に斜めに向かい合っている逆平行βシート複合体を形成する
    、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  17. 【請求項17】 前記ペプチドのβ鎖形成部分は、該ペプチドのβ鎖形成部
    分が細胞膜および血液−脳障壁などの生物学的障壁を通過できるようにするペプ
    チドの区別可能な膜貫通部分の前であるか、後であるか、またはそれに結合して
    いる、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  18. 【請求項18】 前記ペプチドの膜貫通部分中の各残基の側鎖は、 塩基性基または疎水性基、およびアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン
    、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒス
    チジン、リジン、またはアルギニンの側鎖からなる群から選択される、請求項1
    7に記載の化合物または組成物。
  19. 【請求項19】 前記ペプチドのβ鎖形成部分は、遊離もしくはアシル化N
    末端および遊離、アミド化、もしくはエステル化C末端を有するか、または遊離
    もしくはアシル化N末端および遊離、アミド化、もしくはエステル化C末端を有
    するより大きなペプチド部分を形成する、先行する請求項のいずれか1項に記載
    の化合物または組成物。
  20. 【請求項20】 前記ペプチドのβ鎖形成部分は別の官能性成分と結合して
    いる、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成物。
  21. 【請求項21】 前記官能性成分は、 前記ペプチドのβ鎖形成部分の前記標的β鎖への結合を強化する成分、 前記ペプチドのβ鎖形成部分の前記標的β鎖への会合特異性を向上させる成分
    、 前記ペプチドのβ鎖形成部分が細胞膜および血液−脳障壁などの生物学的障壁
    を通過できるようにする成分、 化合物/組成物を特定の器官、細胞、または分子に標的させる成分、 化合物/組成物を追跡または検出できるようにする成分、 放射性または磁気活性核を含む原子または基、 蛍光、有色、または他の分光学的に検出可能な基、 不対電子を含み、それによってスピンラベルとして作用する基、 2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ(PROXYL)基
    または2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)
    基を含む基、 固体マトリクス、樹脂、または支持体、 酵素、ホルモン、抗体、転写因子、または他のタンパク質分子、 特定のタンパク質に特異的に結合する基、および 細胞傷害性分子からなる群から選択される、請求項20に記載の化合物または
    組成物。
  22. 【請求項22】 前記官能性成分への前記ペプチドのβ鎖形成部分の結合は
    、全長ペプチドのC末端カルボキシル基もしくはN末端アミノ基を用いてまたは
    全長ペプチド内の側鎖のカルボキシル基、アミノ基、または水酸基を用いてアミ
    ドまたはエステル結合によって形成されるか、または全長ペプチド内の側鎖のチ
    オール基を用いてジスルフィド結合によって形成される、請求項20または請求
    項21に記載の化合物または組成物。
  23. 【請求項23】 先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物または組成
    物に標的β鎖を暴露する過程と、前記化合物または組成物の標的β鎖への会合を
    可能にするか誘導する過程とを含む、標的β鎖のβシートまたはβ繊維への会合
    を阻害または逆行する方法。
  24. 【請求項24】 タンパク質またはペプチドと請求項1ないし請求項22の
    いずれか1項に記載の化合物または組成物とを接触させる過程を含む、タンパク
    質またはペプチド凝集を阻害または逆行する方法。
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