JP2003505432A - 抗ep−cam抗体と化学療法剤との組合せ - Google Patents

抗ep−cam抗体と化学療法剤との組合せ

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JP2003505432A JP2001511965A JP2001511965A JP2003505432A JP 2003505432 A JP2003505432 A JP 2003505432A JP 2001511965 A JP2001511965 A JP 2001511965A JP 2001511965 A JP2001511965 A JP 2001511965A JP 2003505432 A JP2003505432 A JP 2003505432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】EP−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/Mで停止させ得る化学療法剤と、抗Ep−CAM抗体との組合せ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞周期の進行をG/Mで停止させることによって細胞の増殖に
影響を与える化学療法剤とEP−CAM抗原に特異的に結合する抗体との組合せ
、及び前記抗原を発現する癌の治療におけるそれらの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
癌に対する従来の治療的なアプローチには、手術、放射線療法、及び化学療法
を様々に組み合わせたものが含まれるが、ここ20年来、回復率はさほど向上し
ていない。化学療法と放射線療法における主たる制約は、正常な細胞と腫瘍細胞
の両者に非選択的なターゲッティングが行われ、有害な副作用をもたらすことで
ある。より毒性が低く、より特異的な代替治療を求めて、様々なタイプの免疫療
法が研究されてきた。これらの様式の中では、モノクローナル抗体に基づいた戦
略が広範囲の悪性腫瘍に用いられている(Riethmtuller et a
l. Curr Opin Immun 1992,4,647−655 an
d Riethmuller et al. Curr Opin Immun
ol 1993,5,732−739)。モノクローナル抗体の有用性は、クロ
ーン抗原の特異性(すなわち、抗原を有し得る特異的なエピトープを分子認識し
、これらの抗原に高い親和性で結合すること)に基づく。モノクローナル抗体は
、悪性細胞の表面上のみに発現されている、又は悪性細胞の表面上により多く発
現されている抗原に結合し得るため、腫瘍細胞を特異的な標的として、これを破
壊するために使用することができる。抗体は、薬物又はDNAを輸送するための
担体として、又は放射性核種との接合体として作製し得る。裸の抗体が標的細胞
に結合することによって、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)や補体依存性
細胞性細胞傷害(CMC)等(何れも、標的細胞の溶解又は食作用をもたらし得
る)の生来的抗腫瘍免疫機能も活性化し得る。ADCCとCMCは何れも抗体用
量に相関する免疫機能なので、標的細胞にはできるだけ多くの抗体を結合させる
ことが望ましい。かかる課題を解決するための1つの方法は、より多くの抗体を
細胞に結合させることによって、例えば、標的細胞のADCCのような抗体機能
を効果的に増強させ得る適切な抗原の発現レベルを増加させることである(Fo
gler et al. Cancer Research 48:6303−
6308(1988))。
【0003】 癌の治療で重要な抗原の1つは、Ep−CAM抗原(ヒトの汎癌腫性抗原;p
an−calcinoma antigen)である。該抗原は、細胞接着分子
として機能すると報告されている膜貫通型糖タンパク質であり(Litvino
w et al. J. Cell Biology 125:437−446
,1994)、17−1A抗原、40kD抗原、EGP40、GA733−2、
KSA、及びESAとしても知られているが、文献の中では他の名称又は記述で
知られているかもしれない。Ep−CAM抗原は、単純な立方、又は円柱、偽重
層円柱及び移行上皮の大部分の基底外側表面上に発現されており、一般に、腫瘍
細胞上にはより高レベルで発現されている。上皮細胞は、ヒトの悪性腫瘍の進行
において最も重要な細胞種であることが知られている。このため、全悪性腫瘍の
うち90%超が癌腫であり、従って内皮由来である(Acta Anatomi
ca;156 (3);217−226(1996))。
【0004】 Ep−CAM抗原は上皮由来の腫瘍細胞の多くに発現されているが、成体内皮
組織、表皮の成体ケラチン生成細胞、胃壁細胞、胸腺皮質上皮、筋上皮細胞、及
び肝細胞等のEp−CAMを発現しない上皮由来の細胞の例も存在する。悪性腫
瘍細胞の表現型は、モノクローナル抗体の効力において重要な役割を果たす。腫
瘍特異的な抗原は捕捉し難いことが明らかとなっているが、正常な細胞と腫瘍細
胞との抗原の発現差は、抗体を腫瘍にターゲッティングするための手段を供与す
る。臨床的には、抗原の均一性と腫瘍細胞上での発現密度を増加することによっ
て、これらの差異を増幅させることが有用であろう。
【0005】 多くの正常な抗原(例えば、HLAクラスI)の他、腫瘍抗原の発現を増加せ
しめることによって、インターフェロンが細胞の表現型を変化させることは周知
である。例えば、ヒトの組換えインターフェロンαとインターフェロンγはヒト
腫瘍抗原TAG−72とCEAの発現を増加させ得る(Greiner et
al. Cancer Res 44:3208−3214(1984))。イ
ンターフェロンへの暴露により、より多くのCEAを細胞表面から流出させるよ
り均一なCEA陽性の腫瘍細胞集団が誘導されることが、胸腺欠損マウスにヒト
の癌腫を異種移植したインビボでの実験によって確認された。インターフェロン
γでの処理は、患者の悪性腹水中に存在する卵巣又は消化器腫瘍細胞上のTAG
−72とCEAの発現を増大させた(Greiner et al. J Cl
in Oncol 10:735−746 (1992))。細胞に対するイン
ターフェロンの効果は多様であり、直接的な細胞傷害作用から免疫強化、抗増殖
活性にまでわたる。抗原発現に対するインターフェロンの効果の中で、細胞周期
の進行の妨害が直接の原因とされているものは存在しなかった。
【0006】 要約すれば、細胞周期の進行とは、ある有糸分裂と別の有糸分裂との間に介在
する細胞内での一連の現象を指す。静止期(G)の後にはDNA合成準備期(
)が続き、その後DNA合成期(S)が続く。分裂準備期(G)と分裂期
(M期)の後に、細胞は2つの子孫細胞に分裂する。細胞機構に何らかの妨害が
生じると、細胞周期の何れかの期で全ての周期の進行が阻害され得る。例えば、
特定の化学療法剤はG又はMの何れか、又はGとMの両者(G/M)で進
行を停止させ得る。換言すれば、ある種の薬物(例えば、化学療法剤)への暴露
により、例えば、各細胞がG及び/又はMで停止し、最終的には、ある集団中
の殆ど又は全ての細胞がG及び/又はM(G/M)で停止することになろう
。HeLa細胞では、例えば、G、S、G、及びM期は、それぞれ、8.2
、6.2、4.6、及び0.6時間である。有糸分裂間の期間は間期と称される
。細胞は、それらの発達段階又は組織の種類に応じて、異なる倍加時間を有し得
る。倍加時間の変動は、通常、Gで費やした時間の関数である(A Dict
ionary of Genetics, 5th edition,RC K
ing and WD Stansfield,Oxford Univers
ity Press,1997)。
【0007】 細胞周期の特定の期だけで産生され、従って細胞周期の状態のマーカーとなり
得る数種のタンパク質が同定されているが、他の多くは、特定の時点において、
より高レベル又は低レベルとなるものの、細胞周期を通じて産生される。細胞周
期を通じた抗原密度の変動としては、肉腫抗原p102とp200(Song
S,Anticancer Research 16(3A):1171−5(
1996))、白血病/リンパ腫関連抗原JD118(Czuczman et
al. Cancer Immunology, Immunotherap
y 36(6):387−96(1993))、及び胃癌抗原PC1(Wei
et al., J of Oncology 9(3):179−82 (1
987))が典型的である。数種の腫瘍抗原、例えば、肝臓転移物3H4(Wu
lf et al., J. Cancer Research and Cl
inical Oncology 122(8)476−82(1996))、
及び小細胞肺癌抗原(Fargion et al., Cancer Res
earch 46: 2633−2638(1986))は、細胞周期非依存性
であると報告されている。 驚くべきことに、薬物、例えば、S及び/又はG/Mで細胞周期の進行を停
止させることが知られている化学療法剤で前処理すると、Ep−CAM抗原集団
の密度を有意に増加させ、従って、Ep−CAMを発現している腫瘍に、より多
くの抗Ep−CAM抗体がターゲッティングされることを見出した。溶解性抗体
では、これにより抗体依存性の細胞溶解が起こりやすくなる。腫瘍細胞の表現型
に対するかかる擾乱は、治療用抗体の生物学的な有効性に多大な影響を与え、化
学療法による標準的な治療法に対して相乗効果を与える。さらに、Ep−CAM
抗原の発現のかかる増加は腫瘍に特異的なようである。換言すれば、S及び/又
はG/Mで細胞周期を停止させる化学療法剤による前処理は、非腫瘍細胞中で
のEP−CAM抗原の発現には影響を与えないようである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、Ep−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/M、
好ましくはG/Mに停止させることができる化学療法剤と、Ep−CAM抗体
との組合せを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
抗Ep−CAM抗体の例は、ING1(Colcher et al., P
roc. Natl. Acad. Sci. USA,78(5),3199
−3203(1981) and Laio et al, Human An
tibody Hybridomas 1(2),66−76 (1990))
、17−1A、例えば、Panorex(Herlyn et al, Pro
c. Nab. Acad. Sci. USA 76:1438−1452(
1979) and Herlyn et al, Hybridoma 19
85;5 (suppl. 1) S3 to S10 )、及びNR−LU−
10(Okabe et al, Cancer Research, 44,
5273 to 5278 (1984))である。
【0010】 パノレックス(Panorex)(Adjuqual(R))は、17.1A
マウスモノクローナル抗体である。パノレックスは、グラクソウェルカムにより
、ドイツで結腸直腸癌の術後アジュバント療法用に販売されている。 抗Ep−CAM抗体の例は、図15に記載されている可変軽鎖cDNA配列と
図16に記載されている重鎖cDNA配列とを有するものである(ヒト化323
/A3/IgGとして知られている)。さらに2つの好ましい抗Ep−CAM
抗体の例は、図15に記載されている可変軽鎖cDNA配列と、それぞれ図17
又は18に記載されている重鎖cDNA配列とを有するものである(それぞれ、
ヒト化323/A3IgG及びIgGcysとして知られている)。
【0011】 抗Ep−CAM抗体の好ましい例は17.1Aであり、最も好ましくはパノレ
ックスである。
【0012】 特異的な抗Ep−CAM抗体は単独で、又は他の抗Ep−CAM抗体と組み合
わせて与えることができる。このような抗Ep−CAM抗体の組合せの例は、図
15に記載されている可変軽鎖cDNA配列と図16に記載されている重鎖cD
NA配列を有する抗Ep−CAM抗体とING1との組合せである。従って、本
明細書を通じて、抗Ep−CAM抗体という語には、様々な抗Ep−CAM抗体
、好ましくは同一のEp−CAM抗原上に存在する、異なるエピトープを標的と
する非拮抗的な抗Ep−CAM抗体の組合せが含まれる。Ep−CAM抗原を発
現している細胞をG/Mで停止させることができる化学療法剤の例は、ビノレ
ルビン(vinorelbine)、シスプラチン、マイトマイシン、パクリタ
キセル、カルボプラチン、オキサリプラチン、及びCPT−II(カンプトセシ
ン)である。
【0013】 酒石酸ビノレルビンは、3’、4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノ
ルビンカロイコブラスチン[R−(R、R)−2,3−ジヒドロキシブタン
ジオエート(1:2)(塩)]という化学名を有する半合成ビンカアルカロイド
である。酒石酸ビノレルビンは、シスプラチンのような他の化学療法剤と組み合
わせて、又は単独の薬剤として、様々な充実性腫瘍、とりわけ、非小細胞肺癌、
進行乳癌、及びホルモン難治性の前立腺癌の治療に用いられる。北米とヨーロッ
パでは商品名ナベルビン(R)(Navelbine)が用いられている。ナベ
ルビン(R)は、典型的には、週単位で、20〜30mg/mの用量で単一の
薬剤として、又は併用療法において静脈内投与される。ビノレルビンの経口製剤
が臨床開発段階にある。
【0014】 シスプラチンは、化学名シス−ジアミンジクロロプラチナを有する。シスプラ
チンは、進行膀胱癌に単一の薬剤として使用される他、併用療法として転移性精
巣癌の治療に、転移性卵巣癌において単独及び併用療法として使用される。シス
プラチンは、プラチノール(R)及びプラチノール−AQ(R)の商品名でブリ
ストルマイヤーズスクイブによって製造されている。シスプラチンは、典型的に
は併用療法で、以下の種類の癌、非小細胞及び小細胞肺癌、頭部及び頸部の癌、
子宮内膜癌、子宮頸癌、並びに非ホジキンリンパ腫にも使用される。シスプラチ
ンは、典型的には、3〜4週毎に1度、15〜150mg/mの用量で、又は
3又は4週毎に5日間毎日続けて静脈内投与される。しかしながら、より大量且
つ高頻度で投薬されることもあり、動脈内又は腹腔内のような静脈内以外の投与
経路もあり得る。
【0015】 カルボプラチンは、化学名白金、ジアミン[1,1−シクロブタン−ジカルボ
キシラート(2)−0,0’]−(SP−4−2)を有する。カルボプラチンは
、通常、パクリタキセルやエトポシドのような他の細胞傷害性物質と組み合わせ
て投与される。カルボプラチンは、進行卵巣癌、非小細胞肺癌、及びシスプラチ
ンと同じ種類の多くの癌の治療に用いられる。ブリストルマイヤーズスクイブに
よって製造されているカルボプラチンの製品名はパラプラチン(R)(Para
platine)である。カルボプラチンは、典型的には、300〜400mg
/mで静脈内投与されるか、あるいは、患者の推定糸球体濾過速度(GFR)
を用いて、4〜6mg/mL・分の標的濃度曲線下面積(AUC)になるように
静脈内投与される。約1600mg/mを超えない、さらに多量のカルボプラ
チンを数日、一般的には5日にわたって、分割投与してもよい。
【0016】 パクリタキセルは、化学名(2R、3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイ
ソセリンとの5β、20エポキシ−1,2α−4,7β,10β,13α−ヘキ
サヒドロキタックス−11−エン−9−オン4,10−ジアセテート2−ベンゾ
エート13−エステルを有する。パクリタキセルは、タクソール(R)としてブ
リストルマイヤーズスクイブによって製造されている。パクリタキセルは、卵巣
癌、乳癌、非小細胞肺癌、頭部及び頸部の癌を含む様々な癌腫を治療するために
使用されている。典型的な用量には、3又は4週毎に、3又は24時間の静脈内
注入として135〜175mg/mを与えることが含まれる。約300mg/
を超えない、より多い用量も投与されている。
【0017】 活性成分の他に、製薬業者が製造する医薬品は、典型的には、例えばパクリタ
キセルを可溶性にするために添加されるクレモホール(Cremophor)ビ
ヒクルのような更なる賦形剤とともに、無菌水、5%ブドウ糖水、又は0.9%
塩化ナトリウム水のような希釈剤を含有する。
【0018】 治療計画、投薬量、及び組成等に関するより詳細な情報は、Martinda
le, The Extra Pharmacopoeia, 31st ed
ition, edited by JEF Reynolds, Londo
n, Royal Pharmaceutical Society, 199
6 and the Physicians Desk reference,
49th Edition, 1995, Medical Economi
cs Data Production Company, Montvale
などの標準的な参考図書から取得することができる。
【0019】 細胞をG/Mに蓄積せしめ得る他の化学療法剤には、アントラサイクリン類
、例えば、ドキソルビシン及びアクラルビシン、カルムスチン(BCNU)、カ
ンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、シクロホスファミド及びその誘導体
、ドセタキセル、エトポシド、ラゾキサン(ICRF−187)、アルキルリゾ
リン脂質、例えばイルモフォシン、メトトレキサート、MST−16、タキサン
類(taxanes)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、並びにテニポシド(
VM−26)(同じくMartindale, The Extra Phar
macopoeia, 31st edition, edited by J
EF Reynolds, London, Royal Pharmaceu
tical Society, 1996を参照)、並びにフラボノイド類、例
えばアピゲニン及びゲニステイン(The Merck Index, 12t
h edition, Merck Research Laboratori
es, Merck and Co Inc,1996参照)が含まれる。さら
に、アドゼレシン(ピラゾール化合物の一種)(Cancer Researc
h 1992、October 15;52(2)5687−5692))、ビ
ストラテンA(Mutation Research 1996, March
1;367 (3):169−175)、シクロキサゾリン(Cancer
Chemotherapy&Pharmacology 1994;33(5)
:399−409)、イミダゾアクリジノン、メレファン(melephan)
(Experimental Cell Biology 1986;54(3
):138〜148 and International Journal
of Cancer 1995, Jul 17;62(2):170−175
)、メルバロン(Environmental & Molecular Mu
tagenesis 1997;29(1):16−27、及びCancer
Research 1995, Apr 1;55(7):1509−1516
)、及びオラシン(FEBS Letters 1997, Jan 2;40
0(1):127−130)も細胞をG/Mに蓄積させると考えられている。
一般的に、全てのトポII阻害剤、例えばポテカン(potecan)(abp
i,1998−1999)、全てのビンカ誘導体、及び放射線を含む全てのDN
A損傷因子も細胞をG/Mに停止させると考えられている。
【0020】 さらに、5FUは、細胞をG/Mに停止させると報告されており(Onco
logy Research 1994; 6(7):303−309)、従っ
て、5FU及びUFT、メトトレキサート、カペシタビン、及びゲンシタビン(
Gemcitabine)のような5FU類似の化合物は、ある種の組織でEp
−Camの発現を増加させるであろうと考えられている。同様に、細胞をS期に
停止させることが知られているトムデックス(ラロキシフェン;Raloxif
en)は、Ep−Camの発現を増加させると考えられている。
【0021】 それ故、「化学療法剤(chemotherapeutic agent)」
という用語は、本明細書を通じて、細胞傷害性療法(cytotoxic th
erapy)に限定されず、細胞静止療法(cytostatic thera
py)や細胞をG/Mに停止させる他の任意の薬物も包含する。さらに、放射
線療法が細胞をG/Mに停止させ得ること、従って、本明細書を通じて化学療
法という用語は、「放射線療法」で置換し得るということにも留意しなければな
らない。
【0022】 本明細書を通じて、化学療法剤という語には、EpCAMを発現している腫瘍
細胞をG/Mに停止させる1以上の特異的な化学療法剤の組合せも含まれる。
典型的な組合せの例は、ビノレルビンとシスプラチン及びパクリタキセルとカル
ボプラチン、オキサリプラチンと5FU、シクロホスファミドとメトトレキサー
ト及び5FU、シクロホスファミドとドキソルビシン及び5FUである。
【0023】 前記化学療法剤は単独で投与することも可能であるが、許容される担体ととも
に、上記のような活性成分を含む薬学的組成物として与えることが好ましい。各
担体は、前記組成物の他の成分と適合的(compatible)であり、且つ
レシピエントに対して有害でないという意味で、「許容される」ものでなければ
ならない。
【0024】 Ep−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/Mに停止させることがで
きる化学療法剤とEp−Cam抗体との好ましい組合せは、以下の化学療法剤:
UFT、カペシタビン、CPT−II、オキサリプラチン、5FU、5FU連続
注入、パクリタキセル、ドセタキセル、シクロホスファミド、メトトレキサート
、ドキソルビシン、ナベルビン(静脈内及び経口)、エピルビシン、ミトキサン
トロン(Mitoxantrone)、ラロキシフェン、シスプラチン、マイト
マイシン、カルボプラチナ(Carboplatinum)、ゲンシタビン(G
emcitabine)、エトポシド(Etoposide)、及びトポテカン
(Topotecan)のうちの何れかとパノレックスとの組合せである。
【0025】 特に好ましい組合せは、CPT−II、5FU(連続注入)、オキサリプラチ
ン、カペシチビン(Capecitibine)、UFT、及びトムデックス(
ラロキシフェン)とパノレックスとの組合せである。
【0026】 これらのパノレックスの組合せは、癌の治療、とりわけ、結腸直腸癌、乳癌、
胃癌、前立腺癌、及び非小細胞肺癌の治療に有用である。
【0027】 具体的には、以下の組合せ:パノレックスとUFT(必要に応じて、ロイコボ
リンとともに)、カペシタビン、オキサリプラチン(必要に応じて、5FUとと
もに)、CPT−II、5−FU(必要に応じて、エニルウラシル(Enilu
racil)、又はレバミソール、又はロイコボリンとともに)組合せ、5FU
の保護された(protacted)連続注入、及びマイトマイシンとパノレッ
クスとの組合せが結腸直腸癌には特に好適である。
【0028】 乳癌の治療に好ましい組合せは、パクリタキセル、ドセタキセル、シクロホス
ファミド(必要に応じて、5FUとメトトレキサート又はドキソルビシンの何れ
かとともに)、ナベルビン(静脈内及び/又は経口)、ドキソルビシン、エピル
ビシン、ミトキサントロン、及びラロキシフィンとパノレックスとの組合せであ
る。
【0029】 胃癌の治療に好ましい組合せは、シスプラチン、5FU、マイトマイシン、及
びカルボプラチナとパノレックスとの組合せである。
【0030】 前立腺癌の治療に好ましい組合せは、ミトキサントロンとパノレックスとの組
合せである。
【0031】 非小細胞肺癌の治療に好ましい組合せは、ナベルビン、シスプラチン、カルボ
プラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲンシタビン、トポテカン、及びエ
トポシドとパノレックスとの組合せである。
【0032】 パノレックス及びパノレックスと組み合わせて与えられる上記化学療法剤の用
量に関する情報は、ABPI、Compendium of Data She
ets and Summaries of Product Charact
eristics、Datapharm Publications Limi
ted, 1998−1999のような標準的な参考図書に記載されているであ
ろう。
【0033】 前記組成物には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔及び舌下を含む)、膣、非経
口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内を含む)、又は経皮投与に適した組成物が含ま
れる。前記組成物は、適宜、単位投薬形態で与えることができ、薬学の分野で周
知である任意の方法によって調製し得る。このような方法は、1以上の補助成分
を構成する担体に活性成分を混合する工程を含む。一般的に、前記組成物は、活
性成分を、液状担体若しくは細かく砕かれた固体担体又は両者と均一に、よく混
ぜ合わせることによって調製した後、必要であれば、製品を成形する。
【0034】 経口投与に適した化学療法剤の組成物は、所定量の活性成分を含有するカプセ
ル、小袋(cachet)、若しくは錠剤のような分離された単位として、粉末
若しくは顆粒として、水性若しくは非水性の液体中の溶液若しくは懸濁液として
、又は水中油液体エマルジョン若しくは油中水液体エマルジョンとして与えても
よい。前記活性成分は、丸薬、舐剤、又はペーストとして与えることもできる。
【0035】 錠剤は、必要に応じて、1以上の補助成分とともに、圧縮又は成形によって作
製し得る。圧縮された錠剤は、適切な機械中で、必要に応じて、結合剤(例えば
、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活
性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポ
ビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤、又は分散
剤を混合して、粉末又は顆粒のような流動性の形態に活性成分を圧縮することに
よって調製し得る。成形された錠剤は、適切な機械中で、不活性な液体希釈剤で
湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって作製し得る。前記錠剤は、
必要に応じて、被覆し、又は刻み目を付けてもよく、例えば、所望の放出プロフ
ィールを与えるために様々な比率でヒドロキシプロピルメチルセルロースを用い
て、その中の活性成分を徐放させ、又は制御しながら放出するように調合しても
よい。錠剤には、必要に応じて、胃以外の消化器の一部で放出されるように、腸
溶コーティングを施してもよい。
【0036】 経口に使用するのに適した組成物は、上述のように、胃の酸性を中和するよう
にデザインされた緩衝剤を含んでもよい。このような緩衝液には、それらの共役
塩と混合された弱酸又は弱塩基のような様々な有機又は無機物から選択し得る。
【0037】 口に局所投与するのに適した組成物には、芳香性基剤(通常、ショ糖、及びア
カシア、又はトラガカント)の中に活性成分を含むトローチ剤、ゼラチンとグリ
セリン、又はショ糖とアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠(p
astille)、並びに適切な担体中に活性成分を含む洗口剤(mouthw
ash)が含まれる。
【0038】 直腸投与用の組成物は、例えば、ココアバター又はサリチル酸塩(salic
ylate)を含む適切な基剤を有する座剤として与え得る。
【0039】 膣内投与に適した組成物は、活性成分に加えて、本分野において適切であるこ
とが周知である担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペース
ト、フォーム(foam)、又はスプレー製剤として与え得る。
【0040】 非経口投与に適した組成物には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、前記組成物を対
象レシピエントの血液と等張にする溶質、及び前記化合物を血液成分又は1以上
の臓器に標的化するようにデザインされたリポソーム又は他の微粒子系のような
、懸濁剤及び濃縮剤を含み得る水性及び非水性無菌懸濁液を含有し得る水性及び
非水性等張無菌注射溶液が含まれる。前記組成物は、単位用量又は複数回用量が
封入された容器、例えば、アンプル及びバイアルの中に入れることができ、使用
直前に、無菌液体担体、例えば、注射水を添加するだけでよい凍結乾燥(fre
zze−dried/lyophilized)条件で保存し得る。即時注射溶
液及び懸濁液は、前述した種類の無菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製し得る。
【0041】 経皮投与に適した組成物は、より長時間にわたってレシピエントの表皮と密接
した状態を保つのに適した分離したパッチとして与え得る。このようなパッチは
、適切には、例えば、前記化合物に関して0.1〜0.2Mの濃度の、必要に応
じて緩衝化された水溶液として、前記活性成分を含有する。1つの可能性として
は、前記活性成分は、Pharmaceutical Research, 3
(6),318 (1986)に概説されているようなイオントフォレーシス
によって前記パッチから輸送され得る。
【0042】 特に上記した前記成分に加え、当該組成物、例えば、経口投与に適した組成物
は、甘味剤、濃縮剤、及び香料のような物質をさらに含んでもよいことを理解し
なければならない。
【0043】 前記抗体と同時投与すべき前記化学療法剤の投薬範囲は、典型的には、使用す
る化学療法剤に応じて、(患者の体表面積に基づき)約1〜1000mg/m の間、又は(患者の体重に基づき)約2〜30mg/kgであり得る。このため
、例えば、ビノレルビン(ナベルビン)は、典型的には、約20〜30mg/m の投薬量で、シスプラチンは約15〜100mg/mで、カルボプラチンは
約300〜600mg/mで、パクリタキセルは約100〜300mg/m で、好ましくは約135〜175mg/mで投与されるであろう。投薬量を表
す別の方法は、それらのAUC値である。例えば、カルボプラチンは、典型的に
は、AUC=4〜6mg/mL・分と計算される用量で投与されるであろう。一
般的には、他の化学療法剤及び/又は抗体と組み合わせたときには、単一の化学
療法剤として単独で与えたときに比べて化学療法剤の用量は低くなる。抗Ep−
CAM抗体と同時投与され得る化学療法剤の用量は、治療される癌腫の種類に対
して標準的な用量か、これよりも少ない用量となるものと思われる。一般的に、
許容される最大量の化学療法剤を単独で、又は組み合わせて投与する。
【0044】 本発明の抗Ep−CAM抗体は、好ましくは、天然の抗体又はその断片の構造
を有する。抗体は、典型的には、ジスルフィド結合によって互いに連結された2
本の重鎖と2本の軽鎖を有する。各軽鎖は、ジスルフィド結合によってそれぞれ
の重鎖と連結されている。各重鎖は、その後に多数の定常ドメインが続く可変ド
メインを一端に有する。各軽鎖は、一端に可変ドメインを有し、他端に定常ドメ
インを有する。軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと併置されている。軽
鎖定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと併置されている。軽鎖及び重鎖
中の定常ドメインは、抗原への抗体の結合には直接関与していない。
【0045】 各軽鎖及び重鎖の対の可変領域は抗原結合部位を形成する。軽鎖と重鎖上のド
メインは同一の一般的構造を有しており、各ドメインは、3つの相補性決定領域
(CDR)が接続され、比較的配列が保存されている4つの領域のフレームワー
クを備えている。前記4つのフレームワーク領域の大部分はβシートコンフォメ
ーションを採っており、CDRはβシート構造を接続するループを形成し、場合
によってはβシート構造の一部を成す。CDRは、フレームワーク領域によって
近接した位置に保持されており、他のドメインのCDRとともに、抗原結合部位
の形成(本発明の場合には、抗Ep−CAM結合部位の形成である)に寄与して
いる。抗体のCDRとフレームワーク領域は、Kabatら(”Sequenc
es of proteins of immunological inte
rest” US Dept. of Health and Human S
ervices, US Government Printing Offi
ce, 1987)を参照することによって決定し得る。
【0046】 CDRが抗体の可変ドメインのフレームワークとは異なる種に由来する抗体の
作製はEP−A−0239400に開示されている。CDRは、齧歯類又は霊長
類のモノクローナル抗体に由来するものであり得る。このような改変された抗体
の可変ドメイン及び定常ドメインのフレームワークは、通常、ヒトの抗体に由来
する。このようなヒト化抗体は、齧歯類由来の抗体のような完全な外来抗体に対
してヒトが示す免疫反応と比べて、ヒトに投与したときに大きな免疫反応を惹起
しないはずである。
【0047】 前記抗体は、好ましくは、天然抗体又はその断片の構造を有する。従って、本明
細書を通じて、抗体という用語には、完全な抗体のみならず、(Fab’)2断
片、Fab断片、軽鎖二量体又は重鎖二量体のような断片も含まれる。前記抗体
は、放射線核種、酵素などの他の分子に接合され得るものを含むIgG、Ig
、IgG、若しくはIgG、又はIgM、IgA、IgE、若しくはI
gD、又は修飾されたその変種のようなIgGであり得る。典型的には、前記定
常領域は、必要とされる機能性に応じて選択される。通常、IgG1は補体への
結合を通じて溶解能を示し、ADCC(抗体依存性細胞性細胞傷害)を媒介する
であろう。非細胞傷害性抗体が必要であれば、IgG抗体が好ましいであろう
。本発明の抗体には、例えば、Mack et al, The Journa
l of Immunology,1997,158:3965−3970に開
示されている17−1A抗体のような二重特異性抗体も含まれる。本発明の抗体
は、マウス、キメラ、又はヒト化抗体であり得、好ましい抗体はヒト化抗体であ
る。
【0048】 モノクローナル抗体をヒト化するには、4つの一般的な工程が存在する。これ
らは、 (1)初発抗体の軽及び重可変ドメインのヌクレオチド配列と予想されるアミ
ノ酸配列を決定すること、 (2)ヒト化抗体をデザインすること(すなわち、ヒト化工程中に何れの抗体
フレームワーク領域を使用するか決定する) (3)実際のヒト化手法/技術、及び (4)ヒト化抗体のトランスフェクションと発現 である。
【0049】 より具体的には、 工程I:抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインのヌクレオチド配列と予想されるア
ミノ酸配列を決定する 抗体をヒト化するためには、抗体の重鎖及び軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
を知る必要があるだけである。定常ドメインの配列は、再構築戦略に寄与しない
ので無関係である。抗体の可変ドメインのアミノ酸配列を決定する最も簡易な方
法は、重及び軽可変ドメインをコードするクローン化されたcDNAから決定す
ることである。
【0050】 ある抗体の重鎖及び軽鎖可変ドメインのcDNAをクローニングする一般的な
方法としては、(1)慣用されているcDNAライブラリ−からクローニングす
る、又は(2)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってクローニングするとい
う2つの方法が存在する。これらの方法は何れも広く知られている。cDNAの
ヌクレオチド配列が得られれば、この情報を抗体可変ドメインの予想アミノ酸配
列に翻訳するのは容易なことである。
【0051】 工程2:ヒト化抗体をデザインする ヒト化において、ヒト抗体の何れの配列を用いるかを決定する上で考慮すべき
要素が幾つか存在する。軽鎖及び重鎖のヒト化は、互いに独立して考察されるが
、基本的に、理屈は互いに同様である。
【0052】 この選択過程は、以下の論拠、すなわちある抗体の抗原特異性と親和性は、主
として、可変領域であるCDRのアミノ酸配列によって決定されるということに
基づいている。可変ドメインフレームワークの残基は、殆ど又は全く直接的な寄
与をしていない。フレームワーク領域の主な機能は、抗原を認識するのに適切な
空間位置にCDRを固定することである。従って、ヒトの可変ドメインのフレー
ムワークが、CDRが由来した齧歯類の可変ドメインと極めて相同的であれば、
齧歯類のCDRをヒトの可変ドメインへのフレームワークに置換したときに正し
い空間配置に保持される可能性が最も高いと思われる。従って、ヒトの可変ドメ
インは、好ましくは、齧歯類の可変ドメインと極めて相同的であるように選択す
べきである。適切なヒト抗体可変ドメインの配列は、以下のように選択すること
ができる。
【0053】 1.コンピュータープログラムを用いて、入手可能な全てのタンパク質(及び
DNA)データベースから、齧歯類抗体の可変ドメインと最も相同的であるヒト
抗体可変ドメインの配列を検索する。適切なプログラムの出力は、齧歯類の抗体
と最も相同的な配列、各配列のパーセント相同性、及び各配列と齧歯類配列との
アラインメントのリストである。これは、重鎖と軽鎖可変ドメインの両配列に対
して独立に行われる。ヒト免疫グロブリン配列のみが含まれていれば、上記解析
はさらに容易に為される。
【0054】 2.ヒト抗体可変ドメインの配列を表にして相同性を比較する。極めて可変的
である重鎖のCDR3を除き、この比較は、主として、CDRの長さに対して行
う。ヒトの重鎖とκ及びλ軽鎖は、重鎖−3つのサブグループ、κ鎖−4つのサ
ブグループ、λ鎖−6つのサブグループというサブグループに分けられる。各サ
ブグループ内のCDRサイズは似ているが、サブグループ間で異なる。通常、齧
歯類抗体のCDRは、最初に得られた相同性の近似の結果、ヒトのサブグループ
のうちの1つに合致し得る。続いて、特にCDR内とその周囲のフレームワーク
領域に存在する同じような長さのCDRを有する抗体のアミノ酸配列の相同性を
比較する。最も相同的であるヒトの可変ドメインを、ヒト化用のフレームワーク
として選択する。
【0055】 工程3:実際のヒト化手法/技術 EP−A−0239400(P.T. Jones et al, Natu
re 321:522 (1986); L. Reichman et al
, Nature 332 :323(1988); Verhoeyen M
. et al, Science 239:1534 (1988) and
J. Ellis et al, The Journal of Immu
nology, 155 :925−937(1995)も参照)に従って、所
望のCDRをヒトのフレームワークに移植することによって、抗体をヒト化し得
る。従って、CDRの再構築を所望しているヒトDNAから開始して、所望の再
構築された抗体をコードするDNA配列を作製することができる。所望のCDR
を含有する齧歯類の可変ドメインのアミノ酸配列を、選択したヒト抗体の可変ド
メイン配列のアミノ酸配列と比較する。ヒトの可変領域に齧歯類のCDRを取り
込ませるために、齧歯類中の対応する残基に取り替える必要があるヒト可変ドメ
イン中の残基をマークする。ヒトの配列と置換、付加、又は欠失する必要がある
残基も存在するかもしれない。
【0056】 所望の残基を含有するようにヒトの可変ドメインのフレームワークを変異させ
るために使用することができるオリゴヌクレオチドを合成する。このオリゴヌク
レオチドは、都合の適宜なサイズであり得る。通常は、利用できる合成機の能力
によって、長さに制限が存在するにすぎない。オリゴヌクレオチドに対してイン
ビトロで突然変異を導入する方法は周知である。
【0057】 あるいは、WO92/07075の組換えポリメラーゼ連鎖反応(PCR)手
法を用いて、ヒト化を行ってもよい。この手法を用いれば、CDRをヒト抗体の
フレームワーク領域の間にスプライシングし得る。
【0058】 一般的に、W092/07075の技術は、ABとCD及びそれらの間(ドナ
ーCDRによって置換すべきCDR)という2つのヒトのフレームワーク領域を
備えたテンプレートを用いて実施することができる。フレームワーク領域ABを
増幅するためにはプライマーAとBを使用し、フレームワーク領域CDを増幅す
るためにはプライマーCとDを使用する。しかしながら、プライマーBとCは、
それぞれ、5’末端に、ドナーCDR配列の全部又は少なくとも一部に対応する
付加的配列も含有する。プライマーBとCは、PCRの実施が可能な条件下で、
それらの5’末端を互いにアニーリングさせるのに十分な長さだけ重複している
。このため、増幅された領域ABとCDは、重複的伸長によって遺伝子スプライ
シングを行って、単一の反応でヒト化産物を与え得る。
【0059】 工程4:再構築された抗体のトランスフェクションと発現 抗体を再構築するための突然変異導入反応に続いて、軽鎖又は重鎖定常領域を
コードする適切なDNAに変異導入が導入されたDNAを連結し、発現ベクター
中にクローン化し、宿主細胞、好ましくは哺乳類細胞中にトランスフェクトする
ことができる。これらの工程は、ごく一般的な様式で実施し得る。
【0060】 再構築された抗体は、 (a)少なくとも、Ig重鎖又は軽鎖の可変ドメイン、ヒト抗体のフレームワ
ーク領域を有する可変ドメイン、及び本発明のヒト化抗体に必要とされるCDR
をコードするDNA配列に作用可能に連結された適切なプロモーターを含む第1
の複製可能な発現ベクターを調製することと、 (b)少なくとも、それぞれ相補的なIg軽鎖又は重鎖の可変ドメインをコー
ドするDNA配列に作用可能に連結された適切なプロモーターを含む第2の複製
可能な発現ベクターを調製することと、 (c)前記第1のベクター又は調製した両ベクターにより細胞株を形質転換す
ることと、 (d)前記形質転換された細胞株を培養して前記改変された抗体を産生させる
ことと を備えた方法によって調製し得る。
【0061】 好ましくは、工程(a)のDNA配列は、ヒト抗体鎖の可変ドメイン及び/又
は各定常ドメインの両者をコードする。前記ヒト化抗体は回収し、精製すること
ができる。改変された抗体を産生させるために形質転換される細胞株は、チャイ
ニーズハムスター卵細胞(CHO)細胞株、又は、有利には、ミエローマ、ハイ
ブリドーマ、トリオーマ(trioma)、又はクアドローマ細胞株のようなリ
ンパ系由来である不死化した哺乳類細胞株であり得る。前記細胞株には、エプス
タインバールウイルスのようなウイルスで形質転換されることにより不死化した
B細胞などの通常のリンパ系細胞も含まれ得る。最も好ましくは、前記不死化し
た細胞株は、ミエローマ細胞株又はその誘導体である。特に適した発現系は、W
087/00462(P.E. Stephens et al, Nucle
ic Acid Res. 17:7110(1989)及びC.R. Beb
bington et al, Bio/Technology 10:169
(1992)も参照)に記載されているグルタミンシンテターゼ発現系である。
【0062】 ヒト化抗体を産生させるために用いる細胞株は哺乳類細胞株であることが好ま
しいが、細菌の細胞株又は酵母の細胞株のような他の任意の適切な細胞株を代用
してもよい。一本抗体鎖に対しては、大腸菌由来の細菌株を使用し得ると予想さ
れる。得られた抗体は機能性についてチェックする。機能性が失われていれば、
工程(2)に戻って、抗体のフレームワークを改変する必要がある。
【0063】 発現された時点で、硫安沈殿、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフ
ィー、ゲル電気泳動など(Scopes, R, Protein Purif
ication, Springer−Verlag, N.Y.(1982)
全般を参照)を含む本分野の標準的な手法に従って、本発明の完全な抗体、それ
らの二量体、各軽鎖及び重鎖、又はその他の免疫グロブリン形態を精製すること
ができる。医薬品に使用するには、少なくとも約90〜95%の均一性を有する
実質的に純粋な免疫グロブリンが好ましく、98〜99%以上の均一性が最も好
ましい。所望により部分的に又は均一になるまで精製されれば、抗体を治療に使
用してもよい。
【0064】 抗体は、典型的には、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、活性成分として
、本発明の抗体とを含む薬学的組成物として提供される。前記抗体とその薬学的
組成物は、非経口投与、すなわち、皮下、筋肉内、又は静脈内投与に特に有用で
ある。
【0065】 非経口投与用の組成物は、通常、抗体又は許容される担体、好ましくは水性担
体中に溶解されたそのカクテルの溶液を含むであろう。様々な水性担体、例えば
、注射用の滅菌水、0.9%の塩化ナトリウム水、5%のブドウ糖水、及び乳酸
加リンガー液を使用することができる。これらの溶液は無菌であり、一般的には
、粒状物が存在しない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌
し得る。前記組成物は、pH調整剤や緩衝剤、毒性調整剤等の生理的な条件を近
似するのに必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えば、酢酸ナトリウム
、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有
し得る。これらの製剤中での抗体の濃度は大きく変わり得るものであり(例えば
、約0.5重量%未満、通常は約1重量%又は少なくとも約1重量%から15又
は20重量%まで)、選択した投与様式に従い、主として液体の容量、粘度など
に基づいて選択されるであろう。
【0066】 このため、典型的な筋肉内注射用の薬学的組成物は、1mLの緩衝化された無
菌水と50mgの抗体を含有するように作製し得る。静脈内注入用の典型的な組
成物は、250mLの無菌リンガー溶液と150mgの抗体を含有するように作
製し得る。非経口的に投与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者、とり
わけ非経口製品の調製に習熟した者には公知又は自明であり、例えば、Remm
ington’s Pharmaceutical Science, 15t
h Ed., Mack Publishing Company, East
on, Pennsylvania (1990)に、より詳しく記載されてい
る。
【0067】 本発明の抗体は、保存のために凍結乾燥し、使用前に適切な容器中で元の状態
に戻すことができる。この技術は、従来の免疫グロブリンを用いて有効であるこ
とが示されている。任意の適切な凍結乾燥及び再構成技術を使用することができ
る。当業者であれば、凍結乾燥と再構成は様々な程度の抗体活性の喪失をもたら
し(例えば、従来の免疫グロブリンでは、IgM抗体はIgG抗体に比べて、よ
り大きな活性の喪失をもたらす傾向がある)、使用レベルを調整して補償する必
要があるかもしれないことを理解できよう。
【0068】 本発明の抗体の投薬範囲は、約0.5〜1000mg/m、好ましくは約0
.5〜250mg/m、より好ましくは0.5mg/mと100mg/m 及び0.5mg/mと50mg/mの間であり、最も好ましくは、例えば1
5mg/mのように5mg/mと25mg/mの間である。
【0069】 同様に、投薬当たりのmgで表すと、抗体の投薬量は約1〜2000mg/投
薬、好ましくは約1〜500mg/投薬、より好ましくは1〜200mg/投薬
、及び1〜100mg/投薬、最も好ましくは、例えば30mg/投薬のような
10mg/投薬と50mg/投薬の間である。
【0070】 投薬レベルとパターンを治療する医師が選択して、前記組成物を単回又は複数
回投与することができる。何れにしろ、前記薬学的製剤は患者を有効に治療する
のに十分な量の抗体を与えるべきである。
【0071】 典型的には、前記化学療法剤と抗体は、同時投与するための別個の薬学的組成
物として与えられるが、単一の薬学的製剤として処方してもよい。このように、
抗体と化学療法剤はともに、1つの同じ組成物内から患者に与えられる。
【0072】 本発明の全ての側面において、1以上の異なる化学療法剤と1以上の抗EpC
AM抗体を同時投与し得る。従って、化学療法剤という語は、1以上の異なる化
学療法剤を包含する。2以上の化学療法剤が存在する場合、それぞれ単独で各別
に投与するか、及び/又は化学療法剤のカクテルとして同時に投与し得る。同様
に、抗体という語は、1以上の異なる抗Ep−CAM抗体を包含する。2以上の
抗体が存在する場合には、同じく、それぞれ単独で各別に及び/又はカクテルと
して投与し得る。さらに、化学療法剤は、典型的には、抗体とは別個に投与され
るが、化学療法剤/抗体カクテルとして同時に投与してもよい。
【0073】 化学療法剤/放射線療法と抗体との同時投与には、化学療法剤/放射線療法と
抗体の両者を実質的に同時に投与することも含まれる。本来、同時投与の基礎を
成す理論は、G/Mで細胞周期の進行を停止させることが知られている化学療
法剤/放射線療法に、Ep−CAMを発現している腫瘍細胞を十分暴露させて、
前記腫瘍細胞が抗Ep−CAM抗体に暴露される前に、Ep−CAM抗原の密度
を望みどおりに増加させることにより、Ep−CAMを発現している腫瘍への抗
Ep−CAM抗体のターゲッティングを増大させることにある。従って、同時投
与には、かかる結果を与えると思われる抗Ep−CAM抗体と化学療法剤/放射
線療法を組み合わせた任意の投与様式が含まれる。本明細書を通じて、「化学療
法剤と抗Ep−CAM抗体との組合せ」という用語は、化学療法剤/放射線療法
と抗Ep−CAM抗体が同時投与される組合せを意味する。
【0074】 好ましくは、前記化学療法剤は前記抗体と同時に投与され、より好ましくは前
記抗体の前に投与される。このため、前記化学療法剤は同じ日に前記抗体と投与
してもよいし、同時又は相互に数時間内の何れかにより投与してもよいが、約2
ヶ月前までに、典型的には約1又は2週前に、より典型的には1週前までに、す
なわち1〜3日前に投与することもできる。
【0075】 さらに、同時投与には、1回以上化学療法剤を投薬してから数週以内に抗体を
2以上投薬することも含まれる。換言すれば、前記化学療法剤は、その後に抗体
を投与する毎に再投与する必要はなく、抗体治療中に一度だけ、又は間をおきな
がら投与してもよい。同時投与には、抗体から3週以内に、好ましくは1週以内
に、より好ましくは1〜5日のような数日内に前記化学療法剤を投与することも
含まれる。
【0076】 前記抗体は1日に数回投与し得る。同様に、前記化学療法剤は、数時間、とき
には数日にわたって、連続的に注入し得る。
【0077】 本発明は、癌に罹患した哺乳類の患者、好ましくはヒトを治療する方法であっ
て、Ep−CAM抗原を発現している細胞をG/Mに停止させることができる
化学療法剤と抗Ep−CAM抗体を同時投与することを備えた方法も提供する。
好ましくは、前記化学療法剤は同時に与えられ、より好ましくは前記抗体の投与
に先立って与えられる。
【0078】 該組合せ療法により特に有効に治療され得る癌は、Ep−CAM抗原を発現し
ている任意の組織学的又は組織発生学的な起源の原発又は転移癌である。これに
は、例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌、膵臓癌、及び卵巣癌が含まれる。
【0079】 本発明の治療法の投薬スケジュールは、患者の特徴、病状、化学療法剤の特徴
、及び抗Ep−CAM抗体の特徴に合わせて調整し得る。本発明における投薬ス
ケジュールの最終目標は、細胞周期の進行をG/Mで停止させることが知られ
ている化学療法への暴露によって抗原の発現が増加していると思われる時点で、
Ep−CAMを発現している腫瘍細胞が抗Ep−CAM抗体に暴露されるように
抗Ep−CAM抗体を投与することであろう。さらに、できる限り、患者にとっ
て都合のよい投薬スケジュールを維持しなければならない。
【0080】 抗Ep−CAM抗体と化学療法を投与する好ましい投薬スケジュールには、必
要とされる間、1若しくは2週毎に1度、好ましくは3若しくは4週毎に1度、
又はそれらの組合せで、抗Ep−CAM抗体を投与することが含まれる。前記化
学療法剤は、当該薬剤について確立された投薬法に従って、又はG/Mで停止
すべきEP−CAMを発現している腫瘍細胞の暴露を可能とする投薬法に従って
与えられる。好ましい投薬スケジュールは、化学療法剤と病状に応じて変わるが
、例えば、必要とされる間、3又は4週毎に継続して、週に1回、3若しくは4
週毎に1回、又は数日(例えば、3〜5)間毎日投薬することが含まれる。抗E
p−CAM抗体の投薬は、前記化学療法剤について上記したように、同じ日又は
異なる日に為し得る。毒性又は副作用を抑え、又は減少させるために、抗Ep−
CAM抗体又は化学療法剤の何れかを用いて、投薬スケジュール又は投薬の強度
を調整してもよい。
【0081】 例えば、ビノレルビン及びシスプラチンとヒト化323/A3(IgG)と
の同時投与に好ましい投薬スケジュールは、必要とされる間(但し、典型的には
3〜4週間)、週に1回、30mg/mの投与量で、ヒト化323/A3(I
gG)を投与した後、必要とされる間、一週おきに30mg/mの用量で投
与することである。ビノレルビンは、25mg/mの投与量で、1、8、15
、及び22日目に投与される。シスプラチンは、第1日目に100mg/m
用量で1回だけ投与される。その後、必要とされる間、28日毎に、このビノレ
ルビン/シスプラチン投薬法を繰り返す。ビノレルビン、シスプラチン、及びヒ
ト化323/A3(IgG)は、約2〜3時間にわたって、第1日目に同時投
与することが好ましい。
【0082】 好ましい投薬スケジュールの別の例は、パクリタキセル/カルボプラチンとヒ
ト化323/A3(IgG)の投与であり、323/A3(IgG)は上記
ビノレルビン/シスプラチンの例のように投与され、パクリタキセルとカルボプ
ラチンは、第1日目に、それぞれ225mg/mとAUC=6.0の用量で与
えられ、その後必要とされる間、28日毎に投薬を繰り返す。この場合にも、パ
クリタキセル、カルボプラチン、及びヒト化323/A3(IgG)は、約2
〜3時間にわたって、第1日目に同時投与することが好ましい。
【0083】 ナベルビン、シスプラチン、又はタクソールの何れかのみと323/A3(I
gG)の組合せを含む他の好ましい投薬スケジュールでは、2つの抗癌剤の代
わりにただ1つの抗癌剤を用いた同様の投薬量と投与スケジュールが含まれるで
あろう。
【0084】 好ましい抗Ep−CAM抗体がパノレックスであるときには、抗体の投薬量は
、10〜500mg/投薬、好ましくは100mg/投薬である。
【0085】 本発明の更なる側面は、細胞をG/Mで停止させることができる化学療法剤
を抗Ep−CAMとともに患者に同時投与することによって、Ep−CAMを発
現している細胞への抗EP−CAM抗体の抗体結合を増加させる方法である。本
発明に従って、Ep−CAM抗体とともに化学療法剤を同時投与することによっ
て、抗体の結合を約2〜10倍、好ましくは4倍超、より好ましくは6倍超、最
も好ましくは8倍超増加させることが可能である。
【0086】
【実施例】
以下の例で本発明を説明する。
【0087】 例1.細胞周期を通じて期によって変動するPC−3前立腺癌細胞上のEp−
CAM抗原の発現 PC−3前立腺癌細胞の集団において、細胞周期のG/G期、S期、及び
/M期の分布とEp−CAMの発現を測定した。細胞を穏やかにトリプシン
処理し、培養フラスコから機械的に剥離させ、カルシウム及びマグネシウムを含
まず、ウシ血清アルブミン及びNaNを含有するリン酸緩衝食塩水に再懸濁し
た。正確に2×10個の細胞をFITC−323/A3マウスIgG抗体又は
FITC−マウスIgG(対照)で染色した。冷却したパラホルムアルデヒドで
細胞を固定した後、DNA染色のためにTween−20で透過化処理した。細
胞のDNAをヨウ化プロピジウムとRNase Aで染色した。488nmのレ
ーザーを備えたFACScanフローサイトメーター(Becton Dick
inson Immunocytometry Systems)上で、Cel
l Fitソフトウェアを用いてリストモードデータを得た。Cell Fit
上でSOBRモデリング(利用可能な場合、不可能な場合は人が評価を行った)
を用いて細胞周期の解析を行った。Win List(Verity Soft
ware House)のヒストグラム分析を独立に用いて、323/A3結合
によって検出されるEp−CAM抗原の発現を評価した。
【0088】 図1は、Ep−CAMが細胞周期を通じて発現されているが、G/G期の
細胞(実線)よりも、S期(点線)及びG/M期(破線)の細胞の方が高密度
且つ均質に発現していることを示している。該発現パターンは、他の多くのヒト
の大腸、前立腺及び肺の腫瘍細胞株で報告されている。
【0089】 例2.腺癌細胞上のEp−CAM抗原の発現の増加は細胞周期の進行の停止並
びにS期及びG/M期にある細胞の蓄積と相関していた 腺癌の細胞株を図2で示したように様々な薬剤及び薬剤の組合せに暴露した。
準集密的な細胞をナベルビン又はタクソールに24時間以内暴露した後、洗浄し
、シスプラチン又はカルボプラチンにそれぞれ1晩暴露した。細胞を5FUに2
4時間暴露し、インターフェロンに2〜5日暴露した。細胞を洗浄し、例1に記
載したように抗原の発現及び細胞周期の状態を解析する前に、更に2〜5日培養
した。フルオレセインを結合させた323/A3の培養細胞への結合と較正した
微粒子標準への結合とを比較することにより抗原の発現を定量化した。
【0090】 細胞周期の解析によって、NVB+CDDPの39.4%及びTAX+CPB
DA細胞の82.6%と比較して((図2に示されているように)何れの組合せ
もEp−CAM抗原の発現を著しく増加させた)、対照培地細胞はS期とG
M期を合わせても6.3%にとどまることが示された。5FU、IFN−α又は
IFN−γに暴露した細胞では抗原の発現は有意に増加しなかった(それぞれ、
S+G/M期にある細胞のわずか7.9%、12%、11.5%である)。従
って、S期又はG2/M期の細胞を蓄積させる薬剤のみがEp−CAM抗原の発
現を著しく増加させることが可能であった。
【0091】 例2a. 上述のように、ナベルビン+シスプラチン、又はタクソールとともに培養した
HT29腺癌細胞と15分間インキュベートした後にEp−CAM抗原に特異性
を有する、関連するマウスのモノクローナル抗体であるパノレックスの結合を測
定した。ナベルビン+シスプラチンで処理した細胞上で著しい抗体結合の増加(
34%)が見られた。すなわち、対照細胞の21%に比べて、これらの細胞の8
2%がS期又はG/M期に停止していた(図3aに示されているように、タク
ソールで処理した細胞では抗体の結合の増加がより少なかったが(8%)、本実
験では前記細胞のうち57%で細胞周期が停止しているにすぎなかった。)。
【0092】 例3.インビトロで細胞傷害性の薬剤に暴露した腫瘍細胞ではEp−CAM抗
原の発現の増加が観察されたが正常な細胞では観察されなかった 様々な腺癌細胞株及び正常なヒト細胞の初代培養上のEp−CAM抗原の発現
を定量した。順次培地、又は30nM ナベルビン後に5μM シスプラチン(
NVB+CDDP)、又は80nM タクソール後に100μM カルボプラチ
ン(TAX+CPBDA)に、準集密的な培養細胞に暴露した。例1及び例2で
記述したように、抗原発現の解析前に細胞を培地で洗浄し、更に2〜5日間培養
した。
【0093】 図3は、細胞周期特異的な薬剤の組合せに暴露した後に4つの腺癌細胞がより
高いレベルで抗原を発現することを明確に示しているのに対して、4つの正常な
細胞は抗原発現の増加を全く示しておらず、うち2つの正常細胞の集団では検出
不能なままであった。
【0094】 例4.ナベルビン+シスプラチンに暴露された細胞は、対照細胞に比べてヒト
ADCC活性の標的として適していた 上記例1及び2に記載したように、腺癌細胞を薬剤に暴露した後、51Cr放
出細胞傷害性試験の標的細胞として利用するために採取して、96穴プレートに
播種した。51Crと共に1晩標的細胞を培養した後、洗浄した。1晩接着させ
たヒト末梢血単核細胞を50:1の比率のエフェクター:標的で添加し、ADC
C培養を6時間インキュベートした。上清を回収して、放射能をカウントし、特
異的放出のパーセントを計算した(図4参照)。
【0095】 図4は、ナベルビン/シスプラチンへの暴露後に、これらの化学療法剤に暴露
されていない対照と比べて、PC−3前立腺癌細胞がヒトADCC活性の標的と
してより適していることを明らかに示している。この効果は、抗原発現の増加に
直接起因しており、従って、抗体結合の増加、Ep−CAM抗原の調節の減少、
標的細胞の脆弱性の増加、又は上記の組合せによるものであるかもしれない。
【0096】 例5.ナベルビンでマウスを前処理することによりEp−CAM−陽性腫瘍へ
の抗体のターゲッティングは著しく向上した 雌のCD−1ヌードマウス(Charles River)に皮下移植するこ
とによって、ヒトの大腸腺癌(HT29)腫瘍を創出した。該腫瘍が200〜3
00mgに達した時点で、動物を5つのグループに分けた。1日目と5日目に2
8mg/kgの量のナベルビンを静脈内注射した。対照群には、1日目と5日目
に20mg/kgの5−フルオロウラシル(5−FU)を腹腔内投与した。6日
目にヒト化323/A3 IgG4cys−TMT(Ep−CAM抗原に特異性
を有するヒト化モノクローナル抗体のキレーター抱合体)をルテチウム−177
でラベルし、外側尾静脈から静脈内注射した。各々マウスに、4.1μgのタン
パク質/2.09 μCi ルテチウム−177/0.2mLの注射液を与えた
。γ線を直接カウントするために、血液、脾臓、肝臓、肺、腎臓、大腿骨及び腫
瘍を抗体投与後1日目、3日目、5日目に回収した(結果は図5を参照)。
【0097】 図5は、ナベルビンで前処理するとEp−CAM陽性腫瘍への抗体のターゲッ
ティングが増加するのに対して、5−FUで前処理しても増加しないことを示し
ている。
【0098】 例6.NSO細胞におけるヒト化抗体323/A3(IgG)変種の発現 1.目的/要約 遺伝子操作により、ヒト化323/A3抗体の軽鎖及び重鎖(それぞれ図15
及び16を参照)をコードするcDNAを単一のCelltechグルタミン合
成酵素(GS)発現プラスミド、pEE18(図10参照)に組み込み、マウス
NSO細胞をトランスフェクトするために用いた。
【0099】 2.材料と方法 2.1 材料 Celltech Biologics plc, Slough, SL1
4EN, Berkshire, UKからNSO細胞を購入した。発現プラ
スミドpEE6HCMV及びpEE12(図8及び9を参照)はCelltec
h Biologics plc, Sloughから購入した。
【0100】 2.2 完全長のヒト化重鎖DNAをコードするpEE6hmcvプラスミド
(図8参照)をBamHI及びBglIIで消化し、ヒトサイトメガロウイルスの
主要前初期プロモーター(major immediate early pr
omoter)の転写制御下にある、重鎖をコードするDNAを含む3.2kb
の断片を遊離させた。ヒト化軽鎖をコードするDNAを含有するpEE12(図
9)のBam HI部位の中に前記断片をクローニングした(ヒト化323/A
3(IgG)κ軽鎖のアミノ酸配列に関しては図6、ヒト化323/A3(I
gG)重鎖のアミノ酸配列に関しては図7を参照)。323/A3(IgG )重鎖及び軽鎖をコードするpEE18プラスミドの模式図は図10を参照。
【0101】 2.2.2 NSO細胞のトランスフェクションと選択 2.2.2.1 組織培養 ヒト化323/A3(IgG)を分泌する安定な細胞株の産生にNSO細胞
を使用するためだけに用いられている、単層流フードとインキュベーターが置か
れた隔離された部屋で、全ての単一細胞培養活性を実施した。該環境下では、他
のNSO細胞株、ヒト細胞株、又はウイルスで形質転換された細胞株は使用され
ていなかった。
【0102】 NSO細胞をバイアルからおこし、DMEM:RPMI−1640:Sigm
a PFHM(1:1:1)から構成される1:1:1培地中で、細胞密度が0
.5〜1×10mLになるまで培養した。エレクトロポーレーションのために
、前記細胞を遠心によって回収し、PBSで1回洗浄した。323/A3(Ig
)をコードするpEE18プラスミドDNAをSal Iで消化し、65℃
で15分間熱処理して不活化し、エタノール沈殿を行って風乾した。前記乾燥し
たDNAのペレットを0.5μg/mLの濃度になるようにPBSに再懸濁し、
2mmのエレクトロポーレーションキュベット(BTX)に100μL分注した
。1.2×10/mLになるように洗浄したNSO細胞を再懸濁し、最終容積
0.5mLの中に10mLの最終濃度となるように、前記キュベットに400
μLを加えた。BTX8209GenePulserの中、300V、1m秒で
エレクトロポーレーションを行った後、氷上で5〜10分インキュベートした。
10細胞/mLの濃度になるように、1:1:1培地でエレクトロポーレーシ
ョンの混合物を再懸濁し、96穴プレート上に50μL/wellで分配した。
翌日、ウェルに150μLのGS培地(Gln−free IMDM、1=X
GS及びヌクレオシドサプリメント、5%DFBS)を加え、全てのウェルが最
終濃度3%になるようにGSセレクションプロセスを開始した。
【0103】 2.2.2.2 特異的生産率(SPR) GS培地(3%DFBS)中で培養された選択した細胞株を0.2×10
胞/mLの密度で5mLのGS培地(3%DFBS)を含有するT−25フラス
コ(Costar)中に播種した。37℃で24時間、一晩細胞をインキュベー
トした後、各培養上清のアリコットを除去した。分泌されたヒト化323/A3
(IgG)の濃度を決定するためのヒトIgG ELISAアッセイに、前記
上清を用いた。前記上清中の323/A3(IgG)抗体の濃度に体積(5.
0)を乗じてSPRの値を導き、μg/10細胞/24時間として表した。
【0104】 2.2.2.3 細胞の凍結保存 細胞密度が0.2×10細胞/mLを超えた時点で、選択された細胞株を一
般的な方法で回収した。適当な容量の細胞を取り出し、1,000×gで5分間
、22℃の遠心にかけた。1〜4×10細胞/mLになるように、20%(v
/v)FBS/10−%(v/v)DMSO/GS培地(ろ過滅菌)からなる氷
冷した培地で、細胞のペレットを穏やかに再懸濁した。細胞懸濁液各1.0mL
を1.8mLの凍結保存バイアル(NUNC)に分注し、−70℃のフリーザー
中に置かれたCryo 1℃ Freezing Container(Nal
gene)の中で、1晩徐々に凍結させた。その後前記バイアルを容器から取り
出し、液体窒素フリーザーの気相に保存した。
【0105】 20バイアルの各細胞株(ヒト化323/A3(IgG1)の生産が低いもの
を含む)を上記のように凍結させ、まずMVE Cryogenics XLC
440 液体窒素フリーザーの気相に保存した。続いて、MVE Cryoge
nics XLC500液体窒素フリーザーの気相に前記細胞を移し、保存した
【0106】 例7.NSO細胞におけるヒト化抗体323/A3(IgG4cys)の発現 1. 目的の要約 遺伝子操作により、ヒト化抗体323/A3(IgG4cys)(ヒト化32
3/A3抗体)抗体の軽鎖及び重鎖をコードするcDNA(図15及び17参照
)を単一のCelltech グルタミン合成酵素(GS)発現プラスミド、p
EE18に組み込み、マウスNSO細胞にトランスフェクトするために用いた。
【0107】 2.材料と方法 2.1 材料(上記例6のとおり) 2.2 ヒト化323/A3(IgG4cys)pEE18発現プラスミドの
作製 2.3 完全長のヒト化重鎖DNAをコードするpEE6HMCVプラスミド
(図8参照)をBAM HI及びBgl IIで消化して、ヒトサイトメガロウイ
ルスの主要前初期プロモーターの転写制御下にある、重鎖をコードするDNAを
含む3.2kbの断片を遊離させた。ヒト化軽鎖(ヒト化323/A3(IgG )κ軽鎖のアミノ酸配列に関しては図11、323/A3 IgG4cys
種重鎖のアミノ酸配列に関しては図12を参照)をコードするDNAを含むpE
E12のBam HI部位に、該断片をクローニングした。323/A3の重鎖
と軽鎖をコードするpEE18プラスミドの模式図については、図10を参照。
【0108】 2.2.2 NSO細胞の感染及び選択:上記例6を参照。
【0109】 例8. NSO細胞におけるヒト化抗体323/A3(IgG2cys)の発
現 1. 目的/要約 遺伝子操作により、ヒト化323/A3(IgG2cys)抗体の重鎖及び軽
鎖をコードするcDNAを単一のCelltechグルタミン合成酵素(GS)
発現プラスミドpEE18に組み込み、マウスNSO細胞にトランスフェクトす
るために用いた。
【0110】 2. 材料と方法 2.1 材料は上記例6及び例7のとおり 2.2 323/A3(IgG2cys)pEE18発現プラスミドの作成 完全長のヒト化重鎖DNAをコードするpEEE6 hcmvプラスミドをB
am HI及びBgl IIで消化して、ヒトサイトメガロウイルスの主要前初期
プロモーターの転写制御下にある、重鎖をコードするDNAを含む3.2kbの
断片を遊離させた。ヒト化軽鎖(323/A3(IgG2cys)κ軽鎖のアミ
ノ酸配列に関しては図13、323/A3(IgG2cys)重鎖アミノ酸配列
に関しては図14を参照)をコードするDNAを含むpEE12のBamII部位
に該断片をクローニングした。323/A3(IgG2cys)重鎖及び軽鎖を
コードするpEE18プラスミドの模式図に関しては図10を参照。
【0111】 2.2.2 NSO細胞の感染及び選択−上記例6及び例7を参照。
【0112】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ep−CAMは細胞周期を通じて発現されるが、G/G期の細胞(実線)
に比べて、S期(点線)及びG/M期(破線)の細胞の方がより高い密度で、
より均一に発現している。該発現パターンは他の多くのヒトの大腸、前立腺、肺
の腫瘍細胞株で報告されている。
【図2】 細胞周期の停止は、インビトロで、培地のみ、5−フルオロウラシル(5FU
)、インターフェロンα(IFN−α;100U/mL),又はインターフェロ
ンγ(INF−γ;100U/mL)に暴露した場合と比べた、ナベルビン(N
VB;30nM)+シスプラチン(CDDP;5μM)、又はタクソール(TA
X;80nM)+カルボプラチン(CPBDA;100μM)に暴露された腺癌
細胞の顕著な特徴である。各バーの面積は、G/G期及びS+G/M期の
細胞の割合を示すために分割されている;各バーの高さは、集団中の細胞当たり
のEp−CAM分子の平均数を示している。S期の細胞及びG/M期の細胞は
Ep−CAMをより高いレベルで発現しており(図1)、細胞周期の進行を停止
させる薬剤は全般的にEp−CAMの発現を上昇させた。
【図3】 様々な腺癌の細胞株と正常なヒトの細胞の初代培養において、Ep−CAM抗
原の発現を定量化した。培養された細胞を、順次培地、又は30nM ナベルビ
ンの後に5μM シスプラチン(NVB+CDDP)、又は80nM タクソー
ルの後に100μM カルボプラチン(TAX+CPBDA)に暴露した。細胞
周期特異的な薬剤の組合せに4つの腺癌細胞を暴露すると、より高いレベルで抗
原を発現した。4つの正常な細胞は抗原の発現の増加を示さず、2つの正常な細
胞集団では検出不能なままであった。
【図3a】 先述したように、ナベルビン+シスプラチン、又はタクソールとともに培養し
たHT29腺癌細胞と共に15分間インキュベートした後に、Ep−CAM抗原
に対して特異性を有する関連マウスモノクローナル抗体であるパノレックスの結
合を測定した。ナベルビン+シスプラチンで処理した細胞では抗体の結合が著し
く上昇した(34%);図3aに示されているように、対照細胞では21%であ
ったのに比べて、該細胞のうち82%は細胞周期のS期又はG/M期で停止し
ていた(タクソールで処理した細胞の方が抗体結合の増加は少なかったが(8%
)、本実験で細胞周期が停止していたのは、前記細胞の57%に留まった)。
【図4】 インビトロでヒト化323/A3 (IgG)(Ep−CAM抗原に特異性
があり、ヒトのエフェクター細胞上に存在するFc受容体と相互作用し得るヒト
化モノクローナル抗体)と共にインキュベートした腫瘍標的細胞を溶解するヒト
末梢血のADCCエフェクター細胞の能力は、ナベルビン(30nM)+シスプ
ラチン(5μM)で標的細胞を前処理すると向上した。
【図5】 ヒト腫瘍の異種移植を受けたマウスを細胞周期特異的な細胞傷害性薬剤で処理
すると、Ep−CAM特異的な抗体の腫瘍への局在が改善された。
【図6】 ヒト化323/A3(IgG)κ軽鎖のアミノ酸配列。
【図7】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のアミノ酸配列。
【図8】 pEE6のベクター地図。
【図9】 pEE12のベクター地図。
【図10】 pEE18のベクター地図。
【図11】 ヒト化323/A3(IgG4cys)κ軽鎖のアミノ酸配列。
【図12】 ヒト化323/A3(IgG4cys)変種重鎖のアミノ酸配列。
【図13】 ヒト化323/A3(IgG2cys)κ軽鎖のアミノ酸配列。
【図14】 ヒト化323/A3(IgG2cys)重鎖のアミノ酸配列。
【図15−1】 ヒト化323/A3(IgG)軽鎖のcDNA配列。
【図15−2】 ヒト化323/A3(IgG)軽鎖のcDNA配列。
【図16−1】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図16−2】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図16−3】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図17−1】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図17−2】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図17−3】 ヒト化323/A3(IgG)重鎖のcDNA配列。
【図18−1】 ヒト化323/3A(IgG2cys)重鎖のcDNA配列。
【図18−2】 ヒト化323/3A(IgG2cys)重鎖のcDNA配列。
【図18−3】 ヒト化323/3A(IgG2cys)重鎖のcDNA配列。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/4535 A61K 31/4535 31/519 31/519 31/675 31/675 31/704 31/704 31/7068 31/7068 33/24 33/24 45/00 45/00 A61P 35/00 A61P 35/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ニック、ビンセント・シー アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州 27709 リサーチ・トライアングル・パー ク、ボックス 13398、ファイブ・ムー ア・ドライブ、グラクソスミスクライン内 (72)発明者 スティムメル、ジュリー・ベス アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州 27709 リサーチ・トライアングル・パー ク、ボックス 13398、ファイブ・ムー ア・ドライブ、グラクソスミスクライン内 (72)発明者 サーモンド、リンダ・エム アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州 27709 リサーチ・トライアングル・パー ク、ボックス 13398、ファイブ・ムー ア・ドライブ、グラクソスミスクライン内 Fターム(参考) 4C084 AA17 MA02 NA14 ZB261 4C085 AA14 CC04 CC23 DD62 4C086 AA01 AA02 BA02 BB03 BC21 CB03 CB09 CB14 DA32 DA35 EA10 EA17 GA07 HA12 HA28 MA02 MA04 NA14 ZB26 4C206 AA01 AA02 FA31 MA02 NA14 ZB26

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EP−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/Mで停
    止させ得る化学療法剤と、抗Ep−CAM抗体との組合せ。
  2. 【請求項2】 前記Ep−CAM抗体が17.1A抗体である請求項1に記
    載の組合せ。
  3. 【請求項3】 前記Ep−CAM抗体がパノレックスである請求項2に記載
    の組合せ。
  4. 【請求項4】 前記化学療法剤が、UFT、カペシタビン、CPT−II、
    オキサリプラチン、5FU、5FU連続注入、パクリタキセル、ドセタキセル、
    シクロホスファミド、メトトレキサート、ドキソルビシン、ナベルビン(静脈内
    及び経口)、エピルビシン、ミトキサントロン、ラロキシフェン、シスプラチン
    、マイトマイシン、カルボプラチナ、ゲンシタビン、エトポシド、及びトポテカ
    ンから選択される1以上の薬剤である上記請求項の何れか1項に記載の組合せ。
  5. 【請求項5】 前記化学療法剤がCPT−II、5FU(連続注入)、オキ
    サリプラチン、カペシチビン、UFT、及びトムデックス(ラロキシフェン)で
    ある請求項4に記載の組合せ。
  6. 【請求項6】 前記Ep−CAMを発現している細胞が上皮由来の細胞であ
    る上記請求項の何れか1項に記載の組合せ。
  7. 【請求項7】 前記Ep−CAM抗原を発現している細胞が腫瘍細胞及びそ
    れらの転移物である先行する請求項の何れか1項に記載の組合せ。
  8. 【請求項8】 前記Ep−CAMを発現している腫瘍細胞が腺癌細胞及びそ
    れらの転移物である請求項7に記載の組合せ。
  9. 【請求項9】 前記Ep−CAMを発現している細胞が前立腺、肺、乳、胃
    、又は腸由来の細胞又はEp−CAM抗原を発現することが知られている他の腫
    瘍である請求項7及び8に記載の組合せ。
  10. 【請求項10】 抗癌療法に使用するための医薬の製造における抗EpCA
    M抗体の使用であって、Ep−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/M
    で停止させ得る化学療法剤が、抗Ep−CAM抗体とともに患者に同時投与され
    ることを特徴とする使用。
  11. 【請求項11】 前記化学療法剤が、抗Ep−CAM抗体より前に、又は抗
    Ep−CAM抗体と同時に投与される請求項10に記載の抗Ep−CAM抗体の
    使用。
  12. 【請求項12】 細胞をS又はG/Mで停止させ得る化学療法剤を、Ep
    −CAM抗体とともに患者に同時投与することを備えた抗Ep−CAM抗体の抗
    体結合を増加させる方法。
  13. 【請求項13】 前記化学療法剤の不存在下での結合と比べて、2〜10倍
    抗体結合を増加させる請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 Ep−CAM抗原を発現している細胞をS又はG/Mで
    停止させ得る化学療法剤が、抗Ep−CAM抗体とともに患者に同時投与される
    治療方法。
  15. 【請求項15】 Ep−CAM抗原を発現している細胞をG/Mで停止さ
    せ得る化学療法剤と共に抗Ep−CAM抗体を含有する薬学的組成物。
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